JPH1048884A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH1048884A
JPH1048884A JP21615696A JP21615696A JPH1048884A JP H1048884 A JPH1048884 A JP H1048884A JP 21615696 A JP21615696 A JP 21615696A JP 21615696 A JP21615696 A JP 21615696A JP H1048884 A JPH1048884 A JP H1048884A
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JP
Japan
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toner
humidity
temperature
image
developing
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JP21615696A
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English (en)
Inventor
Akira Oyamaguchi
章 大山口
Koichi Kato
弘一 加藤
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長時間安定した帯電性を有する静電荷像現像
用トナーを提供する。 【解決手段】 静電荷像現像用トナーが励起状態の二つ
のSOMOのうち、低エネルギー側のSOMOのエネル
ギー値の取りうる範囲が1eV以内にある化合物を含有
してなる。また、該トナー表面にさらにSiO2、Ti
2、又はAl23、又SiCを添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
記録法、静電印刷法等において形成される静電潜像を現
像するためのトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、USP2297691号明細
書、特公昭42−23910号公報、特公昭43−24
748号公報記載の電子写真法または静電記録法におい
ては、光導電性感光体又は誘電体等よりなる製造担持体
上に形成された静電潜像を現像するために、現像スリー
ブ等、トナー供給ローラ上でブレード等によって薄層化
され、かつ適当に帯電され、微粉末化されたトナーを用
い、現像後必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を転
写した後、加熱圧力、溶剤蒸気等によって、複写物が得
られる。
【0003】これらの電子写真法等に適用される現像方
法としては、大別して乾式現像法と湿式現像法とがあ
る。前者はさらに二成分系現像剤を用いる方法と一成分
系現像剤を用いる方法に二分される。二成分系現像剤に
属するものには、トナーを搬送するキャリアの種類によ
り、USP2874063号明細書記載の鉄粉キャリア
を用いるマグネットブラシ法、USP2618552号
明細書記載のビーズキャリアを用いるカスケード法、U
SP2221716号明細書記載のファーを用いるフア
ーブラシ法等がある。また、一成分系現像剤に属するも
のには、USP2221776号明細書記載のトナー粒
子を粉霧状にして用いるパウダークラウド法、トナー粒
子を直接的に静電潜像面に接触させて現像する接触現像
法(コンタクト現像法又はトナー現像)、特公昭41−
9475号公報及びUSP2839400号明細書記載
のトナー粒子を静電潜像面に直接接触させず、トナー粒
子を荷電して静電潜像の有する電界により該潜像面に向
けて飛翔させるジャンピング現像法、USP39092
58号明細書記載の磁性の導電性トナーを静電潜像面に
接触させて現像するマグネドライ法等がある。
【0004】これら各種の現像方法に適用されるトナー
としては、天然樹脂あるいは合成樹脂からなる結着樹脂
に、カーボンブラック等の着色剤を分散させた微粉末が
用いられている。例えば、ポリスチレン等の結着樹脂中
に着色剤を分散させたものを1〜30μm程度に微粉砕
した粒子がトナーとして用いられている。また、これら
の成分にさらにマグネタイト等の磁性材料を含有せしめ
たものは、磁性トナーとして用いられる。
【0005】前述のごとく、種々の現像方法に用いられ
るトナーは、現像される静電潜像の極性に応じて、正、
又は負の電荷が保有せしめられている。トナーに電荷を
保有せしめるためには、トナーの成分である樹脂の摩擦
帯電性を利用することもできるが、この方法ではトナー
の帯電性が小さいので、現像によって得られる画像はカ
ブリや経時的な帯電劣化が起こり、満足のいく画像が得
られない場合が多い。そこで、一般的に所望の摩擦帯電
性をトナーに付与するために、特公昭41−20153
号公報、同43−17955号公報、同43−2759
6号公報、同44−6397号公報、同45−2647
8号公報に記載されているように、帯電性を付与する染
料、顔料、あるいは荷電制御剤なるものを添加すること
が行われている。従来、負極性荷電制御剤としては、モ
ノアゾ染料の金属錯塩、ニトロフミン酸及びその塩、サ
リチル酸、ナフトエ酸ジカルボン酸のCo、Cr、Fe
等の金属錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、
ニトロ基、ハロゲン基を導入したスチレンオリゴマー、
塩素化パラフィン、メラミン樹脂等があるが、これらの
染顔料は構造が複雑で性質が一定せず、安定性に乏し
い。また、混練粉砕トナーの場合、熱混練時に分解、機
械的衝撃、摩擦、温湿度条件の変化などにより、分解又
は変質しやすく、荷電制御性が低下する現象を起こしや
すい。また、環境により帯電性が変化するものが多い。
さらに、従来の該荷電制御剤を含有するトナーを長時間
使用した際には、帯電不良に起因して感光体へフィルミ
ングを起こしたりする。
【0006】さらに、これらのトナーに添加される染顔
料あるいは荷電制御剤は、帯電性を付与するため、また
帯電の立ち上がり特性を良くするため、ある程度トナー
表面に出ていなければならない。そのため、トナー同士
の摩擦、キャリアとの衝突、静電潜像保持体との摩擦な
どにより、トナー表面からこれらの添加剤が脱落し、キ
ャリア等の汚染や静電潜像保持体、例えば感光体ベルト
あるいはドラムなどの汚染が生じる。その結果、帯電性
が悪くなり、さらに耐久枚数が増すに従って劣化が進
み、画像濃度が低下し、細線再現性、カブリ性などが実
用上問題となってくる。
【0007】そこで、トナーの結着樹脂と帯電性を付与
する染顔料あるいは荷電制御剤との親和性、分散性を向
上させることによって、上記問題点を改善することが行
われている。例えば、これらの添加剤の親和性を高める
ため、表面処理する方法があるが、表面処理をすると帯
電性が低下する場合が多い。また、分散性向上のため、
機械的剪断力を良くして、細かく分散させる方法もある
が、トナー表面に出る添加剤の割合が減少し、帯電性を
十分に付与できない傾向になる。
【0008】前述から分かるように、トナーに長時間安
定して十分な帯電性を付与し得る添加剤(染顔料又はそ
の他の荷電制御剤)は非常に限られていて、実用化され
ているものは少ない。また、白黒画像だけでなくカラー
画像を得るためには、トナーに添加されるものは無色で
あることが望ましいが、従来用いられている染顔料、又
はその他の荷電制御剤の多くは有色であり、したがって
実用化されているものはほとんどないのが現状である。
加えて、温湿度の変化に対しても、長時間安定した帯電
性を付与し得る添加剤(染顔料、又はその他の荷電制御
剤)ということになると皆無に等しい。
【0009】ところで、特開昭61−19602号公報
記載の分散重合法により樹脂粒子を作成するとき、一般
的に高分子分散剤を使用する。したがって、樹脂粒子表
面には高分子分散剤が残存し、分散重合粒子をトナー化
すると、帯電性は表面に残存した高分子分散剤に支配さ
れる。この高分子分散剤が残存した表面がマイナス帯電
性であるとき、マイナスの帯電性が得られるが、十分満
足するものではない。そこで、このマイナス帯電性の表
面にマイナス帯電性の化合物を付着させてマイナス帯電
性を付与しようとしても、イオン的反発が大きいため、
強いマイナス帯電性を与えることができない。一方、プ
ラス帯電性の例えばアンモニウム塩などは、マイナス帯
電性の表面への付着性が良好なものの、帯電性は弱いも
のとなり、帯電を制御することは実質上不可能である。
懸濁重合トナー、混練粉砕トナーについても、分散重合
トナーと同様の問題が生じていた。
【0010】以上のことからわかるように、トナーに長
時間安定した帯電性を付与し得る添加剤(染顔料、又は
その他の荷電制御剤)は非常に限られていて、実用化さ
れているものはほとんどなく、長期間に渡って良好な複
写画像を提供できないといった課題があった。
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、上記のような課題を解決した、すなわち温湿度
の変化に対しても、トナーに長時間安定した帯電性を付
与し、永続的に良好な複写画像を与える静電荷像現像用
トナーを提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、第一
に、励起状態の二つのSOMOのうち、低エネルギー側
のSOMOのエネルギー値の取りうる範囲が1eV以内
にある化合物を含有してなることを特徴とする静電荷像
現像用トナーが提供される。第二に、上記第一に記載し
た静電荷像現像用トナーにおいて、前記化合物が下記一
般式(I)で表される化合物であることを特徴とする静電
荷像現像用トナーが提供される。
【化1】 第三に、上記第一又は第二に記載した静電荷像現像用ト
ナーにおいて、前記トナーが分散重合トナーであること
を特徴とする静電荷像現像用トナーが提供される。第四
に、上記第一又は第二に記載した静電荷像現像用トナー
において、前記トナーが分散重合トナーであり、さらに
該トナー表面にSiO2、TiO2又はAl23の微粉末
のいずれかが添加されてなることを特徴とする静電荷像
現像用トナーが提供される。第五に、上記第一又は第二
に記載した静電荷像現像用トナーにおいて、前記トナー
が分散重合トナーであり、さらに該トナー表面にSiC
の微粉末が添加されてなることを特徴とする静電荷像現
像用トナーが提供される。第六に、上記第一又は第二に
記載した静電荷像現像用トナーにおいて、前記トナーが
懸濁重合トナーであることを特徴とする静電荷像現像用
トナーが提供される。第七に、上記第一又は第二に記載
した静電荷像現像用トナーにおいて、前記トナーが懸濁
重合トナーであり、さらに該トナー表面にSiO2、T
iO2又はAl23の微粉末のいずれかが添加されてな
ることを特徴とする静電荷像現像用トナーが提供され
る。第八に、上記第一又は第二に記載した静電荷像現像
用トナーにおいて、前記トナーが懸濁重合トナーであ
り、さらに該トナー表面にSiCの微粉末が添加されて
なることを特徴とする静電荷像現像用トナーが提供され
る。第九に、上記第一又は第二に記載した静電荷像現像
用トナーにおいて、前記トナーが混練粉砕トナーである
ことを特徴とする静電荷像現像用トナーが提供される。
第十に、上記第一又は第二に記載した静電荷像現像用ト
ナーにおいて、前記トナーが混練粉砕トナーであり、さ
らに該トナー表面にSiO2、TiO2又はAl23の微
粉末のいずれかが添加されてなることを特徴とする静電
荷像現像用トナーが提供される。第十一に、上記第一又
は第二に記載した静電荷像現像用トナーにおいて、前記
トナーが混練粉砕トナーであり、さらに該トナー表面に
SiCの微粉末が添加されてなることを特徴とする静電
荷像現像用トナーが提供される。
【0012】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
静電荷像現像用トナーは、前述のように励起状態の2つ
のSOMOのうち、低エネルギー側のSOMOのエネル
ギー値の取りうる範囲が1eV以内にある化合物を含有
してなることを特徴としている。通常、化合物の基底状
態のフロンティア軌道は、HOMO(HighestO
ccupied Molecular Orbital、
最高被占軌道)に電子が二つ入っていて、LUMO(L
owest Unoccupied Molecular
Orbital、最低空軌道)には電子が入っていな
い。しかし、外部から摩擦等によりエネルギーを得る
と、HOMOにある二つの電子のうち、一つがLUMO
に遷移し、電子が一つ入ったSOMO(Single
Occupied Molecular Orbita
l、半占軌道)が二つ形成される。これらSOMOが外
部との電子の授受、すなわち帯電特性に多大に関与して
いることが、特開平06−348060号明細書に記載
されている。しかしながら、SOMOは、トナー調製時
の条件の違い等による化合物の存在状態の違い、化合物
の分子構造のバラツキ、温湿度の影響等により、ある範
囲をとる。したがつて、この範囲が大きければ、トナー
の帯電量も不安定なものとなってしまう。本発明は、こ
のSOMO、特に低エネルギー側のSOMOのエネルギ
ー値の取りうる範囲が1eV以内にある化合物を含有し
ていれば、トナーの帯電量が安定することを見いだした
ものである。SOMOのエネルギー値は、分子軌道法で
容易に計算することができ、分子動力学法を併用するこ
とで、化合物の存在状態の違い、化合物の分子構造のバ
ラツキ、温湿度の影響等を考慮することもできる。
【0013】本発明の静電荷像現像用トナーに用いられ
る化合物としては、例えば上記一般式(I)に示すような
化合物があげられるが、これはほんの一部であり、低エ
ネルギー側のSOMOのエネルギー値の取りうる範囲が
1eV以内にある化合物ならば使用することができる。
また、本発明で特徴的なことは、前記励起状態の二つの
SOMOのうち、低エネルギー側のSOMOのエネルギ
ー値の取りうる範囲が1eV以内にある化合物を含有し
て、かつトナーにSiO2、TiO2、Al23などの微
粉末を添加することである。これらの添加剤でトナー表
面を被覆せしめることで、感光体上におけるトナーの流
動性、耐凝集性を向上させることができ、感光体から記
録紙などの記録媒体へのトナーの転写効率を向上させる
ことができる。さらにまた、本発明で特徴的なことは、
前記励起状態の二つのSOMOうち、低エネルギー側の
SOMOのエネルギー値の取りうる範囲が1eVにある
化合物を含有して、かつトナーにSiCなどの微粉末を
を添加することである。これらの添加剤でトナー表面を
被覆せしめることで、キャリアなどにスペントされたト
ナーを除去することで、キャリアの耐久性を向上させる
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の静電荷像現像用トナーは分散重合
トナー、懸濁重合トナー、混練粉砕トナーのいずれの形
態も取りうる。混練トナーは従来から多くの文献で十分
に説明されているので、分散重合トナー及び懸濁重合ト
ナーについて述べる。
【0015】(分散重合トナー)まず、本発明の分散重
合トナーから説明を進める。 〔樹脂粒子A〕本発明における樹脂粒子Aは次のような
ものである。すなわち、樹脂粒子Aは、体積平均粒径
(Dv)と個数平均粒径(Dp)との比が1.00≦
(Dv/Dp)≦1.20の範囲にあり、Dvが1〜1
0μmの粒子である。この樹脂粒子Aは親水性有機液体
に、その親水性有機液体に溶解する高分子分散剤を加
え、これに前記親水性液体には溶解するが、生成する重
合体は前記親水性液体にて膨潤されるか、あるいはほと
んど溶解しない一種又は二種以上のビニル単量体を加え
て重合することにより製造される。また予め目的とする
粒径よりは小さく、粒度分布の狭い重合体粒子を利用し
て上述の系で成長させる反応も含まれる。成長反応に利
用する単量体は、種粒子を製造したものと同じ単量体で
もまた別の単量体でもよいが、重合体は親水性有機液体
に溶解してはならない。
【0016】〔親水性有機液体〕前記の種粒子の形成時
及び種粒子の成長反応時に用いる単量体の希釈剤として
の親水性有機液体としては、メチルアルコール、エチル
アルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、t−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t
−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアル
コール、ベンジルアルコール、シクロへキサノール、フ
ルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコー
ル、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリ
コールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、セロソ
ルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルなどのエーテルアルコール類などが代表的なものとし
て挙げられる。
【0017】これらの有機液体は単独で、もしくは二種
以上の混合物として用いることができる。なお、アルコ
ール類及びエーテルアルコール類以外の有機液体と、上
述のアルコール類及びエーテルアルコール類とを併用す
ることで、有機液体が生成重合体粒子に対して溶解性を
もたせない条件下で、有機液体のSP値を種々変化させ
て重合を行なうことにより、生成される粒子の大きさ、
種粒子同士の合一及び新粒子の発生を抑制することが可
能である。この場合の併用する有機液体としては、ヘキ
サン、オクタン、石油エーテル、シクロへキサン、ベン
ゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、四塩化炭
素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタンなどのハ
ロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、ジメチルグリコ
ール、ジオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテル
類、メチラール、ジエチルアセタールなどのアセタール
類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサンなどのケトン類、ギ酸ブチル、
酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセテー
トなどのエステル類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸などの
酸類、ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチルアミ
ン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルスルホ
キシド、ジメチルホルムアミドなどの硫黄、窒素含有有
機化合物類、その他水も含まれる。
【0018】上記親水性有機液体を主体とした溶媒に、
以下のイオンが存在した状態で重合を行なってもよい。
【化2】SO4 2-、NO2-、PO4 3-、Cl-、Na+、K
+、Mg2+、Ca2+ また、重合開始時、重合途中、重合末期とそれぞれ混合
溶媒の種類及び組成を変化させ、生成する重合体粒子の
平均粒径、粒径分布、乾燥条件などを調整することがで
きる。
【0019】〔分散安定剤〕種粒子製造時、または成長
粒子の製造時に使用される高分子分散剤の適当な例とし
ては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノア
クリル酸、αーシアノメタクリル酸、イタコン酸、クロ
トン酸、フマール酸、マレイン酸又は無水マレイン酸な
どの酸類、あるいは水酸基を含有するアクリル系単量
体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸βーヒドロキシ
プロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アク
リル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γーヒド
ロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキ
シプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシ
プロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステ
ル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、
グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメ
タクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、
N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコー
ル又はビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニル
メチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピ
ルエーテルなど、又はビニルアルコールとカルボキシル
基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドあるいはこ
れらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタ
クリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリ
ジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレ
ンイミンなどの窒素原子又はその複素環を有するものな
どのホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン、
ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルア
ミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキ
シエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアル
キルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオ
キシエチレンノニルフエニルエステルなどのポリオキシ
エチレン系、並びにメチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセ
ルロース類、又は前記親水性モノマーとスチレン、α−
メチルスチレン、ビニルトルエンなどのベンゼン核を有
するもの、又はその誘導体、又はアクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸も
しくはメタクリル酸誘導体との共重合体、さらに、架橋
性モノマー、例えばエチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、メタクリ
ル酸アリル、ジビニルベンゼンなどとの共重合体も使用
可能でである。
【0020】これらの高分子分散剤は、使用する親水性
有機液体、目的とする重合体粒子の種、及び種粒子の製
造か、成長粒子の製造かにより適宜選択されるが、特に
重合体粒子同士の合一を主に立体的に防ぐ意味で、重合
体粒子表面への親和性、吸着性が高く、しかも親水性有
機液体への親和性、溶解性の高いものが選ばれる。ま
た、立体的に粒子同士の反発を高めるために、分子鎖が
ある程度の長さのもの、好ましくは分子量が1万以上の
ものが選ばれる。しかし、あまり分子量が高いと、液粘
度の上昇が著しく、操作性、撹拌性が悪くなり、生成重
合体の粒子表面への析出確率のばらつきを与えるため注
意を要する。また、先に挙げた高分子分散剤の単量体を
一部、目的とする重合体粒子を構成する単量体に共存さ
せておくことも安定化には効果がある。
【0021】さらに、これら高分子分散剤とともにコバ
ルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅、スズ、鉛、マ
グネシウムなどの金属またはその合金(特に粒径1μm
以下のものが好ましい)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケ
ル、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化ケイ素などの酸化物の
無機化合物微粉体、高級アルコール硫酸エステル塩、ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン
酸塩、燐酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキ
ルアミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミ
ン脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、ア
ルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチル
アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウ
ム塩、ピリジウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩
化ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオ
ン界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘
導体などの非イオン界面活性剤、例えば、アラニン型
「例えばドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オ
クチルアミノエチル)グリシン」などのアミノ酸型やべ
タイン型の両性界面活性剤を併用しても、生成重合体粒
子の安定性及び粒径分布の改良をさらに高めることがで
きる。
【0022】一般に、種粒子製造時の高分子分散剤の使
用量は目的とする重合体粒子形成用の重合性単量体の種
類によって異なるが、親水性有機液体に対し0.1重量
%〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。高分
子分散安定剤の濃度が低い場合には、生成する重合体粒
子は比較的大粒径のものが得られ、濃度の高い場合には
小粒径のものが得られるが、10重量%を超えて用いて
も小径化への効果は少ない。
【0023】〔単量体〕また、前記のビニル単量体と
は、親水性有機液体に溶解可能なものであり、例えば、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、α−メチルスチレン.p−エチル
エチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘ
キシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−
ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ド
デシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニル
スチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチ
レンなどのスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、ア
クリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸
2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα
−メチル脂肪酸モノカルボン酸エステル類、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのア
クリル酸、もしくはメタクリル酸誘導体、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロ
ゲン化ビニル類などからなる単独または相互の混合物及
びこれらを50重量%以上含有し、これらと共重合し得
る単量体との相互の混合物を意味する。
【0024】また、本発明における前記の重合体は、耐
オフセット性を高めるために、重合性の二重結合を二個
以上有する、いわゆる架橋剤の存在下に重合させたもの
であっても良い。好ましく用いられる架橋剤としては、
ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びそれらの誘
導体である芳香族ジビニル化合物、その他エチレングリ
コールジメタクリレート、ジエチレングリコールメタク
リレート、トリエチレングリコールメタクリレート、ト
リメチロールプロパントリアクリレート、アリルメタク
リレート、tert−ブチルアミノエチルメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,
3−ブタンジオールジメタクリレートなどのジエチレン
性カルボン酸エステル、N,N−ジビニルアニリン、ジ
ビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホ
ンなど全てのジビニル化合物、及び三個以上のビニル基
を持つ化合物が挙げられ、これらは単独または混合物な
どで用いられる。
【0025】このように架橋された種粒子を用いて成長
重合反応を引き続いて行った場合には、成長する重合体
粒子の内部が架橋されたものとなる。また一方で、成長
反応に用いるビニル単量体溶液に上記の架橋剤を含有さ
せた場合には、粒子表面が硬化された重合体が得られ
る。
【0026】〔連鎖移動剤〕また、平均分子量を調節す
る目的として、連鎖移動定数の大きな化台物を共存させ
て重合を行わせるものに、例えば、メルカプト基をもつ
低分子化分物や四塩化炭素、四臭化炭素が挙げられる。
【0027】〔重合開始剤〕また、前記単量体の重合開
始剤としては、例えば2,2′−アゾビスイソブチロニ
トリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)などのアゾ系重合開始剤、ラウリルパーオキ
シド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオクト
エートなどの過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウムな
どの過硫酸化物系重合開始剤、これにチオ硫酸ナトリウ
ム、アミンなどを併用した系などが用いられる。重合開
始剤濃度は、ビニル単量体100重量部に対して0.1
〜10重量部が望ましい。
【0028】〔重合条件〕種粒子を得るための重合条件
は、重合体粒子の目標平均粒径、目標粒径分布に合わせ
て、親水性有機液体中の高分子分散剤、ビニル単量体の
濃度、及び配合比が決定される。一般に、粒子の平均粒
径を小さくしようとするならば、高分子分散剤の濃度を
高く、また平均粒径を大きくしようとするならば、高分
子分散剤の濃度が低く設定される。一方、粒子径分布を
非常に鋭くしようとするならば、ビニル単量体濃度を低
く、また、比較的広い分布でもよい場合は、ビニル単量
体濃度は高く設定される。
【0029】粒子の製造は親水性有機液体に、高分子分
散安定剤を完全に溶解した後、一種または二種以上のビ
ニル単量体、重合開始剤、その他必要ならば無機微粉
末、界面活性剤、染料、顔料などを添加し、30〜30
0rpmの通常の撹拌にて、好ましくはなるべく低速
で、しかもパドル型よりもタービン型の撹拌翼を用い
て、槽内の流れが均一になるような速度で撹拌しなが
ら、用いた重合開始剤の重合速度に対応した温度にて加
熱し重合が行なわれる。なお、重合初期の温度が生成す
る粒子種に大きな影響を与えるため、単量体を添加した
後に温度を重合温度まで上げ、重合開始剤を小量の溶媒
に溶解して投入した方が望ましい。重合の際には窒素ガ
ス、アルゴンガスなどの不活性気体にて反応容器内の空
気中の酸素を充分に追い出す必要がある。もし、酸素パ
ージが不充分であると微粒子が発生し易い。重合を高重
合率域で行なうには5〜40時間の重合時間が必要であ
るが、所望の粒子径、粒子径分布の状態で重合を停止さ
せたり、また重合開始剤を順次添加したり、高圧下で反
応を行なうことにより重合速度を速めることができる。
【0030】重合終了後は、そのまま染着工程に用いて
もよいし、沈降分離、遠心分離、デカンテーシヨンなど
の操作により不必要な微粒子、残存モノマー、高分子分
散安定剤などを除いた後に、重合体スラリーとして回収
して染着を行なってもよいが、分散安定剤を除去しない
方が燃料の安定性は高く、不要な凝集が抑制される。
【0031】〔染着工程〕本発明における染着は次のよ
うなものである。すなわち、樹脂粒子Aを溶解せしめな
い有機溶媒中に樹脂粒子Aを分散し、この前または後に
前記溶媒中に染料を溶解させ、前記染料を樹脂粒子A中
に浸透させ着色せしめた後、前記有機溶媒を除去して染
着トナーを製造する方法において、前記染料の前記有機
溶媒に対する溶解度(D1)及び前記樹脂粒子Aの樹脂
に対する前記染料の溶解度(D2)の関係が、(D1)/
(D2)≦0.5となる染料を選択使用する。これによ
り、樹脂粒子Aの深部まで染料が浸透(拡散)したトナ
ーを効率よく製造することができる。ここで溶解度は2
5℃の温度で測定されたものと定義する。なお、染料の
樹脂中への溶解度とは、染料の溶媒中への溶解度と全く
同じ定義であり、樹脂中に染料が相溶状態で含有させる
ことができる最大量を意味する。この溶解状態、あるい
は染料の析出状態の観察は顕微鏡を用いることにより容
易に行なうことができる。樹脂に対する染料の溶解性を
知るには、上記した直接観察による方法の代わりに間接
的な観察方法によってもよい。この方法は樹脂と溶解度
係数が近似する液体、即ち樹脂をよく溶解する溶媒を用
い、この溶媒に対する染料の溶解度を樹脂に対する溶解
度として定めてもよい。
【0032】〔染料〕着色に使用する染料としては、前
述のように使用する有機溶媒への該染料の溶解度
(D1)より樹脂粒子を構成する樹脂への該染料の比
(D1)/(D2)が0.5以下である必要がある。さら
に(D1)/(D2)が0.2以下とすることが好まし
い。燃料としては、上記の溶解特性を満たせば特に制限
はないが、カチオン染料、アニオン染料などの水溶性染
料は環境変動が大きいおそれがあり、またトナーの電気
抵杭が低くなり、転写率が低下するおそれがあるので、
バット染料、分散染料、油溶性染料の使用が好ましく、
特に油溶性染料が好ましい。また、所望の色調に応じて
数種の染料を併用することもできる。染着される染料と
樹脂粒子との比率(重量)は、着色度に応じて任意に選
択されるが、通常は樹脂粒子1重量部に対して、染料1
〜50重量部の割合で用いるのが好ましい。例えば、染
着溶媒にSP値の高いメタノールやエタノールなどのア
ルコール類を使用し、樹脂粒子としてSP値が9程度の
スチレン−アクリル系樹脂を使用した場合、使用し得る
染料としては、例えば、以下のような染料が挙げられ
る。 C.I.SOLVENT YELLOW(6、9、1
7、31、35、1、102、103、105) C.I.SOLVENT ORANGE(2、7、1
3、14、66) C.I.SOLVENT RED(5、16、17、1
8、19、22、23、143、145、146、14
9、150、151、157、158) C.I.SOLVENT VIOLET(31、32、
33、37) C.I.SOLVENT BLUE(22、63、7
8、83〜86、91、94、95、104) C.I.SOLVENT GREEN(24、25) C.I.SOLVENT BROWN(3、9)など。
【0033】市販染料では例えば保上谷化学工業社製の
愛染SOT染料Yellow−1、3、4、Orang
e−1、2、3、Scarlet−1、Red−1、
2、3、Brown−2、Blue−1、2、Viol
et−1、Green−1、2、3、Black−1、
4、6、8やBASF社製のsudan染料、Yell
ow−140、150、Orange−220、Red
−290、380、460、Blue−670や三菱化
成社製のダイアレジン、Yellow−3G、F、H2
G、HG、HC、HL、Orange−HS、G、Re
d−GG、S、HS、A、K、H5B、Violet−
D、Blue−J、G、N、K、P、H3G、4G、G
reen−C、Brown−Aやオリエント化学社製の
オイルカラー、Yellow−3G、GG−S、#10
5、0range−PS、PR、#201、Scarl
et−#308、Red−5B、Brown−GR、#
416、Creen−BG、#502、B1ue−BO
S、HN、B1ack−HBB、#803、EE、E
X、住友化学工業社製のスミプラスト、ブルーGP、O
R、レッドFB、3B、イエローFL7G、GC、日本
化薬社製のカヤロン、ポリエステルブラックEX−SH
3、カヤセットRed−BのブルーA−2Rなどを使用
することができる。もちろん染料は樹脂粒子と染着時に
使用する溶媒の組み合わせで適宜選択されるため、上記
例に限られるものではない。
【0034】〔染着用有機溶媒〕染料を樹脂粒子に染着
させるために用いる有機溶媒としては、使用する樹脂粒
子が溶解しないもの、あるいは若干の膨潤をきたすも
の、具体的には溶解性パラメーター(SP値)の差が
1.0以上、好ましくは2.0以上のものが使用され
る。例えば、スチレン−アクリル系樹脂粒子に対して
は、SP値が高いメタノール、エタノール、n−プロパ
ノールなどのアルコール系、あるいはSP値が低いn−
ヘキサン、n−ヘプタンなどを使用する。SP値の差が
あまりに大きすぎると、樹脂粒子に対する濡れが悪くな
り、樹脂粒子の良好な分散が得られないため、最適なS
P値の差は2〜5が好ましい。
【0035】〔染着工程〕染料を溶解した有機溶媒中に
樹脂粒子を分散させた後、液温度を樹脂粒子のガラス転
移温度以下に保ち、撹拌することが好ましい。これによ
り、樹脂粒子の凝集を防ぎながら染着することが可能と
なる。撹拌の方法は市販されている撹拌機、例えばホモ
ミキサー、マグネチックスターラーなどを用いて撹拌す
ればよい。また、分散重合などで重合終了時得られるス
ラリー、つまり有機溶媒中に重合樹脂粒子が分散してい
る状態の分散液に、染料を直接添加して前記の条件にて
加熱撹拌してもよい。加熱温度がガラス転移温度超過の
場合は樹脂粒子同士の融着が生じてしまう。染着後のス
ラリーを乾燥する方法としては、特に限定はされない
が、濾過した後に減圧乾燥あるいは瀘別しないで直接減
圧乾燥すればよい。本発明において瀘別した後に風乾ま
たは減圧乾燥して得られた着色粒子は、凝集は殆どな
く、投入した樹脂粒子の粒度分布を殆ど損なわないで再
現する。
【0036】(懸濁重合トナー)続いて、本発明の懸濁
重合トナーについて説明する。 〔モノマー〕懸濁重合に使用される重合性単量体はビニ
ル基を有するモノマーであり、具体的には以下のような
モノマーが挙げられる。即ち、スチレン、o−メチルス
チレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、ブチルスチレン、オクチル
スチレンなどのスチレン及びその誘導体が挙げられ、な
かでもスチレン単量体が最も好ましい。他のビニル系単
量体として、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなど
のエチレン系不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲ
ン化ビニル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベン
ゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル
酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アク
リル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−
クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタク
リル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n
ーブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n
−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−
エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル
酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどの
α−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、アクリ
ロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミドな
どのアクリル酸もし〈はメタクリル酸誘導体、ビニルメ
チルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニル
エーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケト
ン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン
類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−
ビニル化合物類、ビニルナフタレンなどを挙げることが
でき、これらの単量体を単独あるいは混合して用いるこ
とができる。
【0037】〔架橋剤〕単量体組成物中には、架橋重合
体を生成させるために、次のような架橋剤を存在させて
懸濁重合させてもよい。架橋剤としては、ジビニルベン
ゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコールジ
アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、
トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチ
レングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,
2′−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)
プロパン、2,2′−ビス(4−アクリルオキシジエト
キシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート、トリメチロールメタンテトラアクリレ
ート、ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリレー
ト、フタル酸ジアリルなどが挙げられる。架橋剤の使用
量が多過ぎると、トナーが熱で溶融しにくくなり、熱定
着性、熱圧定着性が劣ることになる。また、架橋剤の使
用量が少な過ぎると、トナーとして必要な耐ブロッキン
グ性、耐久性などの性質が低下し、熱ロール定着におい
て、トナーの一部が紙に完全に固着しないでロール表面
に付着し、次の紙に転写するという、コールドオフセッ
トが発生してしまう。従って、用いる架橋剤量は、重合
性単量体100重量部に対して0.001〜15重量
部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0038】〔離型剤〕また、得られるトナーのオフセ
ット防止のために、重合組成物に離型剤を含有させるこ
とができる。離型剤としては低分子量のポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましい。この
低分子量オレフィン重合体は、着色剤と共に重合性単量
体中に分散させておくのが好ましい。なお、離型剤は重
合性単量体100重量部に対して1〜15重量部使用す
ることが好ましい。離型剤の使用量が1重量部未満で
は、得られたトナーが充分な離型効果をもたず、ローラ
上にオフセットしやすくなる。逆に使用量が15重量部
を超過すると、トナーから離型剤が摩擦帯電付与部材に
スペントするようになる。また、トナーの流動性が極め
て悪くなる。
【0039】〔着色剤〕単量体に含有される着色剤とし
ては、従来より知られている染料及びカーボンブラッ
ク、カーボンブラックの表面を樹脂で被覆してなるグラ
フト化カーボンブラックのような顔料が使用可能であ
る。その他の着色剤としては、ランプブラック、鉄黒、
群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニ
ングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、レー
キ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリド
ン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリル
メタン系染料、モノアゾ系染料、ジスアゾ系染料などの
染顔料がある。なお、これらの着色剤は、重合性単量体
100重量部に対して0.1〜30重量部使用できる。
【0040】〔分散安定剤〕分散安定剤としては次のも
のが使用可能である。即ち、ポリビニルアルコール、で
ん粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナト
リウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分
子、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭
酸マグネシウム、リン酸カルシウム、タルク、粘土、け
いそう土、金属酸化物粉末などが用いられる。これらは
水に対して0.1〜10重量%の範囲で用いるのが好ま
しい。
【0041】〔重合開始剤〕本発明において、重合開始
剤は造粒後の単量体組成物を含む分散液中に添加しても
よいが、個々の単量体組成物粒子に均一に重合開始剤を
付与する点からは、造粒前の単量体組成物に含有させて
おくことが望ましい。このような重合開始剤としては、
2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,
1′−アゾビス−(シクロへキサン−1−カルボニトリ
ル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル、アゾビスブチロニトリルなどの
アゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキ
サイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロ
ピルパーオキサイド、2,4−ジクロルベンゾイルパー
オキサイド、ラウリルパーオキサイドなどの過酸化物系
重合開始剤が挙げられる。
【0042】〔磁性体〕本発明のトナーは、磁性体を含
有する型の磁性トナーであってもよい。磁性トナーとす
るには、単量体組成物に磁性粒子を添加すればよい。本
発明に用いることができる磁性体には例えば、鉄、コバ
ルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末、もしくはマグ
ネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合物
の粉末が挙げられる。磁性粒子としては、粒径が0.0
5〜5μm、好ましくは0.1〜1μmのものが用いら
れるが、小粒径トナーを生成する場合には、粒径0.8
μm以下の磁性粒子を使用することが望ましい。この磁
性粒子は、単量体組成物100重量部中に10〜60重
量部含有されていることが望ましい。また、これら磁性
粒子はシランカップリング剤、チタンカップリング剤な
どの表面処理剤、あるいは適当な反応性の樹脂などで処
理されていてもよい。この場合、磁性粒子の表面積ある
いは表面に存在する水酸基の密度にもよるが、通常、磁
性粒子100重量部に対して表面処理剤が5重量部以
下、好ましくは0.1〜3重量部の処理で、充分な重合
性単量体への分散性が得られ、トナー物性に対しても悪
影響を及ぼさない。
【0043】
【実施例】以下に本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0044】〔実施例1〕撹拌翼、冷却器をとりつけた
500mlの四つ口フラスコに、メチルビニルエーテル
−無水マンイン酸共重合体(分子量40000、GAF
社製)3.5重量部とメタノール100重量部を入れ、
60℃で2時間撹拌し、メチルビニルエーテル−無水マ
ンイン酸共重合体を完全に溶解させ分散安定剤を調整し
た。その後、室温まで冷却し次のものを仕込んだ。 スチレン 60重量部 メタクリル酸メチル 40重量部 t−ドデシルメルカプタン 0.06重量部 1,3−ブタンジオールジメタクリレート 0.5重量部 これらを撹拌しながら、フラスコ内を窒素ガスでパージ
し、系内の残存酸素濃度が0.1%になるまで約1時間
ゆるやかに撹拌(1000rpm)を続けた。その後、
恒温槽の温度を60℃まで上昇させた後、2,2’−ア
ゾビスイソブチロニトリル0.2重量部を開始剤に用
い、24時間重合を続けた。加熱後、15分すると液は
白濁し始め、24時間重合後も白濁した安定な分散液で
あった。一部サンプリングしてガスクロマトグラフィ−
で内部標準法による測定を行った結果、重合率95%で
あることが確認できた。得られた分散液を冷却し遠心分
離器にて2000rpmで遠心分離すると、重合体粒子
は完全に沈殿し上部の液は透明であった。上澄み液を除
き、新たにメタノール200gを加え、1時間撹拌洗浄
した。遠心分離しメタノールで洗浄する操作を繰り返し
濾過した。瀘別したものを50℃にて24時間減圧乾燥
し、90%の収率で白色粉末の樹脂粒子を得た。得られ
た粒子は、体積平均粒径Dv=5.44μmであった。
また、Tg(ガラス転移点)は63℃であった。以下こ
の重合粒子を(B)と呼ぶ。次に、メタノール100重
量部中にオイルブラック860(オリエント化学工業社
製)2重量部を加熱溶解した後冷却し、約1μmフィル
ターで瀘別し、染料溶液を調製した。次に、前記瀘液に
重合粒子(B)を30重量部加えて分散させ、50℃で
1時間撹拌加熱した。その後、分散液を室温まで冷却し
瀘別し着色樹脂粒子分散液を得た。続いて、荷電制御剤
として下記化3で示される化合物を水/メタノ−ル(1
/1)混合溶媒に溶解させ、着色樹脂粒子100重量部
に対して2重量部加えた。1時間撹拌後瀘過し、乾燥さ
せてトナ−を得た。
【化3】C59−O−C64−CONH−(CH22
(CH33Br ここで用いた荷電制御剤のSOMOの軌道エネルギー
は、化合物の存在状態の違い、化合物の分子構造のバラ
ツキ、温湿度の影響等を考慮した分子軌道計算を行った
結果、−8.86〜−7.92eVの範囲にあることが
分かった。そして、このトナーを温度10℃、湿度15
%の環境下で1時間放置し、その後シリコンコートキャ
リアと十分混ぜ合わせてから、トナーの帯電量をブロー
オフ法で測定したところ、帯電量は−30.9μC/g
であった。また、温度30℃、湿度90%の環境下で1
時間放置し、その後シリコンコートキャリアと十分混ぜ
合わせてから、トナーの帯電量をブローオフ法で測定し
たところ、帯電量は−26.8μC/gとなり、温湿度
の変化に対しても、安定した帯電性を示した。また、こ
のトナーを用いて、温湿度を特に制御していない環境下
で、市販の電子写真複写機(リコー社製イマジオ42
0)で3万枚ランニングテストを行った結果、画像カブ
リ、地肌汚れのない細線再現性の良い画像が得られた。
【0045】〔実施例2〕実施例1のトナ−に、SiO
2の微粉末(アエロジルrR812、日本アエロジル社
製)をトナーに対して2.0重量部添加し、回転型混合
機にて混合しトナーを得た。実施例1と同様の計算を行
った結果、SOMOの軌道エネルギーは、−8.89〜
−7.93eVの範囲であった。また、温度10℃、湿
度15%の環境下での帯電量は−34.1μC/g、温
度30℃、湿度90%の環境下での帯電量は−30.1
μC/gであり、温湿度の変化に対して安定した帯電性
を示した。さらに、感光体から記録紙への転写率は、実
施例1の54%に比較し88%と大幅に向上した。そし
て、このトナ−を用いて、温湿度を特に制御していない
環境下で、市販の電子写真複写機(リコー社製、イマジ
オ420)で3万枚ランニングテストを行った結果、画
像カブリ、地肌汚れのない細線再現性の良い画像が得ら
れ、廃トナ−量も半減した。
【0046】〔実施例3〕実施例1のトナ−に、TiO
2の微粉末をトナーに対して2.0重量部添加し、回転
型混合機にて混合しトナーを得た。実施例1と同様の計
算を行った結果、SOMOの軌道エネルギーは、−8.
90〜−7.87eVの範囲であった。また、温度10
℃、湿度15%の環境下での帯電量は−33.8μC/
g、温度30℃、湿度90%の環境下での帯電量は−2
9.3μC/gであり、温湿度の変化に対して安定した
帯電性を示した。さらに、感光体から記録紙への転写率
は実施例1の54%に比較し86%と大幅に向上した。
そして、このトナ−を用いて、温湿度を特に制御してい
ない環境下で、市販の電子写真複写機(リコー杜製、イ
マジオ420)で3万枚ランニングテストを行った結
果、画像カブリ、地肌汚れのない細線再現性のよい画像
が得られ、廃トナー量も半減した。
【0047】〔実施例4〕実施例1のトナ−に、Al2
3の微粉末をトナーに対して2.0重量部添加し、回
転型混合機にて混合しトナーを得た。実施例1と同様の
計算を行った結果、SOMOの軌道エネルギーは、−
8.90〜−7.90eVの範囲であった。また、温度
10℃、湿度15%の環境下での帯電量は−31.9μ
C/g、温度30℃、湿度90%の環境下での帯電量は
−29.7μC/gであり、温湿度の変化に対して安定
した帯電性を示した。さらに、感光体から記録紙への転
写率は実施例1の54%に比較し86%と大幅に向上し
た。そして、このトナ−を用いて、温湿度を特に制御し
ていない環境下で、市販の電子写真複写機(リコー杜
製、イマジオ420)で3万枚ランニングテストを行っ
た結果、画像カブリ、地肌汚れのない細線再現性のよい
画像が得られ、廃トナー量も半減した。
【0048】〔実施例5〕実施例1のトナ−に、SiC
の微粉末をトナーに対して2.0重量部添加し、回転型
混合機にて混合しトナーを得た。実施例1と同様の計算
を行った結果、SOMOの軌道エネルギーは、−8.8
1〜−7.89eVの範囲であった。また、温度10
℃、湿度15%の環境下での帯電量は−29.4μC/
g、温度30℃、湿度90%の環境下での帯電量は−2
5.1μC/gであり、温湿度の変化に対して安定した
帯電性を示した。さらに、キャリアの寿命は、実施例1
の12Kに比較し95Kと大幅に向上した。そして、こ
のトナーを用いて、温湿度を特に制御していない環境下
で、市販の電子写真複写機(リコー社製、イマジオ42
0)で3万枚ランニングテストを行った結果、画像カブ
リ、地肌汚れのない細線再現性の良い画像が得られ、現
像剤の寿命が長くなった。
【0049】〔比較例1〕実施例1で荷電制御剤を加え
ない以外は、実施例1と同様にしてトナーを得た。SO
MOの軌道エネルギーが1eVの範囲に収まる化合物は
なかった。温度10℃、湿度15%の環境下での帯電量
は−19.5μC/g、温度30℃、湿度90%の環境
下での帯電量は5.4μC/gであり、温湿度の変化に
対して不安定な帯電性を示した。そして、このトナーを
用いて、温湿度を特に制御していない環境下で、市販の
電子写真複写機(リコー社製、イマジオ420)で3万
枚ランニングテストを行った結果、地肌汚れの多い不鮮
明な画像が得られた。
【0050】〔実施例6〕スチレンモノマー40重量部
にカーボンブラックMA100(三菱化成社製)20重
量部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル0.5重量部加え、スリーワンモータ駆動撹拌
翼、冷却器、ガス導入管、温度計をとりつけた500m
lの四つ口セパラブルフラスコに入れ、窒素気流下、室
温で30分間撹拌し、フラスコ内の酸素を窒素で置換し
た。その後、70℃の湯浴中で6時間60rpmで撹拌
し、グラフトカーボンブラックを得た。次いで、 スチレンモノマー 50重量部 n−ブチルメタクリレート 14.5重量部 1,3−ブタンジオールジメタクリレート 0.5重量部 t−ブチルアクリルアミドスルフォン酸 3重量部 低分子ポリエチレン (三井石油化学社製、三井ハイワックス210P) 2重量部 前記グラフトカーボンブラック 30重量部 からなる混合物をボールミルで10時間分散した。この
分散液に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル及び亜
硝酸ナトリウムをそれそれ1重量部ずつ溶解させた後、
ポリビニルアルコールの2%水溶液250重量部に加
え、TKホモミキサー(特殊機化社製)により6000
rpmで10分間撹拌し懸濁液を得た。上記懸濁液をス
リーワンモータ駆動撹拌翼、冷却器、ガス導入管、温度
計をとりつけた500mlの四つ口セパラブルフラスコ
に入れ、窒素気流下、室温で30分間撹拌し、フラスコ
内の酸素を窒素で置換した。その後、70℃の湯浴中で
8時間90rpmで撹拌して重合を完了させ懸濁重合粒
子を調製した。この粒子100重量部を水/メタノール
(1/1)混合溶媒に固形分30%になるように再分散
し、荷電制御剤として前記化3で示される化合物を3重
量部添加し、撹拌後濾過乾燥しトナーを得た。ここで用
いた荷電制御剤のSOMOの軌道エネルギーは、化合物
の存在状態の違い、化合物の分子構造のバラツキ、温湿
度の影響等を考慮した分子軌道計算を行った結果、−
8.79〜−7.90eVの範囲にあることが分かっ
た。そして、このトナーを温度10℃、湿度15%の環
境下で1時間放置し、その後シリコンコートキャリアと
十分混ぜ合わせてから、トナーの帯電量をブローオフ法
で測定したところ、帯電量は−27.3μC/gであっ
た。また、温度30℃、湿度90%の環境下で1時間放
置し、その後、シリコンコートキャリアと十分混ぜ合わ
せてから、トナ−の帯電量をブローオフ法で測定したと
ころ、帯電量は−21.8μC/gとなり、温湿度の変
化に対しても、安定した帯電性を示した。また、このト
ナー用いて、温湿度を特に制御していない環境下で、市
販の電子写真複写機(リコー社製、イマジオ420)で
3万枚ランニングテストを行った結果、画像カブリ、地
肌汚れのない細線再現性の良い画像が得られた。
【0051】〔実施例7〕実施例6のトナーに、SiO
2の微粉末(アエロジルrR812、日本アエロジル社
製)をトナーに対して2.0重量部添加し、回転型混合
機にて混合しトナーを得た。実施例6と同様の計算を行
った結果、SOMOの軌道エネルギーは、−8.90〜
−8.01eVの範囲であった。また、温度10℃、湿
度15%の環境下での帯電量は−32.8μC/g、温
度30℃、湿度90%の環境化下での帯電量は−26.
2μC/gであり、温湿度の変化に対して安定した帯電
性を示した。さらに、感光体から記録紙への転写率は、
実施例6の58%に比較し89%と大幅に向上した。そ
して、このトナーを用いて、温湿度を特に制御していな
い環境下で、市販の電子写真複写機(リコー社製、イマ
ジオ420)で3万枚ランニングテストを行った結果、
画像カブリ、地肌汚れのない細線再現性の良い画像が得
られ、廃トナー量も半減した。
【0052】〔実施例8〕実施例6のトナーに、TiO
2の微粉末をトナーに対して2.0重量部添加し、回転
型混合機にて混合しトナーを得た。実施例6と同様の計
算を行った結果、SOMOの軌道エネルギーは、−8.
92〜−8.03eVの範囲であった。また、温度10
℃、湿度15%の環境下での帯電量は−33.7μC/
g、温度30℃、湿度90%の環境下での帯電量は−2
5.8μC/gであり、温湿度の変化に対して安定した
帯電性を示した。さらに、感光体から記録紙への転写率
は、実施例6の58%に比較し92%と大幅に向上し
た。そして、このトナーを用いて、温湿度を特に制御し
ていない環境下で、市販の電子写真複写機(リコー社
製、イマジオ420)で3万枚ランニングテストを行っ
た結果、画像カブリ、地肌汚れのない細線再現性の良い
画像が得られ、廃トナー量も半減した。
【0053】〔実施例9〕実施例6のトナーに、Al2
3の微粉末をトナーに対して2.0重量部添加し、回
転型混合機にて混合しトナーを得た。実施例6と同様の
計算を行った結果、SOMOの軌道エネルギーは、−
8.91〜−8.02eVの範囲であった。また、温度
10℃、湿度15%の環境下での帯電量は−32.2μ
C/g、温度30℃、湿度90%の環境下での帯電量は
−26.0μC/gであり、温湿度の変化に対して安定
した帯電性を示した。さらに、感光体から記録紙への転
写率は、実施例6の58%に比較し92%と大幅に向上
した。そして、このトナーを用いて、温湿度を特に制御
していない環境下で、市販の電子写真複写機(リコー社
製、イマジオ420)で3万枚ランニングテストを行っ
た結果、画像カブリ、地肌汚れのない細線再現性の良い
画像が得られ、廃トナー量も半減した。
【0054】〔実施例10〕実施例6のトナーに、Si
Cの微粉末をトナーに対して2.0重量部添加し、回転
型混合機にて混合しトナーを得た。実施例6と同様の計
算を行った結果、SOMOの軌道エネルギーは.−8.
76〜−7.87eVの範囲であった。また、温度10
℃、湿度15%の環境下での帯電量は−28.4μC/
g、温度30℃、湿度90%の環境下での帯電量は−2
2.1μC/gであり、温湿度の変化に対して安定した
帯電性を示した。さらに、キャリアの寿命は、実施例6
の10Kに比較し88Kと大幅に向上した。そして、こ
のトナーを用いて、温湿度を特に制御していない環境下
で、市販の電子写真複写機(リコー社製、イマジオ42
0)で3万枚ランニングテストを行った結果、画像カブ
リ、地肌汚れのない細線再現性の良い画像が得られ、現
像剤の寿命が長くなった。
【0055】〔比較例2〕実施例6で荷電制御剤を加え
ない以外は実施例6と同様にしてトナーを得た。SOM
Oの軌道エネルギーが1eVの範囲に収まる化合物はな
かった。温度10℃、湿度15%の環境下での帯電量は
−15.5μC/g、温度30℃、湿度90%の環境下
での帯電量は4.9μC/gであり、温湿度の変化に対
して不安定な帯電性を示した。そして、このトナーを用
いて、温湿度を特に制御していない環境下で、市販の電
子写真複写機(リコー社製、イマジオ420)で3万枚
ランニグテストを行った結果、地肌汚れの多い不鮮明な
画像が得られた。
【0056】〔実施例11〕 結着樹脂(スチレン−アクリル酸メチル共重合体) 100重量部 着色剤(カーボンブラック#44、三菱カーボン社製) 0.7重量部 荷電制御剤(前記化3で示した化合物) 3.0重量部 からなる混合物を混練粉砕してトナーを得た。ここで用
いた荷電制御剤のSOMOの軌道エネルギーは、化合物
の存在状態の違い、化合物の分子構造のバラツキ、温湿
度の影響等を考慮した分子軌道計算を行った結果、−
8.58〜−7.69eVの範囲にあることが分かっ
た。そして、このトナーを温度10℃、湿度15%の環
境下で1時間放置し、その後シリコンコートキャリアと
十分混ぜ合わせてから、トナーの帯電量をブローオフ法
で測定したところ、帯電量は−22.4μC/gであっ
た。また、温度30℃、湿度90%の環境下で1時間放
置し、その後シリコンキャリアと十分混ぜ合わせてか
ら、トナーの帯電量をブローオフ法で測定したところ、
帯電量は−16.5μC/gとなり、温湿度の変化に対
しても、安定した帯電性を示した。また、このトナーを
用いて、温湿度を特に制御していない環境下で、市販の
電子写真複写機 (リコー社製、イマジオ420)で3
万枚ランニングテストを行った結果、画像カブリ、地肌
汚れのない細線再現性の良い画像が得られた。
【0057】〔実施例12〕実施例11のトナーに、S
iO2の微粉末(アエロジルrR812、日本アエロジ
ル社製)をトナーに対して2.0重量部添加し、回転型
混合機にて混合しトナーを得た。実施例11と同様の計
算を行った結果、SOMOの軌道エネルギーは、−8.
59〜−7.74eVの範囲であった。また、温度10
℃、湿度15%の環境下での帯電量は−24.5μC/
g、温度30℃、湿度90%の環境下での帯電量は−1
7.1μC/gであり、温湿度の変化に対して安定した
帯電性を示した。さらに、感光体から記録紙への転写率
は、実施例11の61%に比較し89%と大幅に向上し
た。そして、このトナーを用いて、温湿度を特に制御し
ていない環境下で、市販の電子写真複写機(リコー社
製、イマジオ420)で3万枚ランニングテストを行っ
た結果、画像カブリ、地肌汚れのない細線再現性の良い
画像が得られ、廃トナー量も半減した。
【0058】〔実施例13〕実施例11のトナーに、T
iO2の微粉末をトナーに対して2.0重量部添加し、
回転型混合機にて混合しトナーを得た。実施例11と同
様の計算を行った結果、SOMOの軌道エネルギーは、
−8.68〜−7.61eVの範囲であった。また、温
度10℃、湿度15%の環境下での帯電量は−26.4
μC/g、温度30℃、湿度90%の環境下での帯電量
は−17.4μC/g、であり、温湿度の変化に対して
安定した帯電性を示した。さらに、感光体から記録紙へ
の転写率は、実施例11の61%に比較し94%と大幅
に向上した。そして、このトナーを用いて、温湿度を特
に制御していない環境下で、市販の電子写真複写機(リ
コー社製、イマジオ420)で3万枚ランニングテスト
を行った結果、画像カブリ、地肌汚れのない細線再現性
の良い画像が得られ、廃トナー量も半減した。
【0059】〔実施例14〕実施例11のトナーに、A
23の微粉末をトナーに対して2.0重量部添加し、
回転型混合機にて混合しトナーを得た。実施例11と同
様の計算を行った結果、SOMOの軌道エネルギーは、
−8.63〜−7.68eVの範囲であった。また、温
度10℃、湿度15%の環境下での帯電量は−25.4
μC/g、温度30℃、湿度90%の環境下での帯電量
は−17.2μC/g、であり、温湿度の変化に対して
安定した帯電性を示した。さらに、感光体から記録紙へ
の転写率は、実施例11の61%に比較し94%と大幅
に向上した。そして、このトナーを用いて、温湿度を特
に制御していない環境下で、市販の電子写真複写機(リ
コー社製、イマジオ420)で3万枚ランニングテスト
を行った結果、画像カブリ、地肌汚れのない細線再現性
の良い画像が得られ、廃トナー量も半減した。
【0060】〔実施例15〕実施例11のトナーに、S
iCの微粉末をトナーに対して2.0重量部添加し、回
転型混合機にて混合しトナーを得た。実施例11と同様
の計算を行った結果、SOMOの軌道エネルギーは、−
8.54〜−7.60eVの範囲であった。また、温度
10℃、湿度15%の環境下での帯電量は−21.0μ
C/g、温度30℃、湿度90%の環境下での帯電量は
−16.1μC/gであり、温湿度の変化に対して安定
した帯電性を示した。さらに、キャリアの寿命は、実施
例11の15Kに比較し83Kと大幅に向上した。そし
て、このトナーを用いて、温湿度を特に制御していない
環境下で、市販の電子写真複写機(リコー社製、イマジ
オ420)で3万枚ランニングテストを行った結果、画
像カブリ、地肌汚れのない細線再現性の良い画像が得ら
れ、現像剤の寿命が長くなった。
【0061】〔比較例3〕実施例11で荷電制御剤を加
えない以外は、実施例11と同様にしてトナーを得た。
SOMOの軌道エネルギーが1eVの範囲に収まる化合
物はなかった。温度10℃、湿度15%の環境下での帯
電量は−11.1μC/g、温度30℃、湿度90%の
環境下での帯電量は8.5μC/gであり、温湿度の変
化に対して不安定な帯電性を示した。そして、このトナ
−を用いて温湿度を特に制御していない環境下で、市販
の電子写真複写機(リコー社製、イマジオ420)で3
万枚ランニングテストを行った結果、地肌汚れの多い不
鮮明な画像が得られた。
【0062】以上の実施例及び比較例で得られたトナー
の評価結果を表1にまとめて示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【発明の効果】以上のように、上記第一ないし第二に記
載した本発明のトナーによれば、トナーに長時間安定し
た帯電性を付与しうるので永続的に良好な複写画像が得
られる。また、上記第三ないし第五に記載した構成によ
れば、分散重合トナーに長時間安定した帯電性が付与さ
れ永続的に良好な複写画像が得られ、また、該トナー表
面にSiO2等の微粉末の添加により感光体から記録媒
体へのトナーの転写効率を向上し画像濃度が濃くなり画
質が良好となる。さらにまた、該トナー表面にSiCの
微粉末の添加によりキャリアの耐久性が向上し現像剤を
長寿命化できる。また、上記第六ないし第八に記載した
構成によれば、懸濁重合トナーに長時間安定した帯電性
が付与され永続的に良好な複写画像が得られ、また、該
トナー表面にSiO2等の微粉末の添加により感光体か
ら記録媒体へのトナーの転写効率を向上し画像濃度が濃
くなり画質が良好となる。さらにまた、該トナー表面に
SiCの微粉末の添加によりキャリアの耐久性が向上し
現像剤を長寿命化できる。また、上記第九ないし第十一
に記載した構成によれば、混練粉砕トナーに長時間安定
した帯電性が付与され永続的に良好な複写画像が得ら
れ、また、該トナー表面にSiO2等の微粉末の添加に
より感光体から記録媒体へのトナーの転写効率を向上し
画像濃度が濃くなり画質が良好となる。さらにまた、該
トナー表面にSiCの微粉末の添加によりキャリアの耐
久性が向上し現像剤を長寿命化できる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 励起状態の二つのSOMOのうち、低エ
    ネルギー側のSOMOのエネルギー値の取りうる範囲が
    1eV以内にある化合物を含有してなることを特徴とす
    る静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 前記化合物が下記一般式(I)で表される
    化合物であることを特徴とする請求項1記載の静電荷像
    現像用トナー。 【化1】
  3. 【請求項3】 前記トナーが分散重合トナーであること
    を特徴とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  4. 【請求項4】 前記トナーが分散重合トナーであり、さ
    らに該トナー表面にSiO2、TiO2又はAl23の微
    粉末のいずれかが添加されてなることを特徴とする請求
    項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
  5. 【請求項5】 前記トナーが分散重合トナーであり、さ
    らに該トナー表面にSiCの微粉末が添加されてなるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  6. 【請求項6】 前記トナーが懸濁重合トナーであること
    を特徴とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  7. 【請求項7】 前記トナーが懸濁重合トナーであり、さ
    らに該トナー表面にSiO2、TiO2又はAl23の微
    粉末のいずれかが添加されてなることを特徴とする請求
    項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 【請求項8】 前記トナーが懸濁重合トナーであり、さ
    らに該トナー表面にSiCの微粉末が添加されてなるこ
    とを特徴とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用ト
    ナー。
  9. 【請求項9】 前記トナーが混練粉砕トナーであること
    を特徴とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナ
    ー。
  10. 【請求項10】 前記トナーが混練粉砕トナーであり、
    さらに該トナー表面にSiO2、TiO2又はAl23
    微粉末のいずれかが添加されてなることを特徴とする請
    求項1又は2記載の静電荷像現像用トナー。
  11. 【請求項11】 前記トナーが混練粉砕トナーであり、
    さらに該トナー表面にSiCの微粉末が添加されてなる
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の静電荷像現像用
    トナー。
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