JPH1033896A - 衣類乾燥機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】除湿タイプ，排気タイプそれぞれの弱点を抑
え、利点を最大限に有効活用する為、除湿，排気タイプ
の開閉蓋側面から結露した水滴の落下による感電，床面
等の汚れがなく、低コストで簡単な開閉機構の衣類乾燥
機。 【解決手段】除湿形回転ドラム式衣類乾燥機の循環通風
路に機外へ通じる通風路を開閉可能にし、そこを閉じれ
ば除湿タイプとして、そこを開くと排気タイプとして使
える開閉蓋１８の開口部に縦長の風向板２０を設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は衣類乾燥機に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】国内の回転ドラム式衣類乾燥機は、一時
代前は構造が簡単で、乾燥効率が良い排気タイプが支流
であったが、排気タイプは衣類に含まれる水分全部を部
屋に湿り空気として排気するため、部屋が湿り不快感を
与えたり、湿気で壁がかびるなどの欠点があり、現在は
湿った空気を熱交換器で水に戻して排水させ、部屋へ湿
気を出さない除湿タイプが支流になっている。しかし、
部屋への湿気は解消されるものの、回転ドラム式衣類乾
燥機に搭載される熱交換器には、価格やスペースの点か
ら限界があり、一時代前の排気タイプより乾燥効率が劣
り乾燥時間が長く、乾燥コストも高いなどの弱点があ
る。このように回転ドラム式衣類乾燥機は、排気タイ
プ，除湿タイプのどちらか一方のタイプに限られ、除
湿，排気タイプの利点を活用した除湿，排気切替タイプ
の回転ドラム式衣類乾燥機は、除湿から排気タイプの切
替時の開口部からの水漏れ，排気タイプ時の機外の外気
と循環通風路内の排気するための湿り空気の温度差によ
って、特に湿り空気が開閉蓋側面に当り結露し、水滴と
なって落下し床面を濡らしてしまう。それに複雑な開閉
機構を取付けるためコストが高くなる等の問題が生じ
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、除湿
タイプ，排気タイプそれぞれの弱点を抑え、利点を最大
限に有効活用する為、除湿，排気タイプの開閉蓋側面か
ら結露した水滴の落下による感電，床面等の汚れがな
く、低コストで簡単な開閉機構の衣類乾燥機を提供する
ことにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は除湿形回転ドラム式衣類乾燥機の循環通風
路に機外へ通じる通風路を開閉可能にし、そこを閉じれ
ば除湿タイプとして、そこを開くと排気タイプとして使
える開閉蓋の開口部に縦長の風向板を設け構成を設け
る。

【０００５】除湿タイプ回転ドラム式衣類乾燥機の循環
通風路に機外へ通じる通風路を開閉可能にした構成なの
で、そこを閉じれば除湿タイプそのものでありその働き
をする。そのとき、乾燥運転中又は乾燥終了時は、開閉
蓋の裏側は水滴で覆われており、そこで排気タイプに切
替えると、蓋を開けるので、水は開閉蓋から漏れてしま
うが、開口部の開閉蓋の支点を下側にして、開いた状態
の開閉蓋底面が本体に対して９０°未満になる角度で、
開閉蓋が箱形状のため、開閉蓋裏側に溜るか循環通風路
内に戻され水漏れがなくなる。また、機外へ通じる通風
路を開けば、循環通風路内の圧力が枠外（外気）より高
いため、循環通風路内の循環風は枠外（外気）へ排気さ
れ、排気された分だけ、その所より枠外の外気が循環通
風路内へまた吸入され排出タイプの働きをする。そのと
き、枠外の外気と循環通風路内の排気するための湿り空
気の温度差によりできた開閉蓋側面の水滴が床面に落下
してしまうが、開口部に縦長の風向板を設けることによ
り、循環通風路内の排気するための湿り空気が開閉蓋側
面に当らない為、水滴が付かず、全て開閉蓋の裏面に当
り開閉蓋の裏面に付いた水滴は、開閉蓋が箱形状の支点
が下側で、開閉蓋を開いた状態が開閉蓋底面本体に対し
て９０°未満になる角度を設けた開閉蓋により開閉蓋裏
側に溜るか循環通風路内に戻され水滴落下がなくなる。
従って、除湿，排気タイプの水漏れによる感電，床面等
の汚れがなくなる。

【０００６】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明をする。

【０００７】図１，図２，図３，図４に本発明の除湿，
排気の両方式で乾燥を可能とした衣類乾燥機の構造を示
す。

【０００８】図中、１は外枠であり、外枠１の内部には
乾燥室であるドラム６が前側を外枠１のフロント内面に
取付けたドラム支持体１３に、後側をドラムファン支持
体１４に回転自在に支持設置されている。

【０００９】２は衣類投入口３を覆い開閉自在に構成さ
れたドアであり、４は運転操作部である。

【００１０】５は、交流モータ１１，ヒータ７等を駆動
制御するマイクロコンピュータよりなる制御装置であ
る。

【００１１】また、交流モータ１１はトライアックを介
して制御され、ヒータ７はリレーを介して制御される。

【００１２】８は乾燥室であるドラム６内にヒータ７で
発生させた熱風を送るための送風装置（熱交ファン）で
ある。

【００１３】送風装置（熱交ファン）８は熱交換器を兼
ね備えており、送風装置（熱交ファン）８および乾燥室
であるドラム６を回転駆動するためのドラムベルト９と
ファンベルト１０を介して交流モータ１１に接続されて
いる。

【００１４】１２はファンケーシングであり循環ダクト
１７を介してドラム支持体１３へと連結されている。循
環ダクト１７のフロント部に機外へ通じる排気口１７−
２を設け、排気口１７−２には外気からのごみ，虫等が
入らないように排気口フィルタ１９を設け、手動で開閉
可能な開閉蓋１８が設けてある。

【００１５】こうして、このように構成された衣類乾燥
機を運転する場合、まずドア２を開け乾燥が必要な衣類
を衣類投入口３より乾燥室であるドラム６内に入れ、ド
ア２を閉めて、洗濯機で洗濯後の衣類を乾燥する場合
は、開閉蓋１８が閉じているのを確認後、運転操作部４
のスイッチを投入する。

【００１６】スイッチが投入されると、図５に示すよう
に、交流モータ１１とヒータ７に通電され、乾燥室であ
るドラム６と熱交換器を兼ね備えた送風装置（熱交ファ
ン）８が回転駆動を始め乾燥終了まで回転駆動する。

【００１７】ここで衣類より蒸発した湿気は循環風と一
緒に糸屑捕集装置１５を通過し、ドラム後面壁のドラム
排気口６−１を通り、ファンケーシング１２の循環側へ
と流入する。

【００１８】また、裏板１６の裏板吸気口１６−１より
外気がファンケーシング１２の冷却側へ流入し、裏板排
気口１６−２より排気される。

【００１９】送風装置（熱交ファン）８の外周部では、
仕切板とのラビリンスシール部で循環風と冷却風とが出
入りすることなく仕切られており、ここで送風装置（熱
交ファン）８の表裏で、ファンケーシング１２の循環側
と冷却側との間で熱交換され、循環風に含まれる湿気は
凝縮されて水となってファンケーシング１２のケーシン
グ吐出口１２−１から循環ダクト１７へと流入し、排水
口１７−１より機外へ排出される。

【００２０】こうして除湿タイプとしての一連の乾燥運
転が継続される。

【００２１】つぎに排気タイプを取入れた乾燥運転につ
いて説明する。

【００２２】まず、ドア２を開け乾燥が必要な衣類を衣
類投入口３よりドラム６内に入れ、ドア２を閉じて、外
に干して生乾きの衣類を乾燥する場合は、開閉蓋１８を
開き運転操作部４のスイッチを投入する。

【００２３】スイッチが投入されると、図４に示すよう
に交流モータ１１とヒータ７に通電され、ドラム６と熱
交換器を兼ね備えた送風装置（熱交ファン）８が回転駆
動を始め乾燥終了まで回転駆動する。

【００２４】ここで衣類より蒸発した湿気は循環風と一
緒に糸屑捕集装置１５を通過し、ドラム後面壁のドラム
排気口６−１を通り、ファンケーシング１２の循環側へ
と流入する。

【００２５】また、裏板１６の裏板吸気口１６−１より
外気がファンケーシング１２の冷却側へ流入し、裏板排
気口１６−２より排気される。

【００２６】送風装置（熱交ファン）８の外周部では、
仕切板とのラビリンスシール部で循環風と冷却風とが出
入りすることなく仕切られており、ここで送風装置（熱
交ファン）８の表裏で、ファンケーシング１２の循環側
と冷却側との間で熱交換され、循環風に含まれる湿気の
一部は凝縮されて水となってファンケーシング１２のケ
ーシング吐出口１２−１から循環ダクト１７へと流入
し、排水口１７−１より機外へ排出される。循環風に含
まれる大部分の湿気は循環ダクト１７の排気口１７−２
より機外へ排気される。排気された分だけ入れ替えに外
気が吸入される。

【００２７】こうして排気タイプの一連の乾燥運転が行
われる。

【００２８】この除湿タイプと排気タイプの特徴は、洗
濯，脱水後衣類乾燥機で即、衣類を乾燥する場合は衣類
に多くの水分が含まれている為、乾燥効率が排気タイプ
より劣るが湿気を部屋へ出さない除湿タイプが良い。ま
た、外に干して少し湿り気の残っている生乾きの衣類を
乾燥する時は水分がわずかなため部屋へ排気しても、部
屋が湿っぽくならず、この場合は乾燥効率が良く、乾燥
時間の早い排気タイプが良い。屋外（ベランダ等）での
乾燥も排気タイプが適している。

【００２９】図２は、除湿タイプ乾燥運転時の開閉蓋１
８が閉じている状態である。開閉蓋１８の裏側は、排気
口フィルタ１９を介して排気口１７−２になっており、
その排気口１７−２は、循環ダクト１７内を流れている
湿気を含んだ循環風が運転中通っている。そうすると循
環ダクト１７，排気口１７−２内側，開閉蓋１８の裏側
には、多量の水滴が付いており、その状態で乾燥中もし
くは、乾燥終了時に図３のように開閉蓋１８を開けたり
すると（排気タイプ運転）その水滴が大きくなり、床面
等に落ちてしまう。しかし、開閉蓋１８を箱形状にし、
開閉蓋１８底面が本体対して角度が９０°未満に保たれ
るように支持板１８−１を設けることにより、水滴を開
閉蓋１８上に溜らせ水滴の落下を防止できる。また、そ
れを開閉蓋１８の支点をピン１８−２下側に設け、開閉
蓋１８を閉じるとその水が排気口１７−２，循環ダクト
１７，排水口１７−１と機外へ排出されるため水漏れが
なくなり、感電，床面等の汚れもなくなる。

【００３０】図４は本発明の実施例の排気タイプ乾燥運
転時の開閉蓋１８が開放状態を示している。開閉蓋１８
が開いている排気口１７−２からは、循環ダクト１７内
を流れている湿気を含んだ循環風が排気口１７−２より
機外へ排気され、排気された分だけ入れ替えに外気が吸
入される。そのときの循環風と外気の温度差により、開
閉蓋１８の側面と裏面に湿気を含んだ循環風が当り結露
し水滴となり、開閉蓋１８の裏面に付いた水滴について
は落下しても、開閉蓋１８の底面が本体に対して角度が
９０°未満に保つような支持板１８−１が配設され、箱
形状とした開閉蓋１８上に水を溜らせ、箱形状とした開
閉蓋１８を閉じて、その水が排気口１７−２，循環ダク
ト１７，排水口１７−１と機外へ排出される。しかし、
開閉蓋１８の側面に付いた水滴は、上記のようには回収
されなく、時間が経過するにつれて水が垂れてしまい床
面等に落ちる。そこで、開閉蓋１８が開いている排気口
１７−２からの循環ダクト１７内を流れている湿気を含
んだ循環風を全て開閉蓋１８の裏面当るように風向板２
０を設けることにより、結露して出来た水滴は、開閉蓋
１８の裏側にだけ付きその水滴は、開閉蓋１８を閉じ
て、その水が排気口１７−２，循環ダクト１７，排水口
１７−１と機外へ排出されて水漏れが防止でき、感電，
床面等の汚れがなくる。

【００３１】それにより、乾燥時、衣類に含まれる水分
が多いときは部屋への湿気を優先して、排気口１７−２
を閉めて乾燥し、また、衣類に含まれる水分が少ない時
は乾燥効率を優先させて排気口１７−２を開いて乾燥さ
せ、除湿タイプ，排気タイプそれぞれの利点をフルに活
用出来き、水漏れによる感電，床面等の汚れがなく、低
コストで簡単な開閉機構が得られる。

【００３２】

【発明の効果】本発明によれば、それぞれの除湿タイ
プ，排気タイプの弱点を抑え、利点を最大限に有効活用
する為、除湿，排気タイプの開閉蓋側面から結露した水
滴の落下による感電，床面の汚れがなく、低コストで簡
単な開閉機構の衣類乾燥機を提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の衣類乾燥機の断面図。

【図２】本発明の実施例の除湿タイプ運転時の開閉蓋の
説明図。

【図３】本発明の実施例の排気タイプ運転時の開閉蓋の
説明図。

【図４】本発明の実施例の風向板の説明図。

【図５】本発明の実施例の開閉蓋を実行するフローチャ
ート。

【符号の説明】

１…外枠、４…操作部、１８…開閉蓋、１８−１…支持
板、１８−２…ピン、１９…排気口フィルタ、２０…風
向板。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新美 悦男 茨城県日立市東多賀町一丁目１番１号 株 式会社日立製作所電化機器事業部多賀本部 内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】被乾燥物を収納する乾燥室と前記乾燥室を
   加熱するヒータと前記ヒータによって加熱された熱風を
   前記乾燥室に流入させる送風手段と衣類から奪った湿気
   を凝縮させる熱交換器とを備え、循環空気を機内または
   機外に排気できる開閉可能な開口部と開閉蓋が箱形状の
   支点が下側で、前記開閉蓋を開いた状態が前記開閉蓋の
   底面本体に対して鋭角となる衣類乾燥機において、前記
   開口部に縦長の風向板を設けたことを特徴とする衣類乾
   燥機。
2. 【請求項２】請求項１において、前記開口部に縦長の風
   向板を横一列に複数個設けた衣類乾燥機。