JPH1048604A - 繰り返し使用可能な広告用媒体 - Google Patents

繰り返し使用可能な広告用媒体

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JPH1048604A
JPH1048604A JP22187996A JP22187996A JPH1048604A JP H1048604 A JPH1048604 A JP H1048604A JP 22187996 A JP22187996 A JP 22187996A JP 22187996 A JP22187996 A JP 22187996A JP H1048604 A JPH1048604 A JP H1048604A
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JP
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liquid crystal
film
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electric field
medium
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JP22187996A
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English (en)
Inventor
Ritsu Saito
律 斉藤
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 焼却や再生処理を要せず、必要な情報が繰り
返し表示可能な広告用媒体を提供すること。 【解決手段】 スメクチック液晶が高分子マトリックス
中に分散してなる液晶/高分子複合膜からなり、該膜
が、熱及び電界のいずれか一方で情報を書込み且つ他方
で情報を消去することが繰り返し可能に構成されている
ことを特徴とする繰り返し使用可能な広告用媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、電車、バス等の車
内掲示広告用、駅構内、その他の場所における広告パネ
ル等に適し、繰り返し使用可能な広告用媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、広告用媒体として、画像等を印刷
したガラス或いはプラスチックパネルをケースに収納
し、背面から蛍光灯等を照射して画像等を浮き立たせる
ようにした駅構内等における広告パネル以外に、電車や
バス等の社内の壁面から天井にかけて掲示したり、天井
から吊り下げられたりする広告用印刷物等が使用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の広告は、定期的
に新たな広告に交換されるのが普通であり、その交換の
際の作業が煩雑であるとともに、使用済みの広告用印刷
物が多量に発生し、その処分としては焼却や再生処理が
為されるが、いずれにしろ、資源的にもエネルギー的に
も多大な浪費であり、環境保全上からも好ましいもので
はない。従って、本発明の目的は、以上の如き焼却や再
生処理を要せず、必要な情報が繰り返し表示可能な広告
用媒体を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的は以下の本発明
によって達成される。即ち、本発明は、スメクチック液
晶が高分子マトリックス中に分散してなる液晶/高分子
複合膜(以下単にPDLC膜という)からなり、該膜
が、熱及び電界のいずれか一方で情報を書込み且つ他方
で情報を消去することが繰り返し可能に構成されている
ことを特徴とする繰り返し使用可能な広告用媒体であ
る。
【0005】本発明の広告用媒体は、スメクチック液晶
の特性により、熱及び電界のいずれか一方で情報を書込
み且つ他方で情報を消去することが繰り返し可能である
ので、情報を表示した広告を交換する際に、紙等の新た
な記録媒体を必要とせず、取り外した広告用媒体の情報
を消去し、同一の媒体に新たな広告用情報を書き込み、
再度所定の場所に掲示することができる。従って、従来
のように新たな印刷用紙や印刷インキ、印刷版等の媒体
や印刷材料を用意する必要はなく、使用済みの広告用媒
体の焼却や再生が全く不要となる。又、情報の消去及び
書き込みに要するエネルギーは、焼却や再生の場合に要
するエネルギーに比較して極めて少量である。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、好ましい実施の形態を挙げ
て本発明を更に詳しく説明する。図1は、通常のサイ
ズ、例えば、B4サイズの厚紙の広告用紙に代替可能な
本発明の広告用媒体の断面を図解的に説明する図であ
る。図において11はポリエステルフイルム等の基材フ
イルムであり、その表面には、電極12を介してPDL
C膜13が形成されている。このPDLC膜の表面には
透明電極14が形成されていてもよいが、透明電極14
を設けずに保護層15を膜13の面に直接形成してもよ
い。尚、各層の詳細は後述する。このようなPDLC膜
は、熱及び電界のいずれか一方で情報を書込み且つ他方
で情報を消去することができ、この書き込み及び消去は
繰り返し可能である。
【0007】PDLC膜への可視情報の書込み(記録)
/消去の原理は、熱と電界(熱−電界モード)とによる
液晶分子の配向状態とランダム配向状態における光透過
と光散乱を利用する。従って、記録された情報を光散乱
による白濁光(二色性色素を用いた場合には、該色素に
よる着色光)で表示し、消去を光透過による透明化によ
って行う場合には、印字(書込み)はスポット的に加熱
可能な、例えば、サーマルヘッド等の加熱手段によって
行い、消去は、例えば、必要に応じて加熱しながら、P
DLC膜に液晶配向の閾値以上の電界を印加することに
よって行うことができる。
【0008】PDLC膜は、電界印加により液晶はμs
ec.オーダーで配向するので、従来の熱−熱モードに
よる各種可逆表示素子に比して高速書換え処理ができ、
本発明の広告用媒体として好適なものである。書換え回
数も十分であり、二色性色素を併用することで表示画像
の視認性も良好となり、自然環境下でメモリー性に優
れ、上記表示画像が意図せずに消去されることはない。
【0009】本発明で使用する液晶材料は、スメクチッ
ク液晶であり、従来公知のいずれのスメクチック液晶も
使用することができる。これらのスメクチック液晶はネ
マチック相を示す温度範囲が広いものが好ましく、本発
明においては、ネマティック相を示す温度範囲が1℃以
上のスメクチック液晶材料を使用することによって、P
DLC膜を透明状態にするときの駆動電圧を低下させる
ことができる。
【0010】スメクチック液晶には、二色性色素をコン
トラスト比の向上や着色等を目的として、例えば、スメ
クチック液晶100重量部当たり1〜10重量部の割合
で混入させることもできる。その場合に、上記液晶に含
有させる二色性色素は、特に限定されるものでなく、ア
ゾ系、ペリレン系、アントラキノン系等いずれも用いる
ことができ、広告用媒体の表示に要求される色調に適し
た二色性色素が、液晶、マトリックス材料、カプセル壁
材料等との組み合わせで用いられる。
【0011】上記液晶又は二色性色素を含有する液晶
(以下単に液晶という)を分散させる高分子マトリック
スを形成する高分子材料としては、液晶と相溶性がな
く、透明性及び被膜形成能に優れた高分子材料であれば
いずれも使用可能である。具体的には、PDLC膜の形
成方法に従って適当な高分子材料、例えば、ポリビニル
アルコール樹脂、フマレート系樹脂、エポキシ樹脂、ポ
リカーボネート樹脂、ポリチオールのUV硬化樹脂等が
使用される。
【0012】又、上記液晶はマイクロカプセル化しても
よく、そのマイクロカプセル化方法としては、従来公知
の方法が用いられ、特に限定されるものではない。例え
ば、水媒体中に、液晶、又はラジカル反応性モノマーを
溶解させた液晶をラジカル反応性界面活性剤、水溶性保
護コロイド、或はラジカル反応性保護コロイド或はこれ
らのうち2種類以上の混合物で乳化分散させ、水中或は
液晶中にラジカル開始剤を溶解或は分散させて、開始剤
の分解温度まで昇温させることによって、液晶粒子を包
囲するカプセル壁膜を作製することができる。液晶中に
溶解させるラジカル重合性モノマーとしては、スチレ
ン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸エステル等の液晶
と相溶性があるものを用いることができる。好ましくは
2官能以上のモノマーを混合する方が良い。ラジカル開
始剤としては水溶性、油溶性或いはレドックス系の開始
剤が用いることができる。又、γ線や電子線等のような
電離性放射線を用いて重合を開始することも可能であ
る。
【0013】上記構成のマイクロカプセル化液晶におい
ては、壁材料として使用する高分子材料は、芯物質であ
るスメクチック液晶100重量部当たり5〜25重量部
の範囲内で使用することが好ましい。壁材料の使用量が
上記範囲未満であると、壁の厚さが薄いために液晶の滲
み出し等の問題を十分には解決することができない。一
方、使用量が上記範囲を越えると壁の厚さが厚いため
に、二色性色素を使用した場合に壁に取り込まれる二色
性色素の量が増え、壁が着色してしまうため、電圧印加
時の反射濃度が十分低くならない等の点で好ましくな
い。又、カプセル化した状態における壁の厚みは、使用
する液晶材料、高分子材料、カプセル化方法等によって
変化するが、一般的には約10〜100nm程度であ
る。
【0014】液晶を高分子マトリックス中に分散させる
方法としては、相分離法やエマルジョン法等の従来公知
の方法がいずれも使用可能であるが、エマルジョン法を
代表例として以下簡単に説明する。但し、本発明はエマ
ルジョン法に限定されるものではない。エマルジョン法
は、必要に応じて界面活性剤や保護コロイドを含む水を
主体とする媒体中に液晶を乳化分散させ、該乳化液中に
ポリビニルアルコール、ゼラチン、アクリル酸共重合
体、水溶性アルキド樹脂等の水溶性又は水分散性高分子
材料を加えたものを、適当な基板上に塗工及び乾燥して
適当な厚みの膜を形成する方法であり、該方法によれ
ば、形成された膜中に液晶が均一に分散されたPDLC
膜が形成される。
【0015】上記分子マトリックスの水溶液又は水分散
液に、上記液晶を乳化分散させる方法としては、超音波
分散法、機械分散法等の各種の撹拌装置による混合方法
や、膜乳化法[中島忠夫・清水政高、PHARMTEC
H JAPAN 4巻、10号(1988)参照]等の
分散方法が有効である。得られる液晶エマルジョン粒子
の粒子径は、マトリックス内若しくはカプセル内で液晶
分子が配向し易くするために、体積分布において直径1
μm以下の液晶粒子の割合が全粒子中で10%以下であ
ることが望ましい。例えば、多孔質ガラス(MPG)膜
乳化システムにより液晶のO/Wエマルジョンを得る場
合には、用いるMPGの平均細孔径を0.3μm(直
径)以上にすることによって、乳化分散する液晶の体積
分布を上記範囲にすることができる。又、機械分散方法
を用い、例えば、機械分散の条件を回転数1,000r
pm及び1分間以上とすることにより上記範囲のような
体積分布を有する液晶を含む液晶エマルジョンを得るこ
とができる。
【0016】こうして得られた液晶分散液を用いてPD
LC膜を形成する方法としては、基板上に上記液晶分散
液を塗布及び乾燥する方法が好ましい。塗布方法として
は、電着方法、スクリーンコーティング、ブレードコー
ティング、ナイフコーティング、スライドコーティン
グ、インストルージョンコーティング、ファウンテンコ
ーティング等が挙げられる。このようにして得られるP
DLC膜の厚みは、3〜23μm程度が好適である。膜
厚が薄すぎると、加熱時の光散乱(濁度)が不足し、膜
厚が厚すぎると液晶の配向に多大な駆動電圧を必要とす
る。
【0017】液晶の使用量としては、通常、高分子マト
リックス形成材料/液晶の混合比(重量比)が65/3
5〜35/65の範囲が望ましい。液晶の使用量が少な
すぎると、電圧印加時の光の透明性が不足するだけでな
く、膜を透明状態にするために、多大な電圧を必要とす
る等の点で不十分であり、一方、液晶の使用量が多すぎ
ると、加熱時の光の散乱(濁度)が不足するだけでな
く、膜の強度が低下したりするので好ましくない。
【0018】以上のように本発明の広告用媒体は、少な
くともPDLC膜と該膜に電界を印加するための電極と
から構成される。この電極はPDLC膜の両面を挟持す
るものでもよいが、裏面のみに設けてもよい。裏面のみ
に電極を設ける場合の電圧に印加は、例えば、コロナ放
電等によって行われる。又、サーマルヘッド等を用いて
情報を書き込む場合には、PDLC膜の保護のためにP
DLC膜面に保護層を形成することが好ましい。
【0019】PDLC膜を塗工形成する導電性基板とし
ては、従来公知の液晶表示素子に一般的に使用されるも
のであって、例えば、ITO、SnO2 系、ZnO系の
ような透明導電性材料をPET(ポリエチレンテレフタ
レート)等の高分子フイルム等の透明基板に付着させた
電極基板である。一方、不透明導電性基板の場合には、
その電極が反射板としての機能も要求されるため、例え
ば、アルミニウム反射電極を設けた基板が好ましい。そ
の基板自体は高分子フイルム或はその他のものであって
もよい。又、ITO、SnO2 系、ZnO系のような透
明導電性材料を白PETフイルム等のような反射板に付
着させてもよい。又、透明導電性基板のPDLC膜とは
反対の面にAl23 、TiO2 、ZnO等からなる反
射層を高分子フイルムに形成してなる反射板を貼合せて
もよい。
【0020】透明又は反射性導電性基板上に形成したP
DLC膜を導電性基板とで挟持する場合には、導電性基
板は従来公知の液晶表示素子に一般的に使用されるもの
であって、例えば、ITO、SnO2 系、ZnO系のよ
うな透明導電性材料をPET等の高分子フルイム等のよ
うな透明基板に付着させた電極基板が使用される。
【0021】透明又は反射性導電性基板上に形成したP
DLC膜の表面に保護層を形成する場合に、保護層を形
成する高分子材料としては、PDLC膜との接着性に優
れ、透明な被膜を形成し得るものであり、その屈折率
が、PDLC膜のマトリックス形成高分子材料の屈折率
と比較してその差が0.05以下であれば、いずれの高
分子材料も用いることができる。例えば、マトリックス
形成高分子材料としては、ポリビニルアルコールを用い
た場合には、好ましい保護層形成高分子材料としては、
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジ
ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等の多
官能モノマーからなる架橋重合体等が挙げられる。これ
らのモノマーは単独で、又は2種類以上混合して、更に
他のモノマーと混合して用いることができる。
【0022】PDLC膜の表面に形成する保護層は、表
面が平滑で、且つ該保護層の屈折率と該高分子マトリッ
クスの屈折率との差が0.05以下であることが望まし
い。その差が0.05を超えると、電圧印加時に液晶の
屈折率と保護層との屈折率との差が大きくなるために、
光の散乱が大きくなり、コントラストが低下してしま
う。更に好ましくは0.03以下である。又、得られる
保護層の平均粗さ(Ra)は0.1μm未満であること
が好ましい。平均粗さが0.1μm以上であると、光が
保護層表面で散乱してしまい、コントラストが低下して
しまう。
【0023】保護層の作製方法としては、例えば、PD
LC膜を溶解しない溶剤に保護層形成高分子材料を溶解
した溶液或いは適当な媒体のエマルジョンとしてPDL
C膜の形成と同様な方法、重合によって皮膜を形成する
前記の如き単量体をPDLC膜面に塗布後、適当な手段
(加熱、電子線照射等)によって、単量体を重合体に転
化させると共に硬化させる等の方法、上記方法により離
型シート面に別に保護層又はモノマー層を形成してお
き、この保護層又はモノマー層をPDLC膜面に転写ラ
ミネートする方法(モノマー層の場合には転写時又は転
写後に重合硬化させる)等が挙げられる。形成される保
護層の厚さは1〜5μmの範囲が好ましい。
【0024】以上の如き本発明の広告様媒体は、通常の
広告に使用される厚紙と同様な状態で使用することがで
きる。例えば、図1において、PDLC層を必要に応じ
て所定の温度に加熱し、この状態で保護層15の面にコ
ロナ放電器等により帯電させ、保護層と電極12との間
に所定の電圧を印加すると、PDLC層における液晶は
配向し、PDLC層は透明状態となり、冷却及び帯電除
却によって透明状態は維持される。この状態においてサ
ーマルヘッドや熱ペン等によってPDLC層を画像状に
加熱することによって、PDLC層の液晶の配向状態が
解消され、熱を印加した部分は光散乱状態となり、情報
が記録され、記録された情報は、PDLC層が再加熱さ
れない限り消去されることはない。書き込まれる情報
は、二色性色素の使用によりコントラスト比の向上が可
能であり、又、イエロー、マゼンタ及びシアンの3原色
の二色性色素を添加した液晶を用いて液晶層をYMCの
マトリックス状に形成することによって各種のカラー表
示やフルカラーの画像表示も可能である。
【0025】このように情報が記録された本発明の広告
用媒体を電車内等の所定位置に掲示したり、吊り下げり
して使用する。これらの広告の交換に際しては、広告を
取り外し、上記の操作を繰り返し、別の情報を書き込
み、再度所定位置に掲示したり、吊り下げたりすること
ができる。この書き込み及び消去は殆ど無限に近い回数
繰り返すことができる。
【0026】図2は、本発明の広告用媒体の他の例であ
る吊り下げ広告板を示す概略図である。図中の21は広
告用媒体の巻取り装置であり、本発明の広告用媒体22
が巻き取り装置21に巻きつけられ、自在に引き出し可
能となっている。巻き取り装置21の下部には加熱装置
とコロナ帯電器が組み込まれた消去ユニット24と小型
プリンターの如きサーマルヘッドを備えた書き込みユニ
ット23が設けられている。今、広告用媒体には所定の
状態の情報が記録されて広告中であるとする。該広告の
内容を変更する場合には、消去ユニット24を作動させ
て、広告用媒体22を巻き込み装置21に巻き込むとと
もに、表示されている情報を消去する。次いで書き込み
ユニット23を作動させつつ所定の速度で広告用媒体2
2を引き出すことによって、別の情報が表示された広告
媒体22が吊り下げられる。以上の動作は半永久的に繰
り返し可能である。
【0027】図3に別の例を示す。図3の表示装置に
は、一方の巻取り部31の出入り口近傍に書込みユニッ
ト33が、他方の巻取り部31’の出入り口近傍に消去
ユニット34が設けられた例であるが、例えば、巻取り
部31又は31’の出入り口近傍に書き込みユニット3
3及び消去ユニット34の両方を設けることもできる。
このように各ユニット33、34の取り付け位置は特に
限定されない。
【0028】図3において情報を広告用媒体32に書込
むために、巻取り部31又は31’ローラ(不図示)を
駆動モータ(不図示)で回転させて、広告用媒体32を
巻取り部31に巻込むが、既に広告用媒体32に情報が
書込まれている場合には、消去ユニット34を作動させ
て書込まれた情報を消去しながら巻込みを行う。新たに
情報を書込むために、巻取り部31及び31’のローラ
(不図示)の回転と書込みユニットの作動を同期させて
広告用媒体32の右半分部に印字を行う。次いで、巻取
り部31及び31’のローラ(不図示)の回転を書き込
みユニット33の作動と同期させて広告用媒体32の左
半分部に印字する。書込みユニット33には、例えば、
サーマルヘッドが設置され、これによる加熱によって広
告用媒体32に所望の情報が記録及び表示される。図4
にPDLC膜からなる広告用媒体に書き込み、消去を行
なう場合の書込みユニットと消去ユニットの一例の概略
構成図を示す。図4では書込みユニット43と消去ユニ
ット44が一体的に描かれているが、これらはそれぞれ
破線で示されるユニットに分離できることを意味してい
る。
【0029】書込みユニット43には、プラテンローラ
45に対向してサーマルヘッド46が設けられている。
サーマルヘッド45は所定の信号を受けて広告用媒体4
2に所望の情報の書込みを行う。消去ユニット44は、
帯電器47に所定の電圧を供給する電源48と接地ロー
ラ49に対向して処理面を確実に接触させるためのプラ
テンローラ45とがそれぞれ配置されている。広告用媒
体42は、必要の応じて加熱しながら電圧印加で記録情
報を消去し、サーマルヘッド46による加熱で情報の記
録が行われる。帯電器48は、内部に電源48に接続さ
れたタングステンワイヤーを有するコロナ帯電器であ
る。又、接地ローラ49及び電源42はアースされ、帯
電器47で帯電される広告用媒体42の表面と接地ロー
ラ49との接触面との間に電位差が生じ、これによって
広告用媒体42の垂直方向に電界が印加されることとな
る。
【0030】帯電器47には、従来公知のコロトロン帯
電器、スコロトロン帯電器等が使用できる。接地ローラ
49は、金属製又は導電性カーボンブラック等の導電性
材料を配合したプラスチック又はゴム製のローラ等が使
用できる。特に好ましいのはゴム等の弾性体からなるロ
ーラである。電界印加手段47(帯電器)とサーマルヘ
ッド46は、いずれも情報の書込み及び消去に使用でき
るが、電界印加手段を消去用として用いることによって
自然環境下の温度で表示が消去されず、表示信頼性に優
れた表示が可能となる。
【0031】消去ユニット44の電界印加手段は上記の
方法に限定されるものではなく、例えば、特願平6−1
03249号及び特願平6−302701号に記載の帯
電方式、特願平6−30270号に記載の電極方式等の
いずれの電界印加手段も使用可能である。書込みユニッ
ト43としては、サーマルプリンターに用いられるサー
マルヘッドが用いられる。サーマルヘッドに代えてレー
ザーによる加熱手段も使用可能である。
【0032】本発明における広告用媒体としては、例え
ば、電車やバス等の社内の壁から天井にかけて掲示する
或いは天井から吊り下げる広告板、駅の通路等の壁面
に、例えば、巻き取り型ディスプレイを広告用媒体部の
みを露出させるように設置した広告板等が挙げられる。
【0033】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。 実施例1 スメクチック液晶:SCE−9(メルク・リミテッド社
製、ネマティック相を示す温度範囲:91.0〜11
5.0℃)100部に、二色性色素:S−428(黒発
色/透明の二色性)(三井東圧化学製)2部を添加して
温度120℃で30分間撹拌した。この混合溶液にポリ
ビニルアルコール:EG−05(日本合成化学工業製、
重合度:500、鹸化度:86.5〜89.0)5重量
%水溶液252.8部を添加し、孔径1.10μm(直
径)の多孔質ガラス膜管(伊勢化学工業製)を用いて膜
乳化方法で分散した。
【0034】液晶の粒子径分布をマイクロトラックMK
−IISPA粒度分布計(LEED&NORTHRUP
社製)を用いて測定した結果、体積分布において平均粒
子径(直径)は7.7μmであり、且つ直径1μm以下
の粒子の割合は1.5%であった。この分散液に増粘剤
としてPVA:KH−20(日本合成化学工業製、重合
度:2,000、鹸化度:78.5〜81.5)を、S
CE−9/(KP−06+KH−20)=50/50
(w/w)となるように添加して撹拌した。この分散液
を用いて、ITO蒸着白PETフイルム(東レ製)のI
TO面上にドクターブレードを用いて塗布し、乾燥させ
て成膜を行った。得られたPDLC膜の膜厚は10.3
μmであった。PDLC膜のマトリックスを形成するポ
リビニルアルコール(EG−05及びKH−20)の屈
折率は1.51であった。屈折率の測定は、屈折率計:
DVA−36L(溝尻光学工業製)を用いて測定した。
【0035】PET製離型フイルム:MC−19(麗光
社製)にドクターブレードを用いてトリメチロールプロ
パントリアクリレート:EXG−40−8(大日精化
製)を塗布し、乾燥させて1.8μmの厚さに成膜し
た。この膜面と上記のPDLC膜面とを対向させてラミ
ネートした後、4Mradの電子線を照射して上記アク
リレートを重合及び乾燥させ、その後離型フイルムを剥
離した結果、平滑(平均粗さ:Ra=0.01μm)な
保護層が形成された。同じ膜厚のトリメチロールプロパ
ントリアクリレートの硬化重合体フイルムの屈折率は
1.50であった(屈折率の測定は上記屈折率計を用い
た)。
【0036】このようにして得られたPDLC膜からな
る広告用媒体をA4サイズに裁断して、鉄道車両やバス
等の室内の壁面から天井にかけて掲示するための本発明
の広告用媒体とした。上記の広告用媒体の情報の書き込
みには、書き込ユニットとしてサーマルプリンターに使
用されるサーマルヘッド(ヘッド解像度:6dot/m
m、加熱量0.8mJ/dot)を用いた。消去ユニッ
トとしてコロナ帯電器を使用した。マイクロコンピュー
タにサーマルヘッドを接続し、マイクロコンピュータに
インプットした文字情報を上記の広告用媒体に出力した
結果、黒色の鮮明な文字が表示された。この広告媒体を
電車の室内の嵌め込み式の掲示位置に嵌め込み、広告と
して使用した。次に、広告用媒体の全面を約75〜95
℃に加熱しながら、コロナ帯電器によって電界を印加す
ると、全ての面が透明となり表示画像は完全に消去され
た。この消去済の広告用媒体は何回でも書き込み及び消
去が可能であった。
【0037】実施例2 実施例1で得られたPDLC膜を図2に示す吊り下げ型
表示装置に組み込み、バスの室内の吊り下げ用広告媒体
として使用した。上記の広告用媒体の情報の書き込みに
は、書き込ユニットとしてサーマルプリンターに使用さ
れるサーマルヘッド(ヘッド解像度:6dot/mm、
加熱量0.8mJ/dot)を用いた。消去ユニットと
してコロナ帯電器を使用した。マイクロコンピュータに
サーマルヘッドを接続し、マイクロコンピュータにイン
プットした文字情報を上記の広告用媒体に出力した結
果、黒色の鮮明な文字が表示された。この広告媒体をバ
スの室内の天井に懸垂して広告として使用した。次に、
広告用媒体の全面を約75〜95℃に加熱しながら、コ
ロナ帯電器によって電界を印加すると、全ての面が透明
となり表示画像は完全に消去された。この消去済の広告
用媒体は何回でも書き込み及び消去が可能であった。
【0038】実施例3 実施例1で得られたPDLC膜を図3に示す巻き込み型
の表示装置に組み込み、本発明の広告媒体として使用し
た。書き込ユニットとしてサーマルプリンターに使用さ
れるサーマルヘッド(ヘッド解像度:6dot/mm、
加熱量0.8mJ/dot)を用いた。消去ユニットと
してコロナ帯電器を使用した。マイクロコンピュータに
サーマルヘッドを接続し、マイクロコンピュータにイン
プットした文字情報を上記の広告用媒体に出力した結
果、黒色の鮮明な文字が表示された。次に、広告用媒体
の全面を約75〜95℃に加熱しながら、コロナ帯電器
によって電界を印加すると、全ての面が透明となり表示
画像は完全に消去された。この消去済の広告用媒体は何
回でも書き込み及び消去が可能であった。
【0039】
【発明の効果】以上の如き本発明によれば、スメクチッ
ク液晶の特性により、熱及び電界のいずれか一方で情報
を書込み且つ他方で情報を消去することが繰り返し可能
であるので、情報を表示した広告を交換する際に、紙等
の新たな記録媒体を必要とせず、取り外した広告用媒体
の情報を消去し、同一の媒体に新たな広告用情報を書き
込み、再度所定の場所に掲示することができる。従っ
て、従来のように新たな印刷用紙や印刷インキ、印刷版
等の媒体や印刷材料を用意する必要はなく、使用済みの
広告用媒体の焼却や再生が全く不要となる。又、情報の
消去及び書き込みに要するエネルギーは、焼却や再生の
場合に要するエネルギーに比較して極めて少量である。
【0040】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の広告用媒体の一例を示す概略図。
【図2】本発明の広告用媒体の一例を示す概略図。
【図3】本発明の広告用媒体の一例を示す概略図。
【図4】情報の表示及び消去を行う書き込みユニット、
消去ユニットの一例を示す概略図。
【符号の説明】
11:基材フイルム 12:電極 13:PDLC膜 14:透明電極 15:保護層 21:巻取り装置 22,32,42:広告用媒体 23,33,43:書き込みユニット 24,34,44:消去ユニット 31,31’:巻取り部 45:プラテンローラ 46:サーマルヘッド 47:帯電器 48:電源 49:接地ローラ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スメクチック液晶が高分子マトリックス中
    に分散してなる液晶/高分子複合膜からなり、該膜が、
    熱及び電界のいずれか一方で情報を書込み且つ他方で情
    報を消去することが繰り返し可能に構成されていること
    を特徴とする繰り返し使用可能な広告用媒体。
  2. 【請求項2】液晶がマイクロカプセル化されている請求
    項1に記載の広告用媒体。
  3. 【請求項3】書込み及び消去ユニットに組み込まれてい
    る請求項1に記載の広告用媒体。
JP22187996A 1996-08-06 1996-08-06 繰り返し使用可能な広告用媒体 Pending JPH1048604A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6424387B2 (en) 1998-07-06 2002-07-23 Sharp Kabushiki Kaisha Recording medium including liquid crystal layer

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US6424387B2 (en) 1998-07-06 2002-07-23 Sharp Kabushiki Kaisha Recording medium including liquid crystal layer

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