JPH1076406A - 硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を有する表面被覆超硬合金製切削工具 - Google Patents
硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を有する表面被覆超硬合金製切削工具Info
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- JPH1076406A JPH1076406A JP23187896A JP23187896A JPH1076406A JP H1076406 A JPH1076406 A JP H1076406A JP 23187896 A JP23187896 A JP 23187896A JP 23187896 A JP23187896 A JP 23187896A JP H1076406 A JPH1076406 A JP H1076406A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を有す
る表面被覆超硬合金製切削工具を提供する。 【解決手段】 ＷＣ基超硬合金基体の表面に、Ａｌ2 Ｏ
3 層を含む硬質被覆層、例えばＴｉＣ層、ＴｉＮ層、Ｔ
ｉＣＮ層、ＴｉＯ2 層、ＴｉＣＯ層、ＴｉＮＯ層、およ
びＴｉＣＮＯ層からなるＴｉ化合物層のうちの１種また
は２種以上と、Ａｌ2 Ｏ3 層で構成した硬質被覆層を２
〜２０μｍの平均層厚で化学蒸着および／または物理蒸
着してなる表面被覆超硬合金製切削工具において、前記
硬質被覆層を構成するＡｌ2 Ｏ3 層を、Ａｌ2 Ｏ3 の主
体がα型結晶構造を有し、かつ上側部と下側部（基体
側）で異なる結晶組織を有し、前記上側部を柱状Ａｌ2
Ｏ3 層、すなわち柱状結晶粒が縦方向に並列配置した結
晶組織とし、前記下側部を粒状Ａｌ2 Ｏ3 層、すなわち
粒状結晶組織としたＡｌ2 Ｏ3 層で構成する。
る表面被覆超硬合金製切削工具を提供する。 【解決手段】 ＷＣ基超硬合金基体の表面に、Ａｌ2 Ｏ
3 層を含む硬質被覆層、例えばＴｉＣ層、ＴｉＮ層、Ｔ
ｉＣＮ層、ＴｉＯ2 層、ＴｉＣＯ層、ＴｉＮＯ層、およ
びＴｉＣＮＯ層からなるＴｉ化合物層のうちの１種また
は２種以上と、Ａｌ2 Ｏ3 層で構成した硬質被覆層を２
〜２０μｍの平均層厚で化学蒸着および／または物理蒸
着してなる表面被覆超硬合金製切削工具において、前記
硬質被覆層を構成するＡｌ2 Ｏ3 層を、Ａｌ2 Ｏ3 の主
体がα型結晶構造を有し、かつ上側部と下側部（基体
側）で異なる結晶組織を有し、前記上側部を柱状Ａｌ2
Ｏ3 層、すなわち柱状結晶粒が縦方向に並列配置した結
晶組織とし、前記下側部を粒状Ａｌ2 Ｏ3 層、すなわち
粒状結晶組織としたＡｌ2 Ｏ3 層で構成する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】この発明は、硬質被覆層がす
ぐれた耐チッピング性を有し、したがって例えば鋼や鋳
鉄の高速切削や、高速で、かつ高送りおよび高切込みな
どの重切削などの苛酷な条件で用いた場合にも切刃にチ
ッピング（微小欠け）の発生なく、長期に亘ってすぐれ
た切削性能を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具（以
下、被覆超硬工具と云う）に関するものである。
ぐれた耐チッピング性を有し、したがって例えば鋼や鋳
鉄の高速切削や、高速で、かつ高送りおよび高切込みな
どの重切削などの苛酷な条件で用いた場合にも切刃にチ
ッピング（微小欠け）の発生なく、長期に亘ってすぐれ
た切削性能を発揮する表面被覆超硬合金製切削工具（以
下、被覆超硬工具と云う）に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、一般に、炭化タングステン基超硬
合金基体（以下、超硬基体という）の表面に、酸化アル
ミニウム（以下、Ａｌ2 Ｏ3 で示す）層を含む硬質被覆
層、例えばＴｉの炭化物（以下、ＴｉＣで示す）層、窒
化物（以下、同じくＴｉＮで示す）層、炭窒化物（以
下、ＴｉＣＮで示す）層、酸化物（以下、ＴｉＯ2 で示
す）層、炭酸化物（以下、ＴｉＣＯで示す）層、窒酸化
物（以下、ＴｉＮＯで示す）層、および炭窒酸化物（以
下、ＴｉＣＮＯで示す）層からなるＴｉ化合物層のうち
の１種または２種以上と、Ａｌ2 Ｏ3 層とで構成された
硬質被覆層を２〜２０μｍの平均層厚で化学蒸着および
／または物理蒸着してなる被覆超硬工具が知られてお
り、またこの被覆超硬工具が鋼や鋳鉄などの連続切削や
断続切削に用いられていることも知られている。さら
に、上記硬質被覆層を構成するＡｌ2 Ｏ3 層が、結晶構
造の主体がα型やκ型、あるいはα型とκ型の混合から
なり、かつ粒状結晶組織をもつことも知られている。
合金基体（以下、超硬基体という）の表面に、酸化アル
ミニウム（以下、Ａｌ2 Ｏ3 で示す）層を含む硬質被覆
層、例えばＴｉの炭化物（以下、ＴｉＣで示す）層、窒
化物（以下、同じくＴｉＮで示す）層、炭窒化物（以
下、ＴｉＣＮで示す）層、酸化物（以下、ＴｉＯ2 で示
す）層、炭酸化物（以下、ＴｉＣＯで示す）層、窒酸化
物（以下、ＴｉＮＯで示す）層、および炭窒酸化物（以
下、ＴｉＣＮＯで示す）層からなるＴｉ化合物層のうち
の１種または２種以上と、Ａｌ2 Ｏ3 層とで構成された
硬質被覆層を２〜２０μｍの平均層厚で化学蒸着および
／または物理蒸着してなる被覆超硬工具が知られてお
り、またこの被覆超硬工具が鋼や鋳鉄などの連続切削や
断続切削に用いられていることも知られている。さら
に、上記硬質被覆層を構成するＡｌ2 Ｏ3 層が、結晶構
造の主体がα型やκ型、あるいはα型とκ型の混合から
なり、かつ粒状結晶組織をもつことも知られている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削装置
の高性能化および高出力化はめざましく、かつ省力化に
対する要求も強く、これに伴い、切削加工は高速化並び
に高送りおよび高切込みなどの重切削化の傾向にある
が、上記の従来被覆超硬工具においては、これを構成す
る硬質被覆層のうち、特にＡｌ2 Ｏ3 層は耐酸化性と熱
的安定性にすぐれ、さらに高硬度を有するが、他の構成
層であるＴｉ化合物層に比して相対的に強度が低く、か
つ脆いことが原因で、例えば鋼や鋳鉄の高速切削や高速
高送り切削などの苛酷な条件での切削では切刃にチッピ
ングが発生し易く、これが原因で比較的短時間で使用寿
命に至るのが現状である。
の高性能化および高出力化はめざましく、かつ省力化に
対する要求も強く、これに伴い、切削加工は高速化並び
に高送りおよび高切込みなどの重切削化の傾向にある
が、上記の従来被覆超硬工具においては、これを構成す
る硬質被覆層のうち、特にＡｌ2 Ｏ3 層は耐酸化性と熱
的安定性にすぐれ、さらに高硬度を有するが、他の構成
層であるＴｉ化合物層に比して相対的に強度が低く、か
つ脆いことが原因で、例えば鋼や鋳鉄の高速切削や高速
高送り切削などの苛酷な条件での切削では切刃にチッピ
ングが発生し易く、これが原因で比較的短時間で使用寿
命に至るのが現状である。
【０００４】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、被覆超硬工具の硬質被覆層を構
成するＡｌ2 Ｏ3 層に着目し、これの強度および靭性向
上を図るべく研究を行った結果、一般に、上記の従来被
覆超硬工具の硬質被覆層を構成するα型結晶構造を主体
とし、かつ粒状結晶組織を有するＡｌ2 Ｏ3 層（以下、
粒状Ａｌ2 Ｏ3層と云う）は、 （ａ）反応ガス組成 容量％で、ＡｌＣｌ3 ：１〜２０％、ＣＯ2 ：０．５〜
３０％、必要に応じてＨＣｌ：１〜２０％及び／又はＨ
2 Ｓ：０．０５〜５％、Ｈ2 ：残り、 （ｂ）反応温度：９５０〜１０５０℃、 （ｃ）反応圧力：３０〜２００ｔｏｒｒ、 の条件で形成されるが、上記条件での上記粒状Ａｌ2 Ｏ
3 層の形成に際して、その途中ですでに形成されている
粒状Ａｌ2 Ｏ3 層の表面を、 （ａ）反応ガス組成 容量％で、ＨＣｌ：１〜２０％、Ｈ2 ：残り、 （ｂ）反応温度：１０００〜１１００℃、 （ｃ）反応圧力：３０〜２００ｔｏｒｒ、 の条件で処理して上記粒状Ａｌ2 Ｏ3 層の表面にＣｌを
吸着させ、この状態で再び上記条件でＡ2 Ｏ3 層の形成
を行うと、この結果形成されたＡｌ2 Ｏ3 層は、Ａｌ2
Ｏ3 の主体がα型結晶構造を有することは勿論である
が、下側部（基体側）を構成する粒状結晶組織と異な
り、前記Ｃｌの触媒作用で結晶粒が縦方向に成長して柱
状となり、この柱状結晶粒が並列配置した結晶組織（以
下、柱状Ａｌ2Ｏ3 層と云う）をもつようになり、この
柱状Ａｌ2 Ｏ3 層は、上記粒状Ａｌ2 Ｏ 3 層に比して高
強度および高靭性をもつことから、上側部が柱状Ａｌ2
Ｏ3 層で、下側部が粒状Ａｌ2 Ｏ3 層で構成されたＡｌ
2 Ｏ3 層を含む硬質被覆層はすぐれた耐チッピング性を
有するようになり、この場合上記の従来被覆超硬工具の
硬質被覆層を構成する粒状Ａｌ2 Ｏ3 層は、通常１〜１
０μｍの平均層厚で形成されるが、この平均層厚のうち
の５０〜９０％、すなわち０．５〜９μｍを柱状Ａｌ2
Ｏ3 層とするのが望ましく、したがってこの硬質被覆層
を形成してなる被覆超硬工具は、鋼や鋳鉄などの高速切
削や高速重切削などの苛酷な条件での切削にも切刃にチ
ッピングの発生がなく、すぐれた切削性能を長期に亘っ
て発揮するようになるという研究結果を得たのである。
上述のような観点から、被覆超硬工具の硬質被覆層を構
成するＡｌ2 Ｏ3 層に着目し、これの強度および靭性向
上を図るべく研究を行った結果、一般に、上記の従来被
覆超硬工具の硬質被覆層を構成するα型結晶構造を主体
とし、かつ粒状結晶組織を有するＡｌ2 Ｏ3 層（以下、
粒状Ａｌ2 Ｏ3層と云う）は、 （ａ）反応ガス組成 容量％で、ＡｌＣｌ3 ：１〜２０％、ＣＯ2 ：０．５〜
３０％、必要に応じてＨＣｌ：１〜２０％及び／又はＨ
2 Ｓ：０．０５〜５％、Ｈ2 ：残り、 （ｂ）反応温度：９５０〜１０５０℃、 （ｃ）反応圧力：３０〜２００ｔｏｒｒ、 の条件で形成されるが、上記条件での上記粒状Ａｌ2 Ｏ
3 層の形成に際して、その途中ですでに形成されている
粒状Ａｌ2 Ｏ3 層の表面を、 （ａ）反応ガス組成 容量％で、ＨＣｌ：１〜２０％、Ｈ2 ：残り、 （ｂ）反応温度：１０００〜１１００℃、 （ｃ）反応圧力：３０〜２００ｔｏｒｒ、 の条件で処理して上記粒状Ａｌ2 Ｏ3 層の表面にＣｌを
吸着させ、この状態で再び上記条件でＡ2 Ｏ3 層の形成
を行うと、この結果形成されたＡｌ2 Ｏ3 層は、Ａｌ2
Ｏ3 の主体がα型結晶構造を有することは勿論である
が、下側部（基体側）を構成する粒状結晶組織と異な
り、前記Ｃｌの触媒作用で結晶粒が縦方向に成長して柱
状となり、この柱状結晶粒が並列配置した結晶組織（以
下、柱状Ａｌ2Ｏ3 層と云う）をもつようになり、この
柱状Ａｌ2 Ｏ3 層は、上記粒状Ａｌ2 Ｏ 3 層に比して高
強度および高靭性をもつことから、上側部が柱状Ａｌ2
Ｏ3 層で、下側部が粒状Ａｌ2 Ｏ3 層で構成されたＡｌ
2 Ｏ3 層を含む硬質被覆層はすぐれた耐チッピング性を
有するようになり、この場合上記の従来被覆超硬工具の
硬質被覆層を構成する粒状Ａｌ2 Ｏ3 層は、通常１〜１
０μｍの平均層厚で形成されるが、この平均層厚のうち
の５０〜９０％、すなわち０．５〜９μｍを柱状Ａｌ2
Ｏ3 層とするのが望ましく、したがってこの硬質被覆層
を形成してなる被覆超硬工具は、鋼や鋳鉄などの高速切
削や高速重切削などの苛酷な条件での切削にも切刃にチ
ッピングの発生がなく、すぐれた切削性能を長期に亘っ
て発揮するようになるという研究結果を得たのである。
【０００５】この発明は、上記の研究結果に基づいてな
されたものであって、超硬基体の表面に、Ａｌ2 Ｏ3 層
を含む硬質被覆層、例えばＴｉＣ層、ＴｉＮ層、ＴｉＣ
Ｎ層、ＴｉＯ2 層、ＴｉＣＯ層、ＴｉＮＯ層、およびＴ
ｉＣＮＯ層からなるＴｉ化合物層のうちの１種または２
種以上と、Ａｌ2 Ｏ3 層とで構成された硬質被覆層を２
〜２０μｍの平均層厚で形成してなる被覆超硬工具にお
いて、前記硬質被覆層を構成するＡｌ2 Ｏ3 層を、Ａｌ
2 Ｏ3 の主体がα型結晶構造を有し、かつ上側部と下側
部（基体側）で異なる結晶組織を有し、前記上側部を柱
状Ａｌ2 Ｏ3 層、すなわち柱状結晶粒が縦方向に並列配
置した結晶組織とし、前記下側部を粒状Ａｌ2 Ｏ3 層、
すなわち粒状結晶組織としたＡｌ2 Ｏ3 層で構成してな
る、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を有する被覆
超硬工具に特徴を有するものである。
されたものであって、超硬基体の表面に、Ａｌ2 Ｏ3 層
を含む硬質被覆層、例えばＴｉＣ層、ＴｉＮ層、ＴｉＣ
Ｎ層、ＴｉＯ2 層、ＴｉＣＯ層、ＴｉＮＯ層、およびＴ
ｉＣＮＯ層からなるＴｉ化合物層のうちの１種または２
種以上と、Ａｌ2 Ｏ3 層とで構成された硬質被覆層を２
〜２０μｍの平均層厚で形成してなる被覆超硬工具にお
いて、前記硬質被覆層を構成するＡｌ2 Ｏ3 層を、Ａｌ
2 Ｏ3 の主体がα型結晶構造を有し、かつ上側部と下側
部（基体側）で異なる結晶組織を有し、前記上側部を柱
状Ａｌ2 Ｏ3 層、すなわち柱状結晶粒が縦方向に並列配
置した結晶組織とし、前記下側部を粒状Ａｌ2 Ｏ3 層、
すなわち粒状結晶組織としたＡｌ2 Ｏ3 層で構成してな
る、硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を有する被覆
超硬工具に特徴を有するものである。
【０００６】なお、この発明の被覆超硬工具において、
硬質被覆層のうちのＡｌ2 Ｏ3 層の上側部を構成する柱
状Ａｌ2 Ｏ3 層の平均層厚は、上記の通り０．５〜９μ
ｍであるのが望ましいが、これはその層厚が０．５μｍ
未満では所望のすぐれた耐チッピング性を確保すること
ができず、一方その層厚が９μｍを越えると結晶粒に粒
状化傾向が現れるようになり、耐チッピング性の低下は
避けられないという理由によるものであり、また、硬質
被覆層の平均層厚を２〜２０μｍとしたのは、その層厚
が２μｍ未満では所望のすぐれた耐摩耗性を確保するこ
とができず、一方その層厚が２０μｍを越えると、耐欠
損性が低下するようになるという理由からである。
硬質被覆層のうちのＡｌ2 Ｏ3 層の上側部を構成する柱
状Ａｌ2 Ｏ3 層の平均層厚は、上記の通り０．５〜９μ
ｍであるのが望ましいが、これはその層厚が０．５μｍ
未満では所望のすぐれた耐チッピング性を確保すること
ができず、一方その層厚が９μｍを越えると結晶粒に粒
状化傾向が現れるようになり、耐チッピング性の低下は
避けられないという理由によるものであり、また、硬質
被覆層の平均層厚を２〜２０μｍとしたのは、その層厚
が２μｍ未満では所望のすぐれた耐摩耗性を確保するこ
とができず、一方その層厚が２０μｍを越えると、耐欠
損性が低下するようになるという理由からである。
【０００７】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の被覆超硬工具
を実施例により具体的に説明する。原料粉末として、 平均粒径：１．５μｍの細粒ＷＣ粉末、同５μｍの粗粒
ＷＣ粉末、同１．２μｍの（Ｔｉ，Ｗ）ＣＮ（重量比
で、以下同じ、ＴｉＣ／ＴｉＮ／ＷＣ＝２４／２０／５
６）粉末、同１．３μｍの（Ｔａ，Ｎｂ）Ｃ（ＴａＣ／
ＮｂＣ＝９０／１０）粉末、同１μｍのＣｒ粉末、およ
び同１．２μｍのＣｏ粉末を用意し、これら原料粉末を
表１に示される配合組成に配合し、ボールミルで７２時
間湿式混合し、乾燥した後、ＩＳＯ・ＣＮＭＧ１２０４
０８に定める形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体
を同じく表１に示される条件で真空焼結することにより
超硬基体Ａ〜Ｅをそれぞれ製造した。なお、表１には、
上記超硬基体Ａ〜Ｅの内部硬さ（ロックウエル硬さＡス
ケール）をそれぞれ示した。
を実施例により具体的に説明する。原料粉末として、 平均粒径：１．５μｍの細粒ＷＣ粉末、同５μｍの粗粒
ＷＣ粉末、同１．２μｍの（Ｔｉ，Ｗ）ＣＮ（重量比
で、以下同じ、ＴｉＣ／ＴｉＮ／ＷＣ＝２４／２０／５
６）粉末、同１．３μｍの（Ｔａ，Ｎｂ）Ｃ（ＴａＣ／
ＮｂＣ＝９０／１０）粉末、同１μｍのＣｒ粉末、およ
び同１．２μｍのＣｏ粉末を用意し、これら原料粉末を
表１に示される配合組成に配合し、ボールミルで７２時
間湿式混合し、乾燥した後、ＩＳＯ・ＣＮＭＧ１２０４
０８に定める形状の圧粉体にプレス成形し、この圧粉体
を同じく表１に示される条件で真空焼結することにより
超硬基体Ａ〜Ｅをそれぞれ製造した。なお、表１には、
上記超硬基体Ａ〜Ｅの内部硬さ（ロックウエル硬さＡス
ケール）をそれぞれ示した。
【０００８】ついで、これらの超硬基体Ａ〜Ｅの表面
に、ホーニングを施した状態で、通常の化学蒸着装置を
用い、表２に示される条件にて、表３、４に示される組
成および平均層厚のＴｉ化合物層およびＡｌ2 Ｏ3 層を
形成し、この場合柱状Ａｌ2 Ｏ 3 層の形成は、所定層厚
の粒状Ａｌ2 Ｏ3 層の形成後に、ＨＣｌ：３容量％、Ｈ
2 ：残り、からなる組成を有する反応ガスを用い、雰囲
気温度：１０５０℃、雰囲気圧力：５０ｔｏｒｒ、保持
時間：１５分の条件で、すでに形成されている前記粒状
Ａｌ2 Ｏ3 層の表面を処理して、その表面にＣｌを吸着
させた状態で行うことにより本発明被覆超硬工具１〜１
２および従来被覆超硬工具１〜１２をそれぞれ製造し
た。
に、ホーニングを施した状態で、通常の化学蒸着装置を
用い、表２に示される条件にて、表３、４に示される組
成および平均層厚のＴｉ化合物層およびＡｌ2 Ｏ3 層を
形成し、この場合柱状Ａｌ2 Ｏ 3 層の形成は、所定層厚
の粒状Ａｌ2 Ｏ3 層の形成後に、ＨＣｌ：３容量％、Ｈ
2 ：残り、からなる組成を有する反応ガスを用い、雰囲
気温度：１０５０℃、雰囲気圧力：５０ｔｏｒｒ、保持
時間：１５分の条件で、すでに形成されている前記粒状
Ａｌ2 Ｏ3 層の表面を処理して、その表面にＣｌを吸着
させた状態で行うことにより本発明被覆超硬工具１〜１
２および従来被覆超硬工具１〜１２をそれぞれ製造し
た。
【０００９】つぎに、上記本発明被覆超硬工具１〜１２
および従来被覆超硬工具１〜１２について、 被削材：ＦＣ３００（硬さ：ＨB １８０）の丸棒、 切削速度：４００ｍ／ｍｉｎ．、 切込み：２ｍｍ、 送り：０．４ｍｍ／刃、 切削時間：１５分、 の条件での鋳鉄の湿式連続高速高送り切削試験、並び
に、 被削材：ＪＩＳ・ＳＣＭ４４０（硬さ：ＨB ２２０）の
丸棒、 切削速度：３５０ｍ／ｍｉｎ．、 切込み：２ｍｍ．、 送り：０．４ｍｍ／刃、 切削時間：１０分、 の条件での合金鋼の乾式連続高速高送り切削試験を行
い、いずれの切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定し
た。これらの測定結果を表５に示した。
および従来被覆超硬工具１〜１２について、 被削材：ＦＣ３００（硬さ：ＨB １８０）の丸棒、 切削速度：４００ｍ／ｍｉｎ．、 切込み：２ｍｍ、 送り：０．４ｍｍ／刃、 切削時間：１５分、 の条件での鋳鉄の湿式連続高速高送り切削試験、並び
に、 被削材：ＪＩＳ・ＳＣＭ４４０（硬さ：ＨB ２２０）の
丸棒、 切削速度：３５０ｍ／ｍｉｎ．、 切込み：２ｍｍ．、 送り：０．４ｍｍ／刃、 切削時間：１０分、 の条件での合金鋼の乾式連続高速高送り切削試験を行
い、いずれの切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定し
た。これらの測定結果を表５に示した。
【００１０】
【表１】
【００１１】
【表２】
【００１２】
【表３】
【００１３】
【表４】
【００１４】
【表５】
【００１５】
【発明の効果】表３〜５に示される結果から、硬質被覆
層におけるＡｌ2 Ｏ3 層の上側部が柱状Ａｌ2 Ｏ3 層
で、下側部が粒状Ａｌ2 Ｏ3 層で構成された本発明被覆
超硬工具１〜１２は、これの全体が粒状Ａｌ2 Ｏ3 層で
構成された従来被覆超硬工具１〜１２に比して、前記柱
状Ａｌ2 Ｏ3 層が前記粒状Ａｌ2 Ｏ3 層に比して高強度
および高靭性をもつことから、苛酷な切削条件となる鋳
鉄および鋼の高速高送り切削でも切刃にチッピングの発
生なく、すぐれた切削性能を長期に亘って発揮するのに
対して、従来被覆超硬工具１〜１２においては、粒状Ａ
ｌ2 Ｏ3 層が原因で切刃にチッピングの発生は避けられ
ず、いずれもこれが原因で比較的短時間で使用寿命に至
ることが明らかである。上述のように、この発明の被覆
超硬工具は、これを構成する硬質被覆層のうちのＡｌ2
Ｏ3 層が柱状Ａｌ2 Ｏ3 層の上側部と粒状Ａｌ2 Ｏ3 層
の下側部で構成され、これによってすぐれた耐チッピン
グ性を有するようになるので、鋼や鋳鉄などの通常の条
件での連続切削や断続切削は勿論のこと、高速切削や高
速高送りおよび高切込み切削などの苛酷な条件での切削
に用いた場合にも切刃にチッピングの発生なく、長期に
亘ってすぐれた切削性能を発揮するものであり、したが
って切削装置の高性能化および高出力化に十分に対応で
き、かつ省力化にも寄与するものである。
層におけるＡｌ2 Ｏ3 層の上側部が柱状Ａｌ2 Ｏ3 層
で、下側部が粒状Ａｌ2 Ｏ3 層で構成された本発明被覆
超硬工具１〜１２は、これの全体が粒状Ａｌ2 Ｏ3 層で
構成された従来被覆超硬工具１〜１２に比して、前記柱
状Ａｌ2 Ｏ3 層が前記粒状Ａｌ2 Ｏ3 層に比して高強度
および高靭性をもつことから、苛酷な切削条件となる鋳
鉄および鋼の高速高送り切削でも切刃にチッピングの発
生なく、すぐれた切削性能を長期に亘って発揮するのに
対して、従来被覆超硬工具１〜１２においては、粒状Ａ
ｌ2 Ｏ3 層が原因で切刃にチッピングの発生は避けられ
ず、いずれもこれが原因で比較的短時間で使用寿命に至
ることが明らかである。上述のように、この発明の被覆
超硬工具は、これを構成する硬質被覆層のうちのＡｌ2
Ｏ3 層が柱状Ａｌ2 Ｏ3 層の上側部と粒状Ａｌ2 Ｏ3 層
の下側部で構成され、これによってすぐれた耐チッピン
グ性を有するようになるので、鋼や鋳鉄などの通常の条
件での連続切削や断続切削は勿論のこと、高速切削や高
速高送りおよび高切込み切削などの苛酷な条件での切削
に用いた場合にも切刃にチッピングの発生なく、長期に
亘ってすぐれた切削性能を発揮するものであり、したが
って切削装置の高性能化および高出力化に十分に対応で
き、かつ省力化にも寄与するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｃ３０Ｂ 29/20 Ｃ３０Ｂ 29/20
Claims (2)
- 【請求項１】 炭化タングステン基超硬合金基体の表面
に、酸化アルミニウム層を含む硬質被覆層を２〜２０μ
ｍの平均層厚で化学蒸着および／または物理蒸着してな
る表面被覆超硬合金製切削工具において、 前記硬質被覆層を構成する酸化アルミニウム層を、酸化
アルミニウムの主体がα型結晶構造を有し、かつ上側部
と下側部（基体側）で異なる結晶組織を有し、前記上側
部を柱状結晶粒が縦方向に並列配置した結晶組織とし、
前記下側部を粒状結晶組織とした酸化アルミニウム層で
構成したことを特徴とする硬質被覆層がすぐれた耐チッ
ピング性を有する表面被覆超硬合金製切削工具。 - 【請求項２】 炭化タングステン基超硬合金基体の表面
に、Ｔｉの炭化物層、窒化物層、炭窒化物層、酸化物
層、炭酸化物層、窒酸化物層、および炭窒酸化物層から
なるＴｉ化合物層のうちの１種または２種以上と、酸化
アルミニウム層とで構成された硬質被覆層を２〜２０μ
ｍの平均層厚で化学蒸着および／または物理蒸着してな
る表面被覆超硬合金製切削工具において、 前記硬質被覆層を構成する酸化アルミニウム層を、酸化
アルミニウムの主体がα型結晶構造を有し、かつ上側部
と下側部（基体側）で異なる結晶組織を有し、前記上側
部を柱状結晶粒が縦方向に並列配置した結晶組織とし、
前記下側部を粒状結晶組織とした酸化アルミニウム層で
構成したことを特徴とする硬質被覆層がすぐれた耐チッ
ピング性を有する表面被覆超硬合金製切削工具。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23187896A JPH1076406A (ja) | 1996-09-02 | 1996-09-02 | 硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を有する表面被覆超硬合金製切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP23187896A JPH1076406A (ja) | 1996-09-02 | 1996-09-02 | 硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を有する表面被覆超硬合金製切削工具 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1076406A true JPH1076406A (ja) | 1998-03-24 |
Family
ID=16930446
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP23187896A Pending JPH1076406A (ja) | 1996-09-02 | 1996-09-02 | 硬質被覆層がすぐれた耐チッピング性を有する表面被覆超硬合金製切削工具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1076406A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| WO2004097062A1 (ja) * | 2003-04-30 | 2004-11-11 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho | アルミナ保護膜およびその製造方法 |
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| JP2012061538A (ja) * | 2010-09-15 | 2012-03-29 | Mitsubishi Materials Corp | 硬質被覆層がすぐれた靭性、耐チッピング性を備える表面被覆切削工具 |
| CN103084599A (zh) * | 2011-10-31 | 2013-05-08 | 三菱综合材料株式会社 | 硬质包覆层发挥优异的耐崩刀性的表面包覆切削工具 |
| JP2013094853A (ja) * | 2011-10-28 | 2013-05-20 | Mitsubishi Materials Corp | 硬質被覆層が高速断続切削ですぐれた耐剥離性を発揮する表面被覆切削工具 |
| CN103128325A (zh) * | 2011-11-30 | 2013-06-05 | 三菱综合材料株式会社 | 硬质包覆层发挥优异的耐崩刀性的表面包覆切削工具 |
-
1996
- 1996-09-02 JP JP23187896A patent/JPH1076406A/ja active Pending
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| US7955722B2 (en) | 2003-04-30 | 2011-06-07 | Kobe Steel, Ltd. | Protective alumina film and production method thereof |
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| DE112004000720B4 (de) | 2003-04-30 | 2019-09-19 | Kabushiki Kaisha Kobe Seiko Sho (Kobe Steel, Ltd.) | Aluminiumoxidschutzschicht und Herstellungsverfahren dafür |
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| CN102407352A (zh) * | 2010-09-15 | 2012-04-11 | 三菱综合材料株式会社 | 硬质包覆层具备优异韧性、耐崩刀性的表面包覆切削工具 |
| JP2013094853A (ja) * | 2011-10-28 | 2013-05-20 | Mitsubishi Materials Corp | 硬質被覆層が高速断続切削ですぐれた耐剥離性を発揮する表面被覆切削工具 |
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