JPH0658936A - 糖化蛋白の測定方法 - Google Patents

糖化蛋白の測定方法

Info

Publication number
JPH0658936A
JPH0658936A JP21407092A JP21407092A JPH0658936A JP H0658936 A JPH0658936 A JP H0658936A JP 21407092 A JP21407092 A JP 21407092A JP 21407092 A JP21407092 A JP 21407092A JP H0658936 A JPH0658936 A JP H0658936A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
albumin
glycated
protein
antibody
enzyme
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP21407092A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3171681B2 (ja
Inventor
Toshiki Kawabe
俊樹 川辺
Junichiro Shinoda
潤一郎 篠田
Katsumi Yoshikawa
勝己 吉川
Makoto Takahara
誠 高原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sekisui Chemical Co Ltd filed Critical Sekisui Chemical Co Ltd
Priority to JP21407092A priority Critical patent/JP3171681B2/ja
Publication of JPH0658936A publication Critical patent/JPH0658936A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3171681B2 publication Critical patent/JP3171681B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】測定対象となる糖化蛋白の蛋白部分に対して特
異的結合能を有する固相化抗体および標識化合物を用い
たサンドイッチ法により特定の糖化蛋白を測定する方法
であって、前記標識化合物が酵素標識ジヒドロキシボリ
ル化合物であることを特徴とする糖化蛋白の測定方法。 【効果】本発明の測定方法により、糖化蛋白の測定にお
いて、例えば、糖化アルブミン量と総アルブミン量を別
々に測定することなく、簡便に総アルブミン量に対する
糖化アルブミン量の相対比を求めることができるので、
糖化蛋白を容易に測定することが可能となった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は糖化蛋白の測定方法に関
する。更に詳しくは、例えば糖尿病の診断マーカーとし
て有用な糖化蛋白を測定する方法に関するものであり、
臨床検査分野等で利用される測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術・発明が解決しようとする課題】血液中の
蛋白成分であるアルブミンや赤血球中のヘモグロビンは
グルコースと非酵素的に反応して糖化され、糖化蛋白と
なることが知られている。この糖化を受ける蛋白の量
は、その蛋白が生体中に存在していた期間の体内のグル
コース量に比例しているため、体内の蛋白中の糖化蛋白
量を測定することは、糖尿病の診断等の臨床検査分野に
おいて有用である。
【0003】このような糖化蛋白量を測定するマーカー
としては、例えば、ヘモグロビンAlc(HbAlc)
あるいはフルクトサミン等が挙げられる。HbAlc
は、ヘモグロビンのβサブユニットのN末端アミノ酸に
グルコースが結合したもので、臨床検査において用いら
れるマーカーの一つである。HbAlcを用いる糖化蛋
白量の測定は、充填剤としてイオン交換樹脂を使用した
専用の高速液体クロマトグラフ(HPLC)によりおこ
なわれる(例えば、特開昭63−298063号公
報)。この測定法によるHbAlc値は総ヘモグロビン
量に対するHbAlc量の相対パーセントで示されるた
め、測定値が被検試料中に含まれるヘモグロビン量の影
響を受けないという特徴があるものの、異常ヘモグロビ
ン(例えばHbS)の影響を受けることがあるという問
題がある。
【0004】また、フルクトサミンをマーカーとして用
いる測定法は、糖化蛋白の還元性を利用した比色法であ
り、生化学検査用の自動測定機を用いて血漿あるいは血
清中に含まれている糖化蛋白量を測定する方法である。
この測定法によると、糖化蛋白量の絶対量としてフルク
トサミンの測定値が示されるので、測定値が試料中に含
まれている蛋白量の影響を受けるという問題がある。
【0005】また、他の測定法として、ボロン酸アフィ
ニティー法を利用した、HPLCを用いた糖化蛋白質の
測定法が知られている。ボロン酸アフィニティー法は、
ボロン酸が弱アルカリ条件下でシス・ジオール基を持つ
物質と可逆的な結合体を作ることを利用した方法であ
り、例えば、クロマトグラフィー用の充填剤としてアミ
ノフェニルボロン酸をセルロースやポリアクリルアミド
樹脂に結合させた例が報告されている。ボロン酸は弱ア
ルカリの条件下でボロン酸陰イオンとなり、シス・ジオ
ール基を持つ物質と安定な結合体を形成する。この結合
体は可逆的でpHを酸性側にすることにより解離する。
この性質を利用して充填剤としてボロン酸を使用するこ
とによって、シス・ジオール基を持つ物質の充填剤への
吸着・脱着をpHの変化だけでコントロールすることが
できる。
【0006】ボロン酸アフィニティー法を利用した、H
PLCを用いる糖化アルブミンの測定について、その専
用測定機は未だ当業界に普及していないものの、特開平
2−96657号公報によると、この測定法による糖化
アルブミン値は、血漿あるいは血清試料中に含まれてい
るアルブミンのうち、糖化されたアルブミン量の総アル
ブミン量に対する相対パーセントで示される旨が記載さ
れている。従って、フルクトサミンをマーカーとする測
定法等で問題になっている試料中の蛋白量変動による測
定値への影響がないことから、糖尿病の診断等の臨床検
査分野において非常に有用であると考えられる。
【0007】即ち、ボロン酸アフィニティー法を利用し
た、上記のHPLCによる糖化アルブミンの測定法とし
て同公報には、第1カラムで試料中のアルブミンと他の
蛋白を分離した後、アルブミンのみを第2カラム(ボロ
ン酸アフィニティーカラム)に導き糖化アルブミンと非
糖化アルブミンに分離する方法が記載されている。ま
た、その他のHPLCによる糖化アルブミンの測定法と
して、臨床化学、第20巻補冊2号(1991年)中の
34b頁及び35b頁では試料をボロン酸アフィニティ
ーカラムにより糖化成分と非糖化成分に分離した後、ア
ルブミンのみと特異的に結合する色素(ブロムクレゾー
ルパープル)を用いて、ポストカラム法によりアルブミ
ンを検出する方法が記載されている。
【0008】また、他の測定法として、糖化蛋白に対す
る特異的抗体を用いて糖化蛋白を検出して測定に用いる
方法が開発されており、ELISA法による糖化アルブ
ミンの測定キットがアメリカのEXOCELL,IN
C.社からGLYCABENの商品名で販売されてい
る。ここでいうELISA法とは、固相化抗ヒト糖化ア
ルブミンモノクロナール抗体と酵素標識抗ヒトアルブミ
ンポリクローナル抗体とのサンドイッチ法である。この
キットでは、試料中の糖化アルブミン量をELISA法
で、総アルブミン量をBCG(ブロムクレゾールグリー
ン)法で別々に測定し、測定値を総アルブミン量に対す
る糖化アルブミン量の比(パーセント)で表すようにな
っている。
【0009】しかしながら、前記HPLC法による測定
は1検体当たりの測定時間が長いため、同時に多数検体
の測定ができないという問題がある。また、前記ELI
SA法による測定キットを用いた測定では、総アルブミ
ン量に対する糖化アルブミン量の存在比を測定するため
には、糖化アルブミン量と総アルブミン量を別々に測定
する必要があるので、非常に手間のかかるものである。
また、前記ELISA法による測定キットを用いた測定
では、固相化抗ヒト糖化アルブミン抗体としてアルブミ
ンの糖化部位を認識するモノクローナル抗体を使用して
いるが、ヒトアルブミンは4カ所の糖化を受ける部位が
あるため、1種のモノクローナル抗体だけでは糖化アル
ブミン量を正確に測定することはできないという欠点を
有している。このように糖化アルブミンに対するモノク
ローナル抗体を利用した糖化アルブミンの測定は、抗原
−抗体反応を利用するので特異性に優れているものの、
全ての糖化アルブミンを認識できる抗体を作製すること
は困難であるという問題がある。
【0010】また、他の免疫学的な測定法として、特開
昭62−100660号公報には、糖化蛋白質を特異的
に吸着するフェニルボロン酸などの基質特異性/親和性
の吸着体を結合させた固相とある特定の蛋白質にのみ特
異的親和性を有する標識化抗体を用いる方法により、あ
る特定糖化蛋白質のみを特異的に測定する方法が記載さ
れている。この方法は、ある特定糖化蛋白質の存在量を
特異的に測定できる点で優れた方法であるが、フェニル
ボロン酸に結合するのは種々の糖化蛋白質であるため、
臨床的に意義のある特定蛋白質の糖化割合を測定するた
めには特定蛋白質の総量を別に測定することが必須であ
るという問題がある。
【0011】また、他の免疫学的な測定法として、特開
昭64−16964号公報には、特定蛋白質に対する抗
体を担体上に固定化した固相化抗体と被検液とを反応さ
せた後、固相上の遊離の糖を除去し、還元剤を用いて糖
化蛋白質の糖化部分を還元型に還元し、該還元反応時ま
たは還元反応後標識化抗還元型糖化蛋白質抗体を反応さ
せ、固相と液相を分離し、いずれかの相の標識量を測定
し、その測定値から特定糖化蛋白質含量を測定する方法
が記載されている。この方法は、被検液として固相上に
固定化した既定量の抗体のすべてに特定蛋白質が結合し
うる濃度以上で特定蛋白質を含有しうるものを用いるこ
とにより、同一の固相化抗体に結合する特定蛋白質量は
常に一定となるため、特定蛋白質の総量を測定する手間
を省くことができるという点で優れた方法であるが、還
元工程が必要であるので操作が複雑化すること、抗還元
型糖化蛋白質抗体が必要であるがロット間差のない抗体
の作製が容易でないことなどの問題がある。
【0012】従って、本発明の目的は糖化蛋白の測定方
法であって、糖化蛋白の存在比を簡易に測定することの
できる方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意検討した結果、本発明に到達し
た。すなわち、本発明の要旨は、測定対象となる糖化蛋
白の蛋白部分に対して特異的結合能を有する固相化抗体
および標識化合物を用いたサンドイッチ法により特定の
糖化蛋白を測定する方法であって、前記標識化合物が酵
素標識ジヒドロキシボリル化合物であることを特徴とす
る糖化蛋白の測定方法に関する。その具体的な態様とし
ては、次のような態様がある。
【0014】(1)以下の工程を有する糖化蛋白の測定
方法、 測定対象となる糖化蛋白の蛋白部分に対して特異的
結合能を有する固相化抗体と試料中の糖化蛋白を反応さ
せて、固相化抗体−糖化蛋白複合物を形成させる工程、 酵素標識ジヒドロキシボリル化合物と前記固相化抗
体−糖化蛋白複合物を反応させて、固相上に前記固相化
抗体−糖化蛋白を介して前記酵素標識ジヒドロキシボリ
ル化合物を結合させる工程、および 洗浄後、固相上の酵素活性を測定する工程、 (2)前記(1)記載の工程と工程の間に洗浄工程
をさらに有する糖化蛋白の測定方法、 (3)以下の工程を有する糖化蛋白の測定方法、 酵素標識ジヒドロキシボリル化合物と試料中の糖化
蛋白を反応させて、酵素標識ジヒドロキシボリル化合物
−糖化蛋白複合物を形成させる工程、 測定対象となる糖化蛋白の蛋白部分に対して特異的
結合能を有する固相化抗体と前記酵素標識ジヒドロキシ
ボリル化合物−糖化蛋白複合物を反応させて、固相上に
前記固相化抗体−糖化蛋白を介して前記酵素標識ジヒド
ロキシボリル化合物を結合させる工程、および 洗浄後、固相上の酵素活性を測定する工程、 (4)測定対象となる糖化蛋白の蛋白部分に対して特異
的結合能を有する固相化抗体、試料中の糖化蛋白および
酵素標識ジヒドロキシボリル化合物を実質的に同時に反
応させて、固相化抗体−糖化蛋白−酵素標識ジヒドロキ
シボリル化合物の複合物を形成させ、次いで洗浄後、固
相上の酵素活性を測定することを特徴とする糖化蛋白の
測定方法。
【0015】本発明の測定方法は、前記のように測定対
象となる糖化蛋白の蛋白部分に対して特異的結合能を有
する固相化抗体および標識化合物を用いたサンドイッチ
法により特定の糖化蛋白を測定する方法に関するもので
あるが、本発明でいうサンドイッチ法とは、測定対象と
なる糖化蛋白の蛋白部分に対して特異的結合能を有する
蛋白を固相化抗体と標識化合物の間にサンドイッチ状に
挟んで結合させ、固相化抗体−測定対象となる蛋白−標
識化合物の複合体を形成せしめ、該標識化合物の標識を
利用して測定対象となる蛋白の存在量を測定する方法を
いう。
【0016】以下に本発明の糖化蛋白の測定方法につい
て、測定対象となる蛋白が糖化アルブミンである場合に
ついて例示し、更に詳しく説明するが、本発明の測定方
法の対象となる糖化蛋白は特にこれに限定されるもので
はなく、例えば糖化ヘモグロビン等も同様に本発明の測
定方法の対象となる。また測定対象となる糖化蛋白を有
する試料は、前記のような糖化タンパクを含有する生体
由来のものであればよく、たとえば尿、血液、各種臓器
抽出物等があげられる。
【0017】本発明による測定の原理を以下に述べる。 (1)糖化アルブミンの蛋白部分に対して特異的結合能
を有する抗体をプレート等に固相化させた固相化抗体と
試料を反応させることにより、試料中のアルブミンおよ
び糖化アルブミンの蛋白部分が該固相化抗体と結合した
固相化抗体−アルブミン複合物および固相化抗体−糖化
アルブミン複合物が形成される。 (2)固相化抗体に結合しなかった試料中の成分を吸引
除去し、固相を洗浄する。 (3)結合した糖化アルブミンに対して過剰量の酵素標
識ジヒドロキシボリル化合物を、(2)の洗浄工程によ
り得られた固相に添加して、固相化抗体−糖化アルブミ
ン複合物を、弱アルカリ条件下で反応させる。この反応
で固相に結合している糖化アルブミン中のシス・ジオー
ル基と酵素標識ジヒドロキシボリル化合物のボロン酸陰
イオンが結合する。一方、固相化抗体−アルブミン複合
物はシス・ジオール基を持たないため酵素標識ジヒドロ
キシボリル化合物と何ら反応することなく存在してい
る。 (4)反応に関与しなかった遊離の酵素標識ジヒドロキ
シボリル化合物を吸引除去し、固相を洗浄した後、基質
液を添加して発色させて酵素活性を測定する。 (5)標準試料の測定により得られる糖化アルブミン量
と発色量の関係から検量線を作成し、これを用いて測定
試料中の糖化アルブミン量を計算する。
【0018】上記の本発明の測定方法の各工程について
以下に更に詳しく述べる。 (1)の工程における固相化抗体に用いる抗体として
は、糖化アルブミンの蛋白部分に特異的結合能を有する
ものである。従って、糖化されていないアルブミン自体
に対しても特異的結合能を有するが、その結合能が糖化
アルブミンと非糖化アルブミンで差がなければ、モノク
ローナル抗体であってもポリクローナル抗体であっても
よい。中でも測定結果のより高い再現性を確保する点か
らモノクローナル抗体が好ましく、またその場合アルブ
ミンに対してグルコースが結合するリジン残基から立体
的に離れた位置に抗原決定基を持つモノクローナル抗体
であることが、糖化アルブミンと非糖化アルブミンで特
異的結合能に差のない抗体を得る上でより好ましい。
【0019】このような抗体を固定化する固相として
は、シス・ジオール基を含有せず本測定法における各工
程が行なえればよく、その材質としては主に無機物質粉
末、合成高分子を含む有機物質が挙げられる。無機物質
粉末としては、ガラス、シリカもしくはアルミナまたは
金、チタン、鉄もしくはニッケル等の金属片が挙げられ
る。また、その形状としては、フレーク状、ビーズ状、
管状、また樹脂を成形して得たプレート状のもののいず
れもが使用できる。測定における各工程を自動化する観
点からはマイクロプレートが特に好ましい。固相に抗体
を結合させるには、蛋白を固相に結合させる公知の方法
を適宜使用することができ、物理的吸着、化学的結合の
いずれも使用することができる。なお、用いる抗体は糖
鎖を有するため、あらかじめグリコペプチダーゼ(アー
モンド由来)またはNーグリカナーゼなどによる酵素処
理により糖鎖をFcフラグメントから除去するか、また
はペプシン処理によりF( ab' ) 2 の形にし、糖鎖部
分を有するFcフラグメントを除くなどの公知の方法に
より、抗体に由来する糖鎖の影響を除去してから固相に
抗体を結合させてもよい。
【0020】本発明の方法において、糖化アルブミンと
非糖化アルブミンの存在比を算出する場合には、固相に
固定化する抗体量を一定にしておくことが必要となる。
即ち、固相化抗体に結合するアルブミンおよび糖化アル
ブミンの総和を一定にしておくことにより、後述の
(5)の工程における検量線による糖化アルブミンの計
算値を、総アルブミン量に対する糖化アルブミン量の相
対比とすることができる。このような点から固相に所定
量の抗体を固定化した後に、過剰の抗体が固相化されな
いためにブロッキング剤を使用するのが好ましい。この
ようなブロッキング剤としては、ウシ血清アルブミン
(BSA)、カゼインおよび界面活性剤等が挙げられ
る。該ブロッキング剤がシス・ジオール基を有している
場合、バックグランドが大きくなるため、あらかじめ、
ボロン酸アフィニティーカラムクロマトグラフィー法、
酵素による糖鎖除去法等の公知の手法により、これらの
ブロッキング剤の成分から糖化成分を除去しておくこと
が測定感度を向上させる上で望ましい。しかしながら、
該ブロッキング剤が仮にシス・ジオール基を有していた
としても、各ロット(測定バッチ)内においてブロッキ
ング剤の成分中のシス・ジオール基量さえ一定であれ
ば、糖化アルブミン量の測定は可能である。
【0021】前記(1)の工程では、固定化された抗体
量を一定にしておき、かつ固相化抗体の全抗体と反応す
るのに十分な量のアルブミン及び糖化アルブミンを含む
試料を固相化抗体と反応させることにより、結合するア
ルブミン及び糖化アルブミンの総量を各測定バッチ内で
同量とすることができる。さらに固相化抗体として、前
記のように糖化アルブミンに対しての特異性と非糖化ア
ルブミンに対しての特異性とにおいて差のないものを用
いることにより、試料との反応後の固相化抗体−アルブ
ミン複合物と固相化抗体−糖化アルブミン複合物の存在
比をもって試料中の糖化アルブミンと非糖化アルブミン
の存在比とみることができる。
【0022】(2)の洗浄工程に用いる洗浄液として
は、生理食塩水、リン酸またはトリス−塩酸等の緩衝液
が好ましい。また、これらの緩衝液等に界面活性剤等を
含有させてもよい。なお、この工程は(4)の洗浄工程
で代用することができるので、省略することが可能であ
る。
【0023】(3)の工程で用いる酵素標識ジヒドロキ
シボリル化合物としては、アミノフェニルボロン酸等の
酵素標識物が挙げられ、特にアミノフェニルボロン酸の
酵素標識物が好ましい。ジヒドロキシボリル化合物を酵
素標識するには、2段階グルタルアルデヒド法、マレイ
ミド法およびピリジル・ジスルフィド法等の公知の標識
法(石川 榮治ら、酵素免疫測定法 第3版、医学書院
(1987年)等に記載されている)を用いて、ジヒド
ロキシボリル化合物中のアミノ基と酵素中の官能基(例
えばアミノ基やチオール基など)の架橋反応により容易
に酵素標識ジヒドロキシボリル化合物を得ることができ
るが、高収率および高再現性を得るためにはマレイミド
法を選択することが好ましい。
【0024】なお、ジヒドロキシボリル化合物に対する
標識酵素としては、シス・ジオール基を含有せず、前記
ジヒドロキシボリル化合物との結合反応に用いるアミノ
基またはチオール基等の官能基をもち、酵素−基質反応
により発色性を示すものであれば、特に限定されるもの
ではない。糖化アルブミン中のシス・ジオール基と酵素
標識ジヒドロキシボリル化合物のボロン酸陰イオンは、
pH7.5〜9.5程度の弱アルカリ下で結合するの
で、反応試薬の種類を減らして工程を簡略化する目的か
ら、シス・ジオール基を含有せず、かつpH7.5〜
9.5程度の弱アルカリ下で酵素反応が進む酵素を選択
することが望ましい。例えば、β−D−ガラクトシダー
ゼ、アルカリフォスファターゼなどが挙げられ、特に酵
素の至適pHの点からβ−D−ガラクトシダーゼが好ま
しい。また、弱アルカリ下以外のpH条件で酵素反応が
進む酵素を用いるときは、糖化アルブミンと酵素標識ジ
ヒドロキシボリル化合物を弱アルカリ下で結合させ、
(4)の工程で過剰の遊離の酵素標識ジヒドロキシボリ
ル化合物を吸引除去し、固相を洗浄した後、使用する酵
素の酵素−基質反応に好適なpH条件となるように調節
すればよい。酵素標識ジヒドロキシボリル化合物と固相
化抗体−糖化アルブミン複合物の反応は、pH7.5〜
9.5下にて反応温度20〜40℃、反応時間は30分
から2時間で行われる。これにより固相上に前記固相化
抗体−糖化蛋白を介して酵素標識ジヒドロキシボリル化
合物を結合させることができる。
【0025】(4)の工程で用いる基質液とは、(3)
の工程で用いた酵素標識ジヒドロキシボリル化合物の標
識酵素に対する基質を含有する溶液である。この洗浄工
程に用いる洗浄液としては、前記(2)の工程と同様に
トリス−塩酸緩衝液等が好ましい。
【0026】(5)の工程において、標準試料の測定に
より得られる糖化アルブミン量と発色量(吸光度)の関
係から得られる検量線を基礎にした計算により得られる
糖化アルブミン量は絶対量であるが、固相化抗体の量を
あらかじめ一定にしておいて過剰の試料と接触させれ
ば、抗体に反応する試料(標準試料あるいは測定試料)
中のアルブミン量も一定となるので、検量線から計算す
る過程で絶対量である糖化アルブミン量(横軸)を総ア
ルブミン量に対する糖化アルブミン量の相対比(パーセ
ント、横軸)で置き換えて糖化アルブミン値(パーセン
ト)とすることができる。すなわち、総アルブミン量に
対する糖化アルブミン量の比を一度に測定することが可
能になる。
【0027】なお、本発明の測定方法において、前記
(1)の工程(固相化抗体−アルブミン複合物、固相化
抗体−糖化アルブミン複合物を形成する工程)と、前記
(3)の工程(糖化アルブミンと酵素標識ジヒドロキシ
ボリル化合物を結合させる工程)の工程の順序を逆にし
てもよい。即ち、まず先に(a)試料中の糖化アルブミ
ンと酵素標識ジヒドロキシボリル化合物を反応させて結
合させ、酵素標識ジヒドロキシボリル化合物−糖化蛋白
複合物を形成させる。この場合、糖化されていない非糖
化アルブミンは、酵素標識ジヒドロキシボリル化合物と
は反応することなくそのままの状態で混在する。なお、
この(a)工程において、糖化アルブミンと酵素標識ジ
ヒドロキシボリル化合物を結合させる反応は、前記
(3)の工程の場合と同一の反応条件で行うことができ
る。次に、(b)測定対象となる糖化蛋白の蛋白部分に
対して特異的結合能を有する固相化抗体と前記酵素標識
ジヒドロキシボリル化合物−糖化蛋白複合物を反応させ
て、固相上に前記固相化抗体−糖化蛋白を介して前記酵
素標識ジヒドロキシボリル化合物を結合させる。ここで
用いる固相化抗体は、前記のように糖化アルブミンに対
しての特異性と非糖化アルブミンに対しての特異性とに
おいて差のないものを使用するので、糖化アルブミンの
存在比に応じた量が固相化抗体と結合する。これにより
固相上に固相化抗体−糖化蛋白を介して酵素標識ジヒド
ロキシボリル化合物を結合させることができる。次に
(c)固相に結合していない遊離の酵素標識ジヒドロキ
シボリル化合物や酵素標識ジヒドロキシボリル化合物−
糖化蛋白複合物等を除去して固相を洗浄し、(d)前記
の方法と同様にして固相上の酵素活性を測定する。この
方法によれば、糖化アルブミンと酵素標識ジヒドロキシ
ボリル化合物を結合させる(a)工程と固相化抗体−ア
ルブミン複合物、固相化抗体−糖化アルブミン複合物を
形成する(b)工程の間には洗浄工程は不要である点で
簡易な方法といえる。
【0028】また、本発明においては、前記(1)の工
程及び(3)の工程を実質的に同時に行い、工程
(4)、工程(5)に入ることも可能である。即ち、測
定対象となる糖化蛋白の蛋白部分に対して特異的結合能
を有する固相化抗体、試料中の糖化蛋白および酵素標識
ジヒドロキシボリル化合物を実質的に同時に反応させ
て、固相化抗体−糖化蛋白−酵素標識ジヒドロキシボリ
ル化合物の複合物を形成させ、次いで洗浄後、固相上の
酵素活性を測定する。この場合、固相化抗体、糖化アル
ブミン及び酵素標識ジヒドロキシボリル化合物を結合さ
せる反応は、pH7.5〜9.5下にて反応温度20〜
40℃、反応時間は30分〜2時間で行われる。
【0029】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定
されるものではない。なお、本実施例においては、以下
の試薬および試料を用いた。 (1)PBS(リン酸緩衝液)の調製:リン酸一ナトリ
ウム(2水和物)、リン酸二ナトリウム(2水和物)お
よび塩化ナトリウムをリン酸及び塩化ナトリウムの終濃
度がそれぞれ0.02M、0.15Mとなるように、ま
た、pHが7.2となるように精製水を加えて調製し
た。 (2)1%カゼインナトリウム−PBSの調製:前記P
BSにカゼインナトリウム(和光純薬製 化学用)を1
%(W/V)となるように溶解した。 (3)測定試料の調製:5名の健常者および5名の糖尿
病患者より採取した血液を室温で60分放置した後、3
000rpmで10分間遠心し、上清(血清)を測定試
料とした。表1〜表4中の1〜5は健常者、6〜10は
糖尿病患者より得られた試料を示す。 (4)標準試料の調製:イン・ビトロでヒト血清アルブ
ミン(HSA、シグマ社製)とグルコースを、蒸留水1
L中にHSAが40g、グルコースが18g含まれるよ
うに加え、インキュベート(37℃、7日間)した。そ
して、これをボロン酸アフィニティーカラムクロマトグ
ラフィー(アイソラブ社製)を用いて、糖化アルブミン
と非糖化アルブミンを分離・分取し、糖化割合が0.
0、10.0、20.0、40.0%となるようにそれ
ぞれを混合後、生理食塩水を用いて総アルブミン濃度が
4g/dlになるように調製し、標準試料とした。
【0030】実験例1 抗ヒトアルブミン抗体(ポリクローナル抗体)のマイク
ロタイタープレートへの固定化 糖化アルブミンの蛋白部分に対して特異的結合能を有す
る抗体として、抗ヒトアルブミン抗体IgG分画を使用
した。この抗体のマイクロタイタープレートへの固定化
は、物理的吸着により行った。即ち、抗ヒトアルブミン
ポリクローナル抗体IgG分画(ヤギ由来、コスモバイ
オ社製)を30μg/mlとなるようにPBSに分散さ
せ、この溶液100μlを96穴マイクロタイタープレ
ート(ファルコン社製)2枚の各ウェルに加え4℃で一
晩放置した。各ウェルの吸着量を調べるため、一晩放置
後1枚のプレートの上清50μlを取り、ピアス社蛋白
定量キットにて上清中の蛋白(IgG)量を測定した。
吸着IgG量(添加IgG量−上清IgG量)は平均8
2ng(96ウェルについての平均値。変動係数は4.
1%)であり、各ウェルにほぼ均一に吸着しているもの
と考えられた。もう一枚のプレートは、IgG溶液をア
スピレーターで除去後生理食塩水で3回洗浄した。その
後1%カゼインナトリウム−PBSを各ウェルに200
μl加え37℃で2時間ブロッキングした。その後、生
理食塩水で3回洗浄し、抗ヒトアルブミン抗体固定化マ
イクロタイタープレートを作製した。
【0031】実験例2 抗ヒトアルブミン抗体(モノクローナル抗体)のマイク
ロタイタープレートへの固定化 糖化アルブミンの蛋白部分に対して特異的結合能を有す
る抗体として、抗ヒトアルブミン抗体IgG分画を使用
した。この抗体のマイクロタイタープレートへの固定化
は、物理的吸着により行った。即ち、抗ヒトアルブミン
モノクローナル抗体IgG分画(マウス由来、サブクラ
スIgG1、コスモバイオ社製)を30μg/mlとな
るようにPBSに分散させ、この溶液100μlを96
穴マイクロタイタープレート(ファルコン社製)2枚の
各ウェルに加え4℃で一晩放置した。各ウェルの吸着量
を調べるため、一晩放置後1枚のプレートの上清50μ
lを取り、ピアス社蛋白定量キットにて上清中の蛋白
(IgG)量を測定した。吸着IgG量(添加IgG量
−上清IgG量)は平均68ng(96ウェルについて
の平均値。変動係数は3.6%)であり、各ウェルにほ
ぼ均一に吸着しているものと考えられた。もう一枚のプ
レートは、IgG溶液をアスピレーターで除去後生理食
塩水で3回洗浄した。その後1%カゼインナトリウム−
PBSを各ウェルに200μl加え37℃で2時間ブロ
ッキングした。その後、生理食塩水で3回洗浄し、抗ヒ
トアルブミン抗体固定化マイクロタイタープレートを作
成した。
【0032】実験例3 酵素標識ジヒドロキシボリル化合物の調製 アミノフェニルボロン酸9.5mg(70μmol)お
よびマレイミド基導入試薬としてN−スクシンイミジル
6−マレイミドヘキサノエート21mg(70μmo
l)を、pH7.0に調整したリン酸緩衝液0.1mo
l/l,100ml中で、30℃にて1時間インキュベ
ートを行った。その後、沈殿物を遠心除去し、ゲル濾過
クロマトグラフィーによりマレイミド基が導入された生
成物を精製した。次に、該精製物0.5mg(1.5μ
mol)にβ−ガラクトシダーゼ300mg(550n
mol)あるいはアルカリホスファターゼ60mg(5
50nmol)を添加し、pH6.0に調整したリン酸
緩衝液0.1mol/l,10ml中で、30℃にて1
時間インキュベートを行った。得られた反応生成物をゲ
ル濾過クロマトグラフィーで処理することにより、未反
応のマレイミド基が導入されたアミノフェニルボロン酸
およびβ−ガラクトシダーゼあるいはアルカリホスファ
ターゼの重合体等の副反応生成物を除去した。さらに、
充填剤としてデキストランゲルを用いたボロン酸アフィ
ニティークロマトグラフィーにより未反応のβ−ガラク
トシダーゼあるいはアルカリホスファターゼを除去する
ことにより、β−ガラクトシダーゼ結合ジヒドロキシボ
リル化合物が11mg/ml(約20nmol/ml)
あるいはアルカリホスファターゼ結合ジヒドロキシボリ
ル化合物が2mg/ml(約20nmol/ml)含ま
れる、100mM塩化ナトリウムを含有する100mM
トリス−塩酸緩衝液(pH8.0)20mlを調製し
た。
【0033】実施例1 抗ヒトアルブミン抗体(ポリクローナル抗体)とβ−ガ
ラクトシダーゼ結合ジヒドロキシボリル化合物を用いる
ヒト血清中の糖化アルブミン値の測定 実験例1により得られた抗ヒトアルブミン抗体結合マイ
クロプレートの各ウェルに標準試料又は測定試料各々5
0μlを計り入れ、室温で60分インキュベートした。
反応液を各ウェルから除去した後、100mM塩化ナト
リウムを含有する100mMトリス−塩酸緩衝液(pH
8.0)300μlで各ウェルを3回洗浄し、試料中の
未反応のアルブミンおよび糖化アルブミンを除去した。
その後、実験例3により得られたβ−ガラクトシダーゼ
結合ジヒドロキシボリル化合物溶液200μlを計り入
れ、更に室温で120分インキュベートした。反応液を
各ウェルから除去した後、100mM塩化ナトリウムを
含有する100mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)
300μlで各ウェルを3回洗浄し、洗浄液を各ウェル
から除去した後、β−ガラクトシダーゼ活性測定のため
100mM塩化ナトリウム、1mM塩化マグネシウム、
2mM o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシドを
含有する100mMトリスー塩酸緩衝液(pH8.0)
50μlを計り入れ、室温で60分インキュベートし
た。反応を停止するために1N水酸化ナトリウム溶液2
00μlを混合し、波長420nmで吸光度を測定し
た。標準試料と測定試料の吸光度から試料中の糖化アル
ブミン値を求めた。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】実施例2 抗ヒトアルブミン抗体(モノクローナル抗体)とβ−ガ
ラクトシダーゼ結合ジヒドロキシボリル化合物を用いる
ヒト血清中の糖化アルブミン値の測定 実験例2により得られた抗ヒトアルブミン抗体結合マイ
クロプレートの各ウェルに標準試料及び測定試料各々5
0μlを計り入れ、室温で60分インキュベートした。
反応液を各ウェルから除去した後、100mM塩化ナト
リウムを含有する100mMトリス−塩酸緩衝液(pH
8.0)300μlで各ウェルを3回洗浄し、試料中の
未反応のアルブミンおよび糖化アルブミンを除去した。
その後、実験例3により得られたβ−ガラクトシダーゼ
結合ジヒドロキシボリル化合物溶液200μlを計り入
れ、更に室温で120分インキュベートした。反応液を
各ウェルから除去した後、100mM塩化ナトリウムを
含有する100mMトリスー塩酸緩衝液(pH8.0)
300μlで各ウェルを3回洗浄し、洗浄液を各ウェル
から除去した後、β−ガラクトシダーゼ活性測定のため
100mM塩化ナトリウム、1mM塩化マグネシウム、
2mM o−ニトロフェニル−β−D−ガラクトシドを
含有する100mMトリスー塩酸緩衝液(pH8.0)
50μlを計り入れ、室温で60分インキュベートし
た。反応を停止するために1N水酸化ナトリウム溶液2
00μlを混合し、波長420nmで吸光度を測定し
た。標準試料と測定試料の吸光度から試料中の糖化アル
ブミン値を求めた。その結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】実施例3 抗ヒトアルブミン抗体(ポリクローナル抗体)とアルカ
リホスファターゼ結合ジヒドロキシボリル化合物を用い
るヒト血清中の糖化アルブミン値の測定 実験例1により得られた抗ヒトアルブミン抗体結合マイ
クロプレートの各ウェルに標準試料及び測定試料各々5
0μlを計り入れ、室温で60分インキュベートした。
反応液を各ウェルから除去した後、100mM塩化ナト
リウムを含有する100mMトリス−塩酸緩衝液(pH
8.0)300μlで各ウェルを3回洗浄し、試料中の
未反応のアルブミンおよび糖化アルブミンを除去した。
その後、実験例3により得られたアルカリホスファター
ゼ結合ジヒドロキシボリル化合物溶液200μlを計り
入れ、更に室温で120分インキュベートした。反応液
を各ウェルから除去した後、100mM塩化ナトリウム
を含有する100mMトリスー塩酸緩衝液(pH8.
0)300μlで各ウェルを3回洗浄し、洗浄液を各ウ
ェルから除去した後、アルカリホスファターゼ活性測定
のため100mM塩化ナトリウム、1mM塩化マグネシ
ウム、2mM p−ニトロフェニルリン酸を含有する1
00mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)50μlを
計り入れ、室温で60分インキュベートした。反応を停
止するために1N水酸化ナトリウム溶液200μlを混
合し、波長410nmで吸光度を測定する。標準試料と
測定試料の吸光度から試料中の糖化アルブミン値を求め
た。その結果を表3に示す。
【0038】
【表3】
【0039】実施例4 抗ヒトアルブミン抗体(モノクローナル抗体)とアルカ
リホスファターゼ結合ジヒドロキシボリル化合物を用い
るヒト血清中の糖化アルブミン値の測定 実験例2により得られた抗ヒトアルブミン抗体結合マイ
クロプレートの各ウェルに標準試料及び測定試料各々5
0μlを計り入れ、室温で60分インキュベートした。
反応液を各ウェルから除去した後、100mM塩化ナト
リウムを含有する100mMトリス−塩酸緩衝液(pH
8.0)300μlで各ウェルを3回洗浄し、試料中の
未反応のアルブミンおよび糖化アルブミンを除去した。
その後、アルカリホスファターゼ結合ジヒドロキシボリ
ル化合物溶液200μlを計り入れ、更に室温で120
分インキュベートした。反応液を各ウェルから除去した
後、100mM塩化ナトリウムを含有する100mMト
リス−塩酸緩衝液(pH8.0)300μlで各ウェル
を3回洗浄し、洗浄液を各ウェルから除去した後、アル
カリホスファターゼ活性測定のため100mM塩化ナト
リウム、1mM塩化マグネシウム、2mM p−ニトロ
フェニルリン酸を含有する100mMトリスー塩酸緩衝
液(pH8.0)50μlを計り入れ、室温で60分イ
ンキュベートした。反応を停止するために1N水酸化ナ
トリウム溶液200μlを混合し、波長410nmで吸
光度を測定した。標準試料と測定試料の吸光度から試料
中の糖化アルブミン値を求めた。その結果を表4に示
す。
【0040】
【表4】
【0041】
【発明の効果】本発明の測定方法により、糖化蛋白の測
定において、例えば、糖化アルブミン量と総アルブミン
量を別々に測定することなく、簡便に総アルブミン量に
対する糖化アルブミン量の相対比を求めることができる
ので、糖化蛋白を容易に測定することが可能となった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定対象となる糖化蛋白の蛋白部分に対
    して特異的結合能を有する固相化抗体および標識化合物
    を用いたサンドイッチ法により特定の糖化蛋白を測定す
    る方法であって、前記標識化合物が酵素標識ジヒドロキ
    シボリル化合物であることを特徴とする糖化蛋白の測定
    方法。
  2. 【請求項2】 以下の工程を有する糖化蛋白の測定方
    法。 測定対象となる糖化蛋白の蛋白部分に対して特異的
    結合能を有する固相化抗体と試料中の糖化蛋白を反応さ
    せて、固相化抗体−糖化蛋白複合物を形成させる工程、 酵素標識ジヒドロキシボリル化合物と前記固相化抗
    体−糖化蛋白複合物を反応させて、固相上に前記固相化
    抗体−糖化蛋白を介して前記酵素標識ジヒドロキシボリ
    ル化合物を結合させる工程、および 洗浄後、固相上の酵素活性を測定する工程。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の工程と工程の間に洗
    浄工程をさらに有することを特徴とする請求項2記載の
    測定方法。
JP21407092A 1992-08-11 1992-08-11 糖化蛋白の測定方法 Expired - Fee Related JP3171681B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21407092A JP3171681B2 (ja) 1992-08-11 1992-08-11 糖化蛋白の測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP21407092A JP3171681B2 (ja) 1992-08-11 1992-08-11 糖化蛋白の測定方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0658936A true JPH0658936A (ja) 1994-03-04
JP3171681B2 JP3171681B2 (ja) 2001-05-28

Family

ID=16649753

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP21407092A Expired - Fee Related JP3171681B2 (ja) 1992-08-11 1992-08-11 糖化蛋白の測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3171681B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001258593A (ja) * 2000-03-22 2001-09-25 Oriental Yeast Co Ltd 糖化アルブミンの測定方法
US7195923B2 (en) 2001-01-31 2007-03-27 Scripps Laboratories, Inc. Ratiometric determination of glycated protein
WO2014069551A1 (ja) * 2012-10-31 2014-05-08 日立化成株式会社 センサチップ及びそれを用いた測定装置,測定方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001258593A (ja) * 2000-03-22 2001-09-25 Oriental Yeast Co Ltd 糖化アルブミンの測定方法
WO2001071024A1 (fr) * 2000-03-22 2001-09-27 Genzyme Corporation Procede de dosage de l'albumine glyquee
US7195923B2 (en) 2001-01-31 2007-03-27 Scripps Laboratories, Inc. Ratiometric determination of glycated protein
WO2014069551A1 (ja) * 2012-10-31 2014-05-08 日立化成株式会社 センサチップ及びそれを用いた測定装置,測定方法
JPWO2014069551A1 (ja) * 2012-10-31 2016-09-08 日立化成株式会社 センサチップ及び測定システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP3171681B2 (ja) 2001-05-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4806468A (en) Measurement of glycosylated hemoglobin by immunoassay
EP0974060B1 (en) Determination of % glycated hemoglobin
US5932480A (en) Measurement method and kit for hemoglobin A1c
JPH04506703A (ja) グリコシル化ヘモグロビンのアッセイ
US8058011B2 (en) Method for the measurement of endocrine substances in an analyte
JP2517187B2 (ja) アナライト変異体分析
EP0227240A1 (en) Method for the immunoassay of a macromolecular analyte
JP3342749B2 (ja) 糖化蛋白の測定方法
JPH07325083A (ja) 糖タンパク質の特定糖鎖割合の測定方法
EP2309265B1 (en) Method of assaying complex and kit to be used therefor
JP3171681B2 (ja) 糖化蛋白の測定方法
JPS6223823B2 (ja)
JP2543630B2 (ja) 特定タンパク質の糖化割合の測定方法
JP3292766B2 (ja) 糖化蛋白の測定方法
JP3181390B2 (ja) タンパク質の糖化割合の測定方法
KR940008091B1 (ko) 리간드의 면역학적 검출방법
JP2002365290A (ja) 糖化ヘモグロビンの測定方法
JP2688943B2 (ja) 試料中の物質の測定方法
JPH08313530A (ja) 総ヘモグロビン測定方法及び測定キット
JP3541352B2 (ja) リポ蛋白質とヘモグロビンまたはヘモグロビン類似物質との選択的複合体、該複合体を利用する測定法、及び測定キット
JPH07103978A (ja) 遊離ヘモグロビン測定
JP2520465B2 (ja) 多標識抗体
JPS6082966A (ja) 抗原の定量法
EP1243924B1 (en) Method for the selection of reagents and solid phase components in specific binding assays free of advanced glycosylation endproducts
JP2935642B2 (ja) 生体成分のアフィニティ分析法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080323

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090323

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees