JPH1045910A - ポリイミド樹脂及びその製造方法 - Google Patents
ポリイミド樹脂及びその製造方法Info
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- JPH1045910A JPH1045910A JP8220498A JP22049896A JPH1045910A JP H1045910 A JPH1045910 A JP H1045910A JP 8220498 A JP8220498 A JP 8220498A JP 22049896 A JP22049896 A JP 22049896A JP H1045910 A JPH1045910 A JP H1045910A
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Abstract
及び第三成分を添加することなく各種基材への密着性が
大幅に改良されたポリイミド樹脂を提供する。 【構成】 ジフェニルスルホン-3,3',4,4'-テトラカルボ
ン酸(A)を必須の酸成分とし、当該酸成分と1種又は
2種以上の芳香族ジアミン(B)とを有機溶剤存在下、
酸成分過剰系(A/B=1.01〜1.20)におい
て、加熱下に脱水縮合反応して溶剤可溶性ポリイミド樹
脂を製造する。
Description
ることなく、密着性の改良された溶剤可溶性ポリイミド
樹脂並びにその製造方法に関する。
て、種々の構造のポリイミド樹脂が知られており(例え
ば、特開昭61−19634号、特開昭61−1417
31号、特開昭61−28526号、特開昭63−19
9239号)、その製造方法としては、所定の芳香族テ
トラカルボン酸二無水物と芳香族ジアミンとを極性溶媒
中において低温下で反応して予めポリアミド酸を合成
し、次いで高温下でイミド化する方法が採られている。
無水物は、一般に高価であり、更にポリアミド酸合成時
には溶液粘度がかなり高くなるため、攪拌トルク等に関
する装置的対応が必要となる。
機械特性、電気特性等に優れるものの、コーティング材
として使用する際の各種基材(金属、ガラス、プラスチ
ック等)との密着性に関しては、まだ満足できる水準に
なく、そのため各種添加剤の配合等による改良が進めら
れている。
が求められていると同時にコストの低減化に関する潜在
的な要望がある。
有利なポリイミド樹脂の製造方法及び第三成分を添加す
ることなく各種基材への密着性が大幅に改良されたポリ
イミド樹脂を提供することを目的とする。
を解決すべく鋭意検討を進めた結果、ポリイミド樹脂の
製造において、酸成分として従来多用されているテトラ
カルボン酸無水物に代えて、より製造容易で安価なテト
ラカルボン酸を選択し、反応モル比をジアミン成分に対
し特定の比率で酸過剰系として使用することにより、ポ
リアミド酸の製造工程が省略でき、且つ得られるポリイ
ミド樹脂がテトラカルボン酸無水物を使用した場合に比
べ、原料・製造コストが低減されると共に耐熱性が低下
することなく大幅な密着性の改良を図ることが可能であ
ることを見いだし、かかる知見に基づいて本発明を完成
するに至った。
方法は、一般式(1)で表される繰り返し単位を有する
溶剤可溶性ポリイミド樹脂を製造する方法において、ジ
フェニルスルホン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸を必須
の酸成分とし、当該酸成分と一般式(2)で示される1
種又は2種以上の芳香族ジアミンとを有機溶剤存在下、
酸成分過剰系において、加熱下に脱水縮合反応すること
を特徴とする。
れる基を表す。X1、X2は同一又は異なって、−O−又
は−S−を表す。Yは、単結合又は−O−、−S−、−
SO2−、−C(=O)−NH−、−C(−CH3)
2−、−C(−CF3)2−又は−CO−から選ばれる二
価の基を表す。]
る。]
ルボン酸は、本発明に係るポリイミドを構成する必須の
酸成分として単独で使用することが好ましいが、他の芳
香族テトラカルボン酸類を併用することもできる。
4個のカルボキシル基が芳香環に直接結合している芳香
族テトラカルボン酸類が例示され、具体的には、ジフェ
ニルスルホン−2,3,3',4−テトラカルボン酸、ジフェニ
ルスルホン−2,2',3,3' −テトラカルボン酸、ピロメリ
ット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニル
テトラカルボン酸、ジフェニルエ―テルテトラカルボン
酸、ナフタリンテトラカルボン酸及び夫々の酸無水物等
の各種カルボン酸誘導体が挙げられる。
量は、ジフェニルスルホン-3,3',4,4'-テトラカルボン
酸の特性を損わない範囲に限られ、一般的には使用する
全酸成分に対して50モル%以下であることが好まし
い。
具体例としては、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミ
ノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニルス
ルホン、3,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,4'−
ジアミノジフェニルスルホン、1,4−ビス(p-アミノフ
ェニルチオエーテル)ベンゼン、1,3−ビス(p-アミノ
フェニルチオエーテル)ベンゼン、2,2−ビス〔4-(p-
アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔3
-(p-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビ
ス〔4-(m-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパン、2,
2−ビス〔3-(m-アミノフェノキシ)フェニル〕プロパ
ン、2,2−ビス〔4-(p-アミノフェノキシ)フェニル〕
ヘキサフロロプロパン、2,2−ビス〔3-(p-アミノフェ
ノキシ)フェニル〕ヘキサフロロプロパン、2,2−ビス
〔4-(m-アミノフェノキシ)フェニル〕ヘキサフロロプ
ロパン、2,2−ビス〔3-(m-アミノフェノキシ)フェニ
ル〕ヘキサフロロプロパン、2,2−ビス〔4-(p-アミノ
フェニルチオエーテル)フェニル〕プロパン、2,2−ビ
ス〔3-(p-アミノフェニルチオエーテル)フェニル〕プ
ロパン、4,4'−ビス(p-アミノフェノキシ)ジフェニル
スルホン、3,3'−ビス(p-アミノフェノキシ)ジフェニ
ルスルホン、3,4'−ビス(p-アミノフェノキシ)ジフェ
ニルスルホン、4,4'−ビス(m-アミノフェノキシ)ジフ
ェニルスルホン、3,3'−ビス(m-アミノフェノキシ)ジ
フェニルスルホン、3,4'−ビス(m-アミノフェノキシ)
ジフェニルスルホン、4,4'−ビス(p-アミノフェニルチ
オエ―テル)ジフェニルスルホン、3,3'−ビス(p-アミ
ノフェニルチオエ―テル)ジフェニルスルホン、3,4'−
ビス(p-アミノフェニルチオエ―テル)ジフェニルスル
ホン、4,4'−ビス(m-アミノフェニルチオエ―テル)ジ
フェニルスルホン、3,3'−ビス(m-アミノフェニルチオ
エ―テル)ジフェニルスルホン、3,4'−ビス(m-アミノ
フェニルチオエ―テル)ジフェニルスルホン、4,4'−ビ
ス(p-アミノフェノキシ)ジフェニルエ―テル、3,3'−
ビス(p-アミノフェノキシ)ジフェニルエ―テル、3,4'
−ビス(p-アミノフェノキシ)ジフェニルエ―テル、4,
4'−ビス(m-アミノフェノキシ)ジフェニルエ―テル、
3,3'−ビス(m-アミノフェノキシ)ジフェニルエ―テ
ル、3,4'−ビス(m-アミノフェノキシ)ジフェニルエ―
テル、4,4'−ビス(p-アミノフェノキシ)ジフェニルス
ルフィド、3,3'−ビス(p-アミノフェノキシ)ジフェニ
ルスルフィド、3,4'−ビス(p-アミノフェノキシ)ジフ
ェニルスルフィド、4,4'−ビス(m-アミノフェノキシ)
ジフェニルスルフィド、3,3'−ビス(m-アミノフェノキ
シ)ジフェニルスルフィド、3,4'−ビス(m-アミノフェ
ノキシ)ジフェニルスルフィド、4,4'−ビス(p-アミノ
フェニルチオエ―テル)ジフェニルスルフィド、3,3'−
ビス(p-アミノフェニルチオエ―テル)ジフェニルスル
フィド、3,4'−ビス(p-アミノフェニルチオエ―テル)
ジフェニルスルフィド、4,4'−ビス(m-アミノフェニル
チオエ―テル)ジフェニルスルフィド、3,3'−ビス(m-
アミノフェニルチオエ―テル)ジフェニルスルフィド、
3,4'−ビス(m-アミノフェニルチオエ―テル)ジフェニ
ルスルフィド、4,4'−ビス(p-アミノフェニルチオエ―
テル)ジフェニルエ―テル、3,3'−ビス(p-アミノフェ
ニルチオエ―テル)ジフェニルエ―テル、3,4'−ビス
(p-アミノフェニルチオエ―テル)ジフェニルエ―テ
ル、4,4'−ビス(m-アミノフェニルチオエ―テル)ジフ
ェニルエ―テル、3,3'−ビス(m-アミノフェニルチオエ
―テル)ジフェニルエ―テル、3,4'−ビス(m-アミノフ
ェニルチオエ―テル)ジフェニルエ―テル、4,4'−ビス
(p-アミノフェノキシ)ジフェニル、3,3'−ビス(p-ア
ミノフェノキシ)ジフェニル、4,4'−ビス(p-アミノフ
ェノキシ)ベンゾフェノン、3,3'−ビス(p-アミノフェ
ノキシ)ベンゾフェノン、3,4'−ビス(p-アミノフェノ
キシ)ベンゾフェノン、4,4'−ビス(p-アミノフェニル
チオエ―テル)ジフェニル、3,3'−ビス(p-アミノフェ
ニルチオエ―テル)ジフェニル、3−(p-アミノフェノキ
シ)−4'−(p-アミノフェニルチオエ―テル)ジフェニル
スルホン、3−(p-アミノフェノキシ)−4'−(p-アミノフ
ェニルチオエ―テル)ジフェニルスルフィド、3−(p-ア
ミノフェノキシ)−4'−(p-アミノフェニルチオエ―テ
ル)ジフェニルエ―テル、3−(p-アミノフェノキシ)−
4'−(p-アミノフェニルチオエ―テル)ベンゾフェノ
ン、3−(p-アミノフェニルチオエ―テル)−4'−(p-アミ
ノフェノキシ)ジフェニルスルホン、3−(p-アミノフェ
ニルチオエ―テル)−4'−(p-アミノフェノキシ)ジフェ
ニルスルフィド、3−(p-アミノフェニルチオエ―テル)
−4'−(p-アミノフェノキシ)ジフェニルエ―テル、3−
(p-アミノフェニルチオエ―テル)−4'−(p-アミノフェ
ノキシ)ベンゾフェノン、1,4−ビス(p-アミノフェニル
チオエ―テル)ベンゼン、1,3−ビス(p-アミノフェニル
チオエ―テル)ベンゼン、4−(p-アミノフェノキシ)−
4'−(p-アミノフェニルチオエ―テル)ジフェニルスル
ホン、4−(p-アミノフェノキシ)−4'−(p-アミノフェニ
ルチオエ―テル)ジフェニルスルフィド、4−(p-アミノ
フェノキシ)−4'−(p-アミノフェニルチオエ―テル)ジ
フェニルエーテル、4−(p-アミノフェノキシ)−4'−(p-
アミノフェニルチオエ―テル)ベンゾフェノン等が例示
される。
わされる芳香族ジアミンを単独で使用することが好まし
いが、2種以上の当該ジアミンを混合して使用できる
外、他のジアミンを併用することもできる。
ば、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、
p−フェニレンジアミン、2,4−トルエンジアミン、4,4'
−ジアミノジフェニルエ―テル、3,3'−ジアミノジフェ
ニルエ―テル、4,4'−ジアミノベンゾフェノン、3,3'−
ジアミノベンゾフェノン、4,4'−ジアミノジフェニルメ
タン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、1,3'−ビス
(p-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4'−ビス(p-アミ
ノフェノキシ)ベンゼン、,ェ1,5−ジアミノナフタレ
ン、 2,6−ジアミノナフタレン、 2,6−ジアミノピリジ
ン等が挙げられる。
一般式(2)で表わされるジアミンの特性を損わない限
り得に限定されるものでないが、一般的にはジアミンの
全使用量に対して50モル%以下が望ましい。
カルボン酸以外のテトラカルボン酸類や一般式(2)で
表わされる芳香族ジアミン以外のジアミンを前記の範囲
以上に添加した場合には、得られるポリイミド樹脂の溶
剤溶解性や耐熱性が不十分であったり、品質が安定しな
い等の好ましくない結果をもたらす。
ド樹脂は、一般に以下の方法により製造される。即ち、
原料であるジフェニルスルホン−3,3',4,4'−テトラカ
ルボン酸を必須の酸成分とする所定の酸成分と芳香族ジ
アミンとを酸成分過剰系にて有機溶剤中に溶解し、従来
のように特別に低温でのアミド化反応操作は行わず、直
ちに高温下でイミド化反応をさせるのである。かくして
得られるポリイミドにおいて、数平均分子量が5,00
0〜35,000であり、分子量分布の広がりの尺度で
ある多分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.
45以上であるポリイミドは、保存安定性に優れた樹脂
溶液を構成し、それから得られるポリイミドは、優れた
密着性を具備する。
3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物に代えてジフェニ
ルスルホン−3,3',4,4'−テトラカルボン酸を選択する
ことにより、両者が同程度の分子量を有する場合、より
多分散度の大きいポリイミド樹脂を得ることができる。
一般に、分子量が同程度である場合、多分散度が大きい
樹脂ほど、密着性に優れる傾向が認められる。
分と比較して化学量論的に酸過剰とすることにより、当
該樹脂溶液の保存安定性に優れ、且つ密着性の良好なポ
リイミド樹脂を得ることができる。一方、ジアミン過剰
系となった場合、得られるポリイミド樹脂溶液はゲル状
を呈し易く、保存安定性が著しく低下する。
カルボン酸(A)と芳香族ジアミン(B)との反応モル
比(A/B)としては、特に1.01〜1.20が好ま
しい。酸過剰率がこの範囲より小さいと得られるポリイ
ミド樹脂の密着性が不十分であり、酸過剰率がこの範囲
を超えると得られるポリイミド樹脂の耐熱性及び機械強
度が不十分となる。
は、非プロトン系極性溶剤又はフェノ―ル系溶剤が一般
的に好ましく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、
1,3−ジメチル -2-イミダゾリジノン、ヘキサメチルリ
ン酸トリアミド、フェノール、クレゾール、ジメチルフ
ェノール、クロルフェノール、ブロムフェノール等が挙
げられる。
の、一般的有機溶剤であるケトン類、エステル類、ラク
トン類、エーテル類、セロソルブ類、ハロゲン化炭化水
素類、炭化水素類が使用可能である。かかる溶剤とし
て、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン、アセトフェノン、酢酸メチ
ル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シュウ酸ジエチル、マロ
ン酸ジエチル、γ−ブチロラクトン、ジエチルエーテ
ル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチング
リコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジグ
ライム、メチルセロソルブ、エチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジクロルメタン、1,2−ジクロルエタ
ン、1,4−ジクロルブタン、トリクロルエタン、クロ
ルベンゼン、ジクロルベンゼン、ヘキサン、ヘプタン、
オクタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が例示され
る。
85〜250℃、特に好ましくは100〜200℃に加
熱することにより実施される。85℃未満では経済的な
反応速度が得られにくく、250℃を超える温度では反
応系の着色、副反応等が生じる傾向が認められ、いずれ
の場合も好ましくない。
反応諸条件等によって適宜選択できるが、通常、0.5
〜50時間である。
ては、1〜50重量%、特に5〜40重量%が好まし
い。1重量%未満では経済的に不利であり、50重量%
を超えると高粘度となり作業性に劣る。
(ポリイミドワニス)は、そのまま、ガラス上、金属板
上又はトレイ中にキャスティング又はスピンコーティン
グするか若しくは不織布やカーボンファイバー、ガラス
布等に含浸し、加熱等によって有機溶剤等を除去するこ
とにより容易にポリイミド樹脂フィルム、コーティング
膜及び成形品等が得られる。
イミドを一旦分離した後、有機溶剤に再溶解させ、次い
で上記の方法によりフィルム化することもできる。この
再溶解に用いられる有機溶剤としては、前記と同様の非
プロトン系極性溶剤、フェノ―ル系溶剤等が好適であ
る。このフィルムは、溶融温度以上では、熱可塑性を示
し、フィルムの加熱圧着や圧縮成型が可能である。
当該ポリイミド樹脂の末端カルボキシル基と反応可能な
化合物等の添加により目的、用途に応じたポリイミド樹
脂組成物を得ることが可能であり、更なる密着性が要求
される場合にはシラン系、チタン系のカップリング剤等
の使用が可能である。カップリング剤は、通常、ポリイ
ミド100重量部に対し、0.05〜5重量部で用いら
れる。
材料、耐熱性コーティング材、耐熱性積層板、耐熱性塗
料、耐熱性フィルム、耐熱性接着剤等、電機・電子材
料、機器応用が可能であり、具体的には強化耐熱板、プ
リント配線基盤、フレキシブル配線基盤、テープキャリ
ヤー、半導体集積回路素子の表面保護膜又は層間絶縁
膜、エナメル電線用被覆材、各種積層板ガスケット等に
用いられる。
しく説明する。尚、各例における物性の測定方法は次の
通りである。
分子量及び重量平均分子量を求めた。装置としては島津
製作所製「LC−6A」を使用し、カラムとしては昭和
電工製の「AD-802.5/s」、「AD-803/s」、「AD-804/s」
及び「AD-805/s」の4本を連結して使用した。溶媒とし
ては0.01mol/lのLiBr含有N,N−ジメチルホルム
アミド(DMF)溶液を使用し、ポリエチレンオキサイ
ドを標準物質とした。
第1表において、粘度変化が±5%以内の場合、「○」
で表示している。
050P)及び軟質ソーダガラス板上にそれぞれスピンコー
ティングし、ファインオーブンにて250℃、15分で
脱溶剤することにより、膜厚10〜25μmのポリイミ
ドコーティング皮膜を作成した。得られたポリイミド皮
膜のアルミ板及び軟質ソーダガラス板に対する密着性を
評価するため、碁盤目テープ試験をJIS−K−540
0に準拠して実施した。
分、空気下での10重量%の重量減少温度を測定した。
トルの反応器に4,4'−ビス(p−アミノフェノキシ)ジ
フェニルスルホン(BAPS)43.25g(0.10
0モル)、ジフェニルスルホン−3,3',4,4'−テトラカ
ルボン酸(DSTC)41.37g(0.105モ
ル)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)310g
及びキシレン16gを仕込み、窒素雰囲気下、170℃
で5時間、生成水を除去しながら反応させ、目的とする
透明粘稠なポリイミド樹脂溶液を得た。この樹脂溶液の
粘度は31Pであった。
液の一部をメタノール中に投じ、再沈して得たポリマー
を室温、減圧にて乾燥を行い赤外吸収スペクトル(I
R)を測定したところ、1770cm-1にイミド基に基づ
く特性吸収が認められた。
マーの分子量特性、熱分解温度及び密着性を測定し、評
価した結果を第1表に示す。
に変更した他は実施例1と同様に操作して透明粘稠なポ
リイミド樹脂溶液を得た。この樹脂溶液の粘度は22P
であった。当該樹脂溶液を実施例1と同様に処理して得
られたポリマーをIR分析した結果、1770cm-1にイ
ミド基に基づく特性吸収を認めた。当該樹脂溶液の保存
安定性並びに当該ポリマーの分子量特性、熱分解温度及
び密着性を測定し、評価した結果を第1表に示す。
ジフェニルスルホン(BAPS−M)43.25g
(0.100モル)を使用した他は実施例1と同様に操
作して透明粘稠なポリイミド樹脂溶液を得た。この樹脂
溶液の粘度は28Pであった。当該樹脂溶液を実施例1
と同様に処理して得られたポリマーをIR分析した結
果、1770cm-1にイミド基に基づく特性吸収を認め
た。当該樹脂溶液の保存安定性並びに当該ポリマーの分
子量特性、熱分解温度及び密着性を測定し、評価した結
果を第1表に示す。
0モル)を使用した他は実施例2と同様に操作して透明
粘稠なポリイミド樹脂溶液を得た。この樹脂溶液の粘度
は16Pであった。当該樹脂溶液を実施例1と同様に処
理して得られたポリマーをIR分析した結果、1770
cm-1にイミド基に基づく特性吸収を認めた。当該樹脂溶
液の保存安定性並びに当該ポリマーの分子量特性、熱分
解温度及び密着性を測定し、評価した結果を第1表に示
す。
シ)フェニル〕プロパン(BAPP)41.05g
(0.100モル)を使用した他は実施例1と同様に操
作して透明粘稠なポリイミド樹脂溶液を得た。この樹脂
溶液の粘度は34Pであった。当該樹脂溶液を実施例1
と同様に処理して得られたポリマーをIR分析した結
果、1770cm-1にイミド基に基づく特性吸収を認め
た。当該樹脂溶液の保存安定性並びに当該ポリマーの分
子量特性、熱分解温度及び密着性を測定し、評価した結
果を第1表に示す。
ル)を使用した他は実施例2と同様に操作して透明粘稠
なポリイミド樹脂溶液を得た。この樹脂溶液の粘度は2
1Pであった。当該樹脂溶液を実施例1と同様に処理し
て得られたポリマーをIR分析した結果、1770cm-1
にイミド基に基づく特性吸収を認めた。当該樹脂溶液の
保存安定性並びに当該ポリマーの分子量特性、熱分解温
度及び密着性を測定し、評価した結果を第1表に示す。
(DDS)21.61g(0.100モル)を使用した
他は実施例1と同様に操作して透明粘稠なポリイミド樹
脂溶液を得た。この樹脂溶液の粘度は14Pであった。
当該樹脂溶液を実施例1と同様に処理して得られたポリ
マーをIR分析した結果、1770cm-1にイミド基に基
づく特性吸収を認めた。当該樹脂溶液の保存安定性並び
に当該ポリマーの分子量特性、熱分解温度及び密着性を
測定し、評価した結果を第1表に示す。
シ)フェニル〕ヘキサフロロプロパン(HFBAPP)
51.85g(0.100モル)を使用した他は実施例
1と同様に操作して透明粘稠なポリイミド樹脂溶液を得
た。この樹脂溶液の粘度は45Pであった。当該樹脂溶
液を実施例1と同様に処理して得られたポリマーをIR
分析した結果、1770cm-1にイミド基に基づく特性吸
収を認めた。当該樹脂溶液の粘度及び保存安定性並びに
当該ポリマーの分子量特性、熱分解温度及び密着性を測
定し、評価した結果を第1表に示す。
トルの反応器にBAPS43.25g(0.100モ
ル)及びNMP300gを仕込み、窒素置換した後溶解
するまで室温下にて攪拌した。次にジフェニルスルホン
−3,3',4,4'−テトラカルボン酸二無水物(DSDA)
37.59g(0.105モル)を徐々に添加し、25
〜30℃で1時間反応して透明粘稠なポリアミド酸溶液
を得た。この溶液にキシレン15gを加え、窒素雰囲気
下、170℃で5時間、生成水を除去しながら反応さ
せ、透明粘稠なポリイミド樹脂溶液を得た。この樹脂溶
液の粘度は38Pであった。当該樹脂溶液を実施例1と
同様に処理して得られたポリマーをIR分析した結果、
1770cm-1にイミド基に基づく特性吸収を認めた。当
該樹脂溶液の保存安定性並びに当該ポリマーの分子量特
性、熱分解温度及び密着性を測定し、評価した結果を第
1表に示す。
に変更した他は比較例1と同様に操作して透明粘稠なポ
リイミド樹脂溶液を得た。この樹脂溶液の粘度は24P
であった。当該樹脂溶液を実施例1と同様に処理して得
られたポリマーをIR分析した結果、1770cm-1にイ
ミド基に基づく特性吸収を認めた。当該樹脂溶液の保存
安定性並びに当該ポリマーの分子量特性、熱分解温度及
び密着性を測定し、評価した結果を第1表に示す。
ル)を使用した他は比較例1と同様に操作して透明粘稠
なポリイミド樹脂溶液を得た。この樹脂溶液の粘度は4
0Pであった。当該樹脂溶液を実施例1と同様に処理し
て得られたポリマーをIR分析した結果、1770cm-1
にイミド基に基づく特性吸収を認めた。当該樹脂溶液の
保存安定性並びに当該ポリマーの分子量特性、熱分解温
度及び密着性を測定し、評価した結果を第1表に示す。
ル)、DSTCの仕込み量を35.80g(0.100
モル)に変更し、ジアミン過剰系とした他は実施例1と
同様に操作して透明粘稠なポリイミド樹脂溶液を得た。
この樹脂溶液の粘度は48Pであった。当該樹脂溶液を
実施例1と同様に処理して得られたポリマーをIR分析
した結果、1770cm-1にイミド基に基づく特性吸収を
認めた。しかし、保存安定性試験において1週間後には
溶液に流動性がなくなり、ゲル状を呈した。
は、酸原料としてテトラカルボン酸二無水物より安価な
テトラカルボン酸を使用し、且つアミド化工程が不必要
な方法により製造されるため、原料コスト・製造コスト
の低減が可能である。又、酸原料としてテトラカルボン
酸二無水物を使用して得られるポリイミド樹脂より広い
多分散度を有す為、ポリイミド樹脂本来の優れた諸特性
に加え、各種基材への密着性に関しては同等以上の特性
を有する。
のテトラカルボン酸としてジフェニルスルホン−3,3',
4,4'−テトラカルボン酸を、ジアミン原料として汎用の
ジアミノ化合物を使用するため、優れた諸特性と溶剤可
溶性を有し、且つ工業的に安価に製造できる。
Claims (4)
- 【請求項1】 一般式(1)で表される繰り返し単位を
有する溶剤可溶性ポリイミド樹脂を製造する方法におい
て、ジフェニルスルホン-3,3',4,4'-テトラカルボン酸
を必須の酸成分とし、当該酸成分と一般式(2)で示さ
れる1種又は2種以上の芳香族ジアミンとを有機溶剤存
在下、酸成分過剰系において、加熱下に脱水縮合反応す
ることを特徴とするポリイミド樹脂の製造方法。 【化1】 [式中、Zは−S−、−SO2−、式a又は式bで示さ
れる基を表す。X1、X2は同一又は異なって、−O−又
は−S−を表す。Yは、単結合又は−O−、−S−、−
SO2−、−C(=O)−NH−、−C(−CH3)
2−、−C(−CF3)2−又は−CO−から選ばれる二
価の基を表す。] 【化2】 【化3】 【化4】 [式中、Zは一般式(1)において記載したとおりであ
る。] - 【請求項2】 ジフェニルスルホン-3,3',4,4'-テトラ
カルボン酸(A)と芳香族ジアミン(B)との反応モル
比(A/B)が1.01〜1.20である請求項1に記
載のポリイミド樹脂の製造方法。 - 【請求項3】 数平均分子量が5,000〜35,00
0であり、且つ多分散度が1.45以上である請求項1
又は請求項2に記載の方法で製造されたポリイミド樹
脂。 - 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の方法で製
造されたポリイミド樹脂又は請求項3に記載のポリイミ
ド樹脂を溶解してなるポリイミド樹脂溶液。
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JP22049896A JP3724074B2 (ja) | 1996-08-01 | 1996-08-01 | ポリイミド樹脂及びその製造方法 |
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JPH1045910A true JPH1045910A (ja) | 1998-02-17 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2017092163A (ja) * | 2015-11-06 | 2017-05-25 | アシザワ・ファインテック株式会社 | 熱電変換素子 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS64121A (en) * | 1987-02-13 | 1989-01-05 | New Japan Chem Co Ltd | Polyimide resin composition and its production |
JPH01149830A (ja) * | 1987-12-04 | 1989-06-12 | Toray Ind Inc | 熱可塑性芳香族ポリイミド重合体 |
JPH01203427A (ja) * | 1988-02-09 | 1989-08-16 | Tonen Sekiyukagaku Kk | ポリスルホンイミド成形体の製造方法 |
-
1996
- 1996-08-01 JP JP22049896A patent/JP3724074B2/ja not_active Expired - Fee Related
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