JPH1058002A - 鋼帯の調質圧延方法および装置 - Google Patents

鋼帯の調質圧延方法および装置

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JPH1058002A
JPH1058002A JP24142196A JP24142196A JPH1058002A JP H1058002 A JPH1058002 A JP H1058002A JP 24142196 A JP24142196 A JP 24142196A JP 24142196 A JP24142196 A JP 24142196A JP H1058002 A JPH1058002 A JP H1058002A
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rolling oil
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多額の設備投資を必要とせずに、表面性状に
優れ、かつ高速での調質圧延における調質圧延油ムラや
ロール疵等の鋼帯表面欠陥を防止する。 【解決手段】 調質圧延機出側の上下のワークロールと
バックアップロールとの間に調質圧延油を噴射しつつ調
質圧延する鋼帯の調質圧延方法において、気体と共に調
質圧延油0.05〜0.5g/m2を噴霧し、ワークロ
ールとバックアップロール間のロールバイト部の油溜ま
りを極小として調質圧延することにより、高速での調質
圧延における調質圧延油ムラやロール疵等の鋼帯表面欠
陥を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、冷間圧延鋼帯
(以下冷延鋼帯という)の降伏点伸びの解消、表面粗度
の調整、形状修正、表面硬度の調整等を目的として行わ
れる調質圧延方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】冷延鋼帯の調質圧延は、焼鈍後のコイル
の機械的性質および表面仕上状態を改善し、形状を矯正
するために、所定の表面粗度を付与したワークロールに
より通常0.5〜2.5%程度の軽い圧延を行うのが一
般的である。特に表面仕上の調整は、ユーザから指定さ
れる表面粗度および用途を考慮して調質圧延機のワーク
ロールの表面粗度を調整することにより行われる。調質
圧延には、ウエット圧延とドライ圧延があるが、潤滑剤
として数%の油を含む水溶液からなる圧延油を鋼帯とロ
ール間に供給しながら圧延するウエット調質圧延方式が
多用されている。
【0003】特に美麗な表面品質を要求されるブリキ原
板や高炭素鋼板には、表面が美麗なブライトロールをワ
ークロールとして用いた調質圧延が行われるが、潤滑剤
として数%の油を含む水溶液からなる調質圧延油を高炭
素鋼や低合金鋼からなる鋼帯とロールの間に供給しなが
ら、1パスで1〜3%程度の伸びを与えるウェット圧延
方式を用いた調質圧延を行った時に、ジャンピングと呼
ばれる伸び率が不安定になる現象がしばしば生じ、製品
の品質低下と共に圧延作業に支障をきたすことがある。
さらに、過剰に調質圧延油を供給して圧延を行った場合
は、鋼帯表面の光沢不良を生じ、製品品質を劣化させ
る。
【0004】一方、ドライ圧延方式による調質圧延で
は、ワークロールと鋼帯との摩擦係数が高くなりすぎて
調質圧延での高伸び率圧延が不可能になる。また、ドラ
イ圧延方式では、調質圧延油によるワークロールおよび
鋼帯表面の清浄効果が期待できないため、付着異物がロ
ール疵等の原因となり歩留を低下させるといった問題が
ある。
【0005】さらに、従来のドライ圧延方式に代えてセ
ミウェット圧延方式を適用する技術として、ワークロー
ルの後面において上下のワークロールとバックアップロ
ールとの間に調質圧延油を噴射し、さらに上部圧延油噴
射へッダーから噴射した圧延油を、水切り片を持った水
切り樋によってワークロールの両サイドに流出させ、ロ
ール表面にロール疵発生防止に必要な圧延油のみを残す
方法(特開昭56‐74303号公報)が提案されてい
る。
【0006】さらにまた、静電塗油装置等により鋼帯の
上下面に予め200mg/m2以下の極めて薄い潤滑剤
膜を形成せしめてロールバイト入口でのくさび効果によ
る潤滑剤の引き込み作用を生じさせることなく薄鋼帯を
圧延する方法(特開昭51−30563号公報)、調質
圧延機の前段に、静電塗油装置を設け、この静電塗油装
置により調質圧延油を油霧させると共にその油霧を帯電
させて鋼帯表面に吸着させる方法(特開昭62−121
672号公報)が提案されている。
【0007】また、上ワークロールの出側に該ワークロ
ール表面に押圧した回転自在なリンガーロールと、該リ
ンガーロール表面の上部に接したワイパーと、前記リン
ガーロールの上部に調質圧延油を噴射するノズルと、さ
らに下ワークロールと下バックアップロール間の出側に
調質圧延油を噴射するノズルを設け、前記ノズルより調
質圧延油を噴射しながらワークロール入側表面に薄い調
質圧延油膜を形成して調質圧延を行う方法(特開昭60
−191604号公報)が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記特開昭56−74
303号公報、特開昭60−191604号公報に開示
の方法は、出側上下ワークロールとバックアップロール
との間に調質圧延油を噴射し、上ワークロールとバック
アップロール間で入側へ絞り特出される以外の過剰な調
質圧延油を水切り片を持った水切樋、リンガーロール+
ワイパーによってワークロールの両サイドに流出させる
が、図5に示すとおり、ワークロール6a、6bとバッ
クアップロール9a、9b間のロールバイト部で形成さ
れた油溜りが圧延速度が速くなった時に激しく乱れる。
この時、図6に示すとおり、バックアップロール9a、
9bに接触していないワークロール6a、6b幅両端部
の油溜りから調質圧延油12が勢いよく飛散してワーク
ロール6a、6b入側へ周り込み、さらにロール遠心力
で飛散した大きな油滴がハウジングチョック18等で跳
ね返り、入側冷延鋼帯3やワークロール6a、6bへ付
着して調質圧延されることによる表面欠陥(以下調質圧
延油ムラという)の問題が生じる。この調質圧延油ムラ
は、冷延鋼帯表面の光沢の部分ムラを生じ外観を損なう
だけでなく凹凸欠陥にもなり得る重大欠陥となる。ま
た、圧延速度を下げ油滴飛散を防止した場合には、低能
率となってしまう。
【0009】また、上記特開昭51‐30563号公報
および特開昭62−121672号公報に開示の方法
は、ワークロールとバックアップロール間のロールバイ
ト部に油溜まりを全く形成させない調質圧延法であり、
調質圧延油の大きな目的である摩耗粉の洗浄効果を著し
く損ない、それを補う摩耗粉対策についても言及されて
いない。
【0010】この発明の目的は、上記従来技術の欠点を
解消し、多額の設備投資を必要とせずに表面性状に優
れ、高速での調質圧延においても調質圧延ムラやロール
疵等の鋼帯表面欠陥を防止することができる鋼帯の調質
圧延方法および装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の鋼帯の調質圧
延方法は、調質圧延機出側の上下のワークロールとバッ
クアップロールとの間に調質圧延油を噴射しつつ調質圧
延する鋼帯の調質圧延方法において、気体と共に調質圧
延油0.05〜0.5g/m2を噴霧しつつ調質圧延す
ることとしている。このように、上下のワークロールと
バックアップロールとの間に気体と共に調質圧延油0.
05〜0.5g/m2を噴霧しつつ調質圧延することに
よって、上下のワークロールとバックアップロール間の
ロールバイト部での油溜まりを極小とすることができ、
ワークロール端部からの入側への調質圧延油の飛散を防
止することができ、表面光沢が良好で、鋼帯エッジに調
質圧延油ムラがない鋼帯を得ることができる。
【0012】また、この発明の鋼帯の調質圧延装置は、
冷間圧延鋼帯を調質圧延する調質圧延機と、調質圧延機
出側の上下のワークロールとバックアップロールとの間
に調質圧延油を噴射するノズルとからなる鋼帯の調質圧
延装置において、調質圧延油を噴射するノズルに替えて
調質圧延油を含む気体を噴霧する噴霧ノズルを設けるこ
ととしている。このように、調質圧延油を噴射するノズ
ルに替えて調質圧延油を含む気体を噴霧する噴霧ノズル
を設けることによって、調質圧延油を微細な霧状で上下
のワークロールとバックアップロール間のロールバイト
部に供給でき、ロールバイト部での油溜まりを無くする
か、あるいは極小とすることが可能となる。
【0013】また、上下のワークロールとバックアップ
ロール間のロールバイト部に供給された霧状の調質圧延
油は、出側ロールバイト間から鋼帯幅方向に均一にすり
抜け、入側へ周り込んだ薄膜の調質圧延油は、鋼帯とワ
ークロール間に達して調質圧延油として潤滑作用を行っ
て出側に抜け出る。この抜け出た調質圧延油は、鋼帯表
面に付着し持ち去られるものと、ロールに付着したまま
のものとに別れる。ロールに付着したままの調質圧延油
は、再びロールの回転によって出側ワークロールとバッ
クアップロール間のロールバイト部へ戻ろうとするが、
このロールバイト部には、常時霧状の調質圧延油が噴霧
されているため、次第にロールバイト部に油溜まりが発
生するようになる。特に高速での調質圧延時は、この油
溜まりが顕著になるが、上下のワークロールおよびバッ
クアップロールの出側に、ナイフ状ブレードを押し付け
て設けることによって、出側ワークロールとバックアッ
プロール間のロールバイト部へ戻ろうとするロールに付
着したままの調質圧延油をナイフ状ブレードで除去する
ことができ、ロールバイト部での油溜まりを無くする
か、あるいは極小とすることが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】前記したとおり、調質圧延油飛散
による表面欠陥であるオイルステンの発生原因は、出側
ワークロールとバックアップロール間のロールバイト部
の油溜りの高速圧延時の乱れ現象によリ、ワークロール
両端部(バックアップロールの胴長から外れた位置)か
らの入側への調質圧延油の飛散による油滴が鋼帯表面に
プリントされるためである。これを防止するためには、
出側ワークロールとバックアップロール間のロールバイ
ト部油溜りを極少量にし、圧延機入側への油滴の飛散を
発生させないことが必要である。この発明では、供給す
る調質圧延油を0.05〜0.5g/m2と極小量に、
かつ均一とすることによって、出側ワークロールとバッ
クアップロール間ロールバイト部での油溜りを極小にす
るのである。なお、調質圧延油量を0.05〜0.5g
/m2としたのは、0.05g/m2未満ではロール幅全
体に均一に噴霧することができず、また、0.5g/m
2を超えると調質圧延油量が多くなり過ぎて油溜まりが
大きくなり、ワークロール両端部から入側への飛散によ
る油滴が鋼帯表面にプリントされるためである。
【0015】この発明においては、調質圧延油と気体の
流量調整可能なポンプにより調質圧延油および気体を噴
霧ノズルに供給し、微細な、例えば平均液滴径30μm
以下の霧状の調質圧延油を出側ワークロールとバックア
ップロール間のロールバイト部に噴霧する。この噴霧ノ
ズルは、内部に調質圧延油を噴霧する内側ノズルと、そ
の外周に気体を噴射する外側ノズルを有する2重構造の
ノズルとすることによって、調質圧延油と気体を加圧し
てノズルに供給することにより、調質圧延油を気体によ
り霧状して噴霧すれば、平均液滴径30μm以下の極小
径の液滴を形成することができる。
【0016】噴霧ノズルに供給する調質圧延油と気体
は、各々流量および圧力調整が可能なポンプにより供給
される。このような2重構造を有する噴霧ノズルでは、
各々の圧力を変化させてバランスさせることによって、
調質圧延機の出側ワークロールとバックアップロール間
のロールバイト部に油溜りを無くすか、極小にするよう
な極少量の霧状調質圧延油を供給することができる。ま
た、ロールバイト部に均一に噴霧するには、ロール幅方
向に複数のノズルを配置し、霧状に広がった調質圧延油
がロールバイト直近で多少ラップする程度に位置させる
るのが有効である。
【0017】従来の通常の噴射ノズルでは、出側ワーク
ロールとバックアップロール間のロールバイト部の油溜
まりを仮に極小にしても、調質圧延油の噴射量はノズル
口径と調質圧延油供給ポンプ圧力によって支配されるの
で流量制御が困難であると同時に、最小の流量でもこの
発明の霧状調質圧延油量の数十倍程度までしか減量でき
ないため、油溜りを抑制することは困難である。
【0018】出側のワークロールとバックアップロール
へ配置するナイフ状のブレードは、上下ワークロールお
よびバックアップロールの幅全体にナイフ状ブレードを
各々ロールに軽く接触させて配置する。このナイフ状ブ
レードは、圧延粉のような異物をも除去する効果がある
ので霧状調圧油の供給とあわせて実施すれば更に良好な
品質を得ることができる。
【0019】
【実施例】
実施例1 以下にこの発明の詳細を実施の一例を示す図1〜図4に
基づいて説明する。図1はこの発明の調質圧延方法を実
施するための装置を示す概略説明図、図2はこの発明に
おいて使用する噴霧ノズルの構造を示す概略断面図、図
3はこの発明方法で調質圧延時の調質圧延油の上ワーク
ロールとバックアップロール間のロールバイト部周辺の
状況を示す概略側面図、図4はこの発明のナイフ状ブレ
ードの配置例を示す概略側面図である。
【0020】図1において、1は冷間圧延されたのち焼
鈍された冷延コイル2を巻戻すペイオフリールで、巻戻
された冷延鋼帯3は、入側テンションブライドルロール
4、4を通り、調質圧延機5のワークロール6a、6b
によって表面肌および平坦度が整えられたのち、出側ブ
ライドルロール7、7を通して出側リール8に巻取られ
る。ワークロール6a、6bには、図示しない圧下装置
によりバックアップロール9a、9bを介して圧力が加
えられている。10a、10bは調質圧延機5の出側の
上下ワークロール6a、6bとバックアップロール9
a、9b間のロールバイト部に霧状調質圧延油11を噴
霧する噴霧ノズルである。
【0021】噴霧ノズル10a、10bは、図2に示す
とおり、調質圧延油12を噴射する内側ノズル13と、
その外側に気体14と調質圧延油12とを同時に噴射す
る外側ノズル15との二重構造のノズルで、調質圧延油
12と気体14を混合して微細な、例えば平均粒径30
μm以下の霧状調質圧延油11として噴霧することがで
きる。この噴霧ノズル10a、10bへの調質圧延油1
2と気体14は、各々流量および圧力調整が可能なポン
プにより各々内側ノズル13と外側ノズル15に供給さ
れる。この二重構造の噴霧ノズル10a、10bでは、
調質圧延油12と気体14の圧力を変化させてバランス
させることによって、調質圧延機5出側の上下ワークロ
ール6a、6bとバックアップロール9a、9b間のロ
ールバイト部に油溜まりを極小にするような極少量の霧
状調質圧延油11を噴霧供給することができるよう構成
する。また、ロールバイト部幅方向に均一に霧状調質圧
延油11を噴霧するには、ロール幅方向に複数の噴霧ノ
ズル10a、10bを配置し、広がった霧状調質圧延油
11がロールバイト部直近で多少ラップする程度に位置
させることが有効である。
【0022】上記のとおり構成したことによって、調質
圧延機5出側の上下ワークロール6a、6bとバックア
ップロール9a、9b間のロールバイト部に噴霧された
霧状調質圧延油11は、図3に示すとおり、出側の上下
ワークロール6a、6bとバックアップロール9a、9
b間のロールバイト部より冷延鋼帯3の幅方向に均一に
すり抜けて入側へ回り込んだ薄膜の調質圧延油16は、
上下ワークロール6a、6bおよびバックアップロール
9a、9bに付着する。上下ワークロール6a、6bに
付着した薄膜の調質圧延油16は、冷延鋼帯3と上下ワ
ークロール6a、6b間に達し、潤滑油として潤滑作用
を行って出側に抜け出る。この抜け出た調質圧延油16
は、冷延鋼帯3の表面に付着して持ち去られるものと、
ワークロール6a、6bに付着したままのものとに別れ
る。ワークロール6a、6bに付着したままの調質圧延
油16およびバックアップロール9a、9bに付着した
ままの調質圧延油16は、再びロールの回転につれて出
側ワークロール6a、6bとバックアップロール9a、
9b間のロールバイト部へ戻ろうとするが、このロール
バイト部には常時霧状調質圧延油11が噴霧供給され続
けているので、次第にロールバイト部に油溜まりが発生
するようになる。特に高速圧延時は、この油溜まりが顕
著となるので、これを防止する必要がある。
【0023】この発明においては、図4に示すとおり、
上下ワークロール6a、6bおよびバックアップロール
9a、9bの幅全体にナイフ状ブレード17を各々ロー
ルに軽く接触させて配置し、上下ワークロール6a、6
bおよびバックアップロール9a、9bに付着して出側
ワークロール6a、6bとバックアップロール9a、9
b間のロールバイト部へ戻ろうとする調質圧延油16を
各ナイフ状ブレード17によって絞り取って除去し、ロ
ールバイト部での油溜まり発生を防止する。この各ナイ
フ状ブレード17は、圧延粉のような異物をも除去する
効果があるので、霧状調質圧延油11の供給と合わせて
実施すれば、さらに光沢の良い、調質圧延ムラ等の表面
欠陥のない良好な品質の冷延鋼帯を得ることができる。
【0024】実施例2 被調質圧延材として板厚1.0mm、板幅1010mm
の焼鈍後の高炭素冷延鋼帯を、ロール径520mm、表
面の平均粗さRa0.3μmのブライトロールからなる
ワークロールを用いた前記図1に示す調質圧延機を使用
し、噴霧ノズルとして口径0.4mmの前記図2に示す
二重構造のノズルを、被調質圧延材全幅をカバーするよ
うにロール幅方向に3本配置し、調質圧延油として有機
系潤滑油の7%水溶液を用い、上下ワークロールとバッ
クアップロール間のロールバイト部に油溜まりが極少量
形成されるように、液圧(調質圧延油)、気体圧(圧
空)を制御して調質圧延油0.05〜0.5g/m2
調整し、調質圧延機出側の上下ワークロールとバックア
ップロールにロールバレル全幅が接触するようにナイフ
状ブレードを配置し、上下ワークロールとバックアップ
ロールに付着して出側のロールバイト部へ戻ろうとする
調質圧延油を絞り取って除去しつつ、霧状調質圧延油を
噴霧して伸び率が0.8%となるよう圧延ライン速度を
変化させて本発明2の調質圧延を行った。また、ナイフ
状ブレードを使用しない以外は本発明2と同条件の本発
明1の調質圧延を行った。この場合において圧延ライン
速度を変化させたのは、調質圧延油ムラが発生しない限
界速度を見極めるためである。
【0025】また、比較のため、従来法1としては、調
質圧延機の入側で高炭素冷延鋼帯とワークロール間に多
量の有機系潤滑油の7%水溶液からなる調質圧延油を噴
射するウエット圧延方式により調質圧延を行った。従来
法2としては、前述した従来セミウエット圧延方式によ
り調質圧延を行った。従来法3としては、調質圧延油を
使用しないドライ圧延方式により調質圧延を行った。
【0026】そして、本発明1、2および従来法1〜3
のそれぞれについて、油溜まり状況と、得られた製品冷
延鋼帯の表面光沢、ロール疵等の有無、調質圧延油ムラ
の発生状況を調査した。その結果を表1に示す。なお、
表1中の表面光沢欄の◎は著しく優れる、○は良好、×
は不良、また、ロール疵等欄の○はロール疵等無、×は
ロール疵等有で評価した。
【0027】
【表1】
【0028】表1に示すとおり、調質圧延機入側で鋼帯
とワークロール間に多量の調質圧延油を噴射するウエッ
ト圧延方式による調質圧延の従来法1では、鋼帯とワー
クロール間にいかなる低速圧延でも大量の油溜りが形成
され、その結果、転写率が低く表面光沢の悪い鋼板にな
った。また、この時に調質圧延油の飛散はあるが、大量
の油溜りのゆえに調質圧延油ムラの発生は見られなかっ
た。さらに、調質圧延油による圧延粉の洗浄除去効果も
十分であり、ロール疵等の異物噛み込みによる品質欠陥
も発生しなかった。従来セミウエット法である従来法2
では、やはり出側のワークロールとバックアップロール
間に油溜りが形成され、同ロールバイト間である程度の
薄膜となって圧延されるので表面光沢は従来法1のウエ
ット圧延方式よりも良好となり、ロール疵等の発生も無
いが、圧延速度が150m/min以上で油溜りが乱
れ、入側に調質圧延油の油滴が飛散した結果、調質圧延
油ムラが発生した。ドライ圧延方式の従来法3では、調
質圧延油を使用しないので鋼板の表面光沢は著しく優れ
るが、圧延粉の除去手段が無くロール疵が発生した。
【0029】一方、ナイフ状ブレードを使用せず出側ワ
ークロールとバックアップロール間に極小量の霧状調質
圧延油を噴霧する本発明1では、出側ワークロールとバ
ックアップロール間のロールバイト部の油溜りは極小と
なるが、少量の調質圧延油は供給されているので圧延粉
除去効果がある程度あり、ロール疵等の発生はなく、ま
た薄膜のセミウエット調圧であるために鋼板の光沢は良
好となった。しかし、本発明1では、圧延速度を上昇さ
せて気体圧、液圧を変更することで油溜りができぬよう
霧状調質圧延油を噴霧供給したところ、圧延速度500
m/min以上において出側ロールバイトから入側へす
り抜け、ワークロールとバックアップロールに付着して
再度出側ワークロールとバックアップロール間のロール
バイト部に戻ってきた調質圧延油の一部が溜まりだして
徐々に油溜りが多くなり、その結果調質圧延油ムラが発
生した。一方、ナイフ状ブレードを使用し、出側ワーク
ロールとバックアップロール間に極小量の霧状調質圧延
油を噴霧する本発明2では、圧延速度1000m/mi
nにおいても、ナイフ状ブレードによるワークロールと
バックアップロールの付着調質圧延油の絞り取り効果に
よって油溜りが極小で保持され、調質圧延油ムラの発生
も見られなかった。
【0030】
【発明の効果】この発明の調質圧延方法および装置によ
れば、二重構造の霧状ノズルを用いて調質圧延油を気体
と混合し、霧状調質圧延油として噴霧するから、出側の
ワークロールとバックアップロール間のロールバイト部
の油溜まりを極小とすることができると共に、入側への
余分な調質圧延油の回り込みを防止できるから、表面光
沢が良好で、鋼帯エッジ部の調質圧延油ムラを防止する
ことができる。
【0031】また、この発明の調質圧延装置は、出側の
ワークロールおよびバックアップロールにナイフ状ブレ
ードを設置することによって、ナイフ状ブレードによる
ワークロールとバックアップロールの付着調質圧延油の
絞り取り効果によって油溜りが極小で保持され、高速圧
延が可能となると共に、調質圧延時の摩耗粉等が原因の
ロール疵を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の調質圧延方法を実施するための装置
を示す概略説明図である。
【図2】この発明において使用する噴霧ノズルの構造を
示す概略断面図である。
【図3】この発明方法で調質圧延時の上ワークロールと
バックアップロール間のロールバイト部周辺の調質圧延
油の油溜まり状況を示す概略側面図である。
【図4】この発明のナイフ状ブレードの配置例を示す概
略側面図である。
【図5】従来の調質圧延方法におけるロールバイト部周
辺の調質圧延油の油溜まり状況を示す概略斜視図であ
る。
【図6】従来の調質圧延方法におけるワークロール両端
部より入側に回り込んでくる調質圧延油の状況を示す圧
延機入側からの概略正面図である。
【符号の説明】
1 ペイオフリール 2 冷延コイル 3 冷延鋼帯 4 入側テンションブライドルロール 5 調質圧延機 6a、6b ワークロール 7 出側ブライドルロール 8 出側リール 9a、9b バックアップロール 10a、10b 噴霧ノズル 11 霧状調質圧延油 12、16 調質圧延油 13 内側ノズル 14 気体 15 外側ノズル 17 ナイフ状ブレード

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 調質圧延機出側の上下のワークロールと
    バックアップロールとの間に調質圧延油を噴射しつつ調
    質圧延する鋼帯の調質圧延方法において、気体と共に調
    質圧延油0.05〜0.5g/m2を噴霧しつつ調質圧
    延することを特徴とする鋼帯の調質圧延方法。
  2. 【請求項2】 冷間圧延鋼帯を調質圧延する調質圧延機
    と、調質圧延機出側の上下のワークロールとバックアッ
    プロールとの間に調質圧延油を噴射するノズルとからな
    る鋼帯の調質圧延装置において、調質圧延油を噴射する
    ノズルに替えて調質圧延油を含む気体を噴霧する噴霧ノ
    ズルを設けたことを特徴とする鋼帯の調質圧延装置。
  3. 【請求項3】 調質圧延機の上下のワークロールおよび
    バックアップロールの出側に、ナイフ状ブレードを押し
    付けて設けたことを特徴とする請求項2記載の鋼帯の調
    質圧延装置。
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