JPH10309653A - 刃先位置変位検出方法及び刃先位置変位検出機能を備えた工作機械並びに該工作機械用工具ホルダ - Google Patents

刃先位置変位検出方法及び刃先位置変位検出機能を備えた工作機械並びに該工作機械用工具ホルダ

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JPH10309653A
JPH10309653A JP11677197A JP11677197A JPH10309653A JP H10309653 A JPH10309653 A JP H10309653A JP 11677197 A JP11677197 A JP 11677197A JP 11677197 A JP11677197 A JP 11677197A JP H10309653 A JPH10309653 A JP H10309653A
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displacement
spindle
cutting edge
tip
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JP11677197A
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Yoichi Yamakawa
陽一 山川
Hiromitsu Ota
浩充 太田
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Toyoda Koki KK
Original Assignee
Toyoda Koki KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速回転中の工具の刃先位置の変位を正確に
検出すること。 【解決手段】 主軸ハウジング7に設けられ基準ブロッ
ク4との距離を測定する第1変位計29と、主軸ハウジ
ング7に設けられ主軸端面82もしくは工具ホルダ9と
の距離を測定する第2変位計30とを備え、制御装置は
第1変位計29および第2変位計30の測定値に基づき
主軸ハウジング先端71の変位および主軸ハウジング先
端71に対する主軸8の変位を演算するようにした。ま
た、第2変位計30を工具後端の軸線方向位置と工具ホ
ルダ9が工具を拘束する拘束中心の軸線方向位置とを測
定とし、この第2変位計30により測定された工具後端
の軸線方向位置と拘束中心の軸線方向位置とに基づいて
工具ホルダ9に対する工具Tの刃先位置の変位を演算
し、この演算結果に基づいて工具Tの刃先位置を補正す
るようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、回転中の工具の
刃先位置を検出する刃先位置変位検出方法及びこの方法
を実施するための刃先位置変位検出機能を備えた工作機
械並びにこの工作機械用の工具ホルダに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、加工能率を向上させるために、回
転工具を用いる工作機械においては主軸の回転が非常に
高速化されている。主軸を数万回転にもおよぶ高速で回
転させると、主軸駆動モータ等の発熱により、主軸ある
いは主軸ハウジング等が熱変形し、この影響によって工
具の先端(刃先)位置が変化する。また、遠心力の影響
により工具ホルダを把持する主軸のテーパシャンク部が
遠心膨張し工具ホルダの引き込み量が多くなり、主軸の
停止時と高速回転時では工具の先端(刃先)位置が変化
することがある。このため、回転中の工具の刃先位置を
正確に把握することが望まれている。しかし、工具は高
速で回転しており、しかも複雑な形状であることが多い
ので、直接工具の刃先位置を検出することは困難であ
る。このため、工具以外の他の箇所を測定することによ
り間接的に工具の刃先位置を検出する方法が試みられて
いる。この間接的に工具の刃先位置を検出する方法の一
つとして、特開平7−266192がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平7−266
192では、工具を主軸に固定するためのドローバーの
後端面と対向する位置に測定器を設け、主軸の回転前の
ドローバーの後端面の位置を測定し、主軸が所定の回転
速度に達した状態で再びドローバーの後端面の位置を測
定して、この測定結果に基づいて工具の刃先位置を算出
するようにしている。この装置では、ドローバーの後端
面の位置を測定しているため、ドローバー自体の熱変位
あるいは工具自体の熱変位による影響を受けるので、正
確な刃先位置を検出することはできない。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述した課題
を解決して回転中の工具の刃先位置の変位を正確に検出
することを目的とするものであり、請求項1に記載の刃
先位置変位検出方法は、基準位置に対する主軸ハウジン
グ先端の位置を測定するステップ、主軸ハウジング先端
の位置に対する主軸先端の位置を測定するステップ、前
記各ステップにおける測定結果に基づき基準位置に対す
る主軸ハウジング先端の変位および主軸ハウジング先端
に対する主軸先端の変位を演算するステップからなるこ
とを特徴とするものである。
【0005】請求項2に記載の刃先位置変位検出方法
は、さらに、前記各ステップを行った後、工具にて工作
物を加工するステップ、工作物の加工面に対する主軸ハ
ウジング先端の位置を測定するステップ、該ステップに
おける測定結果に基づき工具の刃先位置の変位を演算す
るステップからなることを特徴とするものである。ま
た、請求項3に記載の工作機械は、テーブル上の既知の
位置に設けられた基準ブロックと、主軸ハウジングに設
けられ基準ブロックとの距離を測定する第1変位計と、
主軸ハウジングに設けられ主軸端面もしくは工具ホルダ
との距離を測定する第2変位計とを備え、制御装置は第
1変位計および第2変位計の測定値に基づき主軸ハウジ
ング先端の変位および主軸ハウジング先端に対する主軸
の変位を演算する演算手段を備え、該演算手段の演算結
果に基づいて工具の刃先位置を補正して駆動手段を制御
することを特徴とするものである。
【0006】請求項4に記載の工作機械は、さらに、工
具は工具ホルダを介して主軸に保持され、第2変位計は
工具後端の軸線方向位置と工具ホルダが工具を拘束する
拘束中心の軸線方向位置とを測定可能であり、演算手段
は第2変位計により測定された工具後端の軸線方向位置
と拘束中心の軸線方向位置とに基づいて工具ホルダに対
する工具の刃先位置の変位を演算することを特徴とする
ものである。
【0007】また、請求項5に記載の工具ホルダは、工
具後端に付勢されて接触し少なくともその一部がチャッ
ク部から半径方向に突出して設けられた第1の被測定部
と、チャック部による工具の拘束位置の中心に軸線方向
位置が一致しチャック部外周に半径方向に突出して設け
られた第2の被測定部を備えたことを特徴とするもので
あり、請求項6に記載の工具ホルダは、さらに、チャッ
ク部はコレットチャックで構成されていることを特徴と
するものである。
【0008】そして、請求項7に記載の工作機械は、工
具ホルダは工具と該工具を把持するチャック部と主軸に
クランプされるための被クランプ部とからなり、工具後
端に付勢されて接触し少なくともその一部がチャック部
から半径方向に突出して設けられた第1の被測定部と、
チャック部による工具の拘束位置の中心に軸線方向位置
が一致しチャック部外周に半径方向に突出して設けられ
た第2の被測定部を備え、テーブル上の既知の位置の設
けられた基準ブロックと、主軸ハウジングに設けられ基
準ブロックとの距離を測定する第1変位計と、主軸ハウ
ジングに設けられ主軸端面との距離および第1の被測定
部との距離および第2の被測定部との距離を測定する第
2変位計とを備え、制御装置は第1変位計および第2変
位計の測定値に基づき主軸ハウジング先端のの変位およ
び主軸ハウジング先端に対する主軸の変位および工具ホ
ルダに対する工具の変位を演算する演算手段を備え、該
演算手段の演算結果に基づいて工具の刃先位置を補正し
て駆動手段を制御することを特徴とするものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面に基づ
いて説明する。図1は本発明に係わる工作機械の実施の
形態としてのマシニングセンタとその制御ブロックの概
略を示すものであり、ベッド1にはサドル2がY軸方向
に移動可能に設けられている。サドル2にはテーブル3
がX軸方向(図1紙面に垂直方向)に移動可能に設けら
れており、このテーブル3には工作物Wが載置される。
また、テーブル3にはその取り付け位置が既知の基準ブ
ロック4が取り付けられている。ベッド1に立設される
コラム5には主軸台6がZ軸方向に移動可能に設けられ
ており、この主軸台6には主軸ハウジング7を介して主
軸8が回転可能に支持されている。そして、主軸8には
先端に工具Tが取り付けられた工具ホルダ9が把持され
ている。10は工具マガジンであり、ATC装置11に
よって主軸8との間で工具交換が行われるようになって
いる。12、13、14はそれぞれX軸、Y軸、Z軸駆
動用のサーボモータであり、各サーボモータにはその回
転位置を検出するエンコーダ15、16、17がそれぞ
れ取り付けられている。
【0010】このマシニングセンタを制御する数値制御
装置18は、主としてCPU19とメモリ20からな
り、CPU19にはインターフェイス21を介して入力
装置22と出力装置23が接続されている。また、CP
U19にはインターフェイス24を介して、サーボモー
タ12、13、14をそれぞれ制御するデジタルサーボ
ユニット25、26、27が接続されており、エンコー
ダ15、16、17の帰還信号はこのデジタルサーボユ
ニット25、26、27にそれぞれフィードバックされ
るように構成されている。なお、インターフェイス28
からは後述する変位計29、30からの出力値が入力さ
れるようになっている。
【0011】図2から図5は主軸台6の先端部分を示す
図であり、主軸ハウジング7には主軸8が図略のベアリ
ングによって回転可能に支持されており、主軸8に設け
られたテーパ穴81には工具ホルダ9が挿入され、公知
のクランプ機構によって主軸8に工具ホルダ9がクラン
プされる。ここで、主軸ハウジング7の端面には2つの
変位計29、30が取り付けられている。第1変位計2
9は下方を向いて取り付けられており、主軸ハウジング
端面71とテーブル上に設けられた基準ブロック4との
間の距離を測定可能であり、第2変位計30はブラケッ
ト31を介して上向きに取り付けられており、主軸ハウ
ジング端面71と主軸端面82との間の変位を測定可能
である。また、第2変位計30は主軸ハウジング端面7
1と第1プレート98との間の変位、主軸ハウジング端
面71と第2プレート99との間の変位も測定可能であ
るが、この点については後述する。
【0012】各変位計29、30は静電容量型の変位
計、渦電流型変位計、エアマイクロメータ等の各種の変
位計を用いることができる。また、測定すべき距離が比
較的長くなることが考えられるが、この場合はレーザ測
長器や三角測量の原理に基づいた変位計を用いるのがよ
い。
【0013】次に、第1の実施の形態の作用について、
図2および図6に基づいて説明する。まず、主軸8を所
定の回転数で回転させた状態で、各サーボモータ15、
16、17を制御して、第1変位計29が基準ブロック
4に対向する所定の位置に主軸台6を位置決めする。そ
して、第1変位計29にて基準ブロック4までの間の距
離L1 を測定する。なお、ここで、熱膨張等の影響によ
る変位がない状態において、主軸台6がこの所定位置に
位置決めされたときの基準ブロック4までの距離を予め
測定して基準値としてメモリ20に記憶しておく。第1
変位計の出力値L1 がインターフェイス28を介してC
PU19に入力されると、CPU19はメモリ20に記
憶された基準値と比較して、変位量ΔL1 を演算する。
図6に示すように、この変位量ΔL1 は、コラム5、主
軸台6および主軸ハウジング7の熱膨張等による主軸ハ
ウジング端面71の変位量である。なお、図6におい
て、図面左半分は熱膨張等による変位がない状態を、図
面右半分は熱膨張等によって変位した状態を示してい
る。
【0014】次に、第2変位計30にて、主軸端面82
までの距離L2 を測定する。上記と同様に、熱膨張等の
影響による変位がない状態における、主軸端面82まで
の距離を予め測定して基準値としてメモリ20に記憶し
ておく。第2変位計30の出力値L2 がインターフェイ
ス28を介してCPU19に入力されると、CPU19
はメモリ20に記憶された基準値と比較して、変位量Δ
2 を演算する。図6に示すように、この変位量ΔL2
は、主軸ハウジング7に対する主軸8の変位量である。
【0015】そして、このようにして得られた、コラム
5、主軸台6および主軸ハウジング7の熱膨張等による
主軸ハウジング端面71の変位量ΔL1 と、主軸8の熱
膨張等による主軸ハウジング7に対する主軸8の変位量
ΔL2 とに基づいて、CPU19は工具刃先位置情報を
補正して実際の加工を行う。具体的には、通常、NCプ
ログラムは主軸端面を基準として記述されており、この
NCプログラムに対して使用する工具の工具長および工
具径だけオフセットさせた位置に工具を移動制御させて
いるので、この工具長オフセット値に、さらに、求めら
れた工具刃先位置の変位量を加えて工具の移動を制御す
るようにすればよい。
【0016】なお、上述の実施の形態において、第2変
位計30は主軸端面82までの距離を測定するようにし
たが、工具ホルダ9の所定の位置を測定し、これから間
接的に主軸端面82の位置を演算するようにしてもよ
い。
【0017】第1の実施の形態によれば、熱膨張等の影
響による、主軸ハウジング7の変位量および主軸8の変
位量をそれぞれ正確に検出することができるので、この
検出された変位量に基づいて、工具刃先位置を補正して
高精度な加工を行うことができる。
【0018】ここで、第1の実施の形態においては、主
軸端面82の位置は正確に検出することができるが、そ
れより先の変位、すなわち、工具ホルダ9の変位や取り
付け誤差あるいは工具Tの摩耗等の影響による工具刃先
位置の変位を知ることはできない。そこで、第2の実施
の形態として以下のようにすることができる。第1の実
施の形態と同様にして、変位量ΔL1 とΔL2 に基づい
て、工具刃先位置を補正して、工作物Wの加工を行う。
そして、加工を行ったときの工具Tの切り込み量を変化
させない状態、すなわち、Z軸を移動させない状態で、
図7に示すように、第1変位計29にて工作物Wの加工
面までの間の距離L3 を測定する。ここで、第1変位計
29の厚さをs、工具ホルダ9の長さをtとすれば、t
+Δt+ΔL2 =L3 +sの関係が成り立つ。したがっ
て、CPU19はL3 が入力されると、上記の関係に基
づいて、工具ホルダ9の変位量Δtを演算して求めるこ
とができる。そして、この変位量にΔtに基づいて、さ
らに工具刃先位置を補正して次回以降の加工を行うので
ある。
【0019】第2の実施の形態によれば、工作物Wの一
回目の加工後の表面位置を測定することにより、工具ホ
ルダ9の変位量を検出することができるので、この検出
された変位量に基づいて工具刃先位置を補正して二回目
以降の加工においてはさらに高精度な加工を行うことが
できる。
【0020】次に、第3の実施の形態について、図3か
ら図5および図8に基づいて説明するが、第3の実施の
形態において、主軸ハウジング7の変位量および主軸8
の変位量を検出の仕方については、第1の実施の形態と
同じであるので説明は省略する。第3の実施の形態にお
いては、第2の実施の形態と同様に、工具ホルダ9の変
位量、特に、工具Tの変位量を正確に検出するものであ
る。以下、詳細に説明する。
【0021】第3の実施の形態においては、工具ホルダ
9は主軸8に設けられたテーパ穴の挿入されるテーパ部
90と、ATCアームによって把持されるための円周溝
91を備えた中間部92と、その先端のチャック部93
から構成されている。チャック部93は中央にテーパ状
の空間を備えた円筒形状のチャック本体94と、このテ
ーパ形状の空間に挿入されるコレット95と、チャック
本体94の外周先端部とねじ係合するコレット押え96
とから構成されている。そして、コレット95に工具T
を挿入し、コレット押え96を締めつけることにより、
工具ホルダ9に工具Tを取り付けるようになっている。
【0022】ここで、図3に示すように、チャック本体
94には半径方向に貫通穴96が形成されており、この
貫通穴96には第1プレート98(第1の被測定部)が
挿入されている。この第1プレート98はスプリング9
7によって常に工具Tの後端面TRに当接されるてい
る。図4は図3の断面に対して主軸11を90度回転さ
せた状態の断面を示すものであり、チャック本体94に
は半径方向に突出した第2プレート99(第2の被測定
部)が固設されている。ここで、この第2プレート99
はその下面(図2において下方の面)がチャック部95
が工具Tを拘束する拘束中心位置Cに一致するように、
予めその軸線方向位置が定められている。
【0023】第2の実施の形態の作用について説明す
る。主軸8を所定の回転速度で回転させた状態で、ま
ず、第1変位計29を用いて基準ブロック4までの距離
1 を測定して、主軸ハウジング端面71の変位ΔL1
を求める。この点は第1の実施の形態と同様である。次
に、図5に示すように、第2変位計30を用いて主軸端
面82までの距離L 2 を測定するわけであるが、図3に
示される第1プレート98までの距離L5 と、図4に示
される第2プレート99までの距離L6 を同時に測定す
る。ここで、主軸8が回転しているので、第2変位計3
0の出力は主軸8の回転に同期して、図8に示すような
波形が繰り返し表れる。この波形から主軸端面82の位
置、第1プレート98の位置、第2プレート99の位置
を得るには、以下のようにすればよい。主軸端面82の
位置に対する第2変位計30の出力値と第1プレート9
8の位置に対する第2変位計30の出力値の中間程度の
値のしきい値を予め設定しておく。そして、第2変位計
30の出力値がしきい値を下まわった時から所定の時間
t1後の出力値をサンプリングする。これが第2プレート
99の位置L6 である。次に第2変位計30の出力値が
しきい値を越えた時から所定の時間t2後の出力値をサン
プリングする。これが主軸端面82の位置L2 である。
そして、第2変位計30に出力値が再びしきい値を下ま
わった時から所定の時間t3後の出力値をサンプリングす
る。これが第1プレート98の位置L5 である。このよ
うに構成すれば、一つの変位計にて、3か所の位置を測
定することが可能となる。
【0024】ここで、図9に示すように、工具Tが拘束
中心Cにてチャック部93に把持されているとすると、
工具Tの変位は拘束中心Cから上方への変位ΔTRC
と、拘束中心Cから下方への変位ΔTFCとに分けて考
えることができる。また、工具Tの熱分布が一様である
と仮定すると、熱変位は長さに比例する。そして、工具
拘束中心Cから上方への変位ΔTFCはスプリング97
によって吸収されるので、工具Tの刃先位置の変位とし
ては工具拘束中心Cから上方への変位ΔTFCを考えれ
ばよい。いま、第1変位計30により測定された第1プ
レート98の位置と第2プレート99の位置の差L5
6 は、工具拘束中心Cから工具後端TRまでの距離で
あるから、ΔTRC=(L5 −L6 )−TRCである。
したがって、予め工具Tの拘束中心Cから上端までの距
離TRCと、拘束中心Cから下端までの距離TFCを測
定しておけば、ΔTRC:ΔTFC=TRC:TRFの
関係から工具拘束中心Cから下方への変位ΔTRCを求
めることができる。
【0025】そして、このようにして得られた、コラム
5、主軸台6および主軸ハウジング7の熱膨張等による
主軸ハウジング端面71の変位量ΔL1 、主軸8の熱膨
張等による主軸ハウジング7に対する主軸8の変位量Δ
2 、工具ホルダ9に対する工具Tの変位ΔTRCに基
づいて、CPU19は工具刃先位置情報を補正して実際
の加工を行う。
【0026】第3の実施の形態によれば、工具Tの後端
の接する第1プレート98と、工具Tの拘束中心Cに位
置する第2プレート99の位置を測定することにより、
工具ホルダ9に対する工具Tの刃先位置の変位を検出す
ることができるので、これに基づいて工具Tの刃先位置
情報を補正して、高精度な加工を行うことができる。な
お、上述の各実施の形態において、各変位の測定や演
算、それに基づく刃先位置の補正は、工作物の加工に先
立って行うことは勿論であるが、経時的に変位が変わる
ことが考えられるので、所定時間毎に、あるいは所定の
加工時間毎に行うようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、回転中の工具刃先位置
を変位を、間接的に測定するにも係わらず、正確に検出
して補正することができる。また、一般的な変位計を主
軸端面に2つ設けるだけでよいので、特殊な構成や複雑
な計測装置を用いる必要がない。
【0028】さらに、主軸ハウジング先端の変位、主軸
の変位、さらには、工具ホルダあるは工具の変位をそれ
ぞれ独立して検出することができる。したがって、大幅
な変位を検出した際に信号を出力するようにすれば、例
えば、工具の折損等の各部の異常検出を行うことも可能
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】マシニングセンタとその制御ブロックの概略を
示す図である。
【図2】第1の実施の形態における主軸の先端部分を示
す図である。
【図3】第3の実施の形態における主軸の先端部分を示
す図である。
【図4】図3に対して主軸を90度回転させた状態を示
す図である。
【図5】図4に対して主軸を90度回転させた状態を示
す図である。
【図6】主軸先端の変位の状態を示す図である。
【図7】第2の実施の形態における主軸の先端部分を示
す図である。
【図8】第3の実施の形態における第2変位計の出力を
示す図である。
【図9】第3の実施の形態における工具の変位を示す図
である。
【符号の説明】
T 工具 3 テーブル 4 基準ブロック 7 主軸ハウジング 8 主軸 9 工具ホルダ 15 サーボモータ 16 サーボモータ 17 サーボモータ 18 制御装置 29 第1変位計 30 第2変位計 93 チャック部 98 第1プレート(第1の被測定部) 99 第2プレート(第2の被測定部)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸ハウジングに回転可能に支持された
    主軸に装着された工具の回転中の刃先位置の変位を検出
    する方法であって、基準位置に対する前記主軸ハウジン
    グ先端の位置を測定するステップ、前記主軸ハウジング
    先端の位置に対する前記主軸先端の位置を測定するステ
    ップ、前記各ステップにおける測定結果に基づき前記基
    準位置に対する前記主軸ハウジング先端の変位および前
    記主軸ハウジング先端に対する前記主軸先端の変位を演
    算するステップからなることを特徴とする刃先位置変位
    検出方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の刃先位置変位検出方法
    において、前記各ステップを行った後、前記工具にて工
    作物を加工するステップ、前記工作物の加工面に対する
    前記主軸ハウジング先端の位置を測定するステップ、該
    ステップにおける測定結果に基づき前記工具の刃先位置
    の変位を演算するステップからなることを特徴とする刃
    先位置変位検出方法。
  3. 【請求項3】 工作物が載置されるテーブルと、端面に
    工具を把持する主軸と、該主軸を回転可能に支持する主
    軸ハウジングと、前記テーブルと前記主軸とを相対移動
    させる駆動手段と、該駆動手段を数値制御する制御装置
    とからなる工作機械において、 前記テーブル上の既知の位置の設けられた基準ブロック
    と、前記主軸ハウジングに設けられ前記基準ブロックと
    の距離を測定する第1変位計と、前記主軸ハウジングに
    設けられ前記主軸端面もしくは工具ホルダとの距離を測
    定する第2変位計とを備え、 前記制御装置は前記第1変位計および前記第2変位計の
    測定値に基づき前記主軸ハウジング先端の変位および前
    記主軸ハウジング先端に対する前記主軸の変位を演算す
    る演算手段を備え、該演算手段の演算結果に基づいて前
    記工具の刃先位置を補正して前記駆動手段を制御するこ
    とを特徴とする刃先変位検出機能を備えた工作機械。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の刃先位置変位補正機能
    を備えた工作機械において、前記工具は工具ホルダを介
    して主軸に保持され、前記第2変位計は前記工具後端の
    軸線方向位置と前記工具ホルダが前記工具を拘束する拘
    束中心の軸線方向位置とを測定可能であり、前記演算手
    段は前記第2変位計により測定された前記工具後端の軸
    線方向位置と前記拘束中心の軸線方向位置とに基づいて
    前記工具ホルダに対する前記工具の刃先位置の変位を演
    算することを特徴とする刃先変位検出機能を備えた工作
    機械。
  5. 【請求項5】 工具と、該工具を把持するチャック部
    と、工作機械の主軸にクランプされるための被クランプ
    部とからなる工具ホルダにおいて、 前記工具後端に付勢されて接触し少なくともその一部が
    前記チャック部から半径方向に突出して設けられた第1
    の被測定部と、前記チャック部による前記工具の拘束位
    置の中心に軸線方向位置が一致し前記チャック部外周に
    半径方向に突出して設けられた第2の被測定部を備えた
    ことを特徴とする工具ホルダ。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の工具ホルダにおいて、
    前記チャック部はコレットチャックで構成されているこ
    とを特徴とする工具ホルダ。
  7. 【請求項7】 工作物が載置されるテーブルと、端面に
    工具ホルダを把持する主軸と、該主軸を回転可能に支持
    する主軸ハウジングと、前記テーブルと前記主軸とを相
    対移動させる駆動手段と、該駆動手段を数値制御する制
    御装置とからなる工作機械において、 前記工具ホルダは工具と該工具を把持するチャック部と
    前記主軸にクランプされるための被クランプ部とからな
    り、前記工具後端に付勢されて接触し少なくともその一
    部が前記チャック部から半径方向に突出して設けられた
    第1の被測定部と、前記チャック部による前記工具の拘
    束位置の中心に軸線方向位置が一致し前記チャック部外
    周に半径方向に突出して設けられた第2の被測定部を備
    え、 前記テーブル上の既知の位置の設けられた基準ブロック
    と、前記主軸ハウジングに設けられ前記基準ブロックと
    の距離を測定する第1変位計と、前記主軸ハウジングに
    設けられ前記主軸端面との距離および前記第1の被測定
    部との距離および前記第2の被測定部との距離を測定す
    る第2変位計とを備え、 前記制御装置は前記第1変位計および前記第2変位計の
    測定値に基づき前記主軸ハウジング先端のの変位および
    前記主軸ハウジング先端に対する前記主軸の変位および
    前記工具ホルダに対する前記工具の変位を演算する演算
    手段を備え、該演算手段の演算結果に基づいて前記工具
    の刃先位置を補正して前記駆動手段を制御することを特
    徴とする刃先変位検出機能を備えた工作機械。
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