JPH1072616A - 溶融金属の取鍋精錬方法ならびにその精錬装置 - Google Patents

溶融金属の取鍋精錬方法ならびにその精錬装置

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JPH1072616A
JPH1072616A JP24926396A JP24926396A JPH1072616A JP H1072616 A JPH1072616 A JP H1072616A JP 24926396 A JP24926396 A JP 24926396A JP 24926396 A JP24926396 A JP 24926396A JP H1072616 A JPH1072616 A JP H1072616A
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ladle
molten metal
graphite electrode
cooling liquid
refining
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Masao Kawamoto
昌男 河本
Hideo Ueda
秀夫 上田
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Nippon Carbon Co Ltd
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  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 溶解炉やア−ク電気炉などで精錬された溶融
金属を取鍋を介して造塊設備などに移送する間に、黒鉛
電極が順次に接続される黒鉛電極群によって取鍋内の溶
融金属ア−ク加熱して精錬する方法ならびにその精錬装
置を提案する。 【解決手段】 取鍋内においてニップルを介して黒鉛電
極41が順次に接続される黒鉛電極列40によるア−ク
加熱を利用して溶融金属1を加熱精錬する際に、取鍋の
上部開放部を閉鎖する炉蓋31の上部において黒鉛電極
列40の黒鉛電極41の外周に対し上向きに傾斜させて
冷却液を吹付けて冷却する一方、黒鉛電極列40の先端
を溶融金属1上のスラグ2中に浸漬してア−ク加熱す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は溶融金属の取鍋精錬方法
ならびにその精錬装置に係り、詳しくは、溶解炉やア−
ク電気炉などで精錬された溶融金属を取鍋を介して造塊
設備などに移送する間に、黒鉛電極が順次に接続される
黒鉛電極群によって取鍋内の溶融金属ア−ク加熱して精
錬する方法ならびにその精錬装置に係る。
【0002】
【従来の技術】最近、転炉、ア−ク電気炉その他の溶解
炉によって精錬される溶鋼のうち、いわゆる高級鋼、低
合金鋼、特殊鋼などの鋼種は、何らかの形の真空精錬工
程で処理されている。現在では、それに代って炉外精錬
工程で処理されるようになっている。
【0003】この理由は、 (1)、ユ−ザ側の品質要求が、技術の進歩とともに厳
しくなっていること (2)、純酸素転炉により出鋼温度などの制約が楽にな
ったこと (3)、高能率蒸気エジェクタなどの周辺技術が大いに
進歩したこと などである。
【0004】この炉外精錬処理工程そのものは、当初真
空鋳造、出鋼脱ガス、などによる大型鋳鍛鋼品の水素性
欠陥の防止を主眼として開発されたものである。圧延製
品の大量生産に適したDH、RHの開発、実用化をみる
に至って、その普及が加速され、ときあたかも、純酸素
転炉の興隆期と合致して広く採用されている。
【0005】その後、より高級な処理を目的として、V
AD法や、LF法などに代表されるいわゆる取鍋精錬法
が開発され、取鍋精錬法は、より簡便で低コストの処理
であるところから、簡易な炉外精錬法として用いられて
いる。
【0006】この取鍋精錬法は、取鍋中で溶鋼など溶融
金属の加熱精錬を行なうもので、通常、3相ア−ク電源
によって、黒鉛電極によってア−ク加熱し、取鍋中にフ
ラックスを加えたときには、このフラックスを溶解し、
併せて、取鍋内の溶鋼など溶融金属を加熱昇温する。
【0007】また、このような精錬反応の進行ととも
に、取鍋内での溶鋼など溶融金属の撹拌についても配慮
されている方法も提案されており、例えば、VAD法お
よびLF法では、取鍋の鍋底に多孔質耐火物のポ−ラス
プラグが設置され、このポ−ラスプラグを通しての吹込
まれるアルゴンガスのバブリングによって溶融金属を撹
拌するように構成されている。
【0008】このように取鍋内の精錬において、黒鉛電
極によるア−ク加熱を利用すると、他の熱源に比べて大
きなメリットがある。
【0009】すなわち、ア−ク加熱は、気体粒子の加
熱、解離、励起などによって発生する高温ア−クで加熱
するもので、1650〜3000℃に達する高温が容易
に得られる。取鍋内で表面のスラグなどを介して溶融金
属の加熱、精錬が効果的に達成できる。
【0010】しかしながら、このようにア−ク加熱によ
ってきわめて高い温度が得られることを利用するために
使用される場合には、黒鉛電極は、きわめて高い温度に
さらされ、外周の酸化消耗が大巾に進行することもあっ
て電極原単位が大巾に増加し、この面から改善が大きな
ポイントとなっている。
【0011】そこで、ア−ク電気炉による精錬と同様
に、取鍋内精錬でア−ク加熱に供せられる黒鉛電極に冷
却液を吹付けることによって冷却して原単位を低下させ
ることも考えられる。
【0012】しかしながら、冷却液の吹付は、ア−ク電
気炉内における精錬反応はある程度許容できるが、ユ−
ザ側からの厳しい品質要求などに合わせるために行なわ
れる取鍋内精錬には適当でないとされている。更に、ア
−ク電気炉の操業に較べると、使用する黒鉛電極の径は
比較的に細いものとなり、このような細い径の電極に対
応して冷却液を吹付けて冷却することが望まれる。
【0013】このところから、現在までのところでは、
取鍋内精錬における黒鉛電極に冷却液を吹付けて冷却す
ることや、それに使用される器具や装置は提案されてい
ないし、見当らない。
【0014】すなわち、取鍋内精錬に供せられる黒鉛電
極の外周面に対し冷却液を吹付ける場合、冷却液の吹付
量が過剰のときには、冷却液の一部はそのまま取鍋内に
入り、黒鉛電極の外周面に沿って流下して取鍋内に入
る。内部に入った冷却液は、溶鋼などの溶融金属上のス
ラグ層の表面で反応し、黒鉛電極の表面に沿って流れる
冷却液の一部はスラグに入って水素爆発を起こし、取鍋
の耐火ライニングを破損し、耐火物原単位は大巾に大き
くなる。更に、水性ガス反応によって生成された水素
は、溶鋼などの溶融金属浴中に入り、これによって得ら
れる鋼種は水素ぜい性をひき起こし易いものとなり易
い。このため、じん性などが強く要求される高級鋼で
は、取鍋内精錬の黒鉛電極に冷却液を吹付けることが危
険視されていた。
【0015】また、冷却液の吹付けによる冷却の程度が
過剰になると、熱損失が大きくなり、電力費の増大、加
熱時間の延長に伴い操業上の損失分を増大させる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点の解
決を目的とし、具体的には、溶融金属の取鍋内精錬にお
いて、ア−ク加熱に供せられる黒鉛電極の原単位を大巾
に低減できる精錬方法ならびにその装置を提案する。
【0017】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明方法
は、取鍋内の溶融金属浴の上に存在するスラグ中にニッ
プルを介して黒鉛電極が順次に接続される黒鉛電極列の
先端を浸漬し、このスラグ中で高温ア−クを発生させて
溶融金属浴を加熱精錬する取鍋精錬方法であって、この
取鍋の上部開放部を炉蓋によって閉鎖し、この炉蓋の上
部において黒鉛電極の外周に冷却液を上向きに傾斜させ
て吹付けることによって、黒鉛電極を冷却する。
【0018】この冷却液の上向きの吹付け角を水平レベ
ルに対し0°をこえて60°以下にする。
【0019】また、冷却液の吹付け量は2〜10リット
ル/分にする。
【0020】また、冷却液として水を噴射する。
【0021】また、冷却液は、耐酸化剤を含み残余が実
質的に水から成っている。
【0022】また、精錬炉から溶融金属を受鋼する取鍋
を走行台車にのせて走行できるよう構成する一方、この
取鍋の上部の開放部を閉鎖する炉蓋を所定のところに固
定して配置し、この炉蓋上において取鍋内の溶融金属浴
上のスラグ中に先端が浸漬されてア−クを発生させる黒
鉛電極の周囲を包囲する環状導管を設け、この環状導管
の内側の少なくとも一部には、上向きに冷却液を噴出す
る噴射ノズルを設ける。
【0023】この噴射ノズルの吹付孔は、0°をこえて
60°以下の傾斜角をもって上向きに傾向させる。
【0024】そこで、これら手段たる構成ならびにその
作用について、図面によって具体的に説明すると、次の
通りである。
【0025】なお、図1は、本発明方法によって、取鍋
内精錬に供せられる黒鉛電極に冷却液を吹付けて冷却し
ながら、溶融金属を精錬する際に使用する装置の一例を
示す説明図である。
【0026】図2(a)、(b)、(c)ならびに
(d)は、本発明方法によって取鍋内精錬する際の一例
の各過程を示す説明図である。
【0027】図3は、図1に示す精錬装置における環状
冷却管の一例を拡大して示す説明図である。
【0028】まず、図2(a)において、製鋼炉、ア−
ク電気炉などの精錬炉(図示せず)によって溶解精錬さ
れた溶鋼、すなわち、溶融金属1は取鍋10に受けられ
る。取鍋10内には溶融金属1の上に混入したスラグ2
が浮上する。
【0029】取鍋10は後記の通りの走行台車20の上
にのせられて走行し(図2(b)参照)、炉蓋及び黒鉛
電極列40が配置された取鍋精錬装置30のところまで
移動し、黒鉛電極列40が取鍋内に挿入される(図2
(c)参照)。
【0030】図2(c)においては、図1に示すよう
に、炉蓋及び黒鉛電極列40が配置されている取鍋内精
錬装置30を示す。この精錬装置30によって取鍋内の
溶融金属10は黒鉛電極によりア−ク加熱される。すな
わち、図1において符号41は、黒鉛電極を示し、黒鉛
電極41はニップルを介して順次に接続され、黒鉛電極
列40が形成される。黒鉛電極列40は、取鍋精錬装置
30の炉蓋31内を貫通し、炉蓋31より上方にある上
部の黒鉛電極41は電極ホルダ42(図1において一部
が示されている)によって炉蓋とは別に昇降自在に把持
される。
【0031】炉蓋31は一対の吊梁32によって昇降自
在に支承されている。取鍋10が走行台車11にのせら
れて炉蓋31の下に達したときには、吊梁32が作動し
て炉蓋31が下降し、取鍋10の上部の開口部が閉塞さ
れる。走行台車11は車輪12によって走行され、取鍋
10は受け13にうけられる。受け13はボ−ル14に
よって取鍋10の中心軸の周りで回転できるよう構成さ
れている。炉蓋31の略々中心には、黒鉛電極列40が
貫通し、その周囲は所望に応じて集じんフ−ド33が設
けられ、精錬時に発生するダストなどの粉じんが吸引除
去される。
【0032】また、炉蓋31には供給シュ−ト34が設
けられ、精錬時に必要な金属、合金、造滓剤などが所望
に応じて添加される。
【0033】黒鉛電極列40は炉蓋31を貫通し、その
先端は溶融金属1上のスラグ2の中に埋められて、この
スラグ2の中で精錬に関与する黒鉛電極41によってス
ラグ2をア−ク加熱し、このスラグ2中のア−ク加熱に
よって溶融金属1は加熱され、精錬が行なわれる。
【0034】なお、取鍋内精錬で脱ガス処理などを行な
うときには、取鍋10の底部にポ−ラスプラグ15を設
け、このプラグ15からアルゴンガスなどを吹込んで溶
融金属1に所定の撹拌を与えることもできる。
【0035】また、黒鉛電極列40に3相交流電圧を印
加して加熱する場合には、炉蓋31のセンタ−を中心と
する所定半径の円サ−クル上に間隔をおいてニップルを
介して順次に接続される黒鉛電極列40が3本配置さ
れ、炉蓋31を貫通する。
【0036】また、交流加熱に代って、直流加熱する場
合は、1本の黒鉛電極列40が炉蓋31のほぼ中心を貫
通して配置され、この黒鉛電極列40に直流電圧が印加
されて直流加熱される。
【0037】以上の通りに構成される取鍋精錬装置にお
いて、炉蓋31上で黒鉛電極列40の周囲を包囲して環
状導管50を設ける(図1ならびに図3参照)。すなわ
ち、図1に示すように、3本の黒鉛電極列40を用いて
3相交流電圧を印加する場合には、各黒鉛電極列40に
ついてそれぞれ環状導管50を設ける。
【0038】各環状導管50の内側には間隔をおいて噴
射ノズル51を設け、各噴射ノズル51から上向きに傾
斜させて冷却液53を吹付ける。なお、環状導管50は
円状に構成することもできるが、黒鉛電極列40を流れ
る電流による磁気的影響を排除するため、一部を切断し
て一部に切欠き部を構成することもできる。
【0039】すなわち、図1ならびに図3に示すよう
に、冷却液53を吹付けるために、黒鉛電極41の外周
に環状導管50を配置し、環状導管50には冷却液が送
られる。環状導管50の内面には噴射ノズル51を上向
きに傾斜させて取付けられ、噴射ノズル51から冷却液
53が上向きに指向されて噴射し、黒鉛電極41の外周
面上に吹付けられる。
【0040】環状導管50の内面の各噴射ノズル51は
黒鉛電極41の中心に向って指向し、各噴射ノズル51
の先端は、図3に示す通り、斜め上向きに0°をこえて
60°以下の上向き傾斜角θをとって傾斜させる。
【0041】このように噴射ノズル51を取付けると、
連続的に供給される冷却液53は、環状導管50を経て
各噴射ノズル51から、斜め上向きに噴射され、冷却液
53は、図3で、符号531で示すル−プを形成して、
下向きになり、黒鉛電極41の外周面に沿って流れ、こ
の冷却液53が下向きに下降する間に、黒鉛電極41を
冷却する。
【0042】上向きに噴射された冷却液53は、一旦ル
−プ531を形成し、そこで、噴射時のエネルギを相当
失なってから、黒鉛電極41の外周面に沿って層状に流
れる。このため、黒鉛電極41の外周面上を流れる冷却
液53は、ほとんど飛散することなく、黒鉛電極41の
外周面を均一にむらなくおおう。また、炉蓋31を経て
取鍋10内に入っても、冷却液は内部の熱により気化さ
れ消滅し、水性反応などが起こる余地がないほか、その
反応で生じる水素が溶鋼中に入ることがない。
【0043】更に詳しく説明すると、取鍋10内におい
て溶融金属1の表面はスラグ2によっておおわれ、この
スラグ2中に黒鉛電極列40の先端が浸漬してア−ク加
熱される。このア−ク加熱によってスラグ2と炉蓋31
との間はア−ク加熱による放射伝熱により相当高温に加
熱されている。
【0044】このため、冷却液53の一部が取鍋10内
に入ることがあっても、その量がある程度許容できる範
囲内にあるときには、直ちに気化して消失する。更に、
このときに水素が生成しても、スラグ2によっておおわ
れているために溶融金属1中に入る余地はほとんどな
い。
【0045】しかしながら、冷却液53の侵入が許容限
度をこえると、水素爆発や、溶融金属中への水素の侵入
をおこす。
【0046】これに対し、上向きに噴射し、途中でル−
プ531を形成すると、冷却液53のほとんどが黒鉛電
極41の外周に接触し、この均一で円滑な冷却液53の
接触によって黒鉛電極41の外周には均一なフィルム層
532が形成できる。このようなフィルム層532の形
成は、黒鉛電極41の外周が均一に黒色化していること
からもわかり、このような冷却であると、冷却液による
冷却は、単に各黒鉛電極41に対する吹付量を調整する
だけで効果的な冷却を達成できる。
【0047】なお、厳格な品質が要求されるときには、
図2(d)に示すように、その後、脱ガスなどの処理を
取鍋10に溶融金属1を入れたままで行なえば良い。
【0048】このように上向きに傾斜させて吹付ける場
合、吹付量は、2〜10リットル/分、好ましくは、3
〜9リットル/分の適正範囲内に保つことが好ましい。
更に、適正範囲内で黒鉛電極の直径と対応して最適値を
求め、この最適値の冷却液を吹付けて冷却する。
【0049】このように冷却すると、冷却液53はほと
んど飛散することなく、ほとんどの冷却液53は黒鉛電
極列40の各黒鉛電極41の外周面上を流れ、その冷却
効果は取鍋10内の黒鉛電極41の先端まで及んで、過
冷却になることなく、適正に冷却され、電極原単位は大
巾に減少する。
【0050】この場合、上向きの傾斜角θが0°(0°
を含まない)〜60°の範囲にあると、吹付又は噴射圧
力の調節の範囲がある程度拡大し、それほど噴射圧力を
調節しなくとも、ル−プが適正に形成されれば、黒鉛電
極で反射される量が少なく、先端までの冷却効果も十分
で電極原単位も減少する。
【0051】また、冷却液の流量の適正範囲の下限が2
リットル/分、なかでも3リットル/分であるのは、そ
れ以下になると、上向き傾斜角θが上記範囲内にあって
も、冷却液の流量が不十分で所定の冷却効果が達成でき
ないからである。
【0052】また、冷却液の流量が適正範囲の上限の1
0リットル/分をこえると、取鍋内精錬に使用される程
度の径の黒鉛電極では黒鉛電極列全体の冷却が過剰とな
り、かえって、過冷却分の加熱に余分の電力がかかり、
電力原単位が上昇して好ましくないからである。
【0053】なお、上記のところでは、複数個のノズル
から冷却液を吹出す例を示したが、上記の条件のもとで
あれば、一つのノズルから冷却液を吹出すこともでき、
又複数の吹付孔だけでノズルを省略しても良い。この場
合には、冷却装置そのものの構造をコンパクトにでき
る。
【0054】
【実施例】
実施例1.まず、表1に示す通り、各種直径の黒鉛電極
をニップルを介して接続した黒鉛電極列を用いて、炉蓋
より上方において、主として水道水から成る冷却液を上
向きの傾斜角θ(=20°)をとって傾斜させて吹付け
て冷却しつつ、ア−ク電気炉で溶製した溶鋼を取鍋にう
けて、図1に示す装置によって取鍋内精錬を行なった。
【0055】この際、冷却液としての水道水は、各直径
毎の黒鉛電極について、流量を変化させ、黒鉛電極の直
径と流量とに対する電極原単位ならびに電力原単位を求
めた。なお、従来例は、本発明と異なって冷却液を吹付
けないものである。
【0056】この結果は、表1に示す通りであった。
【0057】
【表1】
【0058】表1に示す通り、黒鉛電極の寸法が径12
〜18インチの範囲内では、各電極について冷却水量4
〜9リットル/分の範囲が適当であり、なかでも、径1
4インチの電極であると、冷却水量5〜6リットル/分
にすると、電極原単位は20%近くも改善された。
【0059】また、このような取鍋精錬後の溶鋼中の
[H]ならびに[O]の含有量を求めたところ、[H]
は3ppm、[O]は20ppmであり、これらの値
は、従来例のものとほぼ同等であった。
【0060】
【発明の効果】以上詳しく説明した通り、本発明は、取
鍋内においてニップルを介して黒鉛電極が順次に接続さ
れる黒鉛電極列によるア−ク加熱を利用して溶融金属浴
を加熱精錬する際に、この取鍋の上部開放部を炉蓋で閉
鎖し、この炉蓋上において、黒鉛電極列の外周に対し冷
却液を上向きに傾斜させて吹付ける一方、黒鉛電極列の
先端を溶融金属の浴上のスラグ層の浸漬させて加熱精錬
する溶融金属の取鍋精錬方法ならびにその装置である。
【0061】したがって、ア−ク加熱に供せられる黒鉛
電極の外周はル−プされて下向きに流れる冷却液によっ
て全てがおおわれ、効果的に冷却でき、酸化消耗は最小
限におさえられ、大巾な電極原単位の低減が達成でき
る。
【0062】更に、取鍋内の溶融金属の表面をスラグで
おおい、このスラグを有効に利用するため、冷却液の侵
入があっても品質を損なうことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法によって、取鍋精錬に供せられる黒
鉛電極に冷却液を吹付けて冷却しながら、溶融金属を精
錬する際に使用する装置の一例を示す説明図である。
【図2】(a)、(b)、(c)ならびに(d)は、本
発明方法によって取鍋精錬する際の一例の各過程を示す
説明図である。
【図3】図1に示す精錬装置における環状冷却管の一例
を拡大して示す説明図である。
【符号の説明】
1 溶融金属 2 スラグ 10 取鍋 20 走行台車 30 取鍋内精錬装置 31 炉蓋 40 黒鉛電極列 41 黒鉛電極 50 環状導管 51 噴射ノズル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 取鍋内においてニップルを介して黒鉛電
    極が順次に接続される黒鉛電極列によるア−ク加熱を利
    用して溶融金属を加熱精錬する際に、前記取鍋の上部開
    放部を閉鎖する炉蓋の上部において前記黒鉛電極列の黒
    鉛電極の外周に対し上向きに傾斜させて冷却液を吹付け
    て冷却する一方、前記黒鉛電極列の先端を溶融金属上の
    スラグ中に浸漬してア−ク加熱することを特徴とする溶
    融金属の取鍋精錬方法。
  2. 【請求項2】 前記冷却液を上向きに吹付ける際の傾斜
    角を水平レベルに対し0°をこえて60°以下にするこ
    とを特徴とする請求項1記載の溶融金属の取鍋精錬方
    法。
  3. 【請求項3】 前記冷却液の吹付量を2〜10リットル
    /分にすることを特徴とする請求項1または2記載の溶
    融金属の取鍋精錬方法。
  4. 【請求項4】 前記冷却液として水を噴射することを特
    徴とする請求項1、2または3記載の溶融金属の取鍋精
    錬方法。
  5. 【請求項5】 前記冷却液が耐酸化剤を含み残余が実質
    的に水から成ることを特徴とする請求項1、2または3
    記載の溶融金属の取鍋精錬方法。
  6. 【請求項6】 走行台車上にのせられて走行する取鍋が
    走行する走行経路上に、この取鍋の上部の開放部を閉鎖
    する炉蓋が設けられ、この炉蓋を貫通しその先端で前記
    取鍋内の溶融金属をア−ク加熱する黒鉛電極列が配設さ
    れ、 前記炉蓋上において前記黒鉛電極列の周囲を包囲しかつ
    冷却液が導入される環状導管が設けられ、この環状導管
    の内側の少なくとも一部に、上向きに前記冷却液を噴射
    して前記黒鉛電極列の外周に前記冷却液をル−プさせて
    吹付ける吹付孔又は噴射ノズルを設けて成ることを特徴
    とする溶融金属の取鍋精錬装置。
JP24926396A 1996-08-30 1996-08-30 溶融金属の取鍋精錬方法ならびにその精錬装置 Withdrawn JPH1072616A (ja)

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