JP3057218B2 - 工具刃先検出装置 - Google Patents

工具刃先検出装置

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JP3057218B2
JP3057218B2 JP6161468A JP16146894A JP3057218B2 JP 3057218 B2 JP3057218 B2 JP 3057218B2 JP 6161468 A JP6161468 A JP 6161468A JP 16146894 A JP16146894 A JP 16146894A JP 3057218 B2 JP3057218 B2 JP 3057218B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、NC工作機械に搭載さ
れ、工具刃先位置を検出して工具補正値を設定する工具
刃先検出装置に関し、詳しくは、工具刃先位置を検出す
るとともに工具剛性を検出し、切削抵抗による工具の変
形に起因する加工誤差を補正するための工具補正量を自
動生成し、その量を自動設定する機能を備えた工具刃先
検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】NC工作機械によるワークの加工におい
ては、加工の前に、工作機械に搭載された工具刃先検出
装置が、加工に用いる工具の機械原点に対する刃先位置
を検出し、基準工具を取り付けた場合の刃先位置との差
異から工具補正値を算出し、その工具補正値をNC工作
機械に設定入力することによって、加工プログラムを補
正して加工を行っている。図11は、工具補正値を設定
するためにNC旋盤に搭載された、従来の工具刃先検出
装置を示す説明図である。この工具刃先検出装置におい
ては、主軸36と直角な旋回軸心回りで回動可能なセン
サアーム17が主軸台37上に取り付けられており、セ
ンサアーム17振出し時に、センサアーム17の先端に
取り付けられたタッチセンサ38がチャック39の前面
に位置するようになっている。そして、タレット刃物台
15を移動させると、工具刃先Tpがタッチセンサ38
によって接触検知されるようになっており、このときの
工具駆動軸の位置データと、基準工具を測定子38aに
当接させたときの位置データとの相対座標値を、工具補
正値として算出し、NC旋盤装置に設定入力するように
なっている。また、寸法精度の高い加工作業を実行した
い場合には、工具補正値入力後、試切削を行い、切削後
のワークを計測して求めた誤差量を、先の工具補正値に
加え、その値を新たな工具補正値として再入力して加工
作業を実行していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】工作機械に取り付けら
れた上記従来の工具刃先位置検出装置は、機械原点に対
する工具刃先位置を精度良く検出して、工具補正値を算
出し、工作機械に設定することができる。しかしなが
ら、この工具補正値が設定入力されても、工具の刃先部
分が切削時の抵抗によって変形してしまうので、工作機
械はワークに寸法精度の高い加工をすることができなか
った。
【0004】本発明は、上記課題を解消するものであっ
て、精度良く工具刃先位置を検出するとともに、工具の
剛性と加工条件とから切削時の抵抗による工具の変形量
を推定し、その工具変形量を加味した工具補正値を算出
し、工作機械に自動設定することによって、工作機械に
寸法精度の高い加工を行わせることが可能な工具刃先検
出装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の構成は、NC旋
盤に搭載され、そのNC旋盤に取り付けられた工具の刃
先位置を検出して工具補正値を算出し、NC旋盤に設定
する工具刃先検出装置であって、刃先当接面を有する測
定子によって工具刃先との接触を検知し、接触検知信号
を出力する刃先位置接触検知部と、工具刃先を接触検知
する刃先位置計測モードおよび工具剛性を検出する刃先
剛性計測モードを実行する計測モード発生手段と、前記
接触検知信号受信時の刃先位置データを出力し、工具剛
性計測時の測定子押圧過程での軸移動量を送出する刃先
位置検出手段と、前記測定子押圧過程において工具によ
り押圧された前記測定子の変位量を検出し、変位検出信
号を出力する測定子変位量検出部と、前記測定子押圧過
程での軸移動量と前記測定子変位量検出部から検出され
た測定子変位量から工具剛性を演算する工具剛性演算部
とを設けたことにある。
【0006】また、主軸頭に回転可能に支承された主軸
に工具を取り付けて加工を行うNC工作機械に搭載さ
れ、その工作機械の主軸に取り付けられた工具の刃先位
置を検出して工具補正値を算出し、工作機械に設定する
工具刃先検出装置であって、工具刃先と刃先当接面を有
する測定子との接触を検知し、接触検知信号を出力する
刃先位置接触検知部と、工具刃先を接触検知する刃先位
置計測モードおよび工具剛性を検出する工具剛性計測モ
ードを実行する計測モード発生手段と、前記接触検知信
号受信時の刃先位置データを出力し、工具剛性計測時の
測定子押圧過程での軸移動量を送出する刃先位置検出手
段と、前記測定子押圧過程において工具により押圧され
た前記測定子の変位量を検出し、変位検出信号を出力す
る測定子変位量検出部と、前記測定子押圧過程での軸移
動量と前記測定子変位量検出部から検出された測定子変
位量から工具剛性を演算する刃先剛性演算部とを設けた
ことにある。
【0007】
【作用】測定子の刃先当接面に工具の刃先が当接させら
れ、機械原点に対する工具刃先位置が検出された後、そ
の状態で、さらに工具の刃先が刃先当接面に押し付けら
れて測定子が変位させられる。そして、このときの測定
子変位量および軸移動量が検出され、これらの値と予め
求めておいた測定子の剛性から、工具の剛性が算出され
る。さらに工具剛性と加工条件から切削時の抵抗が推定
され、切削時の抵抗により生じる工具の変形量が算出さ
れる。そして、その変形量を補償する工具補正値が算出
され、その補正値が工作機械に設定入力される。従っ
て、工具刃先検出装置が搭載された工作機械は、その変
形量が考慮された補正値を補正するように作動するの
で、工具の変形による加工誤差の低減された寸法精度の
高い加工を行うことができる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳
細に説明する。 [実施例1]図1は、本発明によるNC旋盤の工具刃先
位置検出装置の基本的な構成を示すブロック図である。
工具刃先位置検出装置は、サーボモータ14により駆動
する工具Tの工具刃先Tpと測定子Sの刃先当接面16
とが接触すると接触検知信号を出力する刃先位置接触検
知部1と、接触検知後、工具Tにより押圧された測定子
Sの変位量を検出し、同時に変位検出信号を出力する測
定子変位量検出部4と、計測プログラムにおいて刃先位
置計測時の刃先位置計測モードおよび工具剛性計測時の
工具剛性計測モードを実行する計測モード発生手段2
と、刃先位置接触検知部1から出力された接触検知信号
と測定子変位量検出部4から出力された変位検出信号と
を受信すると信号受信時の軸位置データを検出する刃先
位置検出手段3と、工具剛性計測時の測定子押圧過程に
おいて検出された測定子変位量と軸移動量および予め検
定された測定子の剛性から工具剛性を演算する刃先剛性
演算部5と、刃先位置計測モードおよび工具剛性計測モ
ードに対応した位置指令を出力する関数発生装置6と、
位置検出器13による現在位置データをフィードバック
しながら、工具刃先Tpが指令通りに位置決めされるよ
うにサーボモータ14を制御する位置制御装置7と、入
力インタフェース8から入力された加工条件を記憶する
加工条件メモリ部9と、加工条件メモリ部9から読出さ
れた加工条件から切削背分力を推定する切削背分力演算
部10と、切削時の切削背分力によって生じる工具の変
形量を工具剛性から算出する工具変形量演算部11と、
工具刃先Tpと測定子Sの接触時の刃先位置データと切
削背分力による工具変形量とから工具補正値を生成する
工具補正値生成部12とを備えている。
【0009】刃先位置検出手段3は、接触検知信号受信
時の位置データを位置検出器13から検出するととも
に、第1の位置データとして一旦記憶し、次に変位検出
信号受信時の位置データを第2の位置データとして検出
し、刃先接触から測定子押圧終了までの測定子押圧過程
における軸移動量を、第1の位置データと第2の位置デ
ータの差から求めて出力し、第1の位置データから刃先
位置データを求めて出力する。工具補正値生成部12
は、刃先位置検出手段3により検出された工具刃先Tp
と測定子Sの当接時の刃先位置データと、基準工具の刃
先位置データとの相対座標を求め、測定対象工具と基準
工具の両者の測定子当接時の機械原点に対する工具刃先
位置が一致するように、測定対象工具の仮の工具補正値
を決定し、さらに切削時の背分力による刃先変形量を仮
の工具補正値に加えることにより、真の工具補正値を生
成する。なお、図2はセンサアーム17上に取り付けら
れた工具刃先検出装置の測定子Sに、工具刃先Tpを接
近させた状態を示している。
【0010】次に、切削背分力によって生じる工具刃先
変形量の算出手順について説明する。図3は、工具Tの
工具刃先TpをX軸プラス方向(図3の矢印の方向)か
ら測定子Sに当接させた状態と、測定子Sを押圧した状
態を表す説明図である。測定子接触時の位置データをX
1 、測定子押圧後の位置データをX2 とすると、測定子
押圧過程における軸移動量Xt は次の数式により求めら
れる。
【数1】Xt =X2 −X1 このときの測定子Sの変位量をe、予め検定された測定
子の剛性をKs とすると、工具刃先剛性Kt は、次の数
式により求められる。
【数2】Kt =Ks ・e/Xt そして、切削背分力によって生じる工具刃先変形量δ
は、数2で得られた工具刃先剛性Kt と切削背分力Fp
とを用いて、次の数式により求められる。
【数3】δ=Fp /Kt 切削背分力は、入力インタフェース8から下の表1のデ
ータを入力し、三次元切削を幅の狭い二次元切削の集積
とみなして単純化することによって推定することができ
る。
【表1】
【0011】また、刃先位置接触検知部1および測定子
変位量検出部4の縦断面、横断面をそれぞれ図4、図5
に示す。なお、図6は測定子変位量検出部4の拡大説明
図である。軸19は、ボール軸受20a、20bを介
し、ハウジング30に対して、測定子S、可動子21と
ともに回転自在に装着されている。測定子Sは直方体形
状を有しており、各種工具の刃先検出に対応可能なよう
に、各側面の片端に、軸19の中心から所定距離を隔て
て、刃先当接面16が設けられている。また、両端をス
トッパ23と可動子21に係止させるように軸19下端
の外周に巻装したコイルバネ22によって、可動子21
が、第1の接点24aと第2の接点24bとの接点を閉
じるように付勢されている。
【0012】次に、刃先位置接触検知部1および測定子
変位量検出部4の作動について説明する。刃先位置計測
モードにおいては、タレット刃物台15に取り付けられ
た工具Tの刃先Tpが測定子Sに当接すると、ねじりコ
イルバネ22の付勢力に抗して測定子Sが微小量回転
し、測定子Sと軸19を介して一体の可動子21が回転
する。可動子21が回転することにより、ねじりコイル
バネ22の付勢で第2の接点24bに当接していた第1
の接点24aが引き離され、接点が開かれる。検知スイ
ッチ25は接点が開かれたことを検知すると、接触検知
信号を発信する。続いて刃先剛性計測モードが実行さ
れ、可動子21の回転し、工具刃先Tpの接触検知が行
われると同時に、軸19に対して第1の接点24aと対
称な位置に取り付けられたピストン26により、支軸2
7と一体になった揺動子28が支軸27を中心として揺
動回転する。
【0013】揺動子28がピストン26の押付け力によ
り揺動回転することにより、支軸27にねじりモーメン
トが印加され、支軸27は、ねじれ角を生じると同時に
表面にせん断ひずみを生じるが、このせん断ひずみを、
支軸27下端の軸表面上に、軸方向に対して45゜、−
45゜の方向に接着した4枚のひずみゲージ29によっ
て検出して、支軸27のねじれ角を求める。そして、予
め検定しておいた支軸27のひずみ量と測定子Sの変位
量との関係から、このねじれ角を測定子Sの変位量に変
換する。測定子変位量検出部4では、測定子変位量が設
定値を超えた量を検出すると、計測モード発生手段2に
対して変位検出信号が出力され、工具刃先Tpが測定子
Sを押圧した状態でタレット刃物台15の停止命令が実
行される。このとき、最終的な測定子変位量が検出され
る。
【0014】また、可動子21と揺動子28との間に
は、ストッパ23が設けられており、測定子当接面16
が工具刃先Tpによって過大な押付け力を受けた場合で
も、ストッパ23が可動子21を係止して、ピストン2
6の揺動子28へのストロークを一定量以下に抑えるの
で、支軸27には過大なねじりモーメントが印加され
ず、支軸27に取り付けられたせん断ひずみ検出部が損
傷することはない。
【0015】測定子変位量が検出された後、タレット刃
物台15が退避されると、ねじりコイルバネ22の付勢
力によって第1の接点24aと第2の接点24bとが当
接した初期の状態へ復元される。なお、可動子21は、
ねじりコイルバネ22によって付勢されているので、工
具刃先Tpの押付け以外の振動等の外力によって、誤っ
て工具刃先検知信号が出力されることがない。
【0016】刃先位置接触検知部1および測定子変位量
検出部4においては、支点である軸19の中心から押圧
を受ける刃先当接面16の力点までの長さに比べ、軸1
9の中心から可動子21上の第1の接点24a、および
軸19の中心からピストン26までの長さが十分に長い
ので、力点に対する変位が僅かなものであっても大きく
増幅される。従って、工具刃先接触検知、測定子変位量
検出の応答性、検出精度はきわめて高い。また、測定子
変位量検出部4では、ボール軸受20a、20bおよび
支軸27からなる測定子Sの支持部の剛性が、検出対象
である工具刃先剛性よりも十分高くなるように構成され
ているため、工具刃先剛性が高精度に検出される。
【0017】次に、上記の工具刃先検出装置の動作手順
を図7に示すフローチャートによって説明する。ステッ
プS1によって、工具Tの刃先検出動作を開始し、主軸
台33内の退避位置に位置しているセンサアーム17
を、チャック35前面の検出位置まで回動させる。そし
てステップS2によって、タレット刃物台15を微小速
度で移動し、工具刃先Tpを測定子Sの刃先当接面16
に接触させる。そして、ステップS3によって、計測モ
ード発生手段2が刃先位置接触検知部1から接触検知信
号を受信すると、タレット刃物台15の動作を一時停止
し、ステップS4によって、タレット刃物台15停止時
の位置データを検出し、第1の位置データとして記憶す
る。
【0018】次いで、ステップS5によって、再度タレ
ット刃物台15を微小速度で移動させ、工具刃先Tpに
より刃先当接面16を押圧し、測定子Sを微小量だけ変
位させ、ステップS6によって、測定子変位量検出部4
で測定子Sの変位量を検出し、続くステップS7によっ
て、その測定子変位量を、予め設定された設定値と比較
する。このとき、測定子変位量が設定値を超えていなけ
れば、工具Tの押圧を続行する。また、設定値を超えて
いる場合には、測定子変位量検出部4が、計測モード発
生手段2と刃先位置検出手段3に対して変位検出信号を
出力した後、ステップS8以降を続行する。そして、ス
テップS8では、計測モード発生手段2によってタレッ
ト刃物台15の停止命令を実行し、ステップS9によっ
て、タレット刃物台15の停止後の最終的な測定子Sの
変位量を検出する。
【0019】ステップS10では、変位検出信号を受信
した刃先位置検出手段3によって、タレット刃物台15
停止後の第2の位置データを検出し、第1の位置データ
と第2の位置データの差から測定子押圧過程における軸
移動量を算出し、続くステップS11によって、測定子
押圧過程での測定子変位量と軸移動量、および予め検定
しておいた測定子Sの剛性から、工具Tの刃先剛性を算
出する。そして、ステップS12によって、入力インタ
フェース8から工具使用の際の加工条件を入力し、ステ
ップS13によって、加工条件から切削時の背分力を推
定し、ステップS14によって、工具刃先剛性と切削時
の背分力から切込み方向への工具刃先変形量を演算す
る。そして、ステップS15によって、刃先位置検出手
段3から出力された工具刃先Tpと測定子Sの接触時の
刃先位置データから、基準工具の機械原点に対する工具
刃先位置と一致するように仮の工具補正値を生成し、さ
らに切削背分力による工具刃先変形量を加味した真の工
具補正量を生成し設定する。続くステップS16によっ
て、タレット刃物台15を退避させ、ステップS17に
よって、センサアーム17を主軸台33内の退避位置に
移動して動作を終了する。
【0020】本実施例では、測定子変位量検出部4は、
刃先剛性計測モードにおいて、工具刃先Tpと測定子S
とを接触させた後に、さらに工具刃先Tpを微小量移動
させて測定子Sを押圧させたときの測定子Sの変位量を
検出するように構成されているが、測定子変位量検出部
4のアライメント誤差による測定子変位量の検出誤差を
排除するために、工具刃先Tpを測定子Sに当接させた
後に、一旦、測定子Sをほんの僅か押圧したときの変位
量と、その後さらに押圧したときの変位量との差分を、
測定子変位量として検出するように構成することもでき
る。なお、本実施例では、鋭角な刃先面を有する一般的
な工具が取り付けられている場合を図示してあるが、本
発明の工具刃先検出装置は、工作機械に、突切りバイ
ト、又は前後横方向に加工可能なバイト(例えば京セラ
株式会社製カットグリップ)のように駆動軸に平行な刃
先を有する工具を取り付けた場合でも、同様の効果を発
現させることができる。
【0021】[実施例2]図8は、マシニングセンタに
搭載した工具刃先検出装置の基本的な構成を示すブロッ
ク図である。図8において、実施例1の工具刃先検出装
置の構成要素と同一の構成要素については、同じ符号を
付してある。なお、実施例1の構成要素と同一の構成要
素については、作用に差異がないため説明を省略する。
主軸頭32には主軸33が回転可能に支承されており、
主軸33の先端には図示しないホルダを介して工具34
が保持されている。実施例1の工具刃先検出装置(図
1)との相違点は、切削背分力演算部の代わりに、加工
条件メモリ部9から読み出された加工条件から切削抵抗
の切削送り分力を推定する切削送り分力演算部35が設
けられている点である。すなわち、工具補正値生成部1
2は、工具刃先Tpと測定子Sの接触時の刃先位置デー
タと、切削送り分力演算部35により求められる切削送
り分力による工具変形量とから、工具補正値を生成する
ように構成されている。
【0022】次に、実施例2における切削時の抵抗によ
って生じる工具変形量の算出手順について説明する。図
9は、工具TをX軸プラス方向(図3の矢印の方向)か
ら測定子Sに当接させた状態と、測定子Sを押圧した状
態を表す説明図である。第1の実施例と同様に測定子接
触時の位置データをX1 、測定子押圧後の位置データを
X2 とすると、測定子押圧過程における軸移動量Xt は
次の数式により求められる。
【数4】Xt =X2 −X1 このときの測定子Sの変位量をe、予め検定された測定
子の剛性をKs とすると、工具剛性Kt は、次の数式に
より求められる。
【数5】Kt =Ks ・e/Xt そして、数5で得られた工具刃先剛性Kt と切削抵抗の
送り分力Fp から、切削によって生じる工具刃先変形量
δは、次の数式により求められる。
【数6】δ=Fp /Kt
【0023】図10は工具刃先をZ軸プラス方向から測
定子に当接させた状態を示しており、このときの工具剛
性Ktは次式により求められる。
【数7】Kt=Ks・e/Zt
【0024】以上、実施例1及び実施例2により、旋盤
及びマシニングセンタに搭載した工具刃先検出装置につ
いて説明したが、本発明の工具刃先検出装置はこれらの
工作機械に限定されるものではなく、ボール盤、中ぐり
盤等、NC工作機械全般に広く搭載可能であることは言
うまでもない。また、旋盤における背分力やマシニング
センタにおける送り分力による工具変形量を考慮した工
具補正値の算出以外に、主分力等による工具変形量を考
慮した工具補正値も、同様に算出することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明の工具刃先検出装置によれば、作
業中の工具変形量を予測した工具補正値を自動で設定入
力できるので、従来のように、一旦、工具補正値を設定
した後に試切削を行って再度工具補正値を入れ直す手間
や時間をかける必要がないばかりでなく、工作機械にき
わめて高い寸法精度で加工をさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の工具刃先検出装置の基本的な構成を
示すブロック図である。
【図2】実施例1の工具刃先検出装置の測定子に工具刃
先を接近させた状態を示す説明図である。
【図3】実施例1の工具刃先検出装置の測定子に工具刃
先を当接させた状態と、測定子を工具刃先によって押圧
した状態を示す説明図である。
【図4】実施例1の工具刃先検出装置の刃先位置接触検
知部および測定子変位量検出部の一部を切り欠いた状態
を示す部分縦断面説明図である。
【図5】図4のA−A線の断面説明図である。
【図6】実施例1の工具刃先検出装置の測定子変位量検
出部の拡大説明図である。
【図7】実施例1の工具刃先検出装置の動作手順を示す
フローチャートである。
【図8】実施例2の工具刃先検出装置の基本的な構成を
示すブロック図である。
【図9】実施例2の工具刃先検出装置の測定子に工具刃
先を当接させた状態と、測定子を工具刃先によって押圧
した状態を示す説明図である。
【図10】実施例2の工具刃先検出装置の測定子に工具
刃先をZ軸プラス方向から当接させた状態を示す説明図
である。
【図11】従来の工具刃先検出装置を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1・・刃先位置接触検知部、2・・計測モード発生手
段、3・・刃先位置検出手段、4・・測定子変位量検出
部、5・・刃先剛性演算部、6・・関数発生装置、7・
・位置制御装置、8・・入力インタフェース、9・・加
工条件メモリ部、10・・切削背分力演算部、11・・
刃先変形量演算部、12・・工具補正値生成部、13・
・位置検出器、14・・サーボモータ、15・・タレッ
ト刃物台、16・・刃先当接面、17・・センサアー
ム、18・・刃物台駆動軸、19・・軸、20a、20
b・・ボール軸受、21・・可動子、22・・ねじりコ
イルバネ、23・・ストッパ、24a・・第1の接点、
24b・・第2の接点、25・・検知スイッチ、26・
・ピストン、27・・支軸、28・・揺動子、29・・
ひずみゲージ、30・・ハウジング、31・・検知スイ
ッチ取付け部、32・・主軸頭、33・・主軸、34・
・工具、35・・切削送り分力演算部、e・・測定子変
位量、Ks ・・測定子剛性、Kt ・・工具刃先剛性、S
・・測定子、T・・工具、Tp・・工具刃先、X1 ・・
測定子接触時の位置データ、X2 ・・測定子押圧後の位
置データ、Xt ・・測定子押圧における軸移動量、δ・
・工具刃先変形量。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 15/18 B23Q 17/00 B23Q 17/22

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NC旋盤に搭載され、そのNC旋盤の刃
    物台に取り付けられた工具の刃先位置を検出して工具補
    正値を算出し、NC旋盤に設定する工具刃先検出装置で
    あって、 刃先当接面を有する測定子によって工具刃先との接触を
    検知し、接触検知信号を出力する刃先位置接触検知部
    と、 工具刃先を接触検知する刃先位置計測モードおよび工具
    剛性を検出する工具剛性計測モードを実行する計測モー
    ド発生手段と、 前記接触検知信号受信時の刃先位置データを出力し、工
    具剛性計測時の測定子押圧過程での軸移動量を送出する
    刃先位置検出手段と、 前記測定子押圧過程において工具により押圧された前記
    測定子の変位量を検出し、変位検出信号を出力する測定
    子変位量検出部と、 前記測定子押圧過程での軸移動量と前記測定子変位量検
    出部から検出された測定子変位量から工具剛性を演算す
    る刃先剛性演算部とを設けたことを特徴とする工具刃先
    検出装置。
  2. 【請求項2】 主軸頭に回転可能に支承された主軸に工
    具を取り付けて加工を行うNC工作機械に搭載され、そ
    のNC工作機械の主軸に取り付けられた工具の刃先位置
    を検出して工具補正値を算出し、NC工作機械に設定す
    る工具刃先検出装置であって、 工具刃先と刃先当接面を有する測定子との接触を検知
    し、接触検知信号を出力する刃先位置接触検知部と、 工具刃先を接触検知する刃先位置計測モードおよび工具
    剛性を検出する工具剛性計測モードを実行する計測モー
    ド発生手段と、 前記接触検知信号受信時の刃先位置データを出力し、工
    具剛性計測時の測定子押圧過程での軸移動量を送出する
    刃先位置検出手段と、 前記測定子押圧過程において工具により押圧された前記
    測定子の変位量を検出し、変位検出信号を出力する測定
    子変位量検出部と、 前記測定子押圧過程での軸移動量と前記測定子変位量検
    出部から検出された測定子変位量から工具剛性を演算す
    る刃先剛性演算部とを設けたことを特徴とする工具刃先
    検出装置。
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