JPH1059974A - フタロシアニン化合物の製造方法 - Google Patents

フタロシアニン化合物の製造方法

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JPH1059974A
JPH1059974A JP22000896A JP22000896A JPH1059974A JP H1059974 A JPH1059974 A JP H1059974A JP 22000896 A JP22000896 A JP 22000896A JP 22000896 A JP22000896 A JP 22000896A JP H1059974 A JPH1059974 A JP H1059974A
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phthalocyanine
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JP22000896A
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Nobuaki Sasaki
宣明 佐々木
Mansuke Matsumoto
万助 松本
Tatsu Oi
龍 大井
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Yamamoto Chemicals Inc
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Yamamoto Chemicals Inc
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フタロシアニン化合物を簡単な操作により、
高純度で製造する方法を提供する。 【解決手段】 一般式(2) 【化1】 (式(2)中、環Aは置換基を有してもよいベンゼン環
または置換基を有してもよいナフタレン環であり、これ
ら置換基がアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基または水酸基であ
るものを示す。)で表される1−アミノ−3−イミノイ
ソインドレニン化合物の硝酸塩の1〜4種と、塩基、ま
たは塩基および金属化合物とから製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は染料、顔料、光電機
能材料および情報記録材料等として有用なフタロシアニ
ン化合物、ナフタロシアニン化合物(以下、両者を合わ
せてフタロシアニン化合物と略称する)の製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】フタロシアニン化合物は熱、光、酸、ア
ルカリに対して高堅牢性を示し、吸光係数が高いことが
よく知られている。また、近赤外領域に吸収を有するた
め、該領域に主波長を持つ半導体レーザーの急速な発展
と相俟って、情報記録分野での用途が広がってきてい
る。
【0003】フタロシアニン化合物の製法については、
1930年代から種々の方法が行われてきた。フタロ
ニトリル化合物と金属ハロゲン化物等とを、キノリンあ
るいはトリクロロベンゼン等の不活性溶媒中で加熱する
方法(Barrett等、J. Chem.Soc., 1936, 1719-1736)、
フタル酸無水物誘導体と金属塩とを、モリブデン酸ア
ンモニウム等の触媒存在下に尿素中で加熱する方法(PB
85172,FIAT FinalReport 1313, Feb. 1, 1948)、o
−シアノベンズアミド誘導体と金属化合物とを加熱する
方法(米国特許第2,025,791号明細書 1935年
12月31日)、1,3−ジイミノイソインドリン化合物
と金属塩とを親水性溶媒中で反応させる方法(特開昭4
8−22117号公報、特開昭49−53624号公
報)が知られている。特にはWyler法としてよく
知られ、原料の入手性、コスト面で有利な製造法であ
る。
【0004】ところが、〜の製法は共通して、高純
度のフタロシアニン化合物を得ることが難しいという問
題点を有している。このため特に溶解性の極めて低い目
的化合物を得る場合は、精製手段として簡便な溶媒精製
を用いることができないという点で致命的である。ま
た、の製法においては精製操作を行わなくても純度の
高いフタロシアニン化合物を得ることができるが、原料
である1,3−ジイミノイソインドリン化合物の入手性
に問題がある。1,3−ジイミノイソインドリン化合物
は通常、入手性のよい置換フタル酸無水物から多数の反
応工程(無水物からイミド、アミド、ジニトリル、1,
3−ジイミノイソインドリン化合物の4工程)を経て製
造されるため、高価でかつ入手効率が低く、実用面で不
利である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フタ
ロシアニン化合物を簡単な操作により、高純度で製造す
る方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記した
課題を解決するために鋭意検討した結果、特定の中間体
を経由してフタロシアニン化合物を製造することにより
上記した課題が解決されることを見いだし、本発明を完
成するに到った。
【0007】即ち、本発明は、一般式(1)
【0008】
【化5】 (式(1)中、環Aは各々独立に置換基を有してもよい
ベンゼン環または置換基を有してもよいナフタレン環で
あり、これら置換基がアルキル基、アルコキシ基、アリ
ールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基または
水酸基であるものを示し、Bは2個の水素原子、金属原
子または金属化合物を示す。)で表されるフタロシアニ
ン化合物の製造方法において、一般式(2)
【0009】
【化6】 (式(2)中、環Aは一般式(1)における環Aと同義
である。)で表される1−アミノ−3−イミノイソイン
ドレニン化合物の硝酸塩の1〜4種と、塩基、または塩
基および金属化合物とから製造することを特徴とする一
般式(1)のフタロシアニン化合物の製造方法に関す
る。
【0010】さらに、本発明は 一般式(3)〜(8)
【0011】
【化7】 (式(3)〜式(8)において、環Aは一般式(1)に
おける環Aと同義である。)から選ばれるフタル酸誘導
体の少なくとも1種と硝酸アンモニウムと尿素とを触媒
の存在下に反応させて、前記一般式(2)の1−アミノ
−3−イミノイソインドレニン化合物の硝酸塩を製造
し、次いでこの1−アミノ−3−イミノイソインドレニ
ン化合物の硝酸塩の1〜4種と塩基または塩基および金
属化合物を反応させる、前記一般式(1)のフタロシア
ニン化合物の製造方法に関する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の製造方法を具体
的に説明する。
【0013】本発明は前記一般式(1)で表されるフタ
ロシアニン化合物の製造において、前記一般式(2)で
表される1−アミノ−3−イミノイソインドレニン化合
物の硝酸塩1〜4種と、塩基、または塩基および金属化
合物とから製造する方法である。
【0014】一般式(1)および(2)における環A
は、置換基を有していてもよいベンゼン環または置換基
を有していてもよいナフタレン環である。これらの置換
基としてはアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基、水酸基が挙げら
れる。
【0015】アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ
基のアルキル部分としては、炭素数1〜20のアルキル
基が好ましいが、炭素数1〜8のアルキル基が更に好ま
しい。
【0016】アリールオキシ基、アリールチオ基のアリ
ール部分としては、特にフェニル基、ナフチル基が好ま
しく、このフェニル基、ナフチル基は更に置換基として
炭素数1〜8のアルキル基、ハロゲン原子を有してもよ
い。
【0017】一般式(1)における環Aの置換基の具体
例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル
基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル
基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、ヘキサデシル
基、オクタデシル基等のアルキル基、メトキシ基、エト
キシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基、ヘ
キシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ
基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、デシルオキシ
基、ヘキサデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基等の
アルコキシ基、フェノキシ基、4−t−ブチルフェノキ
シ基、4−エチルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ
基、2−ナフチルオキシ基等のアリールオキシ基、メチ
ルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ
基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、ヘプチルチオ
基、オクチルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、ド
デシルチオ基、ヘキサデシルチオ基、オクタデシルチオ
基等のアルキルチオ基、フェニルチオ基、4−t−ブチ
ルフェニルチオ基、ナフチルチオ基等のアリールチオ
基、および水酸基が挙げられる。
【0018】一般式(1)におけるBは、2個の水素原
子、金属原子または金属化合物であり、金属化合物とし
ては、金属ハロゲン化物、金属酸化物または金属水酸化
物が挙げられる。
【0019】Bの具体例としては、銅、銀、亜鉛、カド
ミウム、バリウム、水銀、ガリウム、錫、鉛、バナジウ
ム、アンチモン、クロム、モリブデン、マンガン、コバ
ルト、ニッケル、ロジウム、パラジウム、オスミウム、
白金等の金属原子、一塩化アルミニウム、一塩化インジ
ウム、二塩化バナジウム、二塩化チタニウム等の金属ハ
ロゲン化物、バナジル、チタニル等の金属酸化物、二水
酸化ケイ素、二水酸化錫、水酸化マンガン、水酸化アル
ミニウム等の金属水酸化物を挙げることができる。
【0020】本発明で製造可能な一般式(1)で表され
るフタロシアニン化合物の好ましい具体例としては、無
金属フタロシアニン、銅フタロシアニン、臭化アルミニ
ウムフタロシアニン、臭化インジウムフタロシアニン、
チタニルフタロシアニン、バナジルフタロシアニン、マ
ンガンフタロシアニン、コバルトフタロシアニン、ニッ
ケルフタロシアニン、パラジウムフタロシアニン、白金
フタロシアニン等の無置換フタロシアニン類、テトラメ
チル無金属フタロシアニン、テトラメチル銅フタロシア
ニン、テトラt−ブチルコバルトフタロシアニン、テト
ラt−ペンチルニッケルフタロシアニン、テトラt−オ
クチルバナジルフタロシアニン等のアルキル置換フタロ
シアニン類、テトラメトキシ無金属フタロシアニン、テ
トラエトキシパラジウムフタロシアニン、テトラブトキ
シチタニルフタロシアニン、テトラペンチルオキシ銅フ
タロシアニン、テトラヘキシルオキシ白金フタロシアニ
ン、テトラオクチルオキシコバルトフタロシアニン、オ
クタメトキシバナジルフタロシアニン、ヘキサデカエト
キシ銅フタロシアニン等のアルコキシ置換フタロシアニ
ン類、オクタフェノキシ亜鉛フタロシアニン、ヘキサデ
カナフチルオキシバナジルフタロシアニン等のアリール
オキシ置換フタロシアニン類、テトラエチルチオニッケ
ルフタロシアニン、オクタブチルチオパラジウムフタロ
シアニン、ヘキサデカオクチルチオ銅フタロシアニン等
のアルキルチオ置換フタロシアニン類、テトラフェニル
チオマンガンフタロシアニン、オクタフェニルチオ臭化
インジウムフタロシアニン、ヘキサデカ(4−t−ブチ
ルフェニルチオ)銅フタロシアニン、ヘキサデカナフチ
ルチオバナジルフタロシアニン等のアリールチオ置換フ
タロシアニン類、テトラヒドロキシ無金属フタロシアニ
ン、オクタヒドロキシ銅フタロシアニン等の水酸基置換
フタロシアニン類、
【0021】無金属ナフタロシアニン、銅ナフタロシア
ニン、臭化アルミニウムナフタロシアニン、臭化インジ
ウムナフタロシアニン、チタニルナフタロシアニン、バ
ナジルナフタロシアニン、マンガンナフタロシアニン、
コバルトナフタロシアニン、ニッケルナフタロシアニ
ン、パラジウムナフタロシアニン、白金ナフタロシアニ
ン等の無置換ナフタロシアニン類、テトラt−ブチル銅
ナフタロシアニン、テトラt−ペンチルバナジルナフタ
ロシアニン、テトラt−オクチルコバルトナフタロシア
ニン等のアルキル置換ナフタロシアニン類が挙げられ
る。
【0022】また、本発明の製法において、一般式
(2)の1−アミノ−3−イミノイソインドリン化合物
の硝酸塩の2〜4種を使用し、塩基、または塩基及び金
属化合物と反応させることにより、1分子中にベンゼン
環とナフタレン環が混在する一般式(1)のフタロシア
ニン化合物及び/または各環Aに異なる置換基を有する
一般式(1)のフタロシアニン化合物も製造できる。こ
れらのフタロシアニン化合物の例としては、例えば、特
開昭63−57289号公報、特開昭63−25092
号公報、特開昭63−139789号公報、特開平2−
240167号公報等に開示の化合物が挙げられる。
【0023】本発明の製造法において、まず一般式
(2)で表される1−アミノ−3−イミノイソインドリ
ン化合物の硝酸塩を生成させる。
【0024】一般式(2)の硝酸塩は、好ましくは、下
記式(3)〜(8)から選ばれる少なくとも1種の化合
物と、硝酸アンモニウム、尿素、触媒の存在下に、必要
に応じ不活性溶媒を使用して加熱撹拌することにより製
造される。
【0025】
【化8】 (式(3)〜(8)において、環Aは前記式(1)にお
ける環Aと同義である。)
【0026】硝酸塩形成反応においては、反応温度は1
40〜200℃が好ましく、反応時間は2〜48時間が
好ましい。
【0027】式(3)〜式(8)の化合物に対する硝酸
アンモニウムの使用モル比は1〜4倍モルが好ましい。
【0028】触媒としてはモリブデン酸アンモニウムが
好ましく用いられ、その使用モル比は、式(3)〜式
(8)の化合物に対し、0.0001〜0.1倍モル、
好ましくは0.0001〜0.001倍モルである。
【0029】尿素の使用モル比は、式(3)〜式(8)
の化合物に対し、2〜20倍モル、好ましくは4〜10
倍モルである。
【0030】不活性溶媒は撹拌をなめらかにする意味
と、発泡による内容物の盛り上がりを防ぐ意味で用いる
ことができる。使用できる不活性溶媒としては、クロロ
ベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、ニ
トロベンゼン、クロロナフタレン等を挙げることができ
る。
【0031】一般式(1)のフタロシアニン化合物は、
一般式(2)の1−アミノ−3−イミノイソインドレニ
ン化合物の硝酸塩の1〜4種と、塩基、または塩基およ
び金属化合物とから製造される。
【0032】この硝酸塩からフタロシアニン化合物を製
造する反応は、上記で説明した一般式(2)の硝酸塩製
造時の反応混合物に塩基と金属化合物(無金属フタロシ
アニン化合物を得る場合には不要)とを加え、反応させ
てもよいし、一旦一般式(2)の硝酸塩を単離後、塩
基、または塩基および金属化合物とともに、必要に応じ
て溶媒を使用して反応させてもよい。
【0033】式(2)の硝酸塩からフタロシアニン化合
物を形成する反応においては、反応温度は100〜20
0℃が好ましく、120〜185℃がさらに好ましい。
【0034】反応時間は1〜24時間が好ましい。
【0035】塩基としては、DBU(1,8−ジアザビ
シクロ[5.4.0]−7−ウンデセン)、DABCO
(1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン)、
1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン等
の有機塩基やナトリウムメチラート、ナトリウムエチラ
ート、ナトリウムt−ブチラート、カリウムメチラー
ト、カリウムエチラート、カリウムt−ブチラート等の
金属アルコラート類が使用可能である。
【0036】塩基の使用量は、一般式(2)の硝酸塩に
対し、1〜10倍モル量である。
【0037】金属化合物としては、銅、銀、亜鉛、カド
ミウム、バリウム、水銀、アルミニウム、ガリウム、イ
ンジウム、チタニウム、錫、鉛、バナジウム、アンチモ
ン、クロム、モリブデン、マンガン、コバルト、ニッケ
ル、ロジウム、パラジウム、オスミウム、白金等のハロ
ゲン化物、酸化物、オキシ塩化物、カルボン酸塩、カル
ボニル錯体およびアセチルアセトン錯体が使用できる。
【0038】金属化合物の使用量は、一般式(2)の硝
酸塩に対し、0.20〜0.30倍モルである。
【0039】硝酸塩からフタロシアニン化合物を形成す
る反応において使用できる溶媒としては、硝酸塩の製造
時に用いたクロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリク
ロロベンゼン、ニトロベンゼン、クロロナフタレン等の
不活性溶媒の他に1−ブタノール、1−ペンタノール、
1−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノー
ル、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデカノ
ール、1−ドデカノール等のノルマルアルコール類、ス
ルホラン、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、1,3−ジメチル−2−イ
ミダゾリジノン等の極性溶媒が挙げられる。特に1−ブ
タノール、1−ペンタノール、1−オクタノールを用い
ると、極めて高純度のフタロシアニン化合物を得ること
ができる。
【0040】反応後、得られたフタロシアニン化合物を
必要に応じ溶媒洗浄、アルカリ洗浄、酸洗浄、水洗浄等
を行うことによって不純物の除去が可能となる。硝酸塩
を単離してフタロシアニン化合物の製造に用いた場合に
は、フタロシアニン化合物は溶媒洗浄するだけで高純度
品が得られることが多い。
【0041】本製造方法で得たフタロシアニン化合物は
高純度であり、他の方法で得たものよりもグラム吸光係
数が極めて高い。
【0042】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明する。
【0043】(実施例1)フタル酸無水物14.8g
(0.1モル)に、尿素30g、硝酸アンモニウム16
g(0.2モル)、モリブデン酸アンモニウム0.1g
を加え、145〜165℃で6時間撹拌した。冷却後、
2−エチルヘキサノール70ml、DBU30.4g
(0.2モル)、塩化第一銅2.49g(0.025モ
ル)を添加し、180〜190℃で5時間反応させた。
冷却後、析出物を濾取、5%水酸化ナトリウム水溶液、
5%塩酸水溶液、水各30mlずつで、順次3回洗浄し
た。乾燥後、青色粉末10.4g(収率72%)を得
た。
【0044】このものは、元素分析値、赤外吸収スペク
トルより目的の銅フタロシアニンであることを確認し
た。
【0045】
【表1】
【0046】(実施例2〜7)表2に示す原料であるフ
タル酸誘導体および金属化合物を用いた以外は実施例1
と同様の操作を行い、それぞれ対応するフタロシアニン
化合物を得た。収率、粉見、グラム吸光係数の相対強度
比をまとめて表2に示す。
【0047】グラム吸光係数の相対強度比は、本実施例
で用いたものと同じフタル酸誘導体からWyler法で
得たフタロシアニン化合物の、最も長波長側の吸収極大
におけるグラム吸光係数を1とした時の、本実施例によ
る製法で得たフタロシアニン化合物のグラム吸光係数の
強度比を示し、値が高い程純度が高いことを示す。
【0048】
【表2】 実施例1〜7において、フタル酸誘導体の環Aはベンゼ
ン環である。
【0049】(実施例8)ナフタレン−2,3−ジカル
ボン酸無水物54.9g(0.3モル)に、尿素90g
(1.5モル)、硝酸アンモニウム48g、モリブデン
酸アンモニウム0.3g(0.24ミリモル)、オルト
ジクロロベンゼン300mlを加え、150〜155℃
で40時間反応後、60℃で析出物を濾取した。メタノ
ール200mlで洗浄、次いで水200mlで洗浄後、
乾燥し、ベンゾジイミノイソインドリンの硝酸塩67.
1g(収率86.6%)を白色結晶として得た。元素分
析値、質量分析値、赤外吸収スペクトルより、目的の
1,3−ジイミノ−5,6−ベンゾイソインドリン硝酸
塩と同定した。本化合物の赤外吸収スペクトルを図1に
示す。
【0050】この化合物の融点は、170〜170.4
℃であった。
【0051】
【表3】 質量分析値 M/e=195 (硝酸塩の形では出なかった) 赤外吸収スペクトル νNH=3320cm-1,νC=N =1660cm-1,ν
NO3 =1350cm-1
【0052】このようにして得た1,3−ジイミノ−
5,6−ベンゾイソインドリン硝酸塩25.8g(0.
1モル)をn−オクタノール80ml中に分散し、DB
U39.1g(0.26モル)、塩化バナジル4.33
g(0.025モル)を順次添加、120〜125℃で
10時間反応させた。室温まで冷却後、析出物を濾取
し、メタノール20mlで洗浄した。乾燥後、緑青色の
粉末15.38g(収率79.4%)を得た。元素分析
値、赤外吸収スペクトルよりバナジルナフタロシアニン
と同定した。
【0053】この化合物の硫酸中でのグラム吸光係数
は、9.85×104 ml/g・cmであった。
【0054】
【表4】
【0055】(比較例1)ナフタレン−2,3−ジカル
ボン酸無水物6.0g(0.03モル)に尿素13.7
g(0.23モル)、モリブデン酸アンモニウム4水和
物0.60g、スルホラン30g、三塩化バナジル1.
73g(0.01モル)を順次添加し、185〜190
℃で5時間反応させた。60℃に冷却後、メタノール1
00mlを加え、30分間還流させた。熱時に析出物を
濾取し、メタノール10mlで2回洗浄後、乾燥した。
暗緑色の粉末8.55gが得られた。このものの硫酸中
でのグラム吸光係数は、5.03×104 ml/g・c
mであった。
【0056】実施例8で得たバナジルナフタロシアニン
の比較例1で得たそれに対するグラム吸光係数の相対強
度比は1.96であった。
【0057】
【発明の効果】表2および実施例8のグラム吸光係数の
相対強度比から明らかなように、本発明の方法によりフ
タロシアニン化合物を高純度で得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例8で合成した1,3−ジイミノ−5,6
−ベンゾイソインドリン硝酸塩の赤外吸収スペクトルで
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大井 龍 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 東圧化学株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式(1)中、環Aは各々独立に置換基を有してもよい
    ベンゼン環または置換基を有してもよいナフタレン環で
    あり、該置換基がアルキル基、アルコキシ基、アリール
    オキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基または水酸
    基であるものを示し、Bは2個の水素原子、金属原子ま
    たは金属化合物を示す。)で表されるフタロシアニン化
    合物の製造方法において、一般式(2) 【化2】 (式(2)中、環Aは一般式(1)における環Aと同義
    である。)で表される1−アミノ−3−イミノイソイン
    ドレニン化合物の硝酸塩の1〜4種と、塩基、または塩
    基および金属化合物とから製造することを特徴とする一
    般式(1)のフタロシアニン化合物の製造方法。
  2. 【請求項2】 一般式(3)〜(8) 【化3】 (式(3)〜式(8)において、環Aは置換基を有して
    もよいベンゼン環または置換基を有してもよいナフタレ
    ン環であり、これら置換基がアルキル基、アルコキシ
    基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ
    基または水酸基であるものを示す。)から選ばれるフタ
    ル酸誘導体の少なくとも1種と硝酸アンモニウムと尿素
    とを触媒の存在下に反応させて、一般式(2) 【化4】 (式(2)中、環Aは一般式(1)における環Aと同義
    である。)で表される1−アミノ−3−イミノイソイン
    ドレニン化合物の硝酸塩を製造し、次いでこの1−アミ
    ノ−3−イミノイソインドレニン化合物の硝酸塩の1〜
    4種と塩基または塩基および金属化合物を反応させるこ
    とを特徴とする、請求項1のフタロシアニン化合物の製
    造方法。
JP22000896A 1996-08-21 1996-08-21 フタロシアニン化合物の製造方法 Pending JPH1059974A (ja)

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