JPH07160050A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH07160050A
JPH07160050A JP5329717A JP32971793A JPH07160050A JP H07160050 A JPH07160050 A JP H07160050A JP 5329717 A JP5329717 A JP 5329717A JP 32971793 A JP32971793 A JP 32971793A JP H07160050 A JPH07160050 A JP H07160050A
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JP
Japan
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toner
particles
weight
polymerization
vinyl
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JP5329717A
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Inventor
Akira Oyamaguchi
章 大山口
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 トナー粒子に長期間安定して適切な帯電性を
付与し、永続的に良好な複写画像を与える静電荷像現像
用トナーを提供する。 【構成】 着色剤、結着樹脂及び荷電制御剤を主成分と
した静電荷像現像用の混合粉砕トナー、分散重合トナー
又は懸濁重合トナーにおいて、荷電制御剤として少なく
ともフラーレン類又はその混合物を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法、静電印刷法等において形成される静電荷像を現像す
るためのトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真方式または静電記録方
式においては、光導電性感光体または誘電体などの潜像
担持体上に形成された静電荷像を現像するために、現像
スリーブ等トナー供給ローラ状でブレード等によって薄
層化され、かつ適当に帯電され微粉末化されたトナーを
用い、現像後必要に応じて紙等の転写材にトナー画像を
転写した後、これを加熱圧力、溶剤蒸気等によって複写
物を得るようにしている(USP2297691号明細
書、特公昭42−23910号公報、特公昭43−24
748号公報)。
【0003】これらの電子写真法等に適用される現像方
法としては、大別して乾式現像法と湿式現像法とがあ
る。前者はさらに二成分系現像剤を用いる方法と一成分
系現像剤を用いる方法とに二分される。二成分系現像剤
を用いる方法に属するものには、トナーを搬送するキャ
リアの種類により、USP2874063号明細書記載
の鉄粉キャリアを用いるマグネットブラシ法、USP2
618552号明細書記載のビーズキャリアを用いるカ
スケード法、USP2221776号明細書記載のファ
ーを用いるファーブラシ法などがある。
【0004】また、一成分系現像剤を用いる方法に属す
るものには、USP2221776号明細書記載のトナ
ー粒子を粉霧状態にして用いるパウダークラウド法、ト
ナー粒子を直接的に静電潜像面に接触させて現像する接
触現像法(コンタクト現像法またはトナー現像)、特公
昭41−9475号公報及びUSP2839400号明
細書記載のトナー粒子を静電潜像面に直接的に接触させ
ずトナー粒子を荷電して静電潜像の有する電界により該
潜像面に向けて飛行させるジャンピング現像法、USP
3909258号明細書記載の磁性の導電性トナーを静
電潜像面に接触させて現像するマグネドライ法等などが
ある。
【0005】これらの各種の現像方法に適用されるトナ
ーとしては、天然樹脂あるいは合成樹脂からなる結着樹
脂に、カーボンブラック等の着色剤を分散させた微粉末
が用いられている。例えば、ポリスチレン等の結着樹脂
中に着色剤を分散させたものを1〜30μm程度に微粉
砕した粒子がトナーとして用いられている。また、これ
らの成分にさらにマグネタイト等の磁性材料を含有せし
めたものは、磁性トナーとして用いられている。
【0006】前述のごとく、種々の現像方法に用いられ
るトナーは、現像される静電荷像の極性に応じて、正ま
たは負の電荷が保有せしめられる。トナーに電荷を保有
せしめる為には、トナーの成分である樹脂の摩擦帯電性
を利用することもできるが、この方法ではトナーの帯電
性が小さいので、現像によって得られる画像はカブリや
経時的な帯電劣化が起こり、満足のいく画像が得られな
い場合が多い。そこで、一般的には所望の摩擦帯電性を
トナーに付与するために、特公昭41−20153号公
報、特公昭43−17955号公報、特公昭43−27
596号公報、特公昭6397号公報、特公昭45−2
6478号公報などに記載されているように、帯電性を
付与する染料、顔料、あるいは荷電制御剤なるものを添
加することが行われている。
【0007】負極性荷電制御剤としてはモノアゾ染料の
金属錯塩、ニトロフミン酸及びその塩、サリチル酸、ナ
フトエ酸、ジカルボン酸のCo、Cr、Feなどの金属
錯体、スルホン化した銅フタロシアニン顔料、ニトロ基
またはハロゲンを導入したスチレンオリゴマー、塩素化
パラフィン、メラミン樹脂等があるが、これらの染料は
構造が複雑で性質が一定せず、安定性に乏しい。また、
熱混練時に分解、機械的衝撃、摩擦、温湿度条件の変化
などにより、分解または変質し易く、電荷制御性が低下
する現象を起こし易い。また、環境により帯電性が変化
するものが多い。さらに、従来の該荷電制御剤を含有す
るトナーを長時間使用した際には、帯電不良に起因して
感光体へフィルミングを起こしたりする。
【0008】さらに、これらのトナーに添加される染顔
料あるいは荷電制御剤は、帯電性を付与するため、ある
程度トナー表面に出ていなければならない。そのため、
トナー同士の摩擦、キャリアとの衝突、静電潜像保持体
との摩擦などにより、トナー表面からこれらの添加剤が
脱落しキャリア等の汚染や、静電潜像保持体、例えば感
光体ベルトあるいはドラムなどの汚染が生じる。その結
果、帯電性が悪くなり、さらに耐久枚数が増すにしたが
って劣化が進み、画像濃度が低下し、細線再現性、カブ
リ性などが実用上の問題となってくる。そこで、トナー
の結着樹脂と帯電性を付与する染顔料またはその他の荷
電制御剤との親和性、分散性を向上させることによっ
て、上記問題点を改善することが行われている。例え
ば、これらの添加剤を親和性を高めるため、表面処理す
る方法があるが、表面処理をすると帯電性が低下する場
合が多い。また、分散性向上のため、機械的剪断力をよ
くして、細かく分散させる方法もあるが、トナー表面に
出る添加剤の割合が減少し、帯電性が十分に付与されな
い傾向が生じている。
【0009】これまでの記述から判るように、トナーに
長期間安定して十分な帯電性を付与し得る添加剤(染顔
料又はその他の帯電制御剤)は非常に限られていて、実
用化されているものは少ない。また、白黒画像だけでな
くカラー画像を得るためには、トナーに添加されるもの
は無色であることが好ましいが、従来用いられている染
顔料又はその他の荷電制御剤の多くは有色であり、従っ
て実用化されているものは殆んどないのが現状である。
【0010】ところで、特開昭61−19602号公報
記載の分散重合法により樹脂粒子を作製するとき、一般
的に高分子分散剤を使用する。従って、樹脂粒子表面に
は高分子分散剤が残存し、分散重合粒子をトナー化する
と、帯電性は表面に残存した高分子分散剤に支配され
る。この高分子分散剤が残存した表面がマイナス帯電性
であるとき、マイナスの帯電が得られるが、十分満足す
るものではない。そこで、このマイナス帯電性の表面に
マイナス帯電性の化合物を付着させてマイナス帯電性を
付与しようとしても、イオン的反撥が大きいため、強い
マイナス帯電性を与えることができない。一方、プラス
帯電性の例えばアンモニウム塩などは、マイナス帯電性
の表面への付着性が良好なものの、帯電性は弱いものと
なり帯電を制御することは実質上不可能である。懸濁重
合トナー、混練粉砕トナーについても、上記の分散重合
トナーと同様な問題が生じているのが実状である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】以上のことからわかる
ように、トナーに長期間安定して十分な帯電性を付与し
得る添加剤(即ち、染顔料ないし帯電制御剤)は非常に
限られていて、実用化されているものは数が少ない。ま
た、白黒画像だけでなくカラー画像を得るためには、ト
ナーに添加されるものは無色であることが好ましいが、
従来用いられている染顔料あるいは荷電制御剤の多くが
暗色であり、そうなると、実用化されているものは殆ど
無いのが現状であり、鋭意研究が続けられている。従っ
て、本発明の目的は、上記のような課題を解決した、即
ちトナー粒子に長期間安定して適切な帯電性を付与し、
永続的に良好な複写画像を与える静電荷像現像用トナー
を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の着色剤、結着樹
脂及び荷電制御剤を主成分とした静電荷像現像用混合粉
砕トナー、分散重合トナー又は懸濁重合トナーにおい
て、荷電制御剤として少なくともフラーレン類又はその
混合物を使用したことを特徴とする。ここで、フラーレ
ン類とはC60のような炭素原子だけからなる球状もしく
は楕円球状の超芳香族性を有する化合物である。ここで
の“超芳香族性”とは三次元的に広がった共役系に期待
される芳香族性を意味している。炭素原子数は、60、
70、76、78、80、82、84、90、96のも
のが代表的であるが、20以上のものであれば使用可能
である。なお、フラーレン類の合成、精製、反応、ポリ
マー化などに関しては、季刊「科学の技術の最前線」
(1993年1月、ダイヤリサーチ発行)や、化学同人
出版社発行「化学」46巻12月号(1991)第82
5〜854頁などに詳細に記載されている。またUSP
5132105にはフラーレンの製造法の記載、USP
5114477には液体インク組成物の記載があるが、
乾式の画像記録には何等触れられていない。
【0013】(分散重合トナー)まず、本発明の“分散
重合トナー”から説明を進める。 〔樹脂粒子A〕本発明における樹脂粒子Aは次のような
ものである。即ち、樹脂粒子Aは、体積平均粒径(D
v)と個数平均粒径(Dp)との比が1.00≦(Dv
/Dp)≦1.20の範囲にあり、Dvが1〜10μm
の粒子である。この樹脂粒子Aは親水性有機液体に、そ
の親水性有機液体に溶解する高分子分散剤を加え、これ
に前記親水性液体には溶解するが、生成する重合体は前
記親水性液体にて膨潤されるか、あるいは殆ど溶解しな
い一種または二種以上のビニル単量体を加えて重合する
ことにより製造される。また、予め目的とする粒径より
は小さく、粒度分布の狭い重合体粒子を利用して上述の
系で成長させる反応も含まれる。成長反応に利用する単
量体は、種粒子を製造したものと同じ単量体でもまた別
の単量体でもよいが、重合体は親水性有機液体に溶解し
てはならない。
【0014】〔親水性有機液体〕前記の種粒子の形成時
及び種粒子の成長反応時に用いる単量体の希釈剤として
の親水性有機液体としては、メチルアルコール、エチル
アルコール、変性エチルアルコール、イソプロピルアル
コール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコー
ル、t−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t
−アミルアルコール、3−ペンタノール、オクチルアル
コール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、フ
ルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコー
ル、エチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリ
コールなどのアルコール類、メチルセロソルブ、セロソ
ルブ、イソプロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、エ
チレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコ
ールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ルなどのエーテルアルコール類などが代表的なものとし
て挙げられる。
【0015】これらの有機液体は単独で、もしくは二種
以上の混合物して用いることができる。なお、アルコー
ル類及びエーテルアルコール類以外の有機液体と、上述
のアルコール類及びエーテルアルコール類とを併用する
ことで、有機液体が生成重合体粒子に対して溶解性をも
たせない条件下で、有機液体のSP値を種々変化させて
重合を行なうことにより、生成される粒子の大きさ、種
粒子同士の合一及び新粒子の発生を抑制することが可能
である。この場合の併用する有機液体としては、ヘキサ
ン、オクタン、石油エーテル、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類、四塩化炭
素、トリクロルエチレン、テトラブロムエタンなどのハ
ロゲン化炭化水素類、エチルエーテル、ジメチルグリコ
ール、シリオキサン、テトラヒドロフランなどのエーテ
ル類、メチラール、ジエチルアセタールなどのアセター
ル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチ
ルケトン、シクロヘキサンなどのケトン類、ギ酸ブチ
ル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、セロソルブアセ
テートなどのエステル類、ギ酸、酢酸、プロピオン酸な
どの酸類、ニトロプロペン、ニトロベンゼン、ジメチル
アミン、モノエタノールアミン、ピリジン、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの硫黄、窒素含
有有機化合物類、その他水も含まれる。
【0016】上記親水性有機液体を主体とした溶媒に、
以下のイオンが存在した状態で重合を行なってもよい。
【化1】 また、重合開始時、重合途中、重合末期とそれぞれ混合
溶媒の種類及び組成を変化させ、生成する重合体粒子の
平均粒径、粒径分布、乾燥条件などを調整することがで
きる。
【0017】〔分散安定剤〕種粒子製造時、または成長
粒子の製造時に使用される高分子分散剤の適当な例とし
ては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノア
クリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロ
トン酸、フマール酸、マレイン酸または無水マレイン酸
などの酸類、あるいは水酸基を含有するアクリル系単量
体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシ
プロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アク
リル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒド
ロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキ
シプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシ
プロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステ
ル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、
グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメ
タクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、
N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコー
ルまたはビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニ
ルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロ
ピルエーテルなど、またはビニルアルコールとカルボキ
シル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドある
いはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライ
ド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビ
ニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾー
ル、エチレンイミンなどの窒素原子またはその複素環を
有するものなどのホモポリマーまたは共重合体、ポリオ
キシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチ
レンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルア
ミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシ
プロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニ
ルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエ
ステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルな
どのポリオキシエチレン系、並びにメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセル
ロースなどのセルロース類、または前記親水性モノマー
とスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなど
のベンゼン核を有するものまたはその誘導体、またはア
クリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド
などのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体との共重
合体、さらに、架橋性モノマー、例えばエチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタク
リレート、メタクリル酸アリル、ジビニルベンゼンなど
との共重合体も使用可能である。
【0018】これらの高分子分散剤は、使用する親水性
有機液体、目的とする重合体粒子の種、及び種粒子の製
造か成長粒子の製造かにより適宜選択されるが、特に重
合体粒子同士の合一を主に立体的に防ぐ意味で、重合体
粒子表面への親和性、吸着性が高く、しかも親水性有機
液体への親和性、溶解性の高いものが選ばれる。また、
立体的に粒子同士の反撥を高めるために、分子鎖がある
程度の長さのもの、好ましくは分子量が1万以上のもの
が選ばれる。しかしあまり分子量が高いと、液粘度の上
昇が著しく、操作性、撹拌性が悪くなり、生成重合体の
粒子表面への析出確率のばらつきを与えるため注意を要
する。また、先に挙げた高分子分散剤の単量体を一部、
目的とする重合体粒子を構成する単量体に共存させてお
くことも安定化には効果がある。
【0019】さらに、これら高分子分散剤とともにコバ
ルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、銅、錫、鉛、マグ
ネシウムなどの金属またはその合金(特に粒径1μm以
下のものが好ましい)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケ
ル、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化珪素などの酸化物の無
機化合物微粉体、高級アルコール硫酸エステル塩、アル
キルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸
塩、燐酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、アルキル
アミン塩、アミノアルコール脂肪酸誘導体、ポリアミン
脂肪酸誘導体、イミダゾリンなどのアミン塩型や、アル
キルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルア
ンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム
塩、ピリジウム塩、アルキルイソキノリニウム塩、塩化
ベンゼトニウムなどの四級アンモニウム塩型の陽イオン
界面活性剤、脂肪酸アミド誘導体、多価アルコール誘導
体などの非イオン界面活性剤、例えば、アラニン型「例
えばドデシルジ(アミノエチル)グリシン、ジ(オクチ
ルアミノエチル)グリシン」などのアミノ酸型やベタイ
ン型の両性界面活性剤を併用しても、生成重合体粒子の
安定性及び粒径分布の改良をさらに高めることができ
る。
【0020】一般に、種粒子製造時の高分子分散剤の使
用量は目的とする重合体粒子形成用の重合性単量体の種
類によって異なるが、親水性有機液体に対し0.1重量
%〜10重量%、好ましくは1〜5重量%である。高分
子分散安定剤の濃度が低い場合には、生成する重合体粒
子は比較的大粒径のものが得られ、濃度の高い場合には
小粒径のものが得られるが、10重量%を越えて用いて
も小径化への効果は少ない。
【0021】〔単量体〕また、前記のビニル単量体と
は、親水性有機液体に溶解可能なものであり、例えば、
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、
p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−エチル
エチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチル
スチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘ
キシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−
ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ド
デシルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニル
スチレン、p−クロルスチレン、3,4−ジクロルスチ
レンなどのスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチ
ル、アクリル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、ア
クリル酸ドデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2
−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸
2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α−クロルア
クリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エ
チル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチ
ル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチ
ル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸ラウリル、メ
タクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどのα
−メチル脂肪酸モノカルボン酸エステル類、アクリロニ
トリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのア
クリル酸、もしくはメタクリル酸誘導体、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロ
ゲン化ビニル類などからなる単独または相互の混合物及
びこれらを50重量%以上含有し、これらと共重合し得
る単量体との相互の混合物を意味する。
【0022】また、本発明における前記の重合体は、耐
オフセット性を高めるために、重合性の二重結合を二個
以上有するいわゆる架橋剤の存在下に重合させたもので
あっても良い。好ましく用いられる架橋剤としては、ジ
ビニルベンゼン、ジビニルナフタレン及びそれらの誘導
体である芳香族ジビニル化合物、その他エチレングリコ
ールジメタクリレート、ジエチレングリコールメタクリ
レート、トリエチレングリコールメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリアクリレート、アリルメタクリ
レート、tert−ブチルアミノエチルメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,
3−ブタンジオールジメタクリレートなどのジエチレン
性カルボン酸エステル、N,N−ジビニルアニリン、ジ
ビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニルスルホ
ンなど全てのジビニル化合物、及び三個以上のビニル基
を持つ化合物が挙げられ、これらは単独または混合物な
どで用いられる。
【0023】このように架橋された種粒子を用いて成長
重合反応を引き続いて行った場合には、成長する重合体
粒子の内部が架橋されたものとなる。また一方で、成長
反応に用いるビニル単量体溶液に上記の架橋剤を含有さ
せた場合には、粒子表面が硬化された重合体が得られ
る。
【0024】〔連鎖移動剤〕また、平均分子量を調節す
る目的として、連鎖移動定数の大きな化合物を共存させ
て重合を行わせるものに、例えば、メルカプト基をもつ
低分子化合物や四塩化炭素、四臭化炭素が挙げられる。
【0025】〔重合開始剤〕また、前記単量体の重合開
始剤としては、例えば2,2′−アゾビスイソブチロニ
トリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)などのアゾ系重合開始剤、ラウリルパーオキ
シド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオクト
エートなどの過酸化物系重合開始剤、過硫酸カリウムな
どの過硫酸化物系重合開始剤、これにチオ硫酸ナトリウ
ム、アミンなどを併用した系などが用いられる。重合開
始剤濃度は、ビニル単量体100重量部に対して0.1
〜10重量部が望ましい。
【0026】〔重合条件〕種粒子を得るための重合条件
は、重合体粒子の目標平均粒径、目標粒径分布に合わせ
て、親水性有機液体中の高分子分散剤、ビニル単量体の
濃度、及び配合比が決定される。一般に、粒子の平均粒
径を小さくしようとするならば、高分子分散剤の濃度を
高く、また平均粒径を大きくしようとするならば、高分
子分散剤の濃度が低く設定される。一方、粒子径分布を
非常に鋭くしようとするならば、ビニル単量体濃度を低
く、また、比較的広い分布でもよい場合は、ビニル単量
体濃度は高く設定される。
【0027】粒子の製造は親水性有機液体に、高分子分
散安定剤を完全に溶解した後、一種または二種以上のビ
ニル単量体、重合開始剤、その他必要ならば無機微粉
末、界面活性剤、染料、顔料などを添加し、30〜30
0rpmの通常の撹拌にて、好ましくはなるべく低速
で、しかもパドル型よりもタービン型の撹拌翼を用い
て、槽内の流れが均一になるような速度で撹拌しなが
ら、用いた重合開始剤の重合速度に対応した温度にて加
熱し重合が行なわれる。なお、重合初期の温度が生成す
る粒子種に大きな影響を与えるため、単量体を添加した
後に温度を重合温度まで上げ、重合開始剤を小量の溶媒
に溶解して投入した方が望ましい。重合の際には窒素ガ
ス、アルゴンガスなどの不活性気体にて反応容器内の空
気中の酸素を充分に追い出す必要がある。もし、酸素パ
ージが不充分であると微粒子が発生し易い。重合を高重
合率域で行なうには5〜40時間の重合時間が必要であ
るが、所望の粒子径、粒子径分布の状態で重合を停止さ
せたり、また重合開始剤を順次添加したり、高圧下で反
応を行なうことにより重合速度を速めることができる。
【0028】重合終了後は、そのまま染着工程に用いて
もよいし、沈降分離、遠心分離、デカンテーションなど
の操作により不必要な微粒子、残存モノマー、高分子分
散安定剤などを除いた後に、重合体スラリーとして回収
して染着を行なってもよいが、分散安定剤を除去しない
方が染着の安定性は高く、不要な凝集が抑制される。
【0029】〔染着工程〕本発明における染着は次のよ
うなものである。即ち、樹脂粒子Aを溶解せしめない有
機溶媒中に樹脂粒子Aを分散し、この前または後に前記
溶媒中に染料を溶解させ、前記染料を樹脂粒子A中に浸
透させ着色せしめた後、前記有機溶媒を除去して染着ト
ナーを製造する方法において、前記染料の前記有機溶媒
に対する液解度(D1)及び前記樹脂粒子Aの樹脂に対
する前記染料の溶解度(D2)の関係が、(D1)/(D
2)≦0.5となる染料を選択使用する。これにより、
樹脂粒子Aの深部まで染料が浸透(拡散)したトナーを
効率よく製造することができる。この明細書における溶
解度は25℃の温度で測定されたものと定義される。な
お、染料の樹脂中への溶解度とは、染料の溶媒中への溶
解度と全く同じ定義であり、樹脂中に染料が相溶状態で
含有させることができる最大量を意味する。この溶解状
態あるいは染料の析出状態の観察は顕微鏡を用いること
により容易に行なうことができる。樹脂に対する染料の
溶解性を知るには、上記した直接観察による方法の代わ
りに間接的な観察方法によってもよい。この方法は樹脂
と溶解度係数が近似する液体、即ち樹脂をよく溶解する
溶媒を用い、この溶媒に対する染料の溶解度を樹脂に対
する溶解度として定めてもよい。
【0030】〔染料〕着色に使用する染料としては、前
述のように使用する有機溶媒への該染料の溶解度
(D1)より樹脂粒子を構成する樹脂への該染料の比
(D1)/(D2)が0.5以下である必要がある。さら
に(D1)/(D2)が0.2以下とすることが好まし
い。染料としては、上記の溶解特性を満たせば特に制限
はないが、カチオン染料、アニオン染料などの水溶性染
料は環境変動が大きいおそれがあり、またトナーの電気
抵抗が低くなり、転写率が低下するおそれがあるので、
バット染料、分散染料、油溶性染料の使用が好ましく、
特に油溶性染料が好ましい。また、所望の色調に応じて
数種の染料が併用することもできる。染着される染料と
樹脂粒子との比率(重量)は、着色度に応じて任意に選
択されるが、通常は樹脂粒子1重量部に対して、染料1
〜50重量部の割合で用いるのが好ましい。例えば、染
着溶媒にSP値の高いメタノール、エタノールなどのア
ルコール類を使用し、樹脂粒子としてSP値が9程度の
スチレン−アクリル系樹脂を使用した場合、使用し得る
染料としては、例えば、以下のような染料が挙げられ
る。 C.I. SOLVENT YELLOW(6,9,17,31,35,1,102,103,105) C.I. SOLVENT ORANGE(2,7,13,14,66) C.I. SOLVENT RED(5,16,17,18,19,22,23,143,145,146,1
49,150,151,157,158) C.I. SOLVENT VIOLET(31,32,33,37) C.I. SOLVENT BLUE(22,63,78,83〜86,91,94,95,104) C.I. SOLVENT GREEN(24,25) C.I. SOLVENT BROWN(3,9)など。
【0031】市販染料では例えば保土谷化学工業社製の
愛染SOT染料Yellow−1,3,4、Orang
e−1,2,3、Scarlet−1、Red−1,
2,3、Brown−2、Blue−1,2、Viol
et−1、Green−1,2,3、Black−1,
4,6,8やBASF社製のsudan染料、Yell
ow−140,150、Orange−220、Red
−290,380,460、Blue−670や三菱化
成社製のダイアレジン、Yellow−3G,F,H2
G,HG,HC,HL、Orange−HS,G、Re
d−GG,S,HS,A,K,H5B、Violet−
D、Blue−J,G,N,K,P,H3G,4G、G
reen−C、Brown−Aやオリエント化学社製の
オイルカラー、Yellow−3G,GG−S,#10
5、Orange−PS,PR,#201、Scarl
et−#308、Red−5B、Brown−GR,#
416、Green−BG,#502、Blue−BO
S,HN、Black−HBB,#803,EE,E
X、住友化学工業社製のスミプラスト、ブルーGP,O
R、レッドFB,3B、イエローFL7G,GC、日本
化薬社製のカヤロン、ポリエステルブラックEX−SH
3、カヤセットRed−BのブルーA−2Rなどを使用
することができる。もちろん染料は樹脂粒子と染着時に
使用する溶媒の組み合わせで適宜選択されるため、上記
例に限られるものではない。
【0032】〔染着用有機溶媒〕染料を樹脂粒子に染着
させるために用いる有機溶媒としては、使用する樹脂粒
子が溶解しないもの、あるいは若干の膨潤をきたすも
の、具体的には溶解性パラメーター(SP値)の差が
1.0以上、好ましくは2.0以上のものが使用され
る。例えば、スチレン−アクリル系樹脂粒子に対して
は、SP値が高いメタノール、エタノール、n−プロパ
ノールなどのアルコール系、あるいはSP値が低いn−
ヘキサン、n−ヘプタンなどを使用する。SP値の差が
あまりに大きすぎると、樹脂粒子に対する濡れが悪くな
り、樹脂粒子の良好な分散が得られないため、最適なS
P値の差は2〜5が好ましい。
【0033】〔染着工程〕染料を溶解した有機溶媒中に
樹脂粒子を分散させた後、液温度を樹脂粒子のガラス転
移温度以下に保ち、撹拌することが好ましい。これによ
り、樹脂粒子の凝集を防ぎながら染着することが可能と
なる。撹拌の方法は市販されている撹拌機、例えばホモ
ミキサー、マグネチックスタラーなどを用いて撹拌すれ
ばよい。また、分散重合などで重合終了時得られるスラ
リー、つまり有機溶媒中に重合樹脂粒子が分散している
状態の分散液に、染料を直接添加して前記の条件にて加
熱撹拌してもよい。加熱温度がガラス転移温度超過の場
合は樹脂粒子同士の融着が生じてしまう。染着後のスラ
リーを乾燥する方法としては、特に限定はされないが、
濾過した後に減圧乾燥あるいは濾別しないで直接減圧乾
燥すればよい。本発明において濾別した後に風乾または
減圧乾燥して得られた着色粒子は、凝集は殆どなく、投
入した樹脂粒子の粒度分布を殆ど損なわないで再現す
る。
【0034】(懸濁重合トナー)続いて、本発明の“懸
濁重合トナー”について説明する。 〔モノマー〕懸濁重合に使用される重合性単量体はビニ
ル基を有するモノマーであり、具体的には以下のような
モノマーが挙げられる。即ち、スチレン、o−メチルス
チレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、ブチルスチレン、オクチル
スチレンなどのスチレン及びその誘導体が挙げられ、な
かでもスチレン単量体が最も好ましい。他のビニル系単
量体として、プロピレン、ブチレン、イソブチレンなど
のエチレン系不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲ
ン化ビニル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベン
ゾエ酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニルエステル類、ア
クリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、ア
クリル酸−n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリ
ル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、ア
クリル酸−2−クロルエチル、アクリル酸フェニル、α
−クロルアクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタ
クリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸
n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸
n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリ
ル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなど
のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、アク
リロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド
などのアクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体、ビニル
メチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルなどのビニ
ルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケ
トン、メチルイソプロペニルケトンなどのビニルケトン
類、N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−
ビニル化合物類、ビニルナフタレンなどを挙げることが
でき、これらの単量体を単独あるいは混合して用いるこ
とができる。
【0035】〔架橋剤〕単量体組成物中には、架橋重合
体を生成させるために、次のような架橋剤を存在させて
懸濁重合させてもよい。架橋剤としては、ジビニルベン
ゼン、ジビニルナフタレン、ポリエチレングリコールジ
アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、
トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチ
レングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリ
コールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジア
クリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,
2′−ビス(4−メタクリルロキシジエトキシフェニ
ル)プロパン、2,2′−ビス(4−アクリルオキシジ
エトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパン
トリメタクリレート、トリメチロールメタンテトラアク
リレート、ジブロムネオペンチルグリコールジメタクリ
レート、フタル酸ジアリルなどが挙げられる。架橋剤の
使用量が多過ぎると、トナーが熱で溶融しにくくなり、
熱定着性、熱圧定着性が劣ることになる。また、架橋剤
の使用量が少くな過ぎると、トナーとして必要な耐ブロ
ッキング性、耐久性などの性質が低下し、熱ロール定着
において、トナーの一部が紙に完全に固着しないでロー
ル表面に付着し、次の紙に転写するという、コールドオ
フセットが発生してしまう。従って、用いる架橋剤量
は、重合性単量体100重量部に対して0.001〜1
5重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0036】〔離型剤〕また、得られるトナーのオフセ
ット防止のために、重合組成物に離型剤を含有させるこ
とができる。離型剤としては低分子量のポリエチレン、
ポリプロピレンなどのポリオレフィンが好ましい。この
低分子量オレフィン重合体は、着色剤と共に重合性単量
体中に分散させておくのが好ましい。なお、離型剤は重
合性単量体100重量部に対して1〜15重量部使用す
ることが好ましい。離型剤の使用量が1重量部未満で
は、得られたトナーが充分な離型効果をもたず、ローラ
上にオフセットしやすくなる。逆に使用量が15重量部
を超過すると、トナーから離型剤が摩擦帯電付与部材に
スペントするようになるし、また、トナーの流動性が極
めて悪くなる。
【0037】〔着色剤〕単量体に含有される着色剤とし
ては、従来より知られている染料及びカーボンブラッ
ク、カーボンブラックの表面を樹脂で被覆してなるグラ
フト化カーボンブラックのような顔料が使用可能であ
る。その他の着色剤としては、ランプブラック、鉄黒、
群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロシアニ
ングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6G、レー
キ、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリド
ン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリル
メタン系染料、モノアゾ系染料、ジスアゾ系染料などの
染顔料がある。なお、これらの着色剤は、重合性単量体
100重量部に対して0.1〜30重量部使用できる。
【0038】〔分散安定剤〕分散安定剤としては次のも
のが使用可能である。即ち、ポリビニルアルコール、で
ん粉、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、ヒドロキシメチルセルロース、ポリアクリル酸ナト
リウム、ポリメタクリル酸ナトリウム等の水溶性高分
子、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭
酸マグネシュウム、リン酸カルシュウム、タルク、粘
土、けいそう土、金属酸化物粉末などが用いられる。こ
れらは水に対して0.1〜10重量%の範囲で用いるの
が好ましい。
【0039】〔重合開始剤〕本発明において、重合開始
剤は造粒後の単量体組成物を含む分散液中に添加しても
よいが、個々の単量体組成物粒子に均一に重合開始剤を
付与する点からは、造粒前の単量体組成物に含有させて
おくことが望ましい。このような重合開始剤としては、
2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,
1′−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カルボニトリ
ル)、2,2′−アゾビス−4−メチキシ−2,4−ジ
メチルバレロニトリル、アゾビスブチロニトリルなどの
アゾ系またはジアゾ系重合開始剤、ベンゾイルパーオキ
サイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、イソプロ
ピルパーオキサイド、2,4−ジクロリルベンゾイルパ
ーオキサイド、ラウリルパーオキサイドなどの過酸化物
系重合開始剤が挙げられる。
【0040】〔磁性体〕本発明のトナーは、磁性体を含
有する型の磁性トナーであってもよい。磁性トナーとす
るには、単量体組成物に磁性粒子を添加すればよい。本
発明に用いることができる磁性体には例えば、鉄、コバ
ルト、ニッケルなどの強磁性金属の粉末、もしくはマグ
ネタイト、ヘマタイト、フェライトなどの合金や化合物
の粉末が挙げられる。磁性粒子としては、粒径が0.0
5〜5μm、好ましくは0.1〜1μmのものが用いら
れるが、小粒径トナーを生成する場合には、粒径0.8
μm以下の磁性粒子を使用することが望ましい。この磁
性粒子は、単量体組成物100重量部中に10〜60重
量部含有されていることが望ましい。また、これら磁性
粒子はシランカップリング剤、チタンカップリング剤な
どの表面処理剤、あるいは適当な反応性の樹脂などで処
理されていてもよい。この場合、磁性粒子の表面積ある
いは表面に存在する水酸基の密度にもよるが、通常、磁
性粒子100重量部に対して表面処理剤が5重量部以
下、好ましくは0.1〜3重量部の処理で、充分な重合
性単量体への分散性が得られ、トナー物性に対しても悪
影響を及ぼさない。
【0041】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0042】実施例1 撹拌翼、冷却器を取り付けた500mlの四っ口フラス
コに、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体
(分子量40,000、GAF社製)3.5重量部とメ
タノール100重量部とを入れ、60℃で2時間撹拌
し、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体を
完全に溶解させ分散安定剤を調製した。その後、室温ま
で冷却し次のものを仕込んだ。 スチレン 60重量部 メタクリル酸メチル 40重量部 t−ドデシルメルカプタン 0.06重量部 1,3−ブタンジイオールジメタクリレート 0.5重量部 これらを撹拌しながらフラスコ内を窒素ガスでパージ
し、系内の残存酸素濃度が0.1%になるまで約1時間
ゆるやかに撹拌(100rpm)を続けた。その後恒温
水槽の温度を60℃まで上昇させた後、2,2′−アゾ
ビスイソブチロニトイル0.2重量部を開始剤に用い、
24時間重合を続けた。加熱後15分すると液は白濁し
始め、24時間重合後も白濁した安定な分散液であっ
た。一部サンプリングしてガスクロマトグラフィーで、
内部標準法による測定を行なった結果、重合率は95%
であることが確認できた。得られた分散液を冷却し、遠
心分離機にて2000rpmで遠心分離すると、重合体
粒子は完全に沈降し上部の液は透明であった。上澄み液
を除き、新たにメタノール200gを加え、1時間撹拌
洗浄した。遠心分離しメタノールで洗浄する操作を繰返
し濾過した。濾別したものを50℃にて24時間減圧乾
燥し、90%の収率で白色粉末の樹脂粒子を得た。得ら
れた粒子は、体積平均粒径Dv=5.44μmであっ
た。また、Tg(ガラス転移点)は63℃であった。以
下この重合粒子を(B)と呼ぶ。
【0043】次に、メタノール100重量部中にオイル
ブラック860(オリエン化学社製)2重量部を加熱溶
解した後、冷却し約1μmフィルターで濾別し、染料溶
液を作製した。次に、前記濾液に重合粒子(B)を30
重量部加えて分散させ、50℃で1時間加熱撹拌した。
その後、分散液を室温まで冷却し濾別し着色樹脂微粒子
分散液を得た。続いて、荷電制御剤としてC60(MER
社製)を水/メタノール(1/1)混合溶媒に溶解さ
せ、着色樹脂粒子100重量部に対して2重量部加え
た。1時間かくはん後濾過し、乾燥させてトナーを得
た。
【0044】このトナーとキャリアとを充分混ぜ合わせ
た後、トナーの帯電量をブローオフ法で測定したとこ
ろ、帯電量は−42.1μC/gであった。また、この
トナーを用いて市販の電子写真複写機(リコー社製、イ
マジオ420)で3万枚ランニングテストを行なった結
果、画像カブリ、地肌汚れのない細線再現性のよい画像
が得られた。
【0045】実施例2 実施例1の仕込モノマーにt−ブチルアクリルアミドス
ルフォン酸4重量部をさらに加えた以外は実施例1と同
様にしてトナーを得た。このトナーとキャリアとを充分
混ぜ合わせた後、トナーの帯電量をブローオフ法で測定
したところ、帯電量は−48.1μC/gであった。こ
のトナーを用いてイマジオ420(リコー社製)で3万
枚ランニングテストを行なった結果、画像カブリ、地肌
汚れのない細線再現性のよい画像が得られた。
【0046】実施例3 スチレンモノマー40重量部にカーボンブラックMA1
00(三菱化成社製)20重量部と重合開始剤として
2,2′−アゾビスイソブチロニトリルを0.5重量部
加え、スリーワンモータ駆動撹拌翼、冷却器、ガス導入
管、温度計を取り付けた500ml四っ口セパラブルフ
ラスコに入れ、窒素気流下、室温で30分間撹拌し、フ
ラスコ内の酸素を窒素で置換した。その後、70℃の湯
浴中で6時間60rpmで撹拌し、グラフトカーボンブ
ラックを得た。次いで、 スチレンモノマー 50重量部 n−ブチルメタクリレート 14.5重量部 1,3−ブタンジオールジメタアクリレート 0.5重量部 t−ブチルアクリルアミドスルフォン酸 3重量部 低分子量ポリエチレン 2重量部 (三井石油化学社製、三井ハイワックス210P) 前記グラフトカーボンブラック 30重量部 からなる混合物をボールミルで10時間分散した。この
分散液に2,2′−アゾビスイソブチロニトリルおよび
亜硝酸ナトリウムをそれぞれ1重量部ずつ溶解させた
後、ポリビニルアルコールの2%水溶液250重量部に
加え、TKホモミキサー(特殊機化社製)により600
0rpmで10分間撹拌し懸濁液を得た。上記懸濁液を
スリーワンモータ駆動撹拌翼、冷却器、ガス導入管、温
度計を取り付けた500mlの四っ口セパラブルフラス
コに入れ、窒素気流下、室温で30分間撹拌し、フラス
コ内の酸素を窒素で置換した。その後、70℃の湯浴中
で8時間90rpmで撹拌して重合を完了させ懸濁重合
粒子を作成した。この粒子100重量部を水/メタノー
ル=1/1(重量比)の混合液に固形分30%になるよ
う再分散し、荷電制御剤としてC60を3重量部添加し、
撹拌後濾過乾燥し、トナーを得た。
【0047】このトナーとキャリアとを充分混ぜ合わせ
た後、トナーの帯電量をブローオフ法で測定したとこ
ろ、帯電量は−27.1μC/gであった。また、この
トナーを用いてイマジオ420で3万枚ランニングテス
トを行なった結果、画像カブリ、地肌汚れのない細線再
現性のよい画像が得られた。
【0048】実施例4 実施例3のn−ブチルメタクリレートおよび低分子量ポ
リエチレンの代わりに、それぞれアクリル酸2−エチル
ヘキシルおよびカルナウバワックスを用い、TKホモミ
キサーで60℃で懸濁液を調製した以外は実施例1と同
様の方法でトナーを得た。このトナーとキャリアとを充
分混ぜ合わせた後、トナーの帯電量をブローオフ法で測
定したところ、帯電量は−31.2μC/gであった。
また、このトナーを用いてイマジオ420で3万枚ラン
ニングテストを行なった結果、画像カブリのない鮮明な
画像が得られた。
【0049】 実施例5 結着樹脂(スチレン−アクリル酸メチル共重合体) 100重量部 着色剤(カーボンブラック#44、三菱カーボン社製) 0.7重量部 荷電制御剤(C60) 3.0重量部 からなる混合物を混練粉砕してトナーを得た。このトナ
ーとキャリアとを充分混ぜ合わせた後、トナーの帯電量
をブローオフ法で測定したところ、帯電量は−21.7
μC/gであった。また、このトナーを用いてイマジオ
420で電源投入1分後画像記録を行ったところ、鮮明
な画像が得られた。
【0050】 比較例1 結着樹脂(スチレン−アクリル酸メチル共重合体) 100重量部 着色剤(カーボンブラック#44、三菱カーボン社製) 0.7重量部 荷電制御剤 3.0重量部
【化2】 からなる混合物を混練粉砕してトナーを得た。このトナ
ーとキャリアとを充分混ぜ合わせた後、トナーの帯電量
をブローオフ法で測定したところ、帯電量は+35μC
/gであった。また、このトナーを用いてイマジオ42
0で電源投入1分後画像記録を行ったところ、地汚れの
多い不鮮明な画像が得られた。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、飽和帯電量が向上する
ので、コントラストのある画像が得られる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤、結着樹脂及び荷電制御剤を主成
    分とした静電荷像現像用トナーにおいて、該荷電制御剤
    がフラーレン類又はその混合物であることを特徴とする
    静電荷像現像用トナー。
  2. 【請求項2】 請求項1のトナーが混合粉砕により得ら
    れたものであることを特徴とする静電荷像現像用トナ
    ー。
  3. 【請求項3】 請求項1のトナーが分散重合により得ら
    れたものであることを特徴とする静電荷像現像用トナ
    ー。
  4. 【請求項4】 請求項1のトナーが懸濁重合により得ら
    れたものであることを特徴とする静電荷像現像用トナ
    ー。
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