JPH10302344A - 磁気記録再生装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価かつ簡単な構成でタイムラプスＶＴＲの
ようなテープのいろいろな部分でブランクが発生するよ
うな場合に於いても自動的に最新の録画終了位置を検出
し、次の記録を開始すること。 【解決手段】 テープを高速で移送するテープ高速移送
手段と、前記テープの走行位置を検出するテープ位置検
出手段とを有する磁気記録再生装置に、前記テープ位置
検出手段から得られるテープ走行位置を記憶する記憶手
段と、テープを低速で移送するテープ低速移送手段とを
設けて、録画終了時点でのテープ走行位置を前記記憶手
段に記憶しておいて、次の録画を開始するときには前記
記憶手段に記憶されたテープ走行位置と前記テープ位置
検出手段によって得られるテープ走行位置とを比較しな
がら前記記憶手段に記憶されたテープ走行位置近傍まで
前記高速移送手段によってテープを移送した後、前記テ
ープ低速移送手段によって前記記憶手段に記憶されたテ
ープ走行位置までテープを移送して録画を開始するよう
にする。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ビデオテープレコ
ーダ（以下「ＶＴＲ」という）に関するものであって、
既に録画された番組等の終了位置を検索し、次の番組等
をその位置から録画する際の操作性を向上させるもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】磁気記録再生装置に於いて、磁気テープ
に録画された内容を一旦鑑賞した後、前に録画された内
容を消さずに新たに録画する場合には、前の録画終了位
置を検索しなければならない。この録画終了位置検索方
法としての従来技術について説明する。

【０００３】録画した番組の終了位置を検索する方法と
しては、磁気テープの走行スピードを制御するためのサ
ーボのコントロール信号（以下「ＣＴＬ信号」という）
やリニアオーディオ信号を利用をするものがある。この
方法は、磁気テープを移送してコントロール信号やリニ
アオーディオ信号が記録されていない部分を検出し、そ
の位置を録画番組の終了位置とする、ブランクサーチと
言われる方法である。

【０００４】また、テープを巻き取り又は供給するため
のＳリール及びＴリールにそれぞれ回転速度検出器を設
けて、録画終了時点でのＳリールとＴリールの回転速度
の違いから録画終了位置のテープ残量情報を計算し、そ
の値を記憶しておいて、次の記録開始時には、記憶され
たテープの位置までテープを移送した後、記録動作を行
う技術が特開平５−１２８８１７号公報に開示されてい
る。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】一般家庭用のＶＴＲで
は、録画と録画の間のつなぎ目の部分に発生する画面乱
れを防止するため、録画終了時にテープを少し巻き戻
し、つなぎ取り部分に生ずるＣＴＬ無記録（ブランク）
部分が発生しないようにしている。ところが、カメラ等
と組み合わせて使用される長時間記録が可能なタイムラ
プスＶＴＲ等では、監視等を目的とするため録画全部分
が重要であり、一般家庭用ＶＴＲのように録画終了時に
テープを巻き戻すようなことは行わない。従って、録画
と録画の間のつなぎ目の部分にＣＴＬ等が記録がされて
いないブランク部が発生する。そのため、上述のブラン
クサーチのように単にコントロール信号やリニアオーデ
ィオ信号の無記録部分を検索するだけでは、最新録画の
終了位置を検出できない。

【０００６】また、残量検出機能を用いて記録終了時の
テープの絶対位置を得る方法では複雑な残量計算処理が
必要であり、かつＳリールのリールセンサのみならずＴ
リールのリールセンサも必要となり、部品のコストアッ
プも余儀なくされる等の課題があった。

【０００７】本発明は、上記の課題を解決すべく比較的
安価かつ簡単な構成でタイムラプスＶＴＲのようなテー
プのいろいろな部分でブランクが発生するような場合に
於いても自動的に最新の録画終了位置を検出し、次の記
録を開始する方法を提供するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】テープを高速で移送する
テープ高速移送手段と、前記テープの走行位置を検出す
るテープ位置検出手段とを有する磁気記録再生装置に、
前記テープ位置検出手段から得られるテープ走行位置を
記憶する記憶手段と、テープを低速で移送するテープ低
速移送手段とを設けて、録画終了時点でのテープ走行位
置を前記記憶手段に記憶しておいて、次の録画を開始す
るときには前記記憶手段に記憶されたテープ走行位置と
前記テープ位置検出手段によって得られるテープ走行位
置とを比較しながら前記記憶手段に記憶されたテープ走
行位置近傍まで前記高速移送手段によってテープを移送
した後、前記テープ低速移送手段によって前記記憶手段
に記憶されたテープ走行位置までテープを移送して録画
を開始するようにする。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例について
説明する。図１は、本実施例のＶＴＲの回路構成を示し
たブロック図であり、図２は、本実施例のＶＴＲのマイ
コン処理を示したフローチャートである。

【００１０】図１のブロック図について説明する。本実
施例のＶＴＲは、磁気テープを格納するカセット１と、
磁気テープ２に情報を記録再生するためのシリンダー３
と、再生時や早送り時には磁気テープ２を送り出すＳリ
ール４及び磁気テープ２を巻き取るＴリール５と、サー
ボの制御を行うためのコントロール信号を記録再生する
コントロールヘッド６と、該コントロールヘッド６で記
録又は再生されたコントロール信号を処理するためのコ
ントロール信号処理回路７と、磁気テープ２を一定速度
で移送ならしめるためのキャプスタンモータ８と、該キ
ャプスタンモータ８制御するためのキャプスタンモータ
駆動回路９と、コントロール信号処理回路７から得られ
るデータを記憶するためのメモリ１０と、記録や再生等
のモードを変更するための操作部材１１と、以上のシス
テムを制御するマイクロコンピュータ１２から構成され
ている。尚、Ｓリール４及びＴリール５はキャプスタン
モータ８とベルト（図示せず）及びスリップ機構を有す
るギア（図示せず）を介して接続されている。

【００１１】また、テープの走行位置検出は、コントロ
ールヘッド６から再生されるＣＴＬ信号をコントロール
信号処理回路７で処理し、そのデータをマイクロコンピ
ュータ１２が監視することによって行う。このテープ走
行位置のデータ（カウンター値）は、ＣＴＬ信号の立ち
上がりをカウントし、この３０カウントをカウンターの
１カウントととしたもので、カウンターの１カウントが
１秒となり、テープを再生方向に移送するとカウンター
値がインクリメントし、巻き戻し方向に移送するとカウ
ンター値がデクリメントする。尚、メモリ１１に記憶さ
れたカウンター値Ａのリセットは、磁気テープの取り出
し又は挿入動作と同時に若しくは操作部材１１によって
行われる。

【００１２】以上のように構成されたＶＴＲについて、
その録画終了位置検索動作について図２を用いて詳しく
説明する。まず、録画を開始しようとする（Ｓ４）と最
初の録画の場合には、メモリ１０には何も記憶されてい
ないので最初の録画と判断（Ｓ５）して、即座に録画モ
ードに移行（Ｓ１４）して録画を開始する。次に録画を
終了しようとする（Ｓ１）と、録画終了時点のカウンタ
ー値Ａをメモリー１１に記憶（Ｓ２）し、停止モードへ
移行（Ｓ３）して録画を終了する。この後、テープを巻
き戻して録画部分をモニターした後、そのままテープ位
置より録画を開始しようとする（Ｓ４）と、メモリ１０
にカウンター値Ａが記憶されているため２回目移行の録
画と判断され（Ｓ５）、現在のカウンター値Ｂとメモリ
１０に記憶されたカウンター値Ａとの絶対値Ｃを算出す
る（Ｓ６）。

【００１３】この場合、通常、現在のカウンター値Ｂよ
りもメモリ１０に記憶されているカウンター値Ａの方が
大きいので（Ｓ７）、その差Ｃが例えば６０秒より大き
い場合には（Ｓ８）早送り動作に移行（Ｓ９）して（Ｓ
６）にもどる。この早送によるテープ移送中に現在のカ
ウント値Ｂとメモリ１０のカウント値Ａの絶対値を常に
計算しながら（Ｓ６）、その差Ｃの値が例えば６０秒よ
り小さくなれば（Ｓ８）、少し低速で送る疑似再生モー
ド（再生の速度で再生画は出力しないモード）へ移行を
行い（Ｓ１０）、同時にその差Ｃの値を計算し続ける
（Ｓ１１）。そして、その差Ｃの値が５秒より小さくな
れば（Ｓ１２）、ＣＴＬ信号の記録有無のチェックを行
い（Ｓ１３）、ＣＴＬ信号記録無し部が検出されたとこ
ろで正規の録画モードに移行（Ｓ１４）して録画を開始
する。尚、ＣＴＬ信号記録無しの判断は、マイクロコン
ピュータ１２によってなされ、コントロールヘッド６か
ら再生されるコントロール信号が一定期間検出されない
ときにＣＴＬ信号記録無しと判断する。

【００１４】また、（Ｓ７）で現在のカウンター値Ｂが
メモリに記憶されたカウンター値Ａより大きい場合に
は、即座に録画モードに移行（Ｓ１４）して録画を開始
する。尚、（Ｓ８）で早送りモードから直接録画モード
（Ｓ１４）に移行させず、疑似再生モード（Ｓ１２）へ
一旦移行させているのは、録画開始位置を正確に検出
し、かつ録画開始時のキャプスタンモータ８の速度が急
激に変化して録画開始時点の画像が乱れないようにする
ためである。この疑似再生モード（Ｓ１２）は録画のス
ピードと同一のため検索後即録画を開始しても録画再生
当時から正常に録画でき、記録優先のタイムラプスビデ
オ等に於いては、記録開始時点の画像を無駄にすること
なく記録ができ、特に有用である。

【００１５】ＣＴＬ信号記録無部の検出（Ｓ１３）を現
在のカウント値Ｂとメモリに記憶されたカウンタ値Ａの
差Ｃが５秒より小さくなってから行っているのは、カウ
ンタ値Ｂのズレを考慮したもので正確に録画終了位置を
割り出すためである。

【００１６】本実施例では録画停止時のテープ位置が現
在のテープ位置よりテープ終端側にある場合についての
み説明したが、逆の位置関係にある場合も巻き戻してテ
ープを移送することにより容易に実現可能であることは
言うまでもない。

【００１７】

【発明の効果】テープを取り出さない限り、録画部分を
鑑賞した後、煩わしい録画終了位置の検出を自分で行う
ことなく自動的に録画終了位置を検出して既に録画され
た部分を消すことなく次の録画を行うことができる。ま
た、録画終了検出時にキャプスタンモータのスピードが
録画モードと同一のスピードとなっているため録画開始
位置を正確に検出でき、かつ検索後すぐに録画を開始し
ても録画開始部分の画像が殆ど乱れることなく記録する
ことができ、タイムラプスＶＴＲ等の監視用ＶＴＲに特
に有効である。さらに、録画終了位置検出においては、
新たな部品を必要とせず、カウンター機能を有している
ＶＴＲで有れば本発明を実施することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例であるＶＴＲの構成を示した
ブロック図である。

【図２】本発明の一実施例であるＶＴＲのマイコン処理
を示したフローチャートである。

【符号の説明】

Ａ 録画終了時のカウンター値 Ｂ 現在のカウンター値 Ｃ カウンター値Ａとカウンター値Ｂの差の絶対値 １ カセット ２ 磁気テープ ３ シリンダー ４ Ｓリール ５ Ｔリール ６ コントロールヘッド ７ コントロール信号処理回路 ８ キャプスタンモータ ９ キャプスタンモータ駆動回路 １０ メモリ １１ 操作部材 １２ マイクロコンピュータ

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 映像を記録再生する記録再生手段と、テ
   ープを高速で移送するテープ高速移送手段と、前記テー
   プの走行位置を検出するテープ位置検出手段とを有する
   磁気記録再生装置において、前記テープ位置検出手段か
   ら得られるテープ走行位置を記憶する記憶手段を設け、
   録画終了時点でのテープ走行位置を前記記憶手段に記憶
   しておいて、次の録画を開始するときには前記記憶手段
   に記憶されたテープ走行位置と前記テープ位置検出手段
   によって得られるテープ走行位置とを比較しながら前記
   記憶手段に記憶されたテープ走行位置まで前記高速移送
   手段によってテープを移送して録画を開始することを特
   徴とする磁気記録再生装置。
2. 【請求項２】 請求項１の磁気記録再生装置において、
   テープを低速で移送するテープ低速移送手段を設け、前
   記記憶手段に記憶されたテープ走行位置までテープを移
   送する際に前記高速移送手段によって前記記憶手段に記
   憶されたテープ走行位置の近傍までテープを移送した
   後、前記テープ低速移送手段によって前記記憶手段に記
   憶されたテープ走行位置までテープを移送して録画を開
   始することを特徴とする磁気記録再生装置。
3. 【請求項３】 前記磁気記録再生装置がタイムラプスビ
   デオテープレコーダである請求項１または請求項２の磁
   気再生装置。