JPH1046149A - 液晶組成物の調製方法 - Google Patents

液晶組成物の調製方法

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JPH1046149A
JPH1046149A JP21698396A JP21698396A JPH1046149A JP H1046149 A JPH1046149 A JP H1046149A JP 21698396 A JP21698396 A JP 21698396A JP 21698396 A JP21698396 A JP 21698396A JP H1046149 A JPH1046149 A JP H1046149A
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JP
Japan
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liquid crystal
crystal composition
activated carbon
state
column chromatography
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JP21698396A
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English (en)
Inventor
Takao Takiguchi
隆雄 滝口
Shinichi Nakamura
真一 中村
Masako Udagawa
正子 宇田川
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ユニフォーム状態でのスイッチング特性が良
好で高コントラストの表示が可能な液晶組成物の調製方
法を提供する。 【解決手段】 複数の成分を含有する液晶組成物の調製
方法であって、前記成分となる化合物の少なくとも一種
を、該化合物に対して10〜50重量%の活性炭を用い
て精製する工程と、前記精製された化合物と他の成分を
混合する工程とを具備してなる液晶組成物の調製方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性炭処理の精製
工程を施した化合物を含有する液晶組成物の調製方法に
関し、更に詳しくは、活性炭処理の精製工程を施した化
合物を含有することにより液晶分子の配向状態が改善さ
れた強誘電性液晶組成物の調製方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来、双安定性を有する液晶素子の使用
がクラーク(Clark)およびラガウェル(Lage
rwall)により提案されている(特開昭56−10
7216号公報、米国特許第4367924号明細書
等)。双安定性液晶としては、一般にカイラルスメクテ
ィックC相(SmC相)又はH相(SmH相)を有
する強誘電性液晶が用いられる。
【0003】この強誘電性液晶は電界に対して第1の光
学的安定状態と第2の光学的安定状態からなる双安定状
態を有し、例えば一方の電界ベクトルに対して第1の光
学的安定状態に液晶が配向し、他方の電界ベクトルに対
しては第2の光学的安定状態に液晶が配向されている。
また、この型の液晶は、加えられる電界に応答して、上
記2つの安定状態のいずれかを取り、且つ電界の印加の
ないときはその状態を維持する性質(双安定性)を有す
る。
【0004】以上の様な双安定性を有する特徴に加え
て、強誘電性液晶は高速応答性であるという優れた特徴
を持つ。それは強誘電性液晶の持つ自発分極と印加電場
が直接作用して配向状態の転移を誘起するためであり、
誘電率異方性と電場の作用による応答速度より3〜4オ
ーダー速い。
【0005】また、一般に、液晶の複屈折を利用した液
晶素子の場合、直交ニコル下での透過率は、
【0006】
【数1】 (式中:Iは入射光強度、Iは透過光強度、θは以
下で定義される見かけのチルト角、Δnは屈折率異方
性、dは液晶層の膜厚、λは入射光の波長である。)で
表される。
【0007】前述の非らせん構造における見かけのチル
トθは、第1と第2の配向状態でのねじれ配列した液
晶分子の平均分子軸方向の角度として現われることにな
る。上式によれば、かかる見かけのチルト角θが2
2.5°の角度の時最大の透過率となり、双安定性を実
現する非らせん構造でのチルト角θが22.5°にで
きる限り近いことが望ましい。
【0008】しかしながら、これまで用いられてきた配
向方法、特にラビング処理したポリイミド膜による配向
方法を、前述のクラークとラガウォールによって発表さ
れた双安定性を示す非らせん構造の強誘電性液晶に対し
て適用した場合には、下述の如き問題点を有していた。
【0009】即ち、従来のラビング処理したポリイミド
膜によって配向させて得られた非らせん構造の強誘電性
液晶でのみかけのチルト角θ(2つの安定状態の分子
軸をなす角度の1/2)が強誘電性液晶でのコーン角
(図3に示す三角錐の頂角の1/2の角度Θ)と較べて
著しく小さくなっていることが判明した。特に、従来の
ラビング処理したポリイミド膜によって配向させて得た
非らせん構造の強誘電性液晶でのみかけのチルト角θ
は、一般に3°〜8°程度で、その時の透過率はせいぜ
い3〜5%程度であった。
【0010】スメクチック液晶は一般に層構造をもつ
が、SmA相からSmC相又はSmC相に転移すると
層間隔が縮むので図2のように21で表される液晶層
が、上下基板の中央で折れ曲がった構造(シェブロン構
造)をとる。折れ曲がる方向は図に示すように高温相か
らSmC相に移転した直後に現れる配向状態(C1配
向状態)の部分22における場合と、さらに温度を下げ
た時にC1配向状態に混在して現れる配向状態(C2配
向状態)の部分23における場合の2つが有り得る。
【0011】その後、特定のプレチルトの高い配向膜と
液晶の組み合わせを用いると、 上記のC1→C2転移が起こりにくく、液晶材料に
っては全くC2配向状態が生じないこと、及び、 C1配向内に従来見出されていた液晶のディレクタ
が上下の基板間でねじれている低コントラストの2つの
安定状態(以下、スプレイ状態と呼ぶ)の他に、コント
ラストの高い別の2つの安定状態(以下、ユニフォーム
状態と呼ぶ)が現れることが発見された。
【0012】また、これらの状態は電界をかけると互い
に遷移する。弱い正負のパルス電界を印加するとスプレ
イ2状態間の遷移が起こり、強い正負のパルス電界を印
加するとユニフォーム2状態間の遷移が起こる。
【0013】ユニフォーム2状態を用いると従来より明
るく、コントラストの高い表示素子が実現できる。そこ
で、表示素子として画面全体をC1配向状態に統一し、
且つCI配向内の高コントラストの2状態を白黒表示の
2状態として用いれば、従来より品位の高いディスプレ
イが実現できると期待される。
【0014】上記のようにC2配向性状態を生ぜずにC
1配向状態を実現するためには、以下のような条件を満
たすことが必要である。即ち、図3に示すようにC1配
向及びC2配向での基板近くのディレクタはそぞれ図3
(a)及び(b)のコーン31上にある。よく知られて
いるようにラビングによって基板界面の液晶分子は、基
板に対してプレチルトと呼ばれる角度α(図3の基板2
0と液晶分子33のなす角度)をなし、その方向はラビ
ング方向(図2及び図3でいえばA方向)に向かって液
晶分子が頭をもたげる(先端が浮いた格好になる)向き
である。以上のことにより液晶のコーン角Θ、プレチル
ト角α及び層傾斜角δ(図3の基板法線32と液晶分子
層21とのなす角度)の間には、
【0015】
【数2】C1配向のとき Θ+δ>α C2配向のとき Θ−δ>α の関係が成り立っていなければならない。
【0016】従って、C2配向を生ぜずC1配向を生じ
させるための条件は、
【0017】
【数3】Θ−δ<αつまりΘ<+δ (I) である。
【0018】さらに界面の分子が一方の位置から他方の
位置へ電界によって移るスイッチングの際に受けるトル
クの簡単な考察より、界面分子のスイッチングが起こり
やすい条件として
【0019】
【数4】α>δ (II) が得られる。よって、C1配向状態をより安定に形成さ
せるためには、(I)式の関係に加えて(II)式の関
係を満たすことが効果的である。
【0020】(I)及び(II)式の条件の下でさらに
実験を進めた結果、液晶の見かけのチルト角θ
(I)及び(II)式の条件を満たさない従来の液晶素
子の場合の3°〜8°程度から、(I)及び(II)式
の条件を満たす本発明の場合の8°〜16°程度にまで
増大し、液晶のコーン角Θとの間に、
【0021】
【数5】 Θ>θ>Θ/2 (III) という関係式が成り立つことが経験的に得られた。
【0022】以上のように、(I)、(II)及び(I
II)式の条件を満足すれば高コントラストな画像が表
示されるディスプレイが実現できることが明らかとなっ
た(特開平3−252624号公報)。
【0023】また、前述のC1配向内のスプレイ状態を
不安定化して減少させ、ユニフォーム状態を安定にして
良好な配向性を得るために上下基板のラビング方向を2
°〜25°(交差角)の範囲でずらしたクロスラビング
も極めて効果があることがわかった。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】しかし、クロスラビン
グのみの配向改善ではまだ不十分である部分があり、依
然としてスプレイ状態が安定で、かつユニフォーム状態
でのスイッチング特性が悪いといった配向状態がある場
合が存在していた。
【0025】本発明は、上記課題を解決し、ユニフォー
ム状態でのスイッチング特性が良好で高コントラストの
表示が可能な液晶組成物の調製方法を提供することを目
的とするものである。
【0026】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、複数の
成分を含有する液晶組成物の調製方法であって、前記成
分となる化合物の少なくとも一種を、該化合物に対して
10〜50重量%の活性炭を用いて精製する工程と、前
記精製された化合物と他の成分を混合する工程とを具備
してなることを特徴とする液晶組成物の調製方法であ
る。
【0027】本発明においては、前記化合物に対して2
0〜35重量%の活性炭を用いて精製するのが好まし
い。また、精製工程には、アルミナカラムクロマトグラ
フィー、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、アルミ
ナカラムクロマトグラフィー及びシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーが含まれるのが好ましい。
【0028】また、少なくとも活性炭により精製される
化合物が、単独でスメクチック相を呈する液晶性化合物
で、液晶組成物がカイラルスメクチック相を呈する液晶
組成物であるのが好ましい。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記課題を解決す
るために鋭意検討した結果、活性炭処理の精製工程を施
した化合物を含有する液晶組成物を用いると、そうでな
い液晶組成物に比べてユニフォーム状態が安定となり、
ユニフォーム状態でのスイッチング特性が良好になるこ
とを見いだした。
【0030】本発明はこの様な液晶組成物を調製する方
法であり、複数の成分を含有する液晶組成物の調製方法
であって、前記成分となる化合物の少なくとも一種を、
該化合物に対して10〜50重量%の活性炭を用いて精
製する工程と、前記精製された化合物と他の成分を混合
する工程とを具備してなることを特徴とする。
【0031】活性炭処理の精製工程は、化合物を可溶な
溶媒(例えば:メタノール、エタノール、アセトン、ト
ルエン、ベンゼン、ヘキサン、クロロホルムなど)に溶
かし、化合物に対して好ましくは10〜50重量%、よ
り好ましくは20〜35重量%の活性炭を加えて1〜6
0分間撹拌又は静置し、その後活性炭を濾去することに
より達成される。また、この活性炭処理の精製工程は、
アルミナカラムクロマトグラフィーやシリカゲルカラム
クロマトグラフィーなどと組み合わせることも可能であ
る。
【0032】本発明の液晶組成物の調製方法において、
液晶組成物には強誘電性液晶組成物が好ましい組成物と
して挙げられる。該強誘電性液晶組成物の成分となる化
合物で活性炭処理の精製工程が有効である化合物とし
て、下記の一般式(I)で表される化合物が挙げられ
る。
【0033】
【化1】 R1−A1−X1−A2−X2−A3−R2 (I)
【0034】式中、R1、R2はH、F、CNまたは炭素
原子数が1から30である直鎖状、分岐状または環状の
アルキル基(該アルキル基中の1つもしくは2つ以上の
−CH−はヘテロ原子が隣接しない条件で−O−、−
S−、−CO−、−CH(CN)−、−CH=CH−、
−C≡C−、−CHF−、−CH(CF)−、−
H(CHF2)−、−CH(CH2F)−に置き換
えられていてもよい)を示す。
【0035】A1、A 2、A3は単結合、無置換あるいは
1個又は2個の置換基(F、Cl、Br、CH、CF
またはCN)を有する1,4−フェニレン、ピリジン
−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、ピラ
ジン−2,5−ジイル、ピリダジン−3,6−ジイル、
1,4−シクロヘキシレン、1,3−ジオキサン−2,
5−ジイル、1,3−ジチアン−2,5−ジイル、チオ
フェン−2,5−ジイル、チアゾール−2,5−ジイ
ル、チアジアゾール−2,5−ジイル、ベンゾオキサゾ
ール−2,5−ジイル、ベンゾオキサゾール−2,6−
ジイル、ベンゾチアゾール−2,5−ジイル、ベンゾチ
アゾール−2,6−ジイル、ベンゾフラン−2,5−ジ
イル、ベンゾフラン−2,6−ジイル、キノキサリン−
2,6−ジイル、キノリン−2,6−ジイル、2,6−
ナフチレン、インダン−2,5−ジイル、2−アルキル
インダン−2,5−ジイル(アルキル基は炭素原子数1
から18の直鎖状又は分岐状のアルキル基である)、イ
ンダノン−2,6−ジイル、2−アルキルインダノン−
2,6−ジイル(アルキル基は炭素原子数1から18の
直鎖状又は分岐状のアルキル基である)、クマラン−
2,5−ジイル、2−アルキルクマラン−2,5−ジイ
ル(アルキル基は炭素原子数が1から18の直鎖状又は
分岐状のアルキル基である)から選ばれる。ただし、A
1、A 2、A3の少なくとも1個は単結合ではない。
【0036】X1、X2は単結合、−COO−、−OCO
−、−CHO−、−OCH−、−CHCH−、
−CH=CH−、−C≡C−である。*は光学活性であ
ることを示す。
【0037】本発明における液晶組成物に含まれる活性
炭処理の精製工程を施した化合物の含有量は通常3重量
%以上であり、好ましくは5重量%以上であり、より好
ましくは10重量%以上である。
【0038】本発明における液晶組成物、特に強誘電性
液晶組成物に含まれる活性炭処理の精製工程を施した化
合物と組み合わされる他の液晶性化合物としては、特開
平4−272989号公報(23)〜(39)ページに
記載の化合物(III)〜(XII)、好ましい化合物
(IIIa)〜(XIId)、更に好ましい化合物(I
IIaa)〜(XIIdb)が挙げられる。また、化合
物(III)〜(VI)、好ましい化合物(IIIa)
〜(VIf)、更に好ましい化合物(IIIaa)〜
(VIfa)におけるR’1 、R’2 の少なくとも一方
が、また化合物(VII)、(VIII)、好ましい化
合物(VIIa)〜(VIIIb)、更に好ましい化合
物(VIIIba)、(VIIIbb)における
R’3 、R’4 の少なくとも一方、および化合物(I
X)〜(XII)、好ましい化合物(IXa)〜(XI
Id)、更に好ましい化合物(IXba)、(XIId
b)におけるR’5 、R’6 の少なくとも一方が−(C
2 E G 2G+1(E:0〜10、G:1〜15 整
数)である化合物も同様に用いることができる。更に、
次の一般式(XIII)〜(XVIII)で示される液
晶性化合物も用いることができる。
【0039】
【化2】
【0040】ここでR’7、R’8は水素原子又は炭素数
1〜18の直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該
アルキル基中のX' 6、X' 9と直接結合する−CH2
基を除く1つ、もしくは隣接しない2つ以上の−CH2
−基は−O−、−CO−、−OCO−、−COO−、−
CH(CN)−、−C(CN)(CH3 )−、に置き換
えられていてもよい。
【0041】更にR’7、R’8は好ましくは下記のi)
〜viii)である。
【0042】i) 炭素数1〜15の直鎖アルキル基
【0043】
【化3】 p:0〜5、 q:2〜11 整数 光学活性でもよい
【0044】
【化4】 r:0〜6、 s:0または1、 t:1〜14 整
数 光学活性でもよい
【0045】
【化5】 w:1〜15 整数 光学活性でもよい
【0046】
【化6】 A:0〜2、 B:1〜15 整数 光学活性でもよい
【0047】
【化7】 C:0〜2、 D:1〜15 整数 光学活性でもよい
【0048】
【化8】vii) −(CH2 EG2G+1 E:0〜10、 G:1〜15 整数
【0049】
【化9】viii) −H N、Q、R、T:0または1 Y’7、Y’8
Y’9:HまたはF A’4:Ph、Np X' 6、X' 9:単結
合、−COO−、−OCO−、−O− X’7、X’8:単結合、−COO−、−OCO−、−C
2 O−、−OCH2
【0050】(XIII)の好ましい化合物として(X
IIIa)が挙げられる。
【0051】
【化10】 R’7−X' 6−[Py2]−[Ph]−OCO−[Tn]−R’8 (XI IIa)
【0052】(XVI)の好ましい化合物として(XV
Ia)、(XVIb)が挙げられる。
【0053】
【化11】 R’7−[Tz1]−[Ph]−X' 9−R’8 (XVI a) R’7−[PhY’7]−[Tz1]−[PhY’8]−X' 9−R’8 (XVIb)
【0054】(XVII)の好ましい化合物として(X
VIIa)、(XVIIb)が挙げられる。
【0055】
【化12】 R’7−[Boa2]−[Ph]−O−R’8 (XVIIa) R’7−[Boa2]−[Np]−O−R’8 (XVIIb)
【0056】(XVIII)の好ましい化合物として
(XVIIIa)〜(XVIIIc)が挙げられる。
【0057】
【化13】 R’7−[Btb2]−[Ph]−R’8 (XVIIIa) R’7−[Btb2]−[Ph]−O−R’8 (XVIIIb) R’7−[Btb2]−[Np]−O−R’8 (XVIIIc)
【0058】(XVIa)、(XVIb)の好ましい化
合物として(XVIaa)〜(XVIbc)が挙げられ
る。
【0059】
【化14】 R’7−[Tz1]−[Ph]−O−R’8 (XVIaa ) R’7−[Ph]−[Tz1]−[Ph]−R’8 (XVIba ) R’7−[Ph]−[Tz1]−[Ph]−O−R’8 (XVIbb ) R’7−[Ph]−[Tz1]−[Ph]−OCO−R’8 (XVIbc )
【0060】Ph、Py2、Tn、Tz1、Cy、Bo
a2、Btb2の略記は前記定義に準じ、他の略記につ
いては以下の基を示す。
【0061】
【化15】
【0062】図1は強誘電性を利用した液晶素子の構成
を説明するために、本発明の液晶組成物を用いた液晶
層、例えばカイラルスメクチック液晶層を有する液晶素
子の一例を示す断面概略図である。図1において符号1
はカイラルスメクチック液晶層、2はガラス基板、3は
透明電極、4は配向層、5はスペーサー、8は偏光板、
9は光源を示している。
【0063】2枚のガラス基板2は、それぞれIn
、SnOあるいはITO(インジウム ティン オ
キサイド;Indium−Tin Oxside)等の
薄膜から成る透明電極3が被覆されている。その上にポ
リイミドの様な高分子の薄膜をガーゼやアセテート植毛
布等でラビングして、液晶をラビング方向に並べる配向
層が形成されている。また、該膜を形成する絶縁物質と
して、例えばシリコン窒化物,水素を含有するシリコン
炭化物,シリコン酸化物,硼素窒化合物,水素を含有す
る硼素窒化物,セリウム酸化物,アルミニウム酸化物,
ジルコニウム酸化物,チタン酸化物やフッ化マグネシウ
ムなどの無機物質絶縁層を形成し、その上にポリビニル
アルコール,ポリイミド,ポリアミドイミド,ポリエス
テルイミド,ポリパラキシレン,ポリエステル,ポリカ
ーボネート,ポリビニルアセタール,ポリ塩化ビニル,
ポリ酢酸ビニル,ポリアミド,ポリスチレン,セルロー
ス樹脂,メラミン樹脂,ユリヤ樹脂,アクリル樹脂やフ
ォトレジスト樹脂などの有機絶縁物質を配向制御層とし
て、2層で配向制御層が形成されてもよく、また無機物
質絶縁性配向制御層あるいは有機物質絶縁性配向制御層
単層であっても良い。この配向層が無機系ならば蒸着法
などで形成でき、有機系ならば有機物質を溶解させた溶
液、またはその前駆体溶液(溶剤に0.1〜20重量
%、好ましくは0.2〜10重量%)を用いて、スピン
ナー塗布法、浸漬塗布法、スクリーン印刷法、スプレー
塗布法、ロール塗布法等で塗布し、所定の硬化条件下
(例えば加熱下)で硬化させ形成させることができる。
【0064】配向層の層厚は通常30Å〜1μm、好ま
しくは40Å〜3000Å、さらに好ましくは40Å〜
1000Åが適している。
【0065】この2枚のガラス基板2はスペーサー5に
よって任意の間隔に保たれている。例えば所定の直径を
持つシリカビーズ,アルミナビーズをスペーサーとして
ガラス基板2枚で挟持し、周囲をシール材、例えばエポ
キシ系接着剤を用いて密封する方法がある。その他スペ
ーサーとして高分子フィルムやガラスファイバーを使用
しても良い。この2枚のガラス基板の間に強誘電性を示
す液晶が封入されている。
【0066】カイラルスメクチック液晶が封入されたカ
イラルスメクチック液晶層1の厚さは、一般には0.5
〜20μm、好ましくは1〜5μmである。
【0067】また、この強誘電性液晶は、室温を含む広
い温度域(特に低温側)でSmC相(カイラルスメク
チックC相)を有し、かつ素子とした場合には駆動電圧
マージン及び駆動温度マージンが広いことが望まれる。
【0068】また、特に素子とした場合に、良好な均一
配向性を示し、モノドメイン状態を得るには、その強誘
電性液晶は、等方相からCh相(コレステリック相)−
SmA(スメクチック相)−SmC(カイラルスメク
チックC相)という相転移系列を有していることが望ま
しい。
【0069】透明電極からは、例えばリード線によって
外部電源に接続されている。また、ガラス基板2の外側
には偏光板8が貼り合わせてある。図1は透過型であ
る。さらに、上記液晶素子に液晶素子の駆動回路、光源
を備えた液晶装置について説明する。
【0070】本発明に係る液晶素子を表示パネル部に使
用し、図4及び図5に示した走査線アドレス情報をもつ
画像情報なるデータフォーマット及びSYNC信号によ
る通信同期手段をとることにより、液晶表示装置を実現
する。
【0071】図中、符号はそれぞれ以下の通りである。 101 強誘電性液晶表示装置 102 グラフィックスコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動回路 105 情報線駆動回路 106 デコーダ 107 走査信号発生回路 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生回路 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM
【0072】画像情報の発生は、本体装置側のグラフィ
ックスコントローラ102にて行なわれ、図4及び図5
に示した信号転送手段にしたがって表示パネル103に
転送される。グラフィックスコントローラ102は、C
PU(中央演算処理装置、以下GCPU112と略す)
及びVRAM(画像情報格納用メモリ)114を核に、
ホストCPU113と液晶表示装置101間の画像情報
の管理や通信をつかさどっており、この制御方法は主に
このグラフィックスコントローラ102上で実現される
ものである。なお、該表示パネルの裏面には、光源が配
置されている。
【0073】
【実施例】以下、実施例により本発明について更に詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。
【0074】実施例1 2−[4−(4−フルオロベンゾイルオキシ)フェニ
ル]−5−ドデシルピリミジンの合成 2−(4−ヒドロキシフェニル)−5−ドデシルピリミ
ジン2.16g(6.34mmole)、4−フルオロ
安息香酸0.89g(6.35mmole)、ジクロル
メタン50mlを200mlナスフラスコに入れ、室温
撹拌下、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド
1.31g(6.35mmole)、4−ジメチルアミ
ノピリジン0.11gを順次加え、その後室温で3時間
撹拌した。析出したN,N′−ジシクロヘキシルウレア
を濾去して濾液を減圧乾固し、残渣をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(溶離液:トルエン/酢酸エチル:
100/1)で精製し、トルエン−メタノール混合溶媒
で再結晶して無色結晶2.31g(収率72.6%)
を得た。
【0075】この結晶1.50gにアセトンを加えて還
流溶解し、活性炭0.45gを加えて5分間室温で攪拌
した。再度還流した後、熱時吸引濾過して活性炭を濾去
し、濾液をフリーザー内で冷却し、析出した結晶を濾取
した。収量1.30g(活性炭処理による精製収率8
6.7%)
【0076】実施例2 カイラルスメクチックC相を有する液晶組成物A90重
量部と、実施例1で合成して活性炭処理をした2−[4
−(4−フルオロベンゾイルオキシ)フェニル]−5−
ドデシルピリミジン10重量部を混合し、液晶組成物
Bを作成した。
【0077】透明電極のついたガラス基板上にTi−S
i(1/1)の薄膜をスピンコートで形成し、その上に
日立化成(株)製のポリアミド酸LQ1802の1%N
MP溶液をスピンナーで塗布し、270℃で1時間焼成
した。この基板をラビングし、同じ処理をしたもう1枚
の基板とラビング方向が平行で、かつ交差方向がマイナ
スで交差角度が6°になるように1.5μmのギャップ
を保って貼り合わせ、間隙に液晶組成物Bを注入し、液
晶素子を作成した。該液晶素子を100℃で5時間保持
した後、1分間に1℃の速度で除冷し、室温下で顕微鏡
観察を行った。その結果、初期配向状態でC1配向が保
たれ、ほぼ全面がユニフォーム状態であった。波高値1
5Vの矩形パルスを印加すると、パルス幅18μsec
でユニフォーム間のスイッチングが起こった。
【0078】比較例1 カイラルスメクチックC相を有する液晶組成物A90重
量部と、実施例1で合成した活性炭処理をしていない2
−[4−(4−フルオロベンゾイルオキシ)フェニル]
−5−ドデシルピリミジン10重量部を混合し、液晶
組成物Cを作成した。
【0079】液晶組成物Cを注入した他は実施例2と全
く同様にして液晶素子を作成し、同様にしてその初期配
向状態及びスイッチングを観察した。初期配向状態でC
1配向は保たれていたが、約30%がスプレイ状態で残
りの70%がユニフォーム状態であった。実施例2と同
様に波高値15Vの矩形パルスを印加したところ、スプ
レイ状態が安定なためにユニフォーム2状態間のスイッ
チングが起こりにくくなり、得られたしきい値は27μ
secであった。
【0080】実施例3 2−(4−ヘキシルオキシフェニル)−5−ノニルピリ
ミジンの合成 2−(4−ヒドロキシフェニル)−5−ノニルピリミジ
ン8.00g(35.6mmole)、水酸化カリウム
2.35g、n−ブタノール50mlを200mlナス
フラスコに入れて加熱して溶解した。1−ヨードヘキサ
ン7.42g(35.0mmole)を加え、その後5
時間還流撹拌を行った。溶媒を減圧乾固し、残渣に水を
加えて酢酸エチルで抽出した。有機層を5%チオ硫酸ナ
トリウム水溶液で洗浄後水洗し、芒硝乾燥後溶媒を減圧
乾固した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶離液:トルエン/酢酸エチル:100/1)で精製
し、酢酸エチル−メタノール混合溶媒で再結晶して無色
結晶7.01g(収率72.6%)を得た。
【0081】この結晶5.00gをアルミナカラムクロ
マトグラフィー(溶離液:トルエン)で精製し、トルエ
ンを減圧乾固して得られた残渣4.69gにエタノール
を加えて加熱溶解し、活性炭0.94gを加えて5分間
室温で撹拌した。続いて還流した後、熱時吸引濾過して
活性炭を濾去し、濾液をフリーザー内で冷却し、析出し
た結晶を濾取した。収量4.10g(アルミナカラムク
ロマトグラフィー及び活性炭処理による精製収率82.
0%)
【0082】実施例4 カイラルスメクチックC相を有する液晶組成物D80重
量部と、実施例3で合成して活性炭処理及びアルミナカ
ラムクロマトグラフィーをした2−(4−ヘキシルオキ
シフェニル)−5−ノニルピリミジン20重量部を混
合し、液晶組成物Eを作成した。液晶組成物Eを注入し
た他は実施例2と全く同様にして液晶素子を作成し、同
様にしてその初期配向状態及びスイッチングを観察し
た。その結果、初期配向状態でC1配向が保たれ、ほぼ
全面がユニフォーム状態であった。波高値15Vの矩形
パルスを印加すると、パルス幅15μsecでユニフォ
ーム間のスイッチングが起こった。
【0083】 液晶組成物Dの組成 2−(4−ヘキシルオキシフェニル)−5−オクチルピリミジン 56重量部 2−(4−ノニルオキシフェニル)−5−オクチルピリミジン 30重量部 2−[4−(トランス−4−プロピルシクロヘキサンカルボニルオキシ)フェ ニル]−5−ウンデシルピリミジン 2重量部 2−[4−(トランス−4−ブチルシクロヘキサンカルボニルオキシ)フェニ ル]−5−ウンデシルピリミジン 2重量部 2−[4−(トランス−4−ペンチルシクロヘキサンカルボニルオキシ)フェ ニル]−5−ウンデシルピリミジン 4重量部 光学活性2−[4−(2−フルオロオクチルオキシ)フェニル]−5−ドデシ ルピリミジン 3重量部 光学活性2−[4−(2−フルオロオクチルオキシ)フェニル]−5−デシル ピリミジン 3重量部
【0084】比較例2 カイラルスメクチックC相を有する液晶組成物D80重
量部と、実施例3で合成した活性炭処理及びアルミナカ
ラムクロマトグラフィーをしていない2−(4−ヘキシ
ルオキシフェニル)−5−ノニルピリミジン20重量
部を混合し、液晶組成物Fを作成した。
【0085】液晶組成物Fを注入した他は実施例2と全
く同様にして液晶素子を作成し、同様にしてその初期配
向状態及びスイチッグを観察した。初期配向状態でC1
配向は保たれていたが、約20%がスプレイ状態で、残
りの80%がユニフォーム状態であった。実施例2と同
様に波高値15Vの矩形パルスを印加したところ、スプ
レイ状態が安定なためにユニフォーム2状態間のスイッ
チッグが起こりにくくなり、得られたしきい値は23μ
secであった。
【0086】実施例5 2−(4−オクタノイルオキシフェニル)−5−デシル
ピリミジンの合成 2−(4−ヒドロキシフェニル)−5−デシルピリミジ
ン6.00g(19.2mmole)、オクタン酸2.
77g(19.2mmole)、ジクロルメタン150
mlを500mlナスフラスコに入れ、室温撹拌下、
N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド4.44g
(21.5mmole)、4−ジメチルアミノピリジン
0.14gを順次加え、その後室温で6時間撹拌した。
析出したN,N′−ジシクロヘキシルウレアを濾去して
濾液を減圧乾固し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(溶離液:ヘキサン/クロロホルム:1/1)
で精製し、エタノールで再結晶して無色結晶6.86g
(収率81.4%)を得た。
【0087】この結晶3.00gにアセトンを加えて還
流溶解し、活性炭1.05gを加えて5分間室温で攪拌
した。再度還流した後、熱時吸引濾過して活性炭を濾去
し、濾液をフリーザー内で冷却し、析出した結晶を濾取
した。収量2.23g(活性炭処理による精製収率7
4.3%)
【0088】実施例6 カイラルスメクチックC相を有する液晶組成物G85重
量部と、実施例5で合成して活性炭処理をした2−(4
−オクタノイルオキシフェニル)−5−デシルピリミジ
ン15重量部を混合し、液晶組成物Hを作成した。交
差角度が3°であることと液晶組成物Hを注入した他は
実施例2と全く同様にして液晶素子を作成し、同様にし
てその初期配向状態及びスイッチングを観察した。その
結果、初期配向状態でC1配向が保たれ、ほぼ全面がユ
ニフォーム状態であった。波高値15Vの矩形パルスを
印加すると、パルス幅21μsecでユニフォーム間の
スイッチングが起こった。
【0089】比較例3 カイラルスメクチックC相を有する液晶組成物G85重
量部、実施例5で合成した活性炭処理をしていない2−
(4−オクタノイルオキシフェニル)−5−デシルピリ
ミジン15重量部を混合し、液晶組成物Iを作成し
た。液晶組成物1を注入した他は実施例2と全く同様に
して液晶素子を作成し、同様にしてその初期配向状態及
びスイッチングを観察した。初期配向状態でC1配向は
保たれていたが、約25%がスプレイ状態で残りの75
%がユニフォーム状態であった。実施例2と同様に波高
値15Vの矩形パルスを印加したところ、スプレイ状態
が安定なためにユニフォーム2状態間のスイッチングが
起こりにくくなり、得られたしきい値は26μsecで
あった。
【0090】実施例7 2−(4−ブチルフェニル)−5−(4−ノナノイルオ
キシフェニル)チアゾールの合成 特開平4−128274号公報と同様の方法で合成した
2−(4−ブチルフェニル)−5−(4−ヒドロキシフ
ェニル)チアゾール5.00g(16.2mmol
e)、ノナン酸2.56g(16.2mmole)、ジ
クロルメタン120mlを300mlナスフラスコに入
れ、室温撹拌下、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジ
イミド3.73g(18.1mmole)、4−ジメチ
ルアミノピリジン0.12gを順次加え、その後室温で
6時間撹拌した。析出したN,N′−ジシクロヘキシル
ウレアを濾去して濾液を減圧乾固し、残渣をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/クロロ
ホルム:1/1)で精製し、エタノールで再結晶して無
色結晶5.62g(収率77.4%)を得た。
【0091】この結晶3.00gにアセトンを加えて還
流溶解し、活性炭0.90gを加えて5分間室温で撹拌
した。再度還流した後、熱時吸引濾過して活性炭を濾去
し、濾液をフリーザー内で冷却し、析出した結晶を濾取
した。収量2.58g(活性炭処理による精製収率8
6.0%)
【0092】実施例8 カイラルスメクチックC相を有する液晶組成物J85重
量部と、実施例7で合成して活性炭処理をした2−(4
−ブチルフェニル)−5−(4−ノナノイルオキシフェ
ニル)チアゾール15重量部を混合し、液晶組成物K
を作成した。液晶組成物Kを注入した他は実施例2と全
く同様にして液晶素子を作成し、同様にしてその初期配
向状態及びスイッチングを観察した。その結果、初期配
向状態でC1配向が保たれ、ほぼ全面がユニフォーム状
態であった。波高値15Vの矩形パルスを印加すると、
パルス幅25μsecでユニフォーム間のスイッチング
が起こった。
【0093】比較例4 カイラルスメクチックC相を有する液晶組成物J85重
量部と、実施例7で合成した活性炭処理をしていない2
−(4−ブチルフェニル)−5−(4−ノナノイルオキ
シフェニル)チアゾール15重量部を混合し、液晶組
成物Lを作成した。液晶組成物Lを注入した他は実施例
2と全く同様にして液晶素子を作成し、同様にしてその
初期配向状態及びスイッチングを観察した。初期配向状
態でC1配向は保たれていたが、約10%がスプレイ状
態で残りの90%がユニフォーム状態であった。実施例
2と同様に波高値15Vの矩形パルスを印加したとこ
ろ、スプレイ状態が安定なためにユニフォーム2状態間
のスイッチングが起こりにくくなり、得られたしきい値
は33μsecであった。
【0094】実施例9 光学活性2−[4−(2−フルオロオクチルオシキ)フ
ェニル]−5−デシルピリミジンの合成 特開昭62−93248号公報の方法で合成した光学活
性2−フルオロ−1−オクタノールを特開昭63−22
042号公報の方法で光学活性2−フルオロ−1−オク
チル−p−トルエンスルホン酸エステルとした。
【0095】2−(4−ヒドロキシフェニル)−5−ノ
ニルピリミジン5.00g(16.0mmole)、D
MF15mlを100mlナスフラスコに入れて溶か
し、氷冷撹拌下60%油性水素化ナトリウム0.71g
(17.8mmole)を加え、その後15分間室温で
撹拌を行った。続いて前記光学活性2−フルオロ−1−
オクチル−p−トルエンスルホン酸エステル4.84g
(16.0mmole)を加え、90℃て5時間加熱撹
拌した。反応終了後反応物に水を加えて酢酸エチルで抽
出した。有機層を水洗し、芒硝乾燥後溶媒を減圧乾固し
た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離
液:クロロホルム)で精製し、ヘキサン−エタノール混
合溶媒で再結晶して無色結晶5.21g(収率73.6
%)を得た。
【0096】この結晶3.50gをアルミナカラムクロ
マトグラフィー(溶離液:トルエン)で精製し、トルエ
ンを減圧乾固して得られた残渣3.32gにヘキサン−
エタノール混合溶媒を加えて加熱溶解し、活性炭0.9
0gを加えて5分間室温で撹拌した。続いて還流した
後、熱時吸引濾過して活性炭を濾去し、濾液をフリーザ
ー内で冷却し、析出した結晶を濾取した。収量3.11
g(アルミナカラムクロマトグラフィー及び活性炭処理
による精製収率88.9%)(10)
【0097】実施例10 カイラルスメクチックC層を有する液晶組成物M90重
量部と、実施例9で合成して活性炭処理及びアルミナカ
ラムクロマトグラフィーをした光学活性2−[4−(2
−フルオロオクチルオキシ)フェニル]−5−デシルピ
リミジン(10)10重量部を混合し、液晶組成物Nを
作成した。交差角度が5°であることと液晶組成物Nを
注入した他は実施例2と全く同様にして液晶素子を作成
し、同様にしてその初期配向状態及びスイッチングを観
察した。その結果、初期配向状態でC1配向が保たれ、
ほぼ全面がユニフォーム状態であった。波高値15Vの
矩形パルスを印加すると、パルス幅12μsecでユニ
フォーム間のスイッチングが起こった。
【0098】比較例5 カイラルスメクチックC層を有する液晶組成物M90重
量部と、実施例9で合成した活性炭処理及びアルミナカ
ラムクロマトグラフィーをしていない光学活性2−[4
−(2−フルオロオクチルオキシ)フェニル]−5−デ
シルピリミジン10重量部を混合し、液晶組成物Oを
作成した。液晶組成物Oを注入した他は実施例10と全
く同様にして液晶素子を作成し、同様にしてその初期配
向状態及びスイッチングを観察した。初期配向状態でC
1配向は保たれていたが、約20%がスプレイ状態で残
りの80%がユニフォーム状態であった。実施例2と同
様に波高値15Vの矩形を印加したところ、スプレイ状
態が安定なためにユニフォーム2状態間のスイッチング
が起こりにくくなり、得られたしきい値は20μsec
であった。
【0099】実施例2と比較例1、実施例4と比較例
2、実施例6と比較例3、実施例8と比較例4及び実施
例10と比較例5から精製工程に活性炭処理を施した化
合物を含んだ液晶組成物が、活性炭処理をしない化合物
を含む液晶組成物に比べていずれの場合もスプレイ状態
が不安定となってユニフォーム状態が安定となり、スイ
ッチング特性が良好となることが明らかとなった。
【0100】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明における活性
炭処理の精製工程を施した化合物を含む液晶組成物、特
に強誘電性液晶組成物を用いた液晶素子は高コントラス
トでスイッチング特性が良好となる効果を奏する。ま
た、本発明における液晶組成物を用いた液晶素子を表示
素子として光源、駆動回路などと組み合わせた表示装置
は良好な装置となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶組成物を用いた液晶素子の一
例を示す模式図である。
【図2】C1及びC2配向を示す説明図である。
【図3】C1及びC2配向でのコーン角、プレチルト角
及び層傾斜角間の関係を示す説明図である。
【図4】本発明の液晶装置とグラフィックスコントロー
ラを示すブロック構成図である。
【図5】本発明の液晶装置とグラフィックコントローラ
との間の画像情報通信タイミングチャート図である。
【符号の説明】
1 カイラルスメクチック液晶層 2 ガラス基板 3 透明電極 4 配向層 5 スペンサー 8 偏光板 9 光源 20a,20b 基板面 21 液晶層 22 C1配向 23 C2配向 A ラビング方向 31 コーン 32 基板法線 33 液晶分子 101 強誘電性液晶表示装置 102 グラフィックスコントローラ 103 表示パネル 104 走査線駆動回路 105 情報線駆動回路 106 デコーダ 107 走査信号発生回路 108 シフトレジスタ 109 ラインメモリ 110 情報信号発生回路 111 駆動制御回路 112 GCPU 113 ホストCPU 114 VRAM

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の成分を含有する液晶組成物の調製
    方法であって、前記成分となる化合物の少なくとも一種
    を、該化合物に対して10〜50重量%の活性炭を用い
    て精製する工程と、前記精製された化合物と他の成分を
    混合する工程とを具備してなることを特徴とする液晶組
    成物の調製方法。
  2. 【請求項2】 前記化合物に対して20〜35重量%の
    活性炭を用いることを特徴とする請求項1記載の液晶組
    成物の調製方法。
  3. 【請求項3】 精製工程にアルミナカラムクロマトグラ
    フィーが含まれることを特徴とする請求項1記載の液晶
    組成物の調製方法。
  4. 【請求項4】 精製工程にシリカゲルカラムクロマトグ
    ラフィーが含まれることを特徴とする請求項1記載の液
    晶組成物の調製方法。
  5. 【請求項5】 精製工程にアルミナカラムクロマトグラ
    フィー及びシリカゲルカラムクロマトグラフィーが含ま
    れることを特徴とする請求項1記載の液晶組成物の調製
    方法。
  6. 【請求項6】 少なくとも活性炭により精製される化合
    物が、単独でスメクチック相を呈する液晶性化合物であ
    る請求項1記載の液晶組成物の調製方法。
  7. 【請求項7】 液晶組成物がカイラルスメクチック相を
    呈する請求項1記載の液晶組成物の調製方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010504320A (ja) * 2006-09-21 2010-02-12 アクテリオン ファーマシューティカルズ リミテッド フェニル誘導体及びそれらの免疫調節薬としての使用
JP2012077308A (ja) * 2011-11-21 2012-04-19 Dic Corp 液晶組成物の製造方法

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