JPH1039448A - 写真用支持体 - Google Patents

写真用支持体

Info

Publication number
JPH1039448A
JPH1039448A JP19467896A JP19467896A JPH1039448A JP H1039448 A JPH1039448 A JP H1039448A JP 19467896 A JP19467896 A JP 19467896A JP 19467896 A JP19467896 A JP 19467896A JP H1039448 A JPH1039448 A JP H1039448A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
support
photographic
heat treatment
heat
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP19467896A
Other languages
English (en)
Inventor
Masato Takada
昌人 高田
Akihisa Nakajima
彰久 中島
Eiichi Ueda
栄一 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP19467896A priority Critical patent/JPH1039448A/ja
Publication of JPH1039448A publication Critical patent/JPH1039448A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Treatments Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロール状に巻かれて製造又は使用される写真
感光材料の、巻ぐせがつきずらく、作業性に優れた写真
用支持体を提供する。 【解決手段】 二軸延伸されたポリエステルフィルムか
らなる写真用支持体において、該支持体が、下引き層塗
布乾燥後から乳剤層塗布されるまでの間で、該支持体を
5kg/m〜60kg/mの張力で搬送しながら、ポリ
エステルフィルムのTg〜Tg+35℃の温度で熱処理
することを特徴とする写真用支持体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロール状に巻かれ
て製造又は使用されるハロゲン化銀写真感光材料に用い
られる支持体に関し、特に巻ぐせがつきずらく作業性に
優れたハロゲン化銀写真感光材料用支持体に関する。
【0002】
【従来の技術】写真感光材料を様々なサイズで使用する
場合、取扱の簡易さや省スペースの観点から、ロール状
に巻かれた形態から必要量取り出して使用されることが
多い。特に印刷製版業界においてはロール状フィルムの
形態で多量に使用する。
【0003】こうしたロール状のフィルムを使用する場
合作業上で問題となるのが、フィルムの巻きぐせによる
カールである。例えば、自動ロールカッターで連続的に
切り出しを行う場合に、フィルムの巻きぐせが強いと切
り出したフィルムがうまく重ならない、あるいは、原稿
と密着露光を行う際の密着性が悪い等の問題を有してい
た。
【0004】近年、装置の小型化にともない、ロールフ
ィルムもコンパクト化の傾向があり、ロール状に巻かれ
る巻き芯も小型化され、巻きぐせカールの少ないロール
フィルムへの要望が強い。
【0005】この巻きぐせカールを改良する方法とし
て、例えば、ポリエステルフィルムの巻ぐせカールを低
減する方法としては、特開昭51−16358号には、
熱可塑性樹脂フィルムをTg−5℃〜Tg−30℃で
0.1〜1500時間、加熱処理する方法が提案されて
いる。さらに、特開平6−35118号には、Tgが9
0℃〜200℃のポリエステルフィルムを下塗り後、5
0℃〜Tgで0.1〜1500時間、加熱処理する方法
が提案されている。
【0006】しかし、これらの方法では、比較的低温で
長時間の熱処理が必要であり、製造上非効率的である。
また、製品を長尺で生産する場合は、一度、中間製品と
して巻き取ったロール状態で長時間熱処理しなければな
らず、その状態で巻き取った径での巻ぐせが予めついて
しまうという問題点がある。そして、その後ロール状の
ハロゲン化銀写真感光材料に加工された場合にも、この
熱処理で予めついてしまった巻ぐせが影響し十分な効果
が得られない、という問題点があった。
【0007】この問題点は、カラーネガフィルム等のよ
うな比較的小さなコア径に巻かれた、ロール状ハロゲン
化銀写真感光材料の場合はその影響は小さいが、印刷感
材等の比較的大きなコア径に巻かれたロール状ハロゲン
化銀写真感光材料の場合は、その影響が大きく、特に問
題であった。
【0008】また、ロール状態で熱処理すると、平面性
の劣化や、接触する面間でのくっつきの問題があり、熱
処理をする工程に制約があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題に対
し、本発明の目的は、印刷感材等のような比較的大きな
径にまかれたロール状ハロゲン化銀写真感光材料の場合
でも、巻ぐせがつきずらく、作業性に優れたハロゲン化
銀写真感光材料とし得る写真用支持体を提供することに
ある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成によって解決された。
【0011】(1)二軸延伸されたポリエステルフィル
ムからなる写真用支持体において、該支持体が、下引き
層塗布乾燥後から乳剤層塗布されるまでの間で、該支持
体を5kg/m〜60kg/mの張力で搬送しながら、
ポリエステルフィルムのTg〜Tg+35℃の温度で熱
処理することを特徴とする写真用支持体。
【0012】(2)前記写真用支持体を10kg/m〜
30kg/mの張力で搬送しながら熱処理することを特
徴とする(1)項記載の写真用支持体。
【0013】(3)前記写真用支持体をポリエステルフ
ィルムのTg+5℃〜Tg+25℃の温度で熱処理され
ることを特徴とする(1)項又は(2)項記載の写真用
支持体。
【0014】(4)前記ポリエステルフィルムを、延伸
製膜時に10℃〜40℃の表裏面の温度差を付けながら
延伸して製膜することを特徴とする(1)〜(3)項の
いずれか1項に記載の写真用支持体。
【0015】(5)前記熱処理を、相対湿度20%RH
〜100%RHの雰囲気下で、または、過熱水蒸気中
で、または、水浴中で行うことを特徴とする(1)〜
(4)項のいずれか1項に記載の写真用支持体。
【0016】以下、本発明を詳述する。
【0017】本発明の熱処理は、これまでに知られてい
る様な、支持体のTg以下の温度範囲でロール状態で行
うアニール処理とは異なるものであり、Tgより高温の
温度範囲で特定の張力で搬送しながら熱処理することに
より、巻きぐせを付きづらくする方法である。
【0018】本発明における支持体の熱処理は、搬送し
ながら連続的に行うことを特徴とするものである。即
ち、5kg/m〜60kg/mの張力で搬送しながら、
Tg〜Tg+35℃の温度で熱処理を行う。より好まし
くは、熱処理温度は、Tg+5℃〜Tg+25℃の温度
で熱処理することであり、搬送張力は、10kg/m〜
30kg/mであることがより好ましい。
【0019】搬送張力の調整方法としては、送り出し軸
及び巻き取り軸のトルクをコントロールすることにより
行うことができるが、この搬送張力が5kg/m以下で
は、巻きじわが発生したり支持体の表面性が悪くなり好
ましくない。また60kg/m以上では、平面性も劣化
し、又巻ぐせ改良の効果もあまり向上せず、また支持体
の断裂の危険があり好ましくない。
【0020】本発明の熱処理において、搬送しながら熱
処理する方法としては、特に限定されないが、例えば、
フィルムの両端をピンやクリップで把持して搬送した
り、複数のロール群によるロール搬送や空気をフィルム
に吹付けて浮揚させるエアー搬送などによりフィルムを
連続的に搬送させておき、複数のスリットから加熱空気
をフィルム面の片面あるいは両面に吹き付ける方法、赤
外線ヒーターなどによる輻射熱を利用する方法、加熱し
た複数のロールと接触させる方法などを単独または複数
組合わせて熱処理する方法が挙げられる。
【0021】また、本発明の熱処理においては、フィル
ムを平坦な状態に保持して搬送することが好ましく、特
に限定はないが、例えば上述したピンやクリップによる
搬送方法、エアー搬送方法、ロール搬送方法などが挙げ
られる。ロール搬送方法はロールにフィルムがある抱き
角を持って搬送されるので完全には平坦ではないが、フ
ィルムはその表裏が交互にロールに接触しフィルムの巻
き方向が一方向とはならないので、実質的にフィルムは
平坦と見なすことができる。
【0022】本発明の熱処理に必要な時間は、0.05
分〜60分、好ましくは、0.5分〜30分、より好ま
しくは、1分〜15分である。熱処理時間は、フィルム
の搬送速度を変えたり、熱処理ゾーンの長さを変えたり
することでコントロールできる。
【0023】また、本発明の熱処理はより多くの水の存
在下で行われるとより効果がある。具体的には、熱処理
ゾーン内の雰囲気の相対湿度を20%RH〜100%R
Hにすることが好ましい。より好ましくは、50%RH
〜100%RHである。また、100℃を越える熱処理
の場合は、加熱水蒸気をゾーン内に吹き付けて行うこと
ができる。あるいは、熱処理温度が100℃より低い場
合は、熱処理温度に設定された水浴中で上記と同様の熱
処理を行ってもよい。
【0024】本発明の熱処理が施されたフィルムは、そ
の後フィルムが100℃以上の温度で、0.5分以上熱
せられるとその効果が薄れてしまうので注意が必要であ
る。そこで、本発明の熱処理は、フィルムに下引き層を
塗布し乾燥した後から、写真感光層を塗布する前までの
間で施されるのが好ましい。具体的には、下引き層を塗
布・乾燥した後に連続して平坦に保持されたままの状態
で行ってもよく、あるいは、一度巻き取った後に、必要
な搬送設備と加熱設備を設置して再搬送処理してもよ
い。
【0025】更には、バッキング層、導電層、易滑性
層、磁気記録層などの各種の機能性層を塗布・乾燥した
後に上記と同様な処理を行ってもよい。
【0026】以上のようにして熱処理されたフィルムは
Tg+5℃から常温まで冷却され巻き取られる。この時
の冷却はフィルムの平面性を保つためには、Tgをまた
いで常温までさげるのに速ければ速い方がよく、少なく
とも−10℃/秒以上の温度で冷却するのが好ましい。
【0027】このようにして熱処理され常温まで冷却し
て巻き取られた支持体は、次工程に送られるまでの間保
管される際、できるだけ大きなコアにまかれて保管され
ることが好ましく、好ましくは外径が200mm以上、
より好ましくは300mm以上、さらに好ましくは40
0mm以上である。
【0028】また保管する際、フィルムの水分率を0.
1%以下に調節することにより、保管時の巻ぐせを防止
することができ好ましい。フィルムの含水率は、微量水
分計(例えば三菱化成株式会社製CA−05型)を用い
て、乾燥温度150℃で測定して求めた値である。
【0029】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムを
構成するポリエステルは、特に限定されるものではない
が、ジカルボン酸成分とジオール成分を主要な構成成分
とするフィルム形成性を有するポリエステルであること
が好ましい。
【0030】主要な構成成分のジカルボン酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボ
ン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエ
ーテルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、
シクロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン
酸、ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニル
ケトンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸な
どを挙げることができる。
【0031】また、ジオール成分としては、エチレング
リコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリ
コール、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス
(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビスフェノール
フルオレンジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレング
リコール、ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、
シクロヘキサンジオールなどを挙げることができる。
【0032】これらを主要な構成成分とするポリエステ
ルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点か
ら、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸及び/また
は2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分とし
て、エチレングリコール及び/または1,4−シクロヘ
キサンジメタノールを主要な構成成分とするポリエステ
ルが好ましい。中でも、ポリエチレンテレフタレートま
たはポリエチレン2,6−ナフタレートを主要な構成成
分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6−ナフ
タレンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重
合ポリエステル、およびこれらのポリエステルの二種以
上の混合物を主要な構成成分とするポリエステルが好ま
しい。ポリエステルに対してポリエチレンテレフタレー
トユニットまたはポリエチレン−2,6−ナフタレート
ユニットが70重量%以上含有していると、透明性、機
械的強度、寸法安定性などに高度に優れたフィルムが得
られる。ポリエチレンテレフタレートを主構成成分とす
るフィルムに比べポリエチレン−2,6−ナフタレート
を主構成成分とするフィルムの方が機械的強度や耐熱性
に優れていることは良く知られている。一方、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレートを主構成成分とするフィル
ムには、蛍光を発光する性質や樹脂の価格が高いなどの
不利な面もある。従って、使用される目的に応じて、通
常はポリエチレンテレフタレートを主構成成分とするフ
ィルムを使用し、特に高度に薄膜化が必要な場合や高い
温度で酷使されるような場合はポリエチレン−2,6−
ナフタレートを主構成成分とするフィルムを使用すれば
良い。さらに両者を混合することによりお互いの欠点を
補うことができる。
【0033】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムを
構成するポリエステルは、本発明の効果を阻害しない範
囲であれば、さらに他の共重合成分が共重合されていて
も良いし、他のポリエステルが混合されていても良い。
これらの例としては、先に挙げたジカルボン酸成分やジ
オール成分、またはそれらから成るポリエステルを挙げ
ることができる。
【0034】本発明の写真用支持体には、酸化防止剤が
含有されていても良い。含有させる酸化防止剤はその種
類につき特に限定はなく、各種の酸化防止剤を使用する
ことができるが、例えばヒンダードフェノール系化合
物、ホスファイト系化合物、チオエーテル系化合物など
の酸化防止剤を挙げることができる。中でも透明性の点
でヒンダードフェノール系化合物の酸化防止剤が好まし
い。
【0035】酸化防止剤の含有量は、通常、0.01〜
2重量%、好ましくは0.1〜0.5%である。酸化防
止剤の含有量をこの範囲とすることで、写真感光材料の
未露光部分の濃度が高くなる,いわゆるかぶり現象を防
止でき、かつ、フィルムのヘーズを低く抑えられるの
で、透明性に優れた写真用支持体が得られる。なお、こ
れらの酸化防止剤は一種を単独で使用しても良いし、二
種以上を組合せて使用してももちろん良い。
【0036】本発明の写真用支持体には、必要に応じて
易滑性を付与することもできる。易滑性付与手段として
は、特に限定はないが、不活性無機粒子を添加する外部
粒子添加方法、ポリマー重合時に添加する触媒を析出さ
せる内部粒子析出方法、あるいは界面活性剤などをフィ
ルム表面に塗布する方法などが一般的である。これらの
中でも、析出する粒子を比較的小さくコントロールでき
る内部粒子析出方法が、フィルムの透明性を損なうこと
なく易滑性を付与できるので好ましい。
【0037】本発明の写真用支持対の厚みは特に限定が
ある訳ではない。その使用目的に応じて必要な強度を有
する様に設定すればよい。特に医用や印刷用写真感光材
料に用いられる場合は、50〜250μm、特に70〜
200μmであることが好ましい。
【0038】また、本発明の二軸延伸ポリエステルフィ
ルムは、ヘーズが3%以下であることが好ましい。さら
に好ましくは1%以下である。ヘーズが3%より大きい
とフィルムを写真感光材料用支持体として用いた場合、
画像が不鮮明になる。上記ヘーズは、ASTM−D10
03−52に従って測定したものである。
【0039】本発明の二軸延伸ポリエステルフィルムの
Tgは、60℃以上が好ましく、さらに70℃以上が好
ましい。Tgは示差走査熱量計で測定するところのベー
スラインが偏奇し始める温度と、新たにベースラインに
戻る温度との平均値として求められる。
【0040】次に、本発明のポリエステルフィルムの製
造方法について説明する。
【0041】未延伸シートを得る方法および縦方向に一
軸延伸する方法は、従来公知の方法で行うことができ
る。例えば、原料のポリエステルをペレット状に成型
し、熱風乾燥または真空乾燥した後、溶融押出し、Tダ
イよりシート状に押出して、静電印加法などにより冷却
ドラムに密着させ、冷却固化させ、未延伸シートを得
る。次いで、得られた未延伸シートを複数のロール群お
よび/または赤外線ヒーターなどの加熱装置を介してポ
リエステルのガラス転移温度(Tg)からTg+100
℃の範囲内に加熱し、縦延伸する方法である。延伸倍率
は、通常2.5倍〜6倍の範囲である。
【0042】この際、延伸温度を支持体の表裏で温度差
を持たせることで巻きぐせをつきづらくすることができ
る。具体的には、縦延伸の加熱時に、赤外線ヒーター等
の加熱手段を片面側に設けることで温度をコントロール
することができる。延伸時の温度差は、好ましく10℃
〜40℃、より好ましくは15℃〜30℃である。温度
差が40℃より大きくなると、均一に延伸できずにフィ
ルムの平面性が劣化しやすくなる。
【0043】上記のように温度差をもたせて縦延伸し製
膜したフィルムは、より高温で延伸された面が巻内とな
るように、写真感光材料として加工することでその効果
がより発現する。
【0044】次に、上記の様にして得られた縦方向に一
軸延伸されたポリエステルフィルムを、Tg〜Tg+1
20℃の温度範囲内で、横延伸し、次いで熱固定する。
横延伸倍率は通常3〜6倍であり、また、縦、横延伸倍
率の比は、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、
好ましい特性を有するように適宜調整する。
【0045】次いで熱固定は、その最終横延伸温度より
高温で、Tg+180℃以下の温度範囲内で通常0.5
〜300秒間熱固定する。
【0046】次に本発明の支持体に用いられる下引き層
について説明する。
【0047】一般に、疎水性のポリマーフィルムを写真
用支持体として使用する場合、ポリマーフィルムに親水
性の写真乳剤層を直接塗設しても必要な接着力は得られ
ない。そこで通常ポリマーフィルムには表面処理が必要
である。このような目的の表面処理としてはコロナ放電
処理、紫外線処理、グロー放電処理、プラズマ処理、火
炎処理などの表面活性化処理する方法やレゾルシン処
理、フェノール類処理、アルカリ処理、アミン処理、ト
リクロル酢酸処理などのエッチング処理する方法等があ
る。これらの表面処理を行っても、行わなくてもよい
が、本発明の支持体においては、一層または二層以上の
下引き層を塗布乾燥した後、乳剤層が塗布される間に特
定の熱処理を行うものである。
【0048】下引き層を塗設する方法において用いるこ
とのできる素材は特に限定されないが、例えば塩化ビニ
ル、塩化ビニリデン、ブタジエン、メタクリル酸、アク
リル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、を出発原料とす
る共重合体を始めとして、ポリエチレンイミン、ポリエ
ステル、ポリスチレン、ポリウレタン、エポキシ樹脂、
グラフト化ゼラチン、ニトロセルロースなどやこれらの
混合物などを挙げることができる。これら下引き層中に
は界面活性剤、帯電防止剤、アンチハレーション剤、ク
ロスオーバーカット剤、着色染料、顔料、増粘剤、塗布
助剤、カブリ防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、紫外
線安定剤、エッチング処理剤、磁性粉、マット剤などの
各種添加剤を一種または二種以上含有していてもよい。
【0049】さらに、帯電防止層、易滑性層、バリアー
層、アンチハレーション層、クロスオーバーカット層、
紫外線吸収層、磁気記録層などが積層されていてもよ
い。
【0050】これら下引き層を塗設する方法は特に限定
はなく、従来から知られている各種の方法を用いること
ができる。例えばエアーナイフコーター、ディップコー
ター、カーテンコーター、ワイヤーバーコーター、グラ
ビアコーター、エクストルージョンコーターなどのコー
ティング方法や、ポリエステルフィルムの溶融製膜時に
共押出しやラミネートする方法などが挙げられる。
【0051】本発明の下引き層に導電性を付与すること
が好ましい。
【0052】本発明では、導電層を有する側の表面抵抗
率(23℃、20%RH)が1×1012Ω以下であるこ
とが好ましく、より好ましくは5×1011Ω以下、更に
好ましくは1×1011Ω以下である。また、導電層を有
する側の現像処理後の表面抵抗率(23℃、20%R
H)が1×1012Ω以下であることが好ましい。より好
ましくは5×1011Ω以下、更に好ましくは1×1011
Ω以下である。
【0053】本発明の支持体においては、導電性を有す
る層は、写真感光材料の少なくとも片面に有していれば
どの層にあってもよいが、ハロゲン化銀乳剤層、また
は、バッキング層中の保護層、中間層が導電層であって
もよい。あるいは、ハロゲン化銀乳剤層、または、バッ
キング層と支持体との間の下引き層中の少なくとも1層
が導電性を有する層であってもよい。
【0054】次に本発明の支持体を用いる写真材料につ
いて説明する。
【0055】−写真感光層− 本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤中のハロゲン化銀
のハロゲン組成は特に制限はないが、補充量を少なくし
て処理する場合や迅速処理を行う場合は、純塩化銀、6
0モル%以上の塩化銀を含む塩臭化銀、60モル%以上
の塩化銀を含む塩沃臭化銀の組成からなるハロゲン化銀
乳剤を用いるのが好ましい。
【0056】ハロゲン化銀の平均粒子サイズは1.2μ
m以下であることが好ましく、特に0.8〜0.1μm
が好ましい。平均粒径とは、写真科学の分野の専門家に
は常用されており、容易に理解される用語である。粒径
とは、粒子が球状又は球に近似できる粒子の場合には粒
子直径を意味する。粒子が立方体である場合には球に換
算し、その球の直径を粒径とする。平均粒径を求める方
法の詳細については、ミース,ジェームス:ザ・セオリ
ー・オブ・ザ・フォトグラフィックプロセス(C.E.
Mees&T.H.James著:The theor
y of the photographic pro
cess),第3版,36〜43頁(1966年(マク
ミラン「Mcmillan」社刊))を参照すればよ
い。
【0057】ハロゲン化銀粒子の形状には制限はなく、
平板状、球状、立方体状、14面体状、正八面体状その他
いずれの形状でもよい。又、粒子サイズ分布は狭い方が
好ましく、特に平均粒子サイズの±40%の粒子サイズ
域内に全粒子数の90%、望ましくは95%が入るよう
な、いわゆる単分散乳剤が好ましい。
【0058】本発明に用いられる感光材料には、少なく
とも一層のハロゲン化銀乳剤層のハロゲン化銀乳剤が、
平板状粒子を含有し、平板状粒子が使用されている乳剤
層の全粒子の投影面積の総和の50%以上がアスペクト
比2以上の平板状粒子であることが好ましく、特に平板
状粒子の割合が60%から70%、さらに80%へと増
大するほど好ましい。アスペクト比は平板状粒子の投影
面積と同一の面積を有する円の直径と2つの平行平面間
距離の比を表す。
【0059】ハロゲン化銀乳剤及びその調製方法につい
ては、詳しくはリサーチ・ディスクロージャー(Res
earch Disclosure)176号1764
3,22〜23頁(1978年12月)に記載もしくは
引用された文献に記載されている。
【0060】ハロゲン化銀乳剤は化学増感されても、さ
れなくともよい。化学増感の方法としては硫黄増感、セ
レン増感、テルル増感、還元増感及び貴金属増感法が知
られており、これらの何れをも単独で用いても又併用し
てもよい。硫黄増感剤としては、公知の硫黄増感剤が使
用できるが、好ましい硫黄増感剤としては、ゼラチン中
に含まれる硫黄化合物の他、種々の硫黄化合物、例えば
チオ硫酸塩、チオ尿素類、ローダニン類、ポリスルフィ
ド化合物等を用いることができる。セレン増感剤として
は、公知のセレン増感剤を用いることができる。例えば
米国特許1,623,499号、特開昭50−7132
5号、特開昭60−150046号等に記載された化合
物を好ましく用いることができる。
【0061】本発明に用いられる写真材料には、感光材
料の製造工程、保存中あるいは写真処理中のカブリを防
止し、あるいは写真性能を安定化させる目的で、種々の
化合物を含有させることができる。即ちアゾール類、例
えばベンゾチアゾリウム塩、ニトロインダゾール類、ニ
トロベンズイミダゾール類、クロロベンズイミダゾール
類、ブロモベンズイミダゾール類、メルカプトチアゾー
ル類、メルカプトベンゾチアゾール類、メルカプトベン
ズイミダゾール類、メルカプトチアジアゾール類、アミ
ノトリアゾール類、ベンゾトリアゾール類、ニトロベン
ゾトリアゾール類、メルカプトテトラゾール類(特に1
−フェニル−5−メルカプトテトラゾール)等;メルカ
プトピリミジン類、メルカプトトリアジン類;例えばオ
キサゾリンチオンのようなチオケト化合物;アザインデ
ン類、例えばトリアザインデン類、テトラザインデン類
(特に4−ヒドロキシ置換−1,3,3a,7−テトラ
ザインデン類)、ペンタザインデン類等;ベンゼンチオ
スルホン酸、ベンゼンスルフィン酸、ベンゼンスルホン
酸アミド等のようなカブリ防止剤又は安定剤として知ら
れた多くの化合物を加えることができる。
【0062】本発明に用いられる写真乳剤の結合剤又は
保護コロイドとしてはゼラチンを用いるのが有利である
が、それ以外の親水性コロイドも用いることができる。
例えばゼラチン誘導体、ゼラチンと他の高分子とのグラ
フトポリマー、アルブミン、カゼイン等の蛋白質;ヒド
ロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、セルロース硫酸エステル類等の如きセルロース誘導
体、アルギン酸ナトリウム、澱粉誘導体などの糖誘導
体;ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコール部分
アセタール、ポリ−N−ビニルピロリドン、ポリアクリ
ル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリビ
ニルイミダゾール、ポリビニルピラゾール等の単一ある
いは共重合体の如き多種の合成親水性高分子物質を用い
ることができる。
【0063】ゼラチンとしては石灰処理ゼラチンの他、
酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチン加水分解物、
ゼラチン酵素分解物も用いることができる。
【0064】本発明に用いられる写真乳剤には、寸度安
定性の改良などの目的で水不溶又は難溶性合成ポリマー
の分散物を含むことができる。例えばアルキル(メタ)
アクリレート、アルコキシアクリル(メタ)アクリレー
ト、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリ
ルアミド、ビニルエステル(例えば酢酸ビニル)、アク
リロニトリル、オレフィン、スチレンなどの単独もしく
は組合せ、又はこれらとアクリル酸、メタクリル酸、
α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレート、スルホアルキル(メタ)アクリレー
ト、スチレンスルホン酸等の組合せを単量体成分とする
ポリマーを用いることができる。
【0065】本発明に用いられる写真乳剤及び非感光性
の親水性コロイド層には無機又は有機の硬膜剤を、ゼラ
チン等の親水性コロイドの架橋剤として添加される。例
えばクロム塩(クロム明礬、酢酸クロム等)、アルデヒ
ド類(ホルムアルデヒド、グリオキザール、グルタルア
ルデヒド等)、N−メチロール化合物(ジメチロール尿
素、メチロールジメチルヒダントイン等)、ジオキサン
誘導体(2,3−ジヒドロキシジオキサン等)、活性ビ
ニル化合物(1,3,5−トリアクリロイル−ヘキサヒ
ドロ−s−トリアジン、ビス(ビニルスルホニル)メチ
ルエーテル、N,N′−メチレンビス〔β−(ビニルス
ルホニル)プロピオンアミド〕等)、活性ハロゲン化合
物(2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジ
ン等)、ムコハロゲン酸類(ムコクロル酸、フェノキシ
ムコクロル酸等)イソオキサゾール類、ジアルデヒド澱
粉、2−クロロ−6−ヒドロキシトリアジニル化ゼラチ
ン、カルボキシル基活性化型硬膜剤等を、単独又は組み
合わせて用いることができる。これらの硬膜剤はリサー
チ・ディスクロージャー(Research Disc
losure)176巻17643(1978年12月
発行)第26頁のA〜C項に記載されている。
【0066】本発明に用いられる写真材料には、その他
の種々の添加剤が用いられる。例えば、減感剤、可塑
剤、滑り剤、現像促進剤、オイルなどが挙げられる。
【0067】本発明においては、下記に記載された化合
物を写真材料の構成層中に含有させることが好ましい。
【0068】(1)染料の固体分散微粒子体 特開平7−5629号公報(3)頁[0017]〜(1
6)頁[0042]記載の化合物 (2)酸基を有する化合物 特開昭62−237445号公報292(8)頁左下欄
11行目〜309(25)頁右下欄3行目記載の化合物 (3)酸性ポリマー 特開平6−186659号公報(10)頁[0036]
〜(17)頁[0062]記載の化合物 (4)増感色素 特開平5−224330号公報(3)頁[0017]〜
(13)頁[0040]記載の化合物 特開平6−194771号公報(11)頁[0042]
〜(22)頁[0094]記載の化合物 特開平6−242533号公報(2)頁[0015]〜
(8)頁[0034]記載の化合物 特開平6−337492号公報(3)頁[0012]〜
(34)頁[0056]記載の化合物 特開平6−337494号公報(4)頁[0013]〜
(14)頁[0039]記載の化合物 (5)強色増感剤 特開平6−347938号公報(3)頁[0011]〜
(16)頁[0066]記載の化合物 (6)ヒドラジン誘導体 特開平7−114126号公報(23)頁[0111]
〜(32)頁[0157]記載の化合物 (7)造核促進剤 特開平7−114126号公報(32)頁[0158]
〜(36)頁[0169]記載の化合物 (8)テトラゾリウム化合物 特開平6−208188号公報(8)頁[0059]〜
(10)頁[0067]記載の化合物 (9)ピリジニウム化合物 特開平7−110556号公報(5)頁[0028]〜
(29)頁[0068]記載の化合物 (10)レドックス化合物 特開平4−245243号公報235(7)頁〜250
(22)頁記載の化合物 (11)SPS支持体 特開平3−54551号公報記載の支持体 前述の添加剤およびその他の公知の添加剤については、
例えばリサーチ・ディスクロージャーNo.17643
(1978年12月)、同No.18716(1979
年11月)及び同No.308119(1989年12
月)に記載された化合物が挙げられる。これら三つのリ
サーチ・ディスクロージャーに示されている化合物種類
と記載箇所を以下に掲載した。
【0069】 添加剤 RD-17643 RD-18716 RD-308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 IV 減感色素 23 IV 998 B 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651 左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜7 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII
【0070】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
詳述するが、本発明の実施様態はこれに限定されるもの
ではない。
【0071】実施例1 −支持体1〜16の作成− (フィルム1の作成)テレフタル酸ジメチル100重量
部、エチレングリコール65重量部にエステル交換触媒
として酢酸マグネシウム水和物0.05重量部を添加
し、常法に従ってエステル交換反応を行った。得られた
生成物に、三酸化アンチモン0.05重量部、リン酸ト
リメチルエステル0.03重量部を添加した。次いで、
徐々に昇温、減圧にし、280℃、0.5mmHgで重
合を行い、固有粘度0.65のポリエチレンテレフタレ
ートを得た。
【0072】さらに、このポリエチレンテレフタレート
を150℃で8時間真空乾燥した後、押出機を用いて2
85℃で溶融押出し、30℃の冷却ドラム上に静電印加
しながら密着させ、冷却固化させ未延伸シートを得た。
この未延伸シートをロール式縦延伸機を用いて、85℃
で縦方向に3.3倍延伸した。表裏面の温度差は5℃以
内であった。
【0073】得られた一軸延伸フィルムをテンター式横
延伸機を用いて、第一延伸ゾーン90℃で総横延伸倍率
の50%延伸し、さらに第二延伸ゾーン100℃で総横
延伸倍率3.3倍となるように延伸した。次いで、70
℃で2秒間熱処理し、さらに第一熱固定ゾーン150℃
で5秒間熱固定し、第二熱固定ゾーン220℃で15秒
間熱固定して。次いで、厚さ100μmの二軸延伸ポリ
エチレンテレフタレートフィルム1を得た。
【0074】ポリエチレンテレフタレートフィルム1の
Tgは75℃であった。
【0075】前記フィルム1の一方の表面に8W/(m
2・min)のコロナ放電処理を施し、その上に下記の
下引き塗布液A−1、A−2をそれぞれ塗布し、下引き
層A−1、A−2が、それぞれ乾燥膜厚0.8μm、
0.1μmになるように塗設した。さらに、もう一方の
表面には、8W/(m2・min)のコロナ放電処理を
施し、その上に下記の下引き塗布液B−1、B−2を用
い、下引き層B−1、B−2が、それぞれ乾燥膜厚0.
8μm、1.0μmになるように塗設した後、複数のロ
ール群からなるフィルム搬送装置(ゾーン長100m)
を有する熱処理式オーブン中を搬送させながら熱処理を
行った。この時オーブン内の設定温度を表1の様に変化
させた。また、熱処理時間は、10分(ライン速度10
m/min)とした。
【0076】 <下引き塗布液A−1> ブチルアクリレート30重量%、t−ブチルアクリレート20重量%、スチレ ン25重量%、及び2−ヒドロキシエチルアクリレート25重量%の共重合体ラ テックス液(固形分30%) 270g 化合物(UL−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 0.8g 水で仕上げる 1000ml <下引塗布液B−1> ブチルアクリレート40重量%、スチレン20重量%及びグリシジルアクリ レート40重量%の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270g 化合物(UL−1) 0.6g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 0.8g 水で仕上げる 1000ml <下引塗布液A−2> ゼラチン 10g 化合物(UL−1) 0.2g 化合物(UL−2) 0.2g 化合物(UL−3) 0.1g シリカ粒子(平均粒径:3μm) 0.1g 水で仕上げる 1000ml <下引塗布液B−2> 水溶性導電性ポリマー(UL−4) 60g 化合物(UL−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80g 硫酸アンモニウム 0.5g 硬化剤(UL−6) 12g ポリエチレングリコール(重量平均分子量600) 6g 水で仕上げる 1000ml
【0077】
【化1】
【0078】
【化2】
【0079】<乳剤層・バッキング層の塗設>得られた
支持体No.1〜16に、以下の(乳剤層)と(バッキ
ング層)をそれぞれA−2及びB−2上に塗布して、ハ
ロゲン化銀写真感光材料である試料No.1〜16を作
成した。なお、このときゼラチン塗布量は、乳剤層側は
乳剤中のゼラチンも含めて2.7g/m2、バッキング
層側は2.7g/m2でゼラチン総量は5.0g/m2
なるように塗設した。
【0080】(乳剤の調製)硫酸銀溶液と塩化ナトリウ
ム及び臭化カリウム水溶液に6塩化ロジウム錯体を8×
10-5mol/Agmolとなるように加えた溶液を、
ゼラチン溶液中に流量制御しながら同時添加し、脱塩
後、粒径0.13μm、臭化銀1モル%を含む立方晶、
単分散、塩臭化銀乳剤を得た。この乳剤を通常の方法で
硫黄増感してから安定剤として4−ヒドロキシ−6−メ
チル−1,3,3a,7−テトラザインデンを添加後、
下記の添加剤を加えて乳剤塗布液を調製した。
【0081】 (乳剤塗布液の調製) ゼラチン 1.0g/m2 化合物(a) 1mg/m2 NaOH(0.5N) pH5.6に調整 化合物(b) 40mg/m2 化合物(c) 30mg/m2 サポニン(20%水溶液) 0.5ml/m2 ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ 20mg/m2 5−メチルベンゾトリアゾール 10mg/m2 化合物(d) 2mg/m2 化合物(e) 10mg/m2 化合物(f) 6mg/m2 ラテックス(m) 1.0g/m2 スチレン−マイレン酸共重合水性ポリマー(増粘剤) 90mg/m2 (乳剤保護層塗布液) ゼラチン 0.5g/m2 化合物(g)(1%水溶液) 25cc/m2 化合物(h) 120mg/m2 球状単分散シリカ(8μm) 20mg/m2 球状単分散シリカ(3μm) 10mg/m2 化合物(i) 100mg/m2 ラテックス(m) 0.5g/m2 クエン酸 pH6.0に調整。
【0082】 (バッキング層塗布液) ゼラチン 0.8g/m2 化合物(j) 100mg/m 化合物(k)
18mg/m2 化合物(l) 100mg/m2 サポニン(20%水溶液) 0.6cc/m2 ラテックス(m) 300mg/m2 5−ニトロインダゾール 20mg/m2 スチレン−マレイン酸共重合水性ポリマー(増粘剤) 45mg/m2 グリオキザール 4mg/m2 (バッキング保護層塗布液) ゼラチン 0.5g/m2 化合物(g)(1%水溶液) 2cc/m2 球状ポリメチルメタクリレート(4μ) 25mg/m2 塩化ナトリウム 70mg/m2 グリオキザール 22mg/m2 化合物(n) 10mg/m2 ラテックス(m) 0.5g/m
【0083】
【化3】
【0084】
【化4】
【0085】
【化5】
【0086】−乳剤層・バッキング層の塗設− 得られた支持体1〜16に、以下の(乳剤層)および
(バッキング層)をそれぞれA−2およびB−2上に塗
布しハロゲン化銀写真感光材料試料1〜16を作成し
た。
【0087】以上の様に作成した感光材料試料1〜16
について、以下に記載したような評価を行い、これらの
結果を表1に示す。
【0088】(評価方法) −ガラス転移温度Tg− フィルムあるいはペレット10mgを、毎分300cc
の窒素気流中、300℃で溶融し、直ちに液体窒素中で
急冷する。この急冷サンプルを示差走査型熱量計(理学
電器社製、DSC8230型)にセットし、毎分100
ccの窒素気流中、毎分10℃の昇温速度で昇温し、T
gを検出する。Tgはベースラインが偏奇し始める温度
と、新たにベースラインに戻る温度との平均値とした。
なお、測定開始温度は、測定されるTgより50℃以上
低い温度とする。
【0089】−巻きぐせ− 巾35mm、長さ210mmの寸法の写真感光材料を、
23℃、55%RHの条件下で1日調湿した後、その写
真感光層側を内側にして直径2インチ(50mm)の巻
き芯に巻き付け戻らないように固定する。次いで、この
状態でアルミバリア袋に入れ、55℃、20%RHの条
件下で4時間加熱処理し、さらに23℃、55%RHの
条件下で1時間放冷する。その後フィルムを巻き芯から
解放し、フィルムの凸部を下にして立ち上がった4角の
高さを測定しその平均値を求めた。単位は、mmであ
る。
【0090】上記の方法で求めた値をフィルムの立ち上
がりカールと呼び、巻きぐせが強いほどその量は大きく
なる。この立ち上がりカールがあまり大きいと、搬送性
や自現機での作業性が劣る原因となり、通常は40mm
以下であることが好ましい。
【0091】−支持体の平面性評価− 支持体試料1〜16を60cm×100cm(巾手×長
手)に切り出し、平面性の優れた台に載せ目視でベース
の凹凸を評価した。
【0092】 ○:平面性が良く台にぴったりとくっついている △:所々にベースのつれがみえる ×:ベースのつれで全体的に波打っている。
【0093】
【表1】
【0094】表1から明らかなように、本発明の熱処理
を施した支持体を用いた場合、巻きぐせカールは、大巾
に改良されており、また、支持体の平面性も良化するこ
とがわかる。
【0095】実施例2 実施例1のフィルム1の作成時に、縦延伸の延伸温度
を、電熱ヒータを一方の面にあてることで、表裏の温度
差をもたせて延伸した。このとき冷却ドラム面側を高温
側とし、支持体17〜22を表2のように変化して作成
した。
【0096】次いで、キャスティングドラム面側に乳剤
層を、反対側にバッキング層を塗設してハロゲン化銀写
真感光材料試料17〜22を作成し、実施例1と同様な
評価を行った。その結果を表2に示す。
【0097】
【表2】
【0098】表2から明らかなように、縦延伸時に表裏
に温度差をもたせて延伸した支持体を熱処理した場合、
より巻ぐせカールが改良されることが分かる。
【0099】実施例3 実施例1と同様にして作成したフィルム1を、支持体の
熱処理時に熱処理ゾーン内の相対湿度を表3のように変
化させて支持体23〜27を作成し、支持体28,29
の熱処理時には、ゾーン内に過熱蒸気を吹き込んで作成
した。
【0100】また、支持体30〜32は、温水層中に搬
送ローラーを設置して熱処理を行った。
【0101】以上のようにして熱処理された支持体23
〜32に、実施例1と同様に乳剤層、バッキング層を塗
設しハロゲン化銀感光材料試料23〜32を作成し評価
した。その結果を表3に示す。
【0102】
【表3】
【0103】表3から明らかなように、水分の多量に存
在する雰囲気下で本発明の熱処理を行うと、より巻ぐせ
カールが改良されることが分かる。
【0104】
【発明の効果】本発明により、ロール状に巻かれて製造
或いは使用されるハロゲン化写真感光材料の、巻きぐせ
がつきずらく、作業性に優れたハロゲン化銀写真感光材
料用支持体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 二軸延伸されたポリエステルフィルムか
    らなる写真用支持体において、該支持体が、下引き層塗
    布乾燥後から乳剤層塗布されるまでの間で、該支持体を
    5kg/m〜60kg/mの張力で搬送しながら、ポリ
    エステルフィルムのTg〜Tg+35℃の温度で熱処理
    することを特徴とする写真用支持体。
  2. 【請求項2】 前記写真用支持体を10kg/m〜30
    kg/mの張力で搬送しながら熱処理することを特徴と
    する請求項1記載の写真用支持体。
  3. 【請求項3】 前記写真用支持体をポリエステルフィル
    ムのTg+5℃〜Tg+25℃の温度で熱処理すること
    を特徴とする請求項1又は2に記載の写真用支持体。
  4. 【請求項4】 前記ポリエステルフィルムを、延伸製膜
    時に10℃〜40℃の表裏面の温度差を付けながら延伸
    して製膜することを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    1項に記載の写真用支持体。
  5. 【請求項5】 前記熱処理を、相対湿度20%RH〜1
    00%RHの雰囲気下で、または、過熱水蒸気中で、ま
    たは、水浴中で行うことを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載の写真用支持体。
JP19467896A 1996-07-24 1996-07-24 写真用支持体 Pending JPH1039448A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19467896A JPH1039448A (ja) 1996-07-24 1996-07-24 写真用支持体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19467896A JPH1039448A (ja) 1996-07-24 1996-07-24 写真用支持体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1039448A true JPH1039448A (ja) 1998-02-13

Family

ID=16328479

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19467896A Pending JPH1039448A (ja) 1996-07-24 1996-07-24 写真用支持体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1039448A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004292793A (ja) * 2003-03-13 2004-10-21 Jsr Corp フィルムまたはシートの処理方法
JP2005521193A (ja) * 2001-09-11 2005-07-14 デュポン テイジン フィルムズ ユー.エス.リミテッド パートナーシップ 可撓性電子および光電子素子用の熱安定化されたポリ(エチレンナフタレート)フィルム
JP2009143042A (ja) * 2007-12-12 2009-07-02 Toyobo Co Ltd 偏光板離型用ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムおよびその製造方法
JP2009241600A (ja) * 2009-03-30 2009-10-22 Toyobo Co Ltd 二軸延伸ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005521193A (ja) * 2001-09-11 2005-07-14 デュポン テイジン フィルムズ ユー.エス.リミテッド パートナーシップ 可撓性電子および光電子素子用の熱安定化されたポリ(エチレンナフタレート)フィルム
JP2010114096A (ja) * 2001-09-11 2010-05-20 Dupont Teijin Films Us Lp 可撓性電子および光電子素子用の熱安定化されたポリ(エチレンナフタレート)フィルム
JP2004292793A (ja) * 2003-03-13 2004-10-21 Jsr Corp フィルムまたはシートの処理方法
JP2009143042A (ja) * 2007-12-12 2009-07-02 Toyobo Co Ltd 偏光板離型用ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルムおよびその製造方法
JP2009241600A (ja) * 2009-03-30 2009-10-22 Toyobo Co Ltd 二軸延伸ポリエチレンテレフタレート系樹脂フィルム

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH1039448A (ja) 写真用支持体
JP2631144B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料の製造方法
JPH0990561A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH0968777A (ja) 下引層を有する写真用支持体
JPH09230537A (ja) 写真用支持体
JP3467667B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料用支持体の製造方法およびハロゲン化銀写真感光材料
JPH09218486A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH09101591A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその支持体
JPH1039447A (ja) 写真用支持体、その製造方法及びハロゲン化銀写真感光材料
JP3467668B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP3458206B2 (ja) 写真用支持体
JPH09204004A (ja) 写真用ポリエステルフィルム支持体およびその製造方法
JP3517797B2 (ja) 写真用支持体
JPH0950094A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH08328198A (ja) 写真用支持体
JP2000122223A (ja) 微粉状の天然有機物を含有するハロゲン化銀写真感光材料
JPH11203656A (ja) 磁気記録媒体及びハロゲン化銀写真感光材料
JPH0968776A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP2583455B2 (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JP4306131B2 (ja) 熱現像用ハロゲン化銀写真感光材料
JP2005062781A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料及びその製造方法
JPH09281651A (ja) ポリエステル支持体及び感光材料
JPH0728191A (ja) ハロゲン化銀写真感光材料
JPH09120114A (ja) 写真用支持体の製造方法
JPH11352639A (ja) 写真用支持体、ハロゲン化銀写真感光材料及び熱現像写真感光材料