JPH10324528A - 光学用石英ガラス - Google Patents

光学用石英ガラス

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JPH10324528A
JPH10324528A JP9187698A JP9187698A JPH10324528A JP H10324528 A JPH10324528 A JP H10324528A JP 9187698 A JP9187698 A JP 9187698A JP 9187698 A JP9187698 A JP 9187698A JP H10324528 A JPH10324528 A JP H10324528A
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JP
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quartz glass
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ppm
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temp
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JP9187698A
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Susumu Hachiuma
進 八馬
Shinya Kikukawa
信也 菊川
Yukinori Ota
幸則 大田
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Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
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    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/14Other methods of shaping glass by gas- or vapour- phase reaction processes
    • C03B19/1453Thermal after-treatment of the shaped article, e.g. dehydrating, consolidating, sintering
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B19/00Other methods of shaping glass
    • C03B19/14Other methods of shaping glass by gas- or vapour- phase reaction processes
    • C03B19/1415Reactant delivery systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2201/00Type of glass produced
    • C03B2201/02Pure silica glass, e.g. pure fused quartz
    • C03B2201/03Impurity concentration specified
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B2201/00Type of glass produced
    • C03B2201/06Doped silica-based glasses
    • C03B2201/20Doped silica-based glasses doped with non-metals other than boron or fluorine
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Abstract

(57)【要約】 【課題】屈折率の揺らぎを抑止せしめ、石英ガラスの均
質性を1×10-6以下にする。 【解決手段】ガラス形成原料を火炎加水分解させて形成
される多孔質石英ガラス体を加熱し透明ガラス化して製
造される気相反応法石英ガラスにおいて、該石英ガラス
中のCl含有量が10ppm以下、OH基含有量が10
0ppm以下であって、かつ重金属およびアルカリの含
有量の総計が1ppm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高エネルギー密度
の光学系に用いられるミラー、レンズ、エタロン、フィ
ルタ、プリズム等の光学部材に適合する高均質な光学用
石英ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】石英ガラスは、近赤外から真空紫外域ま
での広範囲にわたって透明な材料であることならびに寸
法安定性に優れることのために、高エネルギー密度の光
を用いる光学系のための光学部材としても最適な材料で
ある。しかし、石英ガラスは通常用いられる光学ガラス
に比較して溶融温度が高く、通常用いられる光学ガラス
を徐冷して脈理(屈折率の変動)を除去する温度域では
徐冷が困難で、屈折率の変動のない光学用石英ガラスを
得ることは困難であった。
【0003】このような高温度での熱処理により石英ガ
ラス中の脈理を除去する方法としては、例えば特開昭6
2−158121には、高純度石英ガラスを1800℃
以上の高温で溶融させた上に、2気圧以上の静水圧力下
で処理する方法が開示されている。しかし、このような
高温高圧に耐え得る装置は、必然的に大がかりとなり高
価とならざるを得ない。
【0004】また、特開昭64−28240には、石英
ガラスを軟化点以上の温度に加熱して自重変形を行わせ
る操作を繰り返し行い、しかも操作毎の自重変形方向を
変えて、内部の脈理を除去する方法が開示されている。
この方法では、軟化点以上の成形操作を繰り返し行う必
要があり、工程が煩雑になる問題点があった。
【0005】一方近年、超LSIの製造においては、サ
ブミクロン以下のパターン解像度が要求され、フォトリ
ソグラフィーの露光光源としてより紫外光のKrFエキ
シマレーザー(λ=248nm)又はArFレーザー
(λ=193nm)が検討されている。このように露光
光源が短波長になると、露光装置に使用される光学部材
としては、それらの波長域における透過性の問題から商
業的に応用可能な光学材料としては石英ガラスしかな
い。したがって、露光装置の収差補正を不要とするため
には、石英ガラス自体の屈折率の変動を1×10-6以下
に抑える必要がある。
【0006】石英ガラスの脈理が徐冷により除去された
としても、石英ガラス中に屈折率の変動を与えるような
元素が分布していれば、その元素がもたらす屈折率の変
動のために超LSIの露光装置の光学部材として使用可
能な高均質性を達成することは困難である。例えばG.
Hetherington等(1962)は、石英ガラ
ス中に含有されるOH基量は屈折率に対して、約−1×
10-6/10ppmの変動をあたえることを報告してい
る。また石英ガラス中のCl元素も、1×10-6/10
ppm程度の屈折率変動をもたらすといわれている(S
usa等(1985))。
【0007】したがって、屈折率の変動が1×10-6
下の光学用石英ガラス体を製造する際には、該石英ガラ
ス中に含有されるOH基量ならびにCl量の変動幅をな
くし、石英ガラス体中のOH基量ならびにCl量をあら
ゆるところで均一にすればよいことは容易に推察され
る。ところがガラス形成原料を火炎加水分解して多孔質
ガラス体を形成した後透明ガラス化した石英ガラスや、
ガラス形成原料を火炎加水分解して石英ガラスを直接基
材に堆積させる方法で製造される石英ガラスにおいても
製造時の温度分布等の影響によりOH基量を石英ガラス
全域にわたって均一にすることは困難であった。
【0008】次に考えられるOH基量の変動を抑える方
法としては、石英ガラス中に含有されるOH基量の絶対
値を減少させることである。多孔質石英ガラス体を透明
ガラス化する方法において、該方法で製造される石英ガ
ラス中のOH基量を、Cl2、CCl4 等のハロゲン化
合物で多孔質ガラス体を処理することによって低減化す
る技術は、低伝送損失な光ファイバを製造する手段とし
て公知な技術である。しかし、かかる方法で作製された
石英ガラス中には、Cl元素が分布し、それが屈折率の
変動をもたらし所望の均質性を達成することが困難であ
った。
【0009】さらには特開平2−102139には、石
英ガラス中のOH基濃度をなめらかな凹型に分布させる
ことによって均質性を向上させる方法が開示されてい
る。この方法では、石英ガラス中に凹型のOH基分布を
形成させる必要があり、熱処理条件を精密に制御する必
要があった。さらに気相反応法により多孔質石英ガラス
体を経て形成された石英ガラスについては、該石英ガラ
ス中には凸型のOH基分布が形成されるため、特開平2
−102139に開示された方法を応用することは実質
的に不可能である問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の問題点を解消し、高エネルギー密度の光を利用する光
学系に応用可能な、実質的に脈理のない光学用石英ガラ
ス部材とその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決すべくなされたものであり、ガラス形成原料を火炎加
水分解させて形成される多孔質石英ガラス体を加熱し透
明ガラス化して製造される気相反応法石英ガラスにおい
て、該石英ガラス中のCl含有量が10ppm以下、O
H基含有量が100ppm以下であって、かつ重金属お
よびアルカリの含有量の総計が1ppm以下であること
を特徴とする光学用石英ガラスを提供する。また本発明
は、上記光学用石英ガラスにおいて、少なくとも1方向
について直径220mmの円形で囲まれる領域にわたっ
て屈折率の変動幅が1×10-6以下であることを特徴と
する光学用石英ガラスを提供する。
【0012】また本発明は、(1)ガラス形成原料を火
炎加水分解して形成される石英ガラス微粒子を基材に堆
積・成長させて多孔質石英ガラス体を形成する工程、
(2)前記多孔質石英ガラス体を透明ガラス化温度以下
の温度域で一定時間保持し加熱処理する工程、(3)前
記加熱処理された多孔質石英ガラス体を、透明ガラス化
温度まで昇温・透明ガラス化して石英ガラス体を得る工
程、(4)前記石英ガラス体を軟化点以上の温度に加熱
して成形石英ガラス体を得る工程、さらに、(5)前記
成形石英ガラス体を徐冷点近傍の温度域を所定の冷却速
度以下の冷却速度で徐冷する工程からなることを特徴と
する、Cl含有量が10ppm以下、OH基含有量が1
00ppm以下であってかつ重金属およびアルカリの含
有量の総計が1ppm以下である光学用石英ガラスの製
造方法を提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明において、あらかじめガラ
ス形成原料を火炎加水分解して得られる石英ガラス微粒
子を基材に堆積・成長させた多孔質石英ガラス体を透明
ガラス化する温度以下の温度域で水蒸気分圧の低い雰囲
気中に一定時間加熱保持した後、透明ガラス化温度に昇
温加熱して透明ガラス化して石英ガラス体とする。
【0014】用いられるガラス形成原料としては、ガス
化可能な原料であれば特に制限されないが、SiCl
4 、SiHCl3 、SiH2 Cl2 、Si(CH3 )C
3 等の塩化物、SiF4 、SiHF3 ,SiH22
等のフッ化物、SiBr4 、SiHBr3 等の臭化物、
SiI4 のヨウ化物などのハロゲン化ケイ素化合物が作
業性やコストの面から好ましい。多孔質石英ガラス体
は、これらのガラス形成原料を通常の酸水素火炎中で加
水分解し、生じた石英ガラス微粒子を基材上に堆積させ
て形成される。
【0015】このようにして得られた多孔質石英ガラス
体は、ついで低水蒸気分圧雰囲気下で一定時間加熱保持
された後、透明ガラス化温度まで昇温されて透明ガラス
化して石英ガラスとなる。すなわち、例えば、多孔質体
は雰囲気制御可能な電気炉内にあらかじめ装着された
後、一定の昇温速度で加熱される。
【0016】ついで所定の温度に到達の後、乾燥ガスを
雰囲気中に導入し、多孔質体が接する雰囲気を置換する
ことにより雰囲気中の水蒸気分圧を所定値以下に低減す
る。その水蒸気分圧としては、0.002mmHg以下
であることが好ましく、これより大きい場合には最終的
に得られる石英ガラス中のOH基量を低減させることが
困難なため好ましくない。この水蒸気分圧0.002m
mHg以下は、露点温度が−70℃以下であることと同
等である。
【0017】また加熱保持する温度域としては、800
〜1250℃の範囲内が好ましく、この温度域より低い
温度では実質的な効果が得られず、またこの温度域を超
えた温度では多孔質体の表面のガラス化が進行するた
め、多孔質体内部を所望の低水蒸気分圧雰囲気に置換で
きず好ましくない。また、この温度域であれば、加熱処
理の方法としては、一定温度に保持してもよく、またこ
の温度域内を所定の時間の範囲内で昇温させながら処理
してもよい。またこの温度域での保持時間は、保持温度
に依存するため一概に規定できないが1〜30時間程度
の範囲から選ぶことが好ましく、これより短時間の場合
には実質的な効果がなく、またこれより長時間かけた場
合にもその効果は変わらないために生産効率等を考慮に
入れると好ましくない。また、乾燥ガスとしては窒素、
ヘリウム、アルゴン等を通常、使用できるが、乾燥ガス
として使用できれば必ずしもこれらのガスに限定されな
い。
【0018】次いでこのような加熱処理の後、多孔質ガ
ラス体はガラス化温度まで昇温されてガラス化される。
ガラス化温度としては、1350〜1500℃の範囲か
ら選ぶことが好ましい。さらに、加熱処理とガラス化処
理は、それぞれ別の加熱装置で行われてもよいが、その
場合には、移送時に水分が吸着したりすることを防止す
る等の処置を講じることが好ましい。したがって、さら
に好ましい実施態様としては、加熱処理とガラス化を同
一の設備で行うことが好ましい。
【0019】こうして得られた石英ガラス体を軟化点以
上の温度に加熱し、所望の形状に成形加工を行い光学用
石英ガラス部材を製造する。成形加工の温度域は、16
50〜1800℃の範囲から選択することが好ましい。
1650℃より低い温度では石英ガラスの粘度が高いた
め実質的に自重変形が行われず、またSi02 の結晶相
であるクリストバライトの成長がおこりいわゆる失透が
生じるため好ましくない。また1800℃より高い温度
では、SiO2 の昇華が無視できなくなり好ましくな
い。また、石英ガラス体の自重変形を行わせる方向は、
特に規定されないが多孔質ガラス体の成長方向と同一で
あることが好ましい。
【0020】さらにこうして得られた成形石英ガラス体
を石英ガラスの徐冷点近傍の温度域で徐冷して、光学用
石英ガラス部材を製造する。石英ガラスの徐冷時の冷却
速度は大きさにもよるが、40℃/時間以下であること
が好ましい。40℃/時間を超えると、成形ガラス体外
周部における屈折率の変動幅が大きくなり、結果として
本発明の目的とする屈折率の変動幅が1×10-6以下と
なる領域が成形ガラス体中央部にほぼ限られ、光学用石
英ガラスの製品歩留まりを著しく低下させる。石英ガラ
スの徐冷点はおおむね1100℃であるので、徐冷速度
を40℃/時間以下とする温度域としては、1000℃
以上1200℃以下が適切である。
【0021】以上のような工程を経て得られる石英ガラ
スは、石英ガラス中に含有されるOH基量が100pp
m以下となり、該ガラス中のOH基量の変動幅はほとん
どの領域において±5ppm以内であり均質性に優れる
石英ガラスである。また、本発明により製造される石英
ガラスは、ガラス形成原料として高純度な合成原料が使
用可能なこと、溶融工程を経ないためルツボ等からの不
純物の混入がないこと等から、鉄、ニッケル等の重金属
元素やナトリウム、カリウム等のアルカリ金属元素の不
純物総量が1ppm以下と極めて高純度であり、KrF
レーザーやArFレーザー等の紫外線に対しても蛍光発
光やソーラリゼーション等を生じず、耐紫外線性にも優
れている。
【0022】
【作用】本発明の方法により、ガラス形成原料を火炎加
水分解させて形成される多孔質石英ガラス体を透明ガラ
ス化して得られる合成石英ガラス中のOH基量が低減さ
れる機構は、必ずしも明確ではないが、低露点温度のガ
ス雰囲気で透明ガラス化以前に熱処理することによっ
て、多孔質石英ガラス中のシラノール基が遊離してしま
うものと考えられる。
【0023】ガラス形成原料を火炎加水分解させて形成
される多孔質石英ガラス体を透明ガラス化して得られる
合成石英ガラス体を、その軟化点以上の温度において自
重変形させて製造される合成石英ガラスブロックは、多
孔質石英ガラス体の成長面内においてOH基量の分布幅
が大きく、該合成石英ガラスブロックの多孔質石英ガラ
ス体の成長面内において屈折率の変動をもたらし、高均
質な合成石英ガラス体を得ることが困難であった。しか
し、本発明の方法によれば、合成石英ガラス体中のOH
基量の絶対値を低減させることによって、変動幅を抑
え、OH基の変動に基づく屈折率の揺らぎを抑えること
が可能になったと推察される。しかも本発明の方法は、
OH基量の低減化の方法として従来より公知のハロゲン
化物を使用しないため、公知の方法では石英ガラス中に
残留するハロゲンの影響が全くなく、高均質性が達成さ
れたものと思われる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の詳細についてさらに実施例に
より説明するが、本発明はこれら実施例により限定され
ない。
【0025】実施例1 公知の方法により、SiCl4 を酸水素火炎中で加熱加
水分解させて形成された直径35cm、長さ100cm
の多孔質石英ガラス体を室温で雰囲気制御可能な電気炉
内に設置した。ついで露点温度−70℃の窒素ガスで電
気炉内雰囲気を置換した後、露点温度−70℃の窒素ガ
スを流しながら500℃/時間の昇温速度で1000℃
まで昇温した。引き続き昇温速度を50℃/時間とし、
1250℃まで昇温して、その温度で5時間保持した。
【0026】こうして得られた熱処理済みの多孔質石英
ガラス体を透明ガラス化のための炉内最高温度が145
0℃に制御された電気炉内上部に設置し、炉内を露点温
度が−70℃のヘリウムガスで置換した後、80cm/
時間の速度で下降させながら最高温度域を通過させて透
明ガラス化を行った。こうして得られた透明石英ガラス
を、カーボン製発熱体を有する電気炉内で、軟化点以上
の1750℃に加熱して自重変形を行わせ、250×2
50×120mmのブロック形状に成形した。引き続
き、電気炉内に成形ブロックをセットしたまま電気炉の
温度を1200℃まで降温させ、以後30℃/時間の冷
却速度で徐冷を行い、炉内温度が1000℃になったと
ころで給電を停止し炉内放冷した。
【0027】こうして得られた石英ガラスブロックの1
20mm方向の中心部より、250×250×57mm
の石英ガラスブロックを切り出し、その中心部220m
mφの内部および外部について精密干渉計(ZygoI
V)により屈折率分布を評価した。またOH基量分布
は、250×250×120mm石英ガラスブロックよ
り屈折率分布を評価した部分のすぐ隣の場所より、2m
m厚みのガラス板を切り出し日本分光社製簡易FTIR
装置により3700cm-1の吸収により定量した。Cl
含有量は得られた石英ガラスをアルカリ溶融したのち、
イオンクロマトグラフィー法により定量した。結果を表
1に示す。
【0028】比較例1 1250℃での熱処理を行わない他は、実施例1と同一
の方法で作製した石英ガラスブロックの中心部220m
mφの屈折率変動幅、OH基量及びその分布幅、Cl含
有量を表1に示す。
【0029】比較例2 徐冷工程の冷却速度を80℃/時間とした以外は、実施
例1と同一の方法で作製した石英ガラスブロックの外周
部の屈折率変動幅を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
【発明の効果】本発明の方法によれば、石英ガラス中に
Cl元素などの不純物の残存を生じさせることなくOH
基量を低減させることが可能であり、それに基づく屈折
率の揺らぎを抑止せしめ、石英ガラスの屈折率分布を1
×10-6以下にして均質性を向上することが可能であ
る。これにより高エネルギー密度の光を利用する光学系
に応用できる、実質的に脈理のない光学用石英ガラス部
材が得られる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年7月21日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項なくとも1方向について直径220mm
の円形で囲まれる領域にわたって屈折率の変動幅が1×
10-6以下である請求項1、2又は3記載の光学用石英
ガラス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
の問題点を解消し、高エネルギー密度の光を利用する光
学系に応用可能な、実質的に脈理のない光学用石英ガラ
ス部材の提供にある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は前述の課題を解
決すべくなされたものであり、ガラス形成原料を火炎加
水分解させて形成される多孔質石英ガラス体を加熱し透
明ガラス化して製造される気相反応法石英ガラスにおい
て、該石英ガラス中のCl含有量が10ppm以下、O
H基含有量が100ppm以下であって、かつ重金属お
よびアルカリの含有量の総計が1ppm以下であること
を特徴とする光学用石英ガラスを提供するまた本発明
は、石英ガラス中のCl含有量が10ppm以下、OH
基含有量の面内分布が±5ppm以下であって、かつ重
金属およびアルカリの含有量の総計が1ppm以下であ
ることを特徴とする光学用石英ガラスを提供する。 また
本発明は、少なくとも1方向について直径220mmの
円形で囲まれる領域にわたって屈折率の変動幅が1×1
-6以下である上記の光学用石英ガラスを提供する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0021
【補正方法】変更
【補正内容】
【0021】以上のような工程を経て得られる石英ガラ
スは、石英ガラス中に含有されるOH基量が100pp
m以下となり、該ガラス中のOH基量の変動幅はほとん
どの領域において±5ppm以内であり均質性に優れる
石英ガラスである。また、本発明石英ガラスは、ガラ
ス形成原料として高純度な合成原料が使用可能なこと、
溶融工程を経ないためルツボ等からの不純物の混入がな
いこと等から、鉄、ニッケル等の重金属元素やナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属元素の不純物総量が1p
pm以下と極めて高純度であり、KrFレーザーやAr
Fレーザー等の紫外線に対しても蛍光発光やソーラリゼ
ーション等を生じず、耐紫外線性にも優れている。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】
【作用】本発明において、ガラス形成原料を火炎加水分
解させて形成される多孔質石英ガラス体を透明ガラス化
して得られる合成石英ガラス中のOH基量が低減される
機構は、必ずしも明確ではないが、低露点温度のガス雰
囲気で透明ガラス化以前に熱処理することによって、多
孔質石英ガラス中のシラノール基が遊離してしまうもの
と考えられる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】ガラス形成原料を火炎加水分解させて形成
される多孔質石英ガラス体を透明ガラス化して得られる
合成石英ガラス体を、その軟化点以上の温度において自
重変形させて製造される合成石英ガラスブロックは、多
孔質石英ガラス体の成長面内においてOH基量の分布幅
が大きく、該合成石英ガラスブロックの多孔質石英ガラ
ス体の成長面内において屈折率の変動をもたらし、高均
質な合成石英ガラス体を得ることが困難であった。しか
し、本発明によれば、合成石英ガラス体中のOH基量の
絶対値を低減させることによって、変動幅を抑え、OH
基の変動に基づく屈折率の揺らぎを抑えることが可能に
なったと推察される。しかも本発明は、OH基量の低
減化の方法として従来より公知のハロゲン化物を使用し
ないため、公知の方法では石英ガラス中に残留するハロ
ゲンの影響が全くなく、高均質性が達成されたものと思
われる。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正内容】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、石英ガラス中にCl元
素などの不純物の残存を生じさせることなくOH基量を
低減させることが可能であり、それに基づく屈折率の揺
らぎを抑止せしめ、石英ガラスの屈折率分布を1×10
-6以下にして均質性を向上することが可能である。これ
により高エネルギー密度の光を利用する光学系に応用で
きる、実質的に脈理のない光学用石英ガラス部材が得ら
れる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガラス形成原料を火炎加水分解させて形成
    される多孔質石英ガラス体を加熱し透明ガラス化して製
    造される気相反応法石英ガラスにおいて、該石英ガラス
    中のCl含有量が10ppm以下、OH基含有量が10
    0ppm以下であって、かつ重金属およびアルカリの含
    有量の総計が1ppm以下であることを特徴とする光学
    用石英ガラス。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光学用石英ガラスにおい
    て、少なくとも1方向について直径220mmの円形で
    囲まれる領域にわたって屈折率の変動幅が1×10-6
    下であることを特徴とする光学用石英ガラス。
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