JPH10511776A - レセプター:遊離リガンド(リランド)複合体ならびにそれに基づくアッセイおよびキット - Google Patents

レセプター:遊離リガンド(リランド)複合体ならびにそれに基づくアッセイおよびキット

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Abstract

(57)【要約】 レセプター:遊離リガンド複合体およびそれに基づくキットを、複合体の遊離した成分−−レセプターまたはリガンド−−を検出することにより、サンプル中の分析物の存在をアッセイするための方法において用いる。その複合体は、分析物の非存在下では安定であるが、分析物と接触したときには不安定であり、リガンドの遊離が起こる。用語「遊離リガンド」または「リランド」はそのようなリガンドに対して用いる。遊離したリガンドまたは遊離したレセプターのいずれかは、そのいずれかにより保持される検出システムにより検出される。レセプター:リガンド複合体は、インサイチュに形成し得るかまたは予め形成し得る。

Description

【発明の詳細な説明】 レセプター:遊離リガンド(リランド)複合体ならびに それに基づくアッセイおよびキット 関連出願 本願すなわち1995年6月22日出願の米国特許出願第08/493,420号は、1994年2 月17日出願の米国特許出願第08/196,092号の継続出願である。米国特許出願第08 /196,092号は、1992年7月29日出願の国際特許出願第PCT/US92/06249号の国内段 階出願である。国際特許出願PCT/US92/06249号は、現在は放棄されている1991年 7月29日出願の米国特許出願第07/737,526号に基づき優先権主張する出願であり 、同出願の継続出願である。本願は、米国特許法第120条および第365条に基づき 米国特許出願第08/196,092号の出願日を優先日として主張する。上記出願の各々 の全体を、本願において援用する。 発明の分野 本発明は、新規な安定なレセプター:遊離リガンド(本明細書中では以下に定 義したように「リランド」と呼ぶ)複合体、それらを生産する方法、およびそれ らを使用する方法に関する。さらに本願は、サンプル中の分析物の存在を測定す るための方法に関する。より詳細には、本願は、高い特異性および感度を有する 均一な液相アッセイおよび不均一な液相/固相遊離アッセイに関する。本発明の 方法及びキットは、分析物に対するアッセイの感度、特異性、およびダイナミッ クレンジを大きく増加し、そのようなアッセイの時間および複雑さを減少させる 。 発明の背景 イムノアッセイは、サンプル中の標的分子の存在を検出するために、抗体また は抗原の特異的結合能力を利用する。この一般的原則は幅広い範囲の問題に適用 可能であるが、主な商業的関心は、血液、唾液、および尿などの生物学的液体中 の広範囲の分析物のための、医療診断的適用に集中している。 異なる適用に対して有用ないくつかのタイプのイムノアッセイが、既に存在す る。このような各アッセイタイプは、抗体上の結合部位が専有されているか空い ているかを区別するための方法を必要とする。代表的にはこれは、抗体、または 分析物もしくは分析物のアナログのいずれかに永久的に接合した原子、分子、酵 素、または粒子のような標識の手段により達成される。 感度および特異性は、イムノアッセイの重要なパラメーターである。特異性は 主に、抗体の抗原結合部位に関連し、これは、可変領域遺伝子セグメントの選択 に対して固有のものであり、アッセイ構成には依存しない。感度は主に、抗体の リガンドに対する親和性および、標識固有の検出性に関連する。例えば、ラジオ イムノアッセイに用いられる放射性同位体は、蛍光分子よりもかなり低い濃度で 検出され得る。酵素標識は、蛍光標識と類似の濃度で検出可能である。蛍光また は化学発光産物を生成する基質を酵素標識とともに用いる場合、得られるイムノ アッセイの感度は、放射性同位体標識と同等であるかそれ以上である。 今日まで、診断用イムノアッセイは、2つの基本的カテゴリーに分類されてい る:サンドイッチイムノアッセイ(分析物を2つの抗体の間に「捕捉する」こと により、分析物の存在を直接測定する)、および競合的イムノアッセイ(分析物 を抗体との結合に関して分析物が標識リガンドと競合させる)である。しかし、 これらのアッセイ技術は欠点を有する。サンドイッチイムノアッセイは、2つの 抗体への結合を受け入れる程度に十分に分析物が大きいことを必要とし、そのた めタンパク質のような、より大きな分析物により適している。分析物およびリガ ンドが抗体に対して同等な結合親和性を有する競合的アッセイは、主に質量作用 に動くため、そしてそれゆえ感度またはダイナミックレンジ、あるいはその両方 を欠く。分析物およびリガンドの抗体に対する親和性が有意に異なる場合、アッ セイはマトリクス効果に対して感度が高くなりすぎる。なぜなら、結合相互作用 の親和性が低いほど、温度、pH、塩濃度、および変性剤(例えば尿中)の存在の ような変数によってより影響されやすいためである。 分析物および標識成分が、抗体結合部位に対して同等な親和性を有するという 点において、多くの従来のアッセイ技術が競合的と考えられる。そのような競合 的方法の一例は、分析物および酵素:リガンド結合物が、抗体結合部位に関して 競合する技術を記載しているRubensteinおよびUllmanの米国特許第3,817,837号 に見出される。抗体の酵素:リガンド結合物への結合は、その酵素活性を変える ため、そのような混合物が基質を生成物に変換する速度を測定することによって 、存在する分析物の濃度を推定し得る。 競合的アッセイの変法の1つは、解離的アッセイ(dissociative assay)である 。解離的アッセイは、高い解離定数(dissociation constant)を有する予め作成 された抗体:リガンド複合体を利用し、そしてそのアッセイにおいて、競合は、 抗体からのリガンドの解離後に起こる。このタイプのアッセイは、従来の競合的 アッセイに対して何ら有意な利点を有することも報告されてはいない。いくつか の蛍光分極アッセイ(fluorescence polarization assay)のような現在の解離的 アッセイは、安定な予め形成された免疫複合体を提供しないが、分析物の添加数 分前に、リガンドを抗体を添加しコンプレキシティー(comlpexity)を増大させる ことが必要である。 イムノアッセイは、さらに均一または不均一として特徴付けられ得る。均一法 においては、標識は結合状態においても非結合状態においても等しく検出可能で ある。意味のあるアッセイ結果を得るためには、結合された抗体を非結合の抗体 から物理的に分離することが必要である。この分離を達成するための通常用いら れる方策は、検出工程前に、標識を液相から物理的に分離可能な固相に結合させ ることを包含する。代表的な不均一アッセイは、Serex,Inc.,Maywood,New Je 均一法においては、標識の検出可能な特性は、抗体に結合しているか結合して いないかに依存して固有に異なる。結合状態においては、その標識は、より大き なまたはより小さなシグナル強度を有する。通常、抗体の標識リガンドに対する 結合は、シグナル強度の減少をもたらす(例えば、標識が酵素である場合)。こ のカテゴリーにおける代表的な製品として、Syva Company,Palo Alto,Califor s,Chicago,Illinoisから入手可能な、TDX系列の蛍光分極イムノアッセイが挙 げられる。 イムノアッセイのさらなる2つの特徴が、特記に値する。これらは、分析物の 最小検出可能濃度および、検出のダイナミックレンジである。ダイナミックレン ジとは、分析物濃度の、標識由来のシグナルが、ゼロから最大に変化するまでの 範囲である。サンプル、抗体、および標識成分が混ぜ合わされる順序は、標識成 分の結合の度合いに影響することにより(そして引き続いて標識検出に影響する ことによって)、これらキーパラメータの両方に、有意に影響し得る。 ある種の公知のアッセイ法においては、標識成分の添加前に抗体および分析物 を混ぜ合わせる。他の種の公知のアッセイ法においては、抗体の添加前に分析物 および標識成分とを混ぜ合わせる。これらの各場合において、分析物を含有する サンプルと混ぜ合わせる、2つの異なる試薬を提供することが必要である。2つ のこのような別々の試薬を必要とすることは不便であり、より手間がかかり複雑 な方法となりかねない。また、良好なアッセイ成績のためには各試薬の正確な用 量測定が欠かせないため、2つの測定工程の必要性は、ゆがめられた結果に至り 得る誤差を生じかねない。 アッセイ精度を改善しそれによってアッセイ感度を高めるための一方法は、抗 体および標識成分の予め混合された複合体を提供することである。しかし、結合 反応は、ほとんどの試験条件下において、実質的に不可逆的であることが見出さ れるため、これは問題を有する。従って、予め形成された標識分析物および抗体 の複合体を、分析物を含有する溶液と混ぜ合わせた場合、意味のある時間フレー ム(分)において、結合した標識の検知可能な排出(displacement)は起こらない 。 発明の要旨 本発明により、新規なレセプター:リランド複合体が提供される。用語リラン ドは、遊離リガンドを意味する造語である。本発明は、本発明に従って選択され たリランドをレセプターと複合体形成させることにより、先行技術に記載されて いない特性をレセプター:リランド複合体に付与し得るという発見に基づいてい る。この新規な複合体は安定、すなわち分析物の非存在下では実質的に不可逆的 であるが、驚くべきことに、分析物と接触させたときには、実質的に完全に不安 定となり、リランドの急速な遊離が起こる。分析物の存在下での安定なレセプタ ー:リランド複合体由来のリランドの遊離が、本発明の本質である。以下に詳述 するように、リランドは、モノマーあるいはマルチマー形態であり得る。 本発明はまた、リランドのレセプターとの新規な、安定な複合体を、分析物に 対して用いる方法に関する。ここで、レセプター:リランド複合体は、分析物の 存在下においてリランドを遊離し得る。リランドは、適切に標識されば検出可能 であるため、本方法を診断アッセイフォーマットに用いた際、試験サンプル中の 分析物の存在を明確に示す。このような複合体を設計、調製、使用、および安定 化するための方法を提供する。本方法は、広範囲のタイプおよびサイズを含む分 析物のための、均一アッセイおよび不均一アッセイの両方に適用可能である。本 発明のアッセイおよび複合体は、例えば、以前単一のアッセイデザインにおいて 可能であったよりもより短い時間、より高い感度、かつより大きなダイナミック レンジで、分析物の存在を検出することによって、従来技術の診断アッセイの不 利な点や欠点を克服する。 本発明はまた、インビボ診断アッセイおよび治療的処置方法の両方に適用可能 である。例えば、広範な局面において、本発明は、身体中の特定の部位に到達し て反応するための新規方法において有用な新規な複合体を提供する。この方法は 、レセプター:リランド複合体を、身体中のある部位に送達して、複合体からの リランドの遊離後の、その部位へのレセプターの結合を検出することを包含する 。この場合、「標識」あるいは検出システムの全体または一部を、レセプターま たは治療薬剤中にの取り込ませることによって、検出は容易になる。 本発明は、本明細書中で教示される不均一および均一アッセイ法、あるいはイ ンビボ診断的もしくは治療的処置法に使用するための、予め形成されたレセプタ ー:リランド複合体、または各薬剤を別々に含むキットを提供する。レセプター :リランド複合体は、適切な時間、レセプターをリランドとインキュベートする ことにより、サンプルを複合体と接触させる前に形成され得る。 本発明の本質的な局面は、先行技術の競合的または解離的アッセイに記載のリ ガンド:レセプター複合体の特性とは実質的に異なる特性を有する複合体を形成 するリランドの選択にである。適切なレセプター:リランド複合体の形成は、リ ランドの特性に依存するため、これらの特徴のうちのいくつかをここで挙げてお くことが適切である。さらなるそしてより具体的な詳細を下記に示す。 リランドは、分析物に構造的に関連し、そしてレセプターに対する結合の1% 未満の交差反応性(安定な複合体を形成する能力と矛盾しているような効果であ る)を示すモノマー形態である。先行技術のアッセイおよび複合体とはまったく 対照的に、本リランドはレセプターに対する結合に関して分析物と検出可能に競 合することがない。本複合体の調製において、本発明者らは、モノマー性リラン ドは、リランドが高濃度である場合においてのみ(リランドがマルチマーとして 提供される場合は低濃度が用い得られ得る)レセプターに会合し、そしてこれが 遅いキネティックスで起こり、かつ分析物の非存在下でのみ起こることを見いだ した。リランドは、分析物のレセプターに対する本質的に完全な結合には検出可 能に影響を与えないばかりか、分析物の存在下においてもレセプターに結合する ことはない。特定の局面において、モノマー性リランドのレセプターに対する会 合定数は、約10-5M以下であり、好ましくは10-3から10-5Mであり、そして最も好 ましくは約10-4Mである。マルチマーとしてレセプターに複合体化されたとき、 例えば、リランドがダイマー、トリマー、あるいはより高次マーであるとき、あ るいはペプチドのようなキャリアに結合されたときには(なお本明細書中で用い られるようなマルチマー)、会合定数が劇的に増大する。しかし、至適遊離性が 目的であるならば、リランドは全分子量が5,000ダルトンを越えることは好まし くない。これは、分子サイズが大きくなればなるほど、レセプターと不可逆的複 合体を形成する傾向があり、且つ分析物との交差反応性が高くなる傾向があるた めである。しかし、アッセイを行う時点あるいはその付近で複合体を形成する場 合(複合体の不可逆性がファクターでなくなるような)、交差反応性パラメータ ーが受容可能であるとするならば、より大きな分子量のマルチマー(例えば、BS Z、BCT、G6PHなどから得られる)によっても、適切に遊離可能な複合体が得られ た。 本発明の非常に好適な局面において、リランドの分子量は5000ダルトン未満で あり、より好ましくは、2000ダルトン未満である。本発明の目的のための分子量 は、レセプターとの結合を指向するエピトープ、ならびに、あらゆるリンカー、 標識、またはリランドの補助的構造物を包む。小さいサイズのリランドを提供す ることにより、本発明は、リランドとレセプターとの間における不可逆的複合体 の形成の回避を助ける。これは、キット中における予め形成された複合体の供給 を制限していたため、特に重要である。その場であるいは使用直前に調製された 複合体は、遊離可能な複合体として依然として適切に作用する。 理論的には、複合体の設計において、リランドまたはレセプターの結合部位の いずれかを修飾することを選び得る。しかし、実際には、リランドを修飾する方 がずっと実用的である。後述するように、本発明において利用可能な、様々な種 類のレセプターが存在する。 これらの新規な複合体を用いる本発明の診断方法は、例えば、Freytagの米国 特許第4,551,426号に記載された従来の会合アッセイまたは競合的解離アッセイ に比べて、驚くほど、より高い感度、特異性、精度、および検出レンジを提供す る。 分析物は、本明細書に記載された任意の抗原または標的分子であり得、治療薬 物、およびその代謝物、違法薬物、およびその代謝物、ステロイド、ペプチドホ ルモン、ホルモン(例えば、インスリン)、ウイルス抗原、細菌抗原、血清蛋白、 抗体、毒素、殺虫剤、環境生成物、癌抗原、遺伝マーカー、または迅速、特異的 、かつ高感度なアッセイにおいて分析物の存在(あるいは非存在)を検出するこ とが所望される場合のあらゆる目的抗原を含む。 定義 分析物−−アッセイにおけるまたは身体中のある部位における目的の分子;ま た、レセプターの標的。 リランド−−用語「遊離リガンド」からの造語であり、複合体化された際のリ ガンドの遊離特性を表し;レセプターに結合可能し得、以下の特性を示す分子で ある: −リランドは、モノマー形態または、モノマー分子のダイマー、トリマー、4 マー、5マー、6マーもしくはより高次マーのようなマルチマー形態であり得; 「マルチマー」はまた、ペプチド、糖、ポリマーなどのようなキャリアへのリラ ンドの結合物を含む。 −リランドとレセプターとの解離定数は、そのレセプターに対する分析物の非 存在下において、リランドの検知可能な遊離が起こらないような解離定数である 。 −リランド−レセプター複合体の解離定数は極端に低く、分析物によって誘導 されるリランドの遊離が、安定な複合体の解離速度に依存しないかあるいは無関 係であるようなものである。 −リランドは、モノマー形態の分析物に構造的に関連しているが、1%未満の レセプターとの交差反応性を有し、そしてより好ましくは、レセプターとの結合 に関して、分析物と検出可能に交差反応あるいは競合しない。 −レセプター:リランド複合体からのリランド遊離は、分析物によって誘導さ れる。 −分析物の非存在下では、リランドは、緩慢なキネティクスでレセプターと結 合する。 −複合体を予め形成する際には、モノマーリランドのレセプターへの検出可能 な結合は、リランドの濃度が、約10-5M、好ましくは10-3から10-4Mまでは起こら ず、あるいは少なくとも例えば、リランドがマルチマー形態の場合は、10-5およ びそれ未満(10-6〜10-8またはそれより高い)の濃度になるまでは起こらない。レ セプター濃度は通常、10-6から10-1OMの範囲内であるが、範囲外の値も用い得る 。 −モノマー(またはマルチマー)リランドは、レセプターに結合する分析物の 親和性よりも実質的に低い親和性でレセプターに結合するが、レセプター:リラ ンド複合体は、レセプター:分析物複合体の解離定数と類似の解離定数を有する 。 レセプター−−分析物の特異的結合パートナー;そして分析物または本明細書 中に記載のリランドに特異的に結合し得る分子。各場合で、安定な複合体が形成 されるが、分析物の会合定数は、リランドの会合定数よりも高い。好適なレセプ ターは抗体であるが、後述するその他の特異的結合パートナーもまた本発明によ り意図される。 図面の簡単な説明 図1。分子式。図(A)はニコチン、(B)はコチニン、(C)はN-イソプロピル-4-カ ルボキシル-ノルコチニン、そして(D)はN-プロピル-4-カルボキシル-ノルコチニ ンである。 図2。コチニンについてのELISAフォーマット遊離アッセイは、固定化された シス-ヒドロキシコチニンG-6-PDH(アスタリスク);N-イソプロピル-ノルコチ ニンG-6-PDH(+記号);N-プロピル-ノルコチニンG-6-PDH[白四角]からの遊 離を示す。 図3。コチニンについての従来技術による均一放射アッセイ型フォーマット(h omogeneous Emit assay type format)(+記号)と、コチニンについての本発明 による遊離アッセイ(四角)との用量反応曲線の比較。 図4。コチニンについての本発明の遊離均一アッセイの用量反応曲線。 図5。従来のElisaアッセイにおいて、糖化ヘモグロビンに対するモノクロー ナル抗体は、非糖化ヘモグロビンおよび糖化ヘモグロビン(HbGlc)に結合する。 図6。非糖化ヘモグロビン(HbAo)および糖化ヘモグロビン(HbGlc)の、糖化ヘ モグロビンに対するモノクローナル抗体からリランド(reland)を遊離する能力の 比較。 図7。糖化ヘモグロビンに対するモノクローナル抗体の糖化ヘモグロビン(HbG lc)と非糖化ヘモグロビン(HbAo)とを区別する能力に関する、従来型と遊離アッ セイフォーマットとの比較。 図8(図8A、図8B、図8C)。ビオチンに結合したテオフィリン-リガンド(カルボ キシプロピル-ジメチルキサンチン-ビオチン)およびテオフィリンリランド-ビオ チン(テオブロミン-1-酢酸-ビオチン)に結合するモノクローナル抗テオフィリン のキネティクス。 図9。リガンド-ビオチンの遊離キネティクス。図9A:カルボキシプロピルジ メチルキサンチン-ビオチンおよびリランド-ビオチン。図9B:(テオブロミン-1- 酢酸-ビオチン)。 図10。テオフィリンについての、競合Elisaにおける、テオブロミンおよびテ オブロミン-1-酢酸の交差反応性。 図11。テオフィリンリガンド(カルボキシプロピルジメチルキサンチン)レセプ ター形成(菱形)と比較した、テオフィリンリランド(テオブロミン-1-酢酸-ビオ チン)レセプター形成(四角)の濃度依存性。 図12。Elisaフォーマットにおいて、ピリジノリンリランド候補(即ち、ピリジ ンアナログ)の抗ピリジノリンに結合する能力の評価。 図13。Elisaフォーマット。ピリジノリンによる抗ピリジノリンからのビオチ ン化(biotinolated)ピリドキサール(ピリジノリンリランド)の遊離。 発明の詳細な説明 本発明をインビトロ診断に適用すると、新規なレセプター:リランド複合体お よびそのためのキットを用いて、サンプル中における分析物の存在を検出する方 法が提供される。試験サンプルは、乳液、水、尿、血液、血清、唾液、体浸出液 (bodily exudate)等のような標的分析物を含有していると思われるあらゆる体液 、ならびに、土壌、食物、化学薬品、身体組織等の目的の固形物由来の液体であ り得る。本発明の遊離アッセイ方法は、試験サンプルをレセプター:リランド複 合体に接触させる工程、および分析物が存在する場合には、複合体からのリラン ドの遊離(もしくは遊離されたレセプター)を検出する工程あるいは適切な場合に は分析物へのレセプターの結合を検出する工程を包含する。 分析物がレセプター:リランド複合体に接触して推定上の三分子複合体を形成 するときに、遊離反応が起こると考えられている。レセプターとの会合定数が10-8 M以上(例えば、10-9等)である分析物の存在は、レセプター:リランド複合体 の変化を引き起こし、これにより複合体の解離定数が変化して、リランドの遊離 が可能になる。この分析物とレセプターとの相互作用は、リランドの結合部位あ るいはアロステリック結合部位において生じ得る。リランドの遊離後、分析物お よびレセプターの複合体は、遊離リランドの存在によって、検出可能な程の影響 を受けない。リランドあるいはレセプターのいずれかが、その最初の複合体から の遊離後に検出され得、これにより、サンプル中における分析物の存在が示され る。本発明のアッセイ方法は、均一フォーマットあるいは不均一フォーマットの いずれにおいても行うことができる。各フォーマットの具体的な詳細を以下に示 す。 本発明の遊離アッセイによって、レセプターおよびリランド上の結合部位(単 数または複数)がほぼ等しい濃度で存在する複合体の調製、すなわち、定量的複 合体形成が可能になる。但し、これは必要不可欠なものではない。各要素が等し い濃度で存在することによって、感度が高まる。なぜなら、レセプターが過剰に 存在する場合、複合体からリランドを遊離することなくレセプターが分析物に結 合し得るからである。 各要素の結合部位の数が実質的に等モル量で存在するレセプター:リランド複 合体を達成するために、サンプルへの暴露前にレセプターおよびリランドを少な くとも1時間インキュベートする。但し、一方の試薬が他方に比べて大過剰に存 在する場合には、これよりも短いインキュベーション時間が可能である。好まし くは、インキュベーション時間は、約12時間よりも長い。レセプターあるいはリ ランドいずれか一方の要素が過剰に存在する場合、長いインキュベーション時間 は、遊離および結合反応が繰り返される間に最も安定な複合体の形成を可能にす る。この低親和性結合反応が平衡状態に達した後、長時間のインキュベーション 後に安定になったレセプター:リランド複合体を過剰試薬(リランドまたはレセ プターのいずれか)から単離する。複合体の単離は、沈澱、サイズ排除クロマト グラフィー、密度勾配遠心分離、精密濾過、あるいは複合体をその成分から分離 する他の技術によって達成され得る。あるいは、分離工程を回避するために、レ セプターおよびリランドを、等しい結合部位濃度で、あるいは若干のリランド過 剰(約1〜2倍)で混合し、そして、安定な複合体としての実質的に定量的な結合 を可能にするようなリランドの濃度に依存する時間の間インキュベートすること が可能である。例えば、0.25 μg/mlのリランド濃度で(図8C)、一週間以上のイ ンキュベーションが必要であった。試薬:リランド複合体の形成を、以下でより 完全に説明する。高い濃度でリランド標識を提供し、その後、結合物と遊離物と を分離するコストを克服するために、リランドをポリマー化してマルチマー形態 にすることが可能である。このような形態の場合、レセプターとリランドとの化 学量論的レベルで結合が完了する。 本発明の方法は、分析物の存在下における、レセプターおよびリランドの複合 体からのリランドの遊離が分析物に含まれるという発見に基づいている。遊離さ れたリランドはレセプターに再結合しないので、レセプター上の結合部位に対し て分析物と競合しない。この結果は、少なくとも部分的には、モノマーリランド の場合約10-5M、好ましくは10-4〜10-3Mである、レセプターへのリランドの結 合における会合定数の結果として引き起こされると考えられる。 本明細書中において、分析物の存在下におけるレセプター:リランド複合体か らのリランドの遊離を遊離反応と呼ぶ。この遊離は、分析物が複合体に接触して から数秒〜数分以内に実質的に完了する(つまり、本質的に全てのリランドが遊 離される)ことに留意することが重要である。分析、試験あるいは方法の時間枠 内で、遊離リランドはレセプターと再結合しない。遊離レセプターが分析物と結 合して安定な複合体を形成することは、リランド遊離に対する当然の結果である とみなされてきたが、これが起こる必要は本発明にはない。遊離されるリランド の量は、リランド:レセプター複合体が出くわした分析物の量に正比例するので 、遊離されたリランドの量の測定値は、存在する分析物の量の測定値である。 遊離反応の機構についてのいかなる特定の仮説にも限定される意図はないが、 レセプター:リランド複合体の安定性とは相反する速い遊離反応キネティクス、 ならびにレセプター:リランド複合体の解離速度に対するリランド遊離の得られ た非依存性とに基づいて、分析物が存在する場合にレセプター、分析物およびリ ランド間の三分子複合体が形成すると考えられる。レセプターに対する分析物の 高い親和性と、三分子複合体の相対的な不安定性とに起因して、リランドが遊離 され、これにより、分析物のレセプターとの複合体形成が可能になる。リランド がレセプターへの結合について分析物と検出可能な程には競合しないので、分析 物およびレセプターの複合体は、リランドの存在によって顕著に影響を受けない 。この仮定は、レセプター上の二重結合部位の存在とも一貫性を有する。 好ましくは、モノマーリランドへのレセプターの結合の会合定数は、分析物へ のレセプターの結合の会合定数の約1%未満、より好ましくは約0.2%未満であ る。これは、相対的な結合として定性的に、例えば、アッセイ中の見かけの活性 によって観察され得る。 遊離反応は、レセプターおよび分析物の高親和性結合に依存するので、敏感か つ特異的である。つまり、レセプターは低濃度の分析物に結合する。差別的親和 性結合に対する遊離反応の依存性は、特異性をさらに高める。レセプターが解離 して、分析物の交差反応性アナログに結合することは、その会合定数がレセプタ ーおよびリランドの会合定数よりも大幅に高くない限り起こらない。 本発明における分析物とリランドとの関係の重大な利点の1つは、遊離反応を 伴うための分析物のリランドに対する有効比が100:1未満、好ましくは10:1未満 、そしてより好ましくは約1:1であることである。実際、1:2の比は、実質的に完 全かつ化学量論的な遊離を誘導する。本発明のアッセイのこの特性は、レセプタ ーリガンドのKdに依存するために、(分析物と交差反応性である)分析物のアナロ グを遊離するのに必要な分析物比が実質的に100:1よりも大きい従来技術の解離 方法とは有意に異なる。 レセプター:リランド複合体の有効部分が分析物の存在下で遊離され、極微量 が分析物の非存在下で遊離しなければならないか、または系の中のバックグラウ ンド「雑音」("noise")が重大な要素になることを強調することが重要である。 例えば、レセプター:リランド複合体の1%のみが遊離されるとすると、その系 の99%は影響を受けない。測定の標準偏差が、免疫アッセイ系においては優れた 変動係数を表す1%(99±1%と等価)であるとすると、1%の遊離の効果は1% ±1%となり、いかなる有意性も無効になる。本発明のアッセイは、レセプター :リランド複合体の有意な解離、すなわち、ベースラインレベルより高い遊離を 提供する。 リランドの化学量論的な遊離はまた、分析物が検出され得る広い濃度範囲の機 会を提供する。従来技術の競合系の場合、アッセイ設計は、サンプル中の少量の 分析物を検出するために、制限的な量のリガンドの使用を必要とする。このよう な構成は、大量の分析物によって圧倒される(swamped out)が、逆に、高レベル の分析物が予想される場合、より多量の分析物アナログが必要とされる。これら の条件下においては、ベースライン解離は、少量の分析物の存在下における解離 におおよそ等しくなるか、あるいはそれを上回りさえする。従って、本発明は、 分析物の非存在下において安定であり、分析物の存在下においては潜在的に定量 的に遊離可能な予備形成されたレセプター:リランド複合体を提供することによ って、従来技術のこれらの欠点を克服する。 遊離されるリランドの量は、潜在的に定量的であるが、系による影響を受け得 る。例えば、不均一系において、固相への結合を促進するためにキャリアタンパ ク質(例えば、グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ)に結合させた、レセプタ ーとしてのコチニンに対する西洋ワサビペルオキシダーゼ標識抗体およびリラン ドとしてのイソプロピルノルコチニンの固相複合体を、サンプルと反応させた場 合、全抗体の5〜10%が分析物によって遊離される。固相における酵素活性は液 相における酵素活性より少ないであることが知られているので、正確な割合を突 き止めるのは困難である。同じ試薬を用いる均一遊離アッセイの場合、コチニン を含有するサンプルは、酵素阻害の100%の逆転(reversal)(これは100%の遊離 を示す)を誘導する。これは、固相系において見られるより低い遊離が、そのシ ステムの関数であって、リランド:抗体複合体の関数ではないことを示している 。 本発明のその他の利点は、当業者には容易に理解され得る。遊離反応は比較的 即効性であり、一般に、5分未満で終了点に達する。試薬の拡散が、アッセイに 必要な時間に関する支配的な要素である。従って、試薬の濃度を高めることによ って、これらの時間を短縮することができる。最も有利なことに、遊離反応は、 感度の高い検出システムを必要としない。このことは、本発明が、高感度の発蛍 光団ではなく、補助因子、染料等の低感度検出可能化合物を用いた簡便なアッセ イを提供し、そしてこれにより、従来技術の競合解離アッセイにおいて必要とさ れるような煩雑な−−そして高価な−−検出装置の必要性を回避することを意味 している。 レセプター:リランド複合体 有効な遊離アッセイには、安定なレセプター:リランド複合体を使用すること が必要である。この複合体は、従来の複合体、例えば、レセプター:分析物複合 体、あるいは抗体:抗原複合体等よりもゆっくりと形成される(図8A、図8B、図8 C)。この複合体は、試薬濃度に依存する時間でのリランドおよびレセプターのイ ンキュベーションによって、水性液体媒体中で調製される。モル濃度が高い程、 必要な時間は短かくなる。複合体の遊離は、最初のレセプター:リランド複合体 形成の間に容易に起こる。適切なインキュベーション期間(但し、これは通常1 時間を越え、そして、しばしば123時間を越える)後には、レセプター:リラン ド複合体は安定になる。通常、4℃〜40℃の温度が適切であり、4度〜室温が好 ましい。 複合体の安定性は部分的には、リランドの設計、リランドおよびレセプターの インキュベーション時間の関数である。レセプターとリランドの組み合わせのそ れぞれについて、適切なインキュベーション時間は容易に決定される。但し、一 般には、レセプターおよびリランドを、分析物に暴露する前に、少なくとも1時 間、好ましくは12時間よりも長くインキュベートするべきである。 適切な条件下、例えば、塩化ナトリウムのような塩、または、タンパク質もし くはグルコースような安定化剤、あるいは、その両方の存在下において、安定な レセプター:リランド複合体は、長期間−−数日間、数週間以上−−にわたって 遊離可能であり続ける。本発明によれば、安定なレセプター:リランド複合体は 、溶液中にあってもよいし、あるいは乾燥されてもよい。5%の塩化ナトリウム の存在下で形成された複合体は、レセプター:リランド複合体を調製した後6日 間使用できた。タンパク質、糖、あるいは他の公知の安定化剤を用いても、乾燥 レセプター:リランド複合体を安定化することができる。 本発明はいかなる理論あるいは仮説にも縛られないが、安定なレセプター:リ ランド複合体の形成は、リランドとレセプターとの間の分子適応(molecular acc ommodation)のモデルを裏付けるものであると考えられている。この結合の平衡 は、それを安定化する複合体の構成に有利に働き、これは、複合体の有効な親和 性が、最初の複合体中よりも成熟複合体中において高いかもしれず、おそらく高 いにちがいないことを意味している。このことは、複合体の非常に低い解離速度 に反映されている。 本発明によれば、リランドは好ましくは検出システムあるいはその一部によっ て標識される。あるいは、標識は、レセプター内に組み込まれ得る。本発明によ り、標識システムの一部をリランドに与えて、その標識システムの残りを試験環 境中に提供することも意図される。標識されたリランドの遊離後にこの2つの部 分を組み合わせて、指標検出システムを形成する。例えば、リランドは、グルコ ースオキシダーゼ酵素に活性を与える部分であるFADで標識され得る。FAD-リラ ンドがレセプターと複合体を形成する際、FADは(FADが無い場合には、「アポグ ルコースオキシダーゼ(apoglucose oxidase)」あるいはapoGOと呼ばれる)グルコ ースオキシダーゼに対して容易には利用可能でない。適切な分析物との接触によ ってFAD-リランドが遊離されると、FADは容易に、試験システム中に提供された アポグルコースオキシダーゼ中に組み込まれ、これを活性化し、そして、ある量 の分析物の存在の測定値として検出される。 レセプター レセプター:リランド複合体の要素の1つは、分析物に特異的に結合し得る1 つ以上の結合部位を有するレセプターであり、ここで、結合の会合定数は高い。 会合定数は、好ましくは10-8Mよりも大きく、より好ましくは10-10Mよりも大 きい。このレセプターは、分析物に結合するレセプターの定数と比べて比較的低 い結合の会合定数で、モノマーリランドに結合することもできる。本発明の遊離 アッセイに使用する適切なレセプターは、抗体、または、分析物およびリランド に対する結合部位を含む抗体のフラグメント、あるいはリランドおよび分析物の 両方と特異的に結合し、安定な複合体を形成し得る他のあらゆる分子もしくは高 分子を含む。抗体および細胞表面レセプターが好ましく、抗体の方がより好まし い。最も好ましいのは、特異的なエピトープに対して生成される抗体、即ち、タ ンパク質、ポリアミノ酸(例えば、ポリリジン)アガロースもしくは他のポリマー 誘導体のような免疫原性分子に結合した、薬物もしくは小ペプチドである。好適 な実施態様において、レセプターは、分析物上で最も独特のエピトープに対して 特異的であるように生成されるか、または選択される。 レセプターが抗体である以下の具体的な実施態様において、その抗体は、分析 物上の独特のエピトープ、例えば、糖化ヘモグロビンの糖化部位、あるいは、タ ンパク質もしくはポリペプチドの独特の配列に対する特異性について選択される 。 当該分野において公知である様々な手順が、目的の分析物に対する抗体の産生 に使用され得る。このような抗体は、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ 、単鎖、FabフラグメントおよびFab発現ライブラリーを含むが、これらに限定さ れない。抗体の産生のために、様々な宿主動物(ウサギ、マウス、ラット等を含 むが、これらに限定されない)が、特定の分析物、または免疫原性キャリアに結 合した分析物を用いた注射によって免疫され得る。宿主の種に依存して、様々な アジュバントを用いて免疫応答を高めることができる。このアジュバントには、 フロイント(完全および不完全)、水酸化アルミニウムのようなミネラルゲル、リ ゾレシチンのような表面活性物質、プルロニックポリオール(pluronic polyol) 、ポリアニオン、ペプチド、油エマルジョン、キーホールリンペットヘモシアニ ン、ジニトロフェノール、およびBCG(ウシ型弱毒結核菌ワクチン(bacilli Calme tte-Guerin))およびCorynebacterium parvumのような潜在的に有用なヒトアジュ バントが含まれるが、これらに限定されない。 分析物に対するモノクローナル抗体は、培養またはインビボでの連続する細胞 株により抗体分子の生成を提供する任意の技術を用いて調製され得る。これらは 、最初にKohlerおよびMilstein(Nature、1975、256:495-497)に記載されたハイ ブリドーマ技術、より最近のヒトB-細胞ハイブリドーマ技術(Kosborら、1983、I mmunology Today、4:72)、およびEBV-ハイブリドーマ技術(Coleら、1985、Monoc lonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R.Liss,Inc.、77-96頁)を含む が、これらに限定されない。本発明のさらなる実施態様において、分析物に対し て特異的なモノクローナル抗体が、最近の技術(PCT/US90/02545)を用いて無菌動 物内で産生され得る。本発明によると、ヒト抗体は、ヒトハイブリドーマを用い ること(Coteら、1983、Proc.Natl.Acad.Sci.、80:2026-2030)、またはインビ トロでEBVウイルスでヒトB細胞を形質転換すること(Coleら、1985、Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy、Alan R.Liss、77-96頁)により用いられ得、 そして得られ得る。実際、本発明によると、適切な抗原特異性を有するマウス抗 体分子由来の遺伝子を、適切な生物活性を有するヒト抗体分子由来の遺伝子と共 にスプライシングすることにより「キメラ抗体」を生成するために開発された技 術(Morrisonら、1984、Proc.Natl.Acad.Sci.、81:6851-6855; Neubergerら、 1984、Nature、312:604-608; Takedaら、1985、Nature、312:452-454)が用いら れ得る。 このような抗体は、本発明の範囲内である。 本発明によると、単鎖抗体の生成のために記載された技術(米国特許第4,946, 778号)が、分析物特異的単鎖抗体を生成するために適合され得る。本発明のさ らなる実施態様は、Fab発現ライブラリーの構築に関して記載された技術(Huseら 、1989、Science、246:1275-1281)を利用して、分析物に対する所望の特異性を 有するモノクローナルFabフラグメントの迅速かつ容易な同定を可能にする。 分析物に対して特異的な部位を含む抗体フラグメントは、公知の技術により生 成され得る。例えば、このようなフラグメントは、抗体分子のペプシン消化によ り生成され得るF(ab')2フラグメント、およびF(ab')2フラグメントのジスルフィ ド架橋を減少させることにより生成され得るFabフラグメントを含むが、これら に限定されない。 あるいは、目的の分析物に対して特異的なポリクローナル抗体またはモノクロ ーナル抗体は、商業的供給源から得られ得る。 分析物を結合するためのレセプターは、例えば、アフィニティークロマトグラ フィーにより精製され得る。モノクローナル抗体はまた、プロテインAまたは抗 -Igクロマトグラフィーにより精製され得る。ポリクローナル抗体およびモノク ローナル抗体を精製するための技術は、当該分野において周知である。ポリクロ ーナル抗体のような不均一レセプターの調製物はまた、低濃度(例えば、レセプ ター濃度の1%)のリランドで吸着され得て、高アフィニティーでリランドを結合 させ得る任意のレセプターを除去する。 リランド 定義の項に記載した特性をさらに解明すると、本明細書において使用される用 語「リランド」は、レセプターとの結合に関して分析物との限定された交差反応 性を有する分子を含む。用語「リランド」は、本明細書において、遊離リガンド と相互転換可能に用いられる。なぜなら、リランドは、遊離リガンドを示すため に本発明の共同発明者らが作った用語だからである。遊離リガンドまたはリラン ドは、低会合定数でレセプターと結合し、そして分析物:レセプター複合体の安 定性に影響を与えない。従って、リランドは、構造的にその同族の分析物と関連 して、特異的結合相互作用を可能にするが、またアフィニティーを低下させて不 可逆的に結合した複合体の形成を防止するに十分な構造上の相違を含む。従って 、リランドは、分析物のエピトープ、分析物の誘導体、修飾された分析物、また は分析物の異性体を含む、分析物のアナログであり得る。好適には、リランドは 、エピトープにおけるまたはエピトープ近傍の位置において分析物とは構造的に 異なる。これらの相違は、化学的修飾、立体的、形状的、構造的、またはイオン 的変化を含み得る。好適には、イオン基が、中性極性基に置き換わる。なぜなら 、イオン相互作用は、特に強く、そして遊離を干渉し得るからである。 構造的に分析物を模倣するために調製された分子もまた、リランドとして用い られるアナログである。このような構造的模倣物は、エピトープが化学的に類似 である限り、分析物と同一の化学的性質を有し得るが、必ずしもその必要はない 。従って、例えば、以下の特定の実施例に示すように、ペプチドは、タンパク質 のアナログであり得る。研究用の分析物/レセプター対が一旦選択されると、潜 在的リランドが分析物のアナログから選択される。分析物のアナログは、分析物 に類似の構造を同定し、本明細書により教示するように修飾された分子の異なる いくつかの部分を選択し、そして上述したように分析物に対する競合的アッセイ において、そのような構造の交差反応性を見ることにより、選択され得る。修飾 は、いくつかの状況においては、一工程の解離またはポリペプチド鎖内の単一の アミノ酸の置換のような、構造の簡単な変化または置換のみであり得る。10-6M の濃度において、1%未満の交差反応性を有し、好適には0.1%未満の交差反応性を 有し、そして最も好適には交差反応性を有さないこれらのモノマー化合物から、 いくつかが、レセプターに安定的に結合する能力をスクリーニングするために選 択される。安定的結合を評価するために、好適な方法は、潜在的リランドをビオ チンに結合させ、Elisaプレート上でレセプターを固定化し、そしてアビジンに 結合した西洋ワサビペルオキシダーゼを用いて、リランド−ビオチンの、レセプ ターへの結合能力をテストすることである。安定的結合を示すもののうち、いく つかを、いずれが遊離されて経時的に安定であるかを決定するために選択する。 アナログが市販されていない場合、修飾基を分析物に添加するかまたは分析物 から削除することにより、誘導体が調製され得る。誘導体はまた、天然の代謝産 物または分析物であり得る。本明細書において提示する情報を有する当業者は、 本発明において用いるための分析物の誘導体を調製するかまたは同定する方法を 容易に知る。分析物の分子構造の変化が、レセプターの、リランドに対する結合 アフィニティーを変化させ得るか、またはかさ高い基(bulky group)が、リラン ドを遊離する長期間の能力を増強させ得る。 修飾された分析物は、立体的な干渉基に結合されている分析物を含む。分析物 またはペプチドに対する、脂肪族、芳香族、環状分子または糖のようなかさ高い 基、もしくはイオン基の添加、または好適にはイオン基の非イオン基への置換は 、立体的および/または電荷の干渉のためにレセプターに対する結合アフィニテ ィーが減少する結果となり得る。あるいは、かさ高い基との結合は、リランドの エピトープ内における、レセプターへの結合アフィニティーを減少させる構造の 変化を起こし得る。有機分子の化学的修飾は、当該分野において周知であり、そ してリランドを修飾するために用いられ得る。例えば、分析物であるコチニンは 、6個までの炭素原子を有するアルキル基、そして最も好適にはN-イソプロピル またはN-プロピル基の存在により修飾され得、コチニンについてのアッセイにお いて好適なリランドを供給する(図1)。 分析物の異性体は、同一の組成を有するが形状は異なる分子である。代表的に は、異性体は特定の炭素中心、例えば、シス対トランス、D対Lにおいて、異な る形状を有する。異性体は、1以上のキラル中心において逆の形状を有するジア ステレオマーを含み、そして分析物のエナンチオマーを含む。生物学的結合相互 作用は、形状ならびに構造および組成に依存するため、リランドとしての異性体 の使用は、レセプターに対する結合アフィニティーがはるかに低下する結果とな り得る。通常、異性体のみの間のアフィニティーの低下は、リランドを作製する ために十分ではないが、異性体は、他の変化の効果を増強させ得る。 分析物がタンパク質である場合、エピトープ(これに対して、レセプターが特 異性を有する)のペプチドアナログを合成することによってリランドが調製され 得る。タンパク質のアミノ酸配列を変化させるために部位特異的または他の変異 誘発技術を用いる組換えDNA方法もまた用いられ得る。これらの技術は、当業者 に周知である(例えば、ZollerおよびSmith、1984、DNA 3:479-488; Oliphantら 、1986、Gene 44:177; Hutchingsonら、1986、Proc.Nat'l.Acad.Sci.U.S.A .8 3:710を参照のこと)。部位特異的変異誘発のためには、ポリメラーゼ連鎖反応(P CR)技術が好適である(Higuchi、1989、"DNA操作のためのPCTの使用”PCR Techno logy: Principles and Applications for DNA Amplification,H.Erlich編、St ockton Press,第6章、61-70頁を参照のこと)。好適には、このような組換え発 現したタンパク質は、例えば、ペプチダーゼでの消化により断片化されて、最も 好適には約5000ダルトン未満の分子量のリランドフラグメントを生じる。最も好 適には、タンパク質に対するリランドは、合成的に調製される2000未満の分子量 を有するペプチドであり得る。 リランドはまた、連結基を含み得る。連結基は、標識をリランドに結合するた めに用いられ得、例えば、リランドの官能基および標識が直接結合を許容しない リランドへの標識の結合を容易にするための二官能性架橋剤である。連結基の例 は、アミノカプロン酸である。また、かさ高い連結基は、レセプターへのリラン ドの結合を立体的に妨げるために用いられ得る。かさ高い連結基の例は、p-アミ ノ安息香酸である。連結基および標識の両方が会合定数および/または解離定数 を減少または増加させ得る。そのため、リランドの選択は、連結基および標識を 含むリランド全体の評価を必要とする。 リランドは遊離アッセイに用いる場合の適性を示すために評価され得る。リラ ンド評価アッセイは、競合アッセイ、結合増強アッセイ、直接アッセイ、および マイクロタイタープレート遊離アッセイ、ならびに意図されている遊離アッセイ 自体を含む。このようなアッセイの終点(enc point)は、リランドがレセプター と安定した複合体を形成し得ること、リランドが分析物とレセプターとの複合体 に検出可能な程度に影響を与えないこと、分析物が分析物とレセプターとの安定 した複合体からのリランドの遊離を誘導すること、リランドがリランドとレセプ ターとの安定した複合体の遊離を有意に誘導しないこと、リランドがレセプター への結合について分析物と有意にそして好適には検出可能な程度に競合しないこ とを実証することである。リランドのこれらの特徴は、遊離のパーセンテージ、 アフィニティー定数などを測定することにより定量的に示され得るか、または検 出可能な遊離および相対的な結合活性を測定することにより定性的に示され得る 。 潜在的リランドを評価するために有用な競合アッセイは、ELISAフォーマット で行われ得るが、競合アッセイ技術が用いられ得る。例えば、リランドは、固相 上で分析物へのレセプターの結合を阻害するためには、分析物よりもはるかに非 効果的である。分析物に対する良好でない競合インヒビターである分子は、リラ ンドとして用いるためには良好な選択であり得る。 低濃度の適切なリランドは、実際、競合アッセイにおいて分析物へのレセプタ ーの結合を増強させるように見え得る。従って、競合タイプのアッセイにおいて 、低濃度のリランド候補物の存在下で増加した絶対シグナルは、その候補物が適 切なリランドであり得ることを示す(図10を参照のこと)。 直接アッセイが潜在的リランドを評価するために用いられる場合、レセプター とリランドとの結合は、レセプターと分析物との結合と比較される。ELISAフォ ーマットがこのタイプのアッセイによく適しているが、他のアッセイフォーマッ トもまた用いられ得る。モノマーのリランドは、分析物の結合活性の約1%以下、 好適には約0.2%未満を示す。代表的には、ELISA試験において、結合活性は、力 価、すなわち、特定の結合活性を有するレセプターの希釈または濃度によって表 される。あるいは、同一のレセプター濃度における比活性が比較され得る。 リランドを評価するマイクロタイタープレート方法は、マルチマーのリランド 構造の、増加した会合定数を示す能力を利用する。マイクロタイタープレートを 、タンパク質に結合した潜在的リランド候補物でコーティングする場合、相補的 な標識抗体を添加して複合体の形成を可能にする。リランドが適切である場合、 複合体からの、標識された抗体の遊離が起こり、そして分析物を含むサンプルが 添加された後にサンプル上清中で検出され得る。マイクロタイタープレートフォ ーマットは、その容易さのために、潜在的リランドをスクリーニングするために 用いられる。潜在的リランドを迅速かつ容易にスクリーニングするために、マイ クロタイタープレートは、2μg/mlの濃度のアルブミンで予めコーティングされ る。-COOHまたは-NH2基を有する様々なリランド候補物を、カルボジイミドと共 にウェルに添加して、一晩アルブミンと相互作用させる。洗浄後、リランドでコ ーティングされたプレートが、まず抗体に結合する能力を評価するために、次い で遊離する能力を評価するために、テストされ得る。このフォーマットにおいて 、多数のリランド候補物を迅速かつ簡単に1日ほどでスクリーニングすることが 可能 である。 遊離アッセイフォーマット レセプター、リランド、および遊離されたリランドまたはレセプターの検出手 段(遊離されたレセプターを検出することが望ましい場合)を含む遊離アッセイは 、分析物を検出する迅速、簡易、かつ安価な方法を提供する。 分析物は、本明細書において先に概して記載したものであり得る。特定の実施 態様は、骨粗髭症をモニターするのに特に適した、テオフィリン、糖化されたヘ モグロビン、代謝産物またはコチニンのようなニコチン、ならびにテロペプチド およびピリジノリンのような骨およびコラーゲン代謝回転のC−およびN−末端 ペプチドマーカーに関する。 本発明の方法は、レセプター:リランド複合体の解離を検出した際に陽性の結 果を生じる点で直接的なアッセイである。すなわち、レセプターに対する分析物 が存在することによって、先行技術によるアッセイにおけるような無事象または 陰性事象の代わりに陽性事象として標識された成分の遊離が生じる。陽性の相関 (correlation)は、シグナルの存在またはシグナル強度の増大がサンプル中の分 析物の存在を示す点で心理的に納得できるため有利である。分析物が存在すると シグナルの検出が低下するアッセイ法によって得られた結果は、誤った解釈を生 じやすい。陽性の結果のみがシグナルを生成する本発明のアッセイのようなアッ セイを使用することが望ましい。本発明のアッセイは、技術者によって研究室内 で、ならびに技術者および非技術者の両方によって研究室外での両方においての 使用に同等に適切である。 不均一な遊離アッセイにおいては、分析物の存在下での遊離の際にリランド標 識が反応生成物と分離して標識が検出されるように、好ましくはリランドは標識 されている。均一な遊離アッセイにおいては、リランドが標識されていることが 好ましいが、特定の状況下ではレセプターが代わりに標識され得る。例えば、蛍 光標識をレセプター上で用いることができ、この場合はリランドは蛍光クエンチ ャーを含み得る。従って、レセプター:リランド複合体において、蛍光シグナル がクエンチされ、そして分析物の存在下でリランドの遊離が起こるまでは検出可 能な蛍光は存在しない。適切な標識には、酵素、酵素インヒビター、蛍光体、補 因子、発色団、コロイド金、色素および化学発光剤、ならびに放射性標識が含ま れ、これらは全て当該分野において周知である。レセプター:リランド複合体の 解離を検出するための特定手段は、アッセイが均一であるか不均一であるかに部 分的に依存する。 一旦適切なレセプター、リランド、および検出手段が選択されたら、アッセイ 系を、特定のサンプルマトリクスとともに使用するために最適化するべきである 。尿サンプルは、水溶性緩衝液中のサンプルとは異なる固有の特性を有する。同 様のことが、唾液、血液、血漿もしくは血清、またはあらゆる体液由来のサンプ ルに当てはまる。アッセイは、試薬濃度、緩衝液組成、遊離時間、検出時間、ベ ースラインコントロール、および他の変数を変えることによって最適化され得る 。これらの変数は、当該分野において周知であり、そして特定のアッセイマトリ クスに対する最適なアッセイ特異性および感度のためのこれらの調整は当業者に 容易に理解される。 均一遊離アッセイ 遊離アッセイは、均一液相中で行われ得る。そのようなアッセイは、単一の反 応容器中で行われ得、そのため自動分析器または膜上での使用に非常に適してお り、従ってオンサイトでの試験(on-site testing)に適しているために好ましい 。 均一遊離アッセイにおけるレセプター:リランド複合体は、好ましくは標識活 性がリランドの遊離前には測定できる程度に検出可能ではない検出手段として、 適切な標識系を含む。この検出性の欠乏は、通常、標識および複合体の特性の結 果であり、これらの性質は検出系の弱化、阻害、または活性化のような活性調節 の形態となって現れる。標識からのシグナルの強度は、複合体の形成もしくは解 離の際に、増大もしくは減少する。標識には、例えば、リランドに付着した蛍光 、化学発光、または酵素標識、およびレセプターに付着した適切なクエンチャー が含まれ得る。レセプターは、それ自体がクエンチャーであり得る。シグナルは クエンチされ、そしていかなるシグナルも認められない。しかし、レセプター: リランド複合体の解離、および分析物の存在下でのレセプターおよびリランドの 遊 離の際には、調節の効果は逆転し、そして標識が測定できる程度に検出可能にな る。蛍光分極(fluorescence polarization)のような他の近接-依存性(proximity -dependent)シグナルアテニュエーターは、当該分野において公知であり、そし て遊離アッセイでの使用に適合され得る。あるいは、リランドは、本明細書にお いて先に記載した、補因子標識、色素=標識、酵素インヒビター、またはグルコ ースオキシダーゼのFAD成分のような遊離後に検出される他のタイプの標識で標 識され得る。標識はレセプター上に存在し得、そしてクエンチャーはリランド上 に存在し得ることがさらに理解される。 不均一遊離アッセイ 別の実施態様において、不均一固相/液相遊離アッセイが提供される。このよ うなアッセイにおいて、レセプターが固相支持体に不可逆的に吸着される。本明 細書において用いられる用語「不可逆的に吸着される」は、共有的会合、非共有 的会合、およびイオン的会合を包含する。固相支持体は、プラスティック、ポリ マービーズ、ガラスビーズ、ガラス、シリカゲル、およびプラスティックマイク ロタイタープレートウェルならびにナイロンメンブレンおよびニトロセルロース メンブレンのようなメンブレンを包含する。しかし、遊離アッセイは固相支持体 の特定の選択に限定されず、そして当該分野において公知の任意の固相支持体が 使用され得る。 リランドが標識され、そして標識されたエレメントと固相エレメント上のレセ プターとを含む安定な複合体が形成される。一旦安定なレセプター:リランド複 合体が形成されると、これはサンプルに曝され得る。目的の分析物がサンプル中 に存在する場合、遊離反応が生じ、そしてその標識由来のシグナルが液相におい て検出される。遊離の程度、および従って液相におけるシグナル強度は、サンプ ル中の分析物の量と正に相関する。実際の濃度は、当業者に周知の技術に従って 得られるまたは調製される標準曲線から得ることができる。固相のシグナル強度 は、サンプル中の分析物の量とは逆に減少する。 多くの標識が不均一遊離アッセイにおいて使用され得る。標識(例えば、補因 子(例えば、FAD)、インヒビター 発色団、発蛍光団、化学ルミネセンス剤、 放射性同位元素、キレート複合体、色素、金コロイド、二次標識(例えば、ビオ チンまたはハプテン)、などが、液相において遊離反応後に、それぞれ、増加し た酵素活性、光学濃度、蛍光、ルミネセンス、放射能、色(色素について)、二 次標識の検出(例えば、ビオチンを検出するためにはアビジンまたはストレプト アビジン、あるいはハプテンを検出するためにはハプテン特異的抗体を使用する )、ならびに濁度(金コロイドについて)として検出され得る。レセプター:リ ランド複合体において結合したままの標識由来のシグナルが検出され得ない場合 、アッセイは分離工程なしに(例えば、単一容器中で)実施され得る。 非実験室環境のために好ましい特定の実施態様において、分析物の存在は、固 相支持体上の反応場におけるフォーマット(すなわち、文字)の出現により示さ れる。従って、インディケーターゾーンおよびコントロールゾーンを含む反応場 が、固相支持体上に調製される。インディケーターゾーンは不均一アッセイ形式 により提供されるような固定化レセプターを含む。インディケーターゾーンにお けるレセプター:リランド複合体は遊離反応に対して感受性である。コントロー ルゾーンは異なるレセプター:リガンドを含むか、またはコントロールゾーンに おけるリランド複合体は特異的な遊離反応に感受性ではないが、条件が非特異的 遊離を生じさせるような条件である場合、非特異的遊離を示し得る。 実際上、目的の分析物を含有するサンプルの反応場への接触は、インディケー ターゾーンにおける検出可能な遊離反応を生じ、そしてコントロールゾーンにお いて反応を生じない。遊離反応は、インディケーターゾーンに対応するコントラ ストのあるゾーンの形成として検出される。これを達成するために、遊離複合体 およびコントロール複合体の両方のための標識が、固体支持体とコントラストを なすように選択される。 コントラストゾーンの発色が存在しない場合、サンプルはネガティブである。 インディケーターゾーンおよびコントロールゾーンの両方の「退色」(すなわち 、両方の複合体からの標識の遊離)は、偽陽性反応、不適切な反応条件、または サンプルの可能な不純物を示す。これにより、コントロールゾーンは正確なアッ セイ結果のためのコントロールを提供する。別の実施態様において、青色のレセ プター:リランド複合体がその上に固定化される反応ゾーンは黄色である。もと は 黄色を覆い隠すリランド(青色)の遊離は、青色(ネガティブ)〜緑色(弱くポ ジティブ)〜黄色(強くポジティブ)の色の変化を生じさせる。 好ましくは、異なる文字または記号が、目的の分析物に依存してインディケー ターとして使用される。例えば、コカイン使用に特異的なインディケーターゾー ンは文字「C」のように形づけられ得;マリファナ使用のためのインディケータ ーゾーンは文字「M」のように形づけられ(「T」についてはテトラヒドロカナ ビノールのため)、そしてニコチン使用を示すためのゾーンは文字「N」のよう に形づけられる。 他のレセプター:リランドの組み合わせがコントロール複合体として同等に良 好に作動することは明らかである。単一の固相支持体が1つより多い検出場を含 み得ることがさらに意図される。なぜなら、単一の形式において、各々の検出場 は、特定の分析物に特異的であり、そしていかなる他の分析物(例えば、テトラ ヒドロカナビノール、ベンゾイルエクゴニン、およびコチニン)にも非感受性で あるからである。 このアッセイにおける使用に適切な標識としては、色素、金コロイドなどが挙 げられるが、これらに限定されない。また、任意の固相支持体がこの実施態様に おいて使用され得るが、プラスティックおよびメンブレン(例えば、ニトロセル ロースまたはナイロン)が好ましい。さらに、固体支持体(例えば、メンブレン )は、バーコード形式で整列される一連の標識されたリランド:レセプター複合 体の列(各々の列/バーが異なる分析物に特異的である)を有し得る。このよう な部材を例えば試験リガンド(例えば、乳汁、唾液、尿、血液、環境サンプルな ど)中に浸すと、バーに特異的な分析物の存在は、このバーからの標識されたリ ランドの消失を生じさせ、これはバーコードリーダーにより読みとり得る変化を 生じる。 別の実施態様において、FADがリランドに結合される。ストリップは、FAD-リ ランド:レセプター複合体、アポグルコースオキシダーゼ、グルコース、西洋ワ サビペルオキシダーゼ(HRP)、および色素原であるテトラメチルベンジジン(T MB)を含むメンブレンである。一緒に見なして、FAD、apoGO、グルコース、およ びHRPは、遊離を検出するための手段を構成する。分析物を含有するサンプルと メンブレンとの接触は、リランド/FADの遊離を生じ、これは次いで、グルコー スを酸化してH2O2を生成するapoGOを自由に活性化し、H2O2は次いでTMBにより還 元されて、TMBの青色酸化型を生じる。このシステムは、血液グルコースを測定 するためのストリップを製造するために使用される様式と同じ様式で製造され得 る。 さらに別の実施態様において、レセプター:リランド/FAD複合体は、温度計 型メンブレンの基部または「球」において固定化される。基部より上のストリッ プは固定化されたapoGOおよびペルオキシダーゼを含む。分析物によるFAD/リラ ンドの遊離は、FAD/リランドを浸透されたApoGOの長さに沿って移動させ、そし てapoGOに結合させる。ここでapoGOは活性な酵素に変換され、次いでこれは先の 段落において言及した色生成反応を開始する。遊離されるFAD/リランドの量に 比例して活性化されるストリップの長さまたはカラムの高さの部分は、色を変化 させ、そして温度計が読まれるように視覚的に読まれ得る。例えば、濃度に対応 する数字の目盛りが、ストリップの長さに沿って提供され得る。あるいは、数字 を付した目盛りの代わりに、読みとり領域が色ゾーンに分割され得、半定量的な 読みとりを示す。例えば、特定の色が、低い、中位の、高い、非常に高い濃度に 割り当てられ得る。別の好ましい実施態様において、上記の「温度計」型ストリ ップは、Serexの係属中の米国特許出願第08/047,156号(1993年4月13日出願、L ee OwnおよびFitzpatrickによる係属中特許)に記載の積層デバイス中に存在す る。 本発明は、以下の実施例によりさらに例証される。この実施例は、純粋に本発 明の特定の実施態様であると意図される。事実、本明細書において示されそして 記載されるものに加えての本発明の種々の改変は、記載および添付の図面から当 業者に明らかとなる。このような改変は、添付の請求の範囲の範囲内にあると意 図される。 実施例1:コチニンについての遊離アッセイ コチニンおよびトランス-3'-ヒドロキシコチニンは、ニコチンの主要な代謝物 である(Langoneら、1973,Biochem.12:5025-30;Jacobら、1991 J.Chroma tography 222:61-70; Neurathら、1987,Int.Arch.Occup.Environ.Health 59:199-201)。これらは、尿中に1:3の比率で出現する(Neurathら、前出) 。尿、血清または唾液中のコチニンの検出は、ニコチンへの曝露のレベルを測定 するために最も一般的に使用されている生化学的方法である(Fitzpatrick,199 1, Clinical Chemistry News,第11巻)。他の乱用の薬物とは異なり、コチニン は、受動的喫煙に起因して非使用者の体液において見出される。コチニンアッセ イについての目的の範囲は、唾液および血液試験のために必要な0.010μg/mlか ら、タバコ使用者の尿のための10μg/mlまでである(Greenbergら、1984,N.En gl.J.Med.310:1075-78;Matsukuraら、1984,N.Engl.J.Med.311:828-31 ; Sepkovicら、1986,J.A.M.A.256:863; Jarvisら、1987,Am.J.Public Heal th 77:1435-8; SchepersおよびWalk,1988,Arch.Toxicol.62:395-7; Langone ら、1988,J.I.M.114:73-8)。 この実施例において、非常に低親和性のリランドとしてN-プロピルカルボキシ ルノルコチニンおよびN-イソプロピルカルボキシルノルコチニンを使用するコチ ニン遊離アッセイが記載される。シス3'-ヒドロキシコチニンもまた評価した。 遊離アッセイを、EMITRアッセイに類似の均一形式および不均一形式(マイクロ タイタープレート、ELISA形式)において実施し、そしてコチニンについての従 来の競合アッセイと比較した。結果は、本発明の遊離アッセイがより正確であり 、そして公知のアッセイよりも少ない交差反応性からの干渉を示すことを実証し た。さらに、本発明の遊離アッセイは、直線的である(r=0.999(図4を参照 のこと))標準曲線および現在公知の競合、あるいは解離またはサンドイッチア ッセイよりも約3log高いダイナミックレンジを有する。 以下の材料および方法の節は、アッセイにおいて調製および使用される試薬、 ならびに用いられる方法の一般的な説明を記載する。 材料および方法 機器は、SLT Lab Instruments 340ATTC Microtiter Plate Reader、およびCOB AS MIRE Autoanalyzerを含んだ。尿サンプルはコチニンについて以前に分析され た一般的な集団に由来した。サンプルを-20℃で保存した。 全ての化学薬品は、他に記載しない限りSigma Aldrichに由来した。シスおよ びトランス-ヒドロキシコチニンは、George Neurath(Neurathら、前出を参照の こと)の研究室から購入した。グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD) チニン、およびコチニン尿標準品は、Serex,Inc.(Maywood,NJ)から市販され ている。 レセプター カルボキシルコチニンに対する抗血清を、以下のように得た:320 mgのキーホ ールリンペットヘモシアニン(KLH)を40 mlの脱イオン水中に溶解した。これに 300 mgのトランス-4-カルボキシルコチニンを、溶解されるまで混合しながら添 加した。300 mgの1-エチル-3-ジメチルアミノプロピルカルボジイミド(EDC)を 撹拌しながら反応混合物に添加し、そして室温で一晩撹拌した。KLH-カルボキシ コチニン結合物(免疫原)を、8時間2〜8℃でリン酸緩衝化生理食塩水に対し て透析した。透析液を4時間後に1回交換した。 ウサギをフロイントアジュバント中の免疫原で、数ヶ月にわたって複数の注射 で、標準的なプロトコルに従って免疫した。試験採血を規定された間隔で行い、 そして抗体力価の増加をコチニンについての酵素免疫検定法を用いて測定した。 抗体の親和性および交差反応性の測定もまた実施した。これらのアッセイが満足 な抗体性能を示した場合、ウサギを放血し、そして血清を単離およびプールした 。抗血清を-40℃で保存した。 IgG画分を硫酸アンモニウム沈澱により血清から分離した。イムノアフィニテ ィークロマトグラフィーカラムを、スクニシル化ヒドロキシコチニンをそのカル ボキシ基を介してアミノ-セファロース4Bに結合することにより調製した。アフ ィニティー精製した抗体を、メタ過ヨウ素酸ナトリウム法を用いて西洋ワサビペ ルオキシダーゼで標識した。 リランドの調製 1-イソプロピル-4-カルボキシル-5-(3-ピリジル)-2-ピロリジノン、(以後、N -イソプロピルノルコチニン)および1-プロピル-4-カルボキシル-5(3-ピリジル) -2-ピロリジノン(以後、N-プロピルノルコチニン)(図1Cおよび1D)をCushmanおよ びCastagnoli(1972,J.Org.Chem 37:1268)の方法に従って調製した。簡潔に記 載すると、50mlベンゼン中の17gピリジン-3-カルボキシル-アルデヒドの溶液に 、8gイソプロピルアミン(または8gプロピルアミン)および12gモレキュラー シーブペレットのベンゼン溶液を添加した。その混合物を、フラスコ内で20℃で 一晩撹拌した。その溶液を2層のWhatman No.2濾紙で濾過し、そして減圧下で蒸 発させ、黄色の油としてイミンを得た。この産物の構造をNMRにより確認した。 N-イソプロピルノルコチニンおよびN-プロピルノルコチニンを以下のように調 製した。12gのN-3-ピリジリデンイソプロピルイミンまたはN-3-ピリジリデンプ ロピルイミン、および15gの無水コハク酸を100mlのキシレン中で24時間還流し た。混合物を冷却後、上層をデカントしそして廃棄した。残った褐色の油を300m lの5%重炭酸ナトリウム溶液に溶解し、250mlのクロロホルムで2回洗浄し、そ して1gの活性炭を用いる吸着により脱色した。懸濁液を濾過し、そして黄色の 濾過液を蒸気バス上で加熱し痕跡量のクロロホルムを除去した。pHをpholsporic 酸で4.7に調整しその産物を沈澱させた。粗製のカルボン酸を濾過によって回収 しそして沸騰しているエタノールから再結晶化させ4gの白色結晶を得た。各化 合物の構造はNMRによって確認した。 グルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ(G6PD)結合物の調製 N-イソプロピルノルコチニン、N-プロピルノルコチニン、およびシス3'-ヒド ロキシコチニンのグルコース-6-リン酸への結合をRubensteinおよびUllman(1975 、米国特許第3,875,011号)に記載の方法を用いて調製した。簡潔に記載すると、 1mlの0.1M炭酸ナトリウム緩衝液(pH9.0)に、0.43mlのグルコース-6-リン酸デヒ ドロゲナーゼ(2.8mg)、20mgのNADH(二ナトリウム塩)、10mgのグルコース-6-リン 酸、および300μlのカルビタールを添加した。この溶液(「酵素溶液」)を4℃に 冷却して保存した。 空の試験管に26mgのN-プロピルまたはN-イソプロピルノルコチニン、12mgのN- ヒドロキシスクシンイミド、21mgのジシクロヘキシル-カルボジイミド、および1 .0mlのジメチルホルムアミドを添加した。この混合物を室温に1時間放置し、活 性化されたコチニンエステルを形成させた。1時間後、10μlの反応混合物を、 その冷酵素溶液に、15分の間隔で、合計70μlを添加するまで(合計90分)加えた 。反応混合物の最後の添加15分後に、その修飾した酵素を、0.055M Tris-HCl緩 衝液(pH 7.9)1リットルに対し少なくとも各3時間透析し、緩衝液は5回交換し た。 このG6PDは、リランドに結合させそして均一系で用いる場合には、標識として の使用する。結合されたリランドを不均一系で用いる場合には、そのG6PDは標識 として用いるのではなく、固相へのハプテンの結合を増強するためのキャリアタ ンパク質として用いる。G6PDに結合した場合、マルチマー形態のリランドは、モ ノマー形態のものよりも5logより高い会合係数である。この形態のリランドは 、もし(6カ月までの)長期の安定性を有する複合体が、この複合体がキットにお いて供給される場合に必要とされるように、必要とされる場合には好ましい。こ のような目的のために、5,000ダルトン以下のリランドが一般的に用いられる。 均一遊離アッセイ用の試薬 コチニンの均一遊離アッセイ用の試薬溶液を、3つの別々の溶液(試薬A、A +、およびB)として調製した。試薬Aは、0.74μg/mlのタンパク質濃度のグル コース-6-リン酸デヒドロゲナーゼリランド結合物、0.05M Tris緩衝液、5mM M gCl2、0.5mM EDTA、1.75mg/mlグルコース-6-リン酸、0.5%BSA、および防腐剤(p H 7.9)からなる。試薬A+は、試薬A緩衝液中の抗血清からなる。 試薬AおよびA+を使用前に混合し、4℃で1週間安定なワーキング溶液を作 製した。 試薬Bは、0.02M Tris緩衝液(pH 7.0)中3.3mg/mlのNADからなる。 交差反応性を以下のように調製したコチニンおよび/またはトランス-3-ヒドロ キシコチニン溶液を用いて試験した。10mlの陰性の尿プールに100μgのコチニン またはトランス-3'-ヒドロキシコチニンを加え、同陰性尿標準品にし、5、2.5 、1.25、0.62、0.31、および0.16μg/mlのコチニンまたはトランス-3'-ヒドロキ シ コチニンの溶液を作製した。 1:3のコチニン:トランス-3'-ヒドロキシコチニン溶液を調製するために、 陰性の尿標準品の10mlのアリコートに、100μgのコチニンおよび300μgのトラン ス-3'-ヒドロキシコチニンを添加した。この溶液をボルテックスし、そして同じ 陰性の尿標準品中に連続的に希釈し、5(15)、2.5(7.5)、1.25(3.75)、0.62(1.8 7)、0.62(1.87)、0.31(0.94)、0.16(0.48)μg/mlのコチニン(ヒドロキシコチニ ン)の希釈を形成した。 交差反応性を以下の式を用いて算出した; ELISA( 不均一)フォーマットにおける遊離アッセイ コーニングのマイクロタイタープレートを、1mlのPBS当たり1μgのタンパク 質で、N-プロピルノルコチニンに結合したグルコース-6-リン酸デヒドロゲナー ゼまたはN-イソプロピルノルコチニンに結合したグルコース-6-リン酸デヒドロ ゲナーゼいずれか100μlを用いて一晩コートし;ウエルを空にし、乾燥し、そし て使用するまで乾燥剤とともに保管した。遊離用に活性化するため、100μlの西 洋ワサビペルオキシダーゼ標識し、アフィニティー精製した、抗コチニン抗体と ともに、そのプレートを1時間インキュベートした。過剰の抗体を、0.05%のTw een 20を含むPBSで2回洗浄することにより除いた。 上述で調製した抗体:リランド複合体でコートしたマイクロタイタープレート の各ウエルに、10μlの尿標準品(0、0.5、2、および8μg/ml)および90μlの蒸 留水を加えた。2分後に、50μlの上清を100μlのTMBを含む非コートウエルに移 し、そして10分間インキュベートした。反応は、2N H2SO4で停止させ、そして A450nmで読んだ。 このアッセイの結果を図2に示す。遊離のコチニンがサンプル中に存在すると き、固相に複合体化した標識抗体の遊離が、上清中に検出された。従来の競合イ ムノアッセイとは異なり、吸光度またはシグナルは、分析物濃度に直接的に比例 した。最大遊離特性は、シス-ヒドロキシ-コチニン(曲線1)により示され、イソ プロピルコチニン(曲線2)が続き、N-プロピル化合物(曲線3)は最少遊離を示し た。ヒドロキシコチニン結合物の優れた遊離にもかかわらず、ヒドロキシコチニ ン化合物は、経時的に遊離不可能になる複合体を形成する傾向のために、この系 における適切なリランドであるとはみなされない。ELISAフォーマットにおいて は、終点遊離アッセイ(end-point release assay)は、従来のコチニンELISAフォ ーマットにおいて通常必要とされる1〜2時間を15分未満(遊離反応に2分そし てTMB発色に10分)に短縮させる。本アッセイの時間は、例えば、アッセイ工程を 自動化することにより(例えば、自動機器で反応速度アッセイを行うことにより) さらに短縮し得る。またこの遊離アッセイは、アッセイ工程の数を少なくとも半 分減少する。さらなる利点は、この遊離が分析物の存在下で陽性のシグナルを与 えることである。従来の均一アッセイ. NiMA AutoMatesR(Serex,Inc.の登録商標、Maywood、Ne w Jersey)のフォーマットは、Tubenstein,Schneider,およびUllman(1972、前 掲)に記載のように、均一、競合的、またはEMIT-型アッセイである。免疫反応に 対する2つの工程がある: Ab+分析物→Ab:分析物+Ab Ab:分析物+Ab+リガンド:酵素→Ab:リガンド:酵素+Ab:分析物 簡潔に記載すると、サンプルを抗血清と数分間プレインキュベートした。この 反応混合物に、コチニンリガンドに結合したグルコース-6-リン酸デヒドロゲナ ーゼ(酵素)を添加した。サンプル中のコチニンと相互作用しなかった抗体は、グ ルコース-6-リン酸デヒドロゲナーゼ上のコチニンに結合する。酵素結合リガン ドへの抗体の結合は、酵素活性を阻害し、それゆえ、その酵素活性は、直接的に サンプル中の分析物の濃度に直接関連付けられる。グルコース-6-リン酸デヒド ロゲナーゼの酵素活性を、NADHの形成をA340nmでモニターすることにより測定し た。NADHは、この酵素がグルコース-6-リン酸をグルコノ-ラクトン-6-リン酸に 酸化し且つNADをNADHに還元するときに形成する。 ターに従ってCOBAS MIRAでおこなった: 200μlの試薬Aを、37℃で75秒間10μlのサンプルとともにインキュベートし た。50μlの試薬Bを添加し、そしてその混合物を25秒間インキュベートした。 その吸光度を最後の250秒間にわたって読んだ。アッセイの合計の時間は5.83分 であった。均一フォーマットにおける遊離アッセイ. 本発明の均一アッセイを、従来の均 一アッセイと(リランド以外は)同じ酵素系および同じ試薬を利用して、AutoMate Miraで実施したが、遊離反応になるように以下のように改変した。 Ab:リランド−酵素+分析物→Ab:分析物+リランド−酵素 Ab:酵素産物を作製するために、緩衝液中のリランド:酵素結合物および緩衝 液中の抗血清(Ab)を、最低1時間混合し、4℃で1週間安定なワーキング試薬A を形成した。サンプル(25μl)およびNAD(10μl−試薬B)を、200μlのワーキン グ試薬Aに添加することにより開始した(25秒間インキュベートした)。吸光度を 最後200秒間にわたって読んだ。アッセイの合計時間は5.0分間であった。従来の 競合アッセイにおけるように、酵素活性をA340nmでNADHの形成をモニターする ことにより測定した。酵素活性は、サンプル中の分析物の濃度に直接比例する。 曲線は、遊離アッセイの範囲が大いに増加していることを示す(図3)。図3から 理解され得るように、従来の競合的EMIT-型のアッセイを用いて測定され得る最 大量は2μg/mlである。さらに、遊離アッセイの下点感度は、従来のアッセイが 50ng/mlであるのとは対照的に、10ng/mlである(表1を参照のこと)。遊離アッセ イの範囲は、その遊離アッセイが競合的ではなく、そしてそれが平行で始まる系 であるために、拡大される。従って、下点感度を失わせるノイズを増大させるこ となしに、酵素複合体のより高い開始濃度を用いることが可能である。従来の競 合的イムノアッセイにおいては、より多い試薬の添加は、最終平衡状態をシフト させることにより、アッセイの感度を変化させる。遊離アッセイを示すために用 いられる酵素濃度は、従来の均一(結合)アッセイの0.03μg/mlに比較して、0.50 μg/mlであった。しかし、従来型のアッセイは、遊離アッセイよりも酵素分子当 たり約8倍より多い抗体を有した。酵素に対する抗体の比がアッセイ感度を決め る。 競合および遊離フォーマットの比較を、他の変量を示すために、以下表1に提 示する。 表1は、遊離アッセイが競合アッセイより17倍多い酵素および2倍多い抗体を 利用することを示す。しかし、酵素および抗体の増加は、それらが競合イムノア ッセイにおけるようには感度の減少をもたらさない:(より少量の全反応物がこ の遊離アッセイで利用され得るが、これはこのアッセイの上限を制限しない)。 図4は、0.01〜1000μg/mlのこのアッセイの特別の範囲を示す。示した実施例で は、反応物の17倍の増加はこのアッセイの範囲の1,000倍以上の増加を生じ、曲 線の下点における感度および精度を損なわない。この処方は、10ng/mlに対して 感受性であり、そして唾液サンプルの定量に用い得る。従来のアッセイの酵素に 対する抗体の比は、遊離アッセイよりも、酵素分子に対して8倍多い抗体を使用 する。遊離アッセイでは、全抗体分子が、酵素に結合したリランドに結合し得、 そして分析物により遊離され得る。従来のアッセイでは、大過剰の抗体が存在し 、これは反応時間を短縮するが、感度を低下させる。反応混合物中の非常により 多いパーセントの抗体の活性をモニターする遊離アッセイの能力は、感度を増加 させ、そしてバックグラウンドノイズおよび反応時間を減少させる。ここで遊離 は、マルチマーからであり、そして100%までであり、それはマルチマーが実質 的に競合能のないことを示す。 交差反応性:トランスヒドロキシコチニン 従来のアッセイに比較したこの遊離アッセイのより高い特異性を、トランス-3 '-ヒドロキシコチニン(ニコチンの代謝産物)が、従来の競合アッセイにおける よりもこの遊離アッセイにおいて、非常に少なく干渉(交差反応)することを実 証することにより(表2)確認した。このことは、トランス-3'-ヒドロキシコチ ニンおよび他の代謝産物がイムノアッセイにおけるコチニンについての検出シス テムにおいて干渉するので重要である。 遊離アッセイは、従来のアッセイの1/4のヒドロキシコチニンとの交差反応 性を示した(shoed)が、曲線の低限(すなわち、臨床試験における濃度が重要 なところ)での交差反応性はなかった。重要なことに、従来のアッセイにおける 最も大きい干渉量は、曲線の低限(すなわち、交差反応性が所望されないまさに そのアッセイ部分)で観察された。 N-イソプロピルノルコチニンの交差反応性 抗体-リランド複合体の安定性および遊離能力をさらに試験するために、本発 明者らは種々のSerexコチニンアッセイ(これらはすべて同一の抗体を用いた) におけるN-イソプロピルノルコチニンの干渉能を特徴づけた。結果を表3に示す 。 リランドであるN-イソプロピルコチニンは、100μg/mlという高い濃度(十分 に生理学的範囲外の点)でさえ、検出抗体(すべてのアッセイについて同一)と の0.4%未満の交差反応性しか示さなかった。100μg/mlまでのリランドは、G-6-P -DH上でこれと複合体を形成した抗体との交差反応性を示さない。 臨床データ 遊離アッセイは、106の臨床サンプルを喫煙者として正確に同定した(0.5μg/ り販売されるElisaテスト)を、0.5μg/mlコチニンのカットオフを用いて比較し た。表5は、本発明の遊離均一アッセイが両方のテスト方法と100%相関するこ アッセイの精度 および2μg/mlの尿サンプルを用いて、COBAS MIRAにおける精度について評価し た(表6)。精度を用いて、同一サンプルにおける反復テストの変動率を示す。 遊離アッセイは、競合アッセイよりも2倍より高い精度の改善を示した。反応物 した。 本発明の遊離アッセイで観察される精度における2倍より多い改善は、おそら く多元的であり:開始システムは平衡であり;1つの反応、解離のみが生じ;そ してより低い交差反応性で証明されるように、マトリックスはおそらく、反応に おいてより低い効果を有する。 実施例2:骨粗鬆症マーカーについての遊離アッセイ 以下に示す骨粗鬆症アッセイのためのマーカーは、骨および軟骨の周知の分解 産物である遊離のピリジノリンである。このマーカーは、Akiba K.およびNakamu ra N.,1977,B.B.R.C.,76:1124の方法に従って調製され得る。 リランドについての候補物を、Aldrichカタログから選択されるピリジンアナ ログから選択した。2つのアナログ、ピリドキサミンおよびピリドキサールを、 以下のようにビオチンで標識した: ピリドキサール-ビオチン結合物の合成 DMF(1mL)中のピリドキサールの塩化水素塩(5.7mg、0.028mmol)およびビ オチンヒドラジド(7.9mg、0.031mmol)の混合物に、トリエチルアミン(4.7μL 、0.033mmol)を添加した。この混合物を4℃で一晩攪拌し、そして溶媒を減圧 下で除去した。残査をH2O中の0.1%トリフルオロ酢酸で処理し、そして溶媒を減 圧下で除去した。次いで、残査をメタノールから再結晶化して灰色がかった白い 粉末として5.0mgのピリドキサール-ビオチン結合物を得た。 ピリドキサミン-ビオチン結合物の合成 1.5mLのDMF中の塩酸ピリドキサミン(11.8mg、0.049mmol)の懸濁液に、トリ エチルアミン(Et3N)(20.5μL、0.15mmol)を添加した。次いで、上記の透明 な溶液に、N-ヒドロキシ-スクシンアミド-ビオチン(18mg、0.054mmol)を添加 し、そして得られた溶液を室温で2時間攪拌した。反応混合物を濃縮し、そして 残査を分取TLC(CH2Cl2中の1%Et3N-10%MeOH)によって精製して、10.1mgのピ リドキサミン-ビオチン結合物を桃色がかった粉末として得た。 抗ピリジノリンモノクローナル抗体へのビオチン化アナログの結合 ビオチン化したピリドキサミンおよびビオチン化したピリドキサールを、以下 のように抗ピリジノリン抗体に結合させた: 抗ピリジノリン(CaliforniaのMetra,Inc.によって生産されたPYRALINKS KIT からのモノクローナル抗体)を、PBS1mlあたり4.6μgの濃度で、RTで一晩、マ イクロタイタープレートにコーティングした。抗体をコーティングしたプレート を種々の濃度のビオチン化したリランド候補物(10μlリランド+90μl PBS 0/6 %Tween 20、pH7.4)とともに4℃で一晩インキュベートした。次いで、プレー トを洗浄し、そしてPBS(pH7.4)1mlあたり1mgのウシ血清アルブミン、0.06% Tween 20中の0.1μg/mlのアビジン-西洋ワサビペルオキシダーゼ結合物(Jackso n Immuno Research Lab.,PA)とともに30分間インキュベートした。洗浄後、結 合したペルオキシダーゼをTMBを用いて測定した。結合したペルオキシダーゼの 量は、抗体固相に結合したビオチン化したアナログの量と正比例した。ピリドキ サール-ビオチンの結果を、図12に示す。観察され得るように、ビオチン-ピリド キサール結合物は、抗体に対するより高い結合をもたらした。 遊離のピリジノリンによる抗体との複合体からの ビオチン化したピリドキサールの遊離 抗ピリジノリン抗体を、上記のようにマイクロタイタープレートにコーティン グした。抗体をコーティングしたプレートを、PBS(pH7.4)中の終濃度200μg/m lでのビオチン化したピリドキサール溶液100μlとともに、室温で2時間インキ ュベートした。洗浄後、プレートを洗浄緩衝液(pH7.4)中の1mg/mlのウシ血清 アルブミン中で、0.1μg/mlでのアビジン-ペルオキシダーゼ結合物(Jackson Im m.Res.Lab.から)とともに、室温で30分間インキュベートした。過剰のアビジ ン-ペルオキシダーゼ結合物を洗浄した後、遊離のピリジノリン(METRA、前出) での遊離を行った。PBS中の100μlの異なるレベルのピリジノリン(0、0.09μl /ml、0.9μl/ml)を、プレートに室温で10分間添加した。次いで、75μlの液相 を、別のマイクロタイタープレートに移し、そして脱イオン水中に1/10希釈した 75μlのSerex TMB溶液に添加した。遊離したペルオキシダーゼの量は、抗体との 複合体から遊離されたビオチン化したリランドの量を反映した。結果を図13に示 す。 実施例3:糖化(glycated)ヘモグロビンについての遊離アッセイ この実施例は、タンパク質である糖化ヘモグロビン(Hb Glc)についての遊離 アッセイの実施可能性を実証する。このような形式は、従来の競合アッセイまた はサンドイッチアッセイと比較して、増大した実施の容易さおよび増大した精度 をもたらす。詳細には、本発明のHb Glcアッセイは、ヘモグロビン(Hb)の糖化 形態と非糖化形態との間を識別する能力において、従来のアッセイよりも非常に 優れているようである。 Hb Glcは、正常なサンプルにおいて、ヘモグロビンの4%までを構成する。こ のレベルは、糖尿病患者において2〜3倍高くなり得る。従って、Hb Glcは、先 の1ヶ月間の血糖制御の有用な前兆の指標である。ヘモグロビンAlc(Hc Alc) の糖化修飾特性に加えて、1つ以上の任意の遊離のイプシロンアミノ基でのヘモ グロビンの3つのインビボの糖化部位が存在する。ヘモグロビンAlcは、ヘモグ ロビンのβ鎖のアミノ末端のバリンで糖化されたヘモグロビンである。この分子 上の他の3つの糖化部位は、Hb Alc中で糖化されてもよく、またはされなくても よい。正常なサンプルにおいて、2〜4%のヘモグロビンがHb Alcであり得、そ してこのレベルはまた、糖尿病患者において2〜3倍高くなり得る。 ヒトの糖ヘモグロビンに対して特異的な2つのモノクローナル抗体(クローン Al.58mg/ml E85.1Aロット94H 4.142、クローンB2mg/ml E85-1Bロット94C 3.0 l)を、Exocell(Philadelphia、PA)から得た。HbAo(糖化されていないHb)お よびHbGlcを、Exocellから得た。抗体を、糖化したHbおよび糖化していないHb( 両方ともExocellから得た)に対してそれぞれ以下のように力価測定した。 評価に使用した従来のアッセイ。マイクロタイタープレートを、PBS中のHb Ao またはHvGlcを用いて10μg/mlの濃度でコーティングした。クローンAおよびク ローンBをPBS中に1:20希釈し、そして各ウェルに100μlを添加し、そして1 時間インキュベーションした。プレートをPBSで洗浄し、そしてアルカリホスフ ァターゼで標識した抗マウス(Sigma A3688)と1時間相互作用させた。洗浄後 、アルカリホスファターゼを、p-ニトロ-フェニルホスフェート(PNPP)(Kirke gaardおよびPerry Labs,Maryland)を60分間用いて検出した(図5)。両方の クローンが糖化したより暗いパターンおよび糖化していないHbの両方と相互作用 した。クローンBは、より反応性であるようであった。 糖化していないHbに対する反応性は、糖化したHbで観察される反応性の50%〜 70%の間であった。従って、90〜98%の糖化していないHb+2〜10%の糖化した Hbが存在する従来のアッセイ形式において、この抗体は、糖化したヘモグロビン に高度に特異的ではない。 Exocellモノクローナル抗体を用いて観察される糖化したヘモグロビンと糖化 していないヘモグロビンとの間の交差反応性が予想された。糖化していないヘモ グロビンとHb Glcとの間に1つの小さな差異のみが存在し、これはリジンの糖化 であり、各分子中のエピトープの残りは同じままである。 両方の抗体が指向するヘモグロビンの配列は、β17(リジン)部位として同定 されているが、β66部位(これは、非常に類似している(両方の部位はgly-lys- val配列を共有する))との交差反応性が存在するようである。さらに、抗体は 糖化したHbとインビボおよびインビトロの両方で反応することが報告されている 。推定の糖化部位の配列を、以下に示す: βLys-17 WGKVNVD βLys-66 KAHGKVLGA この配列を有するペプチドであるアセチル化したアミノ(Ac-)Trp Gly Lys V al Leu Gly Ala Gly Glyを、潜在的なリランドとして調製した。上記の配列の両 方から構築されたハイブリッドであるこのペプチドを、PBS(pH7.4)中で0.5mg/ mlの濃度で、室温での0.5%グルコースでの6日間の処置に用いて、糖化を達成 した。糖化したペプチドを、アルブミンに結合し、そして以下のように、ELISA アッセイにおける固相試薬として用いた: マイクロタイタープレートを、PBS緩衝液中で、pH7.4で、5μg/mlのアルブミ ンで一晩コートした。次いで、プレートを、10μg/mlの濃度でのカルボジイミド (Sigma E6383)で処理し、そして100μlの糖化したペプチドを10μg/mlで添加 し、そして一晩反応させた。クローンAおよびクローンBの両方がこのペプチド に結合し、そしていずれも糖化したヘモグロビンによる結合を阻害されなかった 。このことは、糖化したペプチドが抗体に非常に良好に結合し、それゆえリラン ドとして適任でないことを実証した。 ペプチドの糖化は結合とともに、抗体に対して非常に高い親和性を有する産物 を生成するので、糖化していないペプチドをリランドとして選択した。リランド を、評価の目的のためにビオチンへの結合させ、リランド-ビオチン結合物を形 成することによって標識した。この産物をTLCによって精製し、そして抗Hb Glc モノクローナル抗体を結合する能力についてテストした。 詳細には、HbおよびHb Glcによって遊離されるリランド-ビオチン結合物の能 力をテストした。クローンBはより高い力価を有したので、抗体:リランド複合 体を、クローンBを用いて形成した。リランド-ビオチンを、各モノクローナル 抗Hb Glc抗体とともに別々にインキュベートした。4℃で72時間のインキュベー ション後、複合体化していないリランド-ビオチン結合物を、30,000のメンブレ ンカットオフを有するAmicon CENTRICON-30を用いる限外濾過によって除去した 。 糖化したHbによるリランドの遊離をテストした:予め形成した抗体:リランド 複合体に、Hb Ao(Sigma)またはHb Glcのいずれかを添加し、その後、30分間イ ンキュベーションした。Hb Ao(Sigma)はHb Alcを除去されていた。糖化したHb を、pH7.4のPBSで0.5%グルコースとともに7日間インキュベーションすること によって、Hb Ao(Sigma)から調製した。遊離量を、以下のように測定した: 分析物との複合体のインキュベーション後、混合物全体をアビジンでコートし たプレートに移した。ここでは、すべてのビオチン標識(すなわち、遊離された ビオチン-リランドおよび遊離されていないビオチン-リランド抗体複合体の両方 )が結合するはずである。HRP抗体で検出される、プレートに結合した抗体の量 は、抗体となお複合体化している遊離されていないビオチン-リランド結合物の 量に比例した。従って、低い吸光度は高い程度の遊離に等しい。データを図6 に示す。これらのデータは、Hb AoよりもHb Glcによる遊離が多いことを明らか に示す。 糖化ヘモグロビンは、かなりの量のリランドに結合した抗体を遊離し得た。糖 化していない形態と糖化した形態との間を識別するこの能力は、図7に示すよう に、従来のアッセイにおいてこの2つの形態の間を識別する、これらのクローン の能力より有意に優れていた。 実施例4:テオフィリンについての遊離アッセイ 本実施例は、テオフィリンの遊離アッセイについての開発を報告する。テオフ ィリンは喘息の処置に使用される。これは予防的に余りに無効であり過ぎ、そし て余りに毒性であり過ぎ、非常に狭い治療的範囲を有する。従って、テオフィリ ンレベルは、特に子供およびテオフィリンの代謝に影響を与え得る他の物質を摂 取する者において注意深くモニターされなければならない。 リランドの候補を、抗体供給者より提供される交差反応物のリストから化合物 を選択することにより選択した。0.6%の報告された交差反応性を有するテオブ ロミンを改変して(下記を参照のこと)標識への結合を可能にし、そして以下の ようにテオフィリンについての競合Elisaにおけるその交差反応性について評価 した: 1-アセチル-テオブロミン(ThBr-1-Ac)を、従来の競合Elisaフォーマットに おいて抗体でコートしたプレートへの結合について分析物(この場合、ビオチン 化テオフィリン(Th))と競合する能力について、テオブロミン(ThBr)と比較し た(図10): 抗テオフィリンモノクローナル抗体(テオフィリン8)(OEM Concepts,Toms River,NJ)をマイクロタイタープレート上に8μg/mLの濃度でコートした。抗 体でコートしたマイクロウェルを、0、1、10、100、1000μg/mLのテオブロミ ンおよび1-アセチル-テオブロミンならびに1:500希釈のテオフィリン-ペルオキ シダーゼ(BiosPacific,Inc.Cat #V57520より)と接触させた。反応物を1時 間室温でインキュベートし、そして洗浄後に、結合したペルオキシダーゼ活性の 量を脱イオン水で1:20希釈したSerex TMBを用いて検出した。図10に示すように 、 テオブロミンはテオフィリンの抗体への結合を阻害し得たが、テオブロミン-1- 酢酸は阻害し得なかった。従って、テオブロミン-1-酢酸は抗体への結合につい て分析物と有意に競合し得なかった。このことは、テオフィリンについての本発 明の遊離アッセイにおけるリランドとしてのその潜在的な適性を示す。また、吸 光度の20%の増大が1および10μg/mlのリランド濃度において見られたことに留 意のこと。これは、リランドに共通に伴われる特性である。 競合テオフィリンリガンドのビオチン結合物である8-カルボキシプロピルジメ チルキサンチン;(8-CP-テオフィリン)およびテオフィリンリランド(テオブ ロミン-1-酢酸)を以下のように合成した: 19mgの8 CP-テオフィリン(Sigma C4041)および18mgのThBr-1-AC(Wolfesお よびKornick、独国特許第352980号、1920年4月25日に従って合成した)を、N- ヒドロキシスクシンアミドおよびジシクロヘキシルカルボジイミド(dicylcohex ylcarbodiimide)(両方ともSigmaによる)によりそれらの活性なエステルに転 換した。活性化したエステルを、重炭酸ナトリウムでpH7に調整した蒸留水0.6ml に溶解した10mgの5-(ビオチンアミド)フェニルアミン(penylamine)(Pierce, No.21345)と相互作用させた。両方のビオチン結合物を分取薄層クロマトグラ フィーにより精製して均一な産物を得た。 モノクローナル抗テオフィリン抗体(O.E.M.Concepts,Toms River,NJ)と のそれぞれのビオチン結合物の時間依存性複合体形成を評価した。PBS(pH7.4) 中の8μg/mLの抗テオフィリンモノクローナル抗体で予めコートしたマイクロタ イタープレートに、40μg/mL、1μg/mL、および0.25μg/mLのビオチン化リガン ドまたはリランドの溶液の10μL、および90μLの洗浄緩衝液(PBS+0.06%Tween 20)を添加した。プレートを0、5、60、120、240、360、および5400分間(90 時間)インキュベートし、それぞれの時間の後にプレートを洗浄した。複合体形 成の量を、アビジン-ペルオキシダーゼ(2.2mg/mL、BSA-洗浄緩衝液で1:80,000 に希釈した)を添加し、そして30分間インキュベートすることにより測定した。 アビジン−ペルオキシダーゼを除去し、プレートをPBSで洗浄し、そしてペルオ キシダーゼ標識の量を、1ウェルあたり150μLのTMBを添加することにより検出 した。酵素反応を15分間進行させ、その後、50μLの2N H2SO4で停止した。450nm での吸光度を測定した。 結果を図8A、8B、および8Cに示す。図8A(40μg/mlのリガンドおよびリランド の結合)は、リガンド−ビオチン結合物の結合が約5分後に本質的に完全であっ たことを示す。しかし、リランドの結合は360分を必要とした。低濃度(図8B( 1μg/ml)および図8C(0.25mcg/ml))において、CP-テオフィリンの結合は本質 的に5分間後で完全であったが、テオブロミン-1-酢酸リランドの安定な結合は 約1週間のインキュベーションを必要とした。時間がより低い濃度を完全には補 い得ないことに留意のこと。 リランドレセプター形成の濃度依存性 マイクロタイタープレートを記載のように抗テオフィリンでコートし、そして ビオチン−リランド(テオブロミン-1-酢酸)およびビオチン:リガンド、0.000 5μg/ml〜500μg/mlの濃度の8-CPテオフィリン(10μlのビオチン結合物+90μl のPBS)とともに1時間室温でインキュベートした。結合したビオチンを、PBS、 0.1%のBSA、0.06%のTween中1:80,000のアビジンペルオキシダーゼ(Jackson, PA)とともに30分間室温でインキュベーションすることにより検出した。酵素活 性を、脱イオン水中1:20のSerexTMBを用いて15分間測定し、そして反応を2NのH2 SO4を用いて停止した。結果を図11に示す。リガンド−ビオチンの結合は1μg/ mlまたは10-7Mで起こるが、リランドは>200倍高い濃度の>250μg/ml(すなわ ち4.6×10-4)を必要とする。本発明者らは、リランドが10-8〜10-3Mの範囲、最 も好ましくは0.5〜5×10-4の範囲の濃度で提供されない限り効率的には結合しな いことを一貫して観察した。 複合体の遊離反応速度および安定性。 遊離反応速度をこれらのビオチン結合 物について評価した、図9Aおよび9B。遊離複合体を以下のように形成した: マイクロタイタープレート上でコートした(上記のように)抗体に対して、8- CP-テオフィリン(リガンド)については1μg/mlおよびThBr(リランド)につ いては100μg/mlの濃度の各ビオチン結合物10μlを、90μlのPBS、0.06%のTwee n 20(pH7.4)とともにプレート上で1時間室温でインキュベートした。プレー トの洗浄後、1μg/mlのテオフィリン標準品またはPBSコントロールを添加した 。5分から90時間の示した時間で、75μlのサンプルを取り出し、そして遊離に ついてアッセイした。遊離されたビオチン−リガンドまたはビオチン−リランド の量を、遊離されたビオチンが一晩PBS(pH7.4)中10μg/mlでコートしたアビジ ン(Sigma)で予めコートしたプレート上のPBS中1:40,000のビオチン−西洋ワ サビペルオキシダーゼ(Jackson Immuno Research,PA)の結合を阻害する能力 を検出することにより検出した。酵素反応を15分間行い、そして2N H2SO4で停止 した。吸光度を450nmで読みとった。 PBSコントロールは、リガンドおよびリランドの両方について最初の30分間に 結合が損なわれるが、残りの90時間の間は損なわれないことを示す。その間に自 発的な損失が存在するこの30分間は、その間に抗体:リガンドまたは抗体:リラ ンドが最初の免疫複合体よりも低い解離速度を有してより安定なコンフォメーシ ョンをとっている時間を示し得る。このことは、リランドおよびリガンドの解離 定数(Kd)が類似しており、そしてKdにおける差異を特定するFreytagとは対照 的に両方とも非常に低いことを示す。 リガンドの複合体である80-CP-テオフィリンを1μg/mlのテオフィリンと接触 させた場合、90時間を通じたさらなる遊離を伴って、顕著な遊離は30分間かかっ た(図9A)。対照的に、ThBrの完全な遊離はほとんど即時的であり、そして5分 未満を必要とし;さらなる遊離は起こらず、このことはThBr(リランド)の遊離 はKdとは独立していることを確認した。 実施例5:遊離アッセイのための検出システムにおいて APO グルコースオキシダーゼを用いるテオフィリンの検出 使用したテオフィリンリランドは、以下のようにFADに結合させたテオブロミ ン-1-酢酸であった: 1mlのジメチルホルムアミドに溶解した24mgのテオブロミン-1-酢酸に、13mg のN-ヒドロキシスクシンアミドおよび25mgのジシクロヘキシルカルボジイミドを 添加した。室温での1時間のインキュベーション後、活性化したテオブロミン-1 -酢酸を、0.1M炭酸緩衝液(pH9)中のcarricoおよびJohnson(米国特許第4,255, 566号)の方法に従って合成したN6アミノヘキシル-FADと混合した。一晩の反応 後、粗調製物を、エタノール/1M重炭酸トリエチルアンモニウム(9:1)の溶媒 系において分取TLCにより精製した。リランド-FAD結合物の最終濃度をA450nmで のFADのモル吸光係数を用いてFAD分光光学的に測定した。 0.01%より少ないテオブロミン-1-酢酸-FADとの交差反応性を有する抗テオフ ィリン(Biodesign,ME)を、4℃で一晩ロッカー上で反転させてゆるやかな混 合によりプロテインGアガロースゲル上で固定化し(0.4mlのプロテインGアガ ロースに対して1mg Ab)、続いて遠心分離により2回洗浄した。 リランド結合の条件 30μlのゲルを、以下の濃度でMillipore Filtrationデバイスのウェルに分配 した。3.35×10-6M抗体/ウェル(6.7×10-6M結合部位)を2.9×10-4M、38×10- 5 M、または3.8×10-6Mのリランド濃度にした。リランド-FADを室温で2時間結合 させ、次いでゲルを十分に洗浄し、続いて結合していないリランド-FADを除去す るために吸引した。 Ab により結合されるリランド/FADの検出 A.抗体:リランド-FAD複合体を1mg/mlのApoGoを40μl添加し、振盪しなが ら室温で15分間インキュベートすることにより検出した。ApoGOは複合体のFADに 結合した。結合していないApoGOを吸引により除去した。結合したApoGOの量を、 20usの西洋ワサビペルオキシダーゼ(2.5μg/ml)および50μlのTMB/グルコース (w0.5mg TMB/ml+500mg gluc/ml)のウェルへの添加により測定した。2分で液 体を吸引し、そしてA620nmでの吸光度をSLTマイクロタイターリーダー中で読み とった。50μlの2N H2SO4を添加し、そしてA450nmでの吸光度を読んだ: リランド.FADのモル濃度 450nmでの吸光度 0 0.09 3.8×10-6M 0.09 3.8×10-5M 0.15 2.9×10-4M 0.83 2.9×10-4モル濃度において、顕著な結合が起こる。10-4より下では、実施例 4に記載したように有意な結合は起こらない。 B.FAD-リランドについてのApoGO検出システムのダイナミックレンジの限界 を決定するために、60μlのリランド−FADをApoGO検出溶液に直接添加し、そし て3分間反応させた後、上記のように酸で停止させ、そして450nmでの吸光度を 読んだ: リランド:FADのM濃度 A450nm 2.4×10-6 >2.0 2.4×10-7 0.959 2.4×10-8 0.204 2.4×10-9 0.140 0 0.126 バックグラウンドは非常に低い。アッセイの検出範囲はオンサイトアッセイ( on-site assay)について使用可能な時間内(すなわち10分間以内)で10-9〜10- 6 Mである。 C.遊離を評価するために、免疫複合体を以下のように行った: リランド-FADを、1.9×10-4Mのリランド濃度および5.15×10-6Mの抗体濃度を 用いて、上記のように抗テオフィリンコートしたアガロースと相互作用させた。 過 剰のリランド-FADを遠心分離により、そして十分な洗浄を用いて取り除いた。免 疫複合体でコートしたアガロースビーズを上記の濾過プレートの8ウェルに分配 し、そして吸引した。遊離アッセイを、PBS(pH7.4)中のテオフィリン標準品( テオフィリン、Sigma T-1633d)60μlをビーズに添加し、そして10分間振盪しな がらインキュベートすることにより行った。遊離されたリランドを吸引し、次い で以下のようにApoGOを活性化するその能力を測定した: 60μlの吸引物に、1.5mg/mlのApoGO 30μl、2.5μg/mlの西洋ワサビペルオキ シダーゼ25μl、およびTMB/グルコース(1ml当たり0.5mgのTMB+1dlあたり50 0mgのグルコース)50μlを添加した。反応を、50μlの2NのH2SO4を用いて3分間 で停止し、そしてA450nmでの吸光度を読んだ。 遊離結果 テオフィリンの濃度 A450nm 10μg/ml(5.4×10-5M) 1.571 1μg/ml(5.4×10-6M) 1.425 0.5μg/ml(2.7×10-6M) 1.324 0 0.548 完全な遊離が0.5μg/mlで見られることに留意のこと。試験の感度は10-7と10- 6 Mとの間であり、そして最大の遊離は約10-6Mで達成される。このことは、2.7× 10-6Mで全てのFAD-リランドが遊離されたことを示す。反応混合物中の30μlのコ ートしたビーズが最大5.5×10-6MのAbを有し、従って最大のリランド収容能力は 約10×10-6となることが評価された、このことは遊離が完全であったこと、すな わちリランドが100%遊離されたことをさらに示す。上記の複合体は反応性を変 化することなく数日間保存され得る。 同じ試薬システムを、Pall Biodyne Bナイロン膜上で使用し、そして視覚によ り読みとって類似の結果を得た。膜フォーマットにおいて、免疫複合体はいずれ も同じ膜表面での物理的な分離により、または反対側の表面にいくつかの試薬を 配置することにより、ApoGOから分離される。例えば、本発明者らは、Pallバイ オメンブレンが他方の側に貫通することなく両側で浸透させ得、従って第2の膜 を第1の膜と接触させて使用することにより物理的な分離が提供されることを示 した。FAD-リランドが分析物により遊離されるときに、それはApoGOおよび他の 検出試薬に対して移動し、そして遊離されたリランド/FADおよび分析物の濃度 に直接比例する色を産生する。 考察 不均一フォーマット 予め形成された抗体−リガンド複合体の解離を含むアッセイシステム(Cocola ら、1979、Analytical Biochem.99:121-8;Hindsら、1984、Chin.Chem 30:1174 -8;Hindsら、1985、Chin.Chem.Acta 149:10-15)は結合パートナーとして競合 リガンドを利用したが、本発明の遊離アッセイは非競合システムである。これは 表4(前出)に示される。ここでリランドが競合しないことが示される。本発明 の遊離アッセイとは異なり、Cocolaら、Hindsら(1984)、およびHindsら(1968 )(前出)に記載される競合的解離アッセイは、他の免疫アッセイの競合的な方 法を超える顕著な利点を有するとは示されないことはまた注目に値する。本発明 はいかなる特定の理論にも結びつけられないが、本発明者らは、抗体が非常に低 い親和性相互作用を介して遊離リガンドに結合し、そしてより高い親和性を有す る結合パートナーの非存在下で、抗体は遊離され得る準安定性の複合体へのコン フォメーション変化を経るという仮説を立てる。複合体は、従来のリガンド結合 物で観察されたように安定になり過ぎ得る。例えば、N-イソプロピル-ノルコチ ニンは、安定な複合体の形成後の遊離を可能にするように免疫学的に重要でない 部位で巨大な官能基(bulky group)を提供するように設計された。 結論 本発明者らは、それに対して非常に低い親和性を有する結合パートナー(すな わち、遊離リガンドまたはリランド)と誘導される適合状態をとるレセプターの 能力を利用するアッセイ方法を開発した。遊離アッセイは、安定な予め形成され たレセプター:リランド複合体を提供し、これは分析物の存在下で迅速に解離さ れ得る。遊離システムは全ての免疫アッセイフォーマットで使用され得る。遊離 アッセイは従来のアッセイまたは会合アッセイを超える固有の利点を有する; 1.免疫反応における1つの工程を削除することにより、遊離は1つの工程の 時間および誤差の供給源の可能性を減じ、それによりアッセイ時間を短くしそし てアッセイ技術を簡単にする。 2.遊離(すなわち解離)は本来干渉を受けにくく、このことはそれをより正 確にする。 3.アッセイにおける全ての抗体をモニターする能力はノイズを減少し、そし て1000〜10,000倍の感度の範囲を可能にする。より感度の高いマーカーを用いる この方法は、従来のアッセイフォーマットにおいて利用可能な範囲の上および下 の両方に理論的範囲を拡大する。より多い反応物の添加は従来の免疫アッセイに おけるように感度を低下させないが、感度の上の範囲を拡大する。 4.遊離の重要な利点は、そこで解離が起こる穏やかな条件である。 5.システムの大きな範囲、分析物の存在との正の相関、および低いノイズは 、遊離アッセイフォーマットが1つの反応混合物において多くの分析物について スクリーニングするために使用され得ることを示す。 本発明は、本明細書中に記載される特定の実施態様により範囲が制限されない 。実際に、本明細書中に記載されるものに加えて本発明の種々の改変が、上記の 記載および添付の図面から当業者に明らかとなる。このような改変は添付の請求 の範囲の範囲内であると意図される。 種々の参考文献が本明細書を通じて引用され、それらのそれぞれがその全体と して本明細書中で参考として特に援用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.物質の組成物であって、以下: レセプター:遊離リガンド複合体、ここで該レセプターは分析物の結合パート ナーであり、そしてモノマー形態の該遊離リガンドが該レセプターに対する結合 の1%未満の交差反応性を有しており、 ここで該複合体は、該分析物の非存在下では安定であり、該遊離リガンドは、 分析物の非存在下では該レセプターに対して本質的には遊離不可能に結合されて いるが、分析物の存在下では該複合体は部分的ないし完全に解離可能であり、該 遊離リガンドは、該分析物に接触されたときに該レセプターから遊離可能であり 、そして ここで該遊離リガンドは、分析物と限られた交差反応性を有する、 を含む物質の組成物。 2.前記レセプターまたは遊離リガンドのいずれかは、レセプターまたは遊離状 態にある遊離リガンドの存在または量を示し得る検出手段の全体または一部で標 識されている、請求項1に記載の複合体。 3.前記複合体の会合定数が約10-5Mから10-3Mである、請求項2に記載の組成物 。 4.前記レセプターが抗体である、請求項3に記載の組成物。 5.前記複合体が固相支持系に結合している、請求項1に記載の組成物。 6.前記標識由来のシグナルの強度が、前記複合体の形成または解離に際して、 増加または減少する、請求項2に記載の組成物。 7.前記標識が、放射性元素、酵素、蛍光化合物、またはグルコースオキシダー ゼのFAD部分からなる群から選択される、請求項2に記載の複合体。 8.前記交差反応性が0.1%未満である、請求項1に記載の複合体。 9.前記リガンドが前記分析物に構造的に関連している、請求項2に記載の複合 体。 10.前記遊離リガンドが5000ダルトン未満である、請求項2に記載の複合体。 11.サンプル中の分析物の存在または量を検出するための方法であって、以下 : a.請求項2に記載の複合体を、該分析物を含有すると考えられるサンプル中の 分析物と接触させ、それにより該複合体の少なくとも一部が、遊離レセプターお よび遊離リガンドに解離する工程;および b.該サンプル中の分析物の存在または量の測定として、該遊離リガンドまたは 該レセプターのいずれかの標識を検出する工程、 を包含する方法。 12.前記レセプター:遊離リガンド複合体が、遊離された遊離リガンドの存在 または量を示し得る検出手段の全体または一部で標識されている、請求項11に 記載の方法。 13.前記遊離リガンドがそのように標識されている、請求項12に記載の方法 。 14.前記レセプターが、前記遊離リガンドのレセプターに対する会合定数より も高い会合定数を、前記分析物に対して有する抗体である、請求項13に記載の 方法。 15.前記標識が、放射性元素、酵素、蛍光化合物、またはグルコースオキシダ ーゼのFAD部分である、請求項14に記載の方法。 16.前記複合体は固体支持相に結合しており、それにより該複合体が解離する とき、前記抗体は該固相上に残る、請求項15に記載の方法。 17.前記レセプター:遊離リガンド複合体が予め形成される、請求項11に記 載の方法。 18.前記リガンドの分子量が5000ダルトン未満である、請求項17に記載の方 法。 19.遊離リガンドのレセプターに対する会合定数が、約10-5Mから約10-3Mであ る、請求項11に記載の方法。 20.前記遊離リガンドが5000ダルトン未満の分子量を有する、請求項9に記載 の組成物。 21.請求項1に記載の組成物を産生する方法であって、以下を含み: 遊離リガンドを、液体媒体中でかつ分析物の非存在下において、分析物に対す るレセプターと接触させる工程であって、ここでモノマー形態の該遊離リガンド が該レセプターと1%未満の交差反応性を有しており、該遊離リガンドは分析物 と検出できるほどには交差反応せず、そしてここで遊離リガンドの濃度は、該分 析物の非存在下で、該遊離リガンドの該レセプターへの結合を起こすために十分 である、 請求項1に記載の組成物を生成する方法。 22.前記接触工程が4℃から40℃で行われる、請求項21に記載の方法。 23.前記接触工程が4℃からおよそ室温で行われる、請求項22に記載の方法 。 24.接触工程の時間が12時間を越える、請求項23に記載の方法。 25.前記レセプターまたは前記遊離リガンドが、遊離されたレセプターまたは 遊離された遊離リガンドの存在または量を示し得る検出手段の全体または一部で 標識されている、請求項21に記載の方法。 26.前記レセプターが、遊離リガンドのレセプターに対する会合定数よりも高 い会合定数を分析物に対して有する抗体である、請求項25に記載の方法。 27.前記遊離リガンドがそのように標識される、請求項26に記載の方法。 28.サンプル中の分析物の存在または量を検出するためのキットであって、以 下: 請求項1に記載のレセプター:遊離リガンド複合体のレセプターおよび遊離リ ガンド、ならびに該複合体からのその解離に際してレセプターまたは遊離リガン ドの存在または量を示す検出手段、ここで該検出が該サンプル中の分析物と相関 付けする、 を含む、キット。 29.前記レセプター:遊離リガンド複合体が予め形成される、請求項28に記 載のキット。 30.前記複合体は固体支持相上に吸着される、請求項29に記載のキット。 31.前記標識由来のシグナルの強度が、前記複合体の形成または解離に際して 増加または減少する、請求項30に記載のキット。
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