JPH1034674A - 感光性樹脂を用いた複製モデルの作製方法 - Google Patents

感光性樹脂を用いた複製モデルの作製方法

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JPH1034674A
JPH1034674A JP20546896A JP20546896A JPH1034674A JP H1034674 A JPH1034674 A JP H1034674A JP 20546896 A JP20546896 A JP 20546896A JP 20546896 A JP20546896 A JP 20546896A JP H1034674 A JPH1034674 A JP H1034674A
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JP
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photosensitive resin
silicone rubber
mold
model
resin composition
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JP20546896A
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Shohei Nakamura
庄平 中村
Koji Anai
浩司 穴井
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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  • Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Macromonomer-Based Addition Polymer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 寸法精度が高く、かつ硬くて割れにくい複製
モデルを欠陥のない形で作製する方法を提供する。 【解決手段】 マスターモデルを基に紫外線透過性シリ
コーンゴムにより型を作製し、この型の中に感光性樹脂
組成物を注入し紫外線を照射することによって複製モデ
ルを作製する方法において、シリコーンゴムを硬化させ
る時の温度より、感光性樹脂組成物を注入し紫外線を照
射して硬化させる時のシリコーンゴム型の温度を30℃
〜50℃高くして行うことを特徴とする感光性樹脂組成
物を用いた複製モデルの作製方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は感光性樹脂を用いて
注型により複製モデルを作製する方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】試作モデルの少数複製や、複製モデルの
少量生産はマスターモデルからシリコーンゴムの型を取
り、真空中でこの型の中に熱硬化性の樹脂を注入し、つ
いで加熱硬化させることで行われてきた。しかし、熱硬
化性の樹脂は通常二液タイプであり、二液を混合すると
硬化開始までの時間が短いため、その後のシリコーン型
への注入作業を短時間で行わなければならず、しかも注
意していても場合によっては注入操作中に硬化が始まっ
て不良品を生じることがあるという問題があった。更
に、混合や注型に使用する容器を樹脂が硬化しないうち
にその都度洗浄する必要があって煩雑である上に、この
方法では熱硬化に2時間程度の長時間を要し、一日に複
製できる数が限られてしまうという難点もあった。
【0003】一方、特開昭58−80587号公報明細
書には、透明なシリコーンゴムなどの型に一液タイプで
ある紫外線で硬化する注型用合成樹脂を注入して減圧下
で紫外線照射することで時計用プラスチックケースを複
製する方法が示されている。紫外線で硬化する樹脂とし
てはスピラン樹脂などの注型用合成樹脂に増感剤として
ベンゾフェノンを入れたものや反応促進剤入り不飽和ポ
リエステル樹脂などが使用されている。
【0004】また、特開平3−114711号公報明細
書には、透明シリコーンゴム型に感光性樹脂を注入し紫
外線照射により硬化させる方法において、使用する感光
性樹脂としてビスフェノールAのエチレンオキサイド付
加物のジアクリレートとフェニルグリシジルエーテルの
アクリル酸エステルとの混合物に光重合開始剤を添加し
てなるものが提案されている。
【0005】又、本出願人はこれらの感光性樹脂の割れ
やすいという欠点を改良した感光性樹脂組成物を特願平
7−78408号及び特願平7−152769号に提案
している。
【0006】注型により得られる複製品には高い寸法精
度が要求されるが、感光性樹脂が紫外線照射により硬化
する際には収縮を起こすため、得られる複製品の寸法も
マスターモデルより小さいものになってしまうという問
題点が残されていた。マスターモデルを大きく作ること
で収縮分を補正することで対処することも可能である
が、最初の形状評価のための試作モデルと複製用のマス
ターモデルを別々に作ることは効率が悪く、使用範囲が
限られたものにならざるを得なかった。
【0007】また、シリコーンゴム型の中に感光性樹脂
組成物を注入し紫外線を照射し硬化させるのに印刷版製
造に用いられているような上下方向に光源が配置された
露光機を用いて露光したのではモデルの側面にあたると
ころが十分に硬化せず欠陥品を生ずるという問題もあっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】マスターモデルを基に
紫外線透過性シリコーンゴムにより型を作製し、この型
の中に感光性樹脂組成物を注入し紫外線を照射すること
によって複製モデルを作製する方法において、寸法精度
が高く、あわせて、硬くて割れにくい性質を有する複製
モデルが得られる作製条件を提供するとともに、立体的
な形状のモデルを完全に硬化させることの出来る露光装
置を用いる複製モデルの作製方法を提供することを課題
とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題はシリコーンゴムを硬化させる時の温度より、感光性
樹脂を注入して紫外線を照射して硬化させる時の温度を
30℃〜50℃高くして行うことで解決出来ることを見
いだし本発明を完成した。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて型として使用されるシリコーンゴムは紫外線を透
過する性質であればどのようなものでも良く、通常は市
販の室温硬化性のRTVシリコーンゴムが用いられる
が、半透明シリコーンゴムであっても注型用感光性樹脂
の硬化に必要な程度の紫外線を透過するものであれば使
用出来る。シリコーンゴムの硬化機構による分類では付
加型と縮合型とがあるが、縮合型のものは縮合時に生ず
る低分子量化合物が系外に出ていくときに収縮するため
寸法精度の点で好ましくなく、そのようなことのない付
加型のものが適している。
【0011】通常、シリコーンゴム型の作製はマスター
モデルを型枠の中に固定したのち、あらかじめ硬化剤と
混合し真空下で脱泡したシリコーンゴムを流し込み20
〜40℃の温度で放置して硬化させることで行われる。
硬化したシリコーンゴムを切り開きマスターモデルを取
り出したのち、注型用型として使用されるが、本願発明
の効果を発現させるためには注型用感光性樹脂組成物を
流し込んだ状態でシリコーンゴム型をその硬化温度より
30〜50℃高い温度にしておき紫外線照射し硬化させ
ることが必要である。
【0012】シリコーンゴム型をあらかじめ加温してお
いてから注型用感光性樹脂組成物を流し込むのが作業し
やすく好適であるが、注型用感光性樹脂組成物を注入し
たのち加温して所定の温度に高めても良い。ただし、こ
の場合はシリコーンゴム型は温度上昇に伴って注入され
た注型用感光性樹脂組成物よりも膨らみ隙間が出来るの
でその隙間に感光性樹脂組成物を追加注入することが必
要である。
【0013】シリコーンゴムの熱膨張は感光性樹脂に比
べて数段大きいため、シリコーンゴム型がマスターモデ
ルの大きさよりも膨れた状態で感光性樹脂組成物が硬化
し、一方、感光性樹脂硬化物は温度が下がっても温度差
による収縮は小さいため、硬化時の収縮の分が補正され
て良好な寸法精度の複製品が得られることになる。
【0014】硬化温度を一定に保ち易いという点では2
5〜40℃でシリコーンゴムを硬化させるのが好まし
い。より好ましくは30〜40℃である。また、注型操
作を行う時のシリコーンゴム型の扱い易さを考慮すると
シリコーンゴム型の温度は80℃以下であることが望ま
しい。より好適には70℃以下である。
【0015】注型に用いる感光性樹脂組成物もある程度
加温しておくことがハンドリング上望ましいが、必ずし
もシリコーンゴム型と同じ温度にしておく必要はない。
シリコーンゴム型の肉厚が20〜30mm、あるいはそ
れ以上と大きいのに対して複製すべきモデルの肉厚は通
常2〜3mmと小さいため、シリコーンゴム型の温度に
ほとんど影響を及ぼさないからである。しかし、複製す
べきモデルの肉厚が厚い場合などは感光性樹脂の温度も
シリコーンゴム型の温度と同じ程度に高めておくことが
望ましい。通常は50〜60℃に加温して用いられる。
【0016】複製品の寸法精度はマスターモデルに対し
て±0.3%以内の範囲にあることが要求されるが、本
発明の方法によればそれを達成することができる。
【0017】本発明の効果を発現するには注型用感光性
樹脂組成物の組成には特に制約はないが、複製品作製用
として要求される硬くて割れにくいなど他の特性とのバ
ランスを考慮すると 分子内にエチレン性不飽和結合を有する分子量が80
0〜9000のポリマー 分子量が800未満のエチレン性不飽和化合物 光重合開始剤 を必須成分としてなる感光性樹脂組成物を用いるのが好
適である。
【0018】分子内にエチレン性不飽和結合を有する分
子量800〜9000のポリマーとしては、不飽和ポリ
ウレタンや不飽和ポリエステルなどを挙げることができ
る。硬さと割れにくさのバランスの観点からは不飽和ポ
リウレタンがより好適である。不飽和ポリウレタンは、
ジオール化合物、ジイソシアネート化合物、水酸基また
はイソシアネート基とエチレン性不飽和結合を同時に有
する化合物又はイソシアネート基とエチレン性不飽和結
合を同時に有する化合物を反応させることで得られる。
【0019】両末端イソシアネート基のポリウレタンポ
リマーをまず合成し、これに水酸基とエチレン性不飽和
結合を同時に有する化合物を反応させる方法において
は、水酸基とエチレン性不飽和結合を同時に有する化合
物は、両末端にイソシアネート基を有するポリウレタン
ポリマーとの反応を容易にし、副反応を抑えて短時間で
反応を修了させるために、イソシアネート基の数に対し
て水酸基の数が過剰になるように添加して反応させるの
が好ましい。通常2〜5倍程度過剰に添加することが行
われる。従って得られるものはエチレン性不飽和結合を
有するポリウレタンポリマーと過剰の水酸基含有エチレ
ン性不飽和化合物との混合物となる。
【0020】両末端水酸基のポリウレタンポリマーをま
ず合成し、これにイソシアネート基とエチレン性不飽和
結合を同時に有する化合物を反応させる方法において
は、イソシアネート基とエチレン性不飽和結合を同時に
有する化合物は、ポリウレタンポリマーの水酸基の数と
同じかあるいは少ない範囲で添加されるのが一般的であ
るが、この場合撹拌しやすくし副反応を抑えるために、
ウレタン化反応に関与しない成分を希釈剤として用いて
反応系の粘度を下げるのが好ましい。イソシアネート基
とエチレン性不飽和結合を同時に有する化合物を過剰に
添加する場合は、反応終了後水酸基等の活性水素を有す
る化合物を加えてイソシアネート基をなくすことが必要
である。
【0021】ジオール化合物としては一分子中に水酸基
を2個有する化合物、例えばポリプロピレングリコール
アジペートジオール、ポリネオペンチルグリコールアジ
ペートジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリバ
レロラクトンジオール、などのポリエステルジオール
や、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテル
ジオールなどを例として挙げることができる。ジオール
化合物の分子量は通常400〜2000程度のものが使
用されるが、より強靭なものを得るという観点からは5
00〜1000程度の分子量のものを用いるのが好まし
い。
【0022】ジイソシアネート化合物としてはイソシア
ネート基を2個有する化合物、例えばトリレンジイソシ
アネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレ
ンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートなど
を挙げることができる。これらの中では粘度をさほど高
めず、硬く靭性のあるものが得られやすいという点でト
リレンジイソシアネートが好ましい。
【0023】水酸基とエチレン性不飽和基を同時に有す
る化合物としては、ヒドロキシエチルメタクリレート、
ヒドロキシプロピルメタクリレート、N−メチロールア
クリルアミド、ポリオキシエチレングリコールモノメタ
クリレート、ポリオキシプロピレングリコールモノメタ
クリレートなどを例として挙げることができる。これら
の中では硬度と靭性の観点からヒドロキシエチルメタク
リレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートが好まし
く、より硬度の高いものが得られるヒドロキシプロピル
メタクリレートが最も好ましい。
【0024】イソシアネート基とエチレン性不飽和基を
同時に有する化合物としては例えば水酸基とエチレン性
不飽和基を同時に有する化合物にジイソシアネート化合
物を1対1で付加させることにより得られたものなどを
挙げることができる。
【0025】以上のようにして得られる不飽和ポリウレ
タンのポリスチレンを標準とするGPC測定によって求
められる数平均分子量は800〜9000であることが
望ましい。分子量が小さいほど得られる感光性樹脂組成
物の粘度を低くできるという利点を有するものの、分子
量がこれより小さくなると硬化物は硬く脆くなって靭性
がなくなり、複製品の不要部分を切断削除する際にヒビ
割れを生じ易くなるので好ましくない。
【0026】分子量が大きいと硬化物の靭性は確保しや
すいものの、これ以上大きいと得られる感光性樹脂組成
物の粘度が高くなり、注型工程で型の隅々まで感光性樹
脂を行き渡らせるのが難しくなるのに加えて、得られる
硬化物が柔らかくなるなど複製品の特性として好ましく
ない面が出てくる。
【0027】エチレン性不飽和化合物としては、N−メ
チロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、
N,N−ジメチルアクリルアミド、N−(2−メトキシ
エチル)アクリルアミド、N−メチロールメタクリルア
ミド、N,N−ジメチルメタクリルアミドなどのN置換
アクリルアミドや、N置換メタクリルアミド類、ヒドロ
キシエチルメタクリレート及びアクリレート、ヒドロキ
シプロピルメタクリレート及びアクリレート等のヒドロ
キシアルキルメタクリレート及びアクリレート、エチレ
ングリコールジメタクリレート及びアクリレート、ジエ
チレングリコールジメタクリレート及びジアクリレー
ト、テトラエチレングリコールジメタクリレート及びジ
アクリレートなどのポリオキシエチレングリコールのジ
メタクリレートやジアクリレート、
【0028】プロピレングリコールジメタクリレート及
びジアクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリ
レート及びジアクリレート、トリプロピレングリコール
ジメタクリレート及びジアクリレートなどのポリオキシ
プロピレングリコールジメタクリレートやジアクリレー
ト、ブタンジオールジメタクリレート及びジアクリレー
ト、ヘキサンジオールジメタクリレート及びジアクリレ
ート、ノナンジオールジメタクリレート及びジアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレートやト
リアクリレート、ビスフェノールA骨格を有するジアク
リレートやジメタクリレートを例として挙げることが出
来る。
【0029】これらの中では靭性をさほど下げずに硬
度、耐熱性を高めるという観点ではN−メチロールアク
リルアミド、メタクリルアミドが好適であり、硬度、耐
熱性をさほど下げずに靭性を高めるという観点からはジ
アセトンアクリルアミドが好適である。又、感光性樹脂
組成物の粘度を下げ、強伸度物性や硬度などを高める効
果を有するという観点から、ヒドロキシエチルメタクリ
レート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、トリメチ
ロールプロパントリメタクリレートなどが、更に靭性を
保ったまま硬度、耐熱性を高めるという観点ではビスフ
ェノールA骨格を有するジアクリレートやジメタクリレ
ートが適している。通常これらが組み合わせて用いられ
る。
【0030】通常、分子内にエチレン性不飽和結合を有
する分子量が800〜9000のポリマー100重量部
に対してエチレン性不飽和化合物が60〜200重量部
の範囲で用いられる。
【0031】注型用感光性樹脂組成物に使用される光重
合開始剤としては、300〜400nmの波長の紫外線
を吸収して重合を開始させる能力を有するもので、公知
のものが使用される。例えば、ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピ
ルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイ
ン−n−ブチルエーテル、αーメチロールベンゾインメ
チルエーテル、αーメトキシベンゾインメチルエーテ
ル、αーエトキシベンゾインエチルエーテルなどのベン
ゾイン誘導体や、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニ
ルアセトフェノン、1−ベンジルー1−ジメチルアミノ
プロピル−p−モルフォリノケトンなどを挙げることが
できる。これらの中ではαーメトキシベンゾインメチル
エーテルが効果速度が大きく肉厚の大きいものまで硬化
できるという点で特に好適である。
【0032】光重合開始剤の配合量は重合開始有効量で
あれば良いが、通常感光性樹脂組成物の全重量に対して
0.1〜10重量%の範囲で使用される。これより少な
いと光重合開始効率が悪くなり、特にシリコーンゴムと
接触する面での硬化が悪くなり複製品の表面に粘着性が
残ることもあるので好ましくない。逆に多すぎると硬化
物の機械的物性が低下するので好ましくない。好ましい
範囲は1〜4重量%であり、より好ましい範囲は1.5
〜3.5重量%である。
【0033】この他に、感光性樹脂組成物の製造時ある
いは貯蔵時の安定性を確保するために公知の熱重合禁止
剤などの安定剤を加えることができる。このような安定
剤の例としては、p−メトキシフェノール、2,6−ジ
−t−ブチル−p−クレゾールなどを挙げることができ
る。更に必要に応じて離型剤、可塑剤、その他添加剤を
含有させることができる。
【0034】作業途中に混入した気泡が抜けやすく、ま
たシリコーンゴム型の隅々にまで行き渡り易くするため
には感光性樹脂組成物の粘度は20℃で120P以下、
好ましくは100P以下であることが望ましい。感光性
樹脂組成物の粘度はエチレン性不飽和化合物、特に液状
エチレン性不飽和化合物の配合比率を高めることで下げ
ることができる。液状エチレン性不飽和化合物の中でも
分子量の小さいものは特に粘度を下げる効果が大きい。
また、液状の可塑剤類、例えばシリコーンオイル等を他
の特性にさほど影響を及ぼさない範囲で添加することも
粘度を下げるのに有効である。
【0035】また、感光性樹脂組成物の粘度が高い場合
には注型をする際の感光性樹脂温度を高めることで使用
時の粘度を下げることもできるが、温度によっては変質
を起こすことがあり、このようなことが起こらない温度
範囲で使用する必要がある。
【0036】光硬化に用いられる光源は300〜400
nmの波長の紫外線を発するものであれば良く、紫外線
蛍光灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、キセノン
ランプ、など感光性樹脂を硬化させるのに通常用いられ
ているものを使用することができる。
【0037】複製モデルの作製は印刷版作製やレジスト
焼き付けの場合とは異なり、光硬化の際に紫外線は天地
左右前後六方向から照射されるようにする事が必要であ
り、その為に用いられる光源の配置は天地左右前後の六
方向であることが望ましい。反射板を利用して光源配置
の数を減らすことも可能であるが、その場合でも六方向
から光が照射されるように反射板の形状、配置を決める
必要がある。もし、印刷版作製用と同じ上下方向からだ
けの光照射を行う場合は、側面にあたる部分が硬化不充
分となり欠陥品を生じてしまうことになる。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て実施例および比較例を用いて具体的に説明するが、本
発明はこれに限定されるものではない。
【0039】
【実施例】
実施例1 図1に示す形状のABS製のマスターモデルを用い、あ
らかじめ真空下で脱泡した室温硬化タイプの透明シリコ
ーンゴムGT−9000(蛇の目ミシン工業製)を30
℃で硬化させて注型用型を作製した。
【0040】2Lのセパラブルフラスコに分子量500
のポリカプロラクトンジオール1000gを仕込み、こ
れにトリレンジイソシアネート410gを加えてウレタ
ン化反応をさせ両末端がイソシアネート基であるポリマ
ーを得た。次いで2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト410g(内307gは希釈モノマーとしての過剰添
加分)を加えてポリマーのイソシアネート基と反応さ
せ、両末端にメタクリレート基を有する数平均分子量8
000のウレタンポリマーを得た。
【0041】このポリマー120g(希釈モノマーとし
ての2−ヒドロキシプロピルメタクリレート20gを含
む)、N−メチロールアクリルアミド20g、メタクリ
ルアミド20g、2−ヒドロキシプロピルメタクリレー
ト40g、α−メトキシベンゾインメチルエーテル5
g、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.2g
を混合して20℃における粘度が80Pである感光性樹
脂組成物を得た。
【0042】あらかじめ50℃に加温したこの感光性樹
脂を減圧下で撹拌脱泡したのち、65℃に加温された前
述した透明シリコーンゴム型の中に注ぎ込み、次いで3
70nmに中心波長を有する40W紫外線蛍光灯を上下
左右前後六方向に配置した露光機の中にシリコーンゴム
型を置き10分間の紫外線照射を行った。
【0043】照射後、型を開いて感光性樹脂硬化物から
なる複製品を取り出し、複製品の各場所の寸法をノギス
を用いて測定した。測定結果を表1に示す。また、この
複製品の20℃におけるショアーD硬度は82度であ
り、ニッパーを用いて切断してもひび割れの生じること
はなかった。
【0044】実施例2−A〜C及び比較例1 実施例1と同じ感光性樹脂組成物を用い、シリコーンゴ
ムの硬化温度、シリコーンゴム型の加温温度を種々変え
た以外は実施例1と同じようにして注型用感光性樹脂を
用いた複製品の作製を行った。得られた複製品の各部の
寸法を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】
【発明の効果】本発明の複製モデルの作製方法によれ
ば、寸法精度の高い複製モデルを作製することができ
る。更に硬くて割れにくい複製モデルを欠陥のない形で
作製することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例で用いたマスターモデルの形状
を示す平面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 75:00 105:24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスターモデルを基に紫外線透過性シリ
    コーンゴムにより型を作製し、この型の中に感光性樹脂
    組成物を注入し紫外線を照射することによって複製モデ
    ルを作製する方法において、シリコーンゴムを硬化させ
    る時の温度より、感光性樹脂組成物を注入し紫外線を照
    射して硬化させる時のシリコーンゴム型の温度を30℃
    〜50℃高くして行うことを特徴とする感光性樹脂組成
    物を用いた複製モデルの作製方法。
  2. 【請求項2】 感光性樹脂組成物として 分子内にエチレン性不飽和結合を有する、分子量80
    0〜9000のポリマー エチレン性不飽和結合を有する分子量800未満のエ
    チレン性不飽和化合物 光重合開始剤 を必須成分としてなる感光性樹脂組成物を用いることを
    特徴とする請求項1記載の複製モデルの作製方法。
  3. 【請求項3】 天地左右前後六方向から紫外線が照射さ
    れるように光源が配置された露光装置を用いて紫外線露
    光することを特徴とする請求項1又は2記載の複製モデ
    ルの作製方法。
JP20546896A 1996-07-17 1996-07-17 感光性樹脂を用いた複製モデルの作製方法 Withdrawn JPH1034674A (ja)

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