JPH1074350A - メディア用スペーサとメディア用クランプおよびハードディスク装置 - Google Patents

メディア用スペーサとメディア用クランプおよびハードディスク装置

Info

Publication number
JPH1074350A
JPH1074350A JP10913297A JP10913297A JPH1074350A JP H1074350 A JPH1074350 A JP H1074350A JP 10913297 A JP10913297 A JP 10913297A JP 10913297 A JP10913297 A JP 10913297A JP H1074350 A JPH1074350 A JP H1074350A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spacer
media
medium
hard disk
clamp
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10913297A
Other languages
English (en)
Inventor
Heikichi Hachiman
兵吉 八幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Soode Nagano Co Ltd
Original Assignee
Soode Nagano Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Soode Nagano Co Ltd filed Critical Soode Nagano Co Ltd
Priority to JP10913297A priority Critical patent/JPH1074350A/ja
Publication of JPH1074350A publication Critical patent/JPH1074350A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Holding Or Fastening Of Disk On Rotational Shaft (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレス加工等やバレル研磨処理の際に付着し
た異物の脱落を防止できると共に、表面に傷が付きにく
くメディアに悪影響を与えないメディア用スペーサを提
供する。 【解決手段】 ハードディスク装置内に設けられた回転
柱体に複数のメディアと共に外嵌されて積層され、メデ
ィア同志を所定の間隔で保持するメディア用スペーサ2
6において、金属材料を用いてリング状に形成し、さら
にその表面には硬質金属系表面処理またはセラミック溶
射による皮膜36を形成する。この皮膜36がプレス加
工等やバレル研磨処理の際に付着した異物38を覆うの
で、異物38の脱落を防止できる。また、表面の硬度が
上がり傷が付きにくくなり、メディアに歪みを発生させ
ることもない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハードディスク装置
内に設けられた回転柱体に複数のメディアと共に装着さ
れるメディア用スペーサとメディア用クランプに関す
る。またそのスペーサとクランプを用いたハードディス
ク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハードディスク装置におけるメディアの
一般的な固定構造について図1を用いて説明する。10
は電動モータであり、ハードディスク装置の外形が箱型
に形成されたシャーシ12の一部に固定されている。1
4は電動モータ10の回転シャフト16に取り付けられ
た回転柱体である。この回転柱体14のシャーシ12側
の端部(下端部)にはフランジ部18が形成されてい
る。また、回転柱体14の上面には雌ネジ孔20が設け
られている。22はメディア(磁気ディスクともいう)
であり、硝子材料を用いて薄い円板状に形成されてい
る。メディア22の中央部分には、回転柱体14の外径
より若干大径の装着孔24が設けられており、装着孔2
4内に回転柱体14を挿入して回転柱体14に外嵌した
状態で装着可能となっている。このメディア22は表面
に磁性材料(不図示)が塗布され、この磁性材料に磁気
ヘッド25によって、データの記録が行われ、また記録
したデータの読みだしが行われる。
【0003】26はスペーサである。このスペーサ26
は図2と図3に示すように回転柱体14に外嵌可能なリ
ング状に形成されており、複数のメディア22と共に回
転柱体14に、メディア22間に介挿されて装着され
る。スペーサ26の内径は回転柱体14の外径より若干
大径に形成され、その外径は回転柱体14のフランジ部
18の外径と略同径に形成されている。28はクランプ
であり、メディア22を回転柱体14に固定するための
部材である。このクランプ28は図7と図8に示すよう
にスペーサ26と略同じ外径を有する薄い円板状に形成
され、その中央部分に透孔30が設けられ、また外縁部
分には周方向に沿って凹溝32が周設されている。そし
てクランプ28は図1に示すように、複数のメディア2
2とスペーサ26が、回転柱体14に一つおきに積層さ
れた状態で外嵌された後に、回転柱体14の上面に雄螺
34を用いて固定される。その際に凹溝32の下端が最
上位に配されたスペーサ26を下方に押圧するので、複
数のメディア22とスペーサ26はフランジ部18との
間で挟んで回転柱体14に固定されることになる。この
クランプ28は雄螺34により螺子締められた際に、中
央部分が凹んで弾性変形し、その弾性変形による弾性力
をもって凹溝32と当接するスペーサ26を下方に押圧
する。
【0004】従来、メディア用スペーサ26やクランプ
28は、金属材料をプレス、または切削・研削加工して
し、表面をバレル研磨処理とラッピング処理した後に、
特にバレル研磨の際に付着する比較的大きな砥粒(アル
ミナ等)を取り除くために洗浄を行っている。なお、メ
ディア用スペーサやメディア用クランプの素材としてス
テンレスを用いた場合には錆の発生を防止するために、
洗浄後に酸化皮膜を表面に形成する工程を追加してい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来のメディア用スペーサ26やクランプ28には次の
様な課題が有る。メディア22は電動モータ10によっ
て回転駆動される回転柱体14と共に、高速回転し、大
量のデータが磁気ヘッドによって読みだされる。そして
磁気ヘッドとメディア22の表面との間の隙間は大変に
狭いため、メディア22の磁気ヘッドに対する高度の平
坦度やメディア22相互間の平行度が要求される。つま
り、メディア22を支持するスペーサ26のメディア2
2との当接面の平坦度や当接面間の平行度も厳しい寸法
精度が要求されるのである。具体的には平行度で5ミク
ロン程度、平坦度で1.5ミクロン程度である。よっ
て、このような大変厳しい寸法精度が必要とされる程に
磁気ヘッドとメディア22の表面との間の隙間は狭いと
いうことであるため、微小な異物であってもメディア2
2の表面に付着していると、場合によっては磁気ヘッド
と当接して回転するメディア22の表面に塗布・形成さ
れた磁性材料層を破壊してハードディスク装置を損傷さ
せるおそれがある。
【0006】そこで従来も上述したように、プレス加工
とバレル研磨処理を行った後に、洗浄を行い、砥粒等の
異物を取り除くようにしているが、洗浄(一例として超
音波洗浄等)だけでは完全に異物を取り除くことはでき
ない。そして洗浄によっても落ちないような異物は当初
はしっかりとメディア用スペーサやクランプの表面に付
着しているが、回転柱体14と共にハードディスク装置
の作動中は常時高速回転しているために、長年の使用に
よって脱落してメディア22上に落下する可能性があ
り、ハードディスク装置の損傷の原因になるおそれがあ
るという課題がある。
【0007】また、従来のメディア用スペーサやクラン
プは、ステンレス系金属やアルミ系金属等を単体で使用
して製造されていた。よって、製作時や搬送時において
スペーサやクランプ同志が当接した場合には当接箇所に
凹部ができると共に、金属材料のために凹部の周縁には
逆に凸部が形成される。特に、メディア22間に介挿さ
れてメディア22同志を平行かつ、所定の間隔に保つよ
うに機能するスペーサ26の場合には、このような凸部
がメディア22との当接面に生ずると、スペーサ26と
メディア22とはクランプ28によって所定の圧力で締
めつけられるためにメディア22に歪みを生じさせる。
この歪みはメディア22にデータを記録したり、データ
を読みだしたりする際の磁気ヘッドの誤動作の原因とな
り、ハードディスク装置の信頼性が低下するといった課
題もある。また、金属単体の場合には錆が発生する可能
性も高く、この錆がメディア22上に落下して故障の原
因ともなるといった課題もある。
【0008】従って、本発明は上記課題を解決すべくな
され、その目的とするところは、砥粒や塵埃等の異物を
容易に除去できると共に、メディアへの異物の飛散を防
ぎ、確実にメディアを平行に挟み付けることができるメ
ディア用スペーサとクランプを提供することにある。ま
たこのスペーサとクランプを用いることで誤動作が少な
く信頼性の高いハードディスク装置を提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するため次の構成を備える。すなわち、本発明に係る請
求項1記載のメディア用スペーサは、ハードディスク装
置内に設けられた回転柱体に複数のメディアと共に外嵌
されて積層され、該メディア同志を所定の間隔で保持す
るメディア用スペーサにおいて、金属材料を用いてリン
グ状に形成されると共に、表面には硬質金属系表面処理
またはセラミック溶射による皮膜が形成されていること
を特徴とする。この構成によれば、プレス加工等やバレ
ル研磨処理の際に表面に砥粒等の異物が付着していて
も、表面に形成された硬質金属系表面処理またはセラミ
ック溶射による皮膜が異物を覆うために、この異物が表
面から脱落してメディア上に付着することを有効に防止
できる。また、皮膜が形成されることによって表面硬度
が高まり、製造時や搬送時において他の部品と当たって
も傷が付きにくく、メディアとの当接面の平面度を保持
でき、メディアと当接した際にメディアを歪ませること
がない。また、汚れや錆も発生しにくいので、錆のメデ
ィアへの落下によるハードディスク装置の動作不良も防
止できる。また、軽量ではあるが比較的柔らかで、従来
は傷が付きやすいことから使用できなかったアルミニウ
ムやステンレス等の軽量な金属材料でも表面硬度が上が
り使用できるために、スペーサ自体の軽量化も可能とな
る。
【0010】また、請求項2記載のメディア用スペーサ
は、ハードディスク装置内に設けられた回転柱体に複数
のメディアと共に外嵌されて積層され、該メディア同志
を所定の間隔で保持するメディア用スペーサにおいて、
金属材料を用いてリング状に形成されると共に、表面に
は硬質金属系表面処理による内層皮膜とセラミック溶射
による外層皮膜とが形成されていることを特徴とする。
この構成によれば、所定の厚さの被膜を形成する場合
に、皮膜全部を金属系の素材で形成する場合と比べてセ
ラミックの比重が金属材料より小さいことからスペーサ
全体の重量をさらに低減できる。よって、ハードディス
ク装置のメディアの回転速度の加速・減速を短時間で行
えるようになり、アクセス速度の向上が図れる。
【0011】また、両側面側の表面は、具体的にはラッ
ピング処理されて互いに平行な平面に形成されている。
これにより、メディア同志の間隔が一定に保てると共
に、メディアを歪ませることがない。
【0012】また、請求項4記載のメディア用スペーサ
は、ハードディスク装置内に設けられた回転柱体に複数
のメディアと共に外嵌されて積層され、該メディア同志
を所定の間隔で保持するメディア用スペーサにおいて、
硝子を用いてリング状に形成されると共に、表面には導
電性被膜が形成されていることを特徴とする。この構成
によれば、メディアが硝子製の場合、スペーサとメディ
アの熱膨張係数を揃えることが可能となり、温度変化に
伴う双方の熱膨張差が少なくなるのでメディアの歪みを
低減できる。また、導電性被膜が形成されているため、
メディアに帯電した静電気をスペーサを介してハードデ
ィスク装置の金属シャーシ等へ逃がすことが可能とな
り、静電気によってメディアに記憶されたデータが破壊
されることを防止でき、その結果ハードディスク装置の
信頼性が高まる。
【0013】本発明に係る請求項5記載のメディア用ク
ランプは、ハードディスク装置内に設けられた回転柱体
の上面にネジ止めされて、該回転柱体に積層された複数
のメディアを回転柱体に固定するクランプにおいて、金
属材料を用いて円板状に形成されると共に、表面には硬
質金属系表面処理またはセラミック溶射による皮膜が形
成されていることを特徴とする。この構成によれば、プ
レス加工等やバレル研磨処理の際に表面に砥粒等の異物
が付着していても、表面に形成された硬質金属系表面処
理またはセラミック溶射による皮膜が異物を覆うため
に、この異物が表面から脱落してメディア上に付着する
ことを有効に防止できる。また、皮膜が形成されること
によって表面硬度が高まり、製造時や搬送時において他
の部品と当たっても傷が付きにくく、また汚れや錆も発
生しにくいので、錆等の異物の発生を防止でき、ハード
ディスク装置内部をクリーンに保てる。よってハードデ
ィスク装置の動作不良も防止できる。また、上述したよ
うなメディア用スペーサやクランプを用いると、動作不
良の少ない信頼性の高いハードディスク装置を実現でき
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るメディア用ス
ペーサとメディア用クランプ、およびこれらを用いたハ
ードディスク装置の好適な実施の形態を添付図面に基づ
いて詳細に説明する。なお、ハードディスク装置のメデ
ィアの固定構造は、従来技術で説明した一般的な固定構
造と同一であり、詳細な説明は省略する。
【0015】(第1の実施の形態)まず、メディア用ス
ペーサ26の製造方法と共にその構造について図2〜図
6を用いて説明する。最初に、ステンレス系金属材料
(JISに基づく表示によるSUS430等)やアルミ
系金属材料を用い、プレス加工または切削・研削加工ま
たは成型加工等によって図2に示すようなリング状のス
ペーサ基材26aを製造する。スペーサ基材26aは回
転柱体14に外嵌可能なように、その内径は回転柱体1
4の外径より若干大径に形成され、外径は回転柱体14
のフランジ部18の外径と略同径に形成される。
【0016】続いて、プレス加工等によりリング状に形
成される際にスペーサ基材26aの外表面に生じたバリ
を取り除くために、スペーサ基材26aに対してバレル
研磨処理が行われる。さらに、バレル研磨処理によって
荒らされた表面を滑らかにする表面仕上げと寸法誤差の
調整を兼ねてラッピング処理が行われる。そしてプレス
加工等やバレル研磨処理の際に表面に付着した異物(ア
ルミナ粉や粉状の切削・研磨屑等)を除去するために洗
浄される。従来ではこのスペーサ基材26aそれ自体が
スペーサ26となっていた。一方、本発明では、さらに
この後に硬質金属系表面処理またはセラミック溶射によ
ってスペーサ基材26aの表面に皮膜36が形成されて
スペーサ26の原型となる。なお、ここで硬質金属系表
面処理とは、硬質クローム処理、クローム処理、ニッケ
ルメッキ、チタンコーティング等をいう。またメッキ処
理による皮膜36の厚さは通常は約10ミクロンであ
り、またセラミック溶射による皮膜36の厚さは通常は
約50ミクロンである。これら皮膜36の厚さは、後述
する寸法誤差の調整の為のラッピング代を考慮し、ラッ
ピング処理により平坦に形成された後においても異物の
直径よりも厚くなるように設定されている。
【0017】その後、図4に示すように再度スペーサ2
6の寸法誤差の調整を行うために、メディア22と当接
する両側面(図4の上下面)をラッピング処理して皮膜
36の斜線部分を取り除き、両側面の表面が平坦にな
り、かつ互いに平行となるように形成する。そして最後
に洗浄してスペーサ26が完成する。なお、スペーサ2
6に皮膜36を形成する場合には図4に示すように表面
全体に施すようにしても良いし、また図5に示すように
特にメディア22と当接する両側面にのみ皮膜36を形
成するようにしても良い。この場合にはセラミック溶射
によって皮膜36の形成が可能である。図5の斜線部分
も図4の場合と同様にラッピング処理により取り除かれ
てスペーサ26の両側面が平坦化される。
【0018】本実施の形態のスペーサ26の特徴点は、
このようにスペーサ26の表面に皮膜36を形成するこ
とである。この皮膜36によって、プレス加工等やバレ
ル研磨処理の際に、またはその後にスペーサ基材26a
の表面に砥粒等の異物が付着していても、図6に示すよ
うに表面に形成された硬質金属系表面処理またはセラミ
ック溶射による皮膜36が異物38を覆うために、この
異物38がスペーサ26の表面から脱落してメディア2
2上に付着することを有効に防止できる。また、硬質系
金属やセラミック等の硬度の高い皮膜36が形成される
ことによってスペーサ26の表面硬度が例えばSUS4
30の場合には単体ではHV(VickersHardness)18
0程度のものがHV500程度まで高まる。よって、製
造時や搬送時において他の部品と当たっても表面に傷が
付きにくく、メディア22との当接面の平坦度を保持で
き、メディア22と当接した際にメディア22を歪ませ
ることがない。また、汚れや錆も発生しにくいので、錆
のメディア22への落下によるハードディスク装置の動
作不良も防止できる。
【0019】(第2の実施の形態)本実施の形態のスペ
ーサの特徴点は、第1の実施の形態で説明した皮膜36
が図7に示すようにスペーサ基材26aの表面に2層に
形成されている点である。具体的には、第1の実施の形
態で説明した皮膜形成工程と同様に最初に硬質金属系表
面処理により内層皮膜36aを形成する。その後、さら
にセラミック溶射により外層皮膜36bを形成する。こ
れにより、第1の実施の形態と同じ厚さの皮膜36を形
成した場合に、皮膜36全部を金属系の素材で形成する
場合と比べてセラミックの比重が金属材料より小さいこ
とからスペーサ26全体の重量を低減できる。よって、
ハードディスク装置のメディア22の回転速度の加速・
減速を短時間で行えるようになり、アクセス速度の向上
が図れる。
【0020】(第3の実施の形態)本実施の形態のスペ
ーサの特徴点は、スペーサ26を硝子を用いて形成する
点である。このようにスペーサ26をメディア22と同
じ材料である硝子(熱膨張率は約9〜10×10-6/℃)で
作ることによって、上述した第1、第2の実施の形態の
ようにスペーサ26を金属材料(ステンレス鋼の熱膨張
率は約17.3×10-6/℃)を用いて形成する場合に比べ
て、温度変化に伴って両者間に生ずる熱膨張率の差によ
る延び量の差が小さくなる。よって、延び量の差により
スペーサ26からメディア22に作用する力がスペーサ
26が金属材料で形成されている場合と比べて小さくな
り、メディア22の歪みも少なくすることができ、メデ
ィア22の平面性およびメディア22相互間の平行度も
確保できるという効果がある。
【0021】また、硝子でスペーサ26を製造する場合
には、まず内部空間形状が環状となる型内に融けた硝子
を流し込み、図2に示すような硝子製のリング材を形成
する。次に、メディア22との当接面である両側面を研
磨して平坦度と平行度を出す。最後に研磨の際に生じた
硝子粉を水ベースの洗浄槽を用いて洗浄し、終了する。
前述したように、硝子製のスペーサ26では金属製のス
ペーサ26のように切削工程等において切削油を用いな
いため、水による一般的な超音波洗浄等によって洗浄時
間を短時間で済ませることができ、作業性の向上が図れ
る。また、硝子は金属材料のように錆びることはないの
で、錆がメディア22上に落下することがない。
【0022】また、比重が金属材料に比べて小さいため
にスペーサ26の重量を軽くできる。よって、同一のト
ルクを発生するモータで駆動した場合に、ハードディス
ク装置のメディア22の回転速度の加速・減速を短時間
で行えるようになり、アクセス速度の向上が図れる。ま
た、高速回転に対して片芯荷重の減少が図れる。 ま
た、硬度が金属材料に比べて一般的に高く、表面に傷が
付きにくい。また仮に欠けたとしても、欠けた部分の周
辺は金属材料のように凸状に盛り上がらず、当初の平坦
度が確保される。よって、メディア22を挟持する際に
メディア22を歪ませることはない。また、材料費その
ものが金属材料に比べて安価であるため、製品費を下げ
ることが可能となる。
【0023】なお、硝子の例を次に挙げる。 (1)並硝子(ソーダ硝子):主成分は、酸化ナトリウ
ム、酸化カルシウム、二酸化ケイ素、 (2)鉛硝子:主成分は、酸化鉛、酸化カリウム、二酸
化ケイ素、 (3)硬質二級硝子:主成分は、酸化ナトリウム、酸化
ホウ素、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素、 (4)硬質一級硝子:主成分は、酸化ナトリウム、酸化
ホウ素、酸化アルミニウム、二酸化ケイ素である。
【0024】また、硝子製のスペーサ26の表面全体に
導電性皮膜を形成しておき、高速回転による空気との摩
擦によってメディア22上に帯電した静電気をスペーサ
26、回転柱体14を介してシャーシ12に逃がす構造
としてもよい。導電性皮膜は、硝子製のスペーサ26の
表面に、アルミニウム、マグネシウム、銅、クロム、マ
ンガン、鉄、コバルト、ニッケル、チタン等の導電性の
金属分子を、真空蒸着、イオンプレーティング、スパッ
タリング等の方法によりコーティングして形成する。な
お、導電性皮膜はスペーサ26の表面全体に形成する構
成でもよいが、少なくともメディア22と接触する両側
面と、この両側面を電気的に導通させるように内周面も
しくは外周面の一部のみに導電路として形成するように
してもよい。このスペーサ26の断面構造(一例として
表面全体に導電性被膜が形成されたもの)を、第1の実
施の形態で用いた図6のスペーサと比較しつつ説明する
と、スペーサ基材26aが硝子製となり、その表面に形
成された被膜36が導電性皮膜となる。このようにメデ
ィア22に帯電した静電気をスペーサ26を介して外部
に逃がすようにすることで、メディア22に磁気的に記
憶されたデータが静電気により破壊され、消失すること
を有効に防止できる。また、硝子製のスペーサ26を導
電硝子を用いて製造するようにしても良い。この場合に
は上述した導電性被膜を表面に形成する必要がなくな
り、製造工程が簡略化できる。なお、導電硝子は、一例
として硝子にニオブ系物質等の導電性物質を混入するこ
とで製造できる。
【0025】(第4の実施の形態)次に、メディア用ク
ランプ28の製造方法と共にその構造について図8、図
9を用いて説明する。クランプ28は、スペーサ26と
同様にステンレス系金属材料(SUS430等)やアル
ミ系金属材料を用い、プレスまたは切削・研削加工によ
って図8と図9に示すような円板状に形成される。そし
てその中央部分に透孔30が設けられ、また外縁部分に
は周方向に沿って凹溝32が周設されている。続いて、
プレス加工等の際に外表面に生じたバリを取り除くため
に、バレル研磨処理、さらに表面仕上げと寸法誤差の調
整を兼ねてラッピング処理が行われる。 そしてプレス
加工等やバレル研磨処理の際に表面に付着した異物(ア
ルミナ粉等)を除去するために洗浄された後に、硬質金
属系表面処理またはセラミック溶射によって表面に皮膜
36が形成されて完成となる。
【0026】クランプ28の場合もスペーサ26の場合
と同様に、表面に皮膜36を形成する点が特徴であり、
表面に形成されたこの皮膜36によってプレス加工等や
バレル研磨処理の際に表面に付着した砥粒等の異物を覆
い、落下の防止が図れると共に、表面硬度が高まり、製
造時や搬送時において他の部品と当たった際の傷の発生
を抑止できる。
【0027】以上、本発明の好適な実施例について種々
述べてきたが、本発明は上述する実施の形態に限定され
るものではなく、皮膜形成の他の手段として蒸着方法に
よって皮膜を形成するようにしても良い。また、セラミ
ック溶射には導電性を有するセラミック材料を用いても
良い。本発明の精神を逸脱しない範囲で多くの改変を施
し得るのはもちろんである。
【0028】
【発明の効果】本発明に係る請求項1乃至3、5のメデ
ィア用スペーサやクランプを用いると、プレス加工等や
バレル研磨処理の際に付着した異物を皮膜が覆ってその
脱落を防止でき、メディア上に異物が付着することを有
効に防止できる。また、表面硬度が高くなるため、表面
に傷が付きにくく、メディアに歪みを発生させる等の悪
影響を与えない。また、請求項4のメディア用スペーサ
では、メディアが硝子製の場合、スペーサとメディアの
熱膨張係数を揃えることが可能となり、温度変化に伴う
双方の熱膨張差が少なくなるのでメディアの歪みを低減
できる。また、導電性被膜が形成されているため、メデ
ィアに帯電した静電気をスペーサを介してハードディス
ク装置の金属シャーシ等へ逃がすことが可能となり、静
電気によってメディアに記憶されたデータが破壊される
ことを防止できる。また、このようなメディア用スペー
サやクランプをハードディスク装置に用いることで、ハ
ードディスク装置の誤動作を少なくでき、信頼性の向上
が図れるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】ハードディスク装置におけるメディアの一般的
な固定構造を示す要部切欠説明図。
【図2】図1のスペーサの外形を示す平面図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】本発明に係るスペーサの一実施の形態の構造を
示す要部断面図。
【図5】本発明に係るスペーサの他の実施の形態の構造
を示す要部断面図。
【図6】図4の拡大図(被膜が1層の場合)。
【図7】本発明に係るスペーサの他の実施の形態の構造
を示す要部拡大断面図(被膜が2層の場合)。
【図8】図1のクランプの外形を示す平面図。
【図9】図8のB−B断面図。
【符号の説明】
14 回転柱体 22 メディア 26 スペーサ 36 皮膜

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハードディスク装置内に設けられた回転
    柱体に複数のメディアと共に外嵌されて積層され、該メ
    ディア同志を所定の間隔で保持するメディア用スペーサ
    において、 金属材料を用いてリング状に形成されると共に、表面に
    は硬質金属系表面処理またはセラミック溶射による皮膜
    が形成されていることを特徴とするメディア用スペー
    サ。
  2. 【請求項2】 ハードディスク装置内に設けられた回転
    柱体に複数のメディアと共に外嵌されて積層され、該メ
    ディア同志を所定の間隔で保持するメディア用スペーサ
    において、 金属材料を用いてリング状に形成されると共に、表面に
    は硬質金属系表面処理による内層皮膜とセラミック溶射
    による外層皮膜とが形成されていることを特徴とするメ
    ディア用スペーサ。
  3. 【請求項3】 両側面側の表面は、ラッピング処理され
    て互いに平行な平面に形成されていることを特徴とする
    請求項1または2記載のメディア用スペーサ。
  4. 【請求項4】 ハードディスク装置内に設けられた回転
    柱体に複数のメディアと共に外嵌されて積層され、該メ
    ディア同志を所定の間隔で保持するメディア用スペーサ
    において、 硝子を用いてリング状に形成されると共に、表面には導
    電性被膜が形成されていることを特徴とするメディア用
    スペーサ。
  5. 【請求項5】 ハードディスク装置内に設けられた回転
    柱体の上面にネジ止めされて、該回転柱体に積層された
    複数のメディアを回転柱体に固定するクランプにおい
    て、 金属材料を用いて円板状に形成されると共に、表面には
    硬質金属系表面処理またはセラミック溶射による皮膜が
    形成されていることを特徴とするメディア用クランプ。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3または4記載のメディ
    ア用スペーサおよび/または請求項5記載のメディア用
    クランプを具備することを特徴とするハードディスク装
    置。
JP10913297A 1996-04-30 1997-04-25 メディア用スペーサとメディア用クランプおよびハードディスク装置 Pending JPH1074350A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10913297A JPH1074350A (ja) 1996-04-30 1997-04-25 メディア用スペーサとメディア用クランプおよびハードディスク装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10896696 1996-04-30
JP8-108966 1996-04-30
JP10913297A JPH1074350A (ja) 1996-04-30 1997-04-25 メディア用スペーサとメディア用クランプおよびハードディスク装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1074350A true JPH1074350A (ja) 1998-03-17

Family

ID=26448783

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10913297A Pending JPH1074350A (ja) 1996-04-30 1997-04-25 メディア用スペーサとメディア用クランプおよびハードディスク装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1074350A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003045139A (ja) * 2001-07-30 2003-02-14 Kyocera Corp 磁気ディスク基板保持用スペーサ
US7239121B2 (en) 2005-03-11 2007-07-03 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Quantative extraction of micro particles from metallic disk spacer rings
JP6284666B1 (ja) * 2017-03-17 2018-02-28 日新製鋼株式会社 ハードディスク用スペーサー部品の製造方法
US10086490B2 (en) 2016-03-11 2018-10-02 Tipton Corp. Surface treatment method for metal parts
US20230223047A1 (en) * 2020-03-06 2023-07-13 Hoya Corporation Method for manufacturing glass spacer, glass spacer, and hard disk drive device

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003045139A (ja) * 2001-07-30 2003-02-14 Kyocera Corp 磁気ディスク基板保持用スペーサ
US7239121B2 (en) 2005-03-11 2007-07-03 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Quantative extraction of micro particles from metallic disk spacer rings
US10086490B2 (en) 2016-03-11 2018-10-02 Tipton Corp. Surface treatment method for metal parts
JP6284666B1 (ja) * 2017-03-17 2018-02-28 日新製鋼株式会社 ハードディスク用スペーサー部品の製造方法
JP2018156710A (ja) * 2017-03-17 2018-10-04 日新製鋼株式会社 ハードディスク用スペーサー部品の製造方法
US20230223047A1 (en) * 2020-03-06 2023-07-13 Hoya Corporation Method for manufacturing glass spacer, glass spacer, and hard disk drive device
US11869538B2 (en) * 2020-03-06 2024-01-09 Hoya Corporation Method for manufacturing glass spacer, glass spacer, and hard disk drive device

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5724208A (en) Hard disc spacer and hard disc clamp
JPH04123314A (ja) ディスク型記録媒体および記憶装置
JPS63201917A (ja) 磁気ディスクメモリの基板及びその製造方法
JPH1074350A (ja) メディア用スペーサとメディア用クランプおよびハードディスク装置
JP2022107820A (ja) 研磨用または研削用のキャリアおよびそれを用いた磁気ディスク用アルミ基板の製造方法
US20230110750A1 (en) Carrier and method for manufacturing substrate
JPH11254303A (ja) ラップ盤
US6947231B2 (en) Magnetic transfer holder and magnetic transfer device
US20060216550A1 (en) Method of manufacturing master disk for magnetic transfer, master disk for magnetic transfer, and magnetic recording medium
JP2002334423A (ja) 情報記録媒体及び情報記録媒体の製造方法、並びに情報記録媒体を備えた情報記録装置
JP2724388B2 (ja) スピンドルモータのロータの加工方法
JP4657959B2 (ja) 成膜装置及び磁気ディスクの製造方法
JPH0246582A (ja) ディスクスペーサ
US4120505A (en) Stabilizing backing plate for a flexible disk store
JPS63103487A (ja) 磁気デイスククランプ装置
JPH07235085A (ja) マスク取扱治具
JPH0519849Y2 (ja)
JPS63103486A (ja) 磁気デイスク
JPS62121972A (ja) 磁気デイスク装置
JPH0441458Y2 (ja)
JP2004234710A (ja) 磁気転写装置
JPS62129986A (ja) 磁気デイスク装置
JPH054128Y2 (ja)
JPH01119669A (ja) 基板保持機構
JPH03148124A (ja) ウェハの保持機構

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040405

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050725

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20050802

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20051206