JPH10288527A - 角速度センサ - Google Patents

角速度センサ

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JPH10288527A
JPH10288527A JP9099318A JP9931897A JPH10288527A JP H10288527 A JPH10288527 A JP H10288527A JP 9099318 A JP9099318 A JP 9099318A JP 9931897 A JP9931897 A JP 9931897A JP H10288527 A JPH10288527 A JP H10288527A
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JP
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angular velocity
axis direction
vibrator
velocity sensor
arm
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JP9099318A
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Junji Moriwaki
淳二 森脇
Takashi Ito
岳志 伊藤
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Denso Corp
Soken Inc
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Denso Corp
Nippon Soken Inc
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Priority to DE19812952A priority patent/DE19812952A1/de
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 圧電体からなる音叉型振動子1を用いて角速
度を検出する角速度センサにおいて、センサの温度ドリ
フトを低減する。 【解決手段】 振動子1は、一対のアーム部4、5と各
アーム部4、5の一端を連結する連結部6とを有する略
コ字型の音叉形状に形成されている。この振動子1は、
連結部6の略中央からアーム部4、5の反対方向に延び
る柱部3によって支持されている。ここで、柱部3の幅
wはアーム部4、5の幅w0 の0.5倍以上1.0倍以
下であり、柱部3の厚さtはアーム部4、5の厚さt0
の0.75倍以上としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電体からなる音
叉型振動子を用いて角速度を検出する角速度センサに関
するものであり、特に車両の姿勢制御装置の角速度セン
サとして用いて好適である。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の角速度センサとしては、
特開平8−210860号公報に記載のものがある。そ
の構成を図13に示す。これは、圧電体により一対の四
角柱状のアーム部4、5および各アーム部4、5の一端
を連結する連結部6を有する略コ字型音叉形状に形成さ
れた振動子1を備えたもの(いわゆるバルク音叉型)で
あり、この振動子1を一定振動させて、角速度Ωzが発
生した時に振動子1が受けるコリオリ力を振動子1の振
動の変化状態から検出するものである。
【0003】ここで、2本のアーム部4、5の配列方向
をy軸方向、振動子1における略コ字型を呈する側面X
1、X2に直交する方向をx軸方向、アーム部4、5が
延びる方向に平行な且つ2本のアーム部4、5の中心間
に位置する軸をz軸方向として定義した場合、各軸によ
ってxyz直交座標系が構成(図13参照)される。こ
の座標系において、上記の角速度センサは、具体的には
以下のように作用する。
【0004】x軸方向に分極処理された振動子1に対し
てx軸方向に交流電圧を印加すると、2本のアーム部
4、5はy軸方向に振動する。そして、振動子1がz軸
回りの回転力を受ける、すなわちz軸回りの角速度Ωz
が発生すると、コリオリの力によりアーム部4、5はx
軸方向に振動する。このx軸方向の振動を検出すること
で、振動子1のz軸回りの角速度Ωzを検出する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の角速度センサに
おいては、発生する角速度Ωzすなわち入力角速度が0
の場合、振動子のアーム部4、5の振動はy軸方向成分
のみであることが望ましい。しかしながら、圧電体にて
振動子1が形成されているため、振動子1の加工誤差や
圧電体の分極の不均一さ等により、入力角速度が0の場
合でも振動はx軸方向の成分を持つ。
【0006】また、図13に示すように、振動子1は、
連結部6の略中央からアーム部4、5と反対方向に延び
る柱部3によって支持されており、この柱部3は、振動
子1と平行に配置された基板2に連結固定されている。
そして、上記のx軸方向の振動成分は、柱部3から基板
2に伝達(いわゆる振動の漏れ)し、基板2のz軸回り
の振動を発生させる加振力となると考えられる。
【0007】このようなx軸方向の振動およびそれに起
因する振動は、角速度の検出信号に対してオフセットと
なるだけでなく、振動として不安定である。そのため、
特に温度変化などがあった場合に振動が不安定になる。
そして、結果的に、このような不要振動が原因で、オフ
セット出力の温度ドリフトが生じ、センサ性能が悪化す
ると考えられる。なお、温度ドリフトとは、センサの使
用温度範囲におけるオフセット出力の最大値と最小値と
の差である。
【0008】本発明は上記問題点に鑑みて、圧電体から
なる音叉型振動子を用いて角速度を検出する角速度セン
サにおいて、センサの温度ドリフトを低減することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、振動子1の形状(音叉型)から考えて、振動子
1を支持する柱部3のねじれ剛性に着目した。すなわ
ち、ねじれ剛性を大きくすれば、上述した振動子1にお
ける加工誤差や圧電体の分極の不均一等が存在しても、
それによる不要振動(x軸方向の振動)が発生しにくく
なり、温度ドリフトが低減できると考えた。
【0010】ここで、温度ドリフトは小さいほど良い
が、さらに検討を進めたところ、実際には、温度ドリフ
トに対する要求が厳しいといわれる自動車用として角速
度センサを用いた場合、センサ使用温度範囲、制御回路
によるセンサ出力補正限界等の制約条件を考慮すると、
その温度ドリフトは10°/秒以下(−30℃〜80
℃)を必要とすることがわかった。ちなみに、従来のこ
の種の角速度センサにおいては、温度ドリフトは20〜
30°/秒のものが多く、10°/秒以下のレベルを安
定して実現できていなかった。
【0011】ところで、図13に示すように、上記した
従来の角速度センサの柱部3は、細いものとなってい
る。柱部3が無い、あるいはあっても太いものである場
合、振動子1からの振動が電極基板2へ漏れやすくなる
ため、柱部3を細くしている。本発明者等は、従来の角
速度センサにおいて、細い部分である柱部(3)のねじ
れ剛性を大きくすることが必要であると考えて柱部
(3)の太さに着目し、その太さがセンサの温度ドリフ
トに与える影響を調査した。
【0012】その結果、x軸方向およびy軸方向におけ
る柱部の幅および厚さ(w、t)とx軸方向およびy軸
方向におけるアーム部(4、5)である四角柱の幅およ
び厚さ(w0 、t0 )との寸法関係において、温度ドリ
フトを10°/秒以下に低減できるような所定範囲が存
在することを見出した。すなわち、請求項1の発明にお
いては、柱部(3)のy軸方向の幅(w)はアーム部
(4、5)のy軸方向の幅(w0 )の0.5倍以上1.
0倍以下であり、柱部(3)のx軸方向の厚さ(t)は
アーム部(4、5)のx軸方向の厚さ(t 0 )の0.7
5倍以上としている。
【0013】柱部(3)の太さが、このようなアーム部
(4、5)との寸法関係を有することにより、温度ドリ
フトが10°/秒以下に低減された角速度センサが安定
して実現できる。ここで、柱部(3)のx軸方向の厚さ
(t)は、アーム部(4、5)のx軸方向の厚さ
(t0 )の0.75倍以上であるが、厚すぎるとセンサ
のx軸方向の体格の過大化や上記の振動の漏れ等が発生
し、実用上好ましくない。そのため、請求項2の発明に
記載のように、柱部(3)のx軸方向の厚さ(t)は、
アーム部(4,5)のx軸方向の厚さ(t0 )の1.0
倍以下が好ましい。
【0014】また、請求項4の発明においては、柱部
(3)を構成する材料のヤング率は前記圧電体よりも大
きいものとしている。それによって、柱部(3)のねじ
れ剛性が向上するため、請求項1に記載の効果を実現で
きる。なお、好ましくは、請求項5に記載のように、柱
部(3)を構成する材料のヤング率は、10,000〜
100,000kgf/mm2 であり、圧電体のヤング
率は、約8,000kgf/mm2 である。
【0015】そして、請求項5を満足するようなものと
しては、請求項6のように、柱部(3)として42アロ
イ、振動子(1)の圧電体としてチタン酸ジルコン鉛
(PZT)を用いたものにできる。また、上記請求項1
ないし6の発明において、アーム部(4、5)をy軸方
向に励振するために第1電極取付面(X1、X2)の一
側の面(X1)に設けられる駆動電極(101、10
2)は、請求項7に記載のようなものにできる。
【0016】また、請求項8のように、上記請求項1な
いし7の発明において、共通電極(109)は、第1電
極取付面(X1、X2)の他側の面(X2)の全体に設
けられているものにすれば、一側の面(X1)の駆動電
極(101、102)の形状変更、あるいは、他の電極
を一側の面(X1)に設ける場合にも、対応することが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。図1および図2は、本実施形態の角
速度センサの全体構成を示すものである。本実施形態の
センサは、例えば、自動車の横滑りやスピンを防止する
車両挙動制御システムの角速度センサとして使用され
る。
【0018】図1に示すように、本実施形態の角速度セ
ンサは音叉形状に形成され、外周面に電極が設けられた
振動子1と、振動子1を励振させると共に、振動子1の
振動状態から図1に示すz軸回りの角速度Ωzを検出す
る駆動・検出回路(図示しない)と、振動子1と基板2
を連結して固定支持する柱部3とから構成されている。
【0019】振動子1は、図1に示すように、略平行に
配置された一対の四角柱状のアーム部4、5と、各アー
ム部4、5の一端を連結する四角柱状の連結部6とを有
する略コ字型の音叉形状を有し、圧電体によって一体成
形されている。ここで、振動子1を構成する圧電体に
は、チタン酸ジルコン鉛(PZT)等のセラミック圧電
体や水晶等を用いることができるが、本実施形態の振動
子1には、分極方向を任意に設定可能で製造のし易いP
ZTが使用されている。
【0020】そして、振動子1において両アーム部4、
5と連結部6とが同一平面を形成する第1電極取付面で
あるX1面、X2面は、基板2に対して平行となるよう
に位置している。なお、本実施形態においては、X1
面、X2面に直交する軸をx軸、各アーム部4、5の配
列方向の軸をy軸、x軸とy軸の成すxy平面に直交す
る軸を上述のz軸としている。そして、xyz直交座標
系が構成され、角速度センサは、z軸を車両上下方向に
向けて自動車へ搭載される。
【0021】ここで、アーム部4、5においてy軸と直
交する面のうち、両アーム部4、5が対向する面でない
方の面をY1面(アーム部4側)、Y2面(アーム部5
側)とする。これらY1面、Y2面は、後述するよう
に、第2電極取付面として構成されている。また、振動
子1を支持する柱部3は、連結部6のうちアーム部4、
5とは反対側の面に、連結部6と略同等の長さを有する
接続部3aを介して接合されている。ここで、柱部3
は、接続部3aの略中央に一体に成形されており、接続
部3aと連結部6とは、例えばエポキシ系の接着剤によ
り接合されている。そして、柱部3は、連結部6の略中
央からアーム部4、5と反対方向に延び、振動子1を支
持するようになっている。
【0022】また、柱部3の下端には、基台3bが一体
成形されて設けられている。そして、基台3bは基板2
に対して、柱部3が平行となるように、例えば溶接等に
より取り付けられている。このようにして、振動子1
は、接続部3a、柱部3および基台3bを介して基板2
に固定されている。ここで、柱部3、接続部3aおよび
基台3bの3つの部分は、金属(本実施形態では42ア
ロイ)等により一体成形されているが、これら3つの部
分は、互いに接合されていてもよい。
【0023】また、不要振動低減のためには、柱部3の
ねじれ剛性が大きいことが好ましいため、柱部3の材料
は、振動子1を形成する圧電体よりもヤング率の大きい
ものであることが好ましい。上述の42アロイでは、ヤ
ング率は、約12,000kgf/mm2 であり、PZ
Tは、約8,000kgf/mm2 である。本発明者等
の検討の結果、柱部3の材料のヤング率としては、軟鋼
レベルの10,000〜100,000kgf/mm2
であることが好ましいと考える。なお、柱部31の太さ
の検討についての詳細は後述する。
【0024】次に、図2も参照して、振動子1に設けら
れた各電極について説明する。図2(a)に示すよう
に、第1電極取付面であるX1面、X2面のうち一側の
X1面には、連結部6側から順に、駆動電極101、1
02、モニタ電極103、104、及び分極処理用の分
極用電極105、106が形成されている。駆動電極1
01および102は、それぞれ、連結部6を通って、X
1面のうちY1面およびY2面寄りの部位と、各アーム
部4、5の対向面寄りの部位とに形成され、X1面の形
状と相似なコ字形状を有したものとなっている。
【0025】モニタ電極103及び104は、X1面の
うち各アーム部4、5の対向面寄りの部位に、それぞれ
形成されている。また、図2(b)および(c)に示す
ように、角速度検出電極107および108が、第2電
極取付面であるY1面およびY2面のうちX2面寄りの
部位にそれぞれ形成されている。
【0026】また、第1電極取付面であるX1面、X2
面のうち、一側のX1面と対向する他側のX2面には、
駆動電極101、102、モニタ電極103、104お
よび角速度検出電極107、108に対する基準電極と
なる共通電極109が形成されている。さらに、角速度
検出電極107及び108からの検出信号を取出すため
のパッド電極116および117が、それぞれ、引出し
電極118および119を介して角速度検出電極107
及び108と接続されている。
【0027】そして、各アーム部4、5のX1面及びX
2面に設けられた各電極を利用することによって、各ア
ーム部4、5は、図1の白抜き矢印で示すように、x軸
に沿って、X1面からX2面に至る方向に分極処理され
ている。なお、分極用電極105および106は、それ
ぞれ短絡用電極110および111、仮想基準電極(仮
想GND電極)112および113、短絡用電極114
および115を介して、共通電極109と短絡されてい
るが、これら各短絡用電極110、111、114、1
15および上記の引出し電極118、119は上記の分
極処理後に設けられたものである。
【0028】以上のように、各電極は両アーム部4、5
に、それぞれ左右対称形に設けられている。次に、図示
しない駆動・検出回路は、モニタ電極103、104か
らモニタ信号を取り込む第1の入力回路、角速度検出電
極107、108から検出信号を取り込む第2の入力回
路、上記のモニタ信号を基準信号として駆動電極10
1、102と共通電極109との間に駆動信号(交流電
圧)を印加する駆動手段としての自励発振回路、上記の
モニタ信号および検出信号に基づきz軸回りの各速度Ω
zを検出する検出手段としての検出回路を有した構成と
なっている。
【0029】そして、上述した各電極と図示しない駆動
・検出回路との入出力は、基板2上に例えばハーメチッ
クシール等で基板2から絶縁構成された各ターミナル
(端子部)10〜17と、振動子1上の各電極とをワイ
ヤ20〜27でワイヤボンディングにより接続して行
う。従って、上記の図示しない駆動・検出回路により、
以下のように本実施形態の振動子1を作動させることが
できる。
【0030】共通電極109を基準電位として、駆動電
極101および駆動電極102にそれぞれ位相の180
度異なる交流電圧がx軸方向に印加することにより、各
アーム部4、5をy軸方向に励振させる。この時、モニ
タ電極103、104と共通電極109との間を流れる
出力電流(モニタ信号)を検知し、周囲温度が変化して
もy軸方向の振幅が一定となるように自励発振制御を行
う。
【0031】振動子1に対して、z軸回りに角速度Ωz
が入力された時、コリオリ力によりアーム部4、5は、
x軸方向に角速度Ωzに比例した振動を発生する。この
時、角速度検出電極107、108と共通電極109と
の間に発生する角速度Ωzに比例した出力電流(検出信
号)を検出して、各アーム部4、5の中心位置における
z軸回りの角速度Ωzを検出する。
【0032】次に、上記構成の角速度センサにおいて、
支持部3の柱部31の太さを種々変更して、温度ドリフ
トとの関係を調査した。ここで、温度ドリフトは、上記
の検出信号において入力角速度Ωzが0の状態の時のオ
フセット出力が、周囲温度が変化した場合どれだけ変化
したかを評価したものである。図3(a)および(b)
に示すように、本発明者等は柱部3の太さを規格化する
ために、柱部3のy軸方向の幅wについて、アーム部
4、5のy軸方向の幅w 0 との比w/w0 をとり、柱部
3のx軸方向の厚さtについて、アーム部4、5のx軸
方向の厚さt0 と比t/t0 をとることとした。これら
各比とオフセット出力(°/秒)の温度ドリフトとの関
係を調査した。なお、上述のように柱部3は42アロイ
製、各アーム部4、5はPZT製である。
【0033】ここで、温度ドリフトの温度範囲は−30
℃〜80℃とした。これは、自動車用の角速度センサの
使用範囲に相当する。また、z軸方向における柱部3の
長さLと各アーム部4、5の長さL0 との比L/L0
1/17としている。まず、厚さ比t/t0 を1に固定
して、幅比w/w0 と温度ドリフトとの関係を調べた。
その結果を図4に示す。幅比w/w0 の各値に対して3
個ずつ合計9個のサンプルを作製し、各々温度ドリフト
を求めた。これから、幅比w/w0 は大きい程、温度ド
リフトは小さくなり、少なくとも0.5以上であれば、
温度ドリフト10°/秒以下をばらつきなく安定して実
現できることがわかる。
【0034】次に、温度ドリフト10°/秒以下を達成
する下限である幅比w/w0 =0.5において、厚さ比
t/t0 と温度ドリフトとの関係を調べた。その結果を
図5に示す。厚さ比t/t0 の各値に対して3個ずつ合
計9個のサンプルを作製し、各々温度ドリフトを求め
た。これから、厚さ比t/t0 も大きい程、温度ドリフ
トは小さくなり、少なくとも0.75以上であれば温度
ドリフト10°/秒以下をばらつきなく安定して実現で
きることがわかる。
【0035】よって、柱部3において、幅比w/w0
0.5且つ厚さ比t/t0 ≧0.75であれば、温度ド
リフトが10°/秒以下の角速度センサを安定して実現
できることがわかる。次に、図4よび図5に用いた各サ
ンプルについて、不要振動であるアーム部4、5のx軸
方向の振動、および基板2の振動がどのように低減され
ているか調べた。
【0036】図3(c)に示すように、アーム部4、5
のx軸方向の振動状態は、どちらか一方のアーム部(例
えばアーム部5)の上端部において、x軸方向の振動幅
Vxおよびy軸方向の振動幅Vyを求め、両振動幅の比
(Vx/Vy)×100(%)を斜め振動割合と定義し
て示した。一方、基板2の振動状態は、基板2上部の各
点において、x軸方向への振動幅Uを求め、その最大値
Umaxと上記の振動幅Vyとの比(Umax/Vy)
×100を基板振動割合と定義して示した。なお、各振
動幅の測定は、振動速度を測定して積分する公知のドッ
プラー測定法によるものである。
【0037】その結果を図6(w/w0 と斜め振動割
合)、図7(t/t0 と斜め振動割合)、図8(w/w
0 と基板振動割合)および図9(t/t0 と基板振動割
合)に示す。これら、図6ないし図9から、温度ドリフ
ト10°/秒以下を安定して実現できる幅比w/w0
0.5且つ厚さ比t/t0 ≧0.75の範囲において
は、それ以外の範囲に比べて、斜め振動割合および基板
振動割合は低減している。そして、斜め振動割合はおお
よそ4%以下に、基板振動割合はおおよそ0.02%以
下におさまっている。よって、幅比w/w0 ≧0.5且
つ厚さ比t/t0 ≧0.75の範囲においては、確かに
不要振動が小さくなっていることがわかる。
【0038】上記の調査により、温度ドリフト低減に対
して、柱部3の太さが所定値以上あれば良いことがわか
った。ここで、柱部3は太くなるほど、ねじれ剛性が大
きくなるが、逆に振動もれが大きくなり、基板2の不要
振動が増大する恐れがあると考えられる。そこで、本発
明者等は、さらに柱部3の太さの上限を得るために調査
を進めた。
【0039】その結果、図10に示すように、グラフ上
からは、幅比w/w0 がおおよそ1.4以上であると、
温度ドリフトは10°/秒よりも大きくなってしまうも
のが現れ、良好な温度ドリフト性能を有する角速度セン
サを安定して得ることはできないことがわかった。な
お、実際の測定値に基づけば、幅比w/w0 ≦1である
ことが好ましい。
【0040】なお、厚さ比t/t0 については、図5に
も示したように、厚さ比t/t0 ≦1までは、良好な温
度ドリフト性能が安定して得られる。実際、柱部3の厚
さtは、厚すぎるとセンサのy軸方向の体格が大きくな
ってしまうため、実用上、アーム部4、5の厚さt0
略同等以下の厚さであることが好ましい。以上述べてき
たように、本実施形態によれば、柱部3のサイズが0.
5≦w/w0 ≦1且つt/t0 ≧0.75の範囲にあれ
ば、温度ドリフトが10°/秒以下の角速度センサを安
定して実現できる。ここで、厚さ比t/t0 について
は、実用上は、0.75≦t/t0 ≦1であることが好
ましい。
【0041】さらに、上記構成の角速度センサにおいて
は、図10では、柱部31の幅wは、0.5〜4.6m
mの範囲で変化させているが、幅wが1〜2mmの範囲
にて温度ドリフト10°/秒以下が実現されている。こ
の時、連結部6のy軸方向の長さw1 (図3(a)参
照)は、4.6mm程度であり、幅比w/w1 でいえ
ば、おおよそ0.2〜0.5である。
【0042】なお、柱部3は四角柱状に限定されるもの
ではなく、例えば、図11に示すような円形、菱形、楕
円形、四角形以外の多角形等、種々の柱断面形状であっ
てもよい。なお、駆動電極101、102はアーム部
4、5上になくともよく、図12に示すように、少なく
とも連結部6上にあり、且つ両アーム部4、5の端部近
傍に位置するものであってもよい。
【0043】なお、上記実施形態においては、柱部3の
幅比w/w0 、厚さ比t/t0 によりねじれ剛性を変化
させたが、長さ比L/L0 を変えることでねじれ剛性を
変えても同様の効果があると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る角速度センサの全体構
成を示す斜視図である。
【図2】図1の電極構成を示す説明図であり、(a)は
正面図、(b)および(c)は側面図である。
【図3】図1の振動子および柱部の寸法関係を示す説明
図であり、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は
上視平面図である。
【図4】上記実施形態の柱部の幅寸法と温度ドリフトと
の関係を示す線図である。
【図5】上記実施形態の柱部の厚さ寸法と温度ドリフト
との関係を示す線図である。
【図6】上記実施形態の柱部の幅寸法と斜め振動割合と
の関係を示す線図である。
【図7】上記実施形態の柱部の厚さ寸法と斜め振動割合
との関係を示す線図である。
【図8】上記実施形態の柱部の幅寸法と基板振動割合と
の関係を示す線図である。
【図9】上記実施形態の柱部の厚さ寸法と基板振動割合
との関係を示す線図である。
【図10】上記実施形態の柱部の幅寸法を大きくしてい
った場合の幅寸法と温度ドリフトとの関係を示す線図で
ある。
【図11】上記実施形態における柱部の断面形状の変形
例を示す断面図である。
【図12】上記実施形態における駆動電極の形状の変形
例を示す正面図である。
【図13】従来の角速度センサの構成を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1…振動子、3…柱部、4、5…アーム部、6…連結
部、101、102…駆動電極、107、108…角速
度検出電極、X1、X2…第1電極取付面、Y1、Y2
…第2電極取付面、t…柱部の厚さ、t0 …アーム部の
厚さ、w…柱部の幅、w0 …アーム部の幅、w1 …連結
部の長さ、Ωz…z軸回りの角速度。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の四角柱状のアーム部(4、5)と
    各アーム部(4、5)の一端を連結する連結部(6)と
    を有する略コ字型音叉形状に形成された圧電体からなる
    振動子(1)と、 前記連結部(6)の略中央から前記アーム部(4、5)
    と反対方向に延び前記振動子(1)を支持する柱部
    (3)と、 前記振動子(1)において前記両アーム部(4、5)と
    前記連結部(6)とが同一平面を形成する第1電極取付
    面(X1、X2)のうち、一側の面(X1)に設けられ
    た駆動電極(101、102)および他側の面(X2)
    に設けられた共通電極(109)と、 前記アーム部(4、5)のうち前記アーム部(4、5)
    の配列方向であるy軸と直交する第2電極取付面(Y
    1、Y2)に設けられた角速度検出電極(107、10
    8)とを備え、 前記アーム部(4、5)は、前記第1電極取付面(X
    1、X2)と直交するx軸方向に分極処理されており、 前記駆動電極(101、102)と前記共通電極(10
    9)との間に電圧を印加して、前記アーム部(4、5)
    を前記y軸方向に励振させるとともに、前記振動子
    (1)の所定軸回りの角速度(Ωz)によって生じる前
    記アーム部(4、5)の前記x軸方向の振動状態を、前
    記角速度検出電極(107、108)により検出する角
    速度センサにおいて、 前記柱部(3)の前記y軸方向の幅(w)は、前記アー
    ム部(4、5)の前記y軸方向の幅(w0 )の0.5倍
    以上1.0倍以下であり、前記柱部(3)の前記x軸方
    向の厚さ(t)は、前記アーム部(4、5)の前記x軸
    方向の厚さ(t 0 )の0.75倍以上であることを特徴
    とする角速度センサ。
  2. 【請求項2】 前記柱部(3)の前記x軸方向の厚さ
    (t)は、前記アーム部(4、5)の前記x軸方向の厚
    さ(t0 )の1.0倍以下であることを特徴とする請求
    項1に記載の角速度センサ。
  3. 【請求項3】 前記柱部(3)の前記y軸方向の幅
    (w)は、前記連結部(6)の前記y軸方向の幅
    (w1 )の0.2〜0.5倍であることを特徴とする請
    求項1または2に記載の角速度センサ。
  4. 【請求項4】 一対の四角柱状のアーム部(4、5)と
    各アーム部(4、5)の一端を連結する連結部(6)と
    を有する略コ字型音叉形状に形成された圧電体からなる
    振動子(1)と、 前記連結部(6)の略中央から前記アーム部(4、5)
    と反対方向に延び前記振動子(1)を支持する柱部
    (3)と、 前記振動子(1)において前記両アーム部(4、5)と
    前記連結部(6)とが同一平面を形成する第1電極取付
    面(X1、X2)のうち、一側の面(X1)に設けられ
    た駆動電極(101、102)および他側の面(X2)
    に設けられた共通電極(109)と、 前記アーム部(4、5)のうち前記アーム部(4、5)
    の配列方向であるy軸と直交する第2電極取付面(Y
    1、Y2)に設けられた角速度検出電極(107、10
    8)とを備え、 前記アーム部(4、5)は、前記第1電極取付面(X
    1、X2)と直交するx軸方向に分極処理されており、 前記駆動電極(101、102)と前記共通電極(10
    9)との間に電圧を印加して、前記アーム部(4、5)
    を前記y軸方向に励振させるとともに、前記振動子
    (1)の所定軸回りの角速度(Ωz)によって生じる前
    記アーム部(4、5)の前記x軸方向の振動状態を、前
    記角速度検出電極(107、108)により検出する角
    速度センサにおいて、 前記柱部(3)を構成する材料のヤング率は前記圧電体
    のヤング率よりも大きいことを特徴とする角速度セン
    サ。
  5. 【請求項5】 前記柱部(3)を構成する材料のヤング
    率は、10,000〜100,000kgf/mm2
    あり、前記圧電体のヤング率は、約8,000kgf/
    mm2 であることを特徴とする請求項4に記載の角速度
    センサ。
  6. 【請求項6】 前記柱部(3)は42アロイからなり、
    前記圧電体はチタン酸ジルコン鉛であることを特徴とす
    る請求項1ないし5のいずれか1つに記載の角速度セン
    サ。
  7. 【請求項7】 前記駆動電極(101、102)は、前
    記第1電極取付面(X1、X2)の形状と相似形状を有
    し、前記アーム部(4、5)のうち一方のアーム部側か
    ら前記連結部(6)を通って他方のアーム部側に連続し
    て形成されていることを特徴とする請求項1ないし6の
    いずれか1つに記載の角速度センサ。
  8. 【請求項8】 前記共通電極(109)は前記第1電極
    取付面(X1、X2)の他側の面(X2)の全体に設け
    られていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれ
    か1つに記載の角速度センサ。
JP9099318A 1996-12-18 1997-04-16 角速度センサ Withdrawn JPH10288527A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005134364A (ja) * 2003-10-10 2005-05-26 Nippon Dempa Kogyo Co Ltd 角速度センサ用音叉型水晶振動子及びその製造方法
US9490773B2 (en) 2014-10-29 2016-11-08 Seiko Epson Corporation Vibrating element, electronic device, electronic apparatus, and moving object

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