JPH10312749A - 蛍光体パターンの製造法、蛍光体パターン及びプラズマディスプレイパネル用背面板 - Google Patents

蛍光体パターンの製造法、蛍光体パターン及びプラズマディスプレイパネル用背面板

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Publication number
JPH10312749A
JPH10312749A JP10057577A JP5757798A JPH10312749A JP H10312749 A JPH10312749 A JP H10312749A JP 10057577 A JP10057577 A JP 10057577A JP 5757798 A JP5757798 A JP 5757798A JP H10312749 A JPH10312749 A JP H10312749A
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JP
Japan
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phosphor
resin composition
photosensitive resin
composition layer
pattern
Prior art date
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Pending
Application number
JP10057577A
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English (en)
Inventor
Kazuya Sato
和也 佐藤
Hiroyuki Tanaka
裕之 田仲
Takeshi Nojiri
剛 野尻
Naoki Kimura
直紀 木村
Toranosuke Ashizawa
寅之助 芦沢
Seiji Tai
誠司 田井
Ikuo Mukai
郁夫 向
Seikichi Tanno
清吉 丹野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 PDP用基板等の凹凸を有する基板の凹部内
表面全体にわたり、歩留まり良く均一の膜厚で蛍光体パ
ターンを裕度をもって形成できる蛍光体パターンの製造
法、高精度で均一な形状で輝度の優れた蛍光体パターン
及び高精度で均一な形状で輝度の優れた蛍光体パターン
を備えたプラズマディスプレイパネル用背面板を提供す
る。 【解決手段】 (I)凹凸を有する基板上に、(A)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層を形成する工程、
(II)(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層に散
乱光を像的に照射する工程、(III)現像により散乱光
を像的に照射した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層を選択的に除去してパターンを形成する工程及び
(IV)前記パターンから焼成により不要分を除去して蛍
光体パターンを形成する工程を含むことを特徴とする蛍
光体パターンの製造法、この蛍光体パターンの製造法に
より製造された蛍光体パターン並びにプラズマディスプ
レイパネル用基板上に前記蛍光体パターンを備えてなる
プラズマディスプレイパネル用背面板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蛍光体パターンの
製造法、蛍光体パターン及びプラズマディスプレイパネ
ル用背面板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、平板ディスプレイの1つとし
て、プラズマ放電により発光する蛍光体を設けることに
よって多色表示を可能にしたプラズマディスプレイパネ
ル(以下PDPと記す)が知られている。PDPは、ガ
ラスからなる平板状の前面板と背面板とが互いに平行に
かつ対向して配設され、両者はその間に設けられたバリ
アリブにより一定の間隔に保持されており、前面板、背
面板及びバリアリブに囲まれた空間で放電する構造にな
っている。このような空間には、表示のための蛍光体が
塗布され、放電によって封入ガスから発生する紫外線に
よって蛍光体が発光させられ、この光を観察者が視認で
きるようになっている。
【0003】従来、この蛍光体を設ける方法としては、
各色蛍光体を分散させたスラリー液もしくはペーストを
スクリーン印刷等の印刷方法によって塗布する方法が提
案されており、特開平1−115027号公報、特開平
1−124929号公報、特開平1−124930号公
報、特開平2−155142号公報等に開示されてい
る。しかし、上記の蛍光体分散スラリー液は液状である
ため、蛍光体の沈澱等による分散不良が生じやすく、ま
たスラリー液に液状の感光性レジストを用いた場合に
は、暗反応の促進等により保存安定性が乏しくなる等の
欠点を有する。さらにスクリーン印刷等の印刷方法は印
刷精度に劣るため、将来的なPDPの大画面化への対応
は困難である等の問題がある。
【0004】これらの問題点の解決を計るべく、蛍光体
を含有させた感光性エレメント(感光性フィルムともい
う)を用いる方法が提案されている(特開平6−273
925号公報)。感光性エレメントを用いる方法とは、
蛍光体を含有する感光性樹脂層と支持体フィルムよりな
る感光性エレメントの蛍光体を含有する感光性樹脂層
を、加熱圧着(ラミネート)により前記PDP用基板の
空間に埋め込み、次に、ネガフィルムを用いて、写真法
により紫外線等の活性光で像的に露光し、その後、アル
カリ水溶液等の現像液で、未露光部分を除去し、さら
に、焼成により不必要な有機成分を取り除いて、必要な
部分のみに蛍光体パターンを形成するものである。この
ような感光性エレメント使用する方法は、写真法を用い
るため、精度良く蛍光体パターンを形成することができ
る。
【0005】しかし、感光性エレメントを使用して蛍光
体を含有する感光性樹脂層を前記PDP用基板上に形成
した後、フォトマスクを介して、活性光線を像的に露光
し、現像、焼成する従来の方法では、放電空間となるべ
き凹部の内表面のバリアリブ壁面部分の光硬化性が基板
底面の光硬化性よりも低く、現像時にバリアリブ壁面部
分の蛍光体を含有する感光性樹脂層が浸食される傾向が
あるために、バリアリブ壁面及び基板底面に囲まれた凹
部内表面にわたり、均一の膜厚で歩留まり良く蛍光体パ
ターンを形成することが困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】請求項1記載の発明
は、PDP用基板等の凹凸を有する基板の凹部内表面全
体にわたり、歩留まり良く均一の膜厚で蛍光体パターン
を裕度をもって形成できる蛍光体パターンの製造法を提
供するものである。請求項2記載の発明は、請求項1記
載の発明の効果に加えて、さらに歩留まり良く均一の膜
厚で蛍光体パターンを裕度をもって形成できる蛍光体パ
ターンの製造法を提供するものである。請求項3及び4
記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の効果に加え
て、さらに簡便性に優れる蛍光体パターンの製造法を提
供するものである。請求項5記載の発明は、請求項1又
は2記載の発明の効果に加えて、さらにパターン精度、
簡便性及び作業性に優れる蛍光体パターンの製造法を提
供するものである。請求項6記載の発明は、請求項3、
4又は5記載の発明の効果に加えて、さらにプロセス裕
度に優れる蛍光体パターンの製造法を提供するものであ
る。
【0007】請求項7記載の発明は、請求項1、2、
3、4、5又は6記載の発明の効果に加えて、さらに生
産性に優れる蛍光体パターンの製造法を提供するもので
ある。請求項8記載の発明は、請求項1、2、3、4、
5又は6記載の発明の効果に加えて、さらに膜べりの抑
制に優れる蛍光体パターンの製造法を提供するものであ
る。請求項9記載の発明は、請求項1、2、3、4、
5、6、7又は8記載の発明の効果に加えて、より作業
性に優れる蛍光体パターンの製造法を提供するものであ
る。請求項10記載の発明は、高精度で均一な形状で輝
度の優れた蛍光体パターンを提供するものである。請求
項11記載の発明は、高精度で均一な形状で輝度の優れ
た蛍光体パターンを備えたプラズマディスプレイパネル
用背面板を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、(I)凹凸を
有する基板上に、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層を形成する工程、(II)(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層に散乱光を像的に照射する工程、
(III)現像により散乱光を像的に照射した(A)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層を選択的に除去してパ
ターンを形成する工程及び(IV)前記パターンから焼成
により不要分を除去して蛍光体パターンを形成する工程
を含むことを特徴とする蛍光体パターンの製造法に関す
る。また、本発明は、(I)凹凸を有する基板上に、
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を形成する
工程が、支持体及び(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層を有してなる感光性エレメントを、その感光性
樹脂組成物層側を前記基板に向けて積層する工程である
前記蛍光体パターンの製造法に関する。
【0009】また、本発明は、(II)(A)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層に散乱光を像的に照射する工
程が、(IIa)(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物層の上に載置したフォトマスクとそのフォトマスクの
上に載置した光散乱機能を有するシートを介して、活性
光線を照射する工程である前記蛍光体パターンの製造法
に関する。また、本発明は、(II)(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層に散乱光を像的に照射する工程
が、(IIb)(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層の上に載置した光散乱機能を有するシートとその光散
乱機能を有するシートの上に載置したフォトマスクを介
して、活性光線を照射する工程である前記蛍光体パター
ンの製造法に関する。また、本発明は、(II)(A)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層に散乱光を像的に照
射する工程が、(IIc)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の上に載置した光透過部が光散乱機能を有
するフォトマスクを介して、活性光線を照射する工程で
ある前記蛍光体パターンの製造法に関する。また、本発
明は、フォトマスクが、その光透過部の幅が凹凸を有す
る基板の凹部の開口幅より狭いものである前記蛍光体パ
ターンの製造法に関する。
【0010】また、本発明は、(I)〜(III)の各工
程を繰り返して、赤、緑及び青に発色する蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層からなる多色のパターンを形成
した後、(IV)の工程を行ない多色の蛍光体パターンを
形成する前記蛍光体パターンの製造法に関する。また、
本発明は、(I)〜(IV)の各工程を繰り返して、赤、
緑及び青に発色する多色の蛍光体パターンを形成する前
記蛍光体パターンの製造法に関する。また、本発明は、
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層が、(a)
フィルム性付与ポリマ、(b)エチレン性不飽和基を有
する光重合性不飽和化合物、(c)活性光の照射により
遊離ラジカルを生成する光開始剤及び(d)蛍光体を含
むものである前記蛍光体パターンの製造法に関する。ま
た、本発明は、前記蛍光体パターンの製造法により製造
された蛍光体パターンに関する。また、本発明は、プラ
ズマディスプレイパネル用基板上に前記蛍光体パターン
を備えてなるプラズマディスプレイパネル用背面板に関
する。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の蛍光体パターンの製造法
は、(I)凹凸を有する基板上に、(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層を形成する工程、(II)(A)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層に散乱光を像的に
照射する工程、(III)現像により散乱光を像的に照射
した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を選択
的に除去してパターンを形成する工程及び(IV)前記パ
ターンから焼成により不要分を除去して蛍光体パターン
を形成する工程を含むことを特徴とする。
【0012】本発明における凹凸を有する基板として
は、例えば、バリアリブが形成されたプラズマディスプ
レイパネル用基板(PDP用基板)等が挙げられる。P
DP用基板としては、例えば、透明な接着のための表面
処理を施していてもよい、ガラス板、合成樹脂板等の基
板に、電極及びバリアリブが形成されたものなどが挙げ
られる。バリアリブの形成には、特に制限なく、公知の
材料を使用できるが、例えば、シリカ、熱可塑性樹脂、
熱硬化性樹脂等の結着剤、低融点ガラス(酸化鉛等)、
溶剤などを含むリブ材を用いることができる。また、P
DP用基板には、電極及びバリアリブの他に、必要に応
じて、誘電膜、絶縁膜、補助電極、抵抗体等が形成され
ていてもよい。これらのものを、基板へ形成する方法と
しては、特に制限はなく、例えば、基板に、蒸着、スパ
ッタリング、メッキ、塗布、印刷等の方法で電極を形成
することができ、印刷法、サンドブラスト法、埋め込み
法等の方法でバリアリブを形成することができる。
【0013】図1及び図2にバリアリブが形成されたP
DP用基板の一例の模式図を示した。バリアリブは、通
常、高さが20〜500μm、幅が20〜200μmと
される。バリアリブで囲まれた放電空間の形状には、特
に制限はなく、格子状、ストライプ状、ハニカム状、3
角形状、楕円形状等が可能であるが、通常、図1及び図
2等に示すような、格子状又はストライプ状の放電空間
が形成される。図1及び図2において、基板1上にはバ
リアリブ2が形成されており、図1では格子状放電空間
3が、図2ではストライプ状放電空間4が形成されてい
る。放電空間の大きさは、PDPの大きさと解像度によ
って決められ、通常、図1のような格子状放電空間であ
れば、縦及び横の長さは、50μm〜1mmとなり、図2
のようなストライプ状放電空間であれば、間隔は、30
μm〜1mmとなる。
【0014】本発明における(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層としては、蛍光体を必須成分として含
んだネガ型又はポジ型の感光性樹脂組成物からなる層で
あれば特に制限はないが、例えば、(a)フィルム性付
与ポリマ、(b)エチレン性不飽和基を有する光重合性
不飽和化合物、(c)活性光の照射により遊離ラジカル
を生成する光開始剤及び(d)蛍光体を含む層等の蛍光
体を必須成分として含んだネガ型感光性樹脂組成物から
なる層が好ましいものとして挙げられる。
【0015】上記の(a)フィルム性付与ポリマとして
は、ビニル共重合体が好ましく、ビニル共重合体に用い
られるビニル単量体としては、例えば、アクリル酸、メ
タクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アク
リル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、メタクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、メ
タクリル酸n−プロピル、アクリル酸iso−プロピル、
メタクリル酸iso−プロピル、アクリル酸n−ブチル、
メタクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−ブチル、メ
タアクリル酸iso−ブチル、アクリル酸sec−ブチル、メ
タクリル酸sec−ブチル、アクリル酸tert−ブチル、メ
タクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペンチル、メタク
リル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、メタクリル酸ヘ
キシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、
アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチ
ル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノニル、アクリル
酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、
メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テトラデシル、メタ
クリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキサデシル、メタ
クリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オクタデシル、メタ
クリル酸オクタデシル、アクリル酸エイコシル、メタク
リル酸エイコシル、アクリル酸ドコシル、メタクリル酸
ドコシル、アクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シ
クロペンチル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル
酸シクロヘキシル、アクリル酸シクロヘプチル、メタク
リル酸シクロヘプチル、アクリル酸ベンジル、メタクリ
ル酸ベンジル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸フェ
ニル、アクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸メトキ
シエチル、アクリル酸メトキシジエチレングリコール、
メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、アクリル
酸メトキシジプロピレングリコール、メタクリル酸メト
キシジプロピレングリコール、アクリル酸メトキシトリ
エチレングリコール、メタクリル酸メトキシトリエチレ
ングリコール、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタ
クリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ジメチルア
ミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アク
リル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルア
ミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノプロピル、メタ
クリル酸ジメチルアミノプロピル、アクリル酸2−クロ
ロエチル、メタクリル酸2−クロロエチル、アクリル酸
2−フルオロエチル、メタクリル酸2−フルオロエチ
ル、アクリル酸2−シアノエチル、メタクリル酸2−シ
アノエチル、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、塩化ビニル、酢酸ビニル、N−ビニルピロリド
ン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、アクリル
アミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタク
リロニトリル等が挙げられる。これらは単独で又は2種
類以上を組み合わせて使用される。
【0016】また、(a)フィルム性付与ポリマとし
て、ポリビニルアルコール系樹脂(ポリアクリル酸エス
テル又はポリメタクリル酸エステルの加水分解物、ポリ
酢酸ビニルの加水分解物、エチレンと酢酸ビニルとの共
重合体の加水分解物、エチレンとアクリル酸エステルと
の共重合体の加水分解物、塩化ビニルと酢酸ビニルとの
共重合体の加水分解物、スチレンとアクリル酸エステル
又はメタクリル酸エステルとの共重合体の加水分解物、
ビニルトルエンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸
エステルとの共重合体の加水分解物等)、カルボキシア
ルキルセルロースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテ
ル類、カルボキシアルキルでん粉の水溶性塩、ポリビニ
ルピロリドン等を使用することもできる。
【0017】本発明における(a)フィルム性付与ポリ
マの重量平均分子量は、5,000〜300,000と
することが好ましく、20,000〜150,000と
することがより好ましい。この重量平均分子量が、5,
000未満では、感光性エレメントとした場合にフィル
ム形成性及び可とう性が低下する傾向があり、300,
000を超えると、現像性(不要部が現像により、容易
に除去できる性質)が低下する傾向がある。なお、重量
平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて換
算した値である。
【0018】また、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層が、公知の各種現像液により現像可能となるよ
うに、(a)フィルム性付与ポリマのカルボキシル基含
有率(酸価(mgKOH/g)で規定できる)を適宜調整する
ことができる。例えば、炭酸ナトリウム又は炭酸カリウ
ム等のアルカリ水溶液を用いて現像する場合には、酸価
を、90〜260とすることが好ましい。この酸価が、
90未満では、現像が困難となる傾向があり、260を
超えると、耐現像液性(現像により除去されずに残りパ
ターンとなる部分が、現像液によって侵されない性質)
が低下する傾向がある。また、水又はアルカリ水溶液と
一種以上の有機溶剤とからなる水系現像液を用いて現像
する場合には、酸価を、16〜260とすることが好ま
しい。この酸価が、16未満では、現像が困難となる傾
向があり、260を超えると、耐現像液性が低下する傾
向がある。また、水と水に溶解しない一種以上の有機溶
剤とからなる現像液(エマルジョン現像液)を用いて現
像する場合には、カルボキシル基を含有しなくてもよ
い。また、1,1,1−トリクロロエタン等の有機溶剤
現像液を用いる場合には、カルボキシル基を含有しなく
ても良い。
【0019】上記の(b)エチレン性不飽和基を有する
光重合性不飽和化合物としては、従来、光重合性多官能
モノマとして知られているものを全て用いることができ
る。例えば、下記一般式(I)
【化1】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を示し、kは1〜1
0の整数であり、Yは置換基を有していてもよい飽和又
は不飽和の炭化水素基又は複素環残基若しくはポリアル
キレングリコール残基、
【化2】 (式中、R1及びR2は各々独立に水素原子、メチル基、
エチル基、プロピル基又はトリフルオロメチル基を示
し、R3及びR4は各々独立に炭素数1〜6のアルキレン
基を示し、m及びnは各々独立に1〜20の整数を示
す)を示す)で表される末端にエチレン性不飽和基を有
する化合物等が挙げられる。
【0020】一般式(I)中、Yで示される置換基を有
していてもよい飽和又は不飽和の炭化水素残基又は複素
環残基としては、例えば、ハロゲン原子、ヒドロキシル
基、アミノ基、カルボキシル基等の置換基を有していて
もよい炭素数1〜22の直鎖、分岐若しくは脂環状のア
ルカン残基(メタン残基、エタン残基、プロパン残基、
シクロプロパン残基、ブタン残基、イソブタン残基、シ
クロブタン残基、ペンタン残基、イソペンタン残基、ネ
オペンタン残基、シクロペンタン残基、ヘキサン残基、
シクロヘキサン残基、ヘプタン残基、シクロヘプタン残
基、オクタン残基、ノナン残基、デカン残基等)、芳香
族環残基(ベンゼン残基、ナフタレン残基、アントラセ
ン残基、ビフェニル残基、ターフェニル残基等)、複素
環残基(フラン残基、チオフェン残基、ピロール残基、
オキサゾール残基、チアゾール残基、イミダゾール残
基、ピリジン残基、ピリミジン残基、ピラジン残基、ト
リアジン残基、キノリン残基、キノキサリン残基等)な
どが挙げられる。
【0021】具体的には、一個の不飽和結合を有する単
量体としては、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸の
エステル系モノマ(アクリル酸メチル、メタクリル酸メ
チル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリ
ル酸n−プロピル、メタクリル酸n−プロピル、アクリ
ル酸iso−プロピル、メタクリル酸iso−プロピル、アク
リル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、アクリル
酸iso−ブチル、メタクリル酸iso−ブチル、アクリル酸
sec−ブチル、メタクリル酸sec−ブチル、アクリル酸te
rt−ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、アクリル酸ペ
ンチル、メタクリル酸ペンチル、アクリル酸ヘキシル、
メタクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリ
ル酸ヘプチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸オクチル、メタ
クリル酸オクチル、アクリル酸ノニル、メタクリル酸ノ
ニル、アクリル酸デシル、メタクリル酸デシル、アクリ
ル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸テト
ラデシル、メタクリル酸テトラデシル、アクリル酸ヘキ
サデシル、メタクリル酸ヘキサデシル、アクリル酸オク
タデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸エイ
コシル、メタクリル酸エイコシル、アクリル酸ドコシ
ル、メタクリル酸ドコシル、アクリル酸シクロペンチ
ル、メタクリル酸シクロペンチル、アクリル酸シクロヘ
キシル、メタクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸シク
ロヘプチル、メタクリル酸シクロヘプチル、アクリル酸
ベンジル、メタクリル酸ベンジル、アクリル酸フェニ
ル、メタクリル酸フェニル、アクリル酸メトキシエチ
ル、メタクリル酸メトキシエチル、アクリル酸ジメチル
アミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、ア
クリル酸ジメチルアミノプロピル、メタクリル酸ジメチ
ルアミノプロピル、アクリル酸2−クロロエチル、メタ
クリル酸2−クロロエチル、アクリル酸2−フルオロエ
チル、メタクリル酸2−フルオロエチル、アクリル酸2
−シアノエチル、メタクリル酸2−シアノエチル、アク
リル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メ
トキシジエチレングリコール、アクリル酸メトキシジプ
ロピレングリコール、メタクリル酸メトキシジプロピレ
ングリコール、アクリル酸メトキシトリエチレングリコ
ール、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール
等)、スチレン系モノマ(スチレン、α−メチルスチレ
ン、p−t−ブチルスチレン等)、ポリオレフィン系モ
ノマ(ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等)、ビ
ニル系モノマ(塩化ビニル、酢酸ビニル等)、ニトリル
系モノマ(アクリロニトリル、メタクリロニトリル
等)、1−(メタクリロイロキシエトキシカルボニル)
−2−(3′−クロロ−2′−ヒドロキシプロポキシカ
ルボニル)ベンゼンなどが挙げられる。
【0022】二個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチ
レングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコー
ルジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
ート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエ
チレングリコールジメタクリレート、テトラエチレング
リコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジ
メタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ヘキサ
プロピレングリコールジアクリレート、ヘキサプロピレ
ングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコ
ールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタ
クリレート、ブチレングリコールジアクリレート、ブチ
レングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタク
リレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブ
タンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオール
ジメタクリレート、1,5−ペンタンジオールジアクリ
レート、1,5−ペンタンジオールジメタクリレート、
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトー
ルジアクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパンジアクリレート、トリメ
チロールプロパンジメタクリレート、ビスフェノールA
ジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、
2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プ
ロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフ
ェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジ
エトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタ
クリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビ
ス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフ
ェニル)プロパン、ビスフェノールAジグリシジルエー
テルジアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエ
ーテルジメタクリレート、ウレタンジアクリレート化合
物等が挙げられる。
【0023】三個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレー
ト、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペン
タエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリト
ールトリメタクリレート、エチレンオキシド変性トリメ
チロールプロパントリアクリレート、エチレンオキシド
変性トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリ
メチロールプロパントリグリシジルエーテルトリアクリ
レート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテ
ルトリメタクリレート等が挙げられる。四個の不飽和結
合を有する単量体としては、例えば、テトラメチロール
プロパンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパ
ンテトラメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラ
アクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレ
ート等が挙げられる。
【0024】五個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、ジペンタエリスリトールペンタアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート等が
挙げられる。六個の不飽和結合を有する単量体として
は、例えば、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が
挙げられる。これらの不飽和結合を有する単量体は、い
ずれにしても、光照射によりラジカル重合するものであ
ればよく、また、これらの不飽和結合を有する単量体
は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
また、本発明における(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層は、蛍光体パターンの作製時に、焼成により
不要分を除去する必要があるため、前記した(b)エチ
レン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物の中で
も、熱分解性が良好な、ポリエチレングリコールジメタ
クリレートがより好ましい。また、本発明における
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を構成する
感光性樹脂組成物の内、後述する(d)蛍光体及び結着
剤以外の感光性樹脂組成物は、熱分解性が良好なもので
あることが好ましく、この(d)蛍光体及び結着剤以外
の感光性樹脂組成物には、これを構成する元素として、
炭素、水素、酸素及び窒素以外のものを含まないことが
好ましい。
【0025】本発明における(c)活性光の照射により
遊離ラジカルを生成する光開始剤としては、例えば、芳
香族ケトン(ベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル
−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒラーケト
ン)、N,N′−テトラエチル−4,4′−ジアミノベ
ンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベ
ンゾフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェ
ニル−ケトン、2,4−ジエチルチオキサントン、2−
エチルアントラキノン、フェナントレンキノン等)、ベ
ンゾインエーテル(ベンゾインメチルエーテル、ベンゾ
インエチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル
等)、ベンゾイン(メチルベンゾイン、エチルベンゾイ
ン等)、ベンジル誘導体(2−ベンジル−2−ジメチル
アミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−
1、2−メチル−1−(4−(メチルチオ)フェニル)
−2−モルフォリノプロパノン−1、2,2−ジメトキ
シ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、ベンジルジ
メチルケタール等)、2,4,5−トリアリールイミダ
ゾール二量体(2−(o−クロロフェニル)−4,5−
ジフェニルイミダゾール二量体、2−(o−クロロフェ
ニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾ
ール二量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−
フェニルイミダゾール二量体、2−(o−メトキシフェ
ニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−
(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダ
ゾール二量体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−
5−フェニルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメ
トキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二
量体等)、アクリジン誘導体(9−フェニルアクリジ
ン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン
等)などが挙げられる。これらは単独で又は2種類以上
を組み合わせて使用される。
【0026】本発明における(d)蛍光体としては、特
に限定はなく、通常の金属酸化物を主体とするものが使
用できる。赤色発色の蛍光体としては、例えば、Y22
S:Eu、Zn3(PO4)2:Mn、Y23:Eu、YV
4:Eu、(Y,Gd)BO3:Eu、γ−Zn3(PO4)
2:Mn、(ZnCd)S:Ag+In2O等が挙げられ
る。緑色発色の蛍光体としては、例えば、ZnS:C
u、Zn2SiO4:Mn、ZnS:Cu+Zn2Si
4:Mn、Gd22S:Tb、Y3Al512:Ce、
ZnS:Cu,Al、Y22S:Tb、ZnO:Zn、
ZnS:Cu,Al+In23、LaPO4:Ce,T
b、BaO・6Al23:Mn等が挙げられる。青色発
色の蛍光体としては、例えば、ZnS:Ag、ZnS:
Ag,Al、ZnS:Ag,Ga,Al、ZnS:A
g,Cu,Ga,Cl、ZnS:Ag+In23、Ca
259Cl:Eu2+、(Sr,Ca,Ba,Mg)10(P
4)6Cl2:Eu2+、Sr10(PO4)6Cl2:Eu2+
BaMgAl1017:Eu2+、BaMgAl1423:E
2+、BaMgAl1626:Eu2+等が挙げられる。
【0027】本発明における(a)成分の配合量は、
(a)成分及び(b)成分の総量が100重量部とし
て、10〜90重量部とすることが好ましく、20〜8
0重量部とすることがより好ましい。この配合量が、1
0重量部未満では、感光性エレメントとしてロール状で
供給した場合、蛍光体含有感光性樹脂がロール端部から
しみ出す(以下エッジフュージョンと記す)ことによ
り、感光性エレメントのラミネート時にロールからの繰
り出しが困難となり、またしみ出した部分がPDP用基
板の空間に部分的に過剰に埋め込まれ、製造歩留りが著
しく低下する等の問題が生じたり、フィルム形成性が低
下する傾向があり、90重量部を超えると、感度が不充
分となる傾向がある。
【0028】本発明における(b)成分の配合量は、
(a)成分及び(b)成分の総量が100重量部とし
て、10〜90重量部とすることが好ましく、20〜8
0重量部とすることがより好ましい。この配合量が、1
0重量部未満では、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
の感度が不充分となる傾向があり、90重量部を超える
と、光硬化物が脆くなる傾向があり、また、感光性エレ
メントとした場合に、蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物が流動によって端部からしみ出したり、フィルム形成
性が低下する傾向がある。
【0029】本発明における(c)成分の配合量は、
(a)成分及び(b)成分の総量100重量部に対し
て、0.01〜30重量部とすることが好ましく、0.
1〜20重量部とすることがより好ましい。この配合量
が、0.01重量部未満では、蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物の感度が不充分となる傾向があり、30重量
部を超えると、蛍光体を含有する感光性樹脂組成物の露
光表面での活性光の吸収が増大して、内部の光硬化が不
充分となる傾向がある。
【0030】本発明における(d)成分の配合量は、
(a)成分、(b)成分及び(c)成分の総量100重
量部に対して、10〜300重量部とすることが好まし
く、50〜250重量部とすることがより好ましく、7
0〜200重量部とすることが特に好ましい。この配合
量が、10重量部未満では、PDPとして発光させた場
合に発光効率が低下する傾向があり、300重量部を超
えると、感光性エレメントとした場合に、フィルム形成
性が低下したり、可とう性が低下する傾向がある。
【0031】本発明における(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物には、長
期間増粘を起こさず、貯蔵安定性を良好にするために、
カルボキシル基を有する化合物を含有させることができ
る。
【0032】この、カルボキシル基を有する化合物とし
ては、例えば、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂肪族二塩
基酸、芳香族二塩基酸、脂肪族三塩基酸、芳香族三塩基
酸等が有効で、具体的には、例えば、ぎ酸、酢酸、クロ
ロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、プロピオン
酸、カプリン酸、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリデカ
ン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、
ヘプタデカン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキ
ジン酸、パルミトオレイン酸、オレイン酸、エライジン
酸、リノレン酸、リノール酸、しゅう酸、マロン酸、メ
チルマロン酸、エチルマロン酸、マロン酸モノメチル、
マロン酸モノエチル、こはく酸、メチルこはく酸、アジ
ピン酸、メチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、
アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、イタコン酸、
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト
酸、クエン酸、サリチル酸、ピルビン酸、リンゴ酸等が
挙げられる。中でも、増粘を抑制する効果が高い点か
ら、しゅう酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロ
ン酸、クエン酸等が好ましく、しゅう酸、マロン酸、ク
エン酸等がより好ましい。これらは単独で又は2種類以
上組み合わせて使用される。
【0033】カルボキシル基を有する化合物の配合量
は、(a)成分100重量部に対して、0.01〜30
重量部とすることが好ましい。この配合量が、0.01
重量部未満では、保存安定性の効果が低くなる傾向があ
り、30重量部を超えると、感度が不充分となる傾向が
ある。
【0034】本発明における(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物には、蛍
光体の分散を良好とするために、分散剤を添加すること
が好ましい。分散剤としては、無機分散剤(シリカゲル
系、ベントナイト系、カオリナイト系、タルク系、ヘク
トライト系、モンモリロナイト系、サポナイト系、バイ
デライト系等)、有機分散剤(脂肪族アマイド系、脂肪
族エステル系、酸化ポリエチレン系、硫酸エステル系ア
ニオン活性剤、ポリカルボン酸アミン塩系、ポリカルボ
ン酸系、ポリアマイド系、高分子ポリエーテル系、アク
リル共重合物系、特殊シリコン系等)等が挙げられる。
これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用する
ことができる。
【0035】分散剤の使用量としては、特に制限はな
く、(a)成分100重量部に対して、0.01〜10
0重量部とすることが好ましい。この使用量が、0.0
1重量部未満では、添加効果が発現しない傾向があり、
100重量部を超えると、パターン形成精度(蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物からなるパターンを、現像
後、寸法的に正確に、所望の形状で得られる性質)が低
下する傾向がある。
【0036】本発明における(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物には、焼
成後、PDP用基板から蛍光体が剥離しないようにする
ために、結着剤を使用することが好ましい。結着剤とし
ては、例えば、低融点ガラス、金属アルコキシド、シラ
ンカップリング剤等が挙げられる。これらは単独で又は
2種類以上を組み合わせて使用される。結着剤の使用量
としては、特に制限はなく、(d)成分100重量部に
対して、0.01〜100重量部とすることが好まし
く、0.05〜50重量部とすることがより好ましく、
0.1〜30重量部とすることが特に好ましい。この使
用量が、0.01重量部未満では、蛍光体の結着効果が
発現しない傾向があり、100重量部を超えると、発光
効率が低下する傾向がある。
【0037】また、本発明における(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層を構成する感光性樹脂組成物に
は、染料、発色剤、可塑剤、顔料、重合禁止剤、表面改
質剤、安定剤、密着性付与剤、熱硬化剤等を必要に応じ
て添加することができる。
【0038】以下、本発明の蛍光体パターンの製造法の
各工程について詳述する。 〔(I)凹凸を有する基板上に、(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層を形成する工程〕本発明における
凹凸を有する基板上に、(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層を形成する方法としては、特に制限はな
く、例えば、前記(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層を構成する各成分を、溶解又は分散可能な溶剤
に、溶解又は混合させることにより、均一に分散した溶
液とし、凹凸を有する基板上に、直接塗布し、乾燥して
形成する方法、前記支持体及び(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層を有してなる感光性エレメントを、
その感光性樹脂組成物層側を前記基板に向けて積層する
方法等により、凹凸を有する基板上に(A)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層を形成することができる。こ
れらのうち、後者の支持体及び(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層を有する感光性エレメントを用いる
方法が、均一の膜厚で蛍光体パターンを裕度をもって形
成できる点で好ましい。
【0039】(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層を構成する前記各成分を、溶解又は分散可能な溶剤
に、溶解又は混合させることにより、均一に分散した溶
液とし、凹凸を有する基板上に、直接塗布し、乾燥して
形成する方法において、前記各成分を、溶解又は分散可
能な溶剤としては、例えば、トルエン、アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロ
ソルブ、エチルセロソルブ、γ-ブチロラクトン、N-メ
チルピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラメチル
スルホン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジ
エチレングリコールモノブチルエーテル、クロロホル
ム、塩化メチレン、メチルアルコール、エチルアルコー
ル等があげられる。これらは単独で又は2種類以上を組
み合わせて使用される。
【0040】塗布方法としては、公知の方法を用いるこ
とができ、例えば、ドクターブレードコーテイング法、
マイヤーバーコーテイング法、ロールコーテイング法、
スクリーンコーテイング法、スピナーコーテイング法、
インクジェットコーテイング法、スプレーコーテイング
法、ディップコーテイング法、グラビアコーティング
法、カーテンコーティング法等を用いることができる。
また、この塗布工程において、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層を構成する前記各成分を溶解又は分
散可能な溶剤に、溶解又は混合させることにより、均一
に分散した溶液と接触する部分の塗布装置の材質は、非
金属性の材質であることが好ましい。この(A)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層を構成する溶液と接触す
る部分の塗布装置の材質が金属である場合には、(A)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を構成する溶液中
の蛍光体によって、これと接触する塗布装置が研磨さ
れ、この研磨粉が(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層を構成する溶液中に不純物として混入する傾向が
ある。乾燥方法としては、公知の乾燥方法を用いて、乾
燥することができ、乾燥温度は、40〜130℃とする
ことが好ましく、また、乾燥時間は、10〜90分間と
することが好ましい。
【0041】乾燥後の(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層の厚さは、特に制限はないが、10〜200
μmとすることが好ましく、20〜120μmとするこ
とがより好ましく、30〜80μmとすることが特に好
ましい。この厚さが、10μm未満では、後述する焼成
後の蛍光体パターンが薄くなり、発光効率が低下する傾
向があり、200μmを超えると、焼成後の蛍光体パタ
ーンが厚くなり、蛍光面の発光面積が縮小して発光効率
が低下する傾向がある。
【0042】また、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層を有する感光性エレメントを用いて、凹凸を有
する基板に形成する方法において使用する感光性エレメ
ントは、前記(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層を構成する各成分を、溶解又は分散可能な溶剤に、溶
解又は混合させることにより、均一に分散した溶液と
し、支持体フィルム上に、塗布、乾燥することにより得
ることができる。前記各成分を、溶解又は分散可能な溶
剤としては、例えば、トルエン、アセトン、メチルエチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルセロソル
ブ、エチルセロソルブ、γ-ブチロラクトン、N-メチル
ピロリドン、ジメチルホルムアミド、テトラメチルスル
ホン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノブチルエーテル、クロロホルム、塩
化メチレン、メチルアルコール、エチルアルコール等が
あげられる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わ
せて使用される。
【0043】支持体フィルムとしては、化学的及び熱的
に安定であり、また、可とう性の物質で構成された、例
えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト、ポリエチレン、ポリプロピレン等が挙げられ、その
中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンが
好ましく、ポリエチレンテレフタレートがより好まし
い。支持体フィルムは、後に(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層から除去可能でなくてはならないた
め、除去が不可能となるような表面処理が施されたもの
であったり、材質であったりしてはならない。支持体フ
ィルムの厚さは、5〜100μmとすることが好まし
く、10〜80μmとすることががより好ましい。
【0044】塗布方法としては、公知の方法を用いるこ
とができ、例えば、ナイフコート法、ロールコート法、
スプレーコート法、グラビアコート法、バーコート法、
カーテンコート法等が挙げられる。また、この塗布工程
において、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
を構成する前記各成分を溶解又は分散可能な溶剤に、溶
解又は混合させることにより、均一に分散した溶液と接
触する部分の塗布装置の材質は、非金属性の材質である
ことが好ましい。この(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層を構成する溶液と接触する部分の塗布装置の
材質が金属である場合には、(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を構成する溶液中の蛍光体によって、
これと接触する塗布装置が研磨され、この研磨粉が
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を構成する
溶液中に不純物として混入し、後に種々の不都合を起こ
す傾向がある。乾燥温度は、60〜130℃とすること
が好ましく、乾燥時間は、3分〜1時間とすることが好
ましい。
【0045】感光性エレメントの(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層の厚さは、特に制限はないが、1
0〜200μmとすることが好ましく、20〜120μ
mとすることがより好ましく、30〜80μmとするこ
とが特に好ましい。この厚さが、10μm未満では、後
述する焼成後の蛍光体パターンが薄くなり、発光効率が
低下する傾向があり、200μmを超えると、焼成後の
蛍光体パターンが厚くなり、蛍光面の発光面積が縮小し
て発光効率が低下する傾向がある。
【0046】感光性エレメントの(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層は、100℃での粘度が1〜1×
107Pa・secであることが好ましく、2〜1×106Pa・s
ecであることがより好ましく、5〜1×105Pa・secで
あることが特に好ましく、10〜1×104Pa・secであ
ることが極めて好ましい。この100℃での粘度が、1
Pa・sec未満では、室温での粘度が低くなりすぎて感光性
エレメントとした場合に、(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層が流動により端部から滲み出す傾向があ
り、フィルム形成性が低下する傾向がある。また、1×
107Pa・secを超えると、後述する凹凸を有する基板の
凹部内面への(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層の形成性が低下する傾向がある。
【0047】また、本発明における(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物の感度としては、後述する活性光
線を像的に照射する工程において、21段ステップタブ
レット等を用いて、所定の活性光線照射量で活性光線を
像的に照射し、後述する現像により不要部を除去する工
程において現像した場合に、残存した(A)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物のステップタブレット段数が、
1〜21段であることが好ましく、1.5〜18段であ
ることがより好ましく、2〜15段であることが特に好
ましい。
【0048】また、本発明における(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物の解像度としては、解像度評価用
フォトマスク等を用いて、所定の活性光線照射量で活性
光線を像的に照射し、現像した場合に、残存した(A)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物の最小のライン/ス
ペースが、1mm/1mm以下であることが好ましく、90
0μm/900μm以下であることがより好ましく、8
00μm/800μm以下であることが特に好ましい。
また、本発明における(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物の密着性としては、密着性評価用フォトマスク
等を用いて、所定の活性光線照射量で活性光線を像的に
照射し、現像した場合に、残存した(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物の最小のライン/スペースが、4
00μm/400μm以下であることが好ましく、35
0μm/400μm以下であることがより好ましく、3
00μm/400μm以下であることが特に好ましい。
ここで、感度、解像度及び密着性を上記の好ましい範囲
とすることは、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
物の各成分の種類と量、活性光線照射量等を調節するこ
とにより達成することができる。
【0049】感光性エレメントの(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層の上には、さらに剥離可能なカバ
ーフィルムを積層することができる。カバーフィルムと
しては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレン
テレフタレート、ポリカーボネート等が挙げられ、支持
体フィルムと(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層との接着力よりも、カバーフィルムと(A)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層との接着力の方が小さいも
のであることが好ましい。カバーフィルムの厚さは、特
に制限はないが、5〜100μmとすることが好まし
く、10〜90μmとすることがより好ましい。このよ
うにして得られる感光性エレメントは、ロール状に巻い
て保管可能とすることができる。
【0050】前記感光性エレメントを用いて、凹凸を有
する基板上に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層を形成する方法としては、例えば、感光性エレメント
の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を、凹凸
を有する基板の上に積層し、加熱、圧着等で凹部内に
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を埋め込
み、凹部内表面上に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層を形成する方法、埋め込み層を用いて、加熱、
圧着等で凹部内に(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層を埋め込み、凹部内表面上に(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層を形成する方法などが挙げられ
る。
【0051】感光性エレメントの(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層を、凹凸を有する基板の上に積層
し、加熱、圧着等で凹部内面に(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層を埋め込み、形成する方法として
は、例えば、感光性エレメントにカバーフィルムが存在
しているときは、そのカバーフィルムを除去後、凹凸を
有する基板の上に、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層が接するように、加熱圧着する方法等が挙げら
れる。加熱圧着時の加熱温度は、10〜130℃とする
ことが好ましく、20〜120℃とすることがより好ま
しく、30〜110℃とすることが特に好ましい。この
加熱温度が、10℃未満では、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層が、凹凸を有する基板の上に充分に
密着できない傾向があり、130℃を超えると、(A)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層が熱硬化する傾向
がある。
【0052】また、加熱圧着時の圧着圧力は、ゲージ圧
(常圧1atmが0である)で、1×102〜1×107Pa
とすることが好ましく、5×102〜5×106Paとする
ことがより好ましく、1×104〜1×106Paとするこ
とが特に好ましい。この圧着圧力が、1×102Pa未満
では、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層が、
凹凸を有する基板の上に充分に密着できない傾向があ
り、1×107Paを超えると、凹凸を有する基板のバリ
アリブが破壊される傾向がある。上記の圧着圧力は、圧
着装置であるラミネータのシリンダ圧力であるため、線
圧に換算すると、線圧で2.4〜2.4×105N/mとす
ることが好ましく、12〜1.2×105N/mとすること
がより好ましく、2.4×102〜2.4×104N/mと
することが特に好ましい。この圧着圧力が、2.4N/m
未満では、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
のPDP基板の凹部空間への埋め込み性が低下する傾向
があり、2.4×105N/mを超えると、PDP用基板の
バリアリブが破壊される傾向がある。
【0053】ここで、線圧を5×103N/mとする方法と
しては、例えば、シリンダ径が40mmφのラミネータを
用い、厚さが3mm、縦10cm×横10cm(正方形)の基
板を用いて、ラミネータのシリンダ圧力(常圧1atmが
0である)を、2kgf/cm2とすることにより、線圧を5
×103N/mとする方法、シリンダ径が40mmφのラミネ
ータを用い、厚さが3mm、縦20cm×横20cm(正方
形)の基板を用いて、ラミネータのシリンダ圧力(常圧
1atmが0である)を、4kgf/cm2とすることにより、線
圧を5×103N/mとする方法等が挙げられる。
【0054】感光性エレメントを前記のように加熱すれ
ば、バリアリブを形成したPDP用基板を予熱処理する
ことは必要ではないが、(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の凹部内への埋め込み性をさらに向上させ
る点から、前記凹凸を有する基板の予熱処理を行うこと
が好ましい。さらに、同様の目的で、5×104Pa以下
の減圧下で、上記した圧着及び加熱圧着の操作を行うこ
ともできる。また、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層の凹部内への埋め込み性をさらに向上させる点
から、上記圧着ロールの表面が、ゴム、プラスチック等
の柔軟性に富んだ材質のものを使用することもできる。
なお、柔軟性に富んだ材質の層の厚さは、200〜40
0μmとすることが好ましい。
【0055】また、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層の凹部内への埋め込み性をさらに向上させる点
から、加熱ロール等により感光性エレメントを加熱しな
がら、積層することもできる。また、このように積層が
完了した後、30〜150℃の範囲で、1〜120分
間、加熱することもできる。この際、支持体フィルムを
必要に応じて除去することもできる。
【0056】また、以上とは別に、埋め込み層を用い
て、その埋め込み層に熱、圧力等のエネルギーを与えて
これを変形させ、この埋め込み層の変形を利用して、凹
凸を有する基板の凹部内に(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層を埋め込み、(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を凹部内表面上に形成することも可能
で、この方法としては、例えば、凹凸を有する基板の上
に、前記感光性エレメント由来の(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層を配置し、この(A)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層の上に(B)熱可塑性樹脂層
等の埋め込み層を配置した状態で、埋め込み層を加熱圧
着する方法などが挙げられる。
【0057】上記(B)熱可塑性樹脂層を構成する樹脂
としては、加熱圧着時の温度で軟化するものであれば特
に制限はなく、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリ
デン、ポリスチレン、ポリビニルトルエン、ポリアクリ
ル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、エチレンと
酢酸ビニルの共重合体、エチレンとアクリル酸エステル
の共重合体、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体、スチ
レンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルと
の共重合体、ビニルトルエンとアクリル酸エステル又は
メタクリル酸エステルとの共重合体、ポリビニルアルコ
ール系樹脂(ポリアクリル酸エステル又はポリメタクリ
ル酸エステルの加水分解物、ポリ酢酸ビニルの加水分解
物、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体の加水分解物、
エチレンとアクリル酸エステルとの共重合体の加水分解
物、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体の加水分解
物、スチレンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エ
ステルとの共重合体の加水分解物、ビニルトルエンとア
クリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの共重合
体の加水分解物等)、カルボキシアルキルセルロースの
水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボキシア
ルキルでん粉の水溶性塩、ポリビニルピロリドン、不飽
和カルボン酸とこれらと共重合可能な不飽和単量体を共
重合することにより得られるカルボキシル基を有する樹
脂などが挙げられる。
【0058】また、(B)熱可塑性樹脂層は、混色防
止、作業性の向上等の点から、(e)熱可塑性樹脂、
(f)エチレン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合
物及び(g)活性光の照射により遊離ラジカルを生成す
る光開始剤を含有してなる感光性樹脂組成物により構成
することもできる。
【0059】上記(e)熱可塑性樹脂としては、前記し
た(B)熱可塑性樹脂層を構成する樹脂として使用可能
な樹脂及び(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
を構成する感光性樹脂組成物に使用可能な(a)フィル
ム性付与ポリマを使用することができる。上記(f)エ
チレン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物として
は、前記した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層を構成する感光性樹脂組成物に使用可能な(b)エチ
レン性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物を使用す
ることができる。上記(g)活性光の照射により遊離ラ
ジカルを生成する光開始剤としては、前記した(A)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層を構成する感光性樹
脂組成物に使用可能な(c)活性光の照射により遊離ラ
ジカルを生成する光開始剤を使用することができる。
【0060】(e)成分の配合量は、(e)成分及び
(f)成分の総量が100重量部として、10〜90重
量部とすることが好ましく、20〜80重量部とするこ
とがより好ましい。この配合量が、10重量部未満で
は、感光性エレメントとした場合に、感光性樹脂組成物
が流動によって端部からしみ出したり、フィルム形成性
が低下する等の傾向があり、90重量部を超えると、感
度が不充分となる傾向がある。
【0061】(f)成分の配合量は、(e)成分及び
(f)成分の総量が100重量部として、10〜90重
量部とすることが好ましく、20〜80重量部とするこ
とがより好ましい。この配合量が、10重量部未満で
は、感度が不充分となる傾向があり、90重量部を超え
ると、感光性エレメントとした場合に、流動によって端
部からしみ出したり、フィルム形成性が低下する等の傾
向がある。
【0062】(g)成分の配合量は、(e)成分及び
(f)成分の総量100重量部に対して、0.01〜3
0重量部とすることが好ましく、0.1〜20重量部と
することがより好ましい。この配合量が、0.01重量
部未満では、感度が不充分となる傾向があり、30重量
部を超えると、露光表面での活性光の吸収が増大して、
内部の光硬化が不充分となる傾向がある。
【0063】また、(B)熱可塑性樹脂層は、後述する
現像工程において、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層及び(B)熱可塑性樹脂層が、同一の現像液を
使用して現像できるものであることが、工程を少なくで
きる点から好ましい。同一の現像液で現像できるものと
しては、水又はアルカリ水溶液に可溶なものが挙げられ
る。
【0064】水又はアルカリ水溶液に可溶な(B)熱可
塑性樹脂層を構成する樹脂としては、例えば、ポリビニ
ルアルコール系樹脂(ポリアクリル酸エステル又はポリ
メタクリル酸エステルの加水分解物、ポリ酢酸ビニルの
加水分解物、エチレンと酢酸ビニルとの共重合体の加水
分解物、エチレンとアクリル酸エステルとの共重合体の
加水分解物、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体の加
水分解物、スチレンとアクリル酸エステル又はメタクリ
ル酸エステルとの共重合体の加水分解物、ビニルトルエ
ンとアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルとの
共重合体の加水分解物等)、カルボキシアルキルセルロ
ースの水溶性塩、水溶性セルロースエーテル類、カルボ
キシアルキルでん粉の水溶性塩、ポリビニルピロリド
ン、不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能な不飽和単
量体を共重合することにより得られるカルボキシル基を
有する樹脂などが挙げられる。
【0065】不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能な
不飽和単量体を共重合することにより得られるカルボキ
シル基を有する樹脂としては、例えば、不飽和カルボン
酸(アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等)と、前記(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を構成する(a)フィルム性付与ポリ
マに使用可能なビニル単量体とを共重合して得られるビ
ニル共重合体などを使用することが好ましい。不飽和カ
ルボン酸とこれらと共重合可能な不飽和単量体を共重合
することにより得られるカルボキシル基を有する樹脂
は、重量平均分子量が、5,000〜300,000と
することが好ましく、20,000〜150,000と
することがより好ましい。この重量平均分子量が、5,
000未満では、感光性エレメントとした場合にフィル
ム形成性及び可とう性が低下する傾向があり、300,
000を超えると、現像性が低下する傾向がある。
【0066】また、アルカリ水溶液に可溶な(B)熱可
塑性樹脂層は、公知の各種現像液により現像可能となる
ように、不飽和カルボン酸とこれらと共重合可能な不飽
和単量体を共重合することにより得られるカルボキシル
基を有する樹脂のカルボキシル基含有率(酸価(mgKOH/
g)で規定できる)を適宜調整した樹脂から構成でき
る。例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカ
リ水溶液を用いて現像する場合には、酸価を90〜26
0とすることが好ましい。この酸価が、90未満では、
現像が困難となる傾向があり、260を超えると、耐現
像液性が低下する傾向がある。また、水又はアルカリ水
溶液と一種以上の有機溶剤とからなる水系現像液を用い
て現像する場合には、酸価を16〜260とすることが
好ましい。この酸価が、16未満では、現像が困難とな
る傾向があり、260を超えると、耐現像液性が低下す
る傾向がある。また、水と水にほとんど溶解しない一種
以上の有機溶剤とからなる現像液(エマルジョン現像
液)を用いて現像する場合及び1,1,1−トリクロロ
エタン等の有機溶剤現像液を用いる場合には、カルボキ
シル基を含有しない樹脂を使用できる。
【0067】また、(B)熱可塑性樹脂層のフィルム性
を良好なものとするために、上記した(B)熱可塑性樹
脂層を構成する樹脂中に、可塑剤を添加することができ
る。そのような可塑剤としては、ポリプロピレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、ジオクチルフタレー
ト、ジヘプチルフタレート、ジブチルフタレート、トリ
クレジルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフ
ェート、ビフェニルジフェニルフォスフェート等が挙げ
られる。また、一般式(II)
【化3】 (式中、Rは水素原子、メチル基を示し、Y1は水素原
子、置換基を有していてもよい飽和の炭化水素基若しく
はポリアルキレングリコール残基を示し、Y2は、水酸
基、置換基を有していてもよい飽和の炭化水素基若しく
はポリアルキレングリコール残基を示し、pは1〜20
の整数を示す)で表される化合物等も可塑剤として使用
することもできる。
【0068】(B)熱可塑性樹脂層は、これを構成する
樹脂を溶解する溶剤に、溶解又は混合させることによ
り、均一な溶液とし、前記した支持体フィルム上に、ナ
イフコート法、ロールコート法、スプレーコート法、グ
ラビアコート法、バーコート法、カーテンコート法等の
公知の塗布方法を用いて、塗布、乾燥することによりフ
ィルム状に形成することができる。(B)熱可塑性樹脂
層を構成する樹脂を溶解する溶剤としては、例えば、
水、トルエン、アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ、γ−ブチルラクトン、N−メチルピロリドン、ジメ
チルホルムアミド、テトラメチルスルホン、ジエチレン
グリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモ
ノブチルエーテル、クロロホルム、塩化メチレン、メチ
ルアルコール、エチルアルコール等が挙げられる。これ
らは単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
【0069】(B)熱可塑性樹脂層の厚さは、特に制限
はないが、凹凸を有する基板の凹部内への埋め込み性等
の点から、10〜200μmとすることが好ましく、2
0〜100μmとすることがより好ましい。(B)熱可
塑性樹脂層は、100℃での粘度が1〜1×107Pa・se
cであることが好ましく、2〜1×106Pa・secであるこ
とがより好ましく、5〜1×105Pa・secであることが
特に好ましく、10〜1×104Pa・secであることが極
めて好ましい。この100℃での粘度が、1Pa・sec未満
では、室温での粘度が低くなりすぎてフィルムとした場
合に、(B)熱可塑性樹脂層が流動により端部から滲み
出す傾向があり、フィルム形成性が低下する傾向があ
る。また、1×107Pa・secを超えると、後述する凹凸
を有する基板の凹部内表面上への(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層の均一形成性が低下する傾向があ
る。
【0070】また、(B)熱可塑性樹脂層の上には、さ
らに剥離可能なカバーフィルムを積層することができ
る。カバーフィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネー
ト等が挙げられ、支持体フィルムと(B)熱可塑性樹脂
層との接着力よりも、カバーフィルムと(B)熱可塑性
樹脂層との接着力の方が小さいものが好ましい。カバー
フィルムの厚さは、特に制限はないが、5〜100μm
とすることが好ましく、10〜90μmとすることがよ
り好ましい。このようにしてフィルム状に形成された
(B)熱可塑性樹脂層は、ロール状に巻いて保管可能と
することができる。
【0071】凹凸を有する基板の上に、前記感光性エレ
メント由来の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層を配置し、この(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層の上に(B)熱可塑性樹脂層を配置した状態で、
(B)熱可塑性樹脂層を、加熱圧着させる方法として
は、例えば、前記感光性エレメントを凹凸を有する基板
の上に積層し、その上に支持体フィルムが存在している
場合には、支持体フィルムを除去後、(A)蛍光体を感
光性樹脂組成物層の上に、(B)熱可塑性樹脂層(カバ
ーフィルムが存在しているときは、そのカバーフィルム
を除去した後)を配置し、加熱ロール等により加熱圧着
する方法などが挙げられる。
【0072】この加熱圧着時の加熱温度は、10〜13
0℃とすることが好ましく、20〜120℃とすること
がより好ましく、30〜110℃とすることが特に好ま
しい。この加熱温度が、10℃未満では、(A)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層の凹凸を有する基板の凹
部内への埋め込み性が低下する傾向があり、130℃を
超えると、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
が熱硬化する傾向がある。
【0073】また、加熱圧着時の圧着圧力は、ゲージ圧
(常圧1atmが0である)で、1×104〜1×107Pa
とすることが好ましく、2×104〜5×106Paとする
ことがより好ましく、4×104〜1×106Paとするこ
とが特に好ましい。この圧着圧力が、1×104Pa未満
では、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の凹
凸を有する基板の凹部内への埋め込み性が低下する傾向
があり、1×107Paを超えると、凹凸を有する基板の
バリアリブが破壊される傾向がある。上記の加熱圧着時
の圧着圧力は、ラミネータのシリンダ圧力であるため、
線圧に換算すると、線圧で2.4×102〜2.4×1
5N/mとすることが好ましく、4.8×102〜1.2
×105N/mとすることがより好ましく、9.6×102
〜2.4×104N/mとすることが特に好ましい。この圧
着圧力が、2.4×102N/m未満では、(A)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層のPDP基板の凹部空間へ
の埋め込み性が低下する傾向があり、2.4×105N/m
を超えると、PDP用基板のバリアリブが破壊される傾
向がある。
【0074】(B)熱可塑性樹脂層を前記のように加熱
すれば、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を
積層した凹凸を有する基板を予熱処理することは必要で
はないが、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
の凹部内面への埋め込み性をさらに向上させる点から、
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を積層した
凹凸を有する基板を予熱処理することが好ましい。この
時の予熱温度は、30〜130℃とすることが好まし
く、また、予熱時間は、0.1〜20分間とすることが
好ましい。また、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層の凹部内面への埋め込み性をさらに向上させる点
から、上記圧着ロールの表面が、ゴム、プラスチック等
の柔軟性に富んだ材質のものを使用することもできる。
なお、柔軟性に富んだ材質の層の厚さは、200〜40
0μmとすることが好ましい。
【0075】さらに、同様の目的で、5×104Pa以下
の減圧下で、上記した圧着及び加熱圧着の操作を行うこ
ともできる。また、積層が完了した後、30〜150℃
の範囲で、1〜120分間加熱することもできる。この
時、(B)熱可塑性樹脂層の上に支持体フィルムが存在
する場合には、その支持体フィルムを必要に応じて除去
してもよい。また、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層における(b)エチレン性不飽和基を有する光
重合性不飽和化合物又は(c)活性光の照射により遊離
ラジカルを生成する光開始剤が、(B)熱可塑性樹脂層
へマイグレーションを起こしやすい場合には、この現象
を抑制するために、積層が完了した後、PDP用基板を
冷却(通常、−50〜50℃の範囲)することもでき
る。このようにして、(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層を凹凸を有する基板の凹部内面に均一に形成
することができる。
【0076】また、本発明における(I)の工程におい
て、(B)熱可塑性樹脂層等の埋め込み層と(A)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層を有する感光性エレメ
ントを使用する場合は、(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層と(B)熱可塑性樹脂層(これらの(A)
層及び(B)層は、別々に供給される)とを、(A)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層が凹凸を有する基板
面に接するようにして、2層同時に加熱圧着しながら積
層させることもできる。2層同時に加熱圧着させる時の
加熱圧着条件としては、前記(B)熱可塑性樹脂層を加
熱圧着させる時の条件を用いることができる。また、本
発明における(I)工程においては、(B)熱可塑性樹
脂層等の埋め込み層と(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層とが、一体化された感光性エレメントを使用
し、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層が凹凸
を有する基板面に接するようにして、2層同時に加熱圧
着し、積層させることもできる。
【0077】以下、図3を用いて本発明の蛍光体パター
ンの製造法を詳述する。なお、図3は、本発明の蛍光体
パターンの製造法の各工程の一例を示した模式図であ
る。バリアリブ2が形成されたPDP用基板1(凹凸を
有する基板)の上に、(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層5を形成した状態を図3(I)に示した。な
お、本発明における(I)の工程において、埋め込み層
を使用した場合は、図3(I)の(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層5の上に、埋め込み層が存在する
こととなる。
【0078】〔(II)(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層に散乱光を像的に照射する工程〕この(II)
の工程の態様としては、例えば、(IIa)(A)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層の上に載置したフォトマ
スクとそのフォトマスクの上に載置した光散乱機能を有
するシートとを介して、活性光線を照射する工程、(II
b)(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に
載置した光散乱機能を有するシートとその光散乱機能を
有するシートの上に載置したフォトマスクとを介して、
活性光線を照射する工程、(IIc)(A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層の上に載置した光透過部が光散
乱機能を有するフォトマスクを介して、活性光線を照射
する工程等が挙げられる。
【0079】以下、(II)の工程の一態様である(II
a)(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に
載置したフォトマスクとそのフォトマスクの上に載置し
た光散乱機能を有するシートを介して、活性光線を照射
する工程について説明する。この(IIa)の工程は図3
(II)に表れている。ここでフォトマスク6は、その光
透過部の幅が凹凸を有する基板の凹部の開口幅より狭い
ものを用いることができる。なお、本発明における凹部
の開口幅9とバリアリブの幅10を図4に示した。な
お、図5は、凹部内表面を示した模式図であり、図5に
おいて、凹部内表面11は斜線部にして示した。
【0080】上記光透過部の幅としては、凹部の開口幅
9に左右のバリアリブの幅10を足した幅(バリアリブ
の幅10が70μmの場合、凹部の開口幅9より140
μm広い幅)〜凹部の開口幅9より120μm狭い幅で
あることが好ましく、凹部の開口幅9に左右のバリアリ
ブの幅10の50%を足した幅(バリアリブの幅10が
70μmの場合、凹部の開口幅9より70μm広い幅)
〜凹部の開口幅9より90μm狭い幅であることがより
好ましく、凹部の開口幅9より1μm〜60μm狭い幅
であることが特に好ましい。光透過部の幅が、凹部の開
口幅9に左右のバリアリブの幅10を足した幅より広い
場合には、光硬化させたい凹部内表面以外の部分まで光
硬化する傾向があり、後述する現像後に不要部が残る傾
向がある。また、凹部の開口幅9より120μmを超え
た狭い幅では、凹部内表面に形成された(A)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層5の光硬化が不充分となる
傾向があり、後述する現像において、凹部内表面に形成
された(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5の
耐現像液性(現像により除去されずに残りパターンとな
る部分が、現像により侵されない性質)が低下する傾向
があり、凹部内表面に形成された(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層5の必要部分まで除去される傾向
がある。
【0081】ここで、凹部開口幅9の活性光線透過幅と
は、凹部開口幅9が150μmでバリアリブの幅10が
70μmの場合の活性光線透過幅を表している。したが
って、凹部開口幅9の寸法が変動する場合には、この変
動率に従って、上記凹部開口幅9よりも狭い活性光線透
過幅の範囲が決定されることとなる。
【0082】本発明における光散乱機能を有するシート
7は光を屈折及び/又は散乱させることが可能であるも
のであれば、いかなるものも用いることができる。本発
明においてフォトマスク6と光散乱機能を有するシート
7を介して活性光線を像的に照射することにより凹部内
表面に形成された(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層5のみを凹部内表面のバリアリブ壁面部分および
基板底面部分共に高い反応率で光硬化させることができ
る。また、光散乱機能を有するシート7の使用時の位置
はフォトマスク6と活性光源との間であれば、いずれの
位置でも使用することができ、フォトマスク6から0.
3〜30cm程度離した位置で用いてもよいし、また、フ
ォトマスク6に密着させて用いてもよい。
【0083】光散乱機能を有するシート7の具体例とし
ては、フィルム表面に凹凸があるキルティングマイラ
ー、エンボス加工を施したフィルム、マットフィルム、
サンドマットフィルム、曇りガラス、スリガラス、模様
入りガラス、汎用の活性光線を透過するフィルムやガラ
ス類をサンドペーパー等で研磨し、表面を凹凸状とした
もの、汎用の活性光線を透過するフィルムやガラス類を
レーザー等で研磨し、表面を凹凸状としたもの、ガラス
類をフッ化水素等で処理し、表面に凹凸を付けたもの、
その内部に微粒子を含み光が散乱するように施したフィ
ルム等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、ま
た2枚以上を組み合わせて用いてもよい。光散乱機能を
有するシート7は片面のみ光散乱機能付与処理されてい
るもの、両面が光散乱機能付与処理されているもの、表
面と裏面が違う光散乱機能付与処理されているもの、内
部が光散乱機能付与処理されているもの、内部と片面の
みが光散乱機能付与処理されているもの、内部と両面が
光散乱機能付与処理されているもの、内部と表面と裏面
が違う光散乱機能付与処理されているもの等をいずれで
も用いることができる。片面のみ光散乱機能付与処理を
施したもの、表面と裏面が違う光散乱機能付与処理され
ているものについては表裏どちらからでも活性光線を照
射することができる。
【0084】表面が処理されている光散乱機能を有する
シート7の表面の粗さは、その表面粗さRa(中心線平
均粗さ)が0.1〜10μmが好ましく、0.15〜1
0μmがより好ましく、0.2〜10μmが特に好まし
い。表面粗さRaが0.1μm未満の場合には光散乱が
充分に起こらないために、バリアリブ側面部分の蛍光体
を含有する感光性樹脂層が浸食される傾向があり、10
μmを超えると光透過性が不充分となる傾向がある。な
お、表面が処理されている光散乱機能を有するシート7
の表面粗さRaは、表面粗さ測定器や、非接触型形状測
定器等を用いてJIS B0601(表面粗さの定義と
表示)の方法でカットオフ値(λc)=0.8mm、測定
長さ=2.5mm、測定速度=0.1mm/秒で測定するこ
とができる。具体的な測定方法としては、表面粗さRa
=0.05μm以下の平面を有するガラス板上に、表面
が処理されている光散乱機能を有するシート7の非測定
面を密着させて、表面が処理されている光散乱機能を有
するシート7の処理面の中心部分とその測定長方向の上
下にそれぞれ5mm、10mm離れた点から少なくとも5点
を測定し、それら5点の値の平均値をRaとする方法が
挙げられる。
【0085】光散乱機能を有するシート7の光透過量は
230nm〜450nmの波長範囲で光散乱機能を有するシ
ートを用いない場合と比較して1〜100%透過するも
のが好ましく、3〜100%透過するものが好よりまし
く、10〜100%透過するものがより好ましく、30
〜100%透過するものがさらに好ましく、50〜10
0%透過するものが最も好ましい。光散乱機能を有する
シート7の光透過量が1%より少ない場合には露光時間
が相対的に長時間となり、作業効率が低下する傾向があ
る。光散乱機能を有するシート7の厚みは光透過量は2
30nm〜450nmの波長範囲で光散乱機能を有するシー
トを用いない場合と比較して1〜100%透過するもの
であればどのような厚みのものでも用いることができる
が、通常、その厚みは5μm〜1cmである。
【0086】この(IIa)の工程で使用されるフォトマ
スクとしては、特に制限なく公知のものが使用でき、例
えば、ネガフィルム、ネガガラス、ポジフィルム、ポジ
ガラス等が挙げられる。このようなフォトマスクは(II
b)の工程でも使用される。なお、(IIc)の工程で使
用される光透過部が光散乱機能を有するフォトマスク
は、光透過部が光散乱機能を有しないフォトマスクの開
口部をレーザーやフッ化水素等で加工する方法、光透過
部が光散乱機能を有しないフォトマスクの光遮蔽部が作
成されていない面をサンドペーパー等で研磨してその面
に凹凸を作成する方法、光散乱機能を有するシートに公
知の方法で光遮蔽部を作成してフォトマスクを作成する
方法等により作成できる。
【0087】本発明における開口部が光散乱するフォト
マスクは、凹部の開口幅よりも広い活性光線透過幅から
狭い活性光線透過幅を有するものを用いることができ
る。この時、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層5の上に、埋め込み層が存在する場合には、埋め込み
層を剥離又は現像により除去した後に活性光線8を像的
に照射することもでき、また、埋め込み層が活性光線8
を透過する材質のものであれば、埋め込み層が存在する
状態で、埋め込み層の上に、フォトマスク6と光散乱機
能を有するシート7を介して、活性光線8を像的に照射
することもできる。
【0088】本発明における活性光線8としては、公知
の活性光源が使用でき、例えば、カーボンアーク、水銀
蒸気アーク、キセノンアーク、その他から発生する光等
が挙げられる。
【0089】また、本発明における活性光線8の照射量
は、特に制限はないが、5〜20,000mJ/cm2とする
ことが好ましく、7〜10,000mJ/cm2とすることが
より好ましく、10〜5,000mJ/cm2とすることが特
に好ましい。この活性光線9の照射量が、5mJ/cm2未満
では、凹部内表面に形成された(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層5の光硬化が不充分となる傾向があ
り、後述する現像において、凹部内表面に形成された
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5の耐現像
液性(現像により除去されずに残りパターンとなる部分
が、現像により侵されない性質)が低下する傾向があ
る。また活性光線8の照射量が、20,000mJ/cm2を
超えると、光硬化させたい凹部内表面以外の部分まで光
硬化する傾向があり、後述する現像後に不要部が残る傾
向がある。また、(II)の行程を行う際に(A)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層の上に、微粒子等を散布
して、より光り散乱効果を高めた状態で散乱光を像的に
照射することもできる。
【0090】〔(III)現像により散乱光を像的に照射
した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を選択
的に除去してパターンを形成する工程〕現像により不要
部を除去した状態を図3(III)に示した。なお、図3
(III)において、5′は光硬化後の(A)蛍光体を含
有する感光性樹脂組成物層である。図3(III)におい
て、現像方法としては、例えば、図3(II)の状態の
後、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に
支持体フィルムが存在する場合には、これを除去した後
((A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5の上
に、埋め込み層が存在し、その埋め込み層に支持体フィ
ルムが存在する場合には、これを除去した後)、アルカ
リ水溶液、水系現像液、有機溶剤等の公知の現像液を用
いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピ
ング等の公知方法により現像を行い、不要部を除去する
方法などが挙げられる。
【0091】(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層5の上に、埋め込み層が存在する場合において、不要
部を除去する場合には、まず、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層5を溶解しない水、アルカリ水溶
液、半溶剤水溶液、半溶剤アルカリ水溶液、有機溶剤等
を用いて、埋め込み層を溶解により除去した後に、現像
液を用いて、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層5の不要部を除去してもよく、また、(A)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層5及び埋め込み層が、同一
の現像液を使用して現像できるものである場合には、そ
の現像液を用いて、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層5の不要部及び埋め込み層の不要部を一工程で
除去することもできる。また、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層5の不要部及び埋め込み層の不要部
を除去する方法として、ドライ現像にて、それぞれ単独
に又は一工程で行うこともできる。
【0092】なお、本発明における(III)の工程にお
いては、前記(II)の工程により、形成された凹部内表
面以外の、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
((A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5の上
に、埋め込み層が存在する場合は、その埋め込み層又は
埋め込み層が感光性を有するものである場合は、凹部内
表面以外の埋め込み層)は、不要部であり、これを現像
により除去する必要がある。なお、この時の現像時間及
び現像温度は、不要部を除去できるように適宜調節する
ことができる。
【0093】現像時間は、(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層5の最小現像時間((A)蛍光体を含有
する感光性樹脂組成物層をPDP用基板の凹部内に埋め
込んだ後、(A)層が現像によって除去される最短の時
間)の1〜10倍の時間とすることが好ましく、現像温
度は、10〜60℃とすることが好ましい。現像時間
が、最小現像時間未満では、現像残りが発生する傾向が
あり、最小現像時間の10倍の時間を超えると、(A)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5の必要部まで除
去される傾向がある。また、現像温度が、10℃未満で
は、現像性が低下する傾向があり、60℃を超えると、
耐現像液性が低下する傾向がある。
【0094】アルカリ水溶液の塩基としては、水酸化ア
ルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウムの水酸化物
等)、炭酸アルカリ(リチウム、ナトリウム又はカリウ
ムの炭酸塩若しくは重炭酸塩等)、アルカリ金属リン酸
塩(リン酸カリウム、リン酸ナトリウム等)、アルカリ
金属ピロリン酸塩(ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸
カリウム等)、水酸化テトラメチルアンモニウム、トリ
エタノールアミンなどが挙げられ、中でも、炭酸ナトリ
ウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等が好ましいも
のとして挙げられる。現像に用いるアルカリ水溶液のpH
は、9〜11とすることが好ましく、また、その温度
は、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5及び
埋め込み層が存在する場合には、その埋め込み層の現像
性に合わせて調整することができる。また、アルカリ水
溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるた
めの少量の有機溶剤等を混入させることができる。
【0095】水系現像液としては、水又はアルカリ水溶
液と一種以上の有機溶剤とからなるものが挙げられる。
ここで、アルカリ水溶液の塩基としては、前記物質以外
に、例えば、ホウ砂、メタケイ酸ナトリウム、エタノー
ルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1、3−プロパン
ジオール、1,3−ジアミノプロパノール−2−モルホ
リン、水酸化テトラメチルアンモニウム等が挙げられ
る。水系現像液のpHは、8〜12とすることが好まし
く、9〜10とすることがより好ましい。
【0096】有機溶剤としては、例えば、アセトン、酢
酸エチル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキ
シエタノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ール、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げ
られる。これらは単独で又は2種類以上を組み合わせて
使用される。水と一種以上の有機溶剤とからなる水系現
像液(有機溶剤が水に溶解しない場合はエマルジョン溶
液)で、有機溶剤としては、例えば、アセトン、酢酸エ
チル、炭素数1〜4のアルコキシ基をもつアルコキシエ
タノール、エチルアルコール、イソプロピルアルコー
ル、ブチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテ
ル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエ
チレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレング
リコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール
モノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチ
ルアセテート、1,1,1−トリクロロエタン、N−メ
チルピロリドン、N、N−ジメチルホルムアミド、シク
ロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、γ−ブチロラ
クトン等が挙げられる。これらは単独で又は2種類以上
を組み合わせて使用される。有機溶剤の濃度は、通常、
2〜90重量%の範囲とされ、また、その温度は、現像
性にあわせて調整することができる。
【0097】また、水系現像液中には、界面活性剤、消
泡剤等を少量混入することができる。単独で用いる有機
溶剤現像液としては、例えば、1,1,1−トリクロロ
エタン、N−メチルピロリドン、N、N−ジメチルホル
ムアミド、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケト
ン、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。これらの有機
溶剤は、引火防止のため、1〜20重量%の範囲で水を
添加してもよい。また、水、アルカリ水溶液、水系現像
液(水と一種以上の有機溶剤又はアルカリ水溶液と一種
以上の有機溶剤とからなるもの)、有機溶剤等の公知の
現像液中には、現像時の蛍光体劣化防止の点で、アルカ
リ金属イオン以外の金属イオン又はハロゲンイオンを含
まないことが好ましい。
【0098】また、現像後、蛍光体の劣化を防止する目
的で、光硬化後の(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
成物層5′に残存したアルカリ水溶液の塩基を、有機
酸、無機酸又はこれらの酸水溶液を用いて、スプレー、
揺動浸漬、ブラッシング、スクラッピング等の公知方法
により酸処理(中和処理)することができる。酸として
は、例えば、飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸、脂肪族二塩基
酸、芳香族二塩基酸、脂肪族三塩基酸、芳香族三塩基酸
等の有機酸等が挙げられる。具体的な有機酸としては、
例えば、ぎ酸、酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリ
クロロ酢酸、プロピオン酸、カプリン酸、ウンデカン
酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタ
デカン酸、パルミチン酸、ヘプタデカン酸、ステアリン
酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、パルミトオレイン
酸、オレイン酸、エライジン酸、リノレン酸、リノール
酸、しゅう酸、マロン酸、メチルマロン酸、エチルマロ
ン酸、マロン酸モノメチル、マロン酸モノエチル、こは
く酸、メチルこはく酸、アジピン酸、メチルアジピン
酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン
酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、トリメリト酸、クエン酸、サリチル
酸、ピルビン酸、リンゴ酸等が挙げられる。これらのう
ち、中和の効果が高い点から、ぎ酸、しゅう酸、マロン
酸、クエン酸等が好ましいものとして挙げられる。
【0099】酸処理に用いる酸水溶液のpHは、2〜6と
することが好ましく、酸水溶液のpH及び温度は、光硬化
後の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5′及びPD
P用基板(凹凸を有する基板)の耐酸性(酸に対して劣
化しない耐久性)に合わせて調整することができる。さ
らに、酸処理(中和処理)の後、水洗する工程を行うこ
ともできる。
【0100】このようにして、凹部内表面以外に形成さ
れた(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層(不要
部)((A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層5の
上に、埋め込み層が存在する場合は、その埋め込み層又
は埋め込み層が感光性を有するものである場合は、凹部
内表面以外の埋め込み層)が、現像により除去され、凹
部内面には、光硬化後の(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層5′((A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層5の上に、感光性を有する埋め込み層が存在す
る場合は、光硬化後の埋め込み層も含む)が形成され
る。
【0101】なお、前記した(II)の工程において、凹
部の開口幅よりも広い開口幅を有するフォトマスク6を
使用した場合、凹部内表面以外に形成された(A)蛍光
体を含有する感光性樹脂組成物層5の照射部((A)蛍
光体を含有する感光性樹脂組成物層5の上に、感光性を
有する埋め込み層が存在する場合は、その照射部も含
む)は、本工程((III)工程)を行なうことにより、図
6に示す状態となる傾向がある。この場合、凹部内表面
以外に残存した光硬化後の(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層5′(不要部)((A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層5の上に、感光性を有する埋め込
み層が存在する場合は、光硬化後の埋め込み層も含む)
を研磨等により完全に除去することもできる。なお、図
6は本発明の(II)工程において、凹部の開口幅よりも
広い開口幅を有するフォトマスク6を使用した場合で、
(III)工程を行なった後の状態を示した模式図であ
り、図6において、12は不要部(研磨等により完全に
除去する所)である。また、前記研磨の代わりに、前記
不要部に粘着テープを接着した後、これを剥がし、不要
部のみを物理的に除去することもできる。
【0102】また、このような場合を想定して、後述す
る赤、緑及び青に発色する蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層からなる多色のパターンを形成後、後述する焼
成工程前に、凸部の上部(バリアリブの上)に酸化鉄、
酸化クロム、酸化銅などの黒色無機顔料及び低融点ガラ
スフリット等を含む黒色無機材料ペーストを塗布又は印
刷あるいは、黒色無機材料含有感光性エレメントを用い
てブラックストライプを形成した後に、後述する焼成を
行うことができる。
【0103】また、現像後、PDP用基板の凹部内表面
の表面における蛍光体含有フォトレジストの密着性及び
耐薬品性等を向上させる目的で、高圧水銀ランプ等によ
る紫外線照射や乾燥機等による加熱を行うこともでき
る。この時の、紫外線の照射量は、通常、0.2〜10
J/cm2であり、照射の際に、加熱を伴うこともできる。
また、加熱時の温度は、60〜180℃とすることが好
ましく、100〜180℃とすることがより好ましい。
また、加熱時間は、15〜90分間とすることが好まし
い。これらの紫外線の照射と加熱は、照射と加熱を別々
に行ってもよく、どちらを先に行ってもよい。
【0104】〔(IV)前記パターンから焼成により不要
分を除去して蛍光体パターンを形成する工程〕焼成によ
り不要分を除去した後の蛍光体パターンを形成した状態
を図3(IV)に示した。なお、図3(IV)において、1
3は蛍光体パターンである。図3(IV)において、焼成
方法としては、特に制限はなく、公知の焼成方法を使用
し、蛍光体及び結着剤以外の不要分を除去し、蛍光体パ
ターンを形成することができる。この時の、焼成温度
は、350〜800℃とすることが好ましく、400〜
600℃とすることがより好ましい。また、焼成時間
は、3〜120分間とすることが好ましく、5〜90分
間とすることがより好ましい。この時の、昇温速度は、
0.5〜50℃/分とすることが好ましく、1〜45℃
/分とすることがより好ましい。また、最高焼成温度に
到達する前の350〜450℃の間に、その温度を保持
するステップを設けることができ、その保持時間は5〜
100分間とすることが好ましい。
【0105】本発明の蛍光体パターンの製造法は、工程
数を低減できる等の点から、前記本発明における(I)
〜(III)の各工程を1色毎に繰り返して、赤色、緑色
及び青色に発色する蛍光体を含有する感光性樹脂組成物
層からなる多色パターンを形成した後、(IV)の工程を
行ない多色の蛍光体パターンを形成することが好まし
い。本発明において、赤色、青色及び緑色に発色するそ
れぞれの蛍光体を単独で含む(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層5は、赤色、青色及び緑色の各色につ
いて、どの様な順番でも行うことができる。
【0106】本発明における(I)〜(III)の各工程
を1色毎に繰り返して、赤色、緑色及び青色に発色する
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を含む多色パター
ンを形成した状態を図7に示した。図7において、5′
aは1色目のパターン、5′bは2色目のパターン及び
5′cは3色目のパターンである。また、本発明におけ
る(IV)の工程を行ない多色の蛍光体パターンを形成し
た状態を図8に示した。図8において、13aは1色目
の蛍光体パターン、13bは2色目の蛍光体パターン及
び13cは3色目の蛍光体パターンである。
【0107】また、本発明の蛍光体パターンの製造法
は、凹部内表面に形成された(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層5の膜べりの抑制等の点から、前記本
発明における(I)〜(IV)の各工程を1色毎に繰り返
して、赤色、緑色及び青色に発色する多色の蛍光体パタ
ーンを形成することが好ましい。
【0108】本発明の蛍光体パターンは、バリアリブの
高さをL(μm)としたとき、0.9×Lの位置のバリ
アリブ壁面に形成された蛍光体パターンの層厚x(μ
m)と0.4×Lの位置のバリアリブ壁面に形成された
蛍光体パターンの層厚y(μm)の層厚比x/yが、x
/y=0.1〜1.5の範囲を満足するものであること
が輝度、光利用率等の点から好ましく、x/y=0.1
5〜1.3の範囲であることがより好ましく、x/y=
0.2〜1.2の範囲であることが特に好ましい。x/
yが、0.1未満では、PDPとして発光させた場合
に、広視野角からの視認における見かけの輝度が低下す
る傾向があり、1.5を超えると、蛍光体が発光した可
視光の利用率が低下して、輝度が低下する傾向がある。
また、PDPとして発光させた場合に、蛍光体が発光し
た可視光の利用率を、向上できる点から、x/yが、x
/y=0.1〜0.5の範囲であることが好ましく、x
/y=0.15〜0.45の範囲であることがより好ま
しく、x/y=0.2〜0.4の範囲であることが特に
好ましい。また、PDPとして発光させた場合に、広視
野角からの視認における見かけの輝度の低下を抑制でき
る点から、x/yが、x/y=0.5〜1.5の範囲で
あることが好ましく、x/y=0.55〜1.3の範囲
であることがより好ましく、x/y=0.6〜1.2の
範囲であることが特に好ましい。
【0109】本発明のプラズマディスプレイパネル用背
面板は、上述のようにして得られた蛍光パターンを、プ
ラズマディスプレイパネル用基板上に備えてなるもので
ある。以下に、プラズマディスプレイパネル用背面板に
ついて、図10を用いて説明する。なお、図10は、プ
ラズマディスプレイパネル(PDP)の一例を示した模
式図であり、図10において1は基板、2はバリアリ
ブ、4はストライプ状放電空間、13は蛍光体パター
ン、15はアドレス用電極、16は保護膜、17は誘電
体層、18は表示用電極及び19は前面板用基板であ
る。図10において、基板1、バリアリブ2、蛍光体パ
ターン13及びアドレス用電極15を含む下部がPDP
用背面板であり、保護膜16、誘電体層17、表示用電
極18及び前面板用基板19を含む上部がPDP用前面
板である。PDPは、電圧の印加方式から、AC(交
流)型PDP、DC(直流)型PDP等に分類でき、一
例として示した図10の模式図は、AC型PDPであ
る。なお、本発明の蛍光体パターンの製造法は、フィー
ルドエミッションディスプレイ(FED)、エレクトロ
ルミネッセンスディスプレイ(ELD)等の自発光型デ
ィスプレイにも適用することができる。
【0110】
【実施例】以下、実施例により本発明を説明する。 製造例1 〔フィルム性付与ポリマの溶液(a−1)の作製〕撹拌
機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えた
フラスコに、表1に示す溶剤の混合液を仕込み、窒素
ガス雰囲気下で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2
℃に保ちながら、表1に示す材料を均一に混合した溶液
を4時間かけて均一に滴下し、その後、80℃±2℃
で6時間撹拌を続け、重量平均分子量が80,000、
酸価が130mgKOH/gのフィルム性付与ポリマの溶液
(固形分45.5重量%)(a−1)を得た。
【0111】
【表1】
【0112】製造例2 〔(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を含む感
光性エレメント(A−1)の作製〕表2に示す材料を、
ライカイ機を用いて15分間混合し、蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物溶液を調製した。
【0113】
【表2】
【0114】得られた溶液を、20μmの厚さのポリエ
チレンテレフタレートフィルム上に均一に塗布し、80
〜110℃の熱風対流式乾燥機で10分間乾燥して溶剤
を除去し、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
を形成した。得られた(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層の乾燥後の厚さは、60μmであった。次い
で、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上
に、厚さが25μmのポリエチレンフィルムをカバーフ
ィルムとして張り合わせて、(A)蛍光体を含有する感
光性樹脂組成物層を含む感光性エレメント(A−1)を
作製した。
【0115】製造例3 〔(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を含む感
光性エレメント(A−2)の作製〕表2に示す材料に代
えて、表3に示す材料を使用した以外は、製造例2と同
様にして、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
を形成した。得られた(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層の乾燥後の厚さは、60μmであった。
【0116】
【表3】 次いで、製造例2と同様にして、(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層を含む感光性エレメント(A−
2)を作製した。
【0117】製造例4 〔(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を含む感
光性エレメント(A−3)の作製〕表2に示す材料に代
えて、表4に示す材料を使用した以外は、製造例2と同
様にして、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
を形成した。得られた(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層の乾燥後の厚さは、60μmであった。
【0118】
【表4】 次いで、製造例2と同様にして、(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層を含む感光性エレメント(A−
3)を作製した。
【0119】製造例5 〔埋め込み層((B)熱可塑性樹脂層)を含むフィルム
(B−1)の作製〕表5に示す材料からなる樹脂溶液
を、20μmの厚さのポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に均一に塗布し、80〜110℃の熱風対流式乾
燥機で10分間乾燥して蒸留水を除去し、(B)熱可塑
性樹脂層を形成した。得られた(B)熱可塑性樹脂層の
乾燥後の厚さは、70μmであった。
【0120】
【表3】 次いで、(B)熱可塑性樹脂層の上に、厚さが25μm
のポリエチレンフィルムをカバーフィルムとして張り合
わせて、(B)熱可塑性樹脂層を含むフィルム(B−
1)を作製した。
【0121】製造例6 〔埋め込み層((B)熱可塑性樹脂層)を含むフィルム
(B−2)の作製〕表5に示す材料に代えて、表6に示
す材料を使用した以外は、製造例5と同様にして、
(B)熱可塑性樹脂層を形成した。得られた(B)熱可
塑性樹脂層の乾燥後の厚さは、43μmであった。
【0122】
【表6】 次いで、製造例5と同様にして、(B)熱可塑性樹脂層
を含むフィルム(B−2)を作製した。
【0123】製造例7 〔埋め込み層((B)熱可塑性樹脂層)を含むフィルム
(B−3)の作製〕表5に示す材料に代えて、表7に示
す材料を使用した以外は、製造例5と同様にして、
(B)熱可塑性樹脂層を形成した。得られた(B)熱可
塑性樹脂層の乾燥後の厚さは、50μmであった。
【0124】
【表7】 次いで、製造例5と同様にして、(B)熱可塑性樹脂層
を含むフィルム(B−3)を作製した。
【0125】〔蛍光体パターンの作製〕 実施例1 〔(I)凹凸を有する基板上に、(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層を形成する工程〕PDP用基板
(ストライプ状のバリアリブ、バリアリブ間の開口幅1
50μm、バリアリブの幅70μm、バリアリブの高さ
150μm)のバリアリブが形成された側に、製造例2
で得られた(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
を含む感光性エレメント(A−1)を、ポリエチレンフ
ィルムを剥がしながら載せた後、ポリエチレンテレフタ
レートフィルムを剥がし、真空乾燥器に入れて、常温
で、1.3×102Paに減圧した。次いで、減圧した状
態で、5℃/minの昇温速度で、90℃まで昇温し、90
℃で1分間保持した後、大気圧まで戻すことにより圧力
を与え、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を
凹部内表面に形成させた。
【0126】〔(IIa)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の上に載置したフォトマスクとそのフォト
マスクの上に載置した光散乱機能を有するシートを介し
て、活性光線を照射する工程〕次いで、(A)蛍光体を
含有する感光性樹脂組成物層の上に、バリアリブ間の開
口幅150μmよりも15μm狭い活性光線透過幅を有
するフォトマスクを、バリアリブ間の開口幅の中心にフ
ォトマスクの活性光線透過幅の中心が位置するように密
着させ、さらに光散乱機能を有するシート((株)オーク
製作所販売、キルティングマイラー(日本ケムテック
(株)製、エクスポ―ジャーフィルムEWS―88)、
表面粗さRa=3.65μm、厚さ80μm、以下、単
に(株)オーク製作所販売、キルティングマイラーとす
る)を重ねて密着させて、(株)オーク製作所製、HMW
−201GX型露光機を使用し、400mJ/cm2で活性光
線を像的に照射した。
【0127】なお、表面粗さRaは表面粗さ測定器(サ
ーフコーダSE−30D、(株)小坂研究所製)を用い
て、カットオフ値(λc)=0.8mm、測定長さ=2.
5mm、測定速度=0.1mm/秒で測定した。また、測定
試料は表面粗さRa=0.05以下の平面を持つガラス
板上に、表面が処理されている光散乱機能を有するシー
ト7の非測定面を密着させて、表面が処理されている光
散乱機能を有するシート7の処理面の中心部分とその測
定長方向の上下にそれぞれ5mm、10mm離れた点から合
計5点を測定し、これら5点の値の平均値をRaとし
た。
【0128】〔(III)現像により散乱光を像的に照射
した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を選択
的に除去してパターンを形成する工程〕次いで、活性光
線の照射後、常温で1時間放置した後、1重量%炭酸ナ
トリウム水溶液を用いて、30℃で120秒間スプレー
現像した。現像後、80℃で10分間乾燥し、東芝電材
(株)製東芝紫外線照射装置を使用して、3J/cm2の紫外
線照射を行い、さらに、150℃で1時間、乾燥器中で
加熱した。
【0129】〔(IV)前記パターンから焼成により不要
分を除去して蛍光体パターンを形成する工程〕次いで、
550℃で30分間加熱処理(焼成)を行い、不必要な
樹脂成分を除去し、PDP用基板の凹部内表面に蛍光体
パターンを形成させた。
【0130】得られた蛍光体パターンの断面を、実体顕
微鏡及びSEMにより目視にて観察し、蛍光体パターン
の形成状況を評価し、結果を表8に示した。
【0131】実施例2 〔(I)凹凸を有する基板上に、(A)蛍光体を含有す
る感光性樹脂組成物層を形成する工程〕PDP用基板
(ストライプ状のバリアリブ、バリアリブ間の開口幅1
50μm、バリアリブの幅70μm、バリアリブの高さ
150μm)のバリアリブが形成された側に、製造例2
で得られた(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
を含む感光性エレメント(A−1)を、ポリエチレンフ
ィルムを剥がしながら、真空ラミネータ(日立化成工業
(株)製、商品名VLM−1型)を用いて、ヒートシュー
温度が30℃、ラミネート速度が0.5m/分、気圧が
4000Pa以下、圧着圧力(シリンダ圧)が5×104P
a(厚さが3mm、縦10cm×横10cmの基板を用いたた
め、この時の線圧は2.4×103N/m)で積層した。
【0132】次いで、(A)蛍光体を含有する感光性樹
脂組成物層を含む感光性エレメント(A−1)のポリエ
チレンテレフタレートフィルムを剥離し、(A)蛍光体
を含有する感光性樹脂組成物層の上に、製造例3で得ら
れた(B)熱可塑性樹脂層を含むフィルム(B−1)
を、ポリエチレンフィルムを剥がしながら、ラミネータ
(日立化成工業(株)製、商品名HLM−3000型)を
用いて、ラミネート温度が110℃、ラミネート速度が
0.5m/分、圧着圧力がゲージ圧(シリンダ圧力、常
圧1atmが0である)で、4×105Pa(厚さが3mm、縦
10cm×横10cmの基板を用いたため、この時の線圧は
9.8×103N/m)で積層し、(A)蛍光体を含有する
感光性樹脂組成物層を凹部内表面に形成させた。
【0133】〔(IIa)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の上に載置したフォトマスクとそのフォト
マスクの上に載置した光散乱機能を有するシートを介し
て、活性光線を照射する工程〕次いで、(B)熱可塑性
樹脂層を含むフィルム(B−1)のポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に、バリアリブ間の開口幅150μ
mよりも15μm狭い活性光線透過幅を有するフォトマ
スクを、バリアリブ間の開口幅の中心にフォトマスクの
活性光線透過幅の中心が位置するように密着させ、さら
に光散乱機能を有するシート(2mm厚のスリガラス、表
面粗さRa=1.28μm)を凹凸面をフォトマスク側
となるように重ねて密着させて、(株)オーク製作所製、
HMW−201GX型露光機を使用し、600mJ/cm2
活性光線を像的に照射した。
【0134】〔(III)現像により散乱光を像的に照射
した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を選択
的に除去してパターンを形成する工程〕次いで、活性光
線の照射後、常温で1時間放置した後、(B)熱可塑性
樹脂層を含むフィルム(B−1)のポリエチレンテレフ
タレートフィルムを剥離し、1重量%炭酸ナトリウム水
溶液を用いて、30℃で120秒間スプレー現像した。
現像後、80℃で10分間乾燥し、東芝電材(株)製東芝
紫外線照射装置を使用して、3J/cm2の紫外線照射を行
い、さらに、150℃で1時間、乾燥器中で加熱した。
【0135】〔(IV)前記パターンから焼成により不要
分を除去して蛍光体パターンを形成する工程〕次いで、
550℃で30分間加熱処理(焼成)を行い、不必要な
樹脂成分を除去し、PDP用基板の凹部内表面に蛍光体
パターンを形成させた。
【0136】得られた蛍光体パターンの断面を、実施例
1と同様にして、蛍光体パターンの形成状況を評価し、
結果を表8に示した。
【0137】実施例3 実施例2において、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層を含む感光性エレメント(A−1)を製造例3
で得られた(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
を含む感光性エレメント(A−2)に代え、(B)熱可
塑性樹脂層を含むフィルム(B−1)を製造例6で得ら
れた(B)熱可塑性樹脂層を含むフィルム(B−2)に
代え、(IIa)の工程を、下記に示すように代えた以外
は、実施例2と同様にして、蛍光体パターンを形成し、
得られた蛍光体パターンの評価をし、結果を表8に示し
た。
【0138】〔(IIa)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の上に載置したフォトマスクとそのフォト
マスクの上に載置した光散乱機能を有するシートを介し
て、活性光線を照射する工程〕次いで、(B)熱可塑性
樹脂層を含むフィルム(B−2)のポリエチレンテレフ
タレートフィルム上に、バリアリブ間の開口幅150μ
mよりも35μm狭い活性光線透過幅を有するフォトマ
スクを、バリアリブ間の開口幅の中心にフォトマスクの
活性光線透過幅の中心が位置するように密着させ、さら
に光散乱機能を有するシート((株)オーク製作所販売、
キルティングマイラー)を重ねて密着させて、(株)オー
ク製作所製、HMW−201GX型露光機を使用し、4
00mJ/cm2で活性光線を像的に照射した。
【0139】実施例4 実施例3において、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂
組成物層を含む感光性エレメント(A−2)を製造例4
で得られた(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
を含む感光性エレメント(A−3)に代え、(B)熱可
塑性樹脂層を含むフィルム(B−2)を製造例7で得ら
れた(B)熱可塑性樹脂層を含むフィルム(B−3)に
代え、(III)の工程を、下記に示すように代えた以外
は、実施例3と同様にして、蛍光体パターンを形成し、
得られた蛍光体パターンの評価をし、結果を表8に示し
た。
【0140】〔(III)現像により散乱光を像的に照射
した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層を選択
的に除去してパターンを形成する工程〕次いで、活性光
線の照射後、常温で1時間放置した後、3-メチル-3-
メトキシブチルアセテートと水とからなるエマルジョン
溶液(3-メチル-3-メトキシブチルアセテート/水
(重量比)=25/75)を用いて、30℃で70秒間
スプレー現像した。現像後、80℃で10分間乾燥し、
東芝電材(株)製東芝紫外線照射装置を使用して、3J/cm
2の紫外線照射を行った。次いで、乾燥機中において、
150℃で1時間加熱処理を行った。
【0141】実施例5 実施例1において、(IIa)の工程を、下記に示す(II
b)の工程に変えた以外は、実施例1と同様にして、蛍
光体パターンを形成させた。得られた蛍光体パターンの
断面を、実施例1と同様にして調べ、蛍光体パターンの
形成状況を評価し、結果を表8に示した。
【0142】〔(IIb)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の上に載置した光散乱機能を有するシート
とその光散乱機能を有するシートの上に載置したフォト
マスクとを介して、活性光線を照射する工程〕次いで、
(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に、光
散乱物質シート((株)オーク製作所販売、キルティング
マイラー)を密着させ、さらにバリアリブ間の開口幅1
50μmよりも15μm狭い活性光線透過幅を有するフ
ォトマスクを、バリアリブ間の開口幅の中心にフォトマ
スクの活性光線透過幅の中心が位置するように重ねて密
着させて、(株)オーク製作所製、HMW−201GX型
露光機を使用し、400mJ/cm2で活性光線を像的に照射
した。
【0143】実施例6 実施例2において、(IIa)の工程を、下記に示す(II
b)の工程に変えた以外は、実施例2と同様にして、蛍
光体パターンを形成させた。得られた蛍光体パターンの
断面を、実施例1と同様にして調べ、蛍光体パターンの
形成状況を評価し、結果を表8に示した。
【0144】〔(IIb)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の上に載置した光散乱機能を有するシート
とその光散乱機能を有するシートの上に載置したフォト
マスクとを介して、活性光線を照射する工程〕次いで、
(B)熱可塑性樹脂層を含むフィルム(B−1)のポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に、光散乱物質シー
ト(3mm厚の石英ガラスの片面を120番のサンドペ
ーパーを用いて凹凸にしたもの)を凹凸面をポリエチレ
ンテレフタレートフィルム側となるように密着させ、さ
らにバリアリブ間の開口幅150μmよりも15μm狭
い活性光線透過幅を有するフォトマスクをバリアリブ間
の開口幅の中心にフォトマスクの活性光線透過幅の中心
が位置するように重ねて密着させて、(株)オーク製作所
製、HMW−201GX型露光機を使用し、400mJ/c
m2で活性光線を像的に照射した。
【0145】実施例7 実施例3において、(IIa)の工程を、下記に示す(II
b)の工程に変えた以外は、実施例3と同様にして、蛍
光体パターンを形成させた。得られた蛍光体パターンの
断面を、実施例1と同様にして調べ、蛍光体パターンの
形成状況を評価し、結果を表8に示した。
【0146】〔(IIb)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の上に載置した光散乱機能を有するシート
とその光散乱機能を有するシートの上に載置したフォト
マスクとを介して、活性光線を照射する工程〕次いで、
(B)熱可塑性樹脂層を含むフィルム(B−2)のポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に、光散乱物質シー
ト((株)オーク製作所販売、キルティングマイラー)を
密着させ、さらにバリアリブ間の開口幅150μmより
も35μm狭い活性光線透過幅を有するフォトマスク
を、バリアリブ間の開口幅の中心にフォトマスクの活性
光線透過幅の中心が位置するように密着させて、(株)オ
ーク製作所製、HMW−201GX型露光機を使用し、
400mJ/cm2で活性光線を像的に照射した。
【0147】実施例8 実施例4において、(IIa)の工程を、下記に示す(II
b)の工程に変えた以外は、実施例4と同様にして、蛍
光体パターンを形成させた。得られた蛍光体パターンの
断面を、実施例1と同様にして調べ、蛍光体パターンの
形成状況を評価し、結果を表8に示した。
【0148】〔(IIb)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の上に載置した光散乱機能を有するシート
とその光散乱機能を有するシートの上に載置したフォト
マスクとを介して、活性光線を照射する工程〕次いで、
(B)熱可塑性樹脂層を含むフィルム(B−2)のポリ
エチレンテレフタレートフィルム上に、光散乱物質シー
ト((株)オーク製作所販売、キルティングマイラー)を
密着させ、さらにバリアリブ間の開口幅150μmより
も25μm狭い活性光線透過幅を有するフォトマスク
を、バリアリブ間の開口幅の中心にフォトマスクの活性
光線透過幅の中心が位置するように密着させて、(株)オ
ーク製作所製、HMW−201GX型露光機を使用し、
400mJ/cm2で活性光線を像的に照射した。
【0149】実施例9 実施例1において、(IIa)の工程を、下記に示す(II
c)の工程に変えた以外は、実施例1と同様にして、蛍
光体パターンを形成させた。得られた蛍光体パターンの
断面を、実施例1と同様にして調べ、蛍光体パターンの
形成状況を評価し、結果を表8に示した。
【0150】〔(IIc)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の上に載置した光透過部が光散乱機能を有
するフォトマスクを介して、活性光線を照射する工程〕
次いで、(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の
上に、光散乱物質シート((株)オーク製作所販売、キル
ティングマイラー)に光不透過領域を設けることにより
作成されたバリアリブ間の開口幅150μmよりも15
μm狭い活性光線透過幅を有するフォトマスク(活性光
線透過部の表面粗さRa=3.65μm)を、バリアリ
ブ間の開口幅の中心にフォトマスクの活性光線透過幅の
中心が位置するように重ねて密着させて、(株)オーク製
作所製、HMW−201GX型露光機を使用し、400
mJ/cm2で活性光線を像的に照射した。
【0151】実施例10 実施例2において、(IIa)の工程を、下記に示す(II
c)の工程とした以外は、実施例2と同様にして、蛍光
体パターンを形成させた。得られた蛍光体パターンの断
面を、実施例2と同様にして調べ、蛍光体パターンの形
成状況を評価し、結果を表8に示した。
【0152】〔(IIc)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の上に載置した光透過部が光散乱機能を有
するフォトマスクを介して、活性光線を照射する工程〕
次いで、(B)熱可塑性樹脂層を含むフィルム(B−
1)のポリエチレンテレフタレートフィルム上に、光散
乱物質シート(3mm厚の石英ガラスの片面を120番の
サンドペーパーを用いて凹凸にしたもの)に光不透過領
域を設けることにより作成されたバリアリブ間の開口幅
150μmよりも15μm狭い活性光線透過幅を有する
フォトマスク(活性光線透過部の表面粗さRa=2.5
μm)をバリアリブ間の開口幅の中心にフォトマスクの
活性光線透過幅の中心が位置するように重ねて密着させ
て、(株)オーク製作所製、HMW−201GX型露光機
を使用し、600mJ/cm2で活性光線を像的に照射した。
【0153】実施例11 実施例3において、(IIa)の工程を、下記に示す(II
c)の工程とした以外は、実施例3と同様にして、蛍光
体パターンを形成させた。得られた蛍光体パターンの断
面を、実施例1と同様にして調べ、蛍光体パターンの形
成状況を評価し、結果を表8に示した。
【0154】〔(IIc)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の上に載置した光透過部が光散乱機能を有
するフォトマスクを介して、活性光線を照射する工程〕
次いで、(B)熱可塑性樹脂層を含むフィルム(B−
2)のポリエチレンテレフタレートフィルム上に、光散
乱物質シート((株)オーク製作所販売、キルティングマ
イラー)に光不透過領域を設けることにより作成された
バリアリブ間の開口幅150μmよりも35μm狭い活
性光線透過幅を有するフォトマスク(活性光線透過部の
表面粗さRa=3.65μm)を、バリアリブ間の開口
幅の中心にフォトマスクの活性光線透過幅の中心が位置
するように密着させて、(株)オーク製作所製、HMW−
201GX型露光機を使用し、400mJ/cm2で活性光線
を像的に照射した。
【0155】実施例12 実施例4において、(IIa)の工程を、下記に示す(II
c)の工程に変えた以外は、実施例4と同様にして、蛍
光体パターンを形成させた。得られた蛍光体パターンの
断面を、実施例4と同様にして調べ、蛍光体パターンの
形成状況を評価し、結果を表8に示した。
【0156】〔(IIp)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層にフォトマスクを介して、活性光線を像的
に照射する工程〕次いで、(B)熱可塑性樹脂層を含む
フィルム(B−2)のポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に、光散乱物質シート((株)オーク製作所販売、
キルティングマイラー)に光不透過領域を設けることに
より作成されたバリアリブ間の開口幅150μmよりも
25μm狭い活性光線透過幅を有するフォトマスク(活
性光線透過部の表面粗さRa=3.65μm)を、バリ
アリブ間の開口幅の中心にフォトマスクの活性光線透過
幅の中心が位置するように密着させて、(株)オーク製作
所製、HMW−201GX型露光機を使用し、400mJ
/cm2で活性光線を像的に照射した。
【0157】実施例13 実施例1において、(IIa)の工程を、下記に示す(II
a)の工程とした以外は、実施例1と同様にして、蛍光
体パターンを形成させた。得られた蛍光体パターンの断
面を、実施例1と同様にして調べ、蛍光体パターンの形
成状況を評価し、結果を表8に示した。
【0158】〔(IIa)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の上に載置したフォトマスクとそのフォト
マスクの上に載置した光散乱機能を有するシートとを介
して、活性光線を像的に照射する工程〕次いで、(A)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に、バリアリ
ブ間の開口幅150μmよりも15μm狭い活性光線透
過幅を有するフォトマスクを、バリアリブ間の開口幅の
中心にフォトマスクの活性光線透過幅の中心が位置する
ように密着させ、さらに光散乱機能を有するシート(帝
人(株)製、サンドマットフィルムPS−25−20%、
厚さ25μm、片面マット処理、表面粗さRa=0.3
5μm)を重ねて密着させて、(株)オーク製作所製、H
MW−201GX型露光機を使用し、400mJ/cm2で活
性光線を像的に照射した。
【0159】実施例14 実施例1において、(IIa)の工程を、下記に示す(II
a)の工程とした以外は、実施例1と同様にして、蛍光
体パターンを形成させた。得られた蛍光体パターンの断
面を、実施例1と同様にして調べ、蛍光体パターンの形
成状況を評価し、結果を表8に示した。
【0160】〔(IIa)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の上に載置したフォトマスクとそのフォト
マスクの上に載置した光散乱機能を有するシートとを介
して、活性光線を像的に照射する工程〕次いで、(A)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に、バリアリ
ブ間の開口幅150μmよりも15μm狭い活性光線透
過幅を有するフォトマスクを、バリアリブ間の開口幅の
中心にフォトマスクの活性光線透過幅の中心が位置する
ように密着させ、さらに光散乱機能を有するシート(帝
人(株)製、サンドマットフィルムPS−25−12%、
厚さ25μm、片面マット処理、表面粗さRa=0.4
9μm)を重ねて密着させて、(株)オーク製作所製、H
MW−201GX型露光機を使用し、400mJ/cm2で活
性光線を像的に照射した。
【0161】実施例15 実施例2において、(IIa)の工程を、下記に示す(II
a)の工程とした以外は、実施例2と同様にして、蛍光
体パターンを形成させた。得られた蛍光体パターンの断
面を、実施例2と同様にして調べ、蛍光体パターンの形
成状況を評価し、結果を表8に示した。
【0162】〔(IIa)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層の上に載置したフォトマスクとそのフォト
マスクの上に載置した光散乱機能を有するシートとを介
して、活性光線を像的に照射する工程〕次いで、(A)
蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に、バリアリ
ブ間の開口幅150μmよりも15μm狭い活性光線透
過幅を有するフォトマスクを、バリアリブ間の開口幅の
中心にフォトマスクの活性光線透過幅の中心が位置する
ように密着させ、さらに光散乱機能を有するシート(2
mm厚のスリガラス、表面粗さRa=1.5μm)をその
凹凸面がフォトマスク側で、かつ、フォトマスクから1
0mm離した状態で設置して、(株)オーク製作所製、HM
W−201GX型露光機を使用し、400mJ/cm2で活性
光線を像的に照射した。
【0163】比較例1 実施例1において、(II)の工程を、下記に示す(II
p)の工程とした以外は、実施例1と同様にして、蛍光
体パターンを形成させた。
【0164】〔(IIp)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層にフォトマスクを介して、活性光線を像的
に照射する工程〕次いで、(A)蛍光体を含有する感光
性樹脂組成物層の上に、バリアリブ間の開口幅150μ
mよりも15μm狭い活性光線透過幅を有するフォトマ
スクを、バリアリブ間の開口幅の中心にフォトマスクの
活性光線透過幅の中心が位置するように密着させて、
(株)オーク製作所製、HMW−201GX型露光機を使
用し、400mJ/cm2で活性光線を像的に照射した。得ら
れた蛍光体パターンの断面を、実施例1と同様にして調
べ、蛍光体パターンの形成状況を評価し、結果を表8に
示した。
【0165】比較例2 実施例2において、(II)の工程を、下記に示す(II
q)の工程とした以外は、実施例2と同様にして、蛍光
体パターンを形成させた。
【0166】〔(IIq)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層にフォトマスクを介して、活性光線を像的
に照射する工程〕次いで、(B)熱可塑性樹脂層を含む
フィルム(B−1)のポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に、バリアリブ間の開口幅150μmよりも15
μm狭い活性光線透過幅を有するフォトマスクを、バリ
アリブ間の開口幅の中心にフォトマスクの活性光線透過
幅の中心が位置するように密着させて、(株)オーク製作
所製、HMW−201GX型露光機を使用し、600mJ
/cm2で活性光線を像的に照射した。得られた蛍光体パタ
ーンの断面を、実施例1と同様にして調べ、蛍光体パタ
ーンの形成状況を評価し、結果を表8に示した。
【0167】比較例3 実施例3において、(II)の工程を、下記に示す(II
r)の工程とした以外は、実施例3と同様にして、蛍光
体パターンを形成させた。得られた蛍光体パターンの断
面を、実施例1と同様にして調べ、蛍光体パターンの形
成状況を評価し、結果を表8に示した。
【0168】〔(IIr)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層にフォトマスクを介して、活性光線を像的
に照射する工程〕次いで、(B)熱可塑性樹脂層を含む
フィルム(B−2)のポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に、バリアリブ間の開口幅150μmよりも35
μm狭い活性光線透過幅を有するフォトマスクを、バリ
アリブ間の開口幅の中心にフォトマスクの活性光線透過
幅の中心が位置するように密着させて、(株)オーク製作
所製、HMW−201GX型露光機を使用し、400mJ
/cm2で活性光線を像的に照射した。
【0169】比較例4 実施例4において、(II)の工程を、下記に示す(II
s)の工程とした以外は、実施例4と同様にして、蛍光
体パターンを形成させた。得られた蛍光体パターンの断
面を、実施例1と同様にして調べ、蛍光体パターンの形
成状況を評価し、結果を表8に示した。
【0170】〔(IIs)(A)蛍光体を含有する感光性
樹脂組成物層にフォトマスクを介して、活性光線を像的
に照射する工程〕次いで、(B)熱可塑性樹脂層を含む
フィルム(B−3)のポリエチレンテレフタレートフィ
ルム上に、バリアリブ間の開口幅150μmよりも25
μm狭い活性光線透過幅を有するフォトマスクを、バリ
アリブ間の開口幅の中心にフォトマスクの活性光線透過
幅の中心が位置するように密着させて、(株)オーク製作
所製、HMW−201GX型露光機を使用し、400mJ
/cm2で活性光線を像的に照射した。
【0171】
【表8】
【0172】なお、蛍光体パターンの形成性の評価基準
は次の通りである。 ◎:蛍光体層がPDP用基板の凹部内表面(バリアリブ
壁面及び基板面)上に均一に形成されている。 ○:蛍光体層がPDP用基板の凹部内表面(バリアリブ
壁面及び基板面)上にほぼ均一に形成されている。 ×:蛍光体層がPDP用基板の凹部内表面(バリアリブ
壁面及び基板面)上に均一に形成されていない。
【0173】表8から、散乱光を像的に照射した実施例
1〜15は、PDP用基板の凹部内面における蛍光体パ
ターンの形成性(PDP用基板のバリアリブ壁面及び基
板底面に囲まれた凹部内面においてのみ、均一の膜厚に
蛍光体パターンを形成できる性質)が良好であることが
わかる。これと比較して、散乱光を使用せず、すなわち
フォトマスクのみを介して、活性光線を像的に照射した
比較例1〜4は、図9に示すようにバリアリブ壁面部分
の蛍光体を含有する感光性樹脂層が浸食されるため、バ
リアリブ壁面及び基板底面に囲まれた凹部内面にわた
り、均一の膜厚に蛍光体パターンを形成できず、PDP
用基板の凹部内面における蛍光体パターンの形成性(P
DP用基板のバリアリブ壁面及び基板底面に囲まれた凹
部内面においてのみ、均一の膜厚に蛍光体パターンを形
成できる性質)が劣ることが分かる。なお、14はバリ
アリブ壁面が浸食された蛍光体パターンである。
【0174】
【発明の効果】請求項1記載の蛍光体パターンの製造法
は、PDP用基板等の凹凸を有する基板の凹部内表面全
体にわたり、歩留まり良く均一の膜厚で蛍光体パターン
を裕度をもって形成できるものである。請求項2記載の
発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、さらに歩
留まり良く均一の膜厚で蛍光体パターンを裕度をもって
形成できるものである。請求項3及び4記載の蛍光体パ
ターンの製造法は、請求項1又は2記載の蛍光体パター
ンの製造法の効果に加えて、さらに簡便性に優れるもの
である。請求項5記載の蛍光体パターンの製造法明は、
請求項1又は2記載の蛍光体パターンの製造法の効果に
加えて、さらにパターン精度、簡便性及び作業性に優れ
るものである。請求項6記載の蛍光体パターンの製造法
は、請求項3、4又は5記載の蛍光体パターンの製造法
の効果に加えて、さらにプロセス裕度に優れるものであ
る。
【0175】請求項7記載の蛍光体パターンの製造法
は、請求項1、2、3、4、5又は6記載の蛍光体パタ
ーンの製造法の効果に加えて、さらに生産性に優れるも
のである。請求項8記載の蛍光体パターンの製造法は、
請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の蛍光体パタ
ーンの製造法の効果に加えて、さらに膜べりの抑制に優
れるものである。請求項9記載の蛍光体パターンの製造
法は、請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の蛍光
体パターンの製造法の効果に加えて、より作業性に優れ
るものである。請求項10記載の蛍光体パターンは、高
精度で均一な形状で輝度の優れたものである。請求項1
1記載のプラズマディスプレイパネル用背面板は、高精
度で均一な形状で輝度の優れた蛍光体パターンを備えた
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】バリアリブが形成されたPDP用基板の一例を
示した模式図である。
【図2】バリアリブが形成されたPDP用基板の一例を
示した模式図である。
【図3】本発明の蛍光体パターンの製造法の各工程の一
例を示した模式図である。
【図4】本発明におけるバリアリブの幅と凹部の開口幅
を示した模式図である。
【図5】光硬化させる凹部内面を示した模式図である。
【図6】本発明の(II)工程において、凹部の開口幅よ
りも広い開口幅を有するフォトマスク6を使用した場
合、(III)工程を行なった後の状態を示した模式図で
ある。
【図7】蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層からなる
多色パターンを形成した状態を示した模式図である。
【図8】多色の蛍光体パターンを形成した状態を示した
模式図である。
【図9】光散乱機能を有するシートを用いないで蛍光体
パターンを形成した状態を示した模式図である。
【図10】本発明のプラズマディスプレイパネル用背面
板一例を示した模式図である。
【符号の説明】
1 …基板 2 …バリアリブ 3 …格子状放電空間 4 …ストライプ状放電空間 5 …蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層 5′…光硬化後の蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層 5′a…1色目のパターン 5′b…2色目のパターン 5′c…3色目のパターン 6 …フォトマスク 7 …光散乱機能を有するシート 8 …活性光線 9 …凹部の開口幅 10 …バリアリブの幅 11 …凹部内表面 12 …不要部 13 …蛍光体パターン 13a…1色目の蛍光体パターン 13b…2色目の蛍光体パターン 13c…3色目の蛍光体パターン 14 …バリアリブ壁面部分が浸食された蛍光体パター
ン 15 …アドレス用電極 16 …保護膜 17 …誘電体層 18 …表示用電極 19 …前面板用基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01J 17/04 H01J 17/04 (72)発明者 木村 直紀 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 芦沢 寅之助 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 田井 誠司 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社茨城研究所内 (72)発明者 向 郁夫 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 丹野 清吉 茨城県日立市東町四丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (I)凹凸を有する基板上に、(A)蛍
    光体を含有する感光性樹脂組成物層を形成する工程、
    (II)(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層に散
    乱光を像的に照射する工程、(III)現像により散乱光
    を像的に照射した(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組
    成物層を選択的に除去してパターンを形成する工程及び
    (IV)前記パターンから焼成により不要分を除去して蛍
    光体パターンを形成する工程を含むことを特徴とする蛍
    光体パターンの製造法。
  2. 【請求項2】 (I)凹凸を有する基板上に、(A)蛍
    光体を含有する感光性樹脂組成物層を形成する工程が、
    支持体及び(A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層
    を有してなる感光性エレメントを、その感光性樹脂組成
    物層側を前記基板に向けて積層する工程である請求項1
    記載の蛍光体パターンの製造法。
  3. 【請求項3】 (II)(A)蛍光体を含有する感光性樹
    脂組成物層に散乱光を像的に照射する工程が、(IIa)
    (A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に載置
    したフォトマスクとそのフォトマスクの上に載置した光
    散乱機能を有するシートを介して、活性光線を照射する
    工程である請求項1又は2記載の蛍光体パターンの製造
    法。
  4. 【請求項4】 (II)(A)蛍光体を含有する感光性樹
    脂組成物層に散乱光を像的に照射する工程が、(IIb)
    (A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に載置
    した光散乱機能を有するシートとその光散乱機能を有す
    るシートの上に載置したフォトマスクを介して、活性光
    線を照射する工程である請求項1又は2記載の蛍光体パ
    ターンの製造法。
  5. 【請求項5】 (II)(A)蛍光体を含有する感光性樹
    脂組成物層に散乱光を像的に照射する工程が、(IIc)
    (A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成物層の上に載置
    した光透過部が光散乱機能を有するフォトマスクを介し
    て、活性光線を照射する工程である請求項1又は2記載
    の蛍光体パターンの製造法。
  6. 【請求項6】 フォトマスクが、その光透過部の幅が凹
    凸を有する基板の凹部の開口幅より狭いものである請求
    項3、4又は5記載の蛍光体パターンの製造法。
  7. 【請求項7】 (I)〜(III)の各工程を繰り返し
    て、赤、緑及び青に発色する蛍光体を含有する感光性樹
    脂組成物層からなる多色のパターンを形成した後、(I
    V)の工程を行ない多色の蛍光体パターンを形成する請
    求項1、2、3、4、5又は6記載の蛍光体パターンの
    製造法。
  8. 【請求項8】 (I)〜(IV)の各工程を繰り返して、
    赤、緑及び青に発色する多色の蛍光体パターンを形成す
    る請求項1、2、3、4、5又は6記載の蛍光体パター
    ンの製造法。
  9. 【請求項9】 (A)蛍光体を含有する感光性樹脂組成
    物層が、(a)フィルム性付与ポリマ、(b)エチレン
    性不飽和基を有する光重合性不飽和化合物、(c)活性
    光の照射により遊離ラジカルを生成する光開始剤及び
    (d)蛍光体を含むものである請求項1、2、3、4、
    5、6、7又は8記載の蛍光体パターンの製造法。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8又は9記載の蛍光体パターンの製造法により製造され
    た蛍光体パターン。
  11. 【請求項11】 プラズマディスプレイパネル用基板上
    に請求項10記載の蛍光体パターンを備えてなるプラズ
    マディスプレイパネル用背面板。
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