JPH10325728A - 角速度センサの調整方法 - Google Patents

角速度センサの調整方法

Info

Publication number
JPH10325728A
JPH10325728A JP10075734A JP7573498A JPH10325728A JP H10325728 A JPH10325728 A JP H10325728A JP 10075734 A JP10075734 A JP 10075734A JP 7573498 A JP7573498 A JP 7573498A JP H10325728 A JPH10325728 A JP H10325728A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibrator
angular velocity
detection
velocity sensor
vibration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10075734A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehiro Watarai
武宏 度會
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP10075734A priority Critical patent/JPH10325728A/ja
Publication of JPH10325728A publication Critical patent/JPH10325728A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Gyroscopes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 振動子を駆動軸方向に振動させた際に生じる
検出軸方向の不要振動を確実に抑制して、角速度センサ
のオフセット温度ドリフトを低減する。 【解決手段】 音叉形状の振動子2を備えた角速度セン
サにおいて、駆動電極12a,12bに夫々位相の反転
した駆動信号を入力して、振動子2を振動させる。駆動
信号の周波数は、角速度検出時に振動子2を励振する駆
動軸方向の共振周波数ではなく、駆動軸に直交する検出
軸方向の共振周波数である。そして検出電極22bに流
れる電流を電流−電圧変換回路44を用いて検出し、そ
の検出信号と駆動信号とをオシロスコープ46に表示
し、各信号の位相差からトリミングすべき振動子2の稜
線を決定して、その稜線を、検出信号の振幅が零(又は
所定しきい値)になるまでトリミングする。この結果、
角速度検出時に生じる検出軸方向の不要振動を抑制し
て、オフセット温度ドリフトを低減できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の車両制
御、ナビゲーション、ビデオカメラの手振れ防止等に用
いられる振動型の角速度センサを構成する振動子の振動
特性を調整する調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば、角柱状に形成された
一対のアーム部とこれら各アーム部の一端を連結する連
結部とからなる音叉形状の振動子を備えた角速度センサ
(例えば特開平8−210860号公報参照)、一端が
固定された角柱状の振動子を備えた角速度センサ(特開
平8−152328号公報参照)、或いは、両端が自由
になるように振動の節部が固定された角柱状の振動子を
備えた角速度センサ(例えば特開平6−241815号
公報参照)等、角速度を角柱状に形成された振動部を用
いて検出するようにした角速度センサが知られている。
【0003】この種の角速度センサは、振動子の振動部
を、その長手方向の中心軸と直交する所定の駆動軸方向
に振動させておき、振動子に角速度が入力されたときに
振動子が受けるコリオリ力を、振動部において駆動軸方
向と直交する検出軸方向に生じる振動の大きさから検出
することにより、振動子に加わった角速度を検出するた
めのものであり、一般には、振動子を金属にて形成し、
その外壁に駆動及び検出用の圧電体を貼り付けたもの
と、振動子を圧電体にて形成し、その外壁に駆動及び検
出用の電極を形成したものとの2タイプが知られてい
る。
【0004】ところで、この種の角速度センサにおいて
は、振動部の駆動軸方向の共振周波数(換言すれば、振
動子を駆動軸方向に振動させる際の駆動信号の周波数;
以下、駆動周波数fdという)と、検出軸方向の共振周
波数(換言すれば、角速度検出時の検出軸方向の振動周
波数;以下、検知周波数fsという)とが近接してい
る。このため、角速度センサを駆動周波数fdにて駆動
軸方向に振動させているとき、角速度センサに角速度が
加わっていないにも関わらず、振動部が検出軸方向に振
動し、不要な検出信号(オフセット信号)が発生すると
いった問題があった。
【0005】そして、このオフセット信号は、角速度セ
ンサの使用環境によらず常に一定であれば、角速度検出
時に得られた検出信号からオフセット信号分を除去する
ことによって角速度を正確に検出できるようになるので
あるが、実際には、オフセット信号は角速度センサの温
度によって変化することから、上記従来の角速度センサ
では、オフセット信号によって角速度を高精度に検出す
ることができないといった問題があった。
【0006】一方、従来では、このオフセット信号を低
減する方法として、例えば、特開平6−289043号
公報に開示されているように、角速度センサを実際に駆
動してオフセット信号を検出し、このオフセット信号が
零になるように、振動子の振動特性を調整することが提
案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の調
整方法では、角速度センサの温度変化に対するオフセッ
ト信号の変化(以下、オフセット温度ドリフトという)
を充分低減することができないことがわかった。つま
り、従来では、角速度センサに角速度が加わっていない
ときに生じるオフセット信号を零にすれば、オフセット
温度ドリフトを零にできるという考えに沿って振動子の
振動特性を調整していたが、ある温度条件下でオフセッ
ト信号を零にしても、振動子の温度が変化するとオフセ
ット信号が発生してしまい、オフセット温度ドリフトを
零にすることはできないのである。
【0008】そして、本願発明者がこの原因を詳細に調
査したところ、次のことがわかった。即ち、上記オフセ
ット信号は、振動子を駆動軸方向に振動させた際に検出
軸方向に生じる不要振動だけでなく、振動子を駆動する
ために駆動用の電極や圧電体に印加される駆動信号によ
って振動子内部に生じる電気的ノイズ、振動子の駆動軸
方向及び検出軸方向の共振周波数の高調波成分等によっ
ても変化する。そして、オフセット温度ドリフトは、こ
のオフセット信号に影響を与える振動子の不要振動、電
気的ノイズ、共振周波数の高調波成分等のうち、振動子
の不要振動が温度によって変化することによって生じる
ものであり、他の要素の影響を受けないことがわかっ
た。
【0009】従って、従来のように、単にオフセット信
号を検出して、オフセット信号が零になるように振動子
の振動特性を調整しても、オフセット温度ドリフトに影
響を与える振動子の不要振動を抑制できるとは限らず、
結局、従来の調整方法では、オフセット温度ドリフトを
確実に低減することができないのである。
【0010】本発明は、こうした問題に鑑みなされたも
のであり、振動型の角速度センサにおいて、振動子を駆
動軸方向に振動させた際に生じる検出軸方向の不要振動
を抑えて、検出信号のオフセット温度ドリフトを確実に
抑制できる角速度センサの調整方法を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1に記載の発明は、角柱状に形成さ
れた振動部を有する振動子と、外部から入力される駆動
信号により、振動子を、振動部の長手方向の中心軸に直
交した駆動軸方向に励振する駆動手段と、振動部におい
て駆動軸に直交した検出軸方向に生じる振動を検出する
検出手段とを備えた角速度センサにおいて、駆動手段に
よる振動子の励振時に検出軸方向に生じる振動部の不要
振動を抑えるために、振動子の振動特性を調整する調整
方法であって、振動部の検出軸方向の共振周波数に対応
した交流電圧を駆動信号として駆動手段に入力すること
により振動子を振動させ、そのとき検出手段にて得られ
る検出信号の振幅が小さくなるように、振動子の振動特
性を調整することを特徴とする。
【0012】このように、本発明方法では、振動子の振
動特性を調整するに当たって、従来のように振動子を角
速度検出時の駆動周波数fdで振動させるのではなく、
振動子を検出軸方向の共振周波数(検知周波数fs)で
振動させる。従って、本発明において、振動特性調整時
に得られる検出信号には、通常駆動時に生じるオフセッ
ト信号と同様、振動子の振動部を駆動軸方向に振動させ
た際に検出軸方向に生じる不要振動に加えて、電気的ノ
イズや共振周波数の高調波成分等のノイズ成分が含まれ
るものの、このノイズ成分は著しく小さくなり、検出信
号は、振動部の検出軸方向の不要振動に応じて変化する
ことになる。
【0013】つまり、本発明方法によれば、振動部を検
知周波数fsにて振動させているため、振動部を駆動周
波数fdにて振動させた場合に比べて、検出軸方向に生
じる不要振動を大きく増幅することができ、検出手段を
介して得られる検出信号は、上記ノイズ成分の影響を殆
ど受けることなく、不要振動に略対応して変化すること
になり、この検出信号から、振動子における検知周波数
fsでの振動成分の伝達特性を検出できるようになる。
【0014】そして、本発明では、その検出信号の振幅
が小さくなるように振動子の振動特性を調整することか
ら、この調整により、角速度検出時に振動部の検出軸方
向に生じる不要振動を確実に低減することができ、この
不要振動によって生じるオフセット温度ドリフトを抑制
することが可能になる。
【0015】尚、本発明方法により振動子の振動特性を
調整した場合、角速度検出時に得られる検出信号には、
電気的ノイズや共振周波数の高調波成分等のノイズ成分
がオフセット信号として重畳されることになるが、この
オフセット信号は、温度によって変化することはないの
で、検出信号からこのオフセット信号分を除去するよう
にすれば、角速度を極めて正確に検出することが可能に
なる。
【0016】ここで、振動子の振動特性の調整とは、振
動子の剛性を調整することであり、具体的には、振動子
に対して、剛性を調整可能な部材(例えば金属片等)を
貼り付けるとか、或いは、振動子の一部を削る、といっ
た手法で、振動子の断面形状を変えるようにすればよ
い。そして、特に請求項2に記載のように、振動子の一
部を削るようにすれば、振動子に調整用部材を貼り付け
る場合に比べて、調整作業を簡単に行うことができる。
【0017】また振動子の一部を削って振動子の特性を
調整する場合、振動子の壁面を削るようにしてもよい
が、より調整作業を簡単にするには、請求項3に記載の
ように、振動子において振動部の長手方向に沿った稜線
の少なくとも一つを削るようにすればよい。
【0018】そして、このように振動部の稜線を削って
振動子の振動特性を調整する際、例えば、請求項4に記
載のように、振動子が、振動部としての一対のアーム部
と、各アーム部の一端を互いに連結する連結部とにより
音叉形状に形成されている場合には、振動子における一
対のアーム部の長手方向に沿った稜線の内の少なくとも
一つを削るようにすればよい。つまり、音叉形状の振動
子では、角速度検出用の振動部として、連結部により互
いに連結された一対のアーム部が備えられるが、この一
対のアーム部の内の一方のアーム部側の稜線を削れば、
振動子全体の振動特性を調整できる。
【0019】また、このように音叉を利用して角速度を
検出する角速度センサとしては、請求項5に記載のよう
に、一対のアーム部と連結部とからなる二組の音叉部
を、各音叉部の連結部を共通にして一体化することによ
って、櫛形又はH字形に形成した振動子を備え、角速度
の検出時には、駆動手段が、振動子の一方の音叉部を構
成する各アーム部を各アーム部の長手方向の中心軸に直
交した駆動軸方向に励振させ、検出手段が、駆動手段に
より励振されない他方の音叉部を構成する各アーム部に
生じた駆動軸とは直交する検出軸方向の振動を検出する
ように構成することも考えられる。
【0020】そして、このような櫛形又はH字形の振動
子を有する角速度センサにおいて、その振動子の振動特
性を調整する際には、二組の音叉部を構成するアーム部
の長手方向に沿った稜線の内の少なくとも一つを削るよ
うにすれば、振動子全体の振動特性を調整することがで
きる。
【0021】また、請求項4に記載のような音叉形状の
振動子を有する角速度センサ、或いは請求項5に記載の
ような二組の音叉を組み合わせた櫛形又はH字形の振動
子を有する角速度センサにおいては、音叉を形成するア
ーム部の根本付近を削ることにより、振動子の振動特性
を大きく変化させることができるので、この場合の調整
作業は、請求項6に記載のように、アーム部の連結部付
近の稜線,連結部の稜線,及びアーム部の連結部付近か
ら連結部側に至る稜線のいずれかを削るようにすればよ
い。
【0022】そして、このようにすれば、比較的少ない
削り量で振動子の振動特性を大きく変化させることがで
きるので、振動特性調整のために振動子を削る量を少な
くできる。この結果、調整作業を効率よく行うことがで
きると共に、調整により振動子の強度が低下するのを防
止できる。
【0023】一方、振動子が、音叉形状或いは2組の音
叉部を有する櫛形又はH字形ではなく、角柱の一端が固
定された一つの振動部からなる場合には、請求項7に記
載のように、振動部の固定部付近の稜線を削るようにす
ればよく、振動子が、角柱の両端が自由となるように振
動時の節となる部分が固定された一つの振動部からなる
場合には、請求項8に記載のように、振動部の長手方向
中央部付近の稜線を削るようにすればよい。これは、振
動子が角柱の一端が固定された一つの振動部からなる場
合には、振動部の固定部付近を削ることによって振動特
性を大きく変化させることができ、振動子が角柱の両端
が自由となるように振動時の節となる部分が固定された
一つの振動部からなる場合には、振動部の長手方向中央
部付近を削ることによって振動特性を大きく変化させる
ことができるからである。つまり、このようにすれば、
調整時に振動子を削る量を少なくして、調整作業の効率
化を図ることができると共に、調整により振動子の強度
が低下するのを防止できる。
【0024】尚、このように振動部の稜線を削って振動
子の振動特性を調整する場合、調整作業を行う稜線とし
ては、検出信号の振幅を低減できる稜線であればどこで
もよいが、削るべき稜線は、振動子の形状(寸法)が決
まれば、駆動手段に入力する駆動信号の位相と検出信号
の位相との関係から一義的に設定できるため、実際に調
整作業を行う際には、駆動信号と検出信号とを同時にモ
ニタし、各信号の位相関係から調整作業を行う稜線を決
めるようにすればよい。
【0025】また、振動部の稜線を削って振動子の振動
特性を調整する場合には、請求項9に記載のように、稜
線を削る長さを調整するようにしてもよく、請求項10
に記載のように、稜線を削る深さを調整するようにして
もよい。そして、このように稜線を削っていった場合、
削りすぎると検出信号の振幅が増加することになるが、
このような場合には、他の稜線(例えば振動部が4角柱
であれば、隣接する稜線)を削れば検出信号の振幅を減
少させることができる。
【0026】また、本発明の調整方法は、振動子におけ
る検出軸方向の共振周波数に対応した振動成分の伝達特
性を検出して、これが小さくなるように振動子の振動特
性を調整するものであるため、上記のような振動子の形
状(音叉形状,音叉を利用した櫛形又はH字形,角柱
状)に関係なく、角柱状に形成された振動部を1又は複
数備えた振動子を用いて角速度を検出する所謂振動型の
角速度センサであれば、どのようなタイプの角速度セン
サであっても適用できる。
【0027】具体的には、例えば、振動子を金属にて形
成し、その外壁に、駆動手段及び検出手段としての圧電
体を貼り付けた角速度センサであっても、或いは、振動
子を圧電体にて形成し、その外壁に、駆動手段及び検出
手段としての電極を形成した角速度センサであっても、
本発明方法を適用することにより、上述の効果を得るこ
とができる。
【0028】そして、特に、請求項11に記載のよう
に、振動子が圧電体からなる角速度センサの調整に利用
すれば、角速度を高精度に検出可能な角速度センサを安
価に実現できるので、好ましい。つまり、振動子を圧電
体にて構成した角速度センサは、振動子に圧電体を貼り
付ける必要がないため、振動子を金属にて形成した角速
度センサに比べて製造が容易で安価に実現できることか
ら、このタイプの角速度センサの調整に本発明を適用す
れば、良好な検出精度を得られる角速度センサを安価に
実現できる。
【0029】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施例を図面と共
に説明する。図1は実施例の角速度センサ全体の構成を
表わす斜視図、図2は本実施例の振動子を前後,左右か
ら見た状態を表す説明図である。
【0030】図1に示す如く、本実施例の角速度センサ
は、左右一対のアーム部4,6と各アーム部4,6の一
端を連結する連結部8とにより音叉形状に形成された振
動子2を備える。振動子2のアーム部4,6及び連結部
8は、夫々4角柱状になっており、振動子2は、これら
各部を圧電体にて一体形成することにより作製される。
尚、振動子2を構成する圧電体には、PZT等のセラミ
ック圧電体や水晶等を用いることができるが、本実施例
の振動子2には、分極方向を任意に設定可能で製造し易
いPZTが使用されている。
【0031】次に、図2(a)に示す如く、振動子2に
おいて凹字状を呈する一方の面(X1面)には、連結部
8から各アーム部4,6にかけて一対の駆動電極12
a,12bが形成され、これら各駆動電極12a,12
bから各アーム部4.6の先端に至る部分には、モニタ
電極14a,14b及び仮GND電極16a,16b
と、分極用電極18a,18bとが順に形成され、更に
各アーム部4,6の先端には、検出信号取出用のパット
電極20a,20bが形成されている。
【0032】そして、駆動電極12a及び12bは、連
結部8を通って、各アーム部4,6が互いに対向する対
向面側と、各アーム部4,6の左右の外側面(Y1,Y
2面)側とに夫々形成され、モニタ電極14a及び14
bは、各アーム部4,6の対向面側に夫々形成され、仮
GND電極16a及び16bは、各アーム部4,6のY
1,Y2面側に夫々形成され、分極用電極18a,18
bは、各アーム部4,6のY1,Y2面側から対向面側
に至る幅方向全体に夫々形成され、パット電極20a及
び20bは、各アーム部4,6のY1,Y2面側に夫々
形成されている。尚、各分極用電極18a,18bは、
短絡用電極26a,26bを介して、仮GND電極16
a,16bに夫々接続(短絡)されている。
【0033】一方、各アーム部4,6のY1,Y2面側
では、図2(b)及び(c)に夫々示す如く、分極用電
極18a,18bと対応する位置に、検出電極22a,
22bが夫々形成され、振動子2において凹字状を呈す
る他方の面(X2面)には、図2(d)に示す如く、駆
動電極12a,12b、モニタ電極14a,14b,及
び検出電極18a,18bに対する基準電極となる仮G
ND電極24が形成されている。尚、検出電極22a,
22bは、各アーム部4,6のY1,Y2面において、
その中心よりX2面側の位置に形成されている。
【0034】そして、X2面側の仮GND電極24とX
1面側の仮GND電極16a,16bとは、夫々、各ア
ーム部4.6のY1,Y2面に形成された短絡用電極2
8a,28bを介して、互いに接続(短絡)されてい
る。また、X1,X2面側のパット電極20a,20b
とY1,Y2面側の検出電極22a,22bとは、夫
々、Y1,Y2面に形成された検出信号引き出し用の電
極(引出電極)30a,30bを介して、互いに接続
(短絡)されている。
【0035】尚、本実施例の振動子2は、Y1,Y2面
に形成された検出電極22a,22b、短絡用電極28
a,28b及び引出電極30a,30bを除く各電極
を、音叉形状に形成した圧電体の各面に形成した後、X
1,X2面に形成された各電極間に電圧を印加すること
により、圧電体をX1面からX2面に至る方向(図1に
矢印で示す方向)に分極処理し、その後、Y1,Y2面
に、検出電極22a,22b、短絡用電極28a,28
b及び引出電極30a,30bを夫々形成して、X2面
側の仮GND電極24とX1面側の仮GND電極16
a,16b、X1面側のパット電極20a,20bとY
1,Y2面側の検出電極22a,22b、を夫々短絡さ
せる、といった手順で作製される。
【0036】次にこのように作製された振動子2は、連
結部8側端面を、断面がエの字状に形成されたサポータ
32の台座部32bに接着剤(例えばエポキシ系の接着
剤)で接合し、更にサポータ32の本体側を、スペーサ
34を介して、溶接又は接着等で板状のベース36の表
面に固定することにより、ベース36に対して、裏面
(X2面)がベース22の表面と対向するように固定さ
れる。
【0037】サポータ32は、スペーサ34を介してベ
ース36に固定される本体側に対し、振動吸収用の首部
32aを介して、振動子2を接合するための台座部32
bを形成したものであり、例えば、42Nのような金属
により、断面エの字状に一体形成されている。また、ベ
ース36は、振動子2を角速度センサの筐体或は角速度
の検出対象となる車体等に直接又は防振ゴムを介して固
定するためのものである。そして、ベース36には、振
動子2に形成された駆動電極12a,12b、モニタ電
極14a,14b、仮GND電極16a,16b、及び
パット電極20a,20bに対応した8個のターミナル
T1〜T8が立設されている。各ターミナルT1〜T8
は、上記各電極と図示しない検出回路との中継を行うた
めのものであり、各電極とターミナルT1〜T8とは、
夫々、ワイヤW1〜W8を介して、ワイヤボンディング
により接続されている。尚、ベース36と各ターミナル
T1〜T8とは電気的に絶縁されている。
【0038】このように構成された本実施例の角速度セ
ンサを用いて、角速度を検出する際には、まず、振動子
2のX1面に形成された駆動電極12a,12bと、X
2面に形成された仮GND電極24との間に、夫々、位
相が反転した交流電圧を駆動信号として印加することに
より、各アーム部4,6を、アーム部4,6の配列方向
(左右方向)に沿った駆動軸(図に示すY軸)方向に共
振させる。尚、このとき駆動信号として印加する交流電
圧の周波数は、振動子2のY軸方向の共振周波数であ
る。そして、この駆動時には、モニタ電極14a,14
bからの出力(電流)をモニタし、各アーム部4,6の
Y軸方向への振幅が温度が変わっても一定となるよう
に、駆動信号を制御する(自励制御発振)。
【0039】次に、このように振動子2を自励制御発振
させている場合に、各アーム部4,6の中心位置にて各
アーム部4,6に平行なZ軸を中心とするZ軸回りの角
速度Ωが入力されると、各アーム部4,6は、コリオリ
力により、X1,X2面を貫くX軸方向(検出軸方向)
に振動する。そして、このX軸方向の振動成分は、検出
電極22a,22bと、仮GND電極24との間に流れ
る電流に比例することから、これら各電極間の電流を夫
々電圧値に変換し、この電圧値の差分を取ることによ
り、角速度Ωを検出する。
【0040】ところで、このように本実施例の角速度セ
ンサを用いてZ軸回りの角速度Ωを検出する場合、前述
したオフセット温度ドリフトが生じると、角速度Ωの検
出精度が低下する。そこで、本実施例では、このオフセ
ット温度ドリフトの主原因である各アーム部4,6にお
けるX軸方向の不要振動を、零又は所定のしきい値以下
に抑制する調整を行う。以下、この調整方法について説
明する。
【0041】この調整作業を行う際には、仮GND電極
24を基準電位に接地しておき、各駆動電極12a,1
2bに対して、基準電位を中心に変動し、且つ位相が反
転した交流の駆動信号を印加する。具体的には、図3に
示すように、発振器40から交流の駆動信号を発生さ
せ、駆動電極12bには、この駆動信号を直接入力し、
駆動電極12aには、この駆動信号を位相反転用の反転
回路42を介して入力する。尚、このとき発振器40か
ら出力させる駆動信号の周波数は、角速度検出時の駆動
周波数fdではなく、各アーム4,6のX軸方向の共振
周波数(検知周波数fs)である。
【0042】一方、検出電極22bには、検出電極22
bと仮GND電極24との間に流れる電流を電圧に変換
する電流−電圧変換回路44を接続しておき、この回路
44を介してアーム部6のX軸方向の振動状態を表す検
出信号を取り出す。尚、電流−電圧変換回路44は、オ
ペアンプOP1と抵抗器R1とからなる周知のものであ
る。
【0043】そして、この検出信号と、発振器40から
の駆動信号とを、夫々、オシロスコープ46に入力し、
各信号波形を表示させる。そして、オシロスコープ46
に表示された検出信号のレベル(振幅)が零(又は所定
のしきい値)よりも大きい場合には、各信号の位相関係
から、振動子2をトリミングすべき方向を決め、その方
向の稜線をリュータ48等を用いてトリミングする(図
4(a)参照)。
【0044】例えば、図5(a)に示す如く、駆動信号
と検出信号とが同相である場合には、右側のアーム部6
のX1面とY2面との境界である稜線部分をトリミング
し、図5(b)に示す如く、駆動信号と検出信号とが逆
相である場合には、左側のアーム部4のX1面とY1面
との境界である稜線部分をトリミングする。すると、検
出信号の振幅は低下してゆくことから、この振幅が略零
(又は所定のしきい値)になるまで、トリミングを続け
る。
【0045】このような手順で実際に振動子2(サンプ
ル1,サンプル2)を調整した結果を図6に示す。図6
(a)に示す如く、サンプル1の場合、調整前には、検
出信号と駆動信号との位相が同相で、検出信号(出力)
の振幅が56.2mVであったのに対し、右側のアーム
部6のX1面とY2面との境界である稜線部分をトリミ
ングすることにより、位相は同相のままで、振幅を5.
6mVまで低減した。その結果、調整前には、17°/
sec.あったオフセット温度ドリフトを、3°/sec.にま
で低減できた。一方、図6(b)に示す如く、サンプル
2の場合、調整前には、検出信号と駆動信号との位相が
逆相で、検出信号(出力)の振幅が37.5mVであっ
たのに対し、左側のアーム部4のX1面とY1面との境
界である稜線部分をトリミングすることにより、位相は
逆相のままで、振幅を3.2mVまで低減した。その結
果、調整前には、11°/sec.あったオフセット温度ド
リフトを2°/sec.にまで低減できた。従って、上記調
整方法により、振動子2の検出軸方向(X軸方向)への
不要振動を低減して、オフセット温度ドリフトを充分抑
制できることがわかる。
【0046】次に、トリミング量と検出信号の振幅及び
オフセット温度ドリフトの関係について説明する。図7
に示す如く、駆動信号と検出信号との位相が逆相である
場合に、上記調整方法にて、左側のアーム部4のX1面
とY1面との境界である稜線部分をトリミングしてゆく
と、検出信号の振幅は低下してゆくが、トリミング量を
更に増やすと、駆動信号と検出信号との位相が反転して
同相となり、検出信号の振幅が増加してゆく。一方、オ
フセット温度ドリフトの方は、トリミングによる振動子
2の振動特性の変化に従い低下してゆくが、トリミング
量を更に増やすと、温度に対しての傾きが反転し、ドリ
フト幅は増加してゆく。次にこのように駆動信号と検出
信号との位相関係が反転して各信号が同相となった状態
で、右側のアーム部6のX1面とY2面との境界である
稜線部分をトリミングしてゆくと、検出信号の振幅が減
少し、オフセット温度ドリフトも低下してゆく。従っ
て、トリミングによる振動子2の振動特性調整時に、ト
リミングし過ぎた場合でも、トリミングする位置(稜
線)を変えることで、振動特性を容易に調整し直すこと
ができる。
【0047】尚、本実施例の振動子2の大きさは、各ア
ーム部4,6のY軸方向(左右方向)の幅が約2.0m
m、各アーム部4,6間の隙間(Y軸方向の幅)が約
0.6mm、連結部8のZ軸方向の幅が約3mm、アー
ム部4,6及び連結部8のX軸方向の厚みが約2.1m
m、連結部8のZ軸方向のアーム部4,6の先端から連
結部8のサポータ32側端面までの長さが約20mmで
ある。また、サポータ32のZ軸方向の長さは約4mm
である。
【0048】そして、この寸法の振動子2においては、
アーム部4,6の根本(連結部8との接合位置)から5
mm以上離れた先端側でトリミングを行っても大きな効
果は得られず、上記調整時には、アーム部4,6の根本
付近をトリミングした。また、トリミング位置として
は、アーム部4,6側、或いは連結部8側のみをトリミ
ングするようにしてもよいが、振動子2のダメージを考
慮し、少ないトリミング量で効果を得るには、アーム部
4,6及び連結部8の両方をトリミングすることが望ま
しい。また、このようにトリミングする際、アーム部
4,6の根本付近で、削る深さを調整してもよいが、振
動子2のダメージを考慮すると、深さは0.5mm程度
までにすることが望ましい。
【0049】ところで、上記調整方法の説明では、検出
信号と駆動信号との位相が同相である場合には、右側の
アーム部6のX1面とY2面との境界である稜線部分を
トリミングし、検出信号と駆動信号との位相が逆相であ
る場合には、左側のアーム部4のX1面とY1面との境
界である稜線部分をトリミングするものとして説明した
が、検出信号の振幅を少なくするため(換言すればオフ
セット温度ドリフトを低減するため)にトリミングすべ
き稜線の位置は、振動子2の形状や大きさ等によって異
なることから、振動子の種類が異なれば、検出信号と駆
動信号との位相関係に応じてトリミングすべき稜線が逆
になることもある。従って、検出信号と駆動信号との位
相関係に応じて最初にトリミングする稜線については、
調整対象となる振動子の種類に応じて適宜設定しておけ
ばよい。
【0050】また、本実施例のような音叉形状の振動子
の場合、図4(b)に示す如く、左側のアーム部4のX
1面の外側(Y1側)の稜線P1を削った場合に得られ
る振動特性の変化は、左側のアーム部4のX2面の内側
の稜線P2、右側のアーム部6のX1面の内側の稜線P
3、或いは、右側のアーム部6のX2面の外側の稜線P
4を削ることによっても同様に実現できる。また、右側
のアーム部6のX1面の外側(Y2側)の稜線P5を削
った場合に得られる振動特性の変化は、右側のアーム部
6のX2面の内側の稜線P6、左側のアーム部4のX1
面の内側の稜線P7、或いは、左側のアーム部4のX2
面の外側の稜線P8を削ることによっても同様に実現で
きる。従って、上記調整時には、同様の特性変化が得ら
れる稜線の中から、作業のし易い稜線を適宜選択して、
トリミングするようにしてもよい。
【0051】以上、本発明の実施例について説明した
が、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、種
々の態様をとることができる。例えば、上記実施例で
は、調整時に振動子2のX軸方向(検出軸方向)への振
動を検出するために、右側のアーム部6に形成された検
出電極22bからの出力を取り込むように構成したが、
例えば図8に示す如く、左右のアーム部4,6に形成さ
れた検出電極22a,22bからの出力を、夫々、オペ
アンプOP1と抵抗器R1とからなる一対の電流−電圧
変換回路44a,44bにて取り込み、これら各検出信
号を差動増幅器45に入力して、各検出信号の差分をと
り、これを検出信号としてオシロスコープ46に入力す
るようにしてもよい。
【0052】また、上記実施例では、調整時には、振動
子2に設けた一対の駆動電極12a,12bを利用して
振動子2を検知周波数fsにて振動させるものとして説
明したが、振動子2は、一方の駆動電極12a(又は1
2b)と仮GND電極24との間に交流電圧を印加した
だけでも振動させることができるため、調整時には、一
方の駆動電極12a(又は12b)のみを利用して振動
子2を振動させるようにしてもよい。但し、この場合に
も駆動信号の周波数は、検知周波数fsにすることはい
うまでもない。
【0053】一方、上記実施例では、音叉形状の振動子
2を備えた角速度センサの調整方法について説明した
が、本発明の調整方法は、角柱状に形成された振動部を
有する振動子を備えた角速度センサであれば、上記実施
例と同様に適用できる。つまり、角速度センサとして
は、音叉形状の振動子を備えたもの以外にも、例えば、
図9(a)に示すように、4角柱状の圧電体に電極を形
成し、その一端を、断面コの字状の金属(42N等)か
らなるサポータ54にてベース56上に固定した振動子
52を備えたものや、例えば図10(a)に示す如く、
4角柱状の圧電体に電極を形成し、振動の節となる部分
を樹脂等からなるサポータ74,75を介してベース7
6上に固定した振動子72を備えたもの等、角柱状に形
成された一つの振動部からなる振動子を備えた角速度セ
ンサが知られている。
【0054】また、音叉を利用して角速度を検出する角
速度センサとしては、図11及び図12に示すように、
音叉を構成する2本のアーム部を二組備え、これら各ア
ーム部103,104,105,106を平行に配置し
て、その一端を共通の連結部102にて連結することに
より、櫛形に形成した振動子100を用いるもの、或い
は、図13に示すように、音叉を構成する2本のアーム
部を二組備え、これら各組のアーム部203,204及
び205,206を、夫々、連結部202の両側に配置
して連結することにより、H字形に形成した振動子20
0を用いるものも考えられる。
【0055】そして、これらの角速度センサにおいて
も、上記実施例と同様の手法で振動子の振動特性を調整
するようにすれば、オフセット温度ドリフトのない角速
度センサを実現することができる。以下、これら各角速
度センサの構成及び調整方法について説明する。
【0056】図9(a)に示した角速度センサの振動子
52は、上記実施例の振動子2における右側のアーム部
6と同様に構成したものであり、図9(b)に示す如
く、4角柱状に形成された圧電体の表面(X1面)側に
は、サポータ54を介してベース56上に固定される固
定端側より順に、一対の駆動電極58a及び58b、モ
ニタ電極60及び仮GND電極62、分極用電極64、
パット電極66が形成され、右側面(Y2面)側には、
X1面の分極用電極64と対応する位置に検出電極68
が形成され、更に、裏面(X2面)側には、駆動電極5
8a,58b、モニタ電極60,検出電極68に対する
基準電極となる仮GND電極70が形成されている。そ
して、仮GND電極62は、X1面に形成された短絡用
電極62aを介して分極用電極64に接続(短絡)され
ると共に、Y2面に形成された短絡用電極62bを介し
てX2面の仮GND電極70に接続(短絡)され、パッ
ト電極66は、Y2面に形成された引出電極66aを介
して、Y2面の検出電極68に接続されている。
【0057】尚、検出電極68は、Y2面において、そ
の中心よりX2面側の位置に形成されている。また、振
動子52の左側面(Y1面)には、電極は形成されてい
ない。そして、本実施例の振動子52は、上記実施例の
振動子2と同様の手順で作製され、振動子52を構成す
る圧電体は、X1面からX2面に至る方向に分極されて
いる。
【0058】次に、振動子52は、上記実施例の振動子
2と同様、振動子52のX2面がベース56の表面と対
向するように、サポータ54を介してベース56上に固
定されるが、ベース56には、振動子52のX1面に形
成された駆動電極58a,58b、モニタ電極60、仮
GND電極62、及びパット電極66に対応した5個の
ターミナルT11〜T15が立設されており、これら各
電極とターミナルT11〜T15とは、夫々、ワイヤW
11〜W15を介して、ワイヤボンディングにより接続
される(図9(a)参照)。尚、ベース56と各ターミ
ナルT11〜T15とは電気的に絶縁されている。
【0059】このように構成された本実施例の角速度セ
ンサを用いて、角速度を検出する際には、駆動電極58
a,58bと仮GND電極70との間に、夫々、位相が
反転した交流電圧を駆動信号として印加することによ
り、振動子52をサポータ54を中心に左右の駆動軸方
向(図に示すY軸方向)に共振させ、更に、モニタ電極
60からの出力(換言すればY軸方向への振動)が一定
になるように駆動信号を制御する(自励制御発振)。
尚、当然のことであるが、このとき駆動信号として印加
する交流電圧の周波数(駆動周波数fd)は、振動子5
2のY軸方向の共振周波数である。そして、このように
振動子52を自励制御発振させている場合に、振動子5
2の長手方向の中心軸(Z軸)を中心とする角速度Ωが
入力されると、振動子52は、コリオリ力によって、X
1,X2面を貫くX軸方向(検出軸方向)にも振動し、
このX軸方向の振動成分は、検出電極68と仮GND電
極70との間に流れる電流に比例することから、これら
各電極間の電流を電圧値に変換することにより、Z軸回
りの角速度Ωを検出する。
【0060】一方、本実施例の振動子52を調整する際
には、例えば図3に示した発振器40,反転回路42,
電流−電圧変換回路44,オシロスコープ46からなる
調整用システムを用い、駆動電極58a,58bと仮G
ND電極70との間に、振動子52のX軸方向への共振
周波数(検知周波数fs)で、且つ位相が互いに反転し
た駆動信号を夫々印加することにより、振動子52を検
知周波数fsにて振動させ、そのとき検出電極68側よ
り得られる検出信号と駆動信号とをモニタする。そし
て、検出信号のレベル(振幅)が零(又は所定のしきい
値)よりも大きい場合には、検出信号と駆動信号との位
相関係から決まる振動子52の稜線をトリミングするこ
とにより、検出信号の振幅を零(又は所定のしきい値)
まで低下させる。この結果、振動子52のX軸方向への
不要振動はなくなり、上記実施例と同様、角速度センサ
のオフセット温度ドリフトを低減することが可能にな
る。尚、このように振動子52の振動特性を調整する際
には、振動子52におけるサポータ54付近の稜線部分
をトリミングするようにすればよい。
【0061】一方、図10(a)に示した角速度センサ
の振動子72は、図9に示した振動子52の各電極を、
4角柱状の圧電体に対して、圧電体の長手方向の中心か
ら上下方向に対称に形成したものであり、図10(b)
に示す如く、左右一対の駆動電極82a,82bが、圧
電体の表面(X1面)の長手方向中央部分に形成されて
いる。そして、その駆動電極82a,82bより上方及
び下方のX1面上には、夫々、モニタ電極84a,84
b及び仮GND電極86a,86bが形成され、更に、
その上方及び下方には、分極用電極88a,88b、パ
ット電極90a,90bが順に形成されている。
【0062】また、振動子72の右側面(Y2面)に
は、X1面の分極用電極88a,88bと対応する位置
に検出電極92a,92bが夫々形成され、裏面(X2
面)には、駆動電極82a,82b、モニタ電極84
a,84b、検出電極92a,92bに対する基準電極
となる仮GND電極94が形成されている。そして、仮
GND電極96a,96bは、夫々、X1面に形成され
た短絡用電極96a,96bを介して、分極用電極88
a,88bに接続(短絡)されると共に、Y2面に形成
された短絡用電極98a,98bを介して、X2面の仮
GND電極94に接続(短絡)され、更に、パット電極
90a,90bは、夫々、Y2面に形成された引出電極
99a,99bを介して、Y2面の検出電極92a,9
2bに接続されている。
【0063】尚、検出電極92a,92bは、Y2面に
おいて、その中心よりX2面側の位置に形成されてい
る。また、振動子72の左側面(Y1面)には、電極は
形成されていない。そして、本実施例の振動子72は、
上記実施例の振動子2,72と略同様の手順で作製さ
れ、振動子72を構成する圧電体は、X1面からX2面
に至る方向に分極されている。
【0064】次に、本実施例の振動子72は、駆動電極
82a,82bと仮GND電極94との間に位相が反転
した交流電圧を印加することにより、振動子72の両端
を左右の駆動軸方向(Y軸方向)に振動させることがで
きるため、その振動の節となる2箇所が樹脂からなるサ
ポータ74,75にて支持され、このサポータ74,7
5を介してベース76上に固定されている。そして、振
動子72のX1面に形成された駆動電極82a,82
b、モニタ電極84a,84b、仮GND電極86a,
86b、及びパット電極90a,90bは、夫々、ベー
ス76に立設された8個のターミナルT21〜T28
に、ワイヤW21〜W28を介して、ワイヤボンディン
グにより接続されている(図10(a)参照)。尚、ベ
ース76と各ターミナルT21〜T28とは電気的に絶
縁されている。
【0065】このように構成された本実施例の角速度セ
ンサを用いて、角速度を検出する際には、駆動電極82
a,82bと仮GND電極94との間に、夫々、位相が
反転した交流電圧を駆動信号として印加することによ
り、振動子72の両端をY軸方向に共振させ、更に、モ
ニタ電極84a,84bからの出力(換言すればY軸方
向への振動)が一定になるように駆動信号を制御する
(自励制御発振)。尚、このときの駆動信号の周波数
も、上記実施例と同様、振動子72のY軸方向の共振周
波数である。そして、このように振動子72を自励制御
発振させている場合に、振動子72の長手方向の中心軸
(Z軸)を中心とする角速度Ωが入力されると、振動子
72の両端側は、それぞれ、コリオリ力によって、X
1,X2面を貫くX軸方向(検出軸方向)にも振動し、
このX軸方向の振動成分は、検出電極92a,92bと
仮GND電極94との間に夫々流れる電流に比例するこ
とから、これら各電極間の電流を各々電圧値に変換し、
差動増幅回路等を用いて各電圧値の差分をとることによ
り、Z軸回りの角速度Ωを検出する。
【0066】一方、本実施例の振動子72を調整する際
には、例えば図3又は図8に示した調整用システムを用
い、駆動電極82a,82bと仮GND電極94との間
に、振動子72のX軸方向への共振周波数(検知周波数
fs)で、且つ位相が互いに反転した駆動信号を夫々印
加することにより、振動子72を検知周波数fsにて振
動させ、そのとき検出電極92a又は92b側より得ら
れる検出信号(或いはこれら各電極92a,92b側よ
り得られる検出信号の差分をとった検出信号)と駆動信
号とをモニタする。そして、その検出信号のレベル(振
幅)が零(又は所定のしきい値)よりも大きい場合に
は、検出信号と駆動信号との位相関係から決まる振動子
72の稜線をトリミングすることにより、検出信号の振
幅を零(又は所定のしきい値)まで低下させる。
【0067】この結果、振動子72のX軸方向への不要
振動はなくなり、上記実施例と同様、角速度センサのオ
フセット温度ドリフトを低減することが可能になる。
尚、本実施例のように、両端が自由となるように振動の
節部で固定された4角柱状の振動子72の場合には、駆
動電極82a,82bが形成された中心付近の稜線部分
をトリミングするようにすればよい。
【0068】次に図11及び図12に示した角速度セン
サの振動子100は、アーム部103,104及び10
5,106の間隔が異なる二組の音叉を組み合わせた所
謂4脚音叉であり、アーム部105,106の間隔が広
い一方の音叉の間に、アーム部103,104の間隔が
狭い音叉を配置して、各音叉の連結部を連結した形状
(櫛形形状)をしている。そして、この振動子100の
連結部102には、図1に示した振動子2と同様、断面
がエの字状に形成されることにより中央にトーションビ
ーム108を有するサポータ107が接着材等を用いて
接合され、更に、サポータ107は、各アーム部103
〜106を、ベース111から一定距離だけ離れた位置
に平行に配置にするために、スペーサ110を介して、
ベース111上に溶接等で固定されている。
【0069】尚、図11は、櫛形の振動子100を備え
た角速度センサ全体の構成を表わす斜視図であり、図2
はその振動子100を前後(X1面,X2面)・左右
(Y1面,Y2面)から見た状態を表す説明図である。
振動子100は、例えば、PZTをダイシング等で機械
加工することにより櫛形に形成されている。そして、こ
の振動子100を構成する4本のアーム部103〜10
6の内、中央の音叉部を構成する一対のアーム部10
3,104には、振動子100を各アーム部103〜1
06の配列方向(Y軸方向)に振動させるための電極が
形成され、外側の音叉部を構成する一対のアーム部10
5,106には、振動子100に加わった各アーム部1
03〜106の中心軸に平行なZ軸周りの角速度Ωを検
出するための電極が形成されている。
【0070】即ち、図12に示すように、アーム部10
3,104には、そのX1面(ベース111とは反対側
の表面)に、駆動電極112とモニタ電極113とが夫
々形成され、X2面(ベース111との対向面である裏
面)には、基準電位に接地するための仮GND電極12
0が形成されている。そして、各アーム部103,10
4に形成された駆動電極112及びモニタ電極113
は、夫々、連結部102のX1面で互いに接続され、各
アーム部103,104のX2面に形成された仮GND
電極120は、連結部102のX2面で互いに接続され
ている。
【0071】一方、アーム部105のX1面には、検出
電極114が形成され、X2面には、検出電極122が
形成され、振動子100の外側側面となるY1面には、
仮GND電極125が形成されると共に、X1,X2面
の検出電極114,122を互いに接続(短絡)する短
絡用電極129が形成されている。また、アーム部10
6のX1面には、仮GND電極115が形成され、X2
面には、仮GND電極121が形成され、振動子100
の外側側面となるY2面には、検出電極124が形成さ
れると共に、X1,X2面の仮GND電極115,12
1を互いに接続(短絡)する短絡用電極128が接続さ
れている。
【0072】次に、連結部102のX1面には、検出信
号取出用のパット電極116が形成されており、このパ
ット電極116には、引出電極118を介して、アーム
部105のX1面に形成された検出電極114に接続さ
れると共に、引出電極126を介して、アーム部106
のY2面に形成された検出電極124に接続されてい
る。また、連結部102のX1面には、仮GND電極接
地用のパット電極117も形成されており、このパット
電極117には、引出電極119を介して、アーム部1
06のX1面に形成された仮GND電極115が接続さ
れている。そして、この仮GND電極115に接続され
たアーム部106の仮GND電極121には、連結部1
02のX2面に形成された引出電極123及びアーム部
105のY1面に形成された引出電極127を介して、
アーム部105のY1面に形成された仮GND電極12
5及びアーム部103,104のX2面に形成された仮
GND電極120が夫々接続されている。
【0073】そして、図11に示すように、ベース11
1には、連結部102のX1面に形成された駆動電極1
12、モニタ電極113、パット電極116、及びパッ
ト電極117に対応した4個のターミナルT31〜T3
4が立設されており、これら各電極と各ターミナルT3
1〜T34とは、夫々、夫々、ワイヤW31〜W34を
ボンディングすることにより接続される。尚、振動子1
00の各面への電極の形成手順等は、図1に示した振動
子2と全く同様である。
【0074】このように構成された角速度センサを用い
て、角速度を検出する際には、駆動用のアーム部10
3,104に形成された駆動電極112と仮GND電極
120との間に駆動信号(交流電圧)を印加することに
より、これらアーム部103,104にて構成される内
側の音叉部を左右の駆動軸方向(図に示すY軸方向)に
共振させると共に、モニタ電極113からの出力が一定
になるように、図示しない制御回路を用いて駆動信号を
制御することにより、振動子100の内側の音叉部を自
励発振させる。そして、このように振動子100を自励
制御発振させているときに、振動子100の長手方向の
中心軸(Z軸)を中心とする角速度Ωが入力されると、
上記各アーム部103,104は、コリオリ力によっ
て、X1,X2面を貫くX軸方向(検出軸方向)にも振
動する。すると、外側の音叉部を構成する各アーム部1
05,106もX軸方向に振動し、検出電極114,1
22と仮GND電極125との間、及び、検出電極12
4と仮GND電極115,12170との間には、X軸
方向の振動に比例した電流が流れることから、これら各
電極間の電流を電圧値に変換することにより、Z軸回り
の角速度Ωを検出する。
【0075】そして、本実施例の振動子100を調整す
る際には、上記実施例と同様、駆動信号として、振動子
100の検出軸方向への共振周波数(検知周波数)の交
流電圧を印加し、そのとき検出電極114,122,1
24を介して得られる検出信号をモニタし、検出信号の
レベル(振幅)が零(又は所定のしきい値以下)となる
ように振動子100の稜線をトリミングする。この結
果、振動子100の検出軸方向への不要振動はなくな
り、上記実施例と同様、角速度センサのオフセット温度
ドリフトを低減することが可能になる。尚、トリミング
を行う稜線は、各アーム部103〜106の稜線であれ
ば、外側でも内側でもよい。
【0076】次に図13に示した角速度センサの振動子
200は、同一形状の音叉を、各音叉のアーム部20
3,204及び205,206が互いに逆方向を向くよ
うに、各音叉の連結部202にて連結したH字形形状を
している。この振動子200は、PZTをダイシング等
で機械加工することによりH字形に形成されており、一
方の音叉部を構成する一対のアーム部203,204に
は、振動子200をアーム部203,204の配置方向
(Y軸方向)に振動させるための電極が形成され、他方
の音叉部を構成する一対のアーム部205,206に
は、振動子200に加わった各アーム部203〜206
の中心軸に平行なz軸周りの角速度を検出するための電
極が形成されている。
【0077】即ち、アーム部203,204のX1面
(振動子200においてH字形を呈する一方の面)に
は、駆動電極207及びモニタ電極208が形成されて
いる。そして各アーム部203,204の駆動電極20
7及びモニタ電極208は、夫々、連結部202で連結
されている。また、アーム部205,206のX1面に
は、夫々、仮GND電極210,211が形成され、Y
1,Y2面(各アーム部205,206における振動子
200の外側側面)には、夫々、検出電極212,21
3が形成されている。
【0078】また、振動子200のX2面(振動子20
0においてH字形を呈する一方の面)には、アーム部2
03,204から連結部202を通ってアーム部20
5,206に至る略全域に仮GND電極209が形成さ
れており、アーム部205,206のX1面に形成され
た仮GND電極210,211は、各アーム部205,
206のY1面及びY2面に形成された短絡用電極21
8,219を介して、X1面の仮GND電極209に接
続されている。また、連結部202のX1面には、検出
信号取出用のパット電極214,215が形成され、各
アーム部205,206のY1,Y2面に形成された検
出電極212,213は、引出電極216,217を介
して、各パット電極214,215に夫々接続されてい
る。
【0079】このように構成された振動子200を用い
て角速度を検出する際には、例えば、連結部202のX
2面をサポータを介してベース上に固定すると同時に、
X2面の仮GND電極209を基準電位に接地する。そ
して、アーム部203,204に形成された駆動電極2
07と仮GND電極209との間に駆動信号(交流電
圧)を印加することにより、これらアーム部103,1
04にて構成される音叉部を左右の駆動軸方向(図に示
すY軸方向)に共振させると共に、モニタ電極208か
らの出力が一定になるように、図示しない制御回路を用
いて駆動信号を制御することにより、振動子200の内
側の音叉部を自励発振させる。
【0080】そして、このように振動子200を自励制
御発振させているときに、Z軸周りの角速度Ωが入力さ
れると、各アーム部203,204は、コリオリ力によ
って、X1,X2面を貫くX軸方向(図示せず)にも振
動する。すると、他方の音叉部を構成する各アーム部2
05,206もX軸方向に振動するため、検出電極21
2と仮GND電極209,210との間、及び、検出電
極213と仮GND電極209,211との間には、X
軸方向の振動に比例した電流が流れる。そこで、この電
流をパット電極214,215を介して取り出し、電圧
値に変換することにより、Z軸回りの角速度Ωを検出す
る。
【0081】また、本実施例の振動子200を調整する
際には、上記実施例と同様、駆動信号として、振動子2
00の検出軸方向への共振周波数(検知周波数)の交流
電圧を印加し、そのとき検出電極212,213を介し
て得られる検出信号をモニタし、検出信号のレベル(振
幅)が零(又は所定のしきい値以下)となるように振動
子200の稜線をトリミングする。この結果、振動子2
00の検出軸方向の不要振動はなくなり、上記実施例と
同様、角速度センサのオフセット温度ドリフトを低減す
ることが可能になる。尚、トリミングを行う稜線は、各
アーム部203〜206の稜線であれば、外側でも内側
でもよい。
【0082】また次に上記実施例では、図9〜図13に
示した振動子52,72,100,200を含めて、振
動子2を圧電体にて構成し、駆動手段及び検出手段とし
ての駆動電極や検出電極を圧電体の外壁に形成した角速
度センサについて説明したが、振動子自体は金属にて音
叉或いは角柱状に形成し、その外壁に駆動及び検出用の
圧電体を貼り付けた角速度センサであっても、本発明方
法を適用することにより、上記実施例と同様の効果を得
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 音叉形状の振動子を備えた実施例の角速度セ
ンサの構成を表す斜視図である。
【図2】 図1に示した振動子に形成された電極を表す
説明図である。
【図3】 振動子の調整に使用される調整システムの構
成を表す説明図である。
【図4】 振動子のトリミングの方法を説明する説明図
である。
【図5】 振動子のトリミングによる調整手順を説明す
る説明図である。
【図6】 振動子のトリミングによる検出信号の振幅変
化及びオフセット温度ドリフト変化の測定結果を表す説
明図である。
【図7】 振動子のトリミング量と検出信号の振幅変化
及びオフセット温度ドリフト変化との関係を表す説明図
である。
【図8】 振動子の調整に使用される調整システムの他
の構成例を表す説明図である。
【図9】 一端が固定された角柱状の振動子を備えた角
速度センサの構成及びその振動子に形成された電極を表
す説明図である。
【図10】 両端が自由になるように振動の節部で固定
された角柱状の振動子を備えた角速度センサの構成及び
その振動子に形成された電極を表す説明図である。
【図11】 二組の音叉部を有する櫛形形状の振動子を
備えた角速度センサの構成を表す説明図である。
【図12】 図11に示した櫛形形状の振動子に形成さ
れた電極を表す説明図である。
【図13】 二組の音叉部を有するH字形形状の振動子
の構成を説明する説明図である。
【符号の説明】
2,52,72,100,200…振動子、4,6,1
03〜106,203〜206…アーム部、8,10
2,202…連結部、12a,12b,58a,58
b,82a,82b,112,207…駆動電極(駆動
手段)、14a,14b,60,84a,84b,11
3,208…モニタ電極、16a,16b,24,6
2,70,86a,86b,94,115,120,1
21,125,209,210,211…仮GND電
極、18a,18b,64,88a,88b…分極用電
極、20a,20b,66,90a,90b,116,
117,214,215…パット電極、22a,22
b,68,92a,92b,114,122,124,
212,213…検出電極(検出手段)、26a,26
b,28a,28b,62a,62b,96a,96
b,98a,98b,128,129,218,219
…短絡用電極 30a,30b,66,99a,99
b,118,119,123,126,127,21
6,217…引出電極、32,54,74,75,10
7…サポータ、40…発振器、42…反転回路、44,
44a,44b…電流−電圧変換回路、46…オシロス
コープ。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 角柱状に形成された振動部を有する振動
    子と、外部から入力される駆動信号により、前記振動子
    を、前記振動部の長手方向の中心軸に直交した駆動軸方
    向に励振する駆動手段と、前記振動部において前記駆動
    軸に直交した検出軸方向に生じる振動を検出する検出手
    段とを備えた角速度センサにおいて、前記駆動手段によ
    る前記振動子の励振時に前記検出軸方向に生じる前記振
    動部の不要振動を抑えるために、前記振動子の振動特性
    を調整する調整方法であって、 前記振動部の前記検出軸方向の共振周波数に対応した交
    流電圧を前記駆動信号として前記駆動手段に入力するこ
    とにより前記振動子を振動させ、そのとき前記検出手段
    にて得られる検出信号の振幅が小さくなるように、前記
    振動子の振動特性を調整することを特徴とする角速度セ
    ンサの調整方法。
  2. 【請求項2】 前記振動特性の調整は、前記振動子の一
    部を削ることにより行うことを特徴とする請求項1に記
    載の角速度センサの調整方法。
  3. 【請求項3】 前記振動特性の調整は、前記振動子にお
    いて前記振動部の長手方向に沿った稜線の少なくとも一
    つを削ることにより行うことを特徴とする請求項2に記
    載の角速度センサの調整方法。
  4. 【請求項4】 前記振動子は、前記振動部としての一対
    のアーム部と、各アーム部の一端を互いに連結する連結
    部とにより音叉形状に形成された振動子であり、前記振
    動特性の調整は、該一対のアーム部の長手方向に沿った
    稜線の内の少なくとも一つを削ることにより行うことを
    特徴とする請求項3に記載の角速度センサの調整方法。
  5. 【請求項5】 前記角速度センサにおいて、前記振動子
    は、前記振動部としての一対のアーム部と該各アーム部
    の一端を互いに連結する連結部とからなる二組の音叉部
    を、各音叉部の連結部を共通にして一体化することによ
    り櫛形又はH字形に形成され、前記駆動手段は、一方の
    音叉部を構成する各アーム部を各アーム部の長手方向の
    中心軸に直交した駆動軸方向に励振させ、前記検出手段
    は、他方の音叉部を構成する各アーム部において前記駆
    動軸とは直交する検出軸方向に生じる振動を検出するよ
    うに構成されており、 前記振動特性の調整は、前記二組の音叉部を構成するア
    ーム部の長手方向に沿った稜線の内の少なくとも一つを
    削ることにより行うことを特徴とする請求項3に記載の
    角速度センサの調整方法。
  6. 【請求項6】 前記振動特性の調整は、前記アーム部の
    連結部付近の稜線,前記連結部の稜線,及び前記アーム
    部の連結部付近から連結部側に至る稜線のいずれかを削
    ることにより行うことを特徴とする請求項4又は請求項
    5に記載の角速度センサの調整方法。
  7. 【請求項7】 前記振動子は、角柱の一端が固定された
    一つの振動部からなり、前記振動特性の調整は、該振動
    部の固定部付近の稜線を削ることにより行うことを特徴
    とする請求項3に記載の角速度センサの調整方法。
  8. 【請求項8】 前記振動子は、角柱の両端が自由となる
    ように振動時の節となる部分が固定された一つの振動部
    からなり、前記振動特性の調整は、該振動部の長手方向
    中央部付近の稜線を削ることにより行うことを特徴とす
    る請求項3に記載の角速度センサの調整方法。
  9. 【請求項9】 前記振動特性の調整は、前記稜線を削る
    長さを調整することにより行うことを特徴とする請求項
    3〜請求項8いずれか記載の角速度センサの調整方法。
  10. 【請求項10】 前記振動特性の調整は、前記稜線を削
    る深さを調整することにより行うことを特徴とする請求
    項3〜請求項8いずれか記載の角速度センサの調整方
    法。
  11. 【請求項11】 前記振動子は、圧電体からなることを
    特徴とする請求項1〜請求項10いずれか記載の角速度
    センサの調整方法。
JP10075734A 1997-03-24 1998-03-24 角速度センサの調整方法 Pending JPH10325728A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10075734A JPH10325728A (ja) 1997-03-24 1998-03-24 角速度センサの調整方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7014697 1997-03-24
JP9-70146 1997-03-24
JP10075734A JPH10325728A (ja) 1997-03-24 1998-03-24 角速度センサの調整方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10325728A true JPH10325728A (ja) 1998-12-08

Family

ID=26411305

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10075734A Pending JPH10325728A (ja) 1997-03-24 1998-03-24 角速度センサの調整方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10325728A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013205237A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Seiko Epson Corp 振動片およびその製造方法並びにジャイロセンサーおよび電子機器および移動体
CN103376100A (zh) * 2012-04-27 2013-10-30 精工爱普生株式会社 振动片和陀螺传感器、以及电子设备和移动体
US9354060B2 (en) 2012-03-28 2016-05-31 Seiko Epson Corporation Vibrating element, gyro sensor, electronic apparatus and moving object

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08152328A (ja) * 1995-07-04 1996-06-11 Nippondenso Co Ltd 角速度センサ及びその使用方法
JPH08201065A (ja) * 1995-01-31 1996-08-09 Kyocera Corp 角速度センサ
JPH08210860A (ja) * 1994-11-28 1996-08-20 Nippondenso Co Ltd 角速度センサ
JPH08278142A (ja) * 1995-04-04 1996-10-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 角速度センサ
JPH08313265A (ja) * 1995-05-17 1996-11-29 Fujitsu Ltd 音叉形振動ジャイロ及びこれを用いたセンサシステム並びに音叉形振動ジャイロの調整方法
JPH0989568A (ja) * 1995-09-20 1997-04-04 Fujitsu Ltd 音叉形ジャイロの調整方法

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08210860A (ja) * 1994-11-28 1996-08-20 Nippondenso Co Ltd 角速度センサ
JPH08201065A (ja) * 1995-01-31 1996-08-09 Kyocera Corp 角速度センサ
JPH08278142A (ja) * 1995-04-04 1996-10-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 角速度センサ
JPH08313265A (ja) * 1995-05-17 1996-11-29 Fujitsu Ltd 音叉形振動ジャイロ及びこれを用いたセンサシステム並びに音叉形振動ジャイロの調整方法
JPH08152328A (ja) * 1995-07-04 1996-06-11 Nippondenso Co Ltd 角速度センサ及びその使用方法
JPH0989568A (ja) * 1995-09-20 1997-04-04 Fujitsu Ltd 音叉形ジャイロの調整方法

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013205237A (ja) * 2012-03-28 2013-10-07 Seiko Epson Corp 振動片およびその製造方法並びにジャイロセンサーおよび電子機器および移動体
CN103363973A (zh) * 2012-03-28 2013-10-23 精工爱普生株式会社 振动片及其制造方法、陀螺仪传感器、电子设备及移动体
US9347776B2 (en) 2012-03-28 2016-05-24 Seiko Epson Corporation Vibrating element and manufacturing method for the same, gyro sensor, electronic apparatus and moving object
US9354060B2 (en) 2012-03-28 2016-05-31 Seiko Epson Corporation Vibrating element, gyro sensor, electronic apparatus and moving object
US9523578B2 (en) 2012-03-28 2016-12-20 Seiko Epson Corporation Vibrating element and manufacturing method for the same, gyro sensor, electronic apparatus and moving object
CN103376100A (zh) * 2012-04-27 2013-10-30 精工爱普生株式会社 振动片和陀螺传感器、以及电子设备和移动体

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0649002B1 (en) Vibration-sensing gyro
EP1898180B1 (en) Vibrators and vibratory gyroscopes
US6101878A (en) Angular rate sensor and method of improving output characteristic thereof
WO2005085758A1 (ja) 角速度センサ用音叉型振動子、この振動子を用いた角速度センサ及びこの角速度センサを用いた自動車
WO1994011706A1 (en) Angular velocity detector circuit
JP2005233706A (ja) 角速度センサ
JP4206975B2 (ja) 振動子、電子機器および振動子の周波数調整方法
US6177756B1 (en) Piezoelectric gyro and method of driving the piezoelectric gyro
JPH11351874A (ja) 角速度センサ及びその調整方法
JPH10325728A (ja) 角速度センサの調整方法
JP4305625B2 (ja) 振動子および物理量測定用信号発生素子
JP3732582B2 (ja) 角速度検出装置
JP3257203B2 (ja) 角速度検出素子の振動数調整方法と角速度検出素子
JPH116738A (ja) 角速度センサ
JPH08278141A (ja) セラミック圧電複合形角速度センサ
JP3039625B2 (ja) 角速度検出装置
JP3861456B2 (ja) 角速度検出用振動子の製造方法
JPH10170274A (ja) 角速度センサの漏れ振動除去方法
JPH09311041A (ja) 角速度検出装置
JP2004279271A (ja) 圧電材料を利用したセンサ及びジャイロセンサ
JPH10288525A (ja) 角速度センサ
JPH1019575A (ja) 圧電振動体
JPH10253363A (ja) 角速度センサ素子及びそれを用いた角速度センサ
JPH10288527A (ja) 角速度センサ
JP3178446B2 (ja) 圧電ジャイロセンサ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040603

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20051122

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060314