JPH104069A - 半導体微細構造の作製方法 - Google Patents

半導体微細構造の作製方法

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JPH104069A
JPH104069A JP15671596A JP15671596A JPH104069A JP H104069 A JPH104069 A JP H104069A JP 15671596 A JP15671596 A JP 15671596A JP 15671596 A JP15671596 A JP 15671596A JP H104069 A JPH104069 A JP H104069A
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誠 嘉数
Toshiki Makimoto
俊樹 牧本
Naoki Kobayashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 量子効果を発揮する微細な構造が、大きさの
揃った状態で精度良く作製できるようにすることを目的
とする。 【解決手段】 GaAs基板1上のGaN膜4a表面
に、距離1nm近くまで探針11を近づける。そして、
スイッチ13を切り換えることで、探針11とGaAs
基板1間の電流を増加させ、GaN膜4aの部分的なエ
ッチングを分子1個単位でする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、1枚の基板上に
ナノメートルの半導体微細構造を、寸法,形状,及び,
基板上の位置を正確に制御して立体的に作製する半導体
微細構造の作製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体微細構造の寸法を数十ナノメート
ルより小さくすると、量子力学によれば、その構造内の
電子,正孔のエネルギー分布幅を極めて狭くできる。こ
のような構造は、量子ドット(量子箱)と呼ばれる。寸
法の均一な複数の量子箱を半導体レーザーに応用すれ
ば、閾電流の極めて低い半導体レーザを実現できる。こ
の半導体微細構造である量子箱の作製方法の一例とし
て、選択成長と呼ばれる方法を以下に示す。
【0003】まず、図7(a)に示すように、真空中で
GaAs基板71を600℃程度で加熱することで、そ
の表面に形成されている自然酸化膜72をエッチングす
る。真空中で加熱することで、GaAsの酸化物は分解
して気化していく。ただし、このとき、基板表面に気体
となったAsを導入しておく。これは、加熱することで
分解する段階で、Asを補償するためにおこなう。Ga
に比較してV族元素であるAsは気化しやすいため、A
s過剰の雰囲気としておく必要があるためである。
【0004】しかし、このエッチングでは、GaAs基
板71表面に気化したAsを導入しておいても、GaA
s基板71表面のAsの欠陥が補償しきれず、その表面
は平坦にできない。このため、そのエッチングに引き続
いて、図7(b)に示すように、加熱されたGaAs基
板71表面にトリエチルガリウム(TEGa)と気化し
たAsを導入し、その表面にGaAsバッファ層73を
成長させて表面を平坦化する。このとき、GaAsバッ
ファ層73にはSiもしくはZnを不純物として導入
し、導電性をもたせておく。
【0005】ついで、図7(c)に示すように、ジメチ
ルヒドラジンとともにトリメチルガリウムをGaAs基
板71表面に導入し、ガリウム窒素(GaN)からなる
薄膜74を堆積させる。ジメチルヒドラジンは窒素原料
となるが、このかわりに、アンモニアをクラッキングす
ることで窒素原子を供給するようにしてもよい。
【0006】次に、図7(d)に示すように、電子ビー
ムを照射することで、選択的に薄膜74を蒸発させてG
aAsバッファ層73表面を露出させる。次に、図7
(e)に示すように、トリメチルガリウムと気化したA
sを加熱したGaAs基板71上に導入して、GaAs
バッファ層73が露出した部分に、選択的にGaAsか
らなる微細構造75を成長させる。そして、図7(f)
に示すように、GaNからなる薄膜74を除去し、Ga
Asバッファ層73上に微細構造75が形成されたGa
As基板71を得る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来
の製造方法では、微細構造のパターン化の際に、電子ビ
ーム露光が用いられてきた。しかし、電子ビームの焦点
の広がりは、最小に絞っても50nmほどとなる。そし
て、そのエッジはシャープではなく、中心部分を最大エ
ネルギーとし、周辺に向かってエネルギーが徐々に減衰
するように分布しているこのため、従来では、電子ビー
ムの照射量を調整することで、10ナノメーター程度の
大きさの微細構造を形成するようにしてきた。しかし、
そのようにして形成した微細構造は、再現性が低く、複
数の微細構造を作製する際に、同じ大きさにそろえるこ
とが非常に困難であった。従って、従来では有用な量子
箱構造を形成することができなかった。
【0008】また、従来の電子ビーム照射の間は、表面
をその場で観察することができない。このため、露光の
状況や基板上の露光の位置をモニタして制御することは
できなかった。そのため、複数の微細構造を同一基板上
に作製する場合、構造間の相対位置がわからないため、
立体的に作製することはもちろん、高密度に作製するこ
とが非常に困難であった。
【0009】この発明は、以上のような問題点を解消す
るためになされたものであり、量子効果を発揮する微細
な構造が、大きさの揃った状態で精度良く作製できるよ
うにすることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の半導体微細構
造の作製方法は、第1に半導体基板表面の酸化膜を除去
して清浄化し、第2に半導体基板を加熱してこの表面に
ラジカル化した窒素を供給して窒素を含む選択膜を形成
し、第3に原子レベルに鋭利にされた先端を有する探針
の先端を選択膜表面に常に一定の距離だけ接近させて半
導体基板と探針との間にトンネル電流を流すことで選択
膜を選択的にエッチングする。そして、第4に、半導体
基板を加熱してこの上にIII族原子を含む有機金属ガ
スとV族原子を含む有機金属ガスを供給してエッチング
した領域のみにIII族原子とV族原子とからなる微細
半導体構造を成長し、第5に選択膜を除去するようにし
た。
【0011】以上のことにより、探針と半導体基板との
トンネル電流により選択膜をエッチングするので、エッ
チングしているときの加工表面の状態を観察することが
できる。前述したように、半導体微細構造の寸法を数十
ナノメートルより小さくすると、量子力学によればその
構造内の電子,正孔のエネルギー分布幅を極めて狭くで
きる。このような、寸法の均一な複数の量子箱構造を半
導体レーザーに応用すれば、閾電流の極めて低い半導体
レーザを実現できる。
【0012】この発明においては、探針で表面を走査
し、トンネル電流を検知することにより表面の形状を観
察すると同時に、選択成長の選択膜の微細加工を行い、
その領域に微細構造を成長するようにした。このため、
この発明では、パターン形成時にその形成形状の観察が
可能なため、寸法や位置および組成の制御が可能とな
り、立体的に格段に均一な量子箱構造を作製することが
できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下この発明の実施の形態を図を
参照して説明する。図1は、この発明の実施の形態にお
ける微細構造の作製方法を示す断面図である。この実施
の形態では、GaAsとInAs半導体微細構造を同一
のGaAs基板1上に作製する場合について示す。
【0014】まず、図1(a)に示すように、大気中に
放置されたGaAs基板1表面には、酸化膜2が存在し
ている。この酸化膜2を除去するため、GaAs基板1
を真空中で500℃に加熱することで、酸化膜2を加熱
分解して除去する。このとき、図1(b)に示すよう
に、GaAs基板1表面にV族元素を含む有機金属であ
るターシャリーブチルアルシン(TBAs)を供給す
る。これにより、清浄なGaAs基板1表面が露出す
る。
【0015】従来では、この酸化膜2のエッチングにお
いては、気化したAsを基板表面に導入するようにして
いた。そして、このことにより、GaAs基板から蒸気
圧の高いV族元素が欠損するのを防ぐようにしていた。
しかし、気化したAsの使用では、GaAs基板のAs
の欠損が補償しきれずに、表面にGaのドロップレット
が生じることがある。このため、従来では、基板の平坦
性が失われることがあった。しかし、この実施の形態で
は、酸化膜2をエッチングしている基板1上にTBAs
導入するようにしたので、表面が非常に平坦になる。
【0016】これは、TBAsが熱で分解されること
で、As原子と共に生成した水素原子が、ガリウムも効
果的にエッチング除去するためである。TBAsが供給
されてるGaAs基板1表面は、熱により分解して主に
Asがエッチングされると共に、水素原子によりガリウ
ムもエッチングされていく。そして、As原子の供給に
よりAsの補償も成されているので、総合的にみて、ガ
リウムもAsも均一にエッチングされた状態となってい
る。
【0017】従来では、気化したAsを導入することで
GaAs基板1表面におけるAsを補償していた。しか
しこの方法では、完全にはAsの欠損が補えず、エッチ
ング後に平坦な面を回復するために、GaAsバッファ
層を成長させなければならなかった。また、従来では、
電子ビーム照射で加工をおこなうようにしていたため、
このGaAsバッファ層に導電性をもたせる必要があ
り、SiやZnを不純物として添加しなければならず、
プロセスを複雑にしていた。導電性をもたせないと、電
子ビームを照射したときにチャージアップしてしまうた
めである。
【0018】しかし、この実施の形態に示したように、
TBAsを導入することで、GaAs基板1表面におけ
るAsを補償し、かつガリウムもエッチングされる状態
とすれば、GaAsバッファ層の形成は必要ない。ま
た、GaAsでなくInPを基板に用いる場合は、ター
シャリーブチルホスフィン(TBP)が有効である。す
なわち、酸化膜除去のエッチングにおいて、V族原子を
含む有機金属を基板表面に導入するようにすればよい。
特に、V族原子と水素とが直接結合した構造の有機金属
が効果的である。ただし、たとえば、トリメチルヒ素を
用いるようにしても、若干効果は劣るが有効である。
【0019】次に、図1(c)に示すように、加熱した
タングステンフィラメントに窒素ガスを通してこれを窒
素原子にして250℃に加熱したGaAs基板1表面に
供給し、非晶質のGaNからなるGaN膜4a(選択
膜)を堆積する。このGaNは堆積温度(基板温度)に
よって、図3(a)に示すように、その表面の凹凸状態
が変化する。基板温度が400℃を越えると、堆積する
GaNは多結晶状態となり、図3(a)に示すように、
その表面凹凸は大きいものとなる。しかし、基板温度が
400℃以下では、堆積するGaNがアモルファス状態
となるため、その表面の凹凸はかなり減少する。したが
って、GaNは400℃以下で成長するのが望ましい。
【0020】一方、GaNの堆積時の温度条件と、その
温度で堆積したGaN上にGaAsを堆積したときのG
aAs膜の膜厚を比較すると、図3(b)に示すよう
に、400℃以下で堆積したGaN上には、GaAsが
ほとんど堆積しない。これに対して、GaAs上にGa
N膜を薄く形成した場合、GaN膜が多結晶状態では形
成したGaN膜に下のGaAs表面が一部露出してしま
う。このため、GaAs上に400℃を越えて形成した
GaN膜上には、GaAsが成長することになる。Ga
N膜はGaAsの選択成長のために用いるので、この観
点からも、GaNは基板温度が400℃以下の状態で成
長させる必要がある。
【0021】次いで、図1(d)に示すように、探針1
1を用いてGaN膜4aを部分的に除去する。図1
(d)において、探針11は、走査型トンネル顕微鏡を
構成する部分である。探針11はピエゾ12aとピエゾ
12bとにより、xy方向およびz方向に位置制御され
る。ピエゾ12a,12bは、印加される電圧Vx,Vy
およびVzの値に比例して変位する。ピエゾ12aは、
探針11を走査するために用いる。以上の構成により、
探針11とGaAs基板1との間に一定の電圧Vt を印
加した状態で、回路を流れる電流値(トンネル電流)が
一定になるようにピエゾ12bに印加する電圧Vz を制
御する。
【0022】この状態で、探針11を表面より2〜3n
m離した状態で走査すれば、走査している表面の凹凸に
対応して、ピエゾ12bは探針11と表面との距離を一
定にしようとしてその変位量を変化させる。そして、こ
の変位量を計測することで、走査している表面の凹凸状
態を観察することが可能となる。これが、走査型トンネ
ル顕微鏡による表面形状の観察原理である。なお、図1
(d)では、スイッチ13が観察状態の接続を示してい
る。ここで、GaAs基板1上のGaN膜4a表面に、
距離1nm近くまで探針11を近づける。そして、スイ
ッチ13を切り換えることで、探針11とGaAs基板
1間の電流を増加させる。すると、そのエネルギーでG
aN膜4aの部分的なエッチングを分子1個単位でする
ことができる。
【0023】この結果、図1(d)に示すように、Ga
N膜4aを選択的にパターン加工することができる。ま
た、このとき、数nmオーダで、この加工をおこなうこ
とが可能となる。この加工の際には、スイッチ13を切
り換えることで、瞬時に加工状態と観察状態とを切り換
えられるので、エッチング加工の状態をその場で観察す
ることが可能となる。また、表面を観察しながら加工を
したい場所へ探針11を移動できるので、極めて高精度
に微細構造を形成することが可能となる。
【0024】以下、この加工方法について、図4の断面
図を用いてより詳細に説明する。図4(a)において、
GaAs基板1の表面状態を観察しているときの探針1
1先端の軌跡を点線で示している。また、トンネル電流
の値を増加させた状態で走査をおこなった、加工時の場
合の探針11先端の軌跡を実線で示している。走査型ト
ンネル顕微鏡で観察対象の表面を走査するときは、トン
ネル電流が一定となるように探針11を上下させてい
る。すなわち、トンネル電流が減少したら探針11を下
げ、トンネル電流が増加したら探針11を上げる。結果
として、探針11先端と観察対象の表面との距離を一定
に保つように制御している。そして、その制御により探
針11を動かした状態が、観察対象の表面状態を示して
いることになる。したがって、この探針11を動かした
状態により、GaAs基板1の表面状態を観測すること
ができる。
【0025】しかし、トンネル電流が一定に保たれるよ
うに制御していても、図4(a)の点線で示すように、
探針11先端は時間的に遅れてGaAs基板1の表面状
態を再現して動作する。ここで、表面を加工するために
探針11先端を表面に近づけると、図4(a)の実線で
示すように、表面に衝突したり、表面より離れすぎたり
して、一定の条件で加工することができない。つまり、
表面状態を観察しているときと同じように、先端位置を
フィードバック制御した状態で探針11先端をGaAs
基板1表面に近づけて加工を行うと、一定の条件で加工
することができない。
【0026】これに対して、以下に示す動作を繰り返す
ことで表面の加工を行うようにすれば、表面を一様に加
工することができる(図4(b))。すなわち、ま
ず、表面状態を観察しているモードより、ある位置で観
察モードを変更して探針11を一定距離下げる。たとえ
ば、図4(b)において、矢印の方向に矢印で示す距離
だけ下げる。すると、電流は増加して加工状態となる。
ついで、所定時間加工状態とした後、再び探針11を
上げる。図4(b)において、矢印の元の黒点の位置に
まで探針11先端の位置を戻す。そして、観察状態とし
て所定の距離移動させる。たとえば、図4(b)におい
て、隣の黒点の位置まで探針11先端を移動する。以上
示したように、,を繰り返していくことで、加工時
の探針11先端は、図4(a)に示した方法に比較し
て、飛躍的に均一な加工が行える。
【0027】以上示したことにより、精度よく一様にG
aN膜4aを選択的に除去したあと、図1(e)に示す
ように、GaAs基板1の表面が露出したところに、選
択的にGaAsからなる微細構造5aを形成する。これ
は、真空中でGaAs基板1を600℃に過熱した状態
で、基板表面にTMGaとTBAsを供給することでお
こなう(有機金属分子線エピタキシー法)。この分子線
エピタキシー法では、GaN膜4a上にはGaAsが成
長しない選択成長となる。
【0028】次いで、加熱したGaAs基板1上に水素
原子を導入して、図1(f)に示すように、GaN膜4
aをエッチング除去する。次に、図2(g)に示すよう
に、GaAs基板1上に微細構造5aを覆うようにGa
N膜4bを形成する。そして、前述したようにして、探
針11により選択的にGaN膜4bを除去し、図2
(h)に示すように、GaAs基板1および微細構造5
a上を部分的に露出させる。なお、図2(h)に示すス
イッチ13の状態が、加工状態の接続を示している。
【0029】次に、図2(i)に示すように、この露出
した領域に、たとえば、有機金属分子線エピタキシー法
法により、トリメチルインジウム(TMIn)とTBA
sを供給することで、InPからなる微細構造5bを形
成する。そして、加熱したGaAs基板1上に水素原子
を導入して、図2(j)に示すように、GaN膜4bを
エッチング除去する。この結果、同一のGaAs基板1
上に、微細構造5aと微細構造5bとが形成された状態
が実現される。
【0030】図5は、以上示したことにより形成した微
細構造を有する半導体装置の断面図である。図5(a)
は量子箱半導体レーザを示し、n+ 形のGaAs基板5
1上に、AlGaAs層52を形成し、この上にp+
のGaAsからなるクラッド層54形成している。そし
て、AlGaAs層52内には微細な量子箱構造とした
GaAs量子箱53が形成され、これらで活性層を構成
している。このような量子箱半導体レーザは、活性層に
おけるGaAs量子箱53が均一に作成されていない
と、図6(a)に示すように、発光波長の幅が広く発光
強度も高くできない。
【0031】これに比較して、上記実施の形態により均
一にGaAs量子箱53が形成された量子箱半導体レー
ザでは、図6(b)に示すように、半値幅が1000分
の1となり、その発光強度は1000倍となる。そし
て、閾電流も10分の1に減少した。従来の技術では、
量子箱が形成できるが、その大きさをそろえることがで
きず、3〜10nmの範囲でばらついてしまう。しか
し、上記実施の形態によれば、例えば、5nmの大きさ
の量子箱を均一に精度良く複数形成することができる。
この結果、これを活性層に用いた量子箱半導体レーザで
は、波長の揃った高い発光強度のレーザ光を低い閾電流
で発振させることができる。
【0032】また、図5(b)はヘテロ接合バイポーラ
トランジスタを示している。これは、n+ 形のGaAs
基板61上にn形GaAsからなるコレクター62と、
p形AlyGa1−yAsからなるベース63と、その
上にn形AlGaAsからなるエミッター65とを形成
してある。なお、GaAs基板61上にはコレクター電
極61aも形成されており、また、ベース63上にはベ
ース電極63aが形成されており、エミッター65上に
はエミッター電極65aが形成されている。
【0033】そして、このヘテロ接合バイポーラトラン
ジスタは、ベース63にGaAsからなる量子箱64が
形成されている。このように均一な大きさの量子箱構造
によるヘテロ接合バイポーラトランジスタでは、ベース
準位が量子化されることによって、カットオフ周波数が
これまで220GHzであったものが、450GHzま
で高くすることが可能となった。
【0034】また、図5(c)は、図5(a)に示した
量子箱半導体レーザの他の例を示す断面図である。図5
(c)に示すように、GaAsからなる量子箱53a
と、InAsからなる量子箱5bとからなる微細構造
が、AlGaAs層52に形成されている。このよう
に、異なる材料からなる量子箱を形成した量子箱半導体
レーザでは、低閾電流で、2つの発光波長のレーザー発
振が可能となる。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、この発明では、原
子レベルに鋭利にされた先端を有する探針の先端を、選
択膜表面に常に一定の距離だけ接近させ、半導体基板と
探針との間にトンネル電流を流すことで選択膜を選択的
にエッチングするようにした。このため、この発明で
は、パターン形成時にその形成形状の観察が可能なた
め、寸法や位置および組成の制御が可能となり、立体的
に格段に均一な量子箱構造を作製することができる。こ
の結果、閾電流の極めて低い半導体レーザや、動作周波
数のより高いトランジスタを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態における微細構造の作
製方法を示す断面図である。
【図2】 図1に続く、この発明の実施の形態における
微細構造の作製方法を示す断面図である。
【図3】 成長温度によるGaNの表面の凹凸状態の変
化を示す特性図である。
【図4】 この発明の実施の形態における加工方法を示
す説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態により形成した微細構
造を有する半導体装置の断面図である。
【図6】 量子箱半導体レーザの発光特性を示す特性図
である。
【図7】 従来の微細構造の作製方法を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1…GaAs基板、2…酸化膜、4a,4b…GaN薄
膜、5a,5b…微細構造、11…探針、12a,12
b…ピエゾ、13…スイッチ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 29/66 H01S 3/18 21/331 H01L 29/205 29/73 29/72 H01S 3/18

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板表面の酸化膜を除去して清浄
    化する第1の工程と、 前記半導体基板を加熱して、この表面にラジカル化した
    窒素を供給し、窒素を含む選択膜を形成する第2の工程
    と、 原子レベルに鋭利にされた先端を有する探針の先端を、
    前記選択膜表面に常に一定の距離だけ接近させ、前記半
    導体基板と前記探針との間にトンネル電流を流すこと
    で、前記選択膜を選択的にエッチングする第3の工程
    と、 前記半導体基板を加熱し、この上にIII族原子を含む
    有機金属ガスとV族原子を含む有機金属ガスを供給し、
    前記エッチングした領域のみに前記III族原子とV族
    原子とからなる微細半導体構造を成長する第4の工程
    と、 前記選択膜を除去する第5の工程とを含むことを特徴と
    する半導体微細構造の作製方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の半導体微細構造の作製方
    法において、 前記第1の工程では、前記半導体基板表面にV族原子を
    含む有機金属ガスを供給することで清浄化をおこなうこ
    とを特徴とする半導体微細構造の作製方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の半導体微細構造
    の作製方法において、 前記第2の工程では、窒素ガスを加熱することでラジカ
    ル化した窒素を供給することを特徴とする半導体微細構
    造の作製方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3いずれか1項記載の半導体
    微細構造の作製方法において、 前記第5の工程では、原子状の水素を前記半導体基板上
    に供給することで前記選択膜を除去することを特徴とす
    る半導体微細構造の作製方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007173751A (ja) * 2005-12-20 2007-07-05 Kanji Iizuka 配列制御された量子ドットの作製方法及び配列制御された量子ドットを用いた半導体装置
JP2007318164A (ja) * 2007-07-17 2007-12-06 Univ Of Tsukuba 半導体装置およびその製造方法
JP2008522848A (ja) * 2004-12-09 2008-07-03 ザ プレジデント アンド フェロウズ オブ ハーバード カレッジ 固体凝縮ガス層のエネルギー誘導局所除去を用いるリフトオフパターニング方法

Cited By (3)

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