JPH10507230A - 腐食・酸化及び熱的過負荷に対して部材を保護するための保護層並びにその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は高温時の腐食及び酸化に対し及び熱的過負荷に対し保護するための保護層に関する。この保護層はセラミックス材から成る断熱層とレニウムを含む金属合金から成る接着層とを有する。この金属合金は総称ＭＣｒＡｌＹに属する合金に属し、その際Ｍはコバルト及び／又はニッケルを、Ｙはイットリウム及び／又はスカンジウム及び希土類元素のグループからの少なくとも１つの等価金属を表す。この保護層は合金の高い耐酸化性及び耐食性により、傑出した熱疲労特性によりまた合金とセラミックス断熱層との間の効果的かつ半永久的接合により優れている。断熱により部材上に高い熱負荷を加えることなく、純粋な金属製保護層に比べて保護層の外側に著しく高められた温度の存在が可能となる。従ってこの保護層は特に熱い煙道ガスに曝されるガスタービンの部材、例えば案内羽根、動翼又は耐熱シールドに適している。

Description

【発明の詳細な説明】 腐食、酸化及び熱的過負荷に対して部材を 保護するための保護層並びにその製造方法 本発明は、高温時の腐食及び酸化に対し並びに熱的過負荷に対し部材を保護す るための多重の保護層、この多重保護層で部材を被覆する方法並びに多重保護層 で被覆された部材、特にガスタービンの部材に関する。 耐食性及び／又は耐酸化性を高める必要のある金属製部材、特にガスタービン の部材用の金属製保護層は従来技術において公知である。約９５０℃の材料温度 を有する定置ガスタービン用及び約１１００℃の給気温度を有する航空機用のガ スタービンに対し熱力学的効率に影響を与える給気温度を高めることは、熱的に 高度に負荷される部材、例えば案内羽根及び動翼のような部材のための母材とし て特別に開発された合金の使用により達成される。特に単結晶の超合金の使用に よりこれらの部材に対し明らかに１０００℃を越える温度を考慮できるようにな った。熱機械的要件の他にこのような部材は、例えば１３００℃以上の温度を有 する煙道ガスによる化学的攻撃に曝される。このような攻撃に対する十分な耐性 を得るために部材は通常金属製保護層で被覆されている。この保護層は十分に優 れた機械的特性を有していなければならない。特に保護層と部材の母材との間の 機械的相互作用に関して、保護層は母材に起こり得る変形に適応できるように十 分に延性であるべきである。保護層はまた母材の腐食及び酸化を阻止するために できるだけ亀裂しにくいものであるべきである。 保護層の多くは総称ＭＣｒＡｌＹとして公知であり、その際Ｍは鉄、コバルト 及びニッケルを含むグループからの少なくとも１つの元素を表し、他の主な成分 はクロム、アルミニウム及びイットリウム或はスカンジウム及び希土類の元素を 含むグループからのイットリウムと等価の金属である。 保護層で被覆された超合金から成る部材の耐酸化性を改良する方法において使 用されているこのような合金は米国特許第４４５１２９９号明細書に記載されて いる。この保護層はクロム１５〜４５％、アルミニウム７〜２０％並びにイット リカム０．１〜５％（それぞれ重量％による記載）を含んでいる。このイットリ ウムはランタン及びセリカムと置換可能である。更にこの保護層は任意に白金、 レニウム、シリコン、タンタル及びマグネシウムを含むグループからの他の元素 の混和物を１０％まで含んでいる。これらの任意の元素の添加が超合金の耐酸化 性をどの程度まで改善するかはこの米国特許明細書から推論することはできない 。また詳述されていない広範囲の可能な混和物についても特殊な条件に対して、 例えば高い給気温度を有する定置ガスタービンの場合仮にこのタービンが全負荷 作動であろうと部分負荷作動であろうと長期間にわたって作動された場合の保護 層としての適性を示すものではない。 ６００℃から１１５０℃までの表面温度範囲の耐食性及び耐酸化性に対し改善 を要する保護層については欧州特許出願公開第０４１２３９７号明細書に記載さ れている。この保護層は２２〜５０％のクロム、０〜１５％のアルミニウム、０ ．３〜２％のイットリウム又は希土類のグループからの他の元素の外に１〜２０ ％のレニカム成分を含んでいる。腐食又は酸化の影響の改善に関するレニウムの 作用は白金の有効な作用に類似するものである。金属製保護層の良好な熱伝導率 によりこの保護層で被覆された部材は殆ど保護層それ自体と同じ熱負荷に曝され る。 国際特許出願公開第８９／０７１５９号明細書には２種類の合金から成る二層 の金属製保護層について記載されている。これらの合金の外側の合金は総称ＭＣ ｒＡｌＹに属し、１５〜４０％（重屠％による記載）のクロム、３〜１５％のア ルミニウム並びに０．２〜３％のイットリウム、タンタル、ハフニウム、スカン ジカム、ジルコニウム、ニオブ、レニウム及びシリコンを含むグループからの少 なくとも１つの元素を含んでいる。この外側の合金はそれ自体が特に内部から冷 却される部材上で特に高温に対する保護のために熱障壁層で囲まれている。この 熱障壁層は酸化イットリカムを添加されている酸化ジルコニウムとすることがで きる。この合金の熱障壁層に起こり得る剥落を阻止するために合金の酸化は熱障 壁層を施す前に行われる。 欧州特許出願公開第０５３２１５０号明細書には保護層で覆われた超合金製部 材、例えばタービンの羽根が記載されている。この保護層はクロム及びアルミニ ウムの他に必要な元素としてタンタルを少なくとも２％（重量％による記載）だ け含んでいる。保護層は任意にイットリウムを１％まで及びレニウムを４％まで 含んでいる。このような合金から成る保護層に対しては欧州特許出願公開第０５ ３２１５０号明細書ではセラミックスの熱障壁から成る被覆が、合金と熱障壁と の間の温度変化時の臨界的相互作用について立ち入ることなく、有効であると見 なされている。 米国特許第４０５５７０５号、第４３２１３１０号及び第４３２１３１１号明 細書はニッケル又はコバルトをベースとする超合金から成るガスタービンコンポ ーネント用保護層に関するものである。これらの特許明細書によれば保護層はセ ラミックス断熱層を含んでおり、この断熱層は有利には柱状結晶又は棒状結晶構 造を有しておりまたガスタービンコンポーネントの母材上にある接着層の上に載 っており、この接着層が断熱層を母材と接合している。接着層はＭＣｒＡｌＹ型 の合金から成っている。重要なことは、接着層がそれ自体と断熱層との間に酸化 アルミニカムから成る薄層を成長させ、この薄層に断熱層が固定されることであ る。 米国特許第５０８７４７７号明細書はセラミックス断熱層をガスタービンコン ポーネント上に施す方法を提示してる。この方法は物理蒸着（ＰＶＤ）のプロセ スを含んでおり、その際断熱層を形成すべき化合物が電子線で蒸散され、コンポ ーネントの周囲に酸素を慎重に制御された一定の含有量で含む雰囲気を形成する 。 本発明の課題は、セラミックス断熱層とＭＣｒＡｌＹ型の接着層とを含み、高 温時に腐食及び酸化に対し優れた耐性を有し高度の熱機械的繰返し応力及び耐久 応力に適合しかつ僅かな熱伝達を保証する保護層を提供することにある。更に本 発明の課題は部材をこの保護層で被覆するための方法を提供することにある。 保護層に関する上記の課題は本発明により、セラミックス材から成る断熱層と 、この断熱層を部材と接合する以下の組成（重量％による記載）、即ち１〜２０ ％のレニウム、１５〜３５％のクロム、７〜１８％のアルミニウム、０．３〜２ ％のイットリカム及び／又はスカンジウム及び希土類元素を含むグループからの 少なくとも１つの等価金属、０〜３％のシリコン、０〜５％のハフニウム、０〜 ５％のタンタル、０〜２％のジルコニウム、０〜１２％のタングステン、０〜１ ０％のマンガン、０〜４％のニオブ及び残りコバルト及び／又はニッケル並びに 製 造上生じる不純物の合金から成る接着層とを有する、高温時の腐食及び酸化に対 し並びに熱的過負荷に対し部材を保護するための保護層により解決される。 この合金の組成の有利な熱機械的特性に関して云えば、付加的元素（Ｓｉ、Ｈ ｆ、Ｔａ、Ｚｒ、Ｗ、Ｍｎ）は必ずしも必要ではなく、その際接着層がタングス テン、マンガン及びニオブを含んでいないと有利である。タンタルの量は２％以 下、特に１％以下であると有利である。 少なくとも１つの断熱層とこの断熱層を部材と接合する少なくとも１つの接着 層とを有する多重の保護層により、腐食及び酸化に対する部材の保護も、断熱層 の外側の高温に対する断熱も達成される。従って純粋な金属製の保護層に比べて 例えばガスタービンにおいて部材を比較的高い環境温度で半永久的に使用するこ とが可能となる。その際保護層上に１００℃までの、場合によってはそれ以上の 温度差が生じてもよい。従ってガスタービンでは煙道ガスの給気温度を高めるこ とができる。それによりガスタービンの熱力学的効率は改善される。 元素レニウムをＭＣｒＡｌＹ型の合金に添加することにより合金の耐酸化性及 び耐食性もその熱疲労特性も半永久的に改善される。このような合金の酸化速度 が低いことから、接着層の酸化は、例えばセラミックス断熱層を通しての酸素の 拡散により、極めて緩慢に起こるに過ぎない。それに加えて驚くべきことには、 レニカム含有合金の熱疲労特性が断熱層との相互作用により著しく改善されるこ とが判明した。こうして断熱層の剥落の危険性は著しく減少される。従って保護 層の欠陥、この場合断熱層の接着層からの剥離は極めて長期間使用した後に初め て起こるに過ぎない。部材、特にガスタービン内の部材の寿命はこのようにして 半永久的に延長される。熱疲労により、即ち温度の変化による周期的伸縮の繰返 しによる接着層内の亀裂の発生もこの合金により同様に顕著に減少させられる。 このことは亀裂の危険に曝される保護層の縁部範囲、特にガスタービンの羽根の 冷却空気孔の近辺に対しても該当する。 必要に応じて保護層を更に多重層に形成してもよい。これは断熱層についても 、接着層についても該当する。両層がそれぞれ多重層から成っていてもよい。 レニウムを含む合金の僅かな酸化特性は例えば９５０〜１０００℃の等温的熱 負荷の場合５０００時間までにわたって示される。 ７〜１５％のアルミニウム、１５〜３０％のクロム、１．５〜１０％のレニカ ムを含む合金の場合、耐酸化性及び耐食性並びに熱疲労に関する最良の特性は、 特にレニウムを５％以上含有する場合に際立って現れる。クロムの分量は２３〜 ２８％が有利である。 ５％以上のレニウム分を含む合金はレニウムを添加しないＭＣｒＡｌＹ型の合 金に比べて著しく低い酸化速度を示し、これは例えば３００℃〜１０００℃の間 の温度変化での周期的酸化の負荷下の実験が示しているように一層薄い酸化物層 の形成をもたらす。接着層とセラミックス断熱層との界面の薄い酸化物層はセラ ミックス断熱層内の引張り応力を減少させ、それにより断熱層の裂開及び剥落は 半永久的に阻止される。 また保護層に関する上記の課題は本発明により、部材を高温時の腐食及び酸化 に対し及び熱の過負荷に対し保護するためセラミックス材から成る断熱層とレニ ウムを含む合金から成る接着層を有する保護層において、この合金が総称ＭＣｒ ＡｌＹ（その際Ｍはコバルト及び／又はニッケルを表し、Ｙはイットリウム及び ／又はスカンジウム及び希土類元素を含むグループからの少なくとも１つの等価 金属を表す）の合金に属し、少なくとも４％のレニウムを含むことにより解決さ れる。 断熱層が比較的高い従って金属に類似した熱膨張係数の故に接着層の断熱被覆 として特に適している酸化ジルコニウム（ＺｒＯ₂）を含んでいると有利である 。酸化ジルコニウムの場合により妨げとなる相転移を回避するために、これに５ 〜２０％、特に６〜８％の酸化イットリウム（Ｙ₂Ｏ₃）を添加して安定化すると 有利である。 本発明により部材特にガスタービン部材は、高温時の腐食及び酸化に対し保護 するために、多重層に形成されかつセラミックス材から成る少なくとも１つの断 熱層とレニカムを含むＭＣｒＡｌＹ型の合金製接着層とから成る保護層で覆われ る。この接着層は部材の母材と固く接合されており、この母材に対し高度の物理 的相溶性並びに低い拡散傾向を有する。断熱層も同様に接着層上に施され、接着 層に適合する熱膨張係数を有していると有利である。この断熱層により部材は少 なくとも部分的に周囲の雰囲気に対して熱的に絶縁されている。とりわけ９５０ ℃以上の温度を有する煙道ガスに当たるガスタービンの部材では、このようにし てこの部材に対する熱負荷が著しく減少される。この保護層は特にガスタービン の部材、特に案内羽根、動翼、耐熱シールド又は熱いガスに当たるその他のコン ポーネントを保護するために特に優れている。 特にガスタービンの羽根の場合断熱層は５０μｍ〜３００μｍの厚さを有する ことができる。ガスタービン又は他の固定されているコンポーネントの耐熱シー ルドの場合断熱層の厚さは２００μｍ〜３０００μｍであると有利である。 接着層の厚さは５０μｍ〜３００μｍであると有利である。 部材を保護層で被覆する方法に関する上記の課題は本発明により、接着層を熱 的射出により、特に真空プラズマ噴射（ＶＰＳ）、又は物理蒸着（ＰＶＤ）によ りデバイス上に塗布し、その後断熱層を大気プラズマ噴射（ＡＰＳ）又は物理蒸 着により接着層上に施すことにより解決される。物理蒸着法としては例えば蒸散 、陰極噴射及びイオンめっきが考慮される。部材の大きさ及び用途に応じて接着 層及び断熱層の形成に他の被覆法を使用することもできる。 本発明は高温時の腐食及び酸化に対し及び熱の過負荷に対し部材を保護するた めの多重の保護層により優れている。この保護層はセラミックス材から成る少な くとも１つの断熱層とレニウムを含む金属合金から成る１つの接着層とを有する 。この金属合金は総称ＭＣｒＡｌＹに属する合金であり、その際Ｍはコバルト及 び／又はニッケルを表し、Ｙはイットリウム及び／又はスカンジウム及び希土類 元素を含むグループからの少なくとも１つの等価金属を表す。断熱層は酸化イッ トリウムで安定化された酸化ジルコニウムを含んでいると有利である。例えば僅 かな酸化速度、イオウ化合物に対する高い安定性及び高温時の機械的安定性のよ うな接着層の有利な特性により、断熱層の僅かな熱伝導率に関連して腐食及び酸 化に対し部材の効果的かつ半永久的保護が保証される。接着層、特に４％以上の レニウム成分を含む接着層の傑出した熱疲労特性により、更にセラミックス断熱 層と金属製接着層との間に効果的かつ半永久的接合が形成される。この保護層は 熱い煙道ガスに曝されるガスタービンの部材を被覆するのに特に適している。保 護層の表面温度は９５０℃〜１３００℃以上にまでなる。この部材を保護層で被 覆するために接着層を真空プラズマ噴射又は物理蒸着により部材上に施すと有利 で ある。更にこの接着層上に断熱層を大気プラズマ噴射又は物理蒸着により塗布す る。 本発明を２つの実施例に基づき以下に詳述する。 １．内部が中空のガスタービン羽根をＩＮ７３８ＬＣ材料で鋳造する。この材 料の組成は重量％で記載して炭素０．１％、クロム１６．０％、コバルト８．５ ％、モリブデン１．７％、タングステン２．６％、タンタル１．７％、ニオブ０ ．９％、アルミニウム３．４％、チタン３．４％、ホウ素０．０１％、ジルコニ ウム０．１％、残りニッケル並びに製造上生じる通常の不純物である。このガス タービンの羽根は腐食、酸化及び過度の熱負荷に対し以下に記載する保護層によ り保護される。 ガスタービン羽根上に金属製接着層を形成するために以下の組成（重量％によ る記載）、即ちコバルト９〜１１％、クロム２２．５〜２３．５％、アルミニウ ム１１．５〜１２％、イットリウム０．５〜０．７％、レニウム２．５〜３．５ ％、残りニッケル並びに製造上生じる通常の不純物の合金から成る粉末を用意す る。この粉末は真空プラズマ噴射法で使用されるが、その際接着層はガスタービ ン羽根上に５０μｍ〜３００μｍまでの厚さで施される。粉末の粒度並びにこの 噴射法の作動パラメータは、接着層がその表面に少なくともＲ_z＝３０μｍの粗 面を有するように選択される。これは、この断熱層がこのような状況下では接着 層と正常に接着されるので、引続き施されるセラミックス断熱層の良好な接着に とって有利である。 接着層を施した後被覆されたガスタービンの羽根に以下のような熱処理、即ち １１２０℃で真空下に２時間、引続き８５０℃で２４時間選択的に空気、不活性 ガス又は真空下に熱処理を行う。この熱処理により接着層はガスタービン羽根の 母材と相互拡散により接合される。このように用意されたガスタービン羽根は引 続きセラミックス断熱層を備えられる。この断熱層は６〜８重量％の酸化イット リウムを有する部分的に安定化された酸化ジルコニウム、特に二酸化ジルコニウ ムから成る。断熱層の被着は大気プラズマ噴射により１００〜２００μｍの厚さ まで行われる。この噴射法は断熱層由に８〜１５％の微小多孔性を生じることに なる。引続き断熱層をＲ_z＝１２μｍ以下の粗面に丁寧な研磨を実施する。 ガスタービンの羽根の被覆されない範囲、特に羽根の脚部並びに冷却空気孔又 は冷却空気スリットは適切な被覆工具及び／又は適切な処理操作により意図しな い剥落に対し保護される ２．同様に冷却ガスを導通させるため中空のガスタービン羽根をＩＮ７９２材 料で鋳造する。この材料は以下に記載する重量％、即ち炭素０．０８％、クロム １２．５％、コバルト９．０％、モリブデン１．９％、タングステン４．１％、 タンタル４．１％、アルミニウム３．４％、チタン３．８％、ホウ素０．０１５ ％、ジルコニウム０．０２％、残りニッケル並びに製造上生じる通常の不純物で 構成されている。このガスタービンの羽根腐食、酸化及び過剰の熱負荷に対して 以下に記載するようにして保護される。 まず金属製接着層を真空プラズマ噴射により以下に記載する重量％から成る合 金、即ちコバルト２５〜２９％、クロム２１〜２２％、アルミニウム７〜８％、 イットリウム０．５％〜０．７％、シリコン０．３〜０．７％、レニウム９．５ 〜１０．５％、残りニッケル並びに製造上生じる通常の不純物の粉末を使用して 施す。この層の被着の際に粉末の粒度並びに噴射法の操作パラメータの適切な選 択により最高でＲ_z＝３０μｍの粗面に調整することができる。接着層の厚さは 同様に５０μｍ〜３００μｍであってもよい。引続き被覆されたガスタービン羽 根の熱処理を１１２０℃及び真空下に２時間行う。第１の実施例におけるように 接着層をガスタービン羽根の母材に相互拡散により接着する作用をするこの熱処 理の後に、スライド研磨により（場合によってはその前にビーズ又は砂を射出し てもよい）最高でＲ_z＝２μｍの粗面に接着層の研磨を行う。 このように被覆されたガスタービンの羽根上に電子線の蒸散及び物理蒸着（Ｅ Ｂ−ＰＶＤ）によりセラミックス断熱層を蒸着する。断熱層の組成は第１の実施 例の断熱層の組成に相応する。この断熱層を１２５〜１７５μｍの厚さまで被着 する。蒸着プロセスは断熱層に柱型、即ち柱状又は棒状の結晶子が成長するよう に行われる。冷却空気孔又はスリットを断熱層の被着中に覆うことは必ずしも必 要ではない。同様に通常の場合には断熱層の研磨は必要ではない。最後に仕上げ 被覆されたガスタービン羽根は改めて熱処理される。この熱処理はまず真空下に １１２０℃で２時間、次いで通風下に８４５℃で数時間行われる。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．セラミックス材から成る断熱層と、この断熱層を部材と接着する以下の成分 （記載は重量％による） レニカム １〜２０％ クロム １５〜３５％ アルミニウム ７〜１８％ イットリカム及び／又はスカンジウム及び希土類の元素を含むグループから の少なくとも１つの等価金属 ０．３〜２％ シリコン ０〜３％ ハフニウム ０〜５％ タンタル ０〜５％ ジルコニウム ０〜２％ タングステン ０〜１２％ マンガン ０〜１０％ ニオブ ０〜４％及び 残りコバルト及び／又はニッケル並びに製造上生じる不純物 の合金から成る接着層とを含んでいる、高温時の腐食及び酸化に対し並びに熱的 過負荷に対し部材を保護するための保護層。 ２．アルミニウム ７〜１５％、 クロム １５〜３０％及び レニウム １．５〜１１％ を含んでいる請求項１記載の保護層。 ３．５％以上のレニウムを含んでいる請求項１又は２記載の保護層。 ４．セラミックス材から成る断熱層と、組成ＭＣｒＡｌＹ（その際Ｍはコバルト 及び／又はニッケルを表し、Ｙはイットリウム及び／又はスカンジウム及び希土 類の元素を含むグループから成る少なくとも１つの等価金属を表す）及び少なく とも４％（記載は重量％）のレニウム成分から成る金属合金製接着層とを有する 、高温時の腐食及び酸化に対し並びに熱的過負荷に対し部材を保護するための保 護層。 ５．断熱層が酸化ジルコニウム（ＺｒＯ₂）を含んでいる請求項１乃至４の１つ に記載の保護層。 ６．酸化ジルコニウムが５〜２０％、特に６〜８％の酸化イットリカム（Ｙ₂Ｏ₃ ）で安定化されている請求項５記載の保護層。 ７．ガスタービンの部材、特に動翼、案内羽根又は耐熱シールド上に施される請 求項１乃至６の１つに記載の保護層。 ８．断熱層の厚さが５０μｍ〜３００μｍである請求項１乃至７の１つに記載の 保護層。 ９．断熱層の厚さが２００μｍ〜３０００μｍである請求項１乃至７の１つに記 載の保護層。 １０．接着層の厚さが５０μｍ〜３００μｍである請求項１乃至９の１つに記載 の保護層。 １１．接着層を熱噴射又は物理的蒸着（ＰＶＤ）によりまたこの接着層上に断熱 層を大気プラズマ噴射（ＡＰＳ）又は物理的蒸着（ＰＶＤ）により塗布する請求 項１乃至１０の１つに記載の保護層で部材を被覆する方法。