JPH10506784A - 香味料カプセル化 - Google Patents

香味料カプセル化

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JPH10506784A
JPH10506784A JP8511870A JP51187096A JPH10506784A JP H10506784 A JPH10506784 A JP H10506784A JP 8511870 A JP8511870 A JP 8511870A JP 51187096 A JP51187096 A JP 51187096A JP H10506784 A JPH10506784 A JP H10506784A
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JP8511870A
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ファルガー,チャールズ,ブイ.
ポップルウェル,ルイス,エム.
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マコーミック アンド カンパニー,インク.
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Abstract

(57)【要約】 (a)揮発性成分とマトリックスを含む溶融物を生成する工程と、(b)揮発性成分の多量の揮発を阻止するのに十分な圧力下で溶融物を固化させる工程とを含む揮発性成分をマトリックスに導入する方法。好適な態様においては、揮発性成分は、コーヒー粉砕ガスに含まれるか、またはドウ製品を焼いた時または食品をローストした時に放出されるような揮発性アロマ化合物である。

Description

【発明の詳細な説明】 香味料カプセル化 本出願は、米国特許出願第07/948,437号(1992年9月22日出 願)の一部継続出願であり、当該米国特許出願全体を本明細書の一部を構成する ものとしてここに援用する。技術分野 本発明は、処理中及び/または保存中に組成変化を起こす可能性のある物質を 被包即ちカプセル化する技術に関する。カプセル化することにより、物質の棚持 ち期間や食品などの物品の調製における有用性が向上する。また、本発明は、例 えば天然または合成コーヒー粉砕ガスに含まれるコーヒーアロマ化合物を食品ポ リマーのガラス質マトリックス中にカプセル化する方法、および上記のようなコ ーヒーアロマ化合物をカプセル化した組成物に関する。背景技術 各種物質が揮散したり、酸素と熱、水分、分子内及び分子間の相互作用等によ って劣化したりすることを防止するために、それらの物質をカプセル化すること は従来長く知られている。香味(flavors)は多くの化学成分から成る複雑な物質 であり、比較的安定なもの、非常に揮発性が高いもの、酸化や反応性相互作用等 に対し不安定なものと様々である。多くの香味剤はトップ・ノート(すなわちジ メチルサルファイド、アセトアルデヒド)を含有するが、これは非常に揮発性が 高く、室温かそれ以下の温度で揮散する。食品の新鮮な香りは、このトップ・ノ ートであることが多い。 香味をカプセル化するための多くの技術が提案され、商品化されている。しか しながら、これらの技術はすべて一つならず欠点を有している。香味剤をカプセ ル化する最も一般的な技術はスプレー・ドライである。この方法によれば、使用 性が良く最終食品製品の調製に使用できる微細粒状物質を直接的に製造できる一 方、いくつか大きな問題もある。第一に、スプレー・ドライした香味剤にトップ ・ノートを効率的に含有させることが難しい。スプレー・ドライ法はその本質か らいって揮発性物質の揮発消散を免れない。さらに熱、及び/または酸素に敏感 な物質はスプレー・ドライで悪影響を受けてしまう。熱、酸素および揮発の影響 により物質の組成は大きく変化する場合があり、さらには香味特性が好ましくな い変化を受ける。 香味をマトリックス物質に溶解または分散した溶液を凍結乾燥することも香味 カプセルを製造するために行われている。この方法では通常、揮発し易い成分を 逃がしてしまうとともに製品が泡立った多孔質構造となる。 炭水化物マトリックス中に物質を溶融してカプセル化する技術(meltencapsula tion)も従来行われている。この技術は、炭水化物の溶融物を調製し、これに被 包物を添加するものである。得られた溶液を冷却媒体中に導入し、香味を含有し た固体炭水化物製品を得る。この技術は優れているが、炭水化物溶液の調製と冷 却媒体への導入が高い温度でなされるため、比較的沸点が高い香味のカプセル化 に制限されるという欠点がある。この技術は、その性質上、香味構成成分のうち 沸点が低いものの幾つかを失ってしまう場合がある。通常、そのような喪失を補 うために低沸点成分を追加添加して香味を強める。従来市場で用いられている冷 却剤はイソプロピルアルコールである。冷却後製品に残留する微量のイソプロピ ルアルコールは好ましくない場合がある。この技術は、被包されるべき物質をマ トリックスと相溶性のないものに限定している。この方法によって得られる製品 は、他にも欠点がある。即ち、香味が低沸点成分を含有する場合、カプセル化製 品は充分高密度であるとはいえ微細空隙を有するものになってしまう。微細空隙 の存在は表面積を増大させ、その結果、揮発成分の揮散や大気中の酸素との反応 による劣化を促進させる。更に、微細空隙は最終製品が微細粒の形態であるとき 特に大きな影響を及ぼし、粒子の表面積を増大させて、長期間製品を保存すると き、香味を劣化させる。 上記のカプセル化技術は、当初、バッチタイプの溶融混合装置を用いて開発さ れ、米国特許第4,610,890号('890と略す)及び米国特許第4,707,367号('367と 略す)に記載のように改良されている。これらの特許においては、精油(essenti al oil)含有固体組成物の調製方法が記載されている。この組成物の調 製にあたってはまず、糖、でんぷん加水分解物及び乳化剤を含有する、水性で固 体分含有量の多い溶液を調製する。精油を密閉容器中、圧力制御下にてこの水性 溶液と混合し、均一な溶融物を得たのち、比較的低温の溶媒中に押し出す。この 溶媒は通常イソプロパノールである。その後乾燥工程を経て、粉砕後ケーキ化防 止剤を加える。この詳細及びその他のカプセル化物質に関する先行技術は米国特 許第5,009,900号に記載されている。'890及び'367特許の技術は従来技術と同様 の欠点、即ち揮発性化合物の揮散及び相溶性のない香味被包物質に適用が限定さ れるという欠点を免れない。 上記の溶融物固化によるカプセル化技術は当初バッチタイプの装置を用いて開 発されたが、最近では押出機を用いた類似の連続法によってカプセル化製品が製 造されている。押出しにおける問題は、妥当な押出し温度で融解するカプセル材 料を得ることが難しいことである。また、典型的な融解温度で押し出された製品 も、揮発成分の膨張によって、押出機のヘッドから出る際に膨張し泡状形態にな るという問題もある。カプセル化技術における目標は固く高密度でガラス質のカ プセル材料を形成することである。これに対し、米国特許第4,820,534号('534と 略す)の次の技術がある。即ちカプセル材料として高分子量物質と低分子量物質 の二種類の物質を混合した材料を用いることによって首尾よく混合物を押し出す ことができる。'534特許によれば、押出し過程において、少含量成分が融解し、 大含量成分が少含量成分中に溶け込む。揮発性の香味剤は融解したバルク中に分 散ないし溶解し、これが冷却されたとき単一相マトリックスとなる。揮発性成分 を揮散させないようにするため、またマトリックスの膨張を防止するため、'534 特許の方法においては、押出しヘッドにおける温度をできるだけ低くする必要が ある。もし押出機から高温で出た場合には混合物中の揮発成分は揮散してしまう 。'534特許の技術は、カプセル材料として混合物を用いるものであるが、ここに おいてその一つの成分は、残りの成分をそこに溶け込ませることができる程充分 低い融点を有し、それによって適切な処理状態のもとで押し出し可能となるもの である。 米国特許第5,009,900号('900と略す)は特許'534号の方法と極めて類似した方 法を開示しており、カプセル化材料を形成するための混合物がより複雑となって いる。'900特許は、水溶性で且つ化学的に修飾されているでんぷん、マルトデキ ストリン、固状コーンシロップ及びモノ−またはジ−サッカライドを使用するも のである。香味剤はこれらの混合物中に混合され、ついで押出しされる。 '534特許でも'900特許でもアセトアルデヒドのような純粋な低沸点物質を通常 の市販品に多く見られる包埋量で、高密度のマトリックス中にカプセル化するこ とはできない、なぜなら得られるカプセルは押出機を出るときアセトアルデヒド の揮発によって泡立ってしまうからである。さらに両特許技術においては、カプ セル化される物質の選択にあたって困難がある。米国特許第4,232,047号('047と 略す)にも類似の技術が開示されている。'047の方法はオレオレジン、精油等の 調味料ないしは香味料をでんぷん、タンパク質、穀物粉等のマトリックス中にカ プセル化するものである。この技術では高圧下での押し出しを行っている。しか しながら他の方法と同様に、カプセルの材料とカプセルに入れられる剤とのそれ ぞれに何を用いることができるかという点で制限がある。この方法による温度で は揮発性のトップ・ノートが失われてしまう可能性がある。 その他の利用可能な方法としては米国特許第4,689,235号('235と略す)の技術 がある。これは'900や'534に類似した技術であり、カプセル化に用いることので きる特定のマトリックス物質に関する。この特許では界面活性剤によって成功し ている。 以上の特許からわかるように、揮発性及び/または不安定な香味剤を、固化し た溶融物を用いて上首尾にカプセル化する方法を開発することに多くの努力が注 がれてきた。これらの技術によれば、高密度のマトリックスさえ形成できれば、 スプレー・ドライされた製品のように多孔質にならないため、スプレー・ドライ と比較して有利であり、香味カプセルはより安定となろう。そのような安定な製 品は棚持ち期間が長いことが予想される。しかしながら、これらの技術は押圧さ れた溶融物が押出機から出て外圧、外気温にさらされたとき、非多孔質(non-por ous)であることを保証するものではない。 上記の欠点に加え、先行技術のいずれもが、カプセル材料組成物に対し非常に 特異的であるという欠点を免れていない。即ち、カプセル材料として用いること のできるものは非常に狭い範囲の組成物に限定される。 カプセル化された製品を製造するためには、カプセル材料の軟化点は室温より 際立って高いことが望ましい。もし軟化点が低ければ、材料は粘度を増し、塊を 形成するため、取り扱いや処理が困難となる。'534特許と'900特許はカプセル材 料として複雑な混合物質を用い、得られるマトリックスが40℃より高い軟化点 を有するガラス様のものになるようにしている。 溶融物の固化物を使用する技術は、香味剤を高密度のアモルファス状マトリッ クス中に包埋するために大なり小なり商業的に用いられてきたが、未だなお多く の香味剤が現存する技術ではカプセル化できていない。例えば、通常商業的には 溶液の形態で供給されている香味剤は、もし溶媒がマトリックス材料を可塑化す るものであれば、現在の技術では役に立つレベルにおいてはカプセル化できない 。バニラエキストラクトのような香味剤では、バニラの特性に悪影響を与えずに は水/アルコール溶媒を除去することは不可能である。たとえ濃縮しても検知で きる量の溶媒が残ってしまう。従って、バニラエキストラクトは上記の技術によ っては商業的に有用なレベルでカプセル化が成功したことはなかった。よって高 密度の、非多孔性のマトリックスを製造して高濃度の溶媒中に存在する物質をカ プセル化するための新しい方法が望まれていた。 インスタントコーヒーの技術分野における長年の問題は、ローストして挽いた ばかりのコーヒーと同じアロマを有するインスタントコーヒーを調製することで ある。アロマが消散するという同様な問題は、ローストして挽いたコーヒーを使 う前に暫く保管する場合にも起こる。望ましい結果に近づくための試みの過程に おいて多くの方法が利用されてきている。例えば、ローストして挽いたコーヒー からアロマ物質を取り出し、処理が終わった後インスタントコーヒーに戻す方法 、およびローストして挽いたコーヒー豆の抽出によって回収したコーヒーオイル を使用してアロマ揮発性物質を吸収し、アロマ増強物質として最終的なインスタ ントコーヒー製品に戻す方法である。一般に採用されている他の技術には、コー ヒー豆を乾留してアロマ物質を得ること、コーヒー・アロマ物質を得るために複 雑な抽出プロセスを利用することなどがある。従来技術に開示されている一つの 方法は、低温凝縮法によりアロマフロスト(霜)を得るものである。アロマフロ ストは、ロースト、粉砕、スチーム蒸留、抽出(採用されている場合には)、乾 留 などのコーヒーの処理過程で消失する揮発性物質の低温凝縮物である。消散する ガス状物質を、例えば液体窒素温度で低温凝縮することよってこれらの揮発性成 分を得ることがよく行われる。例えば、消散ガスを液体窒素トラップに通し、本 明細書中においてアロマフロストと呼んでいる凝縮物を得る。アロマフロストは 粉砕ガスフロスト、焙煎ガスフロスト、乾留フロスト、スチーム蒸留フロストな どである。 しかし、アロマフロストを得た後、これを価値あるものにするためには、ロー ストし挽いたコーヒーのアロマが増加することが望まれるコーヒー製品中に、比 較的安定した方法でアロマフロストを導入しなければならない。典型的には、こ のコーヒー製品とはインスタントコーヒーである。なぜなら、インスタントコー ヒーは、特徴となるローストし挽いたコーヒーのアロマが著しく不足しているか らである。さらに、維持されるアロマバリューの量を多くするためには、アロマ フロスト自体を安定なキャリヤ中に含めなければならない。最も一般的なキャリ ヤはコーヒーオイルである。 ローストされたコーヒー豆(ホール)の内部セル構造が粉砕などで破壊される 時に放出され、その後も短時間、破壊および/または分断された豆から放出され る気体である粉砕ガスは、非常に望ましい天然のコーヒーアロマとして当技術分 野で長い間認識されてきた。粉砕ガスアロマを高い割合で回収し、後でコーヒー 製品、特に可溶性のコーヒーパウダーに加えるために基質に固定するための方法 の開発に多大な努力が向けられてきた。 米国特許第3,021,218号は、コーヒーアロマ凝縮物を気化し、可溶性コーヒー を充填した容器の空間により多くの揮発性コーヒーアロマを導入するようにした 方法を開示している。米国特許第2,306,061号は、冷した可溶性コーヒーパウダ ーに凝縮した粉砕ガスを加えることを開示している。これら2つの方法は、コー ヒー製品の香りを改善するために粉砕ガスのアロマをコーヒーの粒子に直接接触 させる点で類似している。しかし、何れの方法も、コーヒーの分野で望まれてい る、簡便で、安定で、かつ高レベルの粉砕ガスの固定を提供できない。 グリセリド基質中に粉砕ガスの香りを固定するための幾つかの方法が当技術分 野で知られている。コーヒーオイル、ブランド・テイスティング植物油、ト リアセチン等のグリセリドがこの目的のために特に有用である。米国特許第3,93 9,291号は、液体二酸化炭素の臨界温度以上の温度の圧力容器内において凝縮粉 砕ガスとグリセリドを接触させ、そして液体二酸化炭素の臨界温度以上の温度を 維持しながら容器をゆっくりガス交換することを教示している。この方法は、グ リセリドのアロマ化過程の任意の時点において液体二酸化炭素が形成されること を効果的に阻止できる。 米国特許第3,979,528号は、温度が70〜75°Fで圧力が100psigを 越える圧力容器内においてグリセリドと凝縮粉砕ガスを接触させて、液体二酸化 炭素相から液体グリセリド相へアロマを移動させ、そして容器をガス交換するこ とを教示している。この手続きには、75〜120psigの高圧から0psi gの低圧への圧力容器の通気を繰り返すことが含まれる。 米国特許第4,007,291号は、温度が70〜85°Fで圧力が700p sigを越える圧力容器内においてグリセリドと凝縮粉砕ガスを接触させて、そ して徐々に、好ましくは等温的に容器に通気することを教示している。米国特許 第4,119,736号は、凝縮粉砕ガスを含む高圧、高温の圧力容器から水相 を除去し、その水分の除去された粉砕ガスをグリセリドと接触させ、そして圧力 容器をゆっくりガス交換することを開示している。回収した水相からのアロマの 分離、例えば、真空蒸留、およびガス交換された香りの再利用、即ちリサイクル についても述べられている。 ヨーロッパ特許出願第205,204号は、液体コーヒーアロマを調製するた めの複雑なプロセスについて述べている。このプロセスは、コーヒーの粉砕ガス を最初に凝縮し、それを高圧に晒し、最後に多くの追加処理を行って、それを実 質的にCO2を含まない液体コーヒーアロマに変換することを含んでいる。この コーヒーアロマは、挽いたコーヒーまたはコーヒーパウダーのような基質に香り を与えるために使用できる。 類似のプロセスがヨーロッパ特許出願第213,247号に記載されている。 このヨーロッパ特許出願は、処理工程の一つにおいてコーヒーオイルを加えて香 りのついたコーヒーオイルを得、これを可溶性のコーヒーパウダーと組み合わせ ることができることも開示している。 ヨーロッパ特許出願第201,968号は、挽いたコーヒーをキャリヤガスに よって処理し、挽いたコーヒーからアロマ成分を取り出すことを記載している。 このアロマ成分は、その後、凝縮によってキャリヤガスから取り出すことができ る。ヨーロッパ特許出願第144,758号は、挽いたコーヒーを30〜95℃ の温度に加熱し、放出されたアロマ成分をインスタントコーヒーに接触させるプ ロセスを開示している。 ヨーロッパ特許出願第28,043号は、コーヒーの粉砕ガスを、任意的にコ ーヒーとともにドライアイスで冷すことによってコーヒーに香りを付与すること を述べている。また、ヨーロッパ特許出願第41,370号は、低温でコーヒー のアロマ成分をコーヒー上に凝縮させることを述べている。英国特許第2,06 3,640号も、挽いたコーヒー上にアロマ成分を凝縮させることを述べている 。 米国特許第3,823,241号は、吸収性キャリヤを少なくとも−40°F (好ましくは−150°F)で冷却し、加圧条件の下で、ローストし挽いたコー ヒーと連通した状態にし、これによってコーヒーアロマを吸収性キャリヤに移動 させる方法を記載している。他の例は、典型的にはコーヒーオイルなどの液体グ リセリドであるアロマ基質とアロマフロストを平衡化するものである。米国特許 第3,783,163号は、食用油を低温流体に加えてスラリーを形成し、この スラリーに(好ましくは攪拌しながら)アロマフロストを加え、そして混合物を 平衡させて低温流体を蒸発させ、香りの強められたオイルを残留させることによ り、食用油に香りを付ける方法を開示している。 米国特許第4,335,149号とヨーロッパ特許出願第10,804号は、 低温で挽いたコーヒーなどの食品基質上に粉砕ガスを凝縮させる方法を開示して いる。 米国特許第4,520,033号は、コーヒー蒸留物などの水性エッセンスを 含有する発泡コアを含むカプセルを調製する方法を記載している。コアはコーヒ ー粉砕ガスによって発泡させることができる。 米国特許第3,821,447号は、粉砕ガスをオイルなどの食用グリセリド によって凝縮させ、余分な水を除去することによってコーヒーアロマを安定化さ せる方法を開示している。得られた混合物は水性のコーヒー抽出物または乾燥し た可溶性コーヒーと混合される。 米国特許第3,991,223号は、スチーム状のコーヒーアロマを液体グリ セリド抽出によって処理し、グリセリドと、スムースでバターのような香りを有 する水相とを得る方法を教示している。 米国特許第4,044,167号は、液体グリセリドに粉砕ガスを加え、これ を冷凍して可溶性のコーヒーとブレンドするようにした、可溶性コーヒー製品へ の香りの付与方法を教示している。 米国特許第4,556,575号は、可溶性コーヒーに香りを付与する方法を 開示しており、この方法では、通常は平衡状態にされた粉砕ガスから取り出され 廃棄される水性相をグリセリドと接触させてコーヒーの香りをグリセリド中に回 収する。これを可溶性のコーヒーパウダーと組み合わせる前に液体二酸化炭素を 用いて還流してもよい。 米国特許第5,079,026号は、膨張させたガス化コーヒーガラス質物質 を調製するプロセスについて述べている。このプロセスでは、コーヒーの固形物 の溶融液とコーヒーオイルが窒素または二酸化炭素などのガスを用いて注入され 、オリフィスを介して押し出され、膨張され、そして急速に冷却される。 米国特許第5,035,908号は、コーヒー抽出物を蒸発させることによっ て粘弾性流体を形成し、そしてその流体を急速に冷却することでコーヒーガラス 質物質を調製する方法を開示している。ガラス質物質の密度を低下させるために 熱い粘弾性流体をガス化してもよく、この場合、ガス化した流体は冷却の前に膨 張させられる。 ヨーロッパ特許出願第353,806号は、コーヒーと接触させる前に、圧力 を増加させるかまたはCO2を一部を除去することによってコーヒー粉砕ガス中 のアロマ成分含有率を増加させる方法を教示している。 コーヒー中に存在することが知られている化合物とともに混合することによっ てコーヒー全体のフレーバーとアロマを増すために、米国特許第1,696,4 19、3,852,481、3,873,746、3,655,397、および 4,378,380に記載された合成コーヒーアロ マも採用されている。 しかしながら、これらの教示の何れも、新たに挽かれたコーヒーに伴う非常に 揮発性の高いアロマを長期にわたって保持できる組成物の提供という点に関して は完全に満足できるものでない。したがって、コーヒー粉砕ガスに含有されてい るようなコーヒーアロマ化合物をコーヒー組成物に加え、コーヒーアロマ化合物 を安定して保持する方法が求められている。発明の開示 従って、本発明の第一の目的は、香味剤、香料、色剤、医薬等の幅広い物質を 、揮発性物質(特にガス)の揮散、酸化による劣化、分子反応、および外界との 他の阻害的反応を引き起こすことなくカプセルに包埋する方法を提供することに ある。 本発明の他の目的は、相溶的な物質、非相溶的な物質の両者を共にカプセル化 する方法を提供することにある。 本発明の更なる他の目的は、通常、水、アルコールないし他の揮発性溶媒系に 溶解している香味剤をカプセル化する方法を提供することにある。 本発明の更なる他の目的は、高密度で非多孔性のカプセル材料中に低沸点の香 味成分をカプセル化する技術を提供することにある。 本発明の更なる他の目的は、溶融物が圧力下から開放されたとき通常膨らんだ り泡立ったりするような物質をも被包埋物質として使用する方法を提供すること にある。 本発明の更なる他の目的は、高密度のアモルファス状固体を形成することによ り分子が移動するのを防止し、これによって分子間反応および分子の変化を低減 することにある。 本発明の他の目的は、コーヒー粉砕ガスに含まれるようなコーヒーアロマ化合 物を含有する組成物を調製するための方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、コーヒー粉砕ガスに含まれるようなコーヒーアロマ化合 物を含有し、これらの化合物を長期間にわたって保持する組成物を調製するため の方法を提供することにある。 本発明の他の目的は、コーヒー粉砕ガスに含まれるようなコーヒーアロマ化合 物を安定してカプセル化した組成物を調製するための方法を提供することにある 。 本発明の他の目的は、コーヒー粉砕ガスに含まれるようなコーヒーアロマ化合 物を含有する新規な組成物を提供することにある。 本発明の他の目的は、コーヒー粉砕ガスに含まれるようなコーヒーアロマ化合 物を含有し、これらの化合物を長期間にわたって保持する組成物を提供すること にある。 本発明の他の目的は、コーヒー粉砕ガスに含まれるようなコーヒーアロマ化合 物を安定してカプセル化した組成物を提供することにある。 本発明の他の目的は、パンなどのドウ製品を焼いた時、または食品をロースト した時に出るような他の揮発性アロマガスを含有する新規な組成物を提供するこ とにある。 本発明の他の目的は、パンなどのドウ製品を焼いた時、または食品をロースト した時に出るような他の揮発性アロマガスを含有し、これらの揮発性アロマガス を長期間にわたって保持する組成物を提供することにある。 本発明の他の目的は、パンなどのドウ製品を焼いた時、または食品をロースト した時に出るような他の揮発性アロマガスを安定してカプセル化した組成物を提 供することにある。 本発明の他の目的は、パンなどのドウ製品を焼いた時、または食品をロースト した時に出るような他の揮発性アロマガスを含有する組成物を調製する方法を提 供することにある。 本発明におけるこれらのおよび他の目的は、以下の記述によって明らかとなる ものであるが、これらはカプセル材料および被カプセル化物質を溶融し;被カプ セル化物質を含有する溶融マトリックス物を、支配的な固体圧、液圧、またはガ ス圧下で冷却して高密度のアモルファス・マトリックスとする方法によって達成 される。 第二の態様においては、溶媒に溶解した被カプセル化物質と高圧下で用いても よいカプセル材料用マトリックスとを含有する溶融物を形成し、製品中の被カプ セル化物質を充分量保持しながら溶媒の少なくとも一部を揮散除去する。 本発明においては、高密度のアモルファス、基本的に非結晶性の固体状カプセ ル材料が多くの箇所にわたって記載されているが、当該技術分野の識者がガラス 転移温度によって特徴付けるところの「ガラス」のみに限定することを意図する ものではない。好適な実施例においては、本発明は、被包体に天然または合成の コーヒー粉砕ガスの一種以上の成分のような揮発性コーヒーアロマ化合物を含有 する方法を提供するものである。他の好適な実施例においては、被包体は、パン などのドウ製品を焼いた時、またはナッツ、ピーナッツ、肉などの食品をロース トした時に出るような揮発性ガスである。図面の簡単な説明 本発明と本発明に付随する多くの利点のより完全な理解は、以下の詳細な説明 を添付図面との関連を考慮して参照することによって容易に得られるであろう。 図1は本発明方法を示し、包埋されるべき香味成分が押出機に導入されている 。押出機ではマトリックス物質が融解している。図は大気圧下及び圧力印加下の それぞれにおける排出位置を示す。これらは実施例中において比較サンプルを製 造するのに用いられる。 図2は他の態様を示す。マトリックスはまず押出機中で融解され、香味剤と融 解したマトリックス物質が静止した混合物中に混合され、回収される。図は大気 圧下及び圧力印加下のそれぞれにおける排出位置を示す。これらは実施例中にお いて比較サンプルを製造するのに用いられる。 図3は本発明方法を示す。香味成分は揮発性の溶媒で稀釈され、この溶媒は通 気により除去される。 図4は本発明方法において用いることができる系統的工程図の一般化した概観 である。発明を実施するための最良の態様 本発明方法においては、融解装置(以下「メルター」と称す)を用いてマトリ ックスを固体から液体に変換する。マトリックスの成分はメルターに導入され液 化される。融解はバッチ式の閉じた系において行ってもよい。メルターは単に、 マトリックスを充分な熱量が導入される加熱ゾーン中を移送しこれを液状に変換 する、即ち融解する装置であることもできる。この装置としては、本技術分野で 知られている、混合ゾーン、均一化ゾーン、融解ゾーン、通風ゾーン等を有し従 来用いられている一軸型または二軸型押出機を用いることができる。マトリック ス材料は種々の融解組成物からなり、得られた高密度のマトリックスは低温でも 粘稠になったり凝集したりせず、先行技術に記載されている通常の適用条件、温 度のもとで融解ないし溶解する。融解しうるマトリックス成分であればどのよう なものでも使用できる。 利用する材料が低い融点を有する場合、適当なプロセッサーにおいて材料を直 接溶融することも時として可能である。本技術分野において述べられているよう に、高融点の材料については、マトリックス材料に十分な“可塑性”を与える目 的で溶媒を使用することが必要になるかも知れない。これによって材料を首尾よ く処理できる。通常添加される溶媒の量は、マトリックス材料を全て溶解するの には不十分であるが、可塑性を増加させるのには十分である。マトリックス成分 を首尾よく処理するのに十分な可塑性をマトリックス成分に付与できる最低量の 溶媒が用いられる。溶媒の最適な使用量はマトリックス毎に変化する。 可塑化材として機能できる溶媒には、マトリックスを溶解させうる任意の液体 材料が含まれる。典型的な溶媒には、水、水−エタノール、グリセリン、プロピ レングリコール等が含まれる。任意工程である通気工程を加えることができ、こ の工程においていくつかの又は全ての溶媒を除去することができる。引き続き、 被カプセル化物質をマトリックスに混合する。この特別な態様において、基本的 にはどのような被カプセル化物質も使用でき、マトリックスに溶解しないもの、 僅かに溶解するもの及び相溶性のあるものを使用できる。被カプセル化物質が揮 発性の溶媒(例えば水、アルコール)中に溶液として存在する場合、溶融物に通 気して被カプセル化物質溶媒を実質的に除去する。 溶融物の冷却は外界の条件下で、冷却された気体を用い、金属のベルト又はロ ールに直接接触させるか、従来技術のように適切な溶媒中で冷却するか、又は、 最も好ましくは、本発明において導入されたように、マトリックス材料の“膨れ (puffing)”即ちマトリックス材料が膨張して低密度な多孔質状になるのを防 止するために加圧下で行うことができる。 マトリックスの微細空隙構造の減少又は揮発性の成分をカプセル化することに 関心がある場合、この態様は、広範な種類の装置を使用して実施し、溶融物を形 成し、それを型を通して加圧ゾーンに押し出すことができる。最も簡単な技術は 、米国特許第4,610,890号や米国特許第4,707,367号に記載さ れている手法によって溶融物を作ることである。これらの技術では、バッチ式反 応器を用いて溶融物を形成する。この技術では、マトリックス材料が適切な溶媒 とともにタンク内に導入され溶融される。溶融物が生成された後、包埋されるべ き物質を添加する。包埋されるべき物質が固体マトリックス材料のための溶媒と しても機能する場合にはこの手法は変更される場合がある。本例の場合、他の溶 媒を用いることなく被カプセル化物質と固体マトリックスとを一緒に添加して溶 融物を得ている。溶解が行われるタンク又は容器は大気に開口していてもよいし 、閉じたものでもよい。容器を圧力容器とし、包埋すべき材料内の成分の揮発に よる減少を防止するため、処理の間閉じておくことが特に好ましい。もし揮発成 分がカプセル材料の多くの部分を含有している場合には、容器内の低沸点成分の 揮発を減少させるために容器内を加圧し、これによって収率を増加させるべきで ある。溶融物を得た後、必要であれば容器を更に加圧し、容器内の圧力を利用し て溶融物を強制的に型を通して凝固ゾーンに押し出すことができる。上記した従 来技術は、大気圧凝固工程を用いていた。本発明では、溶融物中の揮発成分の多 くの部分が凝固中に揮発してしまうのを阻止するために十分な圧力を有する加圧 された凝固ゾーンを用いることを導入した。この凝固ゾーンの圧力は、膨れ(pu ffing)や微細空隙構造を防ぐのに十分な値が選択される。溶融物は、閉環境下 の圧力またはポンプにより型に送られる。マトリックスとカプセル材料を含む溶 融物を生成するために他の技術を用いることも可能である。従来技術に述べられ ているマトリックスとカプセル材料を含む溶融物を生成するための如何なる技術 も利用可能である。連続して処理を行う場合には、押し出しを利用するのが好ま しい。普通の砂糖をマトリックスとして用いる場合、スクリューのみの機械的動 作またはスクリューと外部の熱源との組み合わせによって溶融物を生成するのに 必要な熱を与えることができる。食品業界で使用される加熱押出機は良く知 られており、これを用いることにより、押出機の回りの蒸気ジャケットのような 外部の熱源からだけでなく、押出機の機械的動作からの熱も利用できる。 カプセル材料を導入する前にマトリックスを可塑化するために他の溶媒を使用 する必要がある場合には、可塑化剤とマトリックス材料の溶融物の圧力を減少さ せて可塑化剤の一部を蒸発させる。この可塑化剤の一部を蒸発させるための圧力 の低減または通気は、被カプセル化物質が低揮発性のものである場合には被カプ セル化物質が溶融物に導入される前または後に行われる。被カプセル化物質が高 揮発性のものである場合には高揮発性成分を導入する前に通気を行わなければな らない。高揮発性成分を添加した後、溶融物を型を通して押し出し、加圧下で冷 却する。被カプセル化物質が溶媒中に溶解し、溶融物のための可塑化剤としても 機能する物質である場合、通気は特に効果がある。可塑化剤と被カプセル化物質 の両方を使用し、マトリックスがそれらのいずれの中にも溶解し得る場合、得ら れる固体製品は、べたつき、低温での軟化性、凝塊し易い傾向など好ましくない 特性を有するであろう。これらの問題を避けるためには、一つは単に好ましい特 性が得られるような総量の可塑化剤と被カプセル化物質を用いることである。こ の手法では、使用できる被カプセル化物質の包埋量が制限されてしまう。可塑化 剤に通気することによって、最終製品の特性に悪影響を及ぼすことなく、マトリ ックスに多量の被カプセル化物質を含ませることができる。 通気手段による場合、溶媒に通気することによって引き起こされる溶融物から の泡の発生を無くすために通気のあとで溶融物を再加圧する必要がある。押出機 においては、適切なスクリュー構造を採用することによって簡単に達成できる。 他の技術では、通気の後、溶融物をメルト・ポンプに導入することによって同じ 目的を達成できる。再加圧の程度は、通気によってマトリックス中に形成された 空隙を除去し、型から溶融物の冷却または凝固が行われる加圧ゾーンへの押し出 しを行うのに十分となる圧力の程度に依存する。 上記の議論は、融解したマトリックスを生成するために可塑化剤および/また はカプセル材料を使用する必要があるとの仮定で行われたが、幾つかのマトリッ クスは可塑化剤を用いることなく直接融解でき、被カプセル化物質をこの溶融物 に直接導入できる。この様なマトリックスについては、通気は必要でない。また 、 相溶性のない被カプセル化物質を包埋する場合、その相溶性のない被カプセル化 物質が最終製品の物理特性に与える影響は僅かでしかないため、マトリックスに 入れられる被カプセル化物質の総量は通気によって増加しない。このような場合 、可塑化剤の除去は主として最終製品の特性の調整のために行われる。一般的に 多量の可塑化剤の使用は、可塑化剤の使用量が少ない場合に比べてより柔らかく 、べとついた製品を作り出す。最終製品がべとつく場合、べとつきを減少させる 材料で被覆される。また、製品が柔らかい場合、被カプセル化物質が表面に移行 し、製品から揮散する可能性が高い。このような場合、そのような移行と揮散を 阻止または減少させるハード・コートで製品を被覆することができる。 図1は、その処理を行う1つの方法を示す。図1のように、マトリックス材料 を連続式メルターに導入し、融解する。もし必要であれば、融解プロセスを補助 するために上記の溶媒も使用する。メルター03の混合ゾーンにおいて、噴射さ れた被カプセル化物質はマトリックスに混合される。マトリックスはその後押し 出され、冷却され、包埋された製品を生成する。押し出しは、減圧下において融 解装置から直接行ってもよいし、図1に示すように、押出型へ送るためにメルト ・ポンプ06を用いてもよい。図1には、包埋された材料を冷却するための他の 方法が示されている。融解したマトリックス/被カプセル化物質の混合物の大気 圧下への放出は技術水準のものである。本発明の態様においては、マトリックス と被カプセル化物質の混合物は、圧力容器08に導入され、混合物はここでノズ ル09を介して連続的またはバッチ的に加圧状態とされる。この特別な態様にお いては、圧力保持容器13内の任意のガス、必要であれば、食品規格に適合しお よび/または不活性のもの、例えば窒素、ヘリウム等によって圧力が印加される 。被カプセル化物質が揮発性成分、即ち、溶融物の温度よりもかなり低い沸点を 持つ成分を多量に含んでいる場合には加圧冷却が用いられる。 一般的には、加圧冷却の後において粉砕などにより製品の寸法を小さくし、他 の成分と容易に混合できる自由流動性材料を得る。押出の場合、使用されるノズ ルは如何なるものでもよく、押し出されるストランドの寸法は余り重要ではない 。典型的には、機械的に行わなければならない粒子サイズの減寸量を最小にする ため“スパゲティー”型のノズルが採用される。 長いプラスチックのストランドを販売や使用のために切断したり減寸したりす る技術は、プラスチック業界に多数存在している。類似の形式の減寸装置を本プ ロセスにおいて使用することができる。販売されている幾つかの押出機において は、型の前面がナイフによって連続的に払われ、これによって押し出された材料 が可塑状態にある間に所望の寸法に瞬時に減寸される。そして、このようにして 寸断された材料は好適な冷却剤の中で冷却される。このような技術は本プロセス にも適用できる。 製品を回収する他の方法は、材料を加圧されたモールド内に押し出し、材料を 高密度で空隙の無い固まりに凝固させる。このプロセスを促進するためにモール ドを冷却することができる。この特別な態様では、プラスチック成形業界でよく 知られた射出成形の装置を利用することが好ましい。射出成形装置においては、 モールドは通常は密閉されており、材料は圧力下で噴出され、モールドが開かれ る前に冷却される。 もう一つの方法は、溶融物を圧力下において多量の液体の中に導入するもので 、この液体は、揮発性成分の多量の揮発を阻止するために十分な圧力を溶融物が 導入される位置に発生するのに十分な水高である。基本的には、如何なる液体で もこの目的のために使用することができるが、食品規格に適合した液体が好まし い。また、多量の液体へ溶融物を導入する位置に圧力を発生するのを補助するた めに、液体にガス圧を加圧することもできる。 加圧冷却においては、可塑化剤、溶媒または被カプセル化物質の蒸気圧によっ てマトリックスが膨張した場合に生じるマトリックスの泡立ちを防止するのに十 分な程度の圧力が選ばれる。必要な圧力は簡単な実験によって容易に決定できる 。揮発性成分の場合、その圧力は、融解した製品の出口温度において揮発成分に よって発生される蒸気圧よりも高くなければならない。多くの材料、例えばオレ ンジ油、レモン油等の精油は高揮発性材料を少量しか含んでいない傾向があるの で、これらは加圧冷却を必要としない。しかし、これらの材料がアセトアルデヒ ド等のような低沸点のトップ・ノートによって増強される場合、加圧冷却は、最 終製品の微細空隙構造を減少できるという利点をもたらす。これらの物質につい て加圧冷却を採用するか大気圧冷却を採用するかは、自由である。 図2に示した別の方法では、被カプセル化物質をメルターに直接導入せず、融 解したマトリックス成分が導入されるスタティックミキサーの直前またはその中 に導入する。スタティックミキサーは図2において07として示されている。シ ステムの他の部分は図1の示したものと類似している。この態様においては、容 器12内の被カプセル化物質が圧力容器04へ送られ、そしてスタティックミキ サーにポンプ圧送されるものと予想される。しかしながら、圧力容器を使用する かどうかは、被カプセル化物質の揮発性に依存する。この態様では、前の態様と 同様に、マトリックスと香味成分とを混合する前に可塑化剤溶媒が系から排出さ れる。さらに、融解したマトリックスを連続型プロッセサからスタティックミキ サーに直接導入する場合は、メルト・ポンプ06を省略することができる。この 態様において採用される被包埋物質の典型的なものは、融解したマトリックスに 対して高い可溶性を持つか、所望の濃度レベルで容易に分散できる物質である。 さらに、本システムは、高揮発性成分をカプセル化しなければならない場合に特 に利用される。ポンプ05とメルト・ポンプ06との使用により、容易に低沸点 成分が融解したマトリックス中へと射出される。スタティックミキサー以後の残 りのプロセスは前記の態様と同じである。本技術によってカプセル化できる製品 は、香料、色剤、香味剤、医薬等である。 マトリックスを可塑化する多量の揮発性溶媒中に希釈された材料をカプセル化 する場合には、図3に示す他の態様が使用される。このような場合、プロセスは 初期融解ゾーン、香味剤混合ゾーン、溶媒を逃がす通気ゾーン、これに続く再加 圧ゾーンを有し、さらに成形、冷却へと続く。冷却は、マトリックス成分、プロ セスのパラメーター、カプセルに包埋されるべき物質に応じて大気圧下または加 圧状態で行われる。 このプロセスに使用できる装置は、本質的には前記の装置と同じである。一般 的に、カプセル化すべき材料を溶解させる溶媒は、マトリックス材料のための溶 媒でもある。したがって、融解物生成において他の溶媒を使用するかどうかは任 意的事項である。しかしながら、固体マトリックスが溶融物に変換される過程に おいて必要とされる成分が減少するのを阻止するためには、他の溶媒を使用する ことは役に立つ。融解物の生成は、上記したようにタンクまたは大きなバットを 用いたバッチ処理で行うか、上記した押出機の技術を利用することによって行う 。溶融物はその後、必要とされる溶媒の除去の程度、溶媒自体の蒸気圧、被カプ セル化物質の蒸気圧、及び融解マトリックスの特性に応じて大気圧下もしくは真 空下において通気される。温度は、溶融物の通気を行う状態と除去すべき溶媒に 固有な蒸気圧によって主に決定される。大気圧へと通気される場合、真空下で脱 気される場合に比べてより高い温度が必要とされる。溶媒を必要量だけ除去して 被カプセル化物質を濃縮するために溶融物が通気された後、通気の過程に形成さ れた空隙を除去するためにマトリックスは再加圧され、型を通して成形される。 除去すべき溶媒の量は、マトリックス、凝固製品に要求される最終特性、及び包 埋量によって異なる。固く密度の高い製品は、最終製品が柔らかい場合に比べて 溶媒をより多く除去しなければならない。この時点での製品は、前記したように 大気圧下または加圧下において冷却される。さらに、通気に続いてマトリックス が再加圧された後、必要であれば、他の被カプセル化物質を導入する。これらの 追加の被カプセル化物質が揮発性の場合、凝固中に揮発成分の多くの量が揮発し てしまうのを阻止するのに十分な圧力を有する加圧ゾーンに溶融物を押し出すこ とが好ましい。 この技術は、品質低下し易いために一般的には濃縮が困難とされていたバニラ 溶液を効果的に濃縮するのに有利である。処理の間バニラを安定にしておくのに マトリックスが役立っているものと考えられる。 これらの処理工程を図3の態様に示されている。マトリックス材料は連続的に メルター1に送られ、香味剤を噴射する前に融解される。マトリックスと香味剤 の混合物は、メルター2の送出口から排出される。揮発性の溶媒はメルター2の 送出口から排出され、香味剤を含有する溶融物は前方に搬送され排出される。こ の態様においては、マトリックスと香味剤の混合物を成形と冷却の処理工程に搬 送するメルト・ポンプに材料が送られる。勿論、メルト・ポンプは任意である。 本プロセスと、幾つかの場合において必要とされる加圧冷却との間の連結は図面 から省略されている。この技術によってカプセル化できる香味剤には、以下のも のがある。 さらに、主要な被カプセル化物質からの溶媒の排出と再加圧の後に、揮発性の 被カプセル化物質をさらに噴射することによって上記の技術はさらに有効となる 。この技術は、特に前記した加圧冷却と組み合わせることにより、極めて多くの 種類の被カプセル化物質組成物の包埋を可能にする。 一番最後に述べたプロセスの変形として、可塑化剤として添加された溶媒を、 香味成分の射出の前に除去するため、融解装置に通気する工程を加えることがで きる。そして、使用する溶媒が水で連続融解装置が使用されているある場合、こ の装置は、マトリックスと水を最初に混合する第1混合ゾーンと、任意の手段に よって熱および/または圧力を加え、マトリックス材料を溶解し流動化する第2 ゾーンと、水を蒸発除去する減圧セクションとを有している。マトリックスの再 加圧がこれに続き、さらに香味剤の噴射、混合、成形が行われ、最後に冷却が行 われる。 図4は、上記態様の一般化した流れ図を示す。包括的な特徴としては、そのプ ロセスは、マトリックス材料を融解し、被カプセル化物質に混合し、そして、冷 却することによって高密度のアモルファス製品を作ることである。被カプセル化 物質がマトリックス材料に溶解しないか僅かしか溶解しないものである場合は、 カプセル化された製品となるが、被カプセル化物質がマトリックス材料に溶解す る場合、本質的には固化した溶液となる。好ましい態様においては、可塑化剤溶 媒がマトリックスとともに導入され、融解を助ける。この可塑化剤溶媒は、もし 必要であれば脱気してもよく、混合物中に残留させてもよい。被カプセル化物質 とマトリックスとの混合は、一端から他端へ向けての積極的な運動をマトリック スに付与する螺旋形のスクリューを含む箇型反応器等における連続処理、または マトリックスを融解物に変換する連続式メルターと流体的に連結された分離した スタティックミキサーにおいて行われる。 上記の処理は、特定の材料に使用が限定されないという点で従来技術の利点を 備えている。マルトデキストリンをマトリックス材料として使用することを試み た従来技術では、融解と押し出しを成功させるためにオリゴサッカライドに他の 材料を加えた混合物を用いなければならない。 本プロセスにおいて使用される多くのマトリックス成分は、マルトデキストリ ン等のような押し出された時に泡立つ傾向のある優れたフィルム形成材料である 。泡を除去するための圧力閉鎖下で十分な圧力を加えることにより、高密度のガ ラス状のマトリックスが得られる。自然に発泡しない材料であっても、被カプセ ル化物質がアセトアルデヒド等の低沸点成分を多量に含有している場合には発泡 する。 カプセル化できる材料は、選択されたマトリックス材料に依存する。好適なマ トリックス材料を選択することにより、事実上如何なる材料でもこの技術を用い てカプセル化することができる。これには、不溶性の被カプセル化物質や僅かに 溶解する被カプセル化物質だけでなく、被カプセル化物質がマトリックスの可塑 性と融点に悪影響を及ぼさなければ、可溶性の被カプセル化物質が含まれる。本 発明の実施においては種々のマトリックス材料を用いることができる。実際、米 国特許第5,009,900号、5,124,162号、4,879,130号 、4,820,534号、4,738,724号、4,707,367号、4, 690,825号、4,689,235号、4,659,390号、4,610 ,890号、4,388,328号、4,230,687号、3,922,35 4号、4,547,377号、4,398,422号、3,989,852号、 3,970,766号、3,970,765号、3,857,964号、3,7 04,137号、3,625,709号、3,532,515号、3,041, 180号、2,919,989号、2,856,291号、2,809,985 号、および3,041,180号に記載されたマトリックス材料等が使用できる 。 マトリックス材料としては、上記の引例に挙げられているものだけでなく、モ ノ−またはジ−サッカライド、デキストリン等のオリゴマー炭水化物、澱粉等の 重合性炭水化物;可溶性蛋白質、特にゼラチン等の部分的に加水分解されたタン パク質;その他の生物学的重合体;例えば、ハイドロコロイド、ガム、天然セル ロース、変性セルロース;脂質、上記物質の誘導体および/またはこれらの好適 な混合物が含まれる。 マトリックス組成物は、特定の応用、およびアモルファス・マトリックスとカ プセル材料の物理特性を考量して選択される。レビン(Levine)とスレイ ド(Slade)(ウォーター・サイエンス・レビュー(Water Science Review s) 、第3巻、第2章、“可塑化剤としての水:物理化学からみた低水分重合シ ステム”、第79頁〜第185頁、エフ・フランクス(F.Franks)編、 ケンブリッジ大学出版、1988年)は、ポリマーの分子量、処理方法および可 塑化剤としての水の役割の相互関係を種々の食品材料において調査した。ガラス マトリックスの物理特性は、香味剤をカプセル化する応用技術において重要な特 性である。マトリックス形成における重要な要件は、マトリックスの可塑化剤成 分を制御することである。融解処理には水が最も効率的であるが、得られたマト リックスは、香味剤を混入させた後において非ゴム状の状態を維持しなければな らない。したがって、当業者は表1に列挙された種々の成分だけでなく食品技術 者にとって一般的に利用可能な他の成分の中から選択することができる。 図示されていないが、必要であれば最終製品をケーキ化防止剤によって被覆し てもよい。しかし、マトリックス材料が十分高い軟化点、典型的には約40℃以 上の軟化点を有する場合には、一般的にケーキングは問題とならない。被カプセ ル化物質がマトリックスに溶けないものである場合、最終製品の表面に残留して いる被カプセル化物質は、被カプセル化物質は溶けるが、マトリックス材料は溶 けないか僅かしか溶けない適切な溶媒を用いて除去することができる。基本的に は、上記のような特性を有する溶媒であれば如何なるものでも使用できるが、こ れらの特性を有する食品規格に適合した溶媒が好ましい。被カプセル化物質が、 レモン油、オレンジ油等の親油性の香味剤である場合には、イソプロパノールが 好ましい溶媒であることが証明されている。製品を冷却し製品から表面の香味剤 を除去するために選択された冷却媒体の中で冷却を行う場合には、上記のような 洗浄は不要であろう。 本プロセスでは、高沸点材料だけでなく、100℃以下の低沸点、最も効果的 にはアモルファス・マトリックスにおいて40℃以下の低沸点を持つ材料を良好 にカプセル化することができる。従来の融解マトリックスを用いたカプセル化技 術においては、これらの限界温度よりも低い沸点を持つ材料を濃縮状態でカプセ ル化することができず、他の香味剤によって希釈した場合だけカプセル化するこ とができた。例えば、アセトアルデヒドは、レモン油やオレンジ油等のオイルベ ースの香味剤の中の1成分として導入した場合には、少しはカプセル化すること ができる。しかしながら、本プロセスは、マトリックス100グラム当たり約1 グラム以上の高い包埋量で純粋なアセトアルデヒドをカプセル化することができ る。他の低沸点物質についても同様な濃度が可能である。低沸点材料については 、加圧冷却を用いることにより、従来ガラスとして知られていた高密度のアモル ファス・マトリックスを形成することができ、このマトリックスは、実質的に大 きな空隙も微小な空隙もない。この実質的な無空隙性は、大気にさらされる表面 積を減少させ、製品の棚持ち期間を長くできる。そして、低沸点材料の場合、本 プロセスは、マトリックスへの材料の包埋量を増加でき、棚持ち期間も長くでき るという利点を提供する。また、この無空隙性は、高密度の材料が液体の表面張 力 を通して速やかに溶解することを確実にし、また塊を作りにくくする。 また、本プロセスは、揮発性の溶媒に希釈されている材料の高密度マトリック スでのカプセル化を可能とする。従来においては、揮発性溶媒系中に希釈された 被カプセル化物質は、マトリックスに対する溶媒の可塑化効果のために、商業的 に見て意味のある包埋量でカプセル化できなかった。この問題は、被カプセル化 物質の噴射の後で大気圧または真空による通気によって溶媒を除去することで解 消される。溶媒の除去は融解プロセスの流れから行われるので、得られる製品は 高密度となり、スプレー・ドライ法またはフリーズ・ドライ法等の他の溶媒除去 技術によって引き起こされる空隙の形成を避けることができる。さらに、主要な 被カプセル化物質の溶媒を除去した後で2番目の被カプセル化物質を噴射しても よい。この方法は、特に2番目の被カプセル化物質が高揮発性を有する場合、特 に本プロセスの加圧冷却の態様と組み合わせた場合に適用可能である。そして、 本プロセスは、従来に比べてより広い範囲の材料を、高密度なアモルファス・マ トリックスにカプセル化することができる。 本プロセスは、スプレー・ドライ法や他の最新のプロセスに比べ、揮発性の成 分を含む材料や揮発性の溶媒に希釈された材料をより効率的にカプセル化するこ とができ、場合によっては処理コストにおける利点ももたらす。さらに、処理条 件とマトリックス材料を適切に選択することにより本質的には如何なる材料でも カプセル化することができるため、基本的に同じ密度と流動特性を持ち、混合に 効果のある広範囲な製品を生産できる。さらに、カプセル化されるかさもなけれ ばマトリックス材料に組み入れられた製品を組み合わせることにより、独特な香 味の組み合わせを提供することができ、材料の相対密度と粒径もほぼ同一になる ように選択できるので、放置によって沈澱または層化が生じる恐れを減少できる 。したがって、本プロセスは、実質的に同じ密度と流動特性を有する広い範囲の カプセル材料を提供し、これにより、プロセッサでの取り扱い、計量、測定等を 容易にできる。 本記載では、“カプセル化された製品”という用語は、被カプセル化物質がマ トリックス中に溶解しない本当のカプセル化製品だけでなく、マトリックス中に 被カプセル化物質が溶解し得る製品も含む。 上記の説明から判るように、本プロセスにおける被カプセル化物質は、酸素の 存在下で温度を上昇させる必要がない。これは、酸素に敏感な製品を包埋するた めに酸化防止剤の使用が必須となるスプレー・ドライ法に対して、極めて顕著な 改良である。これらの材料は、柑橘系オイル、高不飽和脂質、酸化に敏感な色剤 等であるが、これらに限定されるものではない。本プロセスは、酸化防止剤を使 用することなくこれらの製品をカプセル化することができる。 好適な態様においては、本発明は、コーヒーアロマ化合物、またはドウ製品を 焼いた時、またはナッツ、ピーナッツ、肉などの食品をローストした時に出るよ うな揮発性ガスのような一種以上の揮発性アロマ化合物を含有し、これらの化合 物を長期間にわたって保持する組成物を調製するための方法を提供する。詳しく は、本方法は、可溶融性食品マトリックス、特に食品ポリマー中に揮発性アロマ 化合物をカプセル化した組成物の形成を含む。この態様は以下のようにして実施 することができる。 (a)揮発性アロマ化合物とマトリックス材料を含む溶融物を生成し、そして (b)多量の揮発を阻止するのに十分な圧力下で溶融物を凝固させ、揮発性ア ロマ化合物をカプセル化した密なガラス質のマトリックスを直接得る。 特に好適な態様では、揮発性アロマ化合物はコーヒーアロマ化合物である。本 発明においては、「コーヒーアロマ化合物」という語は、新たに挽いたコーヒー のアロマを与える任意の揮発性化合物を意味する。コーヒーアロマ化合物は単一 化合物でもよく、混合物として含まれていてもよい。例えば、合成または天然の コーヒー粉砕ガス、またはコーヒー抽出物から取り出した蒸気を乾燥工程におい て回収することによって得たアロマである。 新たに挽いたコーヒーのアロマを与える化合物の例としては以下のものが挙げ られる。 (i)アセトン、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒドおよび低級アルカンα −ジケトンを含むカルボニル化合物の混合物をメチルメルカプタンに対して過剰 モル使用して反応させて得た生成物。これは米国特許第3,852,481号お よび第3,873,746号に記載されており、これらの米国特許を本明細書の 一部を構成するものとしてここに援用する。 (ii)2−ノネナール、2−ノネノール、2−ノネナールの低級アルキルア セタール、有機酸と2−ノネノールのエステル、およびこれらの混合物。これら は米国特許第3,655,397号に記載されており、この米国特許を本明細書 の一部を構成するものとしてここに援用する。 さらに、新たに挽いたコーヒーのアロマを与える天然コーヒー粉砕ガスの任意 の成分を用いることができる。その様な化合物には、エチルメルカプタン、酢酸 エチル、メチルエチルケトン、チオフェン、ピリジン、オクタン、1−ヘキサノ ール、およびフルフラールが含まれる。上記したように、これらの化合物は単体 でまたは組み合わせて使用できる。 コーヒーアロマ化合物は天然の粉砕ガスであるのが好ましい。粉砕ガスは、市 販されているグラインダーなどの粉砕装置を囲むか覆うことによって得られる。 挽いたコーヒーから放出されたガスはポンプまたは回転ブロワーによって取り出 すことができる。さらに、必要であれば、コーヒーからのガスを運び去り、また 粉砕動作を実質的に不活性な雰囲気で行うために不活性で、好ましくは水分を含 まないガス流を使用することができる。このようなプロセスは米国特許第2,1 56,212号に記載されている。この米国特許は、ロースト時に発生するガス を捕集する方法を述べているが、新たにローストされた粒の状態のコーヒー豆の 粉砕またはセル構造の破壊の間に発生するガスの回収にも同様に適用できる。ポ ンピングを採用する場合、ポンプの先でガスを冷却し、ポンピングによって付加 された熱によってガスに含有される芳香性物質の悪化を招かないようにするのが 望ましい。 発生したガスの化学組成は、主に二酸化炭素で、水蒸気とローストしたコーヒ ーの特徴的なアロマ成分も含む。ガス中の水分の量は、乾燥ロースト条件の使用 と、低水分冷却または冷却媒体の使用とによって低減できるであろう。発生した ガスは、35〜50°Fに冷却され大部分の水が除去される第1凝縮器を通すの が好ましい。比較的水分の少なくなったガスは、磨かれた壁を有し液体ガス冷媒 によって冷却される垂直に取り付けられたジャケット付き熱交換機などの第2凝 縮器に送られる。 好ましくは、第2凝縮器を液体窒素によって冷却し、交換機へのガス流を、熱 交換機の表面1平方フィート・1分当たり1〜5立方フィートの範囲に維持する 。冷却システムから発生する窒素ガスは、グラインダーから粉砕ガスを運び去る などの可溶性コーヒーのプロセスの何処にでも使用できる不活性ガス流、または 可溶性コーヒー製品の不活性ガスによる梱包に利用できる。 アロマを含むガスは、凝縮器の熱伝導壁に接触したとき凝縮してフロストにな る。典型的な粉砕ガスフロストは、−195〜−220°Fの液体窒素ジャケッ ト温度で回収され、約87%の二酸化炭素、約10%の水、および約3%のコー ヒーアロマを含んでいる。凝縮器の壁から取り除かれ回収されたフロスト中のコ ーヒーアロマは非常に薄い。フロストは、品質低下を招くことなく、例えば液体 窒素温度などの低温に短時間おくようにしてもよい。しかし、本発明に従ってフ ロストを直ぐに利用するのが好ましい。 コーヒー粉砕ガスフロストをコーヒーアロマ化合物として直接使用することも できるが、新鮮な粉砕コーヒーのアロマを与える化合物の濃度を増すためにコー ヒー粉砕ガスフロストを更に処理するのが好ましい。したがって、コーヒー粉砕 ガスを750psigを越える圧力で平衡させ3つの相(水相、液体二酸化炭素 相、および気体二酸化炭素相)を形成し、水を抜き、その後、−80°Fよりも 低い温度で液体二酸化炭素を容器内に導入し、そして容器を0°Fでガス交換し 、0〜30°Fの温度まで温め、濃度の高い液体コーヒーアロマを得るようにし てもよい。この方法は米国特許第4,574,089に開示されており、この米 国特許を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。濃度の高い液体 コーヒーアロマを調製するための類似の方法が米国特許第4,551,345に 開示されており、この米国特許を本明細書の一部を構成するものとしてここに援 用する。 同じく本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する米国特許第4,0 08,340は、コーヒー粉砕ガスアロマを濃縮し、安定化する方法を述べてい る。この方法では、コーヒー粉砕ガスフロストをアスコルビン酸またはその塩と 組み合わせ、温めて溶液にし、この溶液を液体フッ素化炭水化物と接触させ、凝 縮液を液体フッ素化炭水化物から分離し、凝縮液を混合溶媒と接触させ、濃縮さ れた残渣を水性相として分離する。 マトリックス材料としては上に述べた何れのものでもよい。好ましくは、コー ヒーかすから得たマンナンオリゴマーである。このようなマンナンオリゴマーを 調製する好適な方法は米国特許第4,508,745に開示されており、この米 国特許を本明細書の一部を構成するものとしてここに援用する。その他の好まし いマトリックス材料は、熱、蒸気などを加える多工程のコーヒー抽出によって得 られるようなガラクト−マンナンである。 カプセル化するコーヒーアロマ化合物の正確な性質とマトリックス材料の性質 により、溶解物を形成するためにマトリックスに可塑化剤を加えることが必要に なる場合も必要でない場合もある。例えば、コーヒー粉砕ガスフロストをコーヒ ーアロマ化合物として使用する場合、フロスト中に含有する水は可塑化剤として の役割を果たす。同様に、液体を含む合成粉砕ガスにおいては、その液体がマト リックスを可塑化するのに役立つであろう。追加の可塑化剤が必要とされる場合 、水、グリセリンなどの可塑化剤を加えてもよい。 追加の可塑化剤の必要性と量は、当業者であれば、(i)コーヒーアロマ化合 物および/またはマトリックス材料の分解を避けるために275°F以下、好ま しくは225°F以下の温度で溶融物を形成するのが好ましいこと、および(i i)最終的なガラス質マトリックスは、少なくとも35°C、好ましくは少なく とも40°Cのガラス遷移温度Tgを有することが望ましいことに留意して簡単 な実験を行えば容易に決定できる。 マトリックス材料とコーヒーアロマ化合物との溶融物を冷却する圧力はコーヒ ーアロマ化合物の揮発性に依存するが、一般に、少なくとも500psig、好 ましくは、少なくとも750psigである。溶融物の加圧下での冷却は、閉じ たチャンバーまたは容器内において行うのが都合がよい。したがって、プロセス は、閉じたチャンバーまたは容器内に溶融物を直接押し出すことによって行われ るであろう。窒素、空気などの不活性ガスの圧力を過剰にすることによって閉じ たチャンバーまたは容器内に圧力を作り出すことができる。好適な態様において は、ガス状のコーヒーアロマ化合物、特にコーヒー粉砕ガスを用いて冷却チャン バーを加圧している。 本発明方法の主要な特徴は、追加の乾燥工程を必要とすることなく、濃度が高 いガラス質のマトリックスを直接供給し、コーヒーアロマ化合物をガラス質のマ トリックス中に安定してカプセル化することにある。即ち、本発明組成物は、コ ーヒーアロマ化合物を長期間にわたって保持する。典型的には、本発明組成物は 、ガラス質マトリックスの全量に対して、0.01〜10wt.%、好ましくは 0.1〜5wt.%のコーヒーアロマ化合物を含むであろう。 アロマを濃縮するために処理された天然のコーヒー粉砕ガスをカプセル化する のが好ましいが、異なったコーヒーアロマ化合物および/またはマトリックス材 料を含む2種のガラス質マトリックスの混合物として組成物を調製することも可 能である。 コーヒーアロマ化合物を含有する本発明による組成物は、コーヒーアロマを強 化するかもしくは付加することが望まれる任意の組成物に加えることができる。 したがって、本発明による組成物は、従来のインスタントコーヒーパウダーまた はローストして挽いたコーヒーに添加することができる。「インスタントコーヒ ー」という語は、コーヒー100%のものだけでなく、ローストした粒、チコリ ーなどを含むものも意味する。本発明による組成物は、インスタントケーキミッ クス、インスタントプリンミックス、キャンディ、または乾燥状態で貯蔵され、 調理時または食に供する時に水でもどす、その他のコーヒー香付与食品にも加え ることができる。 他の特に好適な実施例においては、揮発性アロマ化合物は、パンなどのドウ製 品を焼いた時、またはナッツ、ピーナッツ、肉などの食品をローストした時に出 るようなガスである。ドウ製品を焼いた時に出るガスは、粉砕ガスを回収する場 合について述べたと同様な方法によって回収できる。即ち、空気または窒素のよ うな不活性ガスをオーブンを通して流し、そして一連の低温トラップに通してパ ン焼きガスのフロストを回収する。マトリックスの溶融物に加える前に脱水する こともできる。同様に、ピーナッツ(殻付きまたは殻の中身)をローストしてい るオーブンを通して空気または窒素のような不活性ガスを流し、ピーナッツロー ストガスのフロストを回収してもよい。さらに、ローストしたピーナッツを粉砕 する間に放出されるアロマを集め、被包体として用いてもよい。アーモンドやカ シューナッツなどの本物のナッツをローストする時に放出されるアロマを同様な 方法で捕集して使用してもよい。家禽類、牛肉、豚肉、ラムなどの肉をロースト した時に出る揮発性ガスなど、他の種類のアロマを集めて揮発性アロマ化合物と して使用してもよい。 上記のプロセスとその変形は、下記の実施例に示されている。これらの実施例 は単に開示のためであって、本発明プロセスの範囲や応用を限定するものではな い。実施例1 56%のアメルフォンド(ドミノ・シュガー社製、蔗糖95%、転化糖5%) 、 42%のロデックス−10マルトデキストリン(アメリカン・メイズ社製、1 0DE)、及び 2%の蒸留したモノグリセリド(コダック社製、ミヴェロール(Myvero l)18―07) を含有する炭水化物ベースのマトリックスを、毎分約114グラムの割合で、毎 分2グラムの水とともに連続式プロセッサ(図2)に送り込んだ。混合物をプロ セッサ内で融解した。プロセッサは121℃に維持した。プロセッサのスクリュ ーを120RPMで動作させた。融解した混合物をメルト・ポンプに直接放出し た。ピストン式計量ポンプを用い、アセトアルデヒドをメルト・ポンプの排出側 において溶融マトリックスに噴射した。スタティック・ミキサーを用いてマトリ ックスと香味剤を混合した。香味剤を噴射する直前における溶融マトリックスの 温度は138℃であった。マトリックスとアセトアルデヒドの混合物は、加圧下 で、成形とこれに続く回収のためのノズル排出口の一つに搬送された。このフロ ー・システムは、成形と凝固を大気圧下または加圧状態で行えるように配置され ている。4つのサンプルを得た。 サンプル1:トレイ上で外気によって冷却。 サンプル2:氷浴中の大気圧の円筒収集容器にて冷却。 サンプル3:大気圧下で冷却した99%イソプロパノール(初期温度:−18 ℃)中で冷却。2000gのイソプロパノールの中で130gの サンプルを回収した。 サンプル4:加圧冷却。氷浴中の大気圧の円筒収集容器内で、約20分 3275KPaにて冷却。 視覚的には、これらのサンプル1〜3は白色で、多孔質性の内部構造を持つ膨張 したものであった。サンプル4は高密度で、固く、比較的透明であるように見え た。 分析結果 実施例2 56%の蔗糖、製菓用砂糖6X(ドミノ・シュガー社製)、 42%のロデッス−マルトデキストリン(アメリカン・メイズ社製、10DE )、及び 2%の蒸留モノグリセリド(コダック社製、ミヴェロール(Myverol) 18―07) を含有する炭水化物ベースのマトリックスを、毎分約114グラムの割合で、毎 分2グラムの水とともに連続式プロセッサ(図1)に送り込んだ。混合物をプロ セッサ内で融解した。プロセッサを132℃に維持した。プロセッサのスクリュ ーを70RPMで動作させた。ピストン式計量ポンプを用い、毎分約10グラム の割合でジアセチルを連続式プロセッサの入口から溶融マトリックスに噴射した 。混合の後、混合物を、ゼニス社のメルト・ポンプに直接排出した。マトリック スとジアセチルの混合物を、加圧下で、成形とこれに続く回収のためのノズル排 出口の一つに搬送した。このフロー・システムは、成形と凝固を大気圧下または 加圧状態で行えるように配置されている。メルト・ポンプから排出された製品の 温度は132℃であった。4つのサンプルを得た。 サンプル1:トレイ上で外気によって冷却。 サンプル2:氷浴中の大気圧の円筒収集容器にて冷却。 サンプル3:大気圧下で冷却した99%イソプロパノール(初期温度:−18 ℃)中で冷却。2000gのイソプロパノールの中で125gの サンプルを回収した(最終イソプロパノール温度は−8℃)。 サンプル4:加圧冷却。氷浴中の大気圧の円筒収集容器内で、約20分 2068KPaにて冷却。 視覚的には、これらのサンプル1〜3は薄い黄色で、相対的に不透明であり多孔 質性の内部構造を持つ膨張したものであった。サンプル4は濃い黄色で、高密度 で、固く、相対的に半透明であるように見えた。 分析結果 実施例3 56%のアメルフォンド(ドミノ・シュガー社製、蔗糖95%、転化糖5%) 、 42%のロデックス、マルトデキストリン(アメリカン・メイズ社製、10D E)、及び 2%の蒸留モノグリセリド(コダック社製、ミヴェロール(Myverol) 18―07) を含有する炭水化物ベースのマトリックスと、香味剤としてのバニラエキストラ クト(3 1/3倍、固形物11.9%、アルコール39.8%)を毎分約11 4グラムの割合で、連続式プロセッサ1(図3)に送り込んだ。混合物をプロセ ッサ1内で融解した。プロセッサ1を143℃に維持した。プロセッサ1の スクリューを70RPMで動作させた。毎分約22グラムの流速でバニラエキス トラクトを連続式プロセッサの口を通してプロセッサ1に噴射した。融解した混 合物はプロサッサ2(ジャケット温度:143℃、120RPM)に直接排出し た。水とエタノールの蒸気はプロセッサ2の開口した送り込み口から逃がした。 融解した混合物は、メルト・ポンプ内に排出され、このポンプは、融解した混合 物を冷却と凝固のためにノズルを通してトレイ上に排出した。プロセッサ1から 出てきた製品の温度は102℃であった。メルト・ポンプから排出される製品の 温度はノズル成形の前で約115℃であった。 冷却した後の製品は、固く高密度で、バニラエキストラクト精油の香りの特徴 を有していた。 分析結果 実施例4 バニラの送り込み速度毎分30グラムであったことと、メルト・ポンプを使用 しなかったことを除き条件は実施例3と同じであった。プロセッサ1の温度は9 8℃で、プロセッサ2の製品温度は127℃であった。 冷却した後の製品は、固く高密度で、バニラエキストラクトの香りの特徴を有 していた。 分析結果 実施例5 56%のアメルフォンド(ドミノ・シュガー社製、蔗糖95%、転化糖5%) 、 42%のロデックス、マルトデキストリン(アメリカン・メイズ社製、10D E)、及び 2%の蒸留モノグリセリド(コダック社製、ミバロール(Myverrol) 18―07) を含有する炭水化物ベースのマトリックスと、香味剤としての 天然ビーフ香味剤#12001(フレイバー・アンド・フード・イングレディ エンツ社、ミドルセックス、ニュージャージー州)(固形物全量37.2%、塩 分14.6%) とを用いた。 ビーフ香味剤の送り込み速度が毎分29グラムであったことと、メルト・ポン プを使用しなかったことを除き条件は実施例3と同じであった。プロセッサ1の 温度は112℃で、プロセッサ2の製品温度は129℃であった。ジャケットの 温度は160℃に維持した。 冷却した後の製品は、固く高密度で、元の香味剤の香りの特徴を有していた。 分析結果 %水 初期組成物(質量比) 15.1 実際の製品組成物 7.0 揮発性溶媒の損失 8.1 上記の教示に鑑み本発明の種々の変形および変種を得ることが可能なことは明 らかである。したがって、添付のクレームの範囲内において、本明細書に具体的 に記載された以外の態様で本発明を実施できることを理解しなければならない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C11B 9/00 C11B 9/00 Z (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M K,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO ,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM, TT,UA,UZ,VN (72)発明者 ポップルウェル,ルイス,エム. アメリカ合衆国 21030 メリーランド州, コッキーズヴィル,ロングブランチ ロー ド 10519

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.(a)揮発性アロマ化合物とマトリックス材料を含む溶融物を生成する工程 と、 (b)揮発性アロマ化合物の多量の揮発を阻止するのに十分な圧力下で溶融物 を固化させ、少なくとも35℃のTgを有する密なガラス質マトリックスを直接 得る工程とを含む、揮発性アロマ化合物をマトリックスに導入する方法。 2.(a)固体マトリックス材料を可塑化剤と混合し、加熱して溶融物を生成し 、 (b)存在する気体を除去し、可塑化剤の少なくとも一部を揮発させ溶融物か ら除去するために溶融物に加わっている圧力を低下させ、 (c)得られた溶融物を、揮発性アロマ化合物の多量の揮発を阻止するのに十 分な圧力条件と温度条件の下で揮発性アロマ化合物と混合することによって溶融 物を生成する請求項1記載の方法。 3.揮発性アロマ化合物がコーヒーアロマ化合物、ドウ製品を焼いた時に放出さ れる揮発性ガス、または食品をローストした時に放出される揮発性ガスである請 求項1記載の方法。 4.揮発性アロマ化合物がコーヒーアロマ化合物である請求項3記載の方法。 5.コーヒーアロマ化合物がマトリックス中に混和不能なものである請求項4記 載の方法。 6.コーヒーアロマ化合物がマトリックス中に溶解可能なものである請求項4記 載の方法。 7.コーヒーアロマ化合物が天然コーヒー粉砕ガスである請求項4記載の方法。 8.コーヒーアロマ化合物が合成コーヒー粉砕ガスである請求項4記載の方法。 9.乾燥中にコーヒー抽出物から出るアロマ蒸気を集めることによってコーヒー アロマ化合物を得る請求項4記載の方法。 10.マトリックス材料が、マルトデキストリン、コーンシロップ固形物、マル トースシロップ固形物、高フルクトースコーンシロップ固形物、でんぷん、ハイ ドロコロイド、ガム類、タンパク質、部分加水分解タンパク質、変性タンパク質 、変性ハイドロコロイド及び変性セルロースからなる群から選択される請求項4 記載の方法。 11.マトリックス材料がマンナンオリゴマーを含有するものである請求項4記 載の方法。 12.コーヒーかすを加水分解してマンナンオリゴマーを得る請求項11記載の 方法。 13.マトリックス材料がガラクト−マンナンを含有するものである請求項4記 載の方法。 14.500〜750psigの圧力下で閉じたチャンバー内で固化させる請求 項4記載の方法。 15.チャンバーがコーヒーグランイダーガスを含有する請求項14記載の方法 。 16.食品がナッツ、ピーナッツ、または肉である請求項3記載の方法。 17.(a)固体マトリックス材料を、揮発性溶媒中に溶解した香り化合物を含 有する可塑化剤と混合するとともに、溶融物を生成するために加熱し、 (b)存在する気体を除去し、可塑化剤の少なくとも一部を揮発させ溶融物か ら除去するために大気圧または減圧下で溶融物に通気し、 (c)得られた溶融物を、揮発性アロマ化合物の多量の揮発を阻止するのに十 分な圧力条件と温度条件の下で揮発性アロマ化合物と混合することによって揮発 性アロマ化合物を含む溶融物を得、 (d)揮発性アロマ化合物の多量の揮発を阻止するのに十分な圧力下で揮発性 アロマ化合物を含む溶融物を固化させて少なくとも35℃のTgを有する密なガ ラス質マトリックスを直接得る、 揮発性アロマ化合物をマトリックスに導入する方法。 18.マトリックスとマトリックス中に包み込まれた揮発性アロマ化合物とを含 有する高密度アモルファス固体。 19.揮発性アロマ化合物がコーヒーアロマ化合物、ドウ製品を焼いた時に放出 される揮発性ガス、または食品をローストした時に放出される揮発性ガスである 請求項18記載の高密度アモルファス固体。 20.揮発性アロマ化合物がコーヒーアロマ化合物である請求項19記載の高密 度アモルファス固体。 21.コーヒーアロマ化合物がコーヒー粉砕ガスである請求項20記載の高密度 アモルファス固体。 22.コーヒーアロマ化合物が、乾燥中にコーヒー抽出物から出るアロマ蒸気を 捕集することによって得たものである請求項20記載の高密度アモルファス固体 。 23.マトリックスがマンナンオリゴマーを含有するものである請求項20記載 の高密度アモルファス固体。 24.マンナンオリゴマーがコーヒーかすを加水分解して得たものである請求項 23記載の高密度アモルファス固体。 25.マトリックスがガラクト−マンナンを含有するものである請求項20記載 の高密度アモルファス固体。 26.ガラクト−マンナンがコーヒーから抽出したものである請求項25記載の 高密度アモルファス固体。 27.食品がナッツ、ピーナッツ、または肉である請求項18記載の高密度アモ ルファス固体。 28.マトリックスと、当該マトリックス中にカプセル化した揮発性アロマ化合 物とを含有する密なアモルファス固体であって、前記マトリックスは少なくとも 35℃のTgを有し、前記揮発性アロマ化合物はコーヒー粉砕ガスである、密な アモルファス固体。 29.(a)前記揮発性アロマ化合物とマトリックス材料とを含む溶融物を生成 する工程と、 (b)前記揮発性アロマ化合物の多量の揮発を阻止するのに十分な圧力下で前 記溶融物を固化させ、少なくとも35℃のTgを有する密なガラス質マトリック スを直接得る工程とを含む方法によって調製される、請求項28に記載の密なア モルファス固体。 30.(a)固体マトリックス材料を可塑化剤と混合し、加熱して溶融物を生成 し、 (b)存在する気体を除去し、前記可塑化剤の少なくとも一部を揮発させ溶融 物から除去するために溶融物に加わっている圧力を低下させ、さらに (c)得られた溶融物を、前記揮発性アロマ化合物の多量の揮発を阻止するの に十分な圧力条件と温度条件の下で前記揮発性アロマ化合物と混合することによ って溶融物を生成する請求項29記載の方法。 31.前記コーヒー粉砕ガスが前記マトリックス中に混和不能なものである請求 項29記載の密なアモルファス固体。 32.前記コーヒー粉砕ガスが前記マトリックス中に溶解可能なものである請求 項29記載の密なアモルファス固体。 33.前記コーヒー粉砕ガスが天然コーヒー粉砕ガスである請求項29記載の密 なアモルファス固体。 34.前記コーヒー粉砕ガスが合成コーヒー粉砕ガスである請求項29記載の密 なアモルファス固体。 35.前記マトリックス材料が、マルトデキストリン、コーンシロップ固形物、 マルトースシロップ固形物、高フルクトースコーンシロップ固形物、でんぷん、 ハイドロコロイド、ガム類、タンパク質、部分加水分解タンパク質、変性タンパ ク質、変性ハイドロコロイド及び変性セルロースからなる群から選択される請求 項29記載の密なアモルファス固体。 36.前記マトリックス材料がマンナンオリゴマーを含有するものである請求項 29記載の密なアモルファス固体。 37.前記マンナンオリゴマーがコーヒーかすを加水分解して得たものである請 求項36記載の密なアモルファス固体。 38.前記マトリックス材料がガラクト−マンナンを含有するものである請求項 29記載の密なアモルファス固体。 39.前記マトリックス材料が、モノサッカライドおよびジサッカライドからな る群から選択される化合物と、マルトデキストリンとを含有する、請求項29記 載の密なアモルファス固体。
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