JPH0664056B2 - アンモニア生成物質定量用一体型多層分析要素 - Google Patents

アンモニア生成物質定量用一体型多層分析要素

Info

Publication number
JPH0664056B2
JPH0664056B2 JP62094138A JP9413887A JPH0664056B2 JP H0664056 B2 JPH0664056 B2 JP H0664056B2 JP 62094138 A JP62094138 A JP 62094138A JP 9413887 A JP9413887 A JP 9413887A JP H0664056 B2 JPH0664056 B2 JP H0664056B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ammonia
layer
endogenous
trapping
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP62094138A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS63259467A (ja
Inventor
仲次 柳沼
貴喜 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP62094138A priority Critical patent/JPH0664056B2/ja
Priority to EP88106044A priority patent/EP0287112B1/en
Priority to DE3852558T priority patent/DE3852558T2/de
Priority to US07/182,707 priority patent/US5008078A/en
Publication of JPS63259467A publication Critical patent/JPS63259467A/ja
Publication of JPH0664056B2 publication Critical patent/JPH0664056B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/48Biological material, e.g. blood, urine; Haemocytometers
    • G01N33/50Chemical analysis of biological material, e.g. blood, urine; Testing involving biospecific ligand binding methods; Immunological testing
    • G01N33/52Use of compounds or compositions for colorimetric, spectrophotometric or fluorometric investigation, e.g. use of reagent paper and including single- and multilayer analytical elements
    • G01N33/525Multi-layer analytical elements
    • G01N33/526Multi-layer analytical elements the element being adapted for a specific analyte
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10TTECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
    • Y10T436/00Chemistry: analytical and immunological testing
    • Y10T436/17Nitrogen containing
    • Y10T436/173845Amine and quaternary ammonium
    • Y10T436/175383Ammonia

Landscapes

  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Hematology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Urology & Nephrology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Food Science & Technology (AREA)
  • Cell Biology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Non-Biological Materials By The Use Of Chemical Means (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、アナライトとして液体試料中のアンモニアを
生成しうる物質を分析するための一体型多層分析要素に
関するものである。さらに詳しくは本発明は、血液、
尿、リンパ液等の生物体液中に含まれるクレアチニン、
尿素等のアンモニア生成物質を、内因性アンモニアの影
響を排除して定量分析するのに適した一体型多層分析要
素に関するものである。
[従来の技術] 生物体液中に含有されているクレアチニン、尿素等のア
ンモニア生成物質の定量分析は、腎臓病等の疾患の診
断、その疾患の経過コントロールのための検査および腎
機能の検査のために極めて重要である。
アンモニア生成物質の分析方法の例としては、アンモニ
ア生成物質からアンモニアを生成させる操作および生成
されたアンモニアを定量する操作からなる分析方法を代
表例として挙げることができる。このアンモニアへの変
換を利用する分析方法は、従来より湿式法または溶液法
と呼ばれる方法で広く一般に実施されてきた。さらに近
年では一体型多層分析要素に代表される乾式分析器具を
用いる乾式分析法においてもアンモニアへの変換を利用
する分析方法が実施され、あるいは提案されている。
上記のアンモニア生成物質からアンモニアを生成させる
操作としては、酵素の作用によってアンモニアを生成さ
せる方法が一般的に用いられている。たとえば生物体液
中のクレアチニンの定量分析においては、クレアチニン
デイミナーゼ(EC3.5.4.21)を用いて体液中
のクレアチニンを特異的にアンモニアとN−メチルヒダ
ントインに加水分解する方法が利用されている。また、
生物体液中の尿素窒素(以下BUNとも記す)の定量分
析においては、ウレアーゼを触媒として用い、尿素をア
ンモニアと二酸化炭素に加水分解する方法が利用されて
いる。これらの方法では、アナライトであるアンモニア
生成物質が酵素の基質であるので、アンモニア生成基質
といわれることがある。これらのアンモニア生成物質の
分析方法は、「Analytical Chemistry」,46,246(197
4),「Clinica Chimica Acta」,18,409(1967)、「臨
床化学分析 III 含窒素成分」第2版(東京、東京化
学同人)13〜14頁、67〜87頁(1979年発
行)、「臨床検査」第5巻(第6号)387〜391頁
(1961年)等の文献に記載されている。
しかし、分析の対象となる生物体液中には、アンモニウ
ムイオンとして遊離した状態にあるアンモニア(内因性
アンモニア)が含まれていることが多く、この内因性ア
ンモニアによる誤差を無視することができない。従っ
て、アンモニア生成基質の正確な定量には、内因性アン
モニアの影響を排除する必要があり、既にいくつかの内
因性アンモニアの除去の方法が提案されている。
湿式法で内因性アンモニアを予め除去する操作を含むア
ンモニア生成物質の分析方法の具体例としては、特開昭
58−5198号、特開昭59−21398号、特開昭
59−31696号、特開昭59−31697号、特開
昭59−31698号、特開昭59−31700号およ
び特開昭61−56095号各公報に記載の定量方法等
がある。
乾式法においても、特開昭61−278761号公報に
記載の一体型多層分析要素のように、分析要素自体に、
内因性アンモニア捕捉機能を有していて、内因性アンモ
ニアの影響を排除したアンモニア生成物質分析用一体型
多層分析要素が記載されている。この多層分析要素は、
アンモニア生成反応によりアンモニアを発生する層の上
方に隣接してアンモニア捕捉反応を行なう内因性アンモ
ニア捕捉層を設けたものである。
内因性アンモニア捕捉層に含有させる試薬組織物として
は、アンモニアを基質として他の物質に変化させる酵素
を含む試薬組成物があげられる。その具体例は、NAD
H(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド還元
型)及び/又はNADPH(ニコチンアミド・アデニン
・ジヌクレオチド・フォスフェート還元型)、グルタミ
ン酸デヒドロゲナーゼ(EC1.4.1.3)およびα
−ケトグルタル酸(またはその塩)を含む試薬組成物な
どがある。
[従来技術の問題点] 上記の内因性アンモニア捕捉層を有するアンモニア生成
物質分析用一体型多層分析要素においては、内因性アン
モニア捕捉層が、アンモニア生成反応を行なう反応層に
隣接して設けられているため、アンモニア生成反応によ
り生成したアンモニアが上方にも拡散し、内因性アンモ
ニア捕捉層に捕捉される副反応により、測定感度が内因
性アンモニア捕捉層を設けていないものと比較して、著
しい低下を示す傾向があることが明らかになった。
[発明の目的] 本発明の目的は、水性液体試料中にすでに存在するアン
モニア(内因性アンモニア)による測定誤差を除去し、
かつ高感度の定量分析を実施できるアンモニア生成物質
定量用一体型多層分析要素を提供することである。
本発明の他の目的は、簡易な操作で迅速にクレアチニン
または尿素窒素(BUN)等のアンモニア生成物質を高
精度に定量分析することができる一体型多層分析要素を
提供することである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は,水性液体試料中にすでに存在するアンモニア
を捕捉する内因性アンモニア捕捉層,及びアンモニア生
成物質と反応してガス状アンモニアを生成させうる試薬
組成物を含有するアンモニア生成反応試薬層を,水性液
体試料が点着される側からこの順で有する一体側多層分
析要素において,前記内因性アンモニア捕捉層と前記ア
ンモニア生成反応試薬層との間に,アンモニア捕捉及び
アンモニア生成反応のいずれをも実質的に行わずかつ実
質的にアンモニアの拡散防止能を有する中間層を少なく
とも1層有することを特徴とするアンモニア生成物質定
量用一体型多層分析要素である。
本発明の好ましい実施態様は, (1)光透過性水不透過性支持体; ガス状アンモニアにより検知可能な変化を生じる指示
薬を含むアンモニア指示薬層; ガス状アンモニアを通過させうる液体透過遮断層; アンモニア生成物質と反応してガス状アンモニアを生
成させうる試薬組成物を含有するアンモニア生成反応試
薬層; アンモニア捕捉及びアンモニア生成反応のいずれをも
実質的に行わなずかつ実質的にアンモニアの拡散防止能
を有する層; 水性液体試料中にすでに存在するアンモニアに作用し
て前記アンモニアを実質的に上記反応試薬層に到達しえ
ない状態に変化させうる試薬組成物を含有する内因性ア
ンモニア捕捉層;及び, 多孔性展開層 がこの順に積層され含有されているアンモニア生成物質
定量用一体型多層分析要素,並びに, (2)光透過性水不透過性支持体; ガス状アンモニアにより検知可能な変化を生じる支持
薬を含むアンモニア指示薬層; ガス状アンモニアを通過させうる液体透過遮断層; アンモニア生成物質と反応してガス状アンモニアを生
成させうる試薬組成物を含有するアンモニア生成反応試
薬層; アンモニア捕捉及びアンモニア生成反応のいずれをも
実質的に行わなずかつ実質的にアンモニアの拡散防止能
を有する層;及び 水性液体試料中にすでに存在するアンモニアに作用し
て前記アンモニアを実質的に上記反応試薬層に到達しえ
ない状態に変化させうる試薬組成物を含有する多孔性層
からなる内因性アンモニア捕捉層をかねる多孔性展開層 がこの順に積層され含有されているアンモニア生成物質
定量用一体型多層分析要素である。
本発明の一体型多層分析要素の機能を損なわない限り、
本発明の一体型多層分析要素には、公知の中間層、粘着
性中間層、接着層、光遮蔽層などの機能が任意に付設さ
せていてもよい。
なお、本発明において、「アンモニア生成物質」とは、
特定の試薬と反応してそれ自体からアンモニアを生成す
るか、あるいは複数個の反応系を経由してアンモニアを
生成するような化合物または化合物群を意味するもので
ある。また、アンモニア捕捉及びアンモニア生成反応の
いずれをも実質的に行なわずかつ実質的にアンモニアの
拡散防止機能を有する層を以下ではアンモニア拡散防止
層という。
[発明の効果] 本発明の一体型多層分析要素は、内因性アンモニアをあ
らかじめ上層でトラップ除去し、その後にクレアチニン
あるいは尿素窒素(BUN)等のアンモニア生成物質を
反応層で反応させ生成するアンモニアを指示薬層で発色
させて検出定量するものである。この際、反応層で生成
したアンモニアは、内因性捕捉層とアンモニア生成反応
試薬層との間に設けられているアンモニア拡散防止層の
存在で、上方への拡散が抑えられるため、アンモニア生
成物質の定量分析が向上した。
従って本発明の一体型多層分析要素を用いることによ
り、内因性アンモニア量の定量、前処理としての内因性
アンモニアの除去あるいは試料液の透析などの煩雑な操
作を行なう必要がないため、簡便かつ迅速にクレアチニ
ンや尿素の定量ができる。また、本発明の分析要素は、
一体型であるから操作および取扱いも簡便である。
さらに、本発明の一体型多層分析要素は、アンモニア生
成物質に対する感度が高く、被検液中の微量のアンモニ
ア生成物質に対しても、精度よく分析することができ
る。
また、本発明の一体型多層分析要素は、被検成分(アナ
ライト)であるアンモニア生成物質と、アンモニア生成
物質と反応してアンモニアを生成させる試薬とを反応さ
せ、生成するアンモニアを定量することによりアンモニ
ア生成物質を間接的に定量するものである。従って本発
明の一体型多層分析要素は、上記のアンモニア生成用の
反応試薬の種類を変えることにより、様々なアンモニア
生成物質の定量分析用として製造することができる。
[発明の構成の詳細な説明] 本発明の一体型多層分析要素を構成する光透過性・液体
不透過性支持体(以下、支持体と記す)の具体例として
は、ポリエチレンテレフタレート、ビスフェノールAの
ポリカルボネート、ポリスチレン、セルロースエステル
(例、セルロースジアセテート、セルローストリアセテ
ート、セルロースアセテートプロピオネート等)等のポ
リマーからなる厚さ約50μmから約1mmの範囲内、好
ましくは約80μmから約300μmの範囲内の透明支
持体を挙げることができる。
支持体の表面には必要により下塗層を設けて、支持体の
上に設けられる反応層あるいはその他、必要に応じて設
けられる層(例、吸水層)と支持体との接着を強固なも
のにすることができる。また、下塗層の代りに、支持体
の表面を物理的あるいは化学的な活性化処理を施して接
着力の向上を図ってもよい。
支持体の上には、(場合によっては下塗層等の他の層を
介して)本発明の一体型多層分析要素を構成するガス状
アンモニアにより検知可能な変化を生じる指示薬を含む
アンモニア指示薬層(以下、指示薬層と記す)が設けら
れる。指示薬層には、少なくとも1種の呈色性アンモニ
ア指示薬が含まれる。呈色性アンモニア指示薬とは、ガ
ス状アンモニアにより検知可能な変化(たとえば、吸収
波長の変化による発色または変色)を生じるような化合
物である。
本発明の一体型多層分析要素に使用することができる呈
色性アンモニア指示薬としては、たとえば、ロイコシア
ニン染料、ニトロ置換ロイコ染料およびロイコフタレイ
ン染料のようなロイコ染料(米国再発行特許第3026
7号明細書または特公昭58−19062号公報記
載);ブロムフェノールブルー、ブロムクレゾールグリ
ーン、ブロムチモールブルー、キノリンブルーおよびロ
ゾール酸のようなpH指示薬(共立出版(株)、化学大辞
典、第10巻63〜65頁参照);トリアリールメタン
系染料前駆体;ロイコベンジリデン色素(特開昭55−
379号および特開昭56−145273号各公報に記
載);ジアゾニウム塩とアゾ染料カプラー;塩基漂白可
能染料等を挙げることができる。
指示薬層は、通常これらの呈色性アンモニア指示薬の少
なくとも一種を、有機溶剤溶解性バインダーポリマーあ
るいは水溶性バインダーポリマーと混合して塗布液を調
製し、これを透明支持体上に塗布・乾燥することにより
形成する。上記バインダーポリマーの具体例としては、
セルロースモノアセテート、セルロースジアセテート、
セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチ
レート、セルロースアセテートプロピオネート等のセル
ロースエステル類;メチルセルロース、エチルセルロー
ス、プロピルセルロース等のアルキルセルロース類;ポ
リメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリスチ
レン、ポリアクリロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリビ
ニルブチラール、クロル化ポリ酢酸ビニル、ポリアクリ
ルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコー
ル等の合成ビニル重合体またはこれらの共重合体等を挙
げることができる。
バインダーの重量に対する呈色性アンモニア指示薬の配
合量は約1〜約20重量%の範囲内であることが好まし
い。また製造中あるいは保存中に、呈色性アンモニア指
示薬が発色または変色するのを防止するために、エタン
スルホン酸、アスパラギン酸、アゼライン酸、グルタル
酸、コハク酸、グルタコン酸、酒石酸、ピメリン酸、マ
ロン酸、リンゴ酸、3,3−ジメチルグルタル酸、クエ
ン酸、p−トルエンスルホン酸、過塩素酸、塩酸などの
有機酸あるいは無機酸、アミノメタン、アミノエタン、
アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸
化リチウムなどの有機塩基あるいは無機塩基、又はpH緩
衝剤を指示薬層中に加えることで、指示薬層のpH値が呈
色性アンモニア指示薬の呈色域のpH値の範囲内となるよ
うに調整することができる。
指示薬層を形成する塗布液は、これらの呈色性アンモニ
ア指示薬、バインダーポリマーおよび必要に応じて加え
られる上記pH調整用の酸等の試薬類を、アセトン、2−
メトキシエタノール、メチルエチルケトン、ジクロロメ
タン、ジクロロエタン、メタノール、エタノール等の有
機溶剤あるいは水に、固形分濃度が約1〜約30重量
%、好ましくは約3〜約20重量%となるように加えて
調製することができる。この塗布液を、乾燥後の層厚が
通常は約1〜約30μmの範囲内、好ましくは約2〜約
20μmの範囲内となるように、前記支持体上に塗布、
乾燥することにより指示薬層を形成することができる。
指示薬層の上に、ガス状アンモニアを通過させ得る液体
透過遮断層(以下バリアー層とも記す)を設ける。この
バリアー層は、多層分析要素の製造時(具体的には、後
述する反応層をバリアー層の上に塗布により設ける時)
および/または分析操作時において、塗布液、試料液等
の液体およびこれらの液体に溶解含有されている妨害成
分(例えば、アルカリ性成分等)を実質的に通過または
透過させず、かつガス状アンモニアが通過できる物質か
らなる層であることを意味する。
バリアー層は構造上、二種類の態様に大別される。一つ
の態様は、連続した空隙を有する多孔性材料からなり、
実質的に空気層がバリアー層として作用する空気バリア
ー層(以下、空気バリアー層と記す)であり、他の一つ
の態様は、疎水性(または親水性の乏しい)ポリマーか
らなる均質な非孔質薄層であるポリマーバリアー層(以
下、ポリマーバリアー層と記す)である。
空気バリアー層を構成する連続した空隙を有する多孔性
材料の例としては、メンブランフィルター;繊維状材料
が相互にからみあわされてなるか、あるいは接着または
結合されてなる多孔性材料(例、紙、濾紙、フェルト、
不織布等);および織物生地、編物生地または細網状物
からなる多孔性材料を挙げることができる。
空気バリアー層として用いることができるメンブランフ
ィルターの具体例としては、アセテート(ジアセテート
またはトリアセテート等)、セルロースニトレート、再
生セルロース、ポリアミド(ナイロン類)、ビスフェノ
ールAのポリカルボネート、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリテトラフルオロエチレン等の弗素含有ポリマ
ー等を用いて製造されているメンブランフィルターを挙
げることができる。本発明の一体型多層要素に用いる場
合、上記メンブランフィルターの厚さは、約30〜約3
00μmの範囲内、好ましくは約70〜約200μm範
囲内である。メンブランフィルターの気孔率(空隙率)
は、約25%〜約90%、好ましくは約60%〜約90
%である。また、メンブランフィルターの平均孔径は約
0.01〜約20μm、好ましくは約0.1〜約10μ
mの範囲内である。上記の特性を有するメンブランフィ
ルターは、たとえば米国特許第1421341号明細
書、特公昭53−21677号公報にそれぞれ記載の方
法により製造することができる。また、メンブランフィ
ルターは、既に多くのメーカーから様々な種類のものが
市販されており、これらの市販品の中から必要に応じて
選択して用いることもできる。
空気バリアー層として用いることができる繊維状材料が
相互にからみあわされてなるか、接着または結合されて
なる多孔性材料としては、特開昭58−77660号に
記載の繊維状材料またはその集合体を物理的にからみあ
わせるか、物理的および/または化学的に接着または結
合させた構成からなる連続した空隙を有する多孔性材料
がある。
上記多孔性材料を構成する繊維状材料の具体例として
は、セルロース繊維、綿繊維、麻繊維、絹繊維、羊毛繊
維等の天然繊維性材料、レーヨン繊維、ビニロン繊維、
セルロースアセテート繊維等の再生または半合成材料か
らなる繊維、グラスウール、ポリエチレン繊維、ポリエ
チレンテレフタレート繊維、ポリアクリロニトリル繊維
状物質およびポリ塩化ビニル繊維等の合成材料からなる
繊維状材料、またはこれらを混合してなる繊維状材料を
挙げることができる。また、上記繊維状材料を用いて製
造される多孔性材料の例としては、繊維状材料を抄造す
ることにより製造した半紙、美濃紙や障子紙の和紙、濾
紙、硫酸紙、擬硫酸紙等の紙および繊維状材料から製造
したフエルトおよび不織布等を挙げることができる。
繊維状材料が相互にからみあわされてなるか、接着また
は結合されてなる多孔性材料の空隙率は、通常約20〜
約90%の範囲内、好ましくは約50〜約85%の範囲
内である。上記多孔性材料の平均空隙サイズは、通常約
0.01〜約20μmの範囲内、好ましく約0.1〜約
10μmの範囲内である。また上記多孔性材料の厚さ
は、通常約50〜約500μmの範囲内、好ましくは約
70〜約300μmの範囲内である。
空気バリアー層として用いることができる織物の例とし
ては、天然繊維からなる織物(例、綿ブロード等)半合
成繊維からなる織物(例、ビスコースレーヨン、銅アン
モニアレーヨン、フォルチザン等の再生セルロース繊維
からなるブロード織物等)、合成繊維からなる織物
(例、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリアクリルニトリル等の繊維からなるブロー
ド織物等)、天然繊維と半合成繊維または合成繊維との
混紡織物(例、綿繊維とポリエチレンテレフタレート繊
維の混紡糸等からなるブロード織物等)を挙げることが
できる。空気バリアー層として用いることができる編物
の例としては、前記織物の製造に用いることができる繊
維と同じ繊維または繊維の撚り糸からなる編物を挙げる
ことができる。また、空気バリアー層として用いること
ができる細網状物の例としては、合成繊維または糸
(例、ポリアミド(ナイロン)、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリアクリロニトリル、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、ポリビニルクロリド等)からなる細ネットま
たは細メッシュを挙げることができる。以上の織物、編
物、細網状物の厚さは、通常約30〜約300μmの範
囲内である。また、織物、編物、細網状物の空隙率は通
常約20%〜約60%、好ましくは約40%〜約60%
である。
以上の連続した空隙を有する多孔性材料からなる空気バ
リアー層は、その内部空隙において、液体、特にアルカ
リ性材料等の妨害物を溶解含有する液体が、毛細管現象
によってバリアー層を通過する危険性がある。したがっ
て、上記毛細管現象による毛細管流を生じない程度に、
空気バリアー層は疎水性または撥水性を有していること
が好ましい。また、連続した空隙を有する多孔性材料の
疎水性または撥水性が弱い場合には、疎水化処理または
撥水化処理を施すことが好ましい。上記多孔性材料の疎
水化処理または撥水化処理は、シリコーン樹脂、シリコ
ーンオイル、弗素樹脂、弗素オイルに代表される一般に
疎水化処理剤または撥水化処理剤として公知の材料をそ
のまま、あるいは必要により溶剤(例えば、ヘキサン、
シクロヘキサン、石油エーテル等)で固形分含有量が約
0.1〜約5重量%の範囲内になるように稀釈し、これ
を含浸、塗布またはスプレー等の方法により、連続した
空隙を有する多孔性材料の少なくとも一表面およびその
近傍に適用することにより実施することができる。
空気バリアー層は、前述した指示薬層のマトリックスを
構成している有機溶剤性バインダーポリマーあるいは水
溶性バインダーポリマーに、連続した空隙を有する多孔
性材料を接着することで形成される。上記多孔性材料の
接着は、指示薬層が湿潤状態であるときに、多孔性材料
を貼り付けて、乾燥させることで接着する方法を用いる
ことができる。指示薬層が湿潤状態であるとは、バイン
ダーを溶解している溶媒が残っているか、あるいは乾燥
した膜が可溶性溶媒(有機溶媒がまたは水)で再び濡ら
されて、指示薬層のマトリックスを構成しているバイン
ダーが膨潤状態、分散状態または溶液状態にあることを
意味する。また、指示薬層のバインダーが、たとえばポ
リ酢酸ビニルのように粘着性を有する場合には、指示薬
層を特に湿潤状態とすることなく、連続した空隙を有す
る多孔性材料を、そのまま指示薬層に圧着することで接
着することができる。
疎水性(または親水性の乏しい)ポリマーからなる均質
な非孔質薄層であるポリマーバリアー層は、ポリマーと
して、疎水性または親水性の乏しいポリマーを用いるこ
とが好ましい。疎水性または親水性の乏しいポリマーの
具体例としては、セルロース・アセテート・プロピオネ
ート、セルロース・アセテート・ブチレート、ビスフェ
ノールAのポリカルボネート、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、エチレン・酢酸ビニルコポリマー、ポリウレタ
ン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル・酢酸
ビニルコポリマー、ポリアミド(ナイロン)、ポリメチ
ルメタクリレート、およびポリビニルブチラールなどを
挙げることができる。これらのポリマーは、単独でも、
これらのポリマー相互の混合物としても、用いることが
できる。
ポリマーバリアー層の厚さは、通常約0.1〜約6μm
の範囲内にあり、特に約0.2〜約3μmの範囲内にあ
ることが好ましい。ポリマーバリアー層は特公昭58−
19062号公報および特開昭60−21452号公報
にそれぞれ記載の方法によりポリマーの有機溶媒溶液を
塗布し乾燥することにより設けることができる。
バリアー層としては分析操作時間の短かさ、高感度、お
よび指示薬層の発色または変色の一様性の良好さの観点
からポリエチレン、ポリプロピレン等のビニールポリマ
ー、ポリテトラフルオロエチレン等の弗素含有ビニール
ポリマー等からなるメンブランフィルターまたは撥水処
理したメンブランフィルターからなる空気バリアー層が
好ましい。
バリアー層の上に、直接、または後述する粘着性中間層
を介して、アンモニア生成物質と反応してガス状アンモ
ニアを生成させる試薬を含有するアンモニア生成反応層
(以下単に反応層と記すことがある)を設ける。反応層
は、アンモニア生成物質と反応してアンモニアを生成さ
せる試薬(一般には、酵素または酵素を含有する試
薬)、反応により生成したアンモニアをガス状アンモニ
アとして効率良く遊離させるためのアルカリ性緩衝剤お
よびフィルム形成能を有する親水性ポリマーバインダー
を通常含有する層である。
アンモニア生成物質と反応してアンモニアを生成させる
試薬は酵素、または酵素を含有する試薬であることが好
ましく、アナライトであるアンモニア生成物質の種類に
応じて、分析に適した酵素を選択して用いることができ
る。上記試薬として酵素を用いる場合には、その酵素の
特異性から、アンモニア生成物質と試薬の組み合せが決
定される。アンモニア生成物質/試薬の組合せの具体例
としては、尿素/ウレアーゼ、クレアチニン/クレアチ
ニンデイミナーゼ、アミノ酸/アミノ酸デヒドロゲナー
ゼ、アミノ酸/アミノ酸オキシダーゼ、アミノ酸/アン
モニアリアーゼ、アミン/アミンオキシダーゼ、ジアミ
ン/アミンオキシダーゼ、グルコース及びホスホアミダ
ート/ホスホアミダートヘキソースホスホトランスフェ
ラーゼ、ADP/カルバミン酸塩キナーゼ及び燐酸カル
バモル、酸アミド/アミドヒドロラーゼ、ヌクレオ塩基
/ヌクレオ塩基デアミナーゼ、ヌクレオシド/ヌクレオ
シドデアミナーゼ、ヌクレオチド/ヌクレオチドデアミ
ナーゼ、グアニン/グアナーゼ等を挙げることができ
る。
反応層に用いることができるアルカリ性緩衝剤として
は、pHが7.0から10.5、好ましくは7.5から1
0.0の範囲の緩衝剤を用いることができる。緩衝剤の
具体例としては、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDT
A)、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(Tr
is)、燐酸塩緩衝剤、N,N−ビス(2−ヒドロキシ
エチル)グリシン(Bicine)、N−[トリス(ヒ
ドロキシメチル)メチル]−3−アミノプロパンスルホ
ン酸(Taps)、N−2−ヒドロキシエチルピペラジ
ン−N′−2−ヒドロキシプロパン−3−スルホン酸
(Heppso)、N−2ヒドロキシエチルピペラジン
−N′−3−プロパンスルホン酸(Epps)、N,N
−ビス(2−ヒドロキシエチル)−2−アミノエタンス
ルホン酸、3−[N−ビス(ヒドロキシエチル)アミ
ノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(Dips
o)、N−ヒドロキシエチルピペラジン−N′−エタン
スルホン酸(Hepes)、ピペラジン−N,N′−ビ
ス(2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)2水和物(P
opso)、3−[N−トリス(ヒドロキシメチル)メ
チルアミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(T
apso)、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルア
ミノエタンスルホン酸(Tes)、N−[2−ヒドロキ
シ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル]グリシ
ン(Tricine)等またはこれらのリチウム塩、ナ
トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、またはア
ルカリ土類金属塩等を挙げることができる。上記緩衝剤
の詳細は、「Biochemistry」5巻467〜477頁(1966
年)、「Analytical Biochememtry」104巻、300〜310頁
(1980年)、日本化学会編「化学便覧 基礎編」(東
京、丸善(株)1966年発行)1312−1320頁等に記載され
ている。
反応層に用いることができるフイルム形成能を有する親
水性ポリマーバインダーとしては、前述の指示薬層に用
いることができる水溶性バインダーポリマーのうち親水
性を有するポリマーから適宜に選択して用いることがで
きる。その他、反応層に用いることができる親水性ポリ
マーとしては、ゼラチン、ゼラチン誘導体、アガロー
ス、プルラン、プルラン誘導体、ポリビニルアルコー
ル、ポリアクリルアミド等を挙げることができる。これ
らのポリマーのうちでは、ゼラチンまたはゼラチン誘導
体を用いるのが一般的には好ましい。
反応層には、アンモニア生成物質と反応してアンモニア
を生成させる試薬、アルカリ性緩衝剤およびフイルム形
成能を有する親水性ポリマーバインダー以外にも、必要
に応じて、湿潤剤、バインダー架橋剤(硬化剤)、安定
剤、重金属イオントラップ剤(錯化剤)等を含有させる
ことができる。重金属イオントラップ剤は、酵素活性を
阻害するような重金属イオンをマスキングするために使
用されるものである。重金属イオントラップ剤の具体例
としては、EDTA・2Na、EDTA・4Na、ニト
リロトリ酢酸(NTA)、ジエチレントリアミンペンタ
酢酸のようなコンプレクサン(complexane)を挙げるこ
とができる。アルカリ性pH緩衝剤としては、前述の反応
層又は後述の内因性アンモニア捕捉層に用いられるのと
同様なpH緩衝剤又はアルカリ剤がある。
反応層は、アンモニア生成物質と反応してアンモニアを
生成させる試薬、アルカリ性緩衝剤および必要に応じて
加えられる上記の試薬類を、フイルム形成能を有するゼ
ラチン等の親水性バインダーと混合して塗布液とし、バ
リアー層または粘着性中間層の上に塗布、乾燥すること
により形成することができる。
反応層に含まれるアンモニア生成物質と反応してアンモ
ニアを生成させる試薬の量は、酵素の場合、被覆量とし
て1m2当り約100U〜約1万U、好ましくは約200
U〜約5千Uの範囲内である。アルカリ性緩衝剤の使用
量は、バインダーの重量に対して約1〜約30重量%の
範囲内であるのが適当である。また、重金属イオントラ
ップ剤を使用する場合、その使用量は、バインダーの重
量に対して約0.5〜20%の範囲内であるのが適当で
ある。
この反応層の乾燥層厚は通常1〜20μmの範囲内、好
ましくは3〜10μmの範囲内である。
バリアー層と反応層の間に設けることができる粘着性中
間層は、湿度10%〜85%、通常の環境温度(約0℃
から約40℃)の大気中で粘着性を示すポリマー組成物
からなる層である。上記粘着性中間層は、特開昭60−
21452号明細書に記載の素材および方法に従って設
けることができる。粘着性中間層を構成するポリマー組
成物は、ガラス転移点(Tg)が0℃以下の公知のポリ
マーの単一物または二種以上の混合物、またはそれに必
要に応じて公知の粘着付与剤(タッキファイアー)や界
面活性剤などを添加した混合物である。粘着性中間層の
厚さは、通常約0.1〜6μmの範囲内、好ましくは約
1〜4μmの範囲内である。
粘着性中間層に用いることができるポリマーの具体例と
しては、酢酸ビニル・ブチルアクリレートコポリマー、
ポリ(エチルアクリレート)、スチレン・ブチルアクリ
レート・アクリル酸・N−(ヒドロキシメチル)アクリ
ルアミド四元コポリマー、ブチルアクリレート・(アセ
ト酢酸エチル)メタクリレート・2−アクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸三元コポリマー等を挙げ
ることができる。
バリアー層が疎水性(または親水性に乏しい)ポリマー
の均質な非孔質薄層からなるポリマーバリアー層の場合
には、粘着性中間層を設けることが好ましい。
アンモニア生成反応層の上に、アンモニア生成反応層で
生成したアンモニアがアンモニア捕捉層へ拡散すること
を実質的に防止する機能を有し、アンモニア捕捉及びア
ンモニア生成反応のいずれも実質的に行なわないアンモ
ニア拡散防止層を設ける。
アンモニア拡散防止層はアンモニア捕捉及びアンモニア
生成反応が実質的に行なわない層であれば、他の機能を
有する層で代用することもできる。他の機能を有する層
の例としては、硬化親水性ポリマー層、光遮蔽層、接着
層などがある。
アンモニア拡散防止層に用いることができるポリマーバ
インダーは、好ましくは実質的に非孔性で水透過性の被
膜の形成機能があり、反応層の上に直接又は適宜な中間
層を介在させて、塗り重ねができるものであれば任意に
選択することができる。前記指示薬層あるいは反応層に
用いられるポリマーバインダーのうち、実質的に水が透
過し得るものであれば、いずれも使用可能である。これ
らのうちで反応層に用いられるのと同様な親水性ポリマ
ー、特に水により膨潤するか水可溶性の親水性ポリマー
が好ましい。好ましい親水性ポリマーとしてゼラチン、
ゼラチン誘導体があげられる。
アンモニア拡散防止層は、ポリマーバインダー単独で用
いることができるが、アンモニア拡散防止の効率を高め
るために、適宜な緩衝剤により、pH値約7.0〜約1
1.0の間に設定するのが好ましい。さらに、特に好ま
しいpH値は約8.0〜約10.0の範囲である。
アンモニア拡散防止層のpH値を前記の範囲に維持するた
めの緩衝能としては、上記のpH範囲で緩衝能を有するも
のであれば任意に選択することができる。アンモニア拡
散防止に用いることができる緩衝剤の具体的な例として
は、前述の反応層又は後述の内因性アンモニア捕捉層に
用いるのと同様なアルカリ性緩衝剤およびアルカリ剤が
ある。
アンモニア拡散防止層は、アンモニア拡散防止の観点か
ら厚いほうが好ましく、水の透過の観点からは薄いほう
が好ましく、両機能を満たす範囲の層厚が選択される。
アンモニア拡散防止層は、親水性ポリマーバインダーを
含む実質的に非孔性の層の場合、その厚さは約5μmか
ら約50μm、好ましくは約7μmから約30μmの範
囲、そのポリマーバインダーの被覆量は多層要素1m2
り約4.0gから約40g、好ましくは約5.5gから
約25gの範囲である。
アンモニア拡散防止層の上に直接、または後述する光遮
蔽層または他の中間層を介して、水性液体試料中にすで
に存在するアンモニア(内因性アンモニア)に作用して
内因性アンモニアを実質的に前記反応層に到達しえない
状態に変化させる試薬を含む内因性アンモニア捕捉層
(以下、単に内因性アンモニア捕捉層と記す)を設け
る。内因性アンモニア捕捉層は、アナライト(被検成
分)であるクレアチニンまたは尿素窒素等のアンモニア
生成物質が反応層に到達してアンモニアが生成する反応
が生起するに先だって、併存する内因性アンモニアを捕
捉する機能を有する層である。
内因性アンモニアを捕捉するとは、内因性アンモニア捕
捉層に含有される試薬系が内因性アンモニアと結合して
内因性アンモニアを分析操作時間内に実質的に解離する
ことができない状態にするか、または内因性アンモニア
捕捉層に含有される試薬系が内因性アンモニアと化学反
応を起こして、内因性アンモニアを他の化学物質(具体
的には、アンモニウム塩、アンモニウムイオンあるいは
ガス状アンモニアとは異なる化学物質)に変化させるこ
とにより内因性アンモニアを内因性アンモニア捕捉層内
に固定して、実質的に反応層に到達させないことを意味
する。内因性アンモニア捕捉層としては、後者の内因性
アンモニアと反応して固定する機能を有する試薬系を含
有することが好ましい。内因性アンモニアと化学反応を
起こして、内因性アンモニアを異なる他の化学物質に変
化させる試薬系を本明細書では内因性アンモニア捕捉試
薬という。
内因性アンモニア捕捉試薬としては、アンモニアを基質
として他の物質に変化させる触媒能を有する酵素を含む
試薬組成物を用いるのが好ましい。内因性アンモニア捕
捉試薬の具体例としては、NADH(ニコチンアミド・
アデニン・ジヌクレオチド還元型)および/またはNA
DPH(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド・
ホスフェート還元型)、グルタミン酸デヒドロゲナーゼ
(EC1.4.1.3とEC1.4.1.4の2種の酵
素があり、いずれも使用可能;以下、GLDHと記す)
およびα−ケトグルタル酸(またはその塩;以下、α−
KGと記す)を含む試薬組成物を挙げることできる。ま
たアスパルターゼ(EC4.3.1.1)とフマル酸ま
たはフマル酸塩を含む試薬組成物を用いてもよい。本発
明の一体型多層分析要素においては、NADH、GLD
Hおよびα−KGを含む試薬組成物を内因性アンモニア
捕捉試薬として用いることが好ましい。また、GLDH
を含む試薬組成物またはアスパルターゼを含む試薬組成
物を用いる場合には、内因性アンモニア捕捉層のpH値を
通常8.5以下、好ましくは7.0から8.5の範囲内
に維持できるように、適当な緩衝剤を用いることが好ま
しい。
内因性アンモニア捕捉試薬に用いることができる、前述
のpH値を維持する緩衝剤としては、日本化学会編「化学
便覧 基礎編」(東京、丸善(株)、1966年発行)1312
-1320頁に記載の緩衝剤、Norman E Good et al著、Bioc
hemistry、(2)、467-477(1966)、Hydrogen Ion Bu
ffers for Biological Research記載の緩衝剤、R.
M.C.Dawson et al編のDate for Biochemical Resea
rch第2版(Oxford at the Clarendon Press1969年発
行)476-508頁、Analytical Biochemistry、104、30
0-310 (1980)に記載の緩衝剤等を挙げることができる。
また、特公昭57−28277号公報記載の一体型多層
分析要素に用いられる有機酸類またはそのアルカリ金属
(またはアルカリ土類金属)塩類、特開昭59−143
959号および特開昭60−10171各号公報に記載
の一体型多層分析要素に用いられる塩基性ポリマー、酸
性ポリマー、酸性ポリマーのアルカリ金属(またはアル
カリ土類金属)塩類など、およびこれらの混合物等も上
記緩衝剤として用いることができる。
これらのpH緩衝剤のうちで、特に好ましい緩衝剤の具体
例としては、燐酸水素ニナトリウムと3−モルホリノプ
ロパンスルホン酸(MOPS,CAS Reg.No[1132-61-2])
と水酸化ナトリウムの組合せ、燐酸二水素カリウムと燐
酸水素二ナトリウムの組合せ、燐酸水素二ナトリウムと
クエン酸の組合せ、ホウ酸と塩化ナトリウムとホウ砂の
組合せ、燐酸二水素カリウムと四ホウ酸ナトリウムの組
合せ、四ホウ酸ナトリウムと水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム又は水酸化リチウム等のアルカリ剤との組合せ
等を挙げることができる。
内因性アンモニア捕捉層は、上記内因性アンモニア捕捉
試薬やpH緩衝剤等の試薬類および被膜形成能を有する親
水性ポリマーバインダーからなる層である。上記親水性
ポリマーバインダーとしては、前述の反応層に用いるこ
とができるとして挙げた親水性ポリマーバインダーと同
じものを用いることができる。これらのポリマーのうち
では、ゼラチンまたはゼラチン誘導体を用いるのが一般
的には好ましい。
内因性アンモニア捕捉層の層厚は通常は約3〜約30μ
m、好ましくは約5〜約20μmである。
内因性アンモニア捕捉層は、NADPHまたはNAD
H、α−ケトグルタル酸(α−KG)、およびグルタミ
ン酸デヒドロゲナーゼ(GLDH)を含有することが好
ましい。これらの各成分の含有量(内因性アンモニア捕
捉層1m2当り)およびその好ましい含有量の範囲を次に
記す。
なお、内因性アンモニア捕捉層がアスパルターゼとフマ
ル酸(フマル酸塩であってもよい)を含有する場合の、
それぞれの好ましい含有量の範囲は、アスパルターゼ1
000ユニット/m2以上、フマル酸および/またはフマ
ル酸塩)200mg/m2以上である。
内因性アンモニア捕捉層は、前記のようにアンモニア拡
散防止層の上に設けられた、ポリマーバインダーを含む
実質的に非孔質の層としてのほかに、多孔性展開層又は
多孔性展開層とアンモニア拡散防止層の間に設けられた
微多孔性層の中にアンモニア捕捉試薬、pH緩衝剤、及び
所望により併用される親水性ポリマーを含有させた微多
孔性層とすることができる。多孔性展開層中にアンモニ
ア捕捉試薬類を含有させた態様においては、展開層は内
因性アンモニア捕捉層をかねる層として機能する。微多
孔性の内因性アンモニア捕捉層においても、アンモニア
捕捉試薬の含有量(被覆量)、pH緩衝剤の種類、含有量
(被覆量)及びpH値範囲等はポリマーバインダーを含む
実質的に非孔性層の場合と同様である。微多孔性の内因
性アンモニア除去層と多孔性展開層との接着は、特開昭
61−4959号に記載の多孔性接着技術によることが
好ましい。
バリアー層と内因性アンモニア捕捉層の間に設けること
ができる光遮蔽層は、光遮蔽性、または光遮蔽性と光反
射性とを兼ね備えた微粒子または微粉末(以下、単に微
粒子と記す)が、少量の被膜形成能を有する親水性(ま
たは弱親水性)のポリマーバインダーに分散保持されて
いる水透過性または水浸透性の層である。光遮蔽層は、
指示薬層にて発生した検出可能な変化(色変化、発色緩
衝剤等)を支持体側から反射測光する際に、後述する多
孔性展開層に点着供給された水性液体試料の色、特に全
血の場合のヘモグロビンによる赤色等を遮蔽するととも
に光反射層および背景層としても機能する。
光遮蔽性と光反射性とを兼ね備えた微粒子の例として
は、二酸化チタン微粒子、硫酸バリウム微粒子、アルミ
ニウム微粒子または微小フレーク等を挙げることができ
る。
皮膜形成能を有する親水性(または弱親水性)ポリマー
バインダーの例としてはゼラチン、ゼラチン誘導体、ポ
リアクリルアミド等がある。ゼラチン、ゼラチン誘導体
は公知の硬化剤(架橋剤)を混合して用いることができ
る。
光遮蔽層に含有させる光遮蔽性微粒子とポリマーバイン
ダー(乾燥時)との比は、体積比で通常光遮蔽性微粒子
10に対しポリマーバインダー(乾燥体積)約2.5か
ら約7.5の範囲、好ましくは約3.0から約6.5の
範囲である。光遮蔽性微粒子が二酸化チタン微粒子の場
合には、重量比で二酸化チタン微粒子10に対しポリマ
ーバインダー(乾燥重量)約0.6から約1.8の範
囲、好ましくは約0.8から約1.5の範囲である。光
遮蔽層の乾燥層厚は、通常3μmから30μmの範囲
内、好ましくは約5μmから約20μmの範囲内であ
る。
多孔性展開層としては特開昭55−164356、特開
昭57−66359等に記載の織物展開層(例、ブロー
ド、ポプリン等の平織等)、特開昭60−222769
等に記載の編物展開層(例、トリコット編、ダブルトリ
コット編、ミラニーズ編等)、特開昭57−14825
0に記載の有機ポリマー繊維パルプ含有抄造紙からなる
展開層、特公昭53−21677、米国特許3,992,158
等に記載のメンブランフィルタ(ブラッシュポリマー
層)、ポリマーミクロビーズ,ガラスミクロビーズ、珪
藻土が親水性ポリマーバインダーに保持されてなる連続
微空隙含有多孔性層等の非繊維等方的多孔性展開層、特
開昭55−90859に記載のポリマーミクロビーズが
水で膨潤しないポリマー接着剤で点接触状に接着されて
なる連続微空隙含有多孔性層(三次元格子状粒状構造物
層)からなる非繊維等方的多孔性展開層等を用いること
ができる。
多孔性展開層には、アンモニア捕捉試薬、pH緩衝剤等を
含有させることにより、内因性アンモニア捕捉層を兼ね
ることができるが、その場合には、試薬組成物を展開層
中に含有保持させやすい点で織物展開層、編物展開層に
代表される繊維質展開層が好ましい。
展開層にアンモニア捕捉酵素を含む試薬組成物を含有さ
せる方法の例として特開昭59−171864、特開昭
60−222769、特開昭60−222770号等に
記載のように、塗布層の上に多孔性展開層を設けた後、
展開層の上から酵素含有試薬組成物含有水溶液、または
有機溶媒含有溶液を塗布する方法がある。
多孔性展開層に用いられる織物生地または編物生地は特
開昭57−66359に記載のグロー放電処理またはコ
ロナ放電処理に代表される物理的活性化処理を布生地の
少なくとも片面に施すか,または特開昭55−1643
56、特開昭57−66359等に記載の水洗脱脂処
理、親水性ポリマー含浸等親水化処理,またはこれらの
処理工程を適宜に組み合せて逐次実施することにより布
生地を親水化し、下側(支持体に近い側)の層との接着
力を増大させることができる。
親水性ポリマーバインダーを含む実質的に非孔性の内因
性アンモニア捕捉層は別に接着層を設けず、そのまま直
接多孔性展開層を接着するための接着層としての機能も
持たせることができるが、展開層を強固に接着一体化す
る目的でゼラチンに代表される親水性ポリマーからなる
公知の接着層を設けることができる。接着層の乾燥時の
厚さは約0.5μmから約5μmの範囲である。
指示薬層、反応層、アンモニア拡散防止層、内因性アン
モニア捕捉層、光反射層、接着層、展開層、アンモニア
捕捉試薬組成物を含有する展開層等には界面活性剤を含
有させることができる。その例としてノニオン性界面活
性剤がある。ノニオン性界面活性剤の具体例として、p
−オクチルフエノキシポリエトキシエタノール、p−ノ
ニルフエノキシポリエトキシエタノール、ポリオキシエ
チレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタ
ンモノラウレート、p−ノニルフエノキシポリグリシド
ール、オクチルグリコシド等がある。ノニオン性界面活
性剤を展開層に含有させることにより水性液体試料の展
開作用(メータリング作用)がより良好になる。ノニオ
ン性界面活性剤を試薬層または吸水層に含有させること
にり分析操作時に水性液体試料中の水が試薬層または吸
水層に実質的に一様に吸収されやすくなり、また展開層
との液体接触が迅速にかつ実質的に一様になる。
本発明の多層分析要素は前述の諸特許明細書に記載の公
知の方法により調製することができる。
本発明の多層分析要素は一辺約15mmから約30mmの正
方形またはほぼ同サイズの円形等の小片に裁断し、特公
昭57−28331、実開昭56−142454、特開
昭57−63452、実開昭58−32350、特表昭
58−501144等に記載のスライド枠に収めて化学
分析スライドとして用いることが、製造、包装、輸送、
保存、測定操作等諸種の観点で好ましい。使用目的によ
っては、長いテープ状でカセットまたはマガジンに収め
て用いること、または小片を開口のあるカードに貼付ま
たは収めて用いることなどもできる。
本発明の多層分析要素は前述の諸特許明細書等に記載の
操作により液体試料中のアナライト(アンモニア生成物
質)の分析を実施できる。すなわち約5μLから約30
μL、好ましくは8μLから15μLの範囲の全血、血
漿、血清、尿等の水性液体試料滴を展開層に点着し、1
分から10分の範囲で、約20℃から約40℃の範囲の
実質的に一定の温度で、好ましくは37℃近傍の実質的
に一定の温度でインクベーションし、要素内の発色又は
変色を可視光又は紫外光の吸収極大波長またはその近傍
の波長の光を用いて光透過性支持体側から反射測光し、
予め作成した検量線を用いて比色測定法の原理により液
体試料中のアナライトの含有量を求めることができる。
あるいは、要素内の蛍光の強度を測光し、予め作成した
検量線を用いて液体試料中のアナライト含有量を求める
ことができる。点着する液体試料の量、インクベーショ
ン時間及び温度を一定にすることによりアナライトの定
量分析を高精度で実施できる。測定操作は特開昭60−
125543、特開昭60−220862、特開昭61
−294367、特開昭58−161867等に記載の
化学分析装置により極めて容易な操作で高精度の定量分
析を実施できる。
[実施例1] 透明ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム
(厚さ180μm)の上に下記の被覆量となるよう指示
薬層を塗布し、乾燥後、ポリプロピレン製メンブランフ
ィルター(平均孔径0.2μm、空隙率75%、厚さ1
70μm)を均一に圧着して空気バリアー層を設けた。
指示薬層の被覆量(1m2当り) ブロムフェノールブルー 340mg ポリ酢酸ビニル・アクリル酸エチル 共重合体ラテックス 8.5g N−ポリオキシエチレン−N− オクタンスルホンアミド (エトキシ平均重合度16) 100mg 次いで、空気バリアー層の上に、反応層、中間層および
内因性アンモニア捕捉層を、各々、下記のような被覆量
となるよう順次水溶液から塗布、乾燥して設けた。
反応層被覆量(1m2当り) アルカリ処理ゼラチン 11.7g 四ホウ酸ナトリウム 1.7g p−ノニルフェノキシポリグリシドール (グリシドール単位平均10) 300mg クレアチニンイミノヒドロラーゼ (EC3.5.4.21) 750U (水酸化ナトリウムを添加して塗布液のpH値を9.5に
調整する;以下pH値は同様にして調整する) アンモニア拡散防止層被覆量(1m2当り) 乾燥厚さ7.5μm アルカリ処理ゼラチン 8.3g p−ノニルフェノキシポリグリシドール (グリシドール単位平均10) 200mg 四ホウ酸ナトリウム 750mg (塗布液のpH9.0) 内因性アンモニア捕捉層被覆量(1m2当り) アルカリ処理ゼラチン 7.5g 四ホウ酸ナトリウム 1.35g p−ノニルフェノキシポリグリシドール (グリシドール単位平均10) 170mg α−ケトグルタル酸 2.5g NADPH 1.6g GLDH(EC1.4.1.4) 70000U (塗布液のpH8.0) 内因性アンモニア捕捉層を0.2%p−ノニルフェノキ
シポリグリシドール水溶液で、ほぼ均一に湿潤させ、直
ちに、グロー放電処理したPET紡績糸製で厚さ約24
0μmのトリコット編物布地(ゲージ数40、NaOH
にて25%減量処理したもの)を密着させつつ、加圧ロ
ーラー間を通過させて、両者を均一にラミネートした。
さらにこの積層物に、展開性を改良する目的で下記の被
覆量となるよう、含浸塗布し、乾燥してクレアチニン定
量分析用一体型多層分析要素を調製した。
メチルセルロース (2%水溶液の20℃での粘度50cps) 800mg ヒドロキシプロピルセルロース (メトキシ基28〜30%、 ヒドロキシプロポキシ基7〜12%含有; 2%水溶液の20℃での粘度50cps) 800mg 二酸化チタン微粒子 (ルチル型、粒径0.25〜0.40μm) 10.7g ノニルフェノキシポリエトキシエタノール (エトキシ単位重合度40) 2.0g p−ノニルフェノキシポリグリシドール (グリシドール単位平均10) 220mg [実施例2] アンモニア拡散防止層の各成分の被覆量を下記のように
変えたほかは実施例1の場合と同様にして、クレアチニ
ン定量分析用一体型多層分析要素を調製した。
アンモニア拡散防止層被覆量(1m2当り) 乾燥厚さ15μm アルカリ処理ゼラチン 16.6g p−ノニルフェノキシポリグリシドール (グリシドール単位平均10) 400mg 四ホウ酸ナトリウム 1500mg (塗布液のpH9.0) [実施例3] 内因性アンモニア捕捉層を下記の被覆量になるように変
えたほかは実施例1と同様にしてクレアチニン定量分析
用一体型多層分析要素を調製した。
内因性アンモニア捕捉層被覆量(1m2当り) アルカリ処理ゼラチン 7.5g 四ホウ酸ナトリウム 1.35g p−ノニルフェノキシポリグリシドール (グリシドール単位平均10) 170mg α−ケトグルタル酸ナトリウム 2.5g NADH 160mg アデノシン−2−リン酸(ADP) 560mg GLDH 10500U (塗布液のpH8.0) [比較例1] アンモニア拡散防止層を設けず反応層の上に直接内因性
アンモニア捕捉層を設けたほかは、実施例1と同様にし
て、クレアチニン定量分析用一体型多層分析要素を調製
した。
[比較例2] アンモニア拡散防止層を設けず反応層の上に直接内因性
アンモニア捕捉層を設けたほかは、実施例3と同様にし
て、クレアチニン定量分析用一体型多層分析要素を調製
した。
[クレアチニン定量性能評価] 前記の5種のクレアチニン定量分析用一体型多層分析要
素を下記の方法で評価を実施した。
7%人血清アルビミン水溶液に、クレアチニン結晶を最
終濃度がそれぞれ1、2、4、8、16mg/dLとなるよ
う溶解し、評価試験液を調製した。
各分析要素の展開層に評価試験液を10μLずつ点着
し、6分後の発色光学濃度を中心波長600nmの可視光
を用いて反射測光した。第1表及び第2表の数字は、各
評価試験液を点着した場合の発色光学濃度値とクレアチ
ニンを含まない液を点着した場合の発色光学濃度値の差
の値である。
第1表は内因性アンモニア捕捉層中の捕酵素としてNA
DPHを用いたものについて得られた結果であり、実施
例1および2に示したクレアチニン分析用一体型多層分
析要素は、アンモニア拡散防止層のない比較例1にに示
すものより、発色光学濃度が高いことが明らかである。
実施例1、2および比較例1のクレアチニン分析用一体
型多層分析要素は、内因性アンモニアを約600μg/
dL以下の濃度で含む場合に発色光学濃度に影響がな
い。
第2表は、内因性アンモニア捕捉層中の捕酵素としてN
ADHを用いたものについて得られた結果であり、実施
例3に示したクレアチニン分析用一体型多層分析要素
は、アンモニア拡散防止層のない比較例2に示したもの
より発色光学濃度が大きいことが明らかである。
なお、実施例3および比較例2のクレアチニン分析用一
体型多層分析要素は、内因性アンモニアを約200μg
/dL以下の濃度で含む場合に発色光学濃度に影響がな
い。
[実施例4] 反応層被覆量(1m2当り) アルカリ処理ゼラチン 10.0g 四ホウ酸ナトリウム 2.5g p−ノニルフェノキシポリグリシドール (グリシドール単位平均10含有) 230mg クレアチニンイミノヒドロラーゼ 1125U (水酸化ナトリウムを添加して塗布液のpH値を9.5に
調整する) 展開層に含浸塗布する成分の被覆量(1m2当り) メチルセルロース (2%水溶液の20℃での粘度50cps) 1100mg ヒドロキシプロピルセルロース (メトキシ基28〜30%、 ヒドロキシプロポキシ基7〜12%含有; 2%水溶液の20℃での粘度50cps) 1100mg 二酸化チタン微粒子 (ルチル型、粒子径0.25μm〜0.40μm) 1
4.9g ノニルフェノキシポリエトキシエタノール (エトキシ単位平均40含有) 2670mg p−ノニルフェノキシポリグリシドール (グリシドール単位平均10含有) 590mg に変えたほかは実施例1と同様にして、無色透明PET
フィルム支持体の上に指示薬層、空気バリアー層、反応
層、中間層、内因性アンモニア補足層、編物布地からな
る展開層をこの順に接着一体化した構成のクレアチニン
定量分析用一体型多層分析要素を調製した。
実施例1と同様にしてクレアチニン定量性能の評価試験
を実施したところ、実施例1の要素と同様の性能を有し
ていた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水性液体試料中にすでに存在するアンモニ
    アを捕捉する内因性アンモニア捕捉層,及びアンモニア
    生成物質と反応してガス状アンモニアを生成させうる試
    薬組成物を含有するアンモニア生成反応試薬層を,水性
    液体試料が点着される側からこの順で有する一体型多層
    分析要素において,前記内因性アンモニア捕捉層と前記
    アンモニア生成反応試薬層との間に,アンモニア捕捉及
    びアンモニア生成反応のいずれをも実質的に行わずかつ
    実質的にアンモニアの拡散防止能を有する中間層を少な
    くとも1層有することを特徴とするアンモニア生成物質
    定量用一体型多層分析要素。
  2. 【請求項2】前記中間層の厚さが5μm以上である特許
    請求の範囲第1項に記載の多層分析要素。
JP62094138A 1987-04-16 1987-04-16 アンモニア生成物質定量用一体型多層分析要素 Expired - Fee Related JPH0664056B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62094138A JPH0664056B2 (ja) 1987-04-16 1987-04-16 アンモニア生成物質定量用一体型多層分析要素
EP88106044A EP0287112B1 (en) 1987-04-16 1988-04-15 Integral multi-layer analysis element
DE3852558T DE3852558T2 (de) 1987-04-16 1988-04-15 Integriertes mehrschichtiges analytisches Element.
US07/182,707 US5008078A (en) 1987-04-16 1988-04-18 Integral multi-layer analysis element

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP62094138A JPH0664056B2 (ja) 1987-04-16 1987-04-16 アンモニア生成物質定量用一体型多層分析要素

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS63259467A JPS63259467A (ja) 1988-10-26
JPH0664056B2 true JPH0664056B2 (ja) 1994-08-22

Family

ID=14102029

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP62094138A Expired - Fee Related JPH0664056B2 (ja) 1987-04-16 1987-04-16 アンモニア生成物質定量用一体型多層分析要素

Country Status (4)

Country Link
US (1) US5008078A (ja)
EP (1) EP0287112B1 (ja)
JP (1) JPH0664056B2 (ja)
DE (1) DE3852558T2 (ja)

Families Citing this family (27)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2552199B2 (ja) * 1990-10-19 1996-11-06 富士写真フイルム株式会社 アンモニア又はアンモニア生成物質定量用一体型多層分析要素
JP2611890B2 (ja) * 1991-07-19 1997-05-21 富士写真フイルム株式会社 乾式分析要素を用いた測定方法及び乾式分析要素
US5527708A (en) * 1992-12-11 1996-06-18 Blass; Karl G. Sensitive and highly specific quantitative fluorometric assay for creatinine in biological fluids
AU687396B2 (en) * 1993-04-28 1998-02-26 Environmental Test Systems, Inc. Method and device for the determination of polymeric biguanides in aqueous fluids
US5561045A (en) * 1994-01-04 1996-10-01 Intracel Corporation Detection reagent, article, and immunoassay method
US5547833A (en) * 1994-01-04 1996-08-20 Intracel Corporation Radial flow assay, delivering member, test kit, and methods
DE4436948A1 (de) * 1994-10-15 1996-04-18 Merck Patent Gmbh Mittel und Verfahren zur Bestimmung von Ammoniumionen
JP3406089B2 (ja) * 1994-10-19 2003-05-12 富士写真フイルム株式会社 両性電解質を含む乾式分析素子
EP0763736B1 (en) * 1995-09-13 2003-04-16 Kyoto Daiichi Kagaku Co., Ltd. Analysis element and method for preparing the same
JP3674015B2 (ja) * 1996-10-02 2005-07-20 日東紡績株式会社 尿素窒素の測定方法およびその測定用キット
WO1998054563A1 (en) * 1997-05-29 1998-12-03 Angelo Joseph P D Estimation of active infection by helicobacter pylori
US5989840A (en) * 1997-05-29 1999-11-23 Americare International Diagnostics, Inc. Estimation of active infection by heliobacter pylori
US5945343A (en) * 1997-08-05 1999-08-31 Bayer Corporation Fluorescent polymeric sensor for the detection of urea
US5958786A (en) * 1997-08-05 1999-09-28 Bayer Corporation Fluorescent polymeric sensor for the detection of creatinine
AU3001199A (en) * 1998-03-06 1999-12-13 Joseph P. D'angelo Estimation of active infection by helicobacter pylori
US6287851B1 (en) 1999-07-09 2001-09-11 The Regents Of The University Of California Sensor for analyzing components of fluids
JP4004009B2 (ja) * 2000-10-16 2007-11-07 富士フイルム株式会社 アンモニア又はアンモニア生成物質分析用一体型多層分析素子
US20030113931A1 (en) * 2001-12-14 2003-06-19 Li Pan Ammonia and ammonium sensors
US20080279725A1 (en) * 2004-09-30 2008-11-13 Fuji Photo Film Co., Ltd. Multilayer Analytical Element
CA2597131A1 (en) * 2005-02-10 2006-08-17 Warner-Lambert Company Llc Fatty acid amide hydrolase assay
US8409864B2 (en) * 2006-01-06 2013-04-02 Renal Solutions, Inc. Ammonia sensor and system for use
US10760111B2 (en) * 2011-07-27 2020-09-01 Agamatrix, Inc. Reagents for electrochemical test strips
SG11201401634RA (en) * 2011-10-21 2014-09-26 Univ Singapore An array of elements forming a human-computer interface device
US10018607B2 (en) 2011-11-08 2018-07-10 Temasek Polytechnic Sensing system for detecting a substance in a dialysate
WO2014150048A1 (en) * 2013-03-15 2014-09-25 3M Innovative Properties Company Post-steam sterilization moisture-indicating articles
US10293340B2 (en) 2017-10-11 2019-05-21 Fitbit, Inc. Microfluidic metering and delivery system
US12030045B1 (en) * 2023-01-05 2024-07-09 Sequitur Health Corp. Devices, methods, and systems for deriving ammonia gas from whole blood

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3992158A (en) * 1973-08-16 1976-11-16 Eastman Kodak Company Integral analytical element
US3901657A (en) * 1974-04-29 1975-08-26 Sun Scient Inc Device for testing solutions and body fluids
USRE30267E (en) * 1975-06-20 1980-05-06 Eastman Kodak Company Multilayer analytical element
DE2626367C2 (de) * 1975-06-20 1982-04-22 Eastman Kodak Co., 14650 Rochester, N.Y. Analytisches Material für die analytische Bestimmung eines Stoffes in einer Flüssigkeitsprobe
US4166093A (en) * 1977-08-08 1979-08-28 Eastman Kodak Company Reduction of detectable species migration in elements for the analysis of liquids
JPH0229986B2 (ja) * 1980-08-22 1990-07-03 Fuji Photo Film Co Ltd Tasokagakubunsekizairyo
IT1137262B (it) * 1981-06-26 1986-09-03 Erba Farmitalia Metodo automatico su flusso continuo per il dosaggio della creatinina con creatinina desimidasi immobilizzata
JPS5877661A (ja) * 1981-11-02 1983-05-11 Fuji Photo Film Co Ltd アンモニアまたはアンモニア生成基質分析用一体型多層分析材料および検出法
JPS6156095A (ja) * 1984-08-27 1986-03-20 Kyowa Hakko Kogyo Co Ltd 基質または酵素活性の定量法
JPS61278761A (ja) * 1985-06-04 1986-12-09 Fuji Photo Film Co Ltd アンモニア生成基質分析用一体型多層分析要素
US4719085A (en) * 1985-12-24 1988-01-12 Eastman Kodak Company Mount for ammonia-sensitive test elements

Also Published As

Publication number Publication date
EP0287112A3 (en) 1989-12-27
EP0287112A2 (en) 1988-10-19
DE3852558T2 (de) 1995-05-24
EP0287112B1 (en) 1994-12-28
JPS63259467A (ja) 1988-10-26
US5008078A (en) 1991-04-16
DE3852558D1 (de) 1995-02-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2552199B2 (ja) アンモニア又はアンモニア生成物質定量用一体型多層分析要素
JPH0664056B2 (ja) アンモニア生成物質定量用一体型多層分析要素
US5198335A (en) Integral multilayer analytical element for analysis of ammonia-forming substrate
US5709837A (en) Dry analytical element containing ampholyte
JP2002122585A (ja) アンモニア又はアンモニア生成物質分析用一体型多層分析素子
JPH0668494B2 (ja) アルブミン分析用一体型多層分析要素
EP0204334B1 (en) Integral multilayer analytical element for analysis of ammonia-forming substrate
JP4842828B2 (ja) 多層分析要素の製造方法
JP4465291B2 (ja) 多層分析要素及びその製造方法
JP4745975B2 (ja) 多層分析要素
JPWO2006035874A1 (ja) 多層分析要素
JP3175413B2 (ja) アンモニア又はアンモニア生成基質分析用一体型多層分析素子
JP4243255B2 (ja) クレアチニン定量用一体型多層分析要素
JPH04157364A (ja) アンモニア又はアンモニア生成物質定量用一体型多層分析要素
JP4273065B2 (ja) 多層分析要素
JP2731982B2 (ja) 一体型多層分析要素
JP4273064B2 (ja) 多層分析要素
JPS6044865A (ja) 一体型多層分析要素
JP2006090862A (ja) 多層分析要素
JP2006090859A (ja) 多層分析要素
US20030180182A1 (en) Dry analytical element that avoids influence of globulin
JP2006098102A (ja) 多層分析要素
JP2006266704A (ja) 多層分析要素及びその製造方法
JP2005265839A (ja) 多層分析要素
JP2006208063A (ja) 多層分析要素の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees