JPH1044359A - 水槽用ポリカーボネート樹脂積層板 - Google Patents

水槽用ポリカーボネート樹脂積層板

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JPH1044359A
JPH1044359A JP8209783A JP20978396A JPH1044359A JP H1044359 A JPH1044359 A JP H1044359A JP 8209783 A JP8209783 A JP 8209783A JP 20978396 A JP20978396 A JP 20978396A JP H1044359 A JPH1044359 A JP H1044359A
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JP
Japan
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polycarbonate resin
thickness
plate
adhesive
resin plate
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JP8209783A
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Toshinori Kajiwara
俊典 梶原
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Teijin Ltd
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Teijin Chemicals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透視歪みが小さく、耐擦傷性に優れた30〜
500mmの厚さを有する水槽用ポリカーボネート樹脂
積層板を提供する。 【解決手段】 四枚以上のポリカーボネート樹脂板を接
着剤で貼合わせてなる厚さが30〜500mmの積層板
であって、外層は厚さが0.5〜8mmであり、その透
視歪みが50゜以下で且つそのハードコート処理された
表面硬度がテーバー摩耗試験における曇価変化で10%
以下にしたポリカーボネート樹脂板であり、内層は厚さ
が5〜15mmのポリカーボネート樹脂板である水槽用
ポリカーボネート樹脂積層板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水槽用ポリカーボネ
ート樹脂積層板に関するものである。更に詳しくは耐擦
傷性、耐衝撃性、外観、透視性に優れた水槽用ポリカー
ボネート樹脂積層板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、水族館の水槽にはガラス板が用い
られている。しかしながら、安全性の面から厚物が用い
られるため重くなり、取付け作業性に問題があった。近
年軽量化のために、ガラス板に代えて合成樹脂板が注目
され、特に透明なアクリル樹脂板は既に水族館等の大型
水槽に用いられている。しかしながら、アクリル樹脂板
は鋸等による切断中に破壊が発生し易い等の加工性に難
があった。
【0003】我々はガラス板に代えて、特に透明性や耐
衝撃性に優れたポリカーボネート樹脂板の使用について
検討した。ポリカーボネート樹脂板はガラス板に比較し
て剛性が低いため、水槽に用いるには使用時の撓みを抑
えるために、板の厚さを厚くする必要がある。ポリカー
ボネート樹脂板を製造するには一般に溶融押出法が用い
られている。溶融押出法は、溶融したポリカーボネート
樹脂をTダイから板状に押出し、ロール等に挟持させる
ことにより板状に成形する方法である。ポリカーボネー
ト樹脂板の厚さを所定の厚さにするには、溶融樹脂の吐
出量、Tダイのリップ間隔、ロールの間隙及び引取速度
を調整することでなされており、板厚0.5〜15mm
程度のものまで製造可能である。しかしながら、この製
造方法では、板の厚さが大きくなるに従って冷却斑等に
より板表面にうねりが生じ易く、このため得られる厚板
は、透視歪みが大きくなるという問題がある。特に板厚
が10mm以上になるとこの欠点が強くなり、溶融押出
法では上記用途に用い得るポリカーボネート樹脂板を製
造することは極めて困難である。ポリカーボネート樹脂
の厚板を製造する方法として、溶融押出法で得られた比
較的薄い板を複数枚重ねて加熱圧着する方法が知られて
いる。この方法によれば厚さが10mm以上のポリカー
ボネート樹脂板を得ることは可能である。しかしなが
ら、設備が大がかりになるため製造コストが極めて高く
なり、しかも透視歪みの小さいポリカーボネート樹脂板
を得ることは困難である。ポリカーボネート樹脂の厚板
を製造する方法として、複数枚の比較的薄い樹脂板を接
着剤で積層する方法について検討し、ポリカーボネート
樹脂板を接着剤で積層する透視性の良い厚板について先
に提案した(特開平8−39746号公報)。ところ
が、大型の水槽を製造するには厚さが30〜500mm
の積層板が必要になり、積層に用いるポリカーボネート
樹脂板としても10〜15mmという厚板が必要にな
り、得られる積層板は厚板のために透視歪みが大きくな
り、水槽用途分野で新たに透視歪みが小さい、その上表
面が傷つきにくい等の高い品質が要求される様になっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は透視歪
みが小さく、耐擦傷性に優れた30〜500mmの厚さ
を有する水槽用ポリカーボネート樹脂積層板を提供する
ことである。
【0005】本発明者はこの課題を解決すべく鋭意検討
を重ねた結果、耐擦傷性の問題についてはシリコン系、
メラミン系又は紫外線硬化型等のコート液を、積層する
ポリカーボネート樹脂板の片面に塗布し、加熱硬化又は
光照射させることによって解決し得ることを見出した
が、透視歪みが小さい積層用のポリカーボネート樹脂の
厚板を製造することは困難であった。更に樹脂板の積層
法について検討を重ねた結果、液状の接着剤を用いるこ
とによって、透視歪みの悪化の原因である樹脂板表面の
うねりが緩和されることを究明し、積層板の最外層に透
視歪みが50゜以下と良好な樹脂板を用い、接着剤で積
層すれば、内層に透視歪みが80゜以上と良くない厚さ
が10〜15mmのポリカーボネート樹脂厚板を用いて
も、比較的透視歪みの良好な樹脂板が得られること、ま
た外層の樹脂板としては、透視歪みの良好なものを用い
る必要があることから、その厚さは8mm以下の樹脂板
になるため、耐擦傷性を改善するためのハードコート処
理が極めて容易になることを知った。本発明はこれらの
知見に基いて完成したものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は四枚以上のポリ
カーボネート樹脂板を接着剤で貼合わせてなる厚さが3
0〜500mmの積層板であって、外層は厚さが0.5
〜8mmであり、その透視歪みが50゜以下で且つその
ハードコート処理された表面硬度が本文記載のテーバー
摩耗試験における曇価変化で10%以下であるポリカー
ボネート樹脂板であり、内層を構成する各ポリカーボネ
ート樹脂板の厚さが5〜15mmである水槽用ポリカー
ボネート樹脂積層板に係るものである。
【0007】本発明でいうポリカーボネート樹脂は二価
フェノールとカーボネート前駆体とを任意の方法で反応
させて得られる芳香族ポリカーボネート樹脂であり、二
種以上のポリカーボネート樹脂の混合物であってもよ
い。その分子量は粘度平均分子量で表して19,000
〜35,000程度が好ましい。ここで使用する二価フ
ェノールとしては2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン(通称ビスフェノールA)を主たる対象と
するが、その一部又は全部を他の二価フェノールで置換
してもよい。他の二価フェノールとしては、例えばビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)サルフ
ァイド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン等が
挙げられる。カーボネート前駆体としては例えばカルボ
ニルハライド、カルボニルエステル、ハロホルメート等
が挙げられ、具体的にはホスゲン、ジフェニルカーボネ
ート、二価フェノールのジハロホルメート等が挙げられ
る。また、ポリカーボネート樹脂を製造するに際して分
子量調節剤、触媒、加工性改善のための分岐剤等を必要
に応じて使用することができる。更にポリカーボネート
樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で各種の機能
を持つ添加剤、例えば離型剤、亜燐酸エステル、燐酸エ
ステル、ホスホン酸エステル等の熱安定剤、ベンゾトリ
アゾール系、アセトフェノン系、サリチル酸エステル系
等の紫外線吸収剤、帯電防止剤、着色剤、増白剤、難燃
剤等を配合してもよい。これらの添加剤を配合するに
は、例えば溶融押出時に混練する方法、表面に含浸する
方法、塗装法、ラミネート法等任意の方法が採用され
る。
【0008】本発明で用いるポリカーボネート樹脂板は
任意の方法で成形したシートであってもよいが、通常は
溶融押出法で製造される。具体的には押出機により溶融
したポリカーボネート樹脂をT型ダイからシート状に押
出し、複数個の冷却ロールで冷却した後複数個の移送ロ
ールにより移送して引取る。
【0009】積層板の外層に用いるポリカーボネート樹
脂板は、厚さが0.5〜8mmである。厚さが0.5m
mに達しない樹脂板では、押出し時に発生し易いダイラ
インが目立ち透視歪みが50゜より大きくなり、また剛
性が小さく接着時に良好な平面性が得られ難くなり、目
的とする透視歪みの小さい積層板が得られ難くなる。ま
た、厚さが8mmより厚くなると、その透視歪みが50
゜より大きくなり、かかる透視歪みの大きいポリカーボ
ネート樹脂板を外層に用いたのでは、目的とする透視歪
みの小さい積層板は得られなくなる。
【0010】また、この外層のポリカーボネート樹脂板
の片面には予めハードコート処理によりその表面硬度が
テーバー摩耗試験における曇価変化で10%以下にして
おく。曇価変化が10%より高くなると、表面を手や布
等で拭いたときに傷が発生し易く、透視性を悪化させる
ようになる。ハードコート処理には特別な手段やコート
液は必要でなく、シリコン系、メラミン系又は紫外線硬
化型等通常生産されている組成のコート液をポリカーボ
ネート樹脂板の片面に塗布、加熱硬化又は光照射させる
ことによって行われる。かかるコート液で市販されてい
るものとしては、例えばシリコン系では東芝シリコーン
(株)製トスガード510、信越化学(株)製KP−8
5、紫外線硬化型では、三菱レーヨン(株)製UL−1
167、藤倉化成(株)フジハード等があげられるが、
特にこれに限定されるものではなくハードコート処理に
よりその表面硬度がテーバー摩耗試験における曇価変化
で10%以下になるコート液であればよい。そのハード
コート処理の膜厚は、夫々のコート液の製造条件によっ
て異なるが、一般的には1〜30μ、好ましくは3〜1
5μの範囲である。
【0011】積層板の内層に使用するポリカーボネート
樹脂板は、厚さが5〜15mmである。厚さが5mmに
達しない樹脂板では、積層枚数が多くなり工程が複雑に
なるので適当でない。また、厚さが15mmより厚い樹
脂板は製造し難い。かかる厚さのポリカーボネート樹脂
板、特に厚さ10〜15mmのポリカーボネート樹脂板
は透視歪みが大きく、水槽用途には到底使用不能と考え
られていたものであるが、本発明によれば、かかるポリ
カーボネート樹脂の厚板を用いて透視歪みが80°以下
の水槽用に適したポリカーボネート樹脂積層板を得るこ
とができる。
【0012】本発明にあってはハードコート処理した二
枚の外層用ポリカーボネート樹脂板を、ハードコート処
理面を外面にし、その内側に所定の厚さになる枚数の内
層用ポリカーボネート樹脂板を接着剤で接着積層する。
接着法としては特に制限する必要はなく、波長が320
〜800nmの近紫外線及至可視光線で硬化する光硬化
型接着剤で貼合わせる方法やエポキシ樹脂系の接着剤を
用いる等通常使用される方法が挙げられる。なかでも3
20〜800nmの波長、好ましくは400〜800n
mの波長の近紫外線乃至可視光線によって架橋硬化を開
始するもので、架橋硬化後に透明性を維持するものが好
ましい。かかる接着剤の好ましい例としてはベンゼン環
等の共役二重結合を含まず、近紫外線領域に吸収のない
エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート等をモノ
マーに用い、近紫外線乃至可視光線分解型の化合物を重
合開始剤として用いたものがあげられる。かかる近紫外
線乃至可視光線硬化型接着剤を硬化させるに用いる光照
射装置は高圧水銀灯、メタルハライドタイプ高圧水銀灯
等である。好ましくは、波長320nm以下の光放射を
フィルター等で遮った可視光線専用メタルハライドタイ
プが用いられる。かかる光硬化型接着剤を用いることに
より、紫外線吸収剤を併用することができ、適量(通常
0.01〜0.5重量%)の紫外線吸収剤の併用により
耐候性に優れた製品の提供が可能になる。
【0013】積層する具体的な方法としては、例えばポ
リカーボネート樹脂板を水平に保持し、光硬化型接着剤
を使用する場合は、その上に接着剤を所定量塗布し、そ
の上にポリカーボネート樹脂板を気泡を挟まないように
ロール等で押付けながら積層した後、近紫外線及至可視
光線部に発光波長を持つ所定の光源で所定時間照射して
硬化させる。必要ならこの積層板の上に更にシートを重
ねて接着積層する。複数の接着層を設けた後最後に一括
して光を照射して硬化接着することも可能であり、接着
層を設ける度に光硬化接着させてもよい。更に本発明の
接着層には必要に応じて無機ガラスや他の透明性樹脂板
等を併用組合せてもよい。積層板の厚みは30〜500
mmの範囲である。
【0014】ポリカーボネート樹脂シートを積層する際
に、特にポリカーボネート樹脂シートの含水率を100
ppm以下にして積層に供するのが好ましい。含水率の
高いポリカーボネート樹脂シートを積層して得た積層板
を熱曲げ加工に共すると、加熱時に接着剤層に気泡が発
生し美麗な製品を得られないことがある。かかる含水率
の高いポリカーボネート樹脂シートを用いて得た積層板
を熱曲げ加工する際に予備加熱して充分に乾燥しても、
接着剤層における気泡の発生を抑制することはできず、
良好な製品が得られないことがある。しかるに、含水率
が100ppm以下のポリカーボネート樹脂シートを、
上記接着剤を用いて積層して得られた積層板は160℃
以上に加熱しても接着剤層に気泡が発生することがな
く、熱曲げ加工に共しても、加熱時に接着剤層に気泡は
発生せず美麗な製品が得られる。
【0015】ポリカーボネート樹脂シートの含水率を1
00ppm以下にするには任意の方法で乾燥すればよ
い。例えば熱風循環型乾燥機を用いて100〜120℃
で6〜10時間加熱して乾燥すればよい。通常ポリカー
ボネート樹脂は速やかに吸湿するので乾燥したシートは
直ちに積層に共するのが好ましい。このように含水率が
100ppm以下のポリカーボネート樹脂シートを用い
て得た本発明のポリカーボネート樹脂積層板は、160
〜190℃に加熱軟化させて、一般に用いられる真空成
形、圧空成形、プレス成形等の熱曲げ加工に共すること
ができる。なお、本発明の積層板を曲げ加工するに際
し、予め100〜120℃で6〜10時間予備乾燥する
のが好ましい。予備乾燥することによりポリカーボネー
ト樹脂層にも気泡のない、より良好な製品を得ることが
できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に実施例をあげて本発明を更
に説明する。なお、実施例中の測定項目は下記の方法に
よった。
【0017】(1)透視歪み;JIS R−3211
(自動車用安全ガラス試験方法)に規定される試験方法
に従って試験領域Aに適用される透視歪みの最大値が2
分になるまで試験片を傾けてゆきそのときの傾斜角度で
示し、この角度が小さいほど透視性はよい。
【0018】(2)接着強度;JIS K−6850
(接着剤の引張り剪断強さ試験方法)に従って測定し
た。
【0019】(3)表面硬度の曇価変化(耐擦傷性);
JIS K−6735(ポリカーボネート板)に従って
テーバー摩耗輪CS−10Fに500g荷重をかけ、被
覆ポリカーボネート樹脂成形品の表面を500回転摩耗
させたときの曇価の変化(△H500 )を下記式に基づい
て計算した。この△H500 を表面硬度の指標とした。 △H500 =H500 −H0 [ここで、H500 とH0 は各々テーバー摩耗の500回
転摩耗及びテーバー摩耗前の曇価(H)である。この曇
価は、JIS K−7105(プラスチックスの光学的
特性試験方法)に従い、積分球式光線透過率測定装置を
用いて拡散透過率(Td)及び全光線透過率(Tt)を
測定し、H(%)=100×Td(%)/Tt(%)の
式に基づいて計算したものである。]
【0020】[実施例1]溶融押出法で作成した厚さ5
mm、幅1000mm、長さ2000mm、透視歪み4
0°のポリカーボネート樹脂板[帝人化成(株)製パン
ライトシートPC−1111]2枚の夫々の片面にシリ
コン系ハードコートのプライマー塗料(東芝シリコーン
(株)製PH−91)をフローコート法で塗布し、自然
乾燥させた。ついで、プライマーコート面にシリコン系
ハードコート塗料(東芝シリコーン(株)製トスガード
510)をフローコート法で塗布し、熱風乾燥炉で温度
135℃×60分間加熱乾燥させた。別に溶融押出法で
作成した厚さ10mm、幅1000mm、長さ2000
mm、透視歪み85°のポリカーボネート樹脂板[帝人
化成(株)製パンライトシートPC−1111]4枚を
前記片面ハードコート処理したポリカーボネート樹脂板
と共に熱風循環乾燥機により110℃で12時間乾燥し
た。片面にハードコート処理した厚さ5mmのポリカー
ボネート樹脂板の未コート面に420nmに主反応波長
を持つ可視光光線硬化型接着剤[(株)アーデル製BE
NEFIX・PC]を塗布し、厚さ10mmポリカーボ
ネート樹脂板を接着剤に気泡が入らないように気泡を一
方に押出しながら積層した後油圧プレスを用いて接着剤
の厚みが100μmになるように余分な接着剤を除き、
可視光線専用メタルハライドランプを備えた光硬化装置
により5000mJ/cm2 の光エネルギーを照射して
厚さ15mmの積層板を得た。この積層板の未コート面
に、同様にして厚み10mmポリカーボネート樹脂板を
更に3枚接着し、最後に片面にハードコート処理したポ
リカーボネート樹脂板を、同様に未コート面を接着して
両面にハードコート処理面を持つ厚さが略50mmの積
層板を得た。この積層板の各層の接着強度は100kg
/cm2 、表面硬度(△H500 )は5.2%、透視歪み
は65°であった。また、10mの高さから重さ2kg
の剛球を落下させたところひび割れや破壊は見られなか
った。この板を通して風景を見ても、実質的な歪みはな
く、表面を布で拭いても傷は全く付かず、水槽用板とし
て極めて有用なポリカーボネート樹脂板であった。
【0021】[実施例2]実施例1で用いたと同様の片
面ハードコート処理した厚さ5mm、幅1000mm、
長さ2000mm、透視歪み40°のポリカーボネート
樹脂板2枚と溶融押出法で作成した厚さ15mm、幅1
000mm、長さ2000mm、透視歪み90°のポリ
カーボネート樹脂板[帝人化成(株)製パンライトシー
トPC−1111]25枚を熱風循環乾燥機により11
0℃で12時間乾燥し、実施例1と同様の方法でハード
コート面が表面になるように逐次接着剤層を介して積層
し、厚さ100μmの接着剤層を26層持つ厚さが略3
88mmの積層板を得た。この積層板の各層の接着強度
は100kg/cm2 、表面硬度(△H500 )は6.1
%、透視歪みは75°であった。また、10mの高さか
ら重さ2kgの剛球を落下させたところひび割れや破壊
は見られなかった。この板を通して風景を見ても歪みは
殆ど無く、表面を布で拭いても傷は全く付かず、水槽用
板として極めて有用なポリカーボネート樹脂板であっ
た。
【0022】[比較例1]実施例1で使用したと同様の
厚さ10mm、幅1000mm、長さ2000mm、透
視歪み85°のポリカーボネート樹脂板5枚を熱風循環
乾燥機により110℃で12時間乾燥し、これらの厚さ
10mmの樹脂板5枚だけを、実施例1と同様の方法で
逐次接着剤層を介して積層し、厚さ100μmの接着剤
層を4層持つ厚さが略50mmの積層板を得た。この積
層板の各層の接着強度は100kg/cm2 であった
が、表面硬度(△H500 )は42%、透視歪みは90°
であった。また、10mの高さから重さ2kgの剛球を
落下させたところひび割れや破壊は見られなかったが、
この板を通して風景を見ると像が歪んで見え、表面を布
で拭くと傷が多数入り風景が見えなくなり、水槽用板と
しての商品価値のない樹脂板であった。
【0023】
【発明の効果】本発明による積層ポリカーボネート樹脂
板は透明で透視性がよく傷つき難い。更にガラスに比べ
て軽量で割れ難く、アクリルに比べても衝撃強度に優れ
ているため水族館の水槽、水中展望台の展望窓、水中展
望船の船底等の水槽用板として最適であり、その奏する
工業的効果は格別のものである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 四枚以上のポリカーボネート樹脂板を接
    着剤で貼合わせてなる厚さが30〜500mmの積層板
    であって、外層は厚さが0.5〜8mmであり、その透
    視歪みが50゜以下で且つそのハードコート処理された
    表面硬度が本文記載のテーバー摩耗試験における曇価変
    化で10%以下であるポリカーボネート樹脂板であり、
    内層を構成する各ポリカーボネート樹脂板の厚さが5〜
    15mmである水槽用ポリカーボネート樹脂積層板。
  2. 【請求項2】 接着剤が、波長が320〜800nmの
    近紫外線乃至可視光線で硬化する光硬化型接着剤である
    請求項1記載の水槽用ポリカーボネート樹脂積層板。
JP8209783A 1996-08-08 1996-08-08 水槽用ポリカーボネート樹脂積層板 Pending JPH1044359A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014205335A (ja) * 2013-04-16 2014-10-30 帝人株式会社 三次元構造を有するポリカーボネート樹脂成形品の製造方法およびその成形品

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014205335A (ja) * 2013-04-16 2014-10-30 帝人株式会社 三次元構造を有するポリカーボネート樹脂成形品の製造方法およびその成形品

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