JPH1040850A - 低真空雰囲気型走査電子顕微鏡 - Google Patents

低真空雰囲気型走査電子顕微鏡

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JPH1040850A
JPH1040850A JP8191772A JP19177296A JPH1040850A JP H1040850 A JPH1040850 A JP H1040850A JP 8191772 A JP8191772 A JP 8191772A JP 19177296 A JP19177296 A JP 19177296A JP H1040850 A JPH1040850 A JP H1040850A
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JP
Japan
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exhaust
electron gun
exhaust piping
chamber
orifice
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Application number
JP8191772A
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English (en)
Inventor
Masuhiro Ito
祐博 伊東
Mitsuo Akatsu
光男 赤津
Norifumi Yukita
憲史 雪田
Hiromasa Suzuki
宏征 鈴木
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Hitachi Ltd
Hitachi Science Systems Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Hitachi Science Systems Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低真空雰囲気での観察で、電子銃室を高真空に
保ったまま、オリフィス径を大きくしビーム電流を大き
くする。もしくは従来と同じオリフィス径とそれを有す
る排気系の場合、低真空雰囲気での観察で、より高い試
料室圧力での観察を可能にする、または電子銃フィラメ
ントの寿命を長くする。 【解決手段】対物レンズ7と収束レンズ4,5の間に中
間室8を設け、中間室8を排気する配管を電子銃部2か
らの主配管と別に設けて排気ポンプ22の引口の近くで
接続する低真空雰囲気型走査電子顕微鏡。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低真空雰囲気型走査
電子顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】観察試料周囲雰囲気の圧力を数Pa〜数
百Paの低真空状態にすることにより、絶縁物試料の観
察で帯電現象を防止し、あるいは比較的蒸気圧の高い成
分を含んだ試料の観察を容易にする、いわゆる、低真空
観察を可能とした走査電子顕微鏡が用いられている。
【0003】従来の低真空雰囲気型走査電子顕微鏡の排
気系は、一般に図3に示すように低真空雰囲気状態での
観察時に試料室9を低真空度に保つため中間室8あるい
は対物レンズ7にオリフィス13が設置されており、電
子銃部3及び中間室8の高真空を維持するため、電子銃
部3及び中間室8より主排気配管16で油拡散ポンプ2
1とその背圧用のロータリポンプ22に接続されてい
る。また試料室9の圧力を可変するためのニードルバル
ブ20を開いたときに試料室9を低真空度に維持するた
めのロータリポンプ22で構成されており、低真空観察
と高真空観察の両方が可能なように構成されている。
【0004】従来の低真空雰囲気型走査電子顕微鏡の問
題点は、その排気構成で電子銃室,試料室,中間室が、
主排気配管と収束レンズ電子ビーム通路を介して各々接
続されているため、低真空雰囲気での観察時に試料室の
圧力を高くしていく(真空度を悪くする)と、対物レン
ズ内のオリフィスを通ったガスが主排気配管下部16″を
通ることにより圧力低下を生じてしまう。このため、主
排気配管16の上部に接続されている電子銃室3の圧力
が高く(真空度を悪く)なるため、電子銃2の高電圧を
維持できなくなるため電子銃としての機能が果たせなく
なる。この電子銃室3の圧力制限のためにオリフィス径
を大きくできないという問題点があった。
【0005】本発明は、低真空雰囲気の観察中にビーム
電流を増加させるためにオリフィス径を大きくしたい場
合やフィラメントの寿命を長くさせるために電子銃室の
圧力を低くしたい(真空度を良くしたい)場合、オリフ
ィスからの流入ガスによる主排気配管下部の圧力低下を
防止するため、装置の大きな改造をすることなく排気コ
ンダクタンスを大きくすることにある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】低真空雰囲気での観察
において、電子銃室を高真空に保ったまま、オリフィス
径を大きくしビーム電流を大きくすることにある。もし
くは従来と同じオリフィス径とそれを有する排気系の場
合、低真空雰囲気での観察において、より高い試料室圧
力での観察を可能にする、または電子銃部の真空度を良
くする(圧力を低くする)ことで電子銃フィラメントの
寿命を長くすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明はオリフィスを通ったガスによる電子銃部の
真空度への影響を小さくするために、主配管と中間配管
の共通部の排気抵抗を小さくすること、すなわち中間室
の真空排気を行う排気配管を主排気ポンプに近い所で接
続する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて本発明の詳細
に説明する。
【0009】図3は一般的な低真空雰囲気型走査電子顕
微鏡の排気構成を示した概略図である。
【0010】本装置は、鏡体となる電子線1を取り出す
ための電子銃2を有する電子銃室3と収束レンズ4,偏
向コイル6,対物レンズ7を有する中間室8と、試料1
2,検出器10,11などを有する試料室9そして装置
内を真空に保つための排気ポンプ21,22と排気配管
16,17から構成されている。
【0011】電子銃2から取り出された電子線1は、収
束レンズ4と対物レンズ7によって細い電子ビームに収
束され、走査電源23に接続された偏向コイル6によっ
て試料12上で走査される。電子線の照射によって試料
からは、二次電子,反射電子などの信号が発生する。試
料室の圧力が高い低真空(6Pa〜540Pa)の領域
では、電子の平均自由行程が250μm〜2cmときわめ
て短いため、試料を照射する電子の一部は試料近傍の残
留ガスと衝突し、これを電離して電子とイオンを生じ
る。このイオンは電子線の照射により負に帯電した試料
の電界に引き寄せられ、試料表面の電荷を中和するた
め、帯電現象が生じない。通常高真空での観察時には二
次電子を二次電子検出器10で検出するが、低真空観察
時では二次電子検出器に用いる後段加速電圧の高電圧が
印加できないため、一般には検出する信号は反射電子と
なる。この反射電子信号を検出するため、対物レンズ7
と試料12の間に、反射電子検出器11が設けられてい
る。検出された反射電子信号は、信号増幅回路24を通
してCRT25の輝度変調端子に入力され、反射電子信
号による走査像が観察できるようになっている。
【0012】低真空雰囲気での観察中は試料室の低真空
度を維持するために電子銃室3と中間室8との間、いわ
ゆる、収束レンズ内に収束レンズ絞りを兼用している複
数個のオリフィス絞りを有する収束レンズ電子ビーム通
路5及び中間室8下方(対物レンズ部)と試料室の間に
オリフィス絞りが設けられている。これらのオリフィス
絞りは、できるだけ厚みを薄くすることで電子線の散乱
を防止し、電子線をできるだけ細く絞ることまた、排気
コンダクタンスを最適な値に設定するという両方の役割
を持っている。
【0013】図4は図3の排気経路構成を流路抵抗のネ
ットワークで示したものである。その流路抵抗を用いて
各主要部の圧力を計算したものを表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】オリフィス径が0.2mm のとき試料室9の
圧力(真空度)(Pc′)を270Pa(2Torr)に維
持するためには図3に示した流路抵抗により各真空室の
真空度は電子銃室3(Pg′)が4.24×10-2Pa
(3.18×10-4Torr)、中間室8(Pm′)は約0.
42Pa(3.14×10-3Torr)となる。電子銃室の
圧力(真空度)としてはこれが限界であり、この排気経
路構成にて、これ以上オリフィス径を大きくすれば電子
銃室の圧力が高くなる(真空度が悪くなる)ため電子銃
の高電圧を維持できなくなるため電子銃としての機能が
果たせなくなる。電子銃室の圧力制限は、オリフィス
(R1′)を通ったガスが主排気配管下部16″(R
4′)を通るときに生じる圧力低下に伴うものである。
これを防止するには、主排気配管下部16″の排気コン
ダクタンスを大きくすること、すなわち主排気配管16
の太さを大きくすれば達成できる。しかしスペースの制
約,コストなどの面で好ましくない。
【0016】本発明は、低真空雰囲気の観察中にビーム
電流を増加させるためにオリフィス径を大きくしたい場
合や電子銃室の圧力を低くしたい(真空度を良くした
い)場合に、オリフィスからの流入ガスによる主排気配
管下部の圧力低下を防止するため、装置の大きな改造を
することなく排気コンダクタンスを大きくすることにあ
る。
【0017】図1は、本発明の一例を示す低真空雰囲気
型走査電子顕微鏡の排気構成の概略図である。また図2
は、図1の排気経路構成を流路抵抗のネットワークで示
したものである。また表2はその流路抵抗で求めた圧力
計算値である。
【0018】
【表2】
【0019】図1の排気構成において図2の従来の排気
構成と異なるのは、中間排気配管17の主排気配管の二
重部分(内側排気配管)18及び収束レンズ電子ビーム
通路5の排気抵抗の二点である。
【0020】オリフィスR1を通ったガスが主排気配管
下部R4を通るときに生じる圧力低下により電子銃室の
圧力(真空度)が制限される。そのためオリフィス径を
大きくすると流入ガス量も増加し電子銃室の圧力低下を
促す。この電子銃室の圧力低下を防止するためには主排
気配管下部16″の排気コンダクタンスを大きくする必
要がある。
【0021】このため、中間室8からの中間排気配管1
7を主排気配管中16に配置した内側排気配管18に接
続し、その内側排気配管18下部を主排気配管16の最
下部(油拡散ポンプ21間口近く)で開放することで、
問題であった試料室9からの流入ガスの主排気配管中の
経路長を短くすることにした。中間室8からの排気経路
が長くなるためコンダクタンスが小さくなり中間室の圧
力が高くなるが、これは収束レンズ部すなわち収束レン
ズ電子ビーム通路5を通って電子銃室3へ流入するガス
を減らすため、収束レンズ絞り部すなわち収束レンズ電
子ビーム通路5のコンダクタンスを小さくなるように設
計すればよい。
【0022】試料室9からの流入ガスの主排気配管中の
経路長を短くする別の方法は、図5に示したように中間
排気配管17をそのまま延長してバイパス排気配管19
として主排気配管16の最下部(油拡散ポンプ21間口
近く)にて開放してもよい。表1に示したように、図1
および図2の排気構成においてオリフィス径が0.2mmの
ときの試料室の圧力(Pc)(真空度)を270Pa(2
Torr)とした場合、図2に示した流路抵抗により各真空
室の真空度は電子銃室(Pg)が1.28×10-2Pa
(9.6×10-5Torr)、中間室(Pm)は約0.82P
a(6.17×10-3Torr)となり、電子銃室圧力(真
空度)においては、図3および図4の排気構成と比較し
て約3.3 倍良い真空度が得られる。
【0023】また図3および図4の排気構成において、
オリフィス径を0.2mm にしたときに試料室の圧力(真
空度)(Pc′)を270Pa(2Torr)とした場合の電
子銃室圧力(Pg′)(真空度)4.24×10-2Pa
(3.18×10-4Torr)を基準として図1および図2の
排気構成に置き換えた場合、オリフィス径を従来の約
1.8倍の0.36mmまで大きくさせることができる。プ
ローブ電流ipはオリフィス径の大きさと二乗の関係が
あることから、図3および図4の排気構成と比較して約
3.2倍のプローブ電流が流せることとなる。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、低真空雰囲気型走査電
子顕微鏡における低真空雰囲気状態での観察時において
オリフィス径を従来の孔径0.1mm〜0.2mm程度から孔
径0.2mm〜0.36mm程度まで大きくできるためビーム電
流を約3.2倍多くとることができる。もしくはオリフ
ィス径を従来と同じ孔径0.1mm〜0.2mm程度とした場
合は試料室圧力をより高くすることが可能であると同時
に電子銃室の真空度を高く(圧力を小さく)保つことが
できるため低真空雰囲気状態での観察時において電子銃
フィラメントの寿命を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す走査電子顕微鏡排気経
路構成の説明図。
【図2】図1の排気経路構成を流路抵抗のネットワーク
で示した回路図。
【図3】従来の排気系の例を示す説明図。
【図4】図3の排気経路構成を流路抵抗のネットワーク
で示した回路図。
【図5】本発明の一実施例を示す排気経路構成の説明
図。
【符号の説明】
1…電子線、2…電子銃、3…電子銃室、4…収束レン
ズ、5…収束レンズ電子線通路、6…偏向コイル、7…
対物レンズ、8…中間室、9…試料室、10…二次電子
検出器、11…反射電子検出器、12…試料、13…オ
リフィス絞り、14…二次電子、15…反射電子、16
…主排気配管、20…ニードルバルブ、21…油拡散ポ
ンプ、22…ロータリポンプ、23…走査電源、24…
信号増幅回路、25…CRT。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 赤津 光男 茨城県ひたちなか市大字市毛1040番地 株 式会社日立サイエンスシステムズ内 (72)発明者 雪田 憲史 茨城県ひたちなか市大字市毛1040番地 株 式会社日立サイエンスシステムズ内 (72)発明者 鈴木 宏征 茨城県ひたちなか市大字市毛1040番地 株 式会社日立サイエンスシステムズ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】対物レンズと収束レンズの間に中間室を設
    け、上記中間室を排気する配管を電子銃部からの主配管
    と別に設けて排気ポンプ引口の近くで接続するように構
    成したことを特徴とする低真空雰囲気型走査電子顕微
    鏡。
  2. 【請求項2】上記中間配管を上記主配管の中を通る二重
    構造とした請求項1に記載の低真空雰囲気型走査電子顕
    微鏡。
JP8191772A 1996-07-22 1996-07-22 低真空雰囲気型走査電子顕微鏡 Pending JPH1040850A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006147430A (ja) * 2004-11-22 2006-06-08 Hokkaido Univ 電子顕微鏡
JP2006313651A (ja) * 2005-05-06 2006-11-16 Shimadzu Corp 粒子線顕微鏡、及び真空分析装置用部材移動機構
JP2016177926A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 日本電子株式会社 電子顕微鏡及び制御方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016177926A (ja) * 2015-03-19 2016-10-06 日本電子株式会社 電子顕微鏡及び制御方法

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