JPH10339846A - 光走査装置 - Google Patents

光走査装置

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JPH10339846A
JPH10339846A JP9148835A JP14883597A JPH10339846A JP H10339846 A JPH10339846 A JP H10339846A JP 9148835 A JP9148835 A JP 9148835A JP 14883597 A JP14883597 A JP 14883597A JP H10339846 A JPH10339846 A JP H10339846A
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JP
Japan
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frequency
torsion spring
magnetic field
optical scanning
vibrating body
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JP9148835A
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English (en)
Inventor
Shigeru Suzuki
鈴木  茂
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Brother Industries Ltd
Original Assignee
Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し疲労に対する耐久性に優れると共
に、周囲温度が大きく変動した場合でも光走査角度の変
動が小さい光走査装置を実現すること。 【解決手段】 コイル7により発生される交番磁界の駆
動周波数fが、最低使用環境温度T=0℃における固有
振動数faに設定されているので、使用環境温度がT=
0℃からT=40℃まで変化した場合でも、振れ角は8
0°から72°までしか低下しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザポインタ、
レーザプリンタ、バーコードリーダ、レーザスキャンマ
イクロメータ等の事務機器、計測器に使用される光走査
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、本出願人は、特願平8−1010
2号において、磁石付きミラーと交流磁場を発生させる
ためのコイルとを備えたガルバノ振動を用いた光走査装
置について提案している。
【0003】この光走査装置は、図7に示すように、ス
テンレス等からなる弾性線状部材5aが適当な張力で引
っ張られた状態で、固定治具2aによってハウジング1
aに固定されている。弾性線状部材5aのほぼ中央に
は、少なくとも片面が境面加工された磁石付きミラー3
aが、図示しない接着剤により接着固定されている。
【0004】一方、コア6aにはコイル7aが巻き付け
られている。コイル7aは、コア6aに設けられたネジ
孔8a及びハウジング1aに設けられた孔4aにおいて
図示しないネジによってハウジング1aに固定されてい
る。そして、交番パルス電流発生器9aにより所定の電
流をコイルに流すことにより交流磁界が発生し、磁石付
きミラー3aが振動する。また、この交番パルスの駆動
周波数は、磁石付きミラー3aと線状弾性部材5aとの
機械的固有振動数に設定されている。そして、光源1a
より発射されたレーザー光10aは、磁石付きミラー3
aによって反射され、その磁石付きミラー3aが共振す
ることにより非走査面12aに走査されるものである。
【0005】さらに、本出願人は、特願平8−2261
8号において、弾性線状部材として形状記憶合金を用い
ることにより、繰り返し疲労に対する耐久性に極めて優
れた光走査装置を提案している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記固
有振動数が温度により変化するという現象の発生のため
に、前記従来の光走査装置は温度変化が少ない条件下で
しか使用することができないという問題があった。以下
に、このような現象について図面を参照して説明する。
【0007】図8は、前記従来の光走査装置において、
交番パルスの駆動周波数に対する磁石付きミラー3aの
振動の振れ角相対値が変化する一例を示したグラフであ
る。図8において、高温時(温度T=40℃)では固有
振動数がf0と低く、一方、低温時(T=0℃)では固
有周波数がf1と高くなる。従って、例えば、低温時に
振れ角が最大となるように交番パルスの駆動周波数をf
1と設定した場合、温度が上昇して固有振動数がf0に
なると、振れ角が1/5以下へ急激に低下するので光走
査角度が非常に小さくなってしまう。従って、前記従来
の光走査装置は交番パルスの駆動周波数を設定した温度
付近の温度条件下でしか使用ができなかったのである。
【0008】本発明は、上述した問題点を解決するため
になされたものであり、繰り返し疲労に対する耐久性に
優れると共に、周囲温度が大きく変動した場合でも光走
査角度の変動が小さい光走査装置を提供することを目的
とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、本発明の請求項1に記載の光走査装置は、トーショ
ンバネを張設支持し、そのトーションバネの中間部に固
定的に支持された磁石と鏡面とを有する振動体を、磁界
発生手段により形成される磁界の作用により前記トーシ
ョンバネを軸線として振動させ、光源より発せられる光
ビームを前記鏡面に入射させることにより、前記鏡面の
振動に基づいて前記光ビームを走査させるようにしたも
のを対象として、特に、前記トーションバネは、その逆
変態温度が使用環境温度以上である形状記憶合金からな
り、前記磁界発生手段は、最低使用環境温度における前
記振動体と前記トーションバネとから形成される振動系
が有する固有振動数若しくはその近傍の振動数で前記振
動体を振動させるように構成している。
【0010】従って、前記トーションバネは、使用環境
温度範囲内において、常にマルテンサイト相となるの
で、繰り返し疲労に対する耐久性に優れ、長寿命な光走
査が可能である。また、使用環境温度範囲内の温度変化
により前記振動系の固有振動数が変化しても前記振動体
の振れ角が大きく変動することがないので、前記磁界発
生手段は、温度変化に拘わらず、前記振動体を最大振幅
付近で大きく振動させて光走査することができる。
【0011】また、請求項2に記載の光走査装置は、前
記磁界発生手段が、最低使用環境温度における前記振動
体の振幅と最高使用環境温度における前記振動体の振幅
とが一致する振動数若しくはその近傍の振動数で前記振
動体を振動させるように構成している。従って、前記磁
界発生手段は、前記振動体を使用環境温度範囲内におい
て、常に、最低使用環境温度及び最高使用環境温度にお
ける振幅以上の振幅で振動させることができるので、温
度変化に拘わらず、前記振動体を最大振幅付近で大きく
振動させて光走査することができる。
【0012】また、請求項3に記載の光走査装置は、前
記磁界発生手段が、一定周波数の交番磁界を発生するよ
うに構成している。従って、前記磁界発生手段により発
生される交番磁界を単一周波数として構成できるので、
装置の構成を簡単にすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0014】図1は、本発明を具体化した光走査装置の
構造を示すものである。小磁石3は、縦が4mm、横が
8mmで厚さ0.4mmのNi−Co(ニッケルコバル
ト)またはSm−Co(サマリュウムコバルト)からな
る小磁石であり、その表面3mは後述するレーザビーム
を反射させるために鏡面加工されている。尚、この小磁
石3の表面を鏡面加工する代わりに、小磁石3の表面に
鏡を接着等により貼り付けてもよい。この小磁石3は約
10000ガウス程度の残留磁束密度を有している。小
磁石3における鏡面3mの裏面には、形状記憶合金であ
るNi−Tiからなるトーションバネ5が取り付けられ
ている。また、このトーションバネ5の線径は約300
μmであり、長さは約25mmである。このトーション
バネ5は、その上下端を、中央を矩形にくり貫かれた矩
形状のハウジング1に対して、治具2により固定されて
いる。
【0015】ハウジング1に対して、トーションバネ5
及び小磁石3を支持する際の方法について説明する。
【0016】まず、トーションバネ5は所定の張力で両
端を引っ張られた状態で、治具2により、ネジ止めでハ
ウジング1に固定される。そして、このように固定され
たトーションバネ5に上述した小磁石3がトーションバ
ネ5のほぼ中央付近に接着剤にて固定される。ところ
で、前記トーションバネ5は、所定の応力にて引っ張ら
れた状態でハウジング1に固定されている。
【0017】また、ハウジング1の後面にはコイル7が
設けられている。尚、コイル7が本発明の磁界発生手段
を構成するものである。このコイル7は、円筒状のコア
6の周囲に300ターン/cmの密度の巻き線を設けた
ものであり、コア6に形成されたネジ孔8及びハウジン
グ1に形成された孔4を介してハウジング1にネジ止め
されている。このコイル7の巻き線の両端には交番パル
ス電流発生器9が接続されており、5Vで100mA程
度の電流をコイル7に流すことができる。つまり、この
コイルに前記電流を流すことにより、300[ターン/
cm]×100[mA]=3000[A/m]の交番磁
界を与えることができる。そして、交番パルス電流発生
器9により所定の矩形波電流をコイル7に印加すること
により後述するメカニズムにて小磁石3が共振し、光源
11から発せられて小磁石3の鏡面3mに入射したレー
ザビーム10が所定の走査角にて走査され、非走査面1
2上に走査されるよう構成されている。
【0018】ところで、本実施の形態におけるトーショ
ンバネ5の材質は、上述したように形状記憶合金の一種
であるNi−Ti合金であり、所定のテンションを与
え、マルテンサイト相の状態でハウジング1に取り付け
られている。
【0019】ここで、形状記憶合金の相変態について図
2を参照して説明する。
【0020】形状記憶合金は、逆変態開始温度As点及
び逆変態終了温度Af点を境に形状記憶領域と超弾性領
域とに分かれる。逆変態開始温度As点以下で使用する
場合は、いわゆる形状記憶効果を示し、逆変態終了温度
Af点以上の温度では超弾性効果を示すものである。変
態温度とは、合金のオーステナイト相からマルテンサイ
ト相ヘ変化する温度のことで、逆変態温度とは逆にマル
テンサイト相からオーステナイト相へ変化するときの温
度である。
【0021】本実施の形態では、逆変態終了温度Af点
を使用環境温度以上(本実施の形態では60℃)とし、
使用環境温度においては、常にマルテンサイト相の形状
記憶領域を利用するものである。
【0022】マルテンサイト相における形状記憶合金の
疲労特性を説明するため、通常の金属材料とその合金の
せん断応力負荷時の変形における差異を図3の模式図に
従って説明する。
【0023】通常の金属材料の場合、外力としてのせん
断応力が限界以上にかかった場合、図3(a)に示すよ
うに原子が隣接にすべり、せん断歪みが発生する。この
場合は、外力を除去しても、エネルギー的に安定してい
るため歪みが元の状態に戻ることはない。つまり、応力
が繰り返して付加されることにより、この歪みは蓄積さ
れ、最後には一般に金属疲労と呼ばれる破断に至るので
ある。
【0024】一方、形状記憶合金の場合、Af点が使用
環境温度より高い場合は、室温では常にマルテンサイト
相の状態であり、その場合、形状記憶合金の内部では、
図3(b)に示すように、A、Bで示される兄弟晶が発
生している。このA、Bの境界(双晶面)は、低応力で
移動するため、比較的柔らかく、外力が加わるとその外
力に対して優先方位の兄弟晶Aが成長し、その結果せん
断変形することになる。外力が除荷されると、完全には
元に復元しないが、本実施の形態の場合は直ちに逆方向
のトルクが交番磁界によってかかるため、完全に元に戻
ることになる。すなわち、外力と復元力とによって図3
(b)の(1)と(2)とを往復することになる。この
場合の負荷とは、小磁石が交番磁界から受ける外力とト
ーションバネからの復元力とを合成したものとなる。図
3(b)に示すように、マルテンサイト相における形状
記憶合金は、一般の金属のように原子の滑りが発生せ
ず、双晶面が移動するのみで歪が蓄積されることがな
い。このため、繰り返し振動に対する耐久性が極めて高
いのである。
【0025】次に、前述した構成の光走査装置の動作に
ついて説明する。
【0026】図1に示すように、コイル7に交番パルス
電流を流すと、コイル7の周囲には、図4(a)、
(b)に示す様にいわゆる交番磁界Hが形成される。そ
して中心がトーションバネ5に固定されて、かつ該コイ
ル7の前方に設置されている小磁石3は、交番磁界によ
りMHcosθのトルクを受ける(ただし、Mは小磁石
3の磁気モーメント、Hは磁界の強さ、θは振れ角であ
る)。また、ねじれ角θのときには、トーションバネ5
による復元力kθも同時に受ける(ただし、kはトーシ
ョンバネ5のバネ定数である)。さらに、小磁石3が高
速に振動する場合、空気との摩擦抵抗およびトーション
バネ5内部の摩擦抵抗などによって、dθ/dtに比例
した減衰力も受けることになる。そして前記トルクが周
期的(角周波数ω)に加わると、小磁石3はねじり振動
を始める。この振動系を方程式で表すと下に示す式とな
る。
【0027】
【数1】
【0028】これは、減衰振動系に強制力が加わった場
合の方程式で、その一般解は下に示す式で表される。
【0029】
【数2】
【0030】ここで、θが最大となる固有角振動数ωp
は、下に示す式で表される。
【0031】
【数3】
【0032】つまり電流の角周波数ωと、小磁石3とト
ーションバネ5とからなる機械系の固有角振動数ωpと
が一致した場合にいわゆる共振状態となり、最大の振れ
角になる。
【0033】本実施の形態の場合、例えば室温約0℃で
コイル7にかける電圧を5Vとし、巻き線に流れる電流
を約100mAとすると振動周波数約400Hzで共振
し、小磁石3のふれ角は約40度となる。すなわち、光
源11から発射され、小磁石3の表面に形成されている
鏡面3mで反射されたレーザビーム10は走査角約80
度で非走査面12に走査される。
【0034】さて、ここで温度一定の場合における小磁
石3とトーションバネ5との共振状態における振れ角と
固有振動数fp(=ωp/(2π))との関係は、図5
に示されるように、振れ角が大きくなるに従って固有振
動数fpが低下する特性となる。
【0035】この理由を以下に説明する。即ち、図3
(b)に示されるように、振れ角が大きくなるにつれて
兄弟晶の移動が多くなり、トーションバネ5の内部の摩
擦抵抗が増加して、減衰係数μが大きくなる。一方、周
囲温度一定の場合、非減衰固有角振動数ωoは一定であ
るので、数式3から、振れ角が大きくなると減衰係数μ
が大きくなり、従ってωp即ちfpが低下する特性とな
るのである。
【0036】次に、図6は、温度T=0℃及び40℃に
おける駆動周波数f(=ω/(2π))に対する振れ角
の変化を示したものである。図6において、例えばT=
0℃の場合のグラフに示されるように、駆動周波数fが
振れ角最大周波数fa、即ちT=0℃における固有振動
数fpより小さい場合は、振れ角の低下が急峻となり、
駆動周波数fが振れ角最大周波数faより大きい場合は
振れ角の低下が緩やかになる。即ち、例えばfaより小
さい駆動周波数fから始めて、fを増加していった場合
に、faに近づくにつれて振れ角が増加しはじめると、
図5により固有振動数fpが低下するため、急速に振れ
角が増加し、駆動周波数f=faにおいて最大振れ角θ
a(=約80度)に達する。さらに駆動周波数fを増加
していくと振れ角は減少し始めるが、図5により振れ角
の低下と共に固有振動数fpが上昇するため、fpの上
昇によって振れ角の減少は緩和され、それ故振れ角の低
下は緩やかになるである。
【0037】このため、図6に示すように、例えば、駆
動周波数fをT=0℃における振れ角最大周波数faと
設定した状態で、T=40℃と温度が上昇して振れ角最
大周波数がfbと変化した場合でも、駆動周波数f=f
aにおける振れ角は80°から72°へ低下するのみで
あり、低下の割合は10%程度と小さいのである。
【0038】従って、駆動周波数を使用環境温度範囲内
の最低温度(最低使用環境温度)における固有振動数若
しくはその近傍の振動数に設定することにより、温度変
化による走査角の変動が小さく、動作が安定した光走査
装置を提供することが可能となった。
【0039】尚、本発明は以上詳述した実施の形態に限
定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲にお
いて、種々の変更を加えることができる。
【0040】例えば、前記実施の形態においては、駆動
周波数をT=0℃における固有振動数fp(=fa)と
して駆動するように構成したが、温度変化による振れ角
度変化が小さい周波数領域であれば、どの領域を用いて
駆動してもよい。例えば、駆動周波数を最低使用環境温
度における振幅と最高使用環境温度における振幅とが一
致する振動数若しくはその近傍の振動数として、駆動す
るように構成してもよい。例えば、図6のグラフにおい
て、T=0℃における振れ角の曲線と、T=40℃にお
ける振れ角の曲線との交点における周波数fc若しくは
その近傍の周波数を駆動周波数とすることにより、最高
使用環境温度時及び最低使用環境温度時において振れ角
が最小となり、それらの温度の間の温度では常に前記最
小の振れ角よりも大きな振れ角となる。従って、前記実
施の形態よりも、さらに温度変化に対する振れ角の変動
が小さい光走査装置を実現することが可能である。
【0041】また、前記実施の形態ではコイル7に流す
電流を小さく抑えるために共振現象を利用する構成とし
たが、電力に余裕があるならば共振点をはずして光走査
装置を駆動しても機能上問題はないのである。
【0042】また、前記実施の形態では形状記憶合金で
あるNi−Ti合金を用いて実現したが、Ag−Cd、
Au−Cd、Cu−Sn、Cu−Al−Ni、Ni−A
l、Fe−Ptなどの形状記憶合金のマルテンサイト相
であれば、いずれを使用しても実施できるのである。
【0043】また、前記実施の形態では、便宜上、コイ
ル7の前面にトーションバネ5及び小磁石3を配置した
が、コイル7の周辺であって交番磁界が小磁石3の磁気
モーメントMと略直交する方向に発生する箇所ならば、
どこに配置してもよいのである。
【0044】また、前記実施の形態では走査幅を最大に
するためコイル7に流す電流波形を矩形波としたが、走
査幅に余裕があれば、SIN波、三角波などの周期波形
でもよいし、コイル7に印加する電圧波形を矩形波、S
IN波、三角波などの周期波形として構成してもよい。
【0045】
【発明の効果】以上説明したことから明らかなように、
本発明の請求項1に記載の光走査装置は、前記トーショ
ンバネは、その逆変態温度が使用環境温度以上である形
状記憶合金からなり、前記磁界発生手段は、最低使用環
境温度における前記振動体と前記トーションバネとから
形成される振動系が有する固有振動数若しくはその近傍
の振動数で前記振動体を振動させるように構成してい
る。従って、前記トーションバネは、使用環境温度範囲
内において、常にマルテンサイト相となるので、繰り返
し疲労に対する耐久性に優れ、長寿命な光走査が可能で
ある。また、使用環境温度範囲内の温度変化により前記
振動系の固有振動数が変化しても前記振動体の振れ角が
大きく変動することがないので、前記磁界発生手段は、
温度変化に拘わらず、前記振動体を最大振幅付近で大き
く振動させて光走査することができる。
【0046】また、請求項2に記載の光走査装置は、前
記磁界発生手段が、最低使用環境温度における前記振動
体の振幅と最高使用環境温度における前記振動体の振幅
とが一致する振動数若しくはその近傍の振動数で前記振
動体を振動させるように構成している。従って、前記磁
界発生手段は、前記振動体を使用環境温度範囲内におい
て、常に、最低使用環境温度及び最高使用環境温度にお
ける振幅以上の振幅で振動させることができるので、温
度変化に拘わらず、前記振動体を最大振幅付近で大きく
振動させて光走査することができる。
【0047】また、請求項3に記載の光走査装置は、前
記磁界発生手段が、一定周波数の交番磁界を発生するよ
うに構成している。従って、前記磁界発生手段により発
生される交番磁界を単一周波数として構成できるので、
装置の構成が簡単となり、安価に製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態の光走査装置の構成を示す斜視図
である。
【図2】本実施の形態に用いた形状記憶合金の温度及び
応力に対する相変態を表す図である。
【図3】マルテンサイト相における形状記憶合金の相変
態によるせん断歪みと、一般金属のせん断歪みとを表す
模式図である。
【図4】本実施の形態に用いた小磁石が交番磁界からト
ルクを受ける模式図である。
【図5】温度一定の場合における小磁石とトーションバ
ネとの共振状態における振れ角と固有振動数との関係を
示すグラフである。
【図6】温度0℃及び40℃における駆動周波数に対す
る振れ角の変化を示したグラフである。
【図7】従来の光走査装置の構成を示す斜視図である。
【図8】従来の光走査装置における交番パルスの駆動周
波数に対する振れ角相対値の変化の一例を示したグラフ
である。
【符号の説明】
1 ハウジング 3 小磁石 3m 鏡面 5 トーションバネ 7 コイル 9 パルス電流発生器 10 レーザービーム

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トーションバネを張設支持し、そのトー
    ションバネの中間部に固定的に支持された磁石と鏡面と
    を有する振動体を、磁界発生手段により形成される磁界
    の作用により前記トーションバネを軸線として振動さ
    せ、光源より発せられる光ビームを前記鏡面に入射させ
    ることにより、前記鏡面の振動に基づいて前記光ビーム
    を走査させるようにした光走査装置において、 前記トーションバネは、その逆変態温度が使用環境温度
    以上である形状記憶合金からなり、 前記磁界発生手段は、最低使用環境温度における前記振
    動体と前記トーションバネとから形成される振動系が有
    する固有振動数若しくはその近傍の振動数で前記振動体
    を振動させるように構成したことを特徴とする光走査装
    置。
  2. 【請求項2】 前記磁界発生手段は、最低使用環境温度
    における前記振動体の振幅と最高使用環境温度における
    前記振動体の振幅とが一致する振動数若しくはその近傍
    の振動数で前記振動体を振動させるように構成したこと
    を特徴とする請求項1に記載の光走査装置。
  3. 【請求項3】 前記磁界発生手段は、一定周波数の交番
    磁界を発生するように構成したことを特徴とする請求項
    1若しくは2に記載の光走査装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110048644A (zh) * 2019-05-17 2019-07-23 中国科学院沈阳自动化研究所 一种基于记忆合金丝的线性驱动器

Cited By (2)

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CN110048644A (zh) * 2019-05-17 2019-07-23 中国科学院沈阳自动化研究所 一种基于记忆合金丝的线性驱动器
CN110048644B (zh) * 2019-05-17 2023-12-12 中国科学院沈阳自动化研究所 一种基于记忆合金丝的线性驱动器

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