JPH1046127A - 耐水・耐溶剤性粘着剤および粘着シート - Google Patents
耐水・耐溶剤性粘着剤および粘着シートInfo
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- JPH1046127A JPH1046127A JP8223298A JP22329896A JPH1046127A JP H1046127 A JPH1046127 A JP H1046127A JP 8223298 A JP8223298 A JP 8223298A JP 22329896 A JP22329896 A JP 22329896A JP H1046127 A JPH1046127 A JP H1046127A
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Abstract
ングフィルムを得るために、親水性と親油性、あるいは
耐溶剤性と耐熱収縮性を両立させうる粘着剤を提供する
こと。 【解決手段】 アクリル酸アルキルエステルと、これと
共重合可能なカルボキシル基含有モノマーとの共重合体
とを架橋して得られる粘着剤であって、共重合体を構成
するカルボキシル基含有モノマーのモル%とアクリル酸
アルキルエステルのアルキル基の平均の炭素数の比が
1.5〜4.5であり、架橋後のゲル分率が40〜90%
であることを特徴とする耐水・耐溶剤性粘着剤およびこ
れを高分子基材に塗布してなる粘着シート。
Description
対する耐久性が高い耐水・耐溶剤性粘着剤に関し、特
に、看板、車輛、コンテナ自動車等において、塗料と同
様に表示、装飾、宣伝を目的として貼付するマーキング
フィルムに好適な、耐水・耐溶剤性粘着剤に関する。
いう)は、塩ビフィルム、ウレタンフィルム、ポリエス
テルフィルム、スチレンフィルム等を着色又は表面印刷
したものに粘着剤を塗布したものであり、上記のよう
に、看板、車輛、コンテナ自動車等の表示、装飾、宣伝
等を目的として利用されるものである。 このマーキン
グフィルムは、耐候性、着色性、コスト等の点から塩ビ
フィルムを用いる場合が一般的であり、特に塩ビフィル
ム中の可塑剤が粘着剤に移行し、軟化するのを防ぐため
に、高分子可塑剤等で可塑化されたものを用いる場合が
多い。
は、アクリル酸アルキルエステルとカルボキシル基含有
モノマーの共重合体、あるいは必要に応じて、これにメ
タクリル酸アルキルエステル、スチレン、アクリルニト
リルを共重合させたものを架橋させ、粘着力、タック、
凝集力を調整したものが使用されている。
ィルムには貼った後の各種の耐性、例えば、耐油性、耐
ガソリン性、耐水性、耐アルカリ水性、耐洗剤水性等が
要求される。 また、高温下でのフィルムの変形をおさ
え、外観を損なわないようにすることも不可欠である。
ソリンを通過させかつ吸収する特性があり、また、フィ
ルムの製法から収縮が大きいという問題点があり、これ
を粘着剤でカバーする必要があった。 しかし、従来の
粘着剤の設計では、これらの特性を全て満足することは
難しかった。 すなわち、粘着剤の親水性(耐ガソリン
性あるいは耐溶剤性)と親油性(耐水性)の両立や、耐
溶剤性と耐熱収縮性の両立は極めて困難であり、満足の
ゆく粘着剤は得られていなかった。
うる優れた性質を有するマーキングフィルムを得るため
に、親水性と親油性、あるいは耐溶剤性と耐熱収縮性を
両立させうる粘着剤の提供が強く望まれていた。
を解決するために鋭意検討した結果、特定の配合で得た
アクリル共重合体を特定範囲のゲル分率に入るように架
橋させることにより、耐水性および耐溶剤性を満足する
接着剤が得られることを見出し、本発明を完成した。
キルエステルと、これと共重合可能なカルボキシル基含
有モノマーとの共重合体とを架橋して得られる粘着剤で
あって、共重合体を構成するカルボキシル基含有モノマ
ーのモル%とアクリル酸アルキルエステルのアルキル基
の平均の炭素数の比が1.5〜4.5であり、架橋後のゲ
ル分率が40〜90%であることを特徴とする耐水・耐
溶剤性粘着剤を提供することである。また、本発明の別
の目的は、上記耐水・耐溶剤性粘着剤を塗布してなる粘
着シートを提供することである。
マーとなるアクリル酸アルキルエステル(以下、「アク
リル酸エステル」という)としては、エステル部分のア
ルキル基の炭素数が1〜12のもの、すなわち、メチル
アクリレート、エチルアクリレート、ノルマルブチルア
クリレート、イソブチルアクリレート、ターシャリブチ
ルアクリレート、イソアミルアクリレート、ノルマルヘ
キシルアクリレート、イソヘキシルアクリレート、イソ
ヘプチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、イソオクチルアクリレート、ノルマルオクチルアク
リレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリ
レート、ラウリルアクリレートなどが挙げられ、これら
の1種以上が利用される。
能なカルボキシル基含有モノマー(以下、「カルボキシ
ル基含有共重合性モノマー」という)としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、クロト
ン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等が挙げられ
る。 これらは極性付与、凝集力向上成分としての働き
の他に共重合体の架橋点となるものである。
含有共重合性モノマーは、次式に従った、カルボキシル
基含有共重合性モノマーのモル%とアクリル酸アルキル
エステルのアルキル基の平均の炭素数の比(以下、「特
性比」という)が1.5〜4.5であることが要求され
る。
て、A、B、Cの3種類のアクリル酸アルキルエステル
を使用している場合の分母のアルキル基の平均炭素数
は、アクリル酸エステルAのモル%とそのアルキル基の
炭素数の積、アクリル酸エステルBのモル%とそのアル
キル基の炭素数の積およびアクリル酸エステルCのモル
%とそのアルキル基の炭素数の積を求め、これらを合計
した後、アクリル酸アルキルエステルの全モル%で割る
ことにより求められる。
ステルとカルボキシル基含有共重合性モノマーの特性比
が1.5〜4.5であれば耐溶剤性(耐ガソリン性)と耐
水性の両方を満足することができる。 しかし、特性比
が1.5以下では極性が低くなり、耐溶剤性が損なわ
れ、また特性比が4.5以上では極性が高くなり耐水性
が損なわれる。
基含有共重合性モノマーを用いてアクリル共重合体を製
造するには、両成分を前記の特性比で混合し、これを共
重合させれば良い。 この重合反応は、ベンゾイルパー
オキサイド、ラウリルパーオキサイドのような有機過酸
化物、あるいはアゾビスイソブチロニトリルのようなア
ゾ系重合開始剤を用いたラジカル重合が良く、しかも塗
工性、耐水性の点から溶液重合を用いるのが好ましい。
は、さらに架橋され、本発明の耐水・耐溶剤性粘着剤が
得られる。 この耐水・耐溶剤性粘着剤は、主モノマー
であるアクリル共重合体のアクリル酸エステルとカルボ
キシル基含有共重合性モノマーの特性比が一定範囲であ
るだけでは不十分であり、更に架橋後のゲル分率が40
〜90%であることが必要である。
であり、以下の方法にて測定算出される。 すなわち乾
燥した粘着剤(アクリル共重合体)をトルエン中に23
℃で72時間浸漬し、トルエンに不溶解(ろ紙でのろ過
残分)のアクリル共重合体の重量百分率をゲル分率とす
る。
イソシアネート化合物、エポキシ化合物または金属キレ
ートの一種以上を使用することが好ましい。
は、例えばトリレンジイソシアネート、キシレンジイソ
シアネートなどの芳香族ジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートな
どの脂肪族、もしくは脂環式イソシアネート化合物また
ははこれらとトリメチロールプロパンなどの水酸基を有
する化合物との付加物などが挙げられる。
ールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂
環型エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂、臭素化エポキ
シ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂、ポリグリシジルア
ミン型エポキシ樹脂等が挙げられ、また、金属キレート
化合物としては、ニッケル、アルミニウム、クロム、
鉄、チタン、亜鉛、コバルト、マンガン、ジルコニウム
等のアセチルアセトネート等が挙げられる。
粘着剤は、高分子基材、例えば塩ビフィルム、ウレタン
フィルム、ポリエステルフィルム、スチレンフィルム等
に塗布することにより、耐水・耐溶剤性を有する粘着シ
ートとすることができる。この高分子基材上への耐水・
耐溶剤性粘着剤の塗布量や塗布方法は、従来の粘着シー
トの製造に準じた方法で行うことができる。
有し、これを高分子基材上に塗布することにより、優れ
た耐水・耐溶剤性を有する粘着シートとすることができ
るが、この理由は次のように考えられている。
親水性の度合を支配するのは主モノマーとなるアクリル
酸アルキルエステルのアルキル基の鎖長と含有カルボキ
シル基の量であり、この特性比が一定範囲内であれば耐
溶剤性(耐ガソリン性)と耐水性が両立する。
ルムはガソリン等の溶剤を通過させ粘着剤層に溶剤を移
動させるとともにフィルム自身も溶剤により膨潤する。
従って、粘着剤が前述の配合範囲であっても、溶剤に
より膨潤が多少生じ、これが塩ビフィルムの膨潤挙動と
一致していなければ外観異常が発生することになる。
過ぎると粘着剤がサイドからはみ出したり、ブリスター
が発生し、また、ゲル分率が高過ぎると塩ビフィルムの
変形をおさえ切れず、カールや被着体からの剥がれが発
生する。 ところが、ゲル分率が40〜90%の範囲内
の場合は、溶剤による粘着剤の膨潤と、塩ビフィルムの
膨潤とが一致し、接着性能が良好となり、前記の耐溶剤
性および耐水性の両立と相まって優れた粘着シートを得
ることができるのである。
試験例でも示すように、優れた接着性と、耐溶剤性(耐
ガソリン性)および耐水性(耐アルカリ水性)を示すも
のである。 従って、各種の有機性化合物や、水等に晒
される苛酷な環境下においても、粘着剤として利用する
ことが可能であり、特に屋外で利用されることの多いマ
ーキングフィルム用の粘着剤として極めて優れたもので
ある。
発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例等
になんら制約されるものではない。
り付けられた1リットル容フラスコに2−エチルヘキシ
ルアクリレート 270g、アクリル酸 30g、酢酸エ
チル 450gおよび重合開始剤としてアゾビスイソブ
チロニトリル 1.25gを仕込み、窒素ガス気流中、7
0℃にて8時間重合を行ない、固形分40%の溶液を得
た(この時のアクリル酸は22.1モル%、2−エチル
ヘキシルアクリレートのアルキル基の炭素数は8、特性
比は2.76であった)。
してアルミニウムトリスアセチルアセトネートを共重合
体(固形分)に対し0.7%加え、塗工に供した。 この
乾燥膜(粘着剤層)の熟成後のゲル分率は72%であっ
た。
り付けられた1リットル容フラスコにブチルアクリレー
ト 289g、アクリル酸 11g、酢酸エチル250
g、トルエン 200gおよび重合開始剤としてアゾビ
スイソブチロニトリル 1.25gを仕込み、窒素ガス気
流中70℃にて8時間重合し、固形分 40%の溶液を
得た(この時のアクリル酸は6.35モル%、ブチルア
クリレートのアルキル基の炭素数は4、特性比は1.5
9であった)。
リレンジアミンを共重合体(固形分)に対し0.1%加
え、塗工に供した。 この乾燥膜(粘着剤層)の熟成後
のゲル分率は65%であった。
り付けられた1リットル容フラスコにブチルアクリレー
ト 268g、アクリル酸 32g、酢酸エチル250
g、トルエン 200gおよび重合開始剤としてアゾビ
スイソブチロニトリル 1.25gを仕込み、窒素ガス気
流中70℃にて8時間重合し、固形分40%の溶液を得
た(この時のアクリル酸は17.5モル%、ブチルアク
リレートのアルキル基の炭素数は4、特性比4.37で
あった)。
(アルミニウムトリスアセチルアセトネート)を共重合
体(固形分)に対し0.7%加え、塗工に供した。 この
乾燥膜(粘着剤層)の熟成後のゲル分率は68%であっ
た。
酸 14g、酢酸エチル450gおよび重合開始剤とし
てアゾビスイソブチロニトリル 1.25gを仕込み、窒
素ガス気流中、70℃において8時間重合させた。 固
形分40%の溶液を得た(この時のアクリル酸は11.
11モル%、2−エチルヘキシルアクリレートのアルキ
ル基の炭素数は8、特性比は1.38であった)。
(アルミニウムトリスアセチルアセトネート)を共重合
体(固形分)に対し0.9%加え、塗工に供した。 この
乾燥膜(粘着剤層)の熟成後のゲル分率は68%であっ
た。
酸エチル 200g、トルエン 450gおよび重合開始
剤としてアゾビスイソブチロニトリル 1.25gを仕込
み、窒素ガス気流中、70℃において8時間重合させ
た。 固形分40%の溶剤を得た(この時のアクリル酸
は19.0モル%、ブチルアクリレートのアルキル基の
炭素数は4、特性比は4.75であった)。
リレンジアミンを共重合体(固形分)に対し0.1%加
え、塗工に供した。 この乾燥膜(粘着剤層)の熟成後
のゲル分率は76%であった。
体溶液に、金属キレート化合物(アルミニウムトリスア
セチルアセトネート)を共重合体(固形分)に対し0.
25%加え、塗工に供した。 この乾燥膜(粘着剤層)
の熟成後のゲル分率は32%であった。
体溶液に、金属キレート化合物(アルミニウムトリスア
セチルアセトネート)を共重合体(固形分)に対し1.
5%加え、塗工に供した。 この乾燥膜(粘着剤層)の
熟成後のゲル分率は92%であった。
体溶液に、テトラグリシジルキシリレンジアミンを共重
合体(固形分)に対し0.03%加え、塗工に供した。
この乾燥膜(粘着剤層)の熟成後のゲル分率は35%で
あった。
体溶液に、テトラグリシジルキシリレンジアミンを共重
合体(固形分)に対し0.3%加え、塗工に供した。 こ
の乾燥膜(粘着剤層)の熟成後のゲル分率は94%であ
った。
トを調製し、その粘着性、耐ガソリン性および耐アルカ
リ水性を試験した。測定用の粘着シート試料は、セパレ
ーター上に各粘着剤を乾燥膜厚が30μmになるよう塗
工し、オーブンにて乾燥、溶剤を揮散させた後、100
μ厚の塩ビフィルム(可塑剤非移行タイプ)に転写する
ことにより作製した。
%RHにて7日間熟成した後におこなった。 このう
ち、粘着力は、貼付24時間後の対アルミニウム板粘着
力を、引張り速度300mm/minにて測定した。
また、耐ガソリン性は、50mm×50mmの試料をア
ルミニウム板貼付し、2時間後、ガソリンに1時間浸漬
した後の外観を観察することにより、耐アルカリ性は同
じく50mm×50mmの試料をアルミニウム板に貼付
し、2時間後に0.1%NaOH水溶液に24時間浸漬
した後の外観を観察することにより行った。 この結果
を表1に示す。
着剤を利用した粘着シートは、優れた耐ガソリン性およ
び耐アルカリ水性を有していた。 以 上
Claims (4)
- 【請求項1】 アクリル酸アルキルエステルと、これと
共重合可能なカルボキシル基含有モノマーとの共重合体
とを架橋して得られる粘着剤であって、共重合体を構成
するカルボキシル基含有モノマーのモル%とアクリル酸
アルキルエステルのアルキル基の平均の炭素数の比が
1.5〜4.5であり、架橋後のゲル分率が40〜90%
であることを特徴とする耐水・耐溶剤性粘着剤。 - 【請求項2】 アクリル酸アルキルエステルのアルキル
基の炭素数が1〜12である請求項第1項記載の耐水・
耐溶剤性粘着剤。 - 【請求項3】 架橋剤がイソシアネート化合物、エポキ
シ化合物および金属キレートよりなる群から選ばれたも
のの1種または2種以上である請求項第1項または第2
項記載の耐水・耐溶剤性粘着剤。 - 【請求項4】 請求項第1項ないし第3項の何れかの項
記載の耐水・耐溶剤性粘着剤を高分子基材に塗布してな
る粘着シート。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22329896A JP4074892B2 (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | 耐水・耐溶剤性粘着剤および粘着シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22329896A JP4074892B2 (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | 耐水・耐溶剤性粘着剤および粘着シート |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1046127A true JPH1046127A (ja) | 1998-02-17 |
JP4074892B2 JP4074892B2 (ja) | 2008-04-16 |
Family
ID=16795960
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22329896A Expired - Lifetime JP4074892B2 (ja) | 1996-08-07 | 1996-08-07 | 耐水・耐溶剤性粘着剤および粘着シート |
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Country | Link |
---|---|
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- 1996-08-07 JP JP22329896A patent/JP4074892B2/ja not_active Expired - Lifetime
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JP4074892B2 (ja) | 2008-04-16 |
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