JPH1053547A - 水酸基含有ビニル化合物の精製方法 - Google Patents

水酸基含有ビニル化合物の精製方法

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JPH1053547A
JPH1053547A JP21065796A JP21065796A JPH1053547A JP H1053547 A JPH1053547 A JP H1053547A JP 21065796 A JP21065796 A JP 21065796A JP 21065796 A JP21065796 A JP 21065796A JP H1053547 A JPH1053547 A JP H1053547A
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JP
Japan
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acrylate
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containing vinyl
vinyl compound
hydroxyl group
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Application number
JP21065796A
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English (en)
Inventor
Koichi Nakagawa
浩一 中川
Tsuguaki Makino
貢明 牧野
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルキル α−(ヒドロキシアルキル)アク
リレート(RHMA)などの水酸基含有ビニル化合物中
のアルデヒド類を効率よく分離、除去して高純度の水酸
基含有ビニル化合物を得る方法を提供する。 【解決手段】 水酸基含有ビニル化合物を亜硫酸塩、ア
ミン類およびその塩から選ばれる少なくとも1種の化合
物の水溶液で洗浄し、次いで得られる混合物を油層/水
層に分液するか、あるいはこの油層分を更に蒸留する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水酸基含有ビニル化
合物の精製方法、詳しくはアルキル α−(ヒドロキシ
アルキル)アクリレート類(以下、「RHMA」という
場合もある)に代表される水酸基含有ビニル化合物中の
不純物であるアルデヒド類を効率よく除去して高純度の
水酸基含有ビニル化合物を得る方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般式(1)
【0003】
【化3】
【0004】(式中の記号は後記のとおりである)で表
される水酸基含有ビニル化合物は公知であり、例えば一
般式(2)
【0005】
【化4】
【0006】(式中、Xは−CN基、−COR1基また
は−COOR1基(ここで、R1は水素原子または有機残
基である))で表されるビニル系化合物とアルデヒド類
とを三級アミン化合物触媒の存在下に反応させて得られ
る(特開平7−285906号公報参照)。
【0007】上記水酸基含有ビニル化合物の一つである
RHMAは、ビニル系化合物としてのアクリル酸エステ
ル類とアルデヒド類とを反応させることにより得られる
が、この反応の際には、2−メトキシメトキシメチレン
アクリル酸アルキルエステル、2−エトキシメトキシメ
チレンアクリル酸アルキルエステルなどの目的とするR
HMAと沸点の近い特異な不純物が副生するとして、特
開平5−70408号公報には、このような特異な不純
物を除去する方法が提案されている。この方法は、上記
反応によって得られる粗RHMAを水に溶解し、次いで
これら望ましくない不純物を特定の溶剤を用いて抽出除
去するというものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ビニル系化合物とアル
デヒド類との反応によって得られる水酸基含有ビニル化
合物中には、未反応のアルデヒド類が混入するのを避け
ることはできない。しかし、このアルデヒド類が混入し
た水酸基含有ビニル化合物を、例えば重合体の製造に使
用した場合、重合性の低下、製品重合体の経時的着色な
どという問題が生じる。
【0009】アルデヒド類の除去方法として、水酸基含
有ビニル化合物を水洗することが考えられるが、本発明
者らの研究によれば、この水洗処理によってもアルデヒ
ド類を充分除去することができず、通常、0.05〜
0.1重量%程度の割合で残留することが分かった。ま
た、この水洗処理した水酸基含有ビニル化合物を更に蒸
留精製しても0.02〜0.1重量%程度まで精製でき
るにすぎない。
【0010】また、前記特開昭5−70408号公報の
方法によっても、アルデヒド類が水酸基含有ビニル化合
物と同様に水溶性であるため、溶剤抽出によってアルデ
ヒド類を分離、除去するのは困難である。
【0011】かくして、本発明の目的は、水酸基含有ビ
ニル化合物中のアルデヒド類を効率よく除去して高純度
の水酸基含有ビニル化合物を得る、新規な水酸基含有ビ
ニル化合物の精製方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らの研究によれ
ば、水酸基含有ビニル化合物を亜硫酸塩の水溶液、ある
いはアミン類またはその塩の水溶液で洗浄することによ
り水酸基含有ビニル化合物中のアルデヒド類を効率よく
除去できることが分かった。本発明は、このような知見
に基づいて完成されたものである。
【0013】すなわち、本発明は、一般式(1)
【0014】
【化5】
【0015】(式中、Xは−CN基、−COR1基また
は−COR1基(ここで、R1は水素原子または有機残基
である)を表し、R2は水素原子または有機残基を表
す)で表される水酸基含有ビニル化合物を亜硫酸塩、ア
ミン類およびその塩から選ばれる少なくとも1種の化合
物の水溶液で洗浄し、次いで油層/水層に分液すること
からなる水酸基含有ビニル化合物の精製方法である。
【0016】また、本発明は、上記一般式(1)で表さ
れる水酸基含有ビニル化合物を亜硫酸塩、アミン類およ
びその塩から選ばれる少なくとも1種の化合物の水溶液
で洗浄した後、油層/水層に分液し、次いで該油層分を
蒸留することからなる水酸基含有ビニル化合物の精製方
法である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の水酸基含有ビニル化合物
は、上記一般式(1)で表される化合物であり、例えば
前記の一般式(2)で表されるビニル系化合物とアルデ
ヒド類とを反応させることにより得られる。この水酸基
含有ビニル化合物には、Xが−CN基であるアクリロニ
トリル系化合物、Xが−COR1基であるケトン系化合
物、およびXが−COOR1基であるアクリレート系化
合物がある。本発明においては、これらのうちアクリレ
ート系化合物が好適である。
【0018】一般式(1)のR2は、上記アルデヒド類
に由来する基であって、水素原子または有機残基であ
る。
【0019】上記アルデヒド類としては、アルデヒド含
有化合物、例えばホルムアルデヒド、アセトアルデヒ
ド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、バレル
アルデヒド、イソブチルアルデヒド、ビバリンアルデヒ
ド、シクロヘキシルアルデヒド、シクロヘキセンアルデ
ヒド、ベンズアルデヒド、トルアルデヒド、アニスアル
デヒド、フルラールなど;オキシメチレン化合物、例え
ばホルムアルデヒドの重合体(8〜100量体)である
パラホルムアルデヒド、ホルムアルデヒドの20〜50
重量%水溶液(水和ホルムアルデヒド)、ホルムアルデ
ヒドの濃度が20〜50重量%であるメタノール水溶液
などを挙げることができる。これらのうち、アセトアル
デヒド、パラホルムアルデヒド、ホルムアルデヒドの2
0〜50重量%水溶液およびホルムアルデヒドの濃度が
20〜50重量%であるメタノール水溶液が好適であ
る。
【0020】かくして、一般式(1)のR2で表される
置換基の代表例としては、水素原子、炭素数1〜18の
鎖状または分岐状のアルキル基、炭素数4〜6のシクロ
アルキル基および炭素数6〜8のアリール基を挙げるこ
とができる。これらのうち、特に水素原子、炭素数1〜
8のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロ
ピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル
基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、およびア
リール基、例えばフェニル基などが好適である。
【0021】一般式(1)および(2)のR1で表され
る有機残基は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数3
〜10のシクロアルキル基、アリール基、炭素数1〜8
のヒドロキシアルキル基、−(CH2mNR1020基、
−(CH2m+102030・M-基、または−(C2
4O)n40基である。ここで、R10、R20およびR30
は、それぞれ独立して、炭素数1〜8の直鎖状または分
岐状のアルキル基であり、mは2〜5の整数であり、M
-はCl-、Br-、CH3COO-、HCOO-、S
4 2 -、またはPO4 3-であり、R40は炭素数1〜18の
直鎖状または分岐状のアルキル基であり、nは1〜80
の整数である。
【0022】一般式(1)および(2)のR1で表され
る置換基として好適なものとしては、水素原子、炭素数
1〜18の鎖状または分岐状のアルキル基、炭素数4〜
6のシクロアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、お
よび炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基を挙げること
ができる。
【0023】一般式(1)で表される水酸基含有ビニル
化合物のうち、好適なものとしてのアクリレート系化合
物の代表例を挙げると次のとおりである。
【0024】メチル α−(ヒドロキシメチル)アクリ
レート エチル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート n−プロピル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート イソプロピル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート n−ブチル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート イソブチル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート tert−ブチル α−(ヒドロキシメチル)アクリレ
ート n−オクチル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート イソオクチル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート 2−エチルヘキシル α−(ヒドロキシメチル)アクリ
レート ラウリル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート ステアリル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート メチル α−(1−ヒドロキシエチル)アクリレート エチル α−(1−ヒドロキシエチル)アクリレート n−プロピル α−(1−ヒドロキシエチル)アクリレ
ート イソプロピル α−(1−ヒドロキシエチル)アクリレ
ート n−ブチル α−(1−ヒドロキシエチル)アクリレー
ト イソブチル α−(1−ヒドロキシエチル)アクリレー
ト tert−ブチル α−(1−ヒドロキシエチル)アク
リレート n−オクチル α−(1−ヒドロキシエチル)アクリレ
ート イソオクチル α−(1−ヒドロキシエチル)アクリレ
ート 2−エチルヘキシル α−(1−ヒドロキシエチル)ア
クリレート ラウリル α−(1−ヒドロキシエチル)アクリレート ステアリル α−(1−ヒドロキシエチル)アクリレー
ト メチル α−(1−ヒドロキシフェニル)アクリレート エチル α−(1−ヒドロキシフェニル)アクリレート n−プロピル α−(1−ヒドロキシフェニル)アクリ
レート イソプロピル α−(1−ヒドロキシフェニル)アクリ
レート n−ブチル α−(1−ヒドロキシフェニル)アクリレ
ート イソブチル α−(1−ヒドロキシフェニル)アクリレ
ート tert−ブチル α−(1−ヒドロキシフェニル)ア
クリレート n−オクチル α−(1−ヒドロキシフェニル)アクリ
レート イソオクチル α−(1−ヒドロキシフェニル)アクリ
レート 2−エチルヘキシル α−(1−ヒドロキシフェニル)
アクリレート ラウリル α−(1−ヒドロキシフェニル)アクリレー
ト ステアリル α−(1−ヒドロキシフェニル)アクリレ
ート シクロペンチル α−(ヒドロキシメチル)アクリレー
ト シクロヘキシル α−(ヒドロキシメチル)アクリレー
ト シクロペンチル α−(1−ヒドロキシエチル)アクリ
レート シクロヘキシル α−(1−ヒドロキシエチル)アクリ
レート シクロペンチル α−(1−ヒドロキシフェニル)アク
リレート シクロヘキシル α−(1−ヒドロキシフェニル)アク
リレート フェニル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート o−メトキシフェニル α−(ヒドロキシメチル)アク
リレート p−メトキシフェニル α−(ヒドロキシメチル)アク
リレート o−メチルフェニル α−(ヒドロキシメチル)アクリ
レート p−メチルフェニル α−(ヒドロキシメチル)アクリ
レート p−tert−ブチルフェニル α−(ヒドロキシメチ
ル)アクリレート フェニル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート o−メトキシフェニル α−(ヒドロキシメチル)アク
リレート p−メトキシフェニル α−(ヒドロキシメチル)アク
リレート p−メチルフェニル α−(ヒドロキシメチル)アクリ
レート p−tert−ブチルフェニル α−(ヒドロキシメチ
ル)アクリレート フェニル α−(1−ヒドロキシエチル)アクリレート o−メトキシフェニル α−(1−ヒドロキシエチル)
アクリレート p−メトキシフェニル α−(1−ヒドロキシエチル)
アクリレート p−ニトロフェニル α−(1−ヒドロキシエチル)ア
クリレート p−メチルフェニル α−(1−ヒドロキシエチル)ア
クリレート p−tert−ブチルフェニル α−(1−ヒドロキシ
エチル)アクリレート フェニル α−(1−ヒドロキシフェニル)アクリレー
ト o−メトキシフェニル α−(1−ヒドロキシフェニ
ル)アクリレート p−メトキシフェニル α−(1−ヒドロキシフェニ
ル)アクリレート p−ニトロフェニル α−(1−ヒドロキシフェニル)
アクリレート p−メチルフェニル α−(1−ヒドロキシフェニル)
アクリレート p−tert−ブチルフェニル α−(1−ヒドロキシ
フェニル)アクリレート 2−ヒドロキシエチル α−(ヒドロキシメチル)アク
リレート 2−ヒドロキシプロピル α−(ヒドロキシメチル)ア
クリレート 3−ヒドロキシプロピル α−(ヒドロキシメチル)ア
クリレート 4−ヒドロキシブチル α−(ヒドロキシメチル)アク
リレート 2−ヒドロキシエチル α−(1−ヒドロキシエチル)
アクリレート 2−ヒドロキシプロピル α−(1−ヒドロキシエチ
ル)アクリレート 3−ヒドロキシプロピル α−(1−ヒドロキシエチ
ル)アクリレート 4−ヒドロキシプロピル α−(1−ヒドロキシエチ
ル)アクリレート 2−ヒドロキシエチル α−(1−ヒドロキシフェニ
ル)アクリレート 2−ヒドロキシプロピル α−(1−ヒドロキシフェニ
ル)アクリレート 3−ヒドロキシプロピル α−(1−ヒドロキシフェニ
ル)アクリレート 4−ヒドロキシブチル α−(1−ヒドロキシフェニ
ル)アクリレート 上記化合物のうちでも、 メチル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート エチル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート n−プロピル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート イソプロピル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート n−ブチル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート イソブチル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート tert−ブチル α−(ヒドロキシメチル)アクリレ
ート n−オクチル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート イソオクチル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート 2−エチルヘキシル α−(ヒドロキシメチル)アクリ
レート ラウリル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート ステアリル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート シクロヘキシル α−(ヒドロキシメチル)アクリレー
ト フェニル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート 2−ヒドロキシエチル α−(ヒドロキシメチル)アク
リレート 2−ヒドロキシプロピル α−(ヒドロキシメチル)ア
クリレート 3−ヒドロキシプロピル α−(ヒドロキシメチル)ア
クリレート が特に好適である。
【0025】本発明の方法により精製する水酸基含有ビ
ニル化合物としては、例えば前記特開昭7−28590
6号公報記載の方法にしたがって、前記の一般式(2)
で表されるビニル系化合物とアルデヒド類とを三級アミ
ン化合物触媒の存在下、かつ反応終了時において水相を
形成するに足る水の存在下に反応させ、得られる反応混
合物を油層/水層に分液して、油層分として回収される
粗水酸基含有ビニル化合物が用いられる。勿論、水層中
に残留する水酸基含有ビニル化合物を適当な抽出剤、例
えば一般式(2)のビニル系化合物で抽出し、これを上
記油層分に加えたものも使用することができる。また、
この粗水酸基含有ビニル化合物は次の洗浄処理に先だっ
て水洗してもよい。このようにして得られる粗水酸基含
有ビニル化合物中には、目的物である水酸基含有ビニル
化合物のほかに、未反応の一般式(2)で表されるビニ
ル系化合物およびアルデヒド類、ならびに副生物などが
含まれている。上記反応を有機溶媒中で行う場合には、
この有機溶媒が粗水酸基含有ビニル化合物中に含まれる
こともある。
【0026】なお、本発明の方法により精製する水酸基
含有ビニル化合物は、その製造法によって限定されるも
のではなく、不純物としてアルデヒド類を含む粗水酸基
含有ビニル化合物であればいずれでもよい。
【0027】本発明の精製方法によれば、先ず、上記の
粗水酸基含有ビニル化合物を亜硫酸塩、アミン類および
その塩から選ばれる少なくとも1種の化合物の水溶液で
洗浄する。
【0028】上記亜硫酸塩とは、亜硫酸塩および亜硫酸
水素塩を意味し、その代表例としては、亜硫酸水素のア
ルカリ金属塩および亜硫酸のアルカリ金属塩、例えば亜
硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウム、亜硫酸水素
セシウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸
セシウムなどを挙げることができる。
【0029】上記アミン類の代表例としては、アニリ
ン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニ
リン、ジフェニルアミン、o−フェニルレンジアミン、
p−フェニレンジアミンなどの芳香族アミン類;リシ
ン、メチオニンなどのアミノ酸類;ヒドラジン、ヒドラ
ジンヒドラート、フェニルヒドラジン、p−ニトロフェ
ニルヒドラジン、2,4−ジニトロフェニルヒドラジ
ン、アミノグアニジンなどのヒドラジン類;ヒドロキシ
ルアミン;ジエチレントリアミンなどを挙げることがで
きる。
【0030】また、上記アミン類の塩の代表例として
は、上記アミン類と塩酸、リン酸、硫酸などの無機酸、
およびマレイン酸、(メタ)アクリル酸、コハク酸、シ
ュウ酸などの有機酸との塩を挙げることができる。
【0031】これら亜硫酸塩、アミン類およびその塩の
なかでも、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸水素カリウ
ム、ヒドロキシルアミン、塩酸ヒドロキシルアミン、硫
酸ヒドロキシルアミン、ヒドラジン、フェニルヒドラジ
ンなどが好適に用いられる。
【0032】上記洗浄処理は、粗水酸基含有ビニル化合
物と上記化合物の水溶液とを緊密に接触させればよく、
通常、高撹拌下に両者を混合すればよい。この洗浄処理
により、粗水酸基含有ビニル化合物中のアルデヒド類は
上記化合物と塩を形成することから、粗水酸基含有ビニ
ル化合物からアルデヒド類を水層中に効果的に移行させ
ることができる。上記洗浄処理は2回以上繰り返して行
ってもよい。
【0033】上記化合物の水溶液中の濃度には特に制限
はないが、通常、1〜50重量%の濃度で使用される。
また、この水溶液の使用量については、上記化合物がア
ルデヒド類の0.5〜5モル倍量、好ましくは1〜2モ
ル倍量となるように適宜決定すればよい。
【0034】上記洗浄処理を行った後の粗水酸基含有ビ
ニル化合物と上記化合物の水溶液との混合物は油層/水
層に分液する。かくして、アルデヒド類の含有量が著し
く低減された水酸基含有ビニル化合物が油層分として得
られる。この分液は、通常、上記混合物を靜置して行え
ばよく、分離した油層分は常法によって回収すればよ
い。
【0035】上記油層分としてのアルデヒド類を分離、
除去した水酸基含有ビニル化合物を更に蒸留することに
より、残留する未反応のビニル系化合物やその他の不純
物を除去して高純度の製品水酸基含有ビニル化合物とす
ることができる。なお、この蒸留の前に、上記油層分を
水洗してもよい。すなわち、上記油層分に、その0.1
〜2重量倍程度の水を添加し、高撹拌下に混合して、両
者を緊密に接触させた後、混合物を靜置して油層/水層
に分液し、この油層分を蒸留してもよい。
【0036】上記蒸留精製によって得られる製品水酸基
含有ビニル化合物は、そのアルデヒド類、副生物などの
不純物の含有量が著しく低減された、きわめて高純度な
ものである。
【0037】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。
【0038】なお、実施例で用いたRHMAとしてのメ
チル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート(MHM
A)、エチル α−(ヒドロキシメチル)アクリレート
(EHMA)およびn−ブチル α−(ヒドロキシメチ
ル)アクリレート(BHMA)の合成、およびアルデヒ
ド類の定量は次の方法にしたがって行った。
【0039】MHMAの合成 撹拌機、温度計、冷却間およびバブリング管を備えた1
000ml四つ口フラスコにメチルアクリレート430
g(5モル)、35%ホルマリン水溶液51g(0.6
モル)、重合禁止剤としてp−メトキシハイドロキノン
0.4g(1000ppm対メチルアクリレート)、お
よび触媒として30%トリメチルアミン59g(0.3
モル)を仕込み、空気をバブリングしながら浴温40℃
にて6時間撹拌して反応を行った。反応終了後、反応混
合物を油層/水層に分液し、油層分として粗MHMA4
30gを得た。この粗MHMA中にはMHMAが11重
量%、アルデヒド類が1000ppm(ホルムアルデヒ
ド換算)が含まれていた。 EHMAの合成 上記と同じ四つ口フラスコにエチルアクリレート400
g(4モル)、37%ホルマリン水溶液81g(1モ
ル)、重合禁止剤としてp−メトキシハイドロキノン
0.4g(1000ppm対エチルアクリレート)、お
よび触媒として30%トリメチルアミン98g(0.5
モル)を仕込み、空気をバブリングしながら浴温60℃
にて3時間撹拌して反応を行った。反応終了後、反応混
合物を油層/水層に分液し、油層分として粗EHMA4
00gを得た。この粗EHMA中にはEHMAが25重
量%、アルデヒド類が1300ppm(ホルムアルデヒ
ド換算)が含まれていた。
【0040】BHMAの合成 上記と同じ四つ口フラスコにn−ブチルアクリレート2
56g(2モル)、35%ホルマリン水溶液86g(1
モル)、重合禁止剤としてp−メトキシハイドロキノン
0.3g(1000ppm対ブチルアクリレート)、お
よび触媒として30%トリメチルアミン98g(0.5
モル)を仕込み、空気をバブリングしながら浴温60℃
にて4時間撹拌して反応を行った。反応終了後、反応混
合物を油層/水層に分液し、油層分を分離した。この油
層分に30mlの純水を添加して混合、撹拌した後、混
合物を靜置して油層/水層に分液し、油層分として粗B
HMA220gを得た。この粗BHMA中にはBHMA
が40重量%、アルデヒド類が2800ppm(ホルム
アルデヒド換算)が含まれていた。
【0041】アルデヒド類の定量 アルデヒド類の含有量はすべてホルムアルデヒドに換算
して示した。
【0042】試薬:0.2%MBTH(3−メチル−2
−ベンゾチアゾロンヒドラジン塩酸塩)、0.6%硫酸
第二鉄アンモニウム水溶液、およびホルムアルデヒド標
準液(JIS K1502にて濃度を測定)を用いた。
【0043】方法:ホルムアルデヒド標準液を段階的に
4個以上ピペットでとり、50mlメスフラスコに入れ
る。そこへ、MBTH試薬5mlを加えた後、30分放
置する。次いで、硫酸第二鉄アンモニウム試薬10ml
を加え、10分放置した後、純水にて50mlに希釈し
た後、発色を完全にするため、更に30分放置する。こ
の液を620nmの波長で、各々吸光度を測定し、検量
線を作成する。同様の操作にて未知試料のアルデヒド類
濃度をホルムアルデヒド換算にて測定する。 実施例1 粗EHMA100gに5重量%ヒドラジン水溶液3gを
添加し、強い撹拌下に30分間接触させて洗浄処理を行
った。その後、混合物を靜置して、油層/水層に分液し
た。この油層分を更に分別蒸留して精製EHMAを得
た。そして、この精製EHMA中のアルデヒド類の含有
量を測定した。結果を洗浄処理前後のアルデヒド類の含
有量とともに表1に示した。
【0044】なお、表1の「処理前」とは、洗浄処理前
の粗EHMA中のアルデヒド類の含有量、「処理後」と
は、洗浄処理後の油層分中のアルデヒド類の含有量、ま
た「蒸留後」とは、蒸留後の精製EHMA中のアルデヒ
ド類の含有量を示す。
【0045】実施例2〜3 実施例1において、5重量%ヒドラジン水溶液の添加量
を1.5g(実施例2)または6g(実施例3)に変更
した以外は実施例1と同様にして精製EHMAを得た。
そして、この精製EHMA中のアルデヒド類の含有量を
測定した。結果を洗浄処理前後のアルデヒド類の含有量
とともに表1に示した。
【0046】実施例4 実施例1において、5重量%ヒドラジン水溶液を用いた
洗浄処理を2回繰り返した以外は実施例1と同様にして
精製EHMAを得た。そして、この精製EHMAのアル
デヒド類の含有量を測定した。結果を洗浄処理前後のア
ルデヒド類の含有量とともに表1に示した。
【0047】実施例5 粗MHMA100gに5重量%ヒドラジン水溶液2gを
添加し、強い撹拌下に30分間接触させて洗浄処理を行
った。その後、混合物を靜置し、油層/水層に分液し
た。この油層分を更に分別蒸留して精製MHMAを得
た。そして、この精製MHMAのアルデヒド類の含有量
を測定した。結果を洗浄処理前後のアルデヒド類の含有
量とともに表1に示した。
【0048】実施例6 粗BHMA100gに10%ヒドラジン水溶液3gを添
加し、強い撹拌下に30分間接触させて洗浄処理を行っ
た。その後、混合物を靜置し、油層/水層に分液した。
この油層分を更に分別蒸留して精製BHMAを得た。そ
して、この精製MHMAのアルデヒド類の含有量を測定
した。結果を洗浄処理前後のアルデヒド類の含有量とと
もに表1に示した。
【0049】実施例7 粗EHMA100gに10重量%塩酸ヒドロキシルアミ
ン水溶液3gを添加し、強い撹拌下に30分間接触させ
て洗浄処理を行った。その後、混合物を靜置し、油層/
水層に分液した。この油層分を更に分別蒸留して精製E
HMAを得た。そして、この精製EHMAのアルデヒド
類の含有量を測定した。結果を洗浄処理前後のアルデヒ
ド類の含有量とともに表1に示した。
【0050】実施例8 粗EHMA100gに10重量%亜硫酸水素ナトリウム
水溶液4.5gを添加し、強い撹拌下に30分間接触さ
せて洗浄処理を行った。その後、混合物を靜置し、油層
/水層に分液した。この油層分を更に分別蒸留して精製
EHMAを得た。そして、この精製EHMAのアルデヒ
ド類の含有量を測定した。結果を洗浄処理前後のアルデ
ヒド類の含有量とともに表1に示した。
【0051】実施例9 粗EHMA100gに5重量%ヒドラジン水溶液3gを
添加し、強い撹拌下に30分間接触させて洗浄処理を行
った。その後、混合物を靜置し、油層/水層に分液し
た。さらに、この油層分に純水3gを添加し、強い撹拌
下に30分間接触させた後、靜置して油層/水層に分液
した。引続き、この油層分を分別蒸留して精製EHMA
を得た。そして、この精製EHMAのアルデヒド類の含
有量を測定した。結果を洗浄処理前後のアルデヒド類の
含有量とともに表1に示した。
【0052】比較例1 粗EHMA100gに純水10gを添加し、強い撹拌下
に30分間接触させて洗浄処理を行った。その後、混合
物を靜置して、油層/水層に分液した。この油層分を更
に分別蒸留した。このように処理したEHMA中のアル
デヒド類の含有量を測定した。結果を洗浄処理前後のア
ルデヒド類の含有量とともに表1に示した。
【0053】比較例2 粗BHMA100gに純水10gを添加し、強い撹拌下
に30分間接触させて洗浄処理を行った。その後、混合
物を靜置して、油層/水層に分液した。この油層分を更
に分別蒸留した。このように処理したBHMA中のアル
デヒド類の含有量を測定した。結果を洗浄処理前後のア
ルデヒド類の含有量とともに表1に示した。
【0054】
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明の方法によれば、水酸基含有ビニ
ル化合物中のアルデヒド類を効率よく除去することがで
きる。
【0056】また、本発明の方法によれば、高純度の水
酸基含有ビニル化合物を効率よく製造することができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、Xは−CN基、−COR1基または−COOR1
    基(ここで、R1は水素原子または有機残基である)を
    表し、R2は水素原子または有機残基を表す)で表され
    る水酸基含有ビニル化合物を亜硫酸塩、アミン類および
    その塩から選ばれる少なくとも1種の化合物の水溶液で
    洗浄し、次いで油層/水層に分液することからなる水酸
    基含有ビニル化合物の精製方法。
  2. 【請求項2】 一般式(1) 【化2】 (式中、Xは−CN基、−COR1基または−COOR1
    基(ここで、R1は水素原子または有機残基である)を
    表し、R2は水素原子または有機残基を表す)で表され
    る水酸基含有ビニル化合物を亜硫酸塩、アミン類および
    その塩から選ばれる少なくとも1種の化合物の水溶液で
    洗浄した後、油層/水層に分液し、次いで該油層分を蒸
    留することからなる水酸基含有ビニル化合物の精製方
    法。
  3. 【請求項3】 水酸基含有ビニル化合物が一般式(1)
    においてXが−COOR1基(ここで、R1は水素原子、
    炭素数1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基、炭
    素数4〜6のシクロアルキル基、炭素数6〜8のアリー
    ル基、または炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基であ
    る)であり、R2が水素原子、炭素数1〜18の鎖状ま
    たは分岐状のアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルキ
    ル基または炭素数6〜8のアリール基である化合物であ
    る請求項1または2記載の精製方法。
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