JPH1057072A - ユビキノン−10の生成方法 - Google Patents

ユビキノン−10の生成方法

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JPH1057072A
JPH1057072A JP8238682A JP23868296A JPH1057072A JP H1057072 A JPH1057072 A JP H1057072A JP 8238682 A JP8238682 A JP 8238682A JP 23868296 A JP23868296 A JP 23868296A JP H1057072 A JPH1057072 A JP H1057072A
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gene
pld2
escherichia coli
dds
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JP8238682A
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Hideyuki Matsuda
英幸 松田
Makoto Kawamuki
誠 川向
Katsunori Tanaka
克典 田中
Tsuyoshi Nakagawa
強 中川
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ALPHA- SHOKUHIN KK
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  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 デカプレニル二リン酸合成酵素の構造遺
伝子dds1を単離、配列決定し、大腸菌を用いてこれ
を発現せしめる。 【効果】 大腸菌からユビキノン−10を生産すること
ができ、特に宿主としてオクタプレニル二リン酸合成酵
素の構造遺伝子ispBを欠損した大腸菌を用いた場合
には、ユビキノン−8、同−9の生成を抑制して、同−
10のみを高純度生産することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ユビキノン、特に
ユビキノン−10の生成に関する。更に詳細には、本発
明は、酢酸菌由来のデカプレニル二リン酸合成酵素(D
DSということもある)をコードする遺伝子を単離、発
現せしめてユビキノン−10を生成する新規システムに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】イソプレノイドは炭素数が5のイソペン
テニル二リン酸(IPP)を基本単位とする天然の有機
化合物であり自然界に数多く存在している。その例を挙
げれば、色素のカロチノイド、天然ゴム、呼吸鎖電子伝
達系で働くイソプレノイドキノンなどがそれにあたる。
イソプレノイドキノンにはユビキノン(UQ)、メナキ
ノン、プラストキノンなどキノン骨格の違いにより区別
されるものが数種存在し、またそれぞれについてはイソ
プレノイド側鎖長の違いにより多数のホモログが存在す
る。ユビキノンは、キノン骨格にイソプレノイドが付加
した化合物であって、2,3-dimethoxy-5-methyl-6-polyp
renyl-1,4-benzoquinoneの構造を持ち、補酵素(Co
Q)とも称される重要な役割を果たしている生体成分で
ある。ユビキノンは、動植物の組織、微生物の菌体成分
として存在し、抗酸化物質としても知られるビタミン様
物質であり、電子伝達系の必須成分としても生理的、生
化学的に重要な機能を果たしている。天然には側鎖のイ
ソプレノイド単位の数により主にユビキノン−1からユ
ビキノン−12までの同族体が存在している。
【0003】ユビキノンは、その薬理、臨床効果につい
ても研究され、うっ血性心不全、筋ジストロフィー、貧
血症等に効果があるとされ、心疾患薬その他各種医薬品
としても価値の高い物質である。しかし、医薬品として
効果が認められているのは、ユビキノン−10のみであ
る。ユビキノン−10は、現在、たばこの葉、酵母ある
いは微生物菌体から抽出精製されているが、それらの詳
細は明らかにされていない。しかし、その生産は需要に
追いつかず、従来の方法に代るより効率的な生産方法の
開発が求められている。
【0004】このユビキノンの側鎖を形成するイソプレ
ノイドは炭素数が5のイソペンテニル二リン酸(IP
P)を基本単位とする、天然有機化合物であり、自然界
に数多く存在する。ユビキノンの側鎖として利用される
他に、カロチノイド、天然ゴム、またプレニル化蛋白質
としての姿も知られている。生体内での生合成は、基本
となるIPPや、FPP(ファネシル二リン酸)に新た
なIPPが結合していき、徐々に長い鎖長のイソプレノ
イドに成っていく。このようにイソプレノイドの合成を
触媒する酵素はプレニルトランスフェラーゼという。プ
レニルトランスフェラーゼはバクテリアを中心として多
種類存在が確認されている。E. coliではFPS,OP
S,UPSの3つの酵素の存在が確認されており、遺伝
子として単離されているのはFPSの構造遺伝子である
ispAとオクタプレニル二リン酸合成酵素(OPS)
の構造遺伝子ispBである。
【0005】このプレニルトランスフェラーゼの作用に
よって、大腸菌では側鎖長が8のオクタプレニル二リン
酸が、出芽酵母では側鎖長が6のヘキサプレニル二リン
酸が合成される。一方、大腸菌ubiA産物、酵母CO
Q2産物によって、PHB(p−ヒドロキシベンゾエー
ト)から派生したベンゾキノン骨格にこれらのイソプレ
ノイドが付加されて、それぞれユビキノン−8、ユビキ
ノン−6が完成する。このようなことから、ispB産
物とubiA産物等の触媒するポイントがユビキノン合
成にとって重要であると考えられる。ユビキノン−10
は、上述のように薬理作用の高い生理活性物質として注
目されているが、側鎖を合成するデカプレニル二リン酸
合成酵素の遺伝子とubiA産物、酵母COQ2産物を
利用することでユビキノン−10の効率的生産につなが
るとの新しい観点にたち、デカプレニル二リン酸合成酵
素遺伝子のクローニングの必要性に着目した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した技
術の現状に鑑み、UQ−10の側鎖であるデカプレノイ
ド合成に係わる遺伝子を利用し、UQ−10を微生物で
生産する技術を開発する目的でなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであって、各方面から検討の
結果、生理活性を有するUQ−10を生成する生物よ
り、その合成に必要な遺伝子、すなわち側鎖のデカプレ
ニル二リン酸を合成するのに必要なデカプレニル二リン
酸合成酵素遺伝子を単離し、大腸菌内で発現させること
でUQ−10生成を行うこととした。
【0008】この新規技術課題を解決するため、UQ−
10を生成するバクテリアの酢酸菌Gluconobacter subo
xydansのゲノムDNAを鋳型としてPCRを行った。そ
の際使用するプライマーは、ポリプレニル二リン酸合成
酵素に高く保存された領域を参考にしてデザインしたmi
xed primerを使用した。このPCRで得られた断片をベ
クターにクローン化し、塩基配列を決定した後、推定さ
れるアミノ酸を既知のポリプレニル二リン酸合成酵素と
比較して似ているものを選択した。その後、得られた断
片をプローブとしてG. suboxydansのゲノムを対象にゲ
ノミックサザンハイブリダイゼーションを行った。そこ
で得られた情報を元に部分ゲノムライブラリーを作製
し、コロニーリフトアッセイによってこの遺伝子の全領
域を含む遺伝子領域を得た。この遺伝子領域内のプレニ
ル二リン酸合成酵素をコードするであろう領域の塩基配
列を決定した後、orfを新たにPCRで増幅後、大腸
菌発現ベクターにクローン化し、大腸菌lacZ遺伝子
のプロモーターを利用して発現を行った。この遺伝子を
発現させた大腸菌よりUQを調製し、その種類をHPL
Cで確認した。また、同様な菌体より調製した粗酵素タ
ンパク質を利用して酵素活性測定を行った。
【0009】また、UQ−8合成に必要なオクタプレニ
ル二リン酸合成酵素遺伝子(ispB遺伝子)を欠損せ
しめた大腸菌を作成しておき、一方、上記と同様にし
て、dds1遺伝子を大腸菌発現ベクターにクローン化
しておき、これを上記したispB破壊株で発現させる
ことにより、UQ−10をメイン産物として生成せしめ
ることも確認した。
【0010】そしてその結果、UQ−10を製造するこ
とにはじめて成功した。そしてその際、前者の場合は、
UQ−8、UQ−9とともにUQ−10を製造するのに
成功し、また、ispB破壊株を用いる後者の場合にお
いては、主としてUQ−10を製造することができ、高
純度のUQ−10を効率的に製造するのに成功し、これ
らの成功に基づき、本発明を完成するに至った。以上、
本発明について詳述する。
【0011】
【発明の実施の形態】
(1)配列表の配列番号4(センスプライマー)及び配
列番号5(アンチセンスプライマー)に示す2種類のオ
リゴプライマーを合成委託し、それらを使用して数回P
CRを行った。すなわち、95℃ 1分、55℃ 2
分、72℃ 1分、30サイクルで初めのPCRを行
い、400〜500b付近をアガロース電気泳動により
切り出して再度同様の反応を行った。その結果、約40
0b付近にメインバンドを得た。このPCR断片をその
ままベクターにクローン化し、塩基配列決定を行ったと
ころ3種類の配列が決定された。それらの全てについて
アミノ酸配列を既存のプレニルトランスフェラーゼと比
較したところ、その内の一つが大腸菌オクタプレニル二
リン酸合成酵素と約40%の相同性を有していた。そこ
で、この断片はG. suboxydansのデカプレニル二リン酸
合成酵素遺伝子の一部であると考え、全領域を以下のよ
うにスクリーニングした。
【0012】(2)まず、この断片をプローブとし、G.
suboxydansのゲノムに対してサザンハイブリダイゼー
ションを行った。その結果、ゲノムのEcoRI消化物
を使用した場合約5kb付近にシグナルを得たので、ゲ
ノムのEcoRI消化後、5kb付近をアガロース電気
泳動により切り出してベクターの同サイトにライゲーシ
ョンして部分ゲノムライブラリーとした。その後、この
ライブラリーを保持する大腸菌に対して先のPCR断片
をプローブとしてコロニーハイブリダイゼーションを行
った。約6000個の形質転換体をスクリーニングした
結果、数個のポジティブコロニーを得たのでその菌体よ
りプラスミドを調製し、サザンハイブリダイゼーション
を行った。その結果、ポジティブと判断できるプラスミ
ドを得たのでpGS1と名付けた。
【0013】(3)プラスミドpGS1は、約5kbの
断片を保持していたので、その内のSa1I−Hind
III約2.1kbの塩基配列を決定した(図1)。シ
ークエンスしたDNA配列の中からDNAの遺伝情報が
m−RNAへ転写され蛋白質へと翻訳される部分である
ORF(オープン リーディング フレーム)を検索し
た。DNAコドンでは、m−RNAの転写開始部分はA
TG、転写停止部分はTAG、TGA、TAAのいずれ
かであるので、開始コドン、停止コドンの検索を行い、
ORFの決定を行った。その結果、先のPCR断片を含
む約1kbのORFを発見した。
【0014】(4)図1に示すように、この遺伝子は、
図1の塩基配列で示される808の位置(ATG:メチ
オニン)から始まり1756の位置(TAA:対応する
アミノ酸なし)で終了する948bp、315アミノ酸
からなるORFを保持しており、他のプレニル二リン酸
合成酵素と高い相同性を示し、大腸菌IspB、酵母Sa
ccharomyces cerevisiae Coq1、枯草菌Bacillus su
btilisヘプタプレニル二リン酸合成酵素と、それぞれ、
47.9%、45.3%、32.4%の相同性があっ
た。そこでこの遺伝子をデカプレニル二リン酸合成酵素
遺伝子dds1と命名し、その塩基配列をDDSのアミ
ノ酸配列とともに配列表の配列番号1及び2にそれぞれ
示した。
【0015】(5)得られたシークエンスデータを基
に、ORFを含む領域が増幅できるオリゴプライマー
(配列番号4に示すセンスプライマー、配列番号5に示
すアンチセンスプライマー)を合成し、dds1のイン
サートDNA(その塩基配列を配列番号3に示す)をP
CRで増幅した。増幅されたインサートDNAは、5′
側にBamHIサイト、3′側にHindIIIサイト
をそれぞれ保存させており、プラスミドベクターpUC
18(宝酒造)のBamHI−HindIIIサイトに
クローン化した。上記のサイトにインサートDNAを連
結することによりベクターのlacZ遺伝子と融合する
形でdds1を発現させた。すなわち、dds1のOR
Fを大腸菌lacZ遺伝子のプロモーター下で発現させ
るためにプラスミドpLD2を構築した(図2)。
【0016】アンピシリン50μg/mlを含むLB液
体培地10mlに、プラスミドpLD2を保持させた大
腸菌JM109のシングルコロニーを滅菌した爪楊枝で
植菌し、37℃で一晩振とう培養した。上記と同様の培
地250mlに、前培養しておいた培養液2.5ml
(1%植菌)を植菌し、37℃で2〜3時間振とう培養
した。その後、分光光度計でOD600が約0.5である
ことを確認して、1M IPTG(イソプロピル−1−
チオ−β−D−ガラクトサイド)を0.25ml(最終
濃度1mM)添加して、更に12時間同様に培養した。
得られた菌体からUQを調製しHPLCで解析したとこ
ろ、図3に示すように従来JM109の保持しないUQ
が検出された。ピーク1はUQ−8であるが、ピーク3
は標準物質のUQ−10と一致することからUQ−10
であり、ピーク2はUQ−9であると考えられる。
【0017】上記dds1で形質転換した形質転換微生
物である、pLD2を保持させた大腸菌JM109(Es
cherichia coli JM109/pLD2)を、遺伝子発
現の誘導物質であるイソプロピル−1−チオ−β−D−
ガラクトサイド(IPTG)非存在下で培養し、同様に
UQを調製したところ、生成量は10分の1にまで減少
した。このことからも、プラスミドとして導入したdd
s1遺伝子を利用することによりUQ−10を生成でき
ることが明らかになった。
【0018】次に、Escherichia coli JM109/p
LD2より粗酵素蛋白質を調製し、活性測定を行った。
すなわち、基質として14C−IPP(インペンテニル二
リン酸:Amersham LIFESCIENCE社)とFPP(ファルネ
シル二リン酸)を使用し、30℃で4時間反応させた
後、ブタノールで抽出したポリプレニル二リン酸を加水
分解後、ポリプレノールの状態でTLC展開した。その
結果、図4に示すようにpLD2を保持させたJM10
9においてデカプレノールが検出された。これらの結果
から、我々が得たdds1遺伝子はUQ−10合成に必
要な側鎖のデカプレニル二リン酸合成を担う遺伝子であ
ることが明らかとなり、dds1遺伝子を大腸菌内で発
現させてやることでUQ−10生成が可能であることが
証明された。
【0019】(6)以上、プラスミドpLD2で形質転
換した大腸菌JM109を用いる、UQ−8、UQ−9
の生成を伴うUQ−10の生成についての実施例につい
て述べた。次に、より純品でUQ−10を生成できる系
についての実施例について述べる。
【0020】(7)KO229/pLD2の作製 下記するように、大腸菌KO229(Escherichia coli
KO229)は、UQ−8合成に必要なispB遺伝
子を欠損している株であるため、UQ−8を合成するこ
とはできない。したがって、この株においてプラスミド
pLD2を発現させることにより、UQ−10のみを単
一品として生成させたり、その生成量を増加させること
が期待できる。換言すれば、上記した大腸菌JM109
/pLD2は、UQ−10は生成するものの、UQ−8
がメイン産物であるのに対し、本菌株である大腸菌KO
229/pLD2はUQ−10をメイン産物とするもの
であって、本実施例はUQ−10の高純度生産を目的と
したものである。
【0021】a)プラスミド上でのispB遺伝子の破
壊 まずispBを保持するプラスミドpKA3のispB
内に存在するPstIサイトを制限酵素で切断した。そ
こにcat(クロラムフェニコールアセチルトランスフ
ェラーゼ)遺伝子を導入した。その際、pKA3、ca
tの両方のサイトをT4ポリメラーゼで平滑末端に修飾
してからライゲーションした。なお、cat遺伝子はp
ACYC184(ニッポンジーン社)をHaeII処理
することで調製した。得られたプラスミドpTC2より
catで分断されたispB遺伝子の領域をEcoRI
処理により切り出し、これを断片Qとした。
【0022】b)ispB欠損株の作製 相同組換えの起こりやすい大腸菌FS1576をpKA
3で形質転換した。得られた形質転換体FS1576/
pKA3を、a)で調製した断片Qを用いて再度形質転
換した。ここで得られる形質転換体は、クロラムフェニ
コール(Cm)とスペクチノマイシン(Spc)を50
μg/ml含むLB寒天培地で生育してきた菌株であ
り、染色体か、あるいはpKA3上のispB遺伝子が
断片Qで置き換わっていた(相同組換えが起こってい
た)。得られたCm+Spc耐性株よりpKA3をと
り、その大きさに変化のない株を選択した。ここで選択
された株は、染色体上のispB遺伝子がcatで破壊
されており、そのかわりに無傷のispB遺伝子をプラ
スミドpKA3として保持していた。この株を大腸菌K
O229/pKA3とした。
【0023】c)KO229/pLD2株の単離 b)で得られたKO229/pKA3をdds1遺伝子
を持つプラスミドpLD2で形質転換した。pLD2は
アンピシリン(Amp)耐性遺伝子を持つのでCm、S
pc、Ampをそれぞれ50μg/ml含むLB寒天培
地で選択した。得られたKO229/pKA3+pLD
2株をAmp+Cmを含むLB液体培地で培養し、飽和
したところで同様な新たな培地に継代培養した。この操
作を計5回繰り返し、Amp+Cmを含むLB寒天培地
に希釈してまく。生えてきたAmp+Cm耐性株をAm
p+CmおよびSpc+Cm寒天培地に100個づつレ
プリカし、Amp+Cm耐性、Spc感受性株を選択し
た。得られた株を大腸菌KO229/pLD2としてU
Q−10の生産に利用した。本菌株の有用性に鑑み、本
菌株を大腸菌KO229/pLD2と命名し、工業技術
院生命工学工業技術研究所にFERM BP−5626
として国際寄託した。
【0024】(8)UQ−10の生産 先の実施例においてpLD2で形質転換した大腸菌JM
109を培養した場合と同様に、Escherichia coli K
O229/pLD2(FERM BP−5626)をア
ンピシリン50μg/ml含有LB培地において37℃
で振とう培養し、前培養した菌体を新しい培地に1%植
菌し、OD600が約0.5に達したところでIPTGを
1mMになるように加えて更に対数増殖期後期まで培養
した。得られた菌体からUQを調製し、HPLCで解析
したところ、図5に示すようにUQ−10のメインピー
クが認められ、KO229/pLD2(FERM BP
−5626)によるUQ−10の高純品生産が確認され
た。なお本菌株の場合は、先の実施例のJM109/p
LD2の場合とは異なり、IPTG添加培地で培養した
場合は若干のUQ−10の生産量の増加が認められた
が、IPTG無添加培地で培養した場合と格段の生産量
の差は認められなかった。
【0025】
【発明の効果】本発明によって、デカプレニル二リン酸
合成酵素の構造遺伝子を単離し、その配列決定に成功し
ただけでなく、大腸菌で発現させることにはじめて成功
した。その結果、UQ−8、UQ−9の生産のほか、U
Q−10の大腸菌による生産がはじめて可能になっただ
けでなく、ispB遺伝子欠損株を用いることにより、
UQ−8の生産を抑制してUQ−10を選択的に高純
度、大量生産することもはじめて可能となった。
【0026】
【配列表】本発明に係るDDSのアミノ酸配列(315
アミノ酸)を配列番号1に示し、それをコードする遺伝
子(dds1)の塩基配列(948bp)を配列番号2
に示し、dds1遺伝子を含みセンスプライマーからア
ンチセンスプライマーまでの領域を配列番号3に示す。
【0027】配列番号4、5は、PCR用プライマーを
示し、配列番号4はセンスプライマー、配列番号5はア
ンチセンスプライマーを示す。下記表1〜10に、配列
番号1〜5で示される各配列を示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
【表7】
【0035】
【表8】
【0036】
【表9】
【0037】
【表10】
【図面の簡単な説明】
【図1】DDSをコードする遺伝子を含む塩基配列を示
す。
【図2】発現プラスミドpLD2を示す。
【図3】大腸菌 JM109/pLD2培養物から抽出
したUQのHPLCクロマトグラムを示す。
【図4】大腸菌 JM109/pLD2産物の薄層クロ
マトグラムを示す。
【図5】大腸菌 KO229/pLD2培養物から抽出
したUQのHPLCクロマトグラムを示す。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (C12P 7/66 C12R 1:19)

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 デカプレニル二リン酸合成酵素(DD
    S)をコードする遺伝子で形質転換してなる形質転換微
    生物。
  2. 【請求項2】 オクタプレニル二リン酸合成酵素(OP
    S)をコードする遺伝子は破壊しておくことを特徴とす
    る請求項1に記載の形質転換微生物。
  3. 【請求項3】 配列表の配列番号1のアミノ酸配列で示
    されるDDSをコードする遺伝子のDNA。
  4. 【請求項4】 配列番号2の塩基配列で示される、請求
    項3に記載のDDSをコードする遺伝子(dds1遺伝
    子)のDNA。
  5. 【請求項5】 配列番号3の塩基配列で示され、配列番
    号1のアミノ酸配列をコードする遺伝子のDNAを含有
    してなる遺伝子のDNA。
  6. 【請求項6】 DDSをコードする遺伝子のDNAを組
    み込んでなるプラスミド。
  7. 【請求項7】 請求項3〜5のいずれか1項に記載のD
    NAをベクターpUC18に挿入してなる発現プラスミ
    ドpLD2。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7に記載のプラスミドで形
    質転換してなる形質転換微生物。
  9. 【請求項9】 形質転換微生物が、大腸菌JM109/
    pLD2又は大腸菌KO229/pLD2である、請求
    項8に記載の形質転換微生物。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、8又は9に記載の形質
    転換微生物を培養することを特徴とするユビキノン−1
    0の生成方法。
  11. 【請求項11】 大腸菌KO229/pLD2を培養す
    ることを特徴とする高純度ユビキノン−10の生成方
    法。
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