JPH1070470A - 軟判定装置 - Google Patents

軟判定装置

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JPH1070470A
JPH1070470A JP22693096A JP22693096A JPH1070470A JP H1070470 A JPH1070470 A JP H1070470A JP 22693096 A JP22693096 A JP 22693096A JP 22693096 A JP22693096 A JP 22693096A JP H1070470 A JPH1070470 A JP H1070470A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 後段のビタビ復号器の出力における誤り率を
小さくするという点で適切な軟判定値を得る。 【解決手段】 伝送路特性推定回路18で、推定された
各ステートに対応した伝送路特性と受信信号から枝メト
リックス作成回路12は各枝メトリックスに対応した送
信系列に基づいて枝メトリックス(2乗誤差)を出力す
る。ACS回路13は、この枝メトリックスと共有メモ
リ14からの1時刻前の生き残りパスメトリック(累積
2乗誤差)とから現時刻の2つのパスメトリック、生き
残りパスメトリック及び生き残りパス情報を出力する。
最小値選択回路15−1、は枝を構成する最も過去の送
信信号0または1に対応したパスメトリックスを入力
し、最少の値を出力する。最小値選択回路15の各間の
差を軟判定値として出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動車電話をは
じめとするディジタルデータ伝送に用いる軟判定装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術を説明する前に、本発明に関
する技術的背景について説明する。
【0003】(技術的背景1)FIRフィルタについて
説明する。FIRフィルタは有限インパルス応答(Fini
te Impulse Response)フィルタの略で、インパルス応
答が有限時間に終了するフィルタである。図7にFIR
フィルタの構成を示す。FIRフィルタは、遅延要素
(同図の、遅延1、遅延2、・・・、遅延L)により入
力される信号に順次遅延を与えるとともに、乗算器(M
ULT 0、・・・、MULT L)によりタップ係数c
0、・・・、cLを乗算した後、加算器(同図のSUM)
によりこれら複数の乗算結果を加算するものである。こ
の遅延量は、通常、一定値である。
【0004】(技術的背景2) 符号間干渉(ISI)
を有する伝送路モデルを図8に示す。本モデルは伝送路
をFIRフィルタで表現したものである。本モデルにお
いて、受信信号は、送信された信号が直接受信される先
行信号と反射等により遅延して受信される遅延信号の合
成信号である。同図において、各遅延信号の時間差は遅
延回路DELAY(シフトレジスタ)によって与えられ
る。先行信号は、乗算器MULT0により送信信号In
とタップ係数c0,nとを乗算することにより得られる。
ここで、下付きのnは時刻を意味する。遅延信号は、乗
算器MULT1〜Lにより遅延された送信信号In-1
n-Lとタップ係数c1,n〜cL,nとをそれぞれ乗算する
ことにより得られる。そして、乗算器MULT0〜Lの
出力は加算器SUMにより合成される。更に、加算器A
DDにより加算器SUMが出力する合成波に雑音wn
加算されて受信信号rnとして出力される。ISIが存
在しない場合、受信信号rnは次式で表現される。 rn=c0,nn+wn (1) この場合、c0,nが既知で、雑音が小さければ、rnから
nを容易に推定できる。しかし、図8のモデルによれ
ば、伝送路に対して{In}なる送信系列を送信した場
合、この送信系列は、伝送路で加法的白色ガウス雑音
(AWGN)wnばかりでなくISIを受ける。したが
って、受信信号rnは時刻nだけではなく、それより過
去のInを含む。このときの受信信号は次式で表現され
る。 rn= Σ ci,nn-i+wn (2) ここで、総和Σはi=0、・・・、Lについてとり、L
はISIが影響を与える時間長(伝送路メモリ長)を示
す。図8の伝送路モデルでは、時刻nから時刻(n−
L)まで送信系列が含まれることになる。また、このよ
うな伝送路に対して、rnからInを推定するものとして
最尤系列推定がしばしば用いられる。
【0005】(技術的背景3) ビタビアルゴリズムを
用いた最尤系列推定 G.D.Forney,Jr著の“Maxmum-like
lihood sequence estimation of digital sequence inp
resence of intersymbol interference”(IEEE Trans.
Information Theory,vol.IT-18, pp.363-378, May 197
2)に示されたビタビアルゴリズムを用いた最尤系列推
定の説明を順次行う。
【0006】ステートとトレリスについて説明する。ス
テートとは状態を示すものである。ISIを有する伝送
路モデルを図8に示しているが、受信信号は現在の送信
信号だけでなく過去の送信信号によっても決定される。
したがって、現在の送信信号を推定するためには過去の
送信信号も考慮する必要がある。この過去の送信信号の
組み合わせによって構成される送信系列の候補がステー
トに相当する。送信信号が0、1の2値、遅延回路が1
シンボル周期(L=1)であれば、ステート
〔0〕とス
テート〔1〕の2種類であり、遅延回路が2シンボル周
期(L=2)であれば、ステート〔0,0〕、ステート
〔1,0〕、ステート〔0,1〕とステート〔1,1〕
の4種類である。このように、ステートは送信系列の組
み合わせで表現される。
【0007】ところで、復調アルゴリズムであるビタビ
アルゴリズムのメモリ長をVとすると、時刻nにおける
ステートSn及び時刻n−1におけるステートSn-1は、
それぞれ(3)、(4)式で表現できる。 Sn=〔In-V+1,In-V+2,・・・,In〕 (3) Sn-1=〔In-V,In-V+1,・・・,In-1〕 (4) ただし、これ以降表記を簡単にするため、ステートSn
をIn-V+1n-V+2…Inと表わすことがある。例えば、
ステート〔0,1〕を01のように表現する。ここで、
2つのステートSn、Sn-1のうちIn-V+1からIn-1のV
−1個の送信系列は同一値となる性質を利用して、図9
のトレリス図が作成できる。図9において、送信信号の
候補の数Uを2とし、信号が0と1の2値をとる場合、
ステート個数NはN=UV=22=4となる。すなわち、
本例は、Inを0,1としV=2としたので、Snは0
0、01、10、11の4ステートでトレリスが構成さ
れる。 図9において、縦方向は上から順にステート0
0、01、10、11、横方向は左から順に時刻n−
1,n,n+1,n+2,n+3,n+4を示す。ま
た、各ステート(白丸)から次の時刻の2つのステート
にそれぞれ線が引かれているが、この線分は時刻変化に
伴うステートの変化を示す。例えば、ステート00から
はステート00及び01に対して2本の線が引かれる。
ステート00からステート00への線は入力データが0
の場合を示し、データ入力前とデータ入力後とでステー
トが同じ00であることを示す。ステート00からステ
ート01への線は入力データが1の場合を示し、データ
入力前のステート00からステート01に変化すること
を意味する。このトレリスにおける線分Sn-1/Snは枝
と呼ばれる。この枝は送信系列In-V〜Inにより一意的
に決定される。これを(5)式のように表現する。 Sn-1/Sn=〔In-V,In-V+1,・・・,In〕 (5) なお、ステートの表記と同様に表記を簡単にするため、
枝Sn-1/Snを単にIn-Vn-V+1・・・Inと表わすこ
とがある。例えば、枝〔1,0,1〕を101のように
表現する。
【0008】ところで、V=Lと設定した場合、すなわ
ち、ISIが影響を与える時間長(伝送路メモリ長)と
ビタビアルゴリズムのメモリ長(トレリスのメモリ長)
とが等しい場合、(2)式で示されるrnの推定値(レ
プリカ)hnは、(6)式に示すように一意的に推定さ
れる。 hn= Σ gi,nn-i (6) ここで、ci,nの推定値をそれぞれgi,nとした。また、
総和Σはi=0,・・・,Lについてとる。また、トレ
リスにおいて、互いに接続された折れ線SVV+1…Sn
はパスと呼ばれる。このパスは一意的に枝SV-1/SV
V/SV-2、・・・、Sn-1/Snを決定するとともに、
0〜Inの送信系列を決定する。図10に、図9のトレ
リスを用いて、送信系列〔In−2,In−1,・・
・,In+4〕=〔1,0,1,1,0,0,1〕に対
応するパスSn-1n…Sn+4を示す。太線はパスであ
り、太い白抜きの丸はパスの通るステート、ステートと
ステートを結ぶ太線はパスによって決定される枝であ
る。以上のようにパスを決定することによって送信系列
を決定することができる。図10からわかるように、送
信系列のデータは2つずつ順次シフトしていく。例え
ば、送信系列の最初の2つのデータ1、0が入力される
と、時刻n−1のステートは10になる。これがステー
トSn-1である。次にデータ1が入力されると時刻nの
ステートは01になる。これがステートSnである。以
下同様に、データ1、0、0、1が入力されると、時刻
n+1,・・・,n+4のステートSn+1,・・・,S
n+4は、11、10、00、01である。以上のよう
に、送信系列〔In-2,In-1,・・・,In+4〕に1対
1に対応してパスが決定される。逆に、パスが決定でき
れば、送信系列を特定することができる。受信信号から
パスを推定するために、各枝において推定がなされる。
これには枝メトリックが用いられる。枝メトリックと
は、受信信号rnと、各枝によって決定される送信系列
の候補In及び推定値gi,nによって再生された受信信号
のレプリカhnとの2乗誤差のことである。この2乗誤
差は、ステートから次のステートへの遷移の確からし
さ、すなわち枝の生起する確からしさを表している。
【0009】枝Sn-1/Snにより決定されるIn-Vから
Inの送信系列の候補値In-iからrnのレプリカhn〔S
n-1/Sn〕を以下のように作成できる。 hn〔Sn-1/Sn〕= Σ gi,nn-i (7) ただし,総和Σはi=0,・・・,Lについてとる。実
際の受信信号rnと枝〔Sn-1/Sn〕により決定される
レプリカhn〔Sn-1/Sn〕の2乗誤差、すなわち枝メ
トリックEn〔Sn-1/Sn〕は次式のように表現でき
る。 En〔Sn-1/Sn〕={ABS(rn−hn〔Sn-1/Sn〕)}2 (8) ただし、ABS()はユークリッド空間におけるベクト
ルの長さを意味する。(8)式は、点rnと点hn〔S
n-1/Sn〕との距離の2乗を示す。つまり、枝〔Sn-1
/Sn〕により一意的に枝メトリックEn〔Sn-1/Sn
が決定される。また、パスに沿って一意に決定される枝
の枝メトリックを全て合計した累積2乗誤差のことをパ
スメトリックと呼ぶ。各ステートにおいて、U個(図9
ではU=2)のパスが参入するが、これらパスの中でパ
スメトリックが最小のパスを生き残りパスと呼び、各ス
テート毎に生き残りパスが存在する。
【0010】この生き残りパスを求めるための処理がA
CS処理である。ACSとはAdd-Compare-Select(加算
・比較・選択)の略である。加算処理とは、下記(9)
式に示す1時刻過去のステートSn-1に対応した生き残
りパスメトリックFn-1〔Sn-1〕と枝メトリックE
n〔Sn-1/Sn〕を加算する操作である。 Fn〔Sn-1/Sn〕=En〔Sn-1/Sn〕+Fn-1〔Sn-1〕 (9) ここで、Fn〔Sn〕はステートSnに対応する生き残り
パスメトリックを表わし、Fn〔Sn-1/Sn〕は枝Sn-1
/Snに対応するパスメトリックである。比較処理と
は、各ステートに対して作成されるU個のパスメトリッ
クを比較する操作である。最尤系列推定全体としては、
N個のステートにU個の枝が存在するため(N・U)個
のパスメトリックが作成される。選択処理とは、各ステ
ートにおいて比較処理の結果からパスメトリックの最も
小さいものを選択し、選択したパスメトリックに対応す
る系列を現時刻の生き残りパスとして選択する操作であ
る。
【0011】以上がビタビアルゴリズムを用いた最尤系
列推定の説明である。このように、G.D.Forneyにより示
された最尤系列推定は、シンボルごとに受信信号を入力
し、各ステートに対して逐次ACS処理を行う。全ての
入力信号系列を入力した後、最終的に残った生き残りパ
スの中で最小のパスメトリックを有するパスを最尤パス
とし、この最尤パスによって決定される唯一の系列(最
尤系列)を送信した系列として判定する。
【0012】(技術的背景4) 軟判定 軟判定について説明する。符号化の一種に畳込み符号化
があり、畳込み符号の最適復号法にはビタビアルゴリズ
ムが用いられる。このビタビアルゴリズムの入力には、
0または1というような2値量子化したデータ(硬判定
値という)でなく、信頼度も含んだ例えば0.2や0.9
等というデータ(軟判定値という)を入力した方が良好
な誤り率特性を示す。それゆえ、畳込み符号の復号に軟
判定値を用いた場合、誤り率特性を改善することができ
る。しかし、上述の最尤系列推定では軟判定値を計算す
ることができないので、軟判定値の計算に軟判定出力ビ
タビアルゴリズムが利用されることが多い。
【0013】(従来の軟判定装置の説明)次に従来の軟
判定装置の一例について説明する。図11は従来の軟判
定装置のブロック図である。この例は特開平3−961
7号公報に記載された軟判定装置である。
【0014】図11において、261は受信信号入力端
子、262は枝メトリック作成回路、263−1〜26
3−NはACS回路、264は共有メモリ、265−
1,265−2は最小値選択回路、266は減算回路、
267は軟判定値出力端子、268は推定伝送路特性入
力端子である。なお、推定伝送路特性は、受信機側で既
知であるトレーニング信号を用いて推定した伝送路特性
の推定値であり、トレーニング信号は受信信号の一部に
組込まれる。
【0015】従来の軟判定装置の動作について図11を
用いて説明する。送信信号は0、1の2値をとり、N
(=2V)をステート数とし、V=Lである。枝メトリ
ック作成回路は、受信信号rn、推定伝送路特性gi(i
=0,・・・,L)を入力し、各枝Sn-1/Snに対応す
る枝メトリックEn〔Sn-1/Sn〕を(10)式に基づ
いて計算する。 En〔Sn-1/Sn〕={ABS(rn− Σ gin-i)}2 (10) ここで、総和Σはi=0,・・・,Lについてとり、I
n-i(i=0,・・・,L)は枝Sn-1/Snにより一意
に決定される送信系列の候補値である。N個のACS回
路263−1〜263−Nは一時刻過去及び現時刻の生
き残りパスメトリックを共有メモリ364によって共有
しており、これらのパスメトリックは互いにアクセス可
能である。ACS回路263−1〜263−Nは、各A
CS回路263−1〜263−Nに対応したステートS
nに繋がる2つの枝Sn-1/Snに対応した枝メトリック
n〔Sn-1/Sn〕と、その2つの枝によって結ばれる
1時刻過去のステートSn-1に対応し共有メモリ264
より出力される一時刻過去の生き残りパスメトリックF
n-1〔Sn-1〕をそれぞれ受け、上述のACS処理を行う
とともに、さらにACS処理の加算処理によって計算さ
れる各枝に対応したパスメトリックFn〔Sn-1/Sn
と現時刻の生き残りパスメトリックFn〔Sn〕を出力す
る。共有メモリ264は、ACS回路263−1〜26
3−Nの出力を受けて、現時刻の生き残りパスメトリッ
クを一時刻過去の生き残りパスメトリックとする。この
ようにして共有メモリ264の内容は更新される。最小
値選択回路265−1は、枝Sn-1/Snにより決定され
る送信系列In-i(i=0,・・・,V)の最も過去の
送信信号In-Vが0である枝に対応したN個のパスメト
リックFn〔Sn-1/Sn〕を入力し、その最小値を出力
する。最小値選択回路265−2は、枝Sn-1/Snによ
り決定される送信系列In-i(i=0,・・・,V)の
最も過去の送信信号In-Vが1である枝に対応したN個
のパスメトリックFn〔Sn-1/Sn〕を入力し、その最
小値を出力する。減算回路266は最小値選択回路26
5−1より出力される最小値から最小値選択回路265
−2より出力される最小値を減算した結果を、軟判定値
として出力する。
【0016】以上の動作を図12に示すトレリスによっ
て具体的に説明する。ここで、L=V=2、N=2V
4とし、送信信号Inの軟判定値を計算する。枝メトリ
ック作成回路262は、推定伝送路特性g0,g1,g2
及び受信信号rnを受けて、枝000に対応した送信系
列の候補〔In-2,In-1,In〕=〔0,0,0〕に基
づいて枝メトリックEn
〔000〕を(11)式によっ
て計算し、その結果を出力する。 En
〔000〕={ABS(rn−(g0n+g1n-1
2n-2))}2……(11) また、枝100、01
0、…、111に対する枝メトリックEn〔100〕、
n〔010〕、・・・、En〔111〕についても同様
に計算して出力する。ACS回路263−1は、ACS
回路263−1に対応したステート00に繋がる枝00
0、100に対応する枝メトリックEn
〔000〕、En
〔100〕と一時刻過去の生き残りパスメトリックF
n-1
〔000〕、Fn-1〔100〕をそれぞれ入力し、加
算処理によって次の枝000、100に対応したパスメ
トリックを得る。 Fn
〔000〕=En
〔000〕+Fn-1
〔00〕 (12) Fn〔100〕=En〔100〕+Fn-1〔10〕 (13) パスメトリックFn
〔000〕、Fn〔100〕は最小値
選択回路265−1、265−2に出力される。さら
に、ACS回路の比較・選択処理によって2つパスメト
リックの中で小さい方をステート00に対応する現時刻
の生き残りパスメトリックFn
〔00〕として共有メモ
リ264に出力される。ACS回路263−2〜263
−4も同様に動作して、ステート10、01、11に対
応した現時刻の生き残りパスメトリックFn〔10〕、
n〔01〕、Fn〔11〕が共有メモリ264に出力さ
れる。最小値選択回路265−1は、ACS回路263
−1〜263−4から出力されるパスメトリックの中で
n-2=0となるパスメトリックFn
〔000〕、F
n〔010〕、Fn〔001〕、Fn〔011〕を受け
て、それらの中で最小のパスメトリックを出力する。最
小値選択回路265−2は、ACS回路263−1〜2
63−4から出力されるパスメトリックの中でIn-2
1となるパスメトリックFn〔100〕、Fn〔11
0〕、Fn〔101〕、Fn〔111〕を入力し、その中
で最小のパスメトリックを出力する。減算回路266は
最小値選択回路265−1より出力される最小値から最
小値選択回路265−2より出力される最小値を減算
し、その結果を軟判定値として出力する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来例に
おいて、伝送路特性が時間ともに変動する場合、推定伝
送路特性がその変動に追従できないため、軟判定値に誤
差が生じる。この誤差のため、上記従来例の軟判定装置
により出力される軟判定値を利用して、ビタビ復号を行
った場合データの誤り率が劣化する。なお、以下ではビ
タビ復号したデータの誤り率が良くなる軟判定値を精度
の高い軟判定値と表現する。また、枝メトリックの計算
で使われる推定伝送路特性は、雑音などに起因す推定誤
差が含まれ、タップ数に応じてこの誤差が加算されるこ
とになる。よって、上記従来例は推定伝送路のメモリ長
が固定であるため、メモリ長が変化するような伝送路に
おいて、伝送路特性のメモリ長が小さくなった場合、不
要なタップのために精度の高い軟判定値を得ることがで
きない。また、上記従来例は、周波数オフセットが存在
するような伝送路において、周波数オフセットによる受
信信号の回転を考慮していないので、精度の高い軟判定
値を得ることができない。また、上記従来例は、ダイバ
ーシチ受信を行わないため、ダイバーシチ受信を行う場
合に比べ、軟判定値の精度が悪くなる。また、上記従来
例は、差動符号化された信号を受信した場合、差動符号
化前の信号に対する軟判定値を出力できない。
【0018】この発明は上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、伝送路特性が時間変化するよう
な伝送路においても精度の高い軟判定値を得ることがで
きる、さらに、推定伝送路特性のメモリ長が時間変化す
るような伝送路においても精度の高い軟判定値を得るこ
とができる、さらに、周波数オフセットが存在するよう
な伝送路においても精度の高い軟判定値を得ることがで
きる、さらに、ダイバーシチ受信を行いより精度の高い
軟判定値を得ることができる、さらに、差動符号化され
た信号を受信した場合も差動符号化前の信号に対する軟
判定値を出力できるなどの性能を向上した軟判定装置を
提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】請求項1に係わる軟判定
装置は、伝送路を介して符号化された信号を受信し、送
信信号の状態をステートに対応させ、受信信号の受信に
伴うひとつのステートから次のステートへの遷移を枝
に、その遷移の指標を枝メトリックに対応させ、上記受
信信号を逐次受信したときの上記遷移の経路であるパス
について上記枝メトリックに基づき上記パスの指標であ
るパスメトリックを算出し、上記パスメトリックに基づ
き上記パスのうち一部を生き残りパスとして選択するこ
とにより伝送された信号を軟判定する軟判定装置におい
て、上記受信信号及び生起する可能性のある連続したV
個の上記送信信号の組み合わせである上記ステート各々
に対応する推定伝送路特性を入力し、上記推定伝送路特
性に基づいて、上記ステート各々に繋がる枝それぞれの
上記枝メトリックを出力する枝メトリック作成手段と、
上記ステート各々に対応して設けられ、上記枝メトリッ
ク作成手段により出力される上記枝メトリックと1時刻
過去の生き残りパスメトリックを受け、上記ステート各
々に対応する送信系列の候補である生き残りパスメトリ
ック、上記生き残りパスに含まれる一時刻過去のステー
ト及び各ステートに繋がる枝を含むパスのパスメトリッ
クを出力する加算・比較・選択手段と、上記生き残りパス
メトリックを記憶し、上記加算・比較・選択手段が次の処
理をするときに上記1時刻過去の生き残りパスメトリッ
クとして記憶内容を出力するメモリと、上記送信信号の
取り得る候補各々に対応して設けられ、上記枝を構成す
る送信系列の中で最も過去の送信信号の候補に一致する
枝に対応する上記パスメトリックを受け、これらのパス
メトリックの中で最小のパスメトリックを出力する最小
値選択手段と、上記最小値選択手段によりそれぞれ選択
された上記パスメトリックに基づき軟判定値を出力する
軟判定値作成手段と、上記受信信号及び上記加算・比較・
選択手段により出力される上記ステート各々に対応する
上記一時刻過去のステートを受け、上記ステート各々に
対応した上記推定伝送路特性を更新し、更新した結果を
上記ステート各々に対応した推定伝送路特性として出力
する伝送路特性推定手段を備えたものである。
【0020】請求項2に係わる軟判定装置は、上記ステ
ートを構成する上記送信信号の個数Vを推定伝送路特性
のメモリ長Lより大きくしたことを特徴とするものであ
る。
【0021】請求項3に係わる軟判定装置は、伝送路を
介して符号化系列を差動符号化した信号を受信し、差動
符号化前の信号の状態をステートに対応させ、ひとつの
ステートから次のステートへの遷移を枝に、その遷移の
指標を枝メトリックに対応させ、上記遷移の経路である
パスについて上記枝メトリックに基づき上記パスの指標
であるパスメトリックを算出し、上記パスメトリックに
基づき上記パスのうち一部を生き残りパスとして選択す
ることにより伝送された差動符号化前の信号を軟判定す
る軟判定装置において、受信信号、生起する可能性のあ
る連続したV個の上記差動符号化前の信号の組み合わせ
である上記ステート各々に対応する推定伝送路特性及び
上記ステート各々に対応する(V+1)時刻過去の送信
信号を入力し、上記推定伝送路特性に基づいて、上記ス
テート各々に繋がる枝それぞれの上記枝メトリックを出
力する枝メトリック作成手段、上記ステート各々に対応
して設けられ、上記枝メトリック作成手段により出力さ
れる上記枝メトリックと1時刻過去の生き残りパスメト
リックを受け、上記ステート各々に対応する送信系列の
候補である生き残りパスメトリック、上記生き残りパス
に含まれる一時刻過去のステート及び各ステートに繋が
る枝を含むパスのパスメトリックを出力する加算・比較・
選択手段と、上記生き残りパスメトリックを記憶し、上
記加算・比較・選択手段が次の処理をするときに上記1時
刻過去の生き残りパスメトリックとして記憶内容を出力
するメモリと、上記差動符号化前の信号の取り得る候補
各々に対応して設けられ、上記枝を構成する差動符号化
前の系列の中で最も過去の差動符号化前の信号の候補に
一致する枝に対応する上記パスメトリックを受け、これ
らの上記パスメトリックの中で最小のパスメトリックを
出力する最小値選択手段と、上記最小値選択手段により
それぞれ選択された上記パスメトリックに基づき軟判定
値を出力する軟判定値作成手段と、上記受信信号、上記
メモリより出力される上記ステート各々に対応する上記
(V+1)時刻過去の送信信号の候補及び上記加算・比
較・選択手段により出力される上記ステート各々に対応
する上記一時刻過去のステートを受け、上記ステート各
々に対応した推定伝送路特性を更新し、更新した結果を
上記ステート各々に対応した上記推定伝送路特性として
出力する伝送路特性推定手段を備えたものである。
【0022】請求項4に係わる軟判定装置は、上記ステ
ートを構成する上記差動符号化前の信号の個数Vを推定
伝送路特性のメモリ長Lより大きくしたことを特徴とす
るものである。
【0023】請求項5に係わる軟判定装置は、伝送路を
介して、符号化系列をさらに符号化メモリ長 Kの畳込み符号によって符号化された信号を受信し、畳
込み符号化前の信号の態をステートに対応させ、ひとつ
のステートから次のステートへの遷移を枝に、その遷移
の指標を枝メトリックに対応させ、遷移の経路であるパ
スについて上記枝メトリックに基づき上記パスの指標で
あるパスメトリックを算出し、上記パスメトリックに基
づき上記パスのうち一部を生き残りパスとして選択する
ことにより伝送された信号を軟判定する軟判定装置にお
いて、受信信号及び生起する可能性のある連続したV個
の上記畳込み符号化前の信号の組み合わせである上記ス
テート各々に対応する推定伝送路特性を入力し、上記推
定伝送路特性に基づいて、上記ステート各々に繋がる枝
それぞれの上記枝メトリックを出力する枝メトリック作
成手段、上記ステート各々に対応して設けられ、上記枝
メトリック作成手段により出力される枝メトリックと1
時刻過去の生き残りパスメトリックを受け、上記ステー
ト各々に対応する送信系列の候補である生き残りパスメ
トリック、上記生き残りパスに含まれる一時刻過去のス
テート及び各ステートに繋がる枝を含むパスのパスメト
リックを出力する加算・比較・選択手段と、上記生き残り
パスメトリックを記憶し、上記加算・比較・選択手段が次
の処理をするときに上記1時刻過去の生き残りパスメト
リックとして記憶内容を出力するメモリと、上記符号化
前の信号の取り得る候補各々に対応して設けられ、上記
枝を構成する符号化前の系列の中で最も過去の符号化前
の信号の候補に一致する枝に対応する上記パスメトリッ
クを受け、これらの上記パスメトリックの中で最小のパ
スメトリックを出力する最小値選択手段と、上記最小値
選択手段によりそれぞれ選択されたパスメトリックに基
づき軟判定値を出力する軟判定値作成手段と、上記受信
信号及び上記加算・比較・選択手段により出力される上記
ステート各々の上記一時刻過去のステートを受け、上記
ステート各々に対応した上記推定伝送路特性を更新し、
更新した結果を上記ステート各々に対応した推定伝送路
特性として出力する伝送路特性推定手段を備えたもので
ある。
【0024】請求項6に係わる軟判定装置は、上記ステ
ートを構成する符号化前の信号の個数Vを上記符号化メ
モリ長Kと推定伝送路特性のメモリ長Lの和より大きく
したことを特徴とするものである。
【0025】請求項7に係わる軟判定装置は、上記伝送
路特性推定手段により出力される上記推定伝送路特性に
基づき上記伝送路のメモリ長Lを推定し、その結果を推
定メモリ長として出力するメモリ長推定手段を備え、上
記伝送路特性推定手段を、上記メモリ長推定手段により
出力される上記推定メモリ長に基づき上記ステート各々
に対応した上記推定伝送路特性を更新するように構成し
たことを特徴とするものである。
【0026】請求項8に係わる軟判定装置は、上記受信
信号を受け、送信信号の既知情報に基づき伝送路特性を
推定し、この推定伝送路特性によって上記伝送路のメモ
リ長Lを推定し、その結果を推定メモリ長として出力す
るメモリ長推定手段を備え、上記伝送路特性推定手段
を、上記メモリ長推定手段により出力される上記推定メ
モリ長に基づき上記ステート各々に対応した上記推定伝
送路特性を更新するように構成したことを特徴とするも
のである。
【0027】請求項9に係わる軟判定装置は、上記メモ
リ長推定手段を、上記推定伝送路特性に基づき信号電力
及び各符号間干渉成分を計算し、上記信号電力と上記符
号間干渉成分に基づいて得られる推定伝送路特性の修正
情報を出力するように構成し、上記伝送路特性推定手段
を、上記メモリ長推定手段により出力される上記修正情
報に基づき上記ステート各々に対応した上記推定伝送路
特性を修正及び更新するように構成したことを特徴とす
るものである。
【0028】請求項10に係わる軟判定装置は、上記メ
モリ長推定手段を、雑音電力または雑音電力の推定値を
受け、上記推定伝送路特性に基づき各符号間干渉成分を
計算し、上記雑音電力または上記雑音電力の推定値と上
記符号間干渉成分に基づいて得られる推定伝送路特性の
修正情報を出力するように構成したことを特徴とするも
のである。
【0029】請求項11に係わる軟判定装置は、上記軟
判定値及び、雑音電力または雑音電力の推定値を受け、
上記軟判定値を上記雑音電力または上記雑音電力の推定
値で割った値を、補正た軟判定値として出力する軟判定
値補正手段を備えたことを特徴とするものである。
【0030】請求項12に係わる軟判定装置は、上記軟
判定値及び、信号電力、受信電力、信号電力の推定値ま
たは受信電力の推定値を受け、上記軟判定値を上記信号
電力、上記受信電力、上記信号電力の推定値または上記
受信電力の推定値で割った値を、補正した軟判定値とし
て出力する軟判定値補正手段を備えたことを特徴とする
ものである。
【0031】請求項13に係わる軟判定装置は、上記伝
送路特性推定回路より出力される上記ステート各々に対
応した上記推定伝送路特性を受け、上記推定伝送路特性
それぞれに基づいて、上記ステート各々に対応した推定
周波数オフセット量を出力する周波数オフセット推定回
路を備えるとともに、上記伝送路特性推定回路を、上記
周波数オフセット推定回路から出力される上記ステート
各々に対応した上記推定周波数オフセット量に基づいて
ステート各々に対応した上記推定伝送路特性を補正し、
補正された推定伝送路特性を更新するように構成したこ
とを特徴とするものである。
【0032】請求項14に係わる軟判定装置は、上記伝
送路特性推定回路より出力される上記ステート各々に対
応した推定伝送路特性を受け、上記推定伝送路特性に基
づいて、推定周波数オフセット量を出力する周波数オフ
セット推定回路を備えるとともに、上記伝送路特性推定
回路を、上記周波数オフセット推定回路から出力される
上記推定周波数オフセット量に基づいてステート各々に
対応した上記推定伝送路特性を補正し、補正された推定
伝送路特性を更新するように構成したことを特徴とする
ものである。
【0033】請求項15に係わる軟判定装置は、上記伝
送路特性推定回路より出力される上記ステート各々に対
応した上記推定伝送路特性を受け、上記推定伝送路特性
に基づいて、推定周波数オフセット量を出力する周波数
オフセット推定回路を備えるとともに、上記受信信号及
び上記周波数オフセット量を入力し、上記周波数オフセ
ット量に基づいて上記受信信号を補正し、補正された受
信信号を受信信号として出力する受信信号補正回路を備
えたことを特徴とするものである。
【0034】請求項16に係わる軟判定装置は、上記枝
メトリック作成手段を、P系統の受信信号及び上記ステ
ート各々に対応する上記推定伝送路特性を受け、上記推
定伝送路特性に基づいて、上記ステート各々に繋がる枝
の枝メトリックを出力するように構成し、上記伝送路特
性推定手段を、上記P系統の受信信号及び上記加算・比
較・選択手段により出力される上記ステート各々に対応
した上記一時刻過去のステートを受け、上記ステート各
々に対応した上記推定伝送路特性を更新し、更新した結
果を上記ステート各々に対応した推定伝送路特性として
出力するように構成したことを特徴とするものである。
【0035】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.この発明の実施の形態1について説明す
る。なお、図において同一の符号を付した構成要素は同
一または相当のものである。図1は、発明の実施の形態
1に係る軟判定装置の一例を示すブロック図である。同
図において、11は受信信号入力端子、12は2M(こ
こでM=2V、V≧L、Vはトレリスのメモリ長、Lは
推定伝送路のメモリ長)個の枝それぞれに対応した枝メ
トリックを計算する枝メトリック作成回路、13−1〜
13−MはM(=2V)個のステートそれぞれに対応し
て設けられ、ACS処理を行うACS回路、14はAC
S回路13−1〜13−M接続された共有メモリ、15
−1、15−2は最小値選択回路、16は減算回路、1
7は軟判定値出力端子、18は伝送路特性推定回路であ
る。なお、本例は、送信信号が0または1の2値をとる
場合の構成である。
【0036】次に軟判定装置の動作について図1を用い
て説明する。枝メトリック作成回路12は、受信信号r
nと伝送路特性推定回路18が出力するM個のステート
nそれぞれに対応した推定伝送路特性gi,n〔Sn1〕、
i=0,・・・,Lを入力し、各枝Sn-1/Snに対応し
た送信系列の候補に基づいて、(14)式によって枝メ
トリックEn〔Sn-1/Sn〕を計算し、出力する。 En〔Sn-1/Sn〕={ABS(rn− Σ gi,n〔Sn-1〕In-i)}2 ………(14) ここで、総和Σはi=0,・・・,Lについてとり、I
n-i(i=0,・・・,L)は枝Sn-1/Snにより一意
に決定される送信系列の候補値である。ACS回路13
−1は、ACS回路13−1に対応するステートSn
繋がる2つの枝S0 n-1/Sn及び枝S1 n-1/Snに対応し
枝メトリック作成回路が出力する枝メトリックEn〔S0
n-1/Sn〕及び枝メトリックEn〔S1 n-1/Sn〕と、そ
の2つの枝によって結ばれる1時刻過去のステートS0
n-1及びステートS0 n-1に対応し共有メモリ14より出
力される1時刻過去の生き残りパスメトリックF
n- 1〔S0 n-1〕及びFn-1〔S1 n-1〕を受ける。 ACS
回路13−1は、これら入力に基づき(15)、(1
6)に示す加算処理を行い、枝S0 n-1/Sn及び枝S1
n-1/Snに対応する現時刻のパスメトリックFn〔S0
n-1/Sn〕及びFn〔S1 n- 1/Sn〕を計算する。 Fn〔S0 n-1/Sn〕=En〔S0 n-1/Sn〕+Fn-1〔S0 n-1〕 (15) Fn〔S1 n-1/Sn〕=En〔S1 n-1/Sn〕+Fn-1〔S1 n-1〕 (16) そして、ACS回路13−1は、上記(15)、(1
6)式により得られたパスメトリックFn〔S0 n-1
n〕とFn〔S1 n-1/Sn〕とを比較して、小さい方を
ステートSnに対応する現時刻の生き残りパスメトリッ
クFn〔Sn〕として、を共有メモリ14に出力する。
【0037】また、ACS回路13−1は、パスメトリ
ックFn〔S0 n-1/Sn〕を最小値選択回路15−1に、
パスメトリックFn〔S1 n-1/Sn〕を最小値選択回路1
5−2に、ACS処理における選択結果Sn-1〔Sn
(=S0 n-1またはS1 n-1)を伝送路特性推定回路18に
出力する。残りのACS回路13−2〜13−Mも同様
に動作する。共有メモリ14は、ACS回路13−1〜
13−Mが出力する現時刻の生き残りパスメトリックを
入力し、1時刻過去の生き残りパスメトリックを更新す
る。最小値選択回路15−1は、枝Sn-1/Snを構成す
る最も過去の送信信号In- Vが0であるM個の枝S0 n-1
/Snに対応したパスメトリックFn〔S0 n-1/Sn〕を
入力し、その中で最小のパスメトリックを出力する。最
小値選択回路15−2は、枝Sn-1/Snを構成する最も
過去の送信信号In-Vが1であるM個の枝S1 n- 1/Sn
対応したパスメトリックFn〔S0 n-1/Sn〕を入力し、
その中で最小のパスメトリックを出力する。減算回路1
6は最小値選択回路15−1の出力と最小値選択回路1
5−2の出力の差を計算し、この結果を軟判定値として
軟判定値出力端子17から出力する。
【0038】伝送路特性推定回路18は、ACS回路1
3−1〜13−Mが出力する選択結果Sn-1〔Sn〕を入
力し、(17)式に示すLMS(Least Mean Square)
アルゴリズムによって伝送路特性を更新する。 gi,n+1〔Sn〕=gi,n〔Sn-1〔Sn〕〕 +α{rn−Σgj,n〔Sn-1〔Sn〕〕In-j}In-i ……(17) ここで、i=0,・・・,Lである。ただし、総和Σは
j=0,・・・,Lについてとり、In-L、・・・、In
は枝Sn-1〔Sn〕/Snによって決定する系列の一部で
ある。また、αはLMSアルゴリズムのステップサイズ
である。
【0039】発明の実施の形態1は、推定伝送路特性を
ステート毎に逐次更新することにより、伝送路特性が高
速に変動する場合、従来例よりも精度の高い軟判定値を
得ることができる。また、従来例では伝送路を推定する
ために既知のトレーニング系列を受信信号に含む必要が
あったが、発明の実施の形態1ではトレーニング系列を
受信することなく伝送路を推定することができる。ただ
し、トレーニング系列によって伝送路特性を推定し、そ
の推定伝送路特性を初期値として、伝送路特性を逐次更
新することもできる。
【0040】さらに、トレリスのメモリ長Vを推定伝送
路のメモリ長Lより大きくとることにより、判定したい
時刻よりVシンボル先の情報を考慮して軟判定が行える
ので、従来例よりも精度の高い軟判定値を得ることがで
きる。
【0041】また、発明の実施の形態1は取り得る値を
0と1にしたが、−1と1またはそれに比例した値の組
み合わせの方が実用的である。また、送信信号の取り得
る数Uを2としたが、2より大きい場合についても容易
に拡張でき、さらに1つの送信信号が(A,B)と2ビ
ット以上の情報を送信する場合、(18)、(19)式
によって各ビットA、Bの軟判定値を計算できる。 An-V=min(Fn〔Sn〕)−min(Fn〔Sn〕) (18) Bn-V=min(Fn〔Sn〕)−min(Fn〔Sn〕) (19) ここで、(18)式の第1項は、ステートSnによって
決定される送信系列(An-V,Bn-V)、・・・、
(An,Bn)のAn-V=0となるステートに対応する生
き残りパスメトリックの中で最小になるものを計算して
いる。(18)式の第2項は、An-V=1となるステー
トに対応する生き残りパスメトリックの中で最小になる
ものを計算している。(19)式の第1項は、Bn-V
0となるステートに対応する生き残りパスメトリックの
中で最小になるものを計算している。(19)式の第2
項は、Bn-V=1となるステートに対応する生き残りパ
スメトリックの中で最小になるものを計算している。
【0042】また、発明の実施の形態1は、枝メトリッ
クとして受信信号とレプリカの2乗誤差に−1をかけた
値を枝メトリックとし、ACS処理及び軟判定値の計算
において最小値を選択する代わりに最大値を選択するよ
うにして修正することもできる。
【0043】また、発明の実施の形態1では、推定伝送
路特性の更新にLMSアルゴリズムを用いたがRLS
(Recursive Least Squares)アルゴリズムなどの他の
アルゴリズムで更新することもできる。
【0044】実施の形態2.この発明の実施の形態2に
ついて説明する。なお、図において同一の符号を付した
構成要素は同一または相当のものである。図2は、発明
の実施の形態2に係る軟判定装置の一例を示すブロック
図である。同図において、11は受信信号入力端子、1
2は2M(ここでM=2V、Vはトレリスのメモリ長)
個の枝それぞれに対応した枝メトリックを計算する枝メ
トリック作成回路、13−1〜13−MはM(=2V
個のステートそれぞれに対応して設けられ、ACS処理
を行うACS回路、14はACS回路13−1〜13−
M接続された共有メモリ、15−1、15−2は最小値
選択回路、16は減算回路、17は軟判定値出力端子、
18は伝送路特性推定回路、21は雑音電力入力端子、
22はメモリ長推定回路、23は除算回路である。な
お、本例は、送信信号が0または1の2値をとる場合の
構成である。また、受信信号には、受信機側で既知であ
るトレーニング系列が含まれ、このトレーニング系列に
よって伝送路特性の初期値を計算することができる。
【0045】次に発明の実施の形態2の動作について図
2を用いて説明する。ただし、発明の実施の形態1と動
作が異なる部分についてだけ説明する。メモリ長推定回
路22は、受信信号のトレーニング系列部分を入力し、
メモリ長推定回路22が保持しているトレーニング系列
情報によって推定伝送路特性g0、・・・、gVを計算
し、(20)式によって得られるしきい値Qに対して、
{ABS(gi)}2>Qとなるgiが全て含まれるよう
に推定伝送路特性のメモリ長Lの値を決定する。 Q=β・Σ{ABS(gi)}2 (20) ここで、βはしきい値Qの調整のための係数である。
【0046】図2に推定伝送路のメモリ長Lの推定の具
体例を示す。なお、V=3とする。まず、トレーニング
系列を用いて計算した推定伝送路g1、・・・、g3の中
でg1とg3が{ABS(gi)}2>Qとなるので、
1、g2及びg3を有効なタップ係数とし、{ABS
(g0)}2≦Qとならないようにg1、g2及びg3をそ
れぞれg■0、g■1及びg■2にシフトする。メモリ長
推定回路22は、この結果を伝送路推定回路18に出力
する。伝送路推定回路18は推定伝送路のメモリ長Lを
2とし、g■0、g■1及びg■2を推定伝送路特性の初
期値として推定伝送路特性の更新を行う。
【0047】枝メトリック作成回路12、ACS回路1
3−1〜13−M、最小値選択回路15−1,15−
2、減算回路16は発明の実施の形態1と同様に動作す
る。除算回路23は、減算回路16から出力される軟判
定値と雑音電力入力端子21から入力される雑音電力
(またはそれに相当する推定値)を受け、軟判定値を雑
音電力で割った値を補正された軟判定値として軟判定値
出力端子17から出力する。
【0048】発明の実施の形態2は、推定伝送路のメモ
リ長Lを適切に変化させることにより、実際の伝送路の
メモリ長が変化するような場合においても、その変化に
追従することが可能であり、精度の高い軟判定値を得る
ことができる。また、トレーニング系列に基づいて推定
した推定伝送路特性の代わりに、伝送路特性推定回路よ
り出力される推定伝送路特性に基づいて推定伝送路のメ
モリ長Lを推定するように構成することもできる。
【0049】また、発明の実施の形態2は、軟判定値を
雑音電力によって補正することにより、受信信号に含ま
れる雑音の電力が変化するような場合においても、雑音
電力を一定とした場合と同じ軟判定値を得ることができ
る。
【0050】また、雑音電力に対する信号電力の比が一
定で、受信電力が変動する場合、軟判定値を雑音電力に
よって補正する代わりに、信号電力または受信電力によ
り軟判定値を補正するように構成することもできる。雑
音電力に対する信号電力の比が一定という条件では、信
号電力または受信電力が雑音電力に比例するため、雑音
電力で補正した場合と同じ効果が得られる。
【0051】また、メモリ長推定回路22は、しきい値
Qとして、雑音電力のβ倍または推定雑音電力のβ倍を
用いることもできる。また、推定伝送路特性のメモリ長
Lを変化させる変わりに、推定伝送路特性の不要なタッ
プ係数を0にして、等価的に推定伝送路特性のメモリ長
Lを変化させることもできる。さらに、{ABS
(g0)}2≦Qとなるタップ係数を強制的にgi=0と
するように推定伝送路特性を補正することもできる。例
えば、図3の補正された推定伝送路特性において、{A
BS(g■1)}2≦Qとなるので、 g■1=0とする。
【0052】また、発明の実施の形態2は取り得る値を
0と1にしたが、−1と1またはそれに比例した値の組
み合わせの方が実用的である。また、送信信号の取り得
る数Uを2としたが、2より大きい場合についても容易
に拡張でき、さらに1つの送信信号が(A,B)と2ビ
ット以上の情報を送信する場合、(18)、(19)式
によって各ビットA、Bの軟判定値を計算できる。
【0053】また、発明の実施の形態2は、枝メトリッ
クとして受信信号とレプリカの2乗誤差に−1をかけた
値を枝メトリックとし、ACS処理及び軟判定値の計算
において最小値を選択する代わりに最大値を選択するよ
うにして修正することもできる。
【0054】また、発明の実施の形態2では、推定伝送
路特性の更新にLMSアルゴリズムを用いたがRLSア
ルゴリズムなどの他のアルゴリズムで更新することもで
きる。
【0055】実施の形態3.この発明の実施の形態3に
ついて説明する。なお、図において同一の符号を付した
構成要素は同一または相当のものである。図4は、発明
の実施の形態2に係る軟判定装置の一例を示すブロック
図である。同図において、11は受信信号入力端子、1
2は2M(ここでM=2V、Vはトレリスのメモリ長)
個の枝それぞれに対応した枝メトリックを計算する枝メ
トリック作成回路、13−1〜13−MはM(=2V
個のステートそれぞれに対応して設けられ、ACS処理
を行うACS回路、14はACS回路13−1〜13−
M接続された共有メモリ、15−1、15−2は最小値
選択回路、16は減算回路、17は軟判定値出力端子、
41は周波数オフセット補正回路、48は伝送路特性推
定回路である。なお、本例は、送信信号が0または1の
2値をとる場合の構成である。
【0056】次に発明の実施の形態3の動作について図
4を用いて説明する。ただし、発明の実施の形態1と動
作が異なる部分についてだけ説明する。周波数オフセッ
ト推定回路41は、伝送路特性推定回路48から出力さ
れる推定伝送路特性を受けて、その変化の量から周波数
オフセット量foffを推定し、伝送路特性推定回路48
に出力する。伝送路特性推定回路48は、受信信号rn
及びACS回路13−1〜13−Mが出力する選択結果
n-1〔Sn〕を入力し、(21)式に示すLMSアルゴ
リズムによって伝送路特性を更新する。また、周波数オ
フセット推定回路41から出力される推定周波数オフセ
ット量fnを受けて、推定伝送路特性を(22)式によ
って補正する。 g■i,n+1〔Sn〕=gi,n〔Sn-1〔Snn〕〕 +α{rn−Σgj,n〔Sn-1〔Sn〕〕In-j}In-1 ……(21) ここで、i=0,・・・,Lである。 gi,n+1〔Sn〕=g■i,n+1〔Sn〕・exp(j2πfn) (22) ただし、総和Σはj=0,・・・,Lについてとり、I
n-L、・・・、Inは枝Sn-1〔Sn〕/Snによって決定
する系列の一部である。枝メトリック作成回路12、A
CS回路13−1〜13−M、最小値選択回路15−
1,15−2、減算回路16は発明の実施の形態1と同
様に動作し、軟判定値出力端子17から軟判定値を出力
する。
【0057】ここで、周波数オフセットとは、受信した
IF(中間周波数)信号の搬送波周波数と受信機内の発
振器の周波数との差によって生じる周波数のオフセット
成分である。受信したIF信号は、受信機内の発信器に
基づいて搬送波周波数成分を取り除かれて、受信信号と
なる。この際、搬送波周波数と発振器の周波数が一致し
ていない場合、受信信号に搬送波成分が残留する。この
残留成分、すなわち周波数オフセットが存在すると軟判
定の精度が悪くなる。発明の実施の形態3では、この周
波数オフセット量を推定し、この推定値によって伝送路
特性を補正するため、精度の高い軟判定値を得ることが
できる。
【0058】また、発明の実施の形態3は、各ステート
毎に周波数オフセット量fn〔Sn〕を推定し、(23)
式のように推定伝送路特性を補正することができる。 gi,n+1〔Sn〕=g■i,n+1〔Sn〕・exp(j2πf
n〔Sn〕) (23)このように推定することによ
り、さらに精度の高い軟判定値を得ることができる。ま
た、発明の実施の形態3は、周波数オフセット推定回路
で推定した周波数オフセット量fnによって、推定伝送
路特性を補正する代わりに、受信信号を(24)式のよ
うに補正することができる。 rn+1=rn+1・exp(−j2πfn) (23) このように補正することにより、発明の実施の形態3の
構成を簡単にできる。
【0059】さらに、発明の実施の形態3は、発明の実
施の形態2ように、推定伝送路のメモリ長Lを適切に変
化させることにより、実際の伝送路のメモリ長が変化す
るような場合においても、精度の高い軟判定値を得るこ
とができ、また、軟判定値を雑音電力によって補正する
ことにより、受信信号に含まれる雑音の電力が変化する
ような場合においても、雑音電力を一定とした場合と同
じ軟判定値を得ることができる。
【0060】また、送信信号の取り得る値を0と1にし
たが、−1と1またはそれに比例した値の組み合わせの
方が実用的である。また、送信信号の取り得る数Uを2
としたが、2より大きい場合についても容易に拡張で
き、さらに1つの送信信号が(A,B)と2ビット以上
の情報を送信する場合、(18)、(19)式によって
各ビットA、Bの軟判定値を計算できる。
【0061】また、発明の実施の形態3は、枝メトリッ
クとして受信信号とレプリカの2乗誤差に−1をかけた
値を枝メトリックとし、ACS処理及び軟判定値の計算
において最小値を選択する代わりに最大値を選択するよ
うにして修正することもできる。
【0062】また、推定伝送路特性の更新にLMSアル
ゴリズムを用いたがRLSアルゴリズムなどの他のアル
ゴリズムで更新することもできる。
【0063】実施の形態4.この発明の実施の形態4に
ついて説明する。なお、図において同一の符号を付した
構成要素は同一または相当のものである。図5は、発明
の実施の形態4に係る軟判定装置の一例を示すブロック
図である。同図において、51−1〜51−PはP系統
の受信信号入力端子、52は2M(ここでM=2V、V
はトレリスのメモリ長)個の枝それぞれに対応した枝メ
トリックを計算する枝メトリック作成回路、13−1〜
13−MはM(=2V)個のステートそれぞれに対応し
て設けられ、ACS処理を行うACS回路、14はAC
S回路13−1〜13−M接続された共有メモリ、15
−1、15−2は最小値選択回路、16は減算回路、1
7は軟判定値出力端子、58は伝送路特性推定回路であ
る。なお、本例は、送信信号が0または1の2値をとる
場合の構成である。
【0064】次に発明の実施の形態4の動作について図
5を用いて説明する。ただし、発明の実施の形態1と動
作が異なる部分についてだけ説明する。枝メトリック作
成回路52は、P系統の受信信号rk,n及び伝送路特性
推定回路58の出力するP系統の推定伝送路特性g
i,k,n、i=0,・・・,L、k=0,・・・,Pを受
けて、枝Sn-1/Snに対応した枝メトリックEn〔Sn-1
/Sn〕を(24)式によって計算し、その結果をAC
S回路13−1〜13−Mに出力する。 En〔Sn-1/Sn〕=Σ{ABS(rk,n− Σ gi,k,nn-i)}2 ……(24) ここで、内側の総和Σはi=0,・・・,Lについてと
り、外側の総和Σはk=0,・・・,Pについてとる。
n-i(i=0,・・・,L)は枝Sn-1/Snにより一
意に決定される送信系列の候補値である。ACS回路1
3−1〜13−M、共有メモリ14、最小値選択回路1
5−1,15−2、減算回路16は、発明の実施の形態
1と同様に動作し、軟判定値出力端子17から軟判定値
を出力する。伝送路特性推定回路58は、受信信号に含
まれている既知のトレーニング系列によって、推定伝送
路特性の初期値gi,k,0、i=0,・・・,L、k
=0,・・・,Pを計算する。この動作はトレーニング
系列が受信信号として送られているときだけ行い、トレ
ーニング系列の最後のシンボルの時刻n=0とする。次
に、伝送路特性推定回路58は、(25)式によって伝
送路特性を逐次更新する。 gi,k,n+1〔Sn〕=gi,k,n〔Sn-1〔Sn〕〕 +α{rk,n−Σgj,k,n〔Sn-1〔Sn〕〕In-j}In-i ……(35) ここで、 i=0,・・・,L k=0,・・・,P である。
【0065】発明の実施の形態4は、P系統の受信信号
に基づいて軟判定を行うため、ダイバーシチの効果によ
り低C/Nにおいても、精度の高い軟判定が行える。
【0066】また、発明の実施の形態4は、発明の実施
の形態2のように、推定伝送路のメモリ長Lを適切に変
化させることにより、実際の伝送路のメモリ長が変化す
るような場合においても、精度の高い軟判定値を得るこ
とができる。さらに、発明の実施の形態3のように、周
波数オフセット量を推定し、この推定値によって伝送路
特性を補正することにより、周波数オフセットが存在す
る場合においても、精度の高い軟判定値を得ることがで
きる。
【0067】また、送信信号の取り得る値を0と1にし
たが、−1と1またはそれに比例した値の組み合わせの
方が実用的である。また、送信信号の取り得る数Uを2
としたが、2より大きい場合についても容易に拡張で
き、さらに1つの送信信号が(A,B)と2ビット以上
の情報を送信する場合、(18)、(19)式によって
各ビットA、Bの軟判定値を計算できる。
【0068】また、発明の実施の形態4は、枝メトリッ
クとして受信信号とレプリカの2乗誤差に−1をかけた
値を枝メトリックとし、ACS処理及び軟判定値の計算
において最小値を選択する代わりに最大値を選択するよ
うにして修正することもできる。また、推定伝送路特性
の更新にLMSアルゴリズムを用いたがRLSアルゴリ
ズムなどの他のアルゴリズムで更新することもできる。
【0069】実施の形態5.この発明の実施の形態5に
ついて説明する。なお、図において同一の符号を付した
構成要素は同一または相当のものである。図6は、発明
の実施の形態5に係る軟判定装置の一例を示すブロック
図である。同図において、11は受信信号入力端子、6
2は2M(ここでM=2V、V≧L、Vはトレリスのメ
モリ長、Lは推定伝送路のメモリ長)個の枝それぞれに
対応した枝メトリックを計算する枝メトリック作成回
路、63−1〜63−MはM(=2V)個のステートそ
れぞれに対応して設けられ、ACS処理を行うACS回
路、64は枝メトリック作成回路62及びACS回路6
3−1〜63−M接続された共有メモリ、15−1、1
5−2は最小値選択回路、16は減算回路、17は軟判
定値出力端子、68は伝送路特性推定回路である。な
お、本例は、差動符号化された信号が送信され、送信信
号は0または1の2値をとる場合の構成であり、差動符
号化前の情報信号の軟判定値を推定するものである。
【0070】ここで、差動符号化とは、送信信号の値そ
のものに情報を与えるのでなく、1時刻過去の送信信号
との差分に情報を与えるよう符号化することである。例
えば、送信信号としてJn-1が送信された後に、情報系
列(差動符号化前の系列)In、In+1、In+2、In+3
n+4を伝送する場合、時刻n以降の送信系列Jn、J
n+1、Jn+2、Jn+3、Jn+4は次のように示すことができ
る。 Jn=Jn-1+In mod 2 (26) Jn+1=Jn+In+1 mod 2 (27) Jn+2=Jn+1+In+2 mod 2 (28) Jn+3=Jn+2+In+3 mod 2 (29) Jn+4=Jn+3+In+4 mod 2 (30) したがって、Jn-1=1が送信された後に、情報系列
0、1、1、0、1を伝送する場合、時刻n以降の送信
系列は1、0、1、1、0となる。
【0071】次に発明の実施の形態5の動作について図
6を用いて説明する。ただし、発明の実施の形態1と動
作が異なる部分についてだけ説明する。枝メトリック作
成回路62は、共有メモリ64が出力するM個のステー
トSnそれぞれに対応した時刻n−V−1の送信信号の
候補Jn-V-1〔Sn〕を受け、次式によって送信系列の候
補Jn-V、・・・、Jnを計算し、時刻n−Vの送信信号
の候補Jn-Vを枝Sn-1/Snに対応する送信信号J
n-V〔Sn-1/Sn〕として出力する。 Jn-V-1=Jn-V+In-V mod 2 : Jn=Jn-1+In mod 2 (31) ここで、In-i(i=0,・・・,V)は枝Sn-1/Sn
により一意に決定される情報系列の候補値である。さら
に、枝メトリック作成回路62は、受信信号r nと伝送
路特性推定回路18が出力するM個のステートSnそれ
ぞれに対応した推定伝送路特性gi,n〔Sn〕、i=0,
・・・,Lを入力し、(31)式の送信信号の候補に基
づいて、(32)式によって枝メトリックEn〔Sn-1
n〕を計算し、出力する。 En〔Sn-1/Sn〕={ABS(rn− Σ gin-i)}2 (32) ここで、総和Σはi=0,・・・,Lについてとる。
【0072】ACS回路63−1は、ACS回路63−
1に対応するステートSnに繋がる2つの枝S0 n-1/Sn
及び枝S1 n-1/Snに対応し枝メトリック作成回路が出
力する枝メトリックEn〔S0 n-1/Sn〕及び枝メトリッ
クEn〔S1 n-1/Sn〕と、その2つの枝によって結ばれ
る1時刻過去のステートS0 n-1及びステートS0 n-1に対
応し共有メモリ64より出力される1時刻過去の生き残
りパスメトリックFn- 1〔S0 n-1〕及びFn-1〔S1 n-1
を受ける。 ACS回路63−1は、これら入力に基づ
き(33)、(34)に示す加算処理を行い、枝S0 n-1
/Sn及び枝S1 n-1/Snに対応する現時刻のパスメトリ
ックFn〔S0 n-1/Sn〕及びFn〔S1 n- 1/Sn〕を計算
する。 Fn〔S0 n-1/Sn〕=En〔S0 n-1/Sn〕+Fn-1〔S0 n-1〕 (33) Fn〔S1 n-1/Sn〕=En〔S1 n-1/Sn〕+Fn-1〔S1 n-1〕 (34) そして、ACS回路63−1は、上記(33)、(3
4)式により得られたパスメトリックFn〔S0 n-1
n〕とFn〔S1 n-1/Sn〕とを比較して、小さい方を
ステートSnに対応する現時刻の生き残りパスメトリッ
クFn〔Sn〕として、共有メモリ64に出力する。
【0073】また、ACS回路63−1は、ACS回路
63−1に対応するステートSnに繋がる2つの枝S0
n-1/Sn及び枝S1 n-1/Snに対応し枝メトリック作成
回路が出力する時刻n−Vの送信信号の候補Jn-V〔S0
n-1/Sn〕及びJn-V〔S1 n-1/Sn〕を受け、上記AC
S処理結果に基づいて、ステートSnに対応する時刻n
−Vの送信信号の候補Jn-V〔Sn〕を決定し、共有メモ
リ64に出力する。さらに、ACS回路63−1は、パ
スメトリックFn〔S0 n-1/Sn〕を最小値選択回路15
−1に、パスメトリックFn〔S1 n-1/Sn〕を最小値選
択回路15−2に、ACS処理における選択結果Sn-1
〔Sn〕(=S0 n-1またはS1 n-1)を伝送路特性推定回
路68に出力する。残りのACS回路63−2〜63−
Mも同様に動作する。最小値選択回路15−1、15−
2及び減算回路16は発明の実施の形態1と同様に動作
する。
【0074】伝送路特性推定回路68は、ACS回路6
3−1〜63−Mが出力する選択結果Sn-1〔Sn〕と、
共有メモリ64が出力する時刻n−V−1の送信信号の
候補Jn-V-1〔Sn-1〔Sn〕/Sn〕を入力し、(31)
式による送信系列の候補Jn- V、・・・、Jnの計算後、
(35)式に示すLMS(Least Mean Square)アルゴ
リズムによって伝送路特性を更新する。 gi,n+1〔Sn〕=gi,n〔Sn-1〔Sn〕〕 +α{rn−Σgj,n〔Sn-1〔Sn〕〕Jn-j}Jn-i (35) (i=0,・・・,L) ただし、総和Σはj=0,・・・,Lについてとる。
また、αはLMSアルゴリズムのステップサイズであ
る。共有メモリ64は、ACS回路63−1〜63−M
が出力する現時刻の生き残りパスメトリックとV時刻過
去の送信信号の候補を入力し、1時刻過去の生き残りパ
スメトリックとV+1時刻過去の送信信号の候補を更新
する。
【0075】発明の実施の形態5は、差動符号化した信
号を受信する場合に、差動符号化前の信号の軟判定値を
高い精度で推定することができる。また、トレリスのメ
モリ長Vを推定伝送路のメモリ長Lより大きくとること
により、判定したい時刻よりVシンボル先の情報を考慮
して軟判定が行えるので、より精度の高い軟判定値を得
ることができる。
【0076】また、発明の実施の形態5は、符号化メモ
リ長Kの畳込み符号によって符号化した信号を受信した
場合に、復号した信号の軟判定値を高い精度で推定する
ように構成することもできる。さらに、トレリスのメモ
リ長Vを、推定伝送路のメモリ長Lと符号化メモリ長K
の和より大きくとることにより、判定したい時刻よりV
シンボル先の情報を考慮して軟判定が行えるので、より
精度の高い軟判定値を得ることができる。
【0077】また、発明の実施の形態5は、発明の実施
の形態2のように、推定伝送路のメモリ長Lを適切に変
化させることにより、実際の伝送路のメモリ長が変化す
るような場合においても、精度の高い軟判定値を得るこ
とができる。また、軟判定値を雑音電力によって補正す
ることにより、受信信号に含まれる雑音の電力が変化す
るような場合においても、雑音電力を一定とした場合と
同じ軟判定値を得ることができる。
【0078】さらに、発明の実施の形態3のように、周
波数オフセット量を推定し、この推定値によって伝送路
特性を補正することにより、周波数オフセットが存在す
る場合においても、精度の高い軟判定値を得ることがで
きる。また、発明の実施の形態4のように、P系統の受
信信号に基づいて軟判定を行うことにより、低C/Nに
おいても、精度の高い軟判定が行える。
【0079】また、送信信号の取り得る値を0と1にし
たが、−1と1またはそれに比例した値の組み合わせの
方が実用的である。また、送信信号の取り得る数Uを2
としたが、2より大きい場合についても容易に拡張で
き、さらに1つの送信信号が(A,B)と2ビット以上
の情報を送信する場合、(18)、(19)式によって
各ビットA、Bの軟判定値を計算できる。
【0080】また、発明の実施の形態5は、枝メトリッ
クとして受信信号とレプリカの2乗誤差に−1をかけた
値を枝メトリックとし、ACS処理及び軟判定値の計算
において最小値を選択する代わりに最大値を選択するよ
うにして修正することもできる。また、推定伝送路特性
の更新にLMSアルゴリズムを用いたがRLSアルゴリ
ズムなどの他のアルゴリズムで更新することもできる。
【0081】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明によれ
ば、推定伝送路特性を逐次更新するので、時間とともに
伝送路特性が変動するような伝送路においても、精度の
高い軟判定値を得ることができる。
【0082】また、請求項2の発明によれば、トレリス
のメモリ長Vを伝送路のメモリ長Lよりも長くしたの
で、精度の高い軟判定値を得ることができる。
【0083】また、請求項3の発明によれば、差動符号
化前の信号に対するトレリスを用いて軟判定値を計算す
るので、差動符号化前の信号に対する軟判定値を直接得
ることができる。
【0084】また、請求項4の発明によれば、トレリス
のメモリ長Vを伝送路のメモリ長Lよりも長くしたの
で、差動符号化前の信号に対して精度の高い軟判定値を
得ることができる。
【0085】また、請求項5の発明によれば、畳込み符
号化前の信号に対するトレリスを用いて軟判定値を計算
するので、畳込み前の信号に対する軟判定値を直接得る
ことができる。
【0086】また、請求項6の発明によれば、トレリス
のメモリ長Vを伝送路のメモリ長Lよりも長くしたの
で、畳込み前の信号に対して精度の高い軟判定値を得る
ことができる。
【0087】また、請求項7、請求項8、請求項9及び
請求項10の発明によれば、メモリ長推定手段の推定結
果に基づき最適な推定伝送路のメモリ長Lを選択して枝
メトリックを算出するので、伝送路のメモリ長が変化す
るような伝送路においても精度の高い軟判定値を得るこ
とができる。
【0088】また、請求項11の発明によれば、雑音電
力または雑音電力の推定値によって軟判定値を修正する
ので、雑音電力が変動するような伝送路においても精度
の高い軟判定値を得ることができる。
【0089】また、請求項12の発明によれば、信号電
力、信号電力の推定値、受信電力または受信電力の推定
値によって軟判定値を修正するので、雑音電力に対する
信号電力比が一定で、雑音電力が変動するような伝送路
においても精度の高い軟判定値を得ることができる。
【0090】また、請求項13及び請求項14の発明に
よれば、周波数オフセット推定手段によって周波数オフ
セット量を推定し、その推定値によって推定伝送路特性
を修正するので、周波数オフセットが存在するような伝
送路においても精度の高い軟判定値を得ることができ
る。
【0091】また、請求項15の発明によれば、周波数
オフセット推定手段によって周波数オフセット量を推定
し、その推定値によって受信信号を修正するので、周波
数オフセットが存在するような伝送路においても精度の
高い軟判定値を得ることができる。
【0092】また、請求項16の発明によれば、ダイバ
ーシチ受信することができるので、精度の高い軟判定値
を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1の軟判定装置を示す
構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態2の軟判定装置を示す
構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態2の軟判定装置のメモ
リ長推定回路によるメモリ長決定の説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態3に係わる軟判定装置
の構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態4に係わる軟判定装置
の構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態5に係わる軟判定装置
の構成図である。
【図7】 FIRフィルタのブロック図である。
【図8】 伝送路のモデル図である。
【図9】 V=2のときのトレリス図である。
【図10】 従来の最尤系列推定を説明するためのV=
2としたトレリス図である。
【図11】 従来の軟判定装置の構成図である。
【図12】 従来の軟判定装置の原理を説明するための
トレリス図及びステート遷移図である。ただし、V=2
である。
【符号の説明】
11 受信信号入力端子、 12 枝メトリック作成回
路、 13−1〜13−M ACS回路、 14 共有
メモリ、 15−1、15−2 最小値選択回路、 1
6 減算回路、 17 軟判定値出力端子、 18 伝
送路特性推定回路、 21 雑音電力入力端子、 22
メモリ長推定回路、 23 除算回路、 41 周波
数オフセット推定回路、 48 伝送路特性推定回路、
51−1〜51−P 受信信号入力端子、 52 枝
メトリック作成回路、 58 伝送路特性推定回路、6
2 枝メトリック作成回路、63−1〜63−M AC
S回路、 64 共有メモリ、 68 伝送路特性推定
回路。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝送路を介して符号化された信号を受信
    し、送信信号の状態をステートに対応させ、受信信号の
    受信に伴うひとつのステートから次のステートへの遷移
    を枝に、その遷移の指標を枝メトリックに対応させ、上
    記受信信号を逐次受信したときの上記遷移の経路である
    パスについて上記枝メトリックに基づき上記パスの指標
    であるパスメトリックを算出し、上記パスメトリックに
    基づき上記パスのうち一部を生き残りパスとして選択す
    ることにより伝送された信号を軟判定する軟判定装置に
    おいて、 上記受信信号及び生起する可能性のある連続したV個の
    上記送信信号の組み合わせである上記ステート各々に対
    応する推定伝送路特性を入力し、上記推定伝送路特性に
    基づいて、上記ステート各々に繋がる枝それぞれの上記
    枝メトリックを出力する枝メトリック作成手段と、 上記ステート各々に対応して設けられ、上記枝メトリッ
    ク作成手段により出力される上記枝メトリックと1時刻
    過去の生き残りパスメトリックを受け、上記ステート各
    々に対応する送信系列の候補である生き残りパスメトリ
    ック、上記生き残りパスに含まれる一時刻過去のステー
    ト及び各ステートに繋がる枝を含むパスのパスメトリッ
    クを出力する加算・比較・選択手段と、 上記生き残りパスメトリックを記憶し、上記加算・比較・
    選択手段が次の時刻の処理をするときに上記1時刻過去
    の生き残りパスメトリックとして記憶内容を出力するメ
    モリと、 上記送信信号の取り得る候補各々に対応して設けられ、
    上記枝を構成する送信系列の中で最も過去の送信信号の
    候補に一致する枝に対応する上記パスメトリックを受
    け、これらのパスメトリックの中で最小のパスメトリッ
    クを出力する最小値選択手段と、 上記最小値選択手段によりそれぞれ選択された上記パス
    メトリックに基づき軟判定値を出力する軟判定値作成手
    段と、 上記受信信号及び上記加算・比較・選択手段により出力さ
    れる上記ステート各々に対応する上記一時刻過去のステ
    ートを受け、上記ステート各々に対応した上記推定伝送
    路特性を更新し、更新した結果を上記ステート各々に対
    応した推定伝送路特性として出力する伝送路特性推定手
    段を備えた軟判定装置。
  2. 【請求項2】 上記ステートを構成する上記送信信号の
    個数Vを推定伝送路特性のメモリ長Lより大きくしたこ
    とを特徴とする請求項1記載の軟判定装置。
  3. 【請求項3】 伝送路を介して符号化系列を差動符号化
    した信号を受信し、差動符号化前の信号の状態をステー
    トに対応させ、ひとつのステートから次のステートへの
    遷移を枝に、その遷移の指標を枝メトリックに対応さ
    せ、上記遷移の経路であるパスについて上記枝メトリッ
    クに基づき上記パスの指標であるパスメトリックを算出
    し、上記パスメトリックに基づき上記パスのうち一部を
    生き残りパスとして選択することにより伝送された差動
    符号化前の信号を軟判定する軟判定装置において、 受信信号、生起する可能性のある連続したV個の上記差
    動符号化前の信号の組み合わせである上記ステート各々
    に対応する推定伝送路特性及び上記ステート各々に対応
    する(V+1)時刻過去の送信信号を入力し、上記推定
    伝送路特性に基づいて、上記ステート各々に繋がる枝そ
    れぞれの上記枝メトリックを出力する枝メトリック作成
    手段、 上記ステート各々に対応して設けられ、上記枝メトリッ
    ク作成手段により出力される上記枝メトリックと1時刻
    過去の生き残りパスメトリックを受け、上記ステート各
    々に対応する送信系列の候補である生き残りパスメトリ
    ック、上記生き残りパスに含まれる一時刻過去のステー
    ト及び各ステートに繋がる枝を含むパスのパスメトリッ
    クを出力する加算・比較・選択手段と、 上記生き残りパスメトリックを記憶し、上記加算・比較・
    選択手段が次の時刻の処理をするときに上記1時刻過去
    の生き残りパスメトリックとして記憶内容を出力するメ
    モリと、 上記差動符号化前の信号の取り得る候補各々に対応して
    設けられ、上記枝を構成する差動符号化前の系列の中で
    最も過去の差動符号化前の信号の候補に一致する枝に対
    応する上記パスメトリックを受け、これらの上記パスメ
    トリックの中で最小のパスメトリックを出力する最小値
    選択手段と、 上記最小値選択手段によりそれぞれ選択された上記パス
    メトリックに基づき軟判定値を出力する軟判定値作成手
    段と、 上記受信信号、上記メモリより出力される上記ステート
    各々に対応する上記(V+1)時刻過去の送信信号の候
    補及び上記加算・比較・選択手段により出力される上記ス
    テート各々に対応する上記一時刻過去のステートを受
    け、上記ステート各々に対応した推定伝送路特性を更新
    し、更新した結果を上記ステート各々に対応した上記推
    定伝送路特性として出力する伝送路特性推定手段を備え
    た軟判定装置。
  4. 【請求項4】 上記ステートを構成する上記差動符号化
    前の信号の個数Vを推定伝送路特性のメモリ長Lより大
    きくしたことを特徴とする請求項3記載の軟判定装置。
  5. 【請求項5】 伝送路を介して、符号化系列をさらに符
    号化メモリ長Kの畳込み符号によって符号化した信号を
    受信し、畳込み符号化前の信号の状態をステートに対応
    させ、ひとつのステートから次のステートへの遷移を枝
    に、その遷移の指標を枝メトリックに対応させ、遷移の
    経路であるパスについて上記枝メトリックに基づき上記
    パスの指標であるパスメトリックを算出し、上記パスメ
    トリックに基づき上記パスのうち一部を生き残りパスと
    して選択することにより伝送された信号を軟判定する軟
    判定装置において、 受信信号及び生起する可能性のある連続したV個の上記
    畳込み符号化前の信号の組み合わせである上記ステート
    各々に対応する推定伝送路特性を入力し、上記推定伝送
    路特性に基づいて、上記ステート各々に繋がる枝それぞ
    れの上記枝メトリックを出力する枝メトリック作成手
    段、 上記ステート各々に対応して設けられ、上記枝メトリッ
    ク作成手段により出力される枝メトリックと1時刻過去
    の生き残りパスメトリックを受け、上記ステート各々に
    対応する送信系列の候補である生き残りパスメトリッ
    ク、上記生き残りパスに含まれる一時刻過去のステート
    及び各ステートに繋がる枝を含むパスのパスメトリック
    を出力する加算・比較・選択手段と、 上記生き残りパスメトリックを記憶し、上記加算・比較・
    選択手段が次の時刻の処理をするときに上記1時刻過去
    の生き残りパスメトリックとして記憶内容を出力するメ
    モリと、 上記符号化前の信号の取り得る候補各々に対応して設け
    られ、上記枝を構成する符号化前の系列の中で最も過去
    の符号化前の信号の候補に一致する枝に対応する上記パ
    スメトリックを受け、これらの上記パスメトリックの中
    で最小のパスメトリックを出力する最小値選択手段と、 上記最小値選択手段によりそれぞれ選択されたパスメト
    リックに基づき軟判定値を出力する軟判定値作成手段
    と、 上記受信信号及び上記加算・比較・選択手段により出力さ
    れる上記ステート各々の上記一時刻過去のステートを受
    け、上記ステート各々に対応した上記推定伝送路特性を
    更新し、更新した結果を上記ステート各々に対応した推
    定伝送路特性として出力する伝送路特性推定手段を備え
    た軟判定装置。
  6. 【請求項6】 上記ステートを構成する符号化前の信号
    の個数Vを上記符号化メモリ長Kと推定伝送路特性のメ
    モリ長Lの和より大きくしたことを特徴とする請求項5
    記載の軟判定装置。
  7. 【請求項7】 上記伝送路特性推定手段により出力され
    る上記推定伝送路特性に基づき上記伝送路のメモリ長L
    を推定し、その結果を推定メモリ長として出力するメモ
    リ長推定手段を備え、 上記伝送路特性推定手段を、上記メモリ長推定手段によ
    り出力される上記推定メモリ長に基づき上記ステート各
    々に対応した上記推定伝送路特性を更新するように構成
    したことを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の
    軟判定装置。
  8. 【請求項8】 上記受信信号を受け、送信信号の既知情
    報に基づき伝送路特性を推定し、この推定伝送路特性に
    よって上記伝送路のメモリ長Lを推定し、その結果を推
    定メモリ長として出力するメモリ長推定手段を備え、 上記伝送路特性推定手段を、上記メモリ長推定手段によ
    り出力される上記推定メモリ長に基づき上記ステート各
    々に対応した上記推定伝送路特性を更新するように構成
    したことを特徴とする請求項1乃至6いずれかに記載の
    軟判定装置。
  9. 【請求項9】 上記メモリ長推定手段を、上記推定伝送
    路特性に基づき信号電力及び各符号間干渉成分を計算
    し、上記信号電力と上記符号間干渉成分に基づいて得ら
    れる推定伝送路特性の修正情報を出力するように構成
    し、 上記伝送路特性推定手段を、上記メモリ長推定手段によ
    り出力される上記修正情報に基づき上記ステート各々に
    対応した上記推定伝送路特性を修正及び更新するように
    構成したことを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記
    載の軟判定装置。
  10. 【請求項10】 上記メモリ長推定手段を、雑音電力ま
    たは雑音電力の推定値を受け、上記推定伝送路特性に基
    づき各符号間干渉成分を計算し、上記雑音電力または上
    記雑音電力の推定値と上記符号間干渉成分に基づいて得
    られる推定伝送路特性の修正情報を出力するように構成
    したことを特徴とする請求項1乃至8いずれかに記載の
    軟判定装置。
  11. 【請求項11】 上記軟判定値及び、雑音電力または雑
    音電力の推定値を受け、上記軟判定値を上記雑音電力ま
    たは上記雑音電力の推定値で割った値を、補正した軟判
    定値として出力する軟判定値補正手段を備えたことを特
    徴とする請求項1乃至10いずれかに記載の軟判定装
    置。
  12. 【請求項12】 上記軟判定値及び、信号電力、受信電
    力、信号電力の推定値または受信電力の推定値を受け、
    上記軟判定値を上記信号電力、上記受信電力、上記信号
    電力の推定値または上記受信電力の推定値で割った値
    を、補正した軟判定値として出力する軟判定値補正手段
    を備えたことを特徴とする請求項1乃至10いずれかに
    記載の軟判定装置。
  13. 【請求項13】 上記伝送路特性推定回路より出力され
    る上記ステート各々に対応した上記推定伝送路特性を受
    け、上記推定伝送路特性それぞれに基づいて、上記ステ
    ート各々に対応した推定周波数オフセット量を出力する
    周波数オフセット推定回路を備えるとともに、 上記伝送路特性推定回路を、上記周波数オフセット推定
    回路から出力される上記ステート各々に対応した上記推
    定周波数オフセット量に基づいてステート各々に対応し
    た上記推定伝送路特性を補正し、補正された推定伝送路
    特性を更新するように構成したことを特徴とする請求項
    1乃至12いずれかに記載の軟判定装置。
  14. 【請求項14】 上記伝送路特性推定回路より出力され
    る上記ステート各々に対応した推定伝送路特性を受け、
    上記推定伝送路特性に基づいて、推定周波数オフセット
    量を出力する周波数オフセット推定回路を備えるととも
    に、 上記伝送路特性推定回路を、上記周波数オフセット推定
    回路から出力される上記推定周波数オフセット量に基づ
    いてステート各々に対応した上記推定伝送路特性を補正
    し、補正された推定伝送路特性を更新するように構成し
    たことを特徴とする請求項1乃至12いずれかに記載の
    軟判定装置。
  15. 【請求項15】 上記伝送路特性推定回路より出力され
    る上記ステート各々に対応した上記推定伝送路特性を受
    け、上記推定伝送路特性に基づいて、推定周波数オフセ
    ット量を出力する周波数オフセット推定回路を備えると
    ともに、 上記受信信号及び上記周波数オフセット量を入力し、上
    記周波数オフセット量に基づいて上記受信信号を補正
    し、補正された受信信号を受信信号として出力する受信
    信号補正回路を備えたことを特徴とする請求項1乃至1
    2いずれかに記載の軟判定装置。
  16. 【請求項16】 上記枝メトリック作成手段を、P系統
    の受信信号及び上記ステート各々に対応する上記推定伝
    送路特性を受け、上記推定伝送路特性に基づいて、上記
    ステート各々に繋がる枝の枝メトリックを出力するよう
    に構成し、 上記伝送路特性推定手段を、上記P系統の受信信号及び
    上記加算・比較・選択手段により出力される上記ステート
    各々に対応した上記一時刻過去のステートを受け、上記
    ステート各々に対応した上記推定伝送路特性を更新し、
    更新した結果を上記ステート各々に対応した推定伝送路
    特性として出力するように構成したことを特徴とする請
    求項1乃至15いずれかに記載の軟判定装置。
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