JP3388629B2 - 金属帯の調質圧延機および方法 - Google Patents

金属帯の調質圧延機および方法

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JP3388629B2
JP3388629B2 JP08351194A JP8351194A JP3388629B2 JP 3388629 B2 JP3388629 B2 JP 3388629B2 JP 08351194 A JP08351194 A JP 08351194A JP 8351194 A JP8351194 A JP 8351194A JP 3388629 B2 JP3388629 B2 JP 3388629B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スキンパスとも呼ばれ
る金属帯の調質圧延、特に液状の圧延剤を金属帯と上下
圧延ロールとの間に介在させて圧延する金属帯の調質圧
延機および調質圧延方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、普通鋼、ステンレス鋼を含む
特殊鋼、種々様々な高合金など、降伏伸び現象を示す金
属帯や金属板は、この降状伸びを消去して斜め格子状の
シワとなって出現するストレッチャストレインの発生を
防止するためや、形状修正し平坦度を出すためや、所望
の表面光沢を出すため、さらには抗張力など所要の特性
を圧延して得るために、スキンパスミルとも呼ばれる比
較的大径の上下圧延ロールを有する2重圧延機または4
重圧延機によって調質圧延し製造され、製品化されてい
る。たとえば、ステンレス鋼の冷間圧延鋼板や冷間圧延
鋼帯の調質圧延製品の場合には、JIS(日本工業規
格)G4305やG4307などに規格化されている。
その鋼種としてはたとえばオーステナイト系のSUS3
04やフェライト系のSUS430がある。表面仕上
げ、特に表面光沢としては、光輝熱処理であるBA、冷
間圧延処理であるNo.2BC、ヘアライン研摩処理で
あるHLなどがJIS規格として定められており、さら
にメーカやユーザ独自の規格もある。
【0003】一般に、このようなスキンパス、すなわち
調質圧延の方法には大別して、油性や水溶性の圧延剤を
金属帯と上下圧延ロールとの間に介在させて圧延するウ
ェットスキンパス方式と、圧延剤を全く使用しないで圧
延するドライスキンパス方式の2通りがある。表面光沢
についての要求が厳しいフェライト系やマルテンサイト
系の鋼種に対してウェットスキンパスを行うと、表面光
沢が不足し、BA仕上げなどの製品化は困難になる。調
質圧延時に鋼帯表面と上下圧延ロール表面との間に圧延
剤が押込まれ、鋼帯表面の微小な凹凸を除去することが
できず、光沢が得られないからである。一方、ドライス
キンパスを行うと、圧延剤を使用しないで圧延するの
で、鋼帯表面と上下圧延ロール表面とは金属摩擦をしな
がら圧延が行なわれることになり、鋼帯の表面光沢が向
上し、美麗で鏡面状のものが得られる。しかし摩擦損失
として消費されるエネルギが大きくなるため、圧延の1
パス当たりのスキンパス延び率が小さく、圧延のパス数
を増やさないと、スキンパス本来の目的であるストレッ
チャストレインの解消が不可能となる。
【0004】このようなドライスキンパス方式に関する
先行技術は、たとえば特公昭54−30983号公報
や、特開平5−50125号などに開示されている。ま
たウェットスキンパス方式についての先行技術は、たと
えば特開昭53−6259号公報や特開昭53−100
154号公報などに開示されている。一般に、降伏伸び
現象が顕著な場合は、ウェットスキンパス方式を用い
る。金属帯の要求仕様によっては、光沢と伸び率とを満
足させるため、ドライスキンパス方式とウェットスキン
パス方式とを併用することもある。
【0005】図9は、このウェットスキンパス方式の基
本的な構成を示す。金属帯1は、少なくとも上下一対の
圧延ロール2,3間で調質圧延される。金属帯1は、金
属帯コイル4が装着されるペイオフリール5から、巻き
戻されながら入側デフレクタロール6を介して上下圧延
ロール2,3間に連続的に供給され、その入側における
金属帯1の上下圧延ロール2,3間への噛込み部には圧
延剤スプレイノズル7,8から圧延剤が噴出し供給され
る。圧延後の金属帯1は、出側デフレクタロール9を介
してテンションリール10に被圧延金属帯コイル11と
して巻取られる。このように供給される圧延剤が過剰と
ならないように、流量計12,13によって流量調整さ
れる。この圧延に使用された圧延剤は、上下圧延ロール
2,3の下方へ落下して圧延剤受けであるオイルパン1
4に集められ、圧延剤タンク15に貯留される。このよ
うにして圧延剤タンク15内の圧延剤は、ポンプ16に
よって吸引され、再び圧延剤スプレイノズル7,8に送
出されながら循環使用される。入側および出側のデフレ
クタロール6,9は、金属帯コイル4や被圧延金属帯コ
イル11の径が変化しても圧延ロール2,3間での通板
角度が一定となるように設けられる。圧延剤の清浄化の
ために、フィルタ17,18やせき19および沈殿用の
圧延剤タンク15が設けられる。
【0006】以上の如く行われる調質圧延は金属帯の製
造における最終工程付近で行われるので、圧延剤によっ
て金属帯1の表面を汚さないことが必要であり、非常に
重要である。しかしながら図9のような構成では、圧延
剤の濃度や清浄度などを充分に管理していても、金属帯
1の表面および裏面に圧延剤が飛散し付着して残存する
と、表面品質が低下して製品としては不良または不可と
なる。このため、たとえば特開昭53−6259号公報
の先行技術では、エアースプレイと水切りロールとを用
いて、圧延剤が金属帯表面に付着するのを防止する。特
開昭53−100154号公報の先行技術では、エアー
ノズルを用いて圧延剤を金属帯の表面から除去し、水切
り刃物とワイパロールとによってロールに付着する圧延
剤を調整する。さらに、被圧延金属帯を出側のテンショ
ンリールで巻取る際に、金属帯の間に巻込むようにして
使用される合紙帯に残存している圧延剤を吸収させる方
法もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開昭53−6259
号公報および特開昭53−100154号公報の先行技
術は、圧延後の金属帯表面から圧延剤を充分に除去する
ことが困難であり、図10に示すように、圧延剤の清浄
化と交換とを充分に行わないと、圧延後の金属帯表面の
両端付近に汚れ20が発生し目立つようになる問題点が
生じる。このように圧延後の金属帯表面に圧延剤によっ
て肉眼で識別できる汚れが色模様などとして発生する
と、この金属帯はもちろんのこと、これを剪断した金属
板や、これを多条に裁断した小幅金属帯は、表面品質が
大きく低下し製品としては不良または不可(屑)とな
る。これを避けるためには、汚れや色模様が発生した金
属帯をさらに別工程に通板させて清掃したりあるいは再
加工処理する工程を別に追加したり、不安全や非能率で
ある余分な人手作業を行って汚れ等の手直しを余儀なく
される問題が発生する。
【0008】また合紙帯によって圧延剤を吸い取らせる
ようなことを行った場合には、本来被圧延金属帯の巻取
時あるいはそれ以降で、金属帯コイルの層間スリップ疵
などの発生を防止するために使用する高価な合紙帯を、
圧延剤を吸収させるという異なる目的のために使用する
ことになる。本来の目的であれば、合紙帯は巻替え精整
しては繰返して使用可能であるにもかかわらず、その強
度を弱め汚染させるので、その耐用寿命を低下させ、無
駄に多量に使用してしまうことになる。
【0009】すなわち、従来装置および方法によれば、
図9のように圧延剤を清浄化し流量調整を行っても、図
11および図12に示すように、上下圧延ロール2,3
や圧延後の金属帯1の幅方向における両端付近、特に端
面1aに圧延剤20がどうしても付着し残存して、完全
に除去しきれない。その僅かに残存した圧延剤20は、
圧延後の金属帯1を介して出側のデフレクタロール9の
表面にも付着し残留してしまい、このような出側デフレ
クタロール9を介して出側のペイオフリール10に巻取
られた被圧延金属帯コイル11表面や裏面の両端付近に
斑状に付着して残存してしまう。この斑状の付着残存傾
向は、図11に示す如く圧延される金属帯1の板厚が厚
いほど上下ロール1,2間の隙間2aが大きくなるた
め、上下圧延ロール2,3の入側で供給された圧延剤が
この隙間2aを通過して出側にまわってしまい、この金
属帯1の両端付近、とりわけ両端1aに残存する圧延剤
20の量が増大するので、悪化する。この結果、被圧延
金属帯1の表面や裏面全体の両端付近に斑状の汚れや色
斑状の模様を生じ、金属帯製品としての級別や歩留を低
下させたり、その価値を減じあるいは失ってしまう。
【0010】本発明は、このようにしてウェットスキン
パス方式により、発生する斑状の汚れや色斑状の模様を
防止し、余計な工程を通板させたり、余分な人手作業を
行うことなく、清浄で表面品質の優れた被調質圧延金属
帯および金属板を製造することができる金属帯の調質圧
延機および方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上下圧延ロー
ルの出側における上圧延ロールに近接して、圧延直後の
金属帯の上方に配置されるとともに金属帯の幅方向に延
びて、入側で金属帯の噛込み部に供給される圧延剤が出
側において上圧延ロールの外周面を介して圧延直後の金
属帯表面に飛散落下するのを受ける樋と、前記樋の長手
方向における両端付近に配置され、前記上圧延ロールの
胴長方向における両端付近の外周面に接触し残存する圧
延剤を拭い取るワイパと、前記圧延直後の金属帯表面の
幅方向における中央から両端方向に向けて圧縮空気を吹
き付けるノズルとを備え、前記樋上には、長手方向に延
設されるレールおよび溝がそれぞれ形成され、前記レー
ルに沿って走行可能で前記ワイパとノズルとを装着する
ブロックを一対備えることを特徴とする金属帯の調質圧
延機である。
【0012】また本発明は、前記レールは、長手方向の
中央部には形成されず、この中央部から前記ブロックを
長手方向の両端付近にそれぞれ着脱自在に構成すること
を特徴とする。
【0013】さらに本発明は、上下圧延ロールの出側に
おける上圧延ロールに近接して、圧延直後の金属帯の上
方に配置されるとともに金属帯の幅方向に延びて、入側
で金属帯の噛込み部に供給される圧延剤が出側において
上圧延ロールの外周面を介して圧延直後の金属帯表面に
飛散落下するのを受ける樋と、前記樋の長手方向におけ
る両端付近に配置され、前記上圧延ロールの胴長方向に
おける両端付近の外周面に接触し残存する圧延剤を拭い
取るワイパと、前記上下圧延ロールの出側における下圧
延ロールに近接して、圧延直後の金属帯の下方に配置さ
れるとともに金属帯の幅方向に延びる梁とを備え、前記
梁上には長手方向に延設されるレールが形成され、前記
梁上のレールに沿って走行可能で、圧延直後の金属帯裏
面の幅方向における中央から両端方向に向けて圧縮空気
を吹き付けるノズルを装着するブロックを一対備えるこ
とを特徴とする金属帯の調質圧延機である。
【0014】
【0015】
【0016】また本発明は、前記梁上のレールは、長手
方向の中央部には形成されず、この中央部から前記ブロ
ックを長手方向の両端にそれぞれ着脱自在に構成するこ
とを特徴とする。
【0017】また本発明は、前記上下圧延ロールには、
ペイオフリールに装着された金属帯コイルから巻き戻さ
れる金属帯が入側デフレクタロールを介して供給され、
供給される金属帯の上下圧延ロールへの噛込み部には圧
延剤が供給され、圧延後の金属帯は出側デフレクタロー
ルを介してテンションリールに巻取られることを特徴と
する。
【0018】また本発明は、前記出側デフレクタロール
に接触し、通板方向が変更するように案内される金属帯
表面および/または裏面の両端付近に付着し残存する圧
延剤を、圧縮空気を吹き付けて金属帯の幅方向外方へ飛
散させるノズルと、出側デフレクタロール表面に接触
し、表面の両端付近に付着し残存する圧延剤を拭い取る
ワイパとを備えることを特徴とする。
【0019】さらに本発明は、金属帯の上下圧延ロール
への噛込み部に圧延剤を供給しながら金属帯を調質圧延
し、圧延後の金属帯を出側デフレクタロールを介してテ
ンションリールに巻取るに際し、金属帯の上下圧延ロー
ルの出側において、圧延直後の金属帯の上方に、金属帯
の幅方向に延びる樋を配置し、上圧延ロールの外周面を
介して圧延直後の金属帯表面に飛散落下する圧延剤を前
記樋で受け、上圧延ロールの胴長方向における両端付近
の外周面に付着し残存する圧延剤をワイパで拭い取りな
がら前記樋で受け、前記樋内に受けた圧延剤を樋を介し
て圧延直後の金属帯の両端外方へ排除し、圧延直後の金
属帯表面および裏面の幅方向における中央から両端方向
に向けてそれぞれ圧縮空気を吹き付けて残存する圧延剤
を飛散させ、前記出側デフレクタロールに接触して、通
板方向が変更するように案内される圧延後の金属帯表面
および/または裏面の幅方向における中央から両端外方
へ向けてそれぞれ圧縮空気を吹き付けて残存する圧延剤
を飛散させ、出側デフレクタロール表面にワイパを接触
させて、表面の両端付近に残存する圧延剤を拭い取るこ
とを特徴とする金属帯の調質圧延方法である。
【0020】
【0021】
【作用】本発明に従えば、上下圧延ロールの出側におけ
る上下圧延ロールに近接して圧延直後の金属帯の上方
に、金属帯の幅方向に延びて配置される樋が、入側で金
属帯の上下圧延ロールへの噛込み部に供給される圧延剤
が出側にまわって上圧延ロールの外周面を介して圧延直
後の金属帯表面に飛散落下するのを受ける。また回転す
る上圧延ロール表面に付着し巻上げられる圧延剤は、巻
上げさせないように、樋の長手方向の両端付近に配置さ
れるワイパによって拭い取られる。さらに圧延直後の金
属帯表面の幅方向の両端付近では、その中央から両端方
向に向けてノズルから圧縮空気が吹き付けられる。
【0022】したがって、このようなウェットスキンパ
ス方式による調質圧延を行っても、樋によって巻上げら
れながら飛散落下する圧延剤を受け止めて、圧延直後の
金属帯表面には余計な圧延剤が落下し付着させないよう
にし、また上圧延ロール外周面からはワイパによって圧
延剤が巻上げられないように拭い取られ、さらに圧延直
後の金属帯表面の両端付近から端面に付着する圧延剤は
圧縮空気によって両端方向へ吹き飛ばされるので、圧延
剤のほぼ完全に除去された清浄な金属帯表面を得ること
ができる。また、樋上には長手方向に延設されるレール
および溝がそれぞれ形成され、ワイパやノズルを装着し
ユニット化されたブロックが一対備えられ、かかるブロ
ックがそれぞれレールに沿って走行可能である。この一
対のブロックの配置位置をそれぞれ調整することによっ
て、上下圧延ロールの胴長長さや取り分け連続通板する
金属帯の幅の変更に容易に対応させることが可能とな
り、しかもその上圧延ロールの外周面の両端付近や圧延
直後の金属帯表面の両端付近から端面に付着している圧
延剤を拭い取ったりあるいは圧縮空気使用量を節約しな
がら両端外方へ吹き飛ばしたりして重点的にあるいは局
部的に効率よく除去することができる。
【0023】また本発明に従えば、樋上に延設されるレ
ールは、長手方向の中央部には形成されず、この中央部
から一対のブロックを長手方向の両端付近にそれぞれ着
脱することが可能である。したがって、同一調質圧延機
においてウェットスキンパス方式とドライスキンパス方
式とが切り替えられて行われる場合にあっては、ドライ
スキンパス方式のときには全く不用で邪魔になるこの一
対のブロックを簡単に取外しておくことができるし、上
下圧延ロールを含むロール組替え(ロールの交換)時に
も全く不要で邪魔になるこの一対のブロックを簡単に取
外しておくこともできる。このため、この一対のブロッ
クやワイパやノズルの損傷を防止することができるし、
さらにブロックのワイパやノズルの交換も取外して容易
に行うことができる。
【0024】
【0025】さらに本発明に従えば、上下圧延ロールの
出側における上下圧延ロールに近接して圧延直後の金属
帯の上方に、金属帯の幅方向に延びて配置される樋が、
入側で金属帯の上下圧延ロールへの噛込み部に供給され
る圧延剤が出側にまわって上圧延ロールの外周面を介し
て圧延直後の金属帯表面に飛散落下するのを受ける。ま
た回転する上圧延ロール表面に付着し巻上げられる圧延
剤は、巻上げさせないように、樋の長手方向の両端付近
に配置されるワイパによって拭い取られる。さらに圧延
直後の金属帯表面の幅方向の両端付近では、その中央か
ら両端方向に向けてノズルから圧縮空気が吹き付けられ
る。したがって、このようなウェットスキンパス方式に
よる調質圧延を行っても、樋によって巻上げられながら
飛散落下する圧延剤を受け止めて、圧延直後の金属帯表
面には余計な圧延剤が落下し付着させないようにし、ま
た上圧延ロール外周面からはワイパによって圧延剤が巻
上げられないように拭い取られ、さらに圧延直後の金属
帯表面の両端付近から端面に付着する圧延剤は圧縮空気
によって両端方向へ吹き飛ばされるので、圧延剤のほぼ
完全に除去された清浄な金属帯表面を得ることができ
る。また本発明に従えば、上下圧延ロールの出側におけ
る下圧延ロールに近接して圧延直後の金属帯の下方に配
置されるノズルが、圧延直後の金属帯裏面の幅方向にお
ける中央から両端方向に向けて圧縮空気を吹き付けるこ
とによって、この裏面の両端付近から端面に付着する圧
延剤が両端外方へ吹き飛ばされるので、圧延剤のほぼ完
全に除去された清浄な金属帯裏面を得ることができる。
また、上下圧延ロールの出側における下圧延ロールに近
接して圧延直後の金属帯の下方に、金属帯の幅方向に伸
びる梁(部材)が備えられる。この梁上には、長手方向
に延設されるレールが形成され、ノズルを装着しユニッ
ト化されたブロックが一対備えられ、かかるブロックが
それぞれレールに沿って走行可能である。この一対のブ
ロックの配置位置をそれぞれ調整することによって、上
下圧延ロールの胴長長さや取り分け連続通板する金属帯
の幅の変更に容易に対応させることが可能となり、しか
も圧延直後の金属帯裏面の両端付近から端面に付着して
いる圧延剤を圧縮空気を節約しながら両端外方へ吹き飛
ばして重点的にあるいは局部的に効率よく除去すること
ができる。
【0026】また本発明に従えば、樋上に延設されるレ
ールは、長手方向の中央部には形成されず、この中央部
から一対のブロックを長手方向の両端付近にそれぞれ着
脱することが可能である。したがって、同一調質圧延機
においてウェットスキンパス方式とドライスキンパス方
式とが切り替えられて行われる場合にあっては、ドライ
スキンパス方式のときには全く不用で邪魔になるこの一
対のブロックを簡単に取外しておくことができるし、上
下圧延ロールを含むロール組替え(ロールの交換)時に
も全く不要で邪魔になるこの一対のブロックを簡単に取
外しておくこともできる。このため、この一対のブロッ
クやワイパやノズルの損傷を防止することができるし、
さらにブロックのワイパやノズルの交換も取外して容易
に行うことができる。
【0027】また本発明に従えば、梁上に延設されるレ
ールは、長手方向の中央部には形成されず、この中央部
から一対のブロックを長手方向の両端付近にそれぞれ着
脱することが可能である。したがって、前述の樋上に延
設されるレールが長手方向の中央部には形成されていな
い場合と同様な作用効果を上げることができる。
【0028】また本発明に従えば、金属帯コイルから金
属帯を巻き戻し、金属帯の上下圧延ロールへの噛込み部
には圧延剤が供給されてウェットスキンパス方式による
圧延が行われ、上下圧延ロールの出側においては上圧延
ロールの外周面および圧延直後の金属帯から圧延剤をほ
ぼ完全に除去することができる。しかしながら、なお金
属帯の両端付近から端面にかけて圧延剤が僅かに付着し
残存する場合、さらにこのように圧延剤が僅かに付着し
残存する金属帯が連続して長距離分出側デフレクタロー
ル表面に接触し続けると、この出側デフレクタロール表
面にも圧延剤が付着し残存(残留)する場合が生じる。
そこで、この出側デフレクタロールの配置位置付近にお
いて、出側デフレクタロールの外周面および金属帯から
圧延剤を完全に除去してしまうのである。したがって、
テンションリールに巻取られる状態の金属帯には圧延剤
が全く残存していないので、汚れや模様のない清浄で表
面品質の優れた金属帯を得ることができる。
【0029】また本発明に従えば、出側デフレクタロー
ルにもワイパが設けられ、一方この出側デフレクタロー
ルに接触して通板方向が変更するように案内される金属
帯にもノズルが備えられる。これによって出側デフレク
タロール表面、特にこのロール胴長方向の両端付近から
端面にかけて圧延剤が付着することを防止し、さらに金
属帯表面および/または裏面の両端付近にわずかに付着
し残存している圧延剤へも圧縮空気を吹き付けて金属帯
の両端外方へ飛散させ除去することができて、金属帯の
完全な清浄化を図ることができる。
【0030】さらに本発明に従えば、金属帯の上下圧延
ロールへの噛込み部に供給された圧延剤は、この噛込ま
れた金属帯の不在な上下圧延ロールの胴長方向の両端付
近に形成される隙間を通過して出側にまわってしまうの
であるが、このようにして出側へまわった圧延剤が上圧
延ロールの外周面に付着し巻上げられながら圧延直後の
金属帯表面へ飛散落下させないように、まず飛散落下す
る圧延剤を樋で受け止めてしまい、さらに出側にまわっ
て上圧延ロールの外周面に付着し巻上げられる圧延剤を
ワイパで巻上げさせないように拭い取り除去した圧延剤
を樋で受けてしまい、このように樋内で受けた圧延油を
樋を介して圧延直後の金属帯の両端外へ排除することが
できる。また、圧延直後の金属帯表面および裏面の幅方
向における中央から両端方向に向けてそれぞれ圧縮空気
を吹き付けて、両面の両端付近から特に両端面に付着し
残存する圧延剤を両端外方へ飛散させ除去することがで
きる。したがって、上圧延ロールから圧延直後の金属帯
表面に移行して付着残存する圧延剤もほとんど皆無にす
ることができるし、金属帯自体の表面および裏面の両端
付近から両端面に付着し残存している圧延剤もほとんど
皆無にすることができるので、金属帯の両端付近に付着
し残存したまま出側デフレクタロールなど後工程へ移行
する圧延剤をほぼ完全に除去することが可能となり、金
属帯を清浄化することができる。
【0031】また、このように上下圧延ロールの出側に
おいて、圧延直後の金属帯表面および裏面から圧延剤を
ほぼ完全に除去することができるのであるが、それでも
なお僅かな圧延剤がその両端付近に付着し残存したまま
後工程に移行する場合がある。このような場合において
も、出側デフレクタロールの配置位置付近でこのロール
表面から、肝心な金属帯表面および裏面から確実に圧延
剤を除去し清浄化された金属帯をテンションリールに被
圧延金属帯コイルとして巻取ることができるのである。
【0032】
【実施例】以下、図面にもとづいて本発明の実施例を詳
細に説明する。
【0033】図1は、本発明の一実施例による調質圧延
機の上下圧延ロールにおける出側近傍を示し、上圧延ロ
ールに近接して圧延直後の金属帯の上方に配置されると
ともに金属帯の幅方向に延びる樋と、その上に着脱自在
に装着されるブロックおよびその他のワイパやノズルの
構成を示す。図2(A),(B)は、図1の樋およびそ
の上に装着されるブロックやワイパやノズルの構成を示
す。図3は樋自体の形状ならびに構造を示す。図4は圧
縮空気吹き付け用ノズルの構成を示す。図5はワイパの
構造を示す。図6は調質圧延設備全体の一事例の構成を
示す。
【0034】図1および図2(A),(B)において、
金属帯21は少なくとも上下一対の圧延ロール22,2
3間で挟持されて調質圧延される。この金属帯21の通
板方向の上下圧延ロール22,23出側には、圧延直後
の金属帯21の上方で上下圧延ロール22,23の軸方
向に平行に延びる樋24が設けられる。樋24上には、
同一直線上に配置されるレール25,26と、その一方
または両方の側に圧延剤を受けて圧延直後の金属帯21
の両端外方へ流し排除する溝27が設けられる。
【0035】図1に示す実施例では、樋24の長手方向
両端付近に、ワイパ28,29がそれぞれ直接に固定さ
れている。そして、図2(A)にも図示されているよう
に、樋24上に配置されたレール25,26に、リニベ
アリング37,38を介してブロック35,36が走行
自在に装着され、このブロック35に可撓性を有するた
とえば銅管製等のノズル31,33が、また、他のブロ
ック36に同様なノズル32,34がそれぞれ設けられ
る。図示しない圧縮空気源から配管30a,30bなど
を介して供給される圧縮空気は、上圧延ロール22の外
周面と圧延直後の金属帯21表面との臨まれる位置にそ
れぞれの先端を配置したノズル31,32から両面に向
けて噴出され、両面の両端付近から端面に付着している
圧延剤をそれぞれ端面外方へ飛散させることができる。
一方、このような圧縮空気は、圧延直後の金属帯21表
面に臨まれる位置にもそれぞれの先端を配置したノズル
33,34からこの金属帯21表面に向けて噴出され、
この表面の両端付近から端面に付着している圧延剤をそ
れぞれ端面外方へ飛散させてしまうことができる。
【0036】このようにノズル31,33またはノズル
32,34のそれぞれ設けられたブロック35または3
6は樋24上に配置されたレール25,26上を自在に
走行できるように構成されているので、たとえ上下圧延
ロール22,23の胴長長さが変更されても、取り分け
連続通板される金属帯の幅が頻々と変更されても、この
ブロック35,36を任意に走行させて最も好適な位置
に容易に設定し直すことができる。したがって、上圧延
ロール22の外周面や金属帯21表面に付着し残存して
いる圧延剤を圧縮空気を無駄なく噴出させながら重点的
にあるいは局部的に効率よく除去することができる。
【0037】このレール25,26の間には、レール2
5,26が形成されていない消失部が形成される。この
消失部から、ブロック35,36をレール25,26に
自由にそれぞれ着脱することができる。このため、ドラ
イスキンパス方式により圧延するときには全く不用で邪
魔になるとともに上下圧延ロール22,23のロール組
替え(ロール交換)時や種々の補修時にも全く不用で邪
魔になるので、この一対のブロック35,36をその都
度簡単に取外しておくこともできる。したがって、この
一対のブロック35,36が不用意に損傷されるのを回
避することもできるし、このブロック35,36を取外
してノズルなどの交換や補修を容易に行うこともでき
る。
【0038】また、この一対のブロック35,36の装
着される樋24は、この樋24の両端に通板方向に延び
る溝24a,24bがそれぞれ形成され、上圧延ロール
22の両端を回転自在に支えるチョック42,43に形
成される凸条に嵌め込み自在にしておけば、前記ブロッ
ク35,36を着脱自在にした場合と同様に不用で邪魔
になるときあるいは損傷回避や交換補修時には簡単に取
外すことができる。しかしながら、ワイパ28,29を
この樋24に直接固定しておくのではなくて、図2
(B)に示すように、この一対のワイパ28,29をノ
ズル31,33およびノズル32,34とともにそれぞ
れ一対のブロック35,36に装着しコンパクトにユニ
ット化するのがなお一層好ましい。このように各ブロッ
ク35,36に一体化しておけば、各ノズル31,33
および32,34だけでなくこの一対のワイパ28,2
9をも任意に走行移動させて圧延剤を拭い取るのに最も
好適な位置に容易に設定し直すことができるし、不用時
や邪魔になるときは簡単に取外すこともできるし、取外
してワイパ28,29自体の交換や補修を安全に容易に
行うこともできる。
【0039】図3に示すように、樋24は、たとえば金
属の薄板を折曲げ加工して形成する。図3(A)は平面
図、図3(B)は正面図、図3(C)は側断面図をそれ
ぞれ示す。樋24の底面は、長手方向の中央が高く両端
が低くなるように僅かの傾斜が設けられる。圧延直後の
金属帯21表面に落下しないように、樋24の長手方向
の両端面外方へ溝27に受けて貯溜している圧延剤を溢
流し、上下圧延ロール22,23の下方に設けられるオ
イルパンなどによってその圧延剤が受けられ、循環して
使用される。樋24の両端には、金属帯21の通板方向
に延びる溝24a,24bがそれぞれ形成され、上圧延
ロール22の両端を回転自在に支えるチョック42,4
3に形成される凸条に嵌め込まれる。
【0040】図4に示すように、1つのブロック35に
は、圧縮空気源から配管30を介して供給された圧縮空
気をノズル31とノズル33とに分配する分配器38
と、レール25に対して位置を固定するための止めボル
ト39が設けられる。図4(A)は平面図、図4(B)
は正面図、図4(C)は左側面図をそれぞれ示す。他方
のブロック36も同様の構成を有する。そして、この樋
24上に固定配置されるレール25,26とブロック3
5,36にはTHK(株)製でLMガイド(商品名)N
SR形を用いると非常に好適である。
【0041】図5に示すように、1つのワイパ28は、
ゴム板40をL字状の取付板41で固定する。図5
(A)は平面図、図5(B)は正面図、図5(C)は左
側面図をそれぞれ示す。
【0042】図6は、図1の実施例が用いられる調質圧
延設備全体の構成を簡略化して示す。金属帯コイル44
はペイオフリール45に装着されて巻き戻される。巻き
戻された金属帯21は、入側デフレクタロール46によ
って方向が変えられ、上下の圧延ロール22,23間に
供給される。圧延ロール22,23間の間隔は、必要と
する調質圧延の程度によって調整される。圧延剤は上下
のスプレイノズル47,48から入側で供給される。上
圧延ロール22の出側には図1に示す樋24が設けられ
る。圧延された被圧延金属帯21は出側デフレクタロー
ル49によって方向が変えられテンションリール50に
巻取られて被圧延金属帯コイル51となる。
【0043】さて、以上に上下圧延ロール22,23の
出側において、圧延直後の金属帯21の上方に関する、
すなわちこの金属帯21表面に付着し残存する圧延剤の
除去に関して説明してきたのであるが、この圧延直後の
金属帯21の下方に関する、すなわちこの金属帯21の
裏面にも圧延剤が付着し残存するので、以下にこの除去
に関して図7により説明する。
【0044】図7に示す実施例では、図1および図2
(A),(B)に示す実施例に対応する部分には同一の
参照符号を付して図示している。
【0045】金属帯21の入側で上下圧延ロール22,
23への噛込み部に上下のスプレイノズル47,48か
ら供給された圧延剤は、この噛込まれた金属帯21の不
在な上下圧延ロール22,23の胴長方向の両端付近に
形成される隙間を通過して出側にまわってしまい、下圧
延ロール23の外周面を伝って下方に設けられているオ
イルパンなどによって受けられる。この出側における圧
延直後の金属帯21裏面の両端付近および両端面にも図
12に示す如く圧延剤が付着し残存しているので、これ
を除去しなければならない。このために、まずこの上下
圧延ロール22,23の出側における圧延直後の金属帯
21の下方で、下圧延ロール23に近接して上下圧延ロ
ール22,23の胴長方向に平行な梁(部材)58を備
える。この梁(部材)58は、前述の圧延直後の金属帯
21の上方における樋24の場合と同様にして下圧延ロ
ール23の両端部を支える両チェックに嵌め合い自在に
構成し、取外し自由に支持してもよいし、その他の部材
に取外し自由に支持してもよい。このような梁(部材)
58に沿って長手方向に走行可能でかつ着脱自在なブロ
ック59,60(図示しない)を装着する。したがっ
て、このブロック59,60は図1および図2(A),
(B)の実施例に示すブロック35,36と同様に構成
するのが好ましい。そして、このように構成された片側
のブロック59に下側のノズル56,57を取付けて、
かかるノズル56,57から圧延直後の金属帯21裏面
の幅方向における中央から両端方向に向けて圧縮空気を
吹き付けて、金属帯21表面に付着し残存している圧延
剤を重点的にあるいは局部的に効率良く除去することが
できる。
【0046】しかしながら、図8に示すように、ウェッ
トスキンパス方式によって調質圧延された金属帯21の
表面および裏面から確実に圧延剤を除去し完全に清浄化
された金属帯21を被圧延金属帯コイル51としてテン
ションリール50に巻取るためには、上下圧延ロール2
2,35の出側における圧延直後の金属帯21表面およ
び裏面に対してだけでなく、出側デフレクタロール49
の設置位置付近でも除去するようにするのが好ましい。
【0047】図8に示す実施例では、出側デフレクタロ
ール49の上方にもノズル52,53を設けて、被圧延
金属帯21の表面の両端付近に僅かに付着し残存してい
る圧延剤を圧縮空気を吹き付けて両端外方へ飛散させ除
去する状態を示している。同様にして出側デフレクタロ
ール49の下方にノズルを設けてもよい。また、出側デ
フレクタロール49の下部における両端付近は、固定配
置されたワイパ61によって接触され、この両端付近に
付着し残存(残留)しようとする圧延剤を拭い取り除去
するのである。
【0048】以上の各実施例では、調質圧延ロール2
2,23として、2段圧延の場合を示しているけれど
も、4段を含む多段圧延機のワークロールであってもよ
い。また各ノズルについては、その位置を金属帯の幅に
応じて調整する必要があるけれども、各ワイパは図1に
示す如く固定してもよい。各実施例では、各ノズルをブ
ロックに装着して樋や梁部材上に設けたレール上をスラ
イドさせてその位置を設定し直すようにしているけれど
も、ねじなどの他の調整機構を用いてもよい。また各ノ
ズルからは圧縮空気を吹き付けるようにしているけれど
も、乾燥させたり加温させたりした圧縮空気や他の気体
であってもよい。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、ウェット
スキンパス方式を行う際に、余分な圧延剤が金属帯表面
に落下飛散するのを防止し、圧延ロールから余分な圧延
剤が金属帯に移行することをも防止し、さらに金属帯表
裏面の両端付近に付着する圧延剤を圧縮空気を吹き付け
て除去することができる。これによって金属帯を安定し
て製造し、製品価値の向上を図ることができる。さら
に、製品の級別歩留りや、材料歩留りを向上させること
ができる。また余計な工程を追加して通板させる必要も
なく、不安全、非能率かつ余分な人手作業である汚れ等
の手直し作業も不必要となる。また合紙帯本来の目的と
異なる目的、異常な目的に使用する必要はない。本来の
目的に使用する場合には繰返し使用可能な合紙帯を汚
し、強度を弱めることがないので、その耐用寿命を延命
させ、無駄に使用する必要がない。このため、総合的に
効率的でかつコストダウンが可能となる。また、樋上に
長手方向に延びるレールおよび溝がそれぞれ形成し、レ
ールに沿ってワイパおよびノズルを装着するブロックが
長手方向に走行可能であるので、ワイパおよびノズルの
位置をレールに沿って調整することが容易である。これ
によって、ロールの長さや金属帯の幅などが変更されて
も、容易にノズルやワイパの位置を調整することができ
る。
【0050】また本発明によれば、レールの長手方向の
中央部付近からブロックをレールの長手方向の両端にそ
れぞれ着脱し、ノズルの退避や補修などが容易である。
【0051】さらに本発明によれば、ウェットスキンパ
ス方式を行う際に、余分な圧延剤が金属帯表面に落下飛
散するのを防止し、圧延ロールから余分な圧延剤が金属
帯に移行することをも防止し、さらに金属帯表裏面の両
端付近に付着する圧延剤を圧縮空気を吹き付けて除去す
ることができる。これによって金属帯を安定して製造
し、製品価値の向上を図ることができる。さらに、製品
の級別歩留りや、材料歩留りを向上させることができ
る。また余計な工程を追加して通板させる必要もなく、
不安全、非能率かつ余分な人手作業である汚れ等の手直
し作業も不必要となる。また合紙帯本来の目的と異なる
目的、異常な目的に使用する必要はない。本来の目的に
使用する場合には繰返し使用可能な合紙帯を汚し、強度
を弱めることがないので、その耐用寿命を延命させ、無
駄に使用する必要がない。このため、総合的に効率的で
かつコストダウンが可能となる。圧延直後の金属帯の下
方に配置されるノズルが、圧延直後の金属帯裏面の幅方
向における中央から両端方向に向けて圧縮空気を吹き付
けることによって、圧延剤のほぼ完全に除去された清浄
な金属帯裏面を得ることができる。
【0052】また本発明によれば、レールの長手方向の
中央部付近からブロックをレールの長手方向の両端にそ
れぞれ着脱し、ノズルの退避や補修などが容易である。
【0053】また本発明によれば、ペイオフリールに装
着された金属帯コイルから金属帯を巻き戻し、ウェット
スキンパス方式によって調質圧延し、出側デフレクタロ
ールを介してテンションリールに巻取らせる際に、圧延
剤をロールに付着させず、金属帯の両端付近および端面
からも圧縮空気を吹き付けることによって圧延剤が確実
に除去されるので、種々の金属帯コイルからウェットス
キンパスを高品質に連続的に行うことができる。また、
出側デフレクタロールにもノズルとワイパとが設けら
れ、金属帯の幅方向の両端から外方に、残存する圧延剤
を飛散させ、デフレクタロール表面に付着した圧延剤も
拭い取るので、一層清浄化された金属帯を得ることがで
きる。
【0054】また本発明によれば、ノズルおよびワイパ
は、デフレクタロール圧延剤が落下飛散して金属帯表面
に付着するのを防止することができる。
【0055】
【0056】
【0057】さらに本発明によれば、圧延ロールに圧延
剤を供給しながら金属帯をウェットスキンパス方式によ
って調質圧延する。その際に、樋によって金属帯表面に
圧延剤が飛散落下するのを防止し、拭き取ることによっ
て圧延ロール表面に残存する圧延剤が金属帯表面に移行
するのを防止し、気体を吹き付けることによって金属帯
の両端から圧延剤を飛散除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の主要部を示す斜視図であ
る。
【図2】図2(A),(B)は図1の実施例の樋24上
に装着されるレールやブロックやワイパやノズルの構成
をそれぞれ示す側断面図である。
【図3】図1の実施例の樋24自体の構造および形状を
示す平面図、正面図および側断面図である。
【図4】図1の実施例のブロック35の平面図、正面図
および左側面図である。
【図5】図1の実施例のワイパ28の平面図、正面図お
よび左側面図である。
【図6】図1の実施例が含まれる調質圧延設備の簡略化
した側面図である。
【図7】本発明に係り圧延直後の金属帯の下方に関する
主要部分構成を示す側面図である。
【図8】本発明に係り出側デフレクタロール設置位置付
近における実施例の主要部分構成を示す簡略化した斜視
図である。
【図9】従来の調質圧延設備の構成を示す簡略化した側
面図である。
【図10】被圧延金属帯上の汚れなどを示す簡略化した
斜視図である。
【図11】従来の調質圧延法で圧延ロールの外周面に付
着する圧延剤の状態と圧延剤が入側から出側に通過しま
わってしまう隙間2aの形成状況を簡略化して示す正面
図である。
【図12】従来の調質圧延法で金属帯の両端付近および
両端面に残存する圧延剤の状態を示す簡略化した断面図
である。
【符号の説明】
21 金属帯 22,23 圧延ロール 24 樋 25,26 レール 27 溝 28,29 ワイパ 31〜34 ノズル 35,36 ブロック 37 リニアベアリング 40 ゴム板 42,43 チョック 49 出側デフレクタロール 51 被圧延金属帯コイル 52,53 ノズル 56,57 ノズル 54 被圧延金属帯 58 梁部材 59,60 ブロック 61,62 ワイパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 時夫 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新 製鋼株式会社 周南製鋼所内 (56)参考文献 特開 平5−277522(JP,A) 特開 昭53−100154(JP,A) 特開 昭55−22434(JP,A) 特開 昭58−22901(JP,A) 特開 平5−337522(JP,A) 特開 平5−69028(JP,A) 特開 昭53−6259(JP,A) 実開 平2−48163(JP,U) 実開 平3−31003(JP,U) 実開 平4−118203(JP,U) 実開 平1−114108(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21B 28/04 B08B 5/02 B21B 45/02 330

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下圧延ロールの出側における上圧延ロ
    ールに近接して、圧延直後の金属帯の上方に配置される
    とともに金属帯の幅方向に延びて、入側で金属帯の噛込
    み部に供給される圧延剤が出側において上圧延ロールの
    外周面を介して圧延直後の金属帯表面に飛散落下するの
    を受ける樋と、 前記樋の長手方向における両端付近に配置され、前記上
    圧延ロールの胴長方向における両端付近の外周面に接触
    し残存する圧延剤を拭い取るワイパと、 前記圧延直後の金属帯表面の幅方向における中央から両
    端方向に向けて圧縮空気を吹き付けるノズルとを備え、 前記樋上には、長手方向に延設されるレールおよび溝が
    それぞれ形成され、前記レールに沿って走行可能で前記
    ワイパとノズルとを装着するブロックを一対備えること
    を特徴とする金属帯の調質圧延機。
  2. 【請求項2】 前記レールは、長手方向の中央部には形
    成されず、この中央部から前記ブロックを長手方向の両
    端付近にそれぞれ着脱自在に構成することを特徴とする
    請求項1記載の調質圧延機。
  3. 【請求項3】 上下圧延ロールの出側における上圧延ロ
    ールに近接して、圧延直後の金属帯の上方に配置される
    とともに金属帯の幅方向に延びて、入側で金属帯の噛込
    み部に供給される圧延剤が出側において上圧延ロールの
    外周面を介して圧延直後の金属帯表面に飛散落下するの
    を受ける樋と、 前記樋の長手方向における両端付近に配置され、前記上
    圧延ロールの胴長方向における両端付近の外周面に接触
    し残存する圧延剤を拭い取るワイパと、 前記上下圧延ロールの出側における下圧延ロールに近接
    して、圧延直後の金属帯の下方に配置されるとともに金
    属帯の幅方向に延びる梁とを備え、 前記梁上には長手方向に延設されるレールが形成され、 前記梁上のレールに沿って走行可能で、圧延直後の金属
    帯裏面の幅方向における中央から両端方向に向けて圧縮
    空気を吹き付けるノズルを装着するブロックを一対備え
    ることを特徴とする金属帯の調質圧延機。
  4. 【請求項4】 前記梁上のレールは、長手方向の中央部
    には形成されず、この中央部から前記ブロックを長手方
    向の両端にそれぞれ着脱自在に構成することを特徴とす
    る請求項3記載の金属帯の調質圧延機。
  5. 【請求項5】 前記上下圧延ロールには、ペイオフリー
    ルに装着された金属帯コイルから巻き戻される金属帯が
    入側デフレクタロールを介して供給され、供給される金
    属帯の上下圧延ロールへの噛込み部には圧延剤が供給さ
    れ、圧延後の金属帯は出側デフレクタロールを介してテ
    ンションリールに巻取られることを特徴とする請求項1
    から4までのいずれか1項に記載の金属帯の調質圧延
    機。
  6. 【請求項6】 前記出側デフレクタロールに接触し、通
    板方向が変更するように案内される金属帯表面および/
    または裏面の両端付近に付着し残存する圧延剤を、圧縮
    空気を吹き付けて金属帯の幅方向外方へ飛散させるノズ
    ルと、 出側デフレクタロール表面に接触し、表面の両端付近に
    付着し残存する圧延剤を拭い取るワイパと を備えることを特徴とする請求項5記載の金属帯の調質
    圧延機。
  7. 【請求項7】 金属帯の上下圧延ロールへの噛込み部に
    圧延剤を供給しながら金属帯を調質圧延し、圧延後の金
    属帯を出側デフレクタロールを介してテンションリール
    に巻取るに際し、 金属帯の上下圧延ロールの出側において、圧延直後の金
    属帯の上方に、金属帯の幅方向に延びる樋を配置し、上
    圧延ロールの外周面を介して圧延直後の金属帯表面に飛
    散落下する圧延剤を前記樋で受け、 上圧延ロールの胴長方向における両端付近の外周面に付
    着し残存する圧延剤をワイパで拭い取りながら前記樋で
    受け、 前記樋内に受けた圧延剤を樋を介して圧延直後の金属帯
    の両端外方へ排除し、 圧延直後の金属帯表面および裏面の幅方向における中央
    から両端方向に向けてそれぞれ圧縮空気を吹き付けて残
    存する圧延剤を飛散させ、 前記出側デフレクタロールに接触して、通板方向が変更
    するように案内される圧延後の金属帯表面および/また
    は裏面の幅方向における中央から両端外方へ向けてそれ
    ぞれ圧縮空気を吹き付けて残存する圧延剤を飛散させ、 出側デフレクタロール表面にワイパを接触させて、表面
    の両端付近に残存する圧延剤を拭い取ることを特徴とす
    る金属帯の調質圧延方法。
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