JPH10328175A - X線ct装置 - Google Patents

X線ct装置

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JPH10328175A
JPH10328175A JP9142018A JP14201897A JPH10328175A JP H10328175 A JPH10328175 A JP H10328175A JP 9142018 A JP9142018 A JP 9142018A JP 14201897 A JP14201897 A JP 14201897A JP H10328175 A JPH10328175 A JP H10328175A
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JP
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data
rotation
ray
scan
cycle
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JP9142018A
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English (en)
Inventor
Kenji Hatano
顕治 羽田野
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】被検者による心拍周期の違いに関わらず、所望
の分割心位相数に対して無効時間をなくし、最短時間で
データ収集を完了することができるX線CT装置を提供
する。 【解決手段】X線CT装置は、X線源及び回転円板の駆
動を制御するスキャン制御部に、心電計からの信号を入
力し、該入力に基づき回転円板の回転速度を制御するス
キャン速度制御部を備え、スキャン速度制御部は、スキ
ャナー回転周期Trを心拍周期Thに対し所定の間隔だけ
増加または減少させる。このずれは心拍周期Thを所望
の分割数nで分割した1心位相分の時間のk倍(但し、
kは1以上の整数で、k≧2のときn/k≠整数)とす
る。画像処理部は、1回転で得られたデータを各心位相
毎に分割し、複数スキャンにより得られるデータから同
じ心位相のデータを集めて1回転分のデータとして画像
再構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線CT装置に関
し、特に心臓の機能診断に好適に用いられるX線CT装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、心臓のCT検査では、心臓の拍
動による動きのアーチファクトを低減するため、スキャ
ンデータに心電波形を付加してデータを収集し、複数の
スキャンデータから1回転分の同一心電位相データを集
めて画像再構成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】従来のX線CT装置で
は、X線管を搭載した円板(スキャナー)の回転周期、
即ちスキャン時間が一定であるため、所望の分割心位相
数に対応したデータを収集するのに必要な時間が、心拍
周期に応じて変化する。このことを図面を参照して説明
する。
【0004】図7は、心拍周期Thに対してスキャナー
回転周期Trが長い場合の例を示したもので、ここでは
分割心位相数が5で、スキャナー回転周期が分割した心
位相の1/2の時間だけ長くなった場合の心拍周期とデー
タの関係を示している。
【0005】この場合、複数のスキャンデータのうち、
1つの心位相に対応するデータが図中矢印で示すように
集められ、1回転に相当するA〜Fのデータが揃うこと
により1つの心位相について画像再構成可能となる。こ
こでは、周期のずれが分割した心位相の1/2の時間なの
で、第1心位相では、最初のスキャンでAとF、その後
2回転毎にE、D、C、Bという順番でデータ収集で
き、総回転数9回転でデータ収集を完了する。
【0006】総回転数9回転のうち、4回転がデータを
収集しない無効時間である。この無効時間は、スキャナ
ー回転周期Trと心拍周期Thとの周期のずれが異なる場
合、総回転数と無効時間も変化する。例えば分割した心
位相に対応する時間の1/3や1/4或いはその倍数であった
場合には、更に総回転数と無効時間が増加することにな
る。
【0007】しかし実際には、被検者の呼吸停止時間や
造影剤の使用量により撮影時間に制約があり、またCT
装置の性能等によって最大スキャン時間に制約があるの
で、心拍周期の異なるすべての被検者で総回転数分のス
キャンが可能なわけではない。このためデータ収集の途
中でスキャンを終了すると、データ量が不足し、画像ノ
イズの増大や動きのアーチファクトの発生を招いてしま
うことになる。例えば、図7において、撮影の途中の7
回転でスキャンを終了した場合に第1心位相では分割デ
ータBが収集できない。これを他のデータを補間して画
像を再構成すると、ノイズの増大を招くことになる。
【0008】さらに、スキャナー回転周期が一定である
ため、図8に示すように心拍周期と回転周期が一致した
場合には、心位相毎に一回転分のデータを収集すること
が不可能となる。ここでも分割心位相数を5としている
が、心拍周期と回転周期が一致しているので、第1心位
相に対応するデータは分割したデータAのみで、他のB
〜Eのデータは収集できず、画像再構成することができ
ない。第2〜5心位相についても同様で、それぞれB〜
E以外のデータが収集できず、検査が不可能になる。
【0009】本発明は、どのような心拍周期であって
も、所望の分割心位相数に対して無効時間をなくし、最
短時間でデータ収集を完了することができるX線CT装
置を提供することを目的とし、心拍周期の異なるすべて
の被検者に対して有用なデータを得ることを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明のX線CT装置は、X線源及びX線検出器を備えた回
転円板と、前記X線源及び前記回転円板の駆動を制御す
るスキャン制御部と、前記X線検出器の出力信号を受信
しデジタル信号に変換する検出器回路部と、前記検出器
回路部からの信号をもとに画像再構成する画像処理部
と、心電計からの信号を入力し、該入力に基づき前記回
転円板の回転速度を制御するスキャン速度制御部を備
え、前記スキャン速度制御部は、前記回転円板の回転周
期を心拍周期に対し所定の間隔だけ増加または減少させ
るように制御し、前記画像処理部は、前記回転円板の1
回転で得られたデータを各心位相毎に分割し、複数スキ
ャンにより得られるデータから同じ心位相のデータを集
めて1回転分のデータとして画像再構成するように構成
する。好適には前記心拍周期に対する前記回転円板の回
転周期のずれは、前記心拍周期(Th)を所望の分割数
(n≧2)で分割した1心位相分の時間(Th/n)の
整数倍とする。
【0011】回転円板の回転速度を心拍周期を参照して
制御することにより、回転円板の回転周期と心拍周期と
のずれが検査対象によりばらつき、1心位相について画
像再構成のためのデータ収集にかかる時間がばらつくこ
とや、回転円板と心拍周期とが同期してしまうことによ
り各心位相について各角度のデータの収集ができなくな
ることを防止することができる。
【0012】特に回転円板の回転周期(Tr)と心拍周
期(Th)とのずれを、1心位相の時間の整数(k)倍
とすることにより、無効時間なく連続してデータを収集
できる。この場合、kはk≠nを満たす1又は2以上の
整数で、n>k且つk≧2のとき、n/k≠整数、n<
k且つk≧2のとき、k/n≠整数を満たすことが必要
である。また回転周期を心拍周期に対し減少させる場合
には、n>kとする。これにより全ての心位相について
画像再構成に必要な全角度のデータを短時間で得ること
ができる。
【0013】また画像処理部は、1回転分のデータを構
成する複数の分割データのそれぞれについて、他の分割
データとの境界近傍のデータに不連続性を除去する補正
を行う機能を備える。1つの心位相についてみると、分
割データは、その隣接する分割データとの境界近傍にお
いて心位相のずれがある。従って、この境界近傍のデー
タに線形補間等の補正を施すことにより、心位相のずれ
によるデータの不連続性を解消し、画質を向上すること
ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のX線CT装置及び
それを用いた画像作成方法を図面を参照して説明する。
【0015】図1は本発明によるX線CT装置の1実施
例を示す図で、この装置はX線の照射および検出を行な
うスキャナガントリ部10、スキャナガントリ部10で
検出された計測データをCT画像信号に処理する画像再
構成部20並びにCT画像を出力するディスプレイ30
を備えている。スキャナガントリ部10は、回転円板1
1、回転円板11に搭載されたX線管12、X線管12
に取り付けられたX線束の放射方向を制御するコリメー
タ13、回転円板11に設けられた開口部14、回転円
板11に搭載されたX線検出器15、X線検出器15の
出力信号をデジタル信号S1に変換する検出器回路1
6、並びに回転円板11の回転及びX線束の幅を制御す
るスキャン制御回路17を備えている。更にスキャン制
御回路17は、心電計40からの心電波形を入力して、
心電波形に基づき回転円板11の回転速度を制御するス
キャン速度制御部18を備えている。
【0016】画像再構成部20は、被検者氏名、検査日
時、検査条件などを入力する入力装置21、検出器回路
16から送出される計測データS1を演算処理してCT
画像再構成を行う画像演算回路22、画像演算回路22
で作成されたCT画像に、入力装置21から入力された
被検者氏名、検査日時、検査条件などの情報を付加する
画像情報付加部23と、画像情報を付加されたCT画像
信号S2の表示ゲインを調整してディスプレイモニター
へ出力するディスプレイ回路24とを備えている。
【0017】スキャン速度制御部18は、概略構成を図
2に示すように、パルス発生回路181、回転周期算出回
路182、F/V変換回路183及びモーター駆動回路184か
ら構成される。パルス発生回路181は、心電波形S3のピ
ーク例えばR波に対応する繰返しパルスS4を出力す
る。回転周期算出回路182は、繰返しパルスS4から計測
した心拍周期Th、入力された分割心位相数及び回転周
期減増に関する情報に基づき回転円板11の回転周期
(スキャナー回転周期)Trを算出し、その周期で繰返
しパルスS5を出力する。F/V変換回路183は、繰返し
パルスS5の周波数に対応した制御電圧S6を発生する。
繰返しパルスS5の周波数と制御電圧S6は正比例の関係
にあり、周波数が高い程制御電圧は高くなる。モーター
駆動回路184は、入力した制御電圧に対応して回転板の
駆動モーター(図示せず)を制御する。
【0018】回転周期算出回路182は、心拍周期をTh、
分割心位相数をn(≧2)としたとき、回転円板11の
回転周期Trを次式(1)、 Tr=Th±kTh/n (1) (但し、kはk≠nを満たす1又は2以上の整数で、n
>k且つk≧2のとき、n/k≠整数、n<k且つk≧
2のとき、k/n≠整数を満たす)となるように決め
る。即ち、回転円板11は心拍周期Thに対し所定のず
れ(±kTh/n)を持つ周期で回転するように回転速
度が制御される。この場合、kが2以上であってn/k
が整数の場合には、1つの心位相について分割されたデ
ータのうちk番目ごとのデータしか収集することができ
ないため、1スキャン分のデータを収集することができ
ない。同様にk/nが整数の場合にも1スキャン分のデ
ータを収集することができない。分割数n及び係数k
は、入力装置21により設定することができ、その具体
的な数値については、後述する実施例において説明する
が、上記条件に加えて測定可能な時間(呼吸停止可能な
時間)や装置の性能による制約を受ける。
【0019】次に上述のような構成におけるX線CT装
置で心電同期撮影する場合の動作について説明する。
【0020】まずスキャンガントリ部10の開口部14
に、設置された寝台(図示せず)に被検者を寝かせた状
態で、X線管12からX線が照射される。このX線はコ
リメータ13により指向性を得、X線検出器15により
検出されるが、この際、回転円板11を被検者の周りに
回転させることにより、X線を照射する方向を変えなが
ら、X線を検出する。この際、回転円板11の回転速度
は、スキャン速度制御部18によって制御され、参照さ
れる心拍周期に対し所定量増加或いは減少した周期で制
御される。フルスキャンの場合には、回転円板の1回転
(360度)を1スキャンとして、1スキャン分の測定
データから1断面の画像を再構成することができるが、
心電同期スキャンの場合には複数スキャンの計測データ
を用いて、複数の心位相について複数スキャンの計測デ
ータから、その心位相に対応する1スキャン分のデータ
を集め、それにより画像を再構成する。
【0021】各心位相の画像再構成方法について、心拍
周期と計測データとの関係を示す図3を用いて説明す
る。図3は、1心拍周期を5つの心位相に分割し(分割
心位相数n=5)、心拍周期に対しスキャナー回転周期
を1心位相分(式(1)におけるk=1)、増加させた
場合の実施例を示している。
【0022】図からもわかるように、心拍周期はThで
あるのに対し、それよりも1心位相分長い周期Tr(式
(1)よりTr=6Th/5)で回転駆動される。1スキ
ャンで得られたデータは、心位相毎に分割され、第1心
位相にはデータAが、第2心位相にはデータBが割当て
られ、1スキャンの最後のデータFは第2心拍周期の第
1心位相に割当てられる。これを心位相から見ると、第
1心位相については、第1スキャンのデータA、F、第
3スキャンのデータE、第4スキャンのデータD、第5
スキャンのデータC、第6スキャンのデータBを収集す
ることにより、1回転分のデータ、即ち画像再構成に必
要なデータが得られる。同様に第2心位相については、
第1スキャンのデータB、第2スキャンのデータA及び
F、第3スキャンのデータE、第4スキャンのデータ
D、第5スキャンのデータCを収集する。このように全
ての心位相について、異なる回転角度のデータ(A〜
F)を収集することにより、各心位相の画像を再構成す
ることができ、この実施例の場合、6心拍周期、スキャ
ン数5回(5回転)でデータ収集を完了する。
【0023】画像再構成部の画像演算回路22は、上述
したように、入力装置で設定された分割心位相数n及び
係数kをもとに、計測データを1スキャン毎に6(=n
+k)分割し、各心位相毎に1回転分のデータを集めて
画像再構成する。CT画像演算部22で作成されたCT
画像は、画像情報付加部23で被検者氏名、検査日時、
検査条件などの従来の情報に合わせて心電同期スキャン
である旨の表示と対応する心位相番号が公知の手法によ
り付加され、ディスプレイ回路部24を介してディスプ
レイモニター30に表示される。
【0024】この実施例による心電同期スキャンでは、
図3に示したように心拍周期に対してスキャナー回転周
期は1心位相分だけ長いので、(n+1)の心拍周期の
測定で、心位相すべてのデータを連続して収集すること
ができる。その結果、所望の分割心位相数に対して最短
時間でデータ収集を完了する。また、スキャナー回転周
期は、心拍周期と分割心位相数によって決定されるの
で、従来の心電同期CTと異なり、心拍周期の異なるす
べての被検者に対して同じ心拍周期数で且つ最短時間で
検査を終了することができる。
【0025】尚、図3では、心拍周期Thとスキャナー
回転周期Trとのずれが1心位相分である場合(k=
1)について説明したが、kは2以上であってもよく、
その場合にもnスキャン(但し、心拍周期数は(n+
k))の測定で、すべての心位相のデータを収集するこ
とができる。例えば、分割心位相数nが前掲の5の場合
に、心拍周期Thとスキャナー回転周期Trとのずれを4
心位相分(k=4)とすると、1スキャンのデータは心
位相毎に9分割され、9心拍周期の測定で全ての心位相
について1スキャン分のデータ(9の分割データ)を収
集することができる。従って、k=1のときにデータ収
集に必要な心拍周期数は最小となるが、被検者の心拍周
期Thが極めて短い場合には、スキャナーの最短回転周
期との関係で、kとして2以上としてもよく、この場合
にも心拍周期Thが非常に短いので実質的に測定時間の
延長を招くことはない。
【0026】また分割心位相数nについても、5に限定
されることないが、分割数が増加すると、その分、スキ
ャン数も増加するので、測定可能な時間を考慮して適当
な数を設定する。
【0027】更に図3に示す実施例では、スキャナー回
転周期を心拍周期に対し増加させた場合について述べた
が、回転周期を減少させる方法でも同様の検査が可能で
ある。この方法を心拍周期と計測データとの関係を示す
図4により説明する。
【0028】図4でも、分割心位相数nは5としてお
り、また心拍周期に対しスキャナー回転周期を1心位相
分(式(1)におけるk=1)減少させている。従っ
て、本実施例では、スキャナー回転周期Trは、式
(1)よりTr=4Th/5となる。この場合、1スキャ
ンで得られるデータは、心位相毎に4分割(A〜D)さ
れ、第1心位相ではデータA、第2心位相ではデータ
B、第3心位相ではデータC、第4心位相でスキャンの
最後のデータEとなる。第1心拍周期の第5心位相で
は、第2スキャンのデータAが得られる。こうして5ス
キャンの測定を行うことにより、第1心位相について
は、第1スキャンのデータA、第2スキャンのデータ
B、第3スキャンのデータC、第4スキャンのデータD
を収集することにより、1回転分のデータ、即ち画像再
構成に必要なデータが得られる。同様に全ての心位相に
ついて、異なる回転角度のデータ(A〜D)を収集する
ことにより、各心位相の画像を再構成することができ、
この実施例の場合、4心拍周期、スキャン数5回(5回
転)でデータ収集を完了する。
【0029】このように心拍周期に対しスキャナー回転
周期を減少させた場合にも、図3の実施例と同様に、被
検者による心拍周期の違いに関わらず、短時間で且つ心
位相すべてのデータを連続して収集することができる。
但し、この場合には(n−1)の心拍周期の測定で、心
位相すべてのデータを収集することができる。
【0030】図4の実施例でも、分割心位相数5で、心
拍周期に対しスキャナー回転周期を1心位相分(式
(1)におけるk=1)ずらした場合を説明したが、分
割心位相数nは5に限定されず、またkは2以上であっ
てもよい。これらn及びkの値は心拍周期Th及びスキ
ャナー回転周期Tr並びに測定可能時間を考慮して決定
する。
【0031】図3及び図4の実施例のデータ収集に関す
る特性値を比較したものを表1に示す。
【0032】
【表1】 スキャナーの回転周期を増加させた場合と減少させた場
合を比較すると、データ収集時間に2k心拍周期の差が
ある。従って心拍周期が同じような被検者については回
転周期を減少させた方がデータ収集時間を短くすること
ができる。但し、スキャナーの最短回転周期は、装置上
の制約があるので、この最短回転周期と被検体の心拍周
期との関係を考慮して回転周期を増加させるか減少させ
るか選択する必要がある。一般的には図3の実施例は、
心拍周期に対し長いスキャナー回転周期でスキャンする
ので、スキャナー最短回転周期が比較的長い装置や心拍
周期の短い被検者の検査に好適であり、図4の実施例
は、スキャナー最短回転周期の短い装置や心拍周期の長
い被検者の検査に好適である。
【0033】ところで上述したように本発明のX線CT
装置を用いた心電同期CTでは、角度の異なる複数の分
割データにより1心位相の画像を再構成するのである
が、これら分割データの境界では不連続性を生じ、アー
チファクトの原因となり得る。従って本発明のCT装置
は、複数の分割データから画像再構成する際に、データ
境界における不連続性を解消するための補正を行う機能
を備える。
【0034】まず分割データ境界の不連続性について図
5を参照して説明する。図5(a)は1つの心位相のデ
ータを回転方向に6つ(A〜F)に分割されたデータか
ら再構成する場合を示すもので、データAは回転板(X
線管12)が角度Aを回転する間に取得されたデータ
で、データFは回転板(X線管12)が角度Fを回転す
る間に取得されたデータであり、各データ取得の間の心
臓Hの動きを模式的に示している。同図(b)にはそれ
ぞれの先頭データF1、A1と最終データF2、A2を示し
ている。
【0035】同図(b)に示すように分割データAの先
頭データA1と、分割データFの最終データF2は同じ角
度になっているが、データAの先頭データA1はその心
位相の最初のタイミングで収集され、データFの最終デ
ータF2はその心位相の最後のタイミングで収集されて
いるので厳密には同一位相になっていない。心臓は連続
して動いているので、ずれたタイミングで取得されたデ
ータAの先頭データA1とデータFの最終データF2とは
同じにならない。これが分割データの境界が不連続にな
る原因である。このような不連続性は、データAとFの
境界のみならず、各データの境界で生じる。
【0036】原理的には、分割心位相数を大きくしてい
けばタイミングのずれは小さくなり、不連続性に起因す
るアーチファクトも低減するが、既に述べたように被検
者の呼吸停止時間やCT装置の性能によって最大スキャ
ン時間に制約があるため、分割心位相数にも制限があ
る。従って本発明では境界近傍のデータに補正処理を行
うことにより、このようなアーチファクトを低減する。
【0037】図6(a)は、データ空間におけるデータ
配列を示すもので、横軸は検出器のチャンネル(j)、
縦軸は回転の角度で、bd1〜bd6は分割データの境界
を、CA〜CFはA〜Fの各データの角度方向の中心を表
わしている。この実施例では、境界を中心として回転方
向両側に所定の角度(±θ)まで(図中、斜線で示した
範囲)のデータについて補正を行う。このため各チャン
ネル毎に補間ウェイトWを乗じて角度方向にデータを算
出し、補正する。データA、F間の補正を例にして図6
(b)及び下式(2)及び(3)に示す。
【0038】 Dj,m=WFm×DFj,m+WAm×DAj,-m (m<0) (2) Dj,m=WAm×DAj,m+WFm×DFj,-m (m≧0) (3) 式(2)及び(3)中、Dj,mは、チャンネルjの補正
後データで、符号mは境界bd1を中心(0)としたCF
からCAまでの角度を表わす。DFj,mは、データFのチ
ャンネルj、角度mのデータ、DAj,-mは、境界を中心
としてDFjmと対称な角度にあるデータAのチャンネル
jのデータを表わす。同様にDAj,mは、データAのチャ
ンネルj、角度mのデータ、DFj,-mは、境界を中心と
してDAj,mと対称な角度にあるデータFのチャンネルj
のデータを表わす。またWFm、WAmはそれぞれDFj,mと
DFj,-m及びDAj,mとDAj,-mに乗じる角度mにおけるウ
ェイトを表わす。
【0039】図6(b)はウェイトWF、WAを角度mの
関数として表わしたグラフであり、データFの角度方向
中心CFからデータAの角度方向中心CAまでを表わして
いる。この例では、ウェイトWF、WAは境界bd1を中心
として−θ〜+θまで線形に減少(増加)し、WFはCF
から−θの間は1、+θからCAの間は0、WAはCFか
ら−θの間は0、+θからCAの間は1である。従って
境界に近い角度のデータについては境界に近づくにつれ
順次ウェイトを小さくするとともに境界を中心として対
称な角度のデータのウェイトを順次大きくして加算す
る。このように補正することにより不連続性を解消する
ことができる。
【0040】図示する例では線形補間の場合を示した
が、ウェイトは角度の関数として臨床データを元に最適
な関数を割当ててもよい。補正範囲(±θ)についても
適宜設定することができる。
【0041】以上、心拍周期が一定であることを前提に
実施例を説明してきたが、心拍周期はスキャン中に変動
する可能性があり、このような場合には変動の性質によ
って対応が可能である。例えば突発的な変動のについて
は測定データを処理する際に、データから排除する処理
を行う。周期的な不整脈等変動の場合には、測定前の心
電パルスの観察によって予測し、避けることができる。
また、スキャン速度制御部に、心拍周期の変化に追従し
てスキャナー回転周期を変化させる機能を持たせること
も可能である。
【0042】また以上の実施例では、回転円板が1スキ
ャンで1回転(360度)する場合について説明した
が、210〜240度のX線源移動でスキャンするいわ
ゆるハーフスキャンであっても適用できる。また回転円
板に搭載されたX線源を回転してスキャンするX線CT
装置について説明したが、本発明は電子ビーム方式のX
線CT装置にも適用可能である。
【0043】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように本発明
のX線CT装置によれば、X線源を搭載した回転円板を
制御するスキャン制御部に、心電型からの入力に基づき
回転円板の回転速度を制御するスキャン速度制御機能を
付与し、回転周期を心拍周期に対し所定量増減すること
により、心電同期スキャンにおいて心拍周期の異なる被
検者であっても所望の分割心位相数に対して最短のスキ
ャン時間で測定データを収集することが可能となる。従
って、データ量不足によるノイズの増大を抑え、動きの
アーチファクトを小さくするのに十分な分割心位相数を
設定することが可能となった。
【0044】また、補正処理機能を付加することによ
り、分割データ間の不連続性に起因するアーチファクト
を低減し、画質の良い画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のX線CT装置の一実施例の構成を示
す図。
【図2】 図1のX線CT装置のスキャン速度制御部の
構成を示す図。
【図3】 本発明のX線CT装置による心電同期CT時
の測定データと心拍周期との関係の一実施例を示す図。
【図4】 本発明のX線CT装置による心電同期CT時
の測定データと心拍周期との関係の他の実施例を示す
図。
【図5】 (a)及び(b)は分割データ境界のデータ
不連続性を説明する図。
【図6】 (a)はデータ空間におけるデータの配列を
示す図及び(b)は分割データ境界のデータの補正ウェ
イトのグラフである。
【図7】 従来の心電同期CTにおける心拍周期とデー
タの関係の1例を示す図。
【図8】 従来の心電同期CTにおける心拍周期とデー
タの関係の他の例を示す図。
【符号の説明】 11・・・・・・回転円板 12・・・・・・X線源 15・・・・・・X線検出器 17・・・・・・スキャン制御回路 18・・・・・・スキャン速度制御部 20・・・・・・画像再構成部 30・・・・・・ディスプレイ 40・・・・・・心電計

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】X線源及びX線検出器を備えた回転円板
    と、前記X線源及び前記回転円板の駆動を制御するスキ
    ャン制御部と、前記X線検出器の出力信号を受信しデジ
    タル信号に変換する検出器回路部と、前記検出器回路部
    からの信号をもとに画像再構成する画像処理部と、心電
    計からの信号を入力し、該入力に基づき前記回転円板の
    回転速度を制御するスキャン速度制御部を備え、 前記スキャン速度制御部は、前記回転円板の回転周期を
    心拍周期に対し所定の間隔だけ増加または減少させるよ
    うに制御し、前記画像処理部は、前記回転円板の1回転
    で得られたデータを各心位相毎に分割し、複数スキャン
    により得られるデータから同じ心位相のデータを集めて
    1回転分のデータとして画像再構成することを特徴とす
    るX線CT装置。
  2. 【請求項2】前記心拍周期に対する前記回転円板の回転
    周期のずれは、前記心拍周期(Th)を所望の分割数
    (n≧2)で分割した1心位相分の時間(Th/n)の
    整数倍であることを特徴とする請求項1記載のX線CT
    装置。
  3. 【請求項3】前記画像処理部は、前記1回転分のデータ
    を構成する複数の分割データのそれぞれについて、他の
    分割データとの境界近傍のデータに不連続性を除去する
    補正を行うことを特徴とする請求項1又は2記載のX線
    CT装置。
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