JPH1036150A - 水硬性物質用補強材及び水硬性硬化物 - Google Patents

水硬性物質用補強材及び水硬性硬化物

Info

Publication number
JPH1036150A
JPH1036150A JP19434896A JP19434896A JPH1036150A JP H1036150 A JPH1036150 A JP H1036150A JP 19434896 A JP19434896 A JP 19434896A JP 19434896 A JP19434896 A JP 19434896A JP H1036150 A JPH1036150 A JP H1036150A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
reinforcing material
pull
hydraulic
matrix
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP19434896A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3720471B2 (ja
Inventor
Junichi Hikasa
純一 日笠
Mitsuo Mayahara
光郎 馬屋原
Yoichi Yamamoto
洋一 山本
Toshiaki Ikumine
寿昭 生峰
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kuraray Co Ltd filed Critical Kuraray Co Ltd
Priority to JP19434896A priority Critical patent/JP3720471B2/ja
Publication of JPH1036150A publication Critical patent/JPH1036150A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3720471B2 publication Critical patent/JP3720471B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B16/00Use of organic materials as fillers, e.g. pigments, for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of organic materials specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
    • C04B16/04Macromolecular compounds
    • C04B16/06Macromolecular compounds fibrous
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B16/00Use of organic materials as fillers, e.g. pigments, for mortars, concrete or artificial stone; Treatment of organic materials specially adapted to enhance their filling properties in mortars, concrete or artificial stone
    • C04B16/04Macromolecular compounds
    • C04B16/06Macromolecular compounds fibrous
    • C04B16/0616Macromolecular compounds fibrous from polymers obtained by reactions only involving carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • C04B16/0641Polyvinylalcohols; Polyvinylacetates

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Ceramic Engineering (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Structural Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 水硬性物質の脆弱性を高めるのみでなく、ク
ラック発生後のタフネスも改善できる補強材及び水硬性
硬化物を提供する。 【解決手段】 引張強度70kg/mm2 以上、引抜抵
抗10〜80kg/cm、摩擦抵抗10kg/cm2
上の繊維状物からなる水硬性物質用補強材、及び該補強
材により補強された水硬性硬化物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水硬性物質用補強
材及び該補強材で補強された水硬性硬化物に関する。
【0002】
【従来の技術】セメント等の水硬性物質質は、土木建築
関連分野でセメントペ−スト、セメント、モルタル、セ
メントコンクリ−ト等として広く使用され、重要な建築
資材として位置付けられている。これらは、圧縮強度は
高いものの引張強力が低く脆弱性である。一般には、こ
の脆弱性をカバ−し、引張強度を補強するため鉄筋、鉄
骨や、特殊な場合には石綿を混入することが知られてお
り、近年では有機繊維等の繊維状物を補強材とすること
も検討されている。
【0003】水硬性物質を繊維状物で補強する場合、マ
トリックスと繊維状物双方の体積分率とそれらのモジュ
ラスの積の和でその硬化物の強度が予測される(複合
則)。かかる複合則は、補強材とマトリックスの界面結
合力が十分に存在することが前提となっているが、多く
の補強材においてはセメント等の水硬物質との間に十分
な結合力を有していないのが現状である。以上のことか
ら、強度が高いのみでなく、水硬性物質との親和性に優
れたポリビニルアルコ−ル系繊維(PVA系繊維)が補
強材として広く使用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来、補強材とマトリ
ックスの接着力が高い方が好ましいと考えられており、
以上の点からPVA系繊維が広く使用されているが、本
発明者等は、鋭意研究の結果、マトリックスとの接着性
が過大になると補強効果の点で不都合が生じやすいこと
を見出だした。すなわち、補強材とマトリックスとの接
着力(引抜抵抗力)高すぎると、外部応力を受けて硬化
物にクラック等が生じた場合、補強材がマトリックスに
かたく固定されているため、クラック部分に存在してブ
リッジングしている単繊維(ブリッジングファイバ−)
の局所のみに応力が集中し、繊維内部において応力の分
散ができないため、ブリッジングしていない他の繊維へ
の応力分散がなされる前にブリッジングファイバ−の切
断してしまうこととなる。その結果、クラックの発生と
単繊維の各個破断が連鎖反応的に生じ、ただ1カ所クラ
ックが発生することによってカタストロフィックな破断
が生じることがモデル上予想される。
【0005】このような状況下では、高モジュラスで接
着性の高い補強繊維はクラックの発生に対する抑止力と
はなるものの、クラック発生後のタフネスの向上には寄
与しないと思われる。以上のことから、本発明の目的
は、水硬性物質の脆弱性を高めるのみでなく、クラック
発生後のタフネスをも改善できる補強材及び水硬性硬化
物を提供することにある。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明は、引張強度70
kg/mm2 以上、引抜抵抗10〜80kg/cm2
摩擦抵抗10kg/cm2 以上の繊維状物からなる水硬
性物質用補強材、および該繊維状物により補強された水
硬性硬化物を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】繊維状物を補強材とする場合、先
に説明した複合則にあるように、繊維状物のモジュラス
が高いほど優れた補強効果が得られるが、かかる複合則
が適用されるのは、マトリックスが曲げ応力によって極
めて小さい歪みを形成する領域(比例限界強度LOP:
Limit of Proportiorality)までである。従って、高モ
ジュラスの繊維を用いることによってLOPを高める
(クラックを発生しにくくする)ことは期待できるもの
の、マトリックスの歪みが大きくなってクラックが生じ
た後の強度向上及び強度維持(タフネス向上)の点では
十分な効果が得られない。クラック発生後において高い
ブリッジング効果を得るためには、引張強度の高い繊維
状物を使用する必要があり、具体的には、70kg/m
2 以上、好ましくは80kg/mm2 以上である必要
である。強度が低くすぎると、クラック発生後に容易に
補強材が破断してブリッジング効果が得られず、硬化体
のタフネスが不十分となる。
【0008】しかしながら、補強材の引張強度が高いの
みでは補強効果は十分発揮されず、クラック発生後にブ
リッジングファイバ−が繊維内部及び他の多くの繊維に
応力分散されるように補強材が適度の自由度を有し、か
つ十分なブリッジング効果を発揮するためにマトリック
スに対して適度の結合力を有する必要がある。以上のこ
とから、比較的低い引抜抵抗と高い摩擦抵抗を有する補
強材、具体的には引抜抵抗10〜80kg/mm2 、か
つ摩擦抵抗が10kg/mm2 以上の補強材を用いる。
好ましくは、引抜抵抗30〜75kg/mm2 、摩擦抵
抗12kg/mm2 以上である。
【0009】一般に、補強材はマトリックスとの結合力
(引抜抵抗)が高いほど好ましいとされているが、本発
明者等は、比較的低い引抜抵抗を有し、かつ高い摩擦抵
抗をする補強材を用いた場合に顕著な効果が得られるこ
とを見出だした。すなわち、マトリックスへの接着性
(引抜抵抗)が高すぎると、外部応力によってクラック
が生じた後、繊維の自由度が低くかたく固定されている
ため、ブリッジングファイバ−の局所のみに応力が集中
して他の単繊維に応力が分散される前にブリッジングフ
ァイバ−が破断し、結果的に十分な補強効果が得られな
い。従って、比較的低い引抜抵抗を有する補強材を使用
した場合には、繊維の自由度が高いために、ブリッジン
グファイバ−の局所に集中した応力が該繊維内部及び他
の多くの繊維に分散して繊維の破断が抑制され、しかも
高い摩擦抵抗及び繊維強度によって十分なブリッジング
効果が得られるのでる。
【0010】適度の引抜抵抗及び高い摩擦抵抗を得るた
めの手段は特に限定されないが、たとえばPVA系繊維
のように繊維本来の引抜抵抗が高いものは、エポキシ系
樹脂、ポリオレフィン系樹脂、弗素化合物等の疎水性物
質を付与またはコ−テイングしてマトリックスに対する
親和性をコントロ−ルする方法が挙げられる。疎水基で
変性したPVAを表面に付与してもよい。このとき繊維
への付着率は0.1〜10重量%程度とするのが好まし
い。逆に、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等の
ように引抜抵抗の低い繊維(疎水性の高い繊維)を用い
る場合には、たとえば低温プラズマ処理による繊維表面
の活性化や、エッチングなどでマトリックスへの親和性
を高めたり、インデント加工(押し付け加工)やフック
状に折り曲げる、ウエ−ブを付ける等の加工を行う方法
が挙げられる。
【0011】使用する繊維状物の種類は特に限定されな
いが、鋼繊維等の金属繊維は、発錆性を有するとともに
比重が7〜8と大きく軽量化の点で問題があることか
ら、不錆性で比重が0.9〜1.5と小さい有機繊維を
補強材とすることが好ましい。たとえば、高重合度ポリ
エチレン繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ポリアリレ−
ト繊維等の高強力高弾性率繊維が挙げられるが、これら
は水への親和性が乏しく引抜試験後の摩擦抵抗を高める
ことが困難であるため、水への親和性が高く強力及び耐
候性、耐アルカリ性が高く、コスト的にも有利なポリビ
ニルアルコ−ル系繊維を用いるのが好ましい。PVA系
繊維は本来水硬性物質との親和性が高く、本発明の特徴
は、これまで高いほど好ましいとしたその「親和性」を
低減せしめることにあり、PVA系繊維を用いた場合に
本発明の特徴が一層発揮される。
【0012】補強材の繊度及び繊維長は特に限定されな
いが、繊度0.1〜10000d、特に0.5〜500
0d程度とするのが好ましく、繊維長は1〜50mm、
特に3〜30mm程度とするのが好ましい。アスペクト
比は50〜2000、好ましくは150〜600であ
る。なおアスペクト比は、繊維長を繊維横断面の面積と
同面積を有する円の直径で除したものである。繊維のモ
ジュラスは、2000kg/mm2 以上、特に3000
kg/mm2以上であるのが好ましい。繊維のモジュラ
スが高い程、硬化体におけるクラックの発生を抑制で
き、LOPが向上するので好ましい。
【0013】本発明で使用される水硬性物質は特に限定
されないが、セメントが好ましく、ポルトランドセメン
トがその代表的なものであるが、高炉セメント、フライ
アッシュセメント、アルミナセメント等も用いることが
できるし、これらを混合して用いてもよい。さらにこれ
らのセメントと砂や砂利を混合したモルタルやコンクリ
−トとして用いることができる。その他の水硬性物質と
しては、セッコウ、セッコウスラグ、マグネシア等が挙
げられる。また、マイカ、セピオライト、アタパルジャ
イト、パルプ等の助剤を用いることができる。水硬性成
形物の製法も特に限定されず、たとえば薄板の場合には
長網式抄造法やハチェック法が採用できる。モルタルや
コンクリ−ト等の場合、現場成形法として、打設、吹付
成形、注入成形法等を採用してもよく、工場成形法とし
て、振動成形、遠心力成形、押出成形法等が挙げられ
る。水硬性硬化物における繊維状物の配合率は0.2〜
10重量%、特に1〜5重量%とするのが好ましい。
【0014】曲げ試験後のクラックの発生状況は、引張
側になる面に多くのクラック(マルチクラック)が発生
するものが好ましい。ブリッジングファイバ−の局所に
応力が集中して補強材が破断したり、また繊維強度や摩
擦抵抗が低すぎてブリッジング効果が不十分であるとモ
ノクラックしか発生しない。従って、モノクラックしか
発生しないものは、硬化物のタフネスが不十分であるこ
とになる。また、硬化物の曲げたわみ曲線は図4、図5
におけるAタイプの類型となるのが好ましい。Aタイプ
の曲線を示すものは、最初にクラックが発生した後も十
分なブリッジング効果が得られているため、急激に曲げ
荷重が小さくならず、高いタフネスを呈している。
【0015】本発明の水硬性硬化物は、スレ−ト板、パ
イプ類、壁パネル、床パネル、屋根板、間仕切り、道路
舗装、トンネルライニング、法面保護、コンクリ−ト向
上製品等のすべてのセメント、コンクリ−ト成形物や2
次製品に用いることができる。
【0016】
【実施例】以下に実施例により本発明を説明するが、本
実施例により何等限定されるものではない。 [処理剤付着率 %]メタノ−ル/ベンゼン=1/1の
溶剤を用い、ソクスレ−抽出法により処理剤を抽出後、
溶剤を揮散させて残分の重量測定により算出した。 [見掛け繊度 Dr]得られた繊維状物(場合によって
は処理剤付与後の繊維状物)の一定試長の重量を測定し
て見掛け繊度をn=5以上で測定し、平均値を求めた。
なお、一定糸長の重量測定により繊度が測定できないも
の(細デニ−ル繊維)はバイブロスコ−プにより測定し
た。 [密度 g/cm3 ]4塩化炭素/ノルマルヘキサン等
を媒体とする密度勾配管法で測定した(測定雰囲気20
℃)。
【0017】[繊維強度kg/mm2 、モジュラスkg
/mm2 ]温度20℃、相対湿度65%の雰囲気下で、
試長20cm(バイブロスコ−プにより繊度を測定した
ものは試長2cm)、引張速度10cm/分でインスト
ロン試験機により測定、モジュラスはその伸張/荷重曲
線により求めた。なおサンプルの繊維長が短かいもの
は、試長6mmで測定することとする。 [引抜抵抗kg/mm2 、摩擦抵抗kg/mm2 ]普通
ポルトランドセメント(浅野セメント製 普通ポルトラ
ンドセメント)に対し、重量で同量のシリカ(ブレ−ン
値4000cm2 /g 啓和炉材株式会社製 #400
0)をホバ−ト型ミキサ−で2分間ドライ混合した後、
水/セメント比が0.4になるような計算量の水道水を
加えて2分間ウエット混合した。これを厚さ0.2mm
のポリエチレンフィルムを底に敷いたアルミ製バットに
厚さ5〜10mmに敷きならした。これに菓子折仕切枠
(経木製3cm×3cm)を埋め込み、1枠に1本の繊
維を埋め混んだ。
【0018】繊維の埋め込みは、予め埋め込み長さ相当
の深差に印をつけた縫針をマトリックス面に垂直に差し
込んだ後に引き抜き、繊維をその深さまで(細デニ−ル
繊維以外はマトリックス層の底まで)差し込んだ(図1
参照)。繊維を差し込んだ後、アルミバットをビニ−ル
袋に密閉して50℃で20時間1次養生後、20℃の部
屋にシ−トで包んだまま21日間放置して養生した。養
生完了後、繊維差し込み面にペンキをスプレ−して空中
に露出した繊維を着色し、埋め込み長さLbを引抜試験
後に測定可能できるようにした。次いで、経木仕切板に
沿って個々のセメントモルタルのブロックに分割し、オ
−トグラフ(島津製作所製 5000−AGB)を用い
て2mm/分で引抜試験を行い(図2参照)、図3のよ
うな変位荷重曲線を得た。
【0019】引抜の荷重/変位の記録により最大荷重
(kg 図3のPa)を及び埋め込み長さLbの1/1
0の変位での荷重(kg 図3のPb)をよみとり、下
記式により算出した。引抜試験により繊維切れを起こし
たものを除き、n=5以上となるように試験を行い、得
られた値の平均値を記載した。なおLbは引抜試験後1
/10mmまで埋込長(cm)を計測したものであり、
周長Lは繊維の断面形状を円と仮定し、平均繊度Dr
(デニ−ル)、繊維密度A(g/cm3 )から0.2
(Dr・π/(90・A))1/2 として求めたものであ
る。 引抜抵抗力=10・Pa/(L×Lb) 摩擦抵抗力=10・Pb/(L×Lb)
【0020】[曲げ強度(補強材直径20μ以上の場
合) kg/mm2 ]試験に使用した硬化物の配合は以
下の通りである。なお、セメントは普通ポルトランドセ
メント(浅野セメント製 普通ポルトランドセメン
ト)、混和剤はポゾリス−70(ポゾリス物産製)を用
いた。 水/セメント比 55% 砂/砂利比 60% 単位セメント量 360kg/m3 単位水量 198kg/m3 砂利最大径 15mm 単位砂量 976kg/m3 単位砂利量 663kg/m3 混和剤 0.4%/セメント 繊維 2vol%
【0021】まず繊維以外(セメント、砂利、砂)を上
記の配合割合となるように傾胴型ミキサ−を用いて60
秒ドライミックスした後、水・混和剤を添加して、60
秒間ウエットミックスした。引き続いて手でよくほぐし
ながら繊維を投入し、60秒間混練した。10cm×1
0cm×40cmの養生型枠にコンクリ−トを敷きつ
め、突き棒でついて脱気後、0.8mm厚さのビニ−ル
シ−トを掛けて20℃の部屋の中で1日放置して硬化せ
しめた後離型した。さらに脱型後20℃の水中に28日
間浸漬して養生後、乾燥させることなく3等分点載荷法
で曲げ試験を行った。なお曲げ試験は、変形速度一定
(ヘッドスピ−ド1mm/分)の等速変形載荷法で荷重
をかけ、島津製作所製万能試験機RH−200(最大荷
重要領200トン)を用いて行った。曲げ荷重/たわみ
曲線を作成し、以下の式により曲げ応力を求めた。
【0022】なおPは最大曲げ荷重(kg)、Lはスパ
ン(本実施例においては30cm)、bは硬化物の巾
(本実施例においては10cm)、tは厚さ(本実施例
においては10cm)であり、n=3以上となるように
試験を行い平均値を求めた。 曲げ応力=PL/bt2 =P×30/(10×102 ) =3P/100
【0023】[曲げ強度(補強材直径20μ未満の場
合) kg/mm2 ]試験に使用した硬化物の配合は以
下の通りである。なお、セメントは普通ポルトランドセ
メント(浅野セメント製 普通ポルトランドセメン
ト)、砂はブレ−ン値4000cm2 /gのシリカ(啓
和炉材株式会社製 #4000)を用いた。 水/セメント比 40% 砂/セメント比 60% 繊維添加率 2vol%
【0024】まずセメントとシリカを容量6リットルの
ホバ−ト型ミキサ−を用いてドライミックスし、続いて
所定の水を加えて3分間混練し、次いで所定量の繊維を
手でほぐしながら投入し、3分間混練した。離型剤を塗
布した20cm×25cm×8mmの型枠へ流し込み、
均整化後、直径5cm、長さ30cmの鉄パイプを転が
してレベリングを行った。成型後、厚さ0.8mmのビ
ニ−ルシ−トで覆って24時間1次養生後、脱型し、濡
れた不織布で包み込んだ後ビニ−ル袋をかけ、20℃の
部屋で21日間養生し、包みをはずして20℃で7日間
風乾した。10cm×2.5cmに切り出し、3点載荷
法で曲げ試験を行った。なお曲げ試験は、変形速度一定
(ヘッドスピ−ド2mm/分)の等速変形載荷法で荷重
をかけ、オ−トグラフ(島津製作所製5000AGB)
を用いて行った。曲げ荷重/たわみ曲線を作成し、以下
の式により曲げ応力を求めた。
【0025】なおPは最大曲げ荷重(kg)、Lはスパ
ン(本実施例においては5cm)、bは硬化物の巾(本
実施例においては2.5cm)、tは厚さ(本実施例に
おいては0.8cm)であり、b,tを測定片1個ごと
に計測してその曲げ強度を算出し、n=5以上となるよ
うに試験を行い平均値を求めた。 曲げ強度=3PL/2bt2
【0026】[クラック状態]曲げ試験におけるマトリ
ックス破壊時、引張側になる面のクラック発生状況を観
察し、モノクラック(モノ)かマルチクラック(マル
チ)かを肉眼判定した。 [曲げ荷重たわみ曲線]曲げ荷重たわみ曲線を図4の
A,B,C(補強材直径20μ以上)、または図5の
A,B(補強材直径20μ未満)の類型に従って分類し
判定した。
【0027】[実施例1]重合度1700、ケン化度9
9.9モル%のPVAチップを52.5重量%になるよ
う水分調節し、1軸型スクリュ−押出機で溶解、脱機
後、孔径3.5mmφのノズルから押し出し、熱風型乾
燥機を用いて2.5m/minの速度で400分かけて
乾燥し(乾燥後の水分率0.1%未満)、次いで熱風型
熱延伸炉に導き13倍の延伸倍率で延伸し、概ね400
0dの繊維を得た。得られた繊維をアルキル変性PVA
(株式会社クラレ製 MP−103)を温水に溶解して
50g/リットルの水溶液としたものを、延伸ロ−ラ−
出口〜乾燥ロ−ラ−間でデイップし、引き続いて表面温
度130℃の熱ロ−ラ−で乾燥し、長さ30mmにカッ
トした。結果を表1に示す。
【0028】[実施例2]アルキル変性PVAのかわり
に、弗素変性PVA(株式会社クラレ製 MF−PVA
−25)を用いた以外は実施例1と同様に行った。結果
を表1にしめす。 [比較例1]樹脂コ−トをしない以外は実施例1と同様
に行った。結果を表1に示す。 [比較例2]延伸倍率を9.5倍とした以外は実施例1
と同様に行った。結果を表1に示す。 [比較例3]コンクリ−ト補強用鋼繊維として市販され
ているISファイバ−(イケダ鋼板株式会社製 SPC
C−1)を用いて評価を行った。結果を表1に示す。な
お鋼繊維の横断面は正方形であり、見掛け繊度の欄は断
面辺長(mm)を記載した。
【0029】[実施例3]重合度3500、ケン化度9
8.8モル%のPVAを水に溶解し、これに硼酸を0.
28重量%/PVA及び界面活性剤(松本油脂製薬製
アクチノ−ル)を3重量%/PVAとなるように添加し
て、PVA濃度12重量%の紡糸原液を用いた。該紡糸
原液を孔径0.08mm、1000ホ−ルのノズルから
70℃に保たれた凝固液(苛性ソ−ダ128g/リット
ル、芒硝350g/リットルを含む水溶液)に吐出して
凝固せしめ、4m/minの速度で凝固液から引き出し
た。なお、ノズルからの原液吐出量は最終製品の繊度が
1800d/1000fとなるように調節した。
【0030】次いで30℃、20g/リットルの硫酸浴
にて中和し、80℃、80g/リットルの硫酸浴中で湿
潤延伸(6倍)をした後、32℃の水で糸篠を洗浄して
硫酸の含有量を0.3〜0.35重量%に調整した。引
き続いて、水分率0.3重量%未満となるように乾燥
し、全延伸倍率26倍になるように乾熱延伸を行った。
次いで、240℃の炉中を通過させて熱処理した後、ロ
−ラ−タッチ方式でエポキシ系樹脂エマルジョン(吉村
油化学株式会社製 ビスフェノ−ルエポキシ樹脂E10
22)を、繊維への付着率0.6〜0.8重量%となる
ように塗布した。ヤ−ン状でチ−ズ形状に巻き取り、長
さ6mmにカットした。結果を表2に示す。
【0031】[実施例4]エポキシ系樹脂エマルジョン
のかわりに酸化ポリプロピレン乳化物(松本油脂製薬株
式会社製 VTO−351)を用いた以外は実施例3と
同様に行った。結果を表2に示す。 [比較例4]鉱物油系界面活性剤(三浄化成株式会社製
タイヤコ−ドオイル#2010)を塗布した以外は実
施例3と同様に行った。結果を表2に示す。
【0032】[比較例5]重合度1700、ケン化度9
9.9モル%のPVAを水に溶解して、15.5重量%
の紡糸原液を調製し、これを孔径0.08mm、400
0ホ−ルのノズルから40℃に保たれた凝固液(硫酸ナ
トリウム435g/リットル水溶液)に吐出して凝固せ
しめ、次いで80℃、400g/リットルの硫酸ナトリ
ウム浴中にて、2.3倍の湿熱延伸を行って乾燥した。
次いで全延伸倍率が8.5倍になるように乾熱延伸して
一旦まきとり、これを水洗して脱芒硝した後、ホルマリ
ン28g/リットル、硫酸240g/リットル、硫酸ナ
トリウム130g/リットルのホルマリン浴(70℃)
中で25分間処理し、苛性ソ−ダで中和水洗後、実施例
4と同様に酸化ポリプロピレン乳化物で処理し、乾燥し
て繊度8000d/4000fの繊維を得た。結果を表
2に示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】比較例4においては、マトリックスとの接
着性が極めて高い補強材を使用しているため、曲げ強度
は高いものの、曲げ荷重/たわみ曲線の形状はBタイプ
である。すなわち、硬化物に曲げ荷重が加わわると、あ
る限度領域をこえるとマトリックスにクラックが生じる
が、繊維の体積分率とヤング率が大きくするとクラック
が生じる応力を高める(クラックを生じにくくする)こ
とができる(複合則)。しかしながら、この場合、一旦
クラックが生じてしまうとクラック部でブリッジングし
ている繊維の局所に応力が集中するため、単一繊維内に
応力が分散されないまま繊維が破断してしまい(繊維の
強度は高くても、繊度が小さいため単繊維自体の強力は
高くはない)、その結果、クラックが成長するとともに
繊維の破断が連鎖的に生じることとなる。従って、曲げ
強度は優れているものの、タフネスの点で満足できるも
のは得られない。
【0036】一方、本発明においては、マトリックスに
対して適度の接着性を有する補強材を用いている。従っ
て、モルタルの曲げ強度が高く、また曲げ荷重/たわみ
曲線の形状はAタイプであり、さらに引抜試験後のサン
プルには長さ方向に多数のマルチクラックが発生してい
ることから、曲げ強度、曲げタフネスともに優れている
ことがわかる。すなわち、硬化物に曲げ応力が加わった
場合、クラックが発生してもブリッジングしている繊維
内に応力が分散し、ブリッジングファイバ−に切断が生
じる前にクラック巾が広がって、他の多くの繊維もブリ
ッジング効果を発揮して応力が分散されることとなり、
かつ補強材の強度及び摩擦抵抗が高いためクラック発生
後も優れた補強効果が得られる。1本の繊維強力には限
界があるが、変形歪量に分布をもった多数の積分的強力
の向上で、第1クラックの進展が妨げられ、マトリック
スの他の部分にクラックが発生してマルチクラックが生
じることとなる。本発明の硬化物は、このような破壊経
過をたどるために硬化物のタフネスが優れたものとな
る。
【0037】逆に、補強材とマトリックスとの接着性
(引抜抵抗、摩擦抵抗)が低すぎると(比較例3)、ク
ラックが容易に発生するのみでなく、クラック発生後に
はセメントに十分なブリッジンッグ効果が期待できず、
クラックが容易に進展して低いタフネスしか得られな
い。また、比較例2、5においては、繊維の強度、ヤン
グ率が低いため、第1クラック発生後になされる応力分
散時に単一繊維での伸び変形が大きく、他のクラックが
生じる前にクラック巾が拡大し、繊維強度が低いために
ブリッジング効果が得られず破断してしまう。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、曲げ強度が高いのみで
なくタフネスの高い水硬性硬化体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】引抜抵抗及び摩擦抵抗を測定するために、補強
材をマトリックスに差し込んだ状態を示した模式図。
【図2】引抜抵抗及び摩擦抵抗の測定に使用する装置を
示した模式図。
【図3】引抜抵抗試験及び摩擦抵抗試験により得られる
変位荷重曲線の1例を示した図。
【図4】曲げ荷重たわみ曲線(補強材直径20μ以上の
場合)の例を示した図。
【図5】曲げ荷重たわみ曲線(補強材直径20μ未満の
場合)の例を示した図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生峰 寿昭 岡山市海岸通1丁目2番1号 株式会社ク ラレ内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 引張強度70kg/mm2 以上、引抜抵
    抗10〜80kg/cm2 、摩擦抵抗10kg/cm2
    以上の繊維状物からなる水硬性物質用補強材。
  2. 【請求項2】 引張強度70kg/mm2 以上、引抜抵
    抗10〜80kg/cm2 、摩擦抵抗10kg/cm2
    以上の繊維状物により補強された水硬性硬化物。
JP19434896A 1996-07-24 1996-07-24 水硬性物質用補強材及び水硬性硬化物 Expired - Lifetime JP3720471B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19434896A JP3720471B2 (ja) 1996-07-24 1996-07-24 水硬性物質用補強材及び水硬性硬化物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP19434896A JP3720471B2 (ja) 1996-07-24 1996-07-24 水硬性物質用補強材及び水硬性硬化物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1036150A true JPH1036150A (ja) 1998-02-10
JP3720471B2 JP3720471B2 (ja) 2005-11-30

Family

ID=16323096

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP19434896A Expired - Lifetime JP3720471B2 (ja) 1996-07-24 1996-07-24 水硬性物質用補強材及び水硬性硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3720471B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002004378A3 (en) * 2000-07-10 2002-05-23 Univ Michigan Self-compacting cementitious composite
JP2010007371A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Kurabo Ind Ltd 鼻隠し材及び軒先構造
JP2010031642A (ja) * 2009-11-04 2010-02-12 Kurabo Ind Ltd 建物用役物

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN105565729A (zh) * 2015-12-30 2016-05-11 王璐 一种耐久的建筑用阻燃纤维材料

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002004378A3 (en) * 2000-07-10 2002-05-23 Univ Michigan Self-compacting cementitious composite
JP2010007371A (ja) * 2008-06-27 2010-01-14 Kurabo Ind Ltd 鼻隠し材及び軒先構造
JP2010031642A (ja) * 2009-11-04 2010-02-12 Kurabo Ind Ltd 建物用役物

Also Published As

Publication number Publication date
JP3720471B2 (ja) 2005-11-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DK173206B1 (da) Syntetisk fiber til brug ved forstærkning af cementmørtel eller beton og cementsammensætning, der indeholder fibren
EP3067337B1 (en) Fiber-reinforced carbonated hydraulic inorganic molded plate and method for producing same
JPH05319888A (ja) 繊維補強された成形物
WO2009075609A2 (en) Man-made mineral fibre for three-dimensional reinforcement of a cement product
US4781994A (en) Fiber-reinforced cement material and molded article comprising hardened product thereof
EP0271825A2 (en) Hydraulic cementitious compositions reinforced with fibers containing polymerized polyacrylonitrile
PL207867B1 (pl) Włókno polipropylenowe do wzmacniania wyrobów z włókno-cementu, sposób powierzchniowej obróbki włókien polipropylenowych do wzmacniania wyrobów z włókno-cementu oraz zastosowanie włókien polipropylenowych poddanych powierzchniowej obróbce do wzmacniania wyrobów z włókno-cementu
JP2005514532A (ja) 改良コンクリート用プラスチック繊維
JPS5929146A (ja) 水硬性押出成形品の製造方法
JPH1036150A (ja) 水硬性物質用補強材及び水硬性硬化物
WO1999003796A1 (fr) Materiau de renforcement, procede de production associe, procede de renforcement/reparation a l'aide de ce materiau, structure de renforcement/reparation, et element structurel
JPH10183473A (ja) 集束糸
US6106945A (en) Reinforcing material for kneaded and formed hydraulic material, and kneaded and formed article
JPS6232144B2 (ja)
PT1854770E (pt) Composições de produto de cimento-fibra e produtos conformados obtidos das mesmas
JPH08218220A (ja) 補強用に適した太繊維
JPS60215559A (ja) セメントモルタル又はコンクリ−ト補強用繊維及び該繊維を使用した成形物
JP4364343B2 (ja) 混練成形水硬性材料補強材及び混練成形体
JP2752871B2 (ja) セメント補強用炭素繊維及びセメント複合体
JPS62226850A (ja) まだ固まらない組成体及びその製造方法
JP2003327462A (ja) 水硬性混練成形体
JPS641424B2 (ja)
JPH10251920A (ja) 芯鞘型複合繊維及びそれを用いてなる成型物
JPH10236861A (ja) 水硬性硬化体及び水硬性組成物
JPH10212619A (ja) 繊維及び該繊維を用いてなる成型物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050331

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050823

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050908

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080916

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090916

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100916

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110916

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120916

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120916

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130916

Year of fee payment: 8

EXPY Cancellation because of completion of term