JPH10332730A - 車両の旋回状態量センサ監視装置 - Google Patents

車両の旋回状態量センサ監視装置

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JPH10332730A
JPH10332730A JP15749597A JP15749597A JPH10332730A JP H10332730 A JPH10332730 A JP H10332730A JP 15749597 A JP15749597 A JP 15749597A JP 15749597 A JP15749597 A JP 15749597A JP H10332730 A JPH10332730 A JP H10332730A
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yaw rate
vehicle
state quantity
turning state
sensor
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JP15749597A
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Yoshiyuki Yasui
由行 安井
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Aisin Corp
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Aisin Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の旋回中にブレーキ作動が行なわれた場
合にも旋回状態量センサによる検出信号を適切に監視し
得る旋回状態量センサ監視装置を提供する。 【解決手段】 車両の旋回状態量を測定する旋回状態量
センサRSに加え、少くとも車両のステアリング操作に
応じた車輪の操舵角を測定する操舵角センサSAと、車
体速度を検出する車体速度検出手段VEを備える。第1
のヨーレイト推定手段Y1にて、車体速度と操舵角に基
づき車両のヨーレイトを推定し第1の推定ヨーレイトを
出力すると共に、第1の偏差演算手段D1にて、旋回状
態量センサRSの測定信号に基づいて求める実ヨーレイ
トと第1の推定ヨーレイトとの偏差を演算し、その偏差
が第1の所定値を下回る状態であるときに、判定手段C
Pにて実ヨーレイトが正常と判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の旋回状態量
センサ監視装置に関し、特に、旋回状態量センサによっ
て測定する車両の旋回状態量から直接又は間接にヨーレ
イトを検出し、これを監視する旋回状態量センサ監視装
置に係る。
【0002】
【従来の技術】車両の旋回状態を表す指標としては、ヨ
ーレイトと横加速度があり、これらの旋回状態量を測定
するセンサを旋回状態量センサと総称し、直接ヨーレイ
トを測定するヨーレイトセンサが普及している。そし
て、このヨーレイト、車体速度、及びステアリング操作
に応じた操舵角に基づいて車両の後輪の操舵角を制御す
ることにより車両の走行安定性を向上する後輪操舵制御
装置が知られている。ヨーレイトを検出する手段として
は、これを直接測定するヨーレイトセンサのほか、間接
的にヨーレイトを検出する種々のセンサが提案されてお
り、横加速度に基づきヨーレイトを演算することもでき
る。
【0003】例えば、特開昭63−218866号公報
には、車両のヨーレートを簡単に検出し得るようにする
ため、車両の左右両側の車輪速度をそれぞれ個別に検出
する車輪速度センサを設け、車両の両側の車輪速度の差
に基づいてヨーレートを検出する車両のヨーレート検出
装置が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前述の後輪操舵制御装
置においては、信頼性を確保すべく冗長系が採られるの
が一般的であるが、複数個の同一のセンサを用いるのは
コストアップとなり、特にヨーレイトセンサは高価であ
るのでこれを複数個用いるのは実用的ではない。これに
対し、前掲の公報に記載の装置によれば安価なヨーレイ
ト検出装置を構成することができる。
【0005】然し乍ら、前掲の公報に記載の装置におい
て、例えば車両の旋回中にブレーキ作動が行なわれると
(あるいはブレーキ作動中に旋回作動が行なわれる
と)、正確なヨーレイトを検出することができない。ま
た、ヨーレイトセンサの測定信号に対する参照信号とし
て上述の車両の両側の車輪速度の差に基づいて検出する
ヨーレイトを用いる場合にも、車両の旋回中にブレーキ
作動が行なわれるとヨーレイト信号を適切に監視するこ
とが困難となる。なんとなれば、車両の旋回中には荷重
移動が生ずるので、このときブレーキ作動が行なわれ各
車輪に等しいブレーキ液圧が付与されると、左右の車輪
速度に差が生ずることとなる。従って、車両の旋回中に
ブレーキ作動が行なわれているときにはヨーレイトの推
定精度が低下するので、上記の装置によっては正確なヨ
ーレイトの検出を検出することができず、またヨーレイ
ト信号の監視を適切に行なうこともできなくなる。
【0006】そこで、本発明は、車両の旋回中にブレー
キ作動が行なわれた場合にも旋回状態量センサによる検
出信号を適切に監視し得る旋回状態量センサ監視装置を
提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明は、車両の旋回状態量を測定する旋回状態量
センサの測定信号を監視する車両の旋回状態量センサ監
視装置において、前記車両のステアリング操作に応じた
車輪の操舵角を測定する操舵角センサと、前記車両の車
体速度を検出する車体速度検出手段と、該車体速度検出
手段が検出した車体速度と前記操舵角センサが測定した
操舵角に基づき前記車両のヨーレイトを推定し第1の推
定ヨーレイトを出力する第1のヨーレイト推定手段と、
前記旋回状態量センサの測定信号に基づいて求める実ヨ
ーレイトと前記第1の推定ヨーレイトとの偏差を演算す
る第1の偏差演算手段と、該第1の偏差演算手段が演算
した偏差が第1の所定値を下回る状態であるときに前記
実ヨーレイトが正常と判定する判定手段とを備えること
としたものである。
【0008】更に、請求項2に記載したように、前記車
両の少くとも従動輪を含む各車輪の車輪速度を測定する
車輪速度センサを備え、前記車体速度検出手段が、前記
車輪速度に基づき前記車体速度を推定する車体速度推定
手段を具備したものとするとよい。
【0009】そして、請求項3に記載したように、前記
車輪速度センサが測定する前記従動輪の車輪速度に基づ
き前記車両のヨーレイトを推定し、第2の推定ヨーレイ
トを出力する第2のヨーレイト推定手段と、前記旋回状
態量センサの測定信号に基づいて求める実ヨーレイトと
前記第2のヨーレイト推定手段が推定する第2の推定ヨ
ーレイトとの偏差を演算する第2の偏差演算手段とを備
えたものとし、前記判定手段が、前記第1の偏差演算手
段が演算した偏差が第1の所定値を下回る状態、及び前
記第2の偏差演算手段が演算した偏差が第2の所定値を
下回る状態の少くとも何れか一方の状態であるときに前
記実ヨーレイトが正常と判定するように構成するとよ
い。
【0010】前記旋回状態量センサとしては、請求項4
に記載のように、前記車両の実ヨーレイトを直接測定す
るヨーレイトセンサがあるが、請求項5に記載したよう
に、前記車両の横加速度を測定する横加速度センサを具
備し、該横加速度センサが測定した横加速度に基づき前
記実ヨーレイトを演算するように構成することもでき
る。また、前記判定手段は、前記旋回状態量センサの出
力に基づき前記車両のタイヤが横方向限界に達したか否
かを判定し、横方向限界に達したと判定したときには、
前記実ヨーレイトが正常か否かの判定を中止するように
構成することもできる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の望ましい実施形態
を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態
に係る旋回状態量センサ監視装置の構成の概要を示すも
ので、車両の旋回状態量を測定する旋回状態量センサR
Sと、車両のステアリング操作に応じた車輪の操舵角を
測定する操舵角センサSAと、車両の車体速度を検出す
る車体速度検出手段VSが設けられている。そして、こ
れらのセンサによって検出された車体速度と操舵角に基
づき車両のヨーレイトを推定し第1の推定ヨーレイトを
出力する第1のヨーレイト推定手段Y1と、旋回状態量
センサRSの測定信号に基づいて求める実ヨーレイトと
第1の推定ヨーレイトとの偏差を演算する第1の偏差演
算手段D1が設けられ、判定手段CPにて、実ヨーレイ
トと第1の推定ヨーレイトとの偏差が第1の所定値を下
回る状態であるときに実ヨーレイトが正常と判定するよ
うに構成されている。また、図1に破線で示すように、
車両の少くとも従動輪を含む各車輪の車輪速度を測定す
る車輪速度センサ(代表してVWで表す)を備えたもの
とし、車体速度検出手段VSを、車輪速度に基づき車体
速度を推定する車体速度推定手段VEを具備したものと
し、推定車体速度を用いることとしてもよい。
【0012】更に、図1に破線で示すように、車輪速度
センサVWが測定する従動輪の車輪速度に基づき車両の
ヨーレイトを推定し、第2の推定ヨーレイトを出力する
第2のヨーレイト推定手段Y2を設けると共に、旋回状
態量センサRSの測定信号に基づいて求める実ヨーレイ
トと第2のヨーレイト推定手段Y2が推定する第2の推
定ヨーレイトとの偏差を演算する第2の偏差演算手段D
2を設け、判定手段CPにより、第1の偏差演算手段D
1が演算した偏差が第1の所定値を下回る状態、及び第
2の偏差演算手段D2が演算した偏差が第2の所定値を
下回る状態の少くとも何れか一方の状態であるときに実
ヨーレイトが正常と判定するように構成するとよい。
【0013】旋回状態量センサRSとしては、車両の実
ヨーレイトを直接測定するヨーレイトセンサYSがある
が、更に車両の横加速度を測定する横加速度センサGS
を設け、この横加速度センサGSが測定した横加速度に
基づき実ヨーレイトを演算するように構成することもで
きる。
【0014】図2は上記の旋回状態量センサ監視装置を
備えた車両の後輪操舵装置を示し、車両後方の車輪R
R,RL間に後輪操舵アクチュエータRSAが設けられ
ており、これにより電子制御装置ECUの出力制御信号
に応じて車輪RR,RLの操舵角が制御される。車輪F
R,FL,RR,RLには車輪速度センサWS1乃至W
S4が配設され、これらが電子制御装置ECUに接続さ
れており、各車輪の回転速度、即ち車輪速度に比例する
パルス数のパルス信号が電子制御装置ECUに入力され
るように構成されている。尚、車輪FRは運転席からみ
て前方右側の車輪を示し、以下、車輪FLは前方左側、
車輪RRは後方右側、車輪RLは後方左側の車輪を示
す。本実施形態では後輪駆動車とされ、後方の車輪R
R,RLが駆動輪で、前方の車輪FR,FLが従動輪と
なっている。
【0015】更に、ステアリング操作に応じた車両前方
の車輪FR,FLの操舵角を測定する操舵角センサとし
てハンドル角δf を測定するハンドル角センサSSf、
車両後方の車輪RR,RLの操舵角δrを測定する後輪
操舵角センサSSr、及び車両のヨーレイトを測定する
ヨーレイトセンサYS等が電子制御装置ECUに接続さ
れている。ヨーレイトセンサYSにおいては、車両重心
を通る鉛直軸回りの車両回転角(ヨー角)の変化速度、
即ちヨー角速度(ヨーレイト)が測定され、実ヨーレイ
トγa として電子制御装置ECUに出力される。
【0016】本実施形態の電子制御装置ECUは、図2
に示すように、バスを介して相互に接続されたプロセシ
ングユニットCPU、メモリROM,RAM、入力ポー
トIPT及び出力ポートOPT等から成るマイクロコン
ピュータCMPを備えている。上記車輪速度センサWS
1乃至WS4、ハンドル角センサSSf、後輪操舵角セ
ンサSSr、ヨーレイトセンサYS等の出力信号は増幅
回路AMPを介して夫々入力ポートIPTからプロセシ
ングユニットCPUに入力されるように構成されてい
る。また、出力ポートOPTからは駆動回路ACTを介
して後輪操舵アクチュエータRSAに制御信号が出力さ
れるように構成されている。尚、車輪速度センサWS1
乃至WS4によって測定された車輪速度Vw** に基づき
悪路判定を行ない、悪路時にはフィルタ処理により高周
波成分を除去するように構成するとよい。
【0017】マイクロコンピュータCMPにおいては、
メモリROMは図3乃至図6に示したフローチャートを
含む種々の処理に供するプログラムを記憶し、プロセシ
ングユニットCPUは図示しないイグニッションスイッ
チが閉成されている間当該プログラムを実行し、メモリ
RAMは当該プログラムの実行に必要な変数データを一
時的に記憶する。尚、後輪操舵アクチュエータRSAは
周知のものと同様であり、例えば特開平9−11824
7号の公報に記載されているので説明を省略する。
【0018】上記のように構成された本実施形態におい
ては、電子制御装置ECUにより後輪操舵角制御の一連
の処理が行なわれ、イグニッションスイッチ(図示せ
ず)が閉成されると図3乃至図6等のフローチャートに
対応したプログラムの実行が開始する。図3は車両の後
輪操舵角制御処理を示すもので、先ずステップ101に
て車輪速度センサWS1乃至WS4の車輪速度信号が読
み込まれると共に、ハンドル角センサSSfのハンドル
角信号、ヨーレイトセンサYSのヨーレイト信号、後輪
操舵角センサSSrの後輪操舵角信号が読み込まれる。
尚、本実施形態においては、車輪速度センサWS1乃至
WS4、ハンドル角センサSSf及び後輪操舵角センサ
SSrの出力信号はパルス信号で、ヨーレイトセンサY
Sの出力信号はアナログ信号であり、何れも電子制御装
置ECUに入力される。
【0019】次に、ステップ102において、上記セン
サの各測定信号が、各車輪の車輪速度Vw** (**は各車
輪を表す)、ハンドル角δf 、実ヨーレイトγa 、後輪
操舵角δr に夫々変換される。更に、車輪速度Vw** に
基づき車体速度が推定され、推定車体速度Vsoが演算さ
れる(例えば、Vso=MAX[Vw** ]として求められ
る)。続いてステップ103に進み、各検出信号(セン
サ信号)に対し監視処理が行なわれ正常か否かが判定さ
れる。各検出信号が正常と判定されるとステップ104
にて目標後輪操舵角が演算される。そして、この目標後
輪操舵角に基づきステップ105にてモータ(図示せ
ず)が駆動され、後輪の操舵角が制御される。
【0020】図4はステップ104にて行なわれる目標
後輪操舵角の演算処理を示すもので、ステップ103で
求められた推定車体速度Vso、ハンドル角δf 及び実ヨ
ーレイトγa が読み込まれ(ステップ201)、ステッ
プ202にて推定車体速度Vsoに応じて制御ゲインKC1
(Vso) ,KC2(Vso) が求められる。そして、ステップ2
03において、後輪の目標後輪操舵角δr*が、δr*=K
C1(Vso) ・δf + KC2(Vso) ・γa として求められ
る。尚、本実施形態では制御ゲインをKC1(Vso),KC2
(Vso) として表したように、推定車体速度Vsoの関数と
されているが、路面摩擦係数μの関数としてもよい。
【0021】図5はステップ103で行なわれるセンサ
信号監視処理のうち、ヨーレイト信号の監視処理を示す
もので、先ずステップ301にて、ステップ103で求
められた車輪速度Vw** 、推定車体速度Vso、ハンドル
角δf 、実ヨーレイトγa 及び後輪操舵角δr が読み込
まれる。そして、ステップ302において、推定車体速
度Vso及びハンドル角δf に基づき第1の推定ヨーレイ
トγe1が演算される。即ち、第1の推定ヨーレイトγe1
はγe1={Vso/(1+Kh ・Vso2 )}・δf /(N
・L)として求められる。ここで、Kh はスタビリティ
ファクター、Nはステアリングギヤ比、Lはホイールベ
ースを夫々表す。尚、後輪操舵制御の場合にはKh は後
輪操舵角δr の関数として補正処理が行なわれる。ま
た、ハンドル角δf とヨーレイトには位相差があるの
で、第1の推定ヨーレイトγe1の演算に際しては、路面
摩擦係数μ、ハンドル角δf 及び推定車体速度Vsoの少
くとも一つに応じて第1の推定ヨーレイトγe1の位相が
補正される。
【0022】続いて、ステップ303において、従動輪
側の左右の車輪(本実施形態では車両前方の車輪FL,
FR)の車輪速度Vwfr ,Vwfl に基づき第2の推定ヨ
ーレイトγe2が演算される。即ち、車輪速度Vwfr ,V
wfl の差ΔVwf(=Vwfl −Vwfr )が演算され、この
車輪速度差ΔVwfに基づき第2の推定ヨーレイトγe2が
γe2=Ke ・ΔVwf / Tr として求められる。ここ
で、Ke は第2の推定ヨーレイト用の補正値であり、Tr
は車両のトレッド長である。
【0023】そして、ステップ304に進み、実ヨーレ
イトγa と第1の推定ヨーレイトγe1との差(|γa −
γe1|)が所定値K1と比較される。この差(|γa −
γe1|)が所定値K1より小さければヨーレイトセンサ
YSは正常と判定され、ステップ305に進み制御許可
とされる。これに対し、差(|γa −γe1|)が所定値
K1以上と判定されるとステップ306に進み、実ヨー
レイトγa と第2の推定ヨーレイトγe2との差(|γa
−γe2|)が所定値K2と比較される。この差(|γa
−γe2|)が所定値K2より小さければヨーレイトセン
サYSは正常と判定され、ステップ305に進み制御許
可とされる。しかし、差(|γa −γe1|)が所定値K
1以上で、且つステップ306にて差(|γa −γe2
|)が所定値K2以上であるときには、ヨーレイトセン
サYSの測定信号は制御に供し得ないと判定され、ステ
ップ304,306からステップ307に進み制御不許
可とされる。
【0024】而して、車両の旋回の度合が小さければ左
右の荷重移動が小さいのでこれに起因する左右の車輪速
度差は生じず、ブレーキ作動が行なわれたか否かに拘ら
ず、図7の上段のグラフに示すように、第1及び第2の
推定ヨーレイトγe1,γe2は何れもヨーレイトセンサY
Sの実ヨーレイトと略一致する(上段のグラフではこれ
らが重合するので、略一つの実線として表れている)。
しかし、第2の推定ヨーレイトγe2は、車両の旋回度合
が大きいときにブレーキ作動が行なわれる場合には、左
右の車輪速度差により図7の下段のグラフに破線で示し
たように第2の推定ヨーレイトγe2の推定精度が低下
し、ヨーレイト信号の監視を適切に行なうことができな
い。これに対し、第1の推定ヨーレイトγe1は上段のグ
ラフと同様、図7の下段のグラフに実線で示したように
実ヨーレイトと略一致する。
【0025】但し、車両が旋回中にタイヤの横力限界を
超えると、第1の推定ヨーレイトγe1を規定するスタビ
リティファクターKh の特性から、第1の推定ヨーレイ
トγe1も誤差を生ずる。即ち、ステップ302ではスタ
ビリティファクターKh は一定値として演算されるが、
実際にはKh の値は横加速度が大となると過大となる。
この場合には、ブレーキ作動が行なわれていなければ第
2の推定ヨーレイトγe2が実ヨーレイトと略一致するの
で、これを用いることとし、後述するように車両がタイ
ヤの横力限界(横方向限界)を超えて旋回中にブレーキ
作動が行なわれている場合にのみ、監視を停止すればよ
い。
【0026】図6はステップ103で行なわれるヨーレ
イト信号の監視処理の他の例を示すもので、図5の態様
に対し、上記のタイヤの横力限界か否かの判定を加えた
ものである。即ち、図5のフローチャートに比し、ステ
ップ401において入力信号が付加されると共に、ステ
ップ402及び403の処理が付加されているが、ステ
ップ404乃至409はステップ302乃至307と同
様である。ステップ401においては、ステップ301
の入力信号に加え、推定車体速度Vsoが微分されて求め
られる前後方向の推定車体減速度DVso、及び路面摩擦
係数μが読み込まれる。
【0027】そして、ステップ402においては、タイ
ヤの横力限界内か否か判定される。即ち、実ヨーレイト
γa と推定車体速度Vsoの積(γa ・Vso: 即ち、車
両の横加速度)が路面摩擦係数μと所定値Kx の積(μ
・Kx )と比較される。前者が後者より小さければタイ
ヤの横力限界内と判定されてステップ404以降に進む
が、前者が後者以上でタイヤの横力限界を超えていると
判定されると、ステップ403に進み更に推定車体減速
度DVsoが路面摩擦係数μと所定値Ky の積(μ・Ky
)と比較される。推定車体減速度DVsoが(μ・Ky
)より小さければステップ404以降に進むが、推定
車体減速度DVsoが(μ・Ky )以上である場合にはそ
のまま図3のメインルーチンに戻される。
【0028】而して、本実施形態における旋回状態量セ
ンサ監視装置によれば、第1及び第2の推定ヨーレイト
γe1,γe2の両者を用いることにより、僅かな例外を除
き車両の略全運転領域においてヨーレイト信号を監視す
ることができ、車両が旋回中に制動状態にある場合でも
ヨーレイト信号が正常であるか否かを適切に判定するこ
とができる。
【0029】前述のように、旋回状態量センサとしては
車両の実ヨーレイトを直接測定するヨーレイトセンサの
ほか、車両の横加速度を測定する横加速度センサを具備
したものがあり、この横加速度センサが測定した横加速
度に基づき実ヨーレイトを演算するように構成すること
もできる。従って、図2に破線で示したように、ヨーレ
イトセンサYSに代え、又はこれに加え車両の横加速度
を測定する横加速度センサGSを設けることとしてもよ
く、この横加速度センサGSにて測定された横加速度を
車体速度で除算して実ヨーレイトを求めることができ
る。あるいは、車両の前後に横加速度センサを設けるこ
ととしてもよく、両者間の距離をDとし、これらの出力
(横加速度)を横方向速度Vwf,Vwrに変換すれば、実
ヨーレイトγa はγa =(Vwf−Vwr)/Dとして求め
られる。
【0030】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で以下の効果を奏する。即ち、請求項1に記載の旋回状
態量センサ監視装置においては、車両のステアリング操
作に応じた車輪の操舵角を測定する操舵角センサと、車
両の車体速度を検出する車体速度検出手段を備え、第1
のヨーレイト推定手段にて、車体速度と操舵角に基づき
車両のヨーレイトを推定し第1の推定ヨーレイトを出力
すると共に、第1の偏差演算手段にて、旋回状態量セン
サの測定信号に基づいて求める実ヨーレイトと第1の推
定ヨーレイトとの偏差を演算し、その偏差が第1の所定
値を下回る状態であるときに実ヨーレイトが正常と判定
するように構成されているので、車両の旋回中にブレー
キ作動が行なわれた場合にも旋回状態量センサによる検
出信号を適切に監視することができる。
【0031】また、請求項3に記載の旋回状態量センサ
監視装置においては、上記に加え、車輪速度センサが測
定する従動輪の車輪速度に基づき車両のヨーレイトを推
定し、第2の推定ヨーレイトを出力する第2のヨーレイ
ト推定手段と、旋回状態量センサの測定信号に基づいて
求める実ヨーレイトと第2のヨーレイト推定手段が推定
する第2の推定ヨーレイトとの偏差を演算する第2の偏
差演算手段とを備え、第1の偏差演算手段が演算した偏
差が第1の所定値を下回る状態、及び第2の偏差演算手
段が演算した偏差が第2の所定値を下回る状態の少くと
も何れか一方の状態であるときに実ヨーレイトが正常と
判定するように構成されているので、車両の運転状態の
略全域において旋回状態量センサによる検出信号を適切
に監視することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の旋回状態量センサ監視装置の一実施形
態を表すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態の旋回状態量センサ監視装
置を含む車両の後輪操舵装置の全体構成図である。
【図3】本発明の一実施形態における車両の後輪操舵制
御の処理を示すフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態における目標後輪操舵角演
算処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態におけるヨーレイト信号監
視処理の一例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の一実施形態におけるヨーレイト信号監
視処理の他の例を示すフローチャートである。
【図7】本発明の一実施形態における非制動時及び車両
旋回中の制動時のヨーレイトの変化の一例を示すグラフ
である。
【符号の説明】
FR,FL,RR,RL 車輪 WS1〜WS4 車輪速度センサ YS ヨーレイトセンサ GS 横加速度センサ SSf ハンドル角センサ SSr 後輪操舵角センサ CMP マイクロコンピュータ IPT 入力ポート OPT 出力ポート ECU 電子制御装置 AMP 増幅回路 ACT 駆動回路 RSA 後輪操舵アクチュエータ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の旋回状態量を測定する旋回状態量
    センサの測定信号を監視する車両の旋回状態量センサ監
    視装置において、前記車両のステアリング操作に応じた
    車輪の操舵角を測定する操舵角センサと、前記車両の車
    体速度を検出する車体速度検出手段と、該車体速度検出
    手段が検出した車体速度と前記操舵角センサが測定した
    操舵角に基づき前記車両のヨーレイトを推定し第1の推
    定ヨーレイトを出力する第1のヨーレイト推定手段と、
    前記旋回状態量センサの測定信号に基づいて求める実ヨ
    ーレイトと前記第1の推定ヨーレイトとの偏差を演算す
    る第1の偏差演算手段と、該第1の偏差演算手段が演算
    した偏差が第1の所定値を下回る状態であるときに前記
    実ヨーレイトが正常と判定する判定手段とを備えたこと
    を特徴とする車両の旋回状態量センサ監視装置。
  2. 【請求項2】 前記車両の少くとも従動輪を含む各車輪
    の車輪速度を測定する車輪速度センサを備え、前記車体
    速度検出手段が、前記車輪速度に基づき前記車体速度を
    推定する車体速度推定手段を具備したことを特徴とする
    請求項1記載の車両の旋回状態量センサ監視装置。
  3. 【請求項3】 前記車輪速度センサが測定する前記従動
    輪の車輪速度に基づき前記車両のヨーレイトを推定し、
    第2の推定ヨーレイトを出力する第2のヨーレイト推定
    手段と、前記旋回状態量センサの測定信号に基づいて求
    める実ヨーレイトと前記第2のヨーレイト推定手段が推
    定する第2の推定ヨーレイトとの偏差を演算する第2の
    偏差演算手段とを備え、前記判定手段が、前記第1の偏
    差演算手段が演算した偏差が第1の所定値を下回る状
    態、及び前記第2の偏差演算手段が演算した偏差が第2
    の所定値を下回る状態の少くとも何れか一方の状態であ
    るときに前記実ヨーレイトが正常と判定するように構成
    したことを特徴とする請求項2記載の車両の旋回状態量
    センサ監視装置。
  4. 【請求項4】 前記旋回状態量センサが、前記車両の実
    ヨーレイトを直接測定するヨーレイトセンサであること
    を特徴とする請求項1、2又は3記載の車両の旋回状態
    量センサ監視装置。
  5. 【請求項5】 前記旋回状態量センサが、前記車両の横
    加速度を測定する横加速度センサを具備し、該横加速度
    センサが測定した横加速度に基づき前記実ヨーレイトを
    演算するように構成したことを特徴とする請求項1、2
    又は3記載の車両の旋回状態量センサ監視装置。
  6. 【請求項6】 前記判定手段は、前記旋回状態量センサ
    の出力に基づき前記車両のタイヤが横方向限界に達した
    か否かを判定し、横方向限界に達したと判定したときに
    は、前記実ヨーレイトが正常か否かの判定を中止するよ
    うに構成したことを特徴とする請求項1、2又は3記載
    の車両の旋回状態量センサ監視装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100991435B1 (ko) 2005-11-01 2010-11-03 주식회사 만도 차량 전복 방지 방법
KR101315023B1 (ko) * 2008-10-08 2013-10-14 주식회사 만도 차량의 기준 속도 추정 방법
JP2016524892A (ja) * 2013-05-20 2016-08-18 セブコン リミテッド 車両制御装置および車両制御方法

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