JPH10300693A - 小角散乱電磁波ct方法及び小角散乱x線ct装置 - Google Patents

小角散乱電磁波ct方法及び小角散乱x線ct装置

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JPH10300693A
JPH10300693A JP9109152A JP10915297A JPH10300693A JP H10300693 A JPH10300693 A JP H10300693A JP 9109152 A JP9109152 A JP 9109152A JP 10915297 A JP10915297 A JP 10915297A JP H10300693 A JPH10300693 A JP H10300693A
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JP9109152A
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Tatsumi Hirano
辰巳 平野
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】感度良く試料内部を観察できる小角散乱X線C
T装置を提供する。 【解決手段】小角散乱X線CT装置は、X線源1からの
X線を分光結晶2により所定の波長を有した入射X線3
に分光して試料4に照射し、この試料4から小角度の散
乱角2θに散乱した散乱X線5をアナライザー結晶6に
より回折させ、回折した該散乱X線5から散乱X線像を
検出する検出器7にて、試料4を回転台4aで回転しつ
つその散乱X線像を多数方向から得て散乱X線像群を計
測し、該散乱X線像群を用いて形成した小角散乱X線C
T像から高感度に試料内部構造を観察する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非破壊的に試料内
部を観察する小角散乱電磁波CT方法に係り、特に高感
度で試料内部構造を観察するに好適な小角散乱X線CT
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】二次元或いは三次元物体は、その投影像
の無限集合から一意的に再生できることが、1917年にJ.
Radonにより数学的に証明されているが、 その手法が実
用化され、広く普及するのは、G.HounsfieldによるCT
スキャナの開発は、1973年以降である。これは、CT方
法により物体の内部を非破壊的に観察できることが医療
診断として非常に有益であると認められたためである。
その後、CT方法はX線のみならず、電波からγ線に至
る光の波長や、電子線、超音波など広く利用されてい
る。さらに、医療診断用として確立したX線CT技術
は、近年各種工業材料の欠陥検査用としてその適用範囲
を拡大している。
【0003】そして、X線CT装置に関しては、特開昭
63−243851号公報において、被検体及び検出器の移動手
段による透過像の補間法について開示されている。上記
公報に代表されるX線CT装置に関し、図7にその従来
例を示す。X線源1からのX線3をスリット9等で適宜
成型した後、試料4に照射し、その透過X線像10を検
出器7で計測する。検出器7として一次元検出器を用い
れば、X線の進行方向に垂直な方向の各位置での透過X
線強度が計測できる。この透過X線強度から各位置での
X線の吸収量が計算できる。次に試料4を回転台により
所定の角度回転させて後、その透過X線像10を計測す
る。 この計測を試料の回転角が180゜あるいは360゜に
なるまで繰り返す。 測定した試料の回転角φと透過X
線像の位置xからなる二次元データを像再構成演算する
ことにより、X線が通過した試料断面のX線吸収係数μ
の分布が得られる。μは組成や密度に依存することか
ら、CT方法により試料内部の欠陥や密度分布を非破壊
で観察できる。
【0004】一方、入射X線は試料により吸収だけでな
く散乱も受ける。試料内部に電子密度差分布があると散
乱X線は散乱角に対して電子密度差分布を反映した強度
分布を有する。図8に小角散乱X線装置の一例を示す。
X線源1からのX線3をスリット9等で適宜成型した
後、試料4に照射する。試料4から散乱角2θで散乱し
たX線を検出器7で測定する。検出器7を散乱角で走査
して計測した散乱X線の強度分布から試料内部にあった
電子密度差分布の原因であるボイド等のサイズ、体積
率、数密度の情報が得られる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術には、以下に述べる点に課題がある。近年、セラ
ミックス、ガラス、金属複合材料において、耐熱強度や
機械強度の向上を目的に粒子やウィスカ等を分散させた
材料が検討されている。これらの粒子分散強化材料にお
いて、その機械的性質は材料中の粒子の分散状態に強く
依存する。このため粒子のサイズ、体積率、数密度、粒
子間距離等の分散状態を簡便に測定したいという要望が
有る。そして、従来技術でも、粒子の分散状態は小角度
に散乱したX線強度分布から間接的に算出することがで
きる。しかし、粒径分布を仮定するなどの不確定な要素
があるため、粒子の分散状態をより直接的に観察したい
という要求に応える課題が残っている。
【0006】一方、X線CT方法によれば試料内部の密
度分布を直接測定できるが、得られる情報はX線吸収係
数μであるため、密度分布に差があまりない場合には感
度が不十分であるという点にも課題がある。従って、本
発明の目的は、高感度で試料内部を観察できる小角散乱
電磁波CT方法及び小角散乱X線CT装置を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明による小角散乱電磁波CT方法の特徴は、射影像群を
用いて物体内部を像再構成する小角散乱電磁波CT方法
であって、前記射影像は前記物体に電磁波を照射して該
物体から小角度に散乱した散乱電磁波像であり前記射影
像群は多数方向から得た前記各散乱電磁波像の群である
点にある。
【0008】一方、本発明による小角散乱X線CT装置
の特徴は、物体にX線を照射して該物体から小角度に散
乱した散乱X線像を得る小角散乱X線CT装置であっ
て、該散乱X線像の多数方向から得た散乱X線像群を検
出可能とする手段を具備するところにある。
【0009】本発明によれば、X線を照射し試料から小
角度に散乱した散乱X線像群を射影像群として用いるの
で、従来の透過X線像群の利用に比べて、試料内部を高
感度に観察することができる。
【0010】以下、上記理由について説明する。最初
に、射影像として試料の透過X線像を用いた従来のX線
CTの射影像P(x',φ)は、次式で表される(図9参
照)。 P(x',φ) = ln (I0 / I ) = ∫ μ(x,y) dy' (数1) ここで、I0は入射X線強度、Iは透過X線強度、μはX
線吸収係数である。 次に、散乱X線が試料中のボイド
(数密度:m、1粒子当たりの電子数:N)によるものと
仮定し、射影像として散乱X線像(散乱角:2θ)を用い
た本発明での射影像P'(x',φ)は、次式で表される(図6
参照)。 P'(x',φ) = ( I' / I0 ) = ∫ μ' (x,y) dy' (数2) μ' = r0 2 Ω (N ・ψ )2 m ここで、I'は散乱X線強度、r0は古典電子半径、Ωは検
出素子の立体角、ψは散乱X線プロファイルを記述する
ボイドの外形関数である。 μ'は(数1)式でのμと同
形で記述できることから、 従来のX線CTの像再構成
アルゴリズムを用いることにより、 X線の入射断面で
のμ'の分布が計算できる。そして、X線の吸収を考慮
した原子散乱因子 (f=f1+i・f2)を用いると断層面
における各位置での微小変化量δμ,δμ’は、次式で
表される。 δμ ∝δ(n・f2)
(数3) δμ’∝ δ(N’・f1)2 (数4) ここで、δは微小変化量、nは単位体積中の原子数、
N’は1粒子当たりの原子数を示す。上式から、2乗の
項を含むδμ’は、δμに比べ、原子数(nまたは
N’)の変化に敏感であること、すなわち、本発明によ
る散乱X線像群を利用する小角散乱X線CTは、従来の
透過X線群を利用する小角散乱X線CTに比べて、感度
の高い計測が可能であることが分かる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。まず、第1の実施の
形態として、図1に示す第1実施例について説明する。
図1は、本発明による一実施例の小角散乱X線CT装置
を示す図である。図において、X線源1からのX線を分
光結晶2により所定の波長を有した入射X線3に分光し
た後、物体としての試料4に照射する。試料4により散
乱角2θに散乱した散乱X線5をアナライザー結晶6に
より回折させた後、検出器7により計測する。
【0012】分光結晶2及び試料4を、 各々ステッピ
ングモータで駆動される各回転台(2a,4a)上に設置
した。また、回転軸が試料4の回転台4aの回転軸と一
致するアーム(図示省略)上に設置したステッピングモー
タで駆動される回転台6a上に回折する結晶としてのア
ナライザー結晶6を設置した。さらに、回転軸がアナラ
イザー結晶6の回転台6aの回転軸と一致するアーム上
に設置したステッピングモータ駆動の回転台7a上に検
出器7を設置した。
【0013】各々の回転台(2a,4a,6a,7a)は、 計算機8
によるモータドライバ及びドライバコントローラなどの
各々の独立制御によって散乱X線5が検出器7で所望通
りに受けられるように回転制御される。X線源1には、
回転対陰極のX線発生装置を使用した。また、回転対陰
極にはCuを用いて、電子の加速電圧及び、電流は各々6
0kV、200mAとした。分光結晶2は、Siのチャン
ネルカット結晶を使用した。X線の回折面としては、
(220)面の対称反射を利用し、表面は鏡面研磨後、加
工歪を除去する目的でエッチング処理を施した。
【0014】分光結晶2に入射したX線は、 チャンネ
ルカット面内で4回反射した後、Cu-Kα1(0.1540nm)の
X線が分光結晶2より出射される。 X線をチャンネル
カット内で多数回反射させることにより、平行性の高い
出射X線を得ることができた。この理由は、結晶による
X線の反射率をRとし、これをn回反射させた後のX線
強度はRnとなり、Rの小さい領域では、実質上Rnは
0に近くなるからである。 試料4には、粒径450nmのポ
リスチレンを分散させて埋め込んだエポキシ樹脂棒を用
いた。アナライザー結晶6には、分光結晶と同様にSi
(220)のチャンネルカットを用い、X線の反射回数は
5回とした。検出器7には、位置分解能可変の二次元検
出器であるX線カメラ(最高分解能500nm)を使用した。
【0015】次に、本構成による小角散乱X線CTの計
測手順から動作について説明する。最初に、光学系の分
光結晶、アナライザー結晶、検出器を調整する。試料4
がない状態で分光結晶2からの出射X線をシンチレーシ
ョンカウンタ等でモニタしながら、分光結晶2が所定の
波長の入射X線3を出射するように、計算機8により分
光結晶2を調整する。次に試料4を回転台4a上に設置
し、試料4からの散乱X線5をアナライザー結晶6の入
射角を走査しながらシンチレーションカウンタ等で測定
する。その測定の結果を図2に示す。図2に示す内容か
ら、本光学系での最小分解能θ:2.35秒( 粒子径:6800
nmに対応)であることと、粒径450nmのポリスチレンから
の散乱X線強度の振動が観測できることが分かる。 そ
こで、アナライザー結晶6を散乱角約200秒(図中の
矢印)の位置に設定し、光学系の調整を終了した。
【0016】次に、上記光学系において試料4からの散
乱X線像をX線カメラで測定する。測定条件は、一素子
サイズ500nm、 1024×1024素子領域とし、X線
カメラからの信号をA/D変換し、フレームメモりに逐
次記録した後、計算機8にデータを記録した。次に、試
料4を所定の角度(本測定では1゜)回転させた後、試料
4からの散乱X線像をX線カメラで測定する。これを試
料4の回転角が180゜になるまで繰り返した。
【0017】そして、計算機8が、一旦記録した計測デ
ータとしての、散乱X線像の多数方向から得た散乱X線
像群としての散乱X線像P'(x',z',f)から、 従来のX線
CTで用いられているフィルタ補正逆投影法の像再構成
アルゴリズムにより、像再構成演算することによって小
角散乱X線CT像を形成し、マトリックスのエポキシ内
に埋め込まれたポリスチレン粒の三次元像を得ることが
できた。即ち、試料内部構造を観察することができた。
【0018】以上を纏めれば、本発明による小角散乱電
磁波CT方法の特徴は、n次元物体のn-1次元射影像
からn次元物体を像再構成するものであって、 射影像
群を用いて物体内部を像再構成する当該射影像は、物体
に電磁波を照射して該物体から小角度に散乱した散乱電
磁波像であり、射影像群は、多数方向から得た散乱電磁
波像の群であるところにある。一方、本発明による小角
散乱X線CT装置の特徴は、物体にX線を照射して該物
体から小角度に散乱した散乱X線像を多数方向から得て
散乱X線像群を検出する手段と、該散乱X線像群を用い
て物体内部を像再構成する手段とを具備する点にあると
言える。
【0019】そして、上記発明を利用して実現する一実
施例の小角散乱X線CT装置は、X線源1からのX線を
分光結晶2により所定の波長を有した入射X線3に分光
して試料4に照射し、この試料4から小角度の散乱角2
θに散乱した散乱X線5をアナライザー結晶6により回
折させ、回折した該散乱X線5から散乱X線像を検出す
る検出器7にて、試料4を回転台4aで回転しつつ、上
記の散乱X線像を多数方向から得て散乱X線像群を計測
し、該散乱X線像群を用いて物体内部を像再構成して形
成した小角散乱X線CT像から、高感度に試料内部構造
を観察するものであると言える。
【0020】上記のように本実施例においては、射影像
(群)として散乱X線像(群)を用いているために、通常の
X線CTに比べコントラストの高いCT像を得ることが
できた。また、本実施例においては、一般に利用されて
いるCT像のアルゴリズムや高速フーリエ変換専用のハ
ードプロセサの利用が可能となることから、散乱CT像
の像再構成計算の高速化が可能となる効果が有る。さら
に、本実施例においては、電磁波としてX線を利用する
ために検出器7にX線カメラが使用できることになり、
容易に散乱X線像の二次元検出が可能となり、計測時間
の短縮を図れるという効果が有る。また本X線カメラは
素子サイズ(位置分解能)の変更が可能であることから、
試料サイズに合わせた散乱CT像の計測が可能となる効
果が有る。
【0021】さらにまた、本実施例において、アナライ
ザ結晶6に5回反射のチャンネルカット結晶を使用して
いるため、検出器からみた試料の受光角度は数秒と非常
に小さくなり、試料4から設定角度以外に散乱したX線
が検出器に入らない。このため、バックグランドノイズ
が非常に少ない散乱X線像計測が可能となる効果が有
る。
【0022】次に、第2の実施の形態として、図1に示
した第1実施例の変形例について説明する。第2実施例
は、第1実施例において、アナライザー結晶6として非
対称反射結晶を用いた例である。非対称反射結晶は回折
面に対し非平行に結晶表面を切り出したもので、非対称
反射結晶への入射X線像を拡大する機能が有る。これに
より、検出器の分解能以上の散乱CT像の計測が可能と
なる。図3に、非対称反射結晶によるX線幅を拡大する
原理図を示す。非対称反射結晶としてSiの(111)を
用いた。この時、像の拡大率bは、次式で表される。 b=dout/din=sin(θB+α)/sin(θB−α) (数5) ここで、 doutは出射X線幅、 dinは入射X線
幅、θBはCu-Kα1線に対するブラッグ角、αは回折面
と結晶表面とのなす角である。本実施例では、α=11.5
゜の非対称反射結晶を用い、拡大率9倍の散乱X線像が
計測された。これにより、検出器の分解能を越えた散乱
CT像を得ることができた。
【0023】本実施例においては、アナライザー結晶と
して非対称反射結晶を用いたため、発明の実施形態1と
同様に、検出器からみた試料の受光角度は数十秒と小さ
くなり、試料4から設定角度以外に散乱したX線が検出
器に入らない。このため、バックグランドノイズが非常
に少ない散乱X線像計測が可能となる効果が有る。
【0024】次に、第3の実施の形態として、図4に示
す第3実施例について説明する。図4は、本発明による
他の実施例の小角散乱X線CT装置を示す図である。図
において、X線源1からのX線をスリット9により成型
及び平行化した後、試料4に照射する。試料4により散
乱角2θに散乱した散乱X線5をソーラスリット11で
制限した後、検出器7により計測した。試料4はステッ
ピングモータ駆動の回転台4a上に設置した。また、回
転軸が試料4の回転台4aの回転軸と一致するアーム1
3上に、ソーラスリット11及び検出器7を設置した。
各々の回転台4aとアーム13は計算機8により、モー
タドライバ及びドライバコントローラを経て回転制御さ
れる。
【0025】X線源1には、回転対陰極のX線発生装置
を使用した。回転対陰極にはCuを用い、電子の加速電圧
及び、電流は各々60kV、200mAとした。スリッ
ト9には、タンタル板による4象限スリットを使用し
た。開口1mm角のスリットを2組並べることにより、
平行度の高いX線を試料に入射することができた。試料
4には、SiC微粒子を分散させたAl棒を用いた。 検出
器7には入射窓にX線−可視光変換の蛍光膜を用いたフ
ォトダイオードアレイ(PDA、一次元検出器)を使用し
た。
【0026】次に、本構成による小角散乱X線CTの計
測手順について述べる。試料4がない状態でのX線をP
DAでモニタしながら、スリット9を調整する。次に試
料4を回転台上に設置し、PDAを所定の角度を維持し
つつ回転させて、散乱角2θの散乱X線像を計測する。
PDAからの信号をA/D変換し、フレームメモりに逐
次記録した後、計算機8にデータを記録した。次に、試
料を所定の角度(本測定では1゜)回転させた後、試料4
からの散乱X線像をPDAで測定する。これを試料の回
転角が180゜になるまで、繰り返した。得られた散乱
X線像群としての散乱X線像P'(x',f)から、通常のX線
CTで用いられているフィルタ補正逆投影法の像再構成
アルゴリズムにより、マトリックスのAl内に埋め込ま
れたSiC粒の二次元像を得ることができた。
【0027】本実施例においては、ソーラスリット11
を検出器前に設けることで、検出器からみた試料の立体
角を制限し、試料4からの所望の散乱X線のみを検出で
き、バックグランドノイズが少ない散乱X線像計測が可
能となる効果が有る。また、本実施例において、X線源
と試料4の間にNiのフィルタを挿入することによりCu-K
α線以外のX線強度を低減し、バックグランドノイズが
少ない散乱X線像計測が可能となる。
【0028】さらに、本実施例においては、結晶を使用
しないことから、X線強度の高い計測が可能になり、し
かも調整が簡便であるという効果が有る。またさらに、
本実施例では、一次元検出器を使用したため、X線カメ
ラに比べデータ量が少なくなり、高速で像再構成演算が
処理できるという効果が有る。本実施例の変形例とし
て、光源に赤外線発生器(レーザ、ランプ等)を、検出器
に赤外線検出器(冷却Si検出器、PDA等)を用いた。 試料
は赤外線に透過なSiで、Si中に存在する欠陥或いは空孔
による赤外線の散乱像群を測定し、上記と同様な手法に
よりSi中の欠陥分布像の観察が可能となった。
【0029】次に、第4の実施の形態として、図5に示
す第4実施例について説明する。図5は、本発明による
別の実施例の小角散乱X線CT装置を示す図である。本
実施例における散乱X線像の多数方向から得た散乱X線
像群を検出可能とする手段は、検出器7と計算機8と駆
動手段とを含み構成される。その内の検出器7と計算機
8とは、従来技術のX線CT装置を兼用することもでき
る。駆動手段としては、検出器7の測定面を試料4を透
過した散乱X線5に対し常に垂直方向に向けるように、
検出器7を駆動する対面手段を用いた。
すなわち、対面手段の1つの実施例は、回転台4
aの回転中心(即ち、回転軸)と同一の回転中心(即ち、
回転軸)を有して敷かれたレール12aと、このレール
12aに沿って検出器7を載置しながら移動する検出器
台12bとを含み構成されるものである。
【0030】尚、物体の小角度に散乱した散乱X線像を
多数方向から得て散乱X線像群を検出する手段が具備す
る駆動手段としては、上記のような対面手段があるが、
前述のように試料4を載せる回転台4aを回転する単独
の手段でも可である。また、試料4の回転台4aを回転
する手段と上記対面手段との組み合わせ手段でも可であ
る。組み合わせ手段の場合は、回転台4aの回転に対応
して検出器台12bの移動を制御することが望ましい。
換言すれば、散乱X線像の多数方向から得た散乱X線像
群を検出可能とする手段が有する駆動手段は、試料4ま
たは検出器7の少なくとも一方を回転するものであると
言える。しかし、試料4及び検出器7の両回転を対応制
御すれば、散乱X線像群のデータ採取(効率や精度など
の)の点で有効であり望ましいと言える。さらに、検出
器7またはX線源1を回転する方法は装置が大形化する
ので、試料4のみを回転する方法が好ましいと言える。
【0031】一方、 他の実施例の対面手段としては、
検出器7を載置して回転する回転台12cと、回転する
回転台12cを載せて入射X線3の方向に対し垂直方向
に移動する移動台12dとを含み構成される。即ち、検
出器7の測定面の中心を通る軸を回転軸とする駆動機構
を検出器7と試料4の間に設置し、入射X線3に対し垂
直方向に検出器7を移動させながら検出器7の測定面が
散乱X線5に対し常に垂直になるように検出器7を回転
させるものである。この場合も、試料4を載せて回転す
る回転台4aと、回転台12c及び移動台12dとの駆
動を対応制御しても可である。
【0032】そして、X線源1からのX線をスリット9
により成型及び平行化した後、試料4に照射する。試料
4により透過した透過X線10、または、散乱角2θに
散乱した散乱X線5を検出器7により計測した。試料4
はステッピングモータ駆動の回転台4a上に設置した。
また、検出器7は上述の手段をステッピングモータで駆
動した。各々の駆動は計算機8により、モータドライバ
及びドライバコントローラを経て制御される。X線源1
には、回転対陰極のX線発生装置を使用した。回転対陰
極にはCuを用い、電子の加速電圧及び、電流は各々60
kV、200mAとした。スリット9には、タンタル板
による4象限スリットを使用した。検出器7には、入射
窓にX線−可視光変換の蛍光膜を用いたフォトダイオー
ドアレイ(即ち、PDA,一次元検出器である)を使用し
た。
【0033】次に、上記構成による小角散乱X線CTの
計測手順について述べる。試料4がない状態での透過X
線をPDAでモニタしながら、スリット9を調整する。
次に、回転台上に載置した試料4を回転させながら試料
の透過X線像を測定することで、従来の透過X線像の計
測ができる。更に、PDAを所定の散乱角2θの角度に
上記の駆動手段により駆動させて、散乱X線像を計測す
る。PDAからの信号をA/D変換し、フレームメモり
に逐次記録した後、計算機8にデータを記録した。次
に、試料を所定の角度(本測定では1゜)回転させた後、
試料4からの散乱X線像をPDAで測定する。これを試
料の回転角が180゜になるまで繰り返した。得られた
散乱X線像P'(x',f)から、通常のX線CTで用いられて
いるフィルタ補正逆投影法の像再構成アルゴリズムによ
り、試料内部の二次元像を得ることができた。
【0034】本実施例においては、従来技術のX線CT
装置に、射影像としての試料からの小角度に散乱した散
乱X線像の多数方向から得て群とする散乱X線像群を検
出することを可能にする手段を備えることで、従来の透
過X線CT像だけでなく、本発明による小角散乱X線C
T像を簡便に測定できる。そして、該小角散乱X線CT
像から高感度に試料内部構造を観察することができると
いう効果が有る。さらにまた、従来技術のX線CT装置
から容易に改造することができる利点もある。
【0035】即ち、上記第4実施例の小角散乱X線CT
装置は、図7で示した従来技術のX線CT装置に、試料
から小角度に散乱した散乱X線像の多数方向から得た散
乱X線像群を検出可能とする手段を付加した装置であ
る。換言すれば、本発明による小角散乱X線CT装置の
別の特徴は、物体に対しX線を照射するX線CT装置に
おいて、物体を透過した透過X線だけでなく、物体から
小角度に散乱した散乱X線を多数方向から検出するため
に、物体からの散乱X線の方向に対し検出器を垂直に並
進させる機構(即ち、対面手段)や、回転軸が物体の回転
軸と一致するように検出器を回転させる駆動機構(即
ち、駆動手段)などを従来技術のX線CT装置に付加し
たところにある。そして、小角散乱X線CT装置の像再
構成演算する手段(一般には計算機8)においては、散乱
X線像群のデータを記録させる処理または/および(数
4)式を演算する処理が為されており、計算機8にはこ
れらの処理ステップ(プログラムソフト)、または、処理
ステップを書き込んだROMが追加される。
【0036】
【発明の効果】本発明による小角散乱X線CT装置によ
れば、射影像として散乱X線像を用いるため、従来技術
のX線CT装置に比べコントラストの高いCT像を得る
ことができるという効果が有る。また、本発明による小
角散乱X線CT装置によれば、検出器の前にアナライザ
ー結晶または/およびソーラスリットを設けることによ
り、検出器から見た試料の立体角を制限でき、バックグ
ランドノイズが非常に少ない散乱X線像計測が可能とな
る効果が有る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の小角散乱X線CT装置
を示す図である。
【図2】図1の小角散乱X線CT装置で測定した試料の
散乱X線強度分布を示す図である。
【図3】本発明による一実施例の非対称反射結晶により
X線幅を拡大する原理を示す図である。
【図4】本発明による他の実施例の小角散乱X線CT装
置を示す図である。
【図5】本発明による別の実施例の小角散乱X線CT装
置を示す図である。
【図6】本発明による小角散乱電磁波CT方法を示す図
である。
【図7】従来技術のX線CT装置を説明する図である。
【図8】従来技術の小角散乱X線装置を説明する図であ
る。
【図9】従来技術のX線CT方法を説明する図である。
【符号の説明】
1…X線源、2…分光結晶、2a,4a,6a,7a,
12c…回転台、3…入射X線、4…試料、5…散乱X
線、6…アナライザー結晶、7…検出器、8…計算機、
9…スリット、10…透過X線、11…ソーラスリッ
ト、12a…レール、12b…検出器台、12d…移動
台、13…アーム。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】射影像群を用いて物体内部を像再構成する
    小角散乱電磁波CT方法であって、 前記射影像は、前記物体に電磁波を照射して該物体から
    小角度に散乱した散乱電磁波像であり、前記射影像群
    は、多数方向から得た前記各散乱電磁波像の群であるこ
    とを特徴とする小角散乱電磁波CT方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、前記電磁波は、X線で
    あることを特徴とする小角散乱電磁波CT方法。
  3. 【請求項3】物体にX線を照射して該物体から小角度に
    散乱した散乱X線像を得る小角散乱X線CT装置であっ
    て、該散乱X線像の多数方向から得た散乱X線像群を検
    出可能とする手段を具備したことを特徴とする小角散乱
    X線CT装置。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記散乱X線像群を検
    出可能とする手段は、前記物体または前記散乱X線像を
    検出する検出器の少なくとも一方を回転する駆動手段を
    有することを特徴とする小角散乱X線CT装置。
  5. 【請求項5】請求項4において、前記駆動手段は、前記
    物体からの前記散乱X線を回折する結晶と回折した該散
    乱X線から散乱X線像を検出する前記検出器とを載置
    し、当該回転軸が前記物体の回転軸と一致する各回転台
    を各々独立して回転制御する手段を有することを特徴と
    する小角散乱X線CT装置。
  6. 【請求項6】請求項4において、前記駆動手段は、前記
    物体から前記検出器が検出する散乱X線の方向に対し前
    記検出器を垂直に対面させる手段を有することを特徴と
    する小角散乱X線CT装置。
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