JPH1045496A - 導電性酸化物薄膜、この薄膜を有する物品及びその製造方法 - Google Patents

導電性酸化物薄膜、この薄膜を有する物品及びその製造方法

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JPH1045496A
JPH1045496A JP8202001A JP20200196A JPH1045496A JP H1045496 A JPH1045496 A JP H1045496A JP 8202001 A JP8202001 A JP 8202001A JP 20200196 A JP20200196 A JP 20200196A JP H1045496 A JPH1045496 A JP H1045496A
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恵 竹内
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2) で示さ
れる酸化物からなる薄膜であって、より高い電気伝導度
を示す導電性酸化物薄膜及びこの導電性酸化物薄膜を有
する物品の提供。 【解決手段】 一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d
(式中、Mはアルミニウム及びガリウムのうちの少なく
とも一つの元素であり、比率(x:y)が1.8:1を超
え8:1以下の範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.
4:1の範囲であり、且つ酸素欠損量dが0を超え、
(x+3y/2+3z/2)の1×10-1倍の範囲であ
る)で表される酸化物薄膜であって、前記酸化物の(0
0n)面(但し、nは正の整数である)が実質的に配向
している導電性酸化物薄膜。基板の少なくとも一方の面
の少なくとも一部に前記導電性酸化物薄膜を有する物品
であって、前記導電性酸化物薄膜が、前記酸化物の(0
0n)面を実質的に配向させるための配向性制御基板上
または基板上の配向性制御膜上に形成されたものである
物品。前記導電性酸化物薄膜の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた電気伝導性
を有する導電性酸化物薄膜、及びこの導電性酸化物を用
いた電極等の物品、さらにこれらの製造方法に関する。
本発明の導電性酸化物薄膜は、優れた導電性を有するの
みならず、可視域全域での透明性に優れるので、光透過
性が必要なディスプレイや太陽電池用の電極等として特
に有用である。
【0002】
【従来の技術】可視光線領域で透明で且つ電気伝導性を
有するいわゆる透明導電性材料は、液晶ディスプレイ、
ELディスプレイなどの各種パネル型ディスプレイや太
陽電池の透明電極として用いられている。透明導電性材
料としては、金属酸化物半導体が一般に用いられ、スズ
をドープした酸化インジウム(ITO)を始めとして、
種々提案されている。これまでパネル型ディスプレイ用
の透明電極としては、ITOがよく用いられてきた。し
かし、ディスプレイの大型化、高精細化が進むと、IT
Oでは高抵抗、着色等の問題が生じ、実用には耐えられ
ない。即ち、これまで透明電極用材料として実用されて
いるITOでは、透明性と電気伝導性とを共に満足する
大型透明電極を得ることは出来なかった。このような理
由から、可視領域の450nm以下の短波長領域でも透明
性があり、且つ導電性の高い材料の開発が課題となって
いた。
【0003】そこで、本発明者らは、YbFe2Od 型構造を
有し、一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d (式中、
Mはアルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも一つ
の元素であり、比率(x:y)が0.2 :1〜8:1の範
囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であ
り、且つ酸素欠損量dが0を超え、(x+3y/2+3
z/2)の1×10-1倍の範囲である)で表される酸化
物及び同様の基本構造を有する酸化物が、ITO薄膜
(Inに対してSnを5mol %含む)と比較し、450nm以
下の短波長領域における透明性が高く、且つ電気伝導率
が同等またはそれ以上である新規の透明導電性材料であ
ることを見いだし、先に特許出願した(特願平7−65
840号及び特願平7−101321号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記一般式Znx M y In
z O (x+3y/2+3z/2)-d で表される酸化物は、透明導電性
薄膜として電極等に使用される。このような薄膜は、通
常数百〜数千Åの膜厚に調製されるが、このような薄膜
であっても高い電気伝導度を示すことが要求される。そ
こで本発明の目的は、一般式Znx M y Inz O
(x+3y/2+3z/2) で示される酸化物からなる薄膜であっ
て、より高い電気伝導度を示す導電性酸化物薄膜、その
ような導電性酸化物薄膜を有する液晶ディスプレイ、E
Lディスプレイ及び太陽電池等に有用な電極等として利
用できる物品を提供することにある。さらに、本発明
は、上記のような高い電気伝導度を示す導電性酸化物薄
膜を有する物品を容易に製造するための方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、以下に列挙す
る導電性酸化物薄膜、導電性酸化物薄膜を有する物品及
び物品の製造方法に関する。
【0006】第1の態様の酸化物薄膜 一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはア
ルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも一つの元素
であり、比率(x:y)が1.8:1を超え8:1以下の
範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲で
あり、且つ酸素欠損量dが0を超え、(x+3y/2+
3z/2)の1×10-1倍の範囲である)で表される酸
化物薄膜であって、前記酸化物の(00n)面(但し、
nは正の整数である)が実質的に配向していることを特
徴とする導電性酸化物薄膜。
【0007】第2の態様の酸化物薄膜 一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはア
ルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも一つの元素
であり、比率(x:y)が1.8:1を超え8:1以下の
範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲で
あり、且つ酸素欠損量dが0を超え、(x+3y/2+
3z/2)の1×10-1倍の範囲である)で表され、且
つZn、M及びInのうちの少なくとも一種の元素の一部が
他の元素で置換されており、Znと置換される元素は原子
価が2価以上であり、M及びInと置換される元素は原子
価が3価以上である酸化物薄膜であって、前記酸化物の
(00n)面(但し、nは正の整数である)が実質的に
配向していることを特徴とする導電性酸化物薄膜。
【0008】第3の態様の酸化物薄膜 一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはア
ルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも一つの元素
であり、比率(x:y)が1.8:1を超え8:1以下の
範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲で
あり、且つ酸素欠損量dが0を超え、(x+3y/2+
3z/2)の1×10-1倍の範囲である)で表される酸
化物に、陽イオンを注入した酸化物薄膜であって、前記
酸化物の(00n)面(但し、nは正の整数である)が
実質的に配向していることを特徴とする導電性酸化物薄
膜。
【0009】第1の態様の物品 基板の少なくとも一方の面の少なくとも一部に上記第1
〜第3の態様のいずれかの導電性酸化物薄膜を有する物
品であって、前記導電性酸化物薄膜が、前記酸化物の
(00n)面を実質的に配向させるための配向性制御膜
上に形成されたものであることを特徴とする物品。
【0010】第2の態様の物品 基板の少なくとも一方の面の少なくとも一部に導電性酸
化物薄膜を有する物品であって、前記導電性酸化物薄膜
は、一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d (式中、M
はアルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも一つの
元素であり、比率(x:y)が0.2 〜1.8 :1の範囲で
あり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、
且つ酸素欠損量dが0を超え、(x+3y/2+3z/
2)の1×10-1倍の範囲である)で表される酸化物か
らなり、かつ前記導電性酸化物薄膜は、配向性制御基板
上または基板上の配向性制御膜上に、上記酸化物の(0
0n)面(但し、nは正の整数である)が実質的に配向
するように形成されたものであることを特徴とする物
品。
【0011】第3の態様の物品 基板の少なくとも一方の面の少なくとも一部に導電性酸
化物薄膜を有する物品であって、前記導電性酸化物薄膜
は、一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d (式中、M
はアルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも一つの
元素であり、比率(x:y)が0.2 〜1.8 :1の範囲で
あり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、
且つ酸素欠損量dが0を超え、(x+3y/2+3z/
2)の1×10-1倍の範囲である)で表され、且つZn、
M及びInのうちの少なくとも一種の元素の一部が他の元
素で置換されており、Znと置換される元素は原子価が2
価以上であり、M及びInと置換される元素は原子価が3
価以上である酸化物薄膜であって、かつ前記導電性酸化
物薄膜は、配向性制御基板上または基板上の配向性制御
膜上に、上記酸化物の(00n)面(但し、nは正の整
数である)が実質的に配向するように形成されたもので
あることを特徴とする物品。
【0012】第4の態様の物品 基板の少なくとも一方の面の少なくとも一部に導電性酸
化物薄膜を有する物品であって、前記導電性酸化物薄膜
が一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mは
アルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも一つの元
素であり、比率(x:y)が0.2 〜1.8 :1の範囲であ
り、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、且
つ酸素欠損量dが0を超え、(x+3y/2+3z/
2)の1×10-1倍の範囲である)で表される酸化物
に、陽イオンを注入した酸化物薄膜であって、かつ前記
導電性酸化物薄膜は、配向性制御基板上または基板上の
配向性制御膜上に、上記酸化物の(00n)面(但し、
nは正の整数である)が実質的に配向するように形成さ
れたものであることを特徴とする物品。
【0013】第1の態様の製造方法 一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはア
ルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも一つの元素
であり、比率(x:y)が0.2 〜8:1の範囲であり、
比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、且つ酸
素欠損量dが0を超え、(x+3y/2+3z/2)の
1×10-1倍の範囲である)で表される酸化物をターゲ
ットとして、スパッター法により薄膜を形成する方法で
あって、前記酸化物薄膜を、前記酸化物の(00n)面
を実質的に配向させるための配向性制御基板上または配
向性制御膜を有する基板の前記配向性制御膜上に形成さ
せることを特徴とする第1の態様の導電性酸化物薄膜を
有する物品(第1の態様の物品の一部)または第2の態
様の物品の製造方法。
【0014】第2の態様の製造方法 一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはア
ルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも一つの元素
であり、比率(x:y)が0.2 〜8:1の範囲であり、
比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、且つ酸
素欠損量dが0を超え、(x+3y/2+3z/2)の
1×10-1倍の範囲である)で表され、且つZn、M及び
Inのうちの少なくとも一種の元素の一部が他の元素で置
換されており、Znと置換される元素は原子価が2価以上
であり、M及びInと置換される元素は原子価が3価以上
である酸化物をターゲットとして、スパッター法により
薄膜を形成する方法であって、前記酸化物薄膜を、前記
酸化物の(00n)面を実質的に配向させるための配向
性制御基板上または配向性制御膜を有する基板の前記配
向性制御膜上に形成させることを特徴とする第2の態様
の導電性酸化物薄膜を有する物品(第1の態様の物品の
一部)または第3の態様の物品の製造方法。
【0015】第3の態様の製造方法 一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはア
ルミニウム及びガリウムのうちの少なくとも一つの元素
であり、比率(x:y)が1.8:1を超え8:1以下の
範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲で
あり、且つ酸素欠損量dが0を超え、(x+3y/2+
3z/2)の1×10-1倍の範囲である)で表される酸
化物をターゲットとして、スパッター法により薄膜を形
成し、次いで陽イオンを注入する方法であって、前記酸
化物薄膜を、前記酸化物の(00n)面を実質的に配向
させるための配向性制御基板上または配向性制御膜を有
する基板の前記配向性制御膜上に形成させることを特徴
とする第3の態様の導電性酸化物薄膜を有する物品(第
1の態様の物品の一部)または第4の態様の物品の製造
方法。
【0016】
【発明の実施の態様】以下、本発明について説明する。
In−Ga−Znの複合酸化物及びIn−Al−Znの複合酸化物に
ついては、君塚らの研究報告がある(N.Kimizuka, T.Mo
hri, Y.Matsui and K.Shiratori, J.Solid State Che
m., 74巻,98頁,1988年)。君塚らは、In
2O3 、ZnO 及びGa2O3またはAl2O3 の粉末から固相法に
より未知結晶を合成し、InGaO3(ZnO) m 及びInAlO3(Zn
O) m (いずれもm =2〜7)を得た。これらの酸化物
は、それぞれZnmGaInO3+m及びZnm AlInO3+mとも表され
る。上記報告では、InGaO3(ZnO) m 及びInAlO3(ZnO) m
の結晶構造に関する研究のみが記載されているが、本発
明者らは、これらの結晶に関する光学的特性及び電気的
特性について報告し、さらに、酸素欠損や元素の置換、
さらには陽イオン注入により導電性を付与出来ることを
見出し特許出願した(特願平7−65840号及び特願
平7−101321号)。
【0017】それに対して、本発明の導電性酸化物薄
膜、及び本発明の物品に設けられた導電性酸化物薄膜
は、酸化物の(00n)面(但し、nは正の整数であ
る)が、実質的に配向していることを特徴とし、このよ
うな構造を有することで、より高い導電性を発揮するこ
とができる。このことを図1〜3により説明する。一般
式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2) で示される酸化物は、
基本的にはInO6の八面体構造を有し、その稜を共有して
平面的に広がる層を形成している。この構造を示す電子
模型(白丸がIn原子であり、黒丸が酸素原子である)を
図1に示す。図1のAは(00n)面に垂直な方向から
見た図であり、図1のBは(00n)面と平行な方向か
ら見た図である。図2は、InO6の八面体及び八面体の
(00n)面、さらには基板との関係を模式的に示した
図である。そして、図3に模式的に示すように、(00
n)面が実質的に配向させ、ここに電流(電子)を流す
と、電子の経路は(00n)面と平行な方向に直線的に
なる。尚、薄膜が基板の表面に形成される場合、(00
n)面を基板の表面と実質的に平行に配向すると、基板
の表面の広がり方向に電子の直線的な経路がけいせいさ
れることになる。本発明における、一般式Znx M y Inz
O (x+3y/2+3z/2) で示される導電性酸化物薄膜は、その
(00n)面が実質的に配向していることで高い導電性
を示す。無配向性の膜においては、電子の経路がジグザ
クになるのに対して、配向性の膜においては、電子の経
路は直線的になり、より高い導電性が得られる。
【0018】第1の態様の導電性酸化物薄膜 一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d 中、Mはアルミ
ニウム及びガリウムのいずれか単独であってもよいし、
アルミニウム及びガリウムが共存してもよい。アルミニ
ウム及びガリウムが共存する場合、アルミニウムとガリ
ウムの比率には特に制限はない。但し、アルミニウムの
比率が増えると結晶化温度が高くなる傾向がある。ガリ
ウムの比率が増えると結晶化温度が低くなる傾向があ
る。比率(x:y)は1.8:1を超え、8:1以下の範
囲である。x/yが8を超えるとZnO 結晶構造が主たる
相となってしまい、本発明の導電性酸化物薄膜の有する
特性が発現されない。好ましい比率(x:y)は1.8〜
6.2:1の範囲であり、より好ましくは1.8〜3.2:1
の範囲である。比率(z:y)は0.4〜1.4:1の範囲
であり、z/yが0.4未満ではZnGa2O4 相等の析出が顕
著となり、導電性が低下する。z/yが1.4を超えると
In2O3相が析出して透明性が低下する。好ましい比率
(z:y)は0.6〜1.4:1の範囲であり、より好まし
くは0.8〜1.2:1の範囲である。酸素欠損量dは、0
を超え、(x+3y/2+3z/2)の1×10-1倍の
範囲である。導電性と可視光の透過性とを考慮すると、
好ましくは(x+3y/2+3z/2)の1×10-3
〜1×10-1倍の範囲であり、より好ましくは(x+3
y/2+3z/2)の1×10-2倍〜1×10-1倍の範
囲である。なお、酸素欠損量とは、1モルの酸化物結晶
中に含まれる酸素イオンの数を化学量論量の酸素イオン
の数から差し引いた値をモル単位で示した値である。酸
化物結晶中に含まれる酸素イオンの数は、例えば、酸化
物結晶を炭素粉末中で加熱させて生成する二酸化炭素の
量を赤外吸収スペクトルで測定することで算出すること
ができる。また、化学量論量の酸素イオンの数は酸化物
結晶の質量から算出することができる。本発明の酸化物
薄膜の導電性は、伝導帯におけるキャリア電子の量が、
1×1018/cm3 〜1×1022/cm3 の範囲にあるとき
に良好となる。より好ましい量は、1×1019/cm3
5×1021/cm3 の範囲である。なお、キャリア電子の
量は、例えば、van der Pauw法電気伝導率測定装置によ
り測定することができる。上記の酸化物薄膜は、前記の
ように制御された配向性を有することで、より高い導電
性を発揮する。即ち、薄膜を構成する酸化物の(00
n)面(但し、nは正の整数である)が、実質的に配向
している。本明細書において「実質的に配向」とは、一
般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはアル
ミニウム及びガリウムのうちの少なくとも一つの元素で
あり、比率(x:y)が1.8:1を超え8:1以下の範
囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であ
り、且つ酸素欠損量dが0を超え、(x+3y/2+3
z/2)の1×10-1倍の範囲である)で表される酸化
物薄膜を形成する任意の結晶粒同士の(00n)面の法
線の互いになす角度が60°以内、好ましくは40°以
内、さらに好ましくは20°以内であることを意味す
る。このような配向性を有する導電性酸化物薄膜は、後
述するように、酸化物薄膜の配向性制御するための機能
性膜または機能性基板上に形成されることにより、形成
することができる。
【0019】第2の態様の導電性酸化物薄膜 本発明の第2の態様の導電性酸化物薄膜において、一般
式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d の式中、M、比率
(x:y)及び比率(z:y)については、前記本発明
の第1の態様の導電性酸化物薄膜と同様である。酸素欠
損量dは、元素の置換により付与される導電性を考慮し
て適宜決定でき、0であってもよい。酸素欠損量dは、
多すぎると可視光を吸収して透明性を低下させる原因と
なるので、(x+3y/2+3z/2)の1×10-1
以下であることが適当である。さらに、本発明の第2の
態様の導電性酸化物薄膜では、酸素欠損を導入すること
以外に、Zn、M及びInの少なくとも一つの元素の一部を
他の元素と置換することにより、キャリア電子が伝導帯
に注入されて、導電性を発現させることができる。Znは
2価の元素であり、これと置換可能な元素は、原子価が
2価以上の元素である。原子価が高い元素ほど、少量の
置換でより大きいキャリア注入量を与えることが可能で
ある。置換可能な元素の原子価は通常2価、3価、4
価、5価又は6価である。原子価が2価以上の元素とし
ては、例えばBe、Mg、Ca、Sr、Ba、Cd、Al、Si、Sc、T
i、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Zn、Ga、Ge、Y、Zr、N
b、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、In、Sn、Sb、La、Ce、Pr、N
d、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、H
f、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Tl、Pb、Bi、Poを挙げる
ことができる。Mで表されるAl及びGa、並びにInは3価
の元素であり、これらと置換可能な元素は、原子価が3
価以上の元素であ。原子価が高い元素ほど、少量の置換
でより大きいキャリア注入量を与えることが可能であ
る。置換可能な元素の原子価は通常3価、4価、5価又
は6価である。原子価が3価以上の元素としては、例え
ばAl、Si、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Ga、Ge、
Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、In、Sn、Sb、La、C
e、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Y
b、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Tl、Pb、Bi、Po
を挙げることができる。電気伝導性と透明性のバランス
という観点から、キャリア電子の注入量は、例えば1×
1018/cm3 〜1×1022/cm3 の範囲とすることが適
当であり、各元素の置換量は、電子の注入量を上記範囲
になるように調整することが適当である。キャリア電子
の注入量は、好ましくは1×1010/cm3 〜5×1021
/cm3 の範囲である。また、置換する元素の種類によっ
ては可視領域の光を吸収する性質を有するものもある。
そこで、置換元素の置換量は、可視領域の光の平均透過
率が70%以上、好ましくは80%以上、より好ましく
は90%以上となるように選ぶことが適当である。上記
の酸化物薄膜は、前記のように制御された配向性を有す
ることで、より高い導電性を発揮する。即ち、薄膜を構
成する酸化物の(00n)面(但し、nは正の整数であ
る)が実質的に配向している。このような配向性を有す
る導電性酸化物薄膜は、後述するように、酸化物薄膜の
配向性制御するための機能性膜または機能性基板上に形
成されることにより、形成することができる。
【0020】第3の態様の導電性酸化物薄膜 本発明の第3の態様の導電性酸化物薄膜において、一般
式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d の式中、Zn、M、比
率(x:y)及び比率(z:y)については、前記本発
明の第1の態様の導電性酸化物薄膜と同様である。酸素
欠損量dは、陽イオンの注入により付与される導電性を
考慮して適宜決定でき、0であってもよい。酸素欠損量
dは、多すぎると可視光を吸収して透明性を低下させる
原因となるので、(x+3y/2+3z/2)の1×1
-1倍以下であることが適当である。さらに、本発明の
第3の態様の導電性酸化物薄膜に注入される陽イオン
は、一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d で表される
酸化物の結晶構造を破壊することなく、固溶できるもの
であれば特に制限はない。但し、イオン半径の小さいイ
オンのほうが結晶格子中に固溶しやすい傾向があり、イ
オン半径が大きくなるほど、結晶構造を破壊しやすくな
る傾向がある。上記のような陽イオンとしては、例えば
H、Li、Be、B、C、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、T
i、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Y、Z
r、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、C
s、Ba、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、H
o、Er、Tm、Yb、Lu、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、A
u、Hg、Tl、Pb、Biを挙げることができる。電気伝導性
と透明性のバランスという観点から、キャリア電子の量
は、例えば1×1018/cm3 〜1×1022/cm3 の範囲
とすることが適当であり、酸素欠損量d及び陽イオンの
注入量は、キャリア電子の注入量を上記範囲になるよう
に調整することが適当である。キャリア電子の注入量
は、好ましくは1×1010/cm3 〜5×1021/cm3
範囲である。上記の酸化物薄膜は、前記のように制御さ
れた配向性を有することで、より高い導電性を発揮す
る。即ち、薄膜を構成する酸化物の(00n)面(但
し、nは正の整数である)が実質的に配向している。こ
のような配向性を有する導電性酸化物薄膜は、後述する
ように、酸化物薄膜の配向性制御するための機能性膜ま
たは機能性基板上に形成されることにより、形成するこ
とができる。
【0021】第1の態様の物品 本発明の第1の態様の物品は、基板の少なくとも一方の
面の少なくとも一部に前記第1〜第3の態様のいずれか
の導電性酸化物薄膜を有する物品であって、前記導電性
酸化物薄膜が、前記酸化物の(00n)面を実質的に配
向させるための配向性制御基板または基板上の配向性制
御膜上に形成されたものである。導電性酸化物薄膜の膜
厚は、この物品の用途に応じて適宜決定できる。また、
この物品を電極として用いる場合の膜厚については後述
する。
【0022】一般に多結晶薄膜の配向特性の制御は薄膜
の実用面からも重要である。多結晶薄膜の配向特性は、
経験的には薄膜形成速度及び薄膜形成温度などの薄膜形
成条件を選ぶことにより制御できる。しかるに、薄膜形
成速度及び薄膜形成温度を制御することのみでは、所望
の配向の結晶薄膜を形成することは必ずしも容易ではな
い。そこで本発明では、配向性制御基板または基板の上
に設けられた配向性制御膜上に薄膜を形成している。こ
のようにすることで、酸化物の(00n)面を実質的に
配向した薄膜を容易により低い温度で形成することがで
きる。低温形成が可能になることで基板材料に関する制
限は緩和される。即ち、耐熱性の低い基板であっても使
用が可能になる。薄膜の結晶性は、一般に、その基板、
あるいは下地となる層の結晶性を反映することはよく知
られている。一つの結晶の上に他の結晶が何らかの一定
の方位関係をもって成長する現象はエピタキシー(epit
axy)と呼ばれている。従って、下地層を適切に選択する
ことによって、薄膜の配向の向きを制御することが出来
る。そして、前記酸化物薄膜を、例えば、ディスプレー
等の電極として用いる場合、酸化物薄膜の面内方向に電
流(電子)を流すことが要求される。そのためには、酸
化物の(00n)面を酸化物薄膜の面内方向と実質的に
平行に配向させる必要があり、そのようにするために
は、配向性制御基板または下地層である配向性制御膜の
結晶格子定数が、その上に形成する酸化物の(00n)
面の格子定数と等しい又はほぼ近い値であることが望ま
しい。例えば、配向性制御基板または配向性制御膜の結
晶格子定数と、その上に形成する酸化物の(00n)面
の格子定数との差が±30%以内であることが適当であ
る。但し、配向性制御が容易であるという観点からは上
記差は±20%以内であることが好ましい。尚、配向性
制御膜は、その結晶性をその上に形成する酸化物に反映
させるために、少なくとも非晶質ではなく、単結晶、多
結晶等の結晶性のものであることが適当である。
【0023】さらに、本発明の物品の用途として透明電
極が挙げられるが、透明電極の場合、上記配向性制御基
板並びに基板その上に設けた配向性制御膜が透明である
ことも要求される。このような、結晶格子定数の近似性
と透明性の両者を満足する物質の一例としてZnO を挙げ
ることができる。ZnO は約3.2eVのバンドギャップを有
するII−VI族化合物半導体である。その結晶構造は、六
方晶のウルツ鉱型(点群6mm、空間群P63mc)に属する。
圧電性を示すことがよく知られており、さらに、ITO と
ほぼ同程度の導電性をもつ透明導電薄膜として太陽電池
等に用いられている。通常のスパッタリング法ではZnO
薄膜は多結晶になり、そのc軸が基板面に対して垂直方
向を向いた薄膜ができることが多い。c軸が基板に垂直
に成長すると、六方晶形の(0001)面が表面に現れる。
この面の格子定数は、3.24Åであり、該酸化物の(00
n)面の格子定数3.30Åとほぼ同等である。尚、ZnO 薄
膜の膜厚は、その上に設ける薄膜の配向性を制御できる
程度の量とすることができ、通常は100 〜1000nmの範囲
である。c軸配向性のZnO 薄膜は、例えば、スパッター
法を用いて作製することができる。DCあるいはRFダ
イオードスバッター法では、ターゲットに亜鉛又は酸化
亜鉛を用い、1×10-2〜1×10-1TorrのAr/O2 混合ガス
でグロー放電を行うことで基板上に形成することができ
る。ZnO 薄膜のc軸配向性は、成膜速度、基板加熱温度
等の成膜条件に依存する。上記条件では、基板加熱温度
を50〜200 ℃の範囲とし、成膜速度を1μ/hr 以下でス
パッターすることが適当である。また、実施例1に記載
したように、RFマグネトロンスパッター法によっても
c軸配向性のZnO 薄膜を作製することができ、この場
合、基板加熱温度を300 〜500 ℃の範囲とし、成膜速度
を1μm/hr以上でスパッターすることが適当である。
【0024】ZnO 製配向性制御膜を形成する基板として
は、例えば、ガラスや樹脂などの基体を挙げることがで
きる。特に、電極に使用する場合、これらの基板は、透
明な基板であることが適当である。ガラス基板は、液晶
ディスプレイなどに多く用いられる。可視領域における
透明性が高く、平坦性の優れたガラスを用いることが好
ましい。樹脂基板としては、例えば、ポリエステル基
板、PMMA基板等が挙げられる。樹脂基板は、ガラス
基板に比べて軽量であること、薄いこと、可撓性があっ
て形の自由度が高いことなどを活かした多くの用途が検
討されている。液晶ディスプレイには、可視領域におけ
る透明性が高いこと、平坦性に優れることの他に、加工
性、耐衝撃性、耐久性、組立プロセスへの適合性などを
考慮して用いることが好ましい。
【0025】また、ZnO 製配向性制御基板は、ZnO の単
結晶基板は、気相成長法、フラックス法、水熱法によっ
て作製することができる。例えば、水熱法を用いる場
合、Ptチューブ中のKOH+LiOH5.1N溶液にZnO 焼結体を入
れて溶解させ、これを700 〜1000kg/cm に加圧し、さら
に340 〜385 ℃に加熱することによって、ZnO の種結晶
上にZnO バルク単結晶を作製することができる。
【0026】ZnO は400 〜2500nmの波長範囲で透明であ
り、上記酸化物薄膜の透明波長領域とほぼ一致すること
から、透明電極用として優れている。さらに、ZnO の粉
末及び金属亜鉛原料は、安価で且つ豊富であり、しかも
安定・安全な物質で公害問題等の社会的問題も少ないと
いう利点もある。
【0027】第2の態様の物品 本発明の第2の態様の物品は、基板の少なくとも一方の
面の少なくとも一部に導電性酸化物薄膜を有する物品で
あって、前記導電性酸化物薄膜は、一般式Znx M y Inz
O (x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはアルミニウム及びガリ
ウムのうちの少なくとも一つの元素であり、比率(x:
y)が0.2 〜1.8 :1の範囲であり、比率(z:y)が
0.4〜1.4:1の範囲であり、且つ酸素欠損量dが0を
超え、(x+3y/2+3z/2)の1×10-1倍の範
囲である)で表される酸化物からなり、かつ前記導電性
酸化物薄膜は、配向性制御基板上または基板上の配向性
制御膜上に、上記酸化物の(00n)面(但し、nは正
の整数である)が実質的に配向するように形成されたも
のである。上記導電性酸化物薄膜は、比率(x:y)が
0.2 〜1.8 :1の範囲であること以外は、第1の態様の
導電性酸化物薄膜と同様である。比率(x:y)は0.
2〜1.8:1の範囲であり、x/yが0.2未満であ
るとInGaO3 相の析出が顕著となり、電気伝導性が
低下する。電気伝導性が高いという観点から、好ましい
比率(x:y)は0.3〜1.6:1の範囲であり、よ
り好ましくは0.4〜1.3:1の範囲である。また、
配向性制御基板及び配向性制御膜は、上記本発明の第1
の態様の物品に説明したものと同様のものである。導電
性酸化物薄膜の膜厚は、この物品の用途に応じて適宜決
定できる。また、この物品を電極として用いる場合の膜
厚については後述する。
【0028】第3の態様の物品 本発明の第3の態様の物品は、基板の少なくとも一方の
面の少なくとも一部に導電性酸化物薄膜を有する物品で
あって、前記導電性酸化物薄膜は、一般式Znx M y Inz
O (x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはアルミニウム及びガリ
ウムのうちの少なくとも一つの元素であり、比率(x:
y)が0.2 〜1.8 :1の範囲であり、比率(z:y)が
0.4〜1.4:1の範囲であり、且つ酸素欠損量dが0を
超え、(x+3y/2+3z/2)の1×10-1倍の範
囲である)で表され、且つZn、M及びInのうちの少なく
とも一種の元素の一部が他の元素で置換されており、Zn
と置換される元素は原子価が2価以上であり、M及びIn
と置換される元素は原子価が3価以上である酸化物薄膜
であって、かつ前記導電性酸化物薄膜は、配向性制御基
板上または基板上の配向性制御膜上に、上記酸化物の
(00n)面(但し、nは正の整数である)が実質的に
配向するように形成されたものである。上記導電性酸化
物薄膜は、比率(x:y)が0.2 〜1.8 :1の範囲であ
ること以外は、第2の態様の導電性酸化物薄膜と同様で
ある。比率(x:y)は0.2〜1.8:1の範囲であ
り、x/yが0.2未満であるとInGaO3 相の析出
が顕著となり、電気伝導性が低下する。電気伝導性が高
いという観点から、好ましい比率(x:y)は0.3〜
1.6:1の範囲であり、より好ましくは0.4〜1.
3:1の範囲である。また、配向性制御基板及び配向性
制御膜は、上記本発明の第1の態様の物品に説明したも
のと同様のものである。導電性酸化物薄膜の膜厚は、こ
の物品の用途に応じて適宜決定できる。また、この物品
を電極として用いる場合の膜厚については後述する。
【0029】第4の態様の物品 本発明の第4の態様の物品は、基板の少なくとも一方の
面の少なくとも一部に導電性酸化物薄膜を有する物品で
あって、前記導電性酸化物薄膜が一般式Znx M y Inz O
(x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはアルミニウム及びガリウ
ムのうちの少なくとも一つの元素であり、比率(x:
y)が0.2 〜1.8 :1の範囲であり、比率(z:y)が
0.4〜1.4:1の範囲であり、且つ酸素欠損量dが0を
超え、(x+3y/2+3z/2)の1×10-1倍の範
囲である)で表される酸化物に、陽イオンを注入した酸
化物薄膜であって、かつ前記導電性酸化物薄膜は、配向
性制御基板上または基板上の配向性制御膜上に、上記酸
化物の(00n)面(但し、nは正の整数である)が実
質的に配向するように形成されたものである。上記導電
性酸化物薄膜は、比率(x:y)が0.2 〜1.8 :1の範
囲であること以外は、第2の態様の導電性酸化物薄膜と
同様である。比率(x:y)は0.2〜1.8:1の範
囲であり、x/yが0.2未満であるとInGaO3
の析出が顕著となり、電気伝導性が低下する。電気伝導
性が高いという観点から、好ましい比率(x:y)は
0.3〜1.6:1の範囲であり、より好ましくは0.
4〜1.3:1の範囲である。また、配向性制御基板及
び配向性制御膜は、上記本発明の第1の態様の物品に説
明したものと同様のものである。導電性酸化物薄膜の膜
厚は、この物品の用途に応じて適宜決定できる。また、
この物品を電極として用いる場合の膜厚については後述
する。
【0030】電極としての用途 本発明の第1〜第4の態様の物品は電極として使用する
ことができる。電極として使用する場合、配向性制御基
板及び基板とその上に設けた配向性制御膜は上記のよう
に透明な物を用い、導電性酸化物薄膜が導電層となる。
尚、本発明の電極を構成する導電層は、前記導電性酸化
物薄膜のみからなる場合、及びこれらの酸化物と異なる
結晶が共存する酸化物層であることもできる。但し、他
の結晶の共存量は、導電層の透明性及び導電性の点で実
用上の問題が生じない範囲で選ばれる。前記の導電性酸
化物薄膜と共存させることができる酸化物としては、例
えばITO 、In2O3 、SnO2等が挙げられる。但し、これら
の酸化物に限定されるものではない。電極における導電
層の膜厚は、電極に要求される光学的特性、導電性及び
用途等を考慮して適宜決定できる。例えば、液晶パネル
用電極の場合には、下限は約30nmであり、上限は約1
μmである。但し、酸化物に含まれる元素の種類によっ
ては、可視領域に一部吸収を有するものもあり、その場
合には比較的薄い膜厚が好ましい。また、可視領域にほ
とんど又は全く吸収を有さないものについては、膜厚を
厚くすることで、より高い導電性を得ることができる。
尚、後述の液晶ディスプレイ、ELディスプレイ等の表
示装置の透明電極とする場合、400 〜700nm の可視光領
域において80%以上の透過率を有することが好ましい。
また太陽電池の透明電極とする場合、太陽光を透過させ
るために、500〜900nm の波長域、さらには長波長の近
赤外波長域の透過率が80%以上であることが好ましい。
【0031】また、本発明の上記物品を電極として使用
する場合、前記基板と配向性制御薄膜との間に種々の目
的で下地層を設けることもできる。そのような下地層と
しては、カラーフィルター、TFT層、EL発光層、金
属層、半導体層及び絶縁層などを挙げることができる。
また、下地層は2種以上を併設することもできる。上記
本発明の物品からなる電極は、種々の用途に利用するこ
とができる。例えば、液晶ディスプレイ、ELディスプ
レイ及び太陽電池等の電極として好適に用いることがで
きる。液晶ディスプレイにはTFT型、STN型やMI
M型など種々の型があるが、いずれの場合にも透明電極
に挟まれた液晶に電場を加え、液晶の配向方向を制御し
て表示する原理を用いている。本発明の物品からなる電
極は、上記透明電極として用いることができる。また、
本発明の物品からなる透明電極は、ELディスプレイ用
電極として用いることもできる。ELディスプレイは透
明電極と背面電極の間にEL発光層を挟み込む基本構造
を有し、本発明の物品からなる電極は、上記の透明電極
として最適である。
【0032】本発明の物品からなる電極は、透明性及び
導電性が高いことから、太陽電池用電極としても優れて
いる。太陽電池は、透明電極と背面電極との間に半導体
や絶縁体を挟み込む基本構造を有する。太陽電池は、半
導体界面の光起電力効果を利用して、光エネルギーを電
気に変換する素子であるので、なるべく広いスペクトル
範囲にわたって光を半導体界面に導くことが必要であ
り、透明電極の透明性は高くなくてはならない。また、
太陽電池の透明電極は半導体界面に生成した光生成キャ
リアを収集して端子に導き出す機能を持つので、光生成
キャリアをなるべく有効に収集するためには透明電極の
導電性が高くなくてはならない。本発明の透明電極は、
450nmより短波長の光を含む、可視領域全域の広いス
ペクトル範囲にわたって光を半導体界面に導くことがで
きる上に導電性が高いので、太陽電池用の電極として優
れている。
【0033】導電性酸化物薄膜及び物品の製造方法 本発明の導電性酸化物薄膜及び物品は、スパッタリング
法などの薄膜法により製造することができる。薄膜法の
代表的なものとして、CVD法、スプレー法、真空蒸着
法、イオンプレーティング法、MBE法、スパッタリン
グ法などがある。さらにCVD法として、熱CVD、プ
ラズマCVD、MOCVD、光CVD等が知られてい
る。但し、生成する酸化物薄膜の配向性は、成膜方法及
び条件により異なる。本発明では、配向性制御基板また
は配向性制御薄膜上に酸化物薄膜を形成するために比較
的低温で容易に製膜することができる。例えば、スパッ
タリング法で配向性のある酸化物膜を形成するには、5
×10-4〜1Torrの圧力下、100℃〜500℃の
範囲で透明基板を加熱して行うことが適当である。スパ
ッタリングターゲットとしては、金属または酸化物の焼
結体や混合粉成形体等を用いることができる。
【0034】CVD法では、金属元素の原料として、In
(CH3)3、In(C2H5)3 、In(C5H7O2)3、In(C11H9O2)3、Ga
(CH3)3、Ga(C2H5)3 、Zn(CH3)2、Zn(C2H5)2 、Al(C
H3)3、Al(C2H5)3 等の有機金属やInCl3 、GaCl3 、ZnCl
2 、AlCl3 等の塩化物などが利用できる。また、酸素原
料としては、空気、O2、H2O 、CO2 、N2O 等を利用する
ことができる。イオンプレーティング法による成膜は、
原料となる金属あるいは酸化物の混合体や焼結体を抵抗
加熱、高周波加熱、電子衝撃等により蒸発させ、DC放
電、RF放電、電子衝撃等でイオン化することにより行う
ことができる。原料として金属を用いた場合、空気、
O2、H2O 、CO2 、N2O 等を流しながら成膜することによ
り、所望の酸化物薄膜を得ることができる。真空蒸着法
による成膜は、圧力10-3〜10-6Torr中で原料となる金属
あるいは酸化物の混合体や焼結体を抵抗加熱、高周波加
熱、電子衝撃、レーザー衝撃等により蒸発させることに
より行うことができる。原料として金属を用いた場合、
空気、O2、H2O 、CO2 、N2O 等を流しながら成膜するこ
とにより、所望の酸化物薄膜を得ることができる。CV
D法、イオンプレーティング法、真空蒸着法等によって
も、配向性制御基板または配向性制御薄膜上に酸化物薄
膜を形成するために比較的低温で容易に製膜することが
できる。
【0035】第1の態様の酸化物薄膜の場合、一般式Zn
x M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはアルミニウ
ム及びガリウムのうちの少なくとも一つの元素であり、
比率(x:y)が1.8:1を超え8:1以下の範囲であ
り、比率(z:y)が0.4〜1.4:1の範囲であり、且
つ酸素欠損量dが0を超え、(x+3y/2+3z/
2)の1×10-1倍の範囲である)で表される酸化物を
ターゲットとして用いることが適当である。さらに、配
向性制御基板または基板上の配向性制御薄膜上に、上記
酸化物をターゲットとして用いて、前記基板の加熱温度
を100〜500℃の範囲とし、成膜時の圧力を5×1
-4〜1Torrの範囲とすることで、本発明の第1の
態様の酸化物薄膜からなる層であって、該酸化物の(0
0n)面(但し、nは正の整数である)が実質的に配向
した導電層を形成することができる。
【0036】第1の態様の製造方法 本発明の第1の態様の導電性酸化物薄膜及びこの導電性
酸化物薄膜を有する物品(第1の態様の物品)の薄膜並
びに第2の態様の物品の薄膜の導電性は、上記スパッタ
法により形成したZnx M y Inz O (x+3y/2+3z/2) で表さ
れる酸化物薄膜に酸素欠損を導入することで得られる。
一般に酸化物の酸素欠損は、例えば、酸化物から酸素を
引き抜くことにより生成させることができる。酸素原子
を引き抜いて酸素欠損を作る方法としては、上記酸化物
薄膜を還元性雰囲気下または不活性ガス雰囲気下で加熱
処理するなどの方法を用いることができる。熱処理及び
/または還元処理は、100〜1100℃の範囲の温度
で行うことが適当であり、好ましい温度範囲は300〜
900℃である。また、成膜の際に酸素分圧を制御する
ことで、酸素欠損を生成させることができる。酸化物薄
膜の形成の際に酸素欠損を導入し、さらに酸素を引き抜
く工程を加えることで酸素欠損量を調整することもでき
る。
【0037】第2の態様の製造方法 本発明の第2の態様の導電性酸化物薄膜及びこの導電性
酸化物薄膜を有する物品(第1の態様の物品)の薄膜並
びに第3の態様の物品の薄膜は、基本的には第1の態様
の製造方法と同様に、スパッタ法により所望の組成の酸
化物薄膜を形成し、さらに得られた酸化物に、必要によ
り酸素欠損を導入することにより得られる。但し、スパ
ッタリングターゲットとして、一般式Znx M y Inz O
(x+3y/2+3z/2) (式中、x、y、z及びMは前記と同様
である)で表され、且つZn、M及びInのうちの少なくと
も一種の元素の一部が他の元素で置換されており、Znと
置換される元素は原子価が2価以上であり、M及びInと
置換される元素は原子価が3価以上である酸化物を用い
ることが適当である。さらに、酸素欠損は、本発明の第
1の態様の製造方法と同様に生成させることができる。
【0038】第3の態様の製造方法 本発明の第3の態様の導電性酸化物薄膜及びこの導電性
酸化物薄膜を有する物品(第1の態様の物品)の薄膜並
びに第4の態様の物品の薄膜は、基本的には第1の態様
の製造方法と同様に、一般式Znx M y Inz O
(x+3y/2+3z/2) で表される所望の組成の酸化物薄膜を形
成し、さらに得られた酸化物薄膜に陽イオンを注入し、
必要により酸素欠損を導入することにより得られる。陽
イオンの注入には、イオン注入法を用いる。イオン注入
法は、固体内に不純物を導入する手段として超大規模集
積回路製造工程等に用いられているものをそのまま用い
ることができる。注入されるべき陽イオンの元素をイオ
ン化して数十keV 以上に加速し、酸化物薄膜中に打ち込
むことで行うことができる。注入された陽イオンは結晶
格子内に固溶し、伝導帯にキャリア電子を与えて導電性
を発現させる。陽イオン注入量は、酸化物が酸素欠損を
有さない場合、伝導帯への電子の注入量が1×1018
cm3 〜1×1022/cm3 の範囲になるように選ぶことが
適当である。また、酸化物が酸素欠損を有さない場合に
は、酸素欠損により生じるキャリア電子の量と陽イオン
注入により生じる電子の量との合計が上記範囲になるよ
うにすることが適当である。キャリア電子の量が1×1
18/cm3 より小さければ、十分な電気伝導率が得られ
ず、1×1022/cm3 より大きければプラズマ振動によ
る吸収が可視領域に現れて透明性が劣化する。キャリア
電子の量は、好ましくは1×1019/cm3 〜5×1021
/cm3 の範囲である。
【0039】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。 実施例1 ZnO(高純度化学研究所(株)社製、純度99.99%)粉
末を秤量し、容量500mlのポリアミド容器に直径2mm
のジルコニアビーズ200gを加え、遊星ボールミル装
置(フリッツジャパン社製)を用いて1時間湿式混合し
た。分散媒にはエタノールを用いた。粉体をアルミナる
つぼ中、大気下、1000℃で5時間仮焼した後、再び
遊星ボールミル装置を用いて1時間解砕処理した。この
ようにして調製した仮焼粉体を一軸加圧(100kg/cm
2)によって直径95mmの円盤状に成形し、大気下、12
00℃で6時間焼成して焼結体を得た。これを研磨して
スパッタリングターゲットとした。スパッタリング装置
(日本真空(株)社製、BC1457型)を用いて、Ar
/O2=40/10のガスを装置内に導入し、180Wの
RFパワーを40分間入力して、500℃に加熱した石
英ガラス基板上に厚み約2000Åの薄膜を作製した。
得られた薄膜は、X線回折装置(マックサイエンス
(株)社製、MXP−18A)を用いて、ZnO 結晶が生
成していることを確認した。c軸の配向の度合いを知る
ために、X線ロッキングカーブ法を用い、基板法線から
のc軸の平均傾き角とその周りの分布を調べたところ、
その傾き角は±0.1゜以内であり、その標準偏差角は5.
0゜以下であり、c軸配向性が高いことを確認した。さ
らに、この薄膜を大気中、300 ℃で加熱処理を行うと導
電性を示さなくなった。上記のように作製した配向性制
御膜(機能性膜)の上に、第1の態様の酸化物薄膜を作
製した。以下にその方法について記載する。
【0040】ZnO(高純度化学研究所(株)社製、純度9
9.99%)、Al2O3(高純度化学研究所(株)社製、純度
99.99%)、Ga2O3(高純度化学研究所(株)社製、純
度99.99%)及びIn2O3(高純度化学研究所(株)社
製、純度99.99%)の各粉末を、表1の組成となるよ
うに秤量した。秤量した試料に、パラフィン25%ヘプ
タン溶液を粉体の重量の10%添加して、自動乳鉢にて
1時間混合解砕した。金型を用いて一軸加圧(400kg
/cm2 )によって直径95mmのディスク状に成形して、
大気中、600℃で2時間脱脂を行い、その後1400
℃で5時間焼成して相対密度70%以上の焼結体を得
た。焼結体の表面を研磨し、パッキングプレート上に接
着剤を用いて固定してスパッタリングターゲットとし
た。これをスパッタリング装置(トッキ(株)社製、S
PM−303型)に固定して、RFパワー230W、Ar
/O2=18/2、圧力1×10-2Torr、基板加熱500
℃という条件にて、上記配向性制御膜を作製した基板上
に厚み約2000Åの薄膜を作製した。これを大気下、
800℃で加熱処理した後、アルゴン雰囲気下、600
℃で2時間熱処理した。得られた膜の構造解析を、X線
回折装置(マックサイエンス(株)社製、MXP−18
A)を用いて行い、YbFe2O4 型構造の結晶が生成してい
ることを確認した。該酸化物の(00n)面に垂直な軸
をc軸として、X線ロッキングカーブ法によってc軸の
配向の度合いを調べたところ、基板法線からのc軸の平
均傾き角は1.0゜以下であり、標準偏差角は15゜であ
った。膜の組成を蛍光X線回折装置(リガク(株)社
製、System3080) を用いて分析した。導電性を確認する
ために、四辺形の薄膜試料の四隅に導電性樹脂材料(藤
倉化成(株)社製、D−550)を塗布し、100℃に
加熱した電気炉の中で30分間加熱して電極を形成し
た。この電極にリード線をはんだ付けし、van der Pauw
法電気伝導率測定装置により電気伝導率、キャリア濃
度、移動度を測定した。また、光吸収特性を測定するた
めに、自記分光光度計(日立電気(株)社製、330
型)を用いて、光透過法により、波長500nmから短波
長側へ掃引しながら吸光度を測定した。透過率が50%
となった波長を吸収端波長として、測定結果を膜の組成
(原子比)、電気特性と併せて表2に示す。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】比較例1 配向性制御膜を作製していない石英ガラス基板上に、第
1の態様の酸化物薄膜を実施例1に記載した方法により
作製した。作製した膜の構造解析を、前記X線回折装置
を用いて行い、YbFe2O4 型構造の結晶が生成しているこ
とを確認した。X線ロッキングカーブ法によりc軸の配
向の度合いを調べたところ、基板法線からのc軸の平均
傾き角は5゜程度、標準偏差角は30〜40゜であり、配向
性制御膜上に作製した場合よりc軸配向性に劣ってい
た。前記蛍光X線回折装置により分析した膜の組成(原
子比)、van der Pauw法電気伝導率測定装置により測定
した電気伝導度、キャリア電子の量、移動度、さらに前
記分光光度計を用いて測定した吸収端波長をそれぞれ表
3に示す。
【0044】
【表3】
【0045】実施例2 配向性制御基板であるZnO 単結晶基板の(0001)面上に、
実施例1-1 〜1-3 と同様に酸化物を作製した。作製した
膜の構造解析を、前記X線回折装置を用いて行いYbFe2O
4 型構造の結晶が生成していることを確認した。X線ロ
ッキングカーブ法によりc軸の配向の度合いを調べたと
ころ、基板法線からのc軸の平均傾き角は1.0 ゜以下、
標準偏差角は12゜と、配向性制御膜上に作製した場合と
同等以上のc軸配向性が得られた。前記蛍光X線回折装
置により分析した膜の組成(原子比)、van der Pauw法
電気伝導率測定装置により測定した電気伝導度、キャリ
ア電子の量、移動度、さらに前記分光光度計を用いて測
定した吸収端波長をそれぞれ表4に示す。
【0046】
【表4】
【0047】実施例3 実施例1に記載の方法で、配向性制御膜であるZnO 薄膜
を、石英ガラス基板上に作製した。その配向性制御膜の
上に、第2の態様の酸化物薄膜を作製した。以下にその
方法について記載する。In2O3(高純度化学研究所(株)
社製、純度99.99%)、Ga2O3(高純度化学研究所
(株)社製、純度99.99%)、ZnO(高純度化学研究所
(株)社製、純度99.99%)、Al2O3(高純度化学研究
所(株)社製、純度99.99%)、SnO2( 高純度化学研
究所(株)社製、純度99.99%)、SiO2(高純度化学
研究所(株)社製、純度99.99%)、TiO2(高純度化
学研究所(株)社製、純度99.99%)、V2O5(高純度
化学研究所(株)社製、純度99.99%)、GeO2(高純
度化学研究所(株)社製、純度99.99%)、ZrO2(高
純度化学研究所(株)社製、純度99.99%)、MoO
3(高純度化学研究所(株)社製、純度99.99%)、N
b2O5(高純度化学研究所(株)社製、純度99.99%)
及びTa2O5(高純度化学研究所(株)社製、純度99.99
%)の各粉末を、混合粉体中の含有金属元素の比率が表
5の値になるように秤量し、実施例1に記載の方法と同
様に焼結体スパッタリングターゲットを作製し、薄膜を
作製した。作製した膜の構造解析を、前記X線回折装置
を用いて行い、YbFe2O4 型構造の結晶が生成しているこ
とを確認した。van der Pauw法電気伝導率測定装置によ
り電気伝導度、キャリア電子の量、移動度を測定し、前
記分光光度計を用いて吸光度測定を行い、吸収端波長を
求めた結果を表5に示す。
【0048】
【表5】
【0049】比較例2 配向性制御膜を作製していない石英ガラス基板上に、第
2の態様の酸化物薄膜を実施例2に記載した方法により
作製した。作製した膜の構造解析を、前記X線回折装置
を用いて行い、YbFe2O4 型構造の結晶が生成しているこ
とを確認した。X線ロッキングカーブ法によりc軸の配
向の度合いを調べたところ、配向性制御膜上に作製した
場合よりc軸配向性に劣っていた。van der Pauw法電気
伝導率測定装置により電気伝導度、キャリア電子の量、
移動度を測定し、前記分光光度計を用いて吸光度測定を
行い、吸収端波長を求めた結果を表6に示す。
【0050】
【表6】
【0051】実施例4 実施例1に記載の方法で、配向性制御膜であるZnO 薄膜
を石英ガラス基板上に作製し、その配向性制御膜の上
に、第2の態様の酸化物薄膜を実施例3に記載した方法
により作製した。但し、ターゲットの含有金属元素の比
率は表7の値となるように秤量した。作製した膜の構造
解析を、前記X線回折装置を用いて行いYbFe2O4 型構造
の結晶が生成していることを確認した。van der Pauw法
電気伝導率測定装置により測定した電気伝導度、キャリ
ア電子の量、移動度、さらに前記分光光度計を用いて測
定した吸収端波長をそれぞれ表7に示す。
【0052】
【表7】
【0053】比較例3 配向性制御膜を作製していない石英ガラス基板上に、第
2の態様の酸化物薄膜を実施例4に記載した方法により
作製した。作製した膜の構造解析を、前記X線回折装置
を用いて行い、YbFe2O4 型構造の結晶が生成しているこ
とを確認した。X線ロッキングカーブ法によりc軸の配
向の度合いを調べたところ、配向性制御膜上に作製した
場合よりc軸配向性に劣っていた。van der Pauw法電気
伝導率測定装置により電気伝導度、キャリア電子の量、
移動度を測定し、前記分光光度計を用いて吸光度測定を
行い、吸収端波長を求めた結果を表8に示す。
【0054】
【表8】
【0055】実施例5 実施例1に記載の方法で、配向性制御膜とするZnO 薄膜
を石英ガラス基板上に作製し、その配向性制御膜の上
に、実施例1−1に記載の酸化物薄膜を作製した。但
し、Ar雰囲気下における熱処理を施さなかった。この膜
にH+ イオンを、約3μA/cm2 のドーズ速度で3×1
16イオン/cm2 だけ注入した後、van der Pauw法電気
伝導率測定装置により電気伝導度、キャリア電子の量、
移動度を測定したところ、電気伝導度420S/cm、キ
ャリア濃度3×1020/cm3 、移動度20cm2 /Vsecで
あった。
【0056】比較例4 配向性制御膜を作製していない石英ガラス基板上に、実
施例1−1に記載の酸化物薄膜を作製した。但し、実施
例3と同様、Ar雰囲気下における熱処理は施さなかっ
た。この膜に、実施例12と同様な条件にてH+ イオン
を注入し、van der Pauw法電気伝導率測定装置により電
気伝導度、キャリア電子の量、移動度を測定したとこ
ろ、電気伝導度300S/cm、キャリア濃度3×1020
/cm3 、移動度13cm2 /Vsecであり、配向性制御膜上
に該酸化物を形成した場合より移動度が低く、電気伝導
性が低下した。
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、一般式Znx M y Inz O
(x+3y/2+3z/2) で示される酸化物薄膜の配向性を制御す
ることができ、吸収端が450nmより短波長側にあり、
ITO 膜より大きな膜厚としても着色を生じない、さらに
ITO 膜と同等以上のより高い電気伝導度を示す導電性酸
化物薄膜を提供することができる。更に本発明によれ
ば、上記の配向した酸化物薄膜を用いて、液晶ディスプ
レイ、ELディスプレイ及び太陽電池等に有用な電極を
含む物品を提供することができる。さらに本発明によれ
ば、上記導電性酸化物薄膜や物品を配向性制御膜や配向
性制御基板を用いてより容易に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 InO6の八面体構造を示す電子模型(白丸がIn
原子であり、黒丸が酸素原子である)。Aは(00n)
面に垂直な方向から見た図であり、Bは(00n)面と
平行な方向から見た図。
【図2】 InO6の八面体及び八面体の(00n)面、さ
らには基板との関係を模式的に示した図
【図3】(00n)面を実質的に配向させ、ここに電流
(電子)を流すと、電子の経路は(00n)面と平行な
方向に直線的になることの説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G02F 1/1337 G02F 1/1343 1/1343 G09F 9/30 339 G09F 9/30 339 H01B 5/14 A H01B 5/14 H01L 21/203 S H01L 21/203 C04B 35/00 P

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d
    (式中、Mはアルミニウム及びガリウムのうちの少なく
    とも一つの元素であり、比率(x:y)が1.8:1を超
    え8:1以下の範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.
    4:1の範囲であり、且つ酸素欠損量dが0を超え、
    (x+3y/2+3z/2)の1×10-1倍の範囲であ
    る)で表される酸化物薄膜であって、 前記酸化物の(00n)面(但し、nは正の整数であ
    る)が実質的に配向していることを特徴とする導電性酸
    化物薄膜。
  2. 【請求項2】 一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d
    (式中、Mはアルミニウム及びガリウムのうちの少なく
    とも一つの元素であり、比率(x:y)が1.8:1を超
    え8:1以下の範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.
    4:1の範囲であり、且つ酸素欠損量dが0を超え、
    (x+3y/2+3z/2)の1×10-1倍の範囲であ
    る)で表され、且つZn、M及びInのうちの少なくとも一
    種の元素の一部が他の元素で置換されており、Znと置換
    される元素は原子価が2価以上であり、M及びInと置換
    される元素は原子価が3価以上である酸化物薄膜であっ
    て、 前記酸化物の(00n)面(但し、nは正の整数であ
    る)が実質的に配向していることを特徴とする導電性酸
    化物薄膜。
  3. 【請求項3】 キャリア電子の量が1×1018/cm3
    1×1022/cm3 の範囲になるように、酸素欠損量d並
    びにZn、M及びInの元素の置換量を選んだ請求項2に記
    載の導電性酸化物薄膜。
  4. 【請求項4】 一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d
    (式中、Mはアルミニウム及びガリウムのうちの少なく
    とも一つの元素であり、比率(x:y)が1.8:1を超
    え8:1以下の範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.
    4:1の範囲であり、且つ酸素欠損量dが0を超え、
    (x+3y/2+3z/2)の1×10-1倍の範囲であ
    る)で表される酸化物に、陽イオンを注入した酸化物薄
    膜であって、 前記酸化物の(00n)面(但し、nは正の整数であ
    る)が実質的に配向していることを特徴とする導電性酸
    化物薄膜。
  5. 【請求項5】 キャリア電子の量が1×1018/cm3
    1×1022/cm3 の範囲になるように、酸素欠損量d並
    びに陽イオンの注入量を選んだ請求項4に記載の導電性
    酸化物薄膜。
  6. 【請求項6】 一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d
    は、xが2〜7のいずれかの整数であり、yが1であ
    り、zが1である、一般式Znx MInO(x+3)-d で表される
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電性酸化物薄
    膜。
  7. 【請求項7】 基板の少なくとも一方の面の少なくとも
    一部に請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電性酸化
    物薄膜を有する物品であって、 前記導電性酸化物薄膜が、前記酸化物の(00n)面を
    実質的に配向させるための配向性制御基板上または基板
    上の配向性制御膜上に形成されたものであることを特徴
    とする物品。
  8. 【請求項8】 基板の少なくとも一方の面の少なくとも
    一部に導電性酸化物薄膜を有する物品であって、 前記導電性酸化物薄膜は、一般式Znx M y Inz O
    (x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはアルミニウム及びガリウ
    ムのうちの少なくとも一つの元素であり、比率(x:
    y)が0.2 〜1.8 :1の範囲であり、比率(z:y)が
    0.4〜1.4:1の範囲であり、且つ酸素欠損量dが0を
    超え、(x+3y/2+3z/2)の1×10-1倍の範
    囲である)で表される酸化物からなり、かつ前記導電性
    酸化物薄膜は、配向性制御基板上または基板上の配向性
    制御膜上に、上記酸化物の(00n)面(但し、nは正
    の整数である)が実質的に配向するように形成されたも
    のであることを特徴とする物品。
  9. 【請求項9】 基板の少なくとも一方の面の少なくとも
    一部に導電性酸化物薄膜を有する物品であって、 前記導電性酸化物薄膜は、一般式Znx M y Inz O
    (x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはアルミニウム及びガリウ
    ムのうちの少なくとも一つの元素であり、比率(x:
    y)が0.2 〜1.8 :1の範囲であり、比率(z:y)が
    0.4〜1.4:1の範囲であり、且つ酸素欠損量dが0を
    超え、(x+3y/2+3z/2)の1×10-1倍の範
    囲である)で表され、且つZn、M及びInのうちの少なく
    とも一種の元素の一部が他の元素で置換されており、Zn
    と置換される元素は原子価が2価以上であり、M及びIn
    と置換される元素は原子価が3価以上である酸化物薄膜
    であって、かつ前記導電性酸化物薄膜は、配向性制御基
    板上または基板上の配向性制御膜上に、上記酸化物の
    (00n)面(但し、nは正の整数である)が実質的に
    配向するように形成されたものであることを特徴とする
    物品。
  10. 【請求項10】 キャリア電子の量が1×1018/cm3
    〜1×1022/cm3 の範囲になるように、酸素欠損量d
    並びにZn、M及びInの元素の置換量を選んだ請求項9に
    記載の物品。
  11. 【請求項11】 基板の少なくとも一方の面の少なくと
    も一部に導電性酸化物薄膜を有する物品であって、 前記導電性酸化物薄膜が一般式Znx M y Inz O
    (x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはアルミニウム及びガリウ
    ムのうちの少なくとも一つの元素であり、比率(x:
    y)が0.2 〜1.8 :1の範囲であり、比率(z:y)が
    0.4〜1.4:1の範囲であり、且つ酸素欠損量dが0を
    超え、(x+3y/2+3z/2)の1×10-1倍の範
    囲である)で表される酸化物に、陽イオンを注入した酸
    化物薄膜であって、かつ前記導電性酸化物薄膜は、配向
    性制御基板上または基板上の配向性制御膜上に、上記酸
    化物の(00n)面(但し、nは正の整数である)が実
    質的に配向するように形成されたものであることを特徴
    とする物品。
  12. 【請求項12】 キャリア電子の量が1×1018/cm3
    〜1×1022/cm3 の範囲になるように、酸素欠損量d
    並びに陽イオンの注入量を選んだ請求項11に記載の物
    品。
  13. 【請求項13】 導電性酸化物薄膜の一般式Znx M y In
    z O (x+3y/2+3z/2)-d は、xが2〜7のいずれかの整数
    であり、yが1であり、zが1である、一般式Znx MInO
    (x+3)-d で表される請求項8〜12のいずれか一項に記
    載の物品。
  14. 【請求項14】 配向性制御膜が、c軸が基板に垂直に
    配向しているZnO 薄膜である請求項7〜13のいずれか
    一項に記載の物品。
  15. 【請求項15】 基板が可視光領域で実質的に透明であ
    り、電極として用いられる請求項7〜13のいずれか一
    項に記載の物品。
  16. 【請求項16】 基板と配向性制御膜との間に下地層を
    有する請求項7〜15のいずれか一項に記載の物品。
  17. 【請求項17】 下地層がフィルター層、TFT層、E
    L層、半導体層及び絶縁層からなる群から選ばれる1ま
    たは2以上の層である請求項16に記載の物品。
  18. 【請求項18】 配向性制御基板が、ZnO 単結晶であっ
    て、この単結晶のc軸が基板の膜形成面に垂直に配向し
    ている請求項7〜13のいずれか一項に記載の物品。
  19. 【請求項19】 液晶ディスプレイ、ELディスプレイ
    または太陽電池に用いられる請求項7〜18のいずれか
    一項に記載の物品。
  20. 【請求項20】 一般式Znx M y Inz O
    (x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはアルミニウム及びガリウ
    ムのうちの少なくとも一つの元素であり、比率(x:
    y)が0.2〜8:1の範囲であり、比率(z:y)が0.
    4〜1.4:1の範囲であり、且つ酸素欠損量dが0を超
    え、(x+3y/2+3z/2)の1×10-1倍の範囲
    である)で表される酸化物をターゲットとして、スパッ
    ター法により薄膜を形成する方法であって、 前記酸化物薄膜を、前記酸化物の(00n)面を実質的
    に配向させるための配向性制御基板上または配向性制御
    膜を有する基板の前記配向性制御膜上に形成させること
    を特徴とする請求項1に記載の導電性酸化物薄膜を有す
    る物品または請求項8に記載の物品の製造方法。
  21. 【請求項21】 一般式Znx M y Inz O
    (x+3y/2+3z/2)-d (式中、Mはアルミニウム及びガリウ
    ムのうちの少なくとも一つの元素であり、比率(x:
    y)が0.2〜8:1の範囲であり、比率(z:y)が0.
    4〜1.4:1の範囲であり、且つ酸素欠損量dが0を超
    え、(x+3y/2+3z/2)の1×10-1倍の範囲
    である)で表され、且つZn、M及びInのうちの少なくと
    も一種の元素の一部が他の元素で置換されており、Znと
    置換される元素は原子価が2価以上であり、M及びInと
    置換される元素は原子価が3価以上である酸化物をター
    ゲットとして、スパッター法により薄膜を形成する方法
    であって、 前記酸化物薄膜を、前記酸化物の(00n)面を実質的
    に配向させるための配向性制御基板上または配向性制御
    膜を有する基板の前記配向性制御膜上に形成させること
    を特徴とする請求項2に記載の導電性酸化物薄膜を有す
    る物品または請求項9に記載の物品の製造方法。
  22. 【請求項22】一般式Znx M y Inz O (x+3y/2+3z/2)-d
    (式中、Mはアルミニウム及びガリウムのうちの少なく
    とも一つの元素であり、比率(x:y)が0.2 :1を超
    え8:1以下の範囲であり、比率(z:y)が0.4〜1.
    4:1の範囲であり、且つ酸素欠損量dが0を超え、
    (x+3y/2+3z/2)の1×10-1倍の範囲であ
    る)で表される酸化物をターゲットとして、スパッター
    法により薄膜を形成し、次いで陽イオンを注入する方法
    であって、 前記酸化物薄膜を、前記酸化物の(00n)面を実質的
    に配向させるための配向性制御基板上または配向性制御
    膜を有する基板の前記配向性制御膜上に形成させること
    を特徴とする請求項4に記載の導電性酸化物薄膜を有す
    る物品または請求項11に記載の物品の製造方法。
  23. 【請求項23】 配向性制御膜が、c軸が基板に垂直に
    配向しているZnO 薄膜である請求項20〜22のいずれ
    か一項に記載の製造方法。
  24. 【請求項24】 配向性制御基板が、ZnO 単結晶であっ
    て、この単結晶のc軸が基板の膜形成面に垂直に配向し
    ている請求項20〜22のいずれか一項に記載の製造方
    法。
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