JPH1037721A - 弁開閉時期制御装置 - Google Patents

弁開閉時期制御装置

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JPH1037721A
JPH1037721A JP19361596A JP19361596A JPH1037721A JP H1037721 A JPH1037721 A JP H1037721A JP 19361596 A JP19361596 A JP 19361596A JP 19361596 A JP19361596 A JP 19361596A JP H1037721 A JPH1037721 A JP H1037721A
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JP
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fluid
camshaft
phase
oil
flow path
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Application number
JP19361596A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Nakadouzono
博 幸 中堂薗
Kazumi Ogawa
川 和 己 小
Katsuhiko Eguchi
口 勝 彦 江
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Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 位相保持機構104の作動回数を減らして、
位相保持機構104の耐久性と信頼性を向上させるこ
と。 【解決手段】 位相保持機構104の係合ピン106を
段付ピンとし、進角油路84と遅角油路86のそれぞれ
が係合ピン106を受容孔112から排出する方向に付
勢して、オイルポンプ98の吐出圧力が低下しないかぎ
り係合ピン106が受容孔112に挿入されないように
したこと。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関のクラン
クプーリからの回転力がタイミングプーリを介して伝達
されるカムシャフトとタイミングプーリとの間で運転状
態に応じた位相の可変を行う内燃機関用の弁開閉時期制
御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、タイミングプーリとカムシャ
フトとのタイミングを制御する弁開閉時期制御装置は多
数紹介されており、その一例としてベーンタイプの弁開
閉時期制御装置が知られている。
【0003】例えば、ベーンタイプの弁開閉時期制御装
置には、特開平1−92504号に開示されたものがあ
る。
【0004】この公報に開示された技術を図5及び図5
のC−C断面図である図6により説明すると、1はタイ
ミングプーリで図示しない内燃機関のクランクプーリを
駆動源とし、環状ベルト、環状チェーン又はギア等によ
って回転力が伝えられるようになっている。4はカムシ
ャフトでエンジンのシリンダーヘッド14に支承されて
おり、ベーン2が内部ロータ3を介してカムシャフト4
に固定されている。ベーン2にはカムシャフト4の軸方
向に2つのスプリング受容孔2a,2bが形成されてお
り、受容孔2a,2bにはコイルスプリング25a,2
5bが収容され、ベーン2をタイミングプーリ1の方向
に付勢している。また、タイミングプーリ1のタイミン
グプーリ内周部1aには仕切壁1bが形成されており、
仕切壁1b、1bの間に油圧室8が形成されている。こ
の油圧室8にはそれぞれベーン2が挿入され、該ベーン
2と外側版5とにより圧力作動室9,9aが形成され、
かつ外側板5はプレート21及び固定ボルト20とによ
り位置決めされている。すなわち、ベーン2を含むカム
シャフト4側と、油圧室8を含むタイミングプーリ1の
側とは、相対回転可能に支承されている。また、この相
対回転は、ベーン2がタイミングプーリ内周部に設けら
れた油圧室8の範囲で回転することによって達成され、
その角度は図6に示すθの角度だけ回転することができ
る。カムシャフト4とタイミングプーリ1との相対回転
は、ベーン2の両側に設けられた圧力作動室9,9aへ
吸排する油圧によって、ベーン2を回転することによっ
て行われている。なお、図6に矢印で示す回転方向に対
して、ベーン2よりも上流側を圧力作動室9とし、ベー
ン2よりも下流側を圧力作動室9aとした。この油圧は
図示しないオイルポンプを油圧源とし、その制御を切換
バルブ15の制御によって行っている。この切換バルブ
15は、ソレノイド13へ通電することによって弁スプ
ール18をスプリング16に抗して図示右方向へ摺動さ
せるものであり、オイルポンプから排出されたオイルを
油路12から切換バルブ15へ採り入れ、油路10、1
1を介してベーン2の両側の油圧作動室9,9aの油圧
を調節するものである。
【0005】このような構造の従来技術の作動は、油路
10は圧力作動室9へ連通しており、油路11は圧力作
動室9aへ連通している。切換バルブ15を制御して油
路10へオイルを供給し圧力作動室9の油圧を高める
と、ベーン2が図8の矢印で示す方向に回転し、カムシ
ャフト4の位相がタイミングプーリ1に対してベーン2
の回転分だけ進ませることができ、カムシャフト4に回
転に伴って開閉する吸気弁又は排気弁の開閉タイミング
を進ませることができる。また、逆に切換バルブ15を
制御して油路11へオイルを供給し圧力作動室9aの油
圧を高めると、ベーン2が図8の矢印と逆方向に回転
し、カムシャフト4の位相がタイミングプーリ1に対し
てベーン2の回転分だけ遅らせることができ、カムシャ
フト4に回転に伴って開閉する吸気弁又は排気弁の開閉
タイミングを遅らせることができる。
【0006】なお、図6に示す22はノックピンで、内
部ロータ3に設けた穴24内にスプリング23の付勢力
により挿入されている。この穴24の位置は、ベーン2
のオイル溝8内の相対回転可能範囲の端部であり、タイ
ミングプーリ1の回転方向に対して最も遅れた位置に設
けられている。また、22aもノックピンでありノック
ピン22と対称位置に設けられており、図6に示す状態
から角度θだけ相対回転すると、ノックピン22aは穴
24aにスプリング23aの付勢力により挿入されるよ
うになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来技術におい
ては、2つのノックピン22、22aがタイミングプー
リ1とカムシャフト4の位相変換範囲の最進角位置と最
遅角位置に配置されており、タイミングプーリ1とカム
シャフト4との位相が変化して最遅角位置となりノック
ピン22が穴24に対向する位置になるとノックピン2
2が穴24に挿入されタイミングプーリ1とカムシャフ
ト4との位相を固定する。この状態から、進角方向に油
圧を制御すると、ノックピン22が穴24から排出さ
れ、最進角位置まで位相が変化すると、今度はノックピ
ン22aが穴24aに挿入されタイミングプーリ1とカ
ムシャフト4との位相を固定する。つまり、上記の従来
技術においては、エンジンが回転して弁開閉時期制御装
置を作動する状況においては、ノックピン22、ノック
ピン22aがそれぞれ穴24、穴24aに挿入された
り、排出されたりする作動を繰り返している。従って、
ノックピン22、ノックピン22aおよび穴24、穴2
4aを構成する内部ロータ3は、極度の耐久性を確保で
きる素材を用いて成形し、その構成は高い信頼性を必要
としていた。
【0008】また、ノックピン22、22aを穴24、
24aに挿入することにより、タイミングプーリ1とカ
ムシャフト4との位相を固定する主たる目的は、エンジ
ンの始動時などオイルポンプが発生する油圧が十分な大
きさを確保できない状態でカムシャフトを回転させる
と、ベーン2が油圧室8内で動いて仕切壁1bに当接し
て打音が発生することを防止して、異音の発生の防止と
ベーン2の耐久性を向上するためのものである。従っ
て、オイルポンプが発生する油圧が十分な大きさとなる
エンジンの通常運転中にノックピン22、22aが係合
解除を繰り返すことは、弁開閉時期制御装置の作動性、
耐久性において損失が大きくなっていた。
【0009】本発明は、上記の従来技術の問題点を解決
した弁開閉時期制御装置を開示するものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ために出願人らは、エンジンの通常運転中は常に係合機
構が開放した状態で維持され、係合機構の耐久性の向上
を図ることに着目した。
【0011】上記した課題を解決するために請求項1の
発明において講じた手段は、内周部に複数の流体室を形
成する仕切壁を備えた回転伝達部材と、流体室を区画す
るベーンを取り付けた吸気弁又は排気弁を開閉させるカ
ムシャフトと、ベーンで区画される流体室をそれぞれ第
1の流体作動室と第2の流体作動室とし、流体作動室へ
の流体圧により回転伝達部材と前記カムシャフトとの位
相を可変とする位相可変機構と、第1流体作動室へ流体
を給排する第1流路と、第2流体作動室へ流体を給排す
る第2流路と、第1流路の流体圧と前記第2流路の流体
圧との両方の流体圧が低下したときに回転伝達部材とカ
ムシャフトとの位相を保持する係合機構とから弁開閉時
期制御装置を構成したことである。従って、エンジンの
停止時など流体作動室への流体の供給を停止したときの
み、回転伝達部材とカムシャフトとの位相を係合機構に
よって保持されるので、弁開閉時期制御装置の係合機構
の耐久性や信頼性を向上することが可能となる。
【0012】請求項2の発明において講じた手段は、係
合機構が、回転伝達部材又はカムシャフトの一方の部材
に配置され、他方の部材側にバネで付勢された大径部と
小径部とを備えた段付ピンと、他方の部材に形成したピ
ンの小径部が挿入される受容孔とから構成し、第1流路
の流体が大径部に作用し、第2流路の流体が小径部に作
用するようにしたことである。従って、係合機構の段付
ピンは第1流路の流体または第2流路の流体のいずれか
一方の流体圧によって作動を解除されるので、弁開閉時
期制御装置が作動される間、すなわち第1流路の流体ま
たは第2流路の流体の少なくとも一方に流体が供給され
るときは段付ピンが受容孔に挿入されることがなく、段
付ピンの不要な受容孔への挿入を防止することが可能と
なる。
【0013】請求項3の発明において講じた手段は、段
付ピンの大径部と段付ピンに隣接する第1流体作動室と
の間に流体を連通する通路を形成したことである。従っ
て、段付ピンの大径部へ流体を供給する通路を容易に形
成することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明に係る第1の実施の形態を
図1〜4に基づいて説明する。
【0015】図1は、本発明を用いた第1の実施の形態
の弁開閉時期制御装置30を示す図面である。図1に示
すように弁開閉時期制御装置30は、DOHCエンジン
に適用したものである。シリンダヘッド32には、回転
可能に支持された吸気バルブ用カムシャフト34と排気
ハルブ用カムシャフト36が取り付けられている。吸気
バルブ用カムシャフト34の外周には相対回転可能に取
り付けられたギヤ38と、排気ハルブ用カムシャフト3
6の外周には相対回転不能に取り付けられたギヤ40と
がそれぞれ取り付けられており、ギヤ38とギヤ40と
が噛み合うことにより吸気バルブ用カムシャフト34と
排気ハルブ用カムシャフト36とが連結している。本実
施の形態の弁開閉時期制御装置30は、吸気バルブ用カ
ムシャフト34(回転軸、以下、カムシャフト34とい
う)に取り付けられている。
【0016】タイミングプーリ42は、シリンダーヘッ
ド32から突出したカムシャフト34の端部にボルト4
4によって固定され、ストッパピン46によって位置決
めされ相対回転不能に固定されている。
【0017】カムシャフト34の外周には、ギヤ38、
フロントプレートハウジング48、環状ハウジング5
0、リアプレートハウジング52がボルト54によって
一体に締結され回転伝達部材56を形成し、カムシャフ
ト14と相対回転可能に装着されている。フロントプレ
ートハウジング48とリアプレートハウジング52に挟
まれた環状ハウジング50の内部には、図2に示すよう
に仕切壁58、58の間に5つの油圧室(圧力室)60
と、環状ハウジング50の外側から切削した支持孔62
が設けられている。支持孔62には底部64があり、底
部64の略中央には支持孔62よりも径の小さな孔66
が形成されている。
【0018】カムシャフト34の外表面には、内周ロー
タ68がピン70によって相対回転不能に固定され、ナ
ット72によってカムシャフト34の段部35との間で
締めつけられて固着している。5つのベーン74は、内
周ロータ68に形成されたベーン受容溝76に内周側の
端部を係止して放射方向に延びている。ベーン74の内
周側には受容溝76との間に隙間78が形成されてお
り、この隙間78には図示しない板バネが配置されてお
りベーン74を外側へ付勢している。ベーン74は、そ
れぞれの油圧室60を進角油圧室80と遅角油圧室82
とに区画している。内周ロータ68に取り付けたベーン
74と、環状ハウジング50に設けた進角油圧室80お
よび遅角油圧室82とによって、位相可変機構を形成し
ている。
【0019】カムシャフト34の内部には、進角油圧室
80と遅角油圧室82とにそれぞれ連通した進角油路8
4と遅角油路86が形成されている。図2に示すよう
に、遅角油路86はカムシャフト34の内部に2本形成
されている。進角油路84と遅角油路86とは、それぞ
れカムシャフト34とシリンダーヘッド32との間に形
成した進角油路接続リング88と遅角油路接続リング9
0を介して制御バルブ92と連通している。制御バルブ
92は、エンジンの回転数やエンジンの出力等の情報を
受ける中央制御装置(ECU)94からの信号によって
作動する92a、92b、92cの3つの室を備えた電
磁弁である。制御バルブ92は、更に、オイルパン96
からオイルポンプ98を介して油圧を導入する通路10
0とオイルパン96へ油圧を排出する通路102とに連
結されている。
【0020】図2に示す104は位相保持機構であり、
環状ハウジング50の支持孔62内に段付ピン106が
スプリング108によって内周ロータ68側へ付勢され
て配置されている。段付ピン106は先端に孔66の径
とほぼ同一径の小径部110と大径部111とを備えて
いる。環状ハウジング50と、カムシャフト34と一体
で回転する内周ロータ68との位相変化により、段付ピ
ン106の小径部110が内周ロータ68に設けた受容
孔112と一致したとき(最遅角状態)に、段付ピン1
06の小径部110がスプリング108の付勢力によっ
て受容孔112に挿入され、環状ハウジング50と内周
ロータ68との位相を固定することができるようになっ
ている。また、段付ピン104の係合は、内周ロータ6
8側からの油圧によって、スプリング108の付勢力に
抗して受容孔112から排出される。
【0021】また、114は、遅角油圧室82と支持孔
62の底部64の近傍との間を連通する通路であり、遅
角油圧室82の油圧を支持孔62内に導くことができ
る。
【0022】なお、図3は環状ハウジング50と、カム
シャフト34と一体で回転する内周ロータ68との位相
変化による最進角状態の図面であり、図4は位相保持機
構104が係合した状態を示す図面である。
【0023】上記の弁開閉時期制御装置30の作動につ
いて説明する。図示しないタイミングプーリの回転がチ
ェーンベルト等を介してタイミングプーリ42に伝達さ
れると、タイミングプーリ42の回転はタイミングプー
リ42と一体となったカムシャフト34を図2に矢印で
示す方向に回転させると共に、内周ロータ68、ベーン
74、回転伝達部56(ギヤ38、フロントプレートハ
ウジング48、環状ハウジング50、リアプレートハウ
ジング52)、ギヤ40を介して吸気バルブ用カムシャ
フト36にも伝達される。
【0024】ここで、ベーン74は油圧室60内で回動
可能であり、カムシャフト34の位相変化が可能であ
る。エンジンの回転数やエンジンの出力状態によってE
CU94によって制御バルブ92を切り換えて、カムシ
ャフト34の回転位相と吸気バルブ用カムシャフト36
の回転位相を変化させる。具体的には、制御バルブ92
を図1に示すように室90aにして通路100のオイル
を進角油路84へ供給する。そして、進角油圧室80供
給されるオイルの油圧によってベーン74を図2に示す
矢印と逆の方向(時計の回転方向)へ回転させて、図3
に示すように、カムシャフト34の回転に比べて吸気バ
ルブ用カムシャフト36の回転を進角させる。
【0025】逆に、図3に示す最進角位置から、制御バ
ルブ92を室90cに切り換えて、遅角油路86を介し
て遅角油圧室82へオイルを供給し、進角油圧室80の
オイルを進角油路84を介してオイルパン96へ排出し
て、ベーン74を図2に示す矢印の方向へ回転させて、
カムシャフト34の回転に比べて吸気バルブ用カムシャ
フト36の回転を遅角させることができる。なお、制御
バルブ92を室90bに切り換えて、ベーン74を挟む
進角油圧室80と遅角油圧室82との油圧を調整し保持
して、ベーン74を所望の位置で保持することもでき
る。
【0026】なお、本実施の形態においては、オイルに
よる油圧で弁開閉時期制御装置30の位相を変換してい
るが、オイル以外にエアー等の流体によって位相を変換
することも可能である。
【0027】次に、図2〜図4に基づき位相保持機構1
04の作動について説明する。
【0028】エンジンが始動時、即ちオイルポンプ98
の吐出オイルが十分な圧力となるまでの時間帯において
は進角油圧室80と遅角油圧室82との油圧が低下して
おり、ベーン74を油圧室60の一定の位置に保持する
ことができない状態となっている。従って、カムシャフ
ト34が図2〜図4に示す矢印の方向に回転することに
よって、ベーン74の位置にかかわらず図2に示す最遅
角位置まで環状ハウジング50と内部ロータ68を相対
回転させる。最遅角位置まで相対回転すると、スプリン
グ108の付勢力によって段付ピン106の小径部11
0を受容孔112に挿入させる。従って、エンジンの始
動時には段付ピン106によって環状ハウジング50と
内部ロータ68との相対位置を固定することができるの
で、オイルポンプ98から十分な吐出オイルが進角油圧
室80又は遅角油圧室82に供給されなくても、ベーン
74が油圧室60の壁に当接して打音を発生したり、ベ
ーン74が油圧室60の壁に当接して変形したりする不
具合を防ぐことができる。次に、図4の状態からオイル
ポンプ98の吐出オイルが十分な圧力となり、図3に示
すようにカムシャフト34の回転に比べて吸気バルブ用
カムシャフト36の回転を進角させる場合には、進角油
路84へ供給されたオイルが、進角油圧室80へ供給さ
れると共に、その一部は段付ピン106の小径部110
の内周側に作用し、段付ピン106をスプリング108
の付勢力に抗して受容孔112から排出する。段付ピン
106の小径部110が受容孔112から排出されるこ
とによって、カムシャフト34と環状ハウジング50と
の相対回転が可能となる。
【0029】逆に、図3に示す最進角状態から図2に示
すカムシャフト34の回転に比べて吸気バルブ用カムシ
ャフト36の回転を最遅角状態にするには、遅角油路8
6を介して遅角油圧室82へ供給され、遅角油圧室82
のオイルは通路114を介して段付ピン106の大径部
111に作用する。従って、図2に示す最遅角状態とな
り、段付ピン106の小径部110の先端に作用するオ
イルがなくても、通路114を介して段付ピン106の
大径部111に作用するオイルによって、段付ピン10
6の小径部110が内部ロータ68の受容孔112に係
合することがない。
【0030】このように、本実施の形態の位相保持機構
104は、エンジンの運転中(オイルポンプ98が十分
なオイルを吐出する間)は段付ピン106を受容孔11
2に係合することなく、エンジンの始動時(オイルポン
プ98が十分なオイルを吐出できない間)のみ段付ピン
106を受容孔112に係合するので、段付ピン106
の作動回数を大幅に減少させることができ、経時変化に
よる位相保持機構104の耐久性や信頼性を向上するこ
とができる。
【0031】また、本実施の形態においては位相保持機
構104を1個のみ設けた弁開閉時期制御装置30とし
たが、本発明は、図6に示した従来技術の弁開閉時期制
御装置ように最進角位置と最遅角位置のそれぞれに位相
保持機構を設けるタイプや、最進角位置から最遅角位置
までの中間位置に位相保持機構を設けるタイプにも用い
ることができる。
【0032】
【発明の効果】上記した請求項1の発明によれば、内周
部に複数の流体室を形成する仕切壁を備えた回転伝達部
材と、流体室を区画するベーンを取り付けた吸気弁又は
排気弁を開閉させるカムシャフトと、ベーンで区画され
る流体室をそれぞれ第1の流体作動室と第2の流体作動
室とし、流体作動室への流体圧により回転伝達部材と前
記カムシャフトとの位相を可変とする位相可変機構と、
第1流体作動室へ流体を給排する第1流路と、第2流体
作動室へ流体を給排する第2流路と、第1流路の流体圧
と前記第2流路の流体圧との両方の流体圧が低下したと
きに回転伝達部材とカムシャフトとの位相を保持する係
合機構とから弁開閉時期制御装置を構成したことであ
る。従って、エンジンの停止時などオイルポンプが停止
して流体作動室への流体の供給を停止したときのみ、回
転伝達部材とカムシャフトとの位相を係合機構によって
保持されるので、弁開閉時期制御装置の係合機構の耐久
性や信頼性を向上することができる。
【0033】請求項2の発明によれば、係合機構が、回
転伝達部材又はカムシャフトの一方の部材に配置され、
他方の部材側にバネで付勢された大径部と小径部とを備
えた段付ピンと、他方の部材に形成したピンの小径部が
挿入される受容孔とから構成し、第1流路の流体が大径
部に作用し、第2流路の流体が小径部に作用するように
したことである。従って、係合機構の段付ピンは第1流
路の流体または第2流路の流体のいずれか一方の流体圧
によって作動を解除されるので、弁開閉時期制御装置が
作動される間、すなわち第1流路の流体または第2流路
の流体の少なくとも一方に流体が供給されるときは段付
ピンが受容孔に挿入されることがなく、段付ピンの不要
な受容孔への挿入を防止することができる。
【0034】請求項3の発明によれば、段付ピンの大径
部と段付ピンに隣接する第1流体作動室との間に流体を
連通する通路を形成したことである。従って、段付ピン
の大径部へ流体を供給する通路を容易に形成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である弁開閉時期制
御装置の断面を示したものである。
【図2】図1のA−A断面図の最遅角状態を示したもの
である。
【図3】図1のA−A断面図の最進角状態を示したもの
である。
【図4】図1のA−A断面図でエンジン始動時の最遅角
状態を示したものである。
【図5】従来技術の弁開閉時期制御装置の断面を示した
ものである。
【図6】図5のC−C断面図を示したものである。
【符号の説明】
30・・・弁開閉時期制御装置 34・・・カムシャフト 56・・・回転伝達部材 58・・・仕切壁 60・・・油圧室(流体室) 74・・・ベーン 80・・・進角油圧室(第2の流体作動室) 82・・・遅角油圧室(第1の流体作動室) 84・・・進角油路(第1流路) 86・・・遅角油路(第2流路) 104・・・位相保持機構(係合機構) 106・・・段付ピン 110・・・小径部 111・・・大径部 112・・・受容孔 114・・・通路

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周部に複数の流体室を形成する仕切壁
    を備えた回転伝達部材と、前記流体室を区画するベーン
    を取り付けた吸気弁又は排気弁を開閉させるカムシャフ
    トと、前記ベーンで区画される流体室をそれぞれ第1の
    流体作動室と第2の流体作動室とし、該流体作動室への
    流体圧により前記回転伝達部材と前記カムシャフトとの
    位相を可変とする位相可変機構と、前記第1流体作動室
    へ流体を給排する第1流路と、前記第2流体作動室へ流
    体を給排する第2流路と、前記第1流路の流体圧と前記
    第2流路の流体圧との両方の流体圧が低下したときに前
    記回転伝達部材と前記カムシャフトとの位相を保持する
    係合機構とからなる弁開閉時期制御装置。
  2. 【請求項2】 前記係合機構は、前記回転伝達部材又は
    前記カムシャフトの一方の部材に配置され、他方の部材
    側にバネで付勢された大径部と小径部とを備えた段付ピ
    ンと、他方の部材に形成した前記ピンの小径部が挿入さ
    れる受容孔とから構成し、前記第1流路の流体が前記大
    径部に作用し、前記第2流路の流体が前記小径部に作用
    する請求項1記載の弁開閉時期制御装置。
  3. 【請求項3】 前記段付ピンの大径部と前記段付ピンに
    隣接する第1流体作動室との間に流体を連通する通路を
    備えた請求項2記載の弁開閉時期制御装置。
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