JPH1064206A - ディスク記憶装置 - Google Patents

ディスク記憶装置

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JPH1064206A
JPH1064206A JP8244302A JP24430296A JPH1064206A JP H1064206 A JPH1064206 A JP H1064206A JP 8244302 A JP8244302 A JP 8244302A JP 24430296 A JP24430296 A JP 24430296A JP H1064206 A JPH1064206 A JP H1064206A
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JP
Japan
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disk
cartridge
shutter
arm
rotation
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Application number
JP8244302A
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English (en)
Inventor
Toshio Mamiya
敏夫 間宮
Takashi Yamada
孝 山田
Kazuyuki Yamamoto
一幸 山本
Kazuo Takahashi
和夫 高橋
Eiji Oshima
英司 大嶋
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 リムバーブルディスク記憶装置等のディスク
記憶装置において、ディスク状の情報記憶媒体を収納し
たディスクカートリッジをポップアップ方式により装填
及び排出を行うことができるできるようにする。 【解決手段】 回転支持部材により支持されて回転移動
される読取り/書込みヘッドは、スピンドルモータを備
えたディスクカートリッジ装填部の外部からディスクカ
ートリッジの装填後、ディスクカートリッジ内に、回転
支持部材の回転により移動挿入されるように構成し、デ
ィスクカートリッジ装填部へのディスクカートリッジの
装填及び排出時は読取り/書込みヘッドを回転支持部材
と共に装填部の外部に移動させておくことにより、ディ
スクカートリッジをポップアップ方式により装填及び排
出できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理装置に用
いられる大容量の記憶装置に関し、特に、両面を読取り
/書込み可能としたディスク状の情報記録媒体としての
ハードディスクを用いるディスク記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、リムーバブルハードディスク装置
に代表される高速大容量ディスク装置およびこれに用い
られる記憶媒体としてのハードディスクを収納したディ
スクカートリッジは図20および図21に示す構成のデ
ィスク記憶媒体101とディスクカートリッジ120が
知られている。
【0003】このディスク記憶装置101は、図20に
示すように、主要な機械要素として、メインシャーシ1
02の前半部側の前面に挿入口103aを有するディス
クカートリッジ装填部103に備えられたディスク回転
駆動機構104とメインシャーシ102の後半部側に配
設された読取り/書込みヘッド機構105とから構成さ
れている。
【0004】そして、ディスク回転駆動機構104は、
ディスクカートリッジ装填部103の底面中央部に形成
された開口106から、チャッキングマグネット107
を備えたスピンドルモータ108が所定高さの範囲で出
没されるように、メインシャーシ102の下側に配設し
たサブシャーシ(図示せず)に昇降動作されるように搭
載して構成されている。
【0005】また、読取り/書込みヘッド機構105
は、装置の小型化を図るためメインシャーシ102の後
半部側にディスクカートリッジ装填部103の近傍に位
置して軸109により軸着されてアクチュエータ110
により回転駆動されるアクチュエータアーム111の先
端に板ばねから成るサスペンション112を介して読取
り/書込みヘッド(以下R/Wヘッドという)Hを取付
けて構成されている。
【0006】この読取り/書込みヘッド機構105のア
クチュエータ110はアクチュエータアーム111の後
端部に取付けられた可動コイル110aとこの可動コイ
ル110aと対応してメインシャーシ102側に固定さ
れた偏平マグネット110bとから構成され、また、R
/WヘッドHは上下一対備えられるもので、このため、
アクチュエータアーム111の先端部に取付けられるサ
スペンション112として、上下一対のサスペンション
112a,112bを用い、この両サスペンション11
2a,112bを上下に所定間隔を置いてアクチュエー
タアーム111にその中心線延長方向に延出して取付け
てあり、R/WヘッドHはこの両サスペンション112
a,112bの先端への内面側に、中心線と直交する方
向に取付けられるスライダに接着されて上下に対向され
ている。また、両サスペンション112a,112bの
先端外面側にはロードバー113が先端延長方向に突出
して固定されている。
【0007】このように構成される読取り/書込みヘッ
ド機構105は、サスペンション112a,112bを
含むアクチュエータアーム111の先端部がディスクカ
ートリッジ装填部103内に臨んだ状態で位置され、装
填されるディスクカートリッジ120内に挿入されるの
で、アクチュエータアーム111a先端部はハードディ
スクと干渉しないように上下の二又状、すなわちフォー
ク状に形成されており、この上下片部にサスペンション
112a,112bが取付けられている。
【0008】また、メインシャーシ102の後半部側に
は、ディスクカートリッジ装填部103の近傍でアクチ
ュエータアーム111の先方に位置してR/WヘッドH
のガイドである滑り台状ブロックのランプ114がディ
スクカートリッジ装填部103内に臨んで固定されてお
り、このランプ114も装填されるディスクカートリッ
ジ120内に挿入されるのでハードディスクと干渉しな
いように二又状、すなわち、凹部形成されてフォーク形
状を成している。このランプ114の上下面に、アクチ
ュエータアーム111のサスペンション112a,11
2bの先端のロードバー113が摺接することにより、
サスペンション112a,112bの間隔、すなわち、
両R/WヘッドHの間隔を保持するようになっている。
【0009】またメインシャーシ101の後半部には、
アクチュエータ110の制御回路、R/WヘッドHの読
取り/書込みアンプ等を搭載した回路基板115が配設
されてアクチュエータアーム111側とフレキシブル配
線板116により接続させてある。
【0010】一方、ディスクカートリッジ120は図2
0及び図22に示すように、直角四辺形状の上下ハーフ
121,122と、両ハーフ121,122間のディス
ク収納部123に回転自在に収納された両面読取り/書
込み可能な磁気ディスク、すなわち、ハードディスク1
24から構成されている。ハードディスク124の中心
部には強磁性体で形成されたハブ125が取付けられ
て、下ハーフ122に形成された中心孔126に対応さ
れている。
【0011】また、ディスクカートリッジ120の前面
側には、上下ハーフ121,122に跨ってアクチュエ
ータアーム111の先端部がR/WヘッドHを取付けた
サスペンション112a,112bと共に挿入される開
口部127が形成されて、この開口部127にはこれを
開閉するシャッタ128が取付けられている。このシャ
ッタ128は上ハーフ121側に軸129により上下方
向に回転可能に軸支されて、カートリッジ不使用時は開
口部127を閉塞し、塵埃、手指等の侵入を防止してお
り、ディスク記憶装置101への装填動作により自動的
に開く構成となっている。
【0012】かくして、図20に示すように、ディスク
記憶装置101にディスクカートリッジ120を装填す
るには、メインシャーシ102の前半部側のディスクカ
ートリッジ装填部103に前面挿入口部103aから、
開口部127側を先方にして水平に挿入すると、まず、
シャッタ開閉機構(図示せず)によってシャッタ128
が自動的に開かれ、開口部127が開放される。そし
て、ディスクカートリッジ120が所定位置まで挿入さ
れると、図21に示すようにアクチュエータアーム11
1の先端部から両サスペンション112a,112bか
けた部分とランプ114の滑り台状部が開口部127か
らカートリッジ内に位置されると共にハードディスク1
24の外周部の一部がランプ114の凹部内に位置され
る。この状態では、両サスペンション112a,112
bは、ロードバー113がランプ114の高位置に当接
されて間隔が拡げられて保持され、R/WヘッドHの間
隔はハードディスク124の厚さより大となっている。
【0013】この状態でディスク回転駆動機構104の
スピンドルモータ108が上昇動作して、カートリッジ
装填部103の底面中央部の開口106から所定高さ突
出し、チャッキングマグネット107の吸着磁力によっ
てハードディスク124のハブ125を下ハーフ122
の中心孔126を介して吸着し、スピンドルモータ10
8とハードディスク124が一体化、すなわち、ハード
ディスク124はスピンドルモータ108にチャッキン
グされる。
【0014】その後、スピンドルモータ108が回転
し、一定の角速度になったところでアクチュエータアー
ム111はアクチュエータ110によりカートリッジ内
方、すなわち、ハードディスク124方向に回転されて
両サスペンション112a,112bのロードバー11
3がランプ114の高位面から低位方向に滑り降りるこ
とになって、磁気ヘッドHがハードディスク124の面
上に緩やかにランディング状態になる。このランディン
グはハードディスク124の回転とR/WヘッドHを支
持しているスライダ間に生じる空気力学的な効果、いわ
ゆるハードディスク124の面とスライダとの間にエア
フィルムが生じることになってスライダは数十nm浮上
状態となりR/WヘッドHとハードディスク124は接
触することがない。
【0015】この状態でアクチュエータアーム111の
回転動作によりR/WヘッドHを所定のトラックに位置
付けてハードディスク124に対する情報の読取り/書
込みが行なわれる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このように構成される
ディスク記憶装置においては、R/WヘッドHを移動動
作するアクチュエータアーム111とR/WヘッドHを
ハードディスク124に対して切離動作するランプ11
4とディスクカートリッジ装填部103に臨ませた状態
で配置されているので、ディスクカートリッジ装填部1
03へのディスクカートリッジ120のポップアップ式
の装填排出は不可能で、アクチュエータアーム111と
ランプ114に干渉しないように開口部127を開放し
た状態で装填部103の底面部に対して平行に挿入しな
ければならず、このため、ディスクカートリッジ120
の装填部103に対する挿脱の際は、装填部103の底
面部を偏平状態に保持する必要がある。
【0017】従って、装填部103の底面上においてデ
ィスクカートリッジ120内のハードディスク124を
吸着して回転駆動するスピンドルモータ108は、ディ
スクカートリッジ120の挿脱の際に装填部103の底
面より下降させる必要があり、このようにスピンドルモ
ータ108を昇降動作させるためにはスピンドルモータ
108の支持機構は、安定性、確実性が要求されて構成
が複雑になりコスト高になっていた。
【0018】また、アクチュエータアーム111、ラン
プ114はハードディスク124との干渉を防止するた
めの逃げ部が必要となるので断面フォーク状に形成され
ており、このため、アクチュエータアーム111自体は
強度上に難点があり、またランプ114は凹部がハード
ディスク124側に開放されていることにより、何等か
の原因によりディスクカートリッジ120が装填されて
いない状態でアクチュエータアーム111が回転されて
これが戻り回転される際にR/WヘッドHを取付けたサ
スペンション112a,112bがランプ114の凹部
に挿入係合し戻り回転が不能になったり、R/Wヘッド
Hが破損する等のおそれがある。
【0019】また、アクチュエータアーム111はディ
スクカートリッジ120は挿入されることになるので、
R/WヘッドHの配線の半田付部角はディスクカートリ
ッジ120との干渉を防止するために小さく制約され
て、配線及び半田付作業等の作業性が悪くなる不具合が
ある。
【0020】そして、従来例装置は、ディスクカートリ
ッジ120の装填においてはアクチュエータアーム11
1、ランプ114等に干渉しないように挿入する必要が
あるため案内機構に高精度が要求されることになり、コ
スト高の原因になっていた。
【0021】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
動作が確実に安定して行われ、またコストの低減化を可
能としたディスク記憶装置を提供することを目的とす
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、両面を読取り/書込み可能としたディスク
状の情報記録媒体が回転自在に収納されたディスクカー
トリッジを、回転駆動機構を備えたディスクカートリッ
ジ装填部に着脱可能に装填し、このディスクカートリッ
ジ内にディスクカートリッジ装填部の外側に軸着される
回転支持部材により支持された読取り/書込みヘッドを
挿入して回転駆動される上記情報記録媒体の記録面上に
移動対応させて情報の読取り/書込みを行うようにした
ディスク記憶媒体において、読取り/書込みヘッドはデ
ィスクカートリッジ装填部の外部からのディスクカート
リッジの装填後、上記ディスクカートリッジ内に、上記
回転支持部材の回転により移動挿入されるようにしたも
のである。
【0023】このように構成することにより、ディスク
カートリッジ装填部に対するディスクカートリッジの装
填及び排出時は読取り/書込みヘッドは回転支持部材と
共にディスクカートリッジ装填部の外部に移動させてお
くことにより、ディスクカートリッジとは干渉されず、
これにより装填部に対するディスクカートリッジの装填
排出をいわゆるポップアップ方式により行うことが可能
になり、従って、情報記録媒体を回転駆動するスピンド
ルモータは、昇降機構を備えることなく、装填部の底面
に固定することができる等、各部の設計の自由度が増す
ことになり、また装置全体の薄型化が可能になる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明のディスク記憶装置
としてのディスク記録再生装置の実施の形態例を図面を
参照して説明する。この実施例に係るディスク記録再生
装置は、ディスク状記録媒体の一具体例を示すハードデ
ィスク(磁気ディスク)に新たに情報信号を記録し、或
いは予めハードディスクに記録されている情報信号を再
生する、記録及び再生兼用のディスク記録再生装置に適
用したもので、以下の順序により説明する。
【0025】〔1〕 ディスクカートリッジの構成(図
12) 〔2〕 ディスク記録再生装置の外観構成(図2) 〔3〕 ディスク記録再生装置の内部構成 (3−1) ディスク駆動機構(図1) (3−2) シャッタ開き機構(図2、図3) (3−3) 情報記録再生機構(図1、図4、図9〜図
11) (3−4) ディスクローディング機構(図1〜図8) 〔4〕 ディスク記録再生装置の動作 (4−1) ディスクカートリッジの挿入初期状態(図
13) (4−2) ディスクカートリッジのシャッタ開放前状
態(図14) (4−3) ディスクカートリッジのシャッタ開放後状
態(図15) (4−4) ハードディスクのローディング初期状態
(図16) (4−5) ハードディスクのローディング途中状態
(図17) (4−6) ハードディスクのローディング完了状態
(図18) (4−7) ハードディスクのアンローディング状態
(図19)
【0026】〔1〕 ディスクカートリッジの構成(図
12) ディスクカートリッジ1は、図12に示すように、上下
に重ね合わされる一対の上ハーフ2a及び下ハーフ2b
からなるディスク筐体2と、このディスク筐体2内に形
成されたディスク収容室3内に回転自在に収容されるデ
ィスク状の情報記録媒体の一具体例を示すハードディス
ク(磁気ディスク)HDと、同じくディスク収容室3内
に回動可能に収容されるシャッタ部材4と、このシャッ
タ部材4をディスク収容室3の面方向へ常時付勢するシ
ャッタばね5等を備えている。そして、上下ハーフ2
a,2bの互いの開口面側を重ね合わせ、その接触面間
を接着剤で接着するか、或いは上下ハーフ2a,2b間
を固定ねじで締結させることにより、ディスクカートリ
ッジ1が一体的に構成されている。
【0027】このディスクカートリッジ1のディスク筐
体2は、平面形状が略四角形をなす薄い容器からなり、
その後部両側には、このディスクカートリッジ1をディ
スク記録再生装置から取り出すために使用者によって掴
まれるグリップ切欠き2cが設けられている。そして、
ディスク記録再生装置のカートリッジ挿入口への差込側
となるディスク筐体2の前部には、その曲率半径のセン
タを差込方向の中心線L上から一側にオフセットさせる
ことによってオフセット円弧部6が形成されている。こ
れにより、ディスク筐体2の一方の側面2dの長さは他
方の側面2eの長さよりも短く設定されており、この短
側面2d側のオフセット円弧部6に、互いの接触部を適
宜量切欠くことによって横方向に延在させた横長の開口
部であるヘッド挿入口7が開口されている。
【0028】このヘッド挿入口7には、ディスク筐体2
内に収容されたハードディスクHDに対して記録時には
情報記録部に新たな情報信号を書き込み、再生時には予
め情報記録部に記録されている情報信号を読み込む読取
り/書込みヘッドとしての磁気ヘッド8が出し入れされ
る。このヘッド挿入口7は、図13〜図15に示すよう
に、ディスク収容室3内に収容されるシャッタ部材4の
先端部に設けられた円弧状のシャッタ板4aによって開
閉可能とされている。このシャッタ部材4は、シャッタ
板4aの他に、下ハーフ2bの略中央部に穿設されたセ
ンタコア穴9を開閉するコア穴開閉板4bを有し、この
コア穴開閉板4bの一端にシャッタ板4aが直角に交わ
るように一体に設けられている。
【0029】このシャッタ部材4の基端部、即ち、コア
穴開閉板4bの他端は、下ハーフ2bの後部中央よりも
若干長側面2e側に偏倚させて設けた支点軸2fに回動
自在に軸支されている。この支点軸2fを中心としてシ
ャッタ部材4を回動させることにより、シャッタ板4a
がオフセット円弧部6の内面に沿って移動すると共に、
コア穴開閉板4bがディスク収容室3の内面に沿って移
動する。そして、シャッタ部材4が短側面2d側にある
ときには、シャッタ板4aがヘッド挿入口7を閉じてい
ると共に、コア穴開閉板4bがセンタコア穴9を閉じて
いる。一方、シャッタ部材4が長側面2e側に移動する
と、シャッタ板4aがヘッド挿入口7を開くと共に、コ
ア穴開閉板4bがセンタコア穴9を開くようになってい
る。そのため、シャッタ部材4のコア穴開閉板4bに
は、シャッタ開放時にセンタコア穴9を完全に開くこと
ができるシャッタ切欠き4cが設けられている。
【0030】このシャッタ部材4は、捩りコイルばねか
らなるシャッタばね5によって常時ヘッド挿入口7を閉
じる方向に付勢されている。このシャッタばね5は、そ
のコイル部が、下ハーフ2bの支点軸2fよりも更に長
側面2e側に偏倚させて設けた支持軸2gに緩く嵌合さ
れている。このシャッタばね5のコイル部の一端から突
出するばね片5aは下ハーフ2bの内面に当接され、コ
イル部の他端から突出するばね片5bはコア穴開閉板4
bの基端部近傍に設けたばね受け片4dに係止されてい
る。尚、このシャッタばね5で付勢されるシャッタ部材
4、特にシャッタ板4aの取付構造等の理由から、本実
施例においては、下ハーフ2bのシャッタ板4aと接触
する部分及びその周辺部の肉厚を薄くしている。
【0031】更に、シャッタ部材4のコア穴開閉板4b
には、シャッタ切欠き4cと反対側に円弧状に突出する
操作アーム4eが設けられている。この操作アーム4e
の先端部には、操作ツメ4fが一体に設けられている。
この操作ツメ4fには、ハードディスクHDの肉厚を考
慮して段部が設定されており、この段部によって操作ツ
メ4fの中心を、上下ハーフ2a,2bの接合面から外
部に露出させるようにしている。かくして、シャッタ部
材4の操作アーム4eは、下ハーフ2bの後部に形成さ
れた円弧状の側壁2hに設けた切欠き2iを貫通してい
ると共に、この操作アーム4eの先端に連続する操作ツ
メ4fの先端部は、上下ハーフ2a,2bの接合面に設
けられた切欠き2jからディスク筐体2の長側面2eに
前後方向へ延在させて設けたガイド溝10内に露出され
ている。
【0032】このガイド溝10は、ディスク筐体2の前
側に設定された厚み方向(重ね合わせた方向)に幅広の
幅広部10aと、ディスク筐体2の後側に設定された上
下方向に幅狭の幅狭部10bと、幅広部10aの先端に
形成され且つ同じく幅が広くて内側に傾斜された導入部
10cと、幅広部10aの後部と幅狭部10bの前部と
の間に設定された開閉操作部10dとを備えている。こ
のガイド溝10の開閉操作部10dにおいて、幅広部1
0aから幅狭部10bに連続する部分には、上ハーフ2
a及び下ハーフ2bのそれぞれに傾斜面10eが形成さ
れており、この傾斜面10eで後述するシャッタ開きレ
バーの作用片をガイドして、作用片が幅広部10aから
幅狭部10bにスムースに移動できるようになされてい
る。
【0033】このガイド溝10の幅狭部10bの深さT
bは幅広部10aの深さTaよりも十分に深く形成され
ており(Tb>Ta)、これにより、シャッタ部材4が
完全に開いた状態においても操作ツメ4fがガイド溝1
0から外に飛び出ないようにしている。このような段差
を有する開閉操作部10dの側面は、上述した円弧状の
側壁2hの一部によって形成されていて、その外面は円
弧状に滑らかに連続されている。このガイド溝10の幅
狭部10bに上述したシャッタ部材4の操作ツメ4fが
位置しており、常時は操作ツメ4fの先端部のみがガイ
ド溝10内に突出されている。
【0034】ハードディスクHDは、上下両面が磁気記
録方式による信号記録面となされた円盤形のディスク状
記録部材からなり、その中心部分には、スピンドルモー
タ12のマグネットによって吸着されるセンタコア11
が一体に固着されている。このハードディスクHDのセ
ンタコア11は、下ハーフ2bに設けたセンタコア穴9
に対応されており、コア穴開閉板4bの回動によってセ
ンタコア穴9が開かれることにより、このセンタコア穴
9から挿入されるターンテーブル一体型のスピンドルモ
ータ12に接触される。このスピンドルモータ12の回
転部にはリング状の上述したマグネットが嵌合されて一
体的に設けられており、このマグネットの吸着力により
ハードディスクHDがスピンドルモータ12にチャッキ
ングされて、一体的に回転駆動される。
【0035】また、図13等に示すように、ディスクカ
ートリッジ1の後部の一側には、書込み禁止の穴の有無
を切り替える誤消去防止タブ13が設けられている。更
に、この誤消去防止タブ13の近傍と、これの反対側に
位置するシャッタばね5の近傍には、このディスクカー
トリッジ1をディスク記録再生装置の所定位置にローデ
ィングするための位置決め穴14a,14bが設けられ
ている。
【0036】尚、図13等には図示しないが、シャッタ
部材4のコア穴開閉板4bには、支点軸2fを中心とし
て円弧状に延びる一以上のガイド溝が設けられており、
このガイド溝には下ハーフ2bに設けられたガイドピン
が摺動可能に係合されている。そして、ガイド溝に係合
されたガイドピンでシャッタ部材4の回動をガイドする
ことにより、ヘッド挿入口7及びセンタコア穴9の開放
動作がスムースに行われるようになされている。
【0037】このような構成を有する上下ハーフ2a,
2bの材質としては、例えばポリカーボネートPC等の
合成樹脂材料が好適であるが、その他の合成樹脂を用い
ることもできる。また、シャッタ部材4の材質として本
実施例では、シャッタ板4aにはポリカーボネートPC
を用いる一方、コア穴開閉板4bにはステンレス鋼板を
用いており、ステンレス鋼板の先端部にポリカーボネー
トPCのシャッタ板4aを二色成形することによって、
シャッタ部材4が一体成形されている。しかしながら、
シャッタ部材4の全体をポリカーボネートPC等の合成
樹脂材料で成形してもよく、また、シャッタ部材4の全
体をステンレス鋼板等の金属材料で成形してもよいこと
は勿論である。
【0038】〔2〕 ディスク記録再生装置の外観構成
(図2) 本例のディスク記録再生装置は、ディスクカートリッジ
1が装着されるカートリッジホルダ16が上下動作する
ポップアップ方式であって、装置外観を図2に示す。こ
のディスク記録再生装置は、後述する回転駆動機構であ
るディスク駆動機構30、シャッタ開放手段としてのシ
ャッタ開き機構40、情報記録再生機構50及びディス
クローディング機構60を内蔵できる大きさで上面側が
開放されたメカシャーシ17と、このメカシャーシ17
内に俯仰可能に取り付けられて前面のカートリッジ挿入
口18を開閉可能とされた上記カートリッジホルダ16
等を備えて構成されている。
【0039】メカシャーシ17は、上面に開口した底の
浅い四角形の筐体からなり、このメカシャーシ17内の
奥側両側部には、カートリッジホルダ16の後部両端を
俯仰可能に支持するための支持ブラケット19が左右一
対で取り付けられている。これら支持ブラケット19の
後部には軸受穴が設けられていて、各軸受穴にはカート
リッジホルダ16の後部両端に突設された回動支点軸1
9aがそれぞれ回動自在に嵌合されている。
【0040】カートリッジホルダ16は、平面から見て
メカシャーシ17よりやや小形で四角形の上面板16a
と、この上面板16aの左右両側に連続する側面板16
b,16cと、両側面板16b,16cの各下部に連続
して内側に適宜幅で折り曲げ形成された保持板16d,
16eとを有し、これらで囲まれた空間部分の前部にカ
ートリッジ挿入口18が設定されている。従って、カー
トリッジホルダ16の内部はディスクカートリッジ1に
見合う大きさの空間部とされており、このカートリッジ
挿入口18からディスクカートリッジ1が出し入れさ
れ、ディスクカートリッジ装填部にディスクカートリッ
ジが装填される。
【0041】また、カートリッジホルダ16の両側面板
16b,16cの下部には、各保持板16d,16eの
一部を下方へ折り出すことによって軸支持片16f,1
6gが設けられている。これらの軸支持片16f,16
g間には、カートリッジ保持部間の補強部材としてのホ
ルダ補強軸20が架設されており、このホルダ補強軸2
0の両端は固定ねじ21によって軸支持片16f,16
gにそれぞれ固定されている。更に、カートリッジホル
ダ16の前後方向中途部には、側面板16b,16cの
一部を内側へ折り出すことによってディスクカートリッ
ジ1の所定量以上の差し込みを防止するためのストッパ
片22a,22bが設けられている(図15参照)。
【0042】このカートリッジホルダ16の一方の側面
板16bの前部には、前後方向に所定の距離を隔ててそ
れぞれ前後方向に延在された開口部23a,23bが設
けられている。そして、カートリッジホルダ16の他方
の側面板16cの軸支持片16gの後部には、保持板1
6eの一部を下方へ折り出すことによって支持片16h
が設けられていると共に、この支持片16hには内側に
突出する係合ピン24が設けられている。この係合ピン
24は、カートリッジホルダ16の後述するロック機構
の一部をなすものである。
【0043】更に、カートリッジホルダ16の上面板1
6aの前側両側部には、保持板16d,16eの上方に
対応するように押え板ばね25が取り付けられている。
この押え板ばね25は、挿入されたディスクカートリッ
ジ1を保持板16d,16e側に付勢して、カートリッ
ジホルダ16に対するディスクカートリッジ1の高さ方
向の位置決めをなすものである。これらカートリッジホ
ルダ16及びメカシャーシ17の材質としては、例えば
ステンレス鋼板等の金属製板金材料が好適であるが、例
えばポリアセタール等の機械的強度が高いエンジニアリ
ングプラスチック等を用いることもできる。
【0044】〔3〕 ディスク記録再生装置の内部構成 (3−1) ディスク駆動機構(図1) このディスク記録再生装置は、図1に示すようなディス
ク駆動機構30を備えている。このディスク駆動機構3
0は、上述したディスクカートリッジ1のハードディス
クHDがチャッキングされるターンテーブル一体型のス
ピンドルモータ12を備えている。このスピンドルモー
タ12は、メカシャーシ17の前側中央部において上向
きに載置されており、そのフランジ部12aを貫通する
ねじ部がメカシャーシ17のねじ孔に螺合される複数本
の取付ねじ31によってメカシャーシ17上に締付固定
されている。
【0045】このスピンドルモータ12のフランジ部1
2aには、ディスクカートリッジ1のセンタコア穴9の
近傍を支持する複数本のカートリッジ支持ピン32が設
けられている。このスピンドルモータ12の回転部に
は、上述したようにマグネットが取り付けられており、
このマグネットでセンタコア11を吸着してハードディ
スクHDを回転部にチャッキングすることにより、ディ
スク筐体2内でハードディスクHDがスピンドルモータ
12によって回転駆動される。
【0046】(3−2) シャッタ開き機構(図2、図
3) このシャッタ開き機構40は、カートリッジ本体側をト
リガーにしてカートリッジホルダ16に装着されるディ
スクカートリッジ1のヘッド挿入口7を開くためのもの
であり、カートリッジホルダ16の一方の側面板16b
に配設されている。このシャッタ開き機構40は、天秤
状アーム部材であるシャッタ開きレバー41と、このシ
ャッタ開きレバー41を付勢する付勢部材の一具体例を
示すコイルばね42とを備えている。シャッタ開きレバ
ー41は、断面コ字状をなすレバー本体41aと、この
レバー本体41aの両側部から横方向へ互いに離反する
ように突出する倣い端としての入力片41b及び作用端
としての作用片41cとを有し、入力片41bの先端部
にはディスクカートリッジ1の移動軌跡上に突出する当
接部41dが設けられている。
【0047】このシャッタ開きレバー41をカートリッ
ジホルダ16に取り付けるために、カートリッジホルダ
16の側面板16bには、前後の開口部23a,23b
間の一部を上下に折り出すことによって一対のピン支持
片43a,43bが設けられている。これらのピン支持
片43a,43b間にはシャッタ開きレバー41のレバ
ー本体41aが介在され、各ピン支持片43a,43b
に設けたピン孔及びレバー本体41aに設けたピン孔に
軸ピン44を貫通させ、この軸ピン44の両端をカシメ
ることによってシャッタ開きレバー41が、カートリッ
ジホルダ16の一側に水平方向へ揺動可能に支持されて
いる。
【0048】この状態では、シャッタ開きレバー41の
入力片41bはカートリッジホルダ16の後の開口部2
3bに対向され、作用片41cは前の開口部23aに対
向されている。このシャッタ開きレバー41をカートリ
ッジホルダ16に軸支持する軸ピン44にはコイルばね
42のコイル部が緩く嵌合されていて、このコイル部の
一端に連続するばね片42aは側面板16bに当接さ
れ、コイル部の他端に連続するばね片42bはレバー本
体41aに当接されている。このコイルばね42のばね
力により、シャッタ開きレバー41の入力片41bは開
口部23b内に入り込む方向に付勢され、その反作用と
して作用片41cは開口部23aから抜け出す方向に付
勢されている。
【0049】このシャッタ開きレバー41の回動量を制
限するために、レバー本体41aの内面には、入力片4
1bが所定量以上開口部23b内に入り込むのを防止す
る入力側ストッパ部41eと、作用片41cが所定量以
上開口部23a内に入り込むのを防止する作用側ストッ
パ部41fとが設定されている。このシャッタ開きレバ
ー41の入力片41bがディスクカートリッジ1のガイ
ド溝10の導入部10cを経て幅広部10a内に入り込
み、また、作用片41cがガイド溝10の操作部10d
を経て幅狭部10b内に入り込む。
【0050】このシャッタ開きレバー41の入力片41
bの機能としては、操作力の入力部としての働きの他、
ディスクカートリッジ1の水平方向への位置決め作用を
も兼ねており、ある程度の剛性を保持しつつ適度の弾性
を持つことが要求されているため、本例ではガイド溝1
0の幅方向に幅広となるように形成されていて、先端部
をガイド溝10の深さ方向へ折り曲げることによって当
接部41dが形成されている。一方、シャッタ開きレバ
ー41の作用片41cの機能は、主に操作ツメ4fを押
圧することにあるため、本例ではレバー本体41aの近
傍からガイド溝10の深さ方向へ折り曲げることによっ
て水平方向の剛性が大となるように形成されている。
【0051】かくして、ディスクカートリッジ1のガイ
ド溝10の幅狭部10bにシャッタ部材4の操作ツメ4
fが位置しており、この操作ツメ4fをシャッタ開きレ
バー41の作用片41cで押圧することにより、シャッ
タ部材4がシャッタばね5のばね力に抗して回動され
て、ヘッド挿入口7とセンタコア穴9とが共に開かれる
ことになる。
【0052】(3−2) 情報記録再生機構(図1、図
4、図9〜図11) この情報記録再生機構50は、メカシャーシ17の後部
に配設されていて、回転支持部材としてのドッグレッグ
型回動アクチュエータ51と、この回動アクチュエータ
51の先端部に浮動可能に取り付けられた上下一対のス
ライダ52a,52bと、回動アクチュエータ51を回
動自在に支持するアクチュエータ支持台53等を備えて
いる。アクチュエータ支持台53はメカシャーシ17上
に載置されていて、取付ねじ等の固着手段によって締付
固定されている。
【0053】回動アクチュエータ51は、アクチュエー
タ支持台53に回動自在に支持された回動軸54の上部
に固定された回動アーム55と、この回動アーム55に
固定された駆動コイル56及び一対のマウントプレート
57a,57bと、このマウントプレート57a,57
bに固定された弾性支持部材としての一対のサスペンシ
ョン58a,58b等を備えている。回動アクチュエー
タ51の回動アーム55は、水平方向の中途部に嵌合固
定されたベアリング59を介して回動軸54に回動自在
に支持されており、その一側に形成された二股部55a
には、周囲に銅線が巻かれた扇形の駆動コイル56が係
合保持されている。
【0054】図7に示すように、回動アーム55の先端
部の上下両面には段部が設けられており、この段部にマ
ウントプレート57a,57bの基端部を嵌め合わせ、
この基端部を接着剤等の固着手段で固着することによっ
て、一対のマウントプレート57a,57bが上下方向
に所定の隙間をあけて対向設置されている。一対のマウ
ントプレート57a,57bは逆L字状に形成されてお
り、これらマウントプレート57a,57bの先端部内
面にはサスペンション58a,58bの基端部が接着剤
等の固着手段によってそれぞれ固着されている。
【0055】一対のサスペンション58a,58bは、
弾性を有する板ばね状の部材からなり、その基端部の中
央に開口60を設けて剛性を低くすることによって基端
部の剛性が低く設定されている。このように、各サスペ
ンション58a,58bの基端部の剛性を低くして先端
側に大きく可撓性を付与することにより、先端部に取り
付けられたスライダ52a,52bが容易に上下方向へ
起伏動作できるようになされている。
【0056】更に、各サスペンション58a,58bの
中途部には、それぞれ内側に半球状に突出する凸部61
a,61bが設けられている。このサスペンション58
a,58bの凸部61a,61b間には、ローディング
時及びアンローディング時において後述するランプが挿
入され、これにより両サスペンション58a,58bの
先端側が上下方向へ離反するように広げられ、上下のス
ライダ52a,52bがハードディスクHDの上下両面
と接触しないようになされている。
【0057】一対のスライダ52a,52bの形状とし
ては、例えば図9〜図11に示すような構造のものを用
いることができる。図9は、中間浮上型スライダとして
のトランスバース・プレッシャ・コンツァー型スライダ
(以下「TPC型スライダ」という。)52Aを示すも
のである。このTPC型スライダ52Aは、ブロック状
をなすスライダ本体の裏面中央に前後方向へ延びるエア
ー流動溝62が形成されていて、その両側に位置する突
条部63には、ハードディスクHDの上下両面に対面す
るディスク対向面63aと、このディスク対向面63a
の両側に形成された前後方向へ連続する流動溝段部63
b,63cと、突条部63の回転方向前側に形成された
テーパ面63dとが設けられている。
【0058】このTPC型スライダ52Aによれば、ハ
ードディスクHDの表面から浮上しているスライダのデ
ィスク対向面とディスク表面とのなす平行度がディスク
半径方向の内外でどのように変動するかを表すコンスタ
ント・フライング・ハイト性能(以下「CFH性能」と
いう。)を良好なものとすることができ、速度依存性が
少なく、ディスク半径方向の内側及び外側のいずれの場
合にも略フラットの性能を得ることができ、スライダを
ディスク表面から安定性良く浮かせることができる。
【0059】図10は、カタマラン型スライダ52Bを
示すものである。このカタマラン型スライダ52Bは、
TPC型スライダ52Aの基本形をなすもので、上記実
施例の突条部63から左右の流動溝段部63b,63c
を取り除いた構造を有するものである。このカタマラン
型スライダ52Bでは、CFH性能がTPC型スライダ
52Aよりもやや劣るが、実際の使用に十分に耐え得る
ものである。
【0060】更に、図11は、負圧型スライダ52Cを
示すものである。この負圧型スライダ52Cは、エアー
流動溝64によってスライダの裏面に負圧を発生させ、
この負圧によってスライダをディスク表面から浮上させ
るものである。この負圧型スライダ52Cによれば、C
FH性能がTPC型スライダ52Aと同様に良好であっ
て、フラットな性能を得ることができ、スライダをディ
スク表面から安定性良く浮上させることができる。
【0061】このような構成を有するスライダ52A〜
52Cの後端部、即ち、ディスク回転方向後側には、記
録及び再生両用の磁気ヘッド8がそれぞれ設けられてい
る。そして、これらスライダ52A〜52Cは、いずれ
の実施例においても、エアー流動溝62,64の中心線
Xとサスペンション58a,58bの中心線Yとが所定
の交差角度θで交わるように設定されている。
【0062】一般に、従来のスライダではエアー流動溝
の延在方向がサスペンションの延在方向と平行に設定さ
れているが、本実施例においては交差角度θは約70°
に設定されている。このように、サスペンション58
a,58bの延在方向に対して所定の交差角度θをつけ
てスライダ52a,52bを取り付けることにより、ス
ライダ52a,52bのベント角度を小さくすることが
できる。尚、上記交差角度θは、本例のように70°に
限定されるものではなく、必要に応じて適宜な角度を設
定できるものである。
【0063】また、回動アーム55の中途部は、図8に
示すように、上下両面の内側を肉盗みすることによって
凹陥部64a,64bが設けられており、この凹陥部6
4a,64bによって回動アーム55の軽量化を図って
いる。その一方、回動アーム55の上面には、凹陥部6
4aの開口を塞ぐようにプリント基板65が配設されて
おり、このプリント基板65を取付ねじ66で回動アー
ム55に固定することにより、回動アーム55の剛性を
高めて強度の向上を図っている。
【0064】これは、プリント基板65で回動アーム5
5の強度を補強してその剛性を高めようとするものであ
る。一般に、プリント基板65は、表面に導体で電子回
路が印刷成形された絶縁体からなる平板状のベースプレ
ート65aと、このベースプレート65aの導体側に積
層された被覆膜65bとを有することから、ベースプレ
ート65aを補強板として用い、このプリント基板65
を加えて回動アーム55の断面形状をボックス型とする
ことにより、本例では回動アーム55の強度を高めるよ
うにしたものである。これにより、回動アーム55の軽
量化を図りながら、同時に回動アーム55の強度を増加
させることができる。
【0065】このプリント基板65は、フレキシブルケ
ーブル67を介してコネクタ68に接続されている。コ
ネクタ68は、スピンドルモータ12の側方に配置され
る配線基板35上に搭載されていて、この配線基板35
がメカシャーシ17上に固定されている。この配線基板
35には、導体によって電子回路が印刷成形されてい
て、この電子回路にアンプ36その他の電子部品が電気
接続されてコントロール装置が構成されている。
【0066】かくして、この回動アクチュエータ51
は、図4及び図16等に示すように、マウントプレート
57a,57bの部分で略90度折り曲げられており、
いわゆるドッグレッグと呼ばれるように逆L字状をなし
ている。このような形状から、本例の回動アクチュエー
タ51がドッグレッグ型と呼ばれている。
【0067】このような回動アクチュエータ51を回転
自在に支持するアクチュエータ支持台53には、駆動コ
イル56に下方から対向するように円弧状に湾曲形成さ
れた平らなマグネット37が載置固定されている。この
マグネット37は、NS両極が面方向に着磁されてい
て、駆動コイル56とマグネット72との間に作用する
磁力の大きさを調整することにより、所定の領域内にお
いて回動アクチュエータ51の回動位置が自動的に制御
される。そして、自動制御領域外においては、次に述べ
るディスクローディング機構70のカムギアによって回
動されると共に、所定の回動位置においてロックされ
る。
【0068】尚、本実施例では、回動アーム55の材質
としてアルミニウム合金を用い、マウントプレート57
a,57b及びサスペンション58a,58bの材質と
してステンレス鋼板を用いているが、ポリアセタール等
の機械的強度が大きなエンジニアリングプラスチック等
によって成形することができる。更に、回動アーム55
とマウントプレート57a,57bを同一の材質で一体
に形成することもできる。
【0069】(3−4) ディスクローディング機構
(図1〜図8) このディスク記録再生装置には、前述したディスク駆動
機構30、シャッタ開き機構40及び情報記録再生機構
50に対応して、ディスク駆動機構30に対してハード
ディスクHDをローディング及びアンローディングさせ
るためのディスクローディング機構70が備えられてい
る。このディスクローディング機構70は、ディスク駆
動機構30と同様にメカシャーシ17上に配設されてい
る。
【0070】このディスクローディング機構70は、駆
動モータ71とウォーム72とウォームホイール73と
カムギア74とランプ部材75とイジェクトレバー76
とホルダロック部材77とポップアップばね78とポッ
プアップ抑止板79と位置決めピン80とカートリッジ
支持ピン81等を備えている。ディスクローディング機
構70の駆動モータ71は、アクチュエータ支持台53
の後方に配置されていて、その回転軸にウォーム72が
固定されている。そして、ウォーム72には、メカシャ
ーシ17に立設された支持軸73aに回動自在に支持さ
れたウォームホイール73が噛合されている。
【0071】このウォームホイール73には、図に表れ
ない入力ギアが一体に設けられていて、この入力ギアに
は中間ギア82aが噛合されている。この中間ギア82
aには出力ギア82bが一体に設けられていると共に、
これらはメカシャーシ17に立設された支持軸82cに
回動自在に支持されている。そして、出力ギア82bに
は、同じくメカシャーシ17に立設されたカム軸83に
回動自在に支持されたカムギア74のギア部74aが噛
合されている。
【0072】動作モード切り替え手段としての回転カム
機構であるカムギア74は、ギア部74aの一面側に形
成された円形の外周面からなるカム周面74bと、ギア
部74aの他面側に形成されたカム溝74cとを備えて
いる。そして、カム周面74bの一部を切除して内側に
窪ませることによってカム逃げ部74dを設けると共
に、このカム逃げ部74dを設けることによってカム周
面74bの一端に周方向に円弧状に突出するカム作用端
部74eが形成されている。このカム周面74b及びカ
ム作用端部74eには、回動アクチュエータ51の回動
アーム55の下部に下方へ突出するように設けられたカ
ム用突起55aが摺接又は当接される。
【0073】このカムギア74により、後述するように
回動アクチュエータ51の回転動作と、磁気ヘッド8を
ディスク状記録媒体の面上に案内するランプ91の移動
と、ディスクカートリッジ1を排出させるイジェクトレ
バー76の動作とが切り替えられる。
【0074】かくして、回動アクチュエータ51のカム
用突起55aがカムギア74のカム周面74bに摺接し
ている状態は、回動アクチュエータ51がディスクカー
トリッジ1の外に完全に飛び出しているアームロック状
態(図16参照)か、又は、ディスクカートリッジ1を
装置外に排出するアンローディング状態(図19参照)
である。また、カム用突起55aの内面にカムギア74
のカム作用端部74eが当接している状態は、磁気ヘッ
ド8がディスクカートリッジ1内に挿入されるローディ
ング途中の状態(図17参照)である。そして、カム用
突起55aがカムギア74のカム逃げ部74d内にある
状態は、ローディングの完了状態(図18参照)であ
る。このローディング完了状態においてのみ回動アクチ
ュエータ51が、上述した駆動コイル56及びマグネッ
ト37による回動位置の自動制御が可能とされている。
【0075】このカムギア74のカム溝74cは、カム
周面74b及びカム逃げ部74dに対応させて形成され
ている。即ち、このカム溝74cは、ディスクカートリ
ッジ1を装置外に排出するイジェクト時にのみ使用され
るものであり、具体的にはイジェクトレバー76の作動
を介して、カートリッジホルダ16をメカシャーシ17
側にロックするホルダロック機構の解除動作と、カート
リッジホルダ16からディスクカートリッジ1を押し出
す排出動作とを実行する。
【0076】このため、カム溝74cは、カム逃げ部7
4dの反対側が、カム周面74bに近い外周側で円周方
向に延在されていて、略90°回転変位した位置から半
径方向内側に入り込み、略180°回転変位した位置で
カム軸83に最も近づくように形成されている。このカ
ム溝74cには、イジェクトアーム部材としてのイジェ
クトレバー76のカムピン84が摺動可能に係合されて
いる。
【0077】このイジェクトレバー76は、その長手方
向の中途部においてメカシャーシ17に立設された支点
軸85によって回動自在に軸支されている。そして、イ
ジェクトレバー76の長手方向の一端には、上述したカ
ムピン84が上向きに取り付けられていて、図5及び図
6に示すように、カムギア74のカム溝74cに下方か
ら係合されている。更に、イジェクトレバー76の長手
方向の他端には、ホルダロック機構のホルダロック部材
77を回動させるための押圧部76aが設けられてい
る。
【0078】更に又、イジェクトレバー76の支点軸8
5の近傍にはイジェクトアーム86の基端部が連続され
て一体に設けられており、このイジェクトアーム86の
先端部にはカートリッジ押圧ピン87が一体に設けられ
ている。このような構成を有するイジェクトレバー76
が、図16等に示すように、イジェクトレバー76のカ
ムピン84側を後方へ延在させ且つ押圧部76a側を斜
め前方に延在させると共に、イジェクトアーム86を側
方へ延在させるようにして配設されている。
【0079】このイジェクトレバー76の押圧部76a
に対向するように設けられるホルダロック機構は、上述
したホルダロック部材77を回動付勢するコイルばね8
8を備えている。ホルダロック部材77の材質として、
本例ではステンレス鋼板を用いているが、ポリアセター
ル等の機械的強度が大きなエンジニアリングプラスチッ
ク等によって成形することができる。
【0080】このホルダロック部材77は、図1等に示
すように、メカシャーシ17に立設された支点軸89に
よって回動自在に支持されている。このホルダロック部
材77には、ツメ先を後方に向けて設けた係止ツメ77
aと、イジェクトレバー76の押圧部76aに当接され
る受圧部77bと、コイルばね88の一端が係止される
ばね受け片77cとが設けられている。更に、ホルダロ
ック部材77には、支点軸89を中心として円周方向に
円弧状に延びる複数の円弧溝77dが設けられていて、
各円弧溝77dには、メカシャーシ17に立設された複
数個の規制ピン89aがそれぞれ摺動可能に係合されて
いる。
【0081】この規制ピン89aの1個にはコイルばね
88の他端が係止されており、このコイルばね88のば
ね力によってホルダロック部材77が、受圧部77bを
押圧部76aに近づける方向に付勢されている。そし
て、ホルダロック部材77の回動量が、円弧溝77dに
係合された規制ピン89aによって所定位置に規制され
ている。このホルダロック部材77の係止ツメ77a
は、カートリッジホルダ16がメカシャーシ17内に挿
入された状態において係合ピン24に係合され、これに
よりカートリッジホルダ16がロックされる。
【0082】このカートリッジホルダ16の下方には、
付勢部材の一具体例を示すコイルばねからなるポップア
ップばね78が配置されている。このポップアップばね
78は、カートリッジホルダ16をメカシャーシ17に
装着した状態では圧縮され、ホルダロック機構を解除す
ることにより跳上げ傾動されて、図2に示すように、そ
の付勢力によってカートリッジホルダ16の前側が持ち
上げられる。そして、このカートリッジホルダ16の持
ち上げ量が起上規制部材としてのポップアップ抑止板7
9によって制限されている。ポップアップばね78とし
ては、本例の他にも板ばね等のばね材を用いることがで
きることは勿論のこと、合成ゴム等のゴム状弾性体を適
用することもできる。
【0083】ポップアップ抑止板79は、縦断面形状が
J字状をなしていて、その上部側には、断面方向と平行
となるように軸受片79aが設けられている。このポッ
プアップ抑止板79の軸受片79aには軸ピン79bが
固着されており、この軸ピン79bが支持ブラケット9
0に回動自在に支持されている。この支持ブラケット9
0は取付ねじ等の固着手段によってメカシャーシ17に
固定されており、これによりポップアップ抑止板79
が、支持ブラケット90を介してメカシャーシ17に上
下方向へ俯仰自在に取り付けられている。このポップア
ップ抑止板79は、図3に示すように、先端側のフック
部が上述したホルダ補強軸20の小径部20aに摺動可
能に係合されており、このポップアップ抑止板79によ
ってカートリッジホルダ16の上方への回動(仰動)が
制限されている。
【0084】また、メカシャーシ17の奥側で上述した
回動アクチュエータ51の先端部近傍には、一対のスラ
イダ52a,52b間の間隔を一時的に広げるためのラ
ンプ91が配設されている。このランプ91は、一対の
スライダ52a,52b間に挿入されるランプアーム9
2と、回動アーム55の背面側を押圧してスライダ52
a,52bをカートリッジ側に移動させる押圧部93等
を備えている。このランプ91の材質としては、例え
ば、ポリアセタール(POM)等の合成樹脂材料が好適
であるが、他の合成樹脂材料を用いることもできる。
【0085】このランプ91には、一対の互いに平行と
された直線ガイド軸94a,94bが摺動可能に貫通さ
れている。この一対の直線ガイド軸94a,94bの前
後両端部は、前後とも一対の軸受ブロック96と軸押え
片96aとによって上下から挟持され、これによりメカ
シャーシ17に固定されて両端支持されている。これら
直線ガイド軸94a,94bの中途部上方にランプアー
ム92が配置されている。
【0086】このランプアーム92は、回動アクチュエ
ータ51の上下サスペンション58a,58bに設けた
凸部61a,61bの移動軌跡上に設定されており、上
下一対のスライダ52a,52bはランプアーム92の
外側を移動するように構成されている。そして、図7に
示すように、ランプアーム92の先端部の上下両面に
は、凸部61a,61bが容易に乗り上がることができ
るように傾斜面92aが設けられている。
【0087】このランプ91をスピンドルモータ12側
に付勢するコイルばね95は、その一端がランプ91に
設けたばね係止片91aに係止されていて、他端はメカ
シャーシ17に固定されたばね受けピン97に係止され
ている。そして、このコイルばね95のばね力による前
方への移動を、一対の直線ガイド軸94a,94b間に
配置されてメカシャーシ17に固定されたストッパピン
98によって制限している。また、回動アクチュエータ
51がスピンドルモータ12から離れる方向へ向かう移
動量は、その背面側に配設され且つメカシャーシ17に
固定されたストッパ軸69によって制限されている。
【0088】更に、位置決めピン80は、メカシャーシ
17の前部両側部に一対設けられている。この位置決め
ピン80には、ディスクカートリッジ1の位置決め孔1
4a,14bがそれぞれ嵌め込まれ、これによってディ
スクカートリッジ1の平面方向への位置決めがなされ
る。また、カートリッジ支持ピン81は、ディスクカー
トリッジ1の四隅を支持するようにメカシャーシ17に
立設されており、これによってディスクカートリッジ1
の高さ方向の位置決めがなされている。
【0089】以上のように構成されるディスク駆動機構
30とシャッタ開き機構40と情報記録再生機構50と
ディスクローディング機構70とを合体する。即ち、図
2に示すように、メカシャーシ17内にカートリッジホ
ルダ16を嵌め込み、このカートリッジホルダ16の後
端部を回動自在に支持する左右の支持ブラケット19を
所定位置にねじ止めする。これにより、メカシャーシ1
7に固定されたスピンドルモータ12の上方にカートリ
ッジホルダ16のカートリッジ保持部が対応される。以
上のようにして、本実施例のディスク記録再生装置が構
成される。
【0090】〔4〕 ディスク記録再生装置の動作 次に、以上のように構成されるディスク記録再生装置の
動作を説明する。
【0091】(4−1) ディスクカートリッジの挿入
初期状態 図2に示すように、カートリッジホルダ16の前部がポ
ップアップした状態では、カートリッジ挿入口18が開
かれてディスクカートリッジ1の挿入が可能になる。
【0092】この状態から、図13に示すように、カー
トリッジ挿入口18にオフセット円弧部6側からディス
クカートリッジ1を押して差し込む。このとき、カート
リッジホルダ16の側面部に設けられたシャッタ開き機
構40のシャッタ開きレバー41は、コイルばね42の
ばね力によって入力片41bの先端部が開口部23b内
に大きく入り込み、その反作用として作用片41cが開
口部23aに小さく入り込んでいる。そして、カートリ
ッジホルダ16の側面部に設けられたガイド溝10の移
動軌跡前方に、シャッタ開きレバー41の入力片41b
の先端に設けられた当接部41dが位置している。
【0093】(4−2) ディスクカートリッジのシャ
ッタ開放前状態 次に、図14に示すように、ディスクカートリッジ1を
押して深く差し込むと、カートリッジホルダ16内に大
きく入り込んでいるシャッタ開きレバー41の当接部4
1dがガイド溝10の導入部10cに当接し、この導入
部10cの傾斜面に押圧されてシャッタ開きレバー41
が、コイルばね42の付勢力に抗して、同図において時
計方向に回動される。これにより、シャッタ開きレバー
41の当接部41dがガイド溝10の幅広部10a内に
入り込む。これと同時に、シャッタ開きレバー41の作
用片41cがガイド溝10の操作部10d内に入り込
む。そして、この作用片41cが上下の傾斜面10eに
ガイドされて幅狭部10bに導かれ、この幅狭部10b
の前側に位置するシャッタ部材4の操作ツメ4fに当接
する。
【0094】(4−3) ディスクカートリッジのシャ
ッタ開放後状態 更に、図15に示すように、ディスクカートリッジ1を
更に押圧して所定位置まで差し込むと、ディスクカート
リッジ1の移動がカートリッジホルダ16の左右のスト
ッパ片22a,22bによって制限され、そのディスク
収容室3内に収容されたハードディスクHDがディスク
駆動機構30のスピンドルモータ12の上方に対応され
る。
【0095】この際、シャッタ部材4の操作ツメ4fが
シャッタ開き機構40のシャッタ開きレバー41の作用
片41cに押されてガイド溝10の幅狭部10bの後端
部まで移動すると、シャッタ部材4が支点軸2fを中心
として、図15において時計方向に回動される。これに
より、シャッタ部材4のシャッタ板4aとコア開閉板4
bとが同方向に移動するため、それまでシャッタ板4a
によって閉じられていたヘッド挿入口7とコア開閉板4
bによって閉じられていたセンタコア穴9とが開かれ
る。これにより、カートリッジホルダ16に対するディ
スクカートリッジ1の挿入動作が完了する。
【0096】(4−4) ハードディスクのローディン
グ初期状態 次に、図2に示すような状態でメカシャーシ17から前
側部分が飛び出しているカートリッジホルダ16の前部
をポップアップばね78の付勢力に抗して押圧する。こ
れにより、カートリッジホルダ16がメカシャーシ17
内に挿入され、ディスクカートリッジ1のディスク筐体
2がメカシャーシ17の4本のカートリッジ支持ピン8
1上に載置される。
【0097】その結果、ディスクカートリッジ1が4本
のカートリッジ支持ピン81によって四隅を下方から支
持され、これにより高さ方向の位置決めがなされる。こ
れと同時に、ディスクカートリッジ1の左右一対の位置
決め穴14a,14bにメカシャーシ17の2本の位置
決めピン80が係合され、この位置決めピン80の円錐
部80aによってディスクカートリッジ1の面方向のガ
タが吸収され、これによりディスクカートリッジ1の面
方向の位置決めがなされる。
【0098】この際、ディスクカートリッジ1内に収容
されているハードディスクHDのセンタコア11がスピ
ンドルモータ12のマグネットによって吸引される。こ
れにより、ハードディスクHDがスピンドルモータ12
と回転方向に一体となされ、スピンドルモータ12を駆
動することによってハードディスクHDが一体に回転駆
動される。
【0099】また、図16に示すように、カートリッジ
ホルダ16がメカシャーシ17内に押し込まれることに
より、この押込動作と連動するように設けられる操作ス
イッチの作動により、或いは、その後に手動で操作され
る操作開始スイッチの操作によって駆動モータ71が回
転駆動される。この駆動モータ71の始動により、その
回転軸に固定されたウォーム72の回転力が、これに噛
合するウォームホイール73からギア73aと中間ギア
82aと出力ギア82bを介してギア部74aからカム
ギア74に伝達される。
【0100】このとき、情報記録再生機構50の回動ア
クチュエータ51は、カムギア74の作用によって全体
がディスクカートリッジ1の外側に押し出されており、
マウントプレート57a,57b部分においてドッグレ
ッグのように曲げられている回動アクチュエータ51の
先端部に取り付けられている上下のスライダ52a,5
2bは、シャッタ板4aの後退動作によって開放されて
いるヘッド挿入口7の外側に対応されている。
【0101】即ち、回動アクチュエータ51の回動アー
ム55に設けたカム用突起55bの外端がカムギア74
のカム周面74bに接触されていると共に、回動アーム
55の外側にはストッパ軸69が位置しているため、こ
れらによって挟まれることにより回動アクチュエータ5
1がロックされている。また、ランプ91がコイルばね
95のばね力でスピンドルモータ12側に引っ張られ
て、そのランプアーム92が上下のサスペンション58
a,58b間に入り込んでいるため、図7に示すよう
に、各サスペンション58a,58bの凸部61a,6
1bによってスライダ52a,52bが互いに離反する
方向へ広げられている。そして、ランプ91はストッパ
ピン98に当接しているため、これによって前面側への
移動が阻止されている。
【0102】更に、カムギア74のカム溝74cに係合
されているカムピン84は、カム溝74cの最外周部に
位置している。そのため、一方のアームの先端にカムピ
ン84を有するイジェクトレバー76は、図16に示す
ような姿勢となっており、他方の先端に設けた押圧部7
6aは、ホルダロック機構のホルダロック部材77の受
圧部77bから離反されている。そして、イジェクトア
ーム86の先端に設けたカートリッジ押圧ピン87は、
ディスクカートリッジ1の後方に位置している。
【0103】(4−5) ハードディスクのローディン
グ途中状態 図17に示すように、駆動モータ71の駆動によってカ
ムギア74が時計方向に若干回動されると、回動アクチ
ュエータ51にはコイルばね95のばね力がランプ91
の押圧部93から常時入力されているため、このコイル
ばね95のばね力によって回動アクチュエータ51には
反時計方向の付勢力が作用する。その結果、回動アーム
55のカム用突起55bが、カムギア74のカム周面7
4bの一端に設けたカム作用端部74eを回り込んでカ
ム逃げ部74d内に入り込むため、回動アクチュエータ
51が反時計方向に回動される。
【0104】これにより、ドッグレッグ型回動アクチュ
エータ51の回動側先端部に設けられた上下のサスペン
ション58a,58bがディスクカートリッジ1のヘッ
ド挿入口7内に入り込み、その先端部に取り付けられた
上下のスライダ52a,52bがハードディスクHDの
外周部に接近する。このとき、イジェクトレバー76の
カムピン84は、カムギア74のカム溝74cの同じく
最外周部に位置しているため、イジェクトレバー76及
びイジェクトアーム86の姿勢に変化は生じない。
【0105】(4−6) ハードディスクのローディン
グ完了状態 カムギア74の回動により、図18に示すように、回動
アーム55のカム用突起55bがカムギア74のカム逃
げ部74d内に完全に入り込むと、このカムギア74に
よる回動アクチュエータ51の回動制御が解除される一
方、駆動コイル56とマグネット37とからなるボイス
コイルモータによる自動制御が開始される。これによ
り、ハードディスクHDのローディングが完了し、ハー
ドディスクHDの上面には上スライダ52aが対向さ
れ、下面には下スライダ52bが対向される。
【0106】その結果、ハードディスクHDの回転によ
る空気力学的な効果によって上下のスライダ52a,5
2bがハードディスクHDの表面からそれぞれ若干浮き
上げられ、その浮上された状態でハードディスクHDの
半径方向にスライダ52a,52bが移動可能とされ
る。これにより、各スライダ52a,52bに設けられ
た磁気ヘッド8がハードディスクHDの情報記録面上を
移動し、この磁気ヘッド8により、その情報記録面に予
め記録されている情報信号を読み出して情報の再生が実
行され、若しくは、その情報記録面に新たに情報信号を
書き込む情報の記録が実行される。
【0107】この場合、本実施例の回動アクチュエータ
51はドッグレッグ型をなしており、その先端側のサス
ペンション58a,58b及びマウントプレート57
a,57bがヘッド挿入口7に対して略直角方向に出入
りするため、ヘッド挿入口7の広さを最小限に小さくす
ることができる。従って、ディスクカートリッジ1内に
侵入するおそれのある埃の最も侵入し易いヘッド挿入口
7を可及的に小さくして、埃の侵入を確実に防止し若し
くはその侵入を効果的に抑制することができる。そし
て、ディスクカートリッジ1には、その先端側にオフセ
ット円弧部6を設ける構造としたため、従来の四角形の
ディスクカートリッジに比べてメカシャーシ17内のス
ペースの有効利用を図ることができる。
【0108】(4−7) ハードディスクのアンローデ
ィング状態(カートリッジ排出時) イジェクト用操作釦(図示せず)の操作によってコント
ロール装置にカートリッジ排出の命令が指示されると、
駆動モータ71が逆方向に回転駆動され、カムギア74
がディスクローディング時とは逆の回転を始める。
【0109】その結果、図19に示すように、カムギア
74が反時計方向に回動されることにより、カムギア7
4のカム作用端部74eが回動アーム55のカム用突起
55bに反時計回りに当接し、回動アクチュエータ51
を回動軸54を中心として時計方向に回動させる。これ
により、カム用突起55bがカムギア74のカム周面7
4bに乗り上げるため、回動アクチュエータ51が図1
6で示す当初の姿勢に変化する。これと同時に、回動ア
クチュエータ51の反時計方向の回動によってランプ9
1の押圧部93が背面側に押圧されるため、ランプ91
がコイルばね95の付勢力に抗して背面側に後退移動
し、アンローディング状態にロックされる。
【0110】このとき、イジェクトレバー76のカムピ
ン84は、カムギア74のカム溝74cの最外周部から
最内周部に移動するため、イジェクトレバー76が支点
軸85を中心として時計方向に回動される。これによ
り、一方では、イジェクトレバー76の押圧部76aが
ホルダロック機構のホルダロック部材77の受圧部77
bに当接し、コイルばね88のばね力に抗してホルダロ
ック部材77を反時計方向に回動させる。
【0111】これにより、ホルダロック部材77の係止
ツメ77aがカートリッジホルダ16の係合ピン24か
ら外れ、カートリッジホルダ16をメカシャーシ17に
対して水平に保持しているロック状態が解除される。そ
の結果、ポップアップばね78のばね力によってカート
リッジホルダ16の前側が持ち上げられる一方、その持
ち上げ量が、カートリッジホルダ16に架設されたホル
ダ補強軸20の小径部20aに先端側が係合されている
ポップアップ抑止板79によって制限され、図2のよう
な状態に復帰される。
【0112】これと同時に、イジェクトレバー76に連
動してイジェクトアーム86が同方向に回動することに
より、その先端に設けたカートリッジ押圧ピン87が後
方からディスクカートリッジ1のオフセット円弧部6に
当接する。そして、左右一対の押え板ばね25によって
カートリッジホルダ16の保持板16d,16e側に付
勢されているディスクカートリッジ1が、イジェクトア
ーム86の押圧力によって前側へ押し出される。これに
より、図19に示すように、ディスクカートリッジ1の
グリップ切欠き2c側がカートリッジ挿入口18から所
定量だけ突出される。従って、この突出部を把持して引
き出すことにより、ディスクカートリッジ1をカートリ
ッジホルダ16から容易に取り出すことができる。
【0113】以上説明したが、本発明は上記実施例に限
定されるものではなく、例えば、上記実施例において
は、ハードディスクの上下両面に対して上下の磁気ヘッ
ドにより情報の記録及び/又は再生を行う装置について
説明したが、ハードディスクの上又は下のいずれか一面
に対してのみ情報の記録及び/又は再生を行う装置に適
用することができる。更に、上記実施例では、ハードデ
ィスクHDに予め記録されている情報の再生を行うと共
に新たな情報の記録も可能なポップアップ方式の記録再
生装置に適用した例について説明したが、例えばフロン
トパネルにディスク挿入スロットを設けたスロットイン
方式のディスク記録再生装置に適用できることは勿論の
こと、情報の記録又は再生の一方のみを行うことができ
るディスク装置に適用することもできる。このように、
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、
その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更できるものであ
る。
【0114】
【発明の効果】以上のように本発明によればディスク記
憶装置において、読取り/書込みヘッドはディスクカー
トリッジ装填部の外部からディスクカートリッジの装填
後、上記ディスクカートリッジ内に、上記回転支持部材
の回転により移動挿入されるように構成したので、ディ
スクカートリッジ装填部に対するディスクカートリッジ
の装填及び排出時は読取り/書込みヘッドは回転支持部
材と共にディスクカートリッジ装填部の外部に移動させ
ておくことにより、ディスクカートリッジとは干渉され
ず、これにより装填部に対するディスクカートリッジの
装填排出をいわゆるポップアップ方式により行うことが
可能になり、従って、情報記録媒体を回転駆動するスピ
ンドルモータは、昇降機構を備えることなく、装填部の
底面に固定することができる等、各部の設計の自由度が
増すことになり、また装置全体の薄型化が可能になる。
【0115】また、スピンドルモータ部分およびシャー
シの構成を簡単化できてコストを低減できる等の効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスク記録再生装置の一実施例を示
すもので、メカシャーシに収容されたディスク駆動機
構、情報記録再生機構及びディスクローディング機構を
示す外観斜視図である。
【図2】本発明のディスク記録再生装置のメカシャーシ
とカートリッジホルダを合体した状態の斜視図である。
【図3】図2に示すディスク記録再生装置のカートリッ
ジホルダの要部を拡大して示す分解斜視図である。
【図4】図1に示すメカシャーシの内部構造の要部を拡
大して示す分解斜視図である。
【図5】図1に示すディスク記録再生装置のディスクロ
ーディング機構の要部を示すもので、カムギアと回動ア
ームとの関係を示す説明図である。
【図6】図1に示すディスク記録再生装置のディスクロ
ーディング機構の要部を示すもので、カムギアとカムピ
ンとの関係を示す説明図である。
【図7】図1に示すディスク記録再生装置の情報記録再
生機構の要部を示すもので、回動アクチュエータとラン
プとの関係を示す説明図である。
【図8】図1に示すディスク記録再生装置の情報記録再
生機構の要部を示すもので、回動アームの断面図であ
る。
【図9】図1に示すディスク記録再生装置の情報記録再
生機構のスライダの第1実施例を示す斜視図である。
【図10】図1に示すディスク記録再生装置の情報記録
再生機構のスライダの第2実施例を示す斜視図である。
【図11】図1に示すディスク記録再生装置の情報記録
再生機構のスライダの第3実施例を示す斜視図である。
【図12】図1に示すディスク記録再生装置に係るディ
スクカートリッジの一部を切断して示す斜視図である。
【図13】図1に示すディスク記録再生装置のディスク
カートリッジの挿入初期状態を示す平面図である。
【図14】図1に示すディスク記録再生装置のディスク
カートリッジのシャッタ開放前の状態を示す平面図であ
る。
【図15】図1に示すディスク記録再生装置のディスク
カートリッジのシャッタ開放後の状態を示す平面図であ
る。
【図16】図1に示すディスク記録再生装置のハードデ
ィスクのローディング初期状態を示す平面図である。
【図17】図1に示すディスク記録再生装置のハードデ
ィスクのローディング途中状態を示す平面図である。
【図18】図1に示すディスク記録再生装置のハードデ
ィスクのローディング完了状態を示す平面図である。
【図19】図1に示すディスク記録再生装置のハードデ
ィスクのアンローディング状態を示す平面図である。
【図20】従来のディスク記録再生装置の一例を示す斜
視図である。
【図21】従来のディスク記録再生装置の装置本体にデ
ィスクカートリッジを挿入した状態を示す平面図であ
る。
【図22】従来のディスクカートリッジを示す分解斜視
図である。
【符号の説明】
1 ディスクカートリッジ、 4 シャッタ部材、 4
a シャッタ板、 4b コア穴開閉板、 4f 操作
ツメ、 5 シャッタばね、 6 オフセット円弧部、
7 ヘッド挿入口、 8 磁気ヘッド、 10 ガイ
ド溝、 12スピンドルモータ、 16 カートリッジ
ホルダ、 17 メカシャーシ、 18 カートリッジ
挿入口、 30 ディスク駆動機構、 40 シャッタ
開き機構、 41 シャッタ開きレバー、 50 情報
記録再生機構、 51 回動アクチュエータ、 52
a,52b スライダ、 55 回動アーム、 57
a,57b マウントプレート、 58a,58b サ
スペンション、 70 ディスクローディング機構、
74 カムギア、 76 イジェクトレバー、 77ホ
ルダロック部材、 84 カムピン、 86 イジェク
トアーム、 91ランプ、 92 ランプアーム、HD
ハードディスク(ディスク状記録媒体)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成8年11月29日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ディスク記憶装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、情報処理装置に用
いられる大容量の記憶装置に関し、特に、両面を読取り
/書込み可能としたディスク状の情報記録媒体としての
ハードディスクを用いるディスク記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、リムーバブルハードディスク装置
に代表される高速大容量ディスク装置およびこれに用い
られる記憶媒体としてのハードディスクを収納したディ
スクカートリッジは図20および図21に示す構成のデ
ィスク記憶媒体101とディスクカートリッジ120が
知られている。
【0003】このディスク記憶装置101は、図20に
示すように、主要な機械要素として、メインシャーシ1
02の前半部側の前面に挿入口103aを有するディス
クカートリッジ装填部103に備えられたディスク回転
駆動機構104とメインシャーシ102の後半部側に配
設された読取り/書込みヘッド機構105とから構成さ
れている。
【0004】そして、ディスク回転駆動機構104は、
ディスクカートリッジ装填部103の底面中央部に形成
された開口106から、チャッキングマグネット107
を備えたスピンドルモータ108が所定高さの範囲で出
没されるように、メインシャーシ102の下側に配設し
たサブシャーシ(図示せず)に昇降動作されるように搭
載して構成されている。
【0005】また、読取り/書込みヘッド機構105
は、装置の小型化を図るためメインシャーシ102の後
半部側にディスクカートリッジ装填部103の近傍に位
置して軸109により軸着されてアクチュエータ110
により回転駆動されるアクチュエータアーム111の先
端に板ばねから成るサスペンション112を介して読取
り/書込みヘッド(以下R/Wヘッドという)Hを取付
けて構成されている。
【0006】この読取り/書込みヘッド機構105のア
クチュエータ110はアクチュエータアーム111の後
端部に取付けられた可動コイル110aとこの可動コイ
ル110aと対応してメインシャーシ102側に固定さ
れた偏平マグネット110bとから構成され、また、R
/WヘッドHは上下一対備えられるもので、このため、
アクチュエータアーム111の先端部に取付けられるサ
スペンション112として、上下一対のサスペンション
112a,112bを用い、この両サスペンション11
2a,112bを上下に所定間隔を置いてアクチュエー
タアーム111にその中心線延長方向に延出して取付け
てあり、R/WヘッドHはこの両サスペンション112
a,112bの先端への内面側に、中心線と直交する方
向に取付けられるスライダに接着されて上下に対向され
ている。また、両サスペンション112a,112bの
先端外面側にはロードバー113が先端延長方向に突出
して固定されている。
【0007】このように構成される読取り/書込みヘッ
ド機構105は、サスペンション112a,112bを
含むアクチュエータアーム111の先端部がディスクカ
ートリッジ装填部103内に臨んだ状態で位置され、装
填されるディスクカートリッジ120内に挿入されるの
で、アクチュエータアーム111a先端部はハードディ
スクと干渉しないように上下の二又状、すなわちフォー
ク状に形成されており、この上下片部にサスペンション
112a,112bが取付けられている。
【0008】また、メインシャーシ102の後半部側に
は、ディスクカートリッジ装填部103の近傍でアクチ
ュエータアーム111の先方に位置してR/WヘッドH
のガイドである滑り台状ブロックのランプ114がディ
スクカートリッジ装填部103内に臨んで固定されてお
り、このランプ114も装填されるディスクカートリッ
ジ120内に挿入されるのでハードディスクと干渉しな
いように二又状、すなわち、凹部形成されてフォーク形
状を成している。このランプ114の上下面に、アクチ
ュエータアーム111のサスペンション112a,11
2bの先端のロードバー113が摺接することにより、
サスペンション112a,112bの間隔、すなわち、
両R/WヘッドHの間隔を保持するようになっている。
【0009】またメインシャーシ101の後半部には、
アクチュエータ110の制御回路、R/WヘッドHの読
取り/書込みアンプ等を搭載した回路基板115が配設
されてアクチュエータアーム111側とフレキシブル配
線板116により接続させてある。
【0010】一方、ディスクカートリッジ120は図2
0及び図22に示すように、直角四辺形状の上下ハーフ
121,122と、両ハーフ121,122間のディス
ク収納部123に回転自在に収納された両面読取り/書
込み可能な磁気ディスク、すなわち、ハードディスク1
24から構成されている。ハードディスク124の中心
部には強磁性体で形成されたハブ125が取付けられ
て、下ハーフ122に形成された中心孔126に対応さ
れている。
【0011】また、ディスクカートリッジ120の前面
側には、上下ハーフ121,122に跨ってアクチュエ
ータアーム111の先端部がR/WヘッドHを取付けた
サスペンション112a,112bと共に挿入される開
口部127が形成されて、この開口部127にはこれを
開閉するシャッタ128が取付けられている。このシャ
ッタ128は上ハーフ121側に軸129により上下方
向に回転可能に軸支されて、カートリッジ不使用時は開
口部127を閉塞し、塵埃、手指等の侵入を防止してお
り、ディスク記憶装置101への装填動作により自動的
に開く構成となっている。
【0012】かくして、図20に示すように、ディスク
記憶装置101にディスクカートリッジ120を装填す
るには、メインシャーシ102の前半部側のディスクカ
ートリッジ装填部103に前面挿入口部103aから、
開口部127側を先方にして水平に挿入すると、まず、
シャッタ開閉機構(図示せず)によってシャッタ128
が自動的に開かれ、開口部127が開放される。そし
て、ディスクカートリッジ120が所定位置まで挿入さ
れると、図21に示すようにアクチュエータアーム11
1の先端部から両サスペンション112a,112bか
けた部分とランプ114の滑り台状部が開口部127か
らカートリッジ内に位置されると共にハードディスク1
24の外周部の一部がランプ114の凹部内に位置され
る。この状態では、両サスペンション112a,112
bは、ロードバー113がランプ114の高位置に当接
されて間隔が拡げられて保持され、R/WヘッドHの間
隔はハードディスク124の厚さより大となっている。
【0013】この状態でディスク回転駆動機構104の
スピンドルモータ108が上昇動作して、カートリッジ
装填部103の底面中央部の開口106から所定高さ突
出し、チャッキングマグネット107の吸着磁力によっ
てハードディスク124のハブ125を下ハーフ122
の中心孔126を介して吸着し、スピンドルモータ10
8とハードディスク124が一体化、すなわち、ハード
ディスク124はスピンドルモータ108にチャッキン
グされる。
【0014】その後、スピンドルモータ108が回転
し、一定の角速度になったところでアクチュエータアー
ム111はアクチュエータ110によりカートリッジ内
方、すなわち、ハードディスク124方向に回転されて
両サスペンション112a,112bのロードバー11
3がランプ114の高位面から低位方向に滑り降りるこ
とになって、磁気ヘッドHがハードディスク124の面
上に緩やかにランディング状態になる。このランディン
グはハードディスク124の回転とR/WヘッドHを支
持しているスライダ間に生じる空気力学的な効果、いわ
ゆるハードディスク124の面とスライダとの間にエア
フィルムが生じることになってスライダは数十nm浮上
状態となりR/WヘッドHとハードディスク124は接
触することがない。
【0015】この状態でアクチュエータアーム111の
回転動作によりR/WヘッドHを所定のトラックに位置
付けてハードディスク124に対する情報の読取り/書
込みが行なわれる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】このように構成される
ディスク記憶装置においては、R/WヘッドHを移動動
作するアクチュエータアーム111とR/WヘッドHを
ハードディスク124に対してローディング/アンロー
ディング動作させるためのランプ114が、ディスクカ
ートリッジ120の装填終了時にはカートリッジの前面
側のシャッタ128が開いた後の開口部127から内部
に入り込んだ状態になるため、ディスクカートリッジ1
20のポップアップ式の装填排出や、スロットイン式の
装填排出でも従来のフロッピーディスク装置等で見られ
るような装填排出時と装填完了時のカートリッジの高さ
が異なるような装填排出方法は取ることが出来ない。こ
のためディスクカートリッジ120の挿脱時は、アクチ
ュエータアーム111とランプ114に干渉しないよう
に開口部127を開放した状態で、ディスクカートリッ
ジ120を装填終了時のカートリッジと同一高さで平行
に保持したまま移動させる必要がある。
【0017】従って、ディスクカートリッジ120内部
に一部入り込んで、ハードディスク124を吸着して回
転駆動するスピンドルモータ108は、ディスクカート
リッジ120の挿脱時はディスクカートリッジ120の
底面より下降して、干渉を避ける必要があり、このよう
にスピンドルモータ108を昇降動作させるためにはス
ピンドルモータ108の支持機構は、安定性、確実性が
要求されて構成が複雑になり、コスト高になっていた。
また、モータの昇降動作をさせるためのスペースが必要
となるため、装置の薄型化が難しいと言う問題もあっ
た。
【0018】またスピンドルモータ108とアクチュエ
ータアーム111の相対位置精度は記憶装置の性能にも
影響を及ぼすため、スピンドルモータの昇降動作は無い
ほうが望ましい。また、カートリッジ120を装填して
いない状態では質量の大きいスピンドルモータ120が
固定されず、ガタを持つことになるので、衝撃等の影響
を受けやすくなるという問題があった。
【0019】また、アクチュエータアーム111、ラン
プ114はハードディスク124との干渉を防止するた
めの逃げ部が必要となるので断面フォーク状に形成され
ており、このため、アクチュエータアーム111自体は
強度上に難点があり、またランプ114は凹部がハード
ディスク124側に開放されていることにより、何等か
の原因によりディスクカートリッジ120が装填されて
いない状態でアクチュエータアーム111が回転されて
これが戻り回転される際にR/WヘッドHを取付けたサ
スペンション112a,112bがランプ114の凹部
に挿入係合し戻り回転が不能になったり、R/Wヘッド
Hが破損する等のおそれがある。
【0020】またカートリッジ120の排出時にはR/
WヘッドHとランプ114を、スピンドルモータを下降
させる前にハードディスク124の上下面より外に移動
位置決めすることもできる。この場合、R/WヘッドH
はアクチュエータアーム111の一部をリンク機構で動
かすことになるが、アクチュエータアームは通常読取り
/書込み時には回転中心付近以外はカートリッジの内部
にまで入り込んでしまうため、リンクはアクチュエータ
アーム111の回転中心近傍しか動かすことが出来ず、
通常は図21に示すようにアクチュエータアームの回転
中心からヘッドまでのアーム長さaの1/6以下の部分
bを動かすことになる。従って、部品精度、組立精度が
拡大され、先端のヘッド部分で正しい位置決めをするこ
とが難しく、リンクにも過大な力がかかることになり摩
耗等の原因にもなる。移動量が少なければディスク12
4とR/WヘッドHやランプ114が当たって故障する
おそれがあり、逆に余裕を見て移動量を大きくすれば、
アクチュエータアーム111の移動量の増加に伴って記
憶装置の外形寸法が大きくなったり、カートリッジ挿入
から読取り/書込みが出来るまでの時間が長くなってし
まうこともある。またアクチュエータを動かせる位置が
回転中心近傍に限定されているため設計的な自由度が少
なく、少ない部品点数でアームの移動やカートリッジの
排出を精度良く実現する事が難しかった。
【0021】ランプ114の移動については、アクチュ
エータアーム111とは別のリンク機構で動かすことに
なる(図示せず)が、2系統のリンクが必要となって機
構が複雑になり、コスト高となる。従って、アクチュエ
ータアーム111の動きでランプを動かしているもので
もあるが、上記のようにアクチュエータアーム111の
位置決め精度が高くないので、ランプ114の位置精度
も同様に高くない。またランプは回動するように作られ
ているが、部品の配置上ランプ114の回転半径はアク
チュエータアーム111の回転半径よりも小さく、しか
もアクチュエータアーム114の先端部は剛性の低いサ
スペンションとなっているので、ランプ114の駆動は
アクチュエータアーム111の根元付近でランプ114
の根元付近を動かすことになり、さらに精度を出すのが
難しくなってしまう。
【0022】また従来の実施例ではアクチュエータアー
ムを駆動するボイスコイルモータは上述のようなカート
リッジ排出時の移動まで含めた全ストロークに対応する
ように、マグネットのN極、S極の中心線が決められて
いた。これはボイスコイルモータのスペースに余裕のあ
る記憶装置ではあまり問題とはならないが、記憶装置を
小型化しようとするとモータのトルクが小さくなるので
ディスクの最内周でモータのトルクが落ち込んでしま
い、所定のサーボ性能が得られなくなってしまうという
問題があった。
【0023】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
動作が確実に安定して行われ、また、小型薄型化やコス
トの低減を可能としたディスク記憶装置を提供すること
を目的とする。
【0024】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、読取り/書込み可能としたディスク状の情
報記録媒体が回転自在に収納されたディスクカートリッ
ジを、回転駆動機構を備えたディスクカートリッジ装填
部に着脱可能に装填し、このディスクカートリッジ内に
ディスクカートリッジ装填部の外側に設置される回転支
持部材により支持された読取り/書込みヘッドを挿入し
て回転駆動される上記情報記録媒体の記録面上に移動対
応させて情報の読取り/書込みを行うようにしたディス
ク記憶装置において、読取り/書込みヘッドがディスク
カートリッジ装填部の外部からのディスクカートリッジ
の装填終了後にディスクカートリッジ内に、回転支持部
材の回転により移動挿入されるように構成したものであ
る。
【0025】また、本発明は、上記構成に加えて、読取
り/書込みヘッドを情報記録媒体の面上に移動案内する
ランプが、ディスクカートリッジ装填部からディスクカ
ートリッジの装填終了後に、回転支持部材の回転に伴い
ディスクカートリッジ内に移動挿入され、所定位置で係
止されること、回転支持部材は、略L字型に屈曲形成さ
れた回動アクチュエータアームにより構成されているこ
と、読取り/書込みヘッドのディスクカートリッジ外へ
の移動位置決めに回転支持部材の回転中心からヘッドま
でのアーム長さのほぼ1/3以上回転中心から離れた位
置を使用すること、ランプのディスクカートリッジ外へ
の移動位置決めを回転支持部材により行うこと、ディス
クカートリッジ排出開始前に回転支持部材を移動位置決
めする際に、回転支持部材をカム機構により直接駆動す
るようにしたこと、ランプの移動を直線的に行うように
したこと、回転支持部材を読取り/書込み時に駆動する
ボイスコイルモータのマグネットの中心線を情報記録媒
体の読取り/書込み時の回動中心付近とし、カートリッ
ジ排出時の移動まで含めて回動中心とはずらすようにし
たこと、回転支持部材の回転動作と、ランプの移動と、
カートリッジホルダのロック解除とディスクカートリッ
ジを押圧し、一部を装置外へ突出させる動作を行うイジ
ェクトレバー部材の動作を動作切り替え手段のカム機構
により行うこと、の各構成も包含するものである。
【0026】このように構成することにより、ディスク
カートリッジ装填部に対するディスクカートリッジの装
填及び排出時は、読取り/書込みヘッドとランプは回転
支持部材と共にディスクカートリッジ装填部の外部に移
動させておくことにより、ディスクカートリッジとは干
渉されず、これにより装填部に対するディスクカートリ
ッジの装填、排出をいわゆるポップアップ方式や、ディ
スクカートリッジを装置内で昇降させるタイプのスロッ
トイン方式が可能になり、従って、情報記録媒体を回転
駆動するスピンドルモータは、昇降機構を備えることな
く、装填部の底面に固定することができるようになる。
【0027】これにより安定性、確実性が要求され複雑
でコスト高の原因となっていたスピンドルモータの昇降
機構が不要になる他、昇降のためのスペース特に厚みが
不要となるため、装置全体の小型化、薄型化が可能とな
る。
【0028】またスピンドルモータの昇降動作が無くな
りスピンドルモータは回転支持部材としての同一一部面
上に固定できるようになるため、スピンドルモータとア
クチュエータアームの相対位置精度、ひいてはスピンド
ルモータ上のハードディスクとアクチュエータアーム上
のヘッドの相対位置精度が良くなり、記憶装置の性能も
向上する。さらにカートリッジを装填しない状態でもス
ピンドルモータが固定されることになるので、非使用時
も含めた記憶装置の耐衝撃性も向上することになる。
【0029】また、本発明は回転支持部材を略L字型に
屈曲形成した回動アクチュエータアームにより構成する
ことにより、ディスクの最内周部分を読取り/書込みす
る場合でもアーム回転中心近傍までカートリッジの内部
に挿入する必要が無くなり、アーム回転中心からヘッド
までの距離の1/3以上を常時カートリッジの外に置く
ことができる。従ってカートリッジ排出時にヘッドをカ
ートリッジの外部に移動位置決めするために、ヘッドの
搭載されたアクチュエータアームをカートリッジ外部の
機構で移動位置決めする際に、アームの回転中心からヘ
ッドまでの距離の1/3以上回転中心から離れた位置を
使用することにより、従来に比べて大幅に精度良く、し
かも小さな力で安定した動作が行えるようになる。
【0030】またディスク排出時にランプをカートリッ
ジの外部に移動位置決めする際も、上記のように精度良
く位置決めされるアクチュエータアームで位置決めされ
るように構成したので、ランプも精度良く位置決めされ
る。
【0031】さらに本発明では、アクチュエータアーム
で移動位置決めされるランプを直線状に移動させるよう
にしたので、アクチュエータアームの位置のばらつきが
拡大されてランプの位置のばらつきになることが無い。
しかもアームを略L字型としているので、アームの回転
中心から離れた位置でランプを移動位置決めすることが
出来、従来に比較し大幅に位置決め精度をあげる事が出
来る。
【0032】また本発明ではアクチュエータアームの移
動位置決めに、このアクチュエータアームが設置されて
いるシャーシ上に軸着されたカム機構で直接駆動する方
式をとっている。これにより同一シャーシ上の2つの部
品で精度が出せるので、精度が高く部品点数も少なく出
来る。これはアームを略L字型にしたことにより、アー
ムの位置決めに使用出来る部分の自由度が広がったため
に実現できている。またこのカムをアームやランプの位
置決めだけで無く、ポップアップするカートリッジホル
ダのロック解除や、カートリッジの排出にも使用し、部
品点数を削減している。
【0033】また本発明では回動アクチュエータアーム
を駆動するボイスコイルモータのマグネットのN極、S
極の中心線を、ディスクの読取り/書込みに必要な部分
の中心線すてわちディスクの外周と内周に対応する回動
の中心にほぼ一致させている。そのためボイスコイルモ
ータのトルクがディスクの最内周で落ち込むことが無
く、ボイスコイルモータを小型薄型化しても安定したサ
ーボ特性が得られ、ディスク記憶装置の小型薄型化も可
能となる。この場合ヘッドをカートリッジの外部まで移
動させることはボイスコイルモータの性能上困難となる
が、本発明ではカートリッジの外部への移動は別のDC
モータを使用するため問題にはならない。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明のディスク記憶装置
としてのディスク記録再生装置の実施の形態例を図面を
参照して説明する。この実施例に係るディスク記録再生
装置は、ディスク状記録媒体の一具体例を示すハードデ
ィスク(磁気ディスク)に新たに情報信号を記録し、或
いは予めハードディスクに記録されている情報信号を再
生する、記録及び再生兼用のディスク記録再生装置に適
用したもので、以下の順序により説明する。
【0035】〔1〕 ディスクカートリッジの構成(図
12) 〔2〕 ディスク記録再生装置の外観構成(図2) 〔3〕 ディスク記録再生装置の内部構成 (3−1) ディスク駆動機構(図1) (3−2) シャッタ開き機構(図2、図3) (3−3) 情報記録再生機構(図1、図4、図9〜図
11) (3−4) ディスクローディング機構(図1〜図8) 〔4〕 ディスク記録再生装置の動作 (4−1) ディスクカートリッジの挿入初期状態(図
13) (4−2) ディスクカートリッジのシャッタ開放前状
態(図14) (4−3) ディスクカートリッジのシャッタ開放後状
態(図15) (4−4) ハードディスクのローディング初期状態
(図16) (4−5) ハードディスクのローディング途中状態
(図17) (4−6) ハードディスクのローディング完了状態
(図18) (4−7) ハードディスクのアンローディング状態
(図19)
【0036】〔1〕 ディスクカートリッジの構成(図
12) ディスクカートリッジ1は、図12に示すように、上下
に重ね合わされる一対の上ハーフ2a及び下ハーフ2b
からなるディスク筐体2と、このディスク筐体2内に形
成されたディスク収容室3内に回転自在に収容されるデ
ィスク状の情報記録媒体の一具体例を示すハードディス
ク(磁気ディスク)HDと、同じくディスク収容室3内
に回動可能に収容されるシャッタ部材4と、このシャッ
タ部材4をディスク収容室3の面方向へ常時付勢するシ
ャッタばね5等を備えている。そして、上下ハーフ2
a,2bの互いの開口面側を重ね合わせ、その接触面間
を溶着または接着剤で接着するか、或いは上下ハーフ2
a,2b間を固定ねじで締結させることにより、ディス
クカートリッジ1が一体的に構成されている。
【0037】このディスクカートリッジ1のディスク筐
体2は、平面形状が略四角形をなす薄い容器からなり、
その後部両側には、このディスクカートリッジ1をディ
スク記録再生装置から取り出すために使用者によって掴
まれるグリップ切欠き2cが設けられている。このグリ
ップ切欠2cきは、カートリッジチェンジャ装置で自動
的にカートリッジを記憶装置から取り出す際の動作を確
実にする役目も併せ持つ。そして、ディスク記録再生装
置のカートリッジ挿入口への差込側となるディスク筐体
2の前部には、その曲率半径のセンタを差込方向の中心
線L上から一側にオフセットさせることによってオフセ
ット円弧部6が形成されている。これにより、ディスク
筐体2の一方の側面2dの長さは他方の側面2eの長さ
よりも短く設定されており、この短側面2d側のオフセ
ット円弧部6に、互いの接触部を適宜量切欠くことによ
って横方向に延在させた横長の開口部であるヘッド挿入
口7が開口されている。
【0038】このヘッド挿入口7には、ディスク筐体2
内に収容されたハードディスクHDに対して記録時には
情報記録部に新たな情報信号を書き込み、再生時には予
め情報記録部に記録されている情報信号を読み込む読取
り/書込みヘッドとしての磁気ヘッド8が出し入れされ
る。このヘッド挿入口7は、図13〜図15に示すよう
に、ディスク収容室3内に収容されるシャッタ部材4の
先端部に設けられた円弧状のシャッタ板4aによって開
閉可能とされている。このシャッタ部材4は、シャッタ
板4aの他に、下ハーフ2bの略中央部に穿設されたセ
ンタコア穴9を開閉するコア穴開閉板4bを有し、この
コア穴開閉板4bの一端にシャッタ板4aが直角に交わ
るように一体に設けられている。
【0039】このシャッタ部材4の基端部、即ち、コア
穴開閉板4bの他端は、下ハーフ2bの後部中央よりも
若干長側面2e側に偏倚させて設けた支点軸2fに回動
自在に軸支されている。この支点軸2fを中心としてシ
ャッタ部材4を回動させることにより、シャッタ板4a
がオフセット円弧部6の内面に沿って移動すると共に、
コア穴開閉板4bがディスク収容室3の内面に沿って移
動する。そして、シャッタ部材4が短側面2d側にある
ときには、シャッタ板4aがヘッド挿入口7を閉じてい
ると共に、コア穴開閉板4bがセンタコア穴9を閉じて
いる。一方、シャッタ部材4が長側面2e側に移動する
と、シャッタ板4aがヘッド挿入口7を開くと共に、コ
ア穴開閉板4bがセンタコア穴9を開くようになってい
る。そのため、シャッタ部材4のコア穴開閉板4bに
は、シャッタ開放時にセンタコア穴9を完全に開くこと
ができるシャッタ切欠き4cが設けられている。
【0040】このシャッタ部材4は、捩りコイルばねか
らなるシャッタばね5によって常時ヘッド挿入口7を閉
じる方向に付勢されている。このシャッタばね5は、そ
のコイル部が、下ハーフ2bの支点軸2fよりも更に長
側面2e側に偏倚させて設けた支持軸2gに緩く嵌合さ
れている。このシャッタばね5のコイル部の一端から突
出するばね片5aは下ハーフ2bの内面に当接され、コ
イル部の他端から突出するばね片5bはコア穴開閉板4
bの基端部近傍に設けたばね受け片4dに係止されてい
る。尚、ヘッド挿入部の上ハーフ2a、下ハーフ2bと
サスペンション58a,58bのクリヤランスを確保す
るためとこのシャッタばね5で付勢されるシャッタ部材
4、特にシャッタ板4aの取付構造等の理由から、本実
施例においては、下ハーフ2bのシャッタ板4aと接触
する部分及びその周辺部の肉厚を薄くしている。
【0041】更に、シャッタ部材4のコア穴開閉板4b
には、シャッタ切欠き4cと反対側に円弧状に突出する
操作アーム4eが設けられている。この操作アーム4e
の先端部には、操作ツメ4fが一体に設けられている。
この操作ツメ4fには、ハードディスクHDの肉厚を考
慮して段部が設定されており、この段部によって操作ツ
メ4fの中心を、上下ハーフ2a,2bの接合面から外
部に露出させるようにしている。かくして、シャッタ部
材4の操作アーム4eは、下ハーフ2bの後部に形成さ
れた円弧状の側壁2hに設けた切欠き2iを貫通してい
ると共に、この操作アーム4eの先端に連続する操作ツ
メ4fの先端部は、上下ハーフ2a,2bの接合面に設
けられた切欠き2jからディスク筐体2の長側面2eに
前後方向へ延在させて設けたガイド溝10内に露出され
ている。
【0042】このガイド溝10は、ディスク筐体2の前
側に設定された厚み方向(重ね合わせた方向)に幅広の
幅広部10aと、ディスク筐体2の後側に設定された上
下方向に幅狭の幅狭部10bと、幅広部10aの先端に
形成され且つ同じく幅が広くて内側に傾斜された導入部
10cと、幅広部10aの後部と幅狭部10bの前部と
の間に設定された開閉操作部10dとを備えている。こ
のガイド溝10の開閉操作部10dにおいて、幅広部1
0aから幅狭部10bに連続する部分には、上ハーフ2
a及び下ハーフ2bのそれぞれに傾斜面10eが形成さ
れており、この傾斜面10eで後述するシャッタ開きレ
バーの作用片をガイドして、作用片が幅広部10aから
幅狭部10bにスムースに移動できるようになされてい
る。
【0043】このガイド溝10の幅狭部10bの深さT
bは幅広部10aの深さTaよりも十分に深く形成され
ており(Tb>Ta)、これにより、シャッタ部材4が
完全に開いた状態においても操作ツメ4fがガイド溝1
0から外に大きく飛び出ないようにしている。このよう
な段差を有する開閉操作部10dの側面は、上述した円
弧状の側壁2hの一部によって形成されていて、その外
面は円弧状に滑らかに連続されている。このガイド溝1
0の幅狭部10bに上述したシャッタ部材4の操作ツメ
4fが位置しており、常時は操作ツメ4fの先端部のみ
がガイド溝10内に突出されている。
【0044】ハードディスクHDは、上下両面が磁気記
録方式による信号記録面となされた円盤形のディスク状
記録部材からなり、その中心部分には、スピンドルモー
タ12のマグネットによって吸着されるセンタコア11
が一体に固着されている。このハードディスクHDのセ
ンタコア11は、下ハーフ2bに設けたセンタコア穴9
に対応されており、コア穴開閉板4bの回動によってセ
ンタコア穴9が開かれることにより、このセンタコア穴
9から挿入されるターンテーブル一体型のスピンドルモ
ータ12に接触される。このスピンドルモータ12の回
転部にはリング状の上述したマグネットが嵌合されて一
体的に設けられており、このマグネットの吸着力により
ハードディスクHDがスピンドルモータ12にチャッキ
ングされて、一体的に回転駆動される。
【0045】また、図13等に示すように、ディスクカ
ートリッジ1の後部の一側には、書込み禁止の穴の有無
を切り替える誤消去防止タブ13が設けられている。更
に、この誤消去防止タブ13の近傍と、これの反対側に
位置するシャッタばね5の近傍には、このディスクカー
トリッジ1をディスク記録再生装置の所定位置にローデ
ィングするための位置決め穴14a,14bが設けられ
ている。
【0046】尚、図13等には図示しないが、シャッタ
部材4のコア穴開閉板4bには、支点軸2fを中心とし
て円弧状に延びる一以上のガイド溝が設けられており、
このガイド溝には下ハーフ2bに設けられたガイドピン
が係合されている。そして、ガイド溝に係合されたガイ
ドピンでハードディスクのセンタコア11を受けてシャ
ッタ4bとセンタコア11の摺動ロスを減らすことによ
り、ヘッド挿入口7及びセンタコア穴9の開放動作がス
ムースに行われるようになされている。
【0047】このような構成を有する上下ハーフ2a,
2bの材質としては、例えばポリカーボネートPC等の
合成樹脂材料が好適であるが、その他の合成樹脂を用い
ることもできる。また、シャッタ部材4の材質として本
実施例では、シャッタ板4aにはポリカーボネートPC
を用いる一方、コア穴開閉板4bにはステンレス鋼板を
用いており、ステンレス鋼板の先端部にポリカーボネー
トPCのシャッタ板4aを二色成形することによって、
シャッタ部材4が一体成形されている。しかしながら、
シャッタ部材4の全体をポリカーボネートPC等の合成
樹脂材料で成形してもよく、また、シャッタ部材4の全
体をステンレス鋼板等の金属材料で成形してもよいこと
は勿論である。また二色成形の場合でもポリカーボネー
トPCの他にも摺動性に優れるポリアセタールPOM等
の別の合成樹脂材料を使用しても良い。
【0048】〔2〕 ディスク記録再生装置の外観構成
(図2) 本例のディスク記録再生装置は、ディスクカートリッジ
1が装着されるカートリッジホルダ16が上下動作する
ポップアップ方式であって、装置外観を図2に示す。こ
のディスク記録再生装置は、後述する回転駆動機構であ
るディスク駆動機構30、シャッタ開放手段としてのシ
ャッタ開き機構40、情報記録再生機構50及びディス
クローディング機構60を内蔵できる大きさで上面側が
開放されたメカシャーシ17と、このメカシャーシ17
内に俯仰可能に取り付けられて前面のカートリッジ挿入
口18を開閉可能とされた上記カートリッジホルダ16
等を備えて構成されている。
【0049】メカシャーシ17は、上面に開口した底の
浅い四角形の筐体からなり、このメカシャーシ17内の
奥側両側部には、カートリッジホルダ16の後部両端を
俯仰可能に支持するための支持ブラケット19が左右一
対で取り付けられている。これら支持ブラケット19の
後部には軸受穴が設けられていて、各軸受穴にはカート
リッジホルダ16の後部両端に突設された回動支点軸1
9aがそれぞれ回動自在に嵌合されている。
【0050】カートリッジホルダ16は、平面から見て
メカシャーシ17よりやや小形で四角形の上面板16a
と、この上面板16aの左右両側に連続する側面板16
b,16cと、両側面板16b,16cの各下部に連続
して内側に適宜幅で折り曲げ形成された保持板16d,
16eとを有し、これらで囲まれた空間部分の前部にカ
ートリッジ挿入口18が設定されている。従って、カー
トリッジホルダ16の内部はディスクカートリッジ1に
見合う大きさの空間部とされており、このカートリッジ
挿入口18からディスクカートリッジ1が出し入れさ
れ、ディスクカートリッジ装填部にディスクカートリッ
ジが装填される。
【0051】また、カートリッジホルダ16の両側面板
16b,16cの下部には、各保持板16d,16eの
一部を下方へ折り出すことによって軸支持片16f,1
6gが設けられている。これらの軸支持片16f,16
g間には、カートリッジ保持部間の補強部材としてのホ
ルダ補強軸20が架設されており、このホルダ補強軸2
0の両端は固定ねじ21によって軸支持片16f,16
gにそれぞれ固定されている。更に、カートリッジホル
ダ16の前後方向中途部には、側面板16b,16cの
一部を内側へ折り出すことによってディスクカートリッ
ジ1の所定量以上の差し込みを防止するためのストッパ
片22a,22bが設けられている(図15参照)。
【0052】このカートリッジホルダ16の一方の側面
板16bの前部には、前後方向に所定の距離を隔ててそ
れぞれ前後方向に延在された開口部23a,23bが設
けられている。そして、カートリッジホルダ16の他方
の側面板16cの軸支持片16gの後部には、保持板1
6eの一部を下方へ折り出すことによって支持片16h
が設けられていると共に、この支持片16hには内側に
突出する係合ピン24が設けられている。この係合ピン
24は、カートリッジホルダ16の後述するロック機構
の一部をなすものである。
【0053】更に、カートリッジホルダ16の上面板1
6aの前側両側部には、保持板16d,16eの上方に
対応するように押え板ばね25が取り付けられている。
この押え板ばね25は、挿入されたディスクカートリッ
ジ1を保持板16d,16e側に付勢して、カートリッ
ジホルダ16に対するディスクカートリッジ1の高さ方
向の位置決めをなすものである。これらカートリッジホ
ルダ16材質としては、例えば電気亜鉛めっき鋼板やス
テンレス鋼板等の金属製板金材料が好適であるが、また
メカシャーシ17の材質としては例えばアルミダイカス
トやアルミ板等の金属材料が好適であるがポリカーボネ
ート等の機械的強度が高いエンジニアリングプラスチッ
ク等を用いることもできる。
【0054】〔3〕 ディスク記録再生装置の内部構成 (3−1) ディスク駆動機構(図1) このディスク記録再生装置は、図1に示すようなディス
ク駆動機構30を備えている。このディスク駆動機構3
0は、上述したディスクカートリッジ1のハードディス
クHDがチャッキングされるターンテーブル一体型のス
ピンドルモータ12を備えている。このスピンドルモー
タ12は、メカシャーシ17の前側中央部において上向
きに載置されており、そのフランジ部12aを貫通する
ねじ部がメカシャーシ17のねじ孔に螺合される複数本
の取付ねじ31によってメカシャーシ17上に締付固定
されている。
【0055】このスピンドルモータ12のフランジ部1
2aには、ディスクカートリッジ1のセンタコア穴9の
近傍を支持する複数本のカートリッジ支持ピン32が設
けられている。このスピンドルモータ12の回転部に
は、上述したようにマグネットが取り付けられており、
このマグネットでセンタコア11を吸着してハードディ
スクHDを回転部にチャッキングすることにより、ディ
スク筐体2内でハードディスクHDがスピンドルモータ
12によって回転駆動される。
【0056】(3−2) シャッタ開き機構(図2、図
3) このシャッタ開き機構40は、カートリッジ本体側をト
リガーにしてカートリッジホルダ16に装着されるディ
スクカートリッジ1のヘッド挿入口7を開くためのもの
であり、カートリッジホルダ16の一方の側面板16b
に配設されている。このシャッタ開き機構40は、天秤
状アーム部材であるシャッタ開きレバー41と、このシ
ャッタ開きレバー41を付勢する付勢部材の一具体例を
示すコイルばね42とを備えている。シャッタ開きレバ
ー41は、断面コ字状をなすレバー本体41aと、この
レバー本体41aの両側部から横方向へ互いに離反する
ように突出する倣い端としての入力片41b及び作用端
としての作用片41cとを有し、入力片41bの先端部
にはディスクカートリッジ1の移動軌跡上に突出する当
接部41dが設けられている。
【0057】このシャッタ開きレバー41をカートリッ
ジホルダ16に取り付けるために、カートリッジホルダ
16の側面板16bには、前後の開口部23a,23b
間の一部を上下に折り出すことによって一対のピン支持
片43a,43bが設けられている。これらのピン支持
片43a,43b間にはシャッタ開きレバー41のレバ
ー本体41aが介在され、各ピン支持片43a,43b
に設けたピン孔及びレバー本体41aに設けたピン孔に
軸ピン44を貫通させ、この軸ピン44の両端をカシメ
ることによってシャッタ開きレバー41が、カートリッ
ジホルダ16の一側に水平方向へ揺動可能に支持されて
いる。
【0058】この状態では、シャッタ開きレバー41の
入力片41bはカートリッジホルダ16の後の開口部2
3bに対向され、作用片41cは前の開口部23aに対
向されている。このシャッタ開きレバー41をカートリ
ッジホルダ16に軸支持する軸ピン44にはコイルばね
42のコイル部が緩く嵌合されていて、このコイル部の
一端に連続するばね片42aは側面板16bに当接さ
れ、コイル部の他端に連続するばね片42bはレバー本
体41aに当接されている。このコイルばね42のばね
力により、シャッタ開きレバー41の入力片41bは開
口部23b内に入り込む方向に付勢され、その反作用と
して作用片41cは開口部23aから抜け出す方向に付
勢されている。
【0059】このシャッタ開きレバー41の回動量を制
限するために、レバー本体41aの内面には、入力片4
1bが所定量以上開口部23b内に入り込むのを防止す
る入力側ストッパ部41eと、作用片41cが所定量以
上開口部23a内に入り込むのを防止する作用側ストッ
パ部41fとが設定されている。このシャッタ開きレバ
ー41の入力片41bがディスクカートリッジ1のガイ
ド溝10の導入部10cを経て幅広部10a内に入り込
み、また、作用片41cがガイド溝10の操作部10d
を経て幅狭部10b内に入り込む。
【0060】このシャッタ開きレバー41の入力片41
bの機能としては、操作力の入力部としての働きの他、
ディスクカートリッジ1の水平方向への位置決め作用を
も兼ねており、ある程度の剛性を保持しつつ適度の弾性
を持つことが要求されているため、本例ではガイド溝1
0の幅方向に幅広となるように形成されていて、先端部
をガイド溝10の深さ方向へ折り曲げることによって当
接部41dが形成されている。一方、シャッタ開きレバ
ー41の作用片41cの機能は、主に操作ツメ4fを押
圧することにあるため、本例ではレバー本体41aの近
傍からガイド溝10の深さ方向へ折り曲げることによっ
て水平方向の剛性が大となるように形成されている。
【0061】かくして、ディスクカートリッジ1のガイ
ド溝10の幅狭部10bにシャッタ部材4の操作ツメ4
fが位置しており、この操作ツメ4fをシャッタ開きレ
バー41の作用片41cで押圧することにより、シャッ
タ部材4がシャッタばね5のばね力に抗して回動され
て、ヘッド挿入口7とセンタコア穴9とが共に開かれる
ことになる。
【0062】(3−3) 情報記録再生機構(図1、図
4、図9〜図11) この情報記録再生機構50は、メカシャーシ17の後部
に配設されていて、回転支持部材としてのドッグレッグ
型回動アクチュエータ51と、この回動アクチュエータ
51の先端部に浮動可能に取り付けられた上下一対のス
ライダ52a,52bと、回動アクチュエータ51を回
動自在に支持するアクチュエータ支持台53等を備えて
いる。アクチュエータ支持軸受59はメカシャーシ17
上に載置されていて、取付ねじ等の固着手段によって締
付固定されている。
【0063】回動アクチュエータ51は、メカシャーシ
17に取付ねじ等の固着手段によって締付固定されたア
クチュエータ支持台53に回動自在に支持された回動ア
ーム55と、この回動アーム55に固定された駆動コイ
ル56及び一対のマウントプレート57a,57bと、
このマウントプレート57a,57bに固定された弾性
支持部材としての一対のサスペンション58a,58b
等を備えている。回動アクチュエータ51の回動アーム
55は、水平方向の中途部に嵌合固定されたベアリング
59によってアクチュエータ支持台53に回動自在に支
持されており、その一側に形成された二股部55aに
は、周囲に銅線が巻かれた扇形の駆動コイル56が係合
保持されている。
【0064】図7に示すように、回動アーム55の先端
部の上下両面には段部が設けられており、この段部にマ
ウントプレート57a,57bの基端部を嵌め合わせ、
この基端部をスポット溶接もしくはかしめや接着剤等の
固着手段で固着することによって、一対のマウントプレ
ート57a,57bが上下方向に所定の隙間をあけて対
向設置されている。一対のマウントプレート57a,5
7bは逆L字状に形成されており、これらマウントプレ
ート57a,57bの先端部内面にはサスペンション5
8a,58bの基端部がスポット溶接もしくはかしめや
接着剤等の固着手段によってそれぞれ固着されて、この
サスペンション58a,58bの先端間からマウントプ
レート57a,57bの屈曲部間にかけて形成される隙
間は、ほぼ全周にわたって開放状に連通されている。こ
のように、回動アクチュエータ51は、回動アーム5
5、マウントプレート57a,57b、サスペンション
58a,58bにより全体形状として平面視略L字状、
すなわち、ドッグレッグ状に形成されている。
【0065】一対のサスペンション58a,58bは、
弾性を有する板ばね状の部材からなり、その基端部側の
中央に開口60を設けて剛性を低くすることによって基
端部の剛性が低く設定されている。このように、各サス
ペンション58a,58bの基端部の剛性を低くして先
端側に大きく可撓性を付与することにより、先端部に取
り付けられたスライダ52a,52bが容易に上下方向
へ起伏動作できるようになされている。また、各サスペ
ンション58a及び58bの両側縁部は内面側に屈曲し
てリブ58a1 ,58a2 及び58b1 ,58b2 を形
成し、内側のリブ58a1 及び58b1 は先端部側を削
除している。
【0066】更に、各サスペンション58a,58bの
中途部には、それぞれ内側に半球状に突出する凸部61
a,61bが設けられている。このサスペンション58
a,58bの凸部61a,61b間には、ローディング
時及びアンローディング時において後述するランプが挿
入され、これにより両サスペンション58a,58bの
先端側が上下方向へ離反するように広げられ、上下のス
ライダ52a,52bがハードディスクHDの上下両面
と接触しないようになされている。
【0067】一対のスライダ52a,52bの形状とし
ては、例えば図9〜図11に示すような構造のものを用
いることができる。図9は、中間浮上型スライダとして
のトランスバース・プレッシャ・コンツァー型スライダ
(以下「TPC型スライダ」という。)52Aを示すも
のである。このTPC型スライダ52Aは、ブロック状
をなすスライダ本体の裏面中央に前後方向へ延びるエア
ー流動溝62が形成されていて、その両側に位置する突
条部63には、ハードディスクHDの上下両面に対面す
るディスク対向面63aと、このディスク対向面63a
の両側に形成された前後方向へ連続する流動溝段部63
b,63cと、突条部63の回転方向前側に形成された
テーパ面63dとが設けられている。
【0068】このTPC型スライダ52Aによれば、ハ
ードディスクHDの表面から浮上しているスライダのデ
ィスク対向面とディスク表面とのなす平行度がディスク
半径方向の内外でどのように変動するかを表すコンスタ
ント・フライング・ハイト性能(以下「CFH性能」と
いう。)を良好なものとすることができ、速度依存性が
少なく、ディスク半径方向の内側及び外側のいずれの場
合にも略フラットの性能を得ることができ、スライダを
ディスク表面から安定性良く浮かせることができる。
【0069】図10は、カタマラン型スライダ52Bを
示すものである。このカタマラン型スライダ52Bは、
TPC型スライダ52Aの基本形をなすもので、上記実
施例の突条部63から左右の流動溝段部63b,63c
を取り除いた構造を有するものである。このカタマラン
型スライダ52Bでは、CFH性能がTPC型スライダ
52Aよりもやや劣るが、実際の使用に十分に耐え得る
ものである。
【0070】更に、図11は、負圧型スライダ52Cを
示すものである。この負圧型スライダ52Cは、エアー
流動溝64によってスライダの裏面に負圧を発生させ、
この負圧によってディスク対向面63で発生する正圧を
一部打消すことによりスライダをディスク表面から低い
高さで浮上させるものである。この負圧型スライダ52
Cによれば、CFH性能がTPC型スライダ52Aと同
様に良好であって、フラットな性能を得ることができ、
スライダをディスク表面から安定性良く浮上させること
ができる。
【0071】このような構成を有するスライダ52A〜
52Cの後端部、即ち、ディスク回転方向後側には、記
録及び再生両用の磁気ヘッド8がそれぞれ設けられてい
る。そして、これらスライダ52A〜52Cは、いずれ
の実施例においても、エアー流動溝62,64の中心線
Xとサスペンション58a,58bの中心線Yとが所定
の交差角度θで交わるように設定されている。
【0072】一般に、従来のスライダではエアー流動溝
の延在方向がサスペンションの延在方向と平行に設定さ
れているが、本実施例においては交差角度θは約70°
に設定されている。このように、サスペンション58
a,58bの延在方向に対して所定の交差角度θをつけ
てスライダ52a,52bを取り付けることにより、ス
ライダ52a,52bのベント角度を小さくすることが
できる。尚、上記交差角度θは、本例のように70°に
限定されるものではなく、必要に応じて適宜な角度を設
定できるものである。
【0073】また、回動アーム55の中途部は、図8に
示すように、上下両面の内側を肉盗みすることによって
凹陥部64a,64bが設けられており、この凹陥部6
4a,64bによって回動アーム55の軽量化を図って
いる。その一方、回動アーム55の上面には、凹陥部6
4aの開口を塞ぐようにアルミ等の補強板で裏打ちした
FPC(フレキシブルプリント配線板)65が配設され
ており、このFPC65を取付ねじ66及び接着で回動
アーム55に固定することにより、回動アーム55の剛
性を高めて強度の向上を図っている。
【0074】これは、アルミ等の補強板で打ち打ちした
FPC(フレキシブルプリント配線板)65で回動アー
ム55の強度を補強してその剛性を高めようとするもの
である。補強板付FPC65は、アルミ等の裏打ち補強
板であるベースプレート65aと、このベースプレート
65aの片側に接着されたFPCから構成される。補強
板付FPC65を加えて回動アーム55の断面形状をボ
ックス型とすることにより、本例では回動アーム55の
強度を高めるようにしたものである。これにより、回動
アーム55の軽量化を図りながら、同時に回動アーム5
5の強度を増加させることができる。
【0075】このFPC65は、フレキシブルケーブル
部67を介してコネクタ68に接続されている。コネク
タ68は、スピンドルモータ12の側方に配置される配
線基板35上に搭載されていて、この配線基板35がメ
カシャーシ17上に固定されている。この配線基板35
には、導体によって電子回路が印刷成形されていて、こ
の電子回路にアンプ36その他の電子部品が電気接続さ
れてコントロール装置が構成されている。
【0076】かくして、この回動アクチュエータ51
は、図4及び図16等に示すように、マウントプレート
57a,57bの部分で略90度折り曲げられており、
いわゆるドッグレッグと呼ばれるように略L字状をなし
ている。このような形状から、本例の回動アクチュエー
タ51がドッグレッグ型と呼ばれている。
【0077】このような回動アクチュエータ51を回転
自在に支持するアクチュエータ支持台53には、駆動コ
イル56に下方から対向するように円弧状に湾曲形成さ
れた平らなマグネット37が載置固定されている。この
マグネット37は、NS両極が面方向に着磁されてい
て、駆動コイル56とマグネット72との間に作用する
磁力の大きさを調整することにより、所定の領域内にお
いて回動アクチュエータ51の回動位置が自動的に制御
される。そして、自動制御領域外においては、次に述べ
るディスクローディング機構70のカムギアによって回
動されると共に、所定の回動位置においてロックされ
る。
【0078】尚、本実施例では、回動アーム55の材質
としてマグネシウム合金を用い、マウントプレート57
a,57b及びサスペンション58a,58bの材質と
してステンレス鋼板を用いているが、ポリカーボネート
等の機械的強度が大きなエンジニアリングプラスチック
等によって成形することができる。更に、回動アーム5
5とマウントプレート57a,57bを同一の材質で一
体に形成することもできる。
【0079】(3−4) ディスクローディング機構
(図1〜図8) このディスク記録再生装置には、前述したディスク駆動
機構30、シャッタ開き機構40及び情報記録再生機構
50に対応して、ディスク駆動機構30に対してハード
ディスクHDをローディング及びアンローディングさせ
るためのディスクローディング機構70が備えられてい
る。このディスクローディング機構70は、ディスク駆
動機構30と同様にメカシャーシ17上に配設されてい
る。
【0080】このディスクローディング機構70は、駆
動モータ71とウォーム72とウォームホイール73と
カムギア74とランプ部材75とイジェクトレバー76
とホルダロック部材77とポップアップばね78とポッ
プアップ抑止板79と位置決めピン80とカートリッジ
支持ピン81等を備えている。ディスクローディング機
構70の駆動モータ71は、アクチュエータ支持台53
の後方に配置されていて、その回転軸にウォーム72が
固定されている。そして、ウォーム72には、メカシャ
ーシ17に立設された支持軸73aに回動自在に支持さ
れたウォームホイール73が噛合されている。
【0081】このウォームホイール73には、図に表れ
ない入力ギアが一体に設けられていて、この入力ギアに
は中間ギア82aが噛合されている。この中間ギア82
aには出力ギア82bが一体に設けられていると共に、
これらはメカシャーシ17に立設された支持軸82cに
回動自在に支持されている。そして、出力ギア82bに
は、同じくメカシャーシ17に立設されたカム軸83に
回動自在に支持されたカムギア74のギア部74aが噛
合されている。
【0082】動作モード切り替え手段としての回転カム
機構であるカムギア74は、ギア部74aの一面側に形
成された円形の外周面からなるカム周面74bと、ギア
部74aの他面側に形成されたカム溝74cとを備えて
いる。そして、カム周面74bの一部を切除して内側に
窪ませることによってカム逃げ部74dを設けると共
に、このカム逃げ部74dを設けることによってカム周
面74bの一端に周方向に円弧状に突出するカム作用端
部74eが形成されている。このカム周面74b及びカ
ム作用端部74eには、回動アクチュエータ51の回動
アーム55の下部に下方へ突出するように設けられたカ
ム用突起55aが摺接又は当接される。
【0083】このカムギア74により、後述するように
回動アクチュエータ51の回転動作と、磁気ヘッド8を
ディスク状記録媒体の面上に案内するランプ91の移動
と、ディスクカートリッジ1を排出させるイジェクトレ
バー76の動作とが切り替えられる。
【0084】かくして、回動アクチュエータ51のカム
用突起55aがカムギア74のカム周面74bに摺接し
ている状態は、回動アクチュエータ51がディスクカー
トリッジ1の外に完全に飛び出しているアームロック状
態(図16参照)か、又は、ディスクカートリッジ1を
装置外に排出するアンローディング状態(図19参照)
である。また、カム用突起55aの内面にカムギア74
のカム作用端部74eが当接している状態は、磁気ヘッ
ド8がディスクカートリッジ1内に挿入されるローディ
ング途中の状態(図17参照)である。そして、カム用
突起55aがカムギア74のカム逃げ部74d内にある
状態は、ローディングの完了状態(図18参照)であ
る。このローディング完了状態においてのみ回動アクチ
ュエータ51が、上述した駆動コイル56及びマグネッ
ト37による回動位置の自動制御が可能とされている。
【0085】このカムギア74のカム溝74cは、カム
周面74b及びカム逃げ部74dに対応させて形成され
ている。即ち、このカム溝74cは、ディスクカートリ
ッジ1を装置外に排出するイジェクト時にのみ使用され
るものであり、具体的にはイジェクトレバー76の作動
を介して、カートリッジホルダ16をメカシャーシ17
側にロックするホルダロック機構の解除動作と、カート
リッジホルダ16からディスクカートリッジ1を押し出
す排出動作とを実行する。
【0086】このため、カム溝74cは、カム逃げ部7
4dの反対側が、カム周面74bに近い外周側で円周方
向に延在されていて、略90°回転変位した位置から半
径方向内側に入り込み、略180°回転変位した位置で
カム軸83に最も近づくように形成されている。このカ
ム溝74cには、イジェクトアーム部材としてのイジェ
クトレバー76のカムピン84が摺動可能に係合されて
いる。
【0087】このイジェクトレバー76は、その長手方
向の中途部においてメカシャーシ17に立設された支点
軸85によって回動自在に軸支されている。そして、イ
ジェクトレバー76の長手方向の一端には、上述したカ
ムピン84が上向きに取り付けられていて、図5及び図
6に示すように、カムギア74のカム溝74cに下方か
ら係合されている。更に、イジェクトレバー76の長手
方向の他端には、ホルダロック機構のホルダロック部材
77を回動させるための押圧部76aが設けられてい
る。
【0088】更に又、イジェクトレバー76の支点軸8
5の近傍にはイジェクトアーム86の基端部が連続され
て一体に設けられており、このイジェクトアーム86の
先端部にはカートリッジ押圧ピン87が一体に設けられ
ている。このような構成を有するイジェクトレバー76
が、図16等に示すように、イジェクトレバー76のカ
ムピン84側を後方へ延在させ且つ押圧部76a側を斜
め前方に延在させると共に、イジェクトアーム86を側
方へ延在させるようにして配設されている。
【0089】このイジェクトレバー76の押圧部76a
に対向するように設けられるホルダロック機構は、上述
したホルダロック部材77を回動付勢するコイルばね8
8を備えている。ホルダロック部材77の材質として、
本例ではステンレス鋼板を用いているが、ポリアセター
ル等の機械的強度が大きなエンジニアリングプラスチッ
ク等によって成形することができる。
【0090】このホルダロック部材77は、図1等に示
すように、メカシャーシ17に立設された支点軸89に
よって回動自在に支持されている。このホルダロック部
材77には、ツメ先を後方に向けて設けた係止ツメ77
aと、イジェクトレバー76の押圧部76aに当接され
る受圧部77bと、コイルばね88の一端が係止される
ばね受け片77cとが設けられている。更に、ホルダロ
ック部材77には、支点軸89を中心として円周方向に
円弧状に延びる複数の円弧溝77dが設けられていて、
各円弧溝77dには、メカシャーシ17に立設された複
数個の規制ピン89aがそれぞれ摺動可能に係合されて
いる。
【0091】この規制ピン89aの1個にはコイルばね
88の他端が係止されており、このコイルばね88のば
ね力によってホルダロック部材77が、受圧部77bを
押圧部76aに近づける方向に付勢されている。そし
て、ホルダロック部材77の回動量が、円弧溝77dに
係合された規制ピン89aによって所定位置に規制され
ている。このホルダロック部材77の係止ツメ77a
は、カートリッジホルダ16がメカシャーシ17内に挿
入された状態において係合ピン24に係合され、これに
よりカートリッジホルダ16がロックされる。
【0092】このカートリッジホルダ16の下方には、
付勢部材の一具体例を示すコイルばねからなるポップア
ップばね78が配置されている。このポップアップばね
78は、カートリッジホルダ16をメカシャーシ17に
装着した状態では圧縮され、ホルダロック機構を解除す
ることにより跳上げ傾動されて、図2に示すように、そ
の付勢力によってカートリッジホルダ16の前側が持ち
上げられる。そして、このカートリッジホルダ16の持
ち上げ量が起上規制部材としてのポップアップ抑止板7
9によって制限されている。ポップアップばね78とし
ては、本例の他にも板ばね等のばね材を用いることがで
きることは勿論のこと、合成ゴム等のゴム状弾性体を適
用することもできる。
【0093】ポップアップ抑止板79は、縦断面形状が
J字状をなしていて、その上部側には、断面方向と平行
となるように軸受片79aが設けられている。このポッ
プアップ抑止板79の軸受片79aには軸ピン79bが
固着されており、この軸ピン79bが支持ブラケット9
0に回動自在に支持されている。この支持ブラケット9
0は取付ねじ等の固着手段によってメカシャーシ17に
固定されており、これによりポップアップ抑止板79
が、支持ブラケット90を介してメカシャーシ17に上
下方向へ俯仰自在に取り付けられている。このポップア
ップ抑止板79は、図3に示すように、先端側のフック
部が上述したホルダ補強軸20の小径部20aに摺動可
能に係合されており、このポップアップ抑止板79によ
ってカートリッジホルダ16の上方への回動(仰動)が
制限されている。
【0094】また、メカシャーシ17の奥側で上述した
回動アクチュエータ51の先端部近傍には、一対のスラ
イダ52a,52b間の間隔を一時的に広げるためのラ
ンプ91が配設されている。このランプ91は、一対の
スライダ52a,52b間に挿入されるランプアーム9
2と、回動アーム55の背面側を押圧してスライダ52
a,52bをカートリッジ側に移動させる押圧部93等
を備えている。このランプ91の材質としては、例え
ば、ポリアセタール(POM)等の合成樹脂材料が好適
であるが、他の合成樹脂材料を用いることもできる。
【0095】このランプ91には、一対の互いに平行と
された直線ガイド軸94a,94bが摺動可能に貫通さ
れている。この一対の直線ガイド軸94a,94bの前
後両端部は、前後とも一対の軸受ブロック96と軸押え
片96aとによって上下から挟持され、これによりメカ
シャーシ17に固定されて両端支持されている。これら
直線ガイド軸94a,94bの中途部上方にランプアー
ム92が配置されている。
【0096】このランプアーム92は、回動アクチュエ
ータ51の上下サスペンション58a,58bに設けた
凸部61a,61bの移動軌跡上に設定されており、上
下一対のスライダ52a,52bはランプアーム92の
外側を移動するように構成されている。そして、図7に
示すように、ランプアーム92の先端部の上下両面に
は、凸部61a,61bが容易に乗り上がることができ
るように傾斜面92aが設けられている。
【0097】このランプ91をスピンドルモータ12側
に付勢するコイルばね95は、その一端がランプ91に
設けたばね係止片91aに係止されていて、他端はメカ
シャーシ17に固定されたばね受けピン97に係止され
ている。そして、このコイルばね95のばね力による前
方への移動を、一対の直線ガイド軸94a,94b間に
配置されてメカシャーシ17に固定されたストッパピン
98によって制限している。また、回動アクチュエータ
51がスピンドルモータ12から離れる方向へ向かう移
動量は、その背面側に配設され且つメカシャーシ17に
固定されたストッパ軸69によって制限されている。
【0098】更に、位置決めピン80は、メカシャーシ
17の前部両側部に一対設けられている。この位置決め
ピン80には、ディスクカートリッジ1の位置決め孔1
4a,14bがそれぞれ嵌め込まれ、これによってディ
スクカートリッジ1の平面方向への位置決めがなされ
る。また、位置決めピン80の2本とカートリッジ支持
ピン81の2本は、ディスクカートリッジ1の四隅を支
持するようにメカシャーシ17に立設されており、これ
によってディスクカートリッジ1の高さ方向の位置決め
がなされている。
【0099】以上のように構成されるディスク駆動機構
30とシャッタ開き機構40と情報記録再生機構50と
ディスクローディング機構70とを合体する。即ち、図
2に示すように、メカシャーシ17内にカートリッジホ
ルダ16を嵌め込み、このカートリッジホルダ16の後
端部を回動自在に支持する左右の支持ブラケット19を
所定位置にねじ止めする。これにより、メカシャーシ1
7に固定されたスピンドルモータ12の上方にカートリ
ッジホルダ16のカートリッジ保持部が対応される。以
上のようにして、本実施例のディスク記録再生装置が構
成される。
【0100】〔4〕 ディスク記録再生装置の動作 次に、以上のように構成されるディスク記録再生装置の
動作を説明する。
【0101】(4−1) ディスクカートリッジの挿入
初期状態 図2に示すように、カートリッジホルダ16の前部がポ
ップアップした状態では、カートリッジ挿入口18が開
かれてディスクカートリッジ1の挿入が可能になる。
【0102】この状態から、図13に示すように、カー
トリッジ挿入口18にオフセット円弧部6側からディス
クカートリッジ1を押して差し込む。このとき、カート
リッジホルダ16の側面部に設けられたシャッタ開き機
構40のシャッタ開きレバー41は、コイルばね42の
ばね力によって入力片41bの先端部が開口部23b内
に大きく入り込み、その反作用として作用片41cが開
口部23aに小さく入り込んでいる。そして、カートリ
ッジホルダ16の側面部に設けられたガイド溝10の移
動軌跡前方に、シャッタ開きレバー41の入力片41b
の先端に設けられた当接部41dが位置している。
【0103】(4−2) ディスクカートリッジのシャ
ッタ開放前状態 次に、図14に示すように、ディスクカートリッジ1を
押して深く差し込むと、カートリッジホルダ16内に大
きく入り込んでいるシャッタ開きレバー41の当接部4
1dがガイド溝10の導入部10cに当接し、この導入
部10cの傾斜面に押圧されてシャッタ開きレバー41
が、コイルばね42の付勢力に抗して、同図において時
計方向に回動される。これにより、シャッタ開きレバー
41の当接部41dがガイド溝10の幅広部10a内に
入り込む。これと同時に、シャッタ開きレバー41の作
用片41cがガイド溝10の操作部10d内に入り込
む。そして、この作用片41cが上下の傾斜面10eに
ガイドされて幅狭部10bに導かれ、この幅狭部10b
の前側に位置するシャッタ部材4の操作ツメ4fに当接
する。
【0104】(4−3) ディスクカートリッジのシャ
ッタ開放後状態 更に、図15に示すように、ディスクカートリッジ1を
更に押圧して所定位置まで差し込むと、ディスクカート
リッジ1の移動がカートリッジホルダ16の左右のスト
ッパ片22a,22bによって制限され、そのディスク
収容室3内に収容されたハードディスクHDがディスク
駆動機構30のスピンドルモータ12の上方に対応され
る。
【0105】この際、シャッタ部材4の操作ツメ4fが
シャッタ開き機構40のシャッタ開きレバー41の作用
片41cに押されてガイド溝10の幅狭部10bの後端
部まで移動すると、シャッタ部材4が支点軸2fを中心
として、図15において時計方向に回動される。これに
より、シャッタ部材4のシャッタ板4aとコア開閉板4
bとが同方向に移動するため、それまでシャッタ板4a
によって閉じられていたヘッド挿入口7とコア開閉板4
bによって閉じられていたセンタコア穴9とが開かれ
る。これにより、カートリッジホルダ16に対するディ
スクカートリッジ1の挿入動作が完了する。
【0106】(4−4) ハードディスクのローディン
グ初期状態 次に、図2に示すような状態でメカシャーシ17から前
側部分が飛び出しているカートリッジホルダ16の前部
をポップアップばね78の付勢力に抗して押圧する。こ
れにより、カートリッジホルダ16がメカシャーシ17
内に挿入され、ディスクカートリッジ1のディスク筐体
2がメカシャーシ17の2本のカートリッジ位置決めピ
ン兼用の支持ピンと2本のカートリッジ支持ピン81上
に載置される。
【0107】その結果、ディスクカートリッジ1が4本
のカートリッジ支持ピン80,81によって四隅を下方
から支持され、これにより高さ方向の位置決めがなされ
る。これと同時に、ディスクカートリッジ1の左右一対
の位置決め穴14a,14bにメカシャーシ17の2本
の位置決めピン80が係合され、この位置決めピン80
の円錐部80aによってディスクカートリッジ1の面方
向のガタが吸収され、これによりディスクカートリッジ
1の面方向の位置決めがなされる。
【0108】この際、ディスクカートリッジ1内に収容
されているハードディスクHDのセンタコア11がスピ
ンドルモータ12のマグネットによって吸引される。こ
れにより、ハードディスクHDがスピンドルモータ12
と回転方向に一体となされ、スピンドルモータ12を駆
動することによってハードディスクHDが一体に回転駆
動される。
【0109】また、図16に示すように、カートリッジ
ホルダ16がメカシャーシ17内に押し込まれることに
より、この押込動作と連動するように設けられる操作ス
イッチの作動により、或いは、その後に手動で操作され
る操作開始スイッチの操作によって駆動モータ71が回
転駆動される。この駆動モータ71の始動により、その
回転軸に固定されたウォーム72の回転力が、これに噛
合するウォームホイール73からギア73aと中間ギア
82aと出力ギア82bを介してギア部74aからカム
ギア74に伝達される。
【0110】このとき、情報記録再生機構50の回動ア
クチュエータ51は、カムギア74の作用によって全体
がディスクカートリッジ1の外側に押し出されており、
マウントプレート57a,57b部分においてドッグレ
ッグのように曲げられている回動アクチュエータ51の
先端部に取り付けられている上下のスライダ52a,5
2bは、シャッタ板4aの後退動作によって開放されて
いるヘッド挿入口7の外側に対応されている。
【0111】即ち、回動アクチュエータ51の回動アー
ム55に設けたカム用突起55bの外端がカムギア74
のカム周面74bに接触されていると共に、回動アーム
55の外側にはストッパ軸69が位置しているため、こ
れらによって挟まれることにより回動アクチュエータ5
1がロックされている。また、ランプ91がコイルばね
95のばね力でスピンドルモータ12側に引っ張られ
て、そのランプアーム92が上下のサスペンション58
a,58b間に入り込んでいるため、図7に示すよう
に、各サスペンション58a,58bの凸部61a,6
1bによってスライダ52a,52bが互いに離反する
方向へ広げられている。そして、ランプ91はストッパ
ピン98に当接しているため、これによって前面側への
移動が阻止されている。
【0112】更に、カムギア74のカム溝74cに係合
されているカムピン84は、カム溝74cの最外周部に
位置している。そのため、一方のアームの先端にカムピ
ン84を有するイジェクトレバー76は、図16に示す
ような姿勢となっており、他方の先端に設けた押圧部7
6aは、ホルダロック機構のホルダロック部材77の受
圧部77bから離反されている。そして、イジェクトア
ーム86の先端に設けたカートリッジ押圧ピン87は、
ディスクカートリッジ1の後方に位置している。
【0113】(4−5) ハードディスクのローディン
グ途中状態 図17に示すように、駆動モータ71の駆動によってカ
ムギア74が時計方向に若干回動されると、回動アクチ
ュエータ51にはコイルばね95のばね力がランプ91
の押圧部93から常時入力されているため、このコイル
ばね95のばね力によって回動アクチュエータ51には
反時計方向の付勢力が作用する。その結果、回動アーム
55のカム用突起55bが、カムギア74のカム周面7
4bの一端に設けたカム作用端部74eを回り込んでカ
ム逃げ部74d内に入り込むため、回動アクチュエータ
51が反時計方向に回動される。
【0114】これにより、ドッグレッグ型回動アクチュ
エータ51の回動側先端部に設けられた上下のサスペン
ション58a,58bがディスクカートリッジ1のヘッ
ド挿入口7内に入り込み、その先端部に取り付けられた
上下のスライダ52a,52bがハードディスクHDの
外周部に接近する。このとき、イジェクトレバー76の
カムピン84は、カムギア74のカム溝74cの同じく
最外周部に位置しているため、イジェクトレバー76及
びイジェクトアーム86の姿勢に変化は生じない。
【0115】(4−6) ハードディスクのローディン
グ完了状態 カムギア74の回動により、図18に示すように、回動
アーム55のカム用突起55bがカムギア74のカム逃
げ部74d内に完全に入り込むと、このカムギア74に
よる回動アクチュエータ51の回動制御が解除される一
方、駆動コイル56とマグネット37とからなるボイス
コイルモータによる自動制御が開始される。これによ
り、ハードディスクHDのローディングが完了し、ハー
ドディスクHDの上面には上スライダ52aが対向さ
れ、下面には下スライダ52bが対向される。
【0116】その結果、ハードディスクHDの回転によ
る空気力学的な効果によって上下のスライダ52a,5
2bがハードディスクHDの表面からそれぞれ若干浮き
上げられ、その浮上された状態でハードディスクHDの
半径方向にスライダ52a,52bが移動可能とされ
る。これにより、各スライダ52a,52bに設けられ
た磁気ヘッド8がハードディスクHDの情報記録面上を
移動し、この磁気ヘッド8により、その情報記録面に予
め記録されている情報信号を読み出して情報の再生が実
行され、若しくは、その情報記録面に新たに情報信号を
書き込む情報の記録が実行される。
【0117】この場合、本実施例の回動アクチュエータ
51はドッグレッグ型をなしており、その先端側のサス
ペンション58a,58b及びマウントプレート57
a,57bがヘッド挿入口7に対して略直角方向に出入
りするため、ヘッド挿入口7の広さを最小限に小さくす
ることができる。従って、ディスクカートリッジ1内に
侵入するおそれのある埃の最も侵入し易いヘッド挿入口
7を可及的に小さくして、埃の侵入を確実に防止し若し
くはその侵入を効果的に抑制することができる。そし
て、ディスクカートリッジ1には、その先端側にオフセ
ット円弧部6を設ける構造としたため、従来の四角形の
ディスクカートリッジに比べてメカシャーシ17内のス
ペースの有効利用を図ることができる。
【0118】(4−7) ハードディスクのアンローデ
ィング状態(カートリッジ排出時) 情報の記録又は再生の終了後或いは記録又は再生時、イ
ジェクト用操作釦(図示せず)の操作によってコントロ
ール装置にカートリッジ排出の命令が指示されると、回
動アクチュエータ51のボイスコイルモータの速度制御
によって回動アーム55の先端側がハードディスクHD
の外周側に移動し、図17及び図9に示すようにサスペ
ンション58a,58bがランプアーム92に乗り上げ
てアンロードする。その後、駆動モータ71が逆方向に
回転駆動され、カムギア74がディスクローディング時
とは逆の回転を始める。
【0119】その結果、図19に示すように、カムギア
74が反時計方向に回動されることにより、カムギア7
4のカム作用端部74eが回動アーム55のカム用突起
55bに反時計回りに当接し、回動アクチュエータ51
を回動軸54を中心として時計方向に回動させる。これ
により、カム用突起55bがカムギア74のカム周面7
4bに乗り上げるため、回動アクチュエータ51が図1
6で示す当初の姿勢に変化する。これと同時に、回動ア
クチュエータ51の反時計方向の回動によってランプ9
1の押圧部93が背面側に押圧されるため、ランプ91
がコイルばね95の付勢力に抗して背面側に後退移動
し、アンローディング状態にロックされる。
【0120】この場合、回動アーム55の回動中心Oか
らスライダ52a,52b先端までの長さ(以下「アー
ム長さ」という。)をSL、回動アーム55の回動中心
Oからカム作用端部74eとカム用突起55bとの接触
部までの長さ(以下「押圧長さ」という。)をPLとす
ると、回動アーム55を後退動作させてスライダ52
a,52bをヘッド退避位置に位置決めする際にカム用
突起55bを押圧するカム作用端部74eの作用位置か
ら回動中心Oまでの押圧長さPLがアーム長さSLの1
/3よりも長くなっている。そのため、アーム長さSL
の1/3よりも遠いところを押圧して回動アーム55を
回動させることができることから、カムによるアームの
変位量の拡大比を小さくして、その回動制御を精度良く
行うことができる。因みに、従来のこの種のディスク記
憶装置においては押圧長さがアーム長さの1/5〜1/
10であり、カム側の微細な変位によってアーム側が大
きく変位することになるため、回動制御のための精度が
出し難かった。
【0121】また、このように回動アーム55の回動制
御を行うボイスコイルモータにおいては、駆動コイル5
6のマグネット37と重なり合う部分、即ち、駆動コイ
ル56の左右の側縁部56a,56b(図16参照)に
おいてトルクが発生する。この駆動コイル56の側縁部
56a,56bは、図17に示すように、マグネット3
7のN極及びS極の内側に位置するときには大きなトル
クを発生するが、どちらか一方の側縁部56a又は56
bがマグネット37の中心線MC(N極とS極の着磁の
境界線)にかかるとトルクが急激にダウンしてしまい、
回動制御の性能に悪影響を与えることになる。
【0122】これに対して、本実施例によれば、図17
に示すように、スライダ52a,52bがハードディス
クHDの外周部にあるときには、駆動コイル56の両側
縁部56a,56bがいずれもマグネット37の中心線
MCにかかっていないため、トルクダウンを生じること
なくそのトルクを確実に伝達して回動アーム55を所定
量だけ回動させることができる。そして、駆動コイル5
6の両側縁部56a,56bがマグネット37の中心線
MCを横切ることなく移動して、図18に示すように、
スライダ52a,52bがハードディスクHDの最内周
部に移動したときにも、両側縁部56a,56bのいず
れもが中心線MCにかかっていないためトルクダウンを
生じることがない。従って、この回動アクチュエータ5
1によれば、ボイスコイルモータによる自動制御が必要
な領域においては、その全範囲でトルクダウンを生ずる
ことなく、回動アーム55を精度よく回動制御すること
ができる。
【0123】この際、図17を経て図16の状態に戻る
と駆動コイル56の一方の側縁部56aが中心線MCに
かかってトルクダウンを生じ、また、図19に示すよう
に一方の側縁部56aが中心線MCを越えて他方の側縁
部56bと同極側に移動し、回動アーム55及びランプ
91が完全に退避した状態になると、ボイスコイルモー
タは全くトルクを生じなくなるが、ここへの移動はカム
ギア74のカムによって行われるため、上記トルクダウ
ンが問題となることがない。
【0124】また、回動アーム55の後退時には、その
回動アーム55の後退動作によってランプ91が後退さ
れ、ヘッド挿入口7からランプアーム92が排出され
る。この場合、ランプ91の挿通孔91b,91cには
メカシャーシ17に平行に支持された2本の直線ガイド
軸94a,94bが摺動可能に挿通されているため、両
直線ガイド軸94a,94bにガイドされてランプ91
が直線的に後退動作する。尚、ランプ91の後退動作
は、2本のガイド軸を曲線軸として円弧状に移動させる
構成とすることもできる。
【0125】次に、イジェクトレバー76のカムピン8
4は、カムギア74のカム溝74cの最外周部から最内
周部に移動するため、イジェクトレバー76が支点軸8
5を中心として時計方向に回動される。これにより、一
方では、イジェクトレバー76の押圧部76aがホルダ
ロック機構のホルダロック部材77の受圧部77bに当
接し、コイルばね88のばね力に抗してホルダロック部
材77を反時計方向に回動させる。
【0126】これにより、ホルダロック部材77の係止
ツメ77aがカートリッジホルダ16の係合ピン24か
ら外れ、カートリッジホルダ16をメカシャーシ17に
対して水平に保持しているロック状態が解除される。そ
の結果、ポップアップばね78のばね力によってカート
リッジホルダ16の前側が持ち上げられる一方、その持
ち上げ量が、カートリッジホルダ16に架設されたホル
ダ補強軸20の小径部20aに先端側が係合されている
ポップアップ抑止板79によって制限され、図2のよう
な状態に復帰される。
【0127】これと同時に、イジェクトレバー76に連
動してイジェクトアーム86が同方向に回動することに
より、その先端に設けたカートリッジ押圧ピン87が後
方からディスクカートリッジ1のオフセット円弧部6に
当接する。そして、左右一対の押え板ばね25によって
カートリッジホルダ16の保持板16d,16e側に付
勢されているディスクカートリッジ1が、イジェクトア
ーム86の押圧力によって前側へ押し出される。これに
より、図19に示すように、ディスクカートリッジ1の
グリップ切欠き2c側がカートリッジ挿入口18から所
定量だけ突出される。従って、この突出部を把持して引
き出すことにより、ディスクカートリッジ1をカートリ
ッジホルダ16から容易に取り出すことができる。
【0128】このとき、例えば装置の故障により或いは
使用者が手でディスクカートリッジ1を押えて排出動作
を阻止しようとすると、ディスクカートリッジ1を押し
出そうとしているイジェクトアーム86に大きな抵抗力
が加えられるが、このイジェクトアーム86は板状のば
ね材によって形成されているため、その弾性変形によっ
て上記抵抗力が吸収される。従って、ディスクカートリ
ッジ1の無理な排出動作による装置の故障発生を防止
し、スムースな排出動作を確保することができる。更
に、カートリッジホルダ16のポップアップ動作とディ
スクカートリッジ1の排出動作とが、イジェクトレバー
76とイジェクトアーム86とが一体化された1つのイ
ジェクト部材によって行われるため、この種の動作を簡
単且つ確実に行うことができ、動作の信頼性を向上させ
ることができる。
【0129】以上説明したが、本発明は上記実施例に限
定されるものではなく、例えば、上記実施例において
は、ハードディスクの上下両面に対して上下の磁気ヘッ
ドにより情報の記録及び/又は再生を行う装置について
説明したが、ハードディスクの上又は下のいずれか一面
に対してのみ情報の記録及び/又は再生を行う装置に適
用することができる。更に、上記実施例では、ハードデ
ィスクHDに予め記録されている情報の再生を行うと共
に新たな情報の記録も可能なポップアップ方式の記録再
生装置に適用した例について説明したが、例えばフロン
トパネルにディスク挿入スロットを設けたスロットイン
方式のディスク記録再生装置に適用できることは勿論の
こと、情報の記録又は再生の一方のみを行うことができ
るディスク装置に適用することもできる。このように、
本発明は、上述した実施例に限定されるものではなく、
その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更できるものであ
る。
【0130】
【発明の効果】以上のように本発明によればディスク記
憶装置において、読取り/書込みヘッドがディスクカー
トリッジ装填部の外部からディスクカートリッジの装填
終了後にディスクカートリッジ内に、回転支持部材の回
転により移動挿入されるように構成したので、ディスク
カートリッジ装填部に対するディスクカートリッジの装
填及び排出時は読取り/書込みヘッドは回転支持部材と
共にディスクカートリッジ装填部の外部に移動させてお
くことにより、ディスクカートリッジとは干渉されず、
これにより装填部に対するディスクカートリッジの装填
排出をいわゆるポップアップ方式やディスクカートリッ
ジを装置内で昇降させるタイプのスロットイン方式が可
能になり、従って、情報記録媒体を回転駆動するスピン
ドルモータは、昇降機構を備えることなく、装填部の底
面に固定することができる。
【0131】これにより安定性、確実性が要求され複雑
でコスト高の原因となっていたスピンドルモータの昇降
機構が不要になる他、昇降のためのスペース特に厚みが
不要となるため、装置全体の小型化、薄型化が可能とな
る。
【0132】またスピンドルモータの昇降動作が無くな
りスピンドルモータは回転支持部材としての同一一部面
上に固定できるようになるため、スピンドルモータと回
転支持部材の相対位置精度、ひいてはスピンドルモータ
上のハードディスクと回転支持部材上のヘッドの相対位
置精度が良くなり、記憶装置の性能も向上する。さらに
カートリッジを装填しない状態でもスピンドルモータが
固定されることになるので、非使用時も含めた記憶装置
の耐衝撃性も向上することになる。
【0133】また、本発明は回転支持部材を略L字型に
屈曲形成した回動アクチュエータアームにより構成する
ことにより、ディスクの最内周部分を読取り/書込みす
る場合でもアーム回転中心近傍までカートリッジの内部
に挿入する必要が無くなり、アーム回転中心からヘッド
までの距離の1/3以上を常時カートリッジの外に置く
ことができる。従ってカートリッジ排出時にヘッドをカ
ートリッジの外部に移動位置決めするために、ヘッドの
搭載された回転支持部材をカートリッジ外部の機構で移
動位置決めする際に、回転中心からヘッドまでの距離の
1/3以上回転中心から離れた位置を使用することによ
り、従来に比べて大幅に精度良く、しかも小さく力で安
定した動作が行えるようになる。
【0134】またディスク排出時にランプをカートリッ
ジの外部に移動位置決めする際も、上記のように精度良
く位置決めされる回転支持部材で位置決めされるように
構成したので、ランプも精度良く位置決めされる。
【0135】さらに本発明では、回転支持部材で移動位
置決めされるランプを直線状に移動させるようにしたの
で、回転支持部材の位置のばらつきが拡大されてランプ
の位置のばらつきになることが無い。しかも回転支持部
材を略L字型としているので、回転中心から離れた位置
でランプを移動位置決めすることが出来、従来に比較し
大幅に位置決め精度をあげる事が出来る。
【0136】また本発明では回転支持部材の移動位置決
めに、この回転支持部材が設置されているシャーシ上に
軸着されたカム機構で直線駆動する方式をとっている。
これにより同一シャーシ上の2つの部品で精度が出せる
ので、精度が高く部品点数も少なく出来る。これは回転
支持部材を略L字型にしたことにより、回転支持部材位
置決めに使用出来る部分の自由度が広がったために実現
できている。またこのカムをアームやランプの位置決め
だけで無く、ポップアップするカートリッジホルダのロ
ック解除や、カートリッジの排出にも使用し、部品点数
を削減している。
【0137】また本発明では回動アクチュエータアーム
を駆動するボイスコイルモータのマグネットのN極、S
極の中心線を、ディスクの読取り/書込みに必要な部分
の中心線すなわちディスクの外周と内周に対応する回動
の中心にほぼ一致させている。そのためボイスコイルモ
ータのトルクがディスクの最内周で落ち込むことが無
く、ボイスコイルモータを小型薄型化しても安定したサ
ーボ特性が得られ、ディスク記憶装置の小型薄型化も可
能となる。
【0138】また、スピンドルモータ部分およびシャー
シの構成を簡単化できてコストを低減できる等の効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のディスク記録再生装置の一実施例を示
すもので、メカシャーシに収容されたディスク駆動機
構、情報記録再生機構及びディスクローディング機構を
示す外観斜視図である。
【図2】本発明のディスク記録再生装置のメカシャーシ
とカートリッジホルダを合体した状態の斜視図である。
【図3】図2に示すディスク記録再生装置のカートリッ
ジホルダの要部を拡大して示す分解斜視図である。
【図4】図1に示すメカシャーシの内部構造の要部を拡
大して示す分解斜視図である。
【図5】図1に示すディスク記録再生装置のディスクロ
ーディング機構の要部を示すもので、カムギアと回動ア
ームとの関係を示す説明図である。
【図6】図1に示すディスク記録再生装置のディスクロ
ーディング機構の要部を示すもので、カムギアとカムピ
ンとの関係を示す説明図である。
【図7】図1に示すディスク記録再生装置の情報記録再
生機構の要部を示すもので、回動アクチュエータとラン
プとの関係を示す説明図である。
【図8】図1に示すディスク記録再生装置の情報記録再
生機構の要部を示すもので、回動アームの断面図であ
る。
【図9】図1に示すディスク記録再生装置の情報記録再
生機構のスライダの第1実施例を示す斜視図である。
【図10】図1に示すディスク記録再生装置の情報記録
再生機構のスライダの第2実施例を示す斜視図である。
【図11】図1に示すディスク記録再生装置の情報記録
再生機構のスライダの第3実施例を示す斜視図である。
【図12】図1に示すディスク記録再生装置に係るディ
スクカートリッジの一部を切断して示す斜視図である。
【図13】図1に示すディスク記録再生装置のディスク
カートリッジの挿入初期状態を示す平面図である。
【図14】図1に示すディスク記録再生装置のディスク
カートリッジのシャッタ開放前の状態を示す平面図であ
る。
【図15】図1に示すディスク記録再生装置のディスク
カートリッジのシャッタ開放後の状態を示す平面図であ
る。
【図16】図1に示すディスク記録再生装置のハードデ
ィスクのローディング初期状態を示す平面図である。
【図17】図1に示すディスク記録再生装置のハードデ
ィスクのローディング途中状態を示す平面図である。
【図18】図1に示すディスク記録再生装置のハードデ
ィスクのローディング完了状態を示す平面図である。
【図19】図1に示すディスク記録再生装置のハードデ
ィスクのアンローディング状態を示す平面図である。
【図20】従来のディスク記録再生装置の一例を示す斜
視図である。
【図21】従来のディスク記録再生装置の装置本体にデ
ィスクカートリッジを挿入した状態を示す平面図であ
る。
【図22】従来のディスクカートリッジを示す分解斜視
図である。
【符号の説明】 1 ディスクカートリッジ、 4 シャッタ部材、 4
a シャッタ板、 4b コア穴開閉板、 4f 操作
ツメ、 5 シャッタばね、 6 オフセット円弧部、
7 ヘッド挿入口、 8 磁気ヘッド、 10 ガイ
ド溝、 12スピンドルモータ、 16 カートリッジ
ホルダ、 17 メカシャーシ、 18 カートリッジ
挿入口、 30 ディスク駆動機構、 40 シャッタ
開き機構、 41 シャッタ開きレバー、 50 情報
記録再生機構、 51 回動アクチュエータ、 52
a,52b スライダ、 55 回動アーム、 57
a,57b マウントプレート、 58a,58b サ
スペンション、 70 ディスクローディング機構、
74 カムギア、 76 イジェクトレバー、 77ホ
ルダロック部材、 84 カムピン、 86 イジェク
トアーム、 91ランプ、 92 ランプアーム、HD
ハードディスク(ディスク状記録媒体)
【手続補正2】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図1
【補正方法】変更
【補正内容】
【図1】
【手続補正3】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図4
【補正方法】変更
【補正内容】
【図4】
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図11
【補正方法】変更
【補正内容】
【図11】
【手続補正5】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図16
【補正方法】変更
【補正内容】
【図16】
【手続補正6】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図17
【補正方法】変更
【補正内容】
【図17】
【手続補正7】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図18
【補正方法】変更
【補正内容】
【図18】
【手続補正8】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図19
【補正方法】変更
【補正内容】
【図19】
【手続補正9】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図21
【補正方法】変更
【補正内容】
【図21】
フロントページの続き (72)発明者 高橋 和夫 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 大嶋 英司 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 両面を読取り/書込み可能としたディス
    ク状の情報記録媒体が回転自在に収納されたディスクカ
    ートリッジを、回転駆動機構を備えたディスクカートリ
    ッジ装填部に着脱可能に装填し、このディスクカートリ
    ッジ内に上記ディスクカートリッジ装填部の外側に軸着
    される回転支持部材により支持された読取り/書込みヘ
    ッドを挿入して回転駆動される上記情報記録媒体の記録
    面上に移動対応させて情報の読取り/書込みを行うよう
    にしたディスク記憶装置において、 上記読取り/書込みヘッドは上記ディスクカートリッジ
    装填部の外部から上記ディスクカートリッジの装填後、
    上記ディスクカートリッジ内に、上記回転支持部材の回
    転により移動挿入されるようにしたことを特徴とするデ
    ィスク記憶装置。
  2. 【請求項2】 上記読取り/書込みヘッドを上記情報記
    録媒体の面上に移動案内するランプが上記回転支持部材
    の回転に伴い、上記ディスクカートリッジ装填部の外部
    から上記ディスクカートリッジの装填後、上記ディスク
    カートリッジ内に移動挿入され、所定位置で係止される
    ようにしたことを特徴とする請求項1に記載のディスク
    記憶装置。
  3. 【請求項3】 上記回転支持部材の回転動作と上記読取
    り/書込みヘッドを上記ディスク状記憶媒体の面上に案
    内するランプの移動と上記ディスクカートリッジを排出
    させるイジェクトレバー部材の動作を動作モード切り替
    え手段の回転カム機構により行うようにしたことを特徴
    とする請求項1に記載のディスク記憶装置。
JP8244302A 1996-08-26 1996-08-26 ディスク記憶装置 Pending JPH1064206A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8244302A JPH1064206A (ja) 1996-08-26 1996-08-26 ディスク記憶装置
US08/917,692 US6151190A (en) 1996-08-26 1997-08-26 Removable disk storage apparatus and device for accessing the recording medium supported therein
US09/697,057 US6480360B1 (en) 1996-08-26 2000-10-27 Method of accessing a disk-like recording medium in a disk cartridge

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8244302A JPH1064206A (ja) 1996-08-26 1996-08-26 ディスク記憶装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1064206A true JPH1064206A (ja) 1998-03-06

Family

ID=17116725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8244302A Pending JPH1064206A (ja) 1996-08-26 1996-08-26 ディスク記憶装置

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JP (1) JPH1064206A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005267829A (ja) * 2004-02-18 2005-09-29 Sony Corp 記録媒体ドライブ装置及びこれを備えた電子機器

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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