JPH1048742A - カメラ - Google Patents

カメラ

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Publication number
JPH1048742A
JPH1048742A JP8208051A JP20805196A JPH1048742A JP H1048742 A JPH1048742 A JP H1048742A JP 8208051 A JP8208051 A JP 8208051A JP 20805196 A JP20805196 A JP 20805196A JP H1048742 A JPH1048742 A JP H1048742A
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JP
Japan
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image
ccd
photographing
silver halide
flash
Prior art date
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Pending
Application number
JP8208051A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Honda
努 本田
Shigeto Omori
滋人 大森
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 銀塩フィルムによる撮影と光電変換素子(C
CD)による撮影を同時に行い、CCDの画像を銀塩フ
ィルムの画像のレリーズビューとして利用するととも
に、銀塩フィルムによる撮影のシャッターチャンスを逸
することのないカメラを提供する。 【解決手段】 カメラに銀塩フィルム、撮影用のCC
D、表示装置および磁気テープを備えて、CCDでの撮
影を行いつつ銀塩フィルムでの撮影を行う。CCDで撮
影した画像は表示装置に表示し、磁気テープに記録す
る。CCDと銀塩フィルムの撮影のタイミングは、CC
Dの画像を磁気テープに記録しているときは、一定周期
のCCDの光電変換の開始に銀塩フィルムの露光開始を
合わせてCCDの撮影を優先し、CCDの画像を記録し
ていないときは、CCDの光電変換の周期を変更して銀
塩フィルムの露光開始に合わせて銀塩フィルムの撮影を
優先する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀塩感光方式によ
る静止画像の撮影と光電変換方式によるビデオ画像の撮
影を行うカメラに関するものであり、特に、光電変換方
式によるビデオ画像を銀塩感光方式の静止画像のレリー
ズビューやアフタービューとして利用するカメラに関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】近年、撮影対象からの光を銀塩フィルム
と光電変換素子(CCD)に導いて、写真撮影とビデオ
撮影を行うカメラが提案されている。このカメラは、銀
塩フィルムによる静止画撮影とCCDによる動画撮影を
それぞれ単独で、または両者を並行して同時に行うこと
ができる。CCDによって撮影した画像は記録媒体に記
録して保存することもできるし、表示装置を備えたカメ
ラでは、撮影と同時に表示することもできる。
【0003】一般に、銀塩フィルムに撮影した画像は現
像等の後処理をするまでは見ることができず、撮影後暫
時経過して後初めてどのような画像が撮影されたかを知
ることができる。したがって、撮影直後にその撮影結果
に基づいて撮影条件を設定し直して再度撮影するという
ことはできなかった。一方、CCDによって撮影した画
像は電気的に記録されるものであり、現像等の後処理を
施すことなく直ちに再生することが可能である。
【0004】上記のカメラでは、銀塩フィルムにどのよ
うな画像が撮影されたかを、CCDの画像によって確認
することができる。撮影した画像を撮影と同時または撮
影直後に確認する機能はレリーズビューと呼ばれ、暫時
経過後に再生して確認する機能はアフタービューと呼ば
れる。確認のために参照される画像も同様の名前で呼ば
れる。本明細書においても、以下、撮影した画像を撮影
と同時または撮影直後に確認する機能およびその画像を
レリーズビューと呼び、撮影した画像を暫時経過後に確
認する機能およびその画像をアフタービューと呼ぶ。ま
た、どのような画像が撮影されるかを撮影前に確認する
機能およびその画像をプレビューと呼ぶ。
【0005】CCDの画像を銀塩フィルムの撮影のレリ
ーズビューやアフタービューとして利用する場合、CC
Dによる撮影を銀塩フィルムによる撮影よりも前や後に
行ったのでは撮影対象の位置や姿勢あるいは明るさに変
化が生じてしまうから、銀塩フィルムの撮影とCCDの
撮影を同一時期に行うことが必須の条件となる。ところ
が、CCDによる撮影を行っているときに銀塩フィルム
による撮影を行う場合の撮影時期の制御について述べた
従来技術はない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】CCDによるビデオ画
像の撮影は通常一定周期で行われるのに対し、銀塩フィ
ルムによる撮影は撮影者のシャッターレリーズ釦操作に
よって任意の時に行われる。このため、銀塩フィルムよ
る撮影とCCDによる撮影の時期の関係は一定にはなら
ず、撮影ごとに異なる。例えば、銀塩フィルムの露光が
CCDの帰線期間に重なるという事態が発生することも
あり、その場合は、銀塩フィルムに撮影した画像がCC
Dによっては全く撮影されないという不都合が生じてし
まう。
【0007】また、銀塩フィルムの撮影を一定周期のC
CDの撮影に合わせて行うと、シャッターレリーズ釦の
操作から銀塩フィルムの露光開始までにかなりの時間が
経過してしまう。このとき、撮影者が意図するタイミン
グでの銀塩フィルムの撮影はできなくなり、シャッター
チャンスを逸することになる。
【0008】本発明は、銀塩フィルムによる撮影とCC
Dによる撮影を同時に行い、CCDの画像を銀塩フィル
ムの画像のレリーズビューとして利用するとともに、銀
塩フィルムによる撮影のシャッターチャンスを逸するこ
とのないカメラを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、銀塩感光方式によって撮影する第1の
撮影手段と、光電変換方式によって撮影する第2の撮影
手段と、第1の撮影手段による撮影の開始の指示を受け
る操作手段を備え、第2の撮影手段によって撮影してい
るときに第1の撮影手段による撮影を行うカメラにおい
て、操作手段により第1の撮影手段の撮影開始の指示を
受けたときに、第2の撮影手段が行っている撮影を中止
し、第1の撮影手段による撮影の開始と同時に第2の撮
影手段による新たな撮影を開始する。
【0010】第2の撮影手段は光電変換方式により複数
の画像を順次して撮影し、この間に第1の撮影手段によ
る撮影が行われる。第1の撮影手段の撮影は操作手段か
らの指示によって開始するが、この撮影開始の指示は不
特定な時に与えられるため、その時点での第2の撮影手
段の撮影の進行状況は一定ではない。操作手段からの撮
影開始の指示が与えられたとき、第2の撮影手段は進行
中の撮影を中止し、第1の撮影手段による撮影の開始と
同時に、新たな撮影を開始する。したがって、第1の撮
影手段による撮影と第2の撮影手段による撮影の開始の
時期は一定になる。また、第2の撮影手段の新たな撮影
は、第1の撮影手段による撮影を行わない場合に比べ
て、早期に開始されることになる。
【0011】上記カメラに第2の撮影手段によって撮影
された画像を表示する表示手段を備え、第1の撮影手段
による撮影を行わないときは、第2の撮影手段によって
撮影された画像を直ちに表示手段に表示し、第1の撮影
手段による撮影を行ったときは、その撮影と同時に第2
の撮影手段によって撮影された画像を所定の期間表示手
段に表示するようにしてもよい。
【0012】第2の撮影手段によって撮影された画像は
表示手段に表示される。第1の撮影手段による撮影がな
されないときは、第2の撮影手段によって撮影された画
像が直ちに表示されるため、表示画像は第2の撮影手段
の撮影とともに変化していく。第1の撮影手段による撮
影がなされたときは、それと同時に撮影された画像の表
示が所定の期間継続される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のカメラの第1の構成例を
図1に示す。このカメラは1眼レフタイプのフォーカル
プレーンシャッター式カメラである。カメラ本体Cと撮
影レンズLは別体に構成されており、種々の交換レンズ
をカメラ本体Cに装着することができるが、ここでは一
例としてズームレンズを撮影レンズLとして装着した場
合を示している。
【0014】このカメラは、撮影レンズLを透過して入
射した光を2つの光束に分割して、一方の光束を銀塩フ
ィルムに導いて銀塩フィルムを感光させて記録するとと
もに、他方の光束を光電変換素子(CCD)に導いてビ
デオ信号を記録する構成である。カメラ本体Cには表示
装置が設けられており、CCDの出力から生成されるビ
デオ信号を表示することで、CCDと表示装置がファイ
ンダーとしても機能する。以下、カメラの各構成要素に
ついて説明するが、カメラ本体Cに設けられた部材には
Cで始まる符号を付し、撮影レンズLに設けられた部材
にはLで始まる符号を付す。
【0015】撮影レンズLの固定鏡筒L13の外面に
は、その周方向に回転する操作環L01およびL03が
設けられている。これらは撮影者が操作して回転させる
ものである。操作環L01の内側には操作環L01の回
転を検出するためのエンコーダL02が、操作環03の
内側には操作環L03の回転を検出するエンコーダL0
4が設けられている。操作環L01は撮影レンズLの焦
点位置を調節するためのものであり、操作環L03は焦
点距離を調節するためのものである。ここでは、撮影者
の手動操作に応じてモーターによって焦点位置の調節お
よび焦点距離の調節を行うパワーフォーカスおよびパワ
ーズームを採用している。
【0016】L05は撮影レンズLの設定されている焦
点距離を検出する焦点距離検出部である。L07は撮影
レンズLの焦点距離を変化させるズームモーター、L0
8はズームモーターL07の回転状態を検出するズーム
モーターモニター部であり、例えばフォトインタラプタ
より成る。L09は撮影レンズLの焦点位置の調節を行
うフォーカスモーター、L11は撮影レンズLを透過す
る光束を規制する絞りである。L12は絞り制御部であ
り、絞りL11の開閉を行うステッピングモーターを含
む駆動部と絞りL11の状態を検出する検出部より成
る。L10は焦点調節を自動調節(AF)モードと手動
調節(MF)モード間で切り替えるために撮影者によっ
て操作されるAF/MF切換スイッチである。L06は
撮影レンズLの焦点距離、焦点位置および絞り調節の制
御を行うための演算制御部でありマイクロコンピュータ
より成る(以下、レンズマイコンともいう)。
【0017】AF/MF切換スイッチL10がMFモー
ド側に設定されているとき、焦点位置調節のための操作
環L01が操作されると、その回転がエンコーダL02
によって検出されレンズマイコンL06に伝えられる。
レンズマイコンL06はエンコーダL02の検出出力を
演算処理し、その結果に基づいてフォーカスモーターL
09を駆動してフォーカス調節を行う。焦点距離調節の
ための操作環L03が操作されると、その回転がエンコ
ーダL04によって検出されレンズマイコンL06に伝
えられる。レンズマイコンL06はエンコーダL04の
出力を演算処理し、その結果に基づいてズームモーター
L07を駆動してズーム調節を行う。レンズマイコンL
06は、また、制御信号を絞り制御部L12に与えて絞
りL11の開閉を制御し、撮影レンズLを通過する光束
を規制する。この絞り制御のための情報は、カメラ本体
CからレンズマイコンL06に与えられる。
【0018】カメラ本体C上部には、フラッシュ&ライ
トFを装着することができる。フラッシュ&ライトF
は、閃光を発することおよび定量光を継続的に発するこ
とができ、被写体を短時間または長時間照射する。いず
れも被写体の光量不足を補う目的に使用されるが、主と
して、閃光は銀塩フィルムでの撮影に用いられ定量光は
CCDでの撮影に用いられる。フラッシュ&ライトFの
発光は、内蔵の制御部F01によって制御される。な
お、本実施形態ではフラッシュ&ライトFおよび撮影レ
ンズLをカメラ本体Cと別体に構成しているが、これら
は全て一体に構成しても構わない。
【0019】カメラ本体Cには、カメラ本体の制御を行
うための、マイクロコンピュータより成る演算制御部
(以下、メインマイコンともいう)C01が備えられて
いる。メインマイコンC01は、本体の制御のみなら
ず、交信用接点C30を介してレンズマイコンL06と
交信し、交信用接点C20を介してフラッシュ&ライト
制御部F01と交信して、撮影動作に必要な情報の取得
や制御命令の供与を行う。
【0020】具体的には、レンズマイコンL06から、
開放絞り値および最長・最短焦点距離をはじめとする撮
影レンズL固有の固定情報や、AF/MF切換スイッ
チ、焦点距離および焦点位置等のその時点で設定されて
いる状況に関する情報を取得し、レンズマイコンL06
には、絞り値や焦点位置等の撮影に際し設定すべき条件
に関する情報を供与する。フラッシュ&ライト制御部F
01からは、最大・最小照射角をはじめとする固定情報
に加え、発光準備の完了等個々の発光の動作制御に必要
な情報を取得し、制御部F01には、設定すべき照射角
に関する情報ならびに発光の開始および停止を指示する
信号を供与する。
【0021】カメラ本体Cにおいて、C04はペリクル
ミラーであり、撮影レンズLを通過してきた光を透過光
と反射光に分割し、銀塩フィルムを使用する第1の撮影
部とCCDを使用する第2の撮影部とに導く。C07は
シャッター、C06はシャッターC07の駆動部、C0
9は銀塩フィルムC08の供給や巻戻しを行うフィルム
供給部であり、これらが第1の撮影部を構成する。
【0022】C05はペリクルミラーC04の後方に設
けられたオートフォーカス用の可動式全反射ミラーであ
り(以下、サブミラーともいう)、ペリクルミラーC0
4透過光を下方に反射させる。サブミラーC05は第1
の撮影部によって撮影が行われるときには、不図示の機
構により、ペリクルミラーC04からフィルムC08に
到る光束を遮ることがない位置に退避させられる。
【0023】サブミラーC05の下方には合焦状態検出
部(以下、AFモジュールともいう)C02が設けられ
ている。AFモジュールC02は銀塩フィルムC08と
略等価な位置に配置されており、サブミラーC05によ
る反射光を受光して第1の撮影部における合焦状態を検
出する。AFモジュールC02は1対または複数対のラ
インセンサーを有しており、対をなすラインセンサー上
の像間距離に基づいて、いわゆる位相差検出方式により
合焦状態の検出を行う。
【0024】ペリクルミラーC04の上方にはコンデン
サーレンズC10および反射ミラーC11が備えられて
おり、ペリクルミラーC04による反射光はコンデンサ
ーレンズC10によって光束を細くされた後、ミラーC
11によってカメラ本体後方側に導かれる。ミラーC1
1は一部半透過性に形成されており、その上方には測光
素子から成る輝度検出部(以下、AEセンサーともい
う)C12が設けられている。AEセンサーC12はミ
ラーC11を透過した光を受光して被写体の輝度を検出
する。銀塩フィルムC08の露光はAEセンサーC12
の測光結果に基づいて制御される。
【0025】C13はNDフィルターであり、光の透過
率を全透過から数段階で変えることができるように構成
されている。この光透過率はNDフィルター制御部C1
5によって設定される。C14は絞りC18を有するリ
レー光学系である。第1の撮影部と後述の第2の撮影部
の撮影面積は異なるが、両撮影部の撮影画角はリレー光
学系C14によってほぼ一致させられている。C19は
リレー光学系C14の制御部であり、リレー光学系の絞
りC18の設定を行う。C16は光学ローパスフィルタ
ー、C17はIR(赤外)カットフィルターである。
【0026】C21は撮像素子としてのCCDであり、
C23はメインマイコンC01からの指令に応じてCC
Dに対して光電変換の開始や終了を指示する信号(フィ
ールドシフトパルス)等を与えるCCD駆動部、C22
はCCDのアナログ出力をサンプリングしてさらにディ
ジタル信号に変換する撮像処理部(以下、A/Dコンバ
ータともいう)、C24はA/DコンバータC22の出
力を処理し画像信号に変換する画像処理部であり、これ
らが第2の撮影部を構成する。
【0027】第2の撮影部によるビデオ撮影の露光はフ
ィールドシフトパルスによる電子シャッターで制御され
る。CCDがフィールドシフトパルスによって光電変換
を開始してから、蓄積した電荷を次のフィールドシフト
パルスによって吐き出すまでの時間が、電子シャッター
速度に相当する。ビデオ撮影の露光はCCD自体の受光
量に基づいて制御され、CCDは第2の撮影部の測光素
子としても機能する。
【0028】図示しないが、画像処理部C24は、A/
DコンバーターC22からの信号に対しγ変換、ホワイ
トバランス(WB)変換、輝度・色差(Y/C)信号へ
の変換を行って画像信号を生成するプロセス部、プロセ
ス部からの画像信号を記憶する第1の記憶部、メインマ
イコンC01からの指示に従い画像処理を行う演算制御
部、演算制御部からの画像信号を記憶する第2の記憶
部、画像信号に文字の重ね合わせを行うためのスーパー
インポーズ部とから成る。
【0029】前述のNDフィルターC13とリレー光学
系C14の絞りC18は、撮像素子としての銀塩フィル
ムとCCDの感度の違い、および第2の撮影部に導かれ
る光のコンデンサーレンズC10やリレー光学系C14
による単位面積当たりの光量の増大を補正するために設
けられている。いずれによっても、第2の撮影部に導か
れる光量を減少させることが可能である。
【0030】第2の撮影部の画像を記録する媒体として
は、磁気テープ、磁気ディスク等の磁気媒体、ディジタ
ルビデオディスク(DVD)、ミニディスク(MD)等
の光媒体、あるいは、フラッシュメモリ等の半導体記憶
媒体等、種々のものを利用することができる。ここで
は、家庭用VTR装置によって手軽に画像の再生鑑賞が
できるように、記録媒体として磁気テープC28を使用
している。
【0031】C26は磁気テープC28の書き込みと読
み出しを行う磁気ヘッド、C36は磁気テープC28の
駆動部、C25は画像信号のエンコードとデコードを行
う記録再生部である。画像処理部C24の画像信号は記
録再生部C25によって磁気ヘッドC26を介して磁気
テープC28に記録され、磁気テープC28に記録され
ている画像信号は磁気ヘッドC26により読み出され記
録再生部C25によって再生される。C27は画像を表
示する表示部であり(以下、EVFともいう)、カラー
の液晶表示装置(LCD)から成る。第2の撮影部によ
って撮影が行われているときには、表示部C27はファ
インダーモニターとして機能し、磁気テープC28の画
像が再生されているときには、表示部C27は再生モニ
ターとして機能する。
【0032】C31はカメラ本体前部に設けられたマイ
クロフォンC34で集音した音声を処理する音声処理部
である。音声処理部C31の出力である音声信号は記録
再生部C25に与えられて、画像処理部C24からの画
像信号とともに磁気テープC28に記録される。C33
はスピーカーであり、磁気テープC28の画像再生時に
再生音声を出力する。C29は電源部であり、カメラ本
体C、撮影レンズL、フラッシュ&ライトFに電力を供
給する。
【0033】C03は手ぶれ検出部であり、カメラの上
下方向および左右方向の動きを検出してメインマイコン
C01に伝える。メインマイコンC01は、検出された
カメラの動きを打ち消すように、A/DコンバータC2
2に対してCCDの出力をサンプリングする領域をシフ
トさせる指示を与える。これにより、第2の撮影部で撮
影される像に対して手ぶれ補正がなされることになる。
【0034】COPは操作部であり、釦、レバー、スイ
ッチ等の操作部材で構成されている。撮影者は、操作部
COPの部材を操作することにより、種々のモードの設
定や撮影に必要な情報の入力を行う。C35はカメラの
状態を表示する表示部であり、LCDより成る。
【0035】C32は外部機器との接続を行うコネクタ
ー部であり、メインマイコンC01、画像処理部C2
4、および音声処理部C31を他の電子機器と接続す
る。コネクター部C32を介して外部からメインマイコ
ンC01に制御情報を与えてカメラの動作制御をするこ
とや、画像信号および音声信号を外部機器に供給するこ
とができる。また、音声処理部C31は外部機器から与
えられる音声信号を、マイクC34による音声信号に代
えてあるいは重ねて、磁気テープC28に記録すること
ができる。
【0036】操作部COPに設けられたメインスイッチ
が操作され電力供給が開始されると、メインマイコンC
01は、CCD駆動部C23に制御信号を与えてCCD
による受光を開始させる。この出力信号はA/Dコンバ
ータC22を介して画像処理部C24に与えられ画像信
号に変換される。画像処理部C24の出力信号は画像表
示部C27に与えられ、画像がカラー表示される。この
間、操作部COPの操作に応じて、上記画像信号の磁気
テープC28への記録と銀塩フィルムC08での撮影と
が、それぞれ独立にあるいは並行して行われる。
【0037】図2〜図5に上記カメラの外観を示し、表
示部C35に表示される情報を図6に示す。図2はカメ
ラの上面、図3は背面、図4は正面、図5は底面を表し
ている。図2において、COP09はメインスイッチを
兼用した動作モード切換スイッチである。動作モード切
換スイッチCOP09をOFF位置に設定するとカメラ
は非動作状態となり、PM位置でビデオムービーの記録
と銀塩写真撮影が同時にできる同時撮影モード(以下P
Mモードと呼ぶ)、PH位置で銀塩写真撮影を行う銀塩
撮影モード(以下PHモードと呼ぶ)、MV位置でビデ
オムービーの記録を行うビデオ撮影モード(以下MVモ
ードと呼ぶ)に設定される。
【0038】また、動作モード切換スイッチCOP09
をV位置に設定すると記録済みのビデオムービーを再生
する再生モード(以下Vモードと呼ぶ)、SV位置に設
定すると第2の撮影部によってビデオ静止画を撮影記録
するスチルビデオ撮影モード(以下SVモードと呼
ぶ)、E位置に設定すると銀塩フィルム上の撮影情報記
録部に記録されている情報の書き換えを行う編集モード
(以下Eモードと呼ぶ)になる。
【0039】COP01は銀塩撮影に用いるシャッター
レリーズ釦であり、第1ストロークで自動焦点調節と測
光を開始させるための信号S1ONを出力し、さらに深
い第2ストロークで第1の撮影部による撮影を開始させ
るための信号S2ONを出力する。COP02は銀塩撮
影とビデオ撮影において絞り値とシャッター速度の切り
換えを行うとともに、撮影シーンの選択と銀塩フィルム
の露光モードの切り換えを行うモード切換ダイヤルであ
る。後述するモード釦を押しながらモード切換ダイヤル
COP02を回すことにより撮影シーンが選択でき、後
述するプログラム釦を押しながらモード切換ダイヤルC
OP02を回すことによりA(絞り優先)モード、S
(シャッター速度優先)モード、M(マニュアル)モー
ドの切り換えができる。
【0040】COP03は記録媒体である磁気テープを
取り出すためのデッキオープン釦であり、この釦を操作
することによりグリップ部が開きカセットテープC28
のデッキへの着脱ができる。COP04はMVおよびP
Mモード時はフェードアウトを開始するためのフェード
釦として機能し、PHおよびSVモード時は静止画プレ
ビューのトリガ釦として機能する。COP05は撮影レ
ンズLをカメラ本体Cから取り外すためのレンズ交換釦
である。COP06はPHおよびSVモードにおけるフ
ラッシュ使用時に赤目を軽減する作用を設定するための
赤目軽減釦である。
【0041】COP07はモード釦であり、前述のよう
にモード切換ダイヤルCOP02と併用して、PM、P
H、MV、SVモードでポートレートやスポーツモード
等のシーンセレクトモードの設定に使用する。COP0
8は銀塩フィルムカートリッジの装填、脱着のためのフ
ィルムカートリッジ交換釦、COP10は銀塩撮影時の
画面サイズの切り換えスイッチ、COP11はビデオム
ービー画面の切り換えスイッチである。C20はフラッ
シュ&ライトFを装着するためのホットシューである。
COP12はプログラム釦で、単独で使用する場合には
撮影モードをプログラムに設定する。前述のようにモー
ド切換ダイヤルCOP02と同時に使用することによ
り、PM、PH、MV、SVモードでA、S、Mモード
の選択ができる。
【0042】C35Aは表示部C35を構成するLCD
であり、図6に示したように、設定されているモードや
電源部C29の電力残量等のカメラに関する種々の情報
を表示する。COP22はPHおよびSVモードでの単
写と連写およびセルフタイマーの動作と非動作を切り換
える釦である。
【0043】図3において、COP13は撮影レンズL
のズームリングL03と同様に撮影レンズLの焦点距離
を変化させるズーム釦である。COP14はPM、MV
モード時は磁気テープC28への録画の開始と終了を制
御する録画ON/OFF釦で、PH、SVモード時はこ
の釦を押しながら前述のプレビュートリガ釦COP04
を押すことにより絞り開放状態の画像をEVFに表示す
ることができ、また、Mモード時にこの釦を押しながら
前述のモード切換ダイヤルCOP02を切り換えると絞
り値が切り換えられる。
【0044】COP15はPM、MVモード時には手ぶ
れ補正制御のON/OFF釦で、PH、SVモード時は
この釦を押しながらモード切換ダイヤルCOP02を切
り換えると露出補正ができる。COP16、COP20
は液晶ユニットポップアップ釦(1)、(2)で、これ
らの釦を操作することによりカメラ本体に対するEVF
の角度を変えることができ、アイレベルだけでなくウエ
ストレベル等の撮影に対応できるようになっている。
【0045】COP17は、PH、SVモードでのフラ
ッシュの強制発光釦である。COP18はEVF上のメ
ッセージ表示のON/OFF釦である。COP19はV
モード時の音量や、EVF上の映像の調整(明るさ、色
合い等)用の釦である。C33はスピーカである。
【0046】図4において、C34はステレオマイクで
あり、C35Bはセルフタイマー作動時や赤目軽減時に
発光するランプである。図5において、C32は前述の
コネクター部、C40は電池収納部の蓋、C44は三脚
穴である。COP21はオートリワインド釦で、この釦
によりフィルム途中でも巻戻しができる。
【0047】本発明のカメラの第2の構成例を図7に模
式的に示す。本構成のカメラは、図1のAEセンサーC
12に代えて2つの測光素子C12aおよびC12bを
備えている。第1の測光素子C12aはリレー光学系C
14からCCD撮像素子C21に至る光路上に配設され
たハーフミラーC41の反射光を測光し、第2の測光素
子C12bは銀塩フィルムC08またはシャッターC0
7の反射光を測光する。これらの相違点およびミラーC
11を全反射ミラーとした点以外では、両カメラに構成
上の差異はない。
【0048】本発明のカメラの第3の構成例を図8に示
す。このカメラは2眼タイプのレンズシャッター式カメ
ラである。このカメラは、図1に示したカメラと同様
に、銀塩フィルムによる撮影とCCDによるビデオ撮影
とを行うものであり、同一の機能を有する部材には同一
の符号を付して説明を省略する。図8において、LFは
銀塩フィルム用の撮影レンズであり、C50は絞りを兼
ねたシャッターである。C51はシャッター制御部であ
り、メインマイコンC01からの指令によりシャッター
C50の開閉を制御する。LEはCCD用の撮影レンズ
である。なお、簡略化のために、フォーカシングに関す
る機構、ズーミングに関する機構、および音声処理に関
する機構は図示していない。
【0049】本発明のカメラの第4の構成例を図9に示
す。このカメラは、図8に示した第3のカメラのAEセ
ンサーC12に代えて、第2の構成と同様にCCDに導
かれる光を測光する第1の測光素子C12aと、銀塩フ
ィルムの明るさを検出する第2の測光素子C12bを備
えたものである。
【0050】一般に、銀塩フィルムとCCDではその大
きさが非常に異なる。図10に135フィルムの受光範
囲の大きさを示し、図11にCCDの受光範囲の大きさ
を示す。また、表1に銀塩フィルムとCCDの対角比β
を示す。一般的に使用されている1/2インチから1/
4インチまでのCCDを使用する場合、単純に対角比β
だけで比較すると、図1や図7のリレー光学系の縮小率
はβ=1/4〜1/10となる。
【0051】
【表1】
【0052】上記第1〜第4の構成のカメラはいずれ
も、PH(銀塩撮影)モードおよびPM(同時撮影)モ
ードにおいて、銀塩フィルムによって撮影を行うときに
CCDによる撮影を並行して行う。したがって、CCD
によるビデオ画像を、銀塩フィルムにどのような像が撮
影されるであろうかを撮影前に知るためのプレビューと
して、あるいは、どのような像が撮影されたかを撮影直
後または撮影後暫時経過時に確認するためのレリーズビ
ューまたはアフタービューとして利用することができ
る。
【0053】CCDは通常1/60秒の一定周期で与え
られるフィールドシフトパルスによって、光電変換によ
り蓄積した電荷の吐き出しと新たな光電変換を行う。本
発明では、銀塩フィルムによる撮影とCCDによる撮影
を並行して行うとき、銀塩フィルムの露光を一定周期の
CCDの光電変換に合わせる(以下ムービーレリーズ優
先と呼ぶ)こともできるし、CCDの光電変換の周期を
変更して銀塩フィルムの露光に合わせる(以下銀塩レリ
ーズ優先と呼ぶ)こともできる。
【0054】レリーズタイミングの決定の処理の流れを
図12に示す。まず、銀塩撮影モードであるか否かを判
定し(ステップ#2)、銀塩モードに設定されていると
きは銀塩レリーズを優先し(#12)、そうでないとき
は同時撮影モードであるか否かを判定する(#4)。同
時撮影モードに設定されているときは、さらに、動画ビ
デオを磁気テープC28に記録中であるかを判定する
(#6)。動画ビデオを記録中であればムービーレリー
ズを優先し(#10)、記録中でなければ銀塩レリーズ
を優先する(#12)。同時撮影モードに設定されてい
ないときは、MV(ムービー撮影)モードであるかまた
はプレビューモードであり、銀塩レリーズは行わない
(#8)。
【0055】PH(銀塩撮影)モードにおける撮影の処
理の流れを図13に示す。銀塩撮影モードに設定される
と、まず、CCD駆動部C23によるCCDの駆動やA
DコンバータC22、画像処理部C24、表示部(EV
F)C27の動作を開始する(#22)。これにより、
EVFには動画ビデオが表示されることになる。次い
で、シャッターレリーズ釦COP01の第1ストローク
により信号S1ONが発せられるのを待ち(ステップ#
24)、銀塩撮影のための自動焦点調節と測光を開始す
る(#26)。さらに、シャッターレリーズ釦COP0
1の第2ストロークによる信号S2ONの有無を判定し
(#28)、信号S2ONがないときには#24に戻
る。
【0056】信号S2ONが発せられたときは、シャッ
ターC07(図1、図7)やC50(図8、図9)を開
いて銀塩フィルムC08の露光を開始し、所定時間経過
後にシャッターを閉じる。また、銀塩フィルムの露光と
並行して1フレームまたは1フィールドのビデオ画像を
画像処理部C24に記憶する(#30)。その後、画像
処理部24に記憶した画像をEVFに表示し続け(#3
2)、次に信号S1ONが生じた時点で(#34)、E
VFの表示を動画ビデオに戻す(#36)。次いで、モ
ードの設定変更の有無を判定し(#38)、変更がなけ
れば#24に戻り、変更があれば処理を終了する。
【0057】画像処理部C24はA/DコンバータC2
2から与えられたディジタル信号を処理して1フィール
ドの期間記憶する。この記憶内容は通常新たな画像が入
力される度に更新される。この一時的な記憶内容を順次
EVFに与えることにより動画ビデオが表示される。画
像処理部C24は一時的な記憶のほかに、画像信号を長
期間記憶する機能を有している。#30の記憶処理では
この長期記憶に画像信号を記憶し、#32でこの画像信
号をEVFに繰り返し出力する。
【0058】#32で表示されるビデオ画像は銀塩フィ
ルムの露光と同時に撮影したものでありレリーズビュー
となる。ビデオ画像とともに絞り値、シャッター速度等
をEVFに表示することも可能であり、これにより露光
条件の確認が容易になる。なお、この画像を磁気テープ
C28に記録すればアフタービューとして利用すること
ができる。画像の記録に際しては露光条件、銀塩フィル
ムの番号やコマ番号、撮影日付等も記憶する。
【0059】PM(同時撮影)モードにおける撮影の処
理の流れを図14に示す。前述のように、モード設定は
動作モード切換スイッチCOP09の操作によりなされ
るが、ビデオ画像の磁気テープC28への記録は録画O
N/OFF釦COP14の操作で開始される。まず、録
画ON/OFF釦COP14の設定状態を判定し(ステ
ップ#52)、録画開始の指示がなされていれば磁気テ
ープへの記録を開始する(#54)。次いで、信号S1
ONの有無を判定し(#56)、信号S1ONがあれば
さらに信号S2ONの有無を判定する(#58)。これ
らの信号がないときには#62に進む。
【0060】信号S2ONにより、シャッターを開いて
銀塩フィルムの露光を開始し、所定時間経過後にシャッ
ターを閉じる。また、記録中のビデオ画像のどのフィー
ルドが銀塩フィルムの画像に対応するのかを示すため
に、銀塩フィルムの露光開始と同時に磁気テープにフラ
グ信号を記録する(#60)。ここでの露光はムービー
レリーズを優先する。銀塩フィルムの露光終了後、録画
ON/OFF釦COP14の設定状態によって記録終了
指示の有無を判定し(#62)、終了指示がなければ#
56に戻る。記録終了の指示が与えられていれば磁気テ
ープへのビデオ画像の記録を終了し(#64)、モード
の設定変更の有無を判定する(#66)。モードの変更
がなければ#52に戻り、あれば処理を終了する。
【0061】#52の判定において録画開始の指示がな
されていないときには、信号S1ONの有無を判定し
(#68)、信号S1ONがあればさらに信号S2ON
の有無を判定する(#70)。これらの信号がないとき
には#52に戻る。信号S2ONによって銀塩フィルム
の露光を開始するが、以下の#72〜#78の処理は図
13の#30〜#36と同じである。ここではビデオ画
像の記録はなされておらず、レリーズタイミングは銀塩
レリーズ優先である。#78でEVFの表示を静止画か
ら動画に戻した後、#52に戻る。
【0062】#60においてフラグ信号を記録したフィ
ールドはアフタービューとして利用される。すなわち、
撮影終了後任意の時にこのフィールドの画像を再生表示
することにより、銀塩フィルムに撮影した画像を確認す
ることができる。
【0063】前述のように、PHモードでは銀塩レリー
ズが優先される。この撮影のタイミングを、第1および
第2の構成のカメラを例にとり、図15を参照して説明
する。図15において、横軸は時間を表し、aはシャッ
ターレリーズ釦の第2ストロークで発せられる信号S2
ONを検出したメインマイコンが発するトリガ信号を表
している。bはフォーカルプレーンシャッターC07の
開閉動作を表しており、SFは先幕の走行をSRは後幕
の走行を示す。先幕の走行によってシャッターが開き、
全開後、後幕の走行によってシャッターが閉じ、この間
に銀塩フィルムが露光する。ここでは、トリガ信号のパ
ルス末尾に同期させてシャッターの開放動作を開始する
例を示している。
【0064】gはCCD駆動部C23がCCDに与える
フィールドシフトパルスを表している。フィールドシフ
トパルスは通常1/60秒の一定周期でCCDに与えら
れる。CCDはフィールドシフトパルスを受けたとき
に、それまでの光電変換によって蓄積していた電荷をA
/DコンバータC22に出力する。これにより、CCD
の蓄積電荷は無くなる。CCDはフィールドシフトパル
スを受けた後、帰線期間に相当する微少な一定時間の経
過後に、次の光電変換を開始する。
【0065】h、jは画像処理部C24が処理し1フィ
ールドの期間記憶している画像信号を表しており、hは
第1の記憶部に記憶されているもの、jは第2の記憶部
に記憶されているものである。kはEVFが表示してい
る画像を表しており、画像処理部C24の第2の記憶部
の画像と同じである。EVFは画像処理部C24から与
えられた画像信号を、次の画像信号が与えられるまで表
示する。g、h、jおよびkに付したA、A’等の符号
は、CCD、画像処理部およびEVFの画像の対応関係
を示し、例えば、画像処理部が記憶している画像A’は
CCDが撮影した画像Aを処理したものである。
【0066】トリガ信号(a)は撮影者のシャッターレ
リーズ釦操作に応じて任意の時に発せられるものであ
り、一定周期のフィールドシフトパルスと一致しない。
銀塩レリーズ優先では、シャッターレリーズ釦の操作か
ら露光開始までのタイムラグを最小限度に抑えるため
に、トリガ信号によってフィールドシフトパルスP1を
発生する(g)。すなわち、前回のフィールドシフトパ
ルスからの経過時間に関わらず、トリガ信号によって新
たなフィールドシフトパルスP1が発せられる。このた
め、CCDはトリガ信号が発せられたときに撮影中であ
った画像Cを直ちに出力し、新たな画像Dの撮影を開始
する(g)。これ以降は、フィールドシフトパルスは通
常の1/60秒周期で発せられ、銀塩フィルムの露光に
対応する期間の積分時間すなわち光電変換時間は1/6
0秒となる。
【0067】トリガ信号が発せられた時に、画像処理部
C24は画像B’を記憶しており(h、j)、EVFは
その画像B’を表示中である(k)。画像処理部C24
は画像Cを与えらるとこれを処理するが、第2の記憶部
に記憶することもEVFに出力することもしない。した
がって、EVFは画像B’の表示を続けることになる
(k)。
【0068】画像処理部C24は銀塩フィルム露光期間
の画像Dを与えられると、これを画像D’として長期的
に記憶して(j)、EVFに出力する。EVFは直ちに
画像D’を表示する(k)。その後、画像処理部C24
は、長期的に記憶した画像D’を信号S1ONが発せら
れるまでEVFに繰り返し出力する。この間、CCDか
ら与えられる画像を処理して一時的に記憶するが
(h)、これらのEVFへの出力は行わない(j)。こ
のため、EVFは画像D’の表示を継続することになる
(k)。したがって、銀塩フィルムに撮影された画像D
は撮影直後から画像D’として表示され、画像D’はレ
リーズビューとして機能する。
【0069】上記の同期制御では、銀塩フィルム露光期
間の画像Dの直前の画像Cが表示されず、EVFの表示
に画像B’と画像D’の間で不連続が生じる。ただし、
欠落する画像C’は短い期間(最長でも1フィールド分
すなわち1/60秒)のものであり、しかも動画から静
止画に切り換わる直前であるため、撮影者にあまり大き
な違和感を与えることはない。
【0070】ビデオ画像記録中の撮影のタイミングを図
16に示す。aがトリガ信号、bがシャッターの開閉動
作、gがフィールドシフトパルス、h、jが画像処理部
C24の記憶画像、kがEVFの表示画像を表すことは
図15と同じである。mは画像信号とともに磁気テープ
C28に記録されるフラグ信号である。前述のように、
ビデオ画像記録中はムービーレリーズを優先し、CCD
の光電変換に合わせて銀塩フィルムの露光を行う。した
がって、フィールドシフトパルスは一定周期であり
(g)、画像処理部C24の記憶画像(h、j)および
EVFの表示画像(k)も一定周期である。
【0071】シャッターはトリガ信号の後の最初のまた
は後続のフィールドシフトパルスに同期して開かれる
(b)。図には2番目のフィールドシフトパルスに同期
した例を示している。画像処理部C24は銀塩フィルム
の露光に対応する期間の画像D’も他の画像と同様に扱
い(h、j)、したがって、EVFにはこの画像D’は
静止画としては表示されない。磁気テープには画像D’
とともにフラグ信号が記録され(m)、再生時のアフタ
ービュー検索に利用される。
【0072】銀塩レリーズ優先の場合はEVFに表示さ
れる画像に不連続点が生じていたが、上記のムービーレ
リーズ優先撮影では、EVFの表示画像や磁気テープに
記録される画像に不連続点は発生せず、記録画像の再生
においても連続した自然な動画を表示することができ
る。
【0073】本発明では、フラッシュ撮影においてもビ
デオ画像をレリーズビューまたはアフタービューとして
利用する。このため、フラッシュ撮影では、フラッシュ
の発光をビデオ画像の帰線期間を避けて行う必要があ
り、また、銀塩フィルムの露光とCCDの光電変換とフ
ラッシュ発光の3者の同期をとる必要がる。フラッシュ
撮影における銀塩フィルムの露光とCCDの光電変換の
同期の制御について、図17〜図22を参照して説明す
る。
【0074】図17はフラッシュ撮影の第1の同期制御
を示すタイミングチャートであり、横軸が時間を表す。
この制御はPH(銀塩撮影)モードでの撮影に用いられ
る。図17において、aはシャッターレリーズ釦の第2
ストロークで発せられる信号S2ONを検出したメイン
マイコンが発するトリガ信号を表している。bは第1お
よび第2の構成のカメラのフォーカルプレーンシャッタ
ーC07の開閉動作を表している。cは第3および第4
の構成のカメラのレンズシャッターC50の開閉動作を
表しており、シャッターは設定されている絞り値に対応
する口径まで開いて再び閉じる。
【0075】dはフラッシュ&ライトFに与えられるフ
ラッシュの発光開始を指示するフラッシュトリガ信号を
表しており、eはフラッシュの発光終了を指示するフラ
ッシュ消灯信号を表している。fはフラッシュの発光状
態を表しており、フラッシュトリガ信号の先頭からフラ
ッシュ消灯信号の先頭までの間、フラッシュの発光がな
される。フラッシュ消灯信号は、フラッシュマチック撮
影のときはフラッシュトリガ信号を発した後所定時間が
経過したときに発せられ、TTLダイレクト調光撮影の
ときはAEセンサーC12、C12bの受光量が所定値
に達したときに発せられる。gはフィールドシフトパル
ス、h、jは画像処理部C24の記憶画像、kはEVF
の表示画像である。
【0076】トリガ信号(a)は撮影者のシャッターレ
リーズ釦操作に応じて任意の時に発せられる。これによ
り、シャッターの開放が始まり(b、c)、開放完了時
にフラッシュトリガ信号が発せられる(d)。これに応
じてフラッシュが発光し(f)、前述した時期にフラッ
シュ消灯信号が発せられた時点で(e)、発光を終了す
る。その後シャッターが閉じられて(b、c)、銀塩フ
ィルムの露光が終了する。
【0077】シャッターの開放動作の開始と同時に、フ
ィールドシフトパルスP1が発せられる(g)。すなわ
ち、前回のフィールドシフトパルスからの経過時間に関
わらず、トリガ信号によって新たなフィールドシフトパ
ルスP1が発せられる。このため、CCDはトリガ信号
が発せられたときに撮影中であった画像Cを直ちに出力
し、新たな画像Dの撮影を開始する(g)。これ以降
は、フィールドシフトパルスは通常の1/60秒周期で
発せられ、フラッシュの発光を含む期間の積分時間は1
/60秒となる。
【0078】トリガ信号が発せられた時に、画像処理部
C24は画像B’を記憶しており(h、j)、EVFは
その画像B’を表示中である(k)。画像処理部C24
は画像Cを与えらると直ちにこれを処理し画像C’とし
て一時的に記憶するが、EVFへの出力は行わない。し
たがって、EVFは画像B’の表示を続ける(k)。な
お、画像Cは光電変換を途中で打ち切られたものである
ため通常のフィールドの画像よりも暗く、画像C’は表
示に適するものではない。
【0079】画像処理部C24はフラッシュ発光時の画
像Dを与えられると、これを画像D’として長期的に記
憶して(j)、EVFに出力する。EVFは直ちに画像
D’を表示する(k)。その後、画像処理部C24は、
長期的に記憶した画像D’をEVFに繰り返し出力す
る。この間、CCDから与えられる画像を処理して一時
的に記憶するが(h)、これらのEVFへの出力は行わ
ない(j)。このため、EVFは画像D’の表示を継続
することになる(k)。したがって、フラッシュが発光
され銀塩フィルムに撮影された画像Dは撮影直後から画
像D’として表示され、画像D’はレリーズビューとし
て機能する。
【0080】上記の同期制御では、フラッシュ発光時の
CCDの光電変換時間すなわち電子シャッター速度は通
常の1/60秒である。その一方、画像処理部C24に
おけるフィールド長がトリガ信号が発せられた時に短く
なって一定ではなくなるが、このモードでは磁気テープ
C28への記録はなされないため何等不都合を生じな
い。また、EVFの表示のフィールド長も一時的に長く
なって一定でなくなるが、ファインダー像の観察に問題
はない。EVFに表示される画像は画像B’と画像D’
の間が不連続となるが、欠落する画像C’は最長でも1
フィールドの短い期間のものであり、動画から静止画へ
の切り換えもなされるため、違和感は生じない。
【0081】図18にフラッシュ撮影時の第2の同期制
御のタイミングチャートを示す。この制御もPH(銀塩
撮影)モードで用いられる。トリガ信号(a)、シャッ
ターの開閉(b、c)およびフラッシュの発光(d、
e、f)については、図17と全く同じであり、重複す
る説明は省略する。
【0082】本同期制御においては、トリガ信号による
シャッターの開放動作に同期してフィールドシフトパル
スP1を発し、フラッシュ消灯信号に同期して次のフィ
ールドシフトパルスP2を発する(g)。これ以降、フ
ィールドシフトパルスは通常の1/60秒周期で発せら
れる。フィールドシフトパルスP1によってCCDは撮
影途中の画像Cを出力する。その後、CCDの垂直転送
路の画像Cは次のフィールドシフトパルスP2のため高
速吐き出しが行われ、画像処理部C24には記憶されな
い(h)。EVFは表示中であった画像B’の表示を継
続する(j、k)。
【0083】CCDはフィールドシフトパルスP2によ
ってフラッシュ発光時の画像Dを出力し(g)、画像処
理部はこれを処理し画像D’として長期的に記憶する
(j)。画像処理部はEVFへの画像信号の出力を、銀
塩フィルムでの撮影の有無に関わらず一定周期で行う。
画像処理部は一時記憶の画像B’を出力した後1/60
秒経過した時に、その時点で長期記憶している画像D’
を出力し、その後所定の期間この出力を繰り返す。この
間、画像処理部はCCDから与えられる画像を処理して
一時的に記憶するが(h)、その出力はしない。EVF
には画像B’に続いて画像D’がレリーズビューとして
所定期間表示されることになる(j、k)。
【0084】本同期制御においては、フラッシュ発光時
の電子シャッター速度は一定ではなく、発光終了に同期
してCCDの積分を終了する。なお、画像C’を表示し
ないことにより表示画像が不連続になり、また、フィー
ルドシフトパルスP2以降、画像処理部の記憶時期とE
VFの表示時期に差が生じるが、これらは像観察に不都
合を生じるものではない。
【0085】図19にフラッシュ撮影の第3の同期制御
のタイミングチャートを示す。この制御はPM(同時撮
影)モードで撮影を行うときに用いられる。本同期制御
では、記録されるビデオ画像に不連続を生じさせないた
めに、フィールドシフトパルスは常時1/60秒の一定
周期で発せられる。
【0086】トリガ信号(a)は撮影者のシャッターレ
リーズ釦操作によって信号S2ONが発せられた後、充
電等のフラッシュの発光準備と自動焦点調節と測光が完
了した時点で発せられる。トリガ信号後の最初のフィー
ルドシフトパルスに同期してシャッターの開放が開始さ
れ(b、c)、開放完了時にフラッシュトリガ信号が発
せられる(d)。その後、前述した時期にフラッシュ消
灯信号が発せられ(e)、この間フラッシュ発光が行わ
れる(f)。その後シャッターが閉じられて(b、
c)、銀塩フィルムの露光が終了する。
【0087】CCDはフィールドシフトパルスが与えら
れるごとに、撮影中の画像を出力し新たな撮影を開始す
る(g)。画像処理部はそれらの画像の全てを順次処理
して一時的に記憶するとともにEVFに出力する(h、
j)。このため、EVFにはCCDによって撮影された
画像の全てが順に表示される(k)。画像処理部の出力
である画像信号は磁気テープC28にも記録される。フ
ラッシュ発光を行った画像Cは画像C’として記録され
るが、画像C’とともにフラグ信号が磁気テープに記録
される(m)。
【0088】CCDによる撮影を行っているときEVF
に表示される画像は次々と更新されるから、フラッシュ
発光を記録した画像C’は表示時間が短くレリーズビュ
ーとしては利用できない。しかしながら、磁気テープに
記録した画像C’にはフラグ信号が付加されており、容
易に検出される。撮影終了後に画像C’を磁気テープか
ら再生してEVFに表示することで、アフタービューの
機能が実現される。
【0089】第2および第4の構成のカメラに適用され
る、フラッシュ撮影の第4の同期制御について図20を
参照して説明する。この同期制御は、上述の第3の制御
と同様に、PM(同時撮影)モードで用いられる。ここ
でも、記録されるビデオ画像に不連続を生じさせないた
めに、フィールドシフトパルスを1/60秒の一定周期
で発するが、電子シャッターの速度調節のためにフラッ
シュ発光中にフィールドシフトパルスを1つ挿入する。
【0090】図20において、aはトリガ信号、bはフ
ォーカルプレーンシャッターの動作、cはレンズシャッ
ターの動作、dはフラッシュトリガ信号、fはフラッシ
ュの発光、gはフィールドシフトパルス、h、jは画像
処理部の記憶画像、kはEVFの表示画像、mはフラグ
信号を表す。符号A、A’等で表される画像の対応関係
も前述のとおりである。
【0091】e1は第1の測光素子C12aによって検
出されたCCDに導かれる光量が第1の所定値に達した
時にメインマイコンC01が発する第1の調光信号であ
り、e2は第2の測光素子C12bによって検出された
銀塩フィルムからの反射光の光量が第2の所定値に達し
た時にメインマイコンC01が発する第2の調光信号で
ありである。フラッシュの発光量と第1および第2の調
光信号の関係を図23に示す。図23において、(a)
および(b)はそれぞれ第1の測光素子C12aおよび
第2の測光素子C12bの受光量を表す出力信号、
(c)はフラッシュの発光量である。横軸はフラッシュ
の発光開始からの経過時間を表す。
【0092】メインマイコンC01はシャッターレリー
ズ釦操作によって信号S2ONが発せられた後、充電等
のフラッシュの発光準備と自動焦点調節と測光が完了し
た時点でトリガ信号を発する(図20、a)。その後の
最初のフィールドシフトパルスに同期してシャッターの
開放動作を開始させ(b、c)、開放完了時にフラッシ
ュトリガ信号を発する(d)。フラッシュトリガ信号に
よってフラッシュは発光を開始し(f)、第1および第
2の測光素子C12a、C12bの受光量は増加する。
【0093】フラッシュ発光後第1の測光素子C12a
の出力が第1の所定値A1に達した時t1に(図2
3)、メインマイコンC01はCCDの光電変換の終了
を指示するために第1の調光信号をCCD駆動部C23
に与える(e1)。CCD駆動部C23は第1の調光信
号を受けると直ちにフィールドシフトパルスP2をCC
Dに与える(g)。CCDはフィールドシフトパルスP
2によって、それまで蓄積していた電荷をA/Dコンバ
ータC22に出力する。これにより電子シャッターが一
旦閉じられ、新たな撮影が開始されることになる。フラ
ッシュの発光はフィールドシフトパルスP2に関わらず
継続される。
【0094】フラッシュ発光後第2の測光素子C12b
の出力が第2の所定値A2に達した時t2に(図2
3)、メインマイコンC01は前述のフラッシュ消灯信
号に相当する第2の調光信号を発する(e2)。これに
よりフラッシュの発光が終了し(f)、その後シャッタ
ー速度として設定されていた時間が経過した時にシャッ
ターが閉じられて(b、c)、銀塩フィルムの露光が終
了する。銀塩フィルムの露光はTTL調光によって制御
されることになる。
【0095】CCDはフィールドシフトパルスが与えら
れるごとに、撮影中の画像を出力し新たな撮影を開始す
る(g)。画像処理部C24はそれらの画像のうち、定
期的なフィールドシフトパルスの間に挿入されたフィー
ルドシフトパルスP2の直後の画像Dを処理することな
く無視し、他の画像は全て処理して一時的に記憶すると
ともにEVFに出力する(h、j)。フラッシュの発光
が行われた画像Cを処理した画像C’は他の画像と同様
に1/60秒間記憶される。このため、EVFには画像
Dを除きCCDによって撮影された画像の全てが順に、
1/60秒の一定周期で表示される(k)。画像D以外
の全画像は磁気テープC28にも一定フィールド長で記
録される。フラッシュが発光された画像C’に対応して
フラグ信号が記録される(m)。
【0096】今までの制御例では電子シャッターにフィ
ールドシフトパルスと垂直転送路の高速吐き出しを伴う
構成で説明したが、垂直転送路への不要電荷の吐き出し
を行わないフラッシュ撮影の第5、第6の制御例を図2
1、図22に示す。これらの図において、g1はフィー
ルドシフトパルスであり、g2は電荷吐き捨てパルスで
ある。CCDは電荷吐き捨てパルスが与えられると、光
電変換によって蓄積していた電荷を転送路とは逆の基板
部分に吐き出す。これにより不要電荷の吐き捨てが行わ
れる。
【0097】図21において、トリガ信号が発せられた
時、それまで光電変換を行っていた画像Cの電荷を電荷
吐き捨てパルスP1によって吐き出し、この時点から新
たな画像Dの光電変換を始める。調光信号(e)により
調光すると、その時点でフィールドシフトパルスP2
(g1)により垂直転送路へ電荷を転送する。次に、元
の1/60秒毎のフィールドシフトパルスのタイミング
時にフィールドシフトパルスを与えず、電荷吐き捨てパ
ルスP3をCCDに与えて(g2)、不要な画像DDの
電荷を吐き捨てると同時に次の画像Eの光電変換を開始
する。また、これと同時に先に垂直転送路に出した画像
Dの電荷をCCDから送り出す。
【0098】これ以降の処理は図18を参照して説明し
たフラッシュ撮影の第2の同期制御と同じである。本制
御処理では、図18と異なり、画像処理部C24の第1
の記憶部には元の1/60毎の画像信号が入力される。
【0099】図22は、図20に示したフラッシュ撮影
の第4の同期制御に、電荷吐き捨てパルスP3(g2)
を用いたものである。ここでも、不要な画像Dの電荷が
吐き捨てられ、直ちに新たな画像Eの光電変換が開始さ
れる。
【0100】上記同期制御は、CCDによって撮影した
画像を銀塩フィルムのフラッシュ撮影のアフタービュー
として利用することを目的としたものである。アフター
ビューに加えレリーズビューとしても利用するときに
は、画像処理部がフラッシュ発光を行った画像C’を長
期的に記憶し、磁気テープには一時記憶の信号を次々と
出力し、EVFには長期的に記憶した画像C’を所定の
期間繰り返し出力するようにすればよい。
【0101】上記第4の同期制御は、CCDの像の明る
さと銀塩フィルムの像の明るさとを個別に測定し、各測
定結果に応じて電子シャッター速度とフラッシュの発光
時間を制御するものであり、CCDと銀塩フィルムの像
の明るさを測定するために2つの測光素子C12aおよ
びC12bを備えている。2つの測光素子を備えること
に代えて、1つの測光素子の受光量を2つの所定値と比
較して、比較結果に応じて電子シャッター速度とフラッ
シュの発光時間を制御するようにしてもよい。
【0102】これは例えば、前述の第1の構成のカメラ
において、メインマイコンC01が、AEセンサーC1
2の出力が第1の所定値に達した時に第1の調光信号を
発し、同出力が第2の所定値に達したときに第2の制御
信号を発するようにすることで実現される。このときの
フラッシュの発光量とAEセンサーの受光量を表す出力
の関係を図24に示す。メインマイコンC01は、フラ
ッシュ発光開始後AEセンサーC12の出力値が第1の
所定値A1’に達した時t1に第1の調光信号を発し、
第2の所定値A2’に達した時t2に第2の調光信号を
発する。他の処理は第4の同期制御と同一である。
【0103】以上のいずれの同期制御においてもシャッ
ターの開放動作を行わなければ、銀塩フィルムを感光さ
せること無くCCDによる撮影を行うことができる。し
たがって、上記同期制御はいずれも、シャッターの開放
動作を除くだけで、プレビューのための制御として応用
可能である。
【0104】上述のように、本発明ではCCDで撮影し
た画像を銀塩フィルムでの撮影のレリーズビューやアフ
タービューあるいはプレビューとして利用するが、CC
Dによる画像を銀塩フィルムによる像と同一にすべき内
容としては、構図、像の明るさ、影の出方、像のボケ具
合(ピントおよび被写界深度)、および像のブレ具合
(被写体ぶれおよび手ぶれ)がある。これら全ての条件
を同時に満足することが望ましいが、CCDによる撮影
と銀塩フィルムによる撮影とでは撮影の根本原理が異な
るため、種々の制約が生じ、全条件を常に満足すること
はできない。本発明では、構図と、銀塩フィルムでの撮
影において最も基礎的な条件である像の明るさについて
CCDの像を銀塩フィルムの像に一致させ、適宜他の条
件を満足させることを図る。
【0105】第1および第2の構成のカメラの露光制御
に関する構成を図25に示す。メインマイコンC01に
は中央演算装置(CPU)C01Cに加え露出制御回路
C01Aが設けられており、露出制御回路C01Aはさ
らに銀塩制御部C01SとCCD制御部C01Vより成
る。CPUには、操作部COPよりA、S、P、Mの露
光制御モード、AまたはMモードのとき設定すべき撮影
レンズLの絞り値、およびSまたはMモードのとき設定
すべきシャッター速度が与えられ、AFモジュールC0
2より測距情報が与えられる。また、AEセンサーC1
2またはC12aおよびC12bの出力信号とA/Dコ
ンバーターC22の出力信号が入力される。
【0106】露光に関わるパラメータとしては、銀塩フ
ィルムでの撮影については、撮影レンズLの絞り値とシ
ャッター速度があり、CCDでの撮影については、撮影
レンズLの絞り値、NDフィルターC13の透過率、リ
レー光学系C14の絞り値、CCDのゲインおよび積分
時間すなわち光電変換の時間がある。これらのパラメー
タは露出制御回路C01Aに与えられる。
【0107】露出制御回路C01Aは、CPUより与え
られたパラメータに基づき、銀塩制御部C01Sから撮
影レンズLの絞り制御部L12およびシャッター駆動部
C06に制御信号を与え、CCD制御部C01VからN
Dフィルター制御部C15、リレー光学系制御部C19
およびCCD駆動部C23に制御信号を与える。リレー
光学系制御部C19は絞りC18を制御し、A/Dコン
バータC22はCCDのゲインを制御する。CCD駆動
部C23は、CCDに与えるフィールドシフトパルスの
間隔を変えることにより積分時間を変えて、電子シャッ
ター速度を変化させる。
【0108】図示しないが、第3および第4の構成のカ
メラもほぼ同様の構成により露光を制御する。
【0109】以下に、第1および第2の構成のカメラに
おいてCCDの画像の明るさを銀塩フィルムの像の明る
さに一致させる制御について述べるが、その前に使用す
るパラメータとその符号について説明しておく。 BVS:シーン輝度。適正な露出仕上がりが得られる制
御輝度のことである。 <銀塩フィルムに対して> SV:フィルム感度。 PV:ペリクルミラー透過率。 AVagφ:主レンズ(撮影レンズ)の開放FNo.。 AVagmin:主レンズの最小絞りのFNo.。 AVag:主レンズの撮影時のFNo.。 TVag:撮影時のシャッター速度。 BVag:フィルムに対する制御輝度。 <CCDに対して> SVCCD:CCD感度。 ΔSVCCD:CCD感度増幅率(ゲイン)であり、例え
ば±3EVの範囲で、連続的に調節可能でである。 RV:ペリクルミラー反射率。 βV:リレー光学系(コンデンサレンズを含む)による
係数(縮小倍率係数)。リレー光学系透過前後の像の大
きさ(長さ)の比を1:βとすると、βV=2・log
2βである。 AVCCDφ:リレー光学系の開放FNo.。 AVCCD:リレー光学系の撮影時のFNo.。 TVCCD:撮影時の電子シャッター速度。 NV:NDフィルター透過率。 BVCCD:CCDに対する制御輝度。 なお、以上のパラメータは全てAPEX値で表すものと
する。
【0110】銀塩フィルムの露光に関しては式(1)が
成り立ち、CCDの露光に関しては式(2)が成り立
つ。なお、第2、第4の構成のカメラのCCDへの光路
上に配設されているハーフミラーC41による影響は極
めて少ないものとし、ここでは考慮しない。 BVag+SV+PV=AVag+TVag (1) BVCCD+SVCCD+ΔSVCCD+RV+NV=AVCCD+TVCCD (2)
【0111】BVagおよびBVCCDについて上記式
(1)および式(2)を満たしつつ式(3)を満足させ
れば、CCDの画像の明るさが銀塩フィルムの画像の明
るさに一致することになる。 BVag=BVCCD=BVS (3)
【0112】さらに、次の式(4)を満たせばCCDの
画像のブレが銀塩フィルムの画像のブレに一致し、式
(5)を満たせばCCDの画像のボケが銀塩フィルムの
画像のボケに一致する。 TVag=TVCCD (4) AVag+βV=AVCCD (5)
【0113】ところで、第1および第2の構成のカメラ
では、ペリクルミラーC04で分割した光の光束をコン
デンサレンズC10により細め、絞りC18を有するリ
レー光学系C14を介してCCDに与える。ここで、撮
影レンズLの絞りL11の開放FNo.とリレー光学系C
14の絞りC18の開放FNo.の関係から、撮影レンズ
L透過光の光束とリレー光学系C14透過光の光束の関
係は次のM、L、MLの3タイプに分類される。
【0114】タイプMは、リレー光学系C14の絞りC
18を開放し、撮影レンズLの絞りL11を開放したと
きに、撮影レンズL透過光が絞りC18でけられること
なく全てCCDに入射するものである。例えば、撮影レ
ンズの開放FNo.が4.0(AVagφ=4)、リレー光
学系の開放FNo.が1.0(AVCCDφ=0)、リレー光
学系による縮小率が1/4(βV=−4)である。タイ
プMでは式(6)が成り立つ。 AVCCDφ≦AVagφ+βV (6)
【0115】タイプLは、リレー光学系C14の絞りC
18を開放し、撮影レンズLの絞りL11を最小径まで
絞り込んではじめて、撮影レンズL透過光が絞りC18
でけられることなく全てCCDに入射するものである。
例えば、撮影レンズの最小絞りFNo.が16.0(AVa
gmin=8)、リレー光学系の開放FNo.が2.0(AVC
CDφ=2)、リレー光学系による縮小率が1/8(βV
=−6)である。タイプLでは式(7)が成り立つ。 AVCCDφ≧AVagmin+βV (7)
【0116】タイプMLは、タイプMとタイプLの中間
であり、式(8)が成り立つ。 AVagmin>AVCCDφ−βV>AVagφ (8)
【0117】CCDの画像の明るさを銀塩フィルムの画
像の明るさに一致させる制御について表2および図26
〜図37のフローチャートを参照して説明する。表2
は、式(3)、式(4)、式(5)の成立と不成立によ
る露光制御の分類と、各露光制御と上記のM、L、およ
びMLの各タイプとの適合の関係を示したものである。
【0118】
【表2】
【0119】表2中、Aは式(3)のみを満足する制
御、Bは式(3)と式(4)を満足する制御、Cは式
(3)と式(5)を満足する制御、Dは式(3)、式
(4)および式(5)を満足する制御を表している。ま
た、数字を付したものは制御可能なものであり、数字は
制御例を示すフローチャートの図番号を表している。○
印を付したものはフローチャートを掲げて例示すること
はしないが、制御可能なものである。△印を付したもの
は、構造上そのような制御ができないものである。
【0120】なお、前述のように、PHモードではレリ
ーズビューとアフタービューの機能を利用することがで
き、CCDの画像をプレビューとしても利用できる。ま
た、PMモードではアフタービューの機能が利用でき
る。
【0121】図26に露光制御の処理の基本の流れを示
す。まず、ステップ#102で初期設定を行う。カメラ
にかかわる固有値であるPV、RV、βV、SVCCD
と、装着されているフィルムの感度を図示されていない
フィルム感度検出部から読み取りSVと設定する。この
データはメインマイコンC01の露出制御回路に記憶さ
れる。
【0122】撮影者がシャッターレリーズ釦を半押し
(S1ON)することによりAEセンサーにより被写体
の明るさを測定し、その情報をメインマイコンのCPU
へ送り、そこで操作部COPによる露出設定(多分割測
光やスポット測光等の輝度分布設定、露出補正等の補正
設定)に従って、被写体をどのような明るさで撮影する
かを決定し制御輝度値BVSとする。
【0123】#104で銀塩撮影における被写体輝度B
Vagの値をBVSとし、#106でビデオ撮影における
被写体輝度BVCCDの値をBVSと決定する。さらに#
108で残りのパラメータ値の決定を行う。これは露出
モード(絞り優先、シャッター速度優先等のプログラ
ム)や、BVS値により適宜決定される。例えばシャッ
ター速度優先では式(4)が成り立つように設定され
る。 TVag=TVCCD (4)(再掲)
【0124】次いで、#110で銀塩フィルムとCCD
の撮影を行う。撮影者がレリーズ釦を半押し(S1O
N)することで同時にAFも行われ、その状態でレリー
ズ釦を押し切る(S2ON)ことにより撮影が開始さ
れ、決定された設定値通りに各部(NDフィルター透過
率NV、CCDの画像処理回路におけるゲイン設定ΔS
VCCD、主レンズの絞りAVag、リレー光学系の絞りA
VCCD、銀塩のシャッター速度TVag、CCDの電子シ
ャッター速度TVCCD)が制御され、撮影が終了する。
【0125】PH(銀塩撮影)モードにおいて画像の明
るさとブレ具合を一致させる制御Bの例を図27に示
す。この制御は式(3)と式(4)を同時に満たすこと
に特徴があり、撮影モードがPHモードのとき露出モー
ドをシャッター速度優先モード等に設定した場合に用い
られる。 BVag=BVCCD=BVS (3)(再掲) TVag=TVCCD (4)(再掲)
【0126】まず、ステップ#132で初期設定をす
る。すなわち、カメラの固有値であるPV、RV、β
V、SVCCDの設定と読み取ったフィルム感度からのS
Vの設定を行い、設定値をメインマイコンの露出制御回
路に記憶する。
【0127】撮影者がレリーズ釦を半押し(S1ON)
することによりAEセンサーにより被写体の明るさを測
定し、その情報をメインマイコンのCPUへ送り、そこ
で操作部COPによる露出設定(多分割測光やスポット
測光等の輝度分布設定、露出補正等の補正設定)に従っ
て、被写体をどのような明るさで撮影するかを決定し制
御輝度値BVSとする。#134で銀塩撮影における被
写体輝度BVagの値をBVSとし、操作部により撮影者
が設定したTVagとから式(1)に基づいてAVagを決
定する。 BVag+SV+PV=AVag+TVag (1)(再掲)
【0128】次に、BVS値やSV値に基づき、NDフ
ィルターの透過率NVを設定する(#136)。例えば
BVSが大きなとき(被写体輝度が高いとき)や装着さ
れたフィルムの感度が高いときに、ND量を大きくし透
過率を低下させる。#138でビデオ撮影における被写
体輝度BVCCDの値をBVSと決定する。さらに、銀塩
画像とビデオ画像のブレを同じくするためにTVCCDの
設定値をTVagと同じ値に設定する。
【0129】CCDのゲイン設定は初期値としては0d
BすなわちΔSVCCD=0とし(#140)、式(2)
により、AVCCDの値を仮決定する(#142)。 BVCCD+SVCCD+ΔSVCCD+RV+NV=AVCCD+TVCCD (2)(再 掲)
【0130】次いで、#144において、仮決定された
AVCCDの設定値を実際設定できるかどうかを確認す
る。例えばリレー光学系の開放FNo.=1.4とすると
AVCCDφ=1、小絞りボケ等が顕著に目立たない最小
絞り値FNo.=11とするとAVCCDの範囲は1〜7とな
り、この範囲であれば判定結果は偽となる。ただし、こ
の範囲であっても式(9)を満たす場合も設定範囲外
(判定結果は真)となる。このときは主レンズの絞りに
よりCCDに入射する光束がけられるようになるからで
ある。 AVCCD<AVag+βV (9)
【0131】#144の判定結果が偽のときには、レリ
ーズ釦を押し切る(S2ON)ことにより撮影が開始
(#148)され、決定された設定値通りに各部(ND
フィルター透過率NV、CCDのゲイン設定ΔSVCC
D、主レンズの絞りAVag、リレーレンズの絞りAVCC
D、銀塩のシャッター速度TVag、CCDの電子シャッ
ター速度TVCCD)が制御され、撮影が終了する。一
方、判定結果が真であれば、AVCCDが設定範囲内にな
るようにND量の初期値を変更したり、CCDのゲイン
を変更する(#146)。そして、撮影(#148)を
待つ。
【0132】この制御例ではレリーズ釦の半押し(S1
ON)から測光が開始されるが、EVFに画像の表示を
開始する時点で#138までを行い、さらにその設定に
従ってCCDの露光を制御してもよい。その後レリーズ
釦の半押し(S1ON)で再度#134から開始する。
こうすることでレリーズ釦を押し切って(S2ON)か
らのタイムラグが小さくなる。
【0133】さらには、EVFに画像の表示を開始する
時点で#146までを行い、さらにその設定に従ってC
CDの露光を制御してもよい。その後レリーズ釦の半押
し(S1ON)で再度#134から開始する。こうする
ことでEVFで確認する画像がいつも銀塩撮影に近いも
のになる。
【0134】この制御例ではレリーズ釦の押し切り(S
2ON)によりCCDの露光を含む最終露出制御を行っ
ているが、レリーズ釦の半押し(S1ON)により、#
146までを行い、さらにその設定に従ってCCDの露
光を制御してもよい。こうすることで、S1ONによ
り、銀塩撮影の露光条件とビデオ撮影の露光条件をとも
にAEセンサーC12の出力に基づいてロックすること
ができ、EVFで確認する画像が銀塩撮影に近いものに
なる。
【0135】PH(銀塩撮影)モードにおいて画像の明
るさとボケ具合を一致させる制御Cの例を図28に示
す。この制御は式(3)と式(5)を同時に満たすこと
に特徴があり、撮影モードがPHモードのとき露出モー
ドを絞り優先モード等に設定した場合に用いられる。 BVag=BVCCD=BVS (3)(再掲) AVag+βV=AVCCD (5)(再掲)
【0136】まず、ステップ#172で初期設定をす
る。すなわち、カメラの固有値であるPV、RV、β
V、SVCCDの設定と読み取ったフィルム感度からのS
Vの設定を行い、設定値をメインマイコンの露出制御回
路に記憶する。ただし、タイプLは式(5)を満たすよ
うな組み合わせが無かったり、もしくは1点だけであっ
たりするので、絞り優先モード時であってもEVF表示
は画像明度同一のみの表示となる。
【0137】撮影者がレリーズ釦を半押し(S1ON)
することによりAEセンサーにより被写体の明るさを測
定し、その情報をメインマイコンのCPUへ送り、そこ
で操作部COPによる露出設定(多分割測光やスポット
測光等の輝度分布設定、露出補正等の補正設定)に従っ
て、被写体をどのような明るさで撮影するかを決定し制
御輝度値BVSとする。#174で銀塩撮影における被
写体輝度BVagの値をBVSとし、操作部により撮影者
が設定したAVagとから式(1)に基づいてTVagを決
定する。 BVag+SV+PV=AVag+TVag (1)(再掲)
【0138】次に、BVS値やSV値に基づき、NDフ
ィルターの透過率NVを設定する(#176)。例えば
BVSが大きなとき(被写体輝度が高いとき)や装着さ
れたフィルムの感度が高いときに、ND量を大きくし透
過率を低下させる。#178でビデオ撮影における被写
体輝度BVCCDの値をBVSと決定する。さらに、銀塩
画像とビデオ画像のボケを同じくするためにAVCCDの
設定値をAVag+βVと同じ値に仮設定する。
【0139】CCDのゲイン設定は初期値としては0d
BすなわちΔSVCCD=0とし(#180)、#182
において、仮決定されたAVCCDの設定値を実際設定で
きるかどうかを確認する。例えばリレー光学系の開放F
No.=1.4とするとAVCCDφ=1であるが、主レンズ
の設定値がFNo.=2(AVag=2)、β=1/4(β
V=−2)のとき、式(5)の左辺は0となるが、右辺
は1以下の値をとることができない。このように式
(5)を満たすことができなければ判定結果は真とな
り、満たせれば判定結果は偽となって、処理の流れは分
岐する。
【0140】満たされた場合、#184で電子シャッタ
ー速度TVCCDを設定する。すなわち式(2)のAVCCD
に式(5)の関係よりAVag+βVを代入し、移項する
ことで式(10)が得られる。ただし、ΔSVCCD=
0、NV=0である。 TVCCD=BVCCD+SVCCD+ΔSVCCD+RV+NV −(AVag+βV) (10)
【0141】ここで得られたTVCCDが設定範囲にある
かどうかを確認するのが#186である。例えば、TV
CCDの設定範囲が5〜12のときに、TVCCDの設定値が
3(1/8秒)となった場合は設定範囲外ということで
判定結果は真となり、TVCCDの設定値が9(1/50
0秒)となった場合は判定結果は偽となって、処理の流
れは分岐する。
【0142】判定結果が真の場合は、TVCCDが設定範
囲に入るようにNVやΔSVCCDの設定値を変更し(#
188)、その変更値に従って式(10)によりTVCC
Dを再設定する(#190)。判定結果が偽の場合は元
の設定値のまま、レリーズ釦を押し切る(S20N)こ
とにより撮影が開始(#204)され、決定された設定
値通りに各部(NDフィルター透過率NV、CCDのゲ
イン設定ΔSVCCD、主レンズの絞りAVag、リレーレ
ンズの絞りAVCCD、銀塩のシャッター速度TVag、C
CDの電子シャッター速度TVCCD)が制御され、撮影
が終了する。
【0143】一方、#182で式(5)を満たすことが
できなければその判定結果は真となり、この場合ボケ量
はビデオでは再現できなくなる。ただし、できるだけボ
ケ量を銀塩撮影に近づけるため#192でリレー絞りを
開放に設定する。タイプMでは#182の判定で真とは
ならないが、タイプMLでは主レンズの絞り設定値によ
り真となるような組み合わせが生じる。
【0144】次に、#194で電子シャッター速度TV
CCDを設定する。すなわち、式(2)においてAVCCD=
AVCCDφとし、移項することで式(11)が得られ
る。ただし、ΔSVCCD=0、NV=0である。 TVCCD=BVCCD+SVCCD+ΔSVCCD+RV+NV−AVCCDφ (11)
【0145】#196から#200までの処理は、#1
86から#190までの処理と同じになる。#202に
おいて、EVFにアフタービューやプレビューにおける
表示画像のボケ量が実際の銀塩画像と異なることを表示
してS2ONを待つ。S2ONにより撮影(#204)
される。
【0146】この制御例ではレリーズ釦の半押し(S1
ON)から測光が開始されるが、EVFに画像の表示を
開始する時点で#178までを行い、さらにその設定に
従ってCCDの露光を制御してもよい。その後レリーズ
釦の半押し(S1ON)で再度#174から開始する。
こうすることでレリーズ釦を押し切って(S2ON)か
らのタイムラグが小さくなる。
【0147】さらには、EVFに画像の表示を開始する
時点で#190または#200までを行い、さらにその
設定に従ってCCDの露光を制御してもよい。その後レ
リーズ釦の半押し(S1ON)で再度#174から開始
する。こうすることでEVFで確認する画像がいつも銀
塩撮影に近いものになる。
【0148】この制御例ではレリーズ釦の押し切り(S
2ON)によりCCDの露光を含む最終露出制御を行っ
ているが、レリーズ釦の半押し(S1ON)により、#
190または#200までを行い、さらにその設定に従
ってCCDの露光を制御してもよい。こうすることで、
S1ONにより、銀塩撮影の露光条件とビデオ撮影の露
光条件をともにAEセンサーC12の出力に基づいてロ
ックすることができ、EVFで確認する画像が銀塩撮影
に近いものになる。
【0149】PH(銀塩撮影)モードにおいて画像の明
るさとブレ具合とボケ具合を一致させる制御Dの例を図
29〜図32に示す。この制御は式(3)と式(4)と
式(5)を同時に満たすことに特徴があり、撮影モード
がPHモードのとき露出モードを絞り優先モードやシャ
ッター速度優先モード等に設定した場合に用いられる。 BVag=BVCCD=BVS (3)(再掲) TVag=TVCCD (4)(再掲) AVag+βV=AVCCD (5)(再掲)
【0150】まず、ステップ#222で初期設定をす
る。すなわち、カメラの固有値であるPV、RV、β
V、SVCCDの設定と読み取ったフィルム感度からのS
Vの設定を行い、設定値をメインマイコンの露出制御回
路に記憶する。ただし、タイプLは式(5)を満たすよ
うな組み合わせが無かったり、もしくは1点だけであっ
たりするので、EVF表示は画像明度同一のみの表示と
なる。
【0151】撮影者がレリーズ釦を半押し(S1ON)
することによりAEセンサーにより被写体の明るさを測
定し、その情報をメインマイコンのCPUへ送り、そこ
で操作部COPによる露出設定(多分割測光やスポット
測光等の輝度分布設定、露出補正等の補正設定)に従っ
て、被写体をどのような明るさで撮影するかを決定し制
御輝度値BVSとする。#224で銀塩撮影における被
写体輝度BVagの値をBVSとし、操作部により撮影者
が設定したAVagやTVagまたはプログラム曲線から式
(1)に基づいてAVagやTVagを決定する。 BVag+SV+PV=AVag+TVag (1)(再掲)
【0152】#226でビデオ撮影における被写体輝度
BVCCDの値をBVSと決定する。さらに、銀塩画像と
ビデオ画像のボケとブレを同じくするために、AVCCD
の設定値をAVag+βVと同じ値に、TVCCDをTVag
と同じ値に仮設定する。
【0153】#228において、仮決定されたAVCCD
の設定値を実際設定できるかどうかを確認する。例えば
リレー光学系の開放FNo.=1.4とするとAVCCDφ=
1であるが、主レンズの設定値がFNo.=2(AVag=
2)、β=1/4(βV=−2)のとき、式(5)の左
辺は0となるが、右辺は1以下の値をとることができな
い。このように式(5)を満たすことができなければ判
定結果は真となり、満たせれば判定結果は偽となって、
処理の流れは分岐する。
【0154】満たした場合は、#230でまずCCDの
ゲイン設定の初期値を0(ΔSVCCD=0)とし、式
(1)、式(2)と式(3)のBVag=BVCCDの関係
から式(12)を得て、NDフィルター透過率NVを決
定する。ただし、ΔSVCCD=0である。 NV=AVCCD+TVCCD−BVCCD−SVCCD−ΔSVCCD−RV =AVag+βV+TVag−BVCCD−SVCCD−ΔSVCCD−RV =SV−SVCCD−ΔSVCCD−(RV−PV)+βV (12)
【0155】#232では決定されたNV値が設定範囲
外かどうかを判定する。判定結果が偽の場合は、設定値
のままレリーズ釦を押し切る(S2ON)ことにより撮
影が開始(#270)され、決定された設定値通りに各
部(NDフィルター透過率NV、CCDのゲイン設定Δ
SVCCD、主レンズの絞りAVag、リレーレンズの絞り
AVCCD、銀塩のシャッター速度TVag、CCDの電子
シャッター速度TVCCD)が制御され、撮影が終了す
る。
【0156】判定結果が真の場合は、NDフィルター透
過率NVが設定できる範囲内でCCDのゲイン調整を初
期値0から変更する。例えば、NVの実際値が0、1、
2、3の4点しかとれないとき設定値が2.5となれば
NV=2としΔSVCCD=−0.5とすることにより、
式(12)を満足する設定ができる。ここでΔSVCCD
=αと仮設定する(#234)。#236で仮設定値が
ΔSVCCDの補正範囲(例えば±3以内)に入っている
かどうかを確認する。
【0157】入っていれば、式(12)とΔSVCCD=
αの関係より式(13)を得て、NDフィルター透過率
NVを設定し(#238)、レリーズ釦のS2ONを待
つ。レリーズ釦のS2ONにより、撮影(#270)さ
れる。 NV=SV−SVCCD−α−(RV−PV)+βV=nm (13)
【0158】入っていなければ、ブレ、ボケが同じにな
るEVF表示は得られない。まず、ΔSVCCDを補正範
囲(例えば±3以内)内で最も近い値に設定する(#2
40)。例えばΔSVCCDの仮設定値が4だとするとΔ
SVCCD=3に設定する。変更した設定値をαm(ΔSV
CCD=αm)とする。
【0159】#242で各露出モードに応じた処理をす
る。絞り優先モード時はAVCCDをそのままにして、T
VCCD≠TVagとし、式(2)より式(14)を得てT
VCCDを設定し直す。シャッター速度優先モード時はT
VCCDをそのままにして、AVCCD≠AVag+βVとし、
式(2)より式(15)を得てAVCCDを設定し直す。
プログラムモード時やマニュアルモード時は絞り優先モ
ード時やシャッター速度優先モード時に準じた設定変更
を行う。 TVCCD=BVS+SVCCD+αm+RV+nm−(AVag+βV) (14) AVCCD=BVS+SVCCD+αm+RV+nm−TVag (15)
【0160】各設定変更を行った後、#244におい
て、EVFにアフタービューやプレビューにおける表示
画像のボケ量またはブレ量が実際の銀塩画像と異なるこ
とを表示してS2ONを待つ。S2ONにより撮影(#
270)される。
【0161】#228の判定において、仮決定されたA
VCCDの設定値が式(5)を満たすことができないとき
は、ボケ量はビデオ(EVF)では再現できなくなる。
ただし、できるだけボケ量を銀塩撮影に近づけるため
に、#248でリレー絞りを開放に設定する。タイプM
では#228の判定結果が真にはならないが、タイプM
Lでは主レンズの絞り設定値により判定結果が真となる
ような組み合わせが生じる。
【0162】その後の処理は、AVCCDの設定値がAVC
CDφに変わっただけで、式(5)が満たされた場合とほ
ぼ同じになる。#250〜#264の各ステップは#2
30〜#244の各ステップに対応する。ただし#26
6と#268が追加され、EVFにアフタービューやプ
レビューにおける表示画像のボケ量が実際の銀塩画像と
異なることを表示する。
【0163】この制御例ではレリーズ釦の半押し(S1
ON)から測光が開始されるが、EVFに画像の表示を
開始する時点で#226までを行いさらにその設定に従
ってCCDの露光を制御してもよい。その後レリーズ釦
の半押し(S1ON)で再度#224から開始する。こ
うすることでレリーズ釦を押し切って(S2ON)から
のタイムラグが小さくなる。
【0164】さらには、EVFに画像の表示を開始する
時点で#238もしくは#242または#258もしく
は#262までを行いさらにその設定に従ってCCDの
露光を制御してもよい。その後レリーズ釦の半押し(S
1ON)で再度#224から開始する。こうすることで
EVFで確認する画像がいつも銀塩撮影に近いものにな
る。
【0165】この制御例ではレリーズ釦の押し切り(S
2ON)によりCCDの露光を含む最終露出制御を行っ
ているが、レリーズ釦の半押し(S1ON)により、#
238もしくは#242または#258もしくは#26
2までを行いさらにその設定に従ってCCDの露光を制
御してもよい。こうすることで、S1ONにより、銀塩
撮影の露光条件とビデオ撮影の露光条件をともにAEセ
ンサーC12の出力に基づいてロックすることができ、
EVFで確認する画像が銀塩撮影に近いものになる。
【0166】PM(同時撮影)モードにおいて画像の明
るさを一致させる制御Aの第1の例を図33に示す。こ
の制御は式(3)と式(16)を満たすことに特徴があ
り、タイプLで撮影モードがPMモードのときに用いら
れる。 BVag=BVCCD=BVS (3)(再掲) TVCCD=t(所定値) (16)
【0167】まず、ステップ#302で初期設定をす
る。すなわち、カメラの固有値であるPV、RV、β
V、SVCCDの設定と読み取ったフィルム感度からのS
Vの設定を行い、設定値をメインマイコンの露出制御回
路に記憶する。
【0168】PMモードに設定されたとき、AEセンサ
ーにより被写体の明るさを測定し、その情報をメインマ
イコンのCPUへ送り、被写体をどのような明るさで撮
影するかを決定し制御輝度値BVSとする。#304で
ビデオの制御輝度値BVCCDをBVSと等価とし、操
作部COPによって設定された露出モードによりビデオ
のシャッター速度を決定する。一般にはビデオのシャッ
ター速度は1/60秒で、TVCCD=6に設定され
る。ここではtに設定されたとする。
【0169】BVS値や装着されたフィルムの感度に従
ってNDフィルター透過率NVを決定する(#30
6)。TVCCDが固定値をとる場合が多いのでビデオ撮
影において絞りのみで光量を変化させるには限界があ
り、BVS値に従ってND量を決定する場合が多い。こ
こでは透過率NVをn0とする。NDフィルターがn0に
なるようにNDフィルター制御部C15を動作させる。
n0となったところでリレー絞りの制御を開始し(#3
08)、式(17)に従うAVCCDの制御値を与え、刻
々変化する輝度に追従する。この状態で録画ON/OF
F釦を操作することによりビデオ録画が開始される。 AVCCD=BVS+SVCCD+RV+n0−t (17)
【0170】ビデオ録画がなされているときにレリーズ
釦を半押し(S1ON)すると、そのときのBVSに従
って銀塩撮影の制御輝度BVagが決定し、プログラム曲
線や絞り値、シャッター速度の操作部COPによる設定
値よりAPEXの式に従ってTVagとAVagが決定され
る(#310)。
【0171】そのままレリーズ釦を押し切ると決定値に
従って銀塩撮影が行われる(#312)。銀塩撮影が行
われた時と同じタイミングのフィールド画にフラグをた
てて、アフタービュー用の指標とする。
【0172】PM(同時撮影)モードにおいて画像の明
るさを一致させる制御Aの第2の例を図34に示す。こ
の制御は式(16)と式(18)を満たすことに特徴が
あり、タイプMまたはタイプMLで撮影モードがPMモ
ードのときに用いられる。 TVCCD=t(所定値) (16)(再掲) AVag≦AVCCD−βV (18)
【0173】まず、ステップ#332で初期設定をす
る。すなわち、カメラの固有値であるPV、RV、β
V、SVCCDの設定と読み取ったフィルム感度からのS
Vの設定を行い、設定値をメインマイコンの露出制御回
路に記憶する。
【0174】PMモードに設定されたとき、AEセンサ
ーにより被写体の明るさを測定し、その情報をメインマ
イコンのCPUへ送り、被写体をどのような明るさで撮
影するかを決定し制御輝度値BVSとする。#334で
ビデオの制御輝度値BVCCDをBVSと等価とし、操作
部COPによって設定された露出モードによりビデオの
シャッター速度を決定する。一般にはビデオのシャッタ
ー速度は1/60秒で、TVCCD=6に設定される。こ
こではtに設定されたとする。露出モードが動体撮影を
行うスポーツモード等の場合はシャッター速度は1/2
50秒等に設定される。
【0175】BVS値や装着されたフィルムの感度に従
ってNDフィルター透過率NVを決定する(#33
6)。TVCCDが固定値をとる場合が多いのでビデオ撮
影において絞りのみで光量を変化させるには限界があ
り、BVS値に従ってND量を決定する場合が多い。こ
こでは透過率NVをn0とする。NDフィルターがn0に
なるようにNDフィルター制御部C15を動作させる。
透過率NVがn0となったところでリレー絞りの制御を
開始し(#338)、式(17)に従うAVCCDの制御
値を与え、刻々変化する輝度に追従する。この状態で録
画ON/OFF釦を操作することによりビデオ録画が開
始される。 AVCCD=BVS+SVCCD+RV+n0−t (17)(再掲)
【0176】ビデオ録画がなされているときにレリーズ
釦を半押し(S1ON)すると、そのときのBVSに従
って銀塩撮影の制御輝度BVagが決定し、プログラム曲
線や絞り値、シャッター速度の操作部COPによる設定
値よりAPEXの式に従ってTVagとAVagが仮決定さ
れる(#340)。次に、仮決定されたAVagで主レン
ズの絞りを絞り込んだ場合に撮影記録中のビデオに影響
がでないかどうかをを確認する(#342)。すなわ
ち、式(19)を満たすと、主レンズの絞りを絞り込ん
だときの光束の変化がCCDへの光束に影響してビデオ
が一瞬暗くなる。 AVag>AVCCD−βV (19)
【0177】満たさない場合は、そのままレリーズ釦を
押し切ると決定値に従って銀塩撮影が行われる(#34
8)。銀塩撮影が行われた時と同じタイミングのフィー
ルド画にフラグをたてて、アフタービュー用の指標とす
る。
【0178】満たす場合は、ビデオ画像に影響が出ない
ように設定を変更する。まず、式(20)が成り立つよ
うに主レンズの絞りを変更する(#344)。これによ
って、銀塩撮影時のビデオへの影響はなくなる。さらに
絞りの設定変更による露出変化を起こさないためにシャ
ッター速度を式(21)に従って変更する(#34
6)。 AVag=AVCCD−βV (20) TVag=BVag+SV+PV−(AVCCD−βV) (21)
【0179】そのままレリーズ釦を押し切ると決定値に
従って銀塩撮影が行われる(#348)。絞り値やシャ
ッター速度を変更したことを警告する表示を行ってもよ
い。銀塩撮影が行われた時と同じタイミングのフィール
ド画にフラグをたてて、アフタービュー用の指標とす
る。
【0180】PM(同時撮影)モードにおいて画像の明
るさとブレ具合を一致させる制御Bの例を図35、図3
6に示す。この制御は式(3)と式(4)を同時に満た
すとともに、TVagを銀塩の露出モードに従って先に決
めることに特徴があり、銀塩撮影におけるアフタービュ
ーを優先する。タイプM、MLまたはLで撮影モードが
PMモードのときに用いられる。 BVag=BVCCD=BVS (3)(再掲) TVag=TVCCD (4)(再掲)
【0181】まず、ステップ#362で初期設定をす
る。すなわち、カメラの固有値であるPV、RV、β
V、SVCCDの設定と読み取ったフィルム感度からのS
Vの設定を行い、設定値をメインマイコンの露出制御回
路に記憶する。
【0182】PMモードに設定されたとき、AEセンサ
ーにより被写体の明るさを測定し、その情報をメインマ
イコンのCPUへ送り、操作部COPにより設定されて
いる露出モードや露出設定によって被写体をどのような
明るさで撮影するかを決定し制御輝度値BVSとする。
BVS値と設定された露出モードにより式(1)からT
VagとAVagを決定する。ただし、ビデオ記録があまり
不自然にならないように、なおかつ銀塩撮影において手
ブレを起こさないように、TVagは5〜8(1/30〜
1/250秒)に優先的に仮設定される(#364)。
TVag=tとおく。
【0183】#366でビデオの制御輝度値BVCCDを
BVSと等価とし、CCDの電子シャッター速度TVCC
Dを銀塩のシャッター速度TVagと等価にする。
【0184】BVS値やTVag値に従ってNDフィルタ
ー透過率NVを決定する(#368)。式(17)のA
VCCDが設定範囲内になるように仮決定する。ここでは
n0とする。NDフィルターがn0になるようにNDフィ
ルター制御部C15を動作させる。透過率NVがn0と
なったところでリレー絞りの制御を開始し(#36
8)、式(17)に従うAVCCDの制御値を与え、刻々
変化する輝度に追従する(#370)。この状態で録画
ON/OFF釦を押すことによりビデオ録画が開始され
る。 AVCCD=BVS+SVCCD+RV+n0−t (17)(再掲)
【0185】ビデオ録画がなされているときにレリーズ
釦を半押し(S1ON)する(#372)と、そのとき
のBVSに従って銀塩撮影の制御輝度BVagが決定し、
BVS値と設定された露出モードにより式(1)からT
VagとAVagを仮決定する。ただし、このときのTVag
はTVCCDと同値をとる。次に、仮決定したTVagによ
って銀塩撮影時に手ブレする可能性が高い(以下手ブレ
限界外という)かどうかを確認する(#374)。一般
に135システムにおいてはレンズの焦点距離をfmmと
した場合、シャッター速度が1/f秒より長秒時では手
ブレが起こり易いといわれている。本制御例ではこれを
参考に撮影時のレンズの焦点距離をfmmとし、シャッタ
ー速度が1/f秒より長秒時では手ブレ限界外とする。
【0186】手ブレ限界内であれば#376に進み、図
34の#342と同様に銀塩撮影時にビデオ画像に影響
が出ないかどうかを確認する。影響が出なければそのま
まレリーズ釦を押し切ると決定値に従って銀塩撮影が行
われる(#406)。銀塩撮影が行われた時と同じタイ
ミングのフィールド画にフラグをたてて、アフタービュ
ー用の指標とする。
【0187】影響が出るようであれば、2つの対応方法
があり、一つは銀塩の設定をできるだけ維持する場合で
ビデオの動画画像に銀塩撮影時に少し影響を及ぼす場
合、もう一つはビデオ画像に影響を与えないで銀塩の設
定を維持しない対応法である。後者は#378〜382
の処理で与えられるもので、前述の#344、#346
と同様の対処を行う。
【0188】前者ではまず、影響が出ないように式
(5)に従ってリレー絞りを絞るようにする(#38
4)。リレー絞りの変更に伴い、式(12)より導かれ
る式(22)に従ってゲインを変更する(#386)。 AVag+βV=AVCCD (5)(再掲) ΔSVCCD=SV−SVCCD−(RV−PV)+βV−n0 (22)
【0189】そのままレリーズ釦を押し切ると決定値に
従って銀塩撮影が行われる(#406)。このとき先ほ
どのビデオの設定変更は銀塩撮影時の1フィールドもし
くは1フレームのみ行われる。銀塩撮影が行われた時と
同じタイミングのフィールド画にフラグをたてて、アフ
タービュー用の指標とする。
【0190】#374の判定でTVagが手ブレ限度範囲
外であれば、手ブレ限度内に変更する(#390)。本
制御例ではレンズの焦点距離がfmmのとき、シャッター
速度を1/f秒に設定する。これをt0とおく。変更し
たシャッター速度値に応じて、主レンズの絞りの値を式
(1)から導かれる式(23)に従って設定する(#3
92)。これは元の設定値に対して絞りを開く方向にな
る。 AVag=BVag+SV+PV−t0 (23)
【0191】#394では図34の#342と同様に、
銀塩撮影時にビデオ画像に影響が出ないかどうかを確認
する。影響が出なければブレ量が同じでないことを警告
(#396)し、そのままレリーズ釦を押し切ると決定
値に従って銀塩撮影が行われる(#406)。あるいは
銀塩撮影時の1フィールドもしくは1フレームのみ電子
シャッターの速度を手ブレ限界とし(#398)、シャ
ッター速度変更に伴う露光量変化をCCDの画像処理部
でのゲインを変更(#400)することで撮影(#40
6)を行ってもよい。銀塩撮影が行われた時と同じタイ
ミングのフィールド画にフラグをたてて、アフタービュ
ー用の指標とする。
【0192】影響が出るようであれば、銀塩撮影時の1
フィールドもしくは1フレームまたはその前後数フィー
ルドもしくは1フレームにおいて、リレー絞りを影響が
出ないところまで絞り(#402)、リレー絞り変更に
伴う露光量変化をCCDの画像処理部でのゲインを変更
(#404)することで撮影(#406)を行う。
【0193】PM(同時撮影)モードにおいて画像の明
るさとブレ具合とボケ具合を一致させる制御Dの例を図
37に示す。この制御は式(3)と式(4)と式(5)
を同時に満たすとともに、TVagおよびAVagを銀塩の
露出モードに従って先に決め、CCDと銀塩フィルムの
感度差をNDフィルターで補正することに特徴があり、
銀塩撮影におけるアフタービューを優先する。タイプM
またはタイプMLで撮影モードがPMモードのときに用
いられる。 BVag=BVCCD=BVS (3)(再掲) TVag=TVCCD (4)(再掲) AVag+βV=AVCCD (5)(再掲)
【0194】まず、ステップ#422で初期設定をす
る。すなわち、カメラの固有値であるPV、RV、β
V、SVCCDの設定と読み取ったフィルム感度からのS
Vの設定を行い、設定値をメインマイコンの露出制御回
路に記憶する。
【0195】PMモードに設定されたとき、フィルム感
度SVからNDフィルター透過率NVを決定する(#4
24)。NDフィルター透過率NVは式(12)で与え
られる。ただし、ΔSVCCD=0である。 NV=SV−SVCCD−ΔSVCCD−(RV−PV)+βV (12)(再掲)
【0196】AEセンサーにより被写体の明るさを測定
し、その情報をメインマイコンのCPUへ送り、操作部
COPにより設定されている露出モードや露出設定によ
って被写体をどのような明るさで撮影するかを決定し制
御輝度値BVSとする。BVS値と設定された露出モー
ドにより式(1)からTVagとAVagを決定する。ただ
し、ビデオ記録があまり不自然にならないように、なお
かつ銀塩撮影において手ブレを起こさないように、TV
agは5〜8(1/30〜1/250秒)に優先的に仮設
定される(#426)。
【0197】#428でビデオの制御輝度値BVCCDを
BVSと等価とし、CCDの電子シャッター速度TVCC
Dを銀塩のシャッター速度TVagと等価にする。このよ
うに決定していくと、リレー絞り値AVCCDは式(5)
の通りに設定することになる(#430)。
【0198】次に式(5)が成り立つような組み合わせ
なのかどうかを確認する。例えば、β=1/4(βV=
−4)、AVCCDφ=1(FNo.=1.4)、撮影時の主
レンズ絞りAVag=3(FNo.=2.8)とすると式
(5)は成り立たない。式(5)が成り立つためにはA
Vag≧5、もしくはAVCCDφ≦−1でなければならな
い。#432において式(19)に基づく判定を行う。 AVag>AVCCD−βV (19)(再掲)
【0199】判定結果が真のときは、リレー絞りを開放
にする(#434)ことでできるだけボケ量をそろえ
る。これにより露出状態が変わるので、電子シャッター
速度も変更する(#436)。判定結果が偽のとき、す
なわち式(5)が成り立つときは、リレー絞りを設定値
どおりにする(#438)。この状態で録画ON/OF
F釦を操作することによりビデオ録画が開始される。
【0200】ビデオ録画がなされているときにレリーズ
釦を半押し(S1ON)すると各種露出設定値がホール
ドされ、そのままレリーズ釦を押し切ると決定値に従っ
て銀塩撮影が行われる(#440)。銀塩撮影が行われ
たときと同じタイミングのフィールド画にフラグをたて
て、アフタービュー用の指標とする。
【0201】次に、第3および第4の構成のカメラの制
御について述べる。後に「発明の実施の形態」欄の末尾
において詳述するように、この構成のカメラでボケ具合
を一致させるためには、銀塩フィルムとCCDのフォー
マットの比(対角長の比)によって式(24)に基づい
て補正すればよい。 Fag/FCCD=m (24) ここで、mはCCDの対角長に対する銀塩フィルムの対
角長の比の値であり、FagおよびFCCDはそれぞれレン
ズLFおよびLEの撮影時のFNo.を表す。
【0202】FNo.の数値で表した式(24)は、式
(5)のようなAPEXの式に変換することで取扱いが
容易になる。具体的には、対数をとって式(25)とす
る。 AVag+t=AVCCD (25) ここで、tは対角比mから生じる定数で、後述の式(4
3)の例においては、ほぼt=−3となる。
【0203】また、ペリクルミラーが関与しないから、
第1、第2の構成のカメラについての式(1)、(2)
に代えて、ペリクルミラーの透過率と反射率を除いた式
(26)、(27)を用いる。式(3)、(4)は第
3、第4の構成のカメラにおいても成り立つ。 BVag+SV=AVag+TVag (26) BVCCD+SVCCD+ΔSVCCD+NV=AVCCD+TVCCD (27) BVag=BVCCD=BVS (3)(再掲) TVag=TVCCD (4)(再掲)
【0204】これらの式を用いて前述と同様に制御し
て、2眼タイプのレンズシャッター式カメラでも、銀塩
フィルムに記録される画像とCCDの画像のボケ具合を
そろえることができる。
【0205】フラッシュ撮影について述べる。フラッシ
ュ撮影においては定常光下とは異なる露出制御が必要と
なる。フラッシュ撮影での露光制御の原理を図38に示
す。一般に、銀塩撮影でのフラッシュ撮影において、被
写体に適切な輝度を与える発光量の自動制御について
は、図38(a)に示すフラッシュの発光量自体を変更
するオート調光と、図38(b)に示すフラッシュの発
光量を変化させずに絞りと被写体までの距離によって制
御するフラッシュマティックがある。図38において、
aはフラッシュ発光部、bは受光部、cはカメラ、dは
撮影レンズの絞り(FNo.)、lは被写体までの距離
(m)を表している。
【0206】まず、図38(b)のフラッシュマティッ
クから説明する。フラッシュはその発光量を定義する値
としてガイドナンバー(GNo.)を固有の値として持
つ。ISO100の感度を持つフィルムに対して式(2
8)を満たすことにより、被写体に適切な輝度を与え
る。カメラが被写体までの距離を検知し、フラッシュの
GNo.が決まっていれば、上式より絞りを設定すれば被
写体に対し最適な量の光を発光することになる。一般に
は、レンズシャッターを有するコンパクトカメラによく
用いられる。 GNo.=d×l (28)
【0207】次に、図38(a)のオート調光について
説明する。この場合もフラッシュのGNo.は決まってい
るが、これはそのフラッシュの最大発光量を定義するも
ので、発光を途中で止めることにより調光する。フィル
ムの感度と絞り値dを決めて、その値をフラッシュに伝
達し、フラッシュを発光させると被写体からの反射光を
受光部bで検出し、最適な光量と判断するとフラッシュ
の発光を停止する。
【0208】これをさらに進めたのが図38(c)に示
すTTLダイレクト調光である。受光部bは被写体から
の反射光をフィルムからの反射光で検知するので、図3
8(a)のように絞り情報が必要でなくフィルムの感度
情報があれば、最適な光量と判断してフラッシュの発光
を停止する。
【0209】本発明では、フラッシュ撮影においてもC
CDのビデオ画像を銀塩フィルムの画像のレリーズビュ
ーやアフタービューとして利用する。この場合も、前述
のフラッシュを用いない通常撮影の場合と同様に、構図
と画像の明るさについてCCDの画像を銀塩フィルムの
画像に一致させ、適宜像のボケの具合も一致させること
を図る。
【0210】フラッシュ撮影において、CCDの画像の
明るさを銀塩フィルムの画像の明るさに一致させる制御
について表3および図39〜図50のフローチャートを
参照して説明する。表3は、カメラタイプ、銀塩調光法
およびビデオ調光法の組み合わせの可否と、制御例を示
す図の対応関係を示したものである。
【0211】
【表3】
【0212】第1および第2の構成の1眼レフタイプの
カメラと第3および第4の構成の2眼タイプのカメラそ
れぞれについて、銀塩撮影はTTLダイレクト調光およ
びフラッシュマティックによって露光を制御する。ビデ
オ撮影は下記のαおよびβの2つの調光法によって露光
を制御する。
【0213】調光法αは、銀塩の調光量にビデオ側を合
わせるものであり、銀塩フィルムの感度に相対的にビデ
オ感度を合わせる。具体的には、銀塩調光のためのフラ
ッシュ光を発光時間全てに亙ってCCDの調光のために
使用し、絞り、NDフィルター、CCDのゲインを適当
に選択することによって、CCDの相対的な感度を銀塩
フィルムと同じくして調光する。したがって、フラッシ
ュ撮影の直前にビデオ側の絞りやNDフィルターの再設
定を行わなければならず、ビデオ撮影の記録を行いなが
ら銀塩撮影を行うPMモードの場合は、ビデオ画像に不
連続な部分が生じてしまう可能性が高い。この調光法α
は、PH(銀塩撮影)モードで、レリーズビューやアフ
タービュー用のビデオ画像が得るために用いる。
【0214】調光法βは、ビデオ専用の調光を行うもの
であり、銀塩調光のためのフラッシュ光を発光開始から
終了までの一部の時間についてCCDの調光のために使
用する。すなわち、ビデオ用の調光素子を備えて、フラ
ッシュ光の発光停止の代わりに電子シャッターにより調
光する。したがって、フラッシュ撮影の直前にビデオ側
の絞りやNDフィルターの再設定を行わなくてもフラッ
シュ撮影が可能となり、ビデオ撮影の記録を行いながら
銀塩撮影を行うPMモードに最適な方法である。ただ
し、CCDの調光用の測光素子を設ける必要がある。こ
の調光法βは、PH(銀塩撮影)モードとPM(同時撮
影)モードの両者において、レリーズビューやアフター
ビュー用のビデオ画像を得るために用いる。
【0215】フラッシュ撮影においては、被写体によっ
て反射されたフラッシュ光を受光する時間が実質的なシ
ャッター速度となる。フラッシュの発光時間をTf、銀
塩とCCDの実質的なシャッター速度をそれぞれTVa
g’、TVCCD’で表す(いずれもAPEX値)と、調光
法αでは式(29)が成り立ち、両者の画像のブレ具合
は同一になる。調光法βでは、厳密には式(29)が成
り立たず実質的シャッター速度は銀塩とCCDとで異な
るが、フラッシュ発光時間(通常1/4000秒程度以
下)内なのでごく短時間となり、両者の画像のブレ具合
は略同一である。なお、当然ながら、いずれの調光法に
よっても構図は一致する。また、フラッシュ光による影
の出方もほぼ同じになる。 TVag’=TVCCD’=Tf (29)
【0216】前述のフラッシュを用いない通常撮影にお
いては、銀塩の画像とビデオ画像の明るさを一致させる
制御A、画像の明るさとブレ具合を一致させる制御B、
明るさとボケ具合を一致させる制御C、および明るさと
ブレ具合とボケ具合の全てを一致させる制御Dの4通り
の制御があったが、上述のように調光法α、βともにブ
レ具合は略一致するため、ここでは、画像の明るさとブ
レ具合を一致させる制御Bと、明るさとブレ具合とボケ
具合の全てを一致させる制御Dの2通りの制御となる。
表3の数字は制御例を示した図の番号を表している。表
3中、△印を付したものは、フィルムの大きさとCCD
の大きさの差が大きいために、その制御の実現が困難な
ものである。これについては後述する。
【0217】1眼レフタイプのカメラのフラッシュ撮影
において、PHモードで銀塩フィルムの画像とCCDの
画像の明るさとブレ具合を一致させる制御Bの例を図3
9に示す。CCDの露光制御は調光法αによる。銀塩フ
ィルムの露光制御はTTLダイレクト調光によって行っ
てもよく、フラッシュマティックによって行ってもよ
い。
【0218】操作部COPによりフラッシュ撮影モード
に設定する(ステップ#462)とまず初期設定を行う
(#464)。すなわち、カメラの固有値であるPV、
RV、βV、SVCCDの設定と読み取ったフィルム感度
からのSVの設定を行い、設定値をメインマイコンの露
出制御回路に記憶する。このとき、特にフィルム感度と
CCDの感度の差SV−SVCCDをDとおく(#46
8)。
【0219】この状態で撮影者がレリーズ釦を半押し
(S1ON)したときに、操作部COPによる露出設定
に従って主レンズの絞り値AVagを決定し、次いで、感
度差Dの補正を行う。この場合、式(1)、(2)、
(29)が成り立つので、これらからTVag、TVCCD
を消去して式(30)が得られる。さらに左辺をDで表
せば式(31)となる。 SV−SVCCD=(AVag−AVCCD)−(PV−RV) +ΔSVCCD+NV (30) D=(AVag−AVCCD)−(PV−RV)+ΔSVCCD+NV (31)
【0220】PV−RVはペリクルミラーの透過率と反
射率の差であり初期設定で決まる定数であるので、感度
差Dの補正はAVag−AVCCD、ΔSVCCDおよびNVの
3点によって行える。ここでは、フィルム感度がISO
100(SV=5)、CCDの感度がISO200相当
(SVCCD=6)とし、ペリクルーの透過率が1/2す
なわちPV−RV=0の場合を例にとって説明する。
【0221】絞り値で感度差Dを補正する場合(#47
0a)は、AVag−AVCCD=−1となるように主レン
ズ絞りFNo.=5.6(AVag=5)、リレー絞りのFN
o.=8(AVCCD=6)とすることで補正できる。この
とき、CCDゲインΔSVCCDとNDフィルター透過率
NVは0とする。 CCDゲインで補正する場合(#4
70b)、主レンズ絞りとリレー絞りが同じだとすると
(AVag−AVCCD=0)、ΔSVCCD=−1(映像回路
の増幅率を−6dBとする)ことにより補正できる。こ
のときNDフィルター透過率NVは0とする。ND量す
なわちNDフィルターの透過率NVで補正する場合(#
470c)、主レンズ絞りとリレー絞りが同じだとする
と(AVag−AVCCD=0)、NV=−1(ND2相当
のNDフィルターを挿入する)とすることにより補正で
きる。このときCCDゲインΔSVCCDは0とする。さ
らにはこの3つのファクターのうち、2ないし全部のフ
ァクターを利用して補正することも可能である(#47
0d)。
【0222】上記のような設定が完了した時点でそのま
まレリーズ釦を押し切る(S2ON)とシャッターC0
7が開き、フラッシュが発光する。TTLダイレクト調
光の場合はAEセンサーC12により適当な光量になっ
たと判断したときにメインマイコンC01はフラッシュ
の発光を止める信号を出力し、フラッシュの発光は止ま
る。フラッシュマティックの場合はS1ON時にAF情
報から被写体までの距離を検知しフラッシュのガイドナ
ンバーから主レンズの絞り値を設定し直し、レリーズ釦
を押し切る(S2ON)とシャッターが開き、フラッシ
ュが発光する。一定量の発光終了後フラッシュの発光は
止まる。その後、どちらの場合もシャッターが閉じる
(#472)。
【0223】シャッターC07の開閉、フラッシュの発
光およびCCDの光電変換のタイミングについては、図
17を参照して説明した第1の同期制御または図18を
参照して説明した第2の同期制御に従う。すなわち、ト
リガ信号によってシャッターの開放動作を開始し、これ
と同時にフィールドシフトパルスをCCDに与えて新た
な光電変換を開始し、シャッターが全開した時点でフラ
ッシュを発光する。フラッシュの発光期間中はCCDへ
のフィールドシフトパルスの入力を行わない。
【0224】なお、上記制御例では諸設定が完了してか
らS2ONを受け付けるが、S2ONによって諸設定を
変更し、その完了後にフラッシュの発光を行うようにし
てもよい。
【0225】2眼タイプのカメラのフラッシュ撮影にお
いて、PHモードで銀塩フィルムの画像とCCDの画像
の明るさとブレ具合を一致させる制御Bの例を図40に
示す。CCDの露光制御は調光法αによる。銀塩フィル
ムの露光制御はTTLダイレクト調光によって行っても
よく、フラッシュマティックによって行ってもよい。
【0226】図8および図9に示した第3および第4の
構成のカメラでは、第1および第2の構成のカメラと異
なり式(1)、(2)ではなく、銀塩フィルムの露光に
関しては式(26)が成り立ち、CCDの露光に関して
は式(27)が成り立つ。 BVag+SV=AVag+TVag (26)(再掲) BVCCD+SVCCD+ΔSVCCD+NV=AVCCD+TVCCD (27)(再掲)
【0227】操作部COPによりフラッシュ撮影モード
に設定する(ステップ#492)とまず初期設定を行
う。すなわち、カメラにかかわる固有値であるCCD感
度SVCCDと、装着されているフィルムから読み取った
感度SVを設定し、メインマイコンC01の露出制御回
路に記憶する(#494)。このとき、特にフィルム感
度とCCDの感度の差SV−SVCCDをDとおく(#4
96)。
【0228】この状態で撮影者がレリーズ釦を半押し
(S1ON)したときに、操作部COPによる露出設定
に従って主レンズの絞り値AVagを決定し、次いで、感
度差Dの補正を行う。この場合、式(29)が成り立つ
ので、式(26)、(27)からTVag、TVCCDを消
去して式(32)が得られる。さらに左辺をDで表せば
式(33)となる。 SV−SVCCD=(AVag−AVCCD)+ΔSVCCD+NV (32) D=(AVag−AVCCD)+ΔSVCCD+NV (33)
【0229】感度差Dの補正はAVag−AVCCD、ΔS
VCCDおよびNVの3点によって行える。ここでは、フ
ィルム感度がISO100(SV=5)、CCDの感度
がISO200相当(SVCCD=6)とした場合を例に
とって説明する。
【0230】絞り値で感度差Dを補正する場合(#49
8a)は、AVag−AVCCD=−1となるようにレンズ
LFのシャッターを兼ねる絞りC50(図8、図9)を
FNo.=5.6(AVag=5)、レンズLEの絞りをFN
o.=8(AVCCD=6)とすることで補正できる。この
とき、CCDゲインΔSVCCDおよびNDフィルターの
透過率NVは0とする。CCDゲインで補正する場合
(#498b)、レンズLFの絞りとレンズLEの絞り
が同じだとすると(AVag−AVCCD=0)、ΔSVCCD
=−1(映像回路の増幅率を−6dBとする)ことによ
り補正できる。このときNDフィルター透過率NVは0
とする。ND量すなわちNDフィルターの透過率NVで
補正する場合(#498c)、レンズLFの絞りとレン
ズLEの絞りが同じだとすると(AVag−AVCCD=
0)、NV=−1(ND2相当のNDフィルターを挿入
する)とすることにより補正できる。このときCCDゲ
インΔSVCCDは0とする。さらにはこの3つのファク
ターのうち、2ないし全部のファクターを利用して補正
することも可能である(#498d)。
【0231】上記のような設定が完了した時点でそのま
まレリーズ釦を押し切る(S2ON)とレンズシャッタ
ーC50が開き、設定された絞り値までシャッターが開
いたらフラッシュが発光する。TTLダイレクト調光の
場合は、不図示のAEセンサーにより適当な光量になっ
たと判断したときにメインマイコンC01はフラッシュ
の発光を止める信号を出力し、フラッシュの発光は止ま
る。フラッシュマティックの場合はS1ON時にAF情
報から被写体までの距離を検知しフラッシュのガイドナ
ンバーからレンズLFの絞り値を設定し直し、レリーズ
釦を押し切る(S2ON)とレンズシャッターC50が
開き、設定された絞り値までシャッターが開いたらフラ
ッシュが発光する。一定量の発光終了後フラッシュの発
光は止まる。その後、どちらの場合もシャッターが閉じ
る(#500)。
【0232】レンズシャッターC50の開閉、フラッシ
ュの発光およびCCDの光電変換のタイミングについて
は、図17に示した第1の同期制御または図18に示し
た第2の同期制御に従う。すなわち、トリガ信号によっ
てシャッターの開放動作を開始し、これと同時にフィー
ルドシフトパルスをCCDに与えて新たな光電変換を開
始し、シャッターが所定口径まで開いた時点でフラッシ
ュを発光する。フラッシュの発光期間中はCCDへのフ
ィールドシフトパルスの入力を行わない。
【0233】なお、上記制御例では諸設定が完了してか
らS2ONを受け付けるが、S2ONによって諸設定を
変更し、その完了後にフラッシュの発光を行うようにし
てもよい。
【0234】1眼レフタイプのカメラのフラッシュ撮影
において、PHモードで銀塩フィルムの画像とCCDの
画像の明るさ、ブレ具合およびボケ具合を一致させる制
御Dの例を図41に示す。CCDの露光制御は調光法α
による。銀塩フィルムの露光制御はTTLダイレクト調
光によって行ってもよく、フラッシュマティックによっ
て行ってもよい。
【0235】操作部COPによりフラッシュ撮影モード
に設定する(ステップ#522)とまず初期設定を行う
(#524)。すなわち、カメラの固有値であるPV、
RV、βV、SVCCDの設定と読み取ったフィルム感度
からのSVの設定を行い、設定値をメインマイコンの露
出制御回路に記憶する。このとき、特にフィルム感度と
CCDの感度の差SV−SVCCDをDとおく(#52
6)。
【0236】この状態で撮影者がレリーズ釦を半押し
(S1ON)したときに、操作部COPによる露出設定
に従って主レンズの絞り値AVagを決定する。次いで、
ボケ具合を一致させるための設定を行うとともに、式
(1)、(2)、(29)より導いた式(31)に基づ
いて感度差Dの補正を行う。 D=(AVag−AVCCD)−(PV−RV) +ΔSVCCD+NV (31)(再掲)
【0237】PV−RVは初期設定で決まる定数である
ので、感度差Dの補正はAVag−AVCCD、ΔSVCCDお
よびNVの3点によって行える。ボケ量をそろえるため
にリレー絞り値を設定する(#528)。さらにその設
定値が実際実現できるものかを確認する(#530)。
【0238】実現可能であれば、ボケ量をそろえること
によって式(31)が成り立たなくなるのをΔSVCC
D、NVの2点で補正する(#532)。例えば、フィ
ルム感度がISO100(SV=5)、CCDの感度が
ISO200相当(SVCCD=6)、β=1/4(βV
=−4)のとき、主レンズ絞りがFNo.=5.6(AVa
g=5)とするとリレー絞り値はAVCCD=1(FNo.=
1.4)となる。また、ペリクルミラーの透過率が1/
2とするとPV−RV=0となるため、式(31)より
ΔSVCCD+NV=−5となる。ここで、NDフィルタ
ーをND8相当のものを挿入(NV=−3)し、CCD
ゲインを−12dB(ΔSVCCD=−2)とすることに
より式(31)が成り立つ。
【0239】一方、実現できないときは、できるだけボ
ケ量をそろえるためリレーレンズの絞りを開放にして
(#534)、式(31)が成り立たなくなるのをΔS
VCCD、NVの2点で補正する(#536)。例えば、
フィルム感度がISO100(SV=5)、CCDの感
度がISO200相当(SVCCD=6)、β=1/4
(βV=−4)のとき、主レンズ絞りがFNo.=2.8
(AVag=3)とし、リレー絞りの開放はAVCCDφ=
1(FNo.=1.4)、また、ペリクルミラーの透過率
が1/2とするとPV−RV=0となるため、式(3
1)よりΔSVCCD+NV=−3となる。ここで、ND
フィルターをND4相当のものを挿入(NV=−2)
し、CCDゲインを−6dB(ΔSVCCD=−1)とす
ることにより式(31)が成り立つ。
【0240】上記のような設定が完了した時点でそのま
まレリーズ釦を押し切る(S2ON)とシャッターが開
き、フラッシュが発光する。TTLダイレクト調光の場
合はAEセンサーC12により適当な光量になったと判
断したときにメインマイコンC01はフラッシュの発光
を止める信号を出力し、フラッシュの発光は止まる。フ
ラッシュマティックの場合はS1ON時にAF情報から
被写体までの距離を検知しフラッシュのガイドナンバー
から主レンズの絞り値を設定し直し、レリーズ釦を押し
切る(S2ON)とシャッターが開き、フラッシュが発
光する。一定量の発光終了後フラッシュの発光は止ま
る。その後、どちらの場合もシャッターが閉じる(#5
38)。
【0241】シャッターC07の開閉、フラッシュの発
光およびCCDの光電変換のタイミングについては、図
17に示した第1の同期制御または図18に示した第2
の同期制御に従う。すなわち、トリガ信号によってシャ
ッターの開放動作を開始し、これと同時にフィールドシ
フトパルスをCCDに与えて新たな光電変換を開始し、
シャッターが全開した時点でフラッシュを発光する。フ
ラッシュの発光期間中はCCDへのフィールドシフトパ
ルスの入力を行わない。
【0242】なお、上記制御例では諸設定が完了してか
らS2ONを受け付けるが、S2ONによって諸設定を
変更し、その完了後にフラッシュの発光を行うようにし
てもよい。
【0243】1眼レフタイプのカメラによるPM(同時
撮影)モードでのフラッシュ撮影について説明する。前
述のように、CCDの露光制御は調光法βによる。カメ
ラの構成としてCCD用の調光(測光)素子が必要とな
る。図7に示した第2の構成のカメラのように、CCD
用の調光素子(AEセンサーC12a)と銀塩フィルム
用の調光素子(AEセンサーC12b)とを別個に備え
てもよく、図1に示した第1の構成のカメラのように、
1つの調光素子(AEセンサーC12)を銀塩フィルム
とCCDとに兼用することもできる。
【0244】第2の構成のカメラのAEセンサーC12
aおよびC12bの受光量と調光信号の出力時期の関係
は、図23の(a)および(b)にそれぞれ示したとお
りである。AEセンサーC12aはCCDに導かれる光
の分割光を受光し、受光量が所定量A1に達した時t1
に調光信号を出力する。この調光信号によりCCDの光
電変換を停止する。AEセンサーC12bは銀塩フィル
ムからの反射光を受光し、受光量が所定量A2に達した
時t2に調光信号を出力するこの調光信号によりフラッ
シュの発光を停止する。
【0245】第1の構成のカメラのAEセンサーC12
の受光量と調光信号の出力時期の関係は図24の(a)
に示したとおりである。AEセンサーC12は、受光量
が第1の所定量A1’に達した時t1に第1の調光信号
を出力し、受光量が第2の所定量A2’に達した時t2
に第2の調光信号を出力する。第1の出力信号によって
CCDの光電変換を停止し、第2の出力信号によってフ
ラッシュ発光を停止する。
【0246】図7の第2の構成のカメラでは、CCDの
全ての露光調節手段の後にAEセンサーC12aを配置
しているため、調光量を決めるファクターはCCDの感
度SVCCDだけになる。図1の第1の構成のカメラで
は、AEセンサーC12とCCDの間にNDフィルター
や絞りが配置されているため、調光量を決めるファクタ
ーにはCCDの感度SVCCDだけでなくNDフィルター
や絞り値も加わる。
【0247】1眼レフタイプのカメラの撮影において、
PMモードで銀塩フィルムの画像とCCDの画像の明る
さとブレ具合を一致させる制御Bの例を図42〜図44
に示す。この例はカメラがフラッシュ発光の要否を被写
体の明るさから自動的に判断するものである。フラッシ
ュ撮影をするときのCCDの露光制御は調光法βによ
る。銀塩フィルムの露光制御はTTLダイレクト調光に
よって行ってもよく、フラッシュマティックによって行
ってもよい。
【0248】操作部COPによりPM撮影モードに設定
する(図42、ステップ#602)とまず初期設定を行
う(#604)。次に被写体の輝度を測定し、電子シャ
ッター速度を所定値tに設定する(#606)。BVS
値に基づきNDフィルター透過率NVを決定する(#6
08)。これまでに決定した値に基づきリレー絞り(A
VCCD)を決め(#610)、CCDでの撮影を開始す
る(#612)。撮影アングルや被写体が変わると時々
刻々BVSは変化する。それに伴い、リレー絞りも変化
する(#614、#616)。ビデオの記録はこの状態
で録画ON/OFF釦により制御される。
【0249】一方、銀塩フィルムへの記録はレリーズ釦
のS1ON(#618)により、そのときの被写体の輝
度からフラッシュ撮影かノーマル撮影かを判断する(#
620)。すなわち撮影レンズ等で決まる所定値bsよ
り被写体輝度(BVS)が大きい(明るい)もしくは等
しければ、通常撮影となり#622に進む。暗ければフ
ラッシュ撮影となる(#634)。
【0250】通常撮影の場合は銀塩撮影の設定を行い
(#622)、信号S2ONを待つ(#624)。S2
ONが発せられないときは#614に戻る。S2ONが
発せられると設定値まで撮影レンズの絞りを絞り込み
(#626)、シャッターを開き(#628)、設定時
間経過後シャッターを閉じて(#630)、フィルムを
給送し(#632)、銀塩撮影は終了する。同時に、ビ
デオ側には同じタイミングのフィールド、もしくはフレ
ーム画に銀塩フィルムの識別番号やコマ番号を記録す
る。次いで、CCDの撮影を終了する指示が与えられて
いるか否かを判定し(#692)、終了指示があれば撮
影を終了する。終了指示がないときは#614に戻って
ビデオ撮影を継続する。
【0251】フラッシュ撮影の場合は、まずフラッシュ
の充電を開始し主レンズの絞り値を設定する(図43、
#636、#638)。この設定で、銀塩フィルムとC
CDに同じフラッシュ光を与え続けたとき、どちらが先
に調光するかを確認する。フラッシュ調光は銀塩につい
てはフラッシュの発光停止で、CCDについてはフラッ
シュ発光中に電子シャッターにより行う。このため、銀
塩側が先に調光するような設定だとCCD側が調光でき
なくなるため、この確認を行う。
【0252】確認はBVS=BVag=BVCCDとしてフ
ラッシュ調光時のシャッター速度(調光時間)を比較し
て行う。#640に示すようにフラッシュ調光時の銀塩
調光時間をTVfag、CCDの調光時間をTVfCCD(A
PEX値)とおき、両者の大小関係を判定する(#64
2)。CCDの調光時間の方が短ければ(TVfCCD(A
PEX値)が大きければ)適当な設定ということにな
り、S2ONを待つ(#644)。CCDの調光時間の
方が長ければ(TVfCCD(APEX値)が小さければ)
不適当な設定ということになり設定変更(図44、#6
68)する必要が生じる。
【0253】S2ONを受けて、まずフラッシュの充電
完了かどうかを確認する(#646)。充電未完了であ
ればその旨を表示し(#666)、#644へ戻る。充
電完了であれば主レンズの絞りを絞り込み(#64
8)、シャッターを開き(#650)、先幕が全開状態
になったところでフラッシュ発光を開始する(#65
2)。調光素子からまずCCDの調光信号(#654)
を受け、電子シャッターによりCCDの調光を終了する
(#656)。次に銀塩の調光信号を受け(#65
8)、フラッシュを発光停止させる(#660)。その
後、後幕が閉じてシャッター閉となり(#662)、フ
ィルムを給送し(#664)、銀塩撮影は終了する。同
時に、ビデオ側には同じタイミングのフィールドもしく
はフレーム画に銀塩フィルムの識別番号やコマ番号を記
録する。撮影終了の指示(図42、#692)がないと
きや、S2ON(#644)がないときは#614に戻
り、ビデオ撮影は継続される。
【0254】#642の判定結果が偽のときは、設定変
更(図44、#668)して、適当な設定(#670)
になれば、#644からの一連の動作で銀塩撮影する。
設定変更を行っても適当な設定にならなければ、設定範
囲内でぎりぎりまで設定変更してS2ONを待つ(#6
72)。S2ONを受けて、まずフラッシュの充電完了
かどうかを確認する(#674)。充電未完了であれば
その旨を表示し(#690)、#672へ戻る。
【0255】充電完了であれば主レンズの絞りを絞り込
み、その他の設定状態を#668で決めた設定に変更す
る(#676)。シャッターを開き(#678)、先幕
が全開状態になったところでフラッシュ発光を開始する
(#680)。調光素子から銀塩の調光信号(#68
2)を受け電子シャッターによりCCDの調光を終了す
ると同時にフラッシュを発光停止させる(#684)。
その後、後幕が閉じてシャッター閉となり(#68
6)、フィルムを給送し(#688)、銀塩撮影は終了
する。同時に、ビデオ側には同じタイミングのフィール
ド、もしくはフレーム画に銀塩フィルムの識別番号やコ
マ番号を記録する。撮影終了の指示(#692)がない
ときや、S2ON(#672)がないときは#614に
戻り、ビデオ撮影は継続される。
【0256】この場合はアフタービュー用の画像は露出
不足となる。また、#668で設定変更を行う必要があ
るときは、ビデオの途中でリレー絞りを急に動作させる
ことになるためビデオ画像が乱れることがある。そのた
め、この場合はビデオによるアフタービューができない
ようにしてもよい。
【0257】シャッターC07の開閉、フラッシュの発
光およびCCDの光電変換のタイミングについては、図
19を参照して説明した第3の同期制御または図20を
参照して説明した第4の同期制御に従う。すなわち、ト
リガ信号後のフィールドシフトパルスによってCCDの
光電変換の開始と同時にシャッターの開放動作を開始
し、シャッターが全開した時点でフラッシュを発光す
る。
【0258】なお、本制御例ではタイプLのカメラにつ
いて説明したが、タイプMやタイプMLのカメラでも、
銀塩撮影時の絞りを絞ることによるビデオ側への影響を
考慮すれば同様に制御できる。
【0259】2眼タイプのカメラの撮影において、PM
モードで銀塩フィルムの画像とCCDの画像の明るさと
ブレ具合を一致させる制御Bの例を図45〜図47に示
す。フラッシュ撮影をするときのCCDの露光制御は調
光法βによる。銀塩フィルムの露光制御はTTLダイレ
クト調光によって行ってもよく、フラッシュマティック
によって行ってもよい。この制御は、銀塩フィルムとC
CDとで調光素子を兼用する第3の構成のカメラ、およ
び銀塩フィルムとCCDとに個別に調光素子を備えた第
4の構成のカメラに適用することができる。
【0260】制御の基本の流れは上記1眼レフタイプの
カメラの場合と同様であり、図42〜図44と異なる点
のみ説明する。2眼タイプでは撮影レンズからの光を2
分割しないのでペリクルミラーが関与せず、初期設定
(図45、ステップ#704)、AVCCDの設定(#7
16)、および同一明度を得るためのフラッシュ発光時
間の定義式(図46、#740)が異なる。また、シャ
ッターの開閉についてはレンズシャッターとなるので、
図19や図20に示したように、レンズシャッターC5
0が定められた絞り値に対応する口径まで開いたときに
フラッシュ発光を開始する(図46、#752および図
47、#780)ことになる。
【0261】1眼レフタイプのカメラの撮影において、
PMモードで銀塩フィルムの画像とCCDの画像の明る
さとブレ具合とボケ具合を一致させる制御Dの例を図4
8〜図50に示す。フラッシュ撮影をするときのCCD
の露光制御は調光法βによる。銀塩フィルムの露光制御
はTTLダイレクト調光によって行ってもよく、フラッ
シュマティックによって行ってもよい。この制御はタイ
プMおよびタイプMLのカメラに適用される。
【0262】制御の基本の流れは前記制御Bと同様であ
り、図42〜図44と異なる点のみ説明する。ボケ量を
同一化するためリレー絞りと主レンズ絞りの関係を式
(5)を満たすようにする。 AVag+βV=AVCCD (5)(再掲)
【0263】そのため、初期設定(図48、ステップ#
804)と銀塩絞り値の設定(図49、#838)が異
なる。#838の設定ができないときは場合分けが必要
となるが、場合分けした全ての処理を図示すると煩雑に
なるので、ここでは設定可能な場合についてのみ示して
いる。
【0264】前述のように、2眼タイプのカメラにおい
て、銀塩フィルムの画像とCCDの画像の明るさとブレ
具合とボケ具合を全て一致させることは、銀塩フィルム
とCCDの受光面積に大きな差があるため容易ではない
(表3参照)。しかしながら、以下の点を考慮すれば、
明るさとブレ具合に加えてボケ具合を一致させることが
可能である。
【0265】画像にボケがあるか否かを判定する基準に
許容錯乱円がある。許容錯乱円とは点を点として判断で
きる最大の大きさである。1点からの光を結像させたと
き、像の直径が許容錯乱円の直径以下であればその像は
点として認識され、像の直径が許容錯乱円の直径を超え
るとその像は点ではなくボケていると認識される。許容
錯乱円の直径は、一般に画面対角長の1/1000〜1
/1500といわれており、135システムでは通常
0.033mm程度である。許容錯乱円は小さいながらも
有限であるため、撮影レンズが被写体に対して完全に焦
点が合っているときのみならず、被写体が被写界深度内
にあれば、被写体上の1点からの光は許容錯乱円以下の
範囲内に結像する。
【0266】ここでは、銀塩フィルムの画像とCCDの
画像のボケ量を統一することを、銀塩フィルムに対する
被写界深度とCCDに対する被写界深度を統一すること
と等価であると考える。被写界深度は式(34)で与え
られる。 被写界深度=ピンボケ量×縦倍率 =ピンボケ量×{−(横倍率)2} (34)
【0267】ここで、被写体までの距離をR(mm)、レ
ンズの焦点距離をf(mm)で表すと、横倍率は式(3
5)で定義される。また、ピンボケ量をピントはずれ長
であると考え、撮影時のレンズのFNo.をF、許容錯乱
円径をd(mm)で表すと、ピンボケ量は式(36)で定
義される。 横倍率=R/f (35) ピンボケ量=F×d (36)
【0268】式(34)に式(35)、(36)を代入
すると、被写界深度(mm)は式(37)で表される。 被写界深度=−F×d×(R/f)2 (37)
【0269】いま、銀塩フィルムに対するものにagの添
字を付し、CCDに対するものにCCDの添字を付して、
撮影レンズの焦点距離およびFNo.ならびに許容錯乱円
径を区別して表記する。銀塩フィルムの被写界深度とC
CDの被写界深度とを一致させることから、式(37)
より式(38)が導かれ、式(38)よりRを消去して
式(39)が得られる。 −Fag×dag×(R/fag)2=−FCCD×dCCD×(R/fCCD)2 (38) Fag/FCCD=(fag/fCCD)2/(dag/dCCD) (39)
【0270】銀塩フィルムの対角長とCCDの対角長の
比をmで表すと、撮影レンズの焦点距離は対角長に比例
するから、式(40)が成り立つ。 fag/fCCD=m (40)
【0271】また、銀塩フィルムの許容錯乱円の直径d
agとCCDの許容錯乱円の直径dCCDの比をm’で表す
と、式(41)が成り立つ。 dag/dCCD=m’ (41)
【0272】式(40)と式(41)を式(39)に代
入して、撮影レンズの絞り値の関係式(42)が得られ
る。さらに、許容錯乱円の直径を対角長に比例して設定
すればm’=mとなり、式(24)が得られる。 Fag/FCCD=m2/m’ (42) Fag/FCCD=m (24)(再掲)
【0273】式(42)または式(24)を満たすこと
により、銀塩フィルムの画像とCCDの画像のボケ具合
を一致させた上、両者の明るさを一致させることが可能
になる。なお、像のブレ具合については、フラッシュ撮
影では略一致する。
【0274】銀塩フィルムに新写真システムのCフォー
マット(画面寸法25.1×16.7mm、対角30.1
mm)、CCDに2/3インチ(画面対角11.0mm)の
ものを使用する場合を例にとって、具体的数値を示す。
銀塩フィルムとCCDの対角長の比mは2.74であ
る。式(40)を満たすために、例えば、銀塩フィルム
の撮影レンズの焦点距離fagを50mm、CCDの撮影レ
ンズの焦点距離を18.2mmに設定する。
【0275】銀塩フィルムの許容錯乱円を対角長の1/
1300として、dag=0.023(mm)に設定する。
同様に、CCDの許容錯乱円を対角長の1/1300と
して、dCCD=0.0085(mm)に設定する。この設
定でm’=mとなり、式(24)より、式(43)が得
られる。 Fag/FCCD=2.74 (43)
【0276】フラッシュ発光時に、式(43)の関係を
満たすように、撮影レンズの絞りを設定すれば、画像の
明るさ、ブレ具合、ボケ具合の一致した銀塩フィルムの
画像とCCDの画像を得ることができる。
【0277】上記のように、本発明では、CCDの画像
を銀塩フィルムの画像のレリーズビューやアフタービュ
ーとして利用する。このため、撮影者は銀塩フィルムの
現像を待たずしてどのような写真が撮影されたかを知る
ことができる。これらの機能には、構図、像の明るさ、
ボケ具合、ブレ具合の再現が望まれるが、本発明では、
構図および像の明るさが確実に再現され、しかもフラッ
シュ撮影においてもこれらの再現性が損なわれることが
ない。さらに、ボケ具合とブレ具合についても、構図と
像の明るさの再現性を確保した上で、両方または所望の
一方を再現することができる。また、フラッシュ撮影で
生じる影も良好に再現される。
【0278】レリーズビューの機能を利用すれば、所望
の撮影ができなかったときに撮影条件を違えて直ちに再
撮影することが可能であり、所望の写真を得ることが容
易になる。
【0279】
【発明の効果】請求項1のカメラによるときは、第2の
撮影手段の撮影周期に関わらず、撮影者の指示に応じて
直ちに第1の撮影手段による撮影を開始することができ
る。したがって、シャッターチャンスを逸することなく
第1の撮影手段で撮影することが可能である。また、第
1の撮影手段の撮影開始と同時に第2の撮影手段が新た
な撮影を開始するため、第1の撮影手段で撮影される画
像を確実に第2に撮影手段によって撮影することができ
る。第2の撮影手段は光電変換方式であるからその画像
は速やかに再生することが可能であり、第2の撮影手段
で撮影した画像によって、銀塩感光方式の現像等の後処
理を行うことなく第1の撮影手段にどのような画像が撮
影されたかを知ることができる。
【0280】請求項2のカメラでは、第1の撮影手段に
よる撮影を行わないときの表示画像は第1の撮影手段の
ファインダー像として利用することができ、第1の撮影
手段によって撮影を行ったときの表示画像は第1の撮影
手段のレリーズビューとして利用することができる。撮
影者はこのレリーズビューによって、画像の構図や明る
さ等の撮影条件が適切であったか否かを判断することが
でき、適切でなかったときは、撮影条件の設定を変えて
速やかに新たな撮影をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のカメラの第1の構成例を示す図。
【図2】 第1の構成例のカメラの外観を示す上面図。
【図3】 第1の構成例のカメラの外観を示す背面図。
【図4】 第1の構成例のカメラの外観を示す正面図。
【図5】 第1の構成例のカメラの外観を示す低面図。
【図6】 第1の構成例のカメラの表示部に表示される
情報を示す図。
【図7】 本発明のカメラの第2の構成例を示す図。
【図8】 本発明のカメラの第3の構成例を示す図。
【図9】 本発明のカメラの第4の構成例を示す図。
【図10】 135フィルムの受光範囲の大きさを示す
図。
【図11】 CCDの受光範囲の大きさを示す図。
【図12】 レリーズタイミングの決定の処理の流れを
示すフローチャート。
【図13】 銀塩撮影モードにおける撮影の処理の流れ
を示すフローチャート。
【図14】 同時撮影モードにおける撮影の処理の流れ
を示すフローチャート。
【図15】 銀塩撮影モードでの撮影の同期制御を示す
タイミングチャート。
【図16】 同時撮影モードでの撮影の同期制御を示す
タイミングチャート。
【図17】 フラッシュ撮影での第1の同期制御を示す
タイミングチャート。
【図18】 フラッシュ撮影での第2の同期制御を示す
タイミングチャート。
【図19】 フラッシュ撮影での第3の同期制御を示す
タイミングチャート。
【図20】 フラッシュ撮影での第4の同期制御を示す
タイミングチャート。
【図21】 フラッシュ撮影での第5の同期制御を示す
タイミングチャート。
【図22】 フラッシュ撮影での第6の同期制御を示す
タイミングチャート。
【図23】 フラッシュの発光量と第1および第2の調
光信号の関係を示す図。
【図24】 フラッシュの発光量と第1および第2の調
光信号の関係を示す他の図。
【図25】 カメラの露光制御に関する構成を示す図。
【図26】 露光制御の処理の基本の流れを示すフロー
チャート。
【図27】 銀塩撮影モードにおいて画像の明るさとブ
レ具合を一致させる露光制御の処理の流れを示すフロー
チャート。
【図28】 銀塩撮影モードにおいて画像の明るさとボ
ケ具合を一致させる露光制御の処理の流れを示すフロー
チャート。
【図29】 銀塩撮影モードにおいて画像の明るさとブ
レ具合とボケ具合を一致させる露光制御の処理の流れの
一部を示すフローチャート。
【図30】 図29に続く処理の流れを示すフローチャ
ート。
【図31】 図29に続く他の処理の流れを示すフロー
チャート。
【図32】 図31に続く処理の流れを示すフローチャ
ート。
【図33】 同時撮影モードにおいて画像の明るさを一
致させる第1の露光制御の処理の流れを示すフローチャ
ート。
【図34】 同時撮影モードにおいて画像の明るさを一
致させる第2の露光制御の処理の流れを示すフローチャ
ート。
【図35】 同時撮影モードにおいて画像の明るさとブ
レ具合を一致させる露光制御の処理の流れの一部を示す
フローチャート。
【図36】 図35に続く処理の流れを示すフローチャ
ート。
【図37】 同時撮影モードにおいて画像の明るさとブ
レ具合とボケ具合を一致させる露光制御の処理の流れを
示すフローチャート。
【図38】 フラッシュ撮影での露光制御の原理を示す
図。
【図39】 銀塩撮影モードでのフラッシュ撮影におい
て画像の明るさとブレ具合を一致させる第1の露光制御
の処理の流れを示すフローチャート。
【図40】 同時撮影モードでのフラッシュ撮影におい
て画像の明るさとブレ具合を一致させる第1の露光制御
の処理の流れを示すフローチャート。
【図41】 銀塩撮影モードでのフラッシュ撮影におい
て画像の明るさとブレ具合とボケ具合を一致させる第1
の露光制御の処理の流れを示すフローチャート。
【図42】 銀塩撮影モードでのフラッシュ撮影におい
て画像の明るさとブレ具合を一致させる第2の露光制御
の処理の流れの一部を示すフローチャート。
【図43】 図42に続く処理の流れを示すフローチャ
ート。
【図44】 図43に続く処理の流れを示すフローチャ
ート。
【図45】 同時撮影モードでのフラッシュ撮影におい
て画像の明るさとブレ具合を一致させる第2の露光制御
の処理の流れの一部を示すフローチャート。
【図46】 図45に続く処理の流れを示すフローチャ
ート。
【図47】 図46に続く処理の流れを示すフローチャ
ート。
【図48】 銀塩撮影モードでのフラッシュ撮影におい
て画像の明るさとブレ具合とボケ具合を一致させる第2
の露光制御の処理の流れの一部を示すフローチャート。
【図49】 図48に続く処理の流れを示すフローチャ
ート。
【図50】 図49に続く処理の流れを示すフローチャ
ート。
【符号の説明】
C カメラ本体 C01 演算制御部 C02 合焦状態検出部 C03 手ぶれ検出部 C04 ペリクルミラー C05 サブミラー C07 シャッター C08 銀塩フィルム (第1の撮影手段) C09 フィルム供給部 C10 コンデンサーレンズ C11 ミラー C12 輝度検出部 C13 NDフィルター C14 リレー光学系 C18 リレー絞り C19 リレー光学系制御部 C21 CCD (第2の撮影手段) C22 A/Dコンバーター C23 CCD駆動部 C24 画像処理部 C25 記録再生部 C27 画像表示部 (表示手段) C28 磁気テープ C31 音声処理部 COP 操作部 COP01 シャッターレリーズ釦 (操作手段) L 撮影レンズ L05 焦点距離検出部 L06 演算制御部 L07 ズームモーター L09 フォーカスモーター L11 絞り F フラッシュ&ライト LF 撮影レンズ(銀塩フィルム用) LE 撮影レンズ(CCD用) C50 シャッター C12a、C12b 測光素子 C41 ハーフミラー

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銀塩感光方式によって撮影する第1の撮
    影手段と、光電変換方式によって撮影する第2の撮影手
    段と、前記第1の撮影手段による撮影の開始の指示を受
    ける操作手段を備え、前記第2の撮影手段によって撮影
    しているときに前記第1の撮影手段による撮影を行うカ
    メラにおいて、 前記操作手段により前記第1の撮影手段の撮影開始の指
    示を受けたときに、前記第2の撮影手段が行っている撮
    影を中止し、前記第1の撮影手段による撮影の開始と同
    時に前記第2の撮影手段による新たな撮影を開始するこ
    とを特徴とするカメラ。
  2. 【請求項2】 前記第2の撮影手段によって撮影された
    画像を表示する表示手段を備え、前記第1の撮影手段に
    よる撮影を行わないときは、前記第2の撮影手段によっ
    て撮影された画像を直ちに前記表示手段に表示し、前記
    第1の撮影手段による撮影を行ったときは、その撮影と
    同時に前記第2の撮影手段によって撮影された画像を所
    定の期間前記表示手段に表示することを特徴とする請求
    項1に記載のカメラ。
JP8208051A 1996-08-07 1996-08-07 カメラ Pending JPH1048742A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002072048A (ja) * 2000-08-28 2002-03-12 Olympus Optical Co Ltd 撮像装置および焦点距離換算装置
JP2011199755A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Fujifilm Corp 撮像装置

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