JPH1036150A - 水硬性物質用補強材及び水硬性硬化物 - Google Patents
水硬性物質用補強材及び水硬性硬化物Info
- Publication number
- JPH1036150A JPH1036150A JP19434896A JP19434896A JPH1036150A JP H1036150 A JPH1036150 A JP H1036150A JP 19434896 A JP19434896 A JP 19434896A JP 19434896 A JP19434896 A JP 19434896A JP H1036150 A JPH1036150 A JP H1036150A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fiber
- reinforcing material
- pull
- hydraulic
- matrix
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B16/00—Use of organic materials as fillers, e.g. pigments, for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of organic materials specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
- C04B16/04—Macromolecular compounds
- C04B16/06—Macromolecular compounds fibrous
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C04—CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
- C04B—LIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
- C04B16/00—Use of organic materials as fillers, e.g. pigments, for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of organic materials specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
- C04B16/04—Macromolecular compounds
- C04B16/06—Macromolecular compounds fibrous
- C04B16/0616—Macromolecular compounds fibrous from polymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
- C04B16/0641—Polyvinylalcohols; Polyvinylacetates
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Ceramic Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Structural Engineering (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Abstract
ラック発生後のタフネスも改善できる補強材及び水硬性
硬化物を提供する。 【解決手段】 引張強度70kg/mm2 以上、引抜抵
抗10〜80kg/cm、摩擦抵抗10kg/cm2 以
上の繊維状物からなる水硬性物質用補強材、及び該補強
材により補強された水硬性硬化物。
Description
材及び該補強材で補強された水硬性硬化物に関する。
関連分野でセメントペ−スト、セメント、モルタル、セ
メントコンクリ−ト等として広く使用され、重要な建築
資材として位置付けられている。これらは、圧縮強度は
高いものの引張強力が低く脆弱性である。一般には、こ
の脆弱性をカバ−し、引張強度を補強するため鉄筋、鉄
骨や、特殊な場合には石綿を混入することが知られてお
り、近年では有機繊維等の繊維状物を補強材とすること
も検討されている。
トリックスと繊維状物双方の体積分率とそれらのモジュ
ラスの積の和でその硬化物の強度が予測される(複合
則)。かかる複合則は、補強材とマトリックスの界面結
合力が十分に存在することが前提となっているが、多く
の補強材においてはセメント等の水硬物質との間に十分
な結合力を有していないのが現状である。以上のことか
ら、強度が高いのみでなく、水硬性物質との親和性に優
れたポリビニルアルコ−ル系繊維(PVA系繊維)が補
強材として広く使用されている。
ックスの接着力が高い方が好ましいと考えられており、
以上の点からPVA系繊維が広く使用されているが、本
発明者等は、鋭意研究の結果、マトリックスとの接着性
が過大になると補強効果の点で不都合が生じやすいこと
を見出だした。すなわち、補強材とマトリックスとの接
着力(引抜抵抗力)高すぎると、外部応力を受けて硬化
物にクラック等が生じた場合、補強材がマトリックスに
かたく固定されているため、クラック部分に存在してブ
リッジングしている単繊維(ブリッジングファイバ−)
の局所のみに応力が集中し、繊維内部において応力の分
散ができないため、ブリッジングしていない他の繊維へ
の応力分散がなされる前にブリッジングファイバ−の切
断してしまうこととなる。その結果、クラックの発生と
単繊維の各個破断が連鎖反応的に生じ、ただ1カ所クラ
ックが発生することによってカタストロフィックな破断
が生じることがモデル上予想される。
着性の高い補強繊維はクラックの発生に対する抑止力と
はなるものの、クラック発生後のタフネスの向上には寄
与しないと思われる。以上のことから、本発明の目的
は、水硬性物質の脆弱性を高めるのみでなく、クラック
発生後のタフネスをも改善できる補強材及び水硬性硬化
物を提供することにある。
kg/mm2 以上、引抜抵抗10〜80kg/cm2、
摩擦抵抗10kg/cm2 以上の繊維状物からなる水硬
性物質用補強材、および該繊維状物により補強された水
硬性硬化物を提供するものである。
に説明した複合則にあるように、繊維状物のモジュラス
が高いほど優れた補強効果が得られるが、かかる複合則
が適用されるのは、マトリックスが曲げ応力によって極
めて小さい歪みを形成する領域(比例限界強度LOP:
Limit of Proportiorality)までである。従って、高モ
ジュラスの繊維を用いることによってLOPを高める
(クラックを発生しにくくする)ことは期待できるもの
の、マトリックスの歪みが大きくなってクラックが生じ
た後の強度向上及び強度維持(タフネス向上)の点では
十分な効果が得られない。クラック発生後において高い
ブリッジング効果を得るためには、引張強度の高い繊維
状物を使用する必要があり、具体的には、70kg/m
m2 以上、好ましくは80kg/mm2 以上である必要
である。強度が低くすぎると、クラック発生後に容易に
補強材が破断してブリッジング効果が得られず、硬化体
のタフネスが不十分となる。
みでは補強効果は十分発揮されず、クラック発生後にブ
リッジングファイバ−が繊維内部及び他の多くの繊維に
応力分散されるように補強材が適度の自由度を有し、か
つ十分なブリッジング効果を発揮するためにマトリック
スに対して適度の結合力を有する必要がある。以上のこ
とから、比較的低い引抜抵抗と高い摩擦抵抗を有する補
強材、具体的には引抜抵抗10〜80kg/mm2 、か
つ摩擦抵抗が10kg/mm2 以上の補強材を用いる。
好ましくは、引抜抵抗30〜75kg/mm2 、摩擦抵
抗12kg/mm2 以上である。
(引抜抵抗)が高いほど好ましいとされているが、本発
明者等は、比較的低い引抜抵抗を有し、かつ高い摩擦抵
抗をする補強材を用いた場合に顕著な効果が得られるこ
とを見出だした。すなわち、マトリックスへの接着性
(引抜抵抗)が高すぎると、外部応力によってクラック
が生じた後、繊維の自由度が低くかたく固定されている
ため、ブリッジングファイバ−の局所のみに応力が集中
して他の単繊維に応力が分散される前にブリッジングフ
ァイバ−が破断し、結果的に十分な補強効果が得られな
い。従って、比較的低い引抜抵抗を有する補強材を使用
した場合には、繊維の自由度が高いために、ブリッジン
グファイバ−の局所に集中した応力が該繊維内部及び他
の多くの繊維に分散して繊維の破断が抑制され、しかも
高い摩擦抵抗及び繊維強度によって十分なブリッジング
効果が得られるのでる。
めの手段は特に限定されないが、たとえばPVA系繊維
のように繊維本来の引抜抵抗が高いものは、エポキシ系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、弗素化合物等の疎水性物
質を付与またはコ−テイングしてマトリックスに対する
親和性をコントロ−ルする方法が挙げられる。疎水基で
変性したPVAを表面に付与してもよい。このとき繊維
への付着率は0.1〜10重量%程度とするのが好まし
い。逆に、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等の
ように引抜抵抗の低い繊維(疎水性の高い繊維)を用い
る場合には、たとえば低温プラズマ処理による繊維表面
の活性化や、エッチングなどでマトリックスへの親和性
を高めたり、インデント加工(押し付け加工)やフック
状に折り曲げる、ウエ−ブを付ける等の加工を行う方法
が挙げられる。
いが、鋼繊維等の金属繊維は、発錆性を有するとともに
比重が7〜8と大きく軽量化の点で問題があることか
ら、不錆性で比重が0.9〜1.5と小さい有機繊維を
補強材とすることが好ましい。たとえば、高重合度ポリ
エチレン繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ポリアリレ−
ト繊維等の高強力高弾性率繊維が挙げられるが、これら
は水への親和性が乏しく引抜試験後の摩擦抵抗を高める
ことが困難であるため、水への親和性が高く強力及び耐
候性、耐アルカリ性が高く、コスト的にも有利なポリビ
ニルアルコ−ル系繊維を用いるのが好ましい。PVA系
繊維は本来水硬性物質との親和性が高く、本発明の特徴
は、これまで高いほど好ましいとしたその「親和性」を
低減せしめることにあり、PVA系繊維を用いた場合に
本発明の特徴が一層発揮される。
いが、繊度0.1〜10000d、特に0.5〜500
0d程度とするのが好ましく、繊維長は1〜50mm、
特に3〜30mm程度とするのが好ましい。アスペクト
比は50〜2000、好ましくは150〜600であ
る。なおアスペクト比は、繊維長を繊維横断面の面積と
同面積を有する円の直径で除したものである。繊維のモ
ジュラスは、2000kg/mm2 以上、特に3000
kg/mm2以上であるのが好ましい。繊維のモジュラ
スが高い程、硬化体におけるクラックの発生を抑制で
き、LOPが向上するので好ましい。
されないが、セメントが好ましく、ポルトランドセメン
トがその代表的なものであるが、高炉セメント、フライ
アッシュセメント、アルミナセメント等も用いることが
できるし、これらを混合して用いてもよい。さらにこれ
らのセメントと砂や砂利を混合したモルタルやコンクリ
−トとして用いることができる。その他の水硬性物質と
しては、セッコウ、セッコウスラグ、マグネシア等が挙
げられる。また、マイカ、セピオライト、アタパルジャ
イト、パルプ等の助剤を用いることができる。水硬性成
形物の製法も特に限定されず、たとえば薄板の場合には
長網式抄造法やハチェック法が採用できる。モルタルや
コンクリ−ト等の場合、現場成形法として、打設、吹付
成形、注入成形法等を採用してもよく、工場成形法とし
て、振動成形、遠心力成形、押出成形法等が挙げられ
る。水硬性硬化物における繊維状物の配合率は0.2〜
10重量%、特に1〜5重量%とするのが好ましい。
側になる面に多くのクラック(マルチクラック)が発生
するものが好ましい。ブリッジングファイバ−の局所に
応力が集中して補強材が破断したり、また繊維強度や摩
擦抵抗が低すぎてブリッジング効果が不十分であるとモ
ノクラックしか発生しない。従って、モノクラックしか
発生しないものは、硬化物のタフネスが不十分であるこ
とになる。また、硬化物の曲げたわみ曲線は図4、図5
におけるAタイプの類型となるのが好ましい。Aタイプ
の曲線を示すものは、最初にクラックが発生した後も十
分なブリッジング効果が得られているため、急激に曲げ
荷重が小さくならず、高いタフネスを呈している。
イプ類、壁パネル、床パネル、屋根板、間仕切り、道路
舗装、トンネルライニング、法面保護、コンクリ−ト向
上製品等のすべてのセメント、コンクリ−ト成形物や2
次製品に用いることができる。
実施例により何等限定されるものではない。 [処理剤付着率 %]メタノ−ル/ベンゼン=1/1の
溶剤を用い、ソクスレ−抽出法により処理剤を抽出後、
溶剤を揮散させて残分の重量測定により算出した。 [見掛け繊度 Dr]得られた繊維状物(場合によって
は処理剤付与後の繊維状物)の一定試長の重量を測定し
て見掛け繊度をn=5以上で測定し、平均値を求めた。
なお、一定糸長の重量測定により繊度が測定できないも
の(細デニ−ル繊維)はバイブロスコ−プにより測定し
た。 [密度 g/cm3 ]4塩化炭素/ノルマルヘキサン等
を媒体とする密度勾配管法で測定した(測定雰囲気20
℃)。
/mm2 ]温度20℃、相対湿度65%の雰囲気下で、
試長20cm(バイブロスコ−プにより繊度を測定した
ものは試長2cm)、引張速度10cm/分でインスト
ロン試験機により測定、モジュラスはその伸張/荷重曲
線により求めた。なおサンプルの繊維長が短かいもの
は、試長6mmで測定することとする。 [引抜抵抗kg/mm2 、摩擦抵抗kg/mm2 ]普通
ポルトランドセメント(浅野セメント製 普通ポルトラ
ンドセメント)に対し、重量で同量のシリカ(ブレ−ン
値4000cm2 /g 啓和炉材株式会社製 #400
0)をホバ−ト型ミキサ−で2分間ドライ混合した後、
水/セメント比が0.4になるような計算量の水道水を
加えて2分間ウエット混合した。これを厚さ0.2mm
のポリエチレンフィルムを底に敷いたアルミ製バットに
厚さ5〜10mmに敷きならした。これに菓子折仕切枠
(経木製3cm×3cm)を埋め込み、1枠に1本の繊
維を埋め混んだ。
の深差に印をつけた縫針をマトリックス面に垂直に差し
込んだ後に引き抜き、繊維をその深さまで(細デニ−ル
繊維以外はマトリックス層の底まで)差し込んだ(図1
参照)。繊維を差し込んだ後、アルミバットをビニ−ル
袋に密閉して50℃で20時間1次養生後、20℃の部
屋にシ−トで包んだまま21日間放置して養生した。養
生完了後、繊維差し込み面にペンキをスプレ−して空中
に露出した繊維を着色し、埋め込み長さLbを引抜試験
後に測定可能できるようにした。次いで、経木仕切板に
沿って個々のセメントモルタルのブロックに分割し、オ
−トグラフ(島津製作所製 5000−AGB)を用い
て2mm/分で引抜試験を行い(図2参照)、図3のよ
うな変位荷重曲線を得た。
(kg 図3のPa)を及び埋め込み長さLbの1/1
0の変位での荷重(kg 図3のPb)をよみとり、下
記式により算出した。引抜試験により繊維切れを起こし
たものを除き、n=5以上となるように試験を行い、得
られた値の平均値を記載した。なおLbは引抜試験後1
/10mmまで埋込長(cm)を計測したものであり、
周長Lは繊維の断面形状を円と仮定し、平均繊度Dr
(デニ−ル)、繊維密度A(g/cm3 )から0.2
(Dr・π/(90・A))1/2 として求めたものであ
る。 引抜抵抗力=10・Pa/(L×Lb) 摩擦抵抗力=10・Pb/(L×Lb)
合) kg/mm2 ]試験に使用した硬化物の配合は以
下の通りである。なお、セメントは普通ポルトランドセ
メント(浅野セメント製 普通ポルトランドセメン
ト)、混和剤はポゾリス−70(ポゾリス物産製)を用
いた。 水/セメント比 55% 砂/砂利比 60% 単位セメント量 360kg/m3 単位水量 198kg/m3 砂利最大径 15mm 単位砂量 976kg/m3 単位砂利量 663kg/m3 混和剤 0.4%/セメント 繊維 2vol%
記の配合割合となるように傾胴型ミキサ−を用いて60
秒ドライミックスした後、水・混和剤を添加して、60
秒間ウエットミックスした。引き続いて手でよくほぐし
ながら繊維を投入し、60秒間混練した。10cm×1
0cm×40cmの養生型枠にコンクリ−トを敷きつ
め、突き棒でついて脱気後、0.8mm厚さのビニ−ル
シ−トを掛けて20℃の部屋の中で1日放置して硬化せ
しめた後離型した。さらに脱型後20℃の水中に28日
間浸漬して養生後、乾燥させることなく3等分点載荷法
で曲げ試験を行った。なお曲げ試験は、変形速度一定
(ヘッドスピ−ド1mm/分)の等速変形載荷法で荷重
をかけ、島津製作所製万能試験機RH−200(最大荷
重要領200トン)を用いて行った。曲げ荷重/たわみ
曲線を作成し、以下の式により曲げ応力を求めた。
ン(本実施例においては30cm)、bは硬化物の巾
(本実施例においては10cm)、tは厚さ(本実施例
においては10cm)であり、n=3以上となるように
試験を行い平均値を求めた。 曲げ応力=PL/bt2 =P×30/(10×102 ) =3P/100
合) kg/mm2 ]試験に使用した硬化物の配合は以
下の通りである。なお、セメントは普通ポルトランドセ
メント(浅野セメント製 普通ポルトランドセメン
ト)、砂はブレ−ン値4000cm2 /gのシリカ(啓
和炉材株式会社製 #4000)を用いた。 水/セメント比 40% 砂/セメント比 60% 繊維添加率 2vol%
ホバ−ト型ミキサ−を用いてドライミックスし、続いて
所定の水を加えて3分間混練し、次いで所定量の繊維を
手でほぐしながら投入し、3分間混練した。離型剤を塗
布した20cm×25cm×8mmの型枠へ流し込み、
均整化後、直径5cm、長さ30cmの鉄パイプを転が
してレベリングを行った。成型後、厚さ0.8mmのビ
ニ−ルシ−トで覆って24時間1次養生後、脱型し、濡
れた不織布で包み込んだ後ビニ−ル袋をかけ、20℃の
部屋で21日間養生し、包みをはずして20℃で7日間
風乾した。10cm×2.5cmに切り出し、3点載荷
法で曲げ試験を行った。なお曲げ試験は、変形速度一定
(ヘッドスピ−ド2mm/分)の等速変形載荷法で荷重
をかけ、オ−トグラフ(島津製作所製5000AGB)
を用いて行った。曲げ荷重/たわみ曲線を作成し、以下
の式により曲げ応力を求めた。
ン(本実施例においては5cm)、bは硬化物の巾(本
実施例においては2.5cm)、tは厚さ(本実施例に
おいては0.8cm)であり、b,tを測定片1個ごと
に計測してその曲げ強度を算出し、n=5以上となるよ
うに試験を行い平均値を求めた。 曲げ強度=3PL/2bt2
ックス破壊時、引張側になる面のクラック発生状況を観
察し、モノクラック(モノ)かマルチクラック(マル
チ)かを肉眼判定した。 [曲げ荷重たわみ曲線]曲げ荷重たわみ曲線を図4の
A,B,C(補強材直径20μ以上)、または図5の
A,B(補強材直径20μ未満)の類型に従って分類し
判定した。
9.9モル%のPVAチップを52.5重量%になるよ
う水分調節し、1軸型スクリュ−押出機で溶解、脱機
後、孔径3.5mmφのノズルから押し出し、熱風型乾
燥機を用いて2.5m/minの速度で400分かけて
乾燥し(乾燥後の水分率0.1%未満)、次いで熱風型
熱延伸炉に導き13倍の延伸倍率で延伸し、概ね400
0dの繊維を得た。得られた繊維をアルキル変性PVA
(株式会社クラレ製 MP−103)を温水に溶解して
50g/リットルの水溶液としたものを、延伸ロ−ラ−
出口〜乾燥ロ−ラ−間でデイップし、引き続いて表面温
度130℃の熱ロ−ラ−で乾燥し、長さ30mmにカッ
トした。結果を表1に示す。
に、弗素変性PVA(株式会社クラレ製 MF−PVA
−25)を用いた以外は実施例1と同様に行った。結果
を表1にしめす。 [比較例1]樹脂コ−トをしない以外は実施例1と同様
に行った。結果を表1に示す。 [比較例2]延伸倍率を9.5倍とした以外は実施例1
と同様に行った。結果を表1に示す。 [比較例3]コンクリ−ト補強用鋼繊維として市販され
ているISファイバ−(イケダ鋼板株式会社製 SPC
C−1)を用いて評価を行った。結果を表1に示す。な
お鋼繊維の横断面は正方形であり、見掛け繊度の欄は断
面辺長(mm)を記載した。
8.8モル%のPVAを水に溶解し、これに硼酸を0.
28重量%/PVA及び界面活性剤(松本油脂製薬製
アクチノ−ル)を3重量%/PVAとなるように添加し
て、PVA濃度12重量%の紡糸原液を用いた。該紡糸
原液を孔径0.08mm、1000ホ−ルのノズルから
70℃に保たれた凝固液(苛性ソ−ダ128g/リット
ル、芒硝350g/リットルを含む水溶液)に吐出して
凝固せしめ、4m/minの速度で凝固液から引き出し
た。なお、ノズルからの原液吐出量は最終製品の繊度が
1800d/1000fとなるように調節した。
にて中和し、80℃、80g/リットルの硫酸浴中で湿
潤延伸(6倍)をした後、32℃の水で糸篠を洗浄して
硫酸の含有量を0.3〜0.35重量%に調整した。引
き続いて、水分率0.3重量%未満となるように乾燥
し、全延伸倍率26倍になるように乾熱延伸を行った。
次いで、240℃の炉中を通過させて熱処理した後、ロ
−ラ−タッチ方式でエポキシ系樹脂エマルジョン(吉村
油化学株式会社製 ビスフェノ−ルエポキシ樹脂E10
22)を、繊維への付着率0.6〜0.8重量%となる
ように塗布した。ヤ−ン状でチ−ズ形状に巻き取り、長
さ6mmにカットした。結果を表2に示す。
のかわりに酸化ポリプロピレン乳化物(松本油脂製薬株
式会社製 VTO−351)を用いた以外は実施例3と
同様に行った。結果を表2に示す。 [比較例4]鉱物油系界面活性剤(三浄化成株式会社製
タイヤコ−ドオイル#2010)を塗布した以外は実
施例3と同様に行った。結果を表2に示す。
9.9モル%のPVAを水に溶解して、15.5重量%
の紡糸原液を調製し、これを孔径0.08mm、400
0ホ−ルのノズルから40℃に保たれた凝固液(硫酸ナ
トリウム435g/リットル水溶液)に吐出して凝固せ
しめ、次いで80℃、400g/リットルの硫酸ナトリ
ウム浴中にて、2.3倍の湿熱延伸を行って乾燥した。
次いで全延伸倍率が8.5倍になるように乾熱延伸して
一旦まきとり、これを水洗して脱芒硝した後、ホルマリ
ン28g/リットル、硫酸240g/リットル、硫酸ナ
トリウム130g/リットルのホルマリン浴(70℃)
中で25分間処理し、苛性ソ−ダで中和水洗後、実施例
4と同様に酸化ポリプロピレン乳化物で処理し、乾燥し
て繊度8000d/4000fの繊維を得た。結果を表
2に示す。
着性が極めて高い補強材を使用しているため、曲げ強度
は高いものの、曲げ荷重/たわみ曲線の形状はBタイプ
である。すなわち、硬化物に曲げ荷重が加わわると、あ
る限度領域をこえるとマトリックスにクラックが生じる
が、繊維の体積分率とヤング率が大きくするとクラック
が生じる応力を高める(クラックを生じにくくする)こ
とができる(複合則)。しかしながら、この場合、一旦
クラックが生じてしまうとクラック部でブリッジングし
ている繊維の局所に応力が集中するため、単一繊維内に
応力が分散されないまま繊維が破断してしまい(繊維の
強度は高くても、繊度が小さいため単繊維自体の強力は
高くはない)、その結果、クラックが成長するとともに
繊維の破断が連鎖的に生じることとなる。従って、曲げ
強度は優れているものの、タフネスの点で満足できるも
のは得られない。
対して適度の接着性を有する補強材を用いている。従っ
て、モルタルの曲げ強度が高く、また曲げ荷重/たわみ
曲線の形状はAタイプであり、さらに引抜試験後のサン
プルには長さ方向に多数のマルチクラックが発生してい
ることから、曲げ強度、曲げタフネスともに優れている
ことがわかる。すなわち、硬化物に曲げ応力が加わった
場合、クラックが発生してもブリッジングしている繊維
内に応力が分散し、ブリッジングファイバ−に切断が生
じる前にクラック巾が広がって、他の多くの繊維もブリ
ッジング効果を発揮して応力が分散されることとなり、
かつ補強材の強度及び摩擦抵抗が高いためクラック発生
後も優れた補強効果が得られる。1本の繊維強力には限
界があるが、変形歪量に分布をもった多数の積分的強力
の向上で、第1クラックの進展が妨げられ、マトリック
スの他の部分にクラックが発生してマルチクラックが生
じることとなる。本発明の硬化物は、このような破壊経
過をたどるために硬化物のタフネスが優れたものとな
る。
(引抜抵抗、摩擦抵抗)が低すぎると(比較例3)、ク
ラックが容易に発生するのみでなく、クラック発生後に
はセメントに十分なブリッジンッグ効果が期待できず、
クラックが容易に進展して低いタフネスしか得られな
い。また、比較例2、5においては、繊維の強度、ヤン
グ率が低いため、第1クラック発生後になされる応力分
散時に単一繊維での伸び変形が大きく、他のクラックが
生じる前にクラック巾が拡大し、繊維強度が低いために
ブリッジング効果が得られず破断してしまう。
なくタフネスの高い水硬性硬化体を得ることができる。
材をマトリックスに差し込んだ状態を示した模式図。
示した模式図。
変位荷重曲線の1例を示した図。
場合)の例を示した図。
場合)の例を示した図。
Claims (2)
- 【請求項1】 引張強度70kg/mm2 以上、引抜抵
抗10〜80kg/cm2 、摩擦抵抗10kg/cm2
以上の繊維状物からなる水硬性物質用補強材。 - 【請求項2】 引張強度70kg/mm2 以上、引抜抵
抗10〜80kg/cm2 、摩擦抵抗10kg/cm2
以上の繊維状物により補強された水硬性硬化物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19434896A JP3720471B2 (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | 水硬性物質用補強材及び水硬性硬化物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19434896A JP3720471B2 (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | 水硬性物質用補強材及び水硬性硬化物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1036150A true JPH1036150A (ja) | 1998-02-10 |
JP3720471B2 JP3720471B2 (ja) | 2005-11-30 |
Family
ID=16323096
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19434896A Expired - Lifetime JP3720471B2 (ja) | 1996-07-24 | 1996-07-24 | 水硬性物質用補強材及び水硬性硬化物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3720471B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002004378A3 (en) * | 2000-07-10 | 2002-05-23 | Univ Michigan | Self-compacting cementitious composite |
JP2010007371A (ja) * | 2008-06-27 | 2010-01-14 | Kurabo Ind Ltd | 鼻隠し材及び軒先構造 |
JP2010031642A (ja) * | 2009-11-04 | 2010-02-12 | Kurabo Ind Ltd | 建物用役物 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN105565729A (zh) * | 2015-12-30 | 2016-05-11 | 王璐 | 一种耐久的建筑用阻燃纤维材料 |
-
1996
- 1996-07-24 JP JP19434896A patent/JP3720471B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002004378A3 (en) * | 2000-07-10 | 2002-05-23 | Univ Michigan | Self-compacting cementitious composite |
JP2010007371A (ja) * | 2008-06-27 | 2010-01-14 | Kurabo Ind Ltd | 鼻隠し材及び軒先構造 |
JP2010031642A (ja) * | 2009-11-04 | 2010-02-12 | Kurabo Ind Ltd | 建物用役物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3720471B2 (ja) | 2005-11-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
DK173206B1 (da) | Syntetisk fiber til brug ved forstærkning af cementmørtel eller beton og cementsammensætning, der indeholder fibren | |
EP3067337B1 (en) | Fiber-reinforced carbonated hydraulic inorganic molded plate and method for producing same | |
JPH05319888A (ja) | 繊維補強された成形物 | |
WO2009075609A2 (en) | Man-made mineral fibre for three-dimensional reinforcement of a cement product | |
US4781994A (en) | Fiber-reinforced cement material and molded article comprising hardened product thereof | |
EP0271825A2 (en) | Hydraulic cementitious compositions reinforced with fibers containing polymerized polyacrylonitrile | |
PL207867B1 (pl) | Włókno polipropylenowe do wzmacniania wyrobów z włókno-cementu, sposób powierzchniowej obróbki włókien polipropylenowych do wzmacniania wyrobów z włókno-cementu oraz zastosowanie włókien polipropylenowych poddanych powierzchniowej obróbce do wzmacniania wyrobów z włókno-cementu | |
JP2005514532A (ja) | 改良コンクリート用プラスチック繊維 | |
JPS5929146A (ja) | 水硬性押出成形品の製造方法 | |
JPH1036150A (ja) | 水硬性物質用補強材及び水硬性硬化物 | |
WO1999003796A1 (fr) | Materiau de renforcement, procede de production associe, procede de renforcement/reparation a l'aide de ce materiau, structure de renforcement/reparation, et element structurel | |
JPH10183473A (ja) | 集束糸 | |
US6106945A (en) | Reinforcing material for kneaded and formed hydraulic material, and kneaded and formed article | |
JPS6232144B2 (ja) | ||
PT1854770E (pt) | Composições de produto de cimento-fibra e produtos conformados obtidos das mesmas | |
JPH08218220A (ja) | 補強用に適した太繊維 | |
JPS60215559A (ja) | セメントモルタル又はコンクリ−ト補強用繊維及び該繊維を使用した成形物 | |
JP4364343B2 (ja) | 混練成形水硬性材料補強材及び混練成形体 | |
JP2752871B2 (ja) | セメント補強用炭素繊維及びセメント複合体 | |
JPS62226850A (ja) | まだ固まらない組成体及びその製造方法 | |
JP2003327462A (ja) | 水硬性混練成形体 | |
JPS641424B2 (ja) | ||
JPH10251920A (ja) | 芯鞘型複合繊維及びそれを用いてなる成型物 | |
JPH10236861A (ja) | 水硬性硬化体及び水硬性組成物 | |
JPH10212619A (ja) | 繊維及び該繊維を用いてなる成型物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20041220 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050201 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20050331 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050823 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050908 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080916 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090916 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100916 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110916 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120916 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120916 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130916 Year of fee payment: 8 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |