JPH10311390A - 歯付きベルトによる回転運動伝達装置 - Google Patents

歯付きベルトによる回転運動伝達装置

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JPH10311390A
JPH10311390A JP12131797A JP12131797A JPH10311390A JP H10311390 A JPH10311390 A JP H10311390A JP 12131797 A JP12131797 A JP 12131797A JP 12131797 A JP12131797 A JP 12131797A JP H10311390 A JPH10311390 A JP H10311390A
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toothed belt
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pulley
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JP12131797A
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Hiroyuki Koyama
広幸 小山
Yasushi Kageyama
裕史 影山
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Toyota Motor Corp
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歯付きベルトに高負荷が掛かっても、歯欠け
を十分防止できるばかりか、内燃機関のバルブ開閉機構
に適用した場合には厳密な同期を可能にする。 【解決手段】 歯付きベルトA1の幅方向において、歯
付きベルトA1の少なくとも両端面9,9の輪郭線11
の形状と、歯付きベルトA1の中央横断面の輪郭線1
1’の形状とを違えて、輪郭線11にあっては歯付きベ
ルトA1の各歯2Aに生じる応力度を低減させ得るよう
な形状にするとともに、前記中央に係る輪郭線11’に
あっては、本発明を内燃機関のバルブ開閉機構に適用し
た場合に、吸排気バルブを適切な時期に開閉するような
形状にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は、歯付きベルトによ
る回転運動伝達装置、詳しくは、例えば内燃機関のタイ
ミングベルトとして用いられる歯付きベルトと、この歯
付きベルトと噛み合う例えばカムシャフトタイミングプ
ーリやクランクシャフトタイミングプーリとして用いら
れる歯付きベルト用プーリとを備える歯付きベルトによ
る回転運動伝達装置に関する。
【従来の技術】歯付きベルトは、通常、ループ状にして
使用され、適当な柔軟性,引っ張り強度および耐摩耗性
を必要とする。このため、歯付きベルトは、一般に、ア
ラミド繊維やガラス繊維等を撚ってなる強化コード(抗
張体)を心線とするゴムまたはポリウレタン等でできて
おり、また歯の形成されている側の表面には、高伸縮性
でかつ耐摩耗性の帆布が被覆されている。図11は、従
来の歯付きベルトの一例を部分的に示す断面斜視図であ
る。歯付きベルトAのベルト本体1には、多数の歯2,
2,……がベルトAの長手方向に等間隔で平行に立設さ
れている。但し、図11では歯2を一本のみ示す。ここ
で、符号Tで示す矢印は、歯2の肉厚方向を意味し、符
号Wで示す矢印は、歯2の歯幅方向を意味する。また、
以下に出て来る用語のうち歯面とは、図示しない歯付き
ベルト用プーリの歯と当たり、このプーリ歯との間で力
の伝達が為される面をいう。また、横断面とは、歯幅方
向Wに対して直角な面で切った断面をいう。以下同様。
歯付きベルトAは、その歯2の横断面輪郭線3のうち、
歯面対応部分5が、歯の肉厚方向Wの外側に向けて膨ら
む凸形状になっている。このように、歯面対応部分が、
歯の肉厚方向外側に向けて膨らむ凸形状をした歯付きベ
ルトは、一般に、歯欠けが生じない限りは、駆動側の回
転を正確に従動側に伝えるのに好適である。このため、
このような歯付きベルトを例えば内燃機関のバルブ開閉
機構のタイミングベルトとして用いれば、吸排気バルブ
を適切な時期に開閉できることが知られている。一方、
インボリュート歯車にあっては、ピッチ円を基準とした
歯の上部を歯先といい、同じく下部を歯元というが、歯
付きベルトおよび歯付きベルト用プーリにあっては、ピ
ッチ円径が歯車外径よりも大きい。このため、インボリ
ュート歯車で用いる歯先や歯元の意味をそのまま歯付き
ベルトや歯付きベルト用プーリにも用いることは適当で
ない。そこで、この明細書では、便宜上、歯先とは、歯
丈方向における歯の先端面のことを意味するものとし、
また歯元とは歯の立ち上がり部分であって、歯丈寸法が
ゼロの部分を意味するものとしてそれらの用語を用いる
ことにする。また、内燃機関におけるカムシャフトが、
クランクシャフトの回転に対して正確に1/2回転する
ことで、吸排気バルブが適切な時期に開閉することを、
以下、特に断わらない限り、単に「同期する」というこ
とにする。ところで、歯付きベルトに歯欠けが生じると
正確に回転運動を伝達できなくなり、先の例で述べれ
ば、同期しなくなる虞れがある。そこで、図11に示す
ように、歯付きベルトの歯面の形状、換言すれば、歯2
の横断面輪郭線3のうち、歯面対応部分5を、二点鎖線
で示すように、歯の肉厚方向Tの内側に向けて窪むよう
にした歯付きベルト、およびこのような歯付きベルトと
組み合わせられ前記歯付きベルトの歯と噛み合う形状の
プーリ歯を有する歯付きベルト用プーリが、例えば特開
平3−121332号公報で提案されている。
【発明が解決しようとする課題】このような歯付きベル
トおよび歯付きベルト用プーリを用いることで、歯付き
ベルトの応力度をかなり低めに設定できるため、歯付き
ベルトの歯欠け防止には極めて有効である。しかしなが
ら、一方では、前記のような歯を有する歯付きベルトで
は、その歯に外力が加わると、特に歯先端部の変形が大
きくなり、歯部全体としてせん断力を受けた如きに変形
し易いことが知られている。そして、この変形によっ
て、カムシャフトタイミングプーリとクランクシャフト
タイミングプーリとが一様に回転せず、したがって、同
期させにくい。しかも、近年における急速なエンジンの
高性能化の影響を受けて、負荷は一段と増加傾向にあ
り、またダウンサイジングの要望を満足させんがため
に、歯付きベルトに掛かる応力度は高まる傾向にある。
本発明は、このような実情に鑑みなされたもので、歯付
きベルトに掛かる負荷が大きい場合でも、歯欠けを十分
に防止できるばかりか、厳密な同期をも可能にすること
を技術的課題とする。
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の歯付きベルトによる回転運動伝達装置は、
以下の構成とした。すなわち、歯付きベルトと、この歯
付きベルトと噛み合う歯付きベルト用プーリとを有する
歯付きベルトによる回転運動伝達装置であって、前記歯
付きベルトは、その各歯が前記プーリの各歯と噛合する
歯面を有し、前記ベルト各歯の歯幅方向における少なく
とも両端面にあってはその歯面対応輪郭線が、前記ベル
ト各歯の歯厚方向内側に窪む凹形状部になっているとと
もに、前記歯幅方向中央における横断面の歯面対応輪郭
線が前記歯厚方向外側に向けて膨らむ凸形状部にされ、
前記歯付きベルト用プーリは、その各歯が前記ベルト各
歯と噛合する歯面を有し、前記プーリ各歯の歯幅方向に
おける少なくとも両端面にあっては、その歯面対応輪郭
線が、前記ベルト各歯の前記凹形状部と合致する凸形状
部になっているとともに、前記プーリ各歯の歯幅方向中
央における横断面の歯面対応輪郭線が前記ベルト各歯の
前記凸形状部と合致する凹形状部になっていることを特
徴とする。ここで、歯付きベルトおよび歯付きベルト用
プーリに拘らず、歯の歯幅方向における少なくとも両端
面とは、『歯の歯幅方向中央を除く箇所のうち少なくと
も両端面にあっては』ということである。したがって、
歯付きベルトにあっては、その各歯の歯幅方向における
中央を除く任意の箇所における横断面輪郭線のうち歯面
対応輪郭線の形状をも歯付きベルトの前記両端面の歯面
対応輪郭線と同様に凹形状にしてよいということであ
り、歯付きベルト用プーリにあっては、その各歯の歯幅
方向における中央を除く任意の箇所における横断面輪郭
線のうち歯面対応輪郭線の形状をも歯付きベルト用プー
リの前記両端面の歯面対応輪郭線と同様に凸形状にして
よいということである。好ましくは、歯付きベルトにあ
っては、前記両端面の各端面を起点としてそれら両端面
側から前記歯幅方向中央に向けて、前記凹形状歯面対応
輪郭線を歯面上に連続して設けるのがよく、歯付きベル
ト用プーリにあっては、前記両端面の各端面を起点とし
てそれら両端面側から前記歯幅方向中央に向けて、前記
凸形状歯面対応輪郭線を歯面上に連続して設けるのがよ
い。前記凹形状歯面対応輪郭線および前記凸形状歯面対
応輪郭線をそれぞれ歯付きベルトの各歯および歯付きベ
ルト用プーリの各プーリ歯の歯幅方向においてどの位の
範囲に亘って形成するかは、これら各歯に作用する外力
(負荷)の大きさによって決まる。また、前記歯付きベ
ルトにおける各歯の横断面輪郭線のうち凹形状歯面対応
輪郭線は、歯付きベルトの各歯に負荷が加わった場合に
各歯における応力度が均等になり得るような計算式を立
てて求める。また、歯幅方向中央とは、歯付きベルトに
あっては、その各歯歯面のうち前記凹形状歯面対応輪郭
線の形成されていない箇所であって、歯付きベルト用プ
ーリにあっては、その各プーリ歯歯面のうち前記凸形状
歯面対応輪郭線の形成されていない箇所であり、歯付き
ベルトにあっても、また歯付きベルト用プーリにあって
も、歯幅方向中央点における横断面を中心に歯幅方向に
おいてある程度の範囲に亘り、前記両端側に向けて延び
る範囲を含んだものとする。それ故、歯付きベルトにあ
っては、前記凹形状歯面対応輪郭線の形成される範囲の
程度によって、また、歯付きベルト用プーリにあって
は、前記凸形状歯面対応輪郭線の形成される範囲の程度
によって、歯幅方向中央の形成範囲も異なる。本発明の
歯付きベルトによる回転運動伝達装置の歯付きベルト各
歯の特徴的形状を列挙すれば、次の如くである。 1−1.歯幅方向における少なくとも両端面では、これ
らの端面の輪郭線のうち歯面対応輪郭線が歯厚方向内側
に向けて窪む凹形状になっている。 1−2.前記歯幅方向中央における横断面では、その横
断面輪郭線のうち歯面対応輪郭線が歯厚方向外側に向け
て膨らむ凸形状になっている。また、本発明の歯付きベ
ルトによる回転運動伝達装置では、歯付きベルト用プー
リの各歯の特徴的形状を列挙すれば、次の如くである。 2−1.各歯の歯幅方向における少なくとも両端面で
は、これらの端面の輪郭線のうち歯面対応輪郭線が、歯
付きベルトの各歯における各端面輪郭線の凹形状歯面対
応輪郭線と合致する凸形状になっている。 2−2.各歯の歯幅方向における中央横断面の輪郭線の
うち歯面対応輪郭線が、歯付きベルトの各歯における中
央横断面輪郭線の凸形状歯面対応輪郭線と合致する凹形
状になっている。したがって、前記1−1.および2−
1.によって、歯付きベルトの歯元部分での応力度はか
なり低めになるため、歯付きベルトの歯欠け防止上極め
て有効となる。また、前記1−2.および2−2.によっ
て、回転運動の伝達が正確になる。このため、内燃機関
のバルブ開閉機構のタイミングベルトとして用いること
は好適であるから、その場合には、吸排気バルブを適切
な時期に開閉することができる。すなわち、同期させら
れる。
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
した図面に基いて説明する。 〈構成の概略〉本発明に係る歯付きベルトによる回転運
動伝達装置は、歯付きベルトA1と、この歯付きベルト
A1と噛み合う歯付きベルト用プーリ10とを有する。
このような歯付きベルトによる回転運動伝達装置は、例
えば内燃機関のバルブ開閉機構に適用される。バルブ開
閉機構自体は周知のものであるので、説明を省略する
が、この場合、歯付きベルトA1をタイミングベルトと
して適用し、歯付きベルト用プーリ10をカムシャフト
タイミングプーリおよびクランクシャフトタイミングプ
ーリとして適用することができる。歯付きベルトA1
は、図示しないアラミド繊維やガラス繊維等を撚ってな
る強化コードを心線として備えたゴムまたはポリウレタ
ン等でできており、歯の形成されている側の表面には高
伸縮性でかつ耐摩耗性の図示しない帆布を被覆してあ
り、ループ状をしている。また、歯付きベルト用プーリ
10は、通常、金属でできている。以下、詳述する。 〈歯付きベルト〉図1に示すように、歯付きベルトA1
は、ベルト本体1Aとその長手方向に平行にかつ等間隔
で立設された各歯2A,2A,……とが一体成形されて
なる。各歯2Aの歯幅方向Wにおける少なくとも両端面
9,9において、これら各端面9の輪郭線11のうち歯
面対応部分である歯面対応輪郭線が、歯厚方向Tの内側
に向けて窪む凹形状部12になっている。また、前記輪
郭線11のうち歯先対応部分である歯面対応輪郭線13
は、歯丈方向内側に向けてすなわち図1〜図4において
下方に向けて窪んでいる。なお、歯2A同士の間に位置
する歯溝14には、図4に示すように平坦部pが形成さ
れている。この平坦部pを設けることによって、ベルト
駆動が容易になることが経験的に知られている。歯面1
5は、歯付きベルトA1の各歯2Aのうち、歯付きベル
ト用プーリ10の後述するプーリ歯35と当たり、この
プーリ歯35との間で力の伝達が為される面のことであ
る。さらに、図1および図3に示すように、各歯2Aの
歯幅方向Wの中央における横断面では、その輪郭線11
1のうち歯面対応部分である歯面対応輪郭線が、前記各
歯2Aの歯厚方向Tの外側に向けて膨らむ凸形状部11
2になっている。輪郭線111のうち歯先対応輪郭線1
13は、前記輪郭線11の歯先対応輪郭線13よりも若
干大きな曲率で歯丈方向内側に、すなわち図1〜図4に
あっては下方に向けて凹んでいる。歯付きベルトA1の
各歯における歯幅方向Wの中央を除く箇所おいて、少な
くとも歯幅方向における両端面9,9では、それらの輪
郭線11,11のうち歯面対応輪郭線12,12が、歯
厚方向Tの内側に向けて窪む凹形状になっている。この
実施の形態では、前記両端面9,9を起点としてそれら
両端側から前記歯幅方向Wにおける中央に向けて所望の
範囲に亘り、連続して同一の横断面形状になっている。
すなわち、歯幅方向Wにおける両端面9,9以外の箇所
であっても前記中央を除いた箇所であれば、その横断面
輪郭線の形状が前記端面9,9の輪郭線11,11と同
じになっている。この連続する同一の横断面形状の範囲
を歯2Aの歯幅方向Wにおいてどの位の範囲に亘って形
成するかは、各歯2Aに作用する外力の大きさで決ま
る。なお、歯付きベルトA1の歯2Aの少なくとも両端
面9,9を前記のように起点としたのは、これら両端面
9,9は自由端であり、外力に対して拘束されないの
で、歯付きベルトA1の各歯2Aの歯幅方向Wにおける
両端面以外の部位と比較して、当然剛性は低いからであ
る。前記横断面輪郭線11のうち凹形状の歯面対応輪郭
線12は、歯付きベルトA1の各歯2Aに外力が加わっ
た場合に各歯2Aにおける応力度が均等になり得るよう
なn次方程式から求められる。この実施の形態では次の
二次曲線を示す方程式(1)から求めたものを示す(図
2参照)。 hx=(h0/b0 2)・bx 2…………………………………………(1) 但し、 h0:歯丈 具体的には(1)式で得られる横断面輪郭線11のうち
凹形状歯面対応輪郭線12(以下特に断わらない限り、
凹形状歯面対応輪郭線12のことを「稜線12」とい
う。)の始端12aから終端12bまでの高さであり、
予め与えられている数値である(図4参照)。そして、
始端12aを通り歯溝14における中心線Lに対して直
角な細線17が歯元位置を示し、終端12bを通り、細
線17に対して平行な細線19が歯2Aの歯先位置を示
すものとする。なお、以降、細線17を「歯元線17」
といい、細線19を「歯先線19」という。これら歯元
線17および歯先線19は、それぞれ歯2Aの歯幅方向
中央を除く部分の歯元線および歯先線であって、それぞ
れ歯2Aの後述の歯幅方向中央における歯元線117お
よび歯先線119と区別する。 hx:歯元線17から垂直なある位置までの高さを示
し、稜線12を形成するための連続変数 b0:始端12aから直立し中心線Lに対して平行な垂
線v1と歯先線19との交点21と、終端12aとの間
の距離であって、予め与えられている数値 bx:高さhxにおける、垂線v1と稜線12との間の距
離 一方、歯幅方向Wの中央とは、図1のIII−III線
で示す箇所だけを指すのでなく、そこを中心として歯幅
方向Wの外側(両側)に広がる部分を含み、その部分の
横断面輪郭線のうち歯面対応輪郭線が前記(1)式では
示されない部分をいう。具体的に述べれば、図1に示す
ように、III−III線を含んだベルトの長手方向に
延びる帯状域Bをいう。そして、この歯幅方向Wの中央
の横断面輪郭線111(図3参照)のうち、歯面対応輪
郭線である凸形状部112も次の二次曲線を示す方程式
(2)から求められる。 hx’=−k(bx’−b0’)2+h0’………………………………(2 ) 但し、 h0’:歯丈 具体的には(2)式で得られる横断面輪郭線111のう
ち凸形状歯面対応輪郭線112(以下特に断わらない限
り、凸形状歯面対応部分112のことを「稜線112」
という。)の始端112aから終端112bまでの高さ
であり、予め与えられている数値である(図3参照)。
そして、始端112aを通り歯2Aの中心線L’に対し
て直角な細線117が歯元位置を示し、終端112bを
通り、細線117に対して平行な細線119が歯2Aの
歯先位置を示すものとする。以後、細線117を「歯元
線117」といい、細線119を「歯先線119」とい
う。これら歯元線117および歯先線119は、それぞ
れ歯2Aの歯幅方向中央部分の歯元線および歯先線であ
って、歯2Aの前述の歯幅方中央を除く部分の歯元線1
7および歯先線19と区別する。 hx’:歯元線117から垂直なある位置までの高さを
示し、稜線112を形成するための連続変数。 k :定数 bx’:高さhx’における、中心線L’と稜線112と
の間の距離 b0’:歯元における、中心線L’と稜線112との間
の距離であって、予め与えられている値 〈歯付きベルト用プーリ〉図7に示すように、歯付きベ
ルト用プーリ10は、その各歯22の歯幅方向Wにおけ
る少なくとも両端面29,29では、これら端面29,
29の各輪郭線31のうち歯面対応部分である歯面対応
輪郭線32が、前記歯付きベルトA1の各歯2Aにおけ
る前記端面輪郭線11の凹形状歯面対応輪郭線(稜線)
12と完全に合致するように、各歯22の歯厚方向Tの
外側に向けて膨らむ凸形状になっている。なお、歯面対
応輪郭線32のことを歯付きベルトA1の場合と同様、
以後、稜線32という。また、図8および図9に示すよ
うに、歯付きベルト用プーリ10の歯先22aは、歯厚
方向Tにおける寸法がゼロである。歯付きベルト用プー
リ10の各歯22における、歯幅方向Wの中央を除く箇
所において、少なくとも歯幅方向における両端面29,
29では、それらの輪郭線31,31の稜線32,32
が、歯厚方向Tの外側に向けて膨らむ凸形状になってい
る。この実施の形態では、前記両端面29,29を起点
としてそれら両側から前記歯幅方向Wにおける中央に向
けて所望の範囲に亘り、連続した同一の横断面形状にな
っている。すなわち、歯幅方向Wにおける両端面29,
29以外の箇所であってもその横断面輪郭線の形状を前
記端面29,29の輪郭線31,31と同じになってい
る。この連続する同一の横断面形状の範囲を歯22の歯
幅方向Wにおいてどの位の範囲に亘って形成するかは、
歯付きベルトA1の歯2Aの歯幅方向Wに設けられる前
記所望の連続した範囲の大きさに応じて決まる。歯付き
ベルト用プーリ10の歯幅方向Wにおける任意の箇所の
稜線32と、歯付きベルトA1の歯幅方向Wにおける任
意の箇所の稜線12とは、合致するので、歯付きベルト
用プーリ10の稜線32も前記(1)式で求めることが
できる。また、図10および図3からわかるように、歯
付きベルト用プーリ10の各歯22の歯幅方向Wにおけ
る中央横断面輪郭線131のうち歯面対応輪郭線(稜
線)132が歯付きベルトA1の各歯2Aにおける中央
横断面輪郭線111の凹形状歯面対応部分(稜線)11
2と合致する凹形状になっている。歯付きベルト用プー
リ10にあっても、その歯幅方向Wの中央とは、図7の
X−X線で示す箇所だけでなく、そこを中心として歯幅
方向Wの外側(両側)に広がる部分を含み、その部分の
横断面輪郭線のうち歯面対応輪郭線が前記(1)式では
示されない部分をいう。具体的に述べれば、図7に示す
ように、X−X線を含んだ歯付きベルト用プーリ10の
円周方向に延びる帯状域Bをいう。歯付きベルト用プー
リ10の帯状域Bは、歯付きベルトA1の帯状域Bと完
全に合致する。したがって、図10に示すように、帯状
域Bにあっては、その横断面輪郭線131のうち、歯面
対応輪郭線である稜線132も前記(2)式から求めら
れる。なお、符号34で示すのは、歯22同士の間に位
置する歯溝である。 <実施形態の作用効果>次に、このような歯付きベルト
による回転運動伝達装置の作用効果について説明する。
本発明に係る歯付きベルトによる回転運動伝達装置で
は、まず、歯付きベルトA1の各歯2Aの形状が、歯幅
方向Wにおける両端面9,9を起点としてそれら両端側
から前記歯幅方向Wにおける中央に向けて所望の範囲に
亘り、連続して同一の横断面形状になっており、この所
望の範囲における横断面輪郭線11のうち歯面対応部分
(歯面対応輪郭線)である稜線12が、歯厚方向Tの内
側に向けて窪む凹形状とされている。また、歯付きベル
トの歯幅方向Wの中央における横断面では、その横断面
輪郭線111のうち歯面対応部分(歯面対応輪郭線)で
ある稜線112が歯厚方向Tの外側に向けて膨らむ凸形
状である。また、本発明の歯付きベルトによる回転運動
伝達装置では、その歯付きベルト用プーリ10の各歯2
2の形状が、各歯22の歯幅方向Wにおける両端面2
9,29を起点としてそれら両側から前記歯幅方向Wに
おける中央に向けて前記ベルト歯における(1)式で示
される歯面対応輪郭線が形成される範囲において連続し
た同一の横断面形状になっている。そして、各歯22の
歯幅方向Wにおける中央横断面の輪郭線131のうち歯
面対応輪郭線(稜線)132が、歯付きベルトA1の各
歯2Aにおける中央横断面輪郭線111の凸形状歯面対
応部分112と合致する凹形状である。要は、歯付きベ
ルトの各歯が、その幅方向において、少なくとも両端面
における輪郭線の形状と、各歯の中央横断面の輪郭線の
形状とを違えて、前者にあっては歯付きベルトの各歯に
生じる応力度を低減させ得るような形状になっていると
ともに、後者にあっては、本発明を内燃機関のバルブ開
閉機構に適用した場合に、吸排気バルブを適切な時期に
開閉するような形状になっていればよく、このような歯
を有する歯付きベルトの歯と合致する歯を歯付きベルト
用プーリにも備えてあればよい。以上より、本発明に係
る歯付きベルトによる回転運動伝達装置では、第1に、
歯付きベルトA1の歯2Aの歯付きベルト用プーリ10
の歯22との接触面積が増加するため、歯付きベルトの
単位面積あたりに掛かる圧力、すなわち応力度が低下す
る。したがって、金属でできている歯付きベルト用プー
リ10と比べ、ゴムまたはポリウレタン等からできてお
り剛性上比較にならない歯付きベルトA1ではあるが、
その歯欠け防止には極めて有効であるといえる。第2
に、本発明に係る歯付きベルトによる回転運動伝達装置
では、これを内燃機関のバルブ開閉機構のタイミングベ
ルトとして用いれば、回転運動の伝達を正確に行えるの
で、吸排気バルブを適切な時期に開閉すること、すなわ
ち厳密な同期を期待できる。なお、この実施の形態で
は、歯先対応部分13および歯先対応部分113は、あ
る曲率をもって下方に凹んでいるが、その形状は、特に
こだわらない。ある曲率をもって上方に膨らんでいても
また平坦であってもよい。また、歯付きベルト用プーリ
10の歯先22a(図8および図9参照)は、歯厚方向
Tにおける寸法がゼロであるので、歯付きベルトA1の
ジャンピング(いわゆる歯飛び)時に、歯付きベルト用
プーリ10の歯先22aが歯付きベルトA1の歯元への
食い込みを有効に防止できる。
【発明の効果】以上説明したように、本発明の歯付きベ
ルトによる回転運動伝達装置によれば、歯付きベルトの
各歯が、その幅方向において、少なくとも両端面におけ
る輪郭線の形状と、各歯の中央横断面の輪郭線の形状と
を違えて、前者にあっては歯付きベルトの各歯に生じる
応力度を低減させ得るような形状になっているととも
に、後者にあっては、本発明を内燃機関のバルブ開閉機
構に適用した場合に、吸排気バルブを適切な時期に開閉
するような形状になっており、またこのような歯を有す
る歯付きベルトの歯と合致する歯を歯付きベルト用プー
リにも備えたので、高負荷が歯付きベルトに掛かって
も、その歯欠けを十分防止できるとともに回転運動の伝
達を正確にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】・・・本発明に係る歯付きベルトによる回転運
動伝達装置の構成部材の一つである歯付きベルトの部分
斜視図
【図2】・・・図1の矢印II方向から見た図
【図3】・・・図1のIII−III線を含む仮想平面
で切った断面図であるが便宜上断面線を省略した図
【図4】・・・図1のIV−IV線を含む仮想平面で切
った断面図であるが、便宜上断面線を省略した図
【図5】・・・図1の矢印V方向から見た図
【図6】・・・本発明に係る歯付きベルトによる回転運
動伝達装置の構成部材の一つである歯付きベルト用プー
リの正面図
【図7】・・・図6の領域VII部分の斜視図
【図8】・・・図7の矢印VIII方向から見た図
【図9】・・・図7のIX−IX線を含む仮想平面で切
った断面図
【図10】・・・図7のX−X線を含む仮想平面で切っ
た断面図
【図11】・・・従来技術を説明するための図
【符号の説明】
符号なし…歯付きベルトによる回転運動伝達装置 A1…歯付きベルト 2A…歯付きベルトA1の歯 9…歯2Aの端面 10…歯付きベルト用プーリ 11…端面9の輪郭線 12…輪郭線11の歯面対応輪郭線(凹形状部) 12a…稜線12の始端 12b…稜線12の終端 13…輪郭線11のうち歯先対応輪郭線 14…歯付きベルト1Aの歯溝 15…歯2Aの歯面 17…歯2Aの歯幅方向中央を除く部分の歯元線 19…歯2Aの歯幅方向中央を除く部分の歯先線 22…歯付きベルト用プーリ10の歯 29…歯22の端面 31…端面29の輪郭線 32…輪郭線31の歯面対応輪郭線(凸形状部) 34…歯付きベルト用プーリ10の歯溝 35…歯22の歯面 111…歯2Aの歯幅方向中央横断面の輪郭線 112…輪郭線111の歯面対応輪郭線(凸形状部) 112a…稜線112の始端 112b…稜線112の終端 113…輪郭線111の歯先対応部分 117…歯2Aの歯幅方向中央における歯元線 119…歯2Aの歯幅方向中央における歯先線 131…歯幅方向Wにおける中央横断面の輪郭線 132…輪郭線131のうち歯面対応部分(稜線) B…歯付きベルト1Aおよび歯付きベルトプーリ10の
帯状域 W…歯付きベルト1Aおよび歯付きベルト用プーリ10
の歯幅方向 T…歯2Aおよび歯22の歯厚方向 h0…歯2Aの歯丈 L…歯溝14の中心線 hx…稜線12におけるある位置までの歯元線17から
の高さ b0…垂線v1と歯先線19との交点21と、稜線の終端
12aとの間の距離 bx…高さhxにおける垂線v1と稜線12との間の距離 h0’:歯丈 L’…歯2Aの中心線 hx’…稜線112におけるある位置までの歯元線11
7からの高さ k…定数 bx'…高さhx’における中心線L’と稜線112との
間の距離 b0’…歯元における中心線L’と稜線112との間の
距離

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 歯付きベルトと、この歯付きベルトと噛
    み合う歯付きベルト用プーリとを有する歯付きベルトに
    よる回転運動伝達装置であって、 前記歯付きベルトは、その各歯が前記プーリの各歯と噛
    合する歯面を有し、前記ベルト各歯の歯幅方向における
    少なくとも両端面にあってはその歯面対応輪郭線が、前
    記ベルト各歯の歯厚方向内側に窪む凹形状部になってい
    るとともに、前記歯幅方向中央における横断面の歯面対
    応輪郭線が前記歯厚方向外側に向けて膨らむ凸形状部に
    され、 前記歯付きベルト用プーリは、その各歯が前記ベルト各
    歯と噛合する歯面を有し、前記プーリ各歯の歯幅方向に
    おける少なくとも両端面にあっては、その歯面対応輪郭
    線が、前記ベルト各歯の前記凹形状部と合致する凸形状
    部になっているとともに、前記プーリ各歯の歯幅方向中
    央における横断面の歯面対応輪郭線が前記ベルト各歯の
    前記凸形状部と合致する凹形状部になっていることを特
    徴とする歯付きベルトによる回転運動伝達装置。
JP12131797A 1997-05-12 1997-05-12 歯付きベルトによる回転運動伝達装置 Pending JPH10311390A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008540289A (ja) * 2005-05-05 2008-11-20 オーチス エレベータ カンパニー 歯付ベルトを備えた手摺用ポジティブリニア駆動装置
US10716912B2 (en) 2015-03-31 2020-07-21 Fisher & Paykel Healthcare Limited User interface and system for supplying gases to an airway
US11324908B2 (en) 2016-08-11 2022-05-10 Fisher & Paykel Healthcare Limited Collapsible conduit, patient interface and headgear connector

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11904097B2 (en) 2015-03-31 2024-02-20 Fisher & Paykel Healthcare Limited User interface and system for supplying gases to an airway
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