JPH1053627A - 高流動性コンクリート組成物、その組成物用の分離低減剤及び共重合体 - Google Patents

高流動性コンクリート組成物、その組成物用の分離低減剤及び共重合体

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JPH1053627A
JPH1053627A JP7844097A JP7844097A JPH1053627A JP H1053627 A JPH1053627 A JP H1053627A JP 7844097 A JP7844097 A JP 7844097A JP 7844097 A JP7844097 A JP 7844097A JP H1053627 A JPH1053627 A JP H1053627A
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hydrogen atom
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reducing agent
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JP7844097A
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English (en)
Inventor
Toyoharu Nawa
豊春 名和
Tsutomu Osawa
勉 大澤
Masaru Sakabe
大 坂部
Tetsuhiko Yamaguchi
哲彦 山口
Takanori Futami
孝則 二見
Hirotaka Takoshi
宏孝 田越
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Taiheiyo Cement Corp
Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
Chichibu Onoda Cement Corp
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  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 材料分離抵抗性に優れ、一般的な生コンクリ
ート製造工場での作業性に優れる有用な高流動性コンク
リート組成物、その組成物の分離低減剤、及び分離低減
剤として有用な新規共重合体を提供する。 【解決手段】 (i)式:CΗ2=CHNR1COR2(1)
由来の単位10〜100重量%、式:CH2=CR31
4SO32(2)由来の単位0〜60重量%、及び
式:CΗ2=CR53(3)由来の単位0〜40重量%
の(共)重合体からなる分離低減剤(式中の記号は明細
書に記載の意味を有する。)、(ii)セメント、微粉末、
セメント分散剤、骨材及び前記分離低減剤を特定の割合
で含有し、JISA 1101によるスランプフロー値が45cm
以上であるコンクリート組成物、及び(iii)前記式
(1)〜(3)由来の単位を特定割合で含む新規共重合
体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、材料分離抵抗性が
付与された高流動性コンクリート組成物に関する。さら
に詳しく言えば、生コンクリート組成物に経時的に安定
した高流動性、高充填性、高分離抵抗性を付与し、打設
時の締め固めを低減し、あるいは不要とし、施工時にお
ける騒音を低下させ作業及び近隣環境を改善すると共に
コンクリート打設を容易とする、土木、建築、コンクリ
ート製品向けの高流動性コンクリート組成物、その組成
物用の分離低減剤、及び分離低減剤として有用な共重合
体に関するものである。
【0002】
【背景技術の説明】建築学会JASS5や土木学会コン
クリート標準示方書によれば、コンクリートを打設する
際に型枠の隅々まで行き渡らせるために、バイブレータ
ーや突棒を用いて入念な締固めを行なうのが原則となっ
ている。しかし、近年、コンクリート構造物は断面形状
が複雑になったり鉄筋が密に配置されてきており、十分
な締固めができなかったり、充填性不足防止のための長
時間にわたるバイブレータの振動が近隣に及ぼす騒音問
題が問題となっている。さらには、締固め作業に携わる
熟練技術者も不足しつつあり、施工性の欠陥が発生し易
い状況になり、コンクリート構造物の耐久性に及ぼす影
響が危惧されている。従って、流動性と充填性に優れた
締め固め不要のコンクリートの適用が望まれている。
【0003】このような高い流動性を有するコンクリー
トを製造する方法として、コンクリート中の水量を増
し、軟度を増大させることが考えられる。しかし、単に
軟度を増大するだけでは、コンクリートが流動中に均一
性を失なう骨材分離という現象や、コンクリート打設後
にコンクリート表面や粗骨材周囲に混練水が偏在する、
いわゆるブリーディングとよばれる現象が生じ、コンク
リートの施工性や硬化性状が低下する。例えば、骨材分
離が生じるとポンプ圧送中に粗骨材が噛み合い閉塞とい
う現象が生じ、それ以降の打設は困難となる。また、柱
や壁等、鉄筋が密に配筋されコンクリートの流動する隙
間が狭隘な部分や部材端部では、入念な締固めにより骨
材分離やブリーディングが促進され、豆板、ジャンカ、
コールドジョイントなどの施工欠陥が生じやすい。これ
は、硬化後のコンクリート構造体の局所的な強度不足
や、耐久性不良の要因となる。打設面上部でブリーディ
ングが甚だしい場合は、上面にレイタンスと呼ばれる層
が厚く形成され、打ち継ぎ前に相当の厚さにわたって研
磨を十分に行なわないと新旧コンクリート間の付着強度
を確保するのが困難な場合が生ずる。粗骨材周囲のブリ
ーディングが甚だしい場合は、コンクリート硬化後に弱
強度領域として残存することになる。この領域は多孔質
でもあるため、水分や空気の侵入を招きやすい。空気中
の炭酸ガスが侵入すると、セメント水和物でアルカリ性
の水酸化カルシウムと反応してこれを中性の炭酸カルシ
ウムに変化させる。コンクリートが中性化すると鉄筋が
発錆しやすくなり、そのため膨張破壊に至る場合もあ
る。また、水分が侵入すると、例えば冬期において凍結
と融解の反復によって強度劣化を招く。従って、上記の
ような骨材分離やブリーディングを発生させないことが
重要となる。
【0004】一方、コンクリートとした際に流動性に優
れるセメント等の粉体に減水作用及び流動性を大幅に改
善する混和剤を組合わせて、骨材分離やブリーディング
が発生し難い程度まで粉体に対する水量を低下させる方
法もある。但し、この場合はセメント量を増大させるこ
とになり、粉体の種類によってはコンクリートの発熱量
を増大させ、時には熱応力によるひび割れの発生に至
る。さらに、水セメント比(W/C)も40%程度以下
とかなり小さくなり、設計強度を大幅に上回る過剰な強
度をもたらし、経済的・品質的に過剰設計であると言え
る。なお、十分な流動性が確保できる程度までセメント
の一部を他の水硬性を有しない粉体で置き換える方法も
あるが、型枠脱型時の強度が低く、建築構造物への適用
が困難となる。
【0005】以上の背景から、一般的な配合のコンクリ
ートに対して、コンクリートの各材料の分離を低減する
水溶性高分子等からなる分離低減剤を添加し、セメント
量を増大させることなく高い流動性と充填性を得る手法
が提案されてきている(例えば、セメント・コンクリー
トNo. 578,10-21頁, 1995)。
【0006】一般的に用いられている水溶性高分子とし
て、メチルセルロースエーテル、ヒドロキシプロピール
エチルセルロースエーテル、メチルヒドロキシエチルメ
チルセルロースエーテル、ヒドロキシエチルセルロース
エーテル、ヒドロキシプロピルセルロースエーテルなど
のセルロース誘導体;ポリサッカライド、カードラン、
デキストラン、デンプン、ザンタンガム、ポリアクリル
アミドなどがある。これらの水溶性高分子は、材料分離
を抑制するに十分な量を添加するときは、生コンクリー
トの粘度が増加し、流動性が低下するという問題がある
(特開平5-139806号)。また、生コンクリートの流動性
を高めるために使用される減水剤を併用すると、多くの
場合、減水剤との水溶性高分子の相互作用により流動性
が阻害され、目的とする粘性と流動性を確保することが
極めて困難な状況となっている(特開平6-293542号,同
8-12397号)。
【0007】また、セルロース誘導体などの糖類は、水
溶液状態では腐敗を生じるため長期間保存することはで
きないなど多くの問題がある。さらに、メチルセルロー
ス等水溶性高分子は粉末の形態のものが主流であるが、
粉末状の場合、通常の生コンクリート工場の現有設備で
は添加できず、人力による手動投入または投入設備の新
設といった対応が必要となり、作業が繁雑となるため、
普及し難い状況にある。
【0008】特公平2-23566号公報には、材料分離抑制
のための水溶性高分子としてN−ビニルアセトアミド化
合物と2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホ
ン酸塩との共重合体が開示されているが、その用途は水
溶性ボーリング用の助剤であるため、経時的な流動性低
下はあっても、材料分離の抑制という効果のみ要求され
るこのケースでは実用上の支障は生じず問題視されてい
なかった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
課題は、材料分離抵抗性に優れ、一般的な生コンクリー
ト製造工場での作業性に優れる、有用な高流動性コンク
リート組成物を提供することにある。本発明の他の課題
は、減水剤との併用添加においても、流動性の阻害を起
さずに生コンクリートに経時的に安定した高流動性、良
好な充填性、材料分離に対する抵抗性を付与し、打設時
の締め固め作業を低減、あるいは不要とする高流動性コ
ンクリート組成物用の分離低減剤を提供することにあ
る。さらに、本発明の他の課題は高流動性コンクリート
組成物の分離低減成分として有用な共重合体を提供する
ことにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】このような課題に鑑み鋭
意検討を重ねた結果、本発明者らは、新規共重合体を含
むN−ビニルカルボン酸アミド系の水溶性高分子が、高
流動性コンクリート組成物の材料分離を抑制するに十分
な濃度において生コンクリートの流動性を阻害しないこ
と、また前記N−ビニルカルボン酸アミド系の水溶性高
分子は高性能AE減水剤、または高性能減水剤等のセメ
ント分散剤を併用することにより、通常の生コンクリー
ト製造工場において作業の繁雑さをもたらすことなく容
易に製造でき、得られる生コンクリート組成物は経時的
に安定した高流動性、高充填性、高分離抵抗性を有し打
設時の閉め固めを低減し、あるいは不要とすることを確
認した。
【0011】すなわち、本発明は、 1) 一般式(1) CΗ2=CHNR1COR2 (1) (式中、R1及びR2は、同一でも異なってもよく、各々
水素原子またはメチル基を表わす。)で示される化合物
に由来する単位40〜89重量%、一般式(2) CH2=CR314SO32 (2) (式中、R3は水素原子またはメチル基を表わし、R4
炭素数1〜4の直鎖状アルキレン基または分岐状アルキ
レン基を表わし、X1は−CONΗ−または−COO−
を表わし、X2は水素原子、アルカリ金属、アンモニウ
ム塩または有機アンモニウム塩を表わす。)で示される
化合物に由来する単位10〜50重量%、及び一般式
(3) CΗ2=CR53 (3) (式中、R5は水素原子またはメチル基を表わし、X3
−CN、−COOR6、−CONΗ2、−CONHR7
−COR8、−OCOR9または−OR10を表わす。ただ
し、R6は水素原子、アルカリ金属、アンモニウム塩、
有機アンモニウム塩または炭素数1〜4のアルキル基を
表わし、そのアルキル基の1個の水素原子は−OΗまた
は−NR1112で置き換えることができる。また、R7
は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、そのアルキル基
の1個の水素原子は−OHまたは−NR1112で置き換
えることができ、R8、R9、R10、R11及びR12は炭素
数1〜4のアルキル基を表わす。)で示される化合物に
由来する単位1〜30重量%(一般式(1)〜(3)で
示される化合物に由来する単位の総和は100重量%と
する。)からなる共重合体;
【0012】2) 一般式(1) CΗ2=CHNR1COR2 (1) (式中、R1及びR2は、同一でも異なってもよく、各々
水素原子またはメチル基を表わす。)で示される化合物
に由来する単位10〜100重量%、一般式(2) CH2=CR314SO32 (2) (式中、R3は水素原子またはメチル基を表わし、R4
炭素数1〜4の直鎖状アルキレン基または分岐状アルキ
レン基を表わし、X1は−CONΗ−または−COO−
を表わし、X2は水素、アルカリ金属、アンモニウム塩
または有機アンモニウム塩を表わす。)で示される化合
物に由来する単位0〜60重量%、及び一般式(3) CΗ2=CR53 (3) (式中、R5は水素原子またはメチル基を表わし、X3
−CN、−COOR6、−CONΗ2、−CONHR7
−COR8、−OCOR9、−OR10を表わす。ただし、
6は水素原子、アルカリ金属、アンモニウム塩、有機
アンモニウム塩または炭素数1〜4のアルキル基を表わ
し、そのアルキル基の1個の水素原子は−OΗまたは−
NR1112で置き換えることができる。また、R7は炭
素数1〜4のアルキル基を表わし、そのアルキル基の1
個の水素原子は−OHまたは−NR1112で置き換える
ことができ、R8、R9、R10、R11及びR12は炭素数1
〜4のアルキル基を表わす。)で示される化合物に由来
する単位0〜40重量%(一般式(1)〜(3)で示さ
れる化合物に由来する単位の総和は100重量%とす
る。)の(共)重合体からなることを特徴とする高流動
性コンクリート組成物用の分離低減剤;
【0013】3) 一般式(1)で示される化合物に由
来する単位の重合体からなる前記2に記載の高流動性コ
ンクリート組成物用の分離低減剤; 4) 一般式(1)で示される化合物に由来する単位4
0〜89重量%、一般式(2)で示される化合物に由来
する単位10〜50重量%、及び一般式(3)で示され
る化合物に由来する単位1〜30重量%(ただし一般式
(1)〜(3)で示される化合物に由来する単位の総和
は100重量%とする。)からなる前記2に記載の高流
動性コンクリート組成物用の分離低減剤; 5) 前記3または4に記載の(共)重合体のセメント
上澄み液の1.2重量%水溶液粘度が、B型回転粘度計に
おいて、20cps以上で200cps未満である前記
3または4に記載の高流動性コンクリート組成物用の分
離低減剤;
【0014】6) セメント、粗骨材、細骨材、セメン
ト分散剤、分離低減剤及び水からなり、分離低減剤が少
なくとも一般式(1) CΗ2=CHNR1COR2 (1) (式中、R1及びR2は、同一でも異なってもよく、各々
水素原子またはメチル基を表わす。)で示される単量体
に由来する単位を含む(共)重合体であることを特徴と
する高流動性コンクリート組成物;
【0015】7) セメント、粗骨材、細骨材、セメン
ト分散剤、分離低減剤及び水からなり、分離低減剤が一
般式(1) CΗ2=CHNR1COR2 (1) (式中、R1及びR2は、同一でも異なってもよく、各々
水素原子またはメチル基を表わす。)で示される単量体
に由来する単位40〜89重量%、一般式(2) CH2=CR314SO32 (2) (式中、R3は水素原子またはメチル基を表わし、R4
炭素数1〜4の直鎖状アルキレン基または分岐状アルキ
レン基を表わし、X1は−CONΗ−または−COO−
を表わし、X2は水素原子、アルカリ金属、アンモニウ
ム塩または有機アンモニウム塩を表わす。)で示される
化合物に由来する単位10〜50重量%、及び一般式
(3) CΗ2=CR53 (3) (式中、R5は水素原子またはメチル基を表わし、X3
−CN、−COOR6、−CONΗ2、−CONHR7
−COR8、−OCOR9またはOR10を表わす。ただ
し、R6は水素原子、アルカリ金属、アンモニウム塩、
有機アンモニウム塩または炭素数1〜4のアルキル基を
表わし、そのアルキル基の1個の水素原子は−OΗまた
は−NR1112で置き換えることができる。また、R7
は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、そのアルキル基
の1個の水素原子は−OHまたは−NR1112で置き換
えることができ、R8、R9、R10、R11及びR12は炭素
数1〜4のアルキル基を表わす。)で示される化合物に
由来する単位1〜30重量%(一般式(1)〜(3)で
示される化合物に由来する単位の総和は100重量%と
する。)を含む(共)重合体である前記6に記載の高流
動性コンクリート組成物;
【0016】8) セメント上澄み液を使用した1.2重
量%水溶液粘度が20〜200cpsである前記6また
は7に記載の高流動性コンクリート組成物; 9) 分離低減剤の含有量が、高流動性コンクリート組
成物の総量に対して、10〜200g/m3である前記
6乃至8のいずれかに記載の高流動性コンクリート組成
物; 10) コンクリ一卜の単位セメント量が200〜45
0kg/m3、細骨材の単位量が700〜1,100kg/m
3、粗骨材の単位量が700〜1,200kg/m3、単位水
量が155〜220kg/m3、及び水溶性高分子であ
る分離低減剤の添加量が10〜200kg/m3である
前記6乃至9のいずれかに記載の高流動性コンクリート
組成物; 11) JIS A 1101によるスランプフロー値が、混練後
少なくとも60分間にわたって45cm以上を保つ前記
6乃至10のいずれかに記載の高流動性コンクリート組
成物;及び 12) セメントの一部をブレーン比表面積2,500〜20
0,000cm2/gの初期水和不活性な微粉末で50重量部
まで置換した前記6乃至11のいずれかに記載の高流動
性コンクリート組成物、を提供するものである。
【0017】
【発明の実施の形態】高流動性コンクリート組成物用分離低減剤 本発明の高流動性コンクリート組成物用の分離低減剤は
N−ビニルカルボン酸アミド系水溶性高分子、すなわ
ち、下記の一般式(1)で示される化合物の単独重合
体、及び下記一般式(1)〜(3)に由来する単位を特
定の割合で有する共重合体であって、セメント上澄み液
を使用した1.2重量%水溶液粘度が特定の範囲にあるこ
とを特徴とする。
【0018】 CΗ2=CHNR1COR2 (1) CH2=CR314SO32 (2) CΗ2=CR53 (3) 上記式中、R1、R2、R3及びR5は水素原子またはメチ
ル基を表わし、R4は炭素数1〜4の直鎖状アルキレン
基(メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン基)ま
たは分岐状アルキレン基(1,1−ジメチルエチレン、
2,2−ジメチルエチレン、1−メチルプロピレン、2
−メチルプロピレン、3−メチルプロピレン)を表わ
す。X1は−CONH−またはーCOO−を表わし、X2
は水素原子、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリ
ウム)、アンモニウム塩、有機アンモニウム塩(例え
ば、トリエチルアンモニウム塩)を表わし、X3は−C
N、−COOR6、−CONH2、−CONHR7、−C
ONR89、−COR10、−OCOR11、−OR12を表
わす。
【0019】但し、R6は水素原子、アルカリ金属(例
えば、ナトリウム、カリウム)、アンモニウム塩、有機
アンモニウム塩あるいは炭素数1〜4のアルキル基(メ
チル、エチル、プロピル、ブチル基)を表わし、該アル
キル基中の少なくとも1個の水素原子は−OHまたは−
NR1112で置き換えることができ、R7は炭素数1〜
4のアルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、
ブチル基)を表わし、該アルキル基中の少なくとも1個
の水素原子は−OHまたは−NR1112で置き換えるこ
とができる。R8、R9、R10、R11及びR12は炭素数1
〜4のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、ブチル
基)を表わす。好ましい−NR1112としては、ジメチ
ルアミノ、ジエチルアミノ基が挙げられる。
【0020】本発明において分離低減剤をとして用いら
れる前記一般式(1)〜(3)で示される(共)重合体
の原料となる単量体の具体例を以下に挙げる。一般式
(1)で示される化合物としては、例えば、N−ビニル
ホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−メチル−
N−ビニルホルムアミド、N−メチル−N−ビニルアセ
トアミドが挙げられ、N−ビニルアセトアミドが好まし
い。
【0021】一般式(2)で示される化合物としては、
例えば、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンス
ルホン酸、2−アクリルアミドエタンスルホン酸、2−
メタクリルアミドエタンスルホン酸、3−メタクリルア
ミドプロパンスルホン酸、アクリル酸メチルスルホン
酸、メタクリル酸メチルスルホン酸、アクリル酸−2−
エチルスルホン酸、メタクリル酸−2−エチルスルホン
酸、アクリル酸−3−プロピルスルホン酸、メタクリル
酸−3−プロピルスルホン酸、アクリル酸−2−メチル
−3−プロピルスルホン酸、メタクリル酸−2−メチル
−3−プロピルスルホン酸、アクリル酸−1,1−ジメ
チル−2−エチルスルホン酸、メタクリル酸−1,1−
ジメチル−2−エチルスルホン酸またはこれらの塩等な
どが挙げられる。
【0022】また、一般式(3)で示される化合物とし
ては、例えば、メチルアクリレ−ト、エチルアクリレー
卜、プロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアク
リレー卜、アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエ
チルアクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピルア
クリルアミド、アクリロニトリル、メチルビニルケト
ン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、ビニ
ルアセテート、メチルビニルエーテル、エチルビニルエ
ーテル、プロピルビニルエーテル、メチルメタクリレー
ト、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシ
プロピルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチ
ルメタクリレート、メタクリルアミド、N−イソプロピ
ルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルメ
タクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、
N,N−ジエチルアクリルアミド等の化合物を挙げるこ
とができるが、中でもアクリロニトリルが好ましい。
【0023】上記一般式(1)〜(3)に由来する単位
の割合は、一般式(1)で示される化合物に由来する単
位が少なくとも10重量%、一般式(2)示される化合
物に由来する単位が0〜60重量%、一般式(3)で示
される化合物に由来する単位が0〜40重量%(一般式
(1)〜(3)で示される化合物に由来する単位の総和
は100重量%である。)であり、すべてが一般式
(1)で示される化合物に由来する単位からなる単独重
合体でもよい。
【0024】好ましくは、一般式(1)で示される化合
物に由来する単位が40〜89重量%、より好ましくは
5Ο〜70重量%であり、一般式(2)で示される化合
物に由来する単位が10〜50重量%、より好ましくは
20〜40重量%であり、一般式(3)で示される化合
物に由来する単位が1〜30重量%、より好ましくは5
〜20重量%からなる共重合体である(但し、一般式
(1)〜(3)で示される単量体に由来する成分の総和
は100重量%ある。)。このような共重合体は新規な
水溶性高分子化合物である。
【0025】コンクリート用分離低減剤としての水溶性
高分子において、一般式(1)で示される化合物に由来
する単位の含有量が10重量%未満であると、水溶性高
分子の分子量によっては、生コンクリートへの粘性の付
与が不十分になる。一般式(2)で示される化合物に由
来する単位の含有量が60重量%を超える場合は、十分
な粘性付与が困難になり材料分離が生じる傾向にある。
一般式(3)で示される化合物に由来する単位の含有量
が40重量%を超える場合は重合体の親水性が低下し、
生コンクリート組成物に粘性及び流動性を付与できない
ため、材料分離性が生じる傾向にある。
【0026】本発明のコンクリート組成物用分離低減剤
として用いる重合体は、20℃における1.2重量%水溶
液粘度が20cps以上で200cps未満の範囲であ
り、より好ましくは40cpsから180cpsの範囲
にあるものである。溶液粘度が20cpsを下回るよう
な場合には材料分離が生じるので好ましくない。一方、
この粘度が200cpsを超える場合には経時的流動性
(60分後のスランプフロー値)が低下する傾向があ
る。
【0027】なお、本発明において、重合体の1.2重量
%水溶液粘度とは、ポルトランドセメント30gに水3
リットルを加え、30分間撹拌した後静置してできた上
澄み液を用い、重合体を1.2重量%の濃度に調製した溶
液の粘度をブルックフィード型回転粘度計で60rpm
で測定した値である。本発明の(共)重合体は、一般式
(1)で表わされる単位に由来するノニオン性親水基を
有するため、強アルカリ性であるセメント水への溶解性
が良好で、コンクリー卜組成物の材料分離抵抗性にもす
ぐれる。
【0028】また高流動性コンクリートを現場施工で用
いる場合、生コンクリート製造工場から施工現場までコ
ンクリートを輸送する時間を要する。したがって生コン
クリートを製造した直後から60分程度も時間を経ても
その流動性に大きな変化がないことか要求される。その
指標としてスランプコーンに生コンクリートを充填した
後60分経過後のスランプフロー値が45cm以上であ
ることが求められる。そのような点からも、本発明のコ
ンクリート組成物用分離低減剤は、コンクリート組成物
に適度な流動性(初期のスランプフロー値が60cm以
上)を与えることができると同時に経時的安定性(60
分後のスランプフロー値が45cm以上)にも優れてお
り、高流動性コンクリ−ト用分離低減剤として好適な性
質を有している。
【0029】分離低減剤の製造方法 本発明で分離低減剤に用いる(共)重合体を製造する方
法としては、水溶液重合、逆相懸濁重合、沈澱折出重合
等の方法を用いることができるが、これらの方法に特に
限定されるわけではない。重合開始剤は、通常のラジカ
ル重合開始剤を用いることができ、2,2′−アゾビス
(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,
2′−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)
プロパン]ジヒドロクロライド、2,2′−アゾビス
[2−(3,4,5,6−テトラヒドロピリミジン−2
−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2′−ア
ゾビス[2ー(5−ヒドロキシ−3,4,5,6−テト
ラヒドロピリミジン−2−イルプロパン]ジヒドロクラ
イド、2,2′−アゾビス[2−(N−べンジルアミジ
ノプロパン]ジヒドロクロライド等のアゾ系開始剤、t
−ブチルヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイ
ド等の過酸化物、あるいは過酸化物または過硫酸塩類と
卜リエタノールアミン、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤
を同一系内に存在させる、いわゆるレドックス系開始剤
等が挙げられる。
【0030】水溶液粘度の調整剤としては、連鎖移動作
用のあるn−ブチルメルカプタン、卜リエチルアミン、
イソプロピルアルコール、チオグリコール酸アンモニウ
ム、次亜リン酸ナトリウム等が用いられる。水溶液重合
で得られた重合物は、乾燥、粉砕し、粉末状にした後再
溶解して用いる。また、逆相懸濁重合で得られた重合物
は、ろ過、乾燥し、粉末状にした後再溶解して用いる。
また粉末状の重合物はそのまま添加することもできる。
【0031】高流動性コンクリート組成物 本発明の高流動性コンクリート組成物は、セメント、粗
骨材、細骨材、セメント分散剤、及び前述の分離低減剤
と水からなる。コンクリート組成物の材料として用いる
セメントの代表例は、鉱物組成として、例えば3CaO
・SiO2含量が52重量%、2CaO・SiO2が23
重量%、3CaO・Al23が9重量%、その他CaO
・Fe23を含み、比表面積が3,300cm2/g程度の、
いわゆる普通ポルトランドセメントであるが、これに限
られるものではない。水は、セメント重量に対し45〜
55重量%、好ましくは50〜55重量%加える。
【0032】セメント分散剤は、特に限定するものでは
ないが、ポリカルボン酸系またはナフタレン系の高性能
AE減水剤、メラミンスルフォン酸系、高縮合トリアジ
ン系、アルキルアリルスルフォン酸系またはナフタレン
スルフォン酸系の高性能減水剤、リグニンスルフォン酸
及びオキシカルボン酸系のAE減水剤の群から選ばれる
1種または2種以上の混和剤を用いるのが好ましい。
【0033】本発明は、これらのセメント分散剤のう
ち、高性能AE減水剤あるいは予め分離低減剤を高性能
AE減水剤に混合したものを用い、あるいはこれに分離
低減作用を有しない混和剤を併用し、混練水中に混合す
る形でコンクリートに含有させることを特徴とする。こ
れにより、混和剤タンク等の製造設備の増設を行なうこ
となく、既存のタンク設備で高い流動性と分離抵抗性を
有するコンクリート組成物を製造することができる。
【0034】以上のような材料からなるコンクリート組
成物は、組成物総量に対して、セメントの単位量を20
0〜450kg/m3、より好ましくは250〜400
kg/m3、細骨材の単位量を700〜1,100kg/
3、より好ましくは800〜1,000kg/m3、粗骨材
の単位量を700〜1,200kg/m3、より好ましくは8
00〜1,100kg/m3、水の単位量を170〜220k
g/m3、より好ましくは175〜200kg/m3の範
囲とする。
【0035】セメントの単位量が200kg/m3以下
では強度発現性や骨材分離抵抗性が低下し、450kg
/m3より多い場合は流動性や骨材分離抵抗性は一般に
増大するが、強度が過剰となる。細骨材が700kg/
3以下では、粗骨材とセメントペーストとの分離が顕
著となり、1,100kg/m3以上では粘性は高まるが、単
位水量や混和剤添加量を増大させないと良好な性状を確
保できない。粗骨材が700kg/m3以下では必然的
に細骨材量やセメント量が増して上記の好ましくない傾
向が顕著となる。粗骨材が1,200kg/m3以上ではモル
タル分の不足により骨材分離抵抗性が低下するととも
に、粗骨材同士の噛み合いにより間隙通過性も低下す
る。同様に、水の単位量が170kg/m3以下では流
動性が不足し、220kg/m3以上では粗骨材とモル
タルとの分離傾向が生ずる。
【0036】また、初期水和不活性な微粉末の添加によ
り、一層良好な流動性を付与できる。微粉末の粒径は、
ブレーン比表面積2,500〜200,000cm2/g、好ましく
は4,000〜200,000cm2/gとする。微粉末の種類とし
ては、高炉スラグ、フライアッシュ、シリカフューム、
石灰石微粉末などの石粉等が挙げられる。セメントに対
する置換率は、セメント重量の0〜50重量%程度が好
ましい。置換率が50重量%を超えると、強度不足の恐
れが生ずる。さらに細骨材の一部を微粉末と置換するこ
とでも流動性の向上が得られる。この場合の置換率は0
〜5重量%程度となる。
【0037】コンクリートに対する分離低減剤の添加量
は10〜200g/m3とするが、十分な材料分離抵抗
性を得るには20g/m3以上、さらに、経済的な設計
の点からは80g/m3以内とするのが好ましい。添加
量が10g/m3より少ない場合は粗骨材とモルタル部
分との分離が顕著になり、また200g/m3より多い
場合は粘性の増大のため、むしろ流動性を低下させる。
【0038】本発明のコンクリート組成物の製造方法に
ついては、通常の生コンクリート工場における一般的な
コンクリートと同様である。すなわち、セメント、表面
乾燥状態にある粗骨材及び細骨材を予めミキサーに投入
し、混合する。次に、セメント分散剤等の混和剤を、混
練水中に含有した形態で上記材料に添加し、混練を行な
う。
【0039】上記のコンクリート組成物において、練り
上がり後のスランプフロー値が45cm未満では流動性
が不十分であり、コンクリート中に粗大な空隙が残存し
やすい。70cm以上では流動中におけるモルタル部分
と粗骨材部分の一体性確保が困難となり、骨材分離が生
じやすい。従って、少なくとも60分間にわたって45
〜70cmを確保できるよう高性能AE減水剤及びAE
減水剤の添加量を調整するのが好ましい。
【0040】粉体型の分離低減剤を添加する場合、人力
による手投入など繁雑な作業を招くが、本分離低減剤に
よれば、このような問題点が回避される。また、先行技
術(例えば、特公平7−91103号公報に記載のコンクリー
ト配合組成物)においては、粉末状のセルロース系分離
低減剤、あるいは液体状のアクリル系分離低減剤の添加
量は、コンクリート組成物1m3当たり250〜1,500g
程度を要するが、本発明の分離低減剤は、コンクリート
組成物1m3当たり20〜80gという非常に少ない添
加量で十分な材料分離抵抗性が確保できる。従って、コ
ンクリート配合組成中の有機成分を低減することも可能
となり、コンクリートの物性上有利である。
【0041】コンクリートの圧縮強度は、材齢28日で
20N/mm2以上が一般的である。現在、60N/m
2を超えるような高強度コンクリートも実用化されつ
つあるが、高強度コンクリートでは長期強度や発熱量の
問題があり、60N/mm2以下の強度域で使用するの
が望ましい。
【0042】
【実施例】以下に、本発明のコンクリート組成物用分離
低減剤として使用する(共)重合体の製造例、本発明の高
流動性コンクリート組成物の実施例、及び比較例を挙げ
て本発明の内容をより具体的に説明するが、下記の例に
よって本発明は限定されるものではない。なお、下記の
例において、「(共)重合体の1.2重量%における水溶液
粘度」とあるのは、先に段落番号27の箇所で説明した
通り、すべて「(共)重合体のセメント上澄液の1.2重量
%における水溶液粘度」を意味する。
【0043】[製造例]下記の製造例において赤外吸収
スペクトルはJASCOFT/IR8000(日本分光(株)製)赤外
分光光度計を用いて測定した。
【0044】製造例1:N−ビニルアセトアミド(NV
A)の重合 ガラス製反応器に、N−ビニルアセトアミド(NVA)
(250g)を入れ、水(740g)を加えて溶解させ
た。30℃の恒温槽中において、窒素通気により溶存酸
素を除去した後、水(10g)に溶解させた2,2′−
アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパ
ン]ジヒドロクロライド(0.15g)を加え、窒素通気下
で反応させた。反応終了後、生成物を50℃で5時間乾
燥した。水を十分除去した後、小型粉砕器により、10
0メッシュ以下の粉末にした。得られた共重合体の1.2
重量%における水溶液粘度は178cpsであった。得
られた重合体の赤外(IR)吸収スペクトル(KBrデ
ィスク)を図1に示す。またIRの特性吸収をも含む結
果をまとめて表1に示す。
【0045】製造例2:N−ビニルアセトアミド(NV
A)と2−アクリルアミド−2−メチループロパンスル
ホン酸(AMPSNa)とアクリロニ卜リル(AN)と
の共重合 ガラス製反応器に、2−アクリルアミド−2−メチルー
プロパンスルホン酸(AMPSNa)(30g)を入
れ、水(893g)を加えて溶解させた。水酸化ナトリ
ウムを添加することにより、pΗ8に調整した後、N−
ビニルアセトアミド(NVA)(60g)とチオグリコ
ール酸アンモニウム(0.01g)を溶解させた。反応器を
50℃の恒温槽中に浸漬して内容物を激しく撹拌し、窒
素通気により溶存酸素を除去した後、アクリロニ卜リル
(AN)(10g)及び2,2′−アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)ジヒドロクロライド(1.0g)を加え、
窒素通気下で反応させた。得られた共重合体の1.2重量
%水溶液粘度は77cpsであった。結果を表1に示
す。
【0046】製造例3:N−ビニルアセトアミド(NV
A)と2−アクリルアミド−2−メチループロパンスル
ホン酸(AMPSNa)とアクリロニ卜リル(AN)と
の共重合 ガラス製反応器に、2−アクリルアミド−2−メチルー
プロパンスルホン酸(AMPSNa)(48g)を入
れ、水(893g)を加えて溶解させた。水酸化ナトリ
ウムを添加することにより、pΗ8に調整した後、N−
ビニルアセトアミド(NVA)(47g)とチオグリコ
ール酸アンモニウム(0.1g)を溶解させた。反応器を
60℃の恒温槽中に浸漬し、内容物を激しく撹拌し、窒
素通気により溶存酸素を除去した後、アクリロニトリル
(AN)(5g)及び2,2′−アゾビス(2−アミジ
ノプロパン)ジヒドロライド(1.0g)を加え、窒素通
気下で反応させた。得られた共重合体の 1.2重量%水溶
液粘度は43cpsであった。結果を表1に示す。
【0047】製造例4:N−ビニルアセトアミド(NV
A)と2−アクリルアミド−2−メチループロパンスル
ホン酸(AMPSNa)との共重合 ガラス製反応器に、2−アクリルアミド−2−メチルー
プロパンスルホン酸(AMPSNa)を(30g)を入
れ、水(990g)を加えて溶解させた。水酸化ナトリ
ウムにより、pΗ8に調整し、N−ビニルアセトアミド
(NVA)(70g)とチオグリコール酸アンモニウム
(0.03g)を溶解させた。反応器を50℃の恒温槽中に
浸漬し、内容物を激しく撹拌し、窒素通気により溶存酸
素を除去した後、水(5g)に溶解させた2,2′−ア
ゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド
(1.0g)を加え、窒素通気下で反応させた。得られた
共重合体の1.2重量%水溶液粘度は53cpsであっ
た。結果を表1に示す。
【0048】製造例5:N−メチル−N−ビニルアセト
アミド(NMVA)とメチルメタクリレート(MMA)
との共重合 ガラス製反応器にN−メチル−N−ビニルアセトアミド
(NMVA)(95g)、メチルメタクリレート(MM
A)(5g)、チオグリコール酸アンモニウム(0.0625
g)を入れ、水(360g)を加えて溶解させた。20
℃恒温槽中において、窒素通気により溶存酸素を除去し
た後、水(10g)に溶解させた2,2′−アゾビス
[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒ
ドロクロライド(0.2g)を加え、窒素通気下で反応さ
せた。得られた共重台体の1.2重量%水溶液の粘度は5
5cpsであった。得られた結果を表1に示す。
【0049】製造例6:N−ビニルホルムアミド(NV
A)と2−アクリルアミド−2−メチループロパンスル
ホン酸(AMPSNa)とN,N−ジメチルアクリルア
ミド(DMAM)との共重合 ガラス製反応器に、2−アクリルアミド−2−メチルー
プロパンスルホン酸(AMPSNa)(20g)を入
れ、水(990g)を加えて溶解させた。水酸化ナトリ
ウムにより、pΗ8に調整し、N−ビニルホルムアミド
(NVA)(78g)、N,N−ジメチルアクリルアミ
ド(DMAM)(2g)及び次亜リン酸ナトリウム(0.
1g)を溶解させた。反応器を55℃の恒温槽中に浸清
し、内容物を激しく撹拌し、窒素通気により溶存酸素を
除去した後、2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)ジヒドロクロライド(1.0g)を加え、窒素通気下
で反応させた。反応終了後、生成物を50℃で5時間乾
燥して水を充分除去した後、小型粉砕器により100メ
ッシュ以下の粉末にした。得られた共重合体の1.2重量
%水溶液の粘度は183cpsであった。結果を表1に
示す。
【0050】製造例7〜14:表1に記載の単量体を製
造例7、8、9、11、12及び13は製造例2に準
じ、製造例10及び14は製造例6に準じて反応させ
た。得られた結果を表1に示す。
【0051】比較製造例1:N−ビニルアセトアミド
(NVA)と2−アクリルアミド−2−メチループロパ
ンスルホン酸(AMPSNa)とアクリロニトリル(A
N)との共重合 ガラス製反応器に、2−アクリルアミド−2−メチルー
プロパンスルホン酸(AMPSNa)(70g)を入
れ、水(700g)を加えて溶解させた。水酸化ナトリ
ウムにより、pΗ8に調整し、N−ビニルアセトアミド
(NVA)(20g)、アクリロニトリル(AN)(1
0g)及び次亜リン酸ナトリウム(0.25g)を溶解させ
た。反応器を50℃の恒温槽中に浸漬し、内容物を激し
く撹拌し、窒素通気により溶存酸素を除去した後、水5
gに溶解させた2,2′−アゾビス(2−アミジノプロ
パン)ジヒドロクロライド(0.5g)を加え、窒素通気
下で反応させた。得られた共重合体の1.2重量%水溶液
の粘度は80cpsであった。得られた結果を表1に示
す。
【0052】比較製造例2:N−ビニルアセトアミド
(NVA)の重合 ガラス製反応器に、N−ビニルアセトアミド(NVA)
(250g)を入れ、水(740g)を加えて溶解させ
た。30℃の恒温槽中において、窒素通気により溶存酸
素を除去した後、水(10g)に溶解させた2,2′−
アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2ーイル)プロパ
ン]ジヒドロクロライド(1.5g)を加え、窒素通気下
で反応させた。反応終了後、生成物を、50℃で5時間
乾燥した。水分を十分除去した後、小型分砕器により、
100メッシュ以下の粉末にした。得られた共重合体の
1.2重量%水溶液粘度は12cpsであった。
【0053】比較製造例3〜5:表1に記載の単量体
を、比較例1に準じて反応させた。得られた結果を表1
に示す。
【0054】
【0055】
【0056】NVA:N−ビニルアセトアミド、 NMVA:N−メチル−N−ビニルアセトアミド、 NVF:N−ビニルホルムアミド、 NEVF:N−エチル−N−ビニルホルムアミド、 AMPSNa:2−アクリルアミド−2−メチル−ブロ
パンスルホンサンナトリウム塩、 MOESNa:2−メタクリロイルオキシエチルスルホ
ン酸ナトリウム塩、 AN:アクリロニトリル、 MMA:メチルメタクリレート、 DMAM:N,N−ジメチルアクリルアミド、 VA:酢酸ビニル。
【0057】[コンクリート組成物の実施例]実施例及
び比較例のコンクリート組成物では下記の材料を使用し
た。各材料のコンクリート1m3当たりの配合を表2に
示す。なお、表2中の空気量はコンクリート配合計算上
使用した値であり、実際のコンクリートにおいて測定し
た値とは異なる。
【0058】使用材料 細骨材:君津産陸砂と大船渡産砕砂を重量比9:1で混
合したもの(比重2.60)、 粗骨材:岩瀬産砕石(比重2.63)、 高性能AE減水剤:ポリカルボン酸系、 AE減水剤:リグニンスルホン酸系、 水:イオン交換水。
【0059】
【0060】混練方法 50リットル強制パン型ミキサーを使用した。まずセメ
ント等の粉体、細骨材、粗骨材を10秒間混合した。次
に、予めセメント分散剤、分離低減剤等の混和剤を溶解
した混練水を添加、45秒間混合し、ミキサーを一旦停
止した。ミキサーの底部、側面に付着したモルタルをか
き落とした後、再度45秒間混練し、排出した。
【0061】試験方法 流動性の評価は、通常のコンクリート試験で用いられる
「スランプコーン」によるスランプフロー試験で行なっ
た。水平に配置した鉄板上に上端内径10cm、下端内
径20cm、高さ30cmのスランプコーンを置き、コ
ンクリートを充填して静かに引き上げる。コンクリート
はほぼ同心円状に広がり、やがて停止する。スランプコ
ーン引き上げ時から停止までに要する時間を「スランプ
フロー停止時間」とする。停止したコンクリートの拡が
りの長径及びそれに直角方向の径を測定し、「スランプ
フロー値」とする。コンクリートの分離抵抗性及び間隙
通過性を調べる試験には、図2に示すロート装置による
「Vロート試験」を実施した。図2の装置は、矩形状
(L1=49cm,L2=7.5cm)に上部が開口してお
り、その開口上端(10)からロート部下端の矩形状
(L2=7.5cm,L3=6.5cm)開口部(11)に至る
深さ(H1)が42.5cm、矩形状開口部の開口端(1
2)までの深さが(H2)15cmで、その下端には開
閉自在のシャッター(図示せず)が設けられている。上
部からコンクリート(約10リットル)を充填して平ら
にならした後、下部のシャッターを開く。開口から流下
完了に要する時間を「Vロート流下時間」とし、コンク
リートの間隙通過性を評価する。
【0062】一般に、「スランプフロー値」が大きいほ
ど良好な流動性を有し、「Vロート流下時間」が短いほ
ど骨材分離抵抗性と間隙通過性が良好である。しかし、
「Vロート流下時間」が短いにもかかわらずスランプフ
ロー試験でコンクリート中央部に粗骨材が残存する場合
は、骨材とモルタルとの一体性が保たれておらず、不良
である。そこで、まず目視によってスランプフロー停止
後の形態を調べ、適正と判断したものについて、Vロー
ト通過時間を評価した。空気量はJIS A 1128に規定され
た方法により、コンクリート中における容積%で求め
た。
【0063】実施例1:本実施例は、分離低減剤として
先の製造例2、3、6、11〜14及び比較製造例1〜
2の(共)重合体を使用し、ポリカルボン酸系高性能A
E減水剤をセメント重量に対して1.6%、リグニンスル
ホン酸系AE減水剤をセメント重量に対して0.25%添加
し調製した各セメント組成物における調製直後と60分
後コンクリート硬化前性状(フレッシュ性状)を求めた
ものである。コンクリート試験の結果を表3に示す。
【0064】
【0065】製造例2は、目標性状が十分に満足され
た。製造例3はやや粘度が小さいため、コンクリートの
練上がり直後のスランプフロー値は大きいが、60分後
の低下がやや大きく、Vロート流下時間にみられる如く
骨材分離抵抗性の低下もやや大きかった。製造例11は
60分後のスランプフロー値の低下が大きかった。製造
例6はスランプフロー値が小さめとなった。製造例12
及び13は骨材分離抵抗性の低下が若干大きかった。製
造例14はスランプフロー値及び骨材分離抵抗性が全般
にやや低かった。比較製造例1では、浮水が中央部に観
察された。また、Vロート試験で閉塞を生じた。比較製
造例2では、コンクリートのスランプフロー(15)中
央部に粗骨材(20)が残存し、顕著な分離の発生が示
された。その様子を模式的に図3に示す。また、Vロー
ト試験でも閉塞を生じた。
【0066】実施例2:本実施例は、製造例2の分離低
減剤を添加率を種々変えて用い、コンクリート硬化前の
性状を求めたものである。減水剤は実施例1と同じくポ
リカルボン酸系高性能AE減水剤とリグニンスルホン酸
系AE減水剤を実施例1と同量添加した。コンクリート
試験の結果を表4に示す。
【0067】
【0068】比較例として示した分離低減剤無添加の場
合は、実施例1の比較製造例2と同様、スランプフロー
の形態が不適正となった。分離低減剤の添加率増大とと
もに性状全般の改善が認められ、30g/m3以上とす
れば粗骨材とモルタル部分が一体となってフロー端部に
達しており、十分な性状となる。160g/m3以上で
は、コンクリートの粘性が大きくなり、240g/m3
以上では粘性過大のためVロート試験で閉塞を生じた。
【0069】実施例3:実施例1と同様にして、製造例
2の組成の分離低減剤を使用し(添加率:40g/
2)、分離低減剤製造時の重合開始剤の量を変えて製
造し、粘度を変化させて実施した場合のコンクリート性
状を表5に示す。
【0070】
【0071】
【0072】分離低減剤の粘度増大に伴い、60分後の
スランプフロー値は小さく、Vロート流下時間は長くな
る傾向が認められた。好ましい性状が得られるのは、1.
2重量%水溶液粘度が20〜200cpsの範囲であっ
た。
【0073】実施例4:実施例1の製造例2の分離低減
剤を使用し(添加率:40g/m2)、減水剤としてポ
リカルボン酸系高性能AE減水剤をセメント重量に対し
て1.35%、リグニンスルホン酸系AE減水剤をセメント
重量に対して0.25%添加し、セメント重量の20%を比
表面積が2,570〜11,800cm2の間で種々異なる石灰石微
粉末に置換して実施例1と同様にして行なった。石灰石
微粉末を使用しない比較例と共にコンクリート性状の結
果を表6に示す。
【0074】
【0075】実施例5:実施例4において、石灰石微粉
末として比表面積が6,130cm2のものを使用し、そのセ
メントに対する置換率を5〜50重量%の間で種々変え
て実施した。石灰石微粉末を使用しない比較例と共にコ
ンクリート性状の結果を表7に示す。
【0076】
【0077】表6及び表7から、本発明の分離低減剤を
使用し、同時に微粉末を併用することで、スランプフロ
ー値は大きくなり、Vロート流下時間は短縮され、性状
が一層向上することが分かる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるN−
ビニルカルボン酸アミド系樹脂からなるコンクリート組
成物用分離低減剤を添加することにより、コンクリート
組成物に高い流動性及び優れた材料分離抵抗性を付与で
きる。本発明によれば、通常の生コンクリート製造工場
において、混和剤タンク増設等を行なうことなく自己充
填性、流動性及び材料分離抵抗性に優れたコンクリート
組成物を比較的容易に得ることが可能となる。また、非
常に少量の分離低減剤(水溶性高分子)と高性能AE減
水剤の使用により、通常の普通コンクリートとほぼ同等
の単位セメント量において、流動性に優れ、かつ骨材の
分離またはブリーディングを起こし難いコンクリート組
成物が提供され、例えば複雑な形状の断面や鉄筋が密に
配置されている断面のようにコンクリートを充填し難い
ような場所でも、振動締め固めをせずにコンクリートを
密実に充填でき、均質で耐久性の高いコンクリート構造
体が構築され、施工の省力化及び騒音の低下を図ること
ができる。その結果として、作業者の技術や施工方法に
左右されず、高品質のコンクリート構造体を構築でき、
コンクリートの品質の安定化及び耐久性の向上を図るこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 製造例1で得た共重合体の赤外吸収スペクト
ル図である。
【図2】 骨材分離の程度の一評価方法であるVロート
試験の装置を示す図である。
【図3】 スランプフロー試験において、粗骨材の分離
が生じた状況を示す図である。
【符号の説明】
10 開口上端 11 ロート部下端 12 下部開口端 15 スランプフロー 20 粗骨材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 24/26 C04B 24/26 E C08F 216/12 C08F 216/12 216/36 216/36 218/04 218/04 220/02 220/02 220/10 220/10 220/38 220/38 220/42 220/42 220/54 220/54 // C04B 103:32 (72)発明者 大澤 勉 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 坂部 大 千葉県佐倉市大作二丁目4番2号 秩父小 野田株式会社中央研究所内 (72)発明者 山口 哲彦 神奈川県川崎市川崎区扇町5−1 昭和電 工株式会社化学品研究所内 (72)発明者 二見 孝則 神奈川県川崎市川崎区大川町5−1 昭和 電工株式会社化学品研究所内 (72)発明者 田越 宏孝 東京都港区芝大門一丁目13番9号 昭和電 工株式会社内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) CΗ2=CHNR1COR2 (1) (式中、R1及びR2は、同一でも異なってもよく、各々
    水素原子またはメチル基を表わす。)で示される化合物
    に由来する単位40〜89重量%、 一般式(2) CH2=CR314SO32 (2) (式中、R3は水素原子またはメチル基を表わし、 R4は炭素数1〜4の直鎖状アルキレン基または分岐状
    アルキレン基を表わし、 X1は−CONΗ−または−COO−を表わし、 X2は水素原子、アルカリ金属、アンモニウム塩または
    有機アンモニウム塩を表わす。)で示される化合物に由
    来する単位10〜50重量%、及び一般式(3) CΗ2=CR53 (3) (式中、R5は水素原子またはメチル基を表わし、 X3は−CN、−COOR6、−CONΗ2、−CONH
    7、−COR8、−OCOR9または−OR10を表わ
    す。ただし、R6は水素原子、アルカリ金属、アンモニ
    ウム塩、有機アンモニウム塩または炭素数1〜4のアル
    キル基を表わし、そのアルキル基の1個の水素原子は−
    OΗまたは−NR1112で置き換えることができる。ま
    た、R7は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、そのア
    ルキル基の1個の水素原子は−OHまたは−NR1112
    で置き換えることができ、R8、R9、R10、R11及びR
    12は炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)で示される
    化合物に由来する単位1〜30重量%(一般式(1)〜
    (3)で示される化合物に由来する単位の総和は100
    重量%とする。)からなる共重合体。
  2. 【請求項2】 一般式(1) CΗ2=CHNR1COR2 (1) (式中、R1及びR2は、同一でも異なってもよく、各々
    水素原子またはメチル基を表わす。)で示される化合物
    に由来する単位10〜100重量%、 一般式(2) CH2=CR314SO32 (2) (式中、R3は水素原子またはメチル基を表わし、 R4は炭素数1〜4の直鎖状アルキレン基または分岐状
    アルキレン基を表わし、 X1は−CONΗ−または−COO−を表わし、 X2は水素、アルカリ金属、アンモニウム塩または有機
    アンモニウム塩を表わす。)で示される化合物に由来す
    る単位0〜60重量%、及び一般式(3) CΗ2=CR53 (3) (式中、R5は水素原子またはメチル基を表わし、 X3は−CN、−COOR6、−CONΗ2、−CONH
    7、−COR8、−OCOR9、−OR10を表わす。た
    だし、R6は水素原子、アルカリ金属、アンモニウム
    塩、有機アンモニウム塩または炭素数1〜4のアルキル
    基を表わし、そのアルキル基の1個の水素原子は−OΗ
    または−NR1112で置き換えることができる。また、
    7は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、そのアルキ
    ル基の1個の水素原子は−OHまたは−NR1112で置
    き換えることができ、R8、R9、R10、R11及びR12
    炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)で示される化合
    物に由来する単位0〜40重量%(一般式(1)〜
    (3)で示される化合物に由来する単位の総和は100
    重量%とする。)の(共)重合体からなることを特徴と
    する高流動性コンクリート組成物用の分離低減剤。
  3. 【請求項3】 一般式(1)で示される化合物に由来す
    る単位の重合体からなる請求項2に記載の高流動性コン
    クリート組成物用の分離低減剤。
  4. 【請求項4】 一般式(1)で示される化合物に由来す
    る単位40〜89重量%、一般式(2)で示される化合
    物に由来する単位10〜50重量%、及び一般式(3)
    で示される化合物に由来する単位1〜30重量%(ただ
    し、一般式(1)〜(3)で示される化合物に由来する
    単位の総和は100重量%とする。)からなる請求項2
    に記載の高流動性コンクリート組成物用の分離低減剤。
  5. 【請求項5】 請求項3または4に記載の(共)重合体
    のセメント上澄み液の1.2重量%水溶液粘度が、B型回
    転粘度計において、20cps以上で200cps未満
    である請求項3または4に記載の高流動性コンクリート
    組成物用の分離低減剤。
  6. 【請求項6】 セメント、粗骨材、細骨材、セメント分
    散剤、分離低減剤及び水からなり、分離低減剤が少なく
    とも一般式(1) CΗ2=CHNR1COR2 (1) (式中、R1及びR2は、同一でも異なってもよく、各々
    水素原子またはメチル基を表わす。)で示される単量体
    に由来する単位を含む(共)重合体であることを特徴と
    する高流動性コンクリート組成物。
  7. 【請求項7】 セメント、粗骨材、細骨材、セメント分
    散剤、分離低減剤及び水からなり、分離低減剤が一般式
    (1) CΗ2=CHNR1COR2 (1) (式中、R1及びR2は、同一でも異なってもよく、各々
    水素原子またはメチル基を表わす。)で示される単量体
    に由来する単位40〜89重量%、 一般式(2) CH2=CR314SO32 (2) (式中、R3は水素原子またはメチル基を表わし、 R4は炭素数1〜4の直鎖状アルキレン基または分岐状
    アルキレン基を表わし、 X1は−CONΗ−または−COO−を表わし、 X2は水素原子、アルカリ金属、アンモニウム塩または
    有機アンモニウム塩を表わす。)で示される化合物に由
    来する単位10〜50重量%、及び一般式(3) CΗ2=CR53 (3) (式中、R5は水素原子またはメチル基を表わし、 X3は−CN、−COOR6、−CONΗ2、−CONH
    7、−COR8、−OCOR9またはOR10を表わす。
    ただし、R6は水素原子、アルカリ金属、アンモニウム
    塩、有機アンモニウム塩または炭素数1〜4のアルキル
    基を表わし、そのアルキル基の1個の水素原子は−OΗ
    または−NR1112で置き換えることができる。また、
    7は炭素数1〜4のアルキル基を表わし、そのアルキ
    ル基の1個の水素原子は−OHまたは−NR1112で置
    き換えることができ、R8、R9、R10、R11及びR12
    炭素数1〜4のアルキル基を表わす。)で示される化合
    物に由来する単位1〜30重量%(一般式(1)〜
    (3)で示される化合物に由来する単位の総和は100
    重量%とする。)を含む(共)重合体である請求項6に
    記載の高流動性コンクリート組成物。
  8. 【請求項8】 セメント上澄み液を使用した1.2重量%
    水溶液粘度が20〜200cpsである請求項6または
    7に記載の高流動性コンクリート組成物。
  9. 【請求項9】 分離低減剤の含有量が、高流動性コンク
    リート組成物の総量に対して、10〜200g/m3
    ある請求項6乃至8のいずれかの項に記載の高流動性コ
    ンクリート組成物。
  10. 【請求項10】 コンクリー卜の単位セメント量が20
    0〜450kg/m3、細骨材の単位量が700〜1,100
    kg/m3、粗骨材の単位量が700〜1,200kg/
    3、単位水量が155〜220kg/m3、及び水溶性
    高分子である分離低減剤の添加量が10〜200kg/
    3である請求項6乃至9のいずれかの項に記載の高流
    動性コンクリート組成物。
  11. 【請求項11】 JIS A 1101によるスランプフロー値
    が、混練後少なくとも60分間にわたって45cm以上
    を保つ請求項6乃至10のいずれかの項に記載の高流動
    性コンクリート組成物。
  12. 【請求項12】 セメントの一部をブレーン比表面積2,
    500〜200,000cm2/gの初期水和不活性な微粉末で5
    0重量%まで置換した請求項6乃至11のいずれかの項
    に記載の高流動性コンクリート組成物。
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Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000059964A1 (fr) * 1999-04-01 2000-10-12 Showa Denko K.K. Regulateur pour forage de boues
US6296698B1 (en) 1999-05-25 2001-10-02 Showa Denko K.K. Cement admixture and cement composition
WO2006002936A1 (de) 2004-07-03 2006-01-12 Construction Research & Technology Gmbh Wasserlösliche sulfogruppenhaltige copolymere, varfahren zu deren herstellung und ihre verwendung
US7044170B2 (en) 2002-08-14 2006-05-16 Construction Research & Technology Gmbh Hydraulic cementitious composition with improved bleeding resistance
WO2012074027A1 (ja) * 2010-11-30 2012-06-07 株式会社日本触媒 リン原子含有(ポリ)アルキレングリコール系化合物及び重合体
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JP2012131996A (ja) * 2010-11-30 2012-07-12 Nippon Shokubai Co Ltd リン原子含有(ポリ)アルキレングリコール系化合物

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