JPH1069781A - 半導体集積回路装置 - Google Patents

半導体集積回路装置

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JPH1069781A
JPH1069781A JP9218647A JP21864797A JPH1069781A JP H1069781 A JPH1069781 A JP H1069781A JP 9218647 A JP9218647 A JP 9218647A JP 21864797 A JP21864797 A JP 21864797A JP H1069781 A JPH1069781 A JP H1069781A
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Shigeki Obayashi
茂樹 大林
Toru Shiomi
徹 塩見
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Mitsubishi Electric Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体集積回路装置の高速化を図ることであ
る。 【解決手段】 入力バッファ回路において、2段目をB
iNMOSノンインバータ102およびCMOSインバ
ータ103で構成し、ドライバ回路をBiNMOSプッ
シュプル回路106,107で構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は半導体集積回路装置に
関し、特にBiCMOS技術を用いた半導体集積回路装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】BiMOSは、バイポーラ素子およびM
OS素子が同一チップ上に混載された回路構成方式の一
種であり、アナログ処理を行なうバイポーラICと、低
消費電力でデジタル処理を行なうMOS ICとを同一
チップ上に混載するLSI技術である。
【0003】バイポーラICは、高精度なアナログ処理
を実行でき、電流駆動能力が大きいという特徴により、
高周波信号の処理および高速動作が可能であるという長
所を有する反面、入力インピーダンスが低く、消費電力
が大きいという欠点を有する。一方、MOS ICは、
集積度や入力インピーダンスが高いという長所を有する
反面、アナログ処理に不向きであるという欠点を有す
る。
【0004】そこで、バイポーラICおよびMOS I
Cの両方の利点を兼ね備えた半導体集積回路装置を実現
するために、BiMOSという回路構成方式が考え出さ
れた。バイポーラICおよびMOS ICの両方の長所
を生かすために、BiMOS構成の半導体集積回路装置
では、たとえば、TTLレベルの信号を出力する回路部
はバイポーラ素子とMOS素子とにより構成される。
【0005】明細書および図面において、N1〜N80
はNチャネルMOS電界効果トランジスタ(NMOSト
ランジスタ)を示し、P1〜P35,P61〜P74は
PチャネルMOS電界効果トランジスタ(PMOSトラ
ンジスタ)を示す。また、B1〜B22はNPN型バイ
ポーラトランジスタを示す。
【0006】(1) 従来のSRAMの全体の概略構成
(図45) 図45は、BiMOS技術を用いた従来の一般的なSR
AM(Static RandomAccess Memory )の概略的な構成
を示すブロック図である。
【0007】メモリセルアレイ51には、複数のワード
線および複数のビット線対が互いに交差するように配置
され、それらの交点にメモリセルが設けられる。
【0008】ロウアドレスバッファ52は、外部から与
えられるロウアドレス信号X0〜X7をロウデコーダ5
3に与える。ロウデコーダ53は、ロウアドレス信号に
応答してメモリセルアレイ51内の1つのワード線を選
択する。カラムアドレスバッファ55は、外部から与え
られるカラムアドレス信号Y0〜Y6をカラムデコーダ
56に与える。カラムデコーダ56は、カラムアドレス
信号に応答してメモリセルアレイ51内の1つのビット
線対を選択する。それにより、選択されたワード線と選
択されたビット線対との交点に設けられたメモリセルが
選択される。選択されたメモリセルにデータが書込ま
れ、あるいは、そのメモリセルに記憶されたデータが読
出される。
【0009】R/W制御回路62に外部から与えられる
ライトイネーブル信号/WEおよびチップセレクト信号
/CSがともに“L”になると、データの書込動作が行
なわれる。このとき、書込まれるべき入力データは入力
ピンDQに与えられる。この入力データが、データ入出
力バッファ59およびR/W制御回路62を介して書込
ドライバ61に与えられ、メモリセルアレイ51内の選
択されたメモリセルに書込まれる。書込動作が終了する
と、ビット線負荷回路60によりメモリセルアレイ51
内のビット線対が所定の電位に充電される。
【0010】ライトイネーブル/WEが“H”になる
と、データの読出動作が行なわれる。メモリセルアレイ
51内の選択されたメモリセルに記憶されたデータが、
センスアンプ58により検出および増幅され、データ入
出力バッファ59を介して入出力ピンDQに出力され
る。
【0011】図45のSRAMでは、入力ピンおよび出
力ピンが共通になっている。また、歩留を向上させるた
めに、ロウリダンダンシ回路(ロウ救済回路)54およ
びカラムリダンダンシ回路(カラム救済回路)57のよ
うな冗長回路が設けられる。
【0012】(2) 従来のSRAMの各部分の詳細な
構成 (a) 入力バッファ回路(図46) 図46は、図45に示されるロウアドレスバッファ5
2、カラムアドレスバッファ55およびR/W制御回路
62に用いられるTTLインタフェースの入力バッファ
回路を示す回路図である。
【0013】高電位側電源端子(以下、電源端子と呼
ぶ)には電源電位Vccが与えられ、低電位側電源端子
(以下、接地端子と呼ぶ)には接地電位GNDが与えら
れる。TTLインタフェースの半導体集積回路装置にお
いては、電源電位Vccは5V、接地電位GNDは0V
に設定される。
【0014】図46において、入力端子I1とノードn
1との間に、トランジスタP1,P2,N1からなるC
MOSインバータ101が接続される。ノードn1と出
力ノードO2との間には、トランジスタP61,N61
からなるCMOSインバータ121およびトランジスタ
P63,N63からなるCMOSインバータ123が接
続される。ノードn1と出力ノードO1との間には、ト
ランジスタP62,N62からなるCMOSインバータ
122、トランジスタP64,N64からなるCMOS
インバータ124およびトランジスタP65,N65か
らなるCMOSインバータ125が接続される。
【0015】TTLインタフェースの場合、入力端子I
1に与えられる入力信号Aの“H”レベルは2.2Vで
あり、“L”レベルは0.8Vである。したがって、入
力信号Aの振幅はCMOSレベル(“H”=5V,
“L”=0V)と比べて小さく、かつ“H”電位が低
い。
【0016】そのため、CMOSインバータ101によ
り、次段の論理しきい値が1.5Vになるように調整が
行なわれる。1.5Vは2.2Vと0.8Vとの中間電
位である。
【0017】具体的には、トランジスタN1のサイズが
大きくされる。また、CMOSインバータ121,12
2の次段の論理しきい値が5Vと0Vとの中間電位であ
る2.5Vになるように、トランジスタN61,N62
のサイズが大きくされる。
【0018】CMOSインバータ123,124,12
5はドライバ回路として働き、次段に接続されるデコー
ダ回路を高速動作させる。
【0019】図46に示すように、CMOS回路で相補
な出力信号B,/Bを得るためには、1段のCMOSイ
ンバータ125が余分に必要となる。
【0020】(b) WEバッファ回路(ライトイネー
ブルバッファ回路)(図47,図48) 図47は、図45に示されるR/W制御回路62に含ま
れるWEバッファおよびその関連部分を示すブロック図
である。また、図48は、WEバッファの動作を説明す
るための波形図である。
【0021】図47および図48を参照しながら、図4
5のSRAMの動作を説明する。ここでは、アドレス信
号と外部ライトイネーブル信号/WEとが同じタイミン
グで切換わる(すなわちセットアップタイム=0ns、
ホールドタイム=0nsとなる)最も厳しいタイミング
の場合の動作を考える。
【0022】(サイクルCY1の期間)サイクルCY1
においてはライトイネーブル信号/WEが“L”となる
ので、SRAMは書込状態となる。書込状態のとき、内
部ライトイネーブル信号/IWEの立下がりは、ワード
線の切換わりよりも遅くする必要がある。なぜならば、
ワード線の切換わり前に内部ライトイネーブル信号/I
WEが立下がると、アドレス信号An−1で選択される
メモリセルにデータが書込まれる(誤書込み)ためであ
る。
【0023】(サイクルCY2の期間)サイクルCY2
においてはライトイネーブル信号/WEが“H”となる
ため、SRAMは読出状態になる。読出状態のとき、内
部ライトイネーブル信号/IWEの立上がりは、ワード
線の切換わりより早くする必要がある。
【0024】なぜならば、ワード線の切換わり前に内部
ライトイネーブル信号/IWEが立上がると、アドレス
信号An+1で選択されるメモリセルにデータが誤書込
みされる可能性があるからである。また、ビット線の
“L”レベルの電位が読出状態の電源電位Vccに近い
電位まで回復する時間が、ワード線の切換わりの時間よ
りも遅れるので、読出時間すなわちアクセスタイムが長
くなるからである。
【0025】したがって、内部ライトイネーブル信号/
IWEは、書込状態に入るアドレス変化には遅く応答
し、かつ読出状態に入るアドレス変化には速く応答する
ことが要求される。
【0026】一方、出力バッファ回路を制御する内部ア
ウトプットイネーブル信号/IOEには、次に示すよう
に、全く逆の特性が要求される。
【0027】(サイクルCY1の期間)入力ピンと出力
ピンとが共通である場合には、入出力ピンDQは書込動
作時には入力ピンとして使用される。したがって、内部
アウトプットイネーブル信号/IOEを立上げることに
より出力バッファ回路をできるだけ速くディスエイブル
状態にしてハイインピーダンスにする必要がある。
【0028】(サイクルCY2の期間)一方、読出動作
時においては、内部アウトプットイネーブル信号/IO
Eを立下げることにより速く出力バッファ回路をイネー
ブル状態にすると、前のデータが一旦読出され、その後
真のデータが読出される。それにより、アクセスタイム
が長くなるという問題がある。
【0029】したがって、内部アウトプットイネーブル
信号/IOEは、書込状態に入るアドレス変化には速く
応答し、かつ読出状態に入るアドレス変化には遅く応答
することが要求される。
【0030】図48に示されるように、ライトイネーブ
ル信号/WEの立下がり時点t10から内部ライトイネ
ーブル信号/IWEの立下がり時点までの時間T11は
長く設定し、ライトイネーブル信号/WEの立上がり時
点t11から内部ライトイネーブル信号/IWEの立上
がり時点までの時間T12は短く設定される。
【0031】また、ライトイネーブル信号/WEの立下
がり時点t10から内部アウトプットイネーブル信号/
IOEの立上がり時点までの時間T13は短く設定さ
れ、ライトイネーブル信号/WEの立上がり時点t11
から内部アウトプットイネーブル信号/IOEの立下が
り時点までの時間T14は長く設定される。
【0032】図47に示されるように、WEバッファ1
8aはライトイネーブル信号/WEを受け、それをWE
波形整形回路19aおよびOE波形整形回路23aに与
える。WE波形整形回路19aにより内部ライトイネー
ブル信号/IWEが得られ、OE波形整形回路23aに
より内部アウトプットイネーブル信号/IOEが得られ
る。WEバッファ18aには、図46に示される入力バ
ッファ回路が用いられる。
【0033】(c) ゲート回路(図49〜図51) 図49はCMOSインバータ回路を示す回路図であり、
図50はBiCMOSゲート回路を示す回路図である。
【0034】図49に示されるCMOSインバータ回路
は、PMOSトランジスタP66およびNMOSトラン
ジスタN66を含む。トランジスタP66は電源端子と
出力端子O21との間に接続され、トランジスタN66
は出力端子O21と接地端子との間に接続される。トラ
ンジスタP66,N66のゲートは入力端子I21に接
続される。
【0035】図50に示されるBiCMOSゲート回路
は、PMOSトランジスタP13、NMOSトランジス
タN17,N18,N19およびバイポーラトランジス
タB7,B8を含む。
【0036】トランジスタP13は電源端子とノードn
21との間に接続され、ノードn21と接地端子との間
に接続される。トランジスタN18は出力端子O21と
ノードn22との間に接続され、トランジスタN17は
トランジスタN19はノードn22と接地端子との間に
接続される。トランジスタP13,N17,N18のゲ
ートは入力端子I21に接続され、トランジスタN19
のゲートはノードn21に接続される。
【0037】トランジスタB7は電源端子と出力端子O
21との間に接続され、トランジスタB8は出力端子O
21と接地端子との間に接続される。トランジスタB7
のベースはノードn21に接続され、トランジスタB8
のゲートはノードn22に接続される。
【0038】MOSLSIでは、TTLとの互換性を考
慮して、電源電圧として5Vを使用している。また、電
源ノイズマージンを大きくし、MOSFETの性能を落
としたくない等の理由で、0.8μmよりも大きいデザ
インルールを用いたLSIでは、電源電圧として5Vを
使用している。
【0039】MOSFETが微細化されると、ドレイン
近傍の電界が高くなり、チャネル中のキャリアが高電界
で加速される。それにより、そのキャリアが大きなエネ
ルギを得る。このようなキャリアは非常に高いエネルギ
を有するので、ホットキャリアと呼ばれている。
【0040】このときに、インパクトイオン化が起こ
り、電子・正孔対が発生する。これらのホットキャリア
が酸化膜中にトラップされたり、表面準位を作ることに
より、トランジスタの特性が劣化する。これを、ホット
キャリアによるデバイス劣化と呼ぶ。
【0041】NMOSトランジスタの方がPMOSトラ
ンジスタよりもインパクトイオン化率が大きく、ソース
およびドレインの不純物プロファイルが急峻であり、ド
レイン近傍の電界が高い。そのため、ホットキャリアに
よるデバイス劣化は、NMOSトランジスタの方が著し
い。
【0042】したがって、高速化のために0.8μmよ
りも小さいデザインルールを使用する場合には、ホット
キャリアによるデバイス劣化に対して何らかの対策をと
る必要がある。
【0043】図51は、ホットキャリアによるMOSト
ランジスタの劣化を示し、(a)はGmの劣化率を示
し、(b)はしきい値のシフト量を示す。図51の
(a)および(b)は、菅野卓雄監修,飯塚哲哉編,
「CMOS超LSIの設計」,培風館に示されている。
【0044】図51の(a)および(b)から、ドレイ
ン電圧VDSが大きくなるに従ってデバイスの劣化が大き
くなることがわかる。
【0045】(d) デコーダ回路(図52) 図52は、図45に示されるロウデコーダ53およびカ
ラムデコーダ56に用いられるデコーダ回路の構成を示
す回路図である。
【0046】図52のデコーダ回路は、4つのBiNM
OS・3NAND回路211〜214および4つのBi
CMOSインバータ241〜244を含む。BiNMO
S・3NAND回路211〜214の各々はPMOSト
ランジスタP14〜P16、NMOSトランジスタN2
0〜N25およびバイポーラトランジスタB23を含
む。BiCMOSインバータ241〜244の各々の構
成は、図50に示されるBiCMOSゲート回路の構成
と同様である。
【0047】各BiNMOS・3NAND回路の出力端
子O31に、対応するBiCMOSインバータの入力端
子が接続される。BiNMOS・3NAND回路211
〜214のノードn31およびBiCMOSインバータ
241〜244のトランジスタN13のソースは接地端
子に接続される。
【0048】上述のようにデザインルールが厳しくなっ
た場合、図52のデコーダ回路においても、ホットキャ
リアに対する何らかの対策をとる必要がある。
【0049】(e) 出力バッファ回路(図53〜図5
8) 図53は、TTLレベルの信号を出力するBiCMOS
構成の半導体集積回路装置の一般的な構成を示す図であ
る。
【0050】この半導体集積回路装置は、1チップ上に
データ発生回路340、出力制御回路350および出力
バッファ回路300を含む。データ発生回路340は、
外部信号に応答して、互いに相補な2つのデータ信号を
データバスDB1,SB2を介して出力制御回路350
に与える。出力制御回路350は、アウトプットイネー
ブル信号/OEおよびデータ信号に応答して、出力バッ
ファ回路300の入力端子I41,I42にプルアップ
制御信号CTLHおよびプルダウン制御信号CTLLを
与える。
【0051】出力バッファ回路300は、プルアップ回
路301およびプルダウン回路302を含む。プルアッ
プ回路301は電源端子と出力端子O41との間に接続
されたバイポーラトランジスタB9を含む。プルダウン
回路302は出力端子O41と接地端子との間に接続さ
れたNMOSトランジスタN67を含む。トランジスタ
B9のベースは入力端子I41に接続され、トランジス
タN67のゲートは入力端子I42に接続される。
【0052】制御信号CTLHが“H”になると、トラ
ンジスタB9のベース・エミッタ間電圧が上昇する。そ
れにより、トランジスタB9がオン状態となり、出力端
子O41が電源端子に電気的に接続される。したがっ
て、出力端子O41の電位は“H”に立上がる。
【0053】逆に、制御信号CTLLが“H”となる
と、トランジスタN67がオン状態となる。それによ
り、出力端子O41が接地端子に電気的に接続される。
したがって、出力端子O41の電位は“L”に立下が
る。
【0054】図54に、プルアップ回路301の他の例
を示す。図54の(a)のプルアップ回路301は、電
源端子と出力端子O41との間に直列に接続されるバイ
ポーラトランジスタB9およびダイオードD6を含む。
トランジスタB9のベースには制御信号CTLHが与え
られる。
【0055】図54の(b)のプルアップ回路301
は、電源端子と出力端子O41との間に接続されるNM
OSトランジスタN68を含む。トランジスタN68の
ゲートには制御信号CTLHが与えられる。
【0056】図54の(c)のプルアップ回路301
は、電源端子と出力端子O41との間に接続されるPM
OSトランジスタP67を含む。トランジスタP67の
ゲートには制御信号CTLHが与えられる。
【0057】図54の(a),(b)のプルアップ回路
301においては、制御信号CTLHが“H”になれ
ば、トランジスタB9,N68およびダイオードD6が
オンとなり、出力端子O41の電位が“H”に立上が
る。また、図54の(c)のプルアップ回路301にお
いては、制御信号CTLHが“L”となれば、トランジ
スタP67がオンとなり、出力端子O41の電位が
“H”に立上がる。
【0058】図55に、プルダウン回路302の他の例
を示す。図55の(a)のプルダウン回路302は、出
力端子O41と接地端子との間に直列に接続されるNM
OSトランジスタN31,N69、およびこれらのトラ
ンジスタN31,N69に並列に接続されるバイポーラ
トランジスタB10を含む。
【0059】トランジスタN31のゲートには制御信号
CTLLが与えられ、トランジスタN69のゲートは出
力端子O41に接続される。トランジスタB10のベー
スには、トランジスタN31,N69の接続点の電位が
与えられる。
【0060】出力端子O41の電位が“H”であるとき
には、トランジスタN69がオンする。それにより、ト
ランジスタB10のベース電位が“L”となり、出力端
子O41はプルアップ回路により充電される。
【0061】このとき、制御信号CTLLが“H”とな
ると、トランジスタN31がオンし、出力端子O41の
電荷がトランジスタB10のベースに供給される。その
結果、トランジスタB10がオンし、出力端子O41が
接地端子に電気的に接続される。したがって、出力端子
O41の電位は“L”となる。
【0062】図55の(b)のプルダウン回路302に
おいては、図55の(a)に示されるトランジスタN6
9の代わりに抵抗R2が接続される。このプルダウン回
路302においても、制御信号CTLLが“H”になる
と、出力端子O41の電位が“L”となる。
【0063】図55の(a)のプルダウン回路302に
おいて、出力端子O41の電位が“H”のときには、ト
ランジスタN69がオン状態となって、トランジスタB
10のベースが接地端子に電気的に接続される。そのた
め、このような期間にオフ状態であるべきトランジスタ
N31から何らかの原因でトランジスタB10のベース
に電流がリークした場合でも、このリーク電流はトラン
ジスタN69を介して放電される。
【0064】したがって、このようなリーク電流により
トランジスタB10がわずかにオン状態となって、電源
端子からプルアップ回路およびトランジスタB10を介
して接地端子に慣通電流が流れるという現象は回避され
る。
【0065】同様に、図55の(b)のプルダウン回路
302においては、抵抗R2により、トランジスタN3
1のリーク電流がトランジスタB10のベースに供給さ
れることが防止される。したがって、出力端子O41の
電位が“H”である期間における慣通電流の発生が回避
される。
【0066】図56および図57に出力制御回路350
の例を示す。図56の(a)の出力制御回路350は、
反転入力型の2入力ANDゲート351,352を含
む。アウトプットイネーブル信号/OEが“L”であれ
ば、制御信号CTLH,CTLLのレベルは、それぞれ
データバスDB1,DB2の電位により決定される。
【0067】データバスDB1,DB2の電位がそれぞ
れ“L”および“H”であれば、制御信号CTLH,C
TLLはそれぞれ“H”および“L”となる。逆に、デ
ータバスDB1,DB2の電位がそれぞれ“H”および
“L”であれば、制御信号CTLH,CTLLはそれぞ
れ“L”および“H”となる。
【0068】したがって、データ発生回路により論理値
“0”に対応する“L”のデータ信号がデータバスDB
2に与えられると、出力端子O41の電位は“L”とな
る。逆に、データ発生回路により論理値“1”に対応す
る“H”のデータ信号がデータバスDB2に与えられる
と、出力端子O41の電位は“H”となる。すなわち、
出力端子O41には、データ発生回路からデータバスD
B2に与えられたデータ信号が出力される。
【0069】図56の(b)の出力制御回路350は、
入力反転型の2入力ANDゲート351,352および
インバータ353を含む。この出力制御回路350は、
単一のデータバスDBに接続される。アウトプットイネ
ーブル信号/OEが“L”である期間、データバスDB
にデータ発生回路から与えられるデータ信号が出力端子
O41に出力される。
【0070】図57の出力制御回路350は、2入力N
ANDゲート354、入力反転型の2入力ANDゲート
352およびインバータ355を含む。アウトプットイ
ネーブル信号/OEが“L”であると、制御信号CTL
H,CTLLの電位はともにデータバスDBの電位によ
って決定される。
【0071】データバスDBの電位が“H”であれば、
制御信号CTLH,CTLLはともに“L”となる。逆
に、データバスDBの電位が“L”であれば、制御信号
CTLH,CTLLはともに“H”となる。
【0072】したがって、データ発生回路からデータバ
スDBに“H”のデータ信号が与えられると、出力バッ
ファ回路300のトランジスタP67がオンし、トラン
ジスタN67がオフする。その結果、出力端子O41に
は“H”のデータ信号が出力される。同様に、データ発
生回路からデータバスDBに“L”のデータ信号が与え
られると、出力バッファ回路300のトランジスタP6
7がオフし、トランジスタN67がオンする。それによ
り、出力端子O41には“L”のデータ信号が出力され
る。
【0073】アウトプットイネーブル信号/OEはデー
タ発生回路により発生されたデータ信号を外部に出力す
るか否かを指示する信号である。図56の(a),
(b)の出力制御回路350においては、アウトプット
イネーブル信号/OEが“H”であると、制御信号CT
LH,CTLLがともに“L”となる。そのため、出力
バッファ回路300のトランジスタB9,N67がオフ
し、出力端子O41の出力インピーダンスが高くなる。
【0074】図57の出力制御回路350においてアウ
トプットイネーブル信号/OEが“H”であると、制御
信号CTLHが“H”となり、制御信号CTLLが
“L”となる。そのため、出力バッファ回路300のト
ランジスタP67,N67がオフし、出力端子O41の
出力インピーダンスが高くなる。
【0075】図58は、図45に示されるデータ入出力
バッファ59に用いられる出力バッファ回路の構成を示
す回路図である。
【0076】この出力バッファ回路は、トランジスタP
68,N70からなるCMOSインバータ360、トラ
ンジスタP69,P70,N71,N72からなるCM
OS・2NOR回路370、トランジスタP71,P7
2,N73,N74からなるCMOS・2NOR回路3
80およびトランジスタB9,N67からなるBiNM
OSドライバ回路300を含む。
【0077】入力端子I50には入力信号/SAが与え
られる。この出力バッファ回路は、チップセレクト信号
CSが“L”のときに出力イネーブル状態(読出状態)
となり、チップセレクト信号CSが“H”のときに出力
ディスエイブル状態(書込状態)またはチップ非選択状
態となる。出力ディスエイブル状態またはチップ非選択
状態のときには、出力端子O50は高インピーダンス状
態となる。この出力バッファ回路においては、バイポー
ラトランジスタB9により、出力信号の立上がりが高速
化されている。
【0078】(f) ビット線負荷回路(図59〜図6
3) 図59は、図45に示されるメモリセルアレイ51およ
びその周辺の構成を示す図である。
【0079】複数のワード線WLおよび複数のビット線
対BL,/BLが互いに交差するように配置されてお
り、それらの交点にメモリセルMCが設けられている。
【0080】各メモリセルMCは、たとえば図60の
(a)または(b)に示される構成を有する。図60の
(a)のメモリセルは、NMOSトランジスタN75〜
N78および負荷抵抗R6,R7を含む。図60の
(b)のメモリセルは、PMOSトランジスタP73,
P74およびNMOSトランジスタN75〜N78を含
む。
【0081】図59において、各ビット線対BL,/B
Lにはビット線負荷回路470およびカラム選択回路4
80が接続される。ビット線負荷回路470はライトデ
ータバスWBa,WBbに接続される。カラム選択回路
480は、リードデータバスRBa,RBbに接続され
る。ライトデータバスWBa,WBbには書込ドライバ
490が接続され、リードデータバスRBa,RBbに
はセンスアンプ420が接続される。
【0082】ビット線負荷回路470は、カラム選択信
号Yi(i=1〜n)とライトイネーブル信号WEとの
論理積により得られる信号によって制御される。カラム
選択回路480は、カラム選択信号Yiにより制御され
る。カラム選択回路480は、ビット線BL,/BL間
に生じた電位差をリードデータバスRBa,RBbに伝
達する。センスアンプ420は、リードデータバスRB
a,RBbの信号を増幅し、出力回路に与える。
【0083】図61は、外部ライトイネーブル信号/W
Eが“L”から“H”へと変化することによりSRAM
が書込状態から読出状態へと変化する場合のビット線電
位の波形を示す。
【0084】図61においては、ライトイネーブル信号
/WEと外部アドレス信号とが同時に変化する場合が示
される。ここでは、カラムアドレス信号が固定されてお
り、ロウアドレス信号のみが変化すると仮定する。
【0085】書込動作時には、ビット線対BL,/BL
の一方の電位が書込レベルまで下げられる。ライトイネ
ーブル信号/WEが立上がることにより書込動作が終了
すると、ビット線負荷回路470によりビット線が充電
される。
【0086】図61において、実線L5はビット線が急
速に充電され、正常な動作が行なわれる場合のビット線
電位を示す。書込動作終了後のビット線の充電がワード
線の切換わりに対して遅れると、図61に破線L6で示
されるようにビット線電位の交差が遅れてアクセスの遅
延につながったり、一点鎖線L7で示すように、誤書込
みが発生する。
【0087】図62および図63に、ビット線負荷回路
の詳細な回路構成を示す。図62のビット線負荷回路
は、イコライズトランジスタP28、プルアップトラン
ジスタP29,P30およびライトデータバスWBa,
WBbの信号をビット線対BL,/BLに伝達するトラ
ンスファーゲートトランジスタN47,N48を含む。
【0088】入力端子I61には、カラム選択信号とラ
イトイネーブル信号との論理積により得られる信号Yi
・WEが与えられる。
【0089】読出動作時には、信号Yi・WEは“L”
となっている。そのため、トランジスタP28〜P30
はオンし、トランジスタN47,N48はオフしてい
る。選択されたメモリセルのセル電流がトランジスタP
28〜P30に流れることにより、ビット線BL,/B
L間に電位差が生じる。この電位差が図59のカラム選
択回路480を介してリードデータバスRBa,RBb
に伝達される。イコライズトランジスタP28は、ビッ
ト線電位の振幅を制限するために働いている。
【0090】書込動作時には、信号Yi・WEは“H”
となっている。そのため、トランジスタP28〜P30
はオフし、トランジスタN47,N48はオンしてい
る。ライトデータバスWBa,WBbのいずれか一方の
電位が“L”となり、トランジスタN47またはN48
を介してそのライトデータバスのデータがビット線BL
または/BLに伝達される。このとき、トランジスタP
28〜P30はオフしているので、ビット線負荷回路に
は書込電流が流れない。
【0091】書込動作が終了すると、ライトデータバス
WBa,WBbの電位はいずれも“H”となる。“L”
となったビット線はトランジスタN47またはN48を
介して図59の書込ドライバ490により充電される。
また、書込動作の終了により、信号Yi・WEは“L”
に変化する。それにより、トランジスタP28〜P30
はオンし、これらのトランジスタP28〜P30によっ
てもビット線が充電される。
【0092】図63のビット線負荷回路においては、図
62に示されるプルアップトランジスタP29,P30
の代わりに、プルアップトランジスタN79,N80が
設けられている。
【0093】読出動作時には、信号Yi・WEは“L”
となっている。そのため、トランジスタP28はオン
し、トランジスタN47,N48はオフしている。選択
されたメモリセルのセル電流が、トランジスタP28,
N79,N80に流れることにより、ビット線BL,/
BL間に電位差が生じる。この電位差が、図59のカラ
ム選択回路480を介してリードデータバスRBa,R
Bbに伝達される。
【0094】書込動作時には、信号Yi・WEは“H”
となっている。そのため、トランジスタP28はオフ
し、トランジスタN47,N48はオンしている。ライ
トデータバスWBa,WBbのいずれか一方の電位が
“L”となり、トランジスタN47またはN48を介し
てそのライトデータバスのデータがビット線BLまたは
/BLに伝達される。このとき、トランジスタP28は
オフしているが、トランジスタN79,N80はオンし
ている。したがって、ビット線負荷回路に書込電流が流
れる。
【0095】書込動作が終了すると、ライトデータバス
WBa,WBbの電位がいずれも“H”となる。“L”
となったビット線は、トランジスタN79またはN80
およびトランジスタN47またはN48を介して図59
の書込ドライバ490により充電される。また、書込動
作の終了により、信号Yi・WEは“L”に変化する。
したがって、そのビット線は、トランジスタP28によ
っても充電される。
【0096】(g) チップレイアウト(図64〜図6
6) 図64および図65は、32KX8 TTL SRAM
のピン配置図を示す。図64はコーナーパワーピンの例
を示し、図65はデュアルセンターパワーピンの例を示
す。
【0097】図64のコーナーパワーピンでは、パッケ
ージのコーナーの14番ピンおよび28番ピンにそれぞ
れGNDピンおよびVCCピンが割当てられている。図
65のデュアルセンターパワーピンでは、9番ピンおよ
び25番ピンにGNDピンが割当てられ、8番ピンおよ
び24番ピンにVCCピンが割当てられている。
【0098】図64および図65のSRAMは、ピン配
置が異なるだけで動作は全く同じである。
【0099】従来は、汎用のSRAMにおいては、図6
4に示されるようなコーナーパワーピンが多く使用され
てきた。しかし、センターパワーピンでは、GNDピン
およびVCCピンのような電源ピンがパッケージの中央
に配置されているので、パッケージのフレームの配線お
よびチップ内の配線を含めて、電源配線の長さが短く、
電源配線のインピーダンス成分が小さい。そのため、セ
ンターパワーピンは、電源配線の電圧降下および出力ノ
イズを抑えることができるという特徴を有する。
【0100】よって、近年、256Kビット以上の大容
量の多ビットの高速SRAMを中心として、図65に示
すようなセンターパワーピンの使用が増加している。
【0101】図66は、センターパワーピンを使用した
SRAMのチップ全体のレイアウトを示す図である。
【0102】図66のSRAMは、4つの出力回路29
1a〜294aを含むX4構成のSRAMである。チッ
プCH上にメモリセルアレイ1a,1bが配置され、分
割ワード線構成のグローバルロウデコーダ4がチップC
Hの中央部に配置されている。
【0103】ビット線負荷回路471,472はメモリ
セルアレイ1aの一方の側部に配置され、カラム選択回
路481,482およびセンスアンプ421,422が
メモリセルアレイ1a,1bの他方の側部に配置されて
いる。
【0104】センターパワーピンでは、出力ピンが電源
ピンの両側に配置されているので、出力回路291a,
292aはメモリセルアレイ1a,1bの一方の側部に
配置され、出力回路293a,294aはメモリセルア
レイ1a,1bの他方の側部に配置される。
【0105】リードデータバスRB1〜RB4はチップ
CH上の一方の側部に配置されている。メモリセルアレ
イ1a,1bから読出されたデータはセンスアンプ42
1,422で増幅され、リードデータバスRB1〜RB
4を介して出力回路291a〜294aに伝達される。
【0106】(h) シフトリダンダンシ回路(図67
〜図69) 冗長回路(リダンダンシ回路)は、不良ビットを予備の
ビットと置換することにより歩留の低下を防ぐために用
いられている。RAMの大容量化に従って、どのような
リダンダンシ方式を採用するかが重要な問題となってき
ている。
【0107】図67に、シフトリダンダンシ方式の概念
図を示す。シフトリダンダンシ方式は、デコード経路の
途中に配置されたスイッチを切換えることにより、不良
ビットを順次隣接するビットと置換する方式である。
【0108】通常はカラムデコーダ450の出力D1〜
D4が、カラムリダンダンシ制御回路SW0のスイッチ
S1〜S4によりそれぞれカラムC1〜C4に接続され
る。各カラムは1組のビット線対およびそれに接続され
る複数のメモリセルを含む。もし、図67に示すよう
に、左から2番目のカラムC2に不良ビットが存在する
ならば、スイッチS2〜S4を切換えることによって出
力D2〜D4がそれぞれカラムC3,C4および冗長カ
ラムRC1に接続される。
【0109】図68は、図67のシフトリダンダンシ方
式の詳細な構成を示す回路図である。
【0110】ヒューズF1〜F3,FEが接続状態であ
れば、トランジスタN60はオフしている。したがっ
て、デコーダ出力D1,D2,D3はそれぞれカラムC
1,C2,C3に接続されている。ヒューズF2,FE
のみを切断すれば、デコーダ出力D1はカラムC1に接
続され、デコーダ出力D2,D3はそれぞれカラムC
3,C4に接続される。
【0111】このように、シフトリダンダンシ方式は次
の2つの特徴を有する。1つはリダンダンシ回路のプロ
グラム回路が非常に簡単であることである。もう1つ
は、選択される経路が変わらないので、不良ビットの置
換を行なっても、アクセスの遅延が全くないことであ
る。
【0112】図69は、シフトリダンダンシ回路を含む
グローバルロウデコーダの一例を示す図である。
【0113】図66に示すようにチップCHの中央部に
グローバルロウデコーダ4が配置されると、グローバル
ロウデコーダ4の左右にグローバルワード線が存在す
る。
【0114】図69において、ロウリダンダンシ制御回
路50はスイッチS11〜S13からなるスイッチ回路
SW10を含む。グローバルロウデコーダ4の出力は、
スイッチS11〜S13を介して左のグローバルワード
線WL1〜WL3および右のグローバルワード線WR1
〜WR3にそれぞれ接続される。
【0115】たとえば、左の3番目のグローバルワード
線WL3に不良が存在するならば、スイッチS13が冗
長グローバルワード線REL,RERの側に切換えられ
る。それにより、3番目のグローバルワード線WL3,
WR3が冗長グローバルワード線REL,RERで置換
される。
【0116】(3) 先行技術文献の引用 (a) 入力バッファ回路 特開昭60−142618号、特開昭62−23022
1号および特開平2−237313号は、非反転信号と
反転信号との間の遅延時間の差をほぼなくすことにより
高速化が図られた入力バッファ回路を開示している。
【0117】(b) 出力バッファ回路 特開昭60−68718号は、本出願の図58に示され
る出力バッファ回路を開示している。
【0118】特開昭61−125222号は、複数の出
力トランジスタを時間遅延をもってオンする技術を開示
している。
【0119】特開昭62−48806号は、第1の回路
および第2の回路の各トランジスタのターンオフのタイ
ミングが同時であり、ターンオンのタイミングをわずか
にずらすように異なった遅延量を有する出力バッファ回
路を開示している。
【0120】(c) ビット線負荷回路 R.A. Kertis et al., “A 12-ns ECL I/O 256KX1-bit S
RAM Using a 1-μm BiCMOS Technology ”,IEEE J. So
lid-State Circuits, vol.23, No.5, pp.1048-1053,Oc
t.1988 は、ビット線負荷にバイポーラを用いて高速に
書込ビット線の充電を行なうことを開示している。
【0121】(d) 半導体集積回路装置のアーキテク
チャ 特開昭61−283162号および特開平2−2668
号(USP4,982,372号)は、メモリアレイブ
ロックの両側に複数のデコーダを配置し、一方側のデコ
ーダを1つおきの選択線に接続し、他方側のデコーダを
残りの1つおきの選択線に接続することを開示してい
る。
【0122】(e) リダンダンシ回路 特公昭61−35636号、特開昭61−61300号
および特願平1−142450号(対応のアメリカ出願
連続番号500,965号)は、シフトリダンダンシを
開示している。
【0123】特開昭62−250600号は、デコーダ
の左右にリダンダンシ制御回路を配置することを開示し
ている。
【0124】A. Ohba et al., “A 7-ns 1-Mb BiCMOS E
CL SRAM with shift Redundancy ”,IEEE J.Solid-Sta
te Circuits, vol. 26, No.4, pp.507-512, Apr.1991
は、シフトリダンダンシを使用したSRAMを開示して
いる。
【0125】(f) 特開昭60−170090号は、
BiCMOS SRAMを開示している。
【0126】
【発明が解決しようとする課題】
(a) 入力バッファ回路 図46に示す入力バッファ回路においては、出力信号B
が出力信号/BよりもCMOSインバータの1段分遅れ
るので、同じ速度の相補出力を得ることができない。
【0127】それにより、次段のデコーダ回路において
マルチセレクションを起こしやすいという問題がある。
このようなマルチセレクションによって非選択のメモリ
セルに誤書込みが行なわれ、あるいは、非選択のメモリ
セルから誤読出しが行なわれる可能性がある。
【0128】(b) WEバッファ回路 図47に示される構成では、図48に示されるタイミン
グの内部ライトイネーブル信号/IWEおよび内部アウ
トプットイネーブル信号/IOEを得るために、WEバ
ッファ18aの出力信号をWE波形整形回路19aおよ
びOE波形整形回路23aで別々に波形整形する必要が
ある。
【0129】もし、WEバッファにより、書込状態に入
るアドレス変化に遅く応答しかつ読出状態に入るアドレ
ス変化に速く応答する内部ライトイネーブル信号と、書
込状態に入るアドレス変化に速く応答しかつ読出状態に
入るアドレス変化に遅く応答する内部アウトプットイネ
ーブル信号を同時に実現することができると、動作速度
を高速化することが可能となる。
【0130】(c) ゲート回路 図50に示されるBiCMOSゲート回路またはBiN
MOSゲート回路において、高速化のためにデザインル
ールが厳しくなった場合には、ホットキャリアに対する
何らかの対策をとらなければならない。
【0131】(d) デコーダ回路 図52に示されるデコーダ回路において、高速化のため
にデザインルールが厳しくなった場合には、ホットキャ
リアに対する何らかの対策をとらなければならない。
【0132】(e) 出力バッファ回路 図53〜図58に示される出力バッファ回路300にお
いて、出力端子O41の出力信号の立下がりを速くする
ためには、プルダウン回路302のトランジスタの電流
駆動能力を大きくする必要がある。
【0133】図53、図56の(a),(b)、図57
および図58に示される出力バッファ回路では、NMO
SトランジスタN67のサイズを大きくすれば、電流駆
動能力が大きくなる。また、図55の(a),(b)に
示されるプルダウン回路302では、NMOSトランジ
スタN31のサイズを大きくして、バイポーラトランジ
スタB10のコレクタ電流を大きくすれば電流駆動能力
が大きくなる。
【0134】しかしながら、プルダウン回路302のト
ランジスタの電流駆動能力を大きくすると、出力端子O
41の電位が急速に変化し、出力端子O41または接地
端子の電位が接地電位(約0V)を中心に振動するいわ
ゆるリンギングが生じる。このようなリンギングによ
り、常に接地電位を受けるべき他の回路が誤動作する可
能性がある。
【0135】また、出力端子O41の電位が接地電位に
安定するまでの時間が長くなるので、半導体集積回路装
置に対するアクセス時間が長くなる。
【0136】さらに、NMOSトランジスタのサイズを
大きくすると、このトランジスタのゲート電位の変化時
にこのトランジスタに流れる充放電電流が増大する。そ
の結果、NMOSトランジスタの信号伝達時間が長くな
る。
【0137】バイポーラトランジスタの電流駆動能力は
MOSトランジスタの電流駆動能力よりも大きいので、
図55の(a),(b)に示されるプルダウン回路30
2によれば、NMOSトランジスタN31のサイズをそ
れほど大きくしなくとも、出力信号の立下がり速度を向
上することができる。したがって、NMOSトランジス
タの充放電電流の増大による動作速度の劣化は抑制され
る。
【0138】しかしながら、図55の(a),(b)の
プルダウン回路302においては、出力端子O41の電
位が“L”となっているときに、NMOSトランジスタ
N31はオンしている。それにより、バイポーラトラン
ジスタB10のベースとコレクタとが電気的に接続され
る。したがって、出力端子O41と接地端子との間に
は、等価的にPNダイオードが接続されることになる。
【0139】このため、出力端子O41から接地端子に
バイポーラトランジスタB10を介して流れる電流の大
きさに依存して、出力端子O41の電位が0Vよりも高
くなる。たとえば、バイポーラトランジスタB10に8
mAの電流が流れると、バイポーラトランジスタB10
のベース・エミッタ間電圧は0.8Vとなる。したがっ
て、出力端子O41の電位は0.8Vとなる。
【0140】入出力信号がTTLレベルのSRAMで
は、8mAの出力電流を駆動する出力バッファ回路の出
力電位は0.4V以下でなければならない。したがっ
て、図55の(a),(b)のプルダウン回路302が
用いられたTTL SRAMによれば、データを高速に
出力することが可能となるが、このような規格を満たす
ことができない。
【0141】(f) ビット線負荷回路 図62に示されるビット線負荷回路では、書込動作時に
プルアップトランジスタP29,P30がオフするの
で、書込電流が流れない。しかしながら、書込動作終了
後に信号Yi・WEにより制御されるプルアップトラン
ジスタP29,P30を介してビット線の充電を行なう
ので、ビット線の充電速度は遅い。
【0142】図63に示されるビット線負荷回路では、
プルアップトランジスタN79,N80が書込動作時に
オフしないので、書込動作終了後のビット線の充電速度
が速い。しかしながら、書込動作時に大きな書込電流が
流れる。
【0143】(g) チップレイアウト 図66に示されるチップレイアウトでは、メモリセルア
レイ1a,1bの他方側に配置されたリードデータバス
RB1,RB2をメモリセルアレイ1a,1bの一方側
に設けられた出力回路291a,292aに接続する必
要がある。そのため、リードデータバスRB1,RB2
は、リードデータバスRB3,RB4よりも、メモリセ
ルアレイ1a,1bのビット線方向の長さだけ長くな
る。その結果、アクセスに遅延が生じる。
【0144】(h) シフトリダンダンシ回路 図67に示されるシフトリダンダンシ回路では、連続し
た2ビットの不良を救済することができない。連続した
2ビットの不良は、2つのメモリセルにまたがって欠陥
が生じた場合に発生する。このような欠陥は比較的多く
生じるので、2ビット不良が救済できるか否かで、救済
率は大きく左右される。
【0145】図69に示されるシフトリダンダンシ回路
では、たとえば、左の第3番目のグローバルワード線W
L3および右の第2番目のグローバルワード線WR2に
不良が生じた場合には、それらの不良の両方を救済する
ことができない。
【0146】冗長グローバルワード線の数を増やさず
に、左のグローバルワード線および右のグローバルワー
ド線の不良を別々に救済できるリダンダンシ方式が望ま
れる。
【0147】この発明の目的は、高速動作が可能な半導
体集積回路装置を得ることである。この発明の他の目的
は、同じ速度の相補出力が得られ、高速動作が可能な入
力バッファ回路を得ることである。
【0148】この発明の他の目的は、入力信号の第1の
論理レベルから第2の論理レベルへの変化に遅く応答し
かつ入力信号の第2の論理レベルから第1の論理レベル
への変化に速く応答する第1の出力信号および入力信号
の第1の論理レベルから第2の論理レベルへの変化に速
く応答しかつ入力信号の第2の論理レベルから第1の論
理レベルへの変化に遅く応答する第2の出力信号が得ら
れ、高速動作が可能な入力バッファ回路を得ることであ
る。
【0149】この発明の他の目的は、ホットキャリア耐
性が高く、かつ高速動作が可能なゲート回路を得ること
である。
【0150】この発明の他の目的は、ホットキャリア耐
性が高く、レイアウト面積が小さく、かつ高速動作が可
能なデコーダ回路を得ることである。
【0151】この発明の他の目的は、リンギングを発生
することなく、出力信号が所定の規格から外れることな
く、消費電力が低く、かつ高速動作が可能な出力バッフ
ァ回路を得ることである。
【0152】この発明の他の目的は、リンギングを発生
することなく、出力信号が所定の規格から外れることな
く、消費電力が低く、かつ出力信号の立上がりおよび立
下がりが速い出力バッファ回路を得ることである。
【0153】この発明の他の目的は、書込電流が流れ
ず、かつ書込終了後にビット線を高速に充電することが
できるビット線負荷回路を得ることである。
【0154】この発明の他の目的は、配線を短くするこ
とができ、高速動作が可能な半導体集積回路装置のアー
キテクチャを得ることである。
【0155】この発明の他の目的は、連続する2ビット
不良を救済することができ、かつ高速動作が可能なシフ
トリダンダンシ回路を得ることである。
【0156】この発明の他の目的は、第1および第2の
ブロック間に選択手段が配置された構成において、第1
および第2のブロックの各々で別々の不良を救済するこ
とができ、かつ高速動作が可能なシフトリダンダンシ回
路を得ることである。
【0157】
【課題を解決するための手段】
(1) 第1の発明に係る半導体集積回路装置は、入力
信号を受ける入力端子、第1および第2の出力端子、非
反転手段、反転手段、第1のプッシュプル手段、および
第2のプッシュプル手段を含む。
【0158】非反転手段は、バイポーラトランジスタお
よび電界効果トランジスタを含み、入力端子の入力信号
に応答する。反転手段は、電界効果トランジスタを含
み、入力端子の入力信号に応答する。第1のプッシュプ
ル手段は、バイポーラトランジスタを含み、非反転手段
の出力に応答して第1の出力信号を第1の出力端子に与
える。第2のプッシュプル手段は、バイポーラトランジ
スタを含み、反転手段の出力に応答して第1の出力信号
と相補な第2の出力信号を第2の出力端子に与える。
【0159】(2) 第2の発明に係る半導体集積回路
装置は、第1または第2の論理レベルの入力信号を受け
る入力端子、第1および第2の出力端子、非反転手段、
第1の反転手段、第2の反転手段、第1のプッシュプル
手段および第2のプッシュプル手段を含む。
【0160】非反転手段は、バイポーラトランジスタお
よび電界効果トランジスタを含み、入力端子の入力信号
に応答する。第1の反転手段は、電界効果トランジスタ
を含み、入力端子の入力信号に応答する。第2の反転手
段は、電界効果トランジスタを含み、入力端子の入力信
号に応答する。第1のプッシュプル手段は、バイポーラ
トランジスタを含み、非反転手段の出力および第1の反
転手段の出力に応答して第1の出力信号を第1の出力端
子に与える。第2のプッシュプル手段は、バイポーラト
ランジスタを含み、第2の反転手段の出力に応答して第
2の出力信号を第2の出力端子に与える。
【0161】第1の出力信号が入力信号の第1の論理レ
ベルから第2の論理レベルへの変化に遅く応答しかつ入
力信号の第2の論理レベルから第1の論理レベルへの変
化に速く応答し、第2の出力信号が入力信号の第1の論
理レベルから第2の論理レベルへの変化に速く応答しか
つ入力信号の第2の論理レベルから第1の論理レベルへ
の変化に遅く応答するように、非反転手段、第1の反転
手段および第2の反転手段の電界効果トランジスタの論
理しきい値が設定される。
【0162】(3) 第3の発明に係る半導体集積回路
装置は、入力信号を受ける入力端子、出力端子、論理手
段、プッシュプル手段、および電圧設定手段を含む。
【0163】論理手段は、第1導電チャネル型電界効果
トランジスタおよび第2導電チャネル型電界効果トラン
ジスタを含み、入力端子の入力信号に応答する。プッシ
ュプル手段は、論理手段の出力に応答するバイポーラト
ランジスタを含み、出力信号を出力端子に与える。電圧
設定手段は、論理手段の第1導電チャネル型電界効果ト
ランジスタのドレイン電圧を低く設定する。
【0164】(4) 第4の発明に係る半導体集積回路
装置は、入力信号をそれぞれ受ける複数の入力端子、複
数の論理ゲート手段、複数の論理ゲート手段に対応して
設けられた複数の出力端子、複数の論理ゲート手段に対
応して設けられた複数のプッシュプル手段、および電圧
設定手段を含む。
【0165】複数の論理ゲート手段の各々は、第1導電
チャネル型電界効果トランジスタおよび第2導電チャネ
ル型電界効果トランジスタを含み、予め定められた入力
信号に応答する。複数のプッシュプル手段の各々は、対
応する論理ゲート手段の出力に応答するバイポーラトラ
ンジスタを含み、対応する出力端子に出力信号を与え
る。電圧設定手段は、複数の論理ゲート手段に共通に設
けられ、複数の論理ゲート手段の各々の第1の導電チャ
ネル型電界効果トランジスタのドレイン電圧を低く設定
する。
【0166】(5) 第5の発明に係る半導体集積回路
装置は、第1または第2の論理レベルの入力信号を受け
る入力端子、出力端子、プッシュプル手段、および電界
効果トランジスタを含む。
【0167】プッシュプル手段は、入力端子の入力信号
の第2の論理レベルから第1の論理レベルへの切換わり
に応答して出力端子から所定の電位源に一定時間電流を
流すバイポーラトランジスタを含む。電界効果トランジ
スタは、バイポーラトランジスタの動作開始から一定時
間経過後に出力端子から所定の電位源に電流を流すよう
に動作する。
【0168】(6) 第6の発明に係る半導体集積回路
装置は、第1または第2の論理レベルの入力信号を受け
る入力端子、出力端子、第1および第2の電位源、プッ
シュプル手段、電界効果トランジスタ、および第3のバ
イポーラトランジスタを含む。
【0169】プッシュプル手段は、入力端子の入力信号
の第2の論理レベルから第1の論理レベルへの切換わり
に応答して出力端子から第2の電位源に電流を流す第1
のバイポーラトランジスタおよび入力端子の入力信号の
第1の論理レベルから第2の論理レベルへの切換わりに
応答して第1の電位源から出力端子に電流を流す第2の
バイポーラトランジスタを含む。電界効果トランジスタ
は、第1のバイポーラトランジスタの動作開始から一定
時間経過後に出力端子から第2の電位源に電流を流すよ
うに動作する。第3のバイポーラトランジスタは、第2
のバイポーラトランジスタの動作開始から一定時間経過
後に第1の電位源から出力端子に電流を流すように動作
する。
【0170】(7) 第7の発明に係る半導体集積回路
装置は、複数のビット線対、書込データを受ける書込デ
ータ線対、選択信号発生手段、複数のビット線負荷手
段、および書込信号発生手段を含む。
【0171】選択信号発生手段は、複数のビット線対を
それぞれ選択する複数の選択信号を発生する。複数のビ
ット線負荷手段は、複数のビット線対にそれぞれ設けら
れる。書込信号発生手段は、書込動作を指定する書込信
号を発生する。
【0172】複数のビット線負荷手段の各々は、第1の
充電手段、転送手段および第2の充電手段を含む。第1
の充電手段は、書込信号および対応する選択信号により
制御され、対応するビット線対を所定の電位に充電す
る。転送手段は、書込信号および対応する選択信号によ
り制御され、書込データ線対の書込データを対応するビ
ット線対に転送する。第2の充電手段は、書込データ線
対の電位により制御され、対応するビット線対を所定の
電位に充電する。
【0173】(8) 第8の発明に係る半導体集積回路
装置は、複数のビット線対、複数のビット線対の一方の
端部側に配置された複数の第1ビット線制御手段、およ
び複数のビット線対の他方の端部側に配置された複数の
第2のビット線制御手段を含む。
【0174】複数の第1のビット線制御手段の各々は、
ビット線対を所定の電位に充電する充電手段、ビット線
対に書込データを転送する第1の転送手段、およびビッ
ト線対の読出データを転送する第2の転送手段を含む。
複数の第2のビット線制御手段の各々は、ビット線対を
所定の電位に充電する充電手段、ビット線対に書込デー
タを転送する第1の転送手段、およびビット線対の読出
データを転送する第2の転送手段を含む。複数のビット
線対は、交互に第1のビット線制御手段および第2のビ
ット線制御手段に接続される。
【0175】(9) 第9の発明に係る半導体集積回路
装置は、複数の選択線、複数の選択線に隣接するように
配置される予備選択線、第1の選択手段、第2の選択手
段、第1の不良救済手段、および第2の不良救済手段を
含む。
【0176】第1の選択手段は、複数の選択線の一方の
端部側に配置され、複数の選択線のいずれかを選択す
る。第2の選択手段は、複数の選択線の他方の端部側に
配置され、複数の選択線のいずれかを選択する。複数の
選択線は、交互に第1および第2の選択手段に結合され
る。
【0177】第1の不良救済手段は、第1の選択手段に
結合される複数の選択線のいずれかに不良がある場合
に、第1の選択手段を順次隣接する選択線または予備選
択線に結合する。第2の不良救済手段は、第2の選択手
段に結合される複数の選択線のいずれかに不良がある場
合に、第2の選択手段を順次隣接する選択線または予備
選択線に結合する。
【0178】(10) 第10の発明に係る半導体集積
回路装置は、複数の選択線および予備選択線を含む第1
のブロック、複数の選択線および予備選択線を含む第2
のブロック、選択手段、第1の不良救済手段および第2
の不良救済手段を含む。
【0179】選択手段は、第1のブロックと第2のブロ
ックとの間に配置され、第1のブロック内の各選択線お
よび第2のブロック内の各選択線に選択信号を与える。
【0180】第1の不良救済手段は、第1のブロック内
の複数の選択線のいずれかに不良がある場合に、選択手
段の各選択信号を順次隣接する選択線または予備選択線
に与える。第2の不良救済手段は、第2のブロック内の
複数の選択線のいずれかに不良がある場合に、選択手段
の各選択信号を順次隣接する選択線または予備選択線に
与える。
【0181】
【作用】
(1) 第1の発明に係る半導体集積回路装置において
は、入力端子から第1の出力端子までの段数および入力
端子から第2の出力端子までの段数が同じになる。
【0182】また、第1および第2のプッシュプル手段
が高駆動力を有するバイポーラトランジスタを含む。
【0183】したがって、同じ速度の相補出力が得ら
れ、かつ高速動作が可能となる。 (2) 第2の発明に係る半導体集積回路装置において
は、非反転手段、第1および第2の反転手段、および第
1および第2のプッシュプル手段に含まれる電界効果ト
ランジスタの論理しきい値を調整することにより、入力
信号の第1の論理レベルから第2の論理レベルへの変化
に遅く応答しかつ入力信号の第2の論理レベルから第1
の論理レベルへの変化に速く応答する第1の出力信号、
および入力信号の第1の論理レベルから第2の論理レベ
ルへの変化に速く応答しかつ入力信号の第2の論理レベ
ルから第1の論理レベルへの変化に遅く応答する第2の
出力信号を同時に得ることができる。
【0184】また、第1および第2のプッシュプル手段
が、高駆動力のバイポーラトランジスタを含む。したが
って、高速動作が可能となる。
【0185】(3) 第3の発明に係る半導体集積回路
装置においては、電圧設定手段により、第1導電チャネ
ル型電界効果トランジスタのドレイン電圧が低減され
る。したがって、ホットキャリア耐性が向上し、信頼性
が高くなる。
【0186】また、プッシュプル手段が、高駆動力のバ
イポーラトランジスタを含む。したがって、高速動作が
可能となる。
【0187】(4) 第4の発明に係る半導体集積回路
装置においては、電圧設定手段により、各論理ゲート手
段の第1導電チャネル型電界効果トランジスタのドレイ
ン電圧が低減される。したがって、ホットキャリア耐性
が向上し、信頼性が高くなる。
【0188】また、電圧設定手段が、複数の論理ゲート
手段に共通に設けられている。したがって、レイアウト
面積の増加が抑えられる。
【0189】さらに、複数のプッシュプル手段が、高駆
動力のバイポーラトランジスタを含む。したがって、高
速動作が可能となる。
【0190】(5) 第5の発明に係る半導体集積回路
装置においては、入力信号の第2の論理レベルから第1
の論理レベルへの切換わりに応答してバイポーラトラン
ジスタが出力端子から所定の電位源に一定時間電流を流
し、バイポーラトランジスタの動作開始から一定時間経
過後に、電界効果トランジスタが出力端子から所定の電
位源に電流を流す。そのため、初めは、バイポーラトラ
ンジスタにより大きい電流が流れ、その後、電界効果ト
ランジスタにより小さい電流が流れる。
【0191】したがって、出力端子の電位は初めは急速
に変化し、その後緩やかに変化する。その結果、出力信
号に生じるリンギングが抑制され、かつ消費電力が低減
される。
【0192】また、電界効果トランジスタが設けられて
いるので、出力信号のレベルを所定の規格を満たすよう
に容易に設定することができる。
【0193】さらに、プッシュプル手段が、高駆動力の
バイポーラトランジスタを含むので、高速動作が可能と
なる。
【0194】(6) 第6の発明に係る半導体集積回路
装置においては、入力信号の第2の論理レベルから第1
の論理レベルへの切換わりに応答して第1のバイポーラ
トランジスタが出力端子から第2の電位源に電流を流
し、一定時間経過後に、電界効果トランジスタが出力端
子から第2の電位源に電流を流す。 また、入力信号の
第1の論理レベルから第2の論理レベルへの切換わりに
応答して第2のバイポーラトランジスタが第1の電位源
から出力端子に電流を流し、一定時間経過後に、第3の
バイポーラトランジスタが第1の電位源から出力端子に
電流を流す。したがって、出力端子の電位は初め急速に
変化し、その後、緩やかに変化する。
【0195】そのため、電流の時間的変化の割合が小さ
くなる。その結果、出力信号の立上がり時および立下が
り時に生じるリンギングが抑制され、消費電力が低減さ
れる。
【0196】また、電界効果トランジスタが設けられて
いるので、出力信号のレベルを所定の規格を満足するよ
うに容易に設定することができる。
【0197】さらに、プッシュプル手段が、高駆動力の
第1および第2のバイポーラトランジスタを含む。した
がって、出力信号の立上がり時および立下がり時に高速
動作が可能となる。
【0198】(7) 第7の発明に係る半導体集積回路
装置においては、各ビット線負荷手段に含まれる第1の
充電手段が書込信号および対応する選択信号により制御
されるので、書込電流が流れない。
【0199】また、各ビット線負荷手段に含まれる第2
の充電手段が書込データ線対の電位により制御されるの
で、書込終了後にビット線対を高速に充電することがで
きる。
【0200】(8) 第8の発明に係る半導体集積回路
装置においては、複数のビット線対の一方の端部側に複
数の第1のビット線制御手段が配置され、複数のビット
線対の他方の端部側に複数の第2のビット線制御手段が
配置され、複数のビット線対が交互に第1のビット線制
御手段および第2のビット線制御手段に接続される。し
たがって、配線の長さが短くなり、アクセス速度が向上
する。
【0201】(9) 第9の発明に係る半導体集積回路
装置においては、第1の選択手段が複数の選択線の一方
の端部側に配置され、第2の選択手段が複数の選択線の
他方の端部側に配置され、複数の選択線が交互に第1お
よび第2の選択手段に結合される。また、第1および第
2の不良救済手段により第1および第2の選択手段と複
数の選択線および予備選択線との結合をシフトさせるこ
とができる。したがって、連続する2ビット不良をも救
済することができる。
【0202】ビット不良を救済した場合でも、アクセス
経路の長さが変わらないので、アクセスに遅延が生じな
い。その結果、高速動作が可能となる。
【0203】(10) 第10の発明に係る半導体集積
回路装置においては、第1のブロックと第2のブロック
との間に選択手段が配置され、第1および第2の不良救
済手段により選択手段の各選択信号と第1のブロック内
の各選択線または予備選択線との間の結合および選択手
段の各選択信号と第2のブロック内の各選択線または予
備選択線との間の結合をそれぞれ独立にシフトさせるこ
とが可能となる。したがって、第1および第2のブロッ
クの各々で独立に不良を救済することができる。
【0204】また、不良を救済したときにアクセス経路
の長さが変わらないので、アクセスに遅延が生じない。
したがって、高速動作が可能となる。
【0205】
【実施例】
(1) 実施例のSRAMの全体の概略構成(図1,図
2) 図1は、この発明の一実施例によるSRAMの全体の概
略構成を示すブロック図である。図2は、図1のSRA
Mの主要部の構成を詳細に示す図である。
【0206】メモリセルアレイ1は256列および12
8行に配列された複数のメモリセルを含む。このメモリ
セルアレイ1は16ブロックに分割されており、各ブロ
ックは256列および8行に配列されたメモリセルを含
む。
【0207】このSRAMには分割ワード線構成が用い
られている。メモリセルアレイ1には64本のグローバ
ルワード線が配置されており、各グローバルワード線に
対応して複数のローカルワード線が配置されている。
【0208】ロウアドレスバッファ2は、ロウアドレス
信号X2〜X7を受け、それをロウプリデコーダ3に与
える。ロウプリデコーダ3は、そのロウアドレス信号を
プリデコードし、プリデコードされた信号をグローバル
ロウデコーダ4に与える。グローバルロウデコーダ4
は、プリデコードされた信号に応答して、メモリセルア
レイ1内の複数のグローバルワード線のいずれかを選択
する。
【0209】グローバルロウデコーダ4には、ロウリダ
ンダンシ回路(ロウ救済回路)5が接続されている。ロ
ーカルロウデコーダ6は、選択されたグローバルワード
線に対応する複数のローカルワード線のうちいずれかを
選択する。
【0210】ロウアドレスバッファ7は、ロウアドレス
信号X0,X1を受け、それをロウプリデコーダ8に与
える。ロウプリデコーダ8は、そのロウアドレス信号を
プリデコードし、それをブロック&ロウデコーダ9に与
える。
【0211】カラムアドレスバッファ10は、カラムア
ドレス信号Y0〜Y2を受け、それをカラムプリデコー
ダ11に与える。カラムプリデコーダ11は、そのカラ
ムアドレス信号をプリデコードし、プリデコードされた
信号をブロック&カラムデコーダ12に与える。
【0212】カラムアドレスバッファ13は、カラムア
ドレス信号Y3〜Y6を受け、それをカラムプリデコー
ダ14に与える。カラムプリデコーダ14は、そのカラ
ムアドレス信号をプリデコードし、プリデコードされた
信号をブロック&ロウデコーダ9およびブロックデコー
ダ15に与える。
【0213】ブロック&ロウデコーダ9の出力信号はロ
ーカルロウデコーダ6に与えられる。ブロックデコーダ
15は、プリデコードされた信号をデコードし、デコー
ドされた信号をブロック&カラムデコーダ12、ブロッ
ク&WEデコーダ16、ブロック&データデコーダ17
およびローカルセンスアンプ27に与える。
【0214】WEバッファ18は、ライトイネーブル信
号/WEを受け、それをWE波形整形回路19およびO
E波形整形回路23に与える。CSバッファ20は、チ
ップセレクト信号/CSを受け、それをWE波形整形回
路19およびOE波形整形回路23に与える。Dinバ
ッファ22は、入力データDinを受け、それを書込デ
ータ波形整形回路21に与える。WE波形整形回路19
の出力信号はブロック&WEデコーダ16および書込デ
ータ波形整形回路21に与えられる。書込データ波形整
形回路21の出力信号はブロック&データデコーダ17
に与えられる。
【0215】ブロック&WEデコーダ16の出力信号お
よびブロック&データデコーダ17の出力信号はビット
線負荷回路&書込ドライバ24に与えられる。ブロック
&カラムデコーダ12の出力信号は、カラムリダンダン
シ回路(カラム救済回路)26を介してカラム選択回路
25に与えられる。ローカルセンスアンプ27は、メイ
ンセンスアンプ28を介して出力回路29に接続されて
いる。OE波形整形回路23の出力信号は出力回路29
に与えられる。出力回路29からは出力データDout
が得られる。
【0216】上記の各回路1〜29は半導体チップCH
上に形成されている。メモリセルアレイ1内のグローバ
ルワード線の選択はロウアドレス信号X2〜X7により
行なわれる。メモリセルアレイ1内のブロックの選択
は、カラムアドレス信号Y3〜Y6により行なわれる。
メモリセルアレイ1内の各ブロックの列の選択は、カラ
ムアドレス信号Y0〜Y2から作られるカラム選択信号
とブロック選択信号との論理積により行なわれる。メモ
リセルアレイ1内の各ブロック内のローカルワード線の
選択は、ブロック選択信号とロウアドレス信号X0,X
1とにより得られる信号と、グローバルワード線の選択
信号との論理積により行なわれる。
【0217】ライトデータバスおよびリードデータバス
の各々はグローバルデータバスGWD,GRDおよびロ
ーカルデータバスLWD,LRDに分離されている。各
ローカルデータバスLWD,LRDはメモリセルアレイ
1の各ブロックに対応して設けられる。ブロック選択信
号により選択されたブロックに対応するローカルデータ
バスLWD,LRDのみが活性化される。
【0218】図2を参照すると、読出動作時には、選択
されたカラム(列)に対応するカラム選択回路&カラム
リダンダンシ回路25,26内のトランジスタ251,
252がオンし、トランジスタ253,254がオフす
る。それにより、ビット線対BL,/BLの電圧振幅が
トランジスタ255,256のベースに伝達され、トラ
ンジスタ255,256によりローカルリードデータバ
スLRDが駆動される。その結果、ローカル&メインセ
ンスアンプ27,28によりビット線の電圧振幅が増幅
される。
【0219】選択されないカラムに対応するカラム選択
回路&カラムリダンダンシ回路25,26内のトランジ
スタ251,252はオフし、トランジスタ253,2
54はオンする。それにより、トランジスタ255,2
56のベースは、選択されたカラムにおけるトランジス
タ255,256のベースの電位よりも低い電位に設定
される。
【0220】(2) 実施例のSRAMの各部分の詳細
な構成 (a) 入力バッファ回路(図3,図4) 図3および図4に示される入力バッファ回路は、図1の
ロウアドレスバッファ2,7、カラムアドレスバッファ
10,13、CSバッファ20およびDinバッファ2
2に用いられる。
【0221】まず、図3の入力バッファ回路を説明す
る。入力端子I1は入力信号Aを受ける。入力端子I1
とノードn1との間には、トランジスタP1,P2,N
1からなるCMOSインバータが接続される。ノードn
1とノードn2との間には、トランジスタB1,N1か
らなるBiNMOSノンインバータ102が接続され、
ノードn1とノードn3との間には、トランジスタP
3,N3からなるCMOSインバータ103が接続され
る。
【0222】ノードn2とノードn4との間にはトラン
ジスタP4,N4からなるCMOSインバータ104が
接続され、ノードn3とノードn5との間には、トラン
ジスタP5,N5からなるCMOSインバータ105が
接続される。ノードn4と出力端子O1との間にはトラ
ンジスタB2,N6からなるBiNMOSプッシュプル
回路106が接続され、ノードn5と出力端子O2との
間には、トランジスタB3,N7からなるBiNMOS
プッシュプル回路107が接続される。
【0223】トランジスタB2のベースおよびトランジ
スタN7のゲートはノードn4に接続され、トランジス
タN6のゲートおよびトランジスタB3のベースはノー
ドn5に接続される。
【0224】電源端子は電源電位Vccを受け、接地端
子は接地電位GNDを受ける。TTLインタフェースの
半導体集積回路装置においては、電源電位Vccは5
V、接地電位GNDは0Vに設定される。
【0225】CMOSインバータ101においては、ト
ランジスタN1のサイズを大きくすることにより、論理
しきい値が調整される。
【0226】BiNMOSノンインバータ102はCM
OSインバータ101の出力をそのまま伝達する。CM
OSインバータ103はCMOSインバータ101の出
力を反転して伝達する。BiNMOSプッシュプル回路
106,107はドライバ回路として働く。
【0227】入力信号Aが“H”のとき、トランジスタ
P2がオフし、トランジスタN1,N2がオンする。そ
れにより、ノードn1の電位が“L”となる。したがっ
て、ノードn2の電位が“L”となり、ノードn3の電
位が“H”となる。それにより、ノードn4の電位が
“H”となり、ノードn5の電位が“L”となる。その
結果、出力端子O1の出力信号Bが“H”となり、出力
端子O2の出力信号/Bが“L”となる。
【0228】入力信号Aが“L”のとき、トランジスタ
P2がオンし、トランジスタN1,N2がオフする。そ
れにより、ノードn1の電位が“H”となる。したがっ
て、ノードn2の電位が“H”となり、ノードn3の電
位が“L”となる。それにより、ノードn4の電位が
“L”となり、ノードn5の電位が“H”となる。その
結果、出力端子O1の出力信号Bが“L”となり、出力
端子O2の出力信号/Bが“H”となる。
【0229】図3の入力バッファ回路では、入力端子A
から出力端子O1までの段数および入力端子Aから出力
端子O2までの段数がともに4段となっているので、同
じ速度の相補出力が得られる。
【0230】また、入力バッファ回路の最終段がBiN
MOSプッシュプル回路106,107により構成され
るので、バイポーラトランジスタの高駆動力により高速
動作が達成される。
【0231】次に、図4の入力バッファ回路を説明す
る。図4の入力バッファ回路では、図3の入力バッファ
回路におけるCMOSインバータ104,105が削除
されており、代わりにトランジスタP6が接続されてい
る。
【0232】トランジスタP6がなければ、トランジス
タB3のベース電位の“H”レベルがVcc−VBEに
なる。ここで、VBEはバイポーラトランジスタのベー
ス・エミッタ間電圧である。トランジスタP6を設ける
ことにより、トランジスタB3のベース電位の“H”レ
ベルがVccに設定される。図4の入力バッファ回路の
動作は、図3の入力バッファ回路の動作と同様である。
【0233】(b) WEバッファ回路(図5〜図9) 図5および図9に示されるWEバッファ回路は、図1の
WEバッファ18に用いられる。
【0234】まず、図5のWEバッファ回路を説明す
る。入力端子I11はライトイネーブル信号/WEを受
ける。入力端子I11とノードn11との間には、トラ
ンジスタP7,P8,N8からなるCMOSインバータ
101が接続される。
【0235】ノードn11とノードn12との間には、
トランジスタB4,N10からなるBiNMOSノンイ
ンバータ102が接続され、ノードn11とノードn1
2との間には、トランジスタP9,N12からなるCM
OSインバータ110が接続され、ノードn11とノー
ドn14との間には、トランジスタP10,N13から
なるCMOSインバータ111が接続される。
【0236】ノードn11と接地端子との間にはトラン
ジスタN9が接続され、ノードn12と接地端子との間
にはトランジスタN11が接続される。トランジスタP
7,N9,N11のゲートには信号ncsaが与えられ
る。
【0237】ノードn12と出力端子O11との間に
は、トランジスタB5,N11からなるBiNMOSプ
ッシュプル回路112が接続され、ノードn14と出力
端子O12との間には、トランジスタP12,N15,
B6,N16からなるBiCMOSプッシュプル回路1
13が接続される。ノードn12と電源端子との間には
トランジスタP11が接続される。トランジスタP11
のゲートおよびトランジスタN14のゲートはノードn
13に接続される。
【0238】出力端子O11から出力信号WEA1が得
られ、出力信号O12から出力信号WEA2が得られ
る。
【0239】CMOSインバータ110のトランジスタ
P9のサイズを大きくし(駆動力を大きくする)、トラ
ンジスタN12のサイズを小さくする(駆動力を小さく
する)ことにより、出力信号WEA1の立上がり時点を
遅くし、かつ立下時点を速くする。
【0240】たとえば、トランジスタP9のゲート幅を
40μmに設定し、トランジスタN12のゲート幅を5
μmに設定する。
【0241】また、CMOSインバータ111のトラン
ジスタP10のサイズを小さくし(駆動力を小さくす
る)、トランジスタN13のサイズを大きくし(駆動力
を大きくする)、さらにBiCMOSプッシュプル回路
113のトランジスタP12のサイズを大きくし(駆動
力を大きくする)、トランジスタN15,N16のサイ
ズを小さくする(駆動力を小さくする)ことにより、出
力信号WEA2の立上がり時点を速くし、かつ立下がり
時点を遅らせる。
【0242】たとえば、トランジスタP10のゲート幅
を5μmに設定し、トランジスタN13のゲート幅を2
5μmに設定し、トランジスタP12のゲート幅を40
μmに設定し、トランジスタN15,N16のゲート幅
をそれぞれ5μmおよび10μmに設定する。
【0243】図6に、上記のようにトランジスタのサイ
ズを設定した場合のライトイネーブル信号/WE、ノー
ドn11,n12,n13,n14および出力信号WE
A1,WEA2の波形を示す。
【0244】図6に示すように、ライトイネーブル信号
/WEの立下がり時点から出力信号WEA1の立上がり
時点までの時間は1.5nsとなり、ライトイネーブル
/WEの立下がり時点から出力信号WEA2の立上がり
時点までの時間は1nsとなる。また、ライトイネーブ
ル/WEの立上がり時点から出力信号WEA1の立下が
り時点までの時間は0.7nsとなり、ライトイネーブ
ル信号/WEの立上がり時点から出力信号WEA2の立
下がり時点までの時間は2.2nsとなる。
【0245】図5のWEバッファ回路によると、図7に
示すように、ライトイネーブル信号/WEの立下がり時
点t0から出力信号WEA1の立上がり時点までの時間
T1は長くなり、ライトイネーブル信号/WEの立上が
り時点t1から出力信号WEA1の立下がり時点までの
時間T2は短くなる。また、ライトイネーブル信号/W
Eの立下がり時点t0から出力信号WEA2の立上がり
時点までの時間T3は短くなり、ライトイネーブル信号
/WEの立上がり時点t1から出力信号WEA2の立下
がり時点までの時間T4は長くなる。
【0246】図5のWEバッファ回路は、チップセレク
ト信号/CSに応答して制御される。チップセレクト信
号/CSが“L”のときには、信号ncsaは“L”と
なり、WEバッファ回路は入力バッファ回路として動作
する。
【0247】すなわち、ライトイネーブル信号/WEが
立下がると、出力信号WEA1および出力信号WEA2
が立上がる。ライトイネーブル信号/WEが立上がる
と、出力信号WEA1および出力信号WEA2が立下が
る。出力信号WEA1,WEA2の立上がりおよび立下
がりのタイミングは図7に示すとおりである。
【0248】チップセレクト信号/CSが“H”のとき
には、信号ncsaは“H”となる。それにより、出力
信号WEA1,WEA2はともに“L”となる。この場
合、WEバッファ回路は非選択状態となる。
【0249】図8に、図5のWEバッファ回路を用いた
WEバッファ18、WE波形整形回路19およびOE波
形整形回路23を示す。
【0250】図8の構成においては、WEバッファ18
により図7に示されるタイミングの出力信号WEA1,
WEA2が得られ、出力信号WEA1がWE波形整形回
路19に与えられ、出力信号WEA2がOE波形整形回
路23に与えられる。波形整形回路19の出力信号は内
部ライトイネーブル信号/IWEとしてブロック&WE
デコーダ16(図1)に与えられ、OE波形整形回路2
3の出力信号は内部アウトプットイネーブル信号/IO
Eとして出力回路29(図1)に与えられる。
【0251】このように図5のWEバッファ回路を用い
ると、WEバッファ18において図7に示される出力信
号WEA1,WEA2が得られるので、誤書込みを防止
しつつアクセスタイムを短くすることが可能となる。
【0252】次に、図9のWEバッファ回路を説明す
る。図9のWEバッファ回路では、図5のWEバッファ
回路におけるトランジスタP12,N15が削除され、
トランジスタB6のベースがノードn14に接続され、
かつトランジスタN16のゲートがノードn12に接続
されている。出力端子O12からは出力信号WEA2の
論理を反転させることにより得られる出力信号/WEA
2が得られる。
【0253】図9のWEバッファ回路においても、CM
OSインバータ111のPMOSトランジスタのサイズ
を小さくし(駆動力を小さくする)、NMOSトランジ
スタのサイズを大きくする(駆動力を大きくする)こと
により、図7に示されるタイミングの出力信号/WEA
2が得られる。
【0254】図9のWEバッファ回路において、信号n
csaが“H”になると、出力信号WEA1は“L”と
なり、出力信号/WEA2は“H”となる。この場合、
WEバッファ回路は非選択状態となる。
【0255】(c) ゲート回路(図10〜図17) 図10〜図12に示されるBiCMOSゲート回路およ
び図13〜図15に示されるBiNMOSゲート回路
は、図1のデコーダ3,4,6,8,9,11,12,
14〜17および波形整形回路19,21,23に用い
られる。
【0256】図10のBiCMOSゲート回路が図50
のBiCMOSゲート回路と異なるのは、CMOSロジ
ックを構成するNMOSトランジスタN17のソースと
接地端子との間にダイオードD1が接続される点であ
る。
【0257】図11のBiCMOSゲート回路では、ノ
ードn21とNMOSトランジスタN17のドレインと
の間にダイオードD2が接続されている。
【0258】図12のBiCMOSゲート回路では、N
MOSトランジスタN17のソースと接地端子との間に
抵抗R1が接続されている。
【0259】図10〜図12のBiCMOSゲート回路
においては、トランジスタN17のドレイン電圧が低減
されるので、ホットキャリア耐性を向上することができ
る。
【0260】なお、トランジスタN17のソース電位が
ダイオードD1またはD2の順方向電圧Vfだけ高くな
るので、トランジスタN17の性能が若干落ちる。しか
しながら、このトランジスタN17の役割はトランジス
タB7のベース電流を引抜く作用のみであるので、Bi
CMOSゲートの速度性能は劣化しない。
【0261】図10〜図12のBiCMOSゲート回路
の動作原理は、図50のBiCMOSゲート回路の動作
原理と全く同様である。
【0262】図13〜図15のBiNMOSゲート回路
では、図10〜図12のBiCMOSゲート回路におけ
るトランジスタN19,B8が削除されている。
【0263】図13のBiNMOSゲート回路では、ト
ランジスタN17のソースと接地端子との間にダイオー
ドD1が接続されている。
【0264】図14のBiNMOSゲート回路では、ノ
ードn21とトランジスタN17のドレインとの間にダ
イオードD2が接続されている。
【0265】図15のBiNMOSゲート回路では、ト
ランジスタN17のソースと接地端子との間に抵抗R1
が接続されている。
【0266】図13〜図15のBiNMOSゲート回路
の動作原理、作用および効果は、図10〜図12のBi
CMOSゲート回路の動作原理、作用および効果と全く
同様である。
【0267】図10〜図15のゲート回路はインバータ
であるが、同様の構成をNOR回路およびNAND回路
にも適用することができ、同様の効果が得られる。
【0268】(d) デコーダ回路(図16,図17) 図16および図17に示されるデコーダ回路は、図1の
デコーダ3,4,6,8,9,11,12,14〜17
に用いられる。
【0269】図16のデコーダ回路は、CMOS・3N
AND回路211〜214およびBiCMOSゲート回
路201〜204を含む。図16のデコーダ回路が図5
2のデコーダ回路と異なるのは、CMOS・3NAND
回路211〜214のノードn31およびBiCMOS
ゲート回路201〜204のノードn23が共通のダイ
オードD1を介して接地端子に接続されている点であ
る。
【0270】図16のデコーダ回路の動作原理は、図5
2のデコーダ回路の動作原理と全く同様である。たとえ
ば、CMOS・3NAND回路211に与えられる3つ
の入力信号V1,Z0,Z4がすべて“H”になると、
BiCMOSゲート回路201の出力信号w1が“H”
となり、残りのBiCMOSゲート回路212〜214
の出力信号w2,w3,w4は“L”となる。
【0271】図16のデコーダ回路では、トランジスタ
N22,N17のドレイン電圧が低減されるので、ホッ
トキャリア耐性を向上することができる。
【0272】また、ダイオードD1が4組のCMOS・
3NAND回路211〜214および4組のBiCMO
Sゲート回路201〜204に共通に設けられているの
で、レイアウト面積の増大を抑えることができる。
【0273】また、BiCMOSゲート回路201〜2
04のバイポーラトランジスタB7,B8の高駆動力に
より、高速動作が達成される。
【0274】図17のデコーダ回路は、BiCMOS・
2NOR回路221〜224を含む。BiCMOS・2
NOR回路221〜224の各々は、トランジスタP1
7,P18,N26〜N30,B7,B8を含む。
【0275】図17のデコーダ回路においても、BiC
MOS・2NOR回路221〜224のノードn32が
共通のダイオードD3を介して接地端子に接続されてい
るので、NMOSトランジスタN26,N27のドレイ
ン電圧が低減される。したがって、ホットキャリア耐性
を向上させることが可能となる。
【0276】また、共通のダイオードD3が用いられる
ので、レイアウト面積の増大を抑えることができる。さ
らに、バイポーラトランジスタB7,B8の高駆動力に
より、高速動作が達成される。
【0277】(e) 出力バッファ回路(図18〜図2
4) 図18〜図24に示される出力バッファ回路は、図1の
出力回路29に用いられる。
【0278】図18〜図22の出力バッファ回路300
は、プルアップ回路301およびプルダウン回路302
を含む。プルアップ回路301の構成および動作は、図
53に示されるプルアップ回路301の構成および動作
と同様である。
【0279】図18の出力バッファ回路において、プル
ダウン回路302は、NMOSトランジスタN31,N
32、バイポーラトランジスタB10および遅延回路D
1を含む。出力端子O41と接地端子との間にトランジ
スタB10が接続される。出力端子O41とトランジス
タB10のベースとの間にトランジスタN31が接続さ
れ、トランジスタB10のベースと接地端子との間にト
ランジスタN32が接続される。トランジスタN31の
ゲートには制御信号CTLLが与えられ、トランジスタ
N32のゲートには遅延回路D1を介して制御信号CT
LLが与えられる。
【0280】制御信号CTLHが“H”であり、かつ制
御信号CTLLが“L”であるときには、プルアップ回
路301により電源端子から出力端子O41に電荷が供
給される。制御信号CTLHが“H”から“L”に変化
し、制御信号CTLLが“L”から“H”に変化する
と、まずトランジスタN31がオンする。それにより、
出力端子O41からトランジスタB10のベースに電荷
が供給される。
【0281】制御信号CTLLの立上がりから遅延回路
DL1における遅延時間が経過するまでの期間において
は、トランジスタN32はオフ状態に保持される。この
ような期間においては、出力端子O41からトランジス
タN31に流れ込む電流はすべてトランジスタB10の
ベースに供給される。そのため、トランジスタB10は
制御信号CTLLの立上がり時に即座にオンする。その
結果、出力端子O41からトランジスタB10を介して
接地端子に急速に電流が流れ、出力端子O41の電位は
急速に低下する。
【0282】それにより、トランジスタB10のベース
電位が低下し、トランジスタB10のベース・エミッタ
間電圧が低下する。このベース・エミッタ間電圧の低下
によって、トランジスタB10は次第にオフ状態にな
る。
【0283】一方、制御信号CTLLの立上がりから遅
延回路DL1における遅延時間が経過すると、トランジ
スタN32のゲート電位が“H”となる。それにより、
トランジスタN32がオンする。ここで、遅延回路DL
1における遅延時間は、トランジスタB10がオンする
ことにより出力端子O41の電位がある程度低下するの
に要する時間に設定される。
【0284】その結果、出力端子O41の電荷が、トラ
ンジスタB10の代わりにトランジスタN31,N32
を介して接地端子に供給される。
【0285】MOSトランジスタの電流駆動能力はバイ
ポーラトランジスタの電流駆動能力よりも低いので、ト
ランジスタB10がオフした後の期間においてトランジ
スタN31,N32を介して出力端子O41から接地端
子に放電される電荷量は、オン状態のトランジスタB1
0を介して出力端子O41から接地端子に放電される電
荷量よりも少ない。
【0286】したがって、制御信号CTLLの立上がり
から遅延回路DL1における遅延時間が経過すると、出
力端子O41から接地端子に放電される電荷量が減少
し、出力端子O41の電位はそれまでよりも緩やかに低
下する。
【0287】次に、制御信号CTLHが“L”から
“H”に変化し、かつ制御信号CTLLが“H”から
“L”に変化する。それにより、トランジスタN31は
即座にオフする。遅延回路DL1の出力はしばらく
“H”のままであるので、トランジスタN32はオン状
態のままである。その結果、出力端子O41と接地端子
との間の電流経路が即座に遮断され、出力端子O41の
電位はプルアップ回路301によって迅速に“H”に立
上がる。
【0288】上記のように、図18の出力バッファ回路
300においては、制御信号CTLLの立上がりに応答
して、初めは、電流駆動能力の大きいバイポーラトラン
ジスタB10を介して出力端子O41が放電される。し
たがって、出力端子O41の電位の立下がりは急峻とな
る。その後、出力端子O41の電位がある程度接地電位
に近づくと、電流駆動能力の小さいNMOSトランジス
タN31,N32を介して出力端子O41が放電され
る。したがって、出力端子O41の電位変化は緩やかと
なる。
【0289】そのため、出力端子O41の電位が急速に
大きく変化することにより出力端子O41または接地端
子に生じるリンギングが抑制される。
【0290】また、出力端子が最終的にNMOSトラン
ジスタN31,N32を介して接地端子に電気的に接続
されるので、出力端子O41の電位は0Vに十分近い電
位に保持される。
【0291】飽和状態のバイポーラトランジスタに流れ
る電流と同じ大きさの8mAの電流がNMOSトランジ
スタN31,N32を介して出力端子O41から接地端
子に流れている場合の出力端子O41の電位は、TTL
SRAMの規格で定められた範囲(0.4V以下)に
適合する。この特性は、電流駆動能力が小さく導通時の
ドレイン電位とソース電位との差が小さいというMOS
トランジスタの性質により得られる。
【0292】なお、出力バッファ回路300を制御する
出力制御回路350(図53参照)に与えられるアウト
プットイネーブル信号/OEが“H”となり、制御信号
CTLH,CTLLがともに“L”である期間には、図
53の出力バッファ回路と同様に、出力端子O41が電
源端子および接地端子から電気的に切断される。したが
って、半導体集積回路装置内で発生されたデータ信号は
出力端子O41から出力されない。
【0293】図19の出力バッファ回路300において
は、トランジスタB10と接地端子との間に抵抗R2が
接続される。抵抗R2の抵抗値は比較的大きい値に設定
される。その他の部分の構成は、図18の出力バッファ
回路300の構成と同様である。
【0294】図18の出力バッファ回路300において
は、制御信号CTLHが“H”でありかつ制御信号CT
LLが“L”である期間に、トランジスタN31のドレ
インからトランジスタB10のベースにリーク電流が供
給されると、トランジスタB10が浅いオン状態とな
る。それにより、電源端子からトランジスタB9,B1
0を介して接地端子に慣通電流が流れる。このような慣
通電流により、出力バッファ回路300の消費電力が増
大する。
【0295】図19の出力バッファ回路300では、制
御信号CTLLが“H”に立上がってトランジスタN3
1がオンすると、出力端子O41の電荷の一部がトラン
ジスタN31および抵抗R2を介して接地端子に供給さ
れる。しかしながら、その電荷の量は極めて少ない。し
たがって、トランジスタN31に流れる電流のほとんど
はトランジスタB10のベースに供給される。その結
果、トランジスタB10はオン状態となる。
【0296】図19の出力バッファ回路300において
も、以後、図18の出力バッファ回路300と同様に、
トランジスタB10,N31,N32が動作することに
より、出力端子O41の電位が初めは急速に低下し、そ
の後はゆっくりと低下する。
【0297】トランジスタN31,N32がともにオフ
状態であるべきときに、何らかの原因でトランジスタB
10のベースに電荷が供給されても、この電荷は抵抗R
2を介して接地端子に徐々に放電される。したがって、
制御信号CTLLが“L”である期間にトランジスタN
31から電流がリークしても、トランジスタB10はオ
ンしない。そのため、出力バッファ回路300において
電源端子から接地端子に慣通電流は流れない。
【0298】図20の出力バッファ回路300において
は、制御信号CTLHが遅延回路DL1およびインバー
タG1を介してトランジスタN32のゲートに与えられ
る。それにより、トランジスタN32は制御信号CTL
Hにより制御される。その他の部分の構成は、図18の
出力バッファ回路300の構成と同様である。
【0299】制御信号CTLHと制御信号CTLLとは
互いに相補な信号である。そのため、インバータG1の
出力は、図18の出力バッファ回路300における遅延
回路DL1の出力と同一となる。したがって、図20の
出力バッファ回路300は、図18の出力バッファ回路
300と同様の動作を行ない、同様の効果が得られる。
【0300】図21および図22の出力バッファ回路3
00においては、制御信号CTLH,CTLLがともに
“H”から“L”に変化すると、出力端子O41の電位
は“H”から“L”に変化する。また、制御信号CTL
H,CTLLがともに“L”から“H”に変化すると、
出力端子O41の電位は“L”から“H”に変化する。
【0301】図21の出力バッファ回路300におい
て、プルダウン回路302はPMOSトランジスタP1
9、NMOSトランジスタN32,N33、バイポーラ
トランジスタB10、遅延回路DL1およびインバータ
G1を含む。
【0302】トランジスタB10は出力端子O41と接
地端子との間に接続される。トランジスタP19は出力
端子O41とトランジスタB10のベースとの間に接続
され、トランジスタN33はトランジスタB10のベー
スと接地端子との間に接続される。トランジスタN32
は出力端子O41と接地端子との間に接続される。トラ
ンジスタP19,N33のゲートには制御信号CTLL
が与えられ、トランジスタN32のゲートには遅延回路
DL1およびインバータG1を介して制御信号CTLL
が与えられる。
【0303】制御信号CTLH,CTLLがともに
“H”から“L”に変化すると、トランジスタP19が
オンし、トランジスタN33がオフする。それにより、
出力端子O41からトランジスタP19を介してトラン
ジスタB10のベースに電流が流れ込む。その結果、ト
ランジスタB10がオン状態となり、出力端子O41の
電荷が接地端子に供給される。したがって、出力端子O
41の電位は急激に低下する。
【0304】制御信号CTLLの立下がり直後には、イ
ンバータG1の出力は“L”であるので、トランジスタ
N32はオフ状態のままである。制御信号CTLLの立
下がりから遅延回路DL1における遅延時間が経過する
と、インバータG1の出力が“H”に立上がり、トラン
ジスタN32がオンする。
【0305】遅延回路DL1およびインバータG1にお
ける信号遅延時間の和は、トランジスタB10がオン状
態となることにより出力端子O41の電位がある程度低
下するのに要する時間程度に設定される。
【0306】出力端子O41の電位がある程度低下する
と、トランジスタP19に流れる電流が減少し、トラン
ジスタB10は、ベース電流の減少によって徐々にオフ
状態に近づく。トランジスタP19のソース・ゲート間
電圧がトランジスタP19のしきい値電圧以下になる
と、トランジスタP19はオフする。それにより、トラ
ンジスタB10はベース電流の消滅により完全にオフす
る。トランジスタB10がオフすると、代わりにトラン
ジスタN32がオンする。したがって、その後、出力端
子O41の電位は、トランジスタN32を介して接地端
子に供給される。その結果、出力端子O41の電位はゆ
っくりと0.4V以下まで低下する。
【0307】制御信号CTLH,CTLLがともに
“L”から“H”に変化すると、トランジスタP19は
オフし、トランジスタN33はオンする。それにより、
トランジスタB2にベース電流が供給されず、トランジ
スタB2はオフ状態になる。
【0308】制御信号CTLLの立上がり直後には、イ
ンバータG1の出力はまだ“H”であるので、出力端子
O41から接地端子にトランジスタN32を介して若干
電流が流れる。しかし、プルアップ回路31は、バイポ
ーラトランジスタB9によりトランジスタN32に流れ
る電流よりも十分に大きい電流を電源端子から出力端子
O41に供給する。
【0309】したがって、出力端子O41の電位は、オ
ン状態のトランジスタN32の影響をほとんど受けず
に、迅速に“H”に立上がる。
【0310】制御信号CTLHが“L”となり、制御信
号CTLLが“H”となると、トランジスタN33がオ
ンし、トランジスタB9,N32,P19がオフする。
それにより、トランジスタB10のベースに電流が供給
されず、トランジスタB10もオフ状態にある。したが
って、出力端子O41からデータ信号の出力が禁止され
る。
【0311】上記のように、図21の出力バッファ回路
300においては、出力端子O41の電位が、ある程度
接地電位に近づくまでは急速に低下し、その後は、0.
4V以下までゆるやかに低下する。その結果、リンギン
グの発生が防止され、TTLSRAMの規格が満たされ
る。
【0312】図22の出力バッファ回路300におい
て、プルダウン回路302は、PMOSトランジスタP
19、NMOSトランジスタN32,N34、バイポー
ラトランジスタB10、抵抗R3、遅延回路DL1およ
びインバータG1を含む。
【0313】トランジスタB10は出力端子O41と接
地端子との間に接続される。トランジスタN34は出力
端子O41とトランジスタB10のベースとの間に接続
され、抵抗R3はトランジスタB10のベースと接地端
子との間に接続される。トランジスタP19は出力端子
O41とトランジスタB10のベースとの間に接続さ
れ、トランジスタN32はトランジスタB10のベース
と出力端子との間に接続される。
【0314】トランジスタP19のゲートには制御信号
CTLLが与えられ、トランジスタN32,N34のゲ
ートには遅延回路DL1およびインバータG1を介して
制御信号CTLLが与えられる。
【0315】図22の出力バッファ回路300において
も、制御信号CTLH,CTLLがともに“H”から
“L”に変化すると、出力端子O41の電位が“H”か
ら“L”に変化する。また、制御信号CTLH,CTL
Lがともに“L”から“H”に変化すると、出力端子O
41の電位が“L”から“H”に変化する。また、制御
信号CTLHが“L”となり、制御信号CTLLが
“H”となると、出力端子O41からはデータ信号が出
力されない。
【0316】制御信号CTLLが“H”から“L”に変
化すると、トランジスタP19がオンし、出力端子O4
1からトランジスタB10のベースおよび抵抗R3に電
流が流れる。抵抗R3の抵抗値は大きいので、抵抗R3
を介して接地端子に流れる電流は小さく、トランジスタ
P19が出力端子O41から引抜く電流のほとんどはト
ランジスタB10のベースに供給される。
【0317】それにより、トランジスタB10がオン
し、出力端子O41の電荷が接地端子に急速に供給され
る。その結果、出力端子O41の電位が急速に立下が
る。出力端子O41の電位がある程度低い値になると、
トランジスタP19のソース・ゲート間電圧の低下によ
り、トランジスタB10のベースに供給される電流が減
少する。そのため、トランジスタB10により出力端子
O41から接地端子に供給される電荷量も減少する。
【0318】トランジスタP19のソース・ゲート間電
圧がそのしきい値電圧以下になると、トランジスタP1
9がオフし、トランジスタB10のベースに電流が供給
されなくなる。したがって、トランジスタB10もオフ
する。
【0319】制御信号CTLLの立下がり直後には、遅
延回路DL1の動作により、トランジスタN32,N3
4はともにオフ状態となっている。しかし、その後、遅
延回路DL1およびインバータG1における信号遅延時
間の和に相当する時間が経過すると、インバータG1の
出力が“H”となり、トランジスタN32,N34がと
もにオンする。
【0320】遅延回路DL1およびインバータG1にお
ける信号遅延時間の和は、出力端子O41の電位がある
程度低下してトランジスタP19,B10がオフするの
に要する時間程度に設定される。そのため、トランジス
タB10がオフすると、代わりに流は小さく、トランジ
スタP19が出力端子O41から引抜く電流のほとんど
はトランジスタB10のベースに供給される。
【0321】それにより、トランジスタB10がオン
し、出力端子O41の電荷が接地端子に急速に供給され
る。その結果、出力端子O41の電位が急速に立下が
る。出力端子O41の電位がある程度低い値になると、
トランジスタP19のソース・ゲート間電圧の低下によ
り、トランジスタB10のベースに供給される電流が減
少する。そのため、トランジスタB10により出力端子
O41から接地端子に供給される電荷量も減少する。
【0322】トランジスタP19のソース・ゲート間電
圧がそのしきい値電圧以下になると、トランジスタP1
9がオフし、トランジスタB10のベースに電流が供給
されなくなる。したがって、トランジスタB10もオフ
する。
【0323】制御信号CTLLの立下がり直後には、遅
延回路DL1の動作により、トランジスタN32,N3
4はともにオフ状態となっている。しかし、その後、遅
延回路DL1およびインバータG1における信号遅延時
間の和に相当する時間が経過すると、インバータG1の
出力が“H”となり、トランジスタN32,N34がと
もにオンする。
【0324】遅延回路DL1およびインバータG1にお
ける信号遅延時間の和は、出力端子O41の電位がある
程度低下してトランジスタP19,B10がオフするの
に要する時間程度に設定される。そのため、トランジス
タB10がオフすると、代わりにトランジスタN32,
N34がオンする。
【0325】それにより、出力端子O41の電荷は、そ
の後トランジスタN32,N34を介して接地端子にゆ
っくりと供給される。その結果、出力端子O41の電位
は緩やかに低下し、0.4V以下になる。
【0326】制御信号CTLLが“L”から“H”に変
化すると、トランジスタP19がオフする。それによ
り、トランジスタB10のベースには電流が供給されな
い。
【0327】制御信号CTLLの立上がり直後には、イ
ンバータG1の出力がまだ“H”のままであるので、ト
ランジスタN34はオン状態に保持される。しかし、ト
ランジスタN34がオン状態である期間には、トランジ
スタN32もオン状態であるので、出力端子O41から
トランジスタN34により引抜かれた電流は、トランジ
スタN32を介してほとんど接地端子に流れ、トランジ
スタB10のベースには供給されない。そのため、トラ
ンジスタB10はオン状態にならない。
【0328】制御信号CTLLの立上がりから遅延回路
DL1およびインバータG1における信号遅延時間の和
に相当する時間が経過すると、インバータG1の出力が
“L”となる。それにより、トランジスタN32,N3
4がともにオンし、トランジスタB10のベースと出力
端子O41との間の電流経路が完全に遮断される。
【0329】したがって、出力端子O41の電位は、制
御信号CTLHの立上がりに応答して迅速に“H”に立
上がる。
【0330】図22の出力バッファ回路300では、制
御信号CTLH,CTLLがともに“H”である期間
に、トランジスタP19,N34から電流がリークして
も、このリーク電流は抵抗R3を介して接地端子に流れ
る。そのため、リーク電流によりトランジスタB10が
わずかにオン状態となることが防止される。
【0331】図20〜図22の出力バッファ回路300
において、インバータG1の信号遅延時間が、トランジ
スタB10により出力端子O41の電位が“H”からあ
る程度低い電位まで低下されるのに要する時間程度であ
れば、遅延回路D1は除去されてもよい。
【0332】図18〜図22の出力バッファ回路300
のプルアップ回路301の構成は、制御信号CTLHに
より出力端子O41の電位の立上げが指示されたとき
に、出力端子O41を電源端子と電気的に接続すること
ができるような構成であれば他の構成でもよい。また、
図53に示される出力制御回路350の構成も、プルア
ップ回路301およびプルダウン回路302の構成に応
じて適宜選択することができる。
【0333】図23の出力バッファ回路は、レベル変換
回路320、出力制御回路330および出力ドライバ回
路310を含む。レベル変換回路320は、CMOSカ
レントミラー回路321,322、およびBiNMOS
ドライバ323,324およびNMOSトランジスタN
40,N41を含む。出力制御回路330は、BiNM
OS・2NOR回路331,332、NMOSトランジ
スタN42,N43およびPMOS直列回路333,3
34を含む。出力ドライバ回路310は、バイポーラプ
ルアップ回路311、BiNMOSプルダウン回路31
2およびNMOSトランジスタN44を含む。
【0334】入力端子I51,I52は入力信号/S
A,SAをそれぞれ受ける。CMOSカレントミラー回
路321はトランジスタP20,P21,N34,N3
5を含み、CMOSカレントミラー回路322はトラン
ジスタP22,P23,N36,N37を含む。CMO
Sカレントミラー回路321,322は、小振幅(0.
8V〜1.2V程度)の入力信号(センスアンプ出力)
/SA,SAをMOSレベル(0〜5V)の信号にレベ
ル変換し、それをノードn51,n52に出力する。
【0335】BiNMOSドライバ323はトランジス
タB11,N38を含み、BiNMOSドライバ324
はトランジスタB12およびN39を含む。BiNMO
Sドライバ323,324は、次段のBiNMOS・2
NOR回路331,332を高速動作させるためのドラ
イバとして働く。
【0336】トランジスタN40,N41,N42,N
43は、アウトプットイネーブル信号/OEが“H”の
とき(出力ディスエイブル状態)オンし、CMOSカレ
ントミラー回路321,322およびBiNMOSドラ
イバ323,324の出力をともに“L”にする。
【0337】BiNMOS・2NOR回路331,33
2は、次段の出力ドライバ回路310を高速動作させる
ために、BiNMOSゲートにより構成される。また、
それらは、アウトプットイネーブル信号/OEにより出
力をイネーブルおよびディスエイブル状態にするため
に、2入力NOR構成を有する。
【0338】なお、BiNMOS・2NOR回路33
1,332の代わりに、CMOS・2NOR回路または
BiCMOS・2NOR回路を用いてもよい。
【0339】PMOS直列回路333はトランジスタP
24,P25を含み、PMOS直列回路334はトラン
ジスタP26,P27を含む。PMOS直列回路33
3,334は、ノードn55,n56の“H”の電位を
電源電位Vccまで上げるために設けられている。
【0340】“H”の電位を電源電位Vccまで上げる
のは、出力端子O51の出力信号の“H”の電位
(VOH)を2.4V以上にするためである。もしPMO
S直列回路333,334がないと、Vcc=4.5V
のとき、VOH=Vcc−3VBE=4.5−3・0.8=
2.1[V]となる。そのため、VOHが2.4V以上で
あるという規格を満たさない。
【0341】プルアップ回路311はトランジスタB1
3,B14およびダイオードD4を含み、プルダウン回
路312はトランジスタN45,N46,B15を含
む。
【0342】プルアップ側バイポーラトランジスタB1
4はノードn54の出力信号を受けてオンまたはオフす
る。プルアップ側バイポーラトランジスタB13は、ノ
ードn55の出力信号を受けてオンまたはオフする。し
たがって、トランジスタB14の方がトランジスタB1
3よりも早くオンし、それらのトランジスタB13,B
14がオンするタイミングが互いにずれる。
【0343】その結果、電流の時間変化di/dtを小
さくすることができる。ノイズ電圧Vは、V=L・di
/dtで表わされるので、ノイズ電圧Vを小さくするこ
とができる。ここで、Lはインダクタンスを表わす。
【0344】ダイオードD4は、出力端子O51の
“H”の電位VOHを1VBE(0.8V)だけ小さくする
ために用いられる。出力振幅が小さくなると、出力信号
の“H”から“L”への切換わりが速くなる。
【0345】プルダウン側NMOSトランジスタN45
はノードn53の電位を受けてオンまたはオフし、プル
ダウン側バイポーラトランジスタB15はノードn57
の電位を受けてオンまたはオフする。トランジスタN4
6は、トランジスタB15のベース電流を引抜くために
用いられる。
【0346】トランジスタN44はノードn56の電位
を受けてオンまたはオフする。したがって、トランジス
タB15は、トランジスタN44よりも早くオンし、ト
ランジスタB15とトランジスタN44がオンするタイ
ミングがずれる。したがって、di/dtが小さくな
り、ノイズ電圧が低減される。
【0347】トランジスタN44は、出力端子O51の
“L”の電位VOLを0.4V以下にするために用いられ
る。もし、トランジスタN44がないと、“L”の電位
OLはトランジスタB15のベース・エミッタ間電圧V
BE(0.8V)だけ高くなる。したがって、“L”の電
位VOLが0.4Vよりも大きくなり、規格を満たさなく
なる。
【0348】以上の構成により、高速動作が可能でかつ
出力ノイズの発生が抑制された出力バッファ回路が得ら
れる。
【0349】図24の出力バッファ回路においては、図
23の出力バッファ回路におけるプルアップ側バイポー
ラトランジスタB14が削除され、かつトランジスタN
46がCMOSインバータ315により制御される。図
24の出力バッファ回路の動作および各回路の役割は、
図23の出力バッファ回路と同様である。
【0350】(f) ビット線負荷回路(図25〜図3
3) 図25〜図32のビット線負荷回路は、図1に示される
ビット線負荷回路&書込ドライバ24に用いられる。
【0351】図25のビット線負荷回路は、イコライズ
トランジスタP28、プルアップトランジスタP29,
P30,N49,N50、トランスファーゲートトラン
ジスタN47,N48を含む。
【0352】トランジスタP28はビット線BL,/B
L間に接続され、トランジスタP29は電源端子とノー
ドn61との間に接続され、トランジスタP30は電源
端子ノードn62との間に接続される。トランジスタN
47はノードn61とライトデータバスWBaとの間に
接続され、トランジスタN48はノードn62とライト
データバスWBbとの間に接続される。トランジスタN
49は電源端子とノードn61との間に接続され、トラ
ンジスタN50は電源端子とノードn62との間に接続
される。
【0353】トランジスタP28〜P30,N47,N
48のゲートは入力端子I61に接続される。トランジ
スタN49のゲートはライトデータバスWBaに接続さ
れ、トランジスタN50のゲートはライトデータバスW
Bbに接続される。
【0354】読出動作時には、信号Yi・WEは“L”
となる。それにより、トランジスタP28〜P30がオ
ンし、トランジスタN47,N48がオフする。このと
き、ライトデータバスWBa,WBbはともに“H”で
あるので、トランジスタN49,N50のゲート電位は
電源電位Vccとなっている。
【0355】しかし、ビット線BL,/BLがトランジ
スタP28〜P30により電源電位Vcc近くまで充電
されているので、ダイオード接続されるトランジスタN
49,N50のソース・ドレイン間電圧がVTH以下とな
り、トランジスタN49,N50はオフしている。ここ
で、VTHはトランジスタN49,N50のしきい値電圧
である。
【0356】選択されたメモリセルのセル電流がトラン
ジスタP28〜P30に流れると、ビット線BL,/B
L間に電位差が生じ、この電位差が図1のカラム選択回
路25を介してリードデータバスに伝達される。イコラ
イズトランジスタP28はビット線BL,/BL間の電
圧振幅を制限するために働く。
【0357】書込動作時には、信号Yi・WEは“H”
となる。それにより、トランジスタP28〜P30がオ
フし、トランジスタN47,N48がオンする。書込動
作時には、ライトデータバスWBa,WBbのいずれか
一方の電位が“L”となり、それがトランジスタN47
またはN48を介してビット線BLまたは/BLに伝達
される。このとき、トランジスタP28〜P30がオフ
しており、かつ“L”となるべきビット線に接続された
トランジスタN49またはN50がオフしているので、
ビット線負荷回路には書込電流が流れない。
【0358】書込動作が終了すると、ライトデータバス
WBa,WBbはともに“H”となる。それにより、
“L”となったビット線がトランジスタN47またはN
48を介して書込ドライバにより充電される。
【0359】また、トランジスタN49,N50のゲー
ト電位が“H”となるので、トランジスタN49または
N50を介してもビット線が充電される。
【0360】さらに、書込動作の終了により信号Yi・
WEは“L”に変化し、トランジスタP28〜P30が
オンする。したがって、トランジスタP28〜P30に
よっても、ビット線が充電される。
【0361】このビット線負荷回路のNMOSトランジ
スタのしきい値電圧VTHを周辺回路と同じしきい値電圧
に設定しても、上記の効果は得られるが、NMOSトラ
ンジスタのしきい値電圧VTHを周辺回路よりも低く設定
した方が、ビット線BL,/BLを急速に充電すること
ができる。
【0362】ここで示されたNMOSトランジスタがオ
フするときには、そのソース電位が電源電位Vcc近く
まで上がっているので、しきい値電圧VTHが低くても、
リーク電流が発生するおそれはない。
【0363】図25のビット線負荷回路を、図62およ
び図63のビット線負荷回路と比較すると、書込動作終
了後のビット線BL,/BLの充電がトランジスタN4
9,N50により行なわれるので、高速にビット線B
L,/BLを充電することができる。また、“L”とな
るライトデータバスに接続されるトランジスタN49ま
たはN50が書込動作時にオフするので、書込電流が流
れない。
【0364】図26のビット線負荷回路では、トランジ
スタB16および抵抗R4がさらに設けられている。ト
ランジスタP29,P30のソースは、ダイオード接続
されたトランジスタB16と抵抗R4との接続点に接続
される。それにより、トランジスタP29,P30のソ
ース電位が、トランジスタB16のベース・エミッタ間
電圧VBEだけ電源電位Vccよりも低下する。その結
果、ビット線BL,/BLの電位がVcc−VBEとな
る。
【0365】したがって、ビット線BL,/BLをトラ
ンジスタP28〜P30のみで充電する期間が短くな
り、ビット線BL,/BLの充電を高速に行なうことが
できる。
【0366】トランジスタB16をダイオード接続され
たNMOSトランジスタに置換えてもよい。また、トラ
ンジスタB16をコレクタ・ベース間接合を利用したダ
イオードに置換えてもよい。
【0367】抵抗R4は、すべてのメモリセルに接続さ
れるワード線の電位が“L”となってセル電流が流れな
い場合にも、トランジスタB16のベース・エミッタ間
電圧VBEを一定に保つために設けられている。したがっ
て、常に一定のセル電流がトランジスタB16に流れる
ような構成においては、抵抗R4がなくても同様の効果
が得られる。抵抗R4をトランジスタのオン抵抗により
形成してもよい。
【0368】図25のビット線負荷回路では、トランジ
スタN47,N48,N49,N50によりビット線B
L,/BLを電位Vcc−VTHまで充電し、トランジス
タP28,P29,P30によりビット線BL,/BL
をそれ以上の電位へ充電する。そのため、ややビット線
BL,/BLの充電が遅れるという欠点がある。
【0369】図27のビット線負荷回路においては、図
25のビット線負荷回路におけるNMOSトランジスタ
N49,N50がバイポーラトランジスタB17,B1
8で置換えられている。書込動作後のビット線BL,/
BLの充電がバイポーラトランジスタB17,B18で
行なわれるので、ビット線BL,/BLを非常に高速に
電位Vcc−VBEまで充電することができる。
【0370】図28のビット線負荷回路では、図26の
ビット線負荷回路におけるNMOSトランジスタN4
9,N50がバイポーラトランジスタB17,B18で
置換えられている。それにより、ビット線BL,/BL
の電位がVcc−VBEに設定される。そのため、トラン
ジスタP28〜P30によりビット線BL,/BLを電
位Vcc−VBE以上に充電する必要がなく、さらに高速
にビット線BL,/BLを充電することができる。
【0371】図29のビット線負荷回路は、イコライズ
トランジスタP28、プルアップトランジスタB19,
B20、トランスファーゲートトランジスタN47,N
48、およびトランジスタB19,B20を制御する制
御トランジスタP29,P30,N49,N50を含
む。
【0372】プルアップトランジスタB19は電源端子
とノードn64との間に接続され、そのベースはノード
n61に接続される。プルアップトランジスタB20は
電源端子とノードn65との間に接続され、そのベース
はノードn62に接続される。
【0373】読出動作時には、信号Y・WEは“L”に
なる。それにより、トランジスタP28〜P30はオン
し、トランジスタN47〜N50はオフする。トランジ
スタP29,P30がオンしかつトランジスタN49,
N50がオフしているので、トランジスタB19,B2
0のベース電位はコレクタ電位と同じ電源電位Vccま
で引上げられる。そのため、トランジスタB19,B2
0はダイオードとして動作する。
【0374】選択されたメモリセルのセル電流がトラン
ジスタP28およびダイオード接続されたトランジスタ
B19,B20に流れると、ビット線BL,/BL間に
電位差が生じ、この電位差がカラム選択回路25(図
1)を介してリードデータバスに伝達される。イコライ
ズトランジスタP28は、ビット線BL,/BL間の電
圧振幅を制限するために働いている。
【0375】書込動作時には、信号Yi・WEは“H”
になる。それにより、トランジスタP28〜P30はオ
フし、トランジスタN47〜N50がオンする。書込動
作時にはライトデータバスWBa,WBbの一方の電位
が“L”となり、トランジスタN47,N48を介して
ライトデータバスWBa,WBbのデータがビット線B
L,/BLに伝達される。また、トランジスタN49,
N50を介してライトデータバスWBa,WBbの電位
がトランジスタB19,B20のベースに伝達される。
【0376】そのため、“L”となるべきビット線BL
または/BLに接続されるトランジスタB19またはB
20のベース電位が“L”となり、そのトランジスタは
オフする。また、トランジスタP28もオフしているの
で、ビット線負荷回路には書込電流が流れない。
【0377】書込動作が終了すると、ライトデータバス
WBa,WBbはともに“H”となる。それにより、
“L”となったビット線BLまたは/BLは、トランジ
スタN47またはN48を介して書込ドライバにより充
電される。
【0378】また、オフしていたトランジスタB19ま
たはB20のベースがトランジスタN49またはN50
により充電されるので、トランジスタB19,B20は
オンする。したがって、ビット線BL,/BLは、トラ
ンジスタB19,B20によっても充電される。
【0379】さらに、書込動作の終了により、信号Y・
WEが“L”に変化する。それにより、トランジスタP
28〜P30がオンし、トランジスタB19,B20の
ベース電位がトランジスタP29,P30を介して電源
電位Vccまで充電される。
【0380】図30のビット線負荷回路では、図29の
ビット線負荷回路にトランジスタB19,B20を制御
するトランジスタP31,P32がさらに付加されてい
る。
【0381】図33に書込動作時のビット線電位の変化
を示す。L1は図29のビット線負荷回路におけるビッ
ト線電位を示し、L2は図30のビット線負荷回路にお
けるビット線の電位を示している。
【0382】図29のビット線負荷回路において、ライ
トデータバスWBa,WBbの電位はトランジスタN4
7,N48を介してビット線BL,/BLに伝達される
ので、ビット線の“H”の電位は、ライトデータバスの
“H”の電位よりもトランジスタN47,N48のしき
い値電圧VTH分下がった電位となる。
【0383】このため、書込動作終了後に、“L”のビ
ット線をトランジスタB19またはB20により充電す
ると、“L”のビット線電位が“H”のビット線電位よ
りも高くなる現象が起こりやすい。高い感度のセンスア
ンプを有するBiCMOSSRAMにおいては、この現
象により逆のデータが読出され、アクセスの遅延も生じ
る。
【0384】これに対して、図30のビット線負荷回路
では、ライトデータバスWBa,WBbに接続されたゲ
ートを有するトランジスタP31,P32によりトラン
ジスタB19,B20のベース電位を制御することによ
り、書込動作時の“H”のビット線電位を図33のL2
で示すように、読出動作時の“H”のビット線電位と等
しくすることができる。これにより、“L”のビット線
電位が“H”のビット線電位よりも高くなる現象が防止
される。
【0385】図31のビット線負荷回路では、図29の
ビット線負荷回路に、トランジスタB16および抵抗R
4がさらに付加されている。それにより、ビット線B
L,/BLの読出電位がVcc−2VBEに設定される。
【0386】その結果、書込動作時のビット線負荷の電
圧振幅が小さくなり、ビット線BL,/BLを高速に充
電することができる。
【0387】トランジスタB16を、ダイオード接続さ
れたNMOSトランジスタに置換えてもよい。また、ト
ランジスタB16をコレクタ・ベース間接合を利用した
ダイオードに置換えてもよい。
【0388】抵抗R4は、すべてのメモリセルに接続さ
れるワード線の電位が“L”となってセル電流が流れな
い場合にもトランジスタB16のベース・エミッタ間電
圧V BEを一定に保つために設けられている。したがっ
て、常に一定のセル電流が流れるような構成において
は、抵抗R4がなくても同様の効果が得られる。また、
抵抗R4をトランジスタのオン抵抗で形成してもよい。
【0389】図32のビット線負荷回路では、図30の
ビット線負荷回路にトランジスタB16および抵抗R4
がさらに付加されている。それにより、図31のビット
線負荷回路と同様に、ビット線BL,/BLの読出電位
が、Vcc−2VBEに設定される。
【0390】図25〜図30のビット線負荷回路によれ
ば、書込電流が流れず、かつ書込動作後のビット線の充
電を高速に行なうことができる。
【0391】(g) ビット線負荷交互配置(図34〜
図36) 図34〜図35に示されるビット線負荷交互配置は、図
1のSRAMに用いられる。
【0392】図34に、ビット線負荷交互配置の概念図
を示す。メモリセルアレイ1内の複数のカラムC1〜C
4の一方の端部側に、ビット線負荷回路&カラム選択回
路411,413、センスアンプ421およびリードデ
ータバスRBa,RBbが配置され、他方の端部側に、
ビット線負荷回路&カラム選択回路412,414、セ
ンスアンプ422およびリードデータバスRBa,RB
bが配置される。
【0393】カラムC1はビット線負荷回路&カラム選
択回路411に接続され、カラムC3はビット線負荷回
路&カラム選択回路413に接続される。カラムC2は
ビット線負荷回路&カラム選択回路412に接続され、
カラムC4はビット線負荷回路&カラム選択回路414
に接続される。
【0394】カラムC1,C3のビット線対BL,/B
Lのデータは、ビット線負荷回路&カラム選択回路41
1,413を介してセンスアンプ421に与えられ、さ
らにリードデータバスRBa,RBbに与えられる。カ
ラムC2,C4のビット線対BL,/BLのデータは、
ビット線負荷回路&カラム選択回路412,414を介
してセンスアンプ422に与えられ、さらにリードデー
タバスRBa,RBbに与えられる。
【0395】図35は、ビット線負荷交互配置を用いた
SRAMのチップCH全体のレイアウトを示す図であ
る。このSRAMでは、センターパワーピンが採用され
る。
【0396】メモリセルアレイ1aの一方の側にはビッ
ト線負荷回路&カラム選択回路431およびセンスアン
プ421が配置され、他方の側にはビット線負荷回路&
カラム選択回路433およびセンスアンプ423が配置
される。メモリセルアレイ1bの一方の側には、ビット
線負荷回路&カラム選択回路432およびセンスアンプ
422が配置され、他方の側にはビット線負荷回路&カ
ラム選択回路434およびセンスアンプ424が配置さ
れる。
【0397】メモリセルアレイ1a,1b間にはグロー
バルロウデコーダ4が配置される。メモリセルアレイ1
a,1bの一方の側にはリードデータバスRB1,RB
2および出力回路291,292が配置され、他方の側
にはリードデータバスRB3,RB4および出力回路2
93,294が配置される。
【0398】ビット線負荷回路&カラム選択回路43
1,432およびセンスアンプ421,422から出力
されるデータは、リードデータバスRB1,RB2を介
して出力回路291,292に与えられる。ビット線負
荷回路&カラム選択回路433,434およびセンスア
ンプ423,424から出力されるデータは、リードデ
ータバスRB3,RB4を介して出力回路293,29
4に与えられる。
【0399】図35のレイアウトを、図66のレイアウ
トと比較すると、出力回路291,292に接続される
リードデータバスRB1,RB2の長さが、出力回路2
93,294に接続されるリードデータバスRB3,R
B4の長さと同じになるので、アクセス時間が短くな
る。
【0400】図36のレイアウトでは、リードデータバ
スRB1〜RB4が、左のメモリセルアレイ1aに対応
するデータバスRB1L〜RB4Lおよび右のメモリセ
ルアレイ1bに対応するデータバスRB1R〜RB4R
にそれぞれ分割される。出力回路291〜294の各々
に接続された左右のデータバスのデータに関しては論理
和演算が行なわれ、出力される。
【0401】図36のレイアウトによると、各データバ
スの容量が半分となるので、さらに高速動作が可能とな
る。
【0402】ビット線負荷交互配置によると、次の利点
が得られる。 (1) ビット線負荷回路&カラム選択回路の各々を、
2カラム分のピッチを用いてレイアウトすることができ
る。
【0403】(2) センターパワーピンの配置を用い
ても、データバスの長さを短くすることができる。
【0404】(3) シフトリダンダンシ回路と組合わ
せることにより、連続した2カラムの不良を容易に救済
することができる。
【0405】(1)の利点は、ビット線負荷回路&カラ
ム選択回路として図2に示されるような多くの素子を含
む回路を実際に使用する際に非常に有効である。
【0406】(h) シフトリダンダンシ回路(図37
〜図41) 図37は、ビット線負荷交互配置とシフトリダンダンシ
回路とを組合わせた場合の概念図を示す。
【0407】カラムデコーダ451とビット線負荷回路
&カラム選択回路との間にカラムリダンダンシ制御回路
SW1が配置され、カラムデコーダ452とビット線負
荷回路&カラム選択回路との間にカラムリダンダンシ制
御回路SW2が配置される。カラムリダンダンシ制御回
路SW1はスイッチS1〜S4を含み、カラムリダンダ
ンシ制御回路SW2はスイッチS5〜S8を含む。この
カラムリダンダンシ制御回路SW1,SW2は図1のカ
ラムリダンダンシ回路26に用いられる。全てのカラム
に不良が存在しない場合には、スイッチS1〜S4がそ
れぞれカラムC2,C4,C6,C8に接続され、スイ
ッチS5〜S8がそれぞれカラムC1,C3,C5,C
7に接続される。カラムC2,C3に不良が存在する場
合には、スイッチS1〜S4がそれぞれカラムC4,C
6,C8,冗長カラムRC2に接続され、スイッチS5
〜S8がそれぞれカラムC1,C5,C7,冗長カラム
RC1に接続される。このようにして、連続した2カラ
ムの不良を容易に救済することができる。
【0408】カラムリダンダンシ制御回路SW1,SW
2は、図68に示される構成を有する。
【0409】ここでは、ビット線負荷回路を交互に配置
した場合を説明したが、ワード線ドライバを交互に配置
した場合にも、同様に、連続した2ロウの不良を容易に
救済することができる。
【0410】図38は、ロウリダンダンシ回路を示す概
念図である。このロウリダンダンシ回路は、図1に示さ
れるロウリダンダンシ回路5に用いられる。
【0411】図36に示すようにグローバルロウデコー
ダ4がチップCHの中央に配置された場合、グローバル
ロウデコーダ4の左右にグローバルワード線WL1〜W
L3およびグローバルワード線WR1〜WR3が存在す
る。また、グローバルロウデコーダ4の左右に冗長グロ
ーバルワード線RELおよび冗長グローバルワード線R
ERが設けられる。
【0412】図38に示すように、グローバルロウデコ
ーダ4の両側に、ロウリダンダンシ制御回路5a,5b
をそれぞれ配置する。ロウリダンダンシ制御回路5aは
スイッチS11〜S13からなるスイッチ回路SW3を
含み、ロウリダンダンシ制御回路5bはスイッチS14
〜S16からなるスイッチ回路SW4を含む。
【0413】グローバルワード線に不良が存在しない場
合には、スイッチS11〜S13はグローバルワード線
WL1〜WL3にそれぞれ接続され、スイッチS14〜
S16はグローバルワード線WR1〜WR3にそれぞれ
接続される。
【0414】たとえば、グローバルワード線WL3およ
びグローバルワード線WR2に不良が存在するときに
は、スイッチS11〜S13がそれぞれグローバルワー
ド線WR1,WL2および冗長グローバルワード線RE
Lに接続され、スイッチS14〜S16がそれぞれグロ
ーバルワード線WR1,WR3および冗長グローバルワ
ード線RERに接続される。それにより、左右のグロー
バルワード線についてそれぞれ独立に不良のグローバル
ワード線を置換することができる。
【0415】図69のシフトリダンダンシ回路と比較す
ると、冗長グローバルワード線の本数は全く同じである
が、図69のシフトリダンダンシ回路では救済できなか
った不良を、図38のシフトリダンダンシ回路では救済
することができ、救済率が向上する。
【0416】ここでは、シフトリダンダンシ回路をグロ
ーバルワード線に適用した場合を説明したが、このシフ
トリダンダンシ回路はローカルワード線にも適用するこ
とができ、同様の効果が得られる。
【0417】図39に、図38のロウリダンダンシ回路
の詳細な構成を示す。ロウリダンダンシ制御回路5a
は、BiCMOSゲート回路241〜244およびスイ
ッチS11〜S13を含む。ロウリダンダンシ制御回路
5bは、BiCMOSゲート回路245〜248および
スイッチS14〜S16を含む。
【0418】BiCMOSゲート回路241〜248の
各々の構成は、図10に示される構成と同様である。ス
イッチS11〜S18の各々の構成は、図68に示され
るスイッチS1〜S3の各々の構成と同様である。
【0419】グローバルロウデコーダ4は、BiCMO
S・3NAND回路231〜233を含む。NAND回
路231〜233の各々は、トランジスタP33〜P3
5,N51〜N57,B21,B22を含む。
【0420】図40は、図38のシフトリダンダンシ回
路のチップCH上のレイアウトの例を示す図である。メ
モリセルアレイ1aとグローバルロウデコーダ4との間
にロウリダンダンシ制御回路5aが配置され、メモリセ
ルアレイ1bとグローバルロウデコーダ4との間にロウ
リダンダンシ制御回路5bが配置されている。
【0421】図41は、図37のシフトリダンダンシ回
路と図38のシフトリダンダンシ回路とを組合わせた場
合のチップCH上のレイアウトの例を示す図である。
【0422】ビット線対制御回路461aとカラムデコ
ーダ451aとの間にカラムリダンダンシ制御回路SW
1aが配置され、ビット線対制御回路462aとカラム
デコーダ452aとの間にカラムリダンダンシ制御回路
SW2aが配置される。ビット線対制御回路461bと
カラムデコーダ451bとの間にカラムリダンダンシ制
御回路SW1bが配置され、ビット線対制御回路462
bとカラムデコーダ452bとの間にカラムリダンダン
シ制御回路SW2bが配置される。
【0423】ビット線対制御回路461a,462a,
461b,462bの各々は、ビット線負荷回路および
カラム選択回路を含む。
【0424】図40および図41のレイアウトでは、メ
モリセルアレイが2つのブロックに分割された例を示し
ているが、メモリセルアレイがさらに多くの数のブロッ
クに分割された場合にも、図37および図38のシフト
リダンダンシ回路を適用することができる。
【0425】(3) 各部分の組合わせによる利点 (a) 入力バッファ回路+デコーダ回路;WEバッフ
ァ回路+デコーダ回路 図42に、CMOSインバータ、BiNMOSインバー
タおよびBiCMOSインバータの負荷容量と遅延時間
との関係を示す。図42により、負荷容量0.4pF以
下の領域では、CMOSインバータの遅延時間が最も小
さく、負荷容量1.4pF以上の領域ではBiCMOS
インバータの遅延時間が最も小さく、0.4pF<負荷
容量<1.4pFの領域ではBiNMOSインバータの
遅延時間が最も小さいことがわかる。
【0426】図1において、ロウアドレスバッファ2,
7とロウプリデコーダ3,8、カラムアドレスバッファ
10,13とカラムプリデコーダ11,14、WEバッ
ファ18とWE波形整形回路19、Dinバッファ22
と書込データ波形整形回路21とは、それぞれ互いに比
較的近い位置に配置される。そのため、配線容量が小さ
くなる。
【0427】また、プリデコーダでは、共通に接続され
るゲートの数も少ない。そのため、トータルのゲート容
量が小さくなり、入力バッファ回路の負荷容量が小さく
なる。したがって、入力バッファ回路およびWEバッフ
ァ回路の負荷容量は、0.4pF〜1.4pF間の値と
なる。
【0428】図3および図4の入力バッファ回路および
図5および図9のWEバッファ回路の出力部分は、Bi
NMOSプッシュプル回路により構成されるので、上記
の組合わせでは、遅延時間が最小となる。したがって、
上記の組合わせを採用することにより、さらに超高速の
アクセスタイムを得ることができる。
【0429】(b) デコーダ回路+シフトリダンダン
シ回路 上記実施例のデコーダ回路においては、高速化および面
積低減のためMOSトランジスタのデザインルールが細
くされ、ホットキャリア対策のために共有化されたダイ
オードが用いられる。また、上記実施例のロウリダンダ
ンシ回路では、高速化のためにシフトリダンダンシ回路
が用いられ、歩留を向上するためシフトリダンダンシ回
路がデコーダ回路の左右に配置され、左右の不良が独立
に救済される。
【0430】したがって、上記実施例のデコーダ回路と
ロウリダンダンシ回路とを組合わせることにより、高速
性を維持しつつ高歩留の半導体集積回路装置が得られ
る。
【0431】(c) WEバッファ回路+デコーダ回路
+ビット線負荷回路 図43に、ワード線選択経路700およびライトリカバ
リー経路800を示す。また、図44に、上記実施例と
従来例とのライトリカバリー時間の比較を示す。
【0432】図44のワード線選択時間3nsは、図4
3のワード線選択経路700においてロウアドレスバッ
ファ2、デコーダ3,4,6等をすべて上記実施例の回
路で構成した場合の値である。
【0433】一方、ライトリカバリー時間2.7ns
は、図43のライトリカバリー経路800において、W
Eバッファ18、デコーダ16等をすべて上記実施例の
回路により構成した場合の値である。ライトリカバリー
時間4.5nsは、上記回路をすべて従来例で構成した
場合の値である。
【0434】上記の結果より、上記の組合せにより図4
4に示される最も厳しいタイミングにおいても、ライト
リカバリー時間がワード線選択時間よりも短いので、高
速のアクセスが任意のタイミングで得られることがわか
る。
【0435】(d) ビット線負荷交互配置+カラムリ
ダンダンシ回路 ビット線負荷交互配置は高速化のためにセンターパワー
ピンに採用され、カラムリダンダンシ回路は高速化のた
めにシフトリダンダンシ回路で構成される。これらを組
合わせることにより、さらに高速化が可能となり、かつ
従来のシフトリダンダンシでは救済することができなか
った連続する2カラムの不良を救済することができる。
したがって、高速性を維持しつつ歩留を向上することが
可能となる。
【0436】(e) ビット線負荷交互配置+ビット線
負荷回路 図34に示されるように、上記実施例のアーキテクチャ
によると、実際のレイアウトにおいて2カラムピッチ分
の領域にビット線負荷回路を配置することができる。し
たがって、ビット線負荷回路のサイズを2倍にすること
が可能となる。その結果、さらなる高速化が可能とな
る。
【0437】(f) WEバッファ回路+出力バッファ
回路 図23および図24に示すように、上記実施例の出力バ
ッファ回路のNOR回路331,332は、高速化のた
めにBiNMOS回路(BiCMOS回路でもよい)で
構成されている。これに対して、従来の出力バッファ回
路では、NOR回路がCMOS回路で構成されている。
【0438】したがって、上記実施例の出力バッファ回
路を上記実施例のWEバッファ回路と組合わせることに
より、特に出力ディスエイブル時間がさらに短くなる。
出力ディスエイブル時間とは、ライトイネーブル信号/
WEが“H”から“L”に変化してから、あるいは、チ
ップセレクト信号/CSが“L”から“H”に変化して
から出力がハイインピーダンス状態になるまでの時間で
ある。
【0439】(4) 他の半導体集積回路装置への適用
可能性 上記実施例の各回路は、図1に示されるSRAMに限ら
ず、他の種々の半導体集積回路装置へも適用することが
できる。
【0440】
【発明の効果】第1〜第10の発明によれば、高速動作
が可能な半導体集積回路装置が得られる。
【0441】第1の発明によれば、同じ速度の相補出力
が得られ、かつ高速動作が可能な入力バッファ回路が得
られる。
【0442】第2の発明によれば、誤書込みが起こら
ず、読出時間が短く、かつ高速動作が可能なライトイネ
ーブルバッファ回路が得られる。
【0443】第3の発明によれば、ホットキャリア耐性
が向上し、信頼性が高く、かつ高速動作が可能なゲート
回路が得られる。
【0444】第4の発明によれば、レイアウト面積の増
加を抑えつつホットキャリア耐性が向上され、かつ高速
動作が可能なデコーダ回路が得られる。
【0445】第5の発明によれば、TTL半導体集積回
路装置の規格を満足する出力が得らるとともに、リンギ
ングの発生が抑制され、かつ高速動作が可能な低消費電
力の出力バッファ回路が得られる。
【0446】第6の発明によれば、TTL半導体集積回
路装置の規格を満足する出力が得られるとともに、リン
ギングの発生が抑制され、かつ出力信号の立上がりおよ
び立下がりにおいて高速動作が可能な出力バッファ回路
が得られる。
【0447】第7の発明によれば、書込電流が流れず、
書込動作終了後にビット線を高速に充電することができ
るビット線負荷回路が得られる。
【0448】第8の発明によれば、配線の長さが短くな
り、高速動作が可能な半導体集積回路装置のアーキテク
チャが得られる。
【0449】第9の発明によれば、連続する2ビット不
良を救済することができ、かつ高速動作が可能なシフト
リダンダンシ回路が得られる。
【0450】第10の発明によれば、第1および第2の
ブロック間に選択手段が配置された構成において、冗長
選択線の数を増やすことなく、第1および第2のブロッ
クの各々において独立に不良を救済することができ、か
つ高速動作が可能なシフトリダンダンシ回路が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例によるSRAMの全体の
概略構成を示す図である。
【図2】 図1のSRAMの主要部の構成を示す図であ
る。
【図3】 入力バッファ回路の一例を示す図である。
【図4】 入力バッファ回路の他の例を示す図である。
【図5】 WEバッファ回路の一例を示す図である。
【図6】 WEバッファ回路の各部の電圧波形を示す図
である。
【図7】 WEバッファ回路の出力信号のタイミングを
説明するための図である。
【図8】 内部ライトイネーブル信号および内部アウト
プットイネーブル信号の発生方法を説明するための図で
ある。
【図9】 WEバッファ回路の他の例を示す図である。
【図10】 BiCMOSゲート回路の一例を示す図で
ある。
【図11】 BiCMOSゲート回路の他の例を示す図
である。
【図12】 BiCMOSゲート回路の他の例を示す図
である。
【図13】 BiNMOSゲート回路の一例を示す図で
ある。
【図14】 BiNMOSゲート回路の他の例を示す図
である。
【図15】 BiNMOSゲート回路の他の例を示す図
である。
【図16】 デコーダ回路の一例を示す図である。
【図17】 デコーダ回路の他の例を示す図である。
【図18】 出力バッファ回路の一例を示す図である。
【図19】 出力バッファ回路の他の例を示す図であ
る。
【図20】 出力バッファ回路の他の例を示す図であ
る。
【図21】 出力バッファ回路の他の例を示す図であ
る。
【図22】 出力バッファ回路の他の例を示す図であ
る。
【図23】 出力バッファ回路の他の例を示す図であ
る。
【図24】 出力バッファ回路の他の例を示す図であ
る。
【図25】 ビット線負荷回路の一例を示す図である。
【図26】 ビット線負荷回路の他の例を示す図であ
る。
【図27】 ビット線負荷回路の他の例を示す図であ
る。
【図28】 ビット線負荷回路の他の例を示す図であ
る。
【図29】 ビット線負荷回路の他の例を示す図であ
る。
【図30】 ビット線負荷回路の他の例を示す図であ
る。
【図31】 ビット線負荷回路の他の例を示す図であ
る。
【図32】 ビット線負荷回路の他の例を示す図であ
る。
【図33】 ビット線負荷回路の特性を説明するための
図である。
【図34】 ビット線負荷交互配置の概念を示す図であ
る。
【図35】 ビット線負荷交互配置を用いたチップのレ
イアウトを示す図である。
【図36】 ビット線負荷交互配置を用いたチップのレ
イアウトを示す図である。
【図37】 ビット線負荷交互配置を用いたカラムリダ
ンダンシ回路の概念を示す図である。
【図38】 ロウリダンダンシ回路の概念を示す図であ
る。
【図39】 図38のロウリダンダンシ回路の詳細な構
成を示す図である。
【図40】 ロウリダンダンシ回路を用いたチップのレ
イアウトを示す図である。
【図41】 ロウリダンダンシ回路およびカラムリダン
ダンシ回路を用いたチップのレイアウトを示す図であ
る。
【図42】 実施例の回路の組合わせによる利点を説明
するための図である。
【図43】 実施例の回路の組合わせによる利点を説明
するための図である。
【図44】 実施例と従来例とのライトリカバリー時間
の比較を説明するための図である。
【図45】 従来の一般的なSRAMの構成を示すブロ
ック図である。
【図46】 従来の入力バッファ回路を示す図である。
【図47】 従来の内部ライトイネーブル信号および内
部アウトプットイネーブル信号の発生方法を説明するた
めの図である。
【図48】 内部ライトイネーブル信号および内部アウ
トプットイネーブル信号のタイミングを説明するための
図である。
【図49】 従来のCMOSインバータ回路を示す図で
ある。
【図50】 従来のBiCMOSゲート回路を示す図で
ある。
【図51】 ホットキャリアによるMOSトランジスタ
の劣化を説明するための図である。
【図52】 従来のデコーダ回路を示す図である。
【図53】 従来の出力バッファ回路を示す図である。
【図54】 プルアップ回路の他の例を示す図である。
【図55】 プルダウン回路の他の例を示す図である。
【図56】 出力制御回路の他の例を示す図である。
【図57】 出力制御回路および出力バッファ回路の他
の例を示す図である。
【図58】 従来の出力バッファ回路の他の例を示す図
である。
【図59】 メモリセルアレイおよびその周辺の構成を
示す図である。
【図60】 メモリセルの構成を示す図である。
【図61】 ビット線の電位の変化を示す図である。
【図62】 従来のビット線負荷回路の一例を示す図で
ある。
【図63】 従来のビット線負荷回路の他の例を示す図
である。
【図64】 コーナーパワーピンのピン配置を示す図で
ある。
【図65】 デュアルセンターパワーピンのピン配置を
示す図である。
【図66】 従来のSRAMのチップ全体のレイアウト
を示す図である。
【図67】 従来のシフトリダンダンシ回路の概念を示
す図である。
【図68】 リダンダンシ制御回路の詳細な構成を示す
図である。
【図69】 従来のロウリダンダンシ回路の概念を示す
図である。
【符号の説明】
1 メモリセルアレイ、2,7 ロウアドレスバッフ
ァ、3,8 ロウプリデコーダ、4 グローバルロウデ
コーダ、5 ロウリダンダンシ回路、6 ローカルロウ
デコーダ、9 ブロック&ロウデコーダ、10,13
カラムアドレスバッファ、11,14 カラムプリデコ
ーダ、12 ブロック&カラムデコーダ、15 ブロッ
クデコーダ、16 ブロック&WEデコーダ、17 ブ
ロック&データデコーダ、18 WEバッファ、19
WE波形整形回路、20 CSバッファ、21 書込デ
ータ波形整形回路、22 Dinバッファ、23 OE
波形整形回路、24 ビット線負荷回路&書込ドライ
バ、25 カラム選択回路、26 カラムリダンダンシ
回路、29 出力回路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の選択線、 前記複数の選択線に隣接するように配置される予備選択
    線、 前記複数の選択線の一方の端部側に配置され、前記複数
    の選択線のいずれかを選択する第1の選択手段、および
    前記複数の選択線の他方の端部側に配置され、前記複数
    の選択線のいずれかを選択する第2の選択手段を含み、 前記複数の選択線は、交互に前記第1および第2の選択
    手段に結合され、 前記第1の選択手段に結合される複数の選択線のいずれ
    かに不良がある場合に、前記第1の選択手段を順次隣接
    する選択線または予備選択線に結合する第1の不良救済
    手段、および前記第2の選択手段に結合される複数の選
    択線のいずれかに不良がある場合に、前記第2の選択手
    段を順次隣接する選択線または予備選択線に結合する第
    2の不良救済手段をさらに含む、半導体集積回路装置。
  2. 【請求項2】 複数の選択線および予備選択線を含む第
    1のブロック、 複数の選択線および予備選択線を含む第2のブロック、 前記第1のブロックと前記第2のブロックとの間に配置
    され、前記第1のブロック内の各選択線および前記第2
    のブロック内の各選択線に選択信号を与える選択手段、 前記第1のブロック内の前記複数の選択線のいずれかに
    不良がある場合に、前記選択手段の各選択信号を順次隣
    接する選択線または予備選択線に与える第1の不良救済
    手段、および前記第2のブロック内の前記複数の選択線
    のいずれかに不良がある場合に、前記選択手段の各選択
    信号を順次隣接する選択線または予備選択線に与える第
    2の不良救済手段を含む、半導体集積回路装置。
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