JP5571355B2 - ガス増幅を使用した走査透過電子顕微鏡 - Google Patents

ガス増幅を使用した走査透過電子顕微鏡 Download PDF

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Description

本発明は、一般に電子顕微鏡法に関し、より具体的には高圧走査透過電子顕微鏡用の検出器に関する。
電子顕微鏡の主要な3つのタイプは、走査電子顕微鏡(SEM)、透過電子顕微鏡(TEM)および走査透過電子顕微鏡(STEM)である。SEMでは、1次電子ビームを微細な点に集束させ、その点が、観察対象の表面を走査する。1次ビームの電子は、試料に衝突するとその一部が後方散乱する。1次ビームが衝突するとさらに、その表面から2次電子が放出される。この2次電子または後方散乱した電子が検出され、像が形成される。像の各点の明るさは、1次ビームがその表面の対応する点に衝突したときに検出される2次電子または後方散乱電子の数によって決定される。
後方散乱電子は一般に固体検出器を使用して検出され、この固体検出器は、後方散乱電子が固体検出器の空乏領域内に電荷キャリアを発生させると電気を伝導するpn接合を含む。本明細書で使用される用語「固体検出器」は、入射電子を検出する空乏領域を含む検出器を指す。後方散乱電子は時に、シンチレータと光電子増倍管の組合せを使用して検出され、後方散乱電子がシンチレータのフラッシュを引き起こし、シンチレータからの信号が光電子増倍管によって増幅される。一般に、後方散乱電子の画像化には「シンチレータ−光電子増倍管」検出器よりも固体検出器の方が好ましい。これは、固体検出器の方がコンパクトであり、SEM試料室により組み込みやすいためである。2次電子は、後方散乱電子よりもはるかに低いエネルギーを有し、したがって、SEM試料室内の適度な電場によって操作することができる。そのため、2次電子検出器の配置は後方散乱電子検出器の配置よりも柔軟性があり、2次電子は一般に、シンチレータ−光電子増倍管検出器を使用して検出される。状況によって、2次電子の画像化に固体検出器が使用されることもある。シンチレータ−光電子増倍管検出器は、好適な帯域幅特性、信号対雑音比特性など、固体検出器よりも有利な点がいくつかある。2次電子の有するエネルギーは低い(0から約50eV)ので、固体検出器またはシンチレータ−光電子増倍管検出器によって捕集される前に、一般に2から20keV、より一般的には5から10keVの範囲のエネルギーまで二次電子を加速しなければならない。
TEMでは、高エネルギー電子の幅の広いビームが試料に誘導され、試料を透過した電子(透過電子)が、蛍光板または写真乾板上に像を形成する。1次ビーム中の電子の多くが試料を透過することが可能になるためには、試料が十分に薄くなければならない。試料は一般に厚さ100nm未満まで薄化される。
STEMでは、1次電子ビームを微細な点に集束させ、その点を試料の表面にわたって走査する。試料を透過した電子は、試料の向こう側に位置する電子検出器によって集められる。試料上の異なる点における電子ビームの散乱は、原子番号、厚さなどの試料の特性に依存する。像は、1次ビームが表面の対応する点に衝突したときに集められた電子の数に対応する強度を像上のそれぞれの点が有するように形成される。STEMの像コントラストは、最小限の偏向で透過した電子だけを検出すること(「明視野」検出と呼ばれる)に依存し、または指定された最小角度よりも大きな角度で散乱した電子だけを検出すること(「暗視野」検出と呼ばれる)に依存する。本明細書で使用される用語「非散乱」電子は、予め指定された角度よりも小さい角度で散乱した電子を意味する。検出器がすべての透過電子を検出する場合、試料からの透過電子の電子ビーム軸に対する出射角に関係なく、それぞれの画素は同様の明るさを有することになり、像コントラストは、試料の異なる領域を透過した電子間のエネルギーの差に対応することになる。このような「電子エネルギー減衰」コントラストは、固体検出器、シンチレータ−光電子増倍管検出器などのSTEM検出器の効率が透過電子のエネルギーの関数であることに起因する。しかしながら、透過電子のエネルギー・スペクトルは一般に比較的に幅が狭く、対応する電子エネルギー減衰コントラストは弱く、明視野および暗視野像コントラストに比べてはるかに劣っている。
透過電子は高いエネルギーを有するため、STEMでは、シンチレータ−光電子増倍管と固体検出器の両方を使用することができる。STEMで使用される固体電子検出器は、散乱電子を検出する1つまたは複数の環状領域によって取り囲まれた、非散乱電子を検出する中心領域を有することができる。ある1つの検出器領域で生成された電荷が隣接する検出器領域へ漏れることを防ぐため、これらの領域間には「デッド・スペース(dead space)」が必要である。試料の下に、それぞれ明視野または暗視野電子画像化を可能にする絞り(aperture)または(「ビーム・ストップ」と呼ばれる)電子吸収材料を配置することによって、多領域検出器の代わりに、単一領域固体検出器または単一領域シンチレータ−光電子増倍管検出器を使用することができる。STEMの1次ビームはSEMのビームと同じ方式で走査されるので、SEMをSTEMとして動作させるために、SEMに、試料の下に配置された検出器を提供することができる。一般に、シンチレータ−光電子増倍管検出器よりも固体検出器の方が好ましい。これは、固体検出器の方がコンパクトであり、SEM試料室により組み込みやすいためである。
1次電子ビームの散乱を避けるため、大部分の電子顕微鏡は高真空中で動作する。比較的に高い圧力下に置かれた試料を使用して動作するSEMが例えば、「Secondary Electron Detector for Use in a Gaseous Atmosphere」という名称の米国特許第4,785,182号に記載されている。このような装置は、環境走査電子顕微鏡または高圧走査電子顕微鏡(HPSEM)として知られている。本出願の文脈では、用語「高圧」が、約0.01トル(0.013ミリバール)よりも高い圧力を意味する。市販のシステムには、本発明の譲受人であるFEI Company社のESEM(登録商標)高圧走査電子顕微鏡などがある。1次ビームの電子はガス分子によって散乱するので、電子光学カラム内の高真空を維持するため、HPSEMは、比較的に高圧の試料室と電子集束カラムの間に圧力制限絞り(pressure limiting aperture:PLA)を使用する。より高圧の試料室からより低圧の集束カラム内へのガス分子が急激に流入することを防ぐため、PLAの直径は十分に小さい。したがって、電子ビーム経路の大部分は低圧カラム内にあり、PLAよりも下のガス環境中ではビームは短い距離しか移動しない。
HPSEMでは、調査対象の試料が、一般に0.01トル(1.3Pa)から50トル(7000Pa)、より一般的には1トル(130Pa)から10トル(1,300Pa)の間の圧力を有するガス雰囲気中に置かれ、従来のSEMでは、試料が一般に、約10-6トル(1.3×10-6ミリバール)の真空中に置かれる。従来のSEMとは違い、HPSEMは、従来のSEMの一般的な真空条件下では画像化することが難しいと思われる生体試料、プラスチック、セラミック材料、ガラス繊維などの湿った試料または非電導性試料の電子−光学像を容易に形成することができる。HPSEMは、従来のSEMを使用したこのような試料の研究では通常必要な乾燥、凍結または真空コーティングの不利な効果に試料をさらすことなく、試料をその自然状態に維持することを可能にする。HPSEM試料室のガス雰囲気は、固有の電荷中和、すなわち照射の結果として非導電性試料上に蓄積した表面電荷の散逸を提供する。表面電荷の散逸は顕微鏡の分解能を増大させる。
HPSEMで使用されるガスのタイプは、試料の電子ビーム誘起化学処理を可能にするように選択することができる。このようなプロセスでは、電子ビームの近くで材料の付着または揮発を引き起こす反応性フラグメント粒子を生成するため、電子が、試料表面に吸着したガス分子を解離する。例えば、Adachi他[Applied Surface Science 76、11頁(1994)]は、炭素を付着させるためにCH4を使用し、Folch他[Applied Physics Letters 66、2080頁(1995)]は、Auを含むナノコンポジットを付着させるために、Au(CH32(ヘキサフルオロアセチルアセトナート)を使用し、Ochiai他[Journal of Vacuum Science and Technology B 14、3887頁(1996)]は、Cuを含むナノコンポジットを付着させるために(HFA−Cu−VTMS)を使用し、Li他[Applied Physics Letters 93、023130頁(2008)]は、WO3を含むナノコンポジットを付着させるためにWF6を使用し、Toth他[Journal of Applied Physics 101、054309頁(2007)]は、CrをエッチングするためにXeF2を使用した。
ガス雰囲気中での2次電子画像化に、従来のシンチレータ−光電子増倍管および固体検出器を使用することはできない。低エネルギーの2次電子を効率的な検出器動作に必要なエネルギーまで加速させるのに必要な検出器バイアスが、ガスの絶縁破壊を引き起こすためである。したがって、HPSEMは、ガス・カスケード増幅(gas cascade amplification)と呼ばれる異なる検出モードを使用する。ガス・カスケード増幅では、試料表面と金属電極(「アノード」)の間に電圧が印加される。解放された2次電子はアノードに向かって加速され、それらの経路の途中でガス分子と衝突する。これらの衝突の結果、ガス分子から、「娘電子(daughter electron)」と呼ばれる新しい電子およびガス・イオンが解放される。娘電子およびイオンは、アノードに近づく方向およびアノードから遠ざかる方向へそれぞれ移動する。次いで、これらの新しく解放された娘電子は他のガス分子と再び衝突し、以後これが繰り返され、その結果、2次電子信号のカスケード増幅が起こる。ガス・カスケード増幅された2次電子画像化信号は、アノード、試料ホルダなどの電極に誘導された電流を測定することによって、またはガス・カスケードによって生成された光子を検出することによって検出される。
高圧の試料環境をSTEMと組み合わせることは困難を伴う。HPSEMで使用される従来のガス・カスケード増幅は、STEMでは適当なコントラストを生み出さない。STEMの像コントラストは、試料によって散乱した透過電子または試料によって散乱しなかった透過電子を別々に検出することによって得られる。しかしながら、高圧試料環境プロセス中のガスは透過電子を散乱させ、それにより散乱透過電子信号と非散乱透過電子信号とを混合し、使用可能な像の形成を妨げる。さらに、ガス・カスケード検出器は、ガス中の電荷の運動によって電極に誘導された信号、またはガス・カスケードによって生成されたルミネセンス(luminescence)を測定する。これらの信号はともに全方向性(omnidirectional)であり、散乱透過電子画像化信号と非散乱透過電子画像化信号とをさらに混合する働きをし、それにより有用な像の形成をさらに妨げる。
従来のシンチレータ−光電子増倍管検出器は、体積が大きく、HPSEM室内の試料の下に組み込むことが難しいため、高圧STEMに対しては非実用的である。したがって、HPSEMシステムでの透過電子の画像化には一般に固体検出器が使用される。しかしながら固体検出器にはいくつかの問題がある。湿った試料を画像化するときには、その下の検出器に水滴が落下する可能性がある。一般的な試料は、穴のあいた膜上に懸架された切片化された生体組織および液体を含み、しばしば有機残渣、ナノ粒子などの固定されていない物質(loose materials)を含む。このような物質は、落下する水滴によって運ばれ、検出器表面に付着する可能性がある。固体検出器は、電子−正孔対を励起させる十分なエネルギーで空乏領域に衝突する電子を必要とするため、検出器の上面の物質は、空乏領域に到達する電子の数およびエネルギーを低減させ、検出器の効率を低下させる。例えば、検出器の表面にちょうど1μmの残渣があると、30kVの電子はそのエネルギーの半分を失うことがあり、それでも15kVのエネルギーを検出器に与えるが、10kVの電子は、残渣によってそのエネルギーのすべてを失い、検出器に一切エネルギーを与えないことがある。あるいは、透過電子が残渣によって後方散乱される可能性があり、したがって空乏領域内へ一切エネルギーを与えない可能性がある。固体検出器の代わりにシンチレータ−光電子増倍管検出器を使用する場合も類似の問題が生じる。シンチレータ−光電子増倍管検出器は、光子を励起させるのに十分なエネルギーで電子がシンチレータに衝突することを必要とし、検出器の上面の物質は、シンチレータに到達する電子のエネルギーおよびシンチレータに到達する電子の数を低減させ、それにより透過電子1つあたりの生成される光子数を減少させ、検出器の効率を低下させる。また、固体検出器およびシンチレータはもろく、クリーニングが困難である。
また、固体検出器およびシンチレータ−光電子増倍管検出器は、電子ビーム誘起化学処理に使用される一部の前駆体と両立しない。このような一部の前駆体は非常に反応性があり、XeF2のような一部の前駆体は、検出器構成要素を自然にエッチングすることがある。たとえ検出器が自然にエッチングされないとしても、試料を透過した荷電粒子は前駆体の存在下で検出器に衝突するため、検出器表面は、試料と同様に、荷電粒子誘起反応にさらされることになる。この問題は、検出器表面における前駆体の圧力が一般に試料表面における前駆体の圧力と同様かまたは等しいHPSEMシステムでは特に深刻である。
SEMをSTEMに変換する固体検出器は市販されているが、このような検出器は、高圧力環境での使用には実用的でない。
米国特許第4,785,182号 米国特許出願第12/059,850号 米国特許仮出願第60/900,028号
Adachi他、Applied Surface Science 76、11頁(1994) Folch他、Applied Physics Letters 66、2080頁(1995) Ochiai他、Journal of Vacuum Science and Technology B 14、3887頁(1996) Li他、Applied Physics Letters 93、023130頁(2008) Toth他、Journal of Applied Physics 101、054309頁(2007) Toth他、Applied Physics Letters 91、053122頁(2007)
本発明の目的は、試料が比較的に高い圧力に維持される走査透過電子顕微鏡を提供することにある。
高圧環境中に維持された試料を透過した電子を検出するため、試料の下に電極が配置される。ほとんどまたはまったく散乱せず試料を透過した電子からの信号が、試料を透過したときに散乱した電子からの信号から分離される。好ましい実施形態は、この電子信号を増幅するために、試料の下の領域におけるガス増幅を使用する。好ましいいくつかの実施形態では、散乱透過電子または非散乱透過電子が2次電子に変換され、この2次電子が、ガス・カスケード増幅を使用して増幅される。変換されなかった透過電子は画像化信号にあまり寄与しない。
以上では、以下の本発明の詳細な説明をよりいっそう理解できるように、本発明の特徴および技術的利点をやや幅広く概説した。以下では、本発明の追加の特徴および利点が説明される。開示された概念および具体的な実施形態を、本発明の目的と同じ目的を実施する他の構造を変更しまたは設計する基礎として容易に利用することができることを当業者は理解すべきである。このような等価の構成は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨および範囲から逸脱しないことを当業者は理解すべきである。
次に、本発明および本発明の利点のより完全な理解のため、添付図面に関連して書かれた以下の説明を参照する。
高圧走査透過電子顕微鏡のガス増幅検出器の好ましい一実施形態を示す図である。 高圧走査透過電子顕微鏡のガス増幅検出器の第2の実施形態を示す図である。 高圧走査透過電子顕微鏡のガス増幅検出器の第3の実施形態を示す図である。 選択可能な明視野または暗視野ガスSTEM検出器の好ましい一実施形態を示す図である。 走査透過電子顕微鏡のガス増幅検出器の動作を示す流れ図である。 選択可能な明視野または暗視野ガスSTEM検出器の第2の実施形態を示す図である。
当業者は、特に本明細書に添付された図を考慮して、多くの代替実施形態を容易に認識するであろうが、この詳細な説明は、本発明の好ましい実施形態を例示したものであり、本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
ガス増幅は、走査透過電子顕微鏡の使用中に試料を透過した高エネルギーの電子を増幅するのには非常に能率が悪い。いくつかの実施形態は、高エネルギーの電子を、ガス・カスケードでより効率的に増幅することができる低エネルギーの2次電子に変換することによってこの問題を解決する。また、ガス増幅された信号は局在化せず、そのため、いくつかの実施形態は、重大なカスケード増幅が始まる前に、散乱透過電子と非散乱透過電子とを分離する。
いくつかの実施形態は、試料を透過するときに散乱しなかった電子に主に対応する2次電子信号、または試料を透過するときに散乱した電子に主に対応する2次電子信号を生成することにより、透過電子顕微鏡でのガス・カスケード増幅の使用を可能にする。散乱電子からの信号と非散乱電子からの信号は、どちらの電子を、効率的に増幅される2次電子に変換するのかを制御することによって分離し、それによって良好なコントラストを有する像の生成が可能になる。
好ましい実施形態は、一般に、試料から所定の距離だけ離れた所定の位置に配置された、試料の下の第1および第2の電極を少なくとも含む。試料を透過した電子は第1の電極に衝突し、2次電子に変換される。ガス環境中で2次電子を加速させ、2次電子信号を増幅するガス・イオン化カスケードを生成するため、第2の電極は、第1の電極に対して正にバイアスされる。増幅された2次電子信号は第2の電極によって検出され、試料の像を形成するために使用される。いくつかの実施形態では、どちらの電極が2次電子を生成し、どちらの電極が電子を検出するのかを変更するため、電極の電圧を変化させることができる。
ガス・カスケード増幅の使用は、固体検出器の使用にはないいくつかの利点を提供する。好ましい実施形態の活性表面は、一般に固体の金属から単純に構築されるため、それらの表面は、固体結晶またはシンチレータ−光電子増倍管検出器ほど汚染に対して敏感ではない。その単純な構造のため、金属電極は容易にクリーニングすることができ、またはわずかな費用で取り替えることができる。ステンレス鋼などの材料でできた金属電極は、腐食性の化学物質に対して固体検出器ほど敏感ではなく、したがって電子ビーム支援化学処理と両立する。さらに、空乏領域またはシンチレータによって効率的に検出するための十分に高い電子エネルギーを弱めることなく、電子ビーム・エネルギーを像コントラストに対して最適化することができる。また、金属電極を使用する場合であっても、固体検出器が必要とするような追加の専用電子回路を金属電極は必要としない。2次電子検出器を高圧SEMモードで動作させるために使用されるのと同じ電源および電子回路を使用して、金属電極を使用したガス・カスケードSTEM検出器を制御することができる。
図1は、光軸108を有する電子光学カラム106の一部を構成する対物レンズ102を有する電子顕微鏡100を含む本発明の好ましい一実施形態を示す。圧力制限絞り112は、試料領域116内の試料114における圧力を、電子カラム106内の圧力よりも高い圧力に維持する。本明細書で使用されているとおり、用語「絞り」は、その穴だけを指すのではなく、穴が形成された構造をも指す。SEM動作に最適な作動距離のところに試料が置かれたときのガスによるビームの散乱を最小限に抑えるため、圧力制限絞り112は円錐形の形状を有することが好ましい。試料の下に、環形であることが好ましい第1の電極120が配置され、試料114と第1の電極120の間の電極スタンド124の端に、円板形であることが好ましい第2の電極122が配置される。電極122の主表面の法線は、光軸108に対して0から90°、最も好ましくは98°傾いていることが好ましい。この角度は、2次電子の放出率(emission yield)、および電極122の表面から放出された2次電子が電極120と電極122の間のガス中で増幅される確率を増大させる。電極122と電極120の間の距離をできるだけ大きくしてガス増幅を増強するため、電極122は試料の近くに配置されることが好ましい。電極122から電極120までの距離は3mmから15mmであることが好ましい。この好ましい距離は、ガス圧およびガス種によって異なることがある。一般的な距離は1mmから30mmである。一般的なガス圧は、100ミリトル(130ミリバール)から10トル(13ミリバール)であり、使用される一般的なガスには、H2O、N2、空気、XeF2、WF6およびスチレンなどがある。例えば、圧力5トル(7ミリバール)のH2Oが使用されるとき、この距離は5mmである。
第2の電極122は、例えば隙間126によって第1の電極120から電気的に絶縁される。あるいは、隙間126の代わりに、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、セラミックなどの電気絶縁材料を使用することもできる。あるいは、スタンド124を、電極122を大地または電源に接続する、絶縁材料中に埋め込まれた金属線としてもよい。絞り130は、ある所定の最大散乱角よりも大きな角度で試料114から散乱した電子を阻止する。すなわち、絞り130は、明視野STEM像を形成するために使用される、透過電子のビーム軸に対する最大角を規定する。
第1の電極120の形状および配置を、例えば絞り130の下に位置する針の形状および配置に変更することができる。このような変更は、Toth他[Applied Physics Letters 91、053122頁(2007)]に記載されているように、ガス・カスケード増幅を増強できるような態様で、電極120と122の間の電場を変化させる。ガス・カスケード増幅プロセスのこのような最適化はよく理解されており、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨および範囲を逸脱しないことを当業者は理解されたい。
絞り130の直径および試料114から絞り130までの距離を単純な形状に合わせて設定することによって、最大散乱角を制御することができる。絞り130は、任意選択で、ビーム軸との横方向の位置合せおよびビーム軸に沿った絞りの平行移動を可能にするマニピュレータ上に配置される。絞り130は、任意選択で、絞りの直径の調整を可能にする虹彩絞りである。絞り130は、最大散乱角よりも小さい角度を有する電子だけが電極122に到達することを可能にする。この最大散乱角は、さまざまな試料のタイプ(組成および厚さによって定義される)、ガス・タイプおよびガス圧、ならびにビーム・エネルギーに対して最適化することができる。したがって、この絞りは、図1の実施形態が、非散乱電子だけを検出する明視野検出器として機能することを可能にする。絞り130は、電子が絞り130に達する前のガスによる透過電子の散乱を最小化するために、試料114の近くに配置されることが好ましい。試料によって散乱しなかった透過電子が続いてガスによって散乱し、絞りによって阻止されること、および絞り130を通過するはずのない散乱透過電子がガス分子によって偏向して、絞りを通過することが起こりうる。しかしながら、湿った試料または液体の試料を画像化するときには、絞り130と試料114の間の最小距離が、HPSEM動作中に試料の下面に凝縮しうる液体の最大厚によって限定される。絞り130と試料114の間の距離が小さすぎる場合、試料と絞りの間に液体の層ができる可能性がある。
例えば、大部分の用途に対して、絞りは、50ミクロンから2mm、例えば100ミクロンの直径を有することができる。絞りは一般に、試料の下面から0.5mmから5mm、例えば1mmのところに配置される。
明視野信号を得るためには、非散乱透過電子が、ガス・カスケード増幅される2次電子を生成し、散乱透過電子が、ガス・カスケード増幅される2次電子に寄与することが妨げられることが望ましい。透過電子による2次電子の生成は時に、くだけた言い方で、透過電子を2次電子に「変換する」と表現される。
いくつかの実施形態では、透過電子が試料114を出るときに試料114の下面から放出された2次電子を拒絶するため、および透過電子の一部が絞り130(またはより具体的には穴が形成された構造)に衝突したときに絞り130から放出された2次電子を拒絶するために、任意選択で、絞り130が、試料114に対して負、例えば−30Vにバイアスされる。試料114に対して負にバイアスされた絞り130によって拒絶された2次電子は、試料114に誘導され、試料114によって捕集され、それにより、これらの2次電子がガス・カスケードによって増幅されることが妨げられる。他の実施形態では、穴が形成されたこの構造に2次電子を誘導し、この構造によって2次電子を捕集することによって2次電子を拒絶するため、絞り130が、試料114に対して正、例えば+30Vにバイアスされる。
透過電子の衝突の結果生成され、ガス・カスケードによって増幅され、電極120によって検出される2次電子の数を最大化するため、任意選択で、電極122が負(例えば−20V)にバイアスされる。水和した材料および液体材料の透過電子による観察を可能にするため、任意選択で、試料114が、ペルチエ冷却器(Peltier cooler)などによって冷却される。
図2は、図1のガス増幅検出器に似ているが絞り130のない代替ガス増幅検出器を有する走査透過電子顕微鏡200を示す。異なる図中の同一の要素は同じ参照符号によって識別される。電極120は、電極122に対して正にバイアスされる。例えば、約+300Vよりも高い強い正バイアスが電極120に印加される。非散乱1次電子は電極122に衝突し、電極122は、ガス・カスケード機構によって強く増幅される2次電子を放出する。散乱透過電子は電極122からそれ、2次電子を生成しない。通常の条件下、すなわち、圧力約100ミリトル(133ミリバール)から5トル(7ミリバール)、試料114と検出器120の間の距離約3mmから15mmで、高エネルギーの透過電子はガス中であまり増幅されず、画像化信号にほとんど寄与しない。したがって、非散乱電子が、増幅される2次電子に変換され、散乱透過電子が2次電子に変換されないことを保証することによって、試料の下に絞りがなくても明視野信号を得ることができる。最大散乱角は、電極122の直径および電極122と試料114の間の距離を変更することによって制御される。
暗視野信号は、電極120を電極122に対して負にバイアスすることによって得ることができる。例えば、約−300Vよりも低い強い負バイアスが電極120に印加される。散乱した1次電子は電極120に衝突し、電極120は2次電子を生成し、この2次電子は、電極122に誘導され、ガス・カスケード機構によって強く増幅される。非散乱透過電子は電極122に衝突し、2次電子を生成し、この2次電子は、ガス・カスケードによる増幅をあまり受けることなく電極122によって再び集められる。電極122はさらに、透過電子が試料114を出るときに試料114の下面から放出される2次電子を捕集する。電極122による2次電子捕集の効率は、電極122に正バイアス、例えば+30Vを印加することによって向上させることができる。
図3は、図1のガス増幅検出器に似ているが電極122のない代替ガス増幅検出器を有する走査型透過電子顕微鏡300を示す。図3は、透過電子を低エネルギーの2次電子に変換することには依存せず、透過電子のガス増幅に依存する。しかしながら、図3の実施形態が最適なのは、電子エネルギーが低いか、ガス圧が高いか、または透過電子のガス経路長が長い、比較的に極端な条件下だけである。例えば、図3の実施形態は、電子エネルギー約10keV、ガス圧約5トル(7ミリバール)超および試料と電極120の間の距離約15mm超に対して有用であると考えられる。図1の電極122がないので、電極120を環形ではなく円板形とすることができる。
全厚≧100nmの水和した生体組織などの一般的なHPSEM試料の低電圧(30kV未満)STEMでは一般に、低角度の明視野電子が大部分の高分解能情報を伝達する。これは、よく知られた従来の高電圧(100〜1000kV)STEMの場合とは異なる。これは、低電圧STEMでは、大部分の透過電子が試料によって複合的に散乱するためである。
図4は、暗視野モードまたは明視野モードで動作させることができるSTEMガス増幅検出器を含むSTEM400の好ましい一実施形態を示す。垂直棒形の第1の電極406が第2の電極410の平面から延びる。第2の電極410は、第2の電極410を第1の電極406から電気的に絶縁する小さな隙間を提供するため環形とすることができ、または穴のない円板とすることができ、絶縁材料を使用して電極406を電極410から電気的に絶縁することができる。第2の電極410の上方に第3の電極408が配置され、第3の電極408は環形とすることができる。第3の電極408の開口部の直径は、散乱透過電子が第2の電極410に到達するのを可能にする十分な大きさを有する。例えば、試料114と電極410の間の距離は一般に5mmから20mmである。電極410と電極408の間の距離は一般に6mmから16mmである。7°未満の散乱角を有する電子を集めるため、電極406は一般に約500ミクロンの直径を有し、試料まで約2mmのところまで延びる。使用されるガス圧は上記の実施形態のガス圧と同様である。
これら3つの電極に印加する電圧を変更することによって、明視野画像化モードまたは暗視野画像化モードを選択することができる。明視野画像化モードで動作させると、非散乱透過電子が第1の電極406に衝突し、2次電子を生成する。この2次電子は、ガス増幅のため第2の電極410に向かって加速され、電極410によって検出される。暗視野画像化モードでは、散乱透過電子が第2の電極410に衝突し、2次電子を生成し、この2次電子は第3の電極408に向かって加速され、第3の電極408によって検出される。
図4の好ましい実施形態の明視野画像化モードでは、第1の電極406が好ましくはわずかな負バイアス(例えば約−10V)を有し、第3の電極408が好ましくは接地され(例えば0V)、第2の電極410が好ましくは正バイアス(例えば+500Vの)を有する。暗視野画像化に関しては、第1の電極406が正バイアス(例えば+100V)を有することができ、第3の電極408を接地することができ、第2の電極410が負バイアス(例えば−300V)を有することができる。異なる散乱角範囲にわたって散乱した透過電子を検出するため、電極410を、複数のリング形セグメントまたは部分リング形セグメントに分割することができる。透過電子を検出しないセグメントは、2次電子がそのセグメントを離れ、ガス増幅に加わることを防ぐため、正にバイアスすることができる。チャネリング(channeling)によって、散乱が、結晶性物質中の好ましい方向を有することができるため、セグメント化された検出器は有用である。それぞれのリング形セグメントが、有用な信号を得る十分な幅を有する必要があるであろう。使用されるリングの数は3つ未満であることが好ましい。
図5は、本発明に基づく好ましい一方法の諸ステップを示す流れ図である。これらのステップは連続するステップとして示されているが、これらのステップの多くが同時に起こることを当業者は理解するであろう。ステップ500で、試料上のある点に向かって電子ビームが誘導される。ステップ502で、1次ビーム中の一部の電子が散乱せずに透過し(502A)、一部の電子が透過し、散乱する(502B)。一部の1次電子はさらに後方散乱し、あるいは吸収されて透過しないことがある。明視野画像化を表すステップ504Aでは、散乱しなかった透過電子が2次電子に変換される。暗視野画像化を表すステップ504Bでは、散乱した透過電子が2次電子に変換される。ステップ506では、ガス・カスケード・イオン化によってこれらの2次電子が増幅され、ステップ508では、増幅された電子信号が検出器電極によって検出される。ステップ510では、検出された信号が、画像上の画素の相対的な明るさを決定するために使用される。判断ブロック512において、画像化中の試料の全領域がまだ走査されていないと判定された場合、ステップ514で、電子ビームが次の画素に偏向され、ステップ500から510が繰り返される。このプロセスを、電子ビームが画像化中の試料の全領域を走査するまで繰り返す。
前述の実施形態のさまざまな電極は、どちらの透過電子がガス増幅のための2次電子を生成するのかをユーザが選択的に決定することを可能にし、それにより散乱透過電子と非散乱透過電子の分離を可能にする。いくつかの実施形態は、不必要な透過電子が検出器電極に到達することを防ぐため、不必要な透過電子を阻止し、他の実施形態は、2次電子に比べて劣る、ガス増幅プロセスにおける高エネルギー透過電子の増幅に依存する。高エネルギーの透過電子は、一般的な動作条件下では強く増幅されないが、より高いガス圧と試料と捕集電極の間のより長い距離を組み合わせた実施形態では、高エネルギー透過電子をガス増幅に使用することができる。
高エネルギー透過電子を2次電子に変換することは、5keV未満などの低い1次ビーム・エネルギーと30keV超などの高いビーム・エネルギーの両方で高い利得を提供し、それにより幅広い範囲の試料を観察することができる。参照によって本明細書に組み込まれる2008年3月31日出願の「Multistage Gas Cascade Amplifier」という名称の同時係属米国特許出願第12/059,850号に記載されているように、上記の任意の実施形態のガス増幅を複数の工程で実行することができる。
電子ビームからの透過電子が試料を透過し、第1の電極に衝突すると、透過電子は2次電子に変換される。この2次電子から始まるガス・イオン化カスケードを生成するため、第2の電極が正にバイアスされる。これらのイオンが第2の電極に衝突すると、第2の電極によって画像化信号が検出される。
本発明の譲受人であるFEI Company社に譲渡された、本出願と同じ発明者による「High Pressure Charged Particle Beam System」という名称の米国特許仮出願第60/900,028号は、HPSEMにおける電子ビーム誘起化学処理に固有のいくつかの問題を解決するシステムを記述しており、この出願は参照によって本明細書に組み込まれる。米国特許仮出願第60/900,028号は、高圧環境中に試料を維持するための試料セルの使用を教示している。「環境セル」とも呼ばれるこのような試料セルを、本発明と組み合わせて、試料セルの中に試料を入れたSTEMにおいてガス増幅を提供することができる。例えば、前述の検出器を、試料セル内の試料の下に配置することができる。いくつかの実施形態は、試料の上に置かれたSEMモード観察用の検出器と、試料の下に置かれたSTEMモード観察用の検出器の両方を提供する。
図6は、ガス・カスケード増幅を使用するSTEM検出器604を含む試料セル654を含む粒子−光学装置600の好ましい一実施形態の断面図を示す。粒子−光学装置600は、ピンホール磁気対物レンズ652と、ステージ658上の試料114を比較的に高い圧力に維持する試料セル654をその内部に有する試料室653とを含む。粒子源(図示せず)は、上部PLA662および円錐部(cone)666の底部の下部PLA664を通過する1次電子ビーム660を供給する。PLA664は、電子集束カラム内へのガス漏れを最小化するため500μm未満の直径を有することが好ましい。円錐部666は、セル654内のガス中の電子ビーム660の経路を短くする。セル654内での検出を可能にするようにセル654内に構築され配置された2次電子検出器672によって、試料から放出された2次電子670はSEMモードで検出される。
検出器672と試料との間の距離は、電子とガスとが衝突して、電子電流を相当に増幅するに十分な電子経路を提供する。例えば、試料を出た電子1個あたり、一般に300個超、500個超または1000個超の電子が検出器672に到達する。検出器672は、このガス・カスケード内の電荷の流れによって誘起された電流を検出して、像を形成する。他の実施形態では、カスケードから放出された光子を検出して像を形成する光子検出器を使用することができる。光子は、励起されたイオン、フラグメント粒子(fragment)または中性粒子(neutral)によって、ガス中で、あるいは試料セルまたは試料室の内側の表面と接触したときに放出される。
ガス入口674およびガス出口676は、試料セル654内の処理ガスまたは画像化ガスの流量および圧力を調節する。ガス出口676は、リーク弁678を通して粗引きポンプ(図示せず)に接続される。弁678を通した制御された漏れ、および試料室653の容積に比べて比較的に小さいセル654の容積は、異なる処理ガス間の迅速な切替え、例えばビーム・ケミストリ・モードと画像化モードとの間の切替えを提供する。粒子−光学装置600は、比較的に高圧で、すなわち20トル(26ミリバール)を超える圧力で機能することができる。粒子−光学装置600は、50トル(65ミリバール)以上の圧力で機能することができることが好ましい。より高い圧力は、より高い最大処理速度、ならびに水和した材料を室温および体温で画像化する能力を提供する。いくつかの実施形態では、セル654の圧力が10ミリトル(13ミリバール)超、試料室653の圧力が10ミリトル(13ミリバール)未満である。
針の形態を有する2次電子検出器672は、試料114と2次電子検出器672との間でガス分子と衝突して、2次電子信号を増幅するイオン化カスケードを生成する2次電子を引きつけるため、好ましくは100V超、より好ましくは300V超、最も好ましくは約500ボルトに電気的にバイアスされる。円錐部666と、円錐部の外側に配置される2次電子検出器672のこの構成との組合せは、十分な2次電子信号増幅を提供するガス内の十分な2次電子経路を可能にし、同時にガス内を通過する1次電子経路を短く維持する。試料から検出器までの2次電子の経路は、好ましくは2mm超、より好ましくは5mm超、よりいっそう好ましくは10mm超である。光学的に透明な窓684は、窓684と試料114の間に配置されたレンズ686を使用する光学顕微鏡(図示せず)を介して、ユーザが試料を観察することを可能にする。光学窓684は、システム600が広い視野を提供し、なおかつ短いガス経路長およびカラム内への低いガス漏れ量を提供することを可能にし、このことは、分解能および像信号対雑音比を向上させ、腐食性ガスからカラムを保護する。
ガス入口674は、1つまたは複数の処理ガス・フィード694、画像化ガス・フィード696などの複数のガス・フィード間の迅速な切替えを可能にする弁装置690を含む。ダクト700は、PLA664を通過したガスの排出を可能にし、それにより上部PLA662よりも上のカラムの圧力をより低く維持するのを助ける。ステージ698は、PLA664が電子ビーム660の軸と整列するようにセル654の位置を調整することを可能にし、ステージ658は、試料114の関心領域を電子ビーム660の下に配置することができるように、セル654内での試料114の移動、好ましくは傾斜を可能にする。ステージ658は電子が試料114を透過するように試料114を支持する。セル654内のガスが試料室653に入ることを防ぐため、Viton Oリング、Teflonシールなどのシール702が、レンズ652とセル654の間の気密シールを提供することが好ましい。シール702を、サブチャンバと試料室653との間のガス流動絞りの役目を果たす小さな隙間によって形成された非気密シールとすることもできる。図6はさらに、2次電子は1次ビームの軸から離して検出器706内へ偏向させるが、1次ビーム660は偏向なしに通過させる、ウィーン・フィルタなどの任意選択の2次電子デフレクタ704を示す。
試料114の下にSTEM検出器604が配置され、STEM検出器604は、図1に関して上で説明したとおりに機能する。図1の参照符号と同じ図6中の参照符号は同じ特徴を指すが、図6の実施態様ではそれらの特徴の実施態様を変更することができる。米国特許仮出願第60/900,028号に示された他のセルなどの他のタイプの試料セルを、図1から4に示された検出器、他の検出器などのガスSTEM検出器とともに使用することもできる。
以上で説明した実施形態は金属電極を使用して電子を検出するが、電子信号は、カスケードによって生成された光子を検出する光子検出器を使用して検出することもできる。
本発明の一態様は、試料を観察する方法であって、
ガス環境中に維持された試料に向かって電子の1次ビームを誘導するステップと、
前記試料を透過した電子からの電子信号を、ガス・カスケード増幅を使用して増幅するステップと、
増幅された前記電子信号を検出するステップと、
検出された前記電子信号を使用して前記試料の像を形成するステップと
を含む方法を提供する。
本発明の他の態様は、ガス環境中の試料を観察する電子顕微鏡であって、
1次電子の供給源と、
前記1次電子でビームを形成し、前記ビームを偏向させる電子光学要素を含む電子光学カラムと、
試料領域と、
前記電子光学カラム内を前記試料領域内よりも低ガス圧に維持する圧力制限絞りと、
前記電子光学カラムとは反対側の前記試料の端に配置された少なくとも1つの電極を含む検出器であり、前記試料を透過した電子を検出し、この電子信号がガス・カスケード増幅によって増幅される検出器と
を備える装置が提供される。
本発明のいくつかの実施形態では、増幅された前記電子信号を検出するステップが、増幅された前記電子信号を金属電極を使用して検出するステップを含む。
本発明のいくつかの実施形態では、前記試料を透過した電子からの電子信号を増幅するステップが、前記試料を透過した電子から2次電子を生成するステップを含み、前記2次電子がガス・カスケード増幅を使用して増幅される。
本発明のいくつかの実施形態では、前記試料を透過した電子からの電子信号を増幅するステップが、前記試料を透過し、ある所定の角度よりも小さい角度だけ偏向した電子からの電子信号を増幅するステップを含む。
本発明のいくつかの実施形態では、前記試料を透過した電子からの電子信号を増幅するステップが、前記試料を透過し、ある所定の角度よりも大きな角度だけ偏向した電子からの電子信号を増幅するステップを含む。
本発明のいくつかの実施形態では、増幅された前記電子信号を検出するステップが、ガス・カスケード中において電子によって放出された光子を検出するステップを含む。
本発明のいくつかの実施形態では、前記装置がさらに、前記試料と前記電極との間に配置された絞りをさらに備え、前記絞りが、ある所定の角度よりも大きい角度だけ散乱した透過電子を阻止する。
本発明のいくつかの実施形態では、前記検出器が、前記試料と前記第2の電極の間の配置された第1の電極を含み、前記第1の電極が、前記試料を透過した電子を2次電子に変換し、前記第2の電極が前記2次電子を検出する。
本発明のいくつかの実施形態では、前記第1の電極が、前記第2の電極の平面から前記試料に向かって延びる柱の上に配置される。
本発明のいくつかの実施形態では、前記検出器が少なくとも2つの電極を含み、前記検出器が、前記少なくとも2つの電極上に維持された電位に応じて、明視野検出器または暗視野検出器として構成可能である。
本発明のいくつかの実施形態では、前記検出器が、前記試料を透過した電子による衝突時に第2の電極によって放出され、ガス増幅によって増幅された2次電子を検出するように構成可能であり、または前記試料を透過した電子によって衝突されたときに2次電子を放出するように構成可能な第1の電極を含む少なくとも2つの電極を含み、前記第1の電極からの2次電子がガス増幅によって増幅され、ガス増幅された信号が、前記第2の電極または第3の電極によって検出される。
本発明のいくつかの実施形態では、前記第1の電極からの2次電子信号のガス増幅を提供するのに前記第1の電極から十分な距離のところに第2の電極が配置され、前記第1の電極と前記第2の電極の間に適当な電位差が印加されたときに、前記第2の電極によって、増幅された電子信号が検出される。
本発明のいくつかの実施形態では、散乱した透過電子が第2の電極に衝突したときに放出される2次電子のガス増幅を提供するのに第2の電極から十分な距離のところに第3の電極が配置され、前記第2の電極と前記第3の電極の間に適当な電圧が印加されたときに、前記第3の電極によって、増幅された電子信号が検出される。
本発明のいくつかの実施形態では、前記電子顕微鏡がさらに、試料を収容し、検出器を含む試料セルを備え、前記試料セルが、前記ガス増幅用のガスを供給するガス入口を含む。
本発明のいくつかの実施形態では、前記検出器が、前記ガス・カスケード中において電子によって生成された光子を検出する光子検出器を備える。
本発明の好ましい方法または装置は、多くの新規の態様を有する。本発明は、さまざまな目的のさまざまな方法または装置において具体化することができるため、すべての実施形態にすべての態様が存在していなければならないというわけではない。さらに、記載された実施形態の諸態様の多くは別々に特許を受けることができる。以上の説明は本発明の好ましい実施形態を例示したものであり、当業者は、特にこの説明、添付図面および特許請求の範囲を考慮して容易に可能な多くの異形、変更、修正、置換などを認識するであろう。いずれにせよ、本発明の範囲は特定のどの実施形態よりもはるかに広いので、以上の詳細な説明を、本発明の範囲を限定するものと解釈すべきでない。本発明の範囲は、本明細書に添付された特許請求の範囲によってのみ限定される。
100 走査透過電子顕微鏡
102 対物レンズ
106 電子光学カラム
108 光軸
112 圧力制限絞り(PLA)
114 試料
116 試料領域
120 第1の電極
122 第2の電極
124 電極スタンド
126 隙間
130 絞り
200 走査透過電子顕微鏡
300 走査透過電子顕微鏡
400 走査透過電子顕微鏡
406 第1の電極
408 第3の電極
410 第2の電極
600 粒子−光学装置
604 STEM検出器
652 ピンホール磁気対物レンズ
653 試料室
654 試料セル
658 ステージ
660 1次電子ビーム
662 上部PLA
664 下部PLA
666 円錐部
670 2次電子
672 2次電子検出器
674 ガス入口
676 ガス出口
678 リーク弁
684 窓
686 レンズ
690 弁装置
694 処理ガス・フィード
696 画像化ガス・フィード
698 ステージ
700 ダクト
702 シール
704 2次電子デフレクタ
706 検出器

Claims (19)

  1. 試料を観察する方法であって、
    ガス環境中に維持された試料に向かって電子の1次ビームを光軸に沿って誘導するステップと、
    前記光軸からの第1の散乱角より小さい角度で前記試料を透過した前記1次ビームの第1の部分を、前記光軸に沿って前記試料と第2の電極の間に配置された第1の電極に向かって誘導して、前記第1の電極の位置で2次電子の明視野グループを生成するステップと、
    前記光軸からの前記第1の散乱角より大きい角度で前記試料を透過した前記1次ビームの第2の部分を、前記第2の電極に向かって誘導して、前記第2の電極の位置で2次電子の暗視野グループを生成するステップと、
    前記第1および第2の電極を選択的にバイアスして、ガス増幅を使用して前記2次電子の明視野グループまたは前記2次電子の暗視野グループを選択的に増幅するステップと、
    前記増幅された2次電子の明視野グループまたは前記増幅された2次電子の暗視野グループを選択的に検出するステップと、
    前記選択的に検出された増幅された2次電子の明視野グループまたは暗視野グループを使用して前記試料の像を形成するステップと
    を含む方法。
  2. 前記第1および第2の電極を選択的にバイアスすることが、前記第2の電極を前記第1の電極に関して負にバイアスして前記2次電子の暗視野グループを選択的に増幅することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1および第2の電極を選択的にバイアスすることが、前記第2の電極を前記第1の電極に関して正にバイアスして前記2次電子の明視野グループを選択的に増幅することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の電極の平面を、前記平面の法線が前記光軸に関してある角度をなすように傾斜させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記増幅された2次電子の明視野グループを選択的に検出するステップが、前記増幅された2次電子の明視野グループを、前記第2の電極の位置において検出することを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記増幅された2次電子の暗視野グループを選択的に検出するステップが、前記増幅された2次電子の暗視野グループを、前記第1の電極の位置において検出することを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記増幅された2次電子の暗視野グループを選択的に検出するステップが、前記増幅された2次電子の暗視野グループを、前記試料と前記第2の電極の間に配置され、前記第1の電極および前記光軸について位置がずれた第3の電極の位置において検出することを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記増幅された2次電子の明視野グループまたは2次電子の暗視野グループを検出するステップが、ガス・カスケード中において電子によって放出された光子を検出することを含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
  9. 高圧環境中の試料を観察する電子顕微鏡であって、
    1次電子の供給源と、
    前記1次電子を光軸に沿ったビームに形成する電子光学要素を含む電子光学カラムと、
    試料領域と、
    前記電子光学カラム内を前記試料領域内よりも低圧に維持する圧力制限絞りと、
    第1および第2の電極を含む検出器であって、前記第1の電極は、前記光軸に沿って前記試料と前記第2の電極の間に配置され、第1の散乱角より小さい角度で前記試料を透過した前記ビームの第1の部分から2次電子の明視野グループを生成し、前記第2の電極は、前記光軸について位置がずれており、前記第1の散乱角より大きい角度で前記試料を透過した前記ビームの第2の部分から2次電子の暗視野グループを生成する、前記検出器と
    を備える電子顕微鏡。
  10. 前記試料領域用のガス源をさらに備える、請求項9に記載の電子顕微鏡。
  11. 前記試料と前記第1の電極との間に配置された、絞りを含む構造を含み、前記絞りを含む構造が、ある所定の角度よりも大きい角度だけ散乱した透過電子を阻止する、請求項9および10のいずれかに記載の電子顕微鏡。
  12. 前記第1の電極が、前記第2の電極の平面から前記試料に向かって延びる柱の上に配置された、請求項に記載の電子顕微鏡。
  13. 前記検出器が、前記第1および第2の電極の電位に応じて、明視野検出器または暗視野検出器として構成可能である、請求項9から11のいずれかに記載の電子顕微鏡。
  14. 前記第1の電極が、前記試料を透過した電子が前記光軸から前記第1の散乱角より小さい角度で衝突するように配置された、請求項13に記載の電子顕微鏡。
  15. 前記第2の電極が、前記試料を透過した電子による前記第1の散乱角より小さい角度での衝突時に前記第1の電極によって放出され、ガス増幅によって増幅された2次電子を検出するように構成可能であり、または前記試料を透過し、前記試料によって散乱した電子によって前記第1の散乱角より大きい角度で衝突されたときに2次電子を放出するように構成可能であり、前記2次電子がガス増幅によって増幅され、ガス増幅された信号が、前記第1の電極または前記試料と前記第2の電極の間に配置され、前記光軸について位置がずれた第3の電極によって検出される、請求項14に記載の電子顕微鏡。
  16. 前記第1の電極からの2次電子信号のガス増幅を提供するのに前記第1の電極から十分な距離のところに前記第2の電極が配置されており、前記第1の電極と前記第2の電極の間に適当な電位差が印加されたときに、前記ガス増幅された2次電子信号が前記第2の電極によって検出される、請求項15に記載の電子顕微鏡。
  17. 散乱した透過電子が前記第2の電極に衝突したときに放出される2次電子のガス増幅を提供するのに前記第2の電極から十分な距離のところに第3の電極が配置されており、前記第2の電極と前記第3の電極の間に適当な電圧が印加されたときに、前記ガス増幅された2次電子信号が前記第3の電極によって検出される、請求項15に記載の電子顕微鏡。
  18. 試料を収容すると共に、検出器を含む試料セルをさらに備え、前記試料セルが、前記ガス増幅用のガスを供給するガス入口を含む、請求項9から17のいずれかに記載の電子顕微鏡。
  19. 前記検出器が、前記ガス・カスケード中において電子によって生成された光子を検出する光子検出器を備える、請求項9から18のいずれかに記載の電子顕微鏡。
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