JPH1057814A - 酸化触媒及びそれを用いた酸化方法 - Google Patents

酸化触媒及びそれを用いた酸化方法

Info

Publication number
JPH1057814A
JPH1057814A JP8218692A JP21869296A JPH1057814A JP H1057814 A JPH1057814 A JP H1057814A JP 8218692 A JP8218692 A JP 8218692A JP 21869296 A JP21869296 A JP 21869296A JP H1057814 A JPH1057814 A JP H1057814A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
group
aromatic
oxidation catalyst
atom
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8218692A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3854344B2 (ja
Inventor
Narihisa Hirai
成尚 平井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daicel Chemical Industries Ltd filed Critical Daicel Chemical Industries Ltd
Priority to JP21869296A priority Critical patent/JP3854344B2/ja
Publication of JPH1057814A publication Critical patent/JPH1057814A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3854344B2 publication Critical patent/JP3854344B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Pyrrole Compounds (AREA)
  • Indole Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 温和な条件下、分子状酸素により基質を効率
よく酸化し、高い反応転化率および選択率で目的酸化化
合物を得る。 【構成】 一般式(1)で表されるN−(9−フルオ
レニルオキシ)フタルイミドなどのイミド化合物からな
る酸化触媒、又は上記イミド化合物と、遷移金属化合
物などの共酸化剤とで構成された酸化触媒の存在下、環
式化合物などの基質と分子状酸素とを接触させることに
より酸化する。例えば、フルオレンからはフルオレノン
が高い転化率および選択率で得られる。 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
は非芳香族性の環を形成してもよい。R3 は、隣接する
酸素原子との結合部位に3級炭素を有する環式基を示
し、nは1〜3の整数を示す)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ケトンなどのカル
ボニル化合物等を製造する上で有用な酸化触媒と、この
触媒を用いる酸化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】メチル基、メチレン基やメチン基を有す
る化合物を酸化して対応するカルボニル化合物やアルコ
ールを得る方法として、例えば、二酸化マンガン、クロ
ム酸又はクロム酸塩などの金属化合物を酸化剤として用
いる方法が知られている。しかし、この方法では、反応
成分と当量の金属化合物を必要とするので、経済的に不
利であるとともに、反応後の金属化合物の処理が煩雑で
ある。
【0003】一方、上記酸化反応において、酸素又は空
気を酸化剤とし、コバルト、マンガン、ランタン、ロジ
ウムなどの金属を含む金属化合物を触媒として用いる方
法が知られている。この方法は、金属化合物を触媒的に
使用するので、資源及び環境上の点で優れているが、未
だ、転化率及び選択率が低く、酸化反応を利用してカル
ボニル化合物を効率よく製造することが困難である。
【0004】特開昭61−238733号公報には、ア
リル性水素原子を有するイソプレノイドをN−ヒドロキ
シカルボン酸イミドの存在下で酸化する方法が開示され
ている。しかし、この方法によりカルボニル化合物を得
るためには、基質を酸化した後、生成したハイドロパー
オキサイドを脱水剤により脱水反応に供する必要があ
る。そのため、工程が長く、生産効率よくカルボニル化
合物を得ることが困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、温和な条件下、分子状酸素により基質を効率よく酸
化できる酸化触媒とそれを用いた酸化方法を提供するこ
とにある。
【0006】本発明の他の目的は、分子状酸素により、
高い反応転化率及び選択率で目的の酸化生成物を得るこ
とのできる酸化触媒と酸化方法を提供することにある。
【0007】本発明のさらに他の目的は、脱水反応工程
を必要とせず、簡便にカルボニル化合物を得ることので
きる酸化触媒と酸化方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、N−置換オキシフタ
ルイミド化合物を触媒として用いると、酸素雰囲気下、
温和な条件下で、メチレン基又はメチル基などを効率よ
く酸化できることを見出だし、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明の酸化触媒は、分子状酸
素により基質を酸化するための触媒であって、一般式
(1)で表わされるイミド化合物で構成されている。
【0010】
【化3】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
は非芳香族性の環を形成してもよい。R3 は、隣接する
酸素原子との結合部位に3級炭素を有する環式基を示
し、nは1〜3の整数を示す) 上記一般式(1)において、R1 及びR2 は互いに結合
して芳香族性又は非芳香族性の5〜12員環、例えば、
置換基を有していてもよいシクロアルカン環、置換基を
有していてもよいシクロアルケン環、置換基を有してい
てもよい橋かけ式炭化水素環、置換基を有していてもよ
い芳香族環を形成してもよい。また、R 3 の環式基を構
成する環は、非芳香族性又は芳香族性環の1〜6個で構
成され且つ少なくとも1つの非芳香族性環を含む単環又
は縮合環であってもよい。前記非芳香族性環には、4〜
8員の炭化水素環、又は酸素原子、硫黄原子及び窒素原
子から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を有する
4〜8員の複素環が含まれる。また、前記芳香族性環に
は、ベンゼン環、又は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子
から選択された少なくとも1つのヘテロ原子を有する5
〜6員の複素環が含まれる。R3 の環式基を構成する環
は、隣接する酸素原子と結合する3級炭素のα,β位に
不飽和結合を有していてもよい。
【0011】本発明の酸化方法では、前記酸化触媒の存
在下、基質と分子状酸素とを接触させることにより酸化
する。基質には、一般式(1)で表わされる化合物に対
応するR3 Hで表わされる環式化合物が含まれる。
【0012】
【発明の実施の形態】前記一般式(1)で表わされる化
合物において、置換基R1 及びR2 のうち、ハロゲン原
子には、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素が含まれる。ア
ルキル基には、例えば、メチル、エチル、プロピル、イ
ソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t
−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、
デシル基などの炭素数1〜10程度の直鎖状又は分岐鎖
状アルキル基が含まれる。好ましいアルキル基として
は、例えば、炭素数1〜6程度、特に炭素数1〜4程度
の低級アルキル基が挙げられる。
【0013】アリール基には、フェニル基、ナフチル基
などが含まれ、シクロアルキル基には、シクロペンチ
ル、シクロヘキシル、シクロオクチル基などが含まれ
る。アルコキシ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、
プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキ
シ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ基
などの炭素数1〜10程度、好ましくは炭素数1〜6程
度、特に炭素数1〜4程度の低級アルコキシ基が含まれ
る。
【0014】アルコキシカルボニル基には、例えば、メ
トキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカ
ルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボ
ニル、イソブトキシカルボニル、t−ブトキシカルボニ
ル、ペンチルオキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボ
ニル基などのアルコキシ部分の炭素数が1〜10程度の
アルコキシカルボニル基が含まれる。好ましいアルコキ
シカルボニル基にはアルコキシ部分の炭素数が1〜6程
度、特に1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が含
まれる。
【0015】アシル基としては、例えば、ホルミル、ア
セチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレ
リル、イソバレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6
程度のアシル基が例示できる。
【0016】前記置換基R1 及びR2 は、同一又は異な
っていてもよい。また、前記一般式(1)において、R
1 およびR2 は互いに結合して、二重結合、または芳香
族性又は非芳香族性の環Aを形成してもよい。好ましい
芳香族性又は非芳香族性環は5〜12員環、特に6〜1
0員環程度であり、複素環又は縮合複素環であってもよ
いが、炭化水素環である場合が多い。このような環に
は、例えば、非芳香族性脂環式環(シクロヘキサン環な
どの置換基を有していてもよいシクロアルカン環、シク
ロヘキセン環などの置換基を有していてもよいシクロア
ルケン環など)、非芳香族性橋かけ環(5−ノルボルネ
ン環などの置換基を有していてもよい橋かけ式炭化水素
環など)、ベンゼン環、ハロゲン原子で置換されたベン
ゼン環、ナフタレン環などの置換基を有していてもよい
芳香族環が含まれる。前記環Aは、芳香族環で構成され
る場合が多い。
【0017】前記一般式(1)において、R3 は、隣接
する酸素原子との結合部位に3級炭素を有する環式基を
示す。前記環式基を構成する環Bとしては、非芳香族性
環B1 又は芳香族性環B2 の1〜6個(好ましくは1〜
4個)程度で構成され、且つ少なくとも1つの非芳香族
性環を含む単環又は縮合環が挙げられる。
【0018】非芳香族性環B1 には、非芳香族性の炭化
水素環および複素環が含まれる。非芳香族性の炭化水素
環としては、例えば、シクロブタン、シクロブテン、シ
クロペンタン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、
シクロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエ
ン、シクロヘプタン、シクロヘプテン、シクロヘプタジ
エン、シクロオクタン、シクロオクテン、シクロオクタ
ジエン、シクロオクタトリエン、シクロノナン、シクロ
デカン環などの4〜12員程度のシクロアルカン環およ
びシクロアルケン環が挙げられる。好ましい炭化水素環
には、シクロペンタン、シクロペンテン、シクロヘキサ
ン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン環などの4〜
8員(特に5〜6員)程度の炭化水素環が含まれる。
【0019】非芳香族性の複素環としては、例えば、酸
素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択された少なくと
も1種のヘテロ原子を1〜3(好ましくは1〜2)程度
有する複素環が含まれる。このような複素環として、例
えば、オキセタン、オキセテン、アゼチジン、アゼチン
環などの4員環;テトラヒドロフラン、ジヒドロフラ
ン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチオフェン、ピ
ロリジン、2−ピロリン、オキサゾリジン、オキサゾリ
ン、イソキサゾリジン、イソキサゾリン、チアゾリジ
ン、チアゾリン、イソチアゾリジン、イソチアゾリン、
イミダゾリジン、2−イミダゾリン、ピラゾリジン、3
−ピラゾリン環などの5員環;テトラヒドロピラン、ジ
ヒドロピラン、テトラヒドロチオピラン、ジヒドロチオ
ピラン、ピペリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロ
ピリジン、ジオキサン、ジヒドロジオキシン、オキサチ
オラン、ジヒドロオキサチイン、モルホリン、ジヒドロ
オキサジン、テトラヒドロチアジン、ジヒドロチアジ
ン、ピペラジン、ジヒドロジアジン、テトラヒドロオキ
サジアジン環などの6員環;ヘキサヒドロオキセピン、
テトロヒドロオキセピン、ジヒドロオキセピン、ヘキサ
ヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロアゼ
ピン、アゼピン、ヘキサヒドロジアゼピン、テトラヒド
ロジアゼピン、ジヒドロジアゼピン、ジアゼピン環など
の7員環;テトラヒドロオキソシン環などの8員環など
の4〜12員(好ましくは4〜8員、さらに好ましくは
5〜6員)程度の複素環が例示される。
【0020】芳香族性環B2 には、例えば、5〜12員
程度の芳香族性の炭化水素環および複素環が含まれる。
芳香族性炭化水素環としては、例えば、ベンゼン、シク
ロオクタテトラエン環などの6〜12員程度の炭化水素
環が挙げられる。好ましい芳香族性炭化水素環には、ベ
ンゼン環が含まれる。
【0021】芳香族性複素環としては、例えば、酸素原
子、硫黄原子及び窒素原子から選択された少なくとも1
種のヘテロ原子を1〜3(好ましくは1〜2)程度有す
る複素環が含まれる。このような複素環として、例え
ば、フラン、チオフェン、ピロール、オキサゾール、イ
ソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾ
ール、ピラゾール環などの5員環;ピリジン、ピラジ
ン、ピリミジン、ピリダジン環などの6員環等の5〜1
2員(好ましくは5〜6員)程度の複素環などが挙げら
れる。
【0022】前記環式基を構成する環Bは、5〜6員の
非芳香族性又は芳香族性環から選択された1〜6個程
度、好ましくは1〜4個程度の環で構成され、且つ少な
くとも隣接する酸素原子と結合する3級炭素を有する非
芳香族性環を含む単環又は縮合環である場合が多い。な
かでも、環Bが縮合環の場合には、触媒の安定性が極め
て高い。
【0023】前記環式基を構成する環Bは、隣接する酸
素原子と結合する3級炭素のα,β位に不飽和結合を有
していてもよい。前記3級炭素のα,β位に不飽和結合
が形成された環Bを有する触媒は、特に触媒活性の点で
優れている。このような環Bには、(a)二重結合を有
する非芳香族性環で構成された単環、(b)前記二重結
合を有する非芳香族性環に、非芳香族性環が1又は2以
上(好ましくは1〜5程度)縮合した非芳香族性縮合
環、(c)3級炭素を有する非芳香族性環と、この非芳
香族性環のうち3級炭素のα位とβ位の炭素原子で構成
される辺に縮合した芳香族性環とを有する縮合環などが
含まれる。
【0024】上記(a)における二重結合を有する非芳
香族性環としては、例えば、シクロペンテン、シクロヘ
キセン環などのシクロアルケン環;ジヒドロフラン、ジ
ヒドロチオフェン、テトラヒドロピラン、ジヒドロピラ
ン、ジヒドロピリジン環などの二重結合を有する非芳香
族性複素環などが例示される。上記(b)において、二
重結合を有する非芳香族性環に縮合する非芳香族性環と
しては、前記環B1 として例示した非芳香族性環が挙げ
られる。上記(c)の縮合環としては、例えば、インデ
ン、インダン、テトラリン、1H−シクロペンタシクロ
オクテン、イソクロマン、クロマン、インドリン、1,
2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,4−
テトラヒドロイソキノリン、イソインドリン環などの二
環系;フルオレン、フェナレン、アセナフテン、キサン
テン、9,10−ジヒドロアクリジン環などの三環系;
1,2−ジヒドロアセアンスリレン環などの四環系;コ
ランスレン環などの五環系などの縮合環が例示できる。
【0025】これらの中でも、前記環式基を構成する環
Bとして、上記(c)の縮合環、特に、前記非芳香族性
環のうち3級炭素のα位とβ位の炭素原子で構成される
辺に、5〜6員の芳香族性環(特に炭化水素環)が縮合
した縮合環などが、触媒活性および安定性の点で好まし
い。
【0026】R3 で示される環式基を構成する環Bは、
架橋環を構成していてもよい。また、環Bは、アルキル
基、アルケニル基、アルキニル基、シクロアルキル基、
アリール基、アラルキル基、ヒドロキシル基、アルコキ
シ基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アシ
ル基、オキソ基、ニトロ基、シアノ基、アミノ基、モノ
又はジ置換アミノ基などの置換基を有していてもよい。
【0027】前記アルキル基、シクロアルキル基、アリ
ール基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシ
ル基としては、前記と同様の基が例示できる。アルケニ
ル基には、ビニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテ
ニル、イソブテニル、ペンテニル、オクテニルなどの炭
素数2〜10(特に炭素数2〜6)程度のアルケニル基
が含まれ、アルキニル基には、プロピニル、ブチニルな
どの炭素数2〜10(特に2〜6)程度のアルキニル基
が含まれる。アラルキル基には、ベンジル、2−フェニ
ルエチル、3−フェニルプロピルなどの炭素数7〜12
程度のアラルキル基が含まれ、モノ又はジ置換アミノ基
には、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、
ジエチルアミノ、プロピルアミノなどのモノ又はジC
1-5 置換アミノ基および1−ピロリジニル、ピペリジ
ノ、モルホリノなどの3〜6員(特に5〜6員)程度の
環状アミノ基が含まれる。
【0028】好ましいイミド化合物には、下記式で表さ
れる化合物が含まれる。
【0029】
【化4】 (式中、R4 〜R7 は、同一又は異なって、水素原子、
アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキ
シル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ
基、シアノ基、アミノ基、ハロゲン原子を示す。R1
2 、R3 およびnは前記に同じ) 置換基R4 〜R7 において、アルキル基には、前記例示
のアルキル基と同様のアルキル基、特に炭素数1〜6程
度のアルキル基が含まれ、アルコキシ基には、前記と同
様のアルコキシ基、特に炭素数1〜4程度の低級アルコ
キシ基、アルコキシカルボニル基には、前記と同様のア
ルコキシカルボニル基、特にアルコキシ部分の炭素数が
1〜4程度の低級アルコキシカルボニル基が含まれる。
また、アシル基としては、前記と同様のアシル基、特に
炭素数1〜6程度のアシル基が例示され、ハロゲン原子
としては、フッ素、塩素、臭素原子が例示できる。置換
基R4 〜R7 は、通常、水素原子、炭素数1〜4程度の
低級アルキル基、カルボキシル基、ニトロ基、ハロゲン
原子である場合が多い。
【0030】一般式(1)において、nは、通常1〜3
程度、好ましくは1又は2である。一般式(1)で表わ
される化合物は、酸化反応において一種又は二種以上使
用できる。
【0031】前記一般式(1)で表されるイミド化合物
に対応する酸無水物には、例えば、無水コハク酸、無水
マレイン酸などの飽和又は不飽和脂肪族ジカルボン酸無
水物、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フ
タル酸(1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水
物)、1,2,3,4−シクロヘキサンテトラカルボン
酸1,2−無水物などの飽和又は不飽和非芳香族性環状
多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水
物)、無水ヘット酸、無水ハイミック酸などの橋かけ環
式多価カルボン酸無水物(脂環式多価カルボン酸無水
物)、無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸、テト
ラクロロ無水フタル酸、無水ニトロフタル酸、無水トリ
メリット酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸無水
物、無水ピロメリット酸、無水メリト酸、1,8;4,
5−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物などの芳香族
多価カルボン酸無水物が含まれる。
【0032】好ましいイミド化合物としては、例えば、
N−(9−フルオレニルオキシ)コハクイミド、N−
(9−フルオレニルオキシ)マレインイミド、N−(9
−フルオレニルオキシ)ヘキサヒドロフタルイミド、
N,N′−ビス(9−フルオレニルオキシ)シクロヘキ
サンテトラカルボン酸イミド、N−(9−フルオレニル
オキシ)フタルイミド、N−(9−フルオレニルオキ
シ)テトラブロモフタルイミド、N−(9−フルオレニ
ルオキシ)テトラクロロフタルイミド、N−(9−フル
オレニルオキシ)ヘット酸イミド、N−(9−フルオレ
ニルオキシ)ハイミック酸イミド、N−(9−フルオレ
ニルオキシ)トリメリット酸イミド、N,N′−ビス
(9−フルオレニルオキシ)ピロメリット酸イミド、
N,N′−ビス(9−フルオレニルオキシ)ナフタレン
テトラカルボン酸イミドなど;およびこれらに対応す
る、N(又はN,N′−ビス)−(シクロブチルオキ
シ)誘導体、N(又はN,N′−ビス)−(シクロペン
チルオキシ)誘導体、N(又はN,N′−ビス)−(シ
クロヘキシルオキシ)誘導体、N(又はN,N′−ビ
ス)−(シクロヘプチルオキシ)誘導体、N(又はN,
N′−ビス)−(シクロオクチルオキシ)誘導体、N
(又はN,N′−ビス)−(4−メチルシクロヘキシル
オキシ)誘導体などのN(又はN,N′−ビス)−シク
ロアルキルオキシ誘導体;N(又はN,N′−ビス)−
(2−シクロヘキセニルオキシ)誘導体、N(又はN,
N′−ビス)−(2−シクロオクテニルオキシ)誘導
体、N(又はN,N′−ビス)−(2,4−シクロペン
タジエニルオキシ)誘導体、N(又はN,N′−ビス)
−(2,4−シクロオクタジエニルオキシ)誘導体など
のN(又はN,N′−ビス)−シクロアルケニルオキシ
誘導体;N(又はN,N′−ビス)−(1−インダニル
オキシ)誘導体、N(又はN,N′−ビス)−(1−イ
ンデニルオキシ)誘導体、N(又はN,N′−ビス)−
(1−テトラリニルオキシ)誘導体、N(又はN,N′
−ビス)−(1−アセナフテニルオキシ)誘導体、N
(又はN,N′−ビス)−(1−フェナレニルオキシ)
誘導体、N(又はN,N′−ビス)−[1−(1H−シ
クロペンタシクロオクテニルオキシ)]誘導体、N(又
はN,N′−ビス)−(9−キサンテニルオキシ)誘導
体、N(又はN,N′−ビス)−(1−イソクロマニル
オキシ)誘導体、N(又はN,N′−ビス)−(4−ク
ロマニルオキシ)誘導体、N(又はN,N′−ビス)−
(3−インドリニルオキシ)誘導体、N(又はN,N′
−ビス)−(1−イソインドリニルオキシ)誘導体、N
(又はN,N′−ビス)−[4−(1,2,3,4−テ
トラヒドロキノリニルオキシ)]誘導体、N(又はN,
N′−ビス)−[4−(1,2,3,4−テトラヒドロ
イソキノリニルオキシ)]誘導体、N(又はN,N′−
ビス)−[9−(9,10−ジヒドロアクリジニルオキ
シ)]誘導体などのイミドを構成する窒素原子に縮合環
(炭化水素環又は複素環)が結合した誘導体が挙げられ
る。特に好ましい化合物は、脂環式多価カルボン酸無水
物又は芳香族多価カルボン酸無水物、なかでも芳香族多
価カルボン酸無水物に対応するN−置換オキシイミド化
合物などが含まれる。
【0033】前記一般式(1)で表わされるイミド化合
物は、慣用のエーテル化反応(O−アルキル化反応)に
より得ることができる。例えば、一般式(2)
【0034】
【化5】 (式中、R1 、R2 、nは前記と同じ)で表わされるN
−ヒドロキシイミド化合物と、R3 X(式中、Xはハロ
ゲン原子を示し、R3 は、隣接するハロゲン原子との結
合部位に3級炭素を有する環式基を示す)で表わされる
ハロゲン化合物とを反応させることによって調製でき
る。好ましいハロゲン原子には、塩素、臭素、ヨウ素原
子が含まれる。なお、前記一般式(2)で表わされる化
合物は、対応する酸無水物とヒドロキシルアミンNH 2
OHとを反応させることにより容易に得ることができ
る。
【0035】前記一般式(2)で表わされる化合物とハ
ロゲン化合物との反応は、通常、溶媒中、塩基の存在下
で行われる。溶媒としては、例えば、N,N−ジメチル
ホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロトン
性極性溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベ
ンゼンなどの芳香族炭化水素;四塩化炭素、クロロホル
ム、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハ
ロゲン化炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキ
サンなどの脂環式炭化水素;酢酸メチル、酢酸エチル、
酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、酢酸セロ
ソルブ、プロピオン酸エチルなどのエステル類;ジエチ
ルエーテル、ジブチルエーテル、ジメトキシエタン、ジ
オキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;アセ
トン、メチルエチルケトンなどのケトン類;アセトニト
リル、ベンゾニトリルなどのニトリル類などが挙げられ
る。好ましい溶媒には、非プロトン性極性溶媒およびエ
ーテル類などが含まれる。
【0036】前記塩基には、副生するハロゲン化水素を
捕捉するものであれば特に限定されず、無機塩基及び有
機塩基が含まれる。無機塩基としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属の水酸化物;水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化バリウム
などのアルカリ土類金属の水酸化物;炭酸ナトリウム、
炭酸カリウムなどのアルカリ金属の炭酸塩;炭酸マグネ
シウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウムなどのアルカリ
土類金属の炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウムなどのアルカリ金属の炭酸水素塩などが挙げられ
る。有機塩基としては、トリエチルアミン、トリプロピ
ルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4−ジメチルア
ミノピリジン、N−メチルモルホリン、N−メチルピペ
リジンなどのアミン類;ピリジンなどの窒素含有塩基性
複素環化合物が挙げられる。好ましい塩基には、有機塩
基が含まれる。塩基の使用量は、R3 Xで表わされるハ
ロゲン化合物1モルに対して0.5モル以上、好ましく
は0.5〜5モル程度であるが、大過剰用いてもよい。
【0037】R3 Xで表わされるハロゲン化合物の使用
量は、一般式(2)で表わされる化合物1モルに対し
て、通常(0.5〜2)×nモル、好ましくは(0.8
〜1.2)×nモル程度であり、(0.9〜1.1)×
nモル程度である場合が多い。なお、上記nは、一般式
(2)で表わされる化合物のnと同じ数字を示す。
【0038】反応温度は、通常0〜150℃、好ましく
は5〜110℃、さらに好ましくは10〜50℃程度で
あり、常温で行われる場合が多い。
【0039】一般式(1)で表わされるイミド化合物
は、反応終了後、慣用の分離精製手段、例えば、濾過、
濃縮、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィ
ー、蒸留など、又はこれらの組合せにより分離精製でき
る。
【0040】また、一般式(1)で表わされるイミド化
合物は、前記一般式(2)で表わされるN−ヒドロキシ
イミド化合物、R3 OH(式中、R3 は、隣接する酸素
原子との結合部位に3級炭素を有する環式基を示す)で
表わされるアルコール化合物、トリアリールホスフィ
ン、およびアゾジカルボン酸エステルを反応させること
によって調製できる。
【0041】トリアリールホスフィンとしてはトリフェ
ニルホスフィンなどが例示され、アゾジカルボン酸エス
テルには、アゾジカルボン酸ジメチル、アゾジカルボン
酸ジエチルなどのアゾジカルボン酸ジC1-4 アルキルな
どが含まれる。なお、トリアリールホスフィンおよびア
ゾジカルボン酸エステルを使用する代わりに、トリアリ
ールホスフィンとアゾジカルボン酸エステルとの反応に
より生成する対応するベタイン化合物を用いることもで
きる。
【0042】前記一般式(2)で表わされる化合物、ア
ルコール化合物、トリアリールホスフィンおよびアゾジ
カルボン酸エステルの反応は、通常、溶媒中で行われ
る。溶媒としては、前記の溶媒を用いることができる。
【0043】前記アルコール化合物、トリアリールホス
フィンおよびアゾジカルボン酸エステルの使用量は、そ
れぞれ、一般式(2)で表わされる化合物1モルに対し
て、通常(0.5〜2)×nモル、好ましくは(0.8
〜1.2)×nモル程度であり、(0.9〜1.1)×
nモル程度である場合が多い。なお、上記nは、一般式
(2)で表わされる化合物のnと同じ数字を示す。反応
温度は、前記の方法と同様であり、一般式(1)で表わ
されるイミド化合物の分離精製も前記と同様の方法によ
り行うことができる。
【0044】なお、一般式(1)で表わされるイミド化
合物は、何れの方法で調製する場合も、単離することな
く、反応混合液などをそのまま使用することもできる。
【0045】このようなイミド化合物を用いると、酸化
活性を高めることができ、穏和な条件であっても、酸化
反応を触媒的に促進できる。そのため、基質を効率よく
高い選択率で酸化でき、ケトン類、アルデヒド類やアル
コール類を生成させることができる。さらに、前記一般
式(1)で表されるイミド化合物と共酸化剤との共存下
で基質を酸化すると、転化率及び/又は選択率をさらに
向上できる。
【0046】助触媒としての共酸化剤には、金属化合
物、例えば、遷移金属化合物や、ホウ素化合物などのよ
うに周期表13族元素(ホウ素B、アルミニウムAlな
ど)を含む化合物が含まれる。共酸化剤は、一種又は二
種以上組合わせて使用できる。
【0047】前記遷移金属の元素としては、例えば、周
期表3族元素(例えば、スカンジウムSc、イットリウ
ムYの外、ランタンLa、セリウムCe、サマリウムS
mなどのランタノイド元素、アクチノイドAcなどのア
クチノイド元素)、周期表4族元素(チタンTi、ジル
コニウムZr、ハフニウムHfなど)、5族元素(バナ
ジウムV、ニオブNb、タンタルTaなど)、6族元素
(クロムCr、モリブデンMo、タングステンWな
ど)、7族元素(マンガンMnなど)、8族元素(鉄F
e、ルテニウムRu、オスミウムOsなど)、9族元素
(コバルトCo、ロジウムRh、イリジウムIrな
ど)、10族元素(ニッケルNi、パラジウムPd、白
金Ptなど)、11族元素(銅Cu、銀Ag、金Auな
ど)などが挙げられる。
【0048】好ましい共酸化剤を構成する元素には、遷
移金属の元素(例えば、ランタノイド元素、アクチノイ
ド元素などの周期表3族元素、V、Nbなどの5族元
素、Cr、Mo、Wなどの6族元素、Mnなどの7族元
素、Fe、Ruなどの8族元素、Co、Rhなどの9族
元素、Niなどの10族元素、Cuなどの11族元
素)、Bなどの13族元素が含まれる。特に、前記一般
式(1)で表されるイミノ化合物と組合せたとき、Ce
などのランタノイド元素、Vなどの5族元素、Mo、W
などの6族元素、Fe、Ruなどの8族元素、Co、R
hなどの9族元素、Niなどの10族元素、Cuなどの
11族元素を含む化合物は、高い酸化活性を示す。
【0049】共酸化剤(助触媒)は、前記元素を含み、
かつ酸化能を有する限り特に制限されず、水酸化物など
であってもよいが、通常、前記元素を含む金属酸化物、
有機酸塩、無機酸塩、ハロゲン化物、前記金属元素を含
む配位化合物(錯体)やヘテロポリ酸又はその塩などで
ある場合が多い。また、ホウ素化合物としては、例え
ば、水素化ホウ素(例えば、ボラン、ジボラン、テトラ
ボラン、ペンタボラン、デカボランなど)、ホウ酸(オ
ルトホウ酸、メタホウ酸、四ホウ酸など)、ホウ酸塩
(例えば、ホウ酸ニッケル、ホウ酸マグネシウム、ホウ
酸マンガンなど)、B2 3 などのホウ素酸化物、ボラ
ザン、ボラゼン、ボラジン、ホウ素アミド、ホウ素イミ
ドなどの窒素化合物、BF3 、BCl3 、テトラフルオ
ロホウ酸塩などのハロゲン化物、ホウ酸エステル(例え
ば、ホウ酸メチル、ホウ酸フェニルなど)などが挙げら
れる。好ましいホウ素化合物には、水素化ホウ素、オル
トホウ酸などのホウ酸又はその塩など、特にホウ酸が含
まれる。これらの共酸化剤は一種又は二種以上使用でき
る。
【0050】金属酸化物には、例えば、Sm2 3 、T
iO2 、CrO、Cr2 3 、MnO、MnO2 、Fe
O、Fe2 3 、RuO2 、RuO4 、CoO、CoO
2 、Co2 3 、RhO2 、Rh2 3 、Cu2 3
どが含まれる。有機酸塩としては、例えば、酢酸コバル
ト、プロピオン酸コバルト、ナフテン酸コバルト、ステ
アリン酸コバルトや対応するCe塩、Cr塩、Mn塩,
Fe塩、Ni塩、Pd塩、Cu塩などが例示され、無機
酸塩としては、例えば、硝酸コバルト、硝酸ニッケル、
硝酸銅などの硝酸塩やこれらに対応する硫酸塩又はリン
酸塩などが挙げられる。また、ハロゲン化物としては、
例えば、SmCl3 、FeCl2 、FeCl3 、RuC
3 、CoCl2 、RhCl2 、RhCl3 、NiCl
2 、PdCl2 、PtCl2 、CuCl、CuCl2
どの塩化物やこれらに対応する臭化物などが例示でき
る。
【0051】錯体を形成する配位子としては、OH(ヒ
ドロキソ)、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキ
シ基などのアルコキシ基、アセチル、プロピオニルなど
のアシル基、メトキシカルボニル(アセタト)、エトキ
シカルボニルなどのアルコキシカルボニル基、アセチル
アセトナト、シクロペンタジエニル基、塩素、臭素など
ハロゲン原子、CO、CN、酸素原子、H2 O(ア
コ)、ホスフィン(例えば、トリフェニルホスフィンな
どのトリアリールホスフィン)などのリン化合物、NH
3 (アンミン)、NO、NO2 (ニトロ)、NO3 (ニ
トラト)、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
ピリジン、フェナントロリンなどの窒素含有化合物など
が挙げられる。錯体又は錯塩において、同種又は異種の
配位子は一種又は二種以上配位していてもよい。
【0052】好ましい錯体には、遷移金属元素(例え
ば、Ceなどのランタノイド元素やアクチノイド元素が
属する周期表3族元素、Fe、Ruなどの周期表8族元
素、Co、Rhなどの周期表9族元素、Ni、Pd、P
tなどの周期表10族元素、Cuなどの周期表11族元
素など)を含む錯体が含まれる。また、配位子は、例え
ば、OH、アルコキシ基、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アセチルアセトナト、ハロゲン原子、CO、C
N、H2 O(アコ)、トリフェニルホスフィンなどのリ
ン化合物や、NH3 、NO2 、NO3 を含めて窒素含有
化合物である場合が多い。前記遷移金属元素と配位子は
適当に組合せて錯体を構成することができ、例えば、セ
リウムアセチルアセトナト、コバルトアセチルアセトナ
ト、ルテニウムアセチルアセトナト、銅アセチルアセト
ナトなどであってもよい。
【0053】ヘテロポリ酸を形成するポリ酸は、例え
ば、周期表5族又は6族元素、例えば、V(バナジン
酸),Mo(モリブデン酸)およびW(タングステン
酸)の少なくとも一種である場合が多く、中心原子は特
に制限されず、例えば、Cu、Be、B、Al、Si、
Ge、Sn、Ti、Th、N、P、As、Sb、V、N
b、Ta、Cr、Mo、W、S、Se、Te、Mn、
I、Fe、Co、Ni、Rh、Os、Ir、Pt、Cu
などであってもよい。ヘテロポリ酸の具体例としては、
例えば、コバルトモリブデン酸塩、コバルトタングステ
ン酸塩、モリブデンタングステン酸塩、バナジウムモリ
ブデン酸塩、バナドモリブドリン酸塩などが挙げられ
る。
【0054】共酸化剤としては、V、MoおよびWの少
なくとも一種の元素を含むヘテロポリ酸塩(例えば、バ
ナジウム−モリブデン系のヘテロポリ酸又はその塩な
ど)、遷移金属化合物(例えば、ランタノイド元素、R
u、CoおよびCuの少なくとも一種の元素を含む遷移
金属化合物)を用いる場合が多い。
【0055】なお、酸化触媒においてヘテロポリ酸は水
素引抜き反応に関与すると予測され、コバルト化合物や
ホウ素化合物などは過酸化物分解に関与すると予測され
る。
【0056】一般式(1)で表されるイミド化合物、又
はこのイミド化合物および前記共酸化剤で構成される触
媒系は、均一系であってもよく、不均一系であってもよ
い。また、触媒系は、担体に触媒成分が担持された固体
触媒であってもよい。担体としては、活性炭、ゼオライ
ト、シリカ、シリカ−アルミナ、ベントナイトなどの多
孔質担体を用いる場合が多い。固体触媒における触媒成
分の担持量は、担体100重量部に対して、一般式
(1)で表されるイミド化合物0.1〜50重量部好ま
しくは0.5〜30重量部、さらに好ましくは1〜20
重量部程度である。また、共酸化剤の担持量は、担体1
00重量部に対して、0.1〜30重量部好ましくは
0.5〜25重量部、さらに好ましくは1〜20重量部
程度である。
【0057】前記一般式(1)で表されるイミド化合物
の使用量は、広い範囲で選択でき、例えば、被酸化性基
質1モルに対して0.0005モル(0.05モル%)
〜1モル(100モル%)、好ましくは0.01モル
(1モル%)〜0.5モル(50モル%)、さらに好ま
しくは0.05モル(5モル%)〜0.30モル(30
モル%)程度であり、0.05モル(5モル%)〜0.
25モル(25モル%)程度である場合が多い。
【0058】また、助触媒(共酸化剤)の使用量も、反
応性および選択率を低下させない範囲で適当に選択で
き、例えば、被酸化性基質1モルに対して0.001モ
ル(0.1モル%)〜0.7モル(70モル%)、好ま
しくは0.002〜0.5モル、さらに好ましくは0.
003〜0.3モル程度であり、0.003〜0.1モ
ル程度である場合が多い。
【0059】なお、一般式(1)で表されるイミド化合
物に対する共酸化剤の割合は、反応速度、選択率を損わ
ない範囲で選択でき、例えば、イミド化合物/共酸化剤
(モル比)は100/0.5〜100/50程度、好ま
しくは100/1〜100/20、さらに好ましくは1
00/2〜100/10程度である。ヘテロポリ酸又は
その塩を共酸化剤として使用する場合、基質100重量
部に対して0.1〜25重量部、好ましくは0.5〜1
0重量部、さらに好ましくは1〜5重量部程度である。
【0060】このような酸化触媒を利用すると、メチル
基、メチレン基やメチン基を有する化合物から対応する
カルボニル化合物(アルデヒド類及びケトン類)又はア
ルコール類を高い収率で得ることができる。そのため、
本発明の方法は、基質にカルボニル基又はヒドロキシル
基、特にカルボニル基を導入する上で有用である。
【0061】本発明の酸化方法では、前記触媒の存在
下、分子状酸素と基質とを接触させて酸化する。前記基
質としては、メチル基、メチレン基またはメチン基を有
する種々の化合物が挙げられる。好ましい基質には、環
にメチレン基を有する環式化合物が含まれる。環式化合
物としては、一般式(1)で表わされるイミド化合物に
対応するR3 Hで表わされる環式化合物が挙げられる。
なお、基質としてR3 Hで表わされる環式化合物を用い
る場合、基質のR3 と、触媒として用いる一般式(1)
で表わされるイミド化合物のR3 とは、必ずしも同一で
なくてもよいが、両者を同一にすると、触媒由来の副生
物を低減でき、高い選択率で目的化合物を得ることがで
きる。
【0062】好ましい環式化合物としては、前記R3
環式基を構成する環として例示した環に対応する環式化
合物が例示できる。例えば、4〜12員程度の非芳香族
性環および5〜12員程度の芳香族性環の1〜6個程度
で構成され、且つ少なくとも1つの非芳香族性環を含む
単環又は縮合環化合物などが好ましい。また、好ましい
環式化合物には、メチレン基のα,β位に不飽和結合を
有する非芳香族性環を有する環式化合物が含まれる。こ
の場合、メチレン基のα位とβ位の炭素原子で構成され
る辺に芳香族性の環が縮合していてもよい。
【0063】好ましい基質としては、例えば、シクロブ
タン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタ
ン、シクロオクタン、メチルシクロヘキサンなどのシク
ロアルカン;シクロヘキセン、シクロオクテン、シクロ
ペンタジエン、シクロオクタジエンなどのシクロアルケ
ン;インデン、インダン、テトラリン、フルオレン、ア
セナフテン、フェナレン、1H−シクロペンタシクロオ
クテンなどの縮合環炭化水素;ピラン、ピラゾリン、ピ
ペリジン、ピペラジンなどの非芳香族性複素環化合物;
クロマン、イソクロマン、キサンテン、インドリン、イ
ソインドリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリ
ン、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、9,
10−ジヒドロアクリジンなどの非芳香族性環を含む縮
合複素環化合物が挙げられる。また、イソプレノイド、
ステロイド、テルペノイド、テルペン、セスキテルペン
などに属する基質も好適に使用できる。
【0064】基質の酸化に利用される分子状酸素は、特
に制限されず、純粋な酸素を用いてもよく、窒素、ヘリ
ウム、アルゴン、二酸化炭素などの不活性ガスで希釈し
た酸素を使用してもよい。
【0065】分子状酸素の使用量は、基質および目的化
合物の種類に応じて選択でき、通常、基質化合物1モル
に対して、0.5モル以上(例えば、1モル以上)、好
ましくは1〜100モル、さらに好ましくは2〜50モ
ル程度である。基質に対して過剰モルの分子状酸素を使
用する場合が多い。
【0066】本発明の酸化方法は、通常、反応に不活性
な有機溶媒中で行なわれる。有機溶媒としては、例え
ば、酢酸、プロピオン酸などの有機酸、アセトニトリ
ル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル
類、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミ
ド(DMF)、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、
t−ブタノール、t−アミルアルコールなどのアルコー
ル類、ヘキサン、オクタンなどの脂肪族炭化水素、ベン
ゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素、クロロホルム、
ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロ
ベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ニトロベンゼン、
ニトロメタン、ニトロエタンなどのニトロ化合物、酢酸
エチル、酢酸ブチルなどのエステル類、ジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオ
キサン、テトラヒドロフランなどのエーテル類、これら
の混合溶媒など挙げられる。なお、過剰量の基質を用い
ることにより、基質を反応溶媒として利用してもよい。
溶媒としては、ベンゾニトリルなどのニトリル類を用い
る場合が多い。
【0067】本発明の方法は、比較的温和な条件であっ
ても酸化反応が円滑に進行するという特色がある。ま
た、メチレン基又はメチル基を有する化合物から、脱水
反応工程を必要とせず、一段でカルボニル化合物に変換
できる。反応温度は、基質の種類などに応じて適当に選
択でき、例えば、0〜300℃、好ましくは30〜25
0℃、さらに好ましくは50〜200℃程度であり、通
常、70〜150℃程度、特に70〜110℃程度で反
応する場合が多い。また、反応は、常圧または加圧下で
行なうことができ、加圧下で反応させる場合には、通
常、1〜100atm(例えば、1.5〜80at
m)、好ましくは2〜70atm、さらに好ましくは5
〜50atm程度である場合が多い。反応時間は、反応
温度及び圧力に応じて、例えば、30分〜48時間、好
ましくは1〜36時間、さらに好ましくは2〜24時間
程度の範囲から適当に選択できる。なお、反応温度及び
/又は反応圧力が高い場合には、酸化反応速度を増加さ
せることができるが、触媒が分解したり、カルボン酸類
や過酸化物類が副生する場合がある。
【0068】本発明の方法は、前記のように種々の化合
物を、温和な条件下、高い転換率および選択率で酸化
し、アルデヒド類、ケトン類、アルコール類を得る上で
有用である。特に、基質としてメチレン基を有する環式
化合物を用いると、温和な条件下、副反応を抑制しつ
つ、高い収率で、対応する環状ケトンを得ることができ
る。
【0069】反応は、分子状酸素の存在下又は分子状酸
素の流通下、回分式、半回分式、連続式などの慣用の方
法により行なうことができる。反応終了後、反応生成物
は、慣用の方法、例えば、濾過、濃縮、蒸留、抽出、晶
析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段
や、これらた組合せた分離手段により、容易に分離精製
できる。
【0070】
【発明の効果】本発明の酸化触媒および酸化方法では、
温和な条件下、分子状酸素により基質を効率よく酸化で
きる。また、分子状酸素により、高い反応転化率および
選択率で目的とする酸化化合物を生成できる。さらに、
脱水工程を必要とせず、簡便にカルボニル化合物を得る
ことができる。
【0071】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定
されるものではない。
【0072】実施例1(触媒の調製) ジメチルホルムアミド9ml中に、N−ヒドロキシフタ
ルイミド3.26g(20ミリモル)、トリエチルアミ
ン3mlを添加し、撹拌して溶解させた。得られた混合
液に、9−ブロモフルオレン4.92g(20ミリモ
ル)を加え、室温で約10〜30分撹拌した。反応混合
液に、水と2−プロパノールとを加え、析出した結晶を
濾別し、洗浄した。得られた粗結晶を、2−プロパノー
ルとアセトンの混合液から再結晶し、3.32gのN−
(9−フルオレニルオキシ)フタルイミドを得た。収率
(N−ヒドロキシフタルイミド基準)は51%であっ
た。
【0073】得られたN−(9−フルオレニルオキシ)
フタルイミドを、GC−MS(JEOL製、JMS−S
X102A、EI+ , CI+ 分析併用)、1 H−NMR
(JEOL製、FT−NMR SYSTEM JNM−
A500)、13C−NMR(JEOL製、FT−NMR
SYSTEM JNM−A500)及びIR((株)
島津製作所製、FT−IR 8100M)により分析し
た。
【0074】MS(EI+ ):m/z 327
(M+ ),181,165,104,76 MS(CI+ ):m/z 328(M+ +1),1651 H−NMR(CDCl3 )δ:6.15(s,1
H),7.32(t,2H),7.42(t,2H),
7.63(d,2H),7.76(d,2H),7.8
3(d,2H),7.85(t,2H)13 C−NMR(CDCl3 )δ:163.98,14
1.28,139.94,134.56,130.1
4,128.97,127.79,126.98,12
3.69,119.94,88.42 IR(KBr)(cm-1):1736,1611,14
64,1368,1311,1186,1132,98
2,878,760,710 実施例2(酸化反応) フルオレン10ミリモル、N−(9−フルオレニルオキ
シ)フタルイミド1ミリモル(フルオレノンに対して1
0モル%)、コバルトアセチルアセトナート[Co(A
A)2 ]0.05ミリモル(フルオレノンに対して0.
5モル%)及びベンゾニトリル50mlの混合液を、酸
素圧30atmの加圧下、100℃で4時間撹拌した。
反応液中の生成物をガスクロマトグラフィーにより分析
したところ、フルオレノンが4.2ミリモル生成してい
た(収率42%)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07D 209/48 C07D 209/76 209/76 C07B 61/00 300 // C07B 61/00 300 C07D 209/48 Z

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分子状酸素により基質を酸化するための
    触媒であって、一般式(1) 【化1】 (式中、R1 及びR2 は、同一又は異なって、水素原
    子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、シクロア
    ルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキシ
    ル基、アルコキシカルボニル基、アシル基を示し、R1
    及びR2 は互いに結合して二重結合、または芳香族性又
    は非芳香族性の環を形成してもよい。R3 は、隣接する
    酸素原子との結合部位に3級炭素を有する環式基を示
    し、nは1〜3の整数を示す)で表わされるイミド化合
    物で構成された酸化触媒。
  2. 【請求項2】 一般式(1)で表わされるイミド化合物
    において、R1 及びR2 が互いに結合して、芳香族性又
    は非芳香族性の5〜12員環を形成する請求項1記載の
    酸化触媒。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で表わされるイミド化合物
    において、R1 及びR2 が互いに結合して、置換基を有
    していてもよいシクロアルカン環、置換基を有していて
    もよいシクロアルケン環、置換基を有していてもよい橋
    かけ式炭化水素環、又は置換基を有していてもよい芳香
    族環を形成する請求項1記載の酸化触媒。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で表わされるイミド化合物
    が、下記式(1a)〜(1f)で表わされる化合物であ
    る請求項1記載の酸化触媒。 【化2】 (式中、R4 〜R7 は、同一又は異なって、水素原子、
    アルキル基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、カルボキ
    シル基、アルコキシカルボニル基、アシル基、ニトロ
    基、シアノ基、アミノ基又はハロゲン原子を示す。
    1 、R2 、R3 及びnは前記に同じ)
  5. 【請求項5】 R3 の環式基を構成する環が、非芳香族
    性又は芳香族性環の1〜6個で構成され且つ少なくとも
    1つの非芳香族性環を含む単環又は縮合環である請求項
    1記載の酸化触媒。
  6. 【請求項6】 非芳香族性環が、4〜8員の炭化水素
    環、又は酸素原子、硫黄原子及び窒素原子から選択され
    た少なくとも1つのヘテロ原子を有する4〜8員の複素
    環である請求項5記載の酸化触媒。
  7. 【請求項7】 芳香族性環が、ベンゼン環、又は酸素原
    子、硫黄原子及び窒素原子から選択された少なくとも1
    つのヘテロ原子を有する5〜6員の複素環である請求項
    5記載の酸化触媒。
  8. 【請求項8】 R3 の環式基を構成する環が、5〜6員
    の非芳香族性又は芳香族性環の2〜6個で構成された縮
    合環である請求項5記載の酸化触媒。
  9. 【請求項9】 R3 の環式基を構成する環が、隣接する
    酸素原子と結合する3級炭素のα,β位に不飽和結合を
    有する請求項1記載の酸化触媒。
  10. 【請求項10】 R3 の環式基を構成する環が、隣接す
    る酸素原子と結合する3級炭素を有する非芳香族性環
    と、この非芳香族性環のうち前記3級炭素のα位とβ位
    の炭素原子で構成される辺に縮合した芳香族性環とを有
    する縮合環である請求項9記載の酸化触媒。
  11. 【請求項11】 一般式(1)において、R1 及びR2
    が、水素原子を示すか、または互いに結合して二重結
    合、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、ハロゲン原
    子で置換されていてもよいベンゼン環若しくは5−ノル
    ボルネン環を形成し、R3 の環式基を構成する環が、5
    〜6員の非芳香族性又は芳香族性の環から選択された1
    〜4個の環で構成され且つ少なくとも隣接する酸素原子
    と結合する3級炭素を有する非芳香族性環を含む単環又
    は縮合環であって、前記非芳香族性環の3級炭素のα,
    β位に不飽和結合が形成されている請求項1記載の酸化
    触媒。
  12. 【請求項12】 一般式(1)において、R1 及びR2
    が、ハロゲン原子で置換されていてもよいベンゼン環を
    形成していると共に、R3 の環式基を構成する環におい
    て、隣接する酸素原子と結合する3級炭素をもつ非芳香
    族性環のうち前記3級炭素のα位とβ位の炭素原子で構
    成される辺に、5〜6員の芳香族性環が縮合している請
    求項11記載の酸化触媒。
  13. 【請求項13】 一般式(1)で表わされるイミド化合
    物が、N−(9−フルオレニルオキシ)フタルイミドで
    ある請求項1記載の酸化触媒。
  14. 【請求項14】 一般式(1)で表わされるイミド化合
    物と共酸化剤とで構成される請求項1記載の酸化触媒。
  15. 【請求項15】 共酸化剤が、遷移金属化合物又はホウ
    素化合物である請求項14記載の酸化触媒。
  16. 【請求項16】 一般式(1)で表わされるイミド化合
    物と共酸化剤との割合が、イミド化合物/共酸化剤(モ
    ル比)=100/0.5〜100/50である請求項1
    4記載の酸化触媒。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16に記載の何れかの酸化
    触媒の存在下、基質と分子状酸素とを接触させる酸化方
    法。
  18. 【請求項18】 基質が、一般式(1)で表わされる化
    合物に対応するR3Hで表わされる環式化合物である請
    求項17記載の酸化方法。
  19. 【請求項19】 一般式(1)で表わされるイミド化合
    物の使用量が、基質に対して0.5〜100モル%であ
    る請求項17記載の酸化方法。
  20. 【請求項20】 共酸化剤の使用量が、基質に対して、
    0.05〜10モル%である請求項17記載の酸化方
    法。
  21. 【請求項21】 芳香族性又は非芳香族性環の1〜6個
    で構成され且つ少なくともα,β−不飽和メチレン基を
    有する非芳香族性環を含む環式化合物を、分子状酸素に
    より酸化して、前記メチレン基が酸化された対応するケ
    トンを生成させる請求項17記載の酸化方法。
JP21869296A 1996-08-20 1996-08-20 酸化触媒及びそれを用いた酸化方法 Expired - Fee Related JP3854344B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21869296A JP3854344B2 (ja) 1996-08-20 1996-08-20 酸化触媒及びそれを用いた酸化方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21869296A JP3854344B2 (ja) 1996-08-20 1996-08-20 酸化触媒及びそれを用いた酸化方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1057814A true JPH1057814A (ja) 1998-03-03
JP3854344B2 JP3854344B2 (ja) 2006-12-06

Family

ID=16723926

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21869296A Expired - Fee Related JP3854344B2 (ja) 1996-08-20 1996-08-20 酸化触媒及びそれを用いた酸化方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3854344B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000048972A1 (fr) 1999-02-19 2000-08-24 Daicel Chemical Industries, Ltd. Procede d'oxydation
WO2002040154A1 (fr) 2000-11-15 2002-05-23 Daicel Chemical Industries, Ltd. Catalyseurs comprenant des imides cycliques a substitution n et procedes pour la preparation de composes organiques avec lesdits catalyseurs
KR100905829B1 (ko) 2001-09-28 2009-07-02 다이셀 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 N-치환 환상 이미드 화합물로 구성된 촉매, 및 이 촉매를이용한 유기 화합물의 제조 방법
US7910749B2 (en) 2005-03-07 2011-03-22 Daicel Chemical Industrial, Ltd. Methods for oxidizing organic compounds

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000048972A1 (fr) 1999-02-19 2000-08-24 Daicel Chemical Industries, Ltd. Procede d'oxydation
US6642419B1 (en) 1999-02-19 2003-11-04 Daicel Chemical Industries, Ltd. Oxidation method
WO2002040154A1 (fr) 2000-11-15 2002-05-23 Daicel Chemical Industries, Ltd. Catalyseurs comprenant des imides cycliques a substitution n et procedes pour la preparation de composes organiques avec lesdits catalyseurs
US7115541B2 (en) 2000-11-15 2006-10-03 Daicel Chemical Industries, Ltd. Catalyst comprising n-substituted cyclic imides and processes for preparing organic compounds with the catalyst
KR100849577B1 (ko) * 2000-11-15 2008-07-31 다이셀 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 N-치환 환상 이미드 화합물로 구성된 촉매, 및 이 촉매를이용한 유기 화합물의 제조법
US7741514B2 (en) 2000-11-15 2010-06-22 Daicel Chemical Industries, Ltd. Catalyst comprising N-substituted cyclic imide compound and process for producing organic compound using the catalyst
KR100905829B1 (ko) 2001-09-28 2009-07-02 다이셀 가가꾸 고교 가부시끼가이샤 N-치환 환상 이미드 화합물로 구성된 촉매, 및 이 촉매를이용한 유기 화합물의 제조 방법
US7759515B2 (en) 2001-09-28 2010-07-20 Daicel Chemical Industries, Ltd. Catalyst comprising N-substituted cyclic imide compound and process for producing organic compounds using the catalyst
US7910749B2 (en) 2005-03-07 2011-03-22 Daicel Chemical Industrial, Ltd. Methods for oxidizing organic compounds

Also Published As

Publication number Publication date
JP3854344B2 (ja) 2006-12-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1074536B1 (en) Oxidation method
JP3434034B2 (ja) 酸化触媒およびそれを用いた酸化方法
JP3911060B2 (ja) 酸化触媒系およびそれを用いた酸化方法
KR19980703645A (ko) 산화 촉매계 및 그를 사용한 산화 방법
JP2000239211A (ja) シクロアルカノンの製造方法
JPH10316610A (ja) エーテル類の酸化方法
JP4004595B2 (ja) 分岐脂肪族炭化水素の酸化方法および酸化物の製造方法
Sawamura et al. Synthesis of Optically Active Ferrocene Analogues of Salicylic Acid Derivatives and Rhodium (II)-Catalyzed Asymmetric Intramolecular CH Insertion of. ALPHA.-Diazo. BETA.-Keto Esters Using New Chiral Carboxylato Ligands.
JP3854344B2 (ja) 酸化触媒及びそれを用いた酸化方法
JP3892938B2 (ja) オキソ化用触媒およびそれを用いたケトン類の製造方法
WO1998030329A1 (fr) Catalyseurs de nitration ou de carboxylation
US7019175B2 (en) Catalytic oxidation process
Caplar et al. Synthesis of the 2, 3-dihydro-6H-1, 4-oxazin-2-ones chiral at C (3) and asymmetric induction in hydrogenation of the azomethine bond
JP2002145807A (ja) 反応生成物と触媒との分離方法
JP3831012B2 (ja) 共役化合物の酸化方法
JPH11188265A (ja) イミド系触媒の再生方法およびイミド系触媒を用いた製造プロセス
JP4640877B2 (ja) イミド化合物を触媒として用いた有機化合物の製造法
US6548713B2 (en) Process for the preparation of organic compounds with manganese catalysts or the like
JP2001192354A (ja) β−アシルオキシカルボン酸又はβ−アシルオキシケトンの製造法
JP4524020B2 (ja) イミド系触媒の再生方法及びイミド系触媒を用いた製造プロセス
JP2002301376A (ja) 金属触媒の分離方法
JP4107696B2 (ja) エポキシ化合物の製造方法
JP3818829B2 (ja) 酸化触媒およびそれを用いた酸化方法
JP4865742B2 (ja) エポキシ化合物の製造方法
JP3998845B2 (ja) カルボン酸の製造法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060307

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060420

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060704

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060713

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060815

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060908

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090915

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090915

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090915

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100915

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees