JPH1042775A - 手打ち麺用自動麺切り機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】蕎麦やうどんなど＜あたかも手で切ったかのよ
うに麺の太さをばらつかせ、見た目や微妙な食感を満足
させる自動麺切り機を提供する。 【構成】麺の間欠送り機構と、タイミングを合わせたカ
ッター駆動機構を備えた自動麺切り機において、麺生地
の送り速度・送り時間・カッターの駆動サイクルなどを
変え、切截幅を任意に設定できるようにする。麺の間欠
送り機構の１例として、プログラムコントローラーの内
部タイマーとカウンターで時間をばらつかせ、外部タイ
マーの固定時間と組み合わせ、センサーがカッターの上
昇を確認した時に、麺送りコンベアを駆動させる。内部
タイマーに代えて乱数発生回路を用いても良い。麺受け
パレットの駆動手段として、可変かつ可逆回転が可能な
モーターを設け、切落した麺を任意の厚さに受けられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、蕎麦やうどんな
どの自動麺切り機の改良である。

【０００２】

【従来の技術】蕎麦やうどんなどは、昔から伝わる人手
による「手打ち」が喜ばれ、「機械打ち」は食味や歯応
えなどが劣るとされてきた。しかし、麺の加工機械や製
造方法も進歩して、「手打ち」に匹敵する麺も機械で作
れる時代になっている。ただ、機械で切ると麺が同じ太
さとなり、見た目や微妙な食感にこだわる人達に敬遠さ
れていた。

【０００３】そこで、麺の生地は機械で打ったあと、麺
切りだけを人手でやり「手打ち」と称している例もあ
る。しかし、麺を細く切るには長年の修練が必要であ
り、時間もかかり、客が多い店や大量生産工場では、多
くの人手を必要としていた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】人手で切らなくも、あ
たかも手で切ったかのように麺の太さをばらつかせ、見
た目や微妙な食感を満足させる自動麺切り機を提供する
ことである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明を図によって説
明すると、麺の間欠送り機構（１）と、タイミングを合
わせたカッター駆動機構（２）を備えた自動麺切り機に
おいて、麺の太さをばらつかせるために、例えば麺生地
の送り速度や送り時間を変えたり、カッターの駆動サイ
クルを変えることなどにより、切截幅を任意に設定でき
るようにする。

【０００６】麺の間欠送り機構（１）の具体的な１例と
して、シーケンス制御のプログラムコントローラー
（３）などを使用し、その内部タイマー（３１）及びカ
ウンター（３２）によって、１サイクルの中で数種の異
なる時間を規則的に複数回反復する設定ができると共
に、各回とも同じ時間を加算できる外部タイマー（４）
を組み合わせておき、常時回転するカッター駆動機構
（２）の近接スイッチなどによるセンサー（２１）が、
カッター（２２）の上昇を確認した時に、麺送りコンベ
ア（１１）を駆動させる。

【０００７】内部タイマー（３１）に代えて、例えばプ
ログラムコントローラー（３）など、その内部に備える
１ｍｍ秒クロックパルスか、１０ｍｍ秒クロックパルス
及びシフトレジスターやリレーを使用し、その都度異な
る時間に変える疑似乱数を発生させるか、又は乱数を自
動的に発生して時間値とする乱数発生回路（５）を加え
て、任意の範囲内におけるランダムな時間値により、麺
送りコンベア（１１）を駆動させる。

【０００８】麺受けパレット（６）の駆動手段として、
可変かつ可逆回転が可能なパレット往復用モーター（６
１）を設け、パレット送りネジ（６２）及びパレット支
え（６３）を連結し、コントロールボックス（７）にパ
レット往復スピード調整つまみ（７１）を設ける。

【０００９】

【実施の形態】コントロールボックス（７）には前記の
ほか、電源スイッチ（７２）、作業スイッチ（７３）、
コンベア寸動スイッチ（７４）などを設けると良い。

【００１０】カッター駆動機構（２）は、例えば減速機
付きインダクションモーター（２０）により回転するフ
ライホイール（２３）と、連結板（２４）をリンク軸
（２５）により連結すると共に、連結板（２４）にはカ
ッター微調整ネジ（２６）を介して連結したカッター取
付板（２７）に、カッター（２２）を取り付けておく。

【００１１】作業スイッチ（７３）のＯＮにより常時回
転するフライホイール（２３）には、カッター（２２）
の上昇を確認する位置にセンサー（２１）が感知できる
磁性体（２８）を設けておき、麺送りコンベア（１１）
を駆動させる信号を発生させる。カッター（２２）が上
昇している間に、麺送りコンベア（１１）の移動が終わ
るよう、カッター駆動機構（２）又は麺の間欠送り機構
（１）のモーターの減速比を変えられるようにしてお
く。

【００１２】プログラムコントローラー（３）などの接
続は、例えば図４のようにするとセンサー（２１）から
の信号を受けるごとに、１サイクルの中で５種の異なる
時間を反復する。内部タイマー（３１）だけでも、同様
の時間は設定できるが、切りたい麺の最小幅を外部タイ
マー（４）で固定し、内部タイマー（３１）でプラスア
ルファするほうが扱い易い。

【００１３】なお、作業を開始する時には、よく打たれ
た麺生地を折り畳んで、麺送りコンベア（１１）に載
せ、麺生地の先端をカッター（２２）に合わせておく。
切り終われば自動停止するが、次の麺生地を同様にセッ
トし作業スイッチ（７３）をＯＮにする。

【００１４】例えば図４に示すように、内部タイマー
（３１）が０．０１秒単位で設定できるとして、モータ
ーの起動に要する時間が０．０２５秒とすると、内部タ
イマー（３１）の順１（Ｔ１）を０．０３秒に設定した
場合の実駆動時間は０．００５秒となり、外部タイマー
（４）を０．１５秒に設定しておくと、コンベア駆動用
シンクロモーター（１２）は、図５及び図６のように併
せて０．１５５秒の送り時間だけ定速回転する。回転数
や減速比により例えば、麺送りコンベア（１１）を０．
１秒あたり１．５ｍｍ駆動させるとすれば、この場合の
麺生地は２．３２５ｍｍ移動して停止する。そこへリン
ク機構により、切る方向にスライドしながら下降するカ
ッター（２２）でスライスされ、移動寸法にほぼ等しい
麺の切り幅となる。

【００１５】次に、タイマー２（Ｔ２）が０．０４秒に
設定してあると、コンベア駆動用シンクロモーター（１
２）は図６のように併せて０．１６５秒定速回転し、麺
生地は２．４７５ｍｍ移動してカッター（２２）により
スライスされる。以下同様に、内部タイマー（３１）の
設定が０．０１秒異なるごとに麺の切り幅は０．１５ｍ
ｍづつ変化し、５種の太さの麺となる。当然ながら、同
一時間だけの繰り返しに設定すれば、すべての麺を一定
幅で切ることもできる。

【００１６】上記の設定だけでは、１回ごとに０．０１
秒増を５回繰り返すと、１サイクルを終わり元に戻る
が、各タイマー（Ｔｎ）に対応する各カウンター（Ｃ
ｎ）を任意の数に設定しておくと、その設定数だけ同一
寸法を繰り返し、太めから細めまで任意に、麺切りのば
らつきを混合できる。

【００１７】例えば又、図７のように、内部タイマー
（３１）に代えて乱数発生回路（５）を加えると、外部
タイマー（４）＋乱数の時間値により、任意の設定範囲
内におけるランダムなばらつきを持つ太さの麺切りがで
きる。

【００１８】蕎麦やうどんに限らず、例えばきしめんの
ように幅広の麺でも、外部タイマー（４）の設定を変え
るだけでも容易に利用できる。蕎麦又はきしめんのどち
らか１方に決まっている場合は、麺の切り幅に合う最適
速度になるよう、カッター駆動機構（２）又は麺の間欠
送り機構（１）のモーターの減速比を変えれば良い。

【００１９】パレット往復用モーター（６１）の可変か
つ可逆回転が可能であれば、パレット送りネジ（６２）
を回転させて、麺受けパレット（６）を載せたパレット
支え（６３）をに任意に水平移動できる。例えばパレッ
ト往復スピード調整つまみ（７１）によって、切落した
麺をゆでたり包装するのに最適な任意の厚さに受け、終
点迄行くとパレット送りネジ（６２）を逆転させて、麺
受けパレット（６）を戻すこともできる。

【００２０】麺生地の長さが７００ｍｍとすれば、図６
の設定で平均が２．６２５ｍｍとして約２６７回スライ
スすることになるが、送り時間の最大値０．１９５秒と
刃が下降している時間に余裕をとって、１回のスライス
に要する時間を０．５秒としても約２．３分で切り終わ
る。きしめんなど特に太い場合で切り幅平均１０ｍｍと
すれば、スライスは７０回であり、１回のスライスに
１．８秒かけても２．１分で切り終わり、熟練した人手
の２倍以上の早さで大量に切ることができる。

【００２１】麺生地の供給と、切った麺の回収を人手で
やるとしても、機械が自動的に稼動している間に、１人
での多台持ちも可能である。

【００２２】

【効果】この発明によって、熟練した人手や時間をかけ
ずに、簡便な機械でも切り幅を均一にせず、あたかも手
で切ったかのように麺の太さをばらつかせ、見た目や微
妙な食感を満足させることができる。

【００２３】蕎麦やうどんに限らず、例えばきしめんの
ように幅広の麺でも、又その都度切り幅を変えたい場合
でも、簡単な操作で容易に利用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】は、この発明の概要を示し、正面から見た内部
の機構を示す。

【図２】は、カッター駆動機構の詳細を示す部分図で、
（１）は正面図、（２）は要部の側面図。

【図３】は、全体の外観を示す斜視図。

【図４】は、麺の間欠送り機構の駆動回路のブロックチ
ャート。

【図５】は、内部タイマーを０．０３秒に設定した場合
のタイムチャート。

【図６】は、タイマーの設定例と麺の切り幅を示す一覧
表。

【図７】は、乱数を加えた場合の麺の間欠送り機構の駆
動回路のブロックチャートである。

【符号の説明】

１ 麺の間欠送り機構 ２ カッター駆動機構 ３ プログラムコントローラー ４ 外部タイマー ５ 乱数発生回路 ６ 麺受けパレット ７ コントロールボックス ８ ベルト １１ 麺送りコンベア １２ コンベア駆動用シンクロモーター １３ コンベアベルトたるみ防止板 １４ 麺押さえローラー １５ コンベアローラー １６ 本体カバー １７ コンベア架台 ２０ 減速機付きインダクションモーター ２１ センサー ２２ カッター ２３ フライホイール ２４ 連結板 ２５ リンク軸 ２６ カッター微調整ネジ ２７ カッター取付板 ２８ 磁性体 ２９ カッター取付ボルト ３１ 内部タイマー ３２ カウンター ３３ モーター０Ｎ／ＯＦＦ入出力回路 ３４ リレー ３５ ＡＣ電源 ６１ パレット往復用モーター ６２ パレット送りネジ ６３ パレット支え ７１ パレット往復スピード調整つまみ ７２ 電源スイッチ ７３ 作業スイッチ ７４ コンベア寸動スイッチ ８０ カッター駆動機構支柱 ８１ プーリー ８２ ベアリング ８３ シャフト ８４ シャフト固定ワッシャ ８５ ワッシャ

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】麺の間欠送り機構（１）と、タイミングを
   合わせたカッター駆動機構（２）を備えた自動麺切り機
   において、麺の太さをばらつかせるために、切截幅を任
   意に設定できる手打ち麺用自動麺切り機。
2. 【請求項２】麺の間欠送り機構（１）として、シーケン
   ス制御のプログラムコントローラー（３）を使用し、そ
   の内部タイマー（３１）及びカウンター（３２）によっ
   て１サイクルの中で異なる時間を１回以上任意に反復で
   きるようにすると共に、各回とも同じ時間を加算できる
   外部タイマー（４）を組み合わせておき、常時回転する
   カッター駆動機構（２）のセンサー（２１）がカッター
   （２２）の上昇を確認した時に、麺送りコンベア（１
   １）を駆動させる請求項１記載の手打ち麺用自動麺切り
   機。
3. 【請求項３】内部タイマー（３１）に代えて乱数発生回
   路（５）を加え、任意の範囲内におけるランダムな時間
   値により麺送りコンベア（１１）を駆動させる請求項１
   又は２記載の手打ち麺用自動麺切り機。
4. 【請求項４】麺受けパレット（６）の駆動手段として、
   可変かつ可逆回転が可能なパレット往復用モーター（６
   １）を設け、パレット送りネジ（６２）及びパレット支
   え（６３）を連結し、コントロールボックス（７）のパ
   レット往復スピード調整つまみ（７１）によって、切落
   した麺が任意の厚さになるようにした請求項１ないし３
   記載の手打ち麺用自動麺切り機。