JPH1058490A - 射出成形用金型 - Google Patents

射出成形用金型

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JPH1058490A
JPH1058490A JP8225218A JP22521896A JPH1058490A JP H1058490 A JPH1058490 A JP H1058490A JP 8225218 A JP8225218 A JP 8225218A JP 22521896 A JP22521896 A JP 22521896A JP H1058490 A JPH1058490 A JP H1058490A
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JP
Japan
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gate
cavity
mold
resin
template
Prior art date
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Withdrawn
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JP8225218A
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English (en)
Inventor
Yoshinao Konno
嘉奈男 紺野
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SAKURA PLAST KK
Original Assignee
SAKURA PLAST KK
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Publication date
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Priority to TW086108474A priority patent/TW397758B/zh
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Priority to US08/902,629 priority patent/US5962042A/en
Priority to IDP972926A priority patent/ID18127A/id
Priority to CN97117679A priority patent/CN1078842C/zh
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Withdrawn legal-status Critical Current

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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/26Moulds
    • B29C45/27Sprue channels ; Runner channels or runner nozzles
    • B29C45/2701Details not specific to hot or cold runner channels
    • B29C45/2708Gates

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】成形品とゲート内で硬化した樹脂との連結部を
切離す際に成形品側に残留する樹脂を少なくして、成形
品にに大きな突起が形成されないようにする。 【解決手段】開閉自在に設けられた第1の型板12と第
2の型板13とを備えた金型本体内にキャビティ14と
ランナー15とゲート16とを設ける。ゲート16のキ
ャビティ側の端部16aをキャビティから外れる方向に
偏心させて設けることにより、ゲートのキャビティ側端
部16aの一部のみをキャビティ14内に開口させる。 【効果】成形品20aとゲート16内で硬化した樹脂2
0bとの間に引張り力を作用させた際に、ゲート内で硬
化した樹脂を成形品20a側に残留させることなく容易
に切断することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、射出成形法により
合成樹脂を成形する際に用いる射出成形用金型に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】一般に射出成形機に用いられる金型は、
分割可能な第1及び第2の型板を有する金型本体を備え
ていて、この金型本体の内部に、成形品の形状に相応し
た形のキャビティ(溶融樹脂が充填される空所)と、該
キャビティに向けて溶融樹脂を流動させる樹脂流路と、
該樹脂流路を通して供給される溶融樹脂をキャビティ内
に射出させるゲートとが形成される。第1の型板及び第
2の型板の少なくとも一方は、分割面に対して直角な方
向に変位し得るように支持されていて、これらの型板の
相対的な変位により、金型本体が開閉させられるように
なっている。
【0003】成形時には、第1の型板及び第2の型板の
分割面に沿う端面が互いに突き合わされ、適宜の型締機
構により両型板が締め付けられて金型本体が閉じた状態
にされる。その状態で溶融樹脂がゲートを通してキャビ
ティ内に射出させられて、成形品が形成される。成形が
行われた後、第1及び第2の型板が互いに離れる方向に
変位させられて金型本体が開かれ、成形品が取り出され
る。
【0004】図11は従来から用いられている射出成形
用金型における金型本体1の要部の構成を示したもので
ある。金型本体1は、分割面PLの位置で第1及び第2
の型板2及び3に分割されるようになっており、成形時
に第1及び第2の型板2及び3の分割面PLに沿う端面
2a及び3aが互いに突き合わせた状態にされる。図示
の例では、第1の型板2の内部に、キャビティ4の一部
を形成するキャビティ形成部4aと、成形機のノズルか
ら射出された溶融樹脂5を受け入れるスプルー6とが形
成されている。第2の型板3の内部には、キャビティ4
の他の部分を形成するキャビティ形成部4bと、スプル
ー6内に注入された溶融樹脂を分割面PLに沿ってキャ
ビティ4側に流動させるランナー7と、ランナー7を通
して供給された溶融樹脂をキャビティ4の側面側から該
キャビティ内に射出するゲート8とが形成されている。
この例では、スプルー6とランナー7とにより、溶融樹
脂をキャビティに向けて流動させる樹脂流路が構成され
ている。
【0005】上記のように、キャビティ4の側面側から
分割面PLに沿ってキャビティ内に樹脂を射出するよう
に設けられるゲートは、サブマリンゲートまたはトンネ
ルゲートと呼ばれている。
【0006】図11に示した例では、同時に複数個の成
形品を得るために、スプルー5の右側に他のキャビティ
が設けられていて、該他のキャビティに樹脂を供給する
ためのランナー7がスプルー6に接続されている。
【0007】図示の例では、第2の型板3が空気圧シリ
ンダなどにより駆動されて、図示のように第1の型板2
に突き合わされた状態にされる閉位置と、第1の型板2
から引き離された状態になる開位置との間を変位させら
れる。成形時には、第2の型板3が閉位置に配置され
て、図示しない型締機構により、溶融樹脂の射出圧力に
耐えるように第1の型板2に対して締め付けられる。
【0008】図11に示した金型を用いて射出成形を行
う際には、第1の型板2及び第2の型板3を型締機構に
より締め付けた状態でスプルー6内に溶融樹脂5を射出
し、該溶融樹脂をランナー7及びゲート8を通してキャ
ビティ4内に注入することにより、樹脂成形体9を形成
する。この樹脂成形体9は、キャビティ4内に充填され
た樹脂が硬化することにより形成された目的の成形品9
aと、ゲート8内に残留した樹脂が硬化することにより
形成されたゲート内樹脂成形体9bと、ランナー7内に
残留した樹脂が硬化することにより形成されたランナー
内樹脂成形体9cと、スプルー6内に残留した樹脂が硬
化することにより形成されたスプルー内樹脂成形体9d
とが連結した構造を有している。
【0009】金型本体内に溶融樹脂を射出した後、第2
の型板3を開位置に変位させて、スプルー内樹脂成形体
9dをスプルー6から離脱させるとともに、キャビティ
4内の成形品9aを第1の型板2内のキャビティ形成部
4aから離型させる。更に図示しないエジェクタピンに
よりキャビティ内の成形品9aを第2の型板3内のキャ
ビティ形成部4bから離型させ、その際に、成形品9a
をゲート内樹脂成形体9bから切り離す。
【0010】図12は従来の他の射出成形用金型の本体
1の要部を示したもので、この例では、第1の型板2内
にランナー7とゲート8とが、分割面PLに対して直角
な方向に沿うように設けられている。ゲート8は、キャ
ビティ4のゲートが接続される部分の中心位置に指向す
るように設けられていて、分割面PLに対して直角な方
向に相対するキャビティの両端部の一方の側から該キャ
ビティ内に溶融樹脂を射出するようになっている。この
ように、分割面に対して直角な方向からキャビティ内に
樹脂を射出するように設けられるゲートは、ピンポイン
トゲートと呼ばれている。
【0011】図12に示した金型を用いて成形を行う場
合には、金型本体1内に溶融樹脂を射出した後、ランナ
内樹脂成形体9cの図示しない上端部を拘束した状態で
第1及び第2の型板2及び3を同時に図面上で下方に変
位させることにより、成形品9aとゲート内樹脂成形体
9bとの間に引張り力を作用させてゲート内樹脂成形体
9bを成形品9aから切り離すとともに、ランナー内樹
脂成形体9cを第1の型板2内のランナー7から離脱さ
せる。その後第1の型板2を停止させて第2の型板3の
みを図示の矢印方向に移動させることにより成形品9a
を第1の型板2内のキャビティ形成部4aから離脱さ
せ、図示しないエジェクタピンにより成形品9aを第2
の型板3内のキャビティ形成部4bから離脱させる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】図11に示したよう
に、サブマリンゲートによりキャビティ4内に樹脂を射
出するようにした場合には、成形品9aをキャビティ4
から離脱させる際に、成形品9aとゲート内樹脂成形体
9bとの境界部を剪断により容易に切り離すことができ
るため、樹脂の射出から成形品の離型に至る成形機の全
工程の自動運転を容易に行わせることができる。
【0013】しかしながら、サブマリンゲートを採用し
た金型では、成形品9aとゲート内樹脂成形体9bとの
間を切り離した際に、ゲート8のキャビティ側の開口部
付近に樹脂の破片が残留してゲートの目詰りが生じるこ
とがあり、このゲートの目詰まりにより、次の成形の際
の湯回りが悪くなって、ヒケなどの成形不良が生じるこ
とがあった。このように、サブマリンゲートを備えた金
型を用いた場合には、ある程度の数の成形不良品が生じ
るのを避けられないため、製品の歩留まりが悪くなると
いう問題があった。
【0014】これに対し、図12に示すように、ピンポ
イントゲートを備えた金型を用いた場合には、成形品を
離型させる際にゲート内樹脂成形体の切り離しを剪断に
より行うのではなく、成形品とゲート内樹脂成形体との
間にゲートの軸線方向に沿う引張り力を作用させること
によりゲート内樹脂成形体の切り離しを行うため、ゲー
トの目詰まりが生じることはなく、湯回りの不良に基く
成形不良が生じることはほとんどない。
【0015】ところが、ピンポイントゲートを採用した
場合には、ゲート内樹脂成形体9bを成形品9aから引
きちぎる形で切り離すことになるため、ゲート8の中心
部の樹脂が十分に硬化していない状態でゲート内樹脂成
形体9bを成形品から切り離すと、ゲート内の中心部の
軟らかい樹脂が糸を引く状態になって成形品9a側に残
留し、図13に示したように、該残留樹脂により成形品
9aの外面に大きな突起9a1が形成されてしまう。
【0016】そこで、ピンポイントゲートを採用した金
型を用いる場合には、金型内に溶融樹脂を射出した後、
ゲート内の中心部の樹脂を十分に硬化させるために必要
な冷却時間をおいてから、ゲート内樹脂成形体9bを成
形品9aから切り離すように成形機の動作サイクルを設
定することにより、成形品9aに大きな突起9a1が形成
されないようにしている。
【0017】ところが、上記のように成形機の動作サイ
クルを設定しておいても、成形が何度も繰り返されてゲ
ートの内面が汚れてくると、ゲートの内面を通して行わ
れる放熱が悪くなって、ゲート内の中心部の樹脂が硬化
するまでに相当の時間がかかるようになるため、やがて
ゲート内樹脂成形体9bを成形品9aから切り離す際に
ゲート内の中心部の樹脂が未だ硬化していない状態が生
じ、ゲート内樹脂成形体9bを切り離す際に成形品9a
に大きな突起9a1が形成されるようになる。
【0018】したがって、ピンポイントゲートを採用し
た従来の射出成形用金型を用いた場合には、金型を短い
周期でクリーニングする必要があり、金型のメインテナ
ンスの周期が短くなって、生産性が悪くなるという問題
があった。
【0019】本発明の目的は、ゲートの目詰まりによる
成形不良が生じることがないようにして製品の歩留まり
を向上させ、しかもメインテナンスの周期を長くして、
生産性を向上させることができるようにした射出成形用
金型を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、分割可能な第
1及び第2の型板を有する金型本体を備えていて、キャ
ビティ(成形品を得るために溶融樹脂が充填される空
所)と、該キャビティに向けて溶融樹脂を流動させる樹
脂流路と、該樹脂流路を通して供給される溶融樹脂を第
1及び第2の型板の分割面に対してほぼ直角な方向に沿
ってキャビティ内に射出するゲートとが該金型本体の内
部に形成される射出成形用金型に係わるものである。
【0021】本発明においては、ゲートのキャビティ側
の端部を該キャビティから外れる方向に偏心させた状態
で設けることにより、ゲートのキャビティ側の端部の一
部分のみをキャビティ内に開口させるようにした。
【0022】上記のように、ゲートのキャビティ側の端
部の一部分のみをキャビティ内に開口させるようにする
と、ゲート内で硬化した樹脂のキャビティ側の端部に、
成形品の側面から張り出した張出し部分(成形品につな
がっていない部分)が生じる。そのため、成形品を離型
させる際に、キャビティとゲート内で硬化した樹脂との
間に引張り力を作用させると、ゲート内で硬化した樹脂
の張出し部分と成形品との間の境界部に応力の集中が生
じ、該境界部に容易に亀裂が生じる。そのため、成形品
を離型させる際に、ゲート内の樹脂を容易に成形品から
切り離すことができ、離型した成形品に突起が形成され
難くすることができる。またゲート内で硬化した樹脂
は、亀裂の進展により、最終的には樹脂の硬化が最も早
く進むゲートの内面に近い位置で成形品から切り離され
るため、成形が何度も繰り返されて金型の内面が相当に
汚れた状態になっても、ゲート内の樹脂が切り離される
際に樹脂が糸を引く状態になって大きな突起が形成され
ることはない。したがって、金型のメイテナンスの周期
を従来よりも長くすることができ、生産性を向上させる
ことができる。
【0023】上記ゲートが第1の型板内にあって、第2
の型板側に開口するように設けられる場合には、ゲート
のキャビティ側の端部をキャビティから外れる方向に偏
心させた状態にして、第1及び第2の型板が突き合わさ
れた状態にあるときに、ゲートのキャビティ側の端部の
一部分のみがキャビティ内に開口し、ゲートのキャビテ
ィ側の端部の他の部分が分割面に沿う第2の型板の端面
に対向するようにすればよい。
【0024】また上記ゲートが第1の型板内でキャビテ
ィに接続されるように設けられる場合には、ゲートのキ
ャビティ側の端部を該キャビティから外れる方向に偏心
させた状態で設けることにより該ゲートのキャビティ側
の端部の一部分のみをキャビティ内に開口させ、ゲート
のキャビティ側の端部の他の部分は、キャビティのゲー
ト側の端部に隣接する位置に形成した終端面により終端
するようにすればよい。
【0025】本発明に係わる金型に設けるゲートは、従
来の金型に設けられていたピンポイントゲートと同様
に、分割面に対して直角な方向に沿うように設けばよい
が、本発明においては、必ずしもゲートを正確に分割面
に対して直角な方向に沿わせる必要はなく、場合によっ
ては、ゲート内で硬化した樹脂の離型を妨げない範囲
で、該ゲートを分割面に対して直角な方向から僅かに傾
斜した方向に沿わせた状態で設けるようにしてもよい。
その意味で、本発明においては、ゲートを、分割面に対
して「ほぼ直角」な方向に沿うように設けるとしてい
る。
【0026】本発明において、金型本体は、第1及び第
2の型板の他に更に他の型板等を備えていてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】図1(A),(B)及び図2
(A),(B)は本発明に係わる射出成形用金型に設け
られる金型本体11の種々の構成例を示したもので、こ
れらの例に示された金型本体11は、分割可能な第1及
び第2の型板12及び13を備えている。第1及び第2
の型板12及び13は、分割面PLに対して直角な方向
に変位し得るように支持され、成形時には、図示のよう
に第1及び第2の型板12及び13の分割面PLに沿う
端面12a及び13aが互いに突き合わされて、金型本
体11が閉じた状態にされる。金型本体11の内部に
は、成形品の形状に相応した形のキャビティ14と、キ
ャビティ14に向けて溶融樹脂を流動させる樹脂流路の
一部を構成するランナー15と、ランナー15を通して
供給される溶融樹脂をキャビティ14内に射出するゲー
ト16とが形成されている。
【0028】図1(A),(B)及び図2(A),
(B)にそれぞれ示した例では、キャビティの設け方に
差異があるが、これらの例において、ゲートの設け方に
ついての基本思想は同一である。
【0029】図1(A)に示した例では、第1の型板1
2内に第2の型板13側に開口した型穴17が形成され
ている。第2の型板13には型穴17内に挿入されるコ
ア18が固定され、図示のように第1の型板12と第2
の型板13とが突き合わされて金型本体11が閉じられ
た状態で、型穴17の内面とコア18との間にキャビテ
ィ14が形成されるようになっている。ランナー15は
分割面PLに対して直角な方向に沿って第2の型板13
側に延びるように設けられていて、該ランナー15の先
端部はキャビティ14側に向うにしたがって次第にその
内径が小さくなるように形成されている。ランナー15
の先端の最小径部とキャビティ14との間を接続するよ
うにゲート16が形成されている。図示の例では、キャ
ビティ14のゲートに接続される端部(第1の型板側の
端部)側の輪郭形状が円環状を呈しており、ゲート16
はその横断面が円形を呈するように形成されている。
【0030】本発明においては、ゲート16のキャビテ
ィ側の端部16aを、該キャビティから外れる方向に偏
心させた位置に配置することにより、ゲート16のキャ
ビティ側の端部の一部のみをキャビティ内に開口させる
ようにする。即ち、本発明においては、図3に示したよ
うに、ゲート16のキャビティ14側の端部16aの中
心位置O1 を、キャビティ14のゲートに接続される部
分の中心位置(キャビティを幅方向に2分する位置)O
2 に対して一定の距離Δxだけキャビティの外周側に偏
位させることにより、ゲート16のキャビティ側の端部
16aの一部16a1(図3において斜線を施した部分)
のみをキャビティ14内に開口させ、ゲートのキャビテ
ィ側の端部16aの他の部分16a2は適当な面に対向さ
せて終端する。図1(A)に示した例では、ゲートのキ
ャビティ側の端部16aの他の部分16a2をキャビティ
14のゲート側の端部に隣接する位置に形成した終端面
19に対向させて終端している。
【0031】図1(B)に示した例では、キャビティ1
4が第1の型板12内に形成されたキャビティ形成部1
4aと第2の型板13内に形成されたキャビティ形成部
14bとからなっていて、該キャビティ14が第1及び
第2の型板に跨って形成されている。その他の点は図1
(A)に示した例と同様である。
【0032】図2(A)に示した例では、キャビティ1
4が第1の型板12内に形成されたキャビティ形成部1
4aと第2の型板13内に形成されたキャビティ形成部
14bとからなっていて、該キャビティ14が第1及び
第2の型板に跨って形成されている。キャビティ14の
第1の型板12側の端部の一部に僅かな深さΔtを有す
る凹部14cが形成され、該凹部14cの底部のところ
てゲート16がキャビティ14に接続されている。図示
の例では、凹部14cの深さΔtが第1の型板12内の
キャビティ形成部14aの深さに等しく設定され、凹部
14cの底部が第2の型板13の端面13aと同一面上
に配置されている。
【0033】ゲート16は、そのキャビティ側の端部1
6aが第2の型板13側に(第1の型板の端面12a
に)開口するように設けられている。ゲートのキャビテ
ィ側の端部16aはキャビティ14から外れる方向に偏
心させられていて、図示のように第1及び第2の型板を
突き合わせた状態で、ゲートのキャビティ側の端部16
aの一部分16a1のみがキャビティ14内に開口させら
れ、ゲートのキャビティ側の端部16aの他の部分16
a2は、分割面に沿う第2の型板13の端面に対向させら
れて終端されている。
【0034】図2(B)に示した例では、第2の型板1
3内にのみキャビティ14が形成され、該キャビティ1
4のゲート側の端部は第1の型板12側に開口してい
る。ゲート16は、そのキャビティ側の端部16aを第
2の型板13側に開口させた状態で設けられている。ゲ
ートのキャビティ側の端部16aはキャビティ14から
外れる方向に偏心させられていて、図示のように第1及
び第2の型板12及び13を突き合わせた状態で、ゲー
トのキャビティ側の端部の一部分16a1のみがキャビテ
ィ14内に開口させられ、ゲートのキャビティ側の端部
16aの他の部分16a2は、分割面PLに沿う第2の型
板13の端面13aに対向させられて終端されるように
なっている。
【0035】図1(A),(B)及び図2(A),
(B)にそれぞれ示した例においては、ゲートのキャビ
ティ側端部16aのキャビティ14内に開口する部分1
6a1の断面積(図3に斜線を施して示した部分の面積)
がゲート開口部の有効断面積S1となり、ゲートのキャ
ビティ側端部16aの終端される部分16a2の断面積が
ゲート開口部の無効断面積S2 となる。本発明において
は、有効断面積S1 をキャビティ14内に溶融樹脂を十
分に充填するために必要な大きさに設定し、有効断面積
S1 と無効断面積S2 との比S1 /S2 を、ゲート内の
樹脂を成形品側にほとんど残留させることなく、成形品
をゲート内の樹脂から切り離すために必要な大きさに設
定する。ゲート内の樹脂を成形品側にほとんど残留させ
ることなく、成形品をゲート内の樹脂から切り離すため
には、S1 /S2 を小さく設定することにより、金型の
汚れが進んでゲートの内面を通して行われる放熱が悪く
なった際に樹脂の硬化が遅れるゲート内の中心部付近
を、キャビティ内に開口させないようにすることが望ま
しい。
【0036】上記の金型を用いて射出成形を行う際に
は、図示のように第1及び第2の型板12及び13を突
き合わせた状態で、図示しないスプルーからランナー1
5とゲート16とを通してキャビティ14内に樹脂を射
出して樹脂成形体20を形成する。この樹脂成形体20
は、キャビティ14内に形成される成形品20aと、ゲ
ート16内に形成されるゲート内樹脂成形体20bと、
ランナー16内に形成されるランナー内樹脂成形体20
cと、図示しないスプルー内に形成されるスプルー内樹
脂成形体とが一体に連結したものである。
【0037】樹脂を射出した後、ランナー内樹脂成形部
20cを動かないように拘束した状態で、第1及び第2
の型板12及び13を分割面PLと直交する方向に沿っ
てスプルーと反対側に同時に移動させることにより、成
形品20aとゲート内樹脂成形体20bとの間に引張り
力を作用させ、これにより、ゲート内樹脂成形体20b
を成形品20aから切り離す。その後、第1及び第2の
型板12及び13を更に変位させて、ゲート内樹脂成形
体20b及びランナー内樹脂成形体20cを第1の型板
12から離脱させる。次いで、第2の型板13を第1の
型板12から離れる方向に該第1の型板12に対して相
対的に変位させて、成形品20aを第1の型板12から
離脱させ、その後、図示しないエジェクタピンにより成
形品20aを第2の型板13から離脱させる。
【0038】上記のように、ゲートのキャビティ側の端
部16aをキャビティ14から外れる方向に偏心させ
て、該ゲートの一部分16a1のみをキャビティ内に開口
させるようにすると、図4(A)に示すように、ゲート
内樹脂成形体20bのキャビティ側の端部に、成形品2
0aの側面から張り出した張出し部分20b1が生じる。
そのため、成形品を離型させる際に、図4(B)に示す
ようにキャビティ内の成形品20aとゲート内樹脂成形
体20bとの間に引張り力を作用させると、ゲート内樹
脂成形体の張出し部分と成形品との間の境界部Qに応力
の集中が生じる。境界部Qに応力の集中が生じると容易
に亀裂21が生じる。この亀裂21は図4(C)に示す
ように容易に切れ目22に進展するため、図4(D)に
示すように、ゲート内樹脂成形体20bが成形品20a
から無理なく切り離される。
【0039】ゲート内樹脂成形体20bは、上記亀裂2
1の進展により、最終的には、ゲート16の内面に近い
位置G(図4(C)参照)で成形品20aから切り離さ
れる。ゲート16の内面に近い位置Gでは、ゲート内面
からの放熱により樹脂が早期に硬化するため、上記のよ
うに最終的にゲート16の内面に近い位置Gでゲート内
樹脂成形体20bが成形品から切り離されるようにして
おくと、金型の汚れが進んだ状態(ゲート内面からの放
熱がある程度悪くなった状態)でも、ゲート内樹脂成形
体20bが成形品20aから切り離される際に樹脂が糸
を引く状態になることはなく、成形品20aに大きな突
起が形成されることはない。したがって、金型のメイン
テンナスの周期を従来よりも大幅に長くすることがで
き、生産性を向上させることができる。
【0040】上記のように構成する場合、ゲート開口部
の有効断面積S1 と無効断面積S2との比S1 /S2 を
小さくすればするほど、ゲート内樹脂成形体20bの切
り離しを容易にすることができ、成形品20aに形成さ
れる突起を小さくすることができる。一般には、S1 /
S2 <1/2に設定して、ゲートのキャビティ側の端部
の中心部(樹脂の硬化が最も遅れる部分)がキャビティ
内に開口しないようにするのが好ましい。S1 /S2 を
小さくすると、樹脂の射出に寄与する有効断面積S1 が
無効断面積S2 に対して小さくなるが、有効断面積S1
の必要な大きさは、ゲート16の断面積S(=S1 +S
2 )を大きく設定することにより確保すればよい。但
し、ゲート16の断面積Sを余り大きくすると、樹脂の
無駄が多くなるので、実際には、ゲートの断面積を過大
にしない範囲で、S1 /S2 をできるだけ小さくするよ
うに、ゲートの断面積Sと、ゲートのキャビティ側端部
の偏心量とを設定する。
【0041】上記の説明では、成形品の離型時に、成形
品とゲート内樹脂成形体との間に引張り力を作用させる
ために、ランナー内樹脂成形体を動かないように拘束し
た状態で第1及び第2の型板を同時に移動させるように
したが、成形品とゲート内樹脂成形体との間に引張り力
を作用させる方法はこれに限られるものではない。例え
ば、第1の型板12を貫通させて設けたエジェクタピン
等によりキャビティ内の成形品を押えながら、第2の型
板13を成形品とともに第1の型板12から引き離す方
向に変位させることにより、成形品とゲート内樹脂成形
体との間に引張り力を作用させて、成形品をゲート内樹
脂成形体から切り離すようにしてもよい。
【0042】上記の例では、図3に示したように、ゲー
ト16のキャビティ側の端部16aをキャビティ14の
外周側に偏位させることによりゲートのキャビティ側の
端部16aの一部16a1のみをキャビティ内に開口させ
るようにしているが、本発明においては、ゲートのキャ
ビティ側の端部16aをキャビティから外れる方向に偏
心させた状態で設けることにより、ゲートのキャビティ
側の端部16aの一部のみをキャビティ内に開口させる
ようにすればよく、ゲートのキャビティ側端部の偏心の
させ方は上記の例に限定されない。例えば図3におい
て、ゲートのキャビティ側の端部16aをキャビティ1
4の内周側に偏位させることにより、ゲートのキャビテ
ィ側の端部16aの一部のみをキャビティ14内に開口
させるようにしてもよい。
【0043】
【実施例】次に図5ないし図10を参照して、本発明の
実施例を説明する。
【0044】この実施例では、玉軸受に用いる保持器を
射出成形する場合を例にとっている。図10(A)ない
し(C)は、本実施例で成形する玉軸受の保持器30を
示したものである。この保持器は、一定の肉厚の周壁部
30aを有するリング状の部材からなっており、その周
壁部30aには、該周壁部を径方向に貫通し、軸線方向
の一方の側に開口したC字形の複数の玉保持部30b,
30b,…が、周方向に一定の間隔をあけて設けられて
いる。また成形された保持器30の離型を容易にするた
めに、玉保持部30b,30b,…相互間に切り欠き部
30c,30c,…が形成されている。このように切り
欠き部を設けておくと、成形された保持器をキャビティ
内のコア部分から離脱させる際に各玉保持部30bの両
側の部分30b1,30b1を弾性変形さることができるた
め、成形された保持器の離型を容易にすることができ
る。保持器30の玉保持部30bが開口した軸線方向端
部とは反対側の軸線方向端部の一部に浅い凹部30dが
形成され、この凹部30dの底部に相応する位置で、キ
ャビティがゲートに接続されるようになっている。
【0045】上記の保持器30は、玉軸受の外輪と内輪
との間に配置されて、各玉保持部30bの内側に軸受の
玉31を転動自在に保持する。
【0046】保持器30は高い寸法精度が要求されるた
め、成形された保持器30に金型のゲート内の樹脂が残
留して目につくような突起が形成された場合には、該突
起を除去するための後加工を行うことが必要とされる。
本発明の金型を用いれば、成形された保持器30の外面
に後加工を必要とするような大きな突起が形成されるこ
とはないが、図示の例では、万全を期するために、成形
品30の一部に凹部30dを形成して、射出成形用金型
のゲート内の樹脂と成形品との連結部を該凹部30d内
に位置させるようにしている。このように構成しておく
と、万一金型のゲート内の樹脂が保持器側に残留して突
起が形成されたとしても、該突起は保持器の軸線方向の
端部から突出することはないため、該突起が保持器の性
能に悪影響を及ぼすことはない。
【0047】本実施例では、上記の保持器30を射出成
形するために、金型を図5ないし図9に示すように構成
した。図5は同金型の要部の構成を示す縦断面図、図6
は図5の要部を拡大して示した要部拡大断面図、図7は
第1及び第2の型板のキャビティ及びゲート付近の構造
を展開して示した縦断面図、図8は第1及び第2の型板
のキャビティ及びゲート付近の構造を示した拡大縦断面
図、図9は図8のX−X線断面図である。
【0048】図5において、50は図示しない成形機の
フレームに固定された固定板である。固定板50の中央
部には取付け孔51が形成され、取付け孔51内にスプ
ルーブッシュ52が取り付けられている。スプルーブッ
シュ52には、固定板50の厚み方向の一方の端面50
a側(成形機の軸線方向の一方の側)に開口した射出ノ
ズル挿入口53と、一端が射出ノズル挿入孔53内に開
口し、他端がブッシュ52の先端側に開口したスプルー
54とが形成されている。
【0049】図5及び図6に示されているように、固定
板の他方の端面50bの側方に、第1の型板12と第2
の型板13とが第1の型板12を固定板50側に位置さ
せた状態で並べて配置され、第1の型板12と固定板5
0との間に更に第3の型板55が配置されている。この
例では、第1及び第2の型板12及び13と第3の型板
55とにより金型本体11が構成されている。
【0050】図5及び図6においてPL1 は第1の型板
12と第2の型板13との分割面であり、PL2 は第1
の型板12と第3の型板55との分割面である。
【0051】図5に示したように、第3の型板55の中
央部に設けられた孔内にブッシュ56が取り付けられ、
該ブッシュ56にスプルーブッシュ52の先端部が嵌合
されている。図示のように第3の型板55を固定板50
の他方の端面50bに当接させ、スプルーブッシュ52
の先端部をブッシュ56に嵌合させた状態で、ブッシュ
52及び56の先端面が第3の型板55の分割面PL2
側の端面と同一平面上に位置するように各部の寸法が設
定されている。
【0052】第1の型板12は、スプルー54の中心軸
線に対して対称な位置に1対の型取付け孔57a,57
aを有する型保持板57と、型取付け孔57a,57a
内に固定された型58,58とからなっている。型保持
板57と型58,58とに跨って、分割面PL2 に沿っ
て延びる横溝15aが形成されている。横溝15aは、
第1の型板12と第3の型板55とが突き合わされた状
態にあるときにその中央部がスプルー54に連通させら
れるように設けられている。各型58の内部には、縦孔
15bと、キャビティ14の一部を構成するキャビティ
形成部14aと、ゲート16とが形成されている。縦孔
15bはその一端が横溝15aに連通し、他端がゲート
16に連通するように設けられ、横溝15aと縦孔15
b,15bとにより、スプルー54を通して供給される
溶融樹脂をキャビティ14側に流動させるランナー15
が構成されている。
【0053】キャビティ形成部14aは、図10に示し
た保持器30の各部の内、凹部30dが設けられた側の
軸線方向端面30Aと該凹部30dの底部に相応する位
置との間の部分(図10CのA−A線よりも左側の部
分)を成形するためのもので、円環状の溝の一部を保持
器の凹部30dを成形するための雄型部59(図7参
照)により分断した形状を有している。図6及び図7に
示したように、ゲート16は、雄型部59の中央部を貫
通した状態で設けられていて、そのキャビティ側の端部
16aが第2の型板13側に開口させられている。
【0054】第2の型板13は、型保持板57の型取付
け孔57a,57aにそれぞれ相応する位置に型取付け
孔60a,60aを有する型保持板60と、型取付け孔
60a,60a内にそれぞれ取付けられた型61,61
とからなっている。各型61には、第1の型板のキャビ
ティ形成部14aとともにキャビティ14を形成するキ
ャビティ形成部14bが設けられている。このキャビテ
ィ形成部14bは、保持器30の各部の内、図10
(C)のA−A線よりも右側の部分を成形するものであ
る。図7に示したように、キャビティ形成部14b内に
は、保持器30の玉保持部30b及び切り欠き部30c
をそれぞれ成形するための雄型部62及び63が形成さ
れている。
【0055】図8及び図9に示したように、ゲート16
のキャビティ側の端部16aは、キャビティ14から外
れる方向に偏心させた状態で設けられていて、図示のよ
うに第1及び第2の型板12及び13が突き合わされた
状態で、ゲート16のキャビティ側の端部16aの一部
分16a1のみがキャビティ14内に開口し、ゲート16
のキャビティ側の端部16aの他の部分16a2は分割面
PL1 に沿う第2の型板13の端面13aに対向させら
れている。
【0056】図5及び図6に示したように、ランナー形
成用の横溝15aの両端にそれぞれ相応する位置にピン
64,64が設けられている。これらのピン64,64
は成形機の軸線方向に延びるように設けられていて、そ
れぞれの一端が固定板50に固定され、ピン64,64
の固定板50から突出した部分が、第3の型板55に形
成された孔に隙間嵌めされている。ピン64,64の先
端部には、円錐状の保持部64a,64aが設けられ、
図示のように第3の型板55が固定板50に当接されて
いる状態にあるときに、ピン64,64のそれぞれの先
端の保持部64a,64aが横溝15a内に突出するよ
うになっている。これらのピン64,64は、キャビテ
ィ14内の成形品をゲート16内の樹脂から切り離す際
に、ランナー15内に形成される樹脂成形体を保持する
ために用いられる。
【0057】第2の型板13に設けられた型61,61
には、キャビティ14内の成形品を該キャビティから離
脱させるためのエジェクタピン65が取付けられてい
る。
【0058】上記第3の型板55と、第1及び第2の型
板12及び13とは、成形機の軸線方向に移動し得るよ
うに支持されていて、空気圧シリンダなどにより駆動さ
れて、以下に示す動作を行うように所定のシーケンスで
制御される。
【0059】上記の成形機は、その軸線を垂直方向また
は水平方向に配置した状態で配置し得るが、成形品の離
型を容易にするためには、軸線を水平方向に向けた状態
で配置するのが好ましい。
【0060】上記の金型を用いて成形を行う際には、先
ず図5に示すように、固定板50と第3の型板55、第
3の型板55と第1の型板12、及び第1の型板12と
第2の型板13をそれぞれ突き合わせて金型を閉じた状
態にし、図示しない型締機構によりこれらの板を相互に
締め付ける。次いで図示しない射出ノズルを前進させ
て、スプルーブッシュ52の射出ノズル挿入口53内に
挿入し、該ノズルの先端をスプルー54の入口に押し付
けてスプルー54内に溶融樹脂を射出する。これにより
溶融樹脂をスプルー54と、ランナー15と、ゲート1
6とを通してキャビティ内に射出する。樹脂を射出した
後、ゲート16内の樹脂が硬化してゲートが閉鎖される
までの間保圧する。樹脂が硬化した後、先ず第1の型板
12と第2の型板13とを第3の型板55から離れる方
向に同時に移動させる。このときランナー15の横溝1
5a内で硬化した樹脂がピン64の先端の保持部64a
を鋳くるんだ状態にあって、ランナー15内で樹脂が硬
化することにより形成されたランナー内樹脂成形体20
cがピン64により拘束された状態にあるため、第1及
び第2の型板12及び13が第3の型板55から離れる
側に同時に移動すると、ゲート16内で樹脂が硬化する
ことにより形成されたゲート内樹脂成形体20bがキャ
ビティ14内に形成された成形品20aから切り離さ
れ、成形品20aがキャビティ形成部14aから離脱さ
せられる。ゲート内樹脂成形体20bを成形品20aか
ら切り離す過程は図4(A)ないし(D)を用いて既に
説明した通りである。
【0061】ゲート内樹脂成形体20bが成形品20a
から切り離された後、第1及び第2の型板12及び13
を更に移動させることにより、ランナー内樹脂成形体2
0bを第1の型板12のランナー15から離脱させる。
その後、第3の型板55を固定板50から離れる方向に
移動させて、スプルー54内で樹脂が硬化することによ
り形成されたスプルー内樹脂成形体20dをスプルー5
4から離脱させ、スプルー内樹脂成形体20dとランナ
ー内樹脂成形体20cとゲート内樹脂成形体20bとが
連結された構造の成形体を金型から離脱させる。また、
エジェクタピン65を第1の型板12側に変位させて、
キャビティ形成部14bから成形品20aを取り出す。
【0062】上記の実施例に示した金型を用いて、図1
0に示す玉軸受の保持器30を塩化ビニル樹脂により成
形する実験を行ったところ、成形品のゲート内樹脂成形
部との連結部に後加工を必要とするような突起が形成さ
れることはなかった。また外面に突起を生じさせること
なく成形品を得ることができる良好な状態を維持するた
めに必要な金型のメインテナンスの周期を、従来よりも
大幅に長くすることができることが確認された。また成
形品を離型させた後に、ゲートの目詰まりが生じること
はなく、ゲート16のキャビティ側の端部のキャビティ
内に開口する部分16a1の面積を十分に大きくしておけ
ば、樹脂の充填量の不足や、湯回りの不良に基く成形不
良が生じないことが明らかになった。
【0063】図5ないし図9に示した実施例では、金型
が2個取りの構成を有しているが、本発明において、同
時に形成する成形品の数は任意である。図5ないし図9
に示した例において、図5の紙面と直角な方向に並べて
更に2つのキャビティを形成し、該2つのキャビティを
スプルー54に接続するランナー及びゲートを更に設け
ることにより、4個取りの金型を構成することができ
る。
【0064】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、ゲート
のキャビティ側の端部の一部分のみをキャビティ内に開
口させることにより、成形品を離型させる際に、ゲート
内の樹脂成形体を、ゲートの内面に近い位置で成形品か
ら切り離すことができるようにしたので、成形回数の増
加により金型の汚れが進んだ状態でも、離型した成形品
に大きな突起が形成されるのを防ぐことができ、金型の
メインテナンスの周期を従来よりも大幅に長くすること
ができる。また本発明では、分割面とほぼ直角な方向か
らキャビティ内に樹脂を射出するようにゲートを設ける
ので、サブマリンゲートを用いた場合のようにゲートの
目詰まりが生じることはなく、湯回りの不良に基く成形
不良品が混入するのを防ぐことができる。
【0065】したがって、本発明に係わる金型を用いれ
ば、製品の歩留まりを向上させることができるだけでな
く、メインテナンスの周期を従来よりも長くして、生産
性を向上させることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)及び(B)はそれぞれ本発明に係わる射
出成形用金型に用いられる金型本体の要部の異なる構成
例を示した断面図である。
【図2】(A)及び(B)はそれぞれ本発明に係わる射
出成形用金型に用いられる金型本体の要部の他の異なる
構成例を示した断面図である。
【図3】本発明に係わる金型に設けられるゲートのキャ
ビティ側の端部とキャビティとの位置関係を説明するた
めの説明図である。
【図4】(A)ないし(D)は本発明に係わる金型のゲ
ート内で硬化した樹脂を成形品から切り離す過程を説明
する説明図である。
【図5】本発明の実施例で用いた金型の要部の構成を示
す縦断面図である。
【図6】図5の要部を拡大して示した要部拡大断面図で
ある。
【図7】本発明の実施例で用いた第1及び第2の型板の
キャビティ及びゲート付近の構造を展開して示した縦断
面図である。
【図8】本発明の実施例で用いた第1及び第2の型板の
キャビティ及びゲート付近の構造を示した拡大縦断面図
である。
【図9】図8のX−X線断面図である。
【図10】(A)ないし(C)はそれぞれ、本発明の実
施例で成形する玉軸受の保持器の外観を示した平面図、
正面図、及び左側面図である。
【図11】従来広く用いられていた射出成形用金型の本
体部分の要部の構成を示した断面図である。
【図12】ピンポイントゲートを備えた従来の金型の要
部を示した断面図である。
【図13】図12の金型により成形された成形品の要部
の外観を示した正面図である。
【符号の説明】
11 金型本体 12 第1の型板 13 第2の型板 14 キャビティ 15 ランナー 16 ゲート 16a ゲートのキャビティ側端部 20 樹脂成形体 20a 成形品 20b ゲート内樹脂成形体 20c ランナー内樹脂成形体

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分割可能に設けられた第1及び第2の型
    板を有する金型本体を備えていて、キャビティと、該キ
    ャビティに向けて溶融樹脂を流動させる樹脂流路と、該
    樹脂流路を通して供給される溶融樹脂を前記第1及び第
    2の型板の分割面に対してほぼ直角な方向に沿って前記
    キャビティ内に射出するゲートとが前記金型本体の内部
    に形成されている射出成形用金型において、 前記ゲートは、そのキャビティ側の端部をキャビティか
    ら外れる方向に偏心させた状態で設けられていて、成形
    時に前記ゲートのキャビティ側の端部の一部分のみが前
    記キャビティ内に開口させられることを特徴とする射出
    成形用金型。
  2. 【請求項2】 分割可能に設けられた第1及び第2の型
    板を有する金型本体を備えていて、キャビティと、該キ
    ャビティに向けて溶融樹脂を流動させる樹脂流路と、該
    樹脂流路を通して供給される溶融樹脂を前記第1及び第
    2の型板の分割面に対してほぼ直角な方向に沿って前記
    キャビティ内に射出するゲートとが前記金型本体の内部
    に形成され、前記ゲートは前記第1の型板内にあって、
    その一端が前記第2の型板側に開口させられている射出
    成形用金型において、 前記ゲートは、そのキャビティ側の端部を該キャビティ
    から外れる方向に偏心させた状態で設けられていて、前
    記第1及び第2の型板が突き合わされた状態にあるとき
    に、前記ゲートのキャビティ側の端部の一部分のみが前
    記キャビティ内に開口し、前記ゲートのキャビティ側の
    端部の他の部分は前記分割面に沿う第2の型板の端面に
    開口するように構成されていることを特徴とする射出成
    形用金型。
  3. 【請求項3】 分割可能に設けられた第1及び第2の型
    板を有する金型本体を備えていて、キャビティと、該キ
    ャビティに向けて溶融樹脂を流動させる樹脂流路と、該
    樹脂流路を通して供給される溶融樹脂を前記第1及び第
    2の型板の分割面に対してほぼ直角な方向に沿って前記
    キャビティ内に射出するゲートとが前記金型本体の内部
    に形成され、前記ゲートは前記第1の型板内にあって、
    該第1の型板内でキャビティに接続されている射出成形
    用金型において、 前記ゲートは、そのキャビティ側の端部を該キャビティ
    から外れる方向に偏心させた状態で設けられていて、前
    記ゲートのキャビティ側の端部の一部分のみが前記キャ
    ビティ内に開口させられ、前記ゲートのキャビティ側の
    端部の他の部分は前記キャビティのゲート側の端部に隣
    接する位置に形成された終端面により終端されているこ
    とを特徴とする射出成形用金型。
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