JPH1031371A - 中間転写体及びそれを用いた画像形成装置 - Google Patents

中間転写体及びそれを用いた画像形成装置

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JPH1031371A
JPH1031371A JP18496696A JP18496696A JPH1031371A JP H1031371 A JPH1031371 A JP H1031371A JP 18496696 A JP18496696 A JP 18496696A JP 18496696 A JP18496696 A JP 18496696A JP H1031371 A JPH1031371 A JP H1031371A
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JP
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image
toner
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JP18496696A
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English (en)
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Sanehiro Katsuta
修弘 勝田
Ryuji Katsuno
龍司 勝野
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像形成装置に好適で、転写の繰り返しによ
る磨耗に強く、トナー像の文字や細線等に中抜けを生ず
ることがなく、転写時におけるオフセットの発生やグロ
スの低下がない中間転写体を提供すること。 【解決手段】 画像形成装置に用いる中間転写体であっ
て、その表面が、多孔質状フッ素樹脂に液状フッ素系ポ
リマー及び/又は液状シリコーンが被覆されることによ
り形成されることを特徴とする中間転写体である。前記
中間転写体においては、前記表面において、多孔質状フ
ッ素樹脂が露出している態様が好ましく、前記多孔質状
フッ素樹脂の前記中間転写体における含有率が、10〜
70重量%である態様が好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中間転写体及びそ
れを用いた画像形成装置に関し、カラー複写機やカラー
プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられ、
転写の繰り返しによる磨耗に強く、トナー像の文字や細
線等に中抜けを生ずることがなく、転写時におけるオフ
セットの発生やグロスの低下がなく、転写性に優れた中
間転写体、及び、該中間転写体を用いることにより、ト
ナー像の文字や細線等に中抜けを生ずるのを効果的に抑
制することができ、転写時におけるオフセットの発生や
グロスの低下がなく、転写性に優れた画像形成装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来から、高速かつ高品質の画像を提供
できる画像形成装置として、ディジタル方式の画像形成
装置が知られている。このディジタル方式の画像形成装
置においては、文字や画像データに基づき、画像記録媒
体上の予め決められた場所に対して、2次元情報として
のオン・オフ2値の情報が与えられる。前記ディジタル
方式により中間調画像を記録する場合、網点構造や万線
構造を用いた面積変調法が従来から多用されている。こ
の面積変調法は、アルゴリズムも比較的簡易であり、ま
た低コストで実施できるため、多くのディジタル電子写
真方式のプリンタや複写機に採用されてきている。
【0003】従来から多用されている画像形成装置にお
いては、感光体上に静電潜像を形成し、この静電潜像を
乾式トナーでトナー像として現像した後、このトナー像
を、転写電界を利用して静電的に画像記録媒体に転写
し、定着させている。ところが、この従来の画像形成装
置の場合、中間転写体の表面性によっては、トナー像の
文字や細線等に中抜けを生じたり、トナー飛散や中間調
画像に濃度むらを生じたりし、解像力やドット再現性に
劣るという問題がある。これは、転写媒体の表面に凹凸
があるため、例えば、感光体上に現像されたトナー像を
転写媒体に静電的に転写させるプロセスにおいては、該
転写媒体と該感光体とが十分に密着せず、不均一なギャ
ップを生じ、転写電界が乱れたり、トナー同士のクーロ
ン反発力を招いたりするために、トナー飛散や中間調画
像の質が劣化してしまう、また、感光体と転写媒体とを
接触させた際にトナー像に圧力が集中し、中抜け現象が
生じてしまうこと等に基づく。
【0004】ところで、特公昭46−41679号公報
には、前記感光体上に形成されたトナー像を、中間転写
体に粘着転写し、次いでこの中間転写体から画像記録媒
体に溶融熱転写する方法が開示されている。また、特開
昭51−94939号公報には、中間転写体上に色の異
なるトナー像を静電的に重ねて多色トナー像を形成し、
溶融した後、この多色トナー像を画像記録媒体に転写し
てカラーコピーを得る方法が開示されている。ここで、
これらの方法による転写方式を「転写定着同時方式」と
称することにする。この転写定着同時方式の場合、トナ
ー像を画像記録媒体に非静電的に転写できるので、前記
のような問題は生じにくい。
【0005】そこで、前記問題を解決する手段として、
前記面積変調法によって画像を形成するディジタル方式
の画像形成装置に、前記転写定着同時方式を導入するこ
とが考えられる。しかしながら、該画像形成装置ついて
本発明の発明者らが検討したところ、像担持体としての
感光体から中間転写体にトナー像を静電的に転写する時
点で、文字や細線等に中抜けを生じていることが明らか
になった。
【0006】この中抜けを防止するためには、例えば、
感光体と中間転写体とを速度差を設けて駆動させたり、
感光体から中間転写体に転写するトナー量を低減し、感
光体と中間転写体との接触圧力を低下させたりすること
が考えられる。また、前記中間転写体の表面の摩擦係数
を高くすることも考えられる。しかし、これらの場合、
トナー像の文字や細線等の中抜けを低減できても、その
レベルは十分とは言えない。
【0007】従来においては、前記中間点体として、例
えば、表面粗さ(Rz)が約0.5μm以下である単層
構造の中間転写体を用いているが、この従来の中間転写
体の場合、表面粗さ(Rz)が小さいために、感光体上
のトナー層と中間転写体の表面との接触する面積が小さ
くなり、圧力集中が生じてしまう。このとき、圧力を受
けた部分のトナー層がトナー同士の凝集力などによって
逆転写を起こしてしまう結果、中抜けが生じてしまう。
その際、転写電界が加わると、より多く逆転写を起こし
てしまい、中抜けがさらに助長されてしまう。中間転写
体上におけるトナー像の文字や細線の中抜けを防止する
ためには、中間転写体の表面粗さ(Rz)をある程度大
きくし、中間転写体の表面性を強くし、安定化すること
が重要である。この表面粗さ(Rz)や中間転写体の表
面性は、素材の面から制御することができると考えられ
る。
【0008】かかる事情の下、前記従来の問題を解決す
るための手段について、本発明の発明者らが鋭意検討し
た結果、以下の知見を得た。即ち、感光体から中間転写
体にトナー像を転写する場合において、中抜けの無いト
ナー像を安定に得るためには、該トナー像を形成するト
ナー層に圧力が集中しないようにする必要がある。その
ためには、該中間転写体に特定の素材で形成された表面
層を設けることが有効である。さらに、該表面層に、多
孔質状フッ素樹脂を露出させることが有効である。さら
にまた、前記多孔質状フッ素樹脂の中間転写体における
含有量を制御することが有効である、という知見であ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、本発明の発
明者らによる前記知見に基づくものであり、前記従来に
おける諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課
題とする。本発明は、カラー複写機やカラープリンタ等
の電子写真方式の画像形成装置に好適であって、感光体
から中間転写体にトナー像を少なくとも1回転写した
後、該中間転写体上のトナー像を一括して画像記録媒体
に転写・定着を同時に行う転写定着同時方式の画像形成
装置において用いられ、転写の繰り返しによる磨耗に強
く、トナー像の文字や細線等に中抜けを生ずることのな
く、転写時におけるオフセットの発生やグロスの低下が
なく、転写性の優れた中間転写体を提供することを目的
とする。本発明は、このような中間転写体を用いること
により、トナー像の文字や細線等に中抜けを生ずること
がなく、転写時におけるオフセットの発生やグロスの低
下がなく、転写性に優れた画像形成装置を提供すること
を目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の手段は、以下の通りである。即ち、画像形成装置に用
いる中間転写体であって、その表面が、多孔質状フッ素
樹脂に液状フッ素系ポリマー及び/又は液状シリコーン
が被覆されることにより形成されることを特徴とする中
間転写体である。前記中間転写体においては、前記表面
において、多孔質状フッ素樹脂が露出している態様が好
ましく、前記多孔質状フッ素樹脂の前記中間転写体にお
ける含有率が、10〜70重量%である態様が好まし
い。また、帯電したトナーで現像された感光体上のトナ
ー像を、中間転写体に1次転写し、さらに中間転写体か
ら画像記録媒体に2次転写し、定着することにより画像
を形成する画像形成装置において、該中間転写体が、上
述の中間転写体であることを特徴とする画像形成装置で
ある。
【0011】
【発明の実施の形態】 (中間転写体)本発明の中間転写体は、画像形成装置に
好適に用いられ、その詳細は以下の通りである。前記中
間転写体は、その表面が、多孔質状フッ素樹脂に液状フ
ッ素系ポリマー及び/又は液状シリコーンが被覆される
ことにより形成される。
【0012】前記多孔質状フッ素樹脂としては、多孔質
状に形成されたフッ素樹脂であればよく、1種単独のフ
ッ素樹脂からなるものでもよく、2種以上のフッ素樹脂
を併用してなるものであってもよく、あるいは場合によ
っては、これらとシリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性
ゴムとを複合してなるものであってもよい。前記多孔質
状フッ素樹脂の構造としては、通常、均一又は不均一な
空孔を多数有してなる構造であればよいが、その中で
も、微小な小繊維と、島状又は粒状の結節とから形成さ
れ、その間に微細な空孔が相互に連結した状態になって
いる連続多孔質構造が好ましい。
【0013】前記多孔質状フッ素樹脂の具体例として
は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフル
オロエチレン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオ
ロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン樹脂、フッ化
ビニル樹脂、フッ化アルコキシエチレン樹脂などのフッ
素樹脂を多孔質状にしたものが挙げられる。これらの中
でも、多孔質状ポリテトラフルオロエチレンが好まし
い。前記多孔質状フッ素樹脂は、当初から多孔質状であ
ってもよいし、成形時乃至延伸時に多孔質状にされても
よいし、成形後乃至延伸後に物理的処理又は化学的処理
により多孔質状にされてもよい。
【0014】前記多孔質状フッ素樹脂は、適宜合成乃至
調製したものであってもよいし、市販品であってもよ
い。前記市販品としては、例えば、網目状フッ素樹脂
(ゴアテックス社製:商品名ゴアテックス)などが好適
に挙げられる。前記多孔質状フッ素樹脂には、目的に応
じて適宜選択した添加剤を添加することができる。例え
ば、前記添加剤としては、特に制限はないが、例えば、
カーボンブラック等の導電性充填材が好適に挙げられ
る。
【0015】前記液状フッ素系ポリマーとしては、フッ
素原子を含有する液状のポリマーであり、例えば、フル
オロシリコーンゴム(FVMQ)、ポリテトラフルオロ
エチレン、フッ化ビニリデン系ゴム、フルオロシリコー
ン系ゴム、テトラフルオロエチレン・プロプレン系ゴ
ム、フルオロホスファゼン系ゴム、テトラフルオロエチ
レン−パーフルオロビニルエーテル系(パーフルオロ
系)ゴム等のフッ素系エラストマーの液状物などが好適
に挙げられる。前記液状物には、それ自身が液状である
もの、それ自身は固体であるが、溶剤に溶解したことに
より溶液乃至エマルジョン等の液状物となっているもの
などが含まれる。前記溶剤としては、特に制限はなく、
それ自体公知の溶剤、例えば、トルエン、アセトン、酢
酸エチルなどが挙げられる。
【0016】前記フッ化ビニリデン系ゴムは、フッ化ビ
ニリデンを主モノマーとし、ヘキサフルオロプロピレン
(Vitonタイプ)、あるいはペンタフルオロプロピ
レン(Technoflonタイプ)、あるいはクロロ
トリフルオロプロピレン(Kellogタイプ)との共
重合体の3種類に大別される。前記フルオロシリコーン
系ゴムは、メチルトリフルオロプロピルシロキサンとビ
ニルメチルシロキサンとの共重合により製造され、フッ
素ゴムの持つ特性と、シリコーンゴムの持つ優れた耐寒
性や低圧縮永久歪み特性を併有した耐油性ゴムである。
前記テトラフルオロエチレン・プロプレン系ゴムは、テ
トラフルオロエチレンとプロピレンとを乳化共重合して
得られる。前記フルオロホスファゼン系ゴムは、ジクロ
ロホスフォニトリルの三量体を熱分解した長鎖ゴム(P
NCl2)nと含フッ素アルコラートとを反応させて得ら
れる。前記テトラフルオロエチレン−パーフルオロビニ
ルエーテル系ゴムは、テトラフルオロエチレンとパーフ
ルオロビニルエーテル系ゴムとを6:4の割合で共重合
したもので、これに少量の架橋用モノマーが共重合され
ている。)
【0017】これらの中でも、フッ素系エラストマーの
液状物が好ましく、テトラフルオロエチレン−パーフル
オロビニルエーテル系ゴムが特に好ましい。前記液状フ
ッ素系ポリマーとしては、適宜合成乃至調製したもので
あってもよいし、あるいは市販品であってもよい。前記
市販品としては、例えば、液状フッ素エラストマー(商
品名SIFEL601、信越化学株式会社製)、フッ化
ビニリデン−6−フッ化プロペンゴム、フッ化ビニリデ
ン−塩化−3−フッ化エチレンゴム(ダイキン工業
(株)製:ダイエルG−501,G−601,G−70
1、デュポン社製:バイトン(Viton)A,B,
C,E,LM、3M社製:ケル−F−エラストマー(K
el−F−Elastomer))、1,1,1−トリ
フルオロプロピルメチルシロキサンゴム(ダウコーニン
グ社製:シラスティックLS)などが好適に挙げられ
る。
【0018】前記液状シリコーンとしては、特に制限は
なく、それ自体公知のシリコーンであって液状のもので
あればよく、例えば、一液型室温硬化(RTV)シリコ
ーン、二液型室温硬化(RTV)シリコーン、超耐熱性
縮合型RTVシリコーン等の縮合型液状シリコーン;シ
リコーンゲル等の付加反応型無溶剤シリコーン;EB反
応型シリコーン、UV反応型シリコーン、ポリジメチル
シリコーンゴム(MQ)、メチルビニルシリコーンゴム
(VMQ)、メチルフェニルシリコーンゴム(PMQ)
等のシリコーンゴムの液状シリコーンゴムコンパウンド
やシリコーンワニスなどが挙げられる。これらは、1種
単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよく、あ
るいは、これらとオレフィン系エラストマー、ジエン系
ゴム等とをブレンドしたものを使用してもよい。前記液
状シリコーンとしては、適宜合成乃至調製したものであ
ってもよいし、市販品であってもよい。
【0019】本発明の中間転写体は、その表面がこれら
の素材で形成されているので、離型性が高く、常温でト
ナーに対して粘着性を示し、良好なトナー保持性を示
し、溶融・流動化したトナーに対して良好な離型性を示
す。
【0020】前記中間転写体の表面において、前記多孔
質状フッ素樹脂が露出しているのが好ましい。前記中間
転写体の表面において、多孔質状フッ素樹脂が露出して
いると、中間転写体の表面が適度な表面粗さ、離型性等
を有し、光沢や転写性等の点で有利である。前記多孔質
状フッ素樹脂の中間転写体の表面における露出の割合
(以下「露出率」と称することがある)としては、通常
10〜80%程度である。なお、前記露出率は、例え
ば、電子顕微鏡写真を用いて、一定面積当たりの前記多
孔質状フッ素樹脂の露出している割合を算出すること等
により求めることができる。
【0021】前記多孔質状フッ素樹脂の中間転写体にお
ける含有量としては、10〜70重量%が好ましく、2
0〜60重量%が特に好ましい。表1及び表2に示すよ
うに、前記含有量が、10%未満であると又は70%を
越えると、2次色、3次色等の高次色になる程、中間転
写体上のトナー像の中抜けが生じ易くなる。一方、前記
露出率が前記好ましい範囲内にあると、そのようなこと
がなく、高次色の場合も単色の場合と同様に転写ムラが
なく、中間転写体上のトナー像の中抜けが生じない点で
有利である。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】表1及び表2において、「単色」は、イエ
ロー、マゼンタ又はシアンによる単色のトナー像を意味
し、「2次色」は、イエロー、マゼンタ及びシアンの内
のいずれか2種の組み合わせによるトナー像を意味し、
「3次色」は、イエロー、マゼンタ及びシアンの組み合
わせによるトナー像を意味する。
【0025】前記中間転写体の形状については、特に制
限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、
シート状乃至フィルム状であるのが一般的であるが、さ
らにシート状乃至フィルム状の中間転写体を裁断してな
る帯状であってもよいし、該帯状の中間転写体の両端を
接続してなる無端ベルト状であってもよい。前記中間転
写体の大きさについては、特に制限はなく、画像形成装
置の大きさ、感光体の大きさ等に応じて適宜選択すれば
よい。
【0026】前記中間転写体の構造としては、単層構造
であってもよいし、少なくとも2層(即ち2層以上)か
らなる多層構造であってもよい。前記構造としては、こ
れらの中でも、前記中間転写体の機械的強度を向上させ
ることができ、前記中間転写体の表面性を制御し易い点
で、多層構造が好ましい。前記多層構造の場合、ベース
層と、表面層を含む上層とからなるのが一般的である。
前記中間転写体が、多層構造である場合、その層数とし
ては2〜3層が好ましく、コスト面、製造が容易な点、
表面性を制御し易い点で2層が特に好ましい。また、前
記中間転写体が、多層構造である場合、表面層からベー
ス層にかけて順次、電界が弱く広がった状態になってい
る態様が好ましい。なお、前記中間転写体は、単独の部
材で形成されていてもよいし、2以上の部材で形成され
ていてもよい。
【0027】前記中間転写体が単層構造である場合、該
中間転写体の素材としては、前記多孔質状フッ素樹脂
と、前記液状フッ素系ポリマー及び/又は前記液状シリ
コーンとが少なくとも挙げられるが、これらの外、さら
に後述のエンジニアリングプラスチック、スーパーエン
ジニアリングプラスチックなども挙げられる。前記中間
転写体が多層構造である場合、該中間転写体におけるベ
ース層乃至前記表面層を除く上層の素材としては、耐熱
性があり、機械的強度が大きい素材であれば特に制限は
なく、例えば、それ自体公知のエンジニアリングプラス
チックス、スーパーエンジニアリングプラスチックス等
の樹脂などが挙げられる。具体的には、ポリエステル、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルフォ
ン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリサルフォン、ポリイミド、ポリイミドアミド、
ポリアミドなどが挙げられる。これらの中でも、耐久性
の点で、ポリイミド、ポリイミドアミドが特に好まし
い。前記中間転写体が多層構造である場合、前記多孔質
状フッ素樹脂と、前記液状フッ素系ポリマー及び/又は
前記液状シリコーンとが少なくとも挙げられ、これらの
外、さらに前記エンジニアリングプラスチック、スーパ
ーエンジニアリングプラスチックなども挙げられる。
【0028】前記中間転写体には、導電性を付与する観
点から、それ自体公知の導電性充填材が添加される。前
記導電性充填材としては、特に制限はないが、例えば、
カーボンブラックなどが好適に挙げられる。本発明にお
いては、前記導電性充填材の添加量を適宜変更すること
により、前記中間転写体の表面性を調整することもでき
る。
【0029】前記中間転写体の厚みとしては、該中間転
写体が単層構造の場合、例えば、通常10〜100μm
程度である。前記厚みが10μm未満であると、機械的
強度等の剛性が十分でないことがあり、100μmを越
えると、転写を円滑に行うことが困難になることがあ
る。また、前記中間転写体が多層構造の場合、ベース層
の厚みとしては、例えば、通常10〜100μm程度で
あり、表面層の厚みとしては、例えば、通常30〜20
0μm程度である。前記表面層の厚みが、30μm未満
であると表面層を設けた効果が十分でないことがあり、
200μmを越えると転写を円滑に行うことができない
ことがある。
【0030】前記中間転写体は、例えば、該中間転写体
が単層構造の場合には、押出成形等の公知の成形方法等
により得られた前記多孔質状フッ素樹脂のシート乃至フ
ィルム上に、前記液状フッ素系ポリマー及び/又は前記
液状シリコーンを塗布した後、乾燥して水分乃至溶剤を
揮発させることにより得られる。また、該中間転写体が
多層構造の場合には、押出成形等の公知の成形方法等に
より得られたベース層上に、前記多孔質状フッ素樹脂の
シート乃至フィルムを積層した後、さらに該多孔質状フ
ッ素樹脂のシート乃至フィルム上に、前記液状フッ素系
ポリマー及び/又は前記液状シリコーンを塗布した後、
乾燥して水分乃至溶剤を揮発させることにより得られ
る。なお、前記液状フッ素系ポリマー及び/又は前記液
状シリコーンを塗布する際には、気泡が形成しないよう
にする必要がある。前記気泡が生じると、画像の転写が
不可能になったり、中間転写体上で放電が生じたりする
ことがある点で好ましくない。
【0031】本発明の中間転写体は、剛性等の機械的特
性、耐熱性に優れ、紙等のように環境、特に温湿度に影
響を受けにくい。このため、本発明の中間転写体は、転
写の際の熱や圧力による影響が少なく、転写を繰り返し
ても磨耗することがない。また、本発明の中間転写体
は、その表面性が制御されているので、表面層において
トナー層に対する圧力集中を減らすことができ、トナー
像の文字や細線等に中抜けが生ずるのを効果的に抑制
し、また、転写時におけるオフセットの発生やグロスの
低下を防止することができる。本発明の中間転写体は、
以下に説明する本発明の画像形成装置に好適に用いるこ
とができる。
【0032】(画像形成装置)本発明の画像形成装置と
しては、面積変調法によって画像を形成するディジタル
方式の画像形成装置に転写定着同時方式を導入してな
り、中間転写体を備え、該中間転写体として前記本発明
の中間転写体を用いる限り、特に制限はなく、それ自体
公知の画像形成装置が挙げられる。前記画像形成装置と
しては、目的に応じて適宜組み立てたものであってもよ
いし、市販品であってもよい。
【0033】前記画像形成装置は、1次転写手段と、2
次転写・定着手段とを少なくとも備えてなる。前記1次
転写手段は、帯電したトナーで現像された感光体上のト
ナー像を中間転写体に1次転写する。前記2次転写・定
着手段は、前記1次転写手段により前記中間転写体に転
写されたトナー像を前記中間転写体から紙に2次転写
し、定着する。
【0034】前記画像形成装置の一具体例としては、以
下の通りである。例えば、ドラム状の感光体の周囲に、
静電潜像形成用帯電器、光ビーム走査装置、イエロー、
マゼンタ、シアン及びブラックの公知の現像剤の各色を
収容する4台の現像器を備える現像装置及びクリーナー
が配置されている。また、前記感光体に対し、該感光体
の表面に形成された静電潜像をトナーを用いて現像して
なる各色のトナー像が順次転写される無端ベルト状の中
間転写体が、その内側に転写帯電器を配置した状態で当
接している。また、前記無端ベルト状の中間転写体は、
その内表面が駆動ロール及び加熱ロール、場合によって
は更にテンションロール又はベルトニップフューザーと
当接し、その外表面が対向ロールと当接する。前記加熱
ロールと前記対向ロールとは、前記中間転写体を介して
対向して配置される。前記加熱ロール及び前記対向ロー
ルは、該中間転写体上に転写されたトナー像を、該中間
転写体と前記対向ロールとの間に供給される画像記録媒
体に転写・定着させるための加熱加圧手段を兼ねてい
る。
【0035】前記画像形成装置においては、例えば、ま
ず、前記光ビーム走査装置が、光ビームを感光体に対し
て走査する。この光ビームは、原稿読み取り部などから
供給される濃度信号に応じて、光ビームパルス幅変調装
置によってオンオフ2値の情報に変換されている。その
結果、感光体の露光が行われる。このとき、静電潜像形
成用帯電器を用いて該感光体を帯電させると、該感光体
の表面に静電潜像が形成される。
【0036】この静電潜像は、イエロー、シアン、マゼ
ンタ及びブラックの現像剤の各色を収容する4台の現像
器を備える現像装置と、前記各色の現像剤を帯電させる
現像バイアス帯電器とを用いて現像される。その結果、
中間転写体の表面に所望の色彩のトナー像が形成され
る。このとき、中間転写体には転写帯電器により電圧が
印加され、白地部への余分なトナーが付着するのが抑制
される。なお、余分なトナーは、前記クリーナーにより
清掃・除去される。前記現像剤としては、特に制限はな
く、1成分系のものであってもよいし、2成分系のもの
であってもよい。また、適宜調製したものであってもよ
いし、市販品であってもよい。
【0037】次に、前記駆動ロールと前記対向ロールと
を回転させると、前記無端ベルト状の中間転写体が回転
する。この回転と共に、画像記録媒体としての例えば用
紙が、前記対向ロールと前記中間転写体とに挟持され、
該中間転写体の表面に形成されたトナー像が前記用紙に
転写されると共に、該中間転写体の内側に配置された前
記加熱ロールの熱により、前記用紙に転写されたトナー
像がそのまま熱定着される。その結果、前記用紙上に画
像が形成される。本発明の画像形成装置の場合、前記本
発明の中間転写体を用いるので、トナー像の文字や細線
等に中抜けを生ずることがなく、転写時におけるオフセ
ットの発生やグロスの低下がなく、高い転写率で画像を
形成することができる。
【0038】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。本
発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではな
い。
【0039】(実施例1) −中間転写体− 実施例1の中間転写体は、図1に示すように、ベース層
101上に表面層102を積層してなる構造を有する。
【0040】ベース層101は、導電性材としてのカー
ボンブラックが添加されたポリイミドフィルムであり、
その厚みは75μmである。ベース層101における、
表面抵抗値(ρs)は約1011Ω/□程度、体積抵抗値
(ρv)は約1010Ωcm程度になるように調整され
た。なお、前記表面抵抗値(ρs)及び前記体積抵抗値
(ρv)は、導電性材としてのカーボンブラックの添加
量を変化させることにより調整された。
【0041】表面層102は、網目状フッ素樹脂(ゴア
テックス社製:商品名ゴアテックス)に、液状フッ素エ
ラストマー(信越化学(株)製:商品名SIFEL60
1)を含浸させ、該網目状フッ素樹脂が該液状フッ素エ
ラストマーに被覆されることにより形成される。表面層
102は、その内部構造を顕微鏡で観察してみると、微
小な小繊維と島状又は粒状の結節とからなり、その間に
微細な空孔が相互に連結した状態になっている連続多孔
質構造を有していることが確認された。
【0042】表面層102においては、前記網目状フッ
素樹脂における微細な空孔に、前記液状フッ素エラスト
マーが侵入し、かつ、そこで該網目状フッ素樹脂と連結
するので、極めて頑丈であり、各方向への延伸に対する
機械的強度が高い。表面層102の厚みは50μmであ
る。表面層102における、表面抵抗値(ρs)及び体
積抵抗値(ρv)は、ベース層101よりも大きくなる
ように調整され、表面抵抗値(ρs)が約1014Ω/□
程度、体積抵抗値(ρv)が約10 15Ωcm程度になる
ように調整された。表面層102の表面においては、図
1に示すように、網目状フッ素樹脂の突起部分が60%
露出している。
【0043】−画像形成装置− 実施例1の画像形成装置は、図2に示す通りである。駆
動ロール4a、加熱ロール4b及びテンションロール4
eは、無端ベルト状の中間転写体4における内表面に当
接し、中間転写体4を張設している。感光体1は、駆動
ロール4aと回転ロール4cとの間の位置に、中間転写
体4に当接して配置されている。転写帯電器5は、感光
体1に対向した位置に、中間転写体4に当接して配置さ
れている。対向ロール7は、加熱ロール4bに対向した
位置に、中間転写体4に当接して配置されている。除電
用帯電器8及び除電用帯電器9は、加熱ロール4bとテ
ンションロール4eとの間の位置に、中間転写体4に当
接し、かつ互いに対向して配置されている。なお、実施
例1の画像形成装置においては、加熱ロール4bと対向
ロール7とが、2次転写・定着用の加熱加圧手段として
機能する。
【0044】実施例1の画像形成装置において、駆動ロ
ール4aと対向ロール7とを駆動すると、中間転写体4
が矢印方向に循環する。このとき、感光体1上のトナー
像が中間転写体4上に1次転写される。そして、画像記
録媒体としての用紙11が、対向ロール7と中間転写体
4とにより挟持される。このとき、中間転写体上に1次
転写されたトナー像がさらに用紙11上に、2次転写さ
れる共に、加熱ロール4bの熱により定着される。
【0045】多孔質状フッ素樹脂としての前記網目状フ
ッ素樹脂の、実施例1の中間転写体における含有量と、
該中間転写体上のトナー像の中抜けとの関係を前記表1
に示した。表1より、前記網目状フッ素樹脂の中間転写
体における含有量が10〜70重量%であると、3次色
等の高次色についても中抜けを生ずることがないことが
明らかである。一方、前記含有量が10重量%未満又は
70重量%を越えると、3次色等の高次色に中抜けが生
じ易くなることが明らかである。
【0046】中間転写体上のトナー像を用紙に転写・定
着した際の転写定着温度とオフセット発生との関係につ
いて、第1の比較例の中間転写体(単層構造,ポリイミ
ド,体積抵抗値:1010Ωcm,厚み=75μm)と、
第2の比較例の中間転写体(2層構造,ベース層:厚み
=75μm,グンゼ(株)製,体積抵抗値=1010Ωc
m、表面層:厚み=50μm,液状フッ素エラストマー
のみ,体積抵抗値=1015Ωcm)と、実施例1の中間
転写体とを比較したデータを表3に示した。表3より、
実施例1の中間転写体は、転写・定着温度140〜18
0℃において、トナー層に対して離型性が良好であるこ
とが明らかである。一方、第1の比較例の単層構造の中
間転写体では、前記転写・定着温度において、トナー層
に対する離型性が良好でなく、オフセットが発生し易い
ことが明らかである。
【0047】
【表3】
【0048】次に、実施例1の画像形成装置を用いて、
転写・定着を繰り返し行い、その際の中間転写体にグロ
スの低下について評価した。初期の中間転写体での用紙
上トナーの各色のグロスと2万枚の工程を繰り返したと
きの中間転写体での用紙上トナーのグロスとの関係につ
いて、前記第2の比較例の中間転写体と実施例1の中間
転写体とを比較したデータを表4及び表5に示した。表
4及び表5より、前記第2の比較例の中間転写体に比
べ、実施例1の中間転写体の方が、グロスはあまり低下
しないことが明らかである。つまり、実施例1の中間転
写体は繰り返しの転写による磨耗に強く、表面性がほど
んど変化しなかったのに対し、前記第2の比較例の中間
転写体は、磨耗によりその表面性が大きく変化し易いこ
とが明らかである。
【0049】
【表4】
【0050】
【表5】
【0051】(実施例2) −中間転写体− 実施例2の中間転写体は、図1に示すように、ベース層
101上に表面層102を積層してなる構造を有する。
【0052】ベース層101は、導電性充填材としての
カーボンブラックが添加されたポリイミドフィルムであ
り、その厚みは75μmである。ベース層101におけ
る、表面抵抗値(ρs)は約1012Ω/□程度、体積抵
抗値(ρv)は約1010Ωcm程度になるように調整さ
れた。なお、前記表面抵抗値(ρs)及び前記体積抵抗
値(ρv)は、導電性充填材としてのカーボンブラック
の添加量を変化させることにより調整された。
【0053】表面層102は、網目状フッ素樹脂(ゴア
テックス社製:商品名ゴアテックス)に、液状フッ素エ
ラストマー(信越化学(株)製:商品名SIFEL60
1)を含浸させ、該網目状フッ素樹脂が該液状フッ素エ
ラストマーに被覆されることにより形成される。表面層
102は、その内部構造を顕微鏡で観察してみると、微
小な小繊維と島状又は粒状の結節とからなり、その間に
微細な空孔が相互に連結した状態になっている連続多孔
質構造を有していることが確認された。
【0054】表面層102においては、前記網目状フッ
素樹脂における微細な空孔に、前記液状フッ素エラスト
マーが侵入し、かつ、そこで該網目状フッ素樹脂と連結
するので、極めて頑丈であり、各方向への延伸に対する
機械的強度が高い。表面層102の厚みは100μmで
ある。表面層102における、表面抵抗値(ρs)及び
体積抵抗値(ρv)は、ベース層101よりも大きくな
るように調整され、表面抵抗値(ρs)が約1013.8Ω
/□程度、体積抵抗値(ρv)が約1015Ωcm程度に
なるように調整された。表面層102の表面において
は、図1に示すように、網目状フッ素樹脂の突起部分が
40%露出している。
【0055】−画像形成装置− 実施例2の画像形成装置は、図3に示す通りである。駆
動ロール4a、加熱ロール4b及びテンションロール4
eは、無端ベルト状の中間転写体4における内表面に当
接し、中間転写体4を張設している。感光体1は、駆動
ロール4aとテンションロール4eとの間の位置に、中
間転写体4に当接して配置されている。転写帯電器5
は、感光体1に対向した位置に、中間転写体4に当接し
て配置されている。ベルトニップフューザー4cは、加
熱ロール4bに対向した位置に、中間転写体4に当接し
て配置されている。除電用帯電器8及び除電用帯電器9
は、加熱ロール4bとテンションロール4eとの間の位
置に、中間転写体4に当接し、かつ互いに対向して配置
されている。なお、実施例1の画像形成装置において
は、加熱ロール4bとベルトニップフューザー4cと
が、2次転写・定着用の加熱加圧手段として機能する。
【0056】実施例2の画像形成装置において、駆動ロ
ール4aとベルトニップフューザー4cとを駆動する
と、中間転写体4が矢印方向に循環する。このとき、感
光体1上のトナー像が中間転写体4上に1次転写され
る。そして、画像記録媒体としての用紙11が、ベルト
ニップフューザー4cと中間転写体4とにより挟持され
る。このとき、中間転写体上に1次転写されたトナー像
がさらに用紙11上に、2次転写される共に、加熱ロー
ル4bの熱により定着される。
【0057】多孔質状フッ素樹脂としての前記網目状フ
ッ素樹脂の、実施例2の中間転写体における含有量と、
該中間転写体上のトナー像の中抜けとの関係を前記表2
に示した。表2より、前記網目状フッ素樹脂の中間転写
体における含有量が10〜70重量%であると、3次色
等の高次色についても中抜けを生ずることがないことが
明らかである。一方、前記含有量が10重量%未満又は
70重量%を越えると、3次色等の高次色に中抜けが生
じ易くなることが明らかである。
【0058】中間転写体上のトナー像を用紙に転写・定
着した際の転写定着温度とオフセット発生との関係につ
いて、第3の比較例の中間転写体(単層構造;ポリイミ
ド,体積抵抗値=100Ωcm,厚み=75μm)と、
第4の比較例の中間転写体(2層構造,ベース層:厚み
=75μm,グンゼ(株)製,体積抵抗値=1010Ωc
m、表面層:厚み=100μm,液状フッ素エラストマ
ーのみ,体積抵抗値=1015Ωcm)と、実施例2の中
間転写体とを比較したデータを表6に示した。表6よ
り、実施例2の中間転写体は、転写・定着温度125〜
185℃において、トナー層に対して離型性が良好であ
ることが明らかである。一方、第3の比較例の単層構造
の中間転写体では、前記転写・定着温度において、トナ
ー層に対する離型性が良好でなく、オフセットが発生し
易いことが明らかである。
【0059】
【表6】
【0060】次に、実施例2の画像形成装置を用いて、
転写・定着を繰り返し行い、その際の中間転写体にグロ
スの低下について評価した。初期の中間転写体での用紙
上トナーの各色のグロスと2万枚の工程を繰り返したと
きの中間転写体での用紙上トナーのグロスとの関係につ
いて、実施例2の中間転写体と、前記第4の比較例の中
間転写体と、第5の比較例の中間転写体(2層構造,ベ
ース層:厚み=75μm,グンゼ(株)製,体積抵抗値
=1010Ωcm、表面層:厚み=100μm,シリコー
ンゴムのみ,体積抵抗値=1014Ωcm)とを比較した
データを表7、表8及び表9に示した。表7、表8及び
表9より、前記第4及び第5の比較例の中間転写体に比
べ、実施例2の中間転写体の方が、グロスがあまり低下
しないことが明らかである。つまり、実施例2の中間転
写体は繰り返しの転写による磨耗に強く、表面性がほど
んど変化しなかったのに対し、前記第4及び5の比較例
の中間転写体は、磨耗によりその表面性が大きく変化し
易いことが明らかである。
【0061】
【表7】
【0062】
【表8】
【0063】
【表9】
【0064】感光体から実施例2の中間転写体にトナー
像を静電的に転写した際における該中間転写体の表面層
の厚みと、トナー像上の放電マークの発生との関係を、
図4に示した。図4より、実施例2の中間転写体の表面
層の厚みが200μmを越えると放電マークが発生し易
くなることが明らかである。即ち、前記表面層の厚みが
増すと、感光体と中間転写体の表面との密着力が増大
し、感光体と中間転写体とが離間する時に、その振動で
ベルトニップフューザー部で感光体と中間転写体とに隙
間が生じ、ギャップ転写を起こし、放電マークが発生す
る。
【0065】
【発明の効果】本発明によると、前記従来における諸問
題を解決し、前記本発明の目的を達成することができ
る。本発明によると、カラー複写機やカラープリンタ等
の電子写真方式の画像形成装置に好適であって、感光体
から中間転写体にトナー像を少なくとも1回転写した
後、該中間転写体上のトナー像を一括して画像記録媒体
に転写・定着を同時に行う転写定着同時方式の画像形成
装置において用いられ、転写の繰り返しによる磨耗に強
く、トナー像の文字や細線等に中抜けを生ずることがな
く、転写時にオフセットの発生やグロスの低下がなく、
転写性に優れた中間転写体を提供することができる。本
発明によると、このような中間転写体を用いることによ
り、トナー像の文字や細線等に中抜けを生ずることがな
く、転写時におけるオフセットの発生やグロスの低下が
なく、転写性に優れた画像形成装置を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の中間転写体の断面概略説明図
である。
【図2】図2は、実施例1の画像形成装置の一の実施例
を説明するための概略説明図である。
【図3】図3は、実施例1の画像形成装置の他の実施例
を説明するための概略説明図である。
【図4】図4は、感光体から実施例2の中間転写体にト
ナー像を静電的に転写した際における該中間転写体の表
面層の厚みと、トナー像上の放電マークの発生との関係
を説明するための図である。
【符号の説明】
1 感光体 4 中間転写体 4a 駆動ロール 4b 加熱ロール 4c ベルトニップフューザー 4e テンションロール 5 転写帯電器 7 対向ロール 8 除電帯電器 9 除電帯電器 10 用紙 11 用紙

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 画像形成装置に用いる中間転写体であっ
    て、その表面が、多孔質状フッ素樹脂に液状フッ素系ポ
    リマー及び/又は液状シリコーンが被覆されることによ
    り形成されることを特徴とする中間転写体。
  2. 【請求項2】 前記表面において、多孔質状フッ素樹脂
    が露出している請求項1に記載の中間転写体。
  3. 【請求項3】 前記多孔質状フッ素樹脂の前記中間転写
    体における含有率が、10〜70重量%である請求項1
    又は2に記載の中間転写体。
  4. 【請求項4】 帯電したトナーで現像された感光体上の
    トナー像を、中間転写体に1次転写し、さらに中間転写
    体から画像記録媒体に2次転写し、定着することにより
    画像を形成する画像形成装置において、前記中間転写体
    が、請求項1から3のいずれかに記載の中間転写体であ
    ることを特徴とする画像形成装置。
JP18496696A 1996-07-15 1996-07-15 中間転写体及びそれを用いた画像形成装置 Pending JPH1031371A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11224004A (ja) * 1998-02-09 1999-08-17 Fuji Xerox Co Ltd 中間転写体及び画像形成装置
KR100477677B1 (ko) * 2001-11-02 2005-03-21 삼성전자주식회사 새로운 전자사진용 중간 전사 부재
EP1376245A3 (en) * 2002-06-26 2005-06-01 Fuji Xerox Co., Ltd. Electrophotographic photoreceptor, electrophotographic member, process cartridge and image forming apparatus
JP2006276538A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Kyocera Mita Corp 中間転写ベルトおよび画像形成装置

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